IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立アプライアンス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-照明装置 図1
  • 特許-照明装置 図2
  • 特許-照明装置 図3
  • 特許-照明装置 図4
  • 特許-照明装置 図5
  • 特許-照明装置 図6
  • 特許-照明装置 図7
  • 特許-照明装置 図8
  • 特許-照明装置 図9
  • 特許-照明装置 図10
  • 特許-照明装置 図11
  • 特許-照明装置 図12
  • 特許-照明装置 図13
  • 特許-照明装置 図14
  • 特許-照明装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/20 20200101AFI20220418BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20220418BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20220418BHJP
   F21Y 105/18 20160101ALN20220418BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20220418BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220418BHJP
【FI】
H05B45/20
F21S8/04 100
H05B47/155
F21Y105:18
F21Y113:13
F21Y115:10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019021141
(22)【出願日】2019-02-08
(65)【公開番号】P2020129463
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2020-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 奨一
(72)【発明者】
【氏名】森 泰久
(72)【発明者】
【氏名】西 正和
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-033811(JP,A)
【文献】特開2014-054290(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0055335(US,A1)
【文献】特開2017-045624(JP,A)
【文献】特開2012-043603(JP,A)
【文献】特開2005-215789(JP,A)
【文献】特開2017-158668(JP,A)
【文献】特開2013-152934(JP,A)
【文献】特開2018-032565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
F21S 8/04
F21Y 105/18
F21Y 113/13
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子を備え、下向きに光を照射するよう基板に取り付けられる主光源を備える照明装置であり、
前記主光源は点灯時のピーク波長に470nm~480nmの波長を含めることが可能であり、昼光色の光を発する複数個の昼光色LEDと、電球色の光を発する複数個の電球色LEDと、青色の光を発する複数個の青色LEDとを備え、
前記昼光色LEDは、ピーク波長が430nm~460nmであり、
前記電球色LEDは、ピーク波長が550nm~650nmであり、
前記青色LEDは、ピーク波長が470nm~480nmであり、
現在の時刻が昼間と定められた期間にある場合には、前記青色LEDの出力を調整して、前記主光源の470nm~480nmの波長の出力量を増やし、
現在の時刻が夜間と定められた期間にある場合には、前記主光源の明るさを前記昼間より落とした調光量にして、前記昼光色LEDの出力を減じ、前記電球色LEDの出力を増加させ、前記青色LEDの出力を完全に停止させて、前記主光源の470nm~480nmの波長の出力量を減らすことを特徴とした照明装置。
【請求項2】
請求項に記載の照明装置であって、
外部の機器との通信手段を有し、
前記現在の時刻を、前記通信手段を用いて取得することを特徴とした照明装置。
【請求項3】
請求項に記載の照明装置であって、
前記通信手段はインターネット上のサーバーを含む別機器との接続であることを特徴とした照明装置。
【請求項4】
請求項に記載の照明装置であって、
前記通信手段はローカルエリアネットワーク上の別機器との接続であることを特徴とした照明装置。
【請求項5】
請求項に記載の照明装置であって、
前記通信手段は、前記照明装置を操作するための、時刻を記録することのできる操作インターフェースとの接続であることを特徴とした照明装置。
【請求項6】
請求項に記載の照明装置であって、
前記通信手段は、電波時計と同じ標準電波であることを特徴とした照明装置。
【請求項7】
請求項に記載の照明装置であって、
前記通信手段は、携帯電話網の電波であることを特徴とした照明装置。
【請求項8】
請求項に記載の照明装置であって、
前記通信手段は、GPS衛星からの電波であることを特徴とした照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
概日リズムが乱れることにより、時差ぼけのような症状や概日リズム睡眠障害を引き起こすことが知られている。一般的に、光を浴びることで概日リズムが調整されることが知られており、特に光の波長が480nm近傍の光色は効果が高く、このような光を適切な時間帯に浴びることにより、睡眠を促すメラトニンの分泌量が増加したり、目覚めを促すセロトニンが活性化されたりといった効果があることが知られている。
【0003】
特許文献1には、青色光には、日中に青色を含む光を浴びると、生体リズムを改善する効果があることが知られていると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-78011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
概日リズムを調整するための適切な波長の光を出力する照明装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
複数の発光素子を備え、下向きに光を照射するよう基板に取り付けられる主光源を備える照明装置であり、該主光源は点灯時のピーク波長に470nm~480nmの波長を含めることが可能であり、時刻に応じて主光源の470nm~480nmの波長の出力量を変化させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、概日リズムを調整するための適切な波長の光を出力する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るLED照明装置を示す図であり、斜め下方向から見たときの示す外観斜視図である。
図2】LED照明装置を斜め上方向から見たときの状態を示す外観斜視図である。
図3】LED照明装置を斜め下方向から見たときの状態を示す分解斜視図である。
図4】LED照明装置を斜め上方向から見たときの状態を示す分解斜視図である。
図5】LED照明装置の中央縦断面図である。
図6】セードを取り外してLEDカバーの一部を断面したLED照明装置を示す斜視図である。
図7】間接光カバーの一部を断面したLED照明装置を斜め上方向から見たときの状態を示す斜視図である。
図8】LED光源基板の一例を示す底面図である。
図9】間接光カバー及びセンサユニットを取り外したLED照明装置を斜め上方向から見たときの状態を示す斜視図である。
図10】電線の配線状態を示す図であり、間接光カバーを取り外したLED照明装置の要部拡大概略断面図である。
図11図5のA部拡大図である。
図12図5のB部拡大図である。
図13】リモコンのボタン操作により、主光源と間接光光源の点灯モードの移行を示す図である。
図14】電源基板に含まれる制御回路のブロック図である。
図15】本発明の機能を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
以下、本発明の実施形態に係るLED照明装置(LEDシーリングライト)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態では、LED照明装置1の一例をして、平面視して円形のものを例に挙げて説明するが、形状はこれに限定されず、例えば、四角形、六角形、八角形等の多角形のものにも適用することもできる。また、本実施形態では、以下、主光源として発光ダイオード(LED)を用いたLED照明装置1として説明するが、主光源はLEDに限定されるものではない。
【0011】
図1及び図2に示すLED照明装置1は、例えば、家屋の天井面に設けられる引掛ローゼットや引掛シーリング等の屋内配線器具(図示省略)に係合する取付アダプタ(図示省略)を介することによって、外部電源に接続されると共に天井面の所定位置に固定されて利用に供されるものである。LED照明装置1は、例えば、丸型や角型等のものからなる(本実施形態では丸型である)。なお、以下の説明において、LED照明装置1が天井面に取り付けられた状態を基準として、紙面上側が天井側(上面側)、紙面下側が床側(下面側)である。
【0012】
図3及び図4に示すように、LED照明装置1は、バックボーン11、アダプタ受け部12(絶縁板)、電源基板13、放熱板14、LED光源基板15(第1の光源基板)、LEDカバー16、センタカバー17、リング部材18、セード19、間接光光源基板20(第2の光源基板)、間接光カバー21(上方カバー)、センサユニット22等を備えて構成されている。
【0013】
バックボーン11は、鋼板(例えば、SECC(電気亜鉛メッキ鋼板))を略円形状に加工成形したベース部材であり、凹面が床側を向くように略凹状(皿状)に形成されている。また、バックボーン11の中央には、取付アダプタ(図示省略)が係止されるアダプタ取付孔11aが形成されている。
アダプタ受け部12は、難燃性及び電気絶縁性を有する合成樹脂(例えば、PP:ポリプロピレン樹脂等)で形成され、バックボーン11の下面にねじ固定されるリング形状の固定部12aと、この固定部12aの内周縁部から床側(下方)に延出する円筒部12bと、を有している。
図3に示すように、電源基板13は、図14の制御回路131を含む点灯回路基板等を有し、アダプタ受け部12(絶縁板)を介してバックボーン11にねじ止めされている。これにより、電源基板13は、バックボーン11と、後記する放熱板14とで囲まれた放熱空間内に、電気絶縁性を維持した状態で配置される。
【0014】
また、電源基板13は、この電源基板13の下面に固定された電源コネクタ13bに接続された電線24を介して、取付アダプタ(図示省略)と電気的に接続されている。電源コネクタ13aは、電源基板13とLED光源基板15、及び、間接光光源基板20を電線23でつなぐためのものである。これにより、LED照明装置1は、屋内配線器具(図示省略)、取付アダプタ(図示省略)、電線23,24、電源基板13をそれぞれ介して、給電されるように構成されている。
【0015】
制御回路131は、図14で示すように、点灯回路130等の制御を行うマイクロコントローラ1311、リモコンの信号を受信するリモコン信号受信部1312、点灯状態の記録などを行うEEPROM 1313などにより構成される。制御回路にはリアルタイムクロック1314やWiFi接続モジュール1315、電波時計用受信素子1316などを含んでもよい。また、WiFi接続モジュール1315はローカルエリアネットワークやインターネットへと接続される。
【0016】
放熱板14は、作動時に発熱する電源基板13、及び複数のLEDが実装されたLED光源基板15、及び、間接光光源基板20の熱を放熱して冷却する役割を果たす金属製部材である。後記するLED素子群15bのLEDは、熱に弱い性質がある。また、LEDは、使用時に、低電圧の大電流を流して高輝度発光を行うので、この発光に伴う発熱によってLED自体や、周囲の部材が劣化するため、この劣化を抑制して長寿命・高信頼性を実現するに、適切な放熱を行うことが求められる。
【0017】
放熱板14は、鋼板を略円形状に加工成形したものであり、床側に突出する円錐台形状の基板支持部14aが形成されている。また、放熱板14は、例えば、亜鉛メッキ鋼板等の熱伝導性の良好な金属を用いて構成され、しぼり加工を施すことによって、継ぎ目なく一体に成形されて、強度アップが図られている。また、放熱板14は、バックボーン11よりも大径に形成され、バックボーン11よりも径方向外側に突出するようにしてバックボーン11に取り付けられる。放熱板14は、この放熱板14の下面側に主光源の複数のLED素子(LED素子群15b)が下向きに光を照射するようにLED光源基板15(第1の光源基板)を配置し、放熱板14の上面側に後記する副光源の複数のLED素子20aが上向きに光を照射するように間接光光源基板20(第2の光源基板)を配置している。補足すると、LED光源基板15は、放熱板14の下面側に、当該下面に添うように配置されている。また、間接光光源基板20は、高さ(厚さ)を抑えるように、放熱板14の上面側(後記する環状部14cの上面)に、当該上面に添うように配置されている。
【0018】
なお、放熱板14の径方向の中心には、アダプタ受け部12の円筒部12bと対応する位置に円形の貫通孔14bが形成されている。また、放熱板14の外周部には、水平に形成された円形の環状部14cと、環状部14cの外周部に形成されたカバー取付部14eと、を有している。環状部14cの下面には、後記するセード19を掛止するための受け具14d(図3参照)が120°間隔で3箇所に取り付けられている。図4に示すように、環状部14cの上面側には、環状部14cの上面にねじ止めされる間接光光源基板20と、この間接光光源基板20を覆う間接光カバー21と、が配置されている。
【0019】
図5図11及び図12に示すように、カバー取付部14eは、間接光カバー21が取り付けられる部位であり、放熱板14の外周部に略テーパ状に拡開して形成されている。カバー取付部14eの上部の環状部14c(放熱板14の外周部)には、間接光光源基板20がリング状に載設されて、副光源の多数のLED素子20aが配置されている。
【0020】
図6及び図10に示すように、電線挿通孔14fは、上側方向に向けて拡開するように傾斜した窪み状に形成された収納凹部14hの外周壁に穿孔された貫通孔からなる。電線挿通孔14fには、複数の電線23が配線されている。電線挿通孔14gは、環状部14cに穿孔された貫通孔からなり、前記電線挿通孔14fから引き出された電線23が配線されている。収納凹部14hは、電線23が接続された電源基板13が内設される収納空間である。
【0021】
LED光源基板15(第1の光源基板)は、バックボーン11の下面側に放熱板14を介在して配置されたリング形状の配線基板15aと、この配線基板15aの一面側(床面側)に同心円状に配置された複数のLEDが半田付け等によって実装されている主光源のLED素子群15bと、を備えて構成されている。なお、LED素子群15bの詳細については後記する。
【0022】
配線基板15aは、例えば、アルミニウム合金製の略環状の金属板に絶縁層及び銅箔パターン等を形成することで構成され、あるいは、熱伝導性の良好な樹脂(例えば、ポリイミド樹脂等)の平板上に銅箔パターン、ソルダーレジスト等を形成することで構成されている。また、配線基板15aは、放熱板14にねじ止めされている。
【0023】
本実施形態では、前記のような構成のバックボーン11と、放熱板14とを備えることによって、放熱空間の容積を大きくし(放熱空間の空気の量を多くし)、電源基板13及びLED光源基板15の放熱効率の向上を図っている。その結果、LED素子群15bの発光効率を高くできる。
【0024】
図3及び図8に示すLED光源基板15は、18畳用のLEDの配列パターンの一例を示している。図8に示すように、LED素子群15bは、昼光色(D色)の光を発する複数個の昼光色LED(Light Emitting Diode)15b1と、電球色(L色)の光を発する複数個の電球色LED15b2と、青色の光を発する複数個の青色LED15b3と、保安灯用のLED15b4と、を備えて主光源を構成されている。また、LED光源基板15の外周端には、外側に向けて突出形成された略円弧形状の突出片15cと、突出片15cの基端部に形成された電線挿通孔15d(図4参照)と、突出片15cに載設されて電線23に接続された3つのコネクタ部15e(図6参照)と、有している。
【0025】
昼光色LED15b1は、ピーク波長が430nm~460nmのものであり、外周側から内周側にかけて同心円状に複数列(例えば、9列)に形成されている。
【0026】
電球色LED15b2は、ピーク波長が550nm~650nmのものであり、同心円状に複数列配置された各列において昼光色LED15b1を間に挟んで配置されている。すなわち、電球色LED15b2は、同心円状の各列において、周方向に2個の昼光色LED15b1を間に挟んで配置されている。内周側から2列目における電球色LED15b2は、1個または2個の昼光色LED15b1を間に挟んで配置されている。また、昼光色LED15b1と電球色LED15b2とは、同心円状の各列において、周方向に向けて等間隔または略等間隔に配置されている。
【0027】
青色LED15b3は、ピーク波長が470nm~480nmのものであり、同心円状に複数列配置された昼光色LED15b1と、電球色LED15b2の最外周と最内周との間において、周方向に間隔を空けて円環状に配置されている。図8の実施形態において、昼光色LED15b1と電球色LED15b2とが配置された列は、円環状に配置された青色LED15b3の内周側には同心円状に5列配置、外周側には同心円状に4列配置となっている。
【0028】
図8に示すLED素子群15bは、例えば、275個の昼光色LED15b1、142個の電球色LED15b2、及び、41個の青色LED15b3によって構成されている。青色LED15b3の数は、昼光色LED15b1及び電球色LED15b2の合計数の10%程度とすることが好ましい。
【0029】
なお、放熱板14及びLED光源基板15には、LED素子群15bから光を床側に反射させる白色塗料によって反射塗装が行われている。
【0030】
LEDカバー16は、複数のLED素子群15bから発せられた光束を表面側(床側)へ導く機能と、LED光源基板15を放熱板14に対して密着させるように押圧する機能と、主光源であるLED素子群15bの下面側全体を覆う機能等を有している。
【0031】
LEDカバー16は、例えば、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)等の透光性及び電気絶縁性を有する樹脂を用いて、射出成形等によって一体成形されている。特に、透明性、コスト及び成形性の点においてポリスチレンを使用することが好ましい。また、LEDカバー16に用いられる材料は、透光性及び電気絶縁性を備えるものであれば、樹脂に限定されるものではなく、ガラス等であってもよい。
【0032】
図6に示すように、LEDカバー16は、LED光源基板15の発光面(LED素子群15bが実装されている面)全体を覆う略円形状のLEDカバー部16aと、LEDカバー部16aの外周縁部から背面側(天井側)に向けて延びる円筒状の壁部16bと、壁部16bの上端(背面側)から径方向外側に向けて突出するつば部16cと、LED光源基板15を収納する基板収納部16dと、を有している。
【0033】
また、LEDカバー16では、LEDカバー部16aが放熱板14の基板支持部14aにねじ固定され、つば部16cが放熱板14の環状部14cにねじ固定されている。
【0034】
壁部16bは、LEDカバー部16aに対して略直交する方向に延びて形成されている。また、壁部16bには、図示しない切欠きが形成され、LEDカバー16内の熱を外部に逃すことができるようになっている。なお、切欠きの開口面積は、使用者の指が挿入できない大きさに設定されている。これにより、使用者が手(指)で直接にLED光源基板15に触れるのを防止できる。
【0035】
つば部16cは、LEDカバー16をLED光源基板15の外周側において放熱板14に固定する固定部である。つば部16cは、周方向に沿って延在し、3箇所に分割されて形成されている。基板収納部16dは、つば部16cから傾斜して窪んだ状態に形成されて、その内底部位にLED光源基板15が水平に配置されて、LED素子群15bが収容されている。
【0036】
図6は、LED光源基板15の下側に一部断面を有するLEDカバー16を取り付けた状態の一例を示す斜視図である。図8に示すLED素子群のLEDは、図6に示すLEDカバー16において、対応する複数のドーム形状部16a2を介して光を床側に出射するように構成されている。本実施形態では、1個のLEDの組を、一つのドーム形状部16a2内に収容しているが、ドーム形状部16a2内に収容されるLEDの数はこれに限定されない。例えば、一例を挙げると、一つのドーム形状部16a2内に配置される2個のLEDの組のうち、一方は昼光色LED15b1であり、他方は電球色LED15b2である。
【0037】
センタカバー17は、装置本体の中央において露出する取付アダプタ(図示省略)を覆う部材であり、例えば、難燃性を有する合成樹脂(例えば、PP:ポリプロピレン樹脂)によって形成されている。また、センタカバー17は、円板状に形成され、LEDカバー16に着脱自在に取り付けられている。
【0038】
リング部材18は、リング部の内周側が透光材からなるセード19の外周側に保持され、リング部の外周側がセード19の外周よりも外側に突出するように構成されている。リング部材18は、光透過性を有する材料で形成されている。
【0039】
図5に示すように(併せて図3及び図4に示すように)、LEDカバー部16aは、径方向の中央部に円形の貫通孔16a1が形成されている。LEDカバー部16aには、LED光源基板15のLED素子群15b(昼光色LED15b1、電球色LED15b2、青色LED15b3)のそれぞれに対応する位置にドーム形状部16a2が形成されている。なお、ドーム形状部16a2は、レンズ機能を有するものであり、昼光色LED15b1、電球色LED15b2及び青色LED15b3からの光束を拡散等させる部材である。
【0040】
セード19は、透光性(透明、半透明、または、乳白色を含む)を有する樹脂製(例えば、アクリルや、ポリスチレン等)の透光カバーであり、ドーム状に構成されている。セード19は、光源(LED素子群15b)から放射された光束を拡散させて、使用者がLED照明装置1を直視した際のまぶしさを軽減したり、LED照明装置1が設置された空間の明るさを均一化したりする役割を果たす。セード19は、放熱板14の受け具14dによって、着脱自在に係合保持されている。
【0041】
図9に示すように、間接光光源基板20(第2の光源基板)は、放熱板の上面側の外周部に、この外周部の全体の位置から光を照射するように配置されている。間接光光源基板20は、3枚の略扇形状の基板をC字状に配置して連結して構成され、複数の副光源としてのLED素子20aが実装されている。図9では、LED素子20aは168個が搭載されている。LED素子20aは、それぞれ異なる波長を出力する複数種類のLED素子を組み合わせてもよいし、その一部または全部は、たとえば青色LED15b3と同様の波長をもたらす副光源としてもよい。あるいは電球色LED15b2よりピーク波長の長い650nm以上の波長を出力する副光源としてもよい。間接光光源基板20は、円周方向の端部に設けられた基板接続用のコネクタ20bと、コネクタ20b間に配線された基板接続用の電線20cと、電源接続用の電線23と、この電線23を挿通するための配線用切欠部20eと、配線用切欠部20eの近傍に取り付けられた電源接続用のコネクタ20dと、を備えている(この例では間接光光源基板20は円弧状の3つ基板が連結して構成されている)。そして、間接光光源基板20は、放熱板14の上面側の周部の環状部14c上にねじ止めて配置されている。
【0042】
このため、図11及び図12に示すように、LED素子20aは、放熱板14の上面側の周部全体の位置から光を照射するように配置されている。また、LED素子20aは、LED光源基板15の外周部よりも外周側に配置されている。
【0043】
間接光光源基板20(第2の光源基板)の上部側には、この間接光光源基板20を上方から覆う環状の透光製樹脂からなる間接光カバー21(上方カバー)が設けられている(図3参照)。間接光カバー21は、副光源のLED素子20aから放射された光を反射する反射部21a,21bと、間接光光源基板20の上面を覆う基板収容部21cと、基板収容部21cに上面側に形成された山状部21dと、間接光カバー21の内縁に形成された内縁部21e(図3図4及び図7参照)と、山状部21dの外周部に形成された外縁部21fと、を有している。
【0044】
図11に示すように、反射部21aは、山状部21dの内面(天井面)から下方向に向けて突出形成された略環状の突出片からなり、外側面でLED素子20aから放射された光を外周方向に向けて反射するように形成されている。また、図12に示すように、反射部21bは、山状部21dの内面(天井面)から下方向に向けて形成された略環状の肉厚部からなり、外側壁面でLED素子20aから放射された光を外周方向に向けて反射するように形成されている。なお、反射部壁外周面に反射率の高い、反射シート等を取り付けたり、光を反射する反射材を塗装したりすることで、より効率よく、光を外周部へ出射することができる。下面視して略環状に形成された反射部21a,21bは、センサユニット22が配置されている箇所では、それを避けるために、凹形状(略C字形状)に折曲がった形状に形成されている。
【0045】
基板収容部21cは、山状部21dと、山状部21dの内周部側に形成された平らな環状部位と、から形成されている。山状部21dは、間接光光源基板20の上面と、間接光カバー21の下面との間に反射部21a,21bを形成するための空間を形成する部位である。山状部21dは、上面が縦断視して山状(三角形状)に形成されて、上側に膨らんだ状態に形成されている。
【0046】
図7に示すように、内縁部21eは、間接光光源基板20の内縁部の内周部に形状するように形成されている。図11及び図12に示すように、外縁部21fは、山状部21dの外周部から下側方向に向けて形成されて、放熱板14のカバー取付部14eの外周面を覆うように配置されている。
【0047】
図3及び図4に示すように、センサユニット22は、例えば、LED照明装置1が設置された環境(空間)の明るさに応じてLED素子群15bへの供給電力を変化させて、LED照明装置1下で一定の照度が得られるようにする機能を提供する。また、LED照明装置1下の照度を検知する。センサユニット22は、間接光光源基板20のC字状に切欠形成された部位の上部に取り付けられている。
【0048】
[作用]
次に、図5図11及び図12を主に各図を参照しながら本発明の実施形態に係るLED照明装置1の作用を説明する。
【0049】
図1及び図2に示すLED照明装置1は、電源及び電源回路(図示省略)から電力を供給されることによって動作する。その電源回路は、電源の電力を所定の電圧あるいは電流に調整する機能を有する。また、LED照明装置1は、受光部(図示省略)でリモコンから出力される信号(例えば、赤外光)を受信して、受信した信号を制御部(図示省略)に送信する機能を有する。
【0050】
また、図点灯回路は、制御部から受信した制御信号に基づいて、昼光色LED15b1、電球色LED15b2、青色LED15b3を駆動する機能を有する。また、点灯回路(図示省略)は、制御部から受信した制御信号に基づいて、昼光色LED15b1、電球色LED15b2、青色LED15b3を駆動する駆動電流を個別に変更する機能を有する。
【0051】
リモコン(図示省略)は、ボタンを操作することによって、設定された信号を出力する機能を有し、例えば、点灯モードとして、全灯モード、明るさアップモード、青色LED追加モード、明るさアップモード+青色LED追加モード等に設定することができるようになっている。ちなみに、昼間に概日リズムを調整するときは、リモコンの所定のボタンを押下すると、昼光色LED15b1と電球色LED15b2の明るさが増すとともに、青色LED15b3が点灯して青緑色光をプラスし、さらに明るく、より太陽光に近い自然な明かりを実現する。これにより、概日リズムが昼間の状態に調整される。また、以降に記載している間接光光源基板20上の多数のLED素子20aの点灯や消灯に関する間接光(ひろびろ光)モードもリモコンの所定のボタンを押下する事で設定することができる。間接光(ひろびろ光)モードはボタンを押下する度に点灯状態を任意に変更でき、例えば主光源点灯時の操作の場合、主光源のみ点灯→主光源+間接光点灯→間接光のみ点灯→主光源のみ点灯といったように、点灯状態を選択することが出来る(図13参照)。さらに点灯モードと間接光モードとを組み合わせることで、LED照明装置1について、より好みに合った点灯状態を選択することができる。
【0052】
また、放熱板14の上面側には、間接光光源基板20を上方から覆う透光性の間接光カバー21を備えると共に、その間接光カバー21は、間接光光源基板20上の複数のLED素子20aから放射された光を外周方向に反射する反射部21a,21bを有している。このため、LED素子20aから照射された光は、間接光カバー21の反射部21a,21bによって外周方向に反射されるので、外周方向(横方向)を照射して、部屋全体を明るく照明することができる。LED素子20aに主光源と異なる波長を出力する種類のLED素子を組み合わせた場合には、外周方向に照射する光に限って色温度を変更することも可能である。
【0053】
[動作の説明]
次に、本実施例の照明装置の特徴である、人体の概日リズム(生体リズム、あるいはサーカディアンリズム)を整える機能(以下本機能)の動作について図15により説明する。
【0054】
図15は、制御ブロック図を示しており、
リモコンのボタン押下や電源基板への電源投入から点灯指示を判定し、本機能の有効無効を判断するS001、S001からの機能動作開始指示を受け、現在時刻を取得するS002、S002からの現在時刻に応じて主光源の調光量を決定するS003、S002からの現在時刻に応じて主光源の調色量を決定するS004、S002からの現在時刻に応じて副光源の調光量を決定するS005、S002からの現在時刻に応じて副光源の調色量を決定するS006、S003からの主光源の調光量とS004からの主光源の調色量から主光源の青色の出力度合いを決定するS007、S003からの主光源の調光量とS004からの主光源の調色量から主光源の電球色の出力度合いを決定するS008、S003からの主光源の調光量とS004からの主光源の調色量から主光源の昼白色の出力度合いを決定するS009、S005からの副光源の調光量とS006からの副光源の調色量から副光源の青色の出力度合いを決定するS010、S005からの副光源の調光量とS006からの副光源の調色量から副光源の電球色の出力度合いを決定するS011、S005からの副光源の調光量とS006からの副光源の調色量から副光源の昼白色の出力度合いを決定するS012、によって構成される。図15で示されるブロックは繰り返し実行され、即時的に調光や調色が行われる。
【0055】
人体の概日リズムを整えるためには、適切な時間に適切な波長の光を照射することが必要である。このため、現在の時刻から、青色をどの程度出力し、電球色をどの程度出力し、昼光色をどの程度出力するかを決定する。
【0056】
まず、S001でリモコンの対応ボタン押下や、電源基板への電源投入などによる点灯指示を受けることで本機能が動作を開始する。
【0057】
次に、S002ではリアルタイムクロック1314により現在の時刻を取得する。
【0058】
現在の時刻は電波時計受信素子1316により取得してもよいし、WiFi接続モジュール1315を介してローカルエリアネットワークやインターネットへと接続し、時刻サーバーや別の機器と同期することにより現在時刻を取得してもよい。あるいは携帯電話網の電波やGPS衛星からの電波により現在時刻を取得してもよい。リモコン内で現在時刻の情報を保持しているは、リモコン信号に現在時刻の情報を含め、リモコン信号受信部1312から得てもよい。また、リアルタイムクロック1314は、長期間稼働することによりずれを生じることがあるため、リモコンやWiFi接続モジュール1315を介したローカルエリアネットワークやインターネット上から通信処理を行い、時間調整を行ってリアルタイムクロックの時刻を再設定してもよい。リアルタイムクロック1314に直接無線モジュールなどを接続され、自動的に時刻を設定するようにしてもよい。
あるいは、現在時刻の取得を行わずに、リモコンから現在時刻からの相対時間により青色の出力増加の開始までの時間や終了までの時間を指示してもよい。
【0059】
現在時刻に基づいて、S003では主光源の調光量、S004では主光源の調色量、S005では副光源の調光量、S006では副光源調色量を決定する。ここで、調光量は光源全体の明るさを、調色量は青色・電球色・昼白色の出力の割合を示すパラメータである。ここで、昼間(たとえば午前3時から15時の間)には主光源をより明るい調光量にし、青色LED15b3や、副光源のLED素子20aの出力を調整し、青色の出力を増加させるといった調色量を求める。逆に夜間(たとえば15時から27時(次の日の午前3時))の間には主光源の明るさを昼間より落とした調光量にして、昼光色LED15b1や青色LED15b3や副光源のLED素子20aの出力といった青色のピーク波長に寄与する光源の出力を減じ、電球色LED15b2のようなピーク波長の長い光源の出力を増加させるような調色量を求める。特に、青色LED15b3は夜間に出力することで概日リズムを崩す可能性があるため、完全に出力を停止させることが望ましい。
【0060】
また、青色の出力を増加させる期間や、青色の出力を減少させたり電球色の出力を増加させたりする期間は照明装置固有の時刻に固定してもよいし、季節や天気、日の出日の入りの時刻などの条件によって変動してもよいし、照明装置の使用者が自由に設定できてもよい。
【0061】
さらに、主光源と副光源の青色・電球色・昼白色のそれぞれの出力の度合いについては、照明装置固有の割合にしてもよいし、照明装置の使用者が自由に設定できてもよい。照明装置の使用者が自由に設定できる場合は、夜間に青色を多く出力するなどの設定を行うなどして概日リズムを崩すことがないように、設定に制限を設けてもよい。
【0062】
青色・電球色・昼白色の出力の度合いを変更するのは、昼間(たとえば午前3時~15時)と夜間(たとえば15時~27時)の2パターンでもよいし、より細かな段階を持たせてもよい。
【0063】
青色・電球色・昼白色の出力の度合いを変更する際には、瞬時に度合いを切り替えてもよいし、1秒から5秒程度、あるいはそれ以上の10分などの時間をかけて徐々に出力の度合いを変更していってもよい。
時刻に応じて求めた主光源や副光源の調光量・調色量はS007~S012へ渡される。
S007で求めた主光源の青色の出力度合いによって青色LED15b3の点灯回路が駆動され、S008で求めた主光源の電球色の出力度合いによって電球色LED15b2の点灯回路が駆動され、S008で求めた主光源の昼白色の出力度合いによって昼光色LED15b1の点灯回路が駆動され、S010で求めた副光源の青色の出力度合いと、S011で求めた副光源の電球色の出力度合と、S012で求めた副光源の昼白色の出力度合いによって副光源のLED素子20aの点灯回路がそれぞれ駆動される
以上により、概日リズムを調整するための適切な波長の光を出力する照明装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 LED照明装置
13 電源基板
130 点灯回路
131 制御回路
1311 マイクロコントローラ
1312 リモコン信号受信部
1313 EEPROM
1314 リアルタイムクロック
1315 WiFi接続モジュール
1316 電波時計用受信素子
15 LED光源基板(第1の光源基板)
15b LED素子群(LED素子)
15b1 昼光色LED
15b2 電球色LED
15b3 青色LED
20,20A 間接光光源基板(第2の光源基板)
20a LED素子
S001 機能動作の有効・無効判定手段
S002 現在時刻を取得する手段
S003 主光源の調光量を決定する手段
S004 主光源の調色量を決定する手段
S005 副光源の調光量を決定する手段
S006 副光源の調色量を決定する手段
S007 主光源の青色の出力度合いを決定する手段
S008 主光源の電球色の出力度合いを決定する手段
S009 主光源の昼光色の出力度合いを決定する手段
S010 副光源の青色の出力度合いを決定する手段
S011 副光源の電球色の出力度合いを決定する手段
S012 副光源の昼光色の出力度合いを決定する手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15