(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】自動化された組織ダイセクション機器、およびそれを用いる方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/04 20060101AFI20220418BHJP
C12M 3/08 20060101ALI20220418BHJP
【FI】
G01N1/04 G
C12M3/08
(21)【出願番号】P 2019546071
(86)(22)【出願日】2017-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2017078623
(87)【国際公開番号】W WO2018087155
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-11-06
(32)【優先日】2016-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(73)【特許権者】
【識別番号】507179346
【氏名又は名称】ベンタナ メディカル システムズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(72)【発明者】
【氏名】アディ,ニルス
(72)【発明者】
【氏名】エメリー,デール
(72)【発明者】
【氏名】パリー,ロバート・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゲレロ,レネ・エム
(72)【発明者】
【氏名】フォーミン,レオニード
(72)【発明者】
【氏名】ナオウリ,エマヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ロマノウィッチ,ピーター
【審査官】瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-504728(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0252935(US,A1)
【文献】特開平07-184908(JP,A)
【文献】Nils ADEY, et al.,A mill based instrument and software system for dissecting slide-mounted tissue that provides digital guidance and documention,BMC Clinical Pathology,英国,BioMed Central,2013年11月05日,vol.13, no.29,DOI:10.1186/1472-6890-13-29
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/04
C12M 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライド上の生体標本を自動的にダイセクションする機器であって、
ミリングチップインタフェースを備えるヘッド組立体と、
前記ヘッド組立体上へ取り付けられ、ミリングチップを保持するミリングチップ保持具を備える基部と、
前記基部上方で前記ヘッド組立体上へ取り付けられるステージと
を備え、
前記ステージは、緩衝液で充填可能であるフィルステーションを備え、
前記ヘッド組立体は、前記ミリングチップインタフェースを前記ミリングチップに自動的に固定すると共に、予め定められた体積の緩衝液で充填するために前記ミリングチップを前記フィルステーションへ移動させるように構成され、
前記充填されたミリングチップは、前記スライド上で前記生体標本を自動的にダイセクションするように構成されている機器。
【請求項2】
前記ステージ上に取り付けられたコレクションバイアルをさらに備え、
前記生体標本の前記ダイセクションを完了すると、前記ヘッド組立体は、前記ミリングチップを移動させ、前記コレクションバイアル内で前記ミリングチップを処分するように構成されている、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記ステージ上に取り付けられたコレクションバイアルをさらに備え、
前記ヘッド組立体は、前記生体標本の前記ダイセクションを完了すると、前記ミリングチップを移動させると共に、前記ミリングチップを前記コレクションバイアルの中に供給するように構成されている、請求項1または2に記載の機器。
【請求項4】
前記ヘッド組立体は、前記ミリングチップによって前記生体標本上へ印加される圧力を調節するように構成されている自動式の先端圧力アクチュエータをさらに備える、請求項3に記載の機器。
【請求項5】
複数のスライド上の生体標本を自動的にダイセクションする機器であって、
ミリングチップインタフェースを備えるヘッド組立体と、
前記ヘッド組立体上へ取り付けられ、対応する個数のミリングチップを保持する複数のミリングチップ保持具を備える基部と、
前記基部上方で前記ヘッド組立体上へ取り付けられるステージと
を備え、
前記ステージは、緩衝液で充填可能であるフィルステーションを備え、
前記ヘッド組立体は、前記ミリングチップを1つずつ自動的にかつ順次選択し、前記選択されたミリングチップインタフェースを前記選択されたミリングチップに固定し、前記固定されたミリングチップを前記フィルステーションへ移動させ、前記固定されたミリングチップが予め定められた体積の緩衝液で充填されるように構成され、
前記充填されたミリングチップは、前記スライド上の前記生体標本の一部を自動的にダイセクションするように構成されている機器。
【請求項6】
前記ステージは、ロードセルブロックを備え、
前記フィルステーションは、前記緩衝液で充填可能である貯槽を備え、
前記ミリングチップに供給される前記緩衝液の体積を監視し、前記ダイセクションを完了するのに十分な緩衝液が前記貯槽内で利用可能かさらに判定するために、前記ロードセルブロックは、前記貯槽内に収容される前記緩衝液の重量を継続的に監視する、請求項5に記載の機器。
【請求項7】
前記ヘッド組立体は、異なる色のバックドロップの選択を提供するバックドロップ組立体を備える、請求項5または6に記載の機器。
【請求項8】
前記ヘッド組立体は、スライドのバーコード、およびコレクションバイアルのバーコードを読み取るように構成されているバーコード読取装置をさらに備える、請求項6または7に記載の機器。
【請求項9】
前記ステージは、前記ミリングチップ、前記コレクションバイアル、および前記スライドの画像を取得するカメラを備える、請求項
8に記載の機器。
【請求項10】
前記ミリングチップの前記取得した画像は、各ミリングチップの存在およびサイズを支持し、
前記コレクションバイアルの前記取得した画像は、各ミリングチップの前記存在、およびその内部に収容された前記緩衝液の体積を支持し、
前記スライドの前記取得した画像は、前記スライド上へ定められた関心区域の前記ダイセクションの正確さを支持する、請求項9に記載の機器。
【請求項11】
前記ミリングチップおよび前記コレクションバイアルは、特定のために色分けされている、請求項10に記載の機器。
【請求項12】
複数のスライド上の生体標本を自動的にダイセクションする機器を用いる方法であって、
ミリングチップインタフェースを備えるヘッド組立体の上へ基部を取り付けるステップと、
前記ヘッド組立体の上へステージを取り付けるステップと、
複数のミリングチップを前記ステージ上の複数のミリングチップ保持具の中に配置するステップと、
前記ステージ内に形成されている対応するウェル内に複数のコレクションバイアルを配置するステップと
を含み、
前記ステージは、緩衝液で充填可能であるフィルステーションを備え、
前記機器は、動作を開始する命令を受信すると、プロセッサに以下の、
前記ミリングチップを1つずつ自動的にかつ順次選択し、
選択されたミリングチップごとに、前記ミリングチップインタフェースを前記選択されたミリングチップに固定し、前記固定されたミリングチップを前記フィルステーションへ移動させ、前記固定されたミリングチップが予め定められた体積の緩衝液で充填され、
前記選択されたミリングチップに、前記複数のスライドのうちの1つの上の前記生体標本の少なくとも一部をダイセクションさせる
動作を実行させるように構成されている方法。
【請求項13】
前記選択されたミリングチップの存在および/またはサイズを検証するステップと、
対応するコレクションバイアルの存在を検証するステップと、
ダイセクションの実行を完了すると、前記緩衝液が収集されたことを検証するステップと
のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ダイセクションされる複数の関心区域を含む注釈を付けられた基準スライドの画像を取得するステップと、
前記注釈を付けられた基準スライドの前記画像を前記複数のスライドのうちの少なくとも一部に転写し位置合わせするステップとをさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の関心区域全体にわたって一度に連続してダイセクションするステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の関心区域を別々のグループにグループ分けするステップをさらに含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
複数の前記別々のグループのうちの各グループを独立してダイセクションするステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般に、組織ダイセクションプラットフォームを提供するために自動化されたワークフローのホストとして働く組織ダイセクション機器、およびそれを用いる方法に関する。より詳細には、本プラットフォームは、数ある中で、分子解析またはゲノム解析に用いるためのスライド装着式の生体標本の精確で自動化され定量化できる連続のマイクロダイセクション(メソダイセクション)を提供する。
【背景技術】
【0002】
[0002]組織切片、血液、細胞培養物、および同様の生体サンプルなどの生体標本は、スライドに取り付けられ、染色剤とバイオマーカーの1つまたは複数の組み合わせを用いて染色され、結果として得られるアッセイは、デジタルパソロジーシステムを用いた標本の内容のさらなる解析のために画像化される。また、染色されたまたは染色されていないパラフィンが埋め込まれた組織切片は、さらなる分子解析またはゲノム解析のためにダイセクションされ得る。
【0003】
[0003]従来、臨床検査室は、刃、レーザダイセクション、またはメソダイセクションのいずれかを用いた手動ダイセクションを利用していた。手動工程は、とても基本的であり、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE:Formalin-Fixed,Paraffin-Embedded)スライドなどの基準スライドを視覚的に位置合わせし、組織切片を除去するために外科用メスを使用するのに実質的に使用者に頼る。他の手動手段は、組織のFFPEブロックから直接「カール」をとるまたは大きい組織切片をとることを含む。これらの手動ダイセクション方法は、組織の不均質性、工程のトレーサビリティー、および文書化の観点でしばしば分解能を欠いていた。
【0004】
[0004]レーザマイクロダイセクション方法は、分解能の欠如に対処するために開発されたが、レーザを利用したアブレーション機器は、比較的高価であり、多くの労働力を必要とし、しばしば特別のスライドまたは光活性化フィルムに頼る。例示的なレーザマイクロダイセクション方法は、米国特許第7,907,259号に記載されている。
【0005】
[0005]メソダイセクションシステムは、手動方法よりも良い精度、およびレーザ法ほど高くない費用をもたらしつつ、デジタル画像ガイダンスおよび電子プロセス文書化ももたらす。例示的なメソダイセクションシステムは、「Devices, Systems, And Methods For Extracting A Material From A Material Sample」と題された米国特許出願公開第20140329269号に記載されており、これは、この参照により全体として本明細書に組み込まれる。別のメソダイセクションシステムは、特許出願WO2016120433A1に記載されている。メソダイセクションシステムは、適切な結果をもたらし得るが、まだ改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]組織ダイセクションプラットフォームは、治療、予後、または診断の決定の支援のために、生体標本の解析に幅広く適合されることが予想される。結果として、必要とされているものは、スライド装着式の生体標本の精確で自動化され定量化できる連続のマイクロダイセクションを提供する効率的な組織ダイセクションプラットフォームである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本開示は、上述の問題に対処するものであり、システム、機器、コンピュータにより実行される動作方法、および組織スライド上の生体標本のメソダイセクションのための臨床ワークフローを改善することによるさらなる改善をもたらす。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態では、注釈を付けられた基準スライドの画像は、対応する注釈付けおよびメタデータと共に取得され、複数の連続サンプル上へ移される。連続サンプルは、注釈付けに基づいてダイセクションされ、ミルされた組織は、ミリングチップ内部のミリング緩衝液と共に自動的に取集され、次いで指定されたコレクションバイアルへ供給される。機器は、ミリングチップ内部の水性緩衝剤の充填を自動化し、ミリングチップの緩衝液および連続充填を監視する。
【0009】
[0009]いくつかの実施形態では、ワークフローは、単一画面上で組織注釈付け、位置合わせ、ダイセクション、追跡、および報告を行う統合インタフェースを提供する。精度、使い易さ、および再現性は、PCRまたはNGSの試験結果を改善し、最終的に適時の患者結果をもたらす。
【0010】
[0010]前述の作業を達成するために、いくつかの実施形態では、機器は、基部と、ステージと、フィルステーションと、バックドロップ組立体と、ヘッド組立体とを備える。動作時、ミリングチップを手動で充填する代わりに、機器は、ミリングチップの充填と、コレクションバイアルの中への取り出しとを自動化する。等しい個数のミリングチップおよびコレクションバイアルは、ステージ上へ同時に搭載することができる。機器は、全てのコレクションバイアル、ならびに緩衝液および削られた組織断片の収集された面積および体積について監視し報告することができる。
【0011】
[0011]いくつかの実施形態では、機器およびワークフローは、例えば以下のものを含むようにダイセクションプロセスの全ての態様を制御する能力を使用者に与える。
・ ダイセクションするべき関心区域を選択する。ワークフローは、使用者が組織の厚さおよび組織サンプルの核酸密度を入力することを可能にする。この入力を用いて、ワークフローは、どのくらいの体積または核酸濃度が収集されているのか能動的に監視することができ、使用者の予め決定された好みに基づいて最小量の緩衝液を収集したときに使用者に警告することができる。使用者は、関心区域を再び引き込む能力も有する。
・ リアルタイムで基準および連続切断選択を見る。
・ 複数の連続選択全体にわたって一度にダイセクションする。
・ スライド上の重要な細胞組織切片を特定し比較するために、照明条件、焦点、および絞りを変更する。
【0012】
[0012]いくつかの実施形態では、ワークフローは、注釈付けステップ、ダイセクションステップ、およびサンプル収集ステップの完全自動化を可能にする。一例として、4つの異なる関心区域は、4つの別々のコレクションバイアルに分配することができる。使用者がシステム上で選び出された関心区域を有すると、この使用者は、「ダイセクト」キーを押すことができ、それによって使用者から何ら重要な入力がなくてもワークフローに残りの工程を完了させる。
【0013】
[0013]この目的を達成するために、ミリングチップおよびコレクションバイアルがステージ上へ搭載されると、使用者は、「ダイセクト」キーを押すことができ、機器は、チップ保持具における第1のミリングチップを自動的にピックアップし、チップをカメラへ移動させることができる。いくつかの実施形態では、ワークフローは、存在およびサイズの観点で、正しいミリングチップおよびコレクションバイアルが搭載されているか判定するために色認識アルゴリズムを使用する。典型的には、以前の方法は、装填されたミリングチップの存在を「目測する」が、本機器は、ステージ上の正しい位置においてミリングチップおよびコレクションバイアルのサイズおよび存在を、色認識を通じて視覚的に検証するためにカメラを用意する。この特徴は、サンプルが工程全体にわたって確実に収集され得ることを確かにする。
【0014】
[0014]いくつかの実施形態では、使用者は、抽出工程について異なる緩衝液を使用することができ、使用者がダイセクションプロセスと下流組織抽出工程とを密接に統合することを可能にし、したがってステップの個数を減少させ、組織抽出時間を改善する。ワークフローは、使用者が、ダイセクション緩衝液が色認識を用いて収集されたことを検証することを可能にする。
【0015】
[0015]いくつかの実施形態では、自動化工程を通じて緩衝液をミリングチップに自動的に充填するために使用されるフィルステーションは、使用者が単一のレセプタクルを充填することを可能にする。フィルステーションは、ダイセクションのために十分な液体が利用できるか判定するために電子的に監視される。
【0016】
[0016]いくつかの実施形態では、機器およびワークフローは、多数の他の特徴をもたらし、その中には以下のものがある。
・ 組織タイプに基づく柔軟な重みセッティング、および統合ソフトウェアワークフローを提供する。
・ 2つのバーコード読取装置があり、一方は、スライドのバーコードを読むためにヘッド組立体上に位置し、ハンドヘルドバーコード読取装置は、コレクションバイアルおよびミリングチップからバーコード情報を読むためのである。このカメラは、例えば、基準スライドの画像を取得することができ、バーコード読取装置は、ヘッド組立体上にある。
・ 連続サンプルスライドと基準スライドの位置合わせは、使用者によって制御されるバッドロップ組立体を介してなされる。バックドロップ組立体は、ステージ上のサンプルスライドのタイプに基づいて、正しいバックドロップを選択すること(例えば、白、銀、黒、または任意の他の色を有すること)によって、基準スライド画像のコントラストを最適化する。
・ 自動式の先端圧力アクチュエータは、組織タイプおよびミリングチップタイプに基づいて、使用者が先端圧力の量を調整することを可能にする。最終結果は、この機器は、様々なサンプルタイプおよびミリングチップにわたって一貫してサンプルをダイセクションすることである。
【0017】
[0017]ミリング(ダイセクションまたは切除)工程の完了時に、使用者には、使用者に操作者の十分なトレーサビリティー、使用された緩衝材、サンプル収集履歴、および使用者注記を与える臨床レポートが与えられる。このデータは、下流のデータ精査のために病院LISにリンクされてもよい。
【0018】
[0001]本開示の様々な特徴、およびそれらを達成するやり方について、以下の明細書、請求の範囲、および図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】[0002]本開示の例示的実施形態による、組織ダイセクションプラットフォームを提供するためにワークフローモジュール上に存在するワークフローのホストとして働くコンピュータを利用した組織ダイセクション機器を示す図である。
【
図2】[0003]本開示の例示的実施形態による、基部、ステージ、ヘッド組立体、フィルステーション、およびバックドロップ組立体を備える
図1の組織ダイセクション機器の組立図である。
【
図3】[0004]本開示の例示的実施形態による、
図2の組織ダイセクション機器の一部を形成する基部の拡大図である。
【
図4】[0005]本開示の例示的実施形態による、
図2の組織ダイセクション機器の一部を形成する組み立てられたステージの拡大図である。
【
図5】[0007]本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、トレイを示す図である。
【
図6】[0008]本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、
図5のロードセルブロックおよびトレイの組立図である。
【
図7】[0009]本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、
図6のトレイに組み付けられたロードセルブロックを示す図である。
【
図8】[0010]本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、埋め込まれたロードセルブロック、底部スライドフレーム、ガラス窓、および上部スライドフレームを備えたトレイの組立図である。
【
図9】[0011]本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、
図8の上部スライドフレームの平面図であって、そこに固定された較正グリッドと共に、フィルステーション開口部をさらに示す平面図である。
【
図10】[0012]本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、スライド締付けばね組立体に加えて、
図8に示された構成要素の組み立てられた図である。
【
図11】[0013]本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、スライドクランプカバーに加えて、
図10に示された構成要素の組み立てられた図である。
【
図12A】[0014]本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、ミリングチップ保持具組立体の順次の組立図である。
【
図12B】本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、ミリングチップ保持具組立体の順次の組立図である。
【
図12C】本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、ミリングチップ保持具組立体の順次の組立図である。
【
図12D】本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、ミリングチップ保持具組立体の順次の組立図である。
【
図12E】本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、ミリングチップ保持具組立体の順次の組立図である。
【
図12F】本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、ミリングチップ保持具組立体の順次の組立図である。
【
図12G】本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、ミリングチップ保持具組立体の順次の組立図である。
【
図12H】[0015]本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、組み立てられたミリングチップ保持具の等角図である。
【
図13】[0016]本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、上部スライドフレームを通じてアクセス可能なロードセルブロックを示した4つのミリングチップ保持具を備えるステージを示す図である。
【
図14】[0017]本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、
図13の組み立てられたロードセルブロックに固定された貯槽立上り管を示す図である。
【
図15A】[0018]本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、支持部プラットフォームの組立図である。
【
図15B】本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、支持部プラットフォームの組立図である。
【
図16】[0019]本開示の例示的実施形態による
図4のステージのいくつかの構成要素を示す図であって、
図14に示す構成要素、ならびに
図15Aおよび
図1Bの支持部プラットフォームの組立図である。
【
図17】[0020]本開示の例示的実施形態による、フィルステーションの一部を形成する
図2のフィルステーション貯槽の組立図である。
【
図18】[0021]本開示の例示的実施形態による、組織ダイセクション機器に用いるためのミリングチップの等角図である。
【
図19】[0022]本開示の例示的実施形態による、外側バレル、貯槽、プランジャー、およびシールを示す
図18のミリングチップの組立図である。
【
図20B】[0024]軸線20B~20Bに沿った
図20Aのミリングチップの断面図である。
【
図20D】[0026]本開示の例示的実施形態による、
図19のプランジャーの側面図である。
【
図20E】[0027]軸線20E-20Eに沿った
図19のプランジャーの断面図である。
【
図21】[0029]本開示の例示的実施形態による
図2のバックドロップ組立体を示す図である。
【
図22】[0030]本開示の例示的実施形態による、マウント、バーコード読取装置、吸引装置組立体、およびZ軸アクチュエータ組立体を示す
図2のヘッド組立体の図である。
【
図24】[0032]
図22のヘッド組立体、および
図21のバックドロップ組立体の組立図である。
【
図25】[0033]本開示の例示的実施形態による、組織ダイセクション機器を動作させる一般的なワークフローを示す図である。
【
図26】[0034]本開示の例示的実施形態による、
図25のワークフローの「機器セットアップ」ステップに関連した例示的なスクリーンショットを示す図である。
【
図27】[0035]本開示の例示的実施形態による、
図25のワークフローの「ステージ全体ビュー」または「ステージセットアップ」ステップに関連した例示的なスクリーンショットを示す図である。
【
図28】[0036]本開示の例示的実施形態による、監視および収集ダッシュボード用の
図25のワークフローのステージ全体ビューステップに関連した別の例示的なスクリーンショットを示す図である。
【
図29】[0037]本開示の例示的実施形態による、
図25のワークフローの「サンプルビュー」ステップに関連した例示的なスクリーンショットを示す図である。
【
図30】[0038]本開示の例示的実施形態による、基準スライドを様々なサンプルスライドにそれぞれ位置合わせし、関心区域を引き込むまたはそこに注釈を付けるための
図25のワークフローのステップに関連したスクリーンショッを示す図である。
【
図31】本開示の例示的実施形態による、基準スライドを様々なサンプルスライドにそれぞれ位置合わせし、関心区域を引き込むまたはそこに注釈を付けるための
図25のワークフローのステップに関連したスクリーンショッを示す図である。
【
図32】[0039]本開示の例示的実施形態による、AOIパネルのスクリーンショットを示す図である。
【
図33】[0040]本開示の例示的実施形態による、「AOI-メニュー状態」パネルのスクリーンショットを示す図である。
【
図34】[0041]本開示の例示的実施形態による、「ダイセクション情報」パネルのスクリーンショットを示す図である。
【
図35】[0042]本開示の例示的実施形態による、ワークフローの「ダイセクト」機能の最初のミリングチップのカメラショットを示す図である。
【
図36】[0043]本開示の例示的実施形態による、ダイセクト機能の開始を示すスクリーンショットを示す図である。
【
図37】[0044]本開示の例示的実施形態による、AOIグループのうちの1つに割り当てられるAOIの除去を示すカメラショット(または画像)である。
【
図38】[0045]本開示の例示的実施形態による、使用者がダイセクションプロセスを一時停止または停止させた後の
図37のカメラショットの別の図である。
【
図39】[0046]本開示の例示的実施形態による、用意される最終的なレポートのスクリーンショットを示す図である。
【
図40】[0047]本開示の例示的実施形態による、組織ダイセクション機器の動作中に使用者が利用可能である様々なツールのスクリーンショットを示す図である。
【
図41】本開示の例示的実施形態による、組織ダイセクション機器の動作中に使用者が利用可能である様々なツールのスクリーンショットを示す図である。
【
図42】本開示の例示的実施形態による、組織ダイセクション機器の動作中に使用者が利用可能である様々なツールのスクリーンショットを示す図である。
【
図43】[0048]本開示の例示的実施形態による、組織ダイセクション機器の動作中に使用者が利用可能である様々な特徴のスクリーンショットを示す図である。
【
図44】本開示の例示的実施形態による、組織ダイセクション機器の動作中に使用者が利用可能である様々な特徴のスクリーンショットを示す図である。
【
図45】本開示の例示的実施形態による、組織ダイセクション機器の動作中に使用者が利用可能である様々な特徴のスクリーンショットを示す図である。
【
図46】本開示の例示的実施形態による、組織ダイセクション機器の動作中に使用者が利用可能である様々な特徴のスクリーンショットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
組織ダイセクション機器100
[0049]
図1は、本開示による、例示的なコンピュータを利用した組織ダイセクション機器(またはシステム)100、例示的なコンピュータにより実行される方法、および生体標本および組織スライドのメソダイセクションのためのワークフローモジュール320(
図3)上に存在する例示的な臨床ワークフローを示す図である。代替として、別々のコンピュータとモニタとが使用されてもよい。本明細書中に使用されるとき、用語「組織」は、スライド上に取り付けることができる組織切片、血液、細胞培養物、および同様の生体サンプルなどの様々なタイプの生体標本を包含する。
【0021】
[0050]使用時、機器100のワークフローは、高精密レベルでダイセクションを行うために正確にかつ精確にデジタル注釈付けを生成し、注釈付けを基準スライドからスライドに取り付けられる複数の連続にダイセクションされた組織へ移す能力を使用者に与える統合された単一のユーザーインタフェースワークフローである。精度、使い易さ、および再現性は、PCRまたはNGSの試験結果を改善し、最終的により正確で適時の患者レポートを提供する。
【0022】
[0051]機器100は、複数のミリングチップの連続した充填、および対応するサンプルコレクションバイアルへの取り出しを自動化する。一実施形態では、4つのミリングチップおよび4つのコレクションバイアルが、機器100の中に同時に搭載され得る。機器100は、拡張されたサンプル追跡特徴をさらに提供する。一実施形態では、機器100は、バイアル内に収集された組織のタイプ、区域、および体積、ならびに使用される試薬および緩衝液のタイプに関して監視し、報告することができる。
【0023】
[0052]いくつかの実施形態によれば、使用者は、基準スライドに対して一度に精査および注釈付けすることができる4つのスライドを搭載することができる。従来のレーザキャプチャシステム、および手動方法は注釈付けを2つ以上のスライド上に移して記録することはできないが、本機器100は、使用者が、単一のプラットフォーム上で複数のスライドについてこれらの作業を行うことを可能にする。
【0024】
[0053]さらに、本開示により、ダイセクションすべき関心区域の選択、基準および連続切断選択をリアルタイムで見ること、複数の連続選択にわたって一度でダイセクションすること、およびスライド上の重要な細胞組織切片を特定し比較するために照明条件、焦点、絞りを変更することを含むダイセクションプロセスの全ての態様を使用者が制御することを可能にすることができる。
【0025】
[0054]本機器100のさらに別の利点は、本機器100が異なる関心区域の注釈付け、ダイセクション、およびサンプル収集を複数の別々のミリングチップに完全自動化することを提供することにある。使用者がスライド上の関心区域を選び出すと、使用者は、「ダイセクション」キーを押すことができ、機器100は、残りの作業を自動的に実行する。より特別には、機器100は、選び出された関心区域をダイセクションし、収集されたサンプルを別個のコレクションバイアルに放出する。
【0026】
[0055]さらに、使用者は、抽出工程のためにそれらの緩衝液を使用することができ、使用者がダイセクションプロセスをそれらの下流の組織抽出工程と密接に統合することを可能にし、したがってステップ数を減少させ、組織抽出時間を改善することができる。使用者は、広範囲の水溶液および鉱油から緩衝液を選ぶことができる。
【0027】
[0056]サンプル収集工程を完了すると、機器100は、統合された診断レポートを生成することができ、これによって操作者の完全なトレーサビリティー、使用される緩衝液、サンプル収集履歴、および使用者注記を使用者に与える。データは、下流のデータ精査のために病院の検査室情報システム(「LIS:Laboratory Information System」)にリンクすることができる。
【0028】
[0057]前述の作業を達成するために、
図2にさらに示すように、機器100は、基部300と、ステージ400と、フィルステーション500と、バックドロップ組立体700と、ヘッド組立体800とを備えることができる。機器100は、種々のタイプのミリングチップと共に使用することができる。機器100は、例示的なミリングチップ600(
図18)と共に使用することができる。基部300、バックドロップ組立体700、およびヘッド組立体800は、カバー111(
図1)によって保護されている。次に、これらの構成要素の各々をより詳細に説明する。
【0029】
基部300
[0058]
図3を参照すると、例示的な基部300は、支持構造305を備え、この上に残りの構成要素が取り付けられている。基部300は、後でより詳細に説明するように、ワークフローを実施することによって機器100の自動化を制御するワークフローモジュール(またはプロセッサ)320をさらに備える。ワークフローモジュール320は、ローカルにであろうと、またはリモートサーバ上に遠隔にであろうと、メモリに接続されている。メモリは、プロセッサ320によって実行されるときに、プロセッサ320により詳細に説明することになるようにワークフローを実行させるコンピュータ可読命令を記憶する。
【0030】
[0059]光学系321は、カメラ325と電動式レンズ340とを備えることができる。カメラ325は、スライドの所望の画像を取り込み、ミリングチップ600のサイズおよび存在、コレクションバイアルの存在、およびダイセクション緩衝液の存在および体積を検証する手段をさらに提供する。例示的実施形態によれば、各ミリングチップ600のサイズは、約70uLを超え、いくつかの実施形態では、約200uLから300uLの間の範囲である。レンズ340は、画像の焦点を合わせる手段を提供し、スライドに照明を与え、任意の使用者が定めたレベルへのライブ画像のズーム機能(または拡大)機能を可能にする。
【0031】
ステージ400
[0060]例示的な組み立てられたステージ400は、
図4に示されており、輸送を簡単にするためにヘッド組立体800から容易に着脱可能である。
図5から
図16は、本開示の例示的実施形態によるステージ400の主要な構成要素を示す。ステージ400は、多数の機能を実行し、それらの中には以下のものがある。
・ ステージ400は、いくつかの組織スライド405からサンプルを同時に収納および収集するための能力および機能を有する。本例示的な組織ダイセクション機器100を、単なる例示の目的のために、ステージ400上の4つの組織スライド405を処理するものとして説明したが、組織ダイセクション機器100は、種々の個数の組織スライド405を順次処理することができることを理解されたい。
・ ステージ400は、複数のミリングチップ600を複数の対応するサンプルコレクションバイアル410の中への充填および取り出しの自動化を可能にする。この目的を達成するために、ステージ400は、等しい個数のミリングチップ600を保持するために、対応する個数のばね式ミリングチップ保持具420、421、422、423を受け入れるようになされている複数のレセプタクル411、412、413、414(
図5)を備える。ミリングチップ保持具420、421、422、423は、ヘッド組立体800によるミリングチップ600の自動装填のために使用される。ステージ400は、貯槽525(
図17)からの緩衝液でミリングチップ600を自動充填することを可能にするフィルステーション500をさらに収納する。加えて、ステージ400は、対応する個数のサンプルコレクションバイアル410を受け入れるようになされているレセプタクルまたはウェル425、426、427、428(
図5)を備え、さらなる病理学的解析のためにクライアントへ送るのに備えて、この中には緩衝液および収集されたサンプルを収容するミリングチップ600が自動的に取り出される(または投与される)。
・ ステージ400は、較正グリッド455(
図9)へのアクセス部450も備え、較正グリッド455は、Z軸アクチュエータ組立体810が、サンプル406が削られている対応する組織スライド405に対して各ミリングチップ600により印加されたミリング圧力を選択的に調整することを可能にする。
・ ステージ400は、十分な体積の緩衝液がミリングチップ600の中に投与されたか判定するために、緩衝液の充填または減り具合などの緩衝液の充填状態を監視することも可能にする。
【0032】
[0061]
図5は、ばね式ミリングチップ保持具420、421、422、423、およびサンプルコレクションバイアル410をそれぞれ受け入れるためのレセプタクル411、412、413、414、425、426、427、428が内部に形成されている例示的なトレイ560を示す。
図6、
図7、
図8にさらに示すように、トレイ560は、ロードセルブロック606を設置するように成形されているフィルステーションレセプタクル562をさらに備える。緩衝液の充填状態を監視するために、ロードセルブロック606は、フィリングステーション貯槽525(
図17)内の緩衝液を計量する。
【0033】
[0062]
図8を参照すると、ステージ400は、トレイ560に固定された底部スライドフレーム805と、ガラス窓またはスライド814と、上部スライドフレーム815とをさらに備える。
図9に示すように、較正グリッド455は、上部スライドフレーム815に固定されている。フィルステーション開口部820は、ロードセルブロック606へのアクセスを可能にするように上部スライドフレーム815に形成されている。
【0034】
[0063]
図10は、上部スライドフレーム815へのスライド締付けばね組立体1000の例示的な組立を示す。
図11は、スライド締付けばね組立体1000を上部スライドフレーム815に固定するためのスライドクランプカバー1100の組立を示す。スライド締付けばね組立体1000およびスライドクランプカバー1100は、上部スライドフレーム815上への組織スライドの設置および上部スライドフレーム815からの組織スライドの解除をそれぞれ容易にする。
【0035】
[0064]
図12A、
図12B、
図12C、
図12D、
図12E、
図12F、
図12Gは、ミリングチップ保持具組立体420の組立における例示的な順次ステップを示す。エラストマーOリング1200が、概して円筒形のバレル1205の対応する開口部内に設置される。円形の基部1210はバレル1205に固定され、Oリング1200は、それらの間に挟まれ、それによって底部支持体1215を形成する。
図12C、
図12D、
図12Eは、伸縮式レセプタクル1220の組立体構成要素を示す。
図12F、
図12Gに示すように、ばね1230は、伸縮式レセプタクル1220内に挿入される。底部支持体1215のバレル1205は、ばね1230内部に挿入され、ばね1230を圧縮させ、底部支持体1215が伸縮式レセプタクル1220に固定されることを可能にする。
【0036】
[0065]
図13は、トレイ560への4つのミリングチップ保持具420、421、422、423、ならびに上部スライドフレーム815を通じてアクセス可能に示されているロードセルブロック606の例示的な組立体を示す。
【0037】
[0066]
図14は、ロードセルブロック606に固定される例示的な貯槽立上り管444を示す。貯槽立上り管444は、緩衝液を貯蔵するフィリングステーション貯槽525(
図17)を受け入れるように設計されている。
図14は、ステージ400の上部スライドフレーム815の上へ所定の位置に搭載される(符号405を用いて集合的にも呼ばれる)4つのサンプルスライド465、466、467、467を破線でさらに示す。
【0038】
[0067]
図15Aおよび
図15Bは、例示的な支持部プラットフォーム1500の2つの組立図を示す。光学的な開口部1520を有する概して円形の不透明な円盤1510は、基部1505に固定される。2つのトラック1525は、支持部プラットフォーム1500、したがって完全に組み立てられたステージ400をヘッド組立体800内の所定の位置に案内するように基部150に固定される。
図16は、ステージ400の組立体を完成するためにトレイ560および支持部プラットフォーム1500の組立体を示す。
【0039】
フィルステーション500
[0068]
図17は、フィルステーション500の一部を形成するフィルステーション貯槽525の組立図を示す。フィルステーション貯槽525は、ロードセルブロック606にすでに固定されている貯槽立上り管444に接続する容器1705を備える。貯槽立上り管444は、容器1705を保持するためのプラットフォーム縁部を形成し、フィルステーション貯槽525に漏れ口がある場合に液体を収容するように輪郭が描かれている。フィルステーション容器1705は、貯槽立上り管444内に嵌合すほぼ逆向きの屋根の設計を有する。上部開口部1715を有するカバー1710は、フィルステーション容器1705の上に嵌まり、フィルの端におけるデッドスペースの量を最小にするために、ミリングチップ600が容器1705の中程でサンプルすることを可能にする。一実施形態では、フィルステーション500は、単一のミリングチップ600を緩衝液で一度に自動充填することを可能にする。フィルステーション500は、十分な緩衝液が組織ダイセクションプロセスにとって利用可能な判定するために、ミリングチップの充填前、電気的に監視される。
【0040】
ミリングチップ600
[0069]
図18、
図19、
図20A、
図20B、
図20C、
図20D、
図20E、
図20Fは、本開示の例示的実施形態による組織ダイセクション機器100に用いるためのミリングチップ600をさらに示す。ミリングチップ600は、外側バレル601、貯槽602、プランジャー603、およびシール604で概して構成され、貯槽602を外側バレル601に挿入することによって、およびプランジャー603を貯槽602内部にさらに挿入することによって組み立てられる。プランジャー603は、外側バレル601内の緩衝液をシールすると共に、軸方向位置に沿ってプランジャー603を支持するために、プランジャー603のねじ付き部分610を介して外側バレル601の中に挿入される。ミリングチップ600の様々な構成要素間にさらなる流体シールを与えるために、シリコーンまたは別のシーラを加えることもできる。
【0041】
[0070]ミリングチップ600の組立を完了すると、ねじ付き部分610は、シールおよび外側バレル601から突出することが許容される。ミリングチップ600が対応するミリングチップ保持具420にしっかりと設置されると、ねじ付き部分410は、ヘッド組立体800に、それによってミリングチップ600にねじ止めされることができ、ミリングチップ保持具420から回収され、フィルステーション500で充填されるように自動的に移動することができる。
【0042】
[0071]外側バレル601の最前部分は、ミリング力がミリングチップ600に印加されるときに、プランジャー603の切除刃651が開口部605から外へ突出して、組織サンプル406上の所望の関心区域(または複数の区域)の所望のミリングまたは切断を行うと共に、緩衝液と共に削られたサンプルをさらに立ち昇らせるように寸法作製されている開口部605を備える。
【0043】
[0072]切除刃651の可変サイズは、多数のサイズのうちの1つを選択することを使用者に可能にするミリングチップ600のサイズを定める。ほんの一例として、サイズは、階段状の増加量で細かいから粗いまで徐々に変動することができる。ミリングチップ600のサイズは、外側バレル601および貯槽602の体積によって定められる。一例として、外側バレル601の体積は、約350ulであり得る。
【0044】
[0073]他のミリングチップが、組織ダイセクション機器100と共に使用されてもよいが、例示的なミリングチップ1つは、米国出願公開第2016/0251708号に説明されており、これは、参照により全体として本明細書に組み込まれる。ミリングチップ600を保持するヘッド組立体800は、プランジャー610を引き抜く間、ミリングチップ600を回転させ、それによって同時に緩衝液を切除刃65へ供給し、(後でより詳細に説明するように)指定された関心区域内で組織406をダイセクションし、プランジャー610を押し下げることによって削られた組織断片と共に供給された緩衝液を指定されたコレクションバイアル641に吸い込む。ミリングチップ600は、ミリングチップ保持具420に再装填されてもよく、または交叉汚染を避けるために廃棄されてもよい。
【0045】
バックドロップ組立体700
[0074]
図21を参照すると、
図21は、本開示の例示的実施形態によるバックドロップ組立体700を示す。全体的に、バックドロップ組立体700は、2つのアクチュエータ710および711を取り付けるバックドロップ基部板705を備える。アクチュエータ710および711は、光学系321(
図3)から基部400(
図4)を通じて発する照射ビームと一直線に下側バックドロップスライド720または上側バックドロップスライド721を駆動するために、2つのソレノイド716、717によってそれぞれ駆動される。
【0046】
[0075]バックドロップ組立体700は、格納可能であり、ソレノイド716、717の自動化された起動により平行なレール730、731上で白と黒のバックドロップの両方を与える。バックドロップ組立体700は、いくつかの色付きのバックドロップのうちの1つの自動選択または手動選択を可能にする。単なる例示の目的のために、例示的なバックドロップ組立体700は、下側バックドロップスライド720の駆動によってもたらされる自動化された黒いバックドロップと、上側バックドロップスライド721の駆動によってもたらされる白いバックドロップとを含む。加えて、バックドロップ組立体700は、下側バックドロップスライド720も上側バックドロップスライド721も選択されていない場合に、バックドロップが選択されない初期設定を与える。
【0047】
[0076]光学的位置合わせは、バックドロップ組立体700を介して行うことができ、ステージ400上のスライド406のタイプ(例えば、白い板、銀の板、または黒い板)に基づいて、最も適切なバックドロップの色を選択することによって、使用者がそれらのスライド画像を最適化することを可能にする。
【0048】
ヘッド組立体800
[0077]
図22および
図23は、本開示の例示的実施形態による、支持構造(またはマウント)805と、Z軸アクチュエータ組立体810と、ミリングチップインタフェース825で末端をなす吸引装置組立体820と、バーコード読取装置830とを備え得る例示的なヘッド組立体800を示す。ミリングチップインタフェース825は、プランジャー603のねじ付き部分610にねじ止め可能に係合する。
【0049】
[0078]前述のヘッド組立体800の構成要素は、直接であろうと間接的であろうと、支持構造805の上側部分855に固定される。
図2に示すように、支持構造805は、基部300、ステージ400、およびバックドロップ組立体700を収納するようなサイズおよび寸法で作製された空の区画861を定める底側セクション860をさらに用意する。
【0050】
[0079]いくつかの実施形態では、Z軸アクチュエータ組立体810は、それが支持構造805に沿い、Z方向に沿って吸引装置組立体820およびバーコード読取装置830を引っ張るように電動化される。ステージ400上方の吸引装置組立体の高さを調節することによって、吸引装置組立体820は、ミリングチップ600を介してサンプルスライド405上へ印加される圧力を制御する。加えて、組織ダイセクション機器100は、ミリングチップ600を介して較正グリッド455上へ較正力を印加することによって較正することができる。
【0051】
[0080]吸引装置組立体820は、収集された組織サンプル406および緩衝液の混合物をミリングチップ600に引き込む。
【0052】
[0081]バーコード読取装置830は、様々なバーコードの自動読取りを可能にして、フィルステーション500上で緩衝液のバッチ番号を特定し、ミリングチップ上でバッチ番号、サイズ、および体積によってそれを特定し、それによってコレクションバイアル410上で収集バイアルを削られたサンプルおよび緩衝液と関係付ける。前述のデータを読み取るために、またはバーコード読取装置830によるデータの自動読取りが実現が困難になる場合に、適宜、手動バーコード読取装置がさらに設けられてもよい。
【0053】
[0082]
図24は、ヘッド組立体800の区画861内で組み立てられるバックドロップ組立体700を示す。
【0054】
ワークフロー2500
[0083]
図25は、本開示の例示的実施形態による組織ダイセクション機器100を動作させる例示的なワークフロー2500を表す。ワークフロー2500は、ユーザーインタフェースを備え、ワークフローモジュール320、ローカルサーバ、リモートサーバ、または遠隔プロセッサ上に存在することができる。ステップ2510で、使用者は、組織ダイセクション機器100にログインすることによって開始する。ログインは、誰が組織ダイセクション機器100を使用しているのか、ならびに誰が時間トラッキングのためのセッションおよび他の同様のアプリケーションを開いているのか追跡するのに重要なやり方である。使用者は、ログインするとすぐに、ステージ400に障害が無いか確認するように警告を用いて促される。
【0055】
[0084]組織ダイセクション機器100が初期化されると、ワークフロー2500は、ステップ2515へ進んで、ステージ400の低解像度画像を取り込んで、より先に説明したように、バーコード読取装置830を用いて、様々なバーコードを読み取る。
【0056】
[0085]ワークフロー2500のステップ2520で、使用者は、ケースリスト情報を入力する。使用者は、組織スライド405がオープンケースまたは新しいケースに関するか決定する。オープンケースのオプションが選択され、部位が統合された検査室情報システム(「LIS」)およびバーコードシステムを有する場合、組織ダイセクション機器100は、下流のデータ精査のために、スライド405をLISシステム内のオープンケースに接続することができる。使用者は、組織ダイセクション機器100上で完了した先のケースにアクセスすることもできる。
【0057】
[0086]他方で、使用者は、これが新しいケースであることを決定する場合、または組織ダイセクション機器100がバーコードシステムを有するLISと統合されていない場合、使用者は、画面から「新しいケースを作成」することができ、較正が事前に実行されていない場合には、ステップ2525で組織ダイセクション機器100を較正するように進む。
【0058】
[0087]使用者は、空の貯槽525を取り付けることによって、およびコンピュータまたはモニタ上で「フィルステーション空」のキーを選択することによって、フィルステーション500のロードセルブロック606内のセンサを較正する。プロセッサ320は、ロードセルブロック606からの電圧出力を読み取って記録する。次いで、使用者は、精確な重量(および/または体積)の緩衝液で貯槽525を充填し、「フィルステーション満杯」のキーを選択する。プロセッサ320は、ロードセルブロック606からの電圧出力を読み込んで記録する。プロセッサ320は、2つの測定された読取値の間の変動を計算し、この読取値の変動を入力された重量(および/または体積)と共に使用して、ロードセルブロック606のための電圧/グラム定数を計算する。
【0059】
[0088]加えて、使用者は、本明細書中でZ軸アクチュエータ組立体810とも呼ばれる自動式の先端圧力アクチュエータを較正する能力を有する。自動式の先端圧力アクチュエータ810は、使用者が切除工程中に組織サンプル406に対してミリングチップ600により及ぼされる圧力量を調整することを可能にする。先端圧力は、組織タイプ、ならびに選択したミリングチップ600のタイプおよびサイズに少なくとも基づいて手動または自動で調整することができる。この較正ステップの目標は、組織ダイセクション機器100が、様々なタイプの組織サンプル406およびミリングチップ600にわたって組織サンプル406を一貫してダイセクションすることを確実にすることである。較正は、ステージ400のへこんでいる部分(またはアクセス部)450で実行される。
【0060】
[0089]較正ステージ2525が完了したことが確認されると、ワークフロー2500は、使用者を「機器セットアップ」ステップ2530へ案内する。
図26をさらに参照すると、
図26は、セットアップステップ2530と関連している例示的なスクリーンショット2600を示す。このステップ2530で、使用者は、(LISまたはバーコードが存在しない場合)ケース情報2610を入力し、使用されている組織サンプル406のタイプを指定する。使用者は、彼らのコンピュータに記憶されたデジタル基準画像2625をインポートする機会も有する(またはソフトウェアが、LISから自動的に検索する)。
【0061】
[0090]使用者は、削られる所望の組織体積2620の計算を可能にするために必要なパラメータも入力する。組織体積2620は、組織の厚さ、タイプ、およびこのケースに選択された下流アプリケーションに基づいて計算される。組織体積2620は、検査室の観察記録に基づいて管理者によって構成可能である。計算された組織体積2620は、ガイドラインとみなされ、使用者は、所望の量を手動入力することができる。使用者は、追加の関連した注記2630を手動で入力するさらなる選択肢を有する。
【0062】
[0091]
図27は、本開示の例示的実施形態による、
図25のワークフローの「ステージ全体ビュー」または「ステージセットアップ」ステップに関連した例示的なスクリーンショット2700を示す。使用者は、緩衝液の充填状態(例えば、タイプ、重量、体積)を監視するために、フィルステーション貯槽525がロードセルブロック606上へ搭載されることを確実にする。
【0063】
[0092]使用者は、所望の緩衝液で貯槽525を充填し、ミリングチップ600による緩衝液の供給を管理するために、緩衝水溶液の重量を監視する。ワークフロー2500は、充填体積の誤差、較正誤差等がある場合、エラーメッセージを生成する。フィルステーション500が顧客の緩衝液で充填されるとき、ワークフロー2500は、ロードセルブロック606内のフィルステーションセンサを較正する。
【0064】
[0093]使用者は、所望の個数のミリングチップ600をミリングチップ保持具420、421、422、423の中に装填し、対応する個数のコレクションバイアル410をコレクションバイアル保持具またはウェル425の中にさらに装填する。ワークフロー2500は、装填されたミリングチップ600のサイズおよび存在を検証する。この目的を達成するために、および単なる例示の目的のために、3つの異なるサイズのミリングチップ600は、組織ダイセクション機器100と共に使用することができるが、代替として、他のサイズが選択されてもよい。例示の実施形態では、ミリングチップ600は、異なるサイズに対応する黄色、緑色、および青色の3つの色に作製される。一例として、黄色に着色されたミリングチップ600は最も小さいサイズを指し、緑色に着色されたものは中サイズを指し、一方、青色に着色されたものは最大サイズを指す。デジタルカメラ321は、装填されたミリングチップ600の画像を取得し、デジタル画像は、組織ダイセクション機器100によって解析され、装填されたミリングチップ600の存在およびサイズに関して認識しレポートを返す。
【0065】
[0094]以下のものは、装填されたミリングチップ600を認識するステップのより詳細な説明である。組織ダイセクション機器100は、ステージ位置、LED輝度、ズーム/焦点/絞りのセッティング、バックドロップ(720、721)の格納、および検出位置におけるZ軸アクチュエータ810というミリングチップ検出設定で配置される。
【0066】
[0095]次に、ミリングチップ600のデジタル検出画像は、カメラ321によって取り込まれる。どの画素が検出ROI(関心の領域)内にあるのか決定するために、使用者は、検出画像において十字線較正を用いてリングチップ600の中心を見つけ、スケール較正を用いてミリングチップ600の上で中心に置かれる約3mmの半径のROIの円を露出させる。
【0067】
[0096]次いで、検出ROI内の各画素は、色相、彩度、値(輝度)、およびクロマに変換される。検出画像中の輝点として現れるガラス窓814上にあり得るダストの小さい点を除去するのを助けるため、画素は、輝度によって並べ替えられ、この画素の上位10%がリストから除外される。次いで、高い彩度であるが、確実な色相を有さない暗い画素を除去し、まさに残りの大部分の「カラフル」な画素を残すために、残りの画素は、クロマによって並べ替えられ、この画素の下位50%がリストから除外される。
【0068】
[0097]次いで、組織ダイセクション機器100は、残りの画素の平均輝度を計算する。色相が円形の量であるので、単純な平均は最適な結果をもたらさない可能性があることを理解することで、組織ダイセクション機器100は、残りの画素の平均色相を適宜計算することができる。代替の方法の1つは、以下の通りである。
・ 画素ごとに、色相を角度として処理し、円上のこの角度のX,Y座標を計算する。
・ 全画素X成分を平均し、これらの画素のY成分を平均する。
・ 平均X座標、および平均Y座標を指し示す角度を計算し、この角度を使用して平均色相を表す。
【0069】
[0098]組織ダイセクション機器100は、ミリングチップ600が存在していないか以下のように決定する。(上記フィルタリング後の)検出ROI内の画素の平均輝度が設定された検出閾値よりも小さい場合、「ミリングチップが検出されない」のメッセージを返す。
【0070】
[0099]さもなければ、組織ダイセクション機器100は、ミリングチップ600が存在することを決定し、以下の通りに、このミリングチップ600のタイプを決定するように進む。各ミリングチップ(600)タイプについて、組織ダイセクション機器100は、検出ROI内の画素の平均色相間の差、およびミリングチップタイプについて構成された色相を計算し、色相の円形の性質を再び考慮する。次いで、組織ダイセクション機器100は、最も近い色相を有するミリングチップ600のタイプを、検出ROI内の画素の平均へ戻す。
【0071】
[00100]使用者は、複数のコレクションバイアル410についてのダイセクション経路を入力する。ミリングチップ(600)のサイズ、サンプルタイプ、または組織の厚さについてのダイセクションセッティングに基づいて、ワークフロー2500は、ミリングチップヘッド上へ加えられる重量をZ軸アクチュエータ組立体810によってガラス窓814へも割り当てる。
【0072】
[00101]組織ダイセクション機器100は、サンプルコレクションバイアル410の有無をさらに検証する。この目的を達成するために、ガラス窓810は、サンプルコレクションバイアルの真下に位置し、これを通じてカメラ321は、サンプルコレクションバイアル410の位置の写真を取得する。この位置がブロックされる場合、組織ダイセクション機器100は、サンプルコレクションバイアル410の存在を報告する。さもなければ、組織ダイセクション機器100が、はっきりしたバックライトを読み取る(すなわち、バックライトがブロックされていない)場合、サンプルコレクションバイアル410が存在しないことを報告する。
【0073】
[00102]ワークフロー2500は、ダイセクションの実行に必要なダイセクションおよびミリングチップ600の個数を完成させるのに十分な緩衝液がフィルステーション500内に存在するか報告するまで続き、必要に応じて、それは、使用者を促して貯槽525を緩衝液で充填させる。ワークフロー2500は、緩衝剤の引き込みに関するエラーの場合にエラーメッセージを生成する。加えて、ワークフロー2500は、ミリングチップ600を充填するためにそれが引き抜かれるとき、継続的に緩衝液の供給を監視する。
【0074】
[00103]組織ダイセクション機器100は、以下の通りに、ダイセクション緩衝液が、ミリングチップ600によって収集されたことを検証する。ミリングチップ600がフィルステーション500から緩衝液を引き出しているとき、ロードセルブロック606は、液体の緩衝液がフィルステーション500から引き出され、ミリングチップ600に装填されるので、貯槽525の総重量の減少を監視する。例示的実施形態では、組織ダイセクション機器100は、350ulまたは0.35gよりも大きい貯槽525の重量の変化を監視するように構成されている。
【0075】
[00104]
図28は、本開示の例示的実施形態による、監視および収集用のダッシュボードについての、
図25のワークフロー2500のステージ全体ビューステップ2535に関連した別の例示的なスクリーンショット2800を表す。ダッシュボードは、第1の保持具420に装填されている第1の位置(すなわち、第1の最も左の位置)に存在する1つの黄色に着色された(すなわち、小さいサイズの)ミリングチップ600を示す。一例として、このミリングチップ600は、250umの緩衝液で充填される。加えて、ダッシュボードは、1つの対応する(すなわち、黄色に着色された)コレクションバイアル410が第1の(すなわち、最も左の)バイアル収集ウェル425に存在し、これに挿入されていることも示す。
【0076】
[00105]
図29は、本開示の例示的実施形態による、
図25のワークフロー2500の「サンプルビュー」のステップ2540に関連した例示的なスクリーンショットを示す。使用者は、データベースに予め記憶されていてもよい(またはワークフロー2500が、LISから自動的にそれを検索する)デジタル基準画像2625をインポートする能力を有する。基準スライド2625がステージ400に取り付けられる場合、使用者は、低解像度基準画像を取り込む能力を有し、したがって対応するセットアップページ内に「インポート基準(Import Reference)」のフィールドの余白を残す。
【0077】
[00106]使用者は、(符号405を用いて集合的にも呼ばれる)4つのサンプルスライド465、466、467、468をステージ400の上部スライドフレーム815の上へ所定の位置に搭載する。サンプルスライド465、466、467、468がバーコードを有さない場合、使用者は、ここでそれらを入力する機会を有する。この情報は、最終的なレポートに含まれる。
【0078】
[00107]このステップ2540では、使用者は、基準スライド2625上で「ホットスポット」を生成、削除、または複製することができる。本明細書中に使用されるとき、用語「ホットスポット」は、より高い分解能で取り込まれる必要がある組織サンプルの部分を指す。ホットスポットは、状態標識でもあり、それらは、組織が取り込まれたか否か、および使用者が各組織サンプル406上の位置合わせおよび関心区域を確認したか示す。
【0079】
[00108]この見方から、使用者は、どのサンプルをダイセクションすることを望むかを定めることができる。ホットスポットがターゲットの体積の上に重なるシナリオでは、使用者は、重なっているホットスポットを単純に除外することができる。自動検出が組織を正確に認識できない場合、バウンディングを変形させることができる。組織が検出されない場合、使用者は、複製のための第1のホットスポット2910を、サンプルスライド465、466、467、468上に搭載された搭載サンプル上へ引き込むことができる。
【0080】
[00109]
図30および
図31は、本開示の例示的実施形態による、基準スライド2625を様々なサンプルスライド465、466、467とそれぞれ位置合わせし、関心区域(「AOI」)を引き込むまたは注釈を付けるためのワークフロー2500のステップ2545および2550をさらに示す。さらに明確にするために、例示的な図において、基準スライド2625は、H&E染色剤を有するFFPEブロックの第1の切断であり得る。基準スライド2625は、ダイセクションするように関心区域に注釈を付ける病理医によって精査される。基準スライドは、(集合的にAOIまたは複数のAOI3000と呼ばれる)関心区域3001、3002、3003、3004を特定する座標を有しているマップと同等視され得る。基準スライド2625は、スキャナからインポートされた画像またはステージ400から取り込まれた画像のいずれかであり得る。次いで、基準スライド2625は、連続のスライド上の組織に位置合わせされ、これは、AOI3000を特定するために非常に重要なステップである。
【0081】
[00110]通常、順次切断が病理医によって精査されないとき、基準画像またはスライド2625は、サンプルスライド465、466、467、468上の続く組織内の等価な区域を見つけるのに重要である。本目標は、様々な下流アプリケーションで解析されるために、AOIからできるだけ多くの組織サンプル406の体積を収集することである。
【0082】
[00111]組織サンプル406は順次切断であり、そこでは組織が収集されている。これらのサンプル406は、組織サンプルスライド465、466、467、468上でステージ400へ物理的に搭載され、本例示的実施形態によって利用されるソフトウェアは、画像コントラストを与える以外に、これらのサンプル406を変換または変更することはできない。基準スライドが第1の組織サンプルスライド465と位置合わせされると、続いて、AOI3000は、ワークフロー2500のソフトウェアによって残りのサンプルスライド466、467、468の上へ移される。
【0083】
[00112]サンプルスライド465、466、467、468上への基準スライド画像の転写および位置合わせは、使用者に手動で行われてもよく、またはワークフロー2500によって自動で行われてもよい。そのような転写を行う例示的な方法は、例えば、特許出願の国際公開WO2016120433A1に記載されており、参照によって全体として本明細書に組み込まれており、これは、全体的に、注釈付けを組み込むことによる生体標本および組織スライドのメソダイセクションのための臨床ワークフロー、およびデジタルパソロジーイメージングおよびメソダイセクション(またはミリング)システム内のインターマーカ位置合わせモジュールを説明する。基準スライド・ミリングスライドの画像は、同じ撮像システムを用いて取得することができ、ミリングスライドに関連した画像上の注釈付けは、インターマーカ位置合わせに基づいている。各画像は、そのそれぞれの注釈付けおよびメタデータと共に、プロジェクトまたはケースに関連付けられてもよく、画像管理システムに記憶される。同じマーカ位置合わせを使用して、ミリングスライドの注釈が付けられた画像からミリングスライドのライブ画像へ注釈付けをマップすることができる。ミリングスライドは、注釈付けに基づいてミルされてもよく、ミルされた組織は、ラベルの付いた入力スライドに関連してラベルが付けられている収容されるものに出力される。
【0084】
[00113]
図31は、組織サンプルスライド465上へ投影された様々なAOI3001、3002、3003、3004(または3000)を示すスクリーンショット3100を示す。このステージでは、使用者は、AOI3000の位置合わせを微調整し、組織サンプル406に注釈を付けることができる。加えて、自動化が所定の位置である場合、これは、あらゆることが位置合わせされ、ダイセクションは開始されるまたはダイセクション経路および体積を修正する準備が整っている迅速な精査となる(ワークフロー2500のステップ2555)。
【0085】
[00114]スクリーンショット3100に示されたダッシュボードは、緩衝液消費およびターゲット体積の視覚的表示をもたらすダイセクション情報パネル3110を使用者にさらに提供する。この例示的な説明では、インジケータ3120は、約2と3分の1(2.33)バイアルが充填されているのを示し、これは、第1の3つのコレクションバイアル410に収集される緩衝液の所望の体積を反映する。この例示では、各ミリングチップ600は、約800umの容量を有し、グループ全体積は300mm3である。
【0086】
[00115]スクリーンショット3100によって示されたダッシュボードは、削られる4つのAOI3000を反映するAOIパネル3130も使用者に提供する。ダッシュボードは、全体ビューについて次のサンプルに進むまたは前のサンプルに戻るために選択のホットスポット上で使用者が選択およびクリックすることを可能にするナビゲータパネル3140も提供する。「全部ダイセクト」キー3150は、セットアップ全体が完了し、切除工程を進めることができると使用者が満足すると、使用者によって押圧することができる。
【0087】
[00116]
図32は、本開示の例示的実施形態によるAOIパネルのスクリーンショット3200を表す。AOIパネルは、どのくらい多くの関心区域が組織ダイセクション機器100によって認識されているか視覚的に決定する能力、ならびに名前変更および色の変更、ならびに各関心区域3000のグループ化をする能力を使用者に提供する。
【0088】
[00117]一例として、「グループ01」アイコン3210のダブルクリックまたは長押しによって、使用者は、グループ01の名前を変更する能力、およびその色を変更する能力を有する。「区域02」アイコン3220を選択するまたは選択しないことによって、使用者は、AOI3002について外形としてダイセクション経路を見る能力を有する。「区域04」アイコン3230の右クリックによって、使用者は、特定のAOI3004を削除または除外する能力を有する。「関心区域」アイコン3250をクリックすることによって、使用者は、新規AOIグループまたは新規関心区域を追加するオプションを有する。
【0089】
[00118]
図33は、本開示の例示的実施形態による、「AOI-メニュー状態」のパネルスクリーンショット3300を表す。このパネルは、使用者に、各個々のAOI3001のセッティングの詳細図を与えると共に、これらのセッティングを選択的に改良する能力を与える。一例として、パネルは、区域ラベル3310、AOIメニュー3315、削除メニュー3320、編集形状メニュー3325、およびグループメニュー3330を使用者に与える。
【0090】
[00119]
図34は、本開示の例示的実施形態による、「ダイセクション情報」パネルのスクリーンショット3400を示す。このパネルは、使用者に以下のものを与えるものであり、すなわち、各ミリングチップ600の緩衝液消費の視覚的インジケータ3410、ダイセクション経路に影響を及ぼすミリングチップ600についての詳細を与えるドロップダウンメニュー、使用者をセットアップページに戻すセットアップ選択キー3430、緩衝液の体積評価を使用者にリアルタイムで与える体積インジケータ3440、および選択に係るグループまたは複数のグループのダイセクションを選択的に開始する複数の「ダイセクト」キー3450、3455、3460を与える。
【0091】
[00120]全てのミリングチップ600がチップ保持具420、421、422、423に装填されると、コレクションバイアル410は、それらの対応するウェル425に装填され、適切な緩衝液が、フィルステーション500内に充填され、AOI3000が選択され、使用者は、「ダイセクト」キー3450、3455、3460のいずれか1つを押圧することができ、それによってワークフロー2500のダイセクションステップ2555を選択的に開始する。それに応じて、ヘッド組立体800は、チップ保持具420において第1のミリングチップ600をピックアップし、ミリングチップ600をカメラ321の視野へ移動させる。
図35は、ワークフロー2500の「ダイセクト」機能(ステップ2555)を開始するときのミリングチップ600のカメラショット3500を表す。
【0092】
[00121]より先に説明したように、ソフトウェアまたはワークフロー2500は、正しいミリングチップ600が搭載されているか(すなわち、存在およびサイズ)判定するために色認識アルゴリズムを使用する。結果が使用者に許容可能である場合、組織ダイセクション機器100は、ミリングチップ600をフィルステーション500へ自動的に移動させて、ミリングチップ600に緩衝液を加える。ワークフロー2500は、フィルステーション500(または貯槽525)の重量変化を監視することによって十分な緩衝液が引き出されたか監視する。
【0093】
[00122]次いで、ダイセクション機器100は、複数のサンプルスライド405および注釈が付けられた領域に連続ダイセクションを実行する。以下のことまだ確認されていない場合、ダイセクションが完了すると、カメラ325は、コレクションバイアルウェル425へ移動し、組織ダイセクション機器100は、コレクションバイアル410の有無を確認する。コレクションバイアル410が存在する場合、組織ダイセクション機器100は、ミリングチップ600の内容物(すなわち、緩衝液と収集組織406の混合物)をコレクションバイアル410に供給する。全ての所望の組織サンプル406が削られてしまうまで、組織ダイセクション機器100は、前述のダイセクションステップを繰り返す。
【0094】
[00123]
図36は、「ダイセクト」機能の開始を示すスクリーンショット3600を示す。スクリーンショット3600は、様々なAOI3000の割り当て、および指定されたグループにわたるそれらのそれぞれの分配を示す。一例として、AOI3001およびAOI3004(
図37)は、グループ01に割り当てられており、青色の識別表示により、関連したミリングチップ600がより大きい容量を有することを示す。AOI3002および3003は、他方で、グループ02に割り当てられており、緑色の識別表示により関連したミリングチップ600が中程度の容量を有することを示している。加えて、パネルは、使用者が「ダイセクト」機能をすでに開始した後でも、使用者がロット番号および緩衝液情報を加えることを可能にする。
【0095】
[00124]
図37は、AOI3001、3002はそのままで、(緑色の付いた)AOIグループ02に割り当てられているAOI3002、3004が除外されることを示すカメラショット3700を示す。
【0096】
[00125]
図38は、使用者がダイセクションプロセスを一時停止または停止させた後のカメラショット3700の別の図であり、残り物の組織(AOI3001、3004)をピックアップし直す(3810)、またはダイセクションを完了し、発見をレポートする(3820)という2つのオプションを使用者に与える。使用者は、受入番号を入力するためのオプションを有する。
【0097】
[00126]
図39は、本開示の例示的実施形態による用意されている最終的なレポートのスクリーンショット3900を示す。このレポート3900は、全体ビュー、ホットスポット、追跡ID番号、およびダイセクトされたAOI3000など、できる限り多くのワークフロー2500のアクションを記録する。最終的なレポートは、さらなる備考3905を入力するオプションを使用者に与え、「実行」キー3910を押圧することによってケースリストに戻り、いくつかのフォーマット3920のうちの1つにレポートをエクスポートする。
【0098】
[00127]ワークフロー2500のサンプル追跡手順2560は、以下のメタデータを記録する組織ダイセクション機器100によって自動的に実行される。
・ 使用者:ダイセクション作業を実行した者。
・ 使用された試薬:使用者は緩衝剤情報、ミリングチップロット番号を入力する。
・ ケース情報:患者情報、オーダー情報、病理医、およびケース備考を記録する。
・ 注釈付けを移すために使用される基準スライド2625の画像:基準スライド2625の画像を記憶する。画像はTIFファイルとして利用可能であり、最終的なサンプルレポート3900に報告される。基準画像は、外側デジタルパソロジーシステムまたはステージ上のスキャンされたライブからインポートされ得る。
・ ダイセクションのイベントが記録される前後:工程内のキーステップが記録される。ダイセクションプロセス中、組織サンプル406は、サンプルスライド405からとられる。サンプルスライド405の画像は、ダイセクションプロセスの前後に取得される。ダイセクション後の画像は、実際のダイセクションのものである。以下の画像は、ダイセクションプロセス中に撮られる。
○ 基準画像:インポートされたまたは注釈を付けられた画像のデジタル画像。
○ 注釈付け:サンプルスライド上に描かれた注釈付け。
○ ミリングパス:ミリングパス、システムは、スライド上で実行するように計算される。
・ サンプルレポート:サンプルレポートは、使用者、試薬、スライドの画像、収集されたダイセクション区域、サンプル収集の番号および場所の情報を含むサンプルに関係した全ての情報を示す。
【0099】
[00128]
図40、
図41、
図42は、組織ダイセクション機器100の動作中に使用者が利用可能である様々なツールのスクリーンショット4000、4100、4200をそれぞれ示す。
図40は、パン、取り消し、不透明度、およびズームツールを示す。
図41は、変形ツールを示す。
図42は、描画およびAOIツールを示す。
【0100】
[00129]
図43、
図44、
図45、
図46は、組織ダイセクション機器100の動作中に使用者が利用可能である様々な特徴に関してそれぞれスクリーンショット4300、4400、4500、4600を表す。
図43および
図44は、AOIグループ特徴を示す。あるAOI3000について異なる出力を定める必要があり得る。この場合には、AOI3000をグループ化できること、およびAOI3000のグループごとに異なるコレクションバイアル410を定めることは、極めて重要になる。この例示では、AOI3006は、それ自体のグループ(黄色)およびミリングチップ626を割り当て、一方、AOI3007および3008は、共にグループ化され(赤色)、ミリングチップ627に割り当てられた。AOIの各グループは、異なる下流アプリケーションなどによる別々の解析に備えて、別々にダイセクトされる。ダイセクションプロセス4310は、バッチで行われる。まず、1つのグループがダイセクトされ、先に説明したように、収集された組織が第1のセットのコレクションバイアルの中に配置される。次いで、第2のグループが、ダイセクトされ、第2のセットの第2のバイアルの中に配置される。
【0101】
[00130]スクリーンショット4400を参照すると、「ダイセクション情報」パネル4410は、青色のAOI3001、3004に対応するグループ01、緑色AOI3002、3003に対応するグループ02の2つの色分けされたグループに分割される。パネル4410は、使用者が個々のAOLごとにミリングチップ600を定めることを可能にする。「関心区域」パネル4420は、グループ01およびグループ02という同じ2つの色分けされたグループにやはり分割される。「関心区域」パネル4420は、使用者がAOIを異なるグループにドラッグおよびドロップすることを可能にする。グループが消去される場合、AOIは、グループ01へ戻る。関心区域のグルーピングは、例えば、各グループを削られる異なる生体標本(例えば、腫瘍タイプ)へ割り当てることについては重要である。
【0102】
[00131]
図45のスクリーンショット4500は、AOI挙動特徴を示す。AOIは移動し、順次切断に沿って変更することができる。ほとんどの場合、基準スライド2625の変形および/または反りは十分である。しかしながら、ある種のより難しい場合には、特定のサンプルにおいて、組織ダイセクション機器100により、使用者がAOIの形状を選択的に編集することを可能にすることが重要になるが、追跡を容易にするために同じ名前を維持する。
【0103】
[00132]
図46のスクリーンショット4600は、AOI形状を編集する特徴を示す。いくつかの状況では、それが順次切断を通じて展開するやり方なので、AOI形状を調整することが必要になり得る。したがって、サンプル全体を通じて独特なAOIを生成する代わりに、組織ダイセクション機器100は、特定のスライドにおいて使用者がAOI4610の形状を選択的に変えることを可能にするが、同じ名前を保持する。
【0104】
[00133]図(A)は、AOIの名前および区域を示す「初期設定状態」を示す。図(B)は、特定のAOI4610の選択を強調し、AOI4610の削除、形状の編集、またはグループ化に対する「アクション」メニューを使用者に与える赤い外形4620を示す「オンクリック状態」を示す。図(C)は、「アクション」メニューをフェードさせ、元のAOI4610の外形4620を赤色で見えるままにさせる「編集状態」を示す。図(D)は、元のAOIの外形4620と比較して使用者がAOIを再描画することを可能にする「描画状態」を示す。再描画されたAOI4630は、特定を容易にするために、異なる色、例えば青色で示されている。図(F)は、再描画されたAOI4630を保存またはキャンセルするオプションを使用者に与える「オンリリース状態」を示す。保存される場合、再描画されたAOI4630は、元のAOI4610に取って代わり、そのグループ化および色を仮定する。
【0105】
[00134]本明細書中に記載された流れ図ごとに、方法の1つまたは複数は、コンピュータ可読コードを含むコンピュータ可読媒体に具体化され得、コンピュータ可読コードがコンピューティングデバイス上で実行されるときに、一連のステップが実行されるようになっている。いくつかの実施では、方法のいくつかのステップは、本発明の要旨および範囲から逸脱することなく、組み合わされ、同時に実行され、または異なる順序で実行されもしくは場合によっては省略される。したがって、方法のステップは、特定の順序で説明および図示されるが、特定の順序のステップを使用することは、本発明の何らかの限定を示唆する意味ではない。本発明の要旨および範囲から逸脱することなく、ステップの順序に関して変更がなされてもよい。したがって、特定の順序の使用は、限定の意味にとられるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定められる。
【0106】
[00135]当業者によって理解されるように、本発明の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具体化されてもよい。したがって、本発明の態様は、完全にハードウェアの実施形態、(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)完全にソフトウェアの実施形態、または「回路」「モジュール」、または「システム」と本明細書中で全て一般に呼ばれ得るソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせる実施形態の形態をとってもよい。さらに、本発明の態様は、コンピュータ可読プログラムコードをそこに具体化した1つまたは複数のコンピュータ可読媒体中に具体化されるコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。
【0107】
[00136]さらに理解されるように、本発明の実施形態の工程は、ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアの任意の組み合わせを用いて実施することができる。ソフトウェアにおいて本発明を実施するための準備のステップとして、プログラミングコードは(ソフトウェアにせよ、ファームウェアにせよ)、典型的には、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体に記憶され、例えば、限定するものではないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、またはデバイス、あるいは前述の任意の適切な組み合わせである。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(包括的でないリスト)は以下の、1つまたは複数の有線を有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または前述のものの任意の適切な組み合わせを含む。本文書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスにより使用される、またはこれらと接続するプログラムを収容または記憶することができる任意の有形の媒体であり得る。
【0108】
[00137]プログラミングコードを含む製品は、記憶デバイスから直接コードを実行することによって、記憶デバイスからハードディスク、RAMなどの別の記憶デバイスにコードをコピーすることによって、またはデジタルおよびアナログの通信リンクなどの伝送タイプの媒体を用いて遠隔実施のためのコードを伝送することによって使用される。本発明の方法は、内部に収容されるコードを実行するために適切な処理ハードウェアを備えた本発明によるコードを収容する1つまたは複数の機械可読記憶デバイスを組み合わせることによって実施されてもよい。本発明を実施する装置は、本発明によるコード化されたプログラムにアクセスするネットワークを収容するまたは有する1つまたは複数の処理デバイスおよび記憶システムであってもよい。
【0109】
[00138]コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドでまたは搬送波の一部として、内部に具体化されるコンピュータ可読プログラムコードを有する伝搬されるデータ信号を含み得る。そのような伝搬される信号は、限定するものではないが、電磁、光学、または任意の適切なそれらの組み合わせを含む様々な形態のいずれかをとってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではない任意のコンピュータ可読媒体であり得、命令実行システム、機器またはデバイスにより、またはそれらと接続して、使用するためにプログラムを伝達、伝播、または移動し得る。
【0110】
[00139]コンピュータ可読媒体に埋め込まれたプログラムコードは、限定ではないが、ワイヤレス、ワイヤライン、光ファイバケーブル、R.F、等、または上記の任意の適切な組み合わせを含む、任意の適切な媒体を使用して伝達され得る。本発明の各態様の動作を実行するコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++等などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語もしくは同様のプログラミング言語等などの従来の手続き型プログラミング言語を含む1つまたは複数のプログラミング言語のうちの任意の組み合わせにより書かれ得る。プログラムコードは、使用者のコンピュータ上で全体的に、使用者のコンピュータ上で部分的に、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、使用者のコンピュータ上で部分的にかつ遠隔コンピュータ上で部分的に、または遠隔コンピュータもしくはサーバ上で全体的に実行することができる。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介して使用者のコンピュータに接続されてもよく、あるいは接続は、(例えば、インターネットサービスプロバイダ用いてインターネットを通じて)外部のコンピュータに行われてもよい。
【0111】
[00140]言い換えると、本発明は、プロセッサによって実行されるときに、機器のフィルステーションのロードセルブロックを自動的に較正させること、機器の自動式の先端圧力アクチュエータを較正させること、収集される組織体積の決定を可能にするように組織サンプルタイプおよびパラメータを示す使用者入力を得ること、機器に注釈付けを含む基準画像をインポートさせること、位置合わせされた基準画像を他の搭載された組織サンプルスライドに自動的に複製するために基準画像を第1の組織サンプルスライドに位置合わせするように使用者に促すこと、注釈付けに基づいて1つまたは複数の生体標本の機器によってダイセクションを開始することを含む複数の動作をプロセッサに実行させる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。
【0112】
[00141]本命令は、工程によって実行されるときに、以下の動作の少なくとも1つをプロセッサにさらに実行させる。
- ダイセクトされる関心区域を選択するように使用者を促すこと
- 関心区域を独立したグループに選択的にグループ化するように使用者を促すこと
- フィルステーション貯槽がロードセルブロック上に搭載され、緩衝液の充填状態を監視することを確認するように使用者を促すこと
- 所望の個数ミリングチップおよび対応する個数のコレクションバイアルに荷重をかけるように使用者を促すこと
- ダイセクションのセッティングを入力するように使用者を促すこと
- ダイセクションの実行を完了するために十分な緩衝液がフィルステーション貯槽内に収容されているか報告すること
- ダイセクションの実行中にダイセクション緩衝液がミリングチップによって収集されたか報告すること
- 装填されたミリングチップおよびコレクションバイアルの視覚的に色分けされた図を提供すること。
【0113】
[00142]工程によって実行されるときに、命令は、入力された組織サンプルタイプおよびパラメータ、ならびにダイセクションセッティングに基づいて、プロセッサにミリングチップのそれぞれ1つに加えられる重量をさらに割り当てさせ得る。