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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】エネルギーの貯蔵および変換
(51)【国際特許分類】
   H02N 3/00 20060101AFI20220418BHJP
【FI】
H02N3/00 Z
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2019571115
(86)(22)【出願日】2018-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-02
(86)【国際出願番号】 GB2018050599
(87)【国際公開番号】W WO2018162917
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2019-11-08
(31)【優先権主張番号】1703802.7
(32)【優先日】2017-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519327445
【氏名又は名称】イオネック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】オーウェン、ネイサン
【審査官】尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特公昭46-002466(JP,B1)
【文献】特開平03-265478(JP,A)
【文献】特開2003-250285(JP,A)
【文献】特開昭57-160373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する装置であって、
フローチェンバと、
一対の電荷収集電極と、
電界生成器と、を備え、
前記フローチェンバは、流体の入口ポートと流体の排出ポートとを備え、
前記一対の電荷収集電極は、収集方向に沿って互いに間隔をあけて配置され、前記フローチェンバ内に露出し、
前記電界生成器は、前記流体内の荷電種を分離するために、前記フローチェンバ内に電界方向に沿った電界を生成するように構成され、
前記流体の前記入口ポートと前記流体の前記排出ポートとの間の流路が、前記収集方向に沿う成分と前記電界方向に沿う成分とを有する流れ方向を持ち、
前記電界は、前記流体をイオン化するためのイオン化電界であり、
前記電界生成器は、一対の電界生成電極を備え、
前記一対の電界生成電極は、前記電界方向に沿って間隔をあけて配置され、前記フローチェンバの両側に露出することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記電界生成電極は、前記フローチェンバから電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電界方向と前記収集方向とは、実質的に平行であることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記収集方向と前記流れ方向とは、実質的に平行であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記電荷収集電極の中心軸は、前記流路の少なくとも一部に相当する軸と一致することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記流路は、前記電荷収集電極を通ることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記電荷収集電極は、メッシュ電極であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
流体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換するシステムであって、
請求項1から7のいずれかに記載の装置と、
イオン化された電界を生成するための、電流制限電圧供給装置と、
前記電荷収集電極の1つに接続された負荷と、を備えることを特徴とするシステム。
【請求項9】
圧縮流体を含むコンテナに前記入口ポートを接続するためのコネクタを備えることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンテナは、前記コネクタに取り外し可能に接続され、
これにより空のコンテナは、圧縮流体を含む新しいコンテナに交換可能であることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記流体の流率を調整するための制御器を備えることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記制御器は、前記負荷で消費されたエネルギーを表す量を受信し、前記流体の流率を、前記負荷で消費されたエネルギーを表す量の関数として調整するように構成されることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記制御器は、前記負荷に必要なエネルギーを表す量を受信し、前記流体の流率を、前記負荷に必要なエネルギーを表す量の関数として調整するように構成されることを特徴とする請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
前記負荷は、電気モータであることを特徴とする請求項8から13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
前記電気モータは、例えば、電気またはハイブリッドの自動車、自転車、三輪車、船、列車または飛行機などの電気式輸送機関に搭載されることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記負荷は、電力会社サブステーションなどの電力供給ネットワークまたは1つ以上の民間会社もしくは住宅ユニットの電力供給ネットワークを備えることを特徴とする請求項8から13のいずれかに記載のシステム。
【請求項17】
圧縮流体のポテンシャルエネルギーを電気エネルギーに変換する方法であって、
フローチェンバを通る流れ方向に沿った前記圧縮流体の流れを発生させるステップと、
前記フローチェンバを流れる前記流体に電界を与えるステップと、
正および負の荷電種の1つまたは各々の少なくとも一部を、それぞれの電流収集器で収集するステップと、
電気エネルギーを与えるために、前記電流収集器の1つから負荷に電流を流すステップと、を備え、
前記流れを発生させるステップにより、前記圧縮流体のポテンシャルエネルギーが、流体の流れの運動エネルギーに変換され、
前記電界は前記流れ方向に沿う成分を有する電界方向を持ち、これにより、前記流体の正および負の荷電種が前記電界方向に沿って分離され、
前記正および負の荷電種の一方は、前記流れ方向の成分を有する方向に運動するようにバイアスされ、
前記正および負の荷電種の他方は、前記流れ方向と逆方向の成分を有する方向に運動するようにバイアスされ、
正および負の荷電種を含むイオン化された流体を生成するために、流れる前記流体に前記電界を与えることにより、前記流体をイオン化するステップを備え
前記電界は、前記電界方向に沿って間隔をあけて配置され、前記フローチェンバの両側に露出する一対の電界生成電極によって生成されることを特徴とする方法。
【請求項18】
前記流体をイオン化するステップは、プラズマを生成するステップを備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記流体をイオン化するステップは、暗放電またはコロナ放電などの放電を発生させるステップを備えることを特徴とする請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記負荷で消費されたエネルギーを表す量を検知するステップと、
前記流体の流率を、前記負荷で消費されたエネルギーを表す量の関数として調整するステップと、を備えることを特徴とする請求項17から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記負荷に必要なエネルギーを表す量を受信するステップと、
前記流体の流率を、前記負荷に必要なエネルギーを表す量の関数として調整するステップと、を備えることを特徴とする請求項17から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記流れ方向と前記電界方向とのスカラー積は負であることを特徴とする請求項1から21のいずれかに記載の装置、システム、または方法。
【請求項23】
前記流れ方向と前記電界方向とのスカラー積は正であることを特徴とする請求項1から21のいずれかに記載の装置、システム、または方法。
【請求項24】
前記流体は、空気、アルゴンまたはネオンなどのガスであることを特徴とする請求項1から23のいずれかに記載の装置、システム、または方法。
【請求項25】
前記流体は、不活性ガスであることを特徴とする請求項1から24のいずれかに記載の装置、システム、または方法。
【請求項26】
流体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する装置であって、
フローチェンバと、
一対の電荷収集電極と、
電界生成器と、を備え、
前記フローチェンバは、流体の入口ポートと流体の排出ポートとを備え、
前記一対の電荷収集電極は、収集方向に沿って互いに間隔をあけて配置され、前記フローチェンバ内に露出し、
前記電界生成器は、前記流体内の荷電種を分離するために、前記フローチェンバ内に電界方向に沿った電界を生成するように構成され、
前記電界生成器は、一対の電界生成電極を備え、
前記一対の電界生成電極は、前記電界方向に沿って間隔をあけて配置され、前記フローチェンバの両側に露出することを特徴とする装置。
【請求項27】
圧縮流体のポテンシャルエネルギーを電気エネルギーに変換する方法であって、
前記圧縮流体のフローチェンバを通る流れ方向に沿った流れを発生させるステップと、
電界生成器で、前記フローチェンバを流れる前記流体に電界を与えるステップと、
正および負の荷電種の1つまたは各々の少なくとも一部を、それぞれの電流収集器で収集するステップと、
電気エネルギーを与えるために、前記電流収集器の1つから負荷に電流を流すステップと、を備え、
前記流れを発生させるステップにより、前記圧縮流体のポテンシャルエネルギーが、流体の流れの運動エネルギーに変換され、
前記電界生成器は、一対の電界生成電極を備え、
前記一対の電界生成電極は、電界方向に沿って間隔をあけて配置され、前記フローチェンバの両側に露出することを特徴とする方法。
【請求項28】
前記電界生成器は、一対の電界生成電極を備え、
前記一対の電界生成電極は、前記電界方向に沿って間隔をあけて配置され、前記フローチェンバの両側に露出し、
前記電界生成電極は、前記フローチェンバから電気的に絶縁されることを特徴とする請求項26に記載の装置、または請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エネルギーの貯蔵および変換に関する。具体的には本開示は、ガス等の流体内の運動エネルギーまたはポテンシャルエネルギーの形のエネルギーを、電気エネルギーに変換することに関する。
【背景技術】
【0002】
ポータブルなエネルギー貯蔵技術の多くは、エネルギーを電池や燃料電池内に化学的な形で貯蔵し、必要なときにこれを電気エネルギーに変換することを含む。
多くの精力的な研究は電池や燃料電池の開発および改良を目的に行われ、限られた電池の製品寿命や安全な燃料電池などの課題の解決に向けられている。
【0003】
ガスまたは液体のポテンシャル(圧力)エネルギーの形によるエネルギー貯蔵もまた知られている。
例えば、需要が低いときは電気を使って水をより高いポテンシャルまで吸い上げる一方、需要が高いときは吸い上げられた水を発電タービンを通して落下させることが知られている。
同様に、一定圧力(例えば、海底貯蔵)や一定体積(例えば、地下貯蔵)のガスの形によるエネルギー貯蔵も知られている。
しかしながらこうした形のエネルギー貯蔵は、貯蔵したエネルギーを電気エネルギーに変換するために、タービンや電力装置を含む大規模な設備と複雑な構造を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
改良された代替的な形でのエネルギー貯蔵が常に求められている。
特にこうした新しい形のエネルギー貯蔵では、例えば電気自動車に搭載できるような小規模なものが求められる(必須ではないが)。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、流体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する装置は、流体の入口ポートと流体の排出ポートとを備えるフローチェンバを備える。
一対の電荷収集電極が、収集方向に沿って互いに間隔をあけて配置され、フローチェンバ内に露出する。
電界生成器が、流体内の荷電種を分離するために、フローチェンバ内に電界方向に沿った電界を生成するように構成される。
流体の入口ポートと流体の排出ポートとの間の流路が、収集方向に沿う成分と電界方向に沿う成分とを有する流れ方向を持つ。
【0006】
電界によって分離された正および負の荷電種のうち第1のものは、電解によって、一般に流体の流れと同じ方向に運動するようにバイアスされる。
正および負の荷電種のうち第2のものは、一般に流体の流れと逆の方向に運動するようにバイアスされる(これにより、電界により誘起された運動の方向と流れの方向のスカラー積は、それぞれ正および負となる)。
流れは荷電種に異なった効果を与える。
従って、電界に起因するものに加えて、収集電極の間に追加的な荷電分離が発生する。
これにより、流れの運動エネルギー(これは例えば、圧縮された流体容器内の圧力のポテンシャルエネルギーの結果である)が、負荷で消費可能な電気エネルギーに変換される。
荷電種の異なる運動を含むイオン化ガスその他の流体の場合、荷電種の一方(例えばガスイオン)は、荷電種の他方(例えば電子)より強く、流体の流れから影響を受けるだろう。
その結果、より強く流れから影響を受けやすい方の荷電種が、優先的に排出ポートを通ってフローチェンバから離れるだろう。
これに対し他方の荷電種は、それぞれのキャプチャ電極によって優先的にキャプチャされるだろう。
これによりキャプチャ電極間のポテンシャル差が増大し、過剰電荷に相当する電気エネルギーが与えられる。
【0007】
本開示で動作の原理が記述されたとしても、それは説明のためであり、開示の範囲を限定するものではないことが理解されるだろう。
【0008】
いくつかの実施の形態では、電界は、流体をイオン化するためのイオン化電界である。
流体は、空気、アルゴンまたはネオンなどのガスであってよい。
流体をイオン化することは、フローチェンバ内に、プラズマを生成すること、および/または、暗放電またはコロナ放電などの放電を発生させることを含んでよい。
このような実施の形態では、荷電種の一方はガス分子から引き剥がされた電子であり、荷電種の他方はそれにより生じた正の荷電ガスイオンである。
特に流体の流れは、自由電子より荷電イオンに対して強く影響するだろう。
その結果、流体の流れによって、電子より多くの荷電イオンが差動的にフローチェンバを離れる。これにより荷電分離が促進され、収集電極間の電気ポテンシャルが増大する。
他の実施の形態では、流体は例えば、溶液内に正および負に帯電したイオンが存在する液体であってもよい。
【0009】
いくつかの実施の形態では、電界生成器は一対の電界生成電極を備え、この一対の電界生成電極は、電界方向に沿って間隔をあけて配置され、フローチェンバの両側に露出する。
いくつかの実施の形態では、電界生成電極は、電荷生成電極によって与えられてもよい。
他の実施の形態では、電界生成電極は、荷電収集電極から分離されてもよく、フローチェンバから電気的に絶縁されてもよい。
電界生成電極は、任意の好適な電圧源(例えば、任意の高電圧(HV)供給源で電力源としてバッテリーを備えるもの)によって駆動されてもよい。
追加的または代替的に、好適な電圧源はHVキャパシタを備えてもよい。
【0010】
いくつかの実施の形態では、電界方向と流れ方向とは実質的に平行であってもよい。
いくつかの実施の形態では、収集方向と流れ方向とは実質的に平行であってもよい。
有利なことに、これは流体の効果を最大化するだろう。
とはいえ、流れ方向と電界方向および/または収集方向とのスカラー積がゼロでない限り、一定の効果は存在する。
いくつかの実施の形態では、電界方向と流れ方向との間の角度、および/または、収集方向と流れ方向との間の角度は、-n度以上n度以下、または(180-n)度以上(180+n)度以下であってよい。
ここでnは45より小さく、例えば30、20または10である。
いくつかの実施の形態では、nは5より小さくてよい。
いくつかの実施の形態では、電界方向と収集方向とは、実質的に平行であってよい。
いくつかの実施の形態では、流路は、電荷収集電極の一方または両方を通る。
例えば、電荷収集電極はメッシュ電極であってよい。
電荷収集電極の中心軸は、流路の少なくとも一部に相当する軸と一致してよい。
【0011】
第2の態様では、流体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換するシステムは、前述の装置を備える。
このシステムはさらに、イオン化された電界を生成するための電流制限電圧供給装置と、
電荷収集電極の1つに接続された負荷と、を備える。
いくつかの実施の形態では、負荷は、よりポテンシャルの低い方の電極(すなわち、給電装置の負極に接続された電荷収集と電界生成の統合電極、または、給電装置の負極に接続された電界生成電極に隣接する電荷収集電極)に接続されてよい。
これは、いくつかの実施の形態(例えば、流体がイオン化されたガスであるもの)で効果を改善するだろう。
例えば負荷は、電荷収集電極の一方と接地ポテンシャルとの間に接続されてもよい。
このとき電荷収集電極の他方は、接地ポテンシャルに接続されてもよい。
いくつかの実施の形態では、負荷は、フローティング配置で電荷収集電極に接続されてもよい。
負荷は、一方の側が電荷収集電極の一方に接続され、他方の側が電荷収集電極の他方に接続されてもよい。
負荷の一方の側と、それに対応する電荷収集電極は接地されてもよい。
【0012】
いくつかの実施の形態では、システムは、圧縮流体を含むコンテナに入口ポートを接続するためのコネクタを備える。
コンテナは、コネクタに取り外し可能に接続されてよく、これにより空のコンテナは、圧縮流体を含む新しいコンテナに交換可能であってよい。
コンテナは、装置と固定的な関係を持った状態でシステムに搭載され、例えば補充ポートを通して圧縮流体が補充されてもよい。
【0013】
いくつかの実施の形態では、システムは、流体の流率を調整するための制御器を備える。
制御器は、負荷で消費されたエネルギーを表す量を受信し、流体の流率を、負荷で消費されたエネルギーを表す量の関数として調整するように構成されてよい。
追加的または代替的に、制御器は、負荷に必要なエネルギーを表す量を受信し、流体の流率を、負荷に必要なエネルギーを表す量の関数として調整するように構成されてよい。
負荷で消費されたエネルギーを表す量は、消費された電力、負荷に流れた電流、負荷での電圧降下、またはこれらの組み合わせであってよく、あるいは負荷がモータの場合、要求される速度やトルクであってもよい。
制御器は、流体の流れを制御するバルブを制御してよい。
制御器のいくつかまたはすべては、対応する流体コンテナの上または中に与えられてもよく、コンテナとともに取り外し可能であってもよい。
【0014】
負荷は、電気モータであってもよく、例えば、電気またはハイブリッドの自動車、自転車、三輪車、船、列車または飛行機などの電気式輸送機関に搭載されてもよい。
負荷は、電力会社サブステーションなどの電力供給ネットワークまたは1つ以上の民間会社もしくは1つ以上の家、アパートなどの住宅ユニットの電力供給ネットワークを備えてもよい。
【0015】
第3の態様では、流体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する方法は、フローチェンバを通る流れ方向に沿った流体の流れを発生させるステップを備える。
流体は圧縮流体であってよい。
流体の流れを発生させるステップは、圧縮流体のポテンシャルエネルギーを流体の流れの運動エネルギーに変換してよい。
フローチェンバを流れる流体に電界が与えられる。
電界は、流れ方向に沿う成分を有する電界方向を持つ。
これにより、流体の正および負の荷電種が電界方向に沿って分離され、正および負の荷電種の一方は、流れ方向の成分を有する方向に運動するようにバイアスされ、正および負の荷電種の他方は、流れ方向と逆方向の成分を有する方向に運動するようにバイアスされる。
正および負の荷電種の各々は、それぞれの電流収集器で収集される。
そして、電流収集器の1つから負荷に電流が流れる。
【0016】
いくつかの実施の形態では、この方法は、正および負の荷電種を含むイオン化された流体を生成するために、流れる流体に電界を与えることにより、流体(例えばガス)をイオン化するステップを備える。
流体をイオン化するステップは、プラズマを生成するステップおよび暗放電またはコロナ放電などの放電を発生させるステップを1つ以上備えてもよい。
【0017】
いくつかの実施の形態では、この方法は、負荷で消費されたエネルギーを表す量を検知するステップと、流体の流率を、負荷で消費されたエネルギーを表す量の関数として調整するステップと、を備える。
追加的または代替的に、この方法は、負荷に必要なエネルギーを表す量を受信するステップと、流体の流率を、負荷に必要なエネルギーを表す量の関数として調整するステップと、を備えてもよい。
【0018】
第4の態様は、本明細書に記載の装置および/またはシステムを備える電気式輸送機関に関する。
第5の態様は、本明細書に記載の装置および/またはシステムを備える電力供給ネットワークに関する。
【0019】
さらなる態様および実施の形態が開示される。
この態様および実施の形態では、入口ポートと排出ポートとの間にある流体の流路は、収集方向および電界方向に対して任意の成分を有する流れ方向(例えば、収集方向および電界方向のいずれかまたは両方に垂直な方向)を持つ。
すなわち、この態様および実施の形態では、流体の流路の方向は、収集方向に沿う成分と電界方向に沿う成分とを有するようには制限されない。
【0020】
前述のいずれの態様および実施の形態でも、流れ方向と電界方向とのスカラー積は負であってよい。
すなわち電界は、負に帯電した種(例えば電子)を、一般に流体の流れと同じ方向に加速するように作用する。
これに対し流体の流れは、正に帯電した種(例えば、正のガスイオン)に対して、電界の作用と反対の作用を行う。
これは、より大きな効果を与える。
なぜなら、流体の流れは電子の運動よりイオンの運動により大きな影響を与え、流体の流れは正イオンの少なくとも一部が負の収集電極に到達することを防ぐからである。
別の実施の形態では、流れ方向と電界方向のスカラー積は正であってもよい。
この場合電界は、正に帯電した種(例えばガスイオン)を、一般に流体の流れと同じ方向に加速するように作用してよい。
【0021】
第1の方向が一般に第2の方向に沿うこと、あるいは第1の方向が第2の方向に沿う成分を持つことは、第1の方向に沿うベクトルと第2の方向に沿うベクトルとの間に(簡単にいえば、2つの方向の間に)ゼロでないスカラー積が存在すること、あるいは2つの方向が直行しておらず、従って両方向の間に0度から90度の角度、または90度から180度の角度(あるいは角度の測定の意味に応じて、180度から270度の角度、または270度から360度の角度)が存在することと等価であることが理解されるだろう。
【0022】
流体は、空気、アルゴンまたはネオンなどのガスであってよい。
有利なことに、アルゴンまたはネオンは化学的に不活性ガスであり、これらの荷電イオンは安全に大気に開放することができる。
同じことが、別の実施の形態に使うことのできる他の不活性ガスにも当てはまる。
非不活性ガス(例えば酸素と窒素を含む空気)を使う実施の形態では、有毒ガスが大気に放出されるのを防ぐため、排出ポートを離れる流体内のイオンをキャプチャするおよび/または集めるキャプチャ装置の使用を含んでもよい。
もちろん、他の実施の形態、例えば不活性ガスを使う形態がこのようなキャプチャ装置を使用してもよいことが理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下、添付の図面を参照しながら、例示と説明を用いて、本開示の実施の形態を説明する。図面の同様の要素には同様の符号を付す。
図1】流体運動エネルギーを電気エネルギーに変換する装置を備える、エネルギー貯蔵および変換システムの実施の形態を示す図である。
図2】流体運動エネルギーを電気エネルギーに変換する装置を備える、エネルギー貯蔵および変換システムの別の実施の形態を示す図である。
図3図1または2のシステムを含む電気自動車を示す図である。
図4】流体運動エネルギーを電気エネルギーに変換する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照すると、圧縮流体内に貯蔵されたエネルギーを変換するシステム2は、圧縮流体のためのリザーバ6(例えば、圧縮流体コンテナ)に接続されたエネルギー変換装置4を備える。
いくつかの実施の形態では、流体は、例えばアルゴンやネオンのような不活性ガスである。
フローチェンバ8は、一方の端部に、流路12によってリザーバ6に接続された流体の入口ポート10を備える。
フローチェンバ8は、上記端部と反対側の他方の端部に、流体の排出ポート14を備える。
それぞれ電荷収集メッシュ電極15が、各端部に与えられる。
これにより、入口ポート10から排出ポート14への(または排出ポート14から入口ポート10への)流体の流れは、メッシュ電極を通って流れる。
いくつかの実施の形態では、ポートは、それぞれの電極15を通って延びるか、またはそれぞれの電極15に注がれる。
いくつかの実施の形態では、別の電気的配置が取られてもよい。
例えば、各ポートを取り囲むかポートに隣接して配置されるリング電極、それぞれのポートに隣接して配置される点電極などが使われてもよい。
電極15の各々は、同じであるように構成されてもよいし、互いに異なるように構成されてもよい。
電極15は、ここで開示されるものの組み合わせであってもよいし、その他の形状であってもよい。
【0025】
一対の電界生成電極16が、間にフローチェンバ8を挟んで配置される。電界生成電極16はそれぞれ、入口ポート10,排出ポート14に隣接する。
誘電体材料18が、各電界生成電極16とフローチェンバ8の端部との間に、フローチェンバ8の端部に隣接して配置される。
誘電体材料18は、いくつかの実施の形態では固体であり、他の実施の形態では空気その他好適な誘電体である。
従って電界生成電極16は、フローチェンバ8から電気的に絶縁される。
いくつかの実施の形態では、流路12は誘電体材料18を通してフローチェンバ8に接続され、および/または、排出流路20が誘電体材料18を通して排出ポート14に接続される。
いくつかの実施の形態では、排出流路20は、排出イオントラップを通して直接または間接に外気に流体的に接続される。
【0026】
流体内の荷電種を分離する目的で、フローチェンバ8内に十分な強さの電界を生成するために、電流の制限された高電圧を供給する給電装置22が、電界生成電極16に接続される。
いくつかの実施の形態では、電界は、流体をイオン化するのに十分な強さの電界である。
例えば、給電装置22によって電界生成電極間に与えられるポテンシャル差は、アルゴンを流体としてイオン化するために、6000V/cm以上の強さの電界を生成するものであってよい。
いくつかの流体では、それより小さい電界が必要とされる(例えばネオンでは、600V/cm)。
一方別の流体では、それより大きい電界が必要とされる(例えば空気では、30kV/cm)。
給電装置22は、電気的エネルギーのソース24(例えば24Vバッテリーなどのバッテリーのような直流電源)から給電される。
いくつかの実施の形態では、給電装置22は、電流が制限されるように構成される。
これにより、いくつかの実施の形態では、バッテリー(またはその他の電流源)からの電流は2Aより小さいように制限される。
いくつかの実施の形態では、給電装置22に接続される回路内の電流(出力電流)は、例えば2Aより小さいように制限されてよい。
いくつかの実施の形態では、チェンバ8が空気で満たされスパークが発生するときは、出力電流は降伏電流によって制限される。
いくつかの実施の形態では、その値は、概ね50mA以上100mA以下である。
いくつかの実施の形態では、給電装置への入力電圧は、例えば9V以上12V以下であってよい。
いくつかの実施の形態では、給電装置22とソース24は、好適なソースによって予め充電された高電圧キャパシタで置き換えられてもよい。
【0027】
ステップダウンコンバータ26が、いくつかの実施の形態では電荷収集電極15のポテンシャルの低い方に、別の実施の形態では電荷収集電極15のポテンシャルの高い方に(図示されるように)、接続される。
これにより、ステップダウンコンバータ26から(すなわち装置4から)電流を流すために、電極16の間のポテンシャル差が、ステップダウンコンバータ26に接続された負荷28に必要な動作電圧までステップダウンされる。
負荷28は、電荷収集電極15に接続される。
いくつかの実施の形態では、負荷の一端とこれに対応する電荷収集電極とは接地される。
別の実施の形態では、負荷28は、フローティング配置で2つの電荷収集電極15の間に接続される。
いくつかの実施の形態では、負荷28はグランドと電荷収集電極15の一端との間に接続され、電荷収集電極15の他端もまた接地される。
【0028】
いくつかの実施の形態では、電荷収集電極15は、1cmの面積を持ち、1.6cmの間隔をあけて配置される。
一方、電界生成電極は5cmの面積を持ち、7cmの間隔をあけて配置される。
フローチェンバは、7cmの長さを持ち、34cmの内部容積を持つ。
リザーバ内の圧力が10バールのとき、フローチェンバの流率は0.1ml/分(1.7×10-3ml/秒)である。
この流率の値は、流路およびポート10、12、14、20の流動抵抗、特に排出ポート14の比較的小さい断面積と比較的大きい流体抵抗に起因する。
【0029】
図2を参照すると、いくつかの実施の形態では、装置4は、前述の図1を参照して説明した装置4と同様に構成される(同様の部品には同様の符号を付す)。しかしながら、電荷収集電極15と電界生成電極16が、電荷収集と電界生成の統合電極17で置き換えられている点で異なる。電極17は、フローチェンバ8の各端部でフローチェンバ8内に露出し、給電装置22に接続される。
いくつかの実施の形態では、電極17はチューブ状の電極として構成される。
このとき2つの電極17は、同じ方向に沿うように調整された軸を持つ。
いくつかの実施の形態では、入口ポート10と排出ポート14は、各電極17の側面に露出する。
いくつかの実施の形態では、給電装置22は、給電装置22の正極に流入する電子による電流を防止する(または強く制限する)ように構成される。
これは、例えば給電装置22の正極に関するダイオードを用いて実現される。
【0030】
電荷収集と電界生成の統合電極17は、給電装置22のそれぞれの電極に接続される。
ステップダウンコンバータ26が、給電装置22の電極の1つに、給電装置22と並列に接続される。これにより、電流が電極17から給電装置22に逆流するのを制限する(または防ぐ)。
負荷28が、ステップダウンコンバータ26に接続される。
特にステップダウンコンバータ26と負荷28は、電極17の間に接続される。
いくつかの実施の形態では、負荷の片側と電極17の1つは接地される。
いくつかの実施の形態では、負荷は、電極17の1つ(例えばポテンシャルの低い方)とグランドとの間に接続される。
このとき電極17の他方は、回路を閉じるために接地される。
【0031】
図3を参照すると、例えば電気自動車30は、前述のエネルギー変換装置4に接続されたリザーバ6を含む。
エネルギー変換装置4は、前述の給電装置22と負荷28に接続される。
負荷28は、自動車(例えば、自動車の駆動輪)を動かすための自動車のドライブトレーン32に結合された電気モータである。
いくつかの実施の形態では、リザーバ内の圧縮流体6に貯蔵されたエネルギーは、自動車を動かすための唯一のエネルギー源である。
いくつかの実施の形態では、リザーバ6は装置4に取り外し可能に接続され、空になったときは満杯のリザーバに交換されることができる。
別の実施の形態では、リザーバ6は、取り外し可能/交換可能であろうとなかろうと、電気自動車30の補充ポートを通して圧縮流体を補充されることができる。
【0032】
制御器33は、1つ以上の運転者インタフェースからの入力(例えば、必要な速度またはトルク)、負荷/モータ28からの入力(例えば、必要電流や実電流)およびリザーバ6からの入力(例えば、リザーバに関係する圧力センサおよび/またはフローセンサなどで測定されたリザーバ内圧力)を受け付ける。
そして制御器33は、給電装置22(特に電極16、17の電圧)や、場合によってはリザーバ6から装置4への流体の流れを調整するバルブ(図示しない)を制御する。
特定の実施の形態では、制御器33は、適切な制御規則に基づいて(例えば、電流、フラックス、モータのトルク出力および速度を調整するネガティブフィードバックを用いて)、印加電圧とフローを制御する。
例えば、電界強度(すなわち、電極15/17に印加される電圧)は、必要な電力に基づいて制御されてよい。
このとき電界強度は、必要な電力はとともに強くなる。
いくつかの実施の形態では、適切な制御規則を実現するのに好適な制御器は、図1および2の実施の形態で図3を参照して説明された装置に含まれる(すなわち、特定の応用と無関係に)ことが理解できるだろう。
もちろん、実現される特定の制御規則や、検知量、受信量、制御量は、応用に応じて変わることが理解できるだろう。
【0033】
次に図4を参照して、エネルギー貯蔵および変換システムを動作させる方法を説明する。
ステップ34で、リザーバ6から装置4への流体の流れが引き起こされる。
流体内の荷電種を分離するために、ステップ36で、電極16/17に電界が与えられる。
いくつかの実施の形態では、流体はガスであり、このガスは電解によってイオン化される。
例えば、いくつかの実施の形態では、電界は、ガス内に暗放電またはコロナ放電を発生させる。
いくつかの実施の形態では、デバイス4の構成と関係なく、流体は電界の方向に沿って流れる。
ステップ38で、荷電種(流体で固有の荷電種か、ガスイオンや電子などイオン化によって生成された荷電種)が、収集電極16によって収集される。
荷電種は、例えば各種の運動および/または流れに対する電極の配置に起因して、流体の流れによって差動的に影響されてよい。
その結果、状況に応じて、荷電種のあるものが排出ポート20を通って装置4を優先的に離れ、荷電種の別のものが関係する電極15/17で優先的に収集されてよい。
その結果、ステップ40で、流体の流れに起因して電極15/17間のポテンシャル差が増した結果、過剰電荷が電流として流れ、負荷28が電気的に動作してもよい。
【0034】
前述のようなステップ34における流体の流れ(例えばバルブを通る)のいずれかまたは両方、あるいはステップ36で与えられた電界(例えば、給電装置22の電圧設定によって)は、いくつかの実施の形態では、1つ以上の検知されたまたは受信されたパラメータに基づいて制御されてよい。
検知されたパラメータは、負荷によって消費されたエネルギーを表してもよい。
また受信されたパラメータ、負荷に必要なエネルギーを表してもよい。
さらに制御は、リザーバ6内の圧力のような、検知されたパラメータに基づいてもよい。
さらに、例えば前述のように流体がガスである場合、給電装置22による電圧は、流体をイオン化するのに十分な電界を与えるために必要な電力に基づいて、装置4が必要な電力を供給できるように制御される。
いくつかの実施の形態では、電圧は時間とともに変化してよい。
例えばいくつかの実施の形態では、最初に給電装置22は、ガス内で放電が起こるまでおよび/またはプラズマが生成されるまで高い電圧を与える。その後電圧は、放電またはプラズマを維持するのに必要なより低いレベルまで減少する。
流体を効率的に利用し、必要な電力を与えるために、電界強度の制御は、フィードバック、時間プロトコルまたはその両方に基づいてもよい。
【0035】
例えばリザーバ6内の圧力、および/または、必要なまたは実際に負荷で消費される電力(または関連する測定値、前述を参照)は変化する。
従って流率は、可能な限り実質的に一定であるように制御されてよい。
いくつかの実施の形態では、制御器は、流率および/または供給電圧を増加させることによって、必要な電力/消費される電力に応答してもよい。
追加的または代替的に、いくつかの実施の形態では、制御器は、例えばフローチェンバ8内の圧力センサからの信号に応答して、フローチェンバ8内の圧力を制御してもよい。
流率および/または圧力は、一方では入口流路およびポート12、10の流体抵抗を制御することにより、他方では排出流路およびポート14、20の流体抵抗を制御することにより、制御されてもよい。
例えばある実施の形態では、流路12、14のいずれか一方または両方にスロットルバルブが与えられてもよく、および/または、ポート10、20は可変開口を備えてもよい。
いくつかの実施の形態では、スロットルバルブおよび/または可変開口は状況に応じて、制御器によって制御されてよい(例えば、前述のように流率および/または圧力を制御することにより)。
前述の制御態様は、前述のすべての実施の形態(図1、2または3を参照して説明したものを含む)に適用可能であることが理解されるだろう。
【0036】
いくつかの実施の形態では、流れの方向および電界の方向は、一般に反対を向いてよい(すなわち負のスカラー積を持つ)。
これらの実施の形態では、正の荷電種は、電界および流れによって、異なる方向に運動するようにバイアスされる。
動作流体としてイオン化されたガスが使われる場合、これは、ガス中の正イオンが、流れによって、対応する収集電極16/17から実効的に吹き飛ばされ、実効的に装置4から分離することを意味する。
一方、より高速な電子の運動が流体の流れから受ける影響はより少ないが、いずれにしても、流体の流れによって、対応する収集電極16/17に向かうようにバイアスされる。
しかしながらいくつかの実施の形態では、流体の流れと電界の相対的方向は、反転してもよい。
【0037】
前述の図1を参照して説明した特定の実施の形態の性能が、給電装置22の入力電圧を9Vから12Vに変化させることによって特徴付けられた。
このとき流率は0.1ml/分の固定値であり、供給電流は2Aの固定値であり、負荷は2つある。
この結果、電力の変化が、閾値入力電圧を超えて負荷で消費された。
給電装置の出力電圧は、閾値入力電圧で約30kVであり、最大入力電圧12Vで約45kVであった。
いくつかの結果が以下の表に示される。
【表1】
【0038】
以上、本開示の態様を示すために、特定の実施の形態を、例示を用いて説明した。
本発明の範囲は、添付の請求項で説明されることが理解されるだろう。
例えば前述のような多くの変形と、特徴の異なる組み合わせが可能であることが当業者には明らかだろう。
さらに、本実施形態の方法のステップの順番は適切に変更可能であり、ステップのいくつかまたはすべてが時間的に一部または完全にオーバーラップして実行されてよいことも理解されるだろう。
同様に、前述の様々な実施の形態の特徴は、適切に組み合わされてもよい。
本開示で「荷電種」(それぞれ正、および負の)というとき、それぞれの種は単一の実体(例えば、それぞれ、単独で帯電した正電荷イオン、電子)であってもよいし、それぞれが例えば亜種(例えば、それぞれが異なる電荷を持つ正に帯電したガス)を備えてもよい。
同様の考察は、流体が溶液中にそれぞれのイオンが含まれる液体溶液である実施の形態にも当てはまる。
図1
図2
図3
図4