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特許7059323ダイアログカスタマイズのためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】ダイアログカスタマイズのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04842 20220101AFI20220418BHJP
   G06F 8/38 20180101ALI20220418BHJP
   G06F 3/04847 20220101ALI20220418BHJP
【FI】
G06F3/0484 120
G06F8/38
G06F3/0484 170
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020114937
(22)【出願日】2020-07-02
(62)【分割の表示】P 2018191974の分割
【原出願日】2014-03-13
(65)【公開番号】P2020173841
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2020-07-29
(31)【優先権主張番号】61/781,866
(32)【優先日】2013-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515217409
【氏名又は名称】ウィックス.コム リミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドスタイン ユヴァル
(72)【発明者】
【氏名】マーカス アヴィ
(72)【発明者】
【氏名】プタシェク シャロン
(72)【発明者】
【氏名】ゴラン クファー
(72)【発明者】
【氏名】シュムグリン ダニエル
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-196264(JP,A)
【文献】特開2011-159284(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0299586(US,A1)
【文献】特表2012-520509(JP,A)
【文献】特開2001-142673(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0251143(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
G06F 8/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブサイト構築システムのための方法であって、
ウェブサイトのページのためのユーザインタフェースを表示するビジュアルエディタを動作させることであって、前記ウェブサイトのページは、編集可能なオブジェクトを有し、前記オブジェクトは、少なくとも1つの関連付けられたカスタマイズレコードによって定義されるように予め定義されたカスタマイズ可能な属性およびカスタマイズ不可能な属性を有する、動作させることと、
示され少なくとも2つのオブジェクトのユーザによる選択を受け取ることと、
前記ウェブサイトページの前記オブジェクトの幾何学的レイアウトに従って少なくとも2つの表示されたオブジェクトの前記ユーザによる選択に対する前記ウェブサイトのページのためのカスタマイズユーザインタフェースを作成することと、
記カスタマイズユーザインタフェースと一緒に記少なくとも2つのオブジェクト表示することと、
を備える、方法。
【請求項2】
記カスタマイズユーザインタフェースを介して、表示された記少なくとも2つのオブジェクトのうちの少なくとも1つの属性についての前記ユーザからの入力を受け取ることと、
前記入力に応じて、表示された記少なくとも2つのオブジェクトの少なくとも1つを前記ウェブサイトのページに対して更新することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表示することは、一次元および二次元の少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記表示することは、前記カスタマイズユーザインタフェースを用いて、表示された前記2のオブジェクトを非表示または部分的に非表示にすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
表示された記少なくとも2つのオブジェクトと前記カスタマイズユーザインタフェースとの間の間隔を必要に応じて提供するために、動的レイアウトアンカーを使用することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記カスタマイズユーザインタフェースを作成することは、表示された記少なくとも2つのオブジェクトのみについてのカスタマイズ可能な属性を提示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記カスタマイズユーザインタフェースを作成することは、表示された記少なくとも2つのオブジェクトについての前記カスタマイズ可能な属性をフィルタすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記カスタマイズユーザインタフェースを作成することは、表示された記少なくとも2つのオブジェクトについての前記カスタマイズ可能な属性の重要度をランク付けすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記更新することは、表示された記少なくとも2つのオブジェクトの属性の一括更新を可能とする、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記更新することは、前記表示された前記少なくとも2つのオブジェクトの1つの属性の、単一のカスタマイズに基づいて、複数の表示された前記少なくとも2つのオブジェクトを更新することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記カスタマイズユーザインタフェースを作成することは、既存のカスタマイズユーザインタフェースを更新することと、新規のカスタマイズユーザインタフェースを作成することと、の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記カスタマイズユーザインタフェースを作成することは、前記カスタマイズ可能な属性をソートして優先順位を付けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ソートして優先順位を付けることは、カスタマイズIDによるソートを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ウェブサイト構築システムのためのシステムであって、
ウェブサイトのページのためのユーザインタフェースを表示するビジュアルエディタを動作させる前記ウェブサイト構築システムであって、前記ウェブサイトのページは、編集可能なオブジェクトを有し、前記オブジェクトは、少なくとも1つの関連付けられたカスタマイズレコードによって定義されるように予め定義されたカスタマイズ可能な属性およびカスタマイズ不可能な属性を有する、ウェブサイト構築システムと、
示され少なくとも2つのオブジェクトのユーザによる選択を受け取り前記ウェブサイトのページの前記オブジェクトの幾何学的レイアウトに従って表示された少なくとも2つのオブジェクトの前記ユーザによる選択に対する前記ウェブサイトのページのためのカスタマイズユーザインタフェースを作成するダイアログビルダであって、表示された前記少なくとも2つのオブジェクトを前記カスタマイズユーザインタフェースと一緒に表示する、ダイアログビルダと、
を備える、システム。
【請求項15】
記カスタマイズユーザインタフェースは表示された前記少なくとも2つのオブジェクトのうちの少なくとも1つの属性についてのユーザからの入力を受け取り、
前記入力に応じて、表示された前記少なくとも2つのオブジェクトの少なくとも1つを更新する更新部をさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記表示は、一次元および二次元の少なくとも1つである、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記ダイアログビルダは、前記カスタマイズユーザインタフェースを用いて、示され前記少なくとも2つのオブジェクトを非表示または部分的に非表示にする、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記ダイアログビルダは、示され前記少なくとも2つのオブジェクトと前記カスタマイズユーザインタフェースとの間の間隔を必要に応じて提供するために、動的レイアウトアンカーを使用する、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記ダイアログビルダは、表示された記少なくとも2つのオブジェクトのみについてのカスタマイズ可能な属性を提示する、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記ダイアログビルダは、表示された記少なくとも2つのオブジェクトについての前記カスタマイズ可能な属性をフィルタする、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
前記ダイアログビルダは、表示された記少なくとも2つのオブジェクトについての前記カスタマイズ可能な属性の重要度をランク付けする、請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記更新部は、表示された記少なくとも2つのオブジェクトの属性の一括更新を可能とする、請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
前記更新部は、表示された記少なくとも2つのオブジェクトの1つの属性の、単一のカスタマイズに基づいて、複数の表示された記少なくとも2つのオブジェクトを更新する、請求項15に記載のシステム。
【請求項24】
前記ダイアログビルダは、既存のカスタマイズユーザインタフェースを更新することと、新規のカスタマイズユーザインタフェースを作成することと、の少なくとも1つを実行する、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にコンポーネントベースのアプリケーションビルダに関し、特に、ダイアログカスタマイズに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブサイト構築システム、ウェブページ構築システム、デスクトップアプリケーション構築システム、および、モバイルアプリケーション構築システムなど、ウェブサイトおよび他のオンラインまたはオフラインのアプリケーションを作成して編集するために使用することができる多くのコンポーネントベースのアプリケーションビルダが、オンラインおよびオフラインで市販されている。本出願は、簡潔にするため、ウェブサイト構築システムに言及するが、この特徴は、上記コンポーネントベースのアプリケーションビルダにも適用され得る。
【0003】
ウェブサイト構築システムは、コンポーネントまたは非コンポーネントオブジェクトであり得るオブジェクトを含むページの概念に基づく。コンポーネントは、アトミックコンポーネントまたはコンテナコンポーネントであってよい。コンテナコンポーネントは、シングルページのコンテナまたはマルチページのコンテナ(お互いに分離された複数のミニページを含む)であってよい。マルチページのコンテナは、一度に単一のミニページを表示してもよいし(単一ページ表示)、または、複数または全てのミニページを表示してもよいし(ギャラリー/カルーセル表示)、マルチページのコンテナは、固定の表示モード(例えば、ギャラリー表示のみ)を有してもよく、または、複数の表示モードを切替可能にしてもよい。非コンポーネントオブジェクトには、リレーションシップオブジェクト、ビュー、およびテンプレートが含まれてよく、以下でさらに説明する。
【0004】
コンポーネントは、コンテンツ、例えば、テキストコンポーネントのテキスト、画像コンポーネントの画像、などを有してもよい。コンポーネントは、特に、表示属性(例えば、色、フレーム)、ならびにレイアウト属性(大きさおよび位置)を含む、追加の属性を有する。
【0005】
コンポーネントは、(色、大きさ、位置、および何らかの他の属性を有するが)いかなる内部コンテンツも有していない星形のような、コンテンツレスであってもよく、または、テキストパラグラフコンポーネントのように内部コンテンツを有してもよく、テキストパラグラフコンポーネントの内部コンテンツには、表示されるテキストに加えて、フォント、フォーマットおよびレイアウトの情報が含まれる。このコンテンツは、もちろん、テキストパラグラフコンポーネントの1つのインスタンスから別のインスタンスに変更され得る。
【0006】
ウェブサイト構築システムは、オブジェクトAが(親と呼ばれる)エンティティBから継承する際に、Aの下位要素が、Bの下位エンティティなどからコピーされるように、オブジェクト間の継承関係をサポートしてもよい。
【0007】
ウェブサイト構築システムは、サードパーティアプリケーション、およびこれに埋め込まれたコンポーネントを使用して、拡張させることもできる。そのようなサードパーティアプリケーションは、ウェブサイト構築システム設計環境に含まれてもよいし、または、多数の流通機構を介して、例えば、ウェブサイト構築システムに統合されたアプリケーション販売店(アプリストア)から、もしくは、ウェブサイト構築システム(Website Building System;WBS)ベンダまたは別のエンティティによって運営される、別個のウェブベースまたはスタンドアロンのアプリケーションリポジトリ(または、アプリストア)から、別途購入(または別の方法で入手)されてもよい。サードパーティアプリケーションは、(アプリストアを介してまたは介さずに)サードパーティアプリケーションベンダから直接取得されてもよい。サードパーティアプリケーションベンダは、実際のインストールモジュール、または、単にアクティベーションコードまたはアクセスコードを提供する。
【0008】
従って、ウェブサイト構築システムで作成された典型的なサイトは、正規のコンポーネントとサードパーティアプリケーションコンポーネントとのインスタンスからなるページを有する。そのようなページは、リンキングコンポーネントを含んでもよく、リンキングコンポーネントは、以下でさらに説明するように、ページセクションテンプレート(ビューとして知られる)を使用してフォーマットされた、内部または外部のデータソースからのデータ項目を表示する。
【0009】
ダイアログインターフェースは、いずれのオンラインアプリケーションビルダ(オンラインウェブサイト構築アプリケーション等)でも重要な特徴である。ダイアログインターフェースにより、関連するシステムは、設計者および/またはエンドユーザから入力を要求すること、または、設計者および/またはエンドユーザに対して情報を提示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許出願公開第2014/0282218号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、選択されたオブジェクトの少なくとも1つが、予め定義されたカスタマイズ可能な属性とカスタマイズ不可能な属性とを有する、システムの表示されるオブジェクトの選択のために、前記選択されたオブジェクトの前記カスタマイズ可能な属性をソートするソータと、前記ソートされた予め定義されたカスタマイズ可能な属性に基づいて、前記選択によって特定されるカスタマイズダイアログを構築するダイアログビルダと、を備えるシステムが提供される。
【0012】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記システムは、前記ダイアログを表示する表示部と、前記ダイアログに従って入力を受け取り、前記入力に従って前記カスタマイズ可能な属性を更新する更新部と、をさらに備える。
【0013】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記少なくとも1つの選択されたオブジェクトのそれぞれは、前記予め定義されたカスタマイズ可能な属性をリストアップする少なくとも1つの関連付けられたカスタマイズレコードを有する。
【0014】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記オブジェクトは、アトミックコンポーネント、コンテナコンポーネント、リンキングコンポーネント、サードパーティコンポーネント、テンプレート、ビュー、および、少なくとも2つのオブジェクト間の関係を表すリレーションシップオブジェクト、のうちの少なくとも1つである。
【0015】
加えて、本発明の好ましい実施形態によれば、前記選択は、予め定義された選択、ユーザ選択、および、選択の拡大、のうちの少なくとも1つである。
【0016】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記拡大は、内包されるオブジェクトを含むように拡大された選択、関係するオブジェクトを含むように拡大された選択、および、継承されるオブジェクトを含むように拡大された選択、のうちの少なくとも1つである。
【0017】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記選択は、少なくとも1つオブジェクトの直接選択、前記ユーザにより選択されたページ領域との交差部分または前記ユーザにより選択されたページ領域を含む部分に従った選択、および、ユーザが定義するクエリに従った選択、のうちの少なくとも1つである。
【0018】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記システムは、オブジェクトの複数のインスタンスを1つのページ上に表示することをサポートし、前記選択は、前記複数の表示されるオブジェクトインスタンスのサブセットを備える。
【0019】
加えて、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ソータは、複数の構成可能な属性の入力事項を、前記入力事項の共通のプロパティに従って統合する。
【0020】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ソータは、優先順位に従って属性をソートする。
【0021】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ソータは、階層的なID構造に従って属性をソートする。
【0022】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ソータは、影響を受ける前記オブジェクトにおいて提供されるヒントに従って属性を配列する。
【0023】
加えて、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ソータは、前記少なくとも1つの関連付けされたカスタマイズされたレコードに基づいて、優先順位に従って属性をソートする。
【0024】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ソータは、予め定義された条件に従ってソートする。
【0025】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、競合する前記関連付けされたカスタマイズされたレコードは、優先順位、共通の値、および、関係するオブジェクトのプロパティ、のうちの少なくとも1つに基づいて、結合される。
【0026】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ダイアログは、線形ダイアログ、階層的ダイアログ、および、二次元ダイアログ、のうちの少なくとも1つである。
【0027】
加えて、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ダイアログは、カスタマイズ優先順位パラメータ、カスタマイズ階層パラメータ、構成されたオブジェクトコンポーネントのページ上の場所、および、影響を受ける前記オブジェクトにおいて提供されるダイアログのレイアウトのヒント、のうちの少なくとも1つに従って、レイアウトされる。
【0028】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記更新部は、前記カスタマイズ可能な属性について予め定義された式を使用して、更新を行う。
【0029】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記更新部は、前記属性が修正される通りに、継続的に更新を行って、WSYWYG(what you see is what you get)の効果を提供する。
【0030】
加えて、本発明の好ましい実施形態によれば、前記更新部は、前記属性が修正される通りに、徐々に更新を行って、異なる前記カスタマイズ可能な属性値を有する、前記オブジェクトの2つのバージョン間のアニメーションを提供する。
【0031】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記更新部は、リンキングコンポーネント、ユーザにより選択された特定のビューインスタンス、および、ビューテンプレート定義、のうちの少なくとも1つの中で、ビューを更新する。
【0032】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記システムは、ウェブサイト構築システム、ウェブページ構築システム、オンラインアプリケーション構築ツール、オフラインアプリケーション構築ツール、および、モバイルアプリケーション構築ツール、のうちの1つである。
【0033】
本発明の好ましい実施形態によれば、選択されたオブジェクトの少なくとも1つが、予め定義されたカスタマイズ可能な属性とカスタマイズ不可能な属性とを有する、表示されるオブジェクトの選択のために、前記選択されたオブジェクトの前記カスタマイズ可能な属性をソートすることと、前記ソートされた予め定義されたカスタマイズ可能な属性に基づいて、前記選択によって特定されるカスタマイズダイアログを構築することと、を含む方法が提供される。
【0034】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記方法は、前記ダイアログを表示することと、前記ダイアログに従って入力を受け取り、前記入力に従って前記カスタマイズ可能な属性を更新することと、を含む。
【0035】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記少なくとも1つの選択されたオブジェクトは、前述の予め定義されたカスタマイズ可能な属性をリストアップする少なくとも1つの関連付けられたカスタマイズレコードを有する。
【0036】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記オブジェクトは、アトミックコンポーネント、コンテナコンポーネント、サードパーティコンポーネント、テンプレート、ビュー、および、少なくとも2つのオブジェクト間の関係を表すリレーションシップオブジェクト、のうちの少なくとも1つである。
【0037】
加えて、本発明の好ましい実施形態によれば、前記選択は、予め定義された選択、ユーザ選択、および、選択の拡大、のうちの少なくとも1つである。
【0038】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記拡大は、内包されるオブジェクトを含むように拡大された選択、関係するオブジェクトを含むように拡大された選択、および、継承されるオブジェクトを含むように拡大された選択、のうちの少なくとも1つである。
【0039】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記選択は、少なくとも1つのオブジェクトの直接選択、前記ユーザにより選択されたページ領域との交差部分または前記ユーザにより選択されたページ領域を含む部分に従った選択、および、ユーザが定義するクエリに従った選択、のうちの少なくとも1つである。
【0040】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記方法は、オブジェクトの複数のインスタンスを1つのページ上に表示することを含み、前記選択は、前記複数の表示されるオブジェクトインスタンスのサブセットを備える。
【0041】
加えて、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ソートすることは、複数の構成可能な属性の入力事項を、前記入力事項の共通のプロパティに従って、統合することを含む。
【0042】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ソートすることは、優先順位に従ってなされる。
【0043】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ソートすることは、階層的なID構造に従ってなされる。
【0044】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ソートすることは、影響を受ける前記オブジェクトにおいて提供されるヒントに従ってなされる。
【0045】
加えて、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ソートすることは、前記少なくとも1つの関連付けされたカスタマイズされたレコードに基づいて、優先順位に従ってなされる。
【0046】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ソートすることは、予め定義された条件に従ってなされる。
【0047】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、方法が、競合する前記少なくとも1つの関連付けされたカスタマイズされたレコードを、優先順位、共通の値、および、関係するオブジェクトのプロパティ、のうちの少なくとも1つに基づいて、結合することを含む。
【0048】
加えて、本発明の好ましい実施形態によれば、前記ダイアログは、線形ダイアログ、階層的ダイアログ、および、二次元ダイアログ、のうちの少なくとも1つである。
【0049】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記方法は、前記ダイアログを、カスタマイズ優先順位パラメータ、カスタマイズ階層パラメータ、前記構成されたオブジェクトの前記ページ上の場所、および、影響を受ける前記オブジェクトにおいて提供されるダイアログのレイアウトのヒント、のうちの少なくとも1つに従って、レイアウトすることを含む。
【0050】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記更新することは、前記カスタマイズ可能な属性について予め定義された方式を使用してなされる。
【0051】
加えて、本発明の好ましい実施形態によれば、前記更新することは、前記属性が修正される通りに、継続的になされ、WSYWYG(what you see is what you get)の効果を提供する。
【0052】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記更新することは、前記属性が修正される通りに、徐々になされ、異なる前記カスタマイズ可能な属性値を有する、前記コンポーネントの2つのバージョン間のアニメーションを提供する。
【0053】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、前記更新することは、リンキングコンポーネント、ユーザにより選択された特定のビューインスタンス、および、ビューテンプレート定義、のうちの少なくとも1つの中で、ビューを訂正することを含む。
【0054】
本発明の主題は、特に、明細書の末尾において指摘され、かつ、明確に主張される。しかし、本発明は、動作の体系および方法の両方について、その目的、特徴、および利点と合わせて、以下の詳細な説明を添付の図面と共に参照することにより、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】レストランのウェブサイトのコンテンツエントリーのためのダイアログのスクリーンショットの図である。
図2】レストランのウェブサイトのメニューとその設定パネルのためのカスタマイズダイアログを含む、ユーザインターフェースのスクリーンショットの図である。
図3】全ての表示項目について項目間の間隔を変更するための、カスタマイズダイアログのスクリーンショットの図である。
図4】8個の異なるテキストコンポーネントを内包するウェブサイトのページの概略図である。
図5】本発明に従って構築され動作する、ウェブサイトダイアログのカスタマイズを自動化するためのシステムの概略図である。
図6】本発明に従って構築され動作する、図5のシステムの実装の概略図である。
図7】本発明に従って構築され動作する、特定のページのビューのためのカスタマイズされたダイアログの概略図である。
図8】本発明に従って構築され動作する、コンポーネントレイアウトに基づくダイアログ作成の概略図である。
図9】レストランのウェブサイトメニューの、代替レイアウト表示(代替カスタマイズダイアログを含む)を示すユーザインターフェースのスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0056】
説明を簡潔および明確にするために、図面に示される要素は、必ずしも原寸に比例して示されていないことが理解されよう。例えば、いくつかの要素の寸法は、明確にする目的で、他の要素に比較して、実際よりも大きくされていることがある。さらに、適切と考えられる場合は、参照番号が、図面間で繰り返し使用されて、対応または類似する要素を示すことがある。
【0057】
以下の詳細な説明では、本発明の全体的な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載される。しかし、本発明が、これらの特定の詳細が与えられなくとも実施され得ることを、当業者は理解するであろう。他の例では、周知の方法、手順、および構成要素について、詳細には説明せず、本発明が不明瞭にならないようにした。
【0058】
ウェブサイト構築システムは、通常、設計者に対して、特定のビュー、項目、および、項目/ビューの組み合わせを含むウェブサイトオブジェクトをカスタマイズする能力を提供し得る。以下の考察では、(最も一般的な場合である)コンポーネントのカスタマイズについて言及する。しかし、以下の本発明の説明は、ビューおよびテンプレートを特に含む非コンポーネントオブジェクトのカスタマイズに完全に適用可能である。本明細書において上記で考察したように、多くのウェブサイトコンポーネントが、多数の構成可能な属性を有し、該属性には、コンポーネント自体に関係するもの(例えば、背景色、表示されるテキストのフォント)、コンポーネントの表示フォーマット(例えば、特定の日付のフォーマット)、コンポーネントの表示パラメータ(行と列の数など)、のみならず、特定のインスタンスに関係するもの(例えば、位置および大きさ)、が含まれる。これらの構成可能な属性を使用して、正規のウェブサイト構築システムのユーザインターフェースを通じて、または、APIもしくはウェブサービスなどの他の手段を介して、関連するインスタンスを構成することができる。ウェブサイト構築システムは、リレーションシップオブジェクトをサポートすることもでき、リレーションシップがカスタマイズされてもよい。そのようなリレーションシップオブジェクトは、ウェブサイト構築システムコンポーネントの間(または他のオブジェクトの間)の関係を表す。例として、動的レイアウトアンカー(例えば、コンポーネント間の距離を定義するもの)、および、動作上のリレーションシップ(例えば、あるコンポーネントのコンテンツの変化が、別のコンポーネントにどのように影響するのかを定義するもの)等がある。
【0059】
コンポーネントは、カスタマイズ不可能な、または、条件付きでカスタマイズ可能な、パラメータおよび属性も有し得る。例えば、所定の項目がカスタマイズされてもよいが、所定のビューに表示されるときだけとすることができる。これらのカスタマイズオプションは、予め定められた特定の修正または設計の特権に従う設計者にとって(またはエンドユーザにとって)のみ利用可能であり得る。
【0060】
サードパーティアプリケーションについては、サードパーティアプリケーションベンダが、サードパーティアプリケーションインスタンスを構成するために使用可能な、特定の構成可能な属性を定義してもよい。これら属性は、表示フレーム型等のように下位レベルであることも、電子商取引サードパーティアプリケーションに対する最大許容購入等のように上位レベルであることもできる。
【0061】
作成されたウェブサイトは、リンキングコンポーネントを含んでもよい。このリンキングコンポーネントは、(ビューとして知られる)ページセクションテンプレートを使用してフォーマットされた外部のデータソースからのデータ項目を表示する。リンキングコンポーネントは、発明の名称が「DEVICE, SYSTEM, AND METHOD OF WEBSITE BUILDING BY UTILIZING DATA LISTS」の、2014年3月13日に出願され、本発明と同一の譲受人に譲渡された特許文献1においてさらに考察されている。リンキングコンポーネントは、データ項目からなる1つ以上のコレクションを含む内部または外部のデータベースにリンクしていてもよい。リンキングコンポーネントが表示されると、データベースがアクセスされて表示すべきデータ項目の現在のリストが生成される。ビューが各データ項目と関連付けられてよいこと、および、データ項目が所定の領域に一度に表示されてもよく(拡大/ズームモード表示として知られる)、複数の項目としてまとめて表示されてもよい(リストまたはギャラリーモード表示として知られる)ことが理解されよう。さまざまなデータ項目がさまざまなビューを使用して表示され得る。
【0062】
さらに、ページ構築処理で、構成可能な属性を同様に有する追加の(非コンポーネント)オブジェクトを作成してもよいことが理解されよう。例えば、2つのコンポーネントを、動的レイアウトアンカーにリンクさせることができ、アンカーの長さ(すなわち、コンポーネント間の間隔)は、構成可能な属性であり得る。
【0063】
出願人は、そのような構成可能なコンポーネントについて、単一のカスタマイズが、複数のコンポーネントに潜在的に影響を与え得ること、例えば、同じ色の調節が、調和を保つために同じ表示内の複数のコンポーネントに適用されてしまうことに気付いた。別の例は、ビューの右端と同じビュー内の2つのコンポーネントとの間の距離であり、これは、調整されてよいが、両コンポーネントに対して同じままでなければならないか、または、所定の比を保つ必要があり得る。
【0064】
カスタマイズは、特定の項目のコンポーネントの属性、または、関与するビューに影響を与え得る。カスタマイズオプションに含まれ得るものには、所定のコンポーネントを表示すべきか(はい/いいえ)、固定のコンテンツ(例えば、タイトルのテキスト)、表示属性(例えば、フォント、大きさ、および色)、画面情報距離(上記のレストランの例では、料理名と、その説明との間の距離)、カウント(例えば、マルチカラム表示での段組みの数)、および、表示を扱うコンポーネントに引き渡される一般的なパラメータがある。
【0065】
出願人はまた、現在のカスタマーダイアログまたはインターフェースでは、特定のコンポーネントに対して更新または変更を行うために、全てが複数の属性(構成可能なものも、そうでないものも含む)を有する個々のコンポーネントのリストを、設計者がこつこつと進める必要があることにも気付いた。設計者が、同じページの8個の異なるコンポーネントの背景色を更新するためには、設計者は、各コンポーネントの背景色の属性を個別に更新しなくてはならない。この処理は、労力を要し得、時間もかかり得る。上記で考察したように、全ての属性が編集可能でないとしても、設計者に提示される更新ダイアログが、2つの型の属性の間に差異を認めず、両方の型の属性が設計者に提示されてもよいことが理解されよう。
【0066】
出願人はさらに、上記更新を必要とするような関連するコンポーネントに合わせた、カスタマイズされたダイアログの作成が、特定の属性の一括更新を可能にすることに気付いた。出願人はまた、カスタマイズされたダイアログでは、(関連するウェブサイト構築システムを使用して自分のウェブサイトを構築する)下級設計者に対して提示されるものが、上級設計者によって予め定められた対象のコンポーネントのみについてのカスタマイズ可能な属性のリストであることにも気付いた。出願人はさらに、コンポーネントの特定のビュー(またはプレゼンテーション)が、調整され得る特定の属性および値を自動的に判定し得、カスタマイズの重要度をランク付けし得ることに気付いた。あるカスタマイズが、他より重要であってもよく、より容易にアクセスできるべきである。
【0067】
本発明の一実施形態に従って、テンプレート、ビュー、および、可能性として、いくつかのページ(以下、編集ページという)の最初の構築、のみならず、任意の潜在的なカスタマイズも、関連するウェブサイト構築システムの製造者によって行われてもよいことが理解されよう。この場合、上級設計者は、関連するウェブサイト構築システムを使用して、(本明細書において、以下でさらに詳細に説明するように)カスタマイズレコードをセットアップして作成してもよい。完成結果は、より下級の設計者5によって使用され得る。下級の設計者5は、用意されたテンプレート等を使用して自分自身のウェブサイトを作成してもよい。上級設計者は、いずれの属性が、下級設計者によって構成可能であり得るか、および、いずれを下級設計者に見せ、利用可能にするか、を設計時に決めてもよいことが理解されよう。また、上級設計者および下級設計者の両者が同一人物(または企業)である場合が、あり得ることが理解されよう。
【0068】
下級設計者5は、いずれのレイアウトを(利用可能なものから)使用するかをウェブサイト構築システムから選択し、選択したレイアウトをカスタマイズし、次いで、ここで参照される図1に示されるシステムが提供するインターフェースを介して、または、データソースに接続して、特定のデータを入力することにより自分自身のサイトを構築することができることが理解されよう。レイアウト選択では、ここで参照される図2に示すように、いずれのセットのビュー(部分的ページテンプレート)を使用するかを決める。図2は、自分の作業環境にいる設計者5向けの、レストランのウェブサイトのウェブサイト設計の段階を示し、カスタマイズ領域、レイアウト選択領域、および、提示され得るさまざまなビューを示す。設計者5は、自分の必要に応じて、ウェブサイトを適合させてもよい。従って、設計者5は、レイアウトの一部を選択してもよく、ビュー、オブジェクト、または、区域などによってカスタマイズしてもよい。代替レイアウト選択の効果について、ここで参照される図9に、さらに示される。図9は、設計者5が、上記のリストスタイルのレイアウト[A]ではなく、ギャラリースタイルの写真入りレイアウト[B]を選択した場合を示すが、同じ下層データが使用されている。図からわかるように、データ表示領域[D]では、フォーマットが変わっており、カスタマイズセット[C]も、かかる代替レイアウトに適切なカスタマイズに切り替わっている。
【0069】
ウェブサイト構築システムが、リンキングコンポーネントの同じ領域内のいくつかのビューの複数のインスタンス(1つの料理のビューテンプレートの複数のインスタンスなど)を表示し得ることが理解されよう。ここで参照される図3に示すように、カスタマイズは、同じビューの全ての表示されるコピーに影響を与え得るため、設計者5は、(例えば)1回の変更(Aで示す)で、全ての表示項目について項目間の間隔(Bで示す)を変更し得る(「項目間隔」カスタマイズを、値15(図2に示す)から現在の値123(図3に示す)に変更)。この変更は、(スクロールのために)現在可視ではないものを含む、リンキングコンポーネント内の「料理」ビューの全てのインスタンスに影響を与えることができる。
【0070】
上述のように、上級設計者は(ウェブサイト構築段階の前に)、各コンポーネントと関連付けられ得るカスタマイズレコードを作成してもよい。各カスタマイズレコードでは、1つのコンポーネントの1つの属性が、自動的に生成された構成ダイアログ(本明細書において、以下でさらに詳細に説明する)を介して、いかに構成され得るかを特定し得る。カスタマイズレコードでは、対象のコンポーネントについてカスタマイズ可能な属性に加えて、カスタマイズID、カスタマイズプロンプトテキスト(例えば、「背景色を選択してください」)、および、いずれのコンポーネント属性がカスタマイズ可能で、いずれがカスタマイズ可能ではないのか、などの任意の追加的な情報、などの追加のレコードフィールド、が指定されてもよい。
【0071】
カスタマイズレコードにはまた、カスタマイズ値をいかに適用するかを特定し得る特定のインプリメンテーション式(implementation formula)等の情報が含まれてもよく、それにより、単なる代入ではない代入(例えば、「属性Xに、入力値の80%の値を代入する」)を使用してカスタマイズ値が属性に適用される場合に備える。そのような式では、既存の属性値だけではなく、コンポーネントの他の属性の値も参照し得る。カスタマイズレコードでは、いかなる条件下で属性がカスタマイズ可能であるのか、カスタマイズ可能でないのかも特定し得る。
【0072】
カスタマイズレコードには、デフォルト値が含まれ得る(通常、含まれる)ことが理解されよう。このデフォルト値は、カスタマイズダイアログが最初に提示されるときに、影響を受ける属性に割り当てられ得、それにより、それら属性の値は修正され得る。(本明細書において、以下でさらに詳細に考察するように、)設計者5が、カスタマイズのために新しい値を入力すると、この値は(影響を受ける属性に適用されることに加えて)カスタマイズレコードに保存され、カスタマイズレコードが、再び呼び出されるときはいつでも、再表示されて使用されるようにされる。
【0073】
1つのコンポーネントが、2つ以上のカスタマイズレコードと関連付けられて、同一コンポーネントの異なる属性の可能なカスタマイズを反映し得ることが理解されよう。1つのコンポーネントについてのカスタマイズレコードには、異なるインプリメンテーション式を使用して異なる方法で1つの属性が修正される場合等に、同じ属性に関する複数のレコードが含まれ得る。同一のコンポーネントについての異なるカスタマイズレコードは、通常、固有のカスタマイズIDを有するが、これは、常に当てはまるわけではなく、例えば、1つのカスタマイズIDが、コンポーネントの左右の間隔を修正する2つのレコードに使用されるかもしれない。
【0074】
代替的な一実施形態において、上級設計者は、より上位のエンティティのレベル(ビューレベル、コンテナレベル、全体的なページのレベル、または、ウェブサイトレベルなど)で、カスタマイズレコードを定義することができる。そのような場合、コンポーネントごとのカスタマイズレコードには、より上位のカスタマイズレコードを参照するカスタマイズIDだけが含まれ得る。
【0075】
上級設計者が作成するカスタマイズレコードでは、潜在的なカスタマイズ可能な特定のコンポーネントに影響を与える、カスタマイズ可能な特定の属性を定義するために、編集ページ内のオブジェクトによって供給される任意のカスタマイズレコードを、オーバーライドし得ることが理解されよう。例えば、ここで参照される図4に示すように、編集ページPが、8個の異なるテキストコンポーネント(C1~C8)を内包することができ、各コンポーネントは、とりうる構成可能な属性「背景色」(clr)および型「色選択」を有する。上級設計者は、8個全てのとりうる構成可能な属性を、実際の構成可能な属性として見せることを決定してもよい。そのような場合、(本明細書において以下でさらに詳細に説明するように、全てが、同じカスタマイズIDを有するので、)それらの属性は、1つの「選択背景色」という構成可能な属性の下で結合され得る。従って、コンポーネントダイアログが表示される場合、1つの変更された設定が8個全てのコンポーネントに適用され得る。上級設計者は、2つの新しい実際の構成可能な属性、コンポーネントC1~C3のための「選択背景色no.1」とコンポーネントC4~C6のための「選択背景色no.2」とを作成することを決定してもよい。そのために、上級設計者は、代替の(かつ新しい)カスタマイズIDである「bg-color-1」を(対応するプロンプトテキストと共に)、コンポーネントC1~C3のカスタマイズレコードの「bg-color」に割り当ててもよい。同じ手順を、代替のカスタマイズIDである「bg-color-2」を用いて、コンポーネントC4~C6に行ってもよい。従って、2つの構成可能な属性を作成する場合、2つの新しい代替のカスタマイズIDだけが、カスタマイズ可能な属性として提示されてもよく、8個の基礎となる元のカスタマイズIDは提示されなくてもよい。
【0076】
また、継承によって予め定義されたかもしくは予め供給された、または、編集ページ内の他のオブジェクトによって供給されたカスタマイズレコードをオーバーライドし得る特殊コンポーネントについての新しいカスタマイズレコードを上級設計者が作成してもよいことが理解されよう。
【0077】
さらに、設計者5が、カスタマイズ可能な属性を有していないオブジェクトのセットを選択してカスタマイズしてもよいことが理解されよう。そのような場合、定義されたカスタマイズは存在せず、カスタマイズダイアログは生成されない。さらに、いくつかのオブジェクトが、いずれのカスタマイズレコードにも含まれない特定のカスタマイズ可能な属性を含み得る(例えば、システムが、その属性の更新を別個の(スタンドアロンおよび配線接続された)プロパティダイアログに制限する)ことに留意されたい。そのような場合、(カスタマイズレコードを有していない)これらの属性は、自動的に作成されるダイアログには含まれず、本明細書における考察の一部ではない。
【0078】
ここで図5を参照すると、本発明の一実施形態に関する、ウェブサイトダイアログのカスタマイズを自動化するためのシステム100が示されている。システム100は、入力インタープリタ10、プロパティコレクタ20、ソータおよびプライオリタイザ30、ダイアログビルダ40、ダイアログプレゼンタ50、データベースコーディネータ60、データベース70、ならびに、属性アプライヤ(attribute applier)90を備える。データベース70は、全ての関連するウェブサイト構築システムコンポーネントを、当該ウェブサイト構築システムコンポーネントの予め作成されたカスタマイズレコードと共に格納してもよい。入力インタープリタ10は、予め定義されたサブセット、または、設計者5が選択した更新すべきコンポーネントのいずれかを処理してもよく、プロパティコレクタ20は、関連するコンポーネントについてのカスタマイズレコードを、データベース70からデータベースコーディネータ60を介して回収してもよい。ソータおよびプライオリタイザ30は、関連するカスタマイズレコードの属性をソートして優先順位を決めてもよく、ダイアログビルダ40は、カスタマイズされた新規ダイアログを、設計者5のために設計者5の選択に基づいて構築してもよく、ダイアログプレゼンタ50は、新しく構築されたダイアログを、設計者5に対して設計者5の入力のために提示してもよい。属性アプライヤ90は、設計者5の入力を適用して、それに従って、データベース70に格納されるコンポーネントを更新してもよい。これらの要素の機能を、本明細書において、以下でさらに詳細に説明する。
【0079】
上記の更新すべきコンポーネントの選択は、ユーザが定義するクエリに従って行われてもよいことが理解されよう。
【0080】
システム100が、ここで参照される図6に示すように、クライアント200側またはサーバ300側のいずれかにおいて、ウェブサイト構築システム250の一部として実装されてもよいことが理解されよう。
【0081】
ここで図7を参照すると、ビュー300の一例のカスタマイズされたダイアログ400が示されている。上級設計者は、設計段階にて、4個のコンポーネント(comp1、comp2、comp3およびcomp4)を内包するビュー1を作成してもよい。上級設計者はまた、comp1が、カスタマイズ可能な属性(hgt(高さ)wdt(幅)、色、およびフォント)を示すことを決定してもよい。comp2は、カスタマイズ可能な属性(hgt、wdt、テキストサイズ、フォント、および、フレーム型)を示してもよい。comp3およびcomp4も、他の構成可能な属性を示してもよい。comp1およびcomp2が、通常は、コンポーネントの位置座標等の、上級設計者によって構成可能属性としては示されない他の属性を有してもよいことが理解されよう。各カスタマイズ可能な属性は、ID、プロンプトテキスト(例えば、色については、「色を選択してください」など)、および、優先順位、を有する。これらは全て、個々のコンポーネントおよび属性ごとに、予め特定され得る。あるいは、上級設計者は、より上位のエンティティレベルのカスタマイズレコードのみを参照するコンポーネントごとのカスタマイズレコードによって、そのようなカスタマイズの詳細をより上位のエンティティのレベル(例えば、上述のビューまたはページのレベル)のカスタマイズレコードにおいて特定してもよい。
【0082】
下級設計者5は、ビュー1を(例えば、テンプレートとして、ページの一部として、または、所定のセットの項目に添付することによって)使用するウェブページの作成を希望してもよい。設計者5は、comp1およびcomp2だけをカスタマイズする必要があると判断し、comp1およびcomp2を選択し、現在のダイアログ上のカスタマイズボタンを押して、何らかの形式のカスタマイズモジュールの起動を有効にしてもよい。設計者5が行う選択が、1つの選択、複数の選択、交差するコンポーネントまたは2つ以上のビュー内の複数のコンポーネントに関する選択領域であってよいことが理解されよう。代替的な一実施形態において、設計者5には、個々のコンポーネントを選択するオプションがなくてもよく、システム100は、(例えば)所定の表示されたビュー内の全てのコンポーネントを使用して稼働してもよく、従って、完全なカスタマイズダイアログを自動的に作成することができ、下級設計者が選択してカスタマイズモジュールを起動する必要性を取り除くことができる。また、システム100が、場合によっては予め作成されたダイアログをキャッシュして、関連する変更が下層にある情報に対して行われなかった場合に、当該ダイアログを再作成する時間を節約し得ることが理解されよう。そのようなシナリオでは、カスタマイズが関連する領域を設計者5が編集するときにはいつでも、カスタマイズダイアログは、正規のウェブサイト構築システムインターフェースと統合され、自動的に表示され得る。
【0083】
(上記に記したようなキャッシュを除いて)システム100の処理が実行されるたびに、全く同一のコンポーネントを使用して既に実行されていた場合でも、新しいカスタマイズダイアログが作成されることが理解されよう(本明細書において、以下でさらに詳細に説明する)。入力インタープリタ10は、選択されたコンポーネントの選択を受け取ってもよく、また、コレクタ20に命令して、comp1とcomp2、および、それらの関連する全ての要素(下位コンポーネント、内包されるコンポーネント、または、他の関係するもの、であってよい)の再帰的な検査を実行させてもよい。コレクタ20は、データベース70から(コーディネータ60を介して)、comp1とcomp2、および、それらの関連する全ての要素についての全ての予め定義されたカスタマイズレコードを収集してもよい。本明細書において上記で考察したように、各コンポーネントは、コンポーネントと関連付けられた2つ以上のカスタマイズレコードを有してもよい。
【0084】
ソータおよびプライオリタイザ30は、カスタマイズIDによってレコードをソートして、重複を取り除き得る。図4の例では、属性hgt、wdt、および、フォントが、同じIDを有する。この場合、ソータおよびプライオリタイザ30は、関連するカスタマイズレコードの属性の優先順位を付けてもよい。各IDの優先順位は、IDがカスタマイズ可能な属性として複数回発生する際は、IDに与えられた値に基づいて、割り当てられてもよい。優先順位は、上級設計者またはシステムが指定してよいことが理解されよう。さらに、ソータおよびプライオリタイザ30が、組み合わせのメトリック(combination metric)(最大値または平均値等)を使用して、複数のレコードから優先順位の値を組み合わせてもよく、影響を受けるオブジェクトにおいて提供される優先順位付けのヒントを考慮してもよいことがわかるであろう。
【0085】
次いで、ダイアログビルダ40は、comp1とcomp2のカスタマイズの結合されたリスト、すなわち、hgt、wdt、色、フォント、テキストサイズ、および、フレーム型、を用いて、共通のダイアログ400を構築することができ、最高の優先順位のカスタマイズを、最初に表示する。各カスタマイズは、そのプロンプトテキスト(例えば、「色を選択してください」)、および、値選択エントリーボックス410と共に提示されてもよい。
【0086】
同じIDを有する特定のプロパティについて、複数のカスタマイズレコード、を有することが可能であることが理解されよう。例えば、1つのレコードが、テキストプロンプト「幅を変更してください」を提供し、同じIDを有する異なるレコードが、テキストプロンプト「新しい幅を入力してください」を提供してもよい。そのような場合、ダイアログビルダ40は、付随する優先順位、最も共通する値、関連するコンポーネントのプロパティ(例えば、最大総領域を有するコンポーネントと関連付けられた値を選択する)、定義の順序、または、任意の他の方法に基づいて使用する正しい値を選択してもよい。ダイアログビルダ40は、競合の解消が発見されていない場合に、複数のカスタマイズレコードを別個のカスタマイズレコードとして見なすべきであると判定してもよい。同じ1つのIDを有する複数のカスタマイズレコードが、同じカスタマイズ値で所定のコンポーネントの複数の属性が修正されるような場合に、必要とされることがあることが理解されよう。例えば、「マージン入力」のカスタマイズでは、同じ値を、コンポーネントの左右のマージンに適用すべきであるが、これらは別個の属性である。代替的な一実施形態において、システム100は、複数の影響を受けるコンポーネント属性についての複数の下位レコードを含む、カスタマイズレコードを使用してもよい。
【0087】
ダイアログビルダ40が、複数の型のダイアログ、例えば、線形ダイアログや、(例えば、階層的カスタマイズID名前空間を使用した、カスタマイズレコードにおいて提供される階層分類に基づく)階層的ダイアログ等を構築してもよく、または、カスタマイズレコードを与えるコンポーネントのレイアウトに基づくレイアウトを使用してもよいことが理解されよう。そのようなダイアログ作成は、カスタマイズレコードに含まれるダイアログ作成ヒントの影響を受け得る。
【0088】
コンポーネントレイアウトに基づくダイアログ作成については、ここで参照される図8に、さらに示される。図示されるように、ページ[A]は、コンポーネント[a]、[b]、[c]および[d]を含む。コンポーネント[a]および[b]が複数で選択され、「カスタマイズ」機能がシステム100を介して呼び出される場合、ページ[A]は、コンポーネント[a]および[b]と自動的に生成されたカスタマイズダイアログ[e]とを示すページ[B]のように表示される。ダイアログ[e]は、3個の部分(上から)[f]、[g]および[h]をさらに含む。新しく作成されたダイアログ[e]が、コンポーネント[a]および[b]を隠さないようにページ[B]内に置かれていることが理解されよう。さらに、[a]が、[b]より上位であるため、カスタマイズ可能な属性である[a]および[b]は、[a]のみの属性が、最上部の[f]に行き、[b]のみの属性が、最下部の[h]に行き、[a]と[b]との両方に共通の属性が中間部分の[g]に行くように表示される。同じことが、2次元のレイアウトにも当てはまり、カスタマイズ要素のクラスタをページ内に配置すること、および、動的レイアウトを使用して必要なときに空間を与えることにより、カスタマイズダイアログが作成され得る。
【0089】
次いで、ダイアログプレゼンタ50により、新しく作成されたダイアログが設計者5に提示され得、設計者5の入力が値選択エントリーボックス410を介して受け取られ得る。インタラクションの間、WSIWYGフィードバックを属性変更に提供するために、設計者5が、可能であればインプリメンテーション式を使用して、関連する属性のカスタマイズ値を適用してもよいことが理解されよう。
【0090】
属性アプライヤ90は、設計者からの関連する入力を受け取ってもよく、それに従って、データベース70に格納されるカスタマイズレコードを更新してもよく(その結果、最後に入力された値が次回の呼出し時に表示される)、また、インプリメンテーション式を使用して関連するコンポーネント属性自体を更新してもよい。属性アプライヤ90は、設計者が特定したカスタマイズを、多くの方法で適用し得る。それらの方法には、(a)現在のリンキングコンポーネント内の全ての(関連する)ビューに影響を与えること(例えば、図3に示される動作)、(b)上記に記した拡大処理を通して追加されるビューを含む、設計者が選択した特定のビューインスタンスに影響を与えること(これは、特定の項目/ビューの組み合わせのみに影響を与え、同じビューの異なるインスタンスは、異なるカスタマイズを有し得る)、(c)ビューインスタンスではなくビューテンプレート定義に影響を与えること(その結果、上記のビューに対するいずれの変更も、異なるウェブページ内のビューの使用を含む、ウェブサイト内のビューの追加(または全て)のインスタンスに適用される)が含まれ得る。
【0091】
ページが、他のページに対して、正規のテンプレートおよびビューを含むテンプレート(リンキングコンポーネント内部に表示される際のデータ項目と関連付けられたテンプレート等)の役割を果たし得ることが理解されよう。さらに、システム100が、本明細書において上記で説明したような、リストコンポーネントと共に使用され得ることが理解されよう。
【0092】
また、システム100が、範囲定義ルール(scope definition rule)に従う、上記で説明した機能全体を実行し得ることが理解されよう。例えば、ページベースの範囲では、ページ内の全てのコンポーネントについてのコンポーネントおよびカスタマイズレコードを結合してもよい。ビューベースの範囲では、(上記で定義したように)各ビューのレベルで結合され得、その結果、異なるビューで同じIDを有するカスタマイズが、異なるカスタマイズとして見なされ得る。これの一例は、カスタマイズが、ここで再度参照される図2に示すような、セクションビューおよび料理ビュー内のコンポーネントについて、ID「space-below」を有する場合である。2つの異なる「space-below」のカスタマイズが、カスタマイズダイアログに作成され得る。システム100はまた、他の範囲定義ルールを提供してもよい。
【0093】
従って、上級設計者またはウェブサイト構築システム製造者は、さらに下級設計者に、ユーザフレンドリなダイアログを提供して、下級設計者の効率的なウェブサイト構築を支援してもよい。
【0094】
本明細書に提示される処理および表示は、任意の特定のコンピュータまたは他の装置に固有に関するわけではない。種々の汎用のシステムが、本明細書の教示内容に係るプログラムと共に使用されてもよく、または、さらに特化された装置を構築して所望の方法を実行することが便利であると分かるであろう。様々なこれらのシステムの所望の構造が、以下の説明から明らかになるであろう。加えて、本発明の実施形態は、任意の特定のプログラミング言語に言及して説明されていない。様々なプログラミング言語が、本明細書において説明されるような本発明の教示内容を実施するために使用され得ることが理解されよう。
【0095】
別段特に述べられていない限り、上記の考察から明らかなように、明細書全体を通して、「処理すること」、「算出すること」、「計算すること」、「判定すること」等の用語を利用する考察が、コンピュータ、コンピューティングシステム、または、同様の電子コンピューティングデバイスであって、コンピューティングシステムのレジスタおよび/またはメモリ内の電子的量等の物理量で表されるデータを、コンピューティングシステムのメモリ、レジスタ、または、他のそのような情報を記憶、転送もしくは表示するデバイス内の物理量として同様に表される他のデータを操作および/または変換する、コンピュータ、コンピューティングシステム、または、同様の電子コンピューティングデバイスの動作および/または処理を指すことが理解されよう。
【0096】
本発明の実施形態は、本明細書における動作を実行するための装置を含むことができる。この装置は、所望の目的のために特別に構築されてもよいし、コンピュータに格納されるコンピュータプログラムによって、選択的に起動または再構成される、汎用のコンピュータを備えてもよい。そのようなコンピュータプログラムは、限定されないが、フロッピーディスク(登録商標)、光ディスク、光磁気ディスク、リードオンリーメモリ(ROM)、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、磁気カードもしくは光カード、フラッシュメモリ、または、電子的命令を格納に適しかつコンピュータシステムバスへ連結可能な任意の他のタイプの媒体を含む任意のタイプのディスク等のコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。
【0097】
本発明の特定の特徴について、本明細書において例示し説明したが、ここで、当業者には、多くの修正、置き換え、変更、および、均等のものが着意されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲が、本発明の本来の趣旨の範囲内にあるような、全てのそのような修正および変更を網羅することが意図されていることを理解されたい。
【0098】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月14日に出願した米国仮特許出願第61/781,866号明細書の優先権を主張し、参照によりその出願内容全体を本明細書に援用する。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9