(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】光学系及びそれを有する撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 13/02 20060101AFI20220418BHJP
【FI】
G02B13/02
(21)【出願番号】P 2020196094
(22)【出願日】2020-11-26
(62)【分割の表示】P 2016109655の分割
【原出願日】2016-06-01
【審査請求日】2020-11-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】行田 裕一
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-242504(JP,A)
【文献】特開2012-242505(JP,A)
【文献】特開2015-111254(JP,A)
【文献】特開2014-26023(JP,A)
【文献】特開2014-6487(JP,A)
【文献】特開平8-234098(JP,A)
【文献】特開2016-161644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、第3レンズ群から構成され、フォーカシングに際して前記第2レンズ群が移動し、隣り合うレンズ群の間隔が変化する光学系であって、
前記光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をLD、無限遠に合焦しているときにおける前記第2レンズ群の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をL、前記光学系の焦点距離をf、前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第1レンズ群に含まれるレンズの中で最も物体側に配置されたレンズG1の材料のアッベ数をνdG1としたとき、
LD/f<1.00
0.15<L/f<0.48
0.50<f1/f≦1.545
30.0<νdG1
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記第1レンズ群の最も物体側のレンズ面における有効径をEA1、前記第2レンズ群の最も物体側のレンズ面における有効径をEA2としたとき、
0.10<EA2/EA1<0.39
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記第2レンズ群の焦点距離をf2としたとき、
0.15<f2/f<0.70
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項4】
前記第2レンズ群は、正レンズと負レンズを含むことを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の光学系。
【請求項5】
前記第2レンズ群は、2枚以下のレンズで構成されていることを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の光学系。
【請求項6】
前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間に開口絞りが配置されていることを特徴とする請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の光学系。
【請求項7】
請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の光学系と、該光学系によって形成される像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学系及びそれを有する撮像装置に関し、例えばデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ、放送用カメラ等の撮像素子を用いた撮像装置、或いは銀塩写真フィルムを用いたカメラ等の撮像装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
焦点距離の長い撮影光学系として、物体側に正の屈折力の光学系を配置し、像側に負の屈折力の光学系を配置した、いわゆるテレフォトタイプの撮影光学系が知られている。テレフォトタイプの撮影光学系は、例えば単焦点の超望遠レンズに用いられている。
【0003】
特許文献1は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群から構成される撮影光学系を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の撮影光学系では、フォーカシングに際して負の屈折力の第2レンズ群を移動させている。ここで、第2レンズ群は比較的第1レンズ群に近い位置に配置されており、フォーカス群の小型化及び軽量化を十分に実現できているとは言えない。
【0006】
また、負の屈折力の第2レンズ群をフォーカシングに際して移動させると、第2レンズ群における光線の発散作用により第2レンズ群よりも像側に配置されたレンズの有効径が大きくなりやすい。その結果、撮影光学系の小型化及び軽量化が不十分となるおそれがある。また、軸上光線の高さが比較的高い位置にフォーカス群を配置することで、フォーカシングに際しての色収差の変動が大きくなりやすい。
【0007】
本発明は、軽量であり、かつ色収差等の収差が良好に補正された光学系及びそれを有する撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光学系は、物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、第3レンズ群から構成され、フォーカシングに際して前記第2レンズ群が移動し、隣り合うレンズ群の間隔が変化する光学系であって、前記光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をLD、無限遠に合焦しているときにおける前記第2レンズ群の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をL、前記光学系の焦点距離をf、前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第1レンズ群に含まれるレンズの中で最も物体側に配置されたレンズG1の材料のアッベ数をνdG1としたとき、
LD/f<1.00
0.15<L/f<0.48
0.50<f1/f≦1.545
30.0<νdG1
なる条件式を満足することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、軽量であり、かつ色収差等の収差が良好に補正された光学系を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】(A)、(B)無限遠に合焦しているとき、最至近距離に合焦しているときにおける実施例1の光学系の収差図である。
【
図4】(A)、(B)無限遠に合焦しているとき、最至近距離に合焦しているときにおける実施例2の光学系の収差図である。
【
図6】(A)、(B)無限遠に合焦しているとき、最至近距離に合焦しているときにおける実施例3の光学系の収差図である。
【
図8】(A)、(B)無限遠に合焦しているとき、最至近距離に合焦しているときにおける実施例4の光学系の収差図である。
【
図10】(A)、(B)無限遠に合焦しているとき、最至近距離に合焦しているときにおける実施例5の光学系の収差図である。
【
図12】(A)、(B)無限遠に合焦しているとき、最至近距離に合焦しているときにおける実施例6の光学系の収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の光学系及びそれを有する撮像装置について、添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明の光学系は、物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正または負の屈折力の第3レンズ群から構成される。フォーカシングに際して第2レンズ群が移動し、隣り合うレンズ群の間隔が変化する。ここでレンズ群とは、フォーカシングに際して一体的に移動するレンズ要素であって、1枚以上のレンズを有していればよく、複数枚のレンズを有していなくてもよい。
【0012】
図1、3、5、7、9、11は、それぞれ実施例1乃至6の光学系のレンズ断面図である。
図2、4、6、8、10、12は、それぞれ無限遠に合焦しているとき、最至近距離に合焦しているときにおける実施例1乃至6の光学系の収差図である。
【0013】
図13は、本発明の光学系を備える撮像装置の要部概略図である。各実施例の光学系はビデオカメラやデジタルカメラ、銀塩フィルムカメラ、テレビカメラ等の撮像装置に用いられる撮影レンズ系である。レンズ断面図において左方が物体側(前方)で、右方が像側(後方)である。またレンズ断面図において、iを物体側から像側へのレンズ群の順番とするとBiは第iレンズ群を示す。
【0014】
各実施例において、SPは開口絞りである。各実施例において、開口絞りSPは、第1レンズ群B1と第2レンズ群B2の間に配置されている。
【0015】
IPは像面である。ビデオカメラやデジタルカメラの撮像光学系として光学系を使用する際には、像面IPはCCDセンサやCMOSセンサといった固体撮像素子(光電変換素子)に相当する。銀塩フィルムカメラの撮像光学系として本発明の光学系を使用する際には、像面IPはフィルム面に相当する。
【0016】
球面収差図においてFnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差を示している。非点収差図においてΔSはサジタル像面における非点収差量、ΔMはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差はd線について示している。色収差図ではg線における色収差を示している。ωは撮像半画角である。
【0017】
各実施例では、レンズ断面図中の矢印で示すように、無限遠から近距離へのフォーカシングに際して第2レンズ群B2が物体側に移動し、隣り合うレンズ群の間隔が変化する。各実施例の光学系において第2レンズ群B2がフォーカス群に相当する。
【0018】
また、各実施例の光学系では、光学系の一部のレンズを防振群として、防振群を光軸と垂直方向の成分を持つ方向に移動させることにより結像位置を変化させることができる。これにより像ぶれ補正を行うことができる。第1レンズ群B1、第2レンズ群B2、第3レンズ群B3のいずれかのレンズ群を防振群としても良いし、特定のレンズ群に含まれる一部のレンズを防振群としても良い。
【0019】
本発明においては、比較的像側に配置された正の屈折力の第2レンズ群B2をフォーカス群とすることで、フォーカス群の小型化及び軽量化を実現し、さらに、フォーカシングに際しての色収差や球面収差の変動を低減させている。
【0020】
最も物体側に配置された第1レンズ群B1に含まれるレンズは有効径が大きいため、第1レンズ群B1をフォーカス群とすると、フォーカス群の大型化及び重量化を招く。一方、最も像側に配置された第3レンズ群B3においては、軸外光線が光軸から離れた領域を通過するため、第3レンズ群B3に含まれるレンズは有効径が大きくなりやすい。以上説明したように、フォーカス群の小型化及び軽量化の観点から、第2レンズ群B2をフォーカス群とすることが好ましい。
【0021】
また、第2レンズ群B2においては、軸外光線及び軸上光線が光軸から比較的近い領域を通過するため、フォーカシングに際しての軸上色収差や球面収差の変動を小さくすることができる。つまり、フォーカシングに際しての収差変動を抑制するために、第2レンズ群B2をフォーカス群とすることが好ましい。
【0022】
ここで、光学系における色収差の補正に関連するパラメータとして、アッベ数νdが知られている。F線(486.1nm)、C線(656.3nm)、d線(587.6nm)に対する材料の屈折率をそれぞれNF、NC、Ndとするとき、アッベ数νdはそれぞれ、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
で表される。
【0023】
各実施例の光学系は、以下の条件式を満足している。
LD/f<1.00…(1)
0.15<L/f<0.48…(2)
【0024】
ここで、全系の焦点距離をf、第1レンズ群B1の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離(以下、レンズ全長という)をLD、無限遠に合焦しているときにおける第2レンズ群B2の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をLとする。
【0025】
条件式(1)は、レンズ全長LDが光学系全系の焦点距離fよりも短いことを示している。一般に、レンズ全長の短縮化を図った望遠レンズに搭載される光学系は、焦点距離がレンズ全長LDよりも長くなる。条件式(1)の上限値を上回ってレンズ全長LDが長くなると、光学系が光軸方向に大型化してしまうため好ましくない。
【0026】
条件式(2)は、無限遠に合焦しているときにおける第2レンズ群B2の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離Lと、全系の焦点距離fの比を規定した条件式である。条件式(2)の下限値を下回ると、フォーカス群である第2レンズ群B2と第1レンズ群B1の距離が長くなり過ぎる。その結果、第2レンズ群B2に入射する軸上光束の光軸からの高さは低くなるが、第2レンズ群B2に入射する軸外光束の光軸からの高さが高くなりやすい。その結果、第2レンズ群B2の有効径が大きくなり、光学系の重量の増大を招くため好ましくない。
【0027】
また、条件式(2)の上限値を上回ると、フォーカス群である第2レンズ群B2と第1レンズ群B1の距離が短くなり過ぎる。その結果、第2レンズ群B2に入射する軸外光線及び軸上光線の光軸からの高さが高くなり、フォーカシングに際しての球面収差や軸上色収差の変動が増大するため好ましくない。
【0028】
各実施例では以上説明したように、条件式(1)及び(2)を満足するように各要素を適切に設定している。これにより軽量であり、かつ色収差等の収差が良好に補正された光学系を得ることができる。
【0029】
なお、各実施例において、好ましくは、条件式(1)及び(2)の数値範囲を次のように設定するのが良い。
LD/f<0.995…(1a)
0.18<L/f<0.47…(2a)
【0030】
また、さらに好ましくは、条件式(1)及び(2)の数値範囲を次のように設定するのが良い。
LD/f<0.990…(1b)
0.20<L/f<0.46…(2b)
【0031】
さらに、各実施例において、次の条件式のうち1つ以上を満足することがより好ましい。
0.10<EA2/EA1<0.39…(3)
0.50<f1/f<1.80…(4)
0.15<f2/f<0.70…(5)
0.20<fG1/f<5.00…(6)
30.0<νdG1…(7)
【0032】
条件式(3)は、第1レンズ群B1の最も物体側のレンズ面における有効径EA1と第2レンズ群B2の最も物体側のレンズ面における有効径EA2の比を規定した条件式である。条件式(3)の下限値を下回って、第1レンズ群B1の最も物体側のレンズ面における有効径EA1が大きくなると、第1レンズ群B1における光線の収斂作用を強くする必要が生じる。その結果、第1レンズ群B1の屈折力が強くなり過ぎて、第1レンズ群B1において球面収差や軸上色収差が多く発生するため好ましくない。条件式(3)の上限値を上回って、第2レンズ群B2の最も物体側のレンズ面における有効径EA2が大きくなると、フォーカス群である第2レンズ群B2が大型化し、光学系の重量が増大するため好ましくない。
【0033】
条件式(4)は、第1レンズ群B1の焦点距離f1と全系の焦点距離fの比を規定した条件式である。条件式(4)の下限値を下回って第1レンズ群B1の焦点距離f1が短くなると、第1レンズ群B1の屈折力が強くなり過ぎる。その結果、第1レンズ群B1において球面収差や軸上色収差が多く発生するため好ましくない。また、条件式(4)の上限値を上回って第1レンズ群B1の焦点距離f1が長くなると、第1レンズ群B1の屈折力が弱くなり過ぎて、レンズ全長が増大するため好ましくない。
【0034】
条件式(5)は、第2レンズ群B2の焦点距離f2と全系の焦点距離fの比を規定した条件式である。条件式(5)の下限値を下回って第2レンズ群B2の焦点距離f2が短くなると、フォーカス群である第2レンズ群B2の屈折力が強くなり過ぎる。その結果、フォーカシングに際しての球面収差や軸上色収差の変動が大きくなるため好ましくない。また、条件式(5)の上限値を上回って第2レンズ群B2の焦点距離f2が長くなると、フォーカス群である第2レンズ群B2の屈折力が弱くなり過ぎて、フォーカシングに際しての第2レンズ群B2の移動量が増大する。その結果、光学系が光軸方向に大型化するため好ましくない。
【0035】
条件式(6)は、第1レンズ群B1に含まれるレンズの中で最も物体側に配置されたレンズG1の焦点距離fG1と全系の焦点距離fの比を規定した条件式である。条件式(6)の下限値を下回ってレンズG1の焦点距離fG1が短くなると、レンズG1の屈折力が強くなり過ぎる。その結果、レンズG1において球面収差が多く発生するため好ましくない。また、条件式(6)の上限値を上回ってレンズG1の焦点距離fG1が長くなると、レンズG1の屈折力が弱くなり過ぎる。その結果、レンズG1における光線の収斂作用が弱くなり、レンズG1よりも像側に配置されるレンズの有効径が大きくなり、光学系の大型化や高重量化を招くため好ましくない。
【0036】
条件式(7)は、レンズG1の材料のアッベ数νdG1を規定した条件式である。条件式(7)の下限値を下回ってレンズG1の材料のアッベ数νdG1が小さくなると、レンズG1において軸上色収差や倍率色収差が多く発生するため好ましくない。
【0037】
好ましくは、条件式(3)~(7)の数値範囲を次のように設定するのが良い。
0.12<EA2/EA1<0.38…(3a)
0.60<f1/f<1.70…(4a)
0.17<f2/f<0.65…(5a)
0.30<fG1/f<2.50…(6a)
32.0<νdG1…(7a)
【0038】
さらに好ましくは、条件式(3)~(7)の数値範囲を次のように設定するのが良い。
0.15<EA2/EA1<0.38…(3b)
0.70<f1/f<1.60…(4b)
0.20<f2/f<0.62…(5b)
0.35<fG1/f<2.10…(6b)
35.0<νdG1…(7b)
【0039】
なお、フォーカシングに際して移動する第2レンズ群B2は、正レンズと負レンズを含むことが好ましい。これにより、フォーカシングに際しての色収差、特に軸上色収差の変動を抑制することができる。
【0040】
また、第2レンズ群B2は、2枚以下のレンズから構成されることが好ましい。これによりフォーカス群を軽量化することができ、さらにフォーカス群である第2レンズ群B2を駆動させるためのメカ機構の小型化及び軽量化を実現することができる。
【0041】
さらに、本発明においては、フォーカシングに際して第1レンズ群B1が不動であることが好ましい。光学系を構成するレンズ群の中で最も物体側に配置される第1レンズ群B1は、有効径が大きくなり高重量である。重量の大きい第1レンズ群B1をフォーカシングに際して移動させるためには、大型の駆動機構が必要となり、光学系や光学系を含む撮像装置の高重量化を招くため好ましくない。
【0042】
次に、本発明の実施例1から6にそれぞれ対応する数値実施例1から6を示す。各数値実施例において、iは物体側からの光学面の順序を示す。riは第i番目の光学面(第i面)の曲率半径、diは第i面と第i+1面との間の間隔、ndiとνdiはそれぞれd線に対する第i番目の光学部材の材料の屈折率、アッベ数を示す。レンズ面の間隔変化に関しては、無限遠に合焦しているときのレンズ面の間隔と、最至近距離に合焦しているときのレンズ面の間隔を記載している。
【0043】
各実施例において、バックフォーカス(BF)は、光学系の最も像側の面から像面までの距離を、空気換算長により表したものである。また、各数値実施例における上述した条件式との対応を表1に示す。
【0044】
なお、各実施例において第1レンズ群B1の物体側に、レンズを保護するための保護ガラスを配置しても良い。屈折力が極めて弱い保護ガラスは、第1レンズ群B1に含まれないものとする。
【0045】
[数値実施例1]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 397.368 13.93 1.53172 48.8 141.99
2 -642.420 86.27 141.53
3 134.531 17.79 1.43387 95.1 109.39
4 -659.353 0.62 107.47
5 -534.427 4.45 1.73800 32.3 107.38
6 249.999 15.00 103.06
7 82.885 13.51 1.43387 95.1 95.86
8 217.201 1.00 93.82
9 93.498 5.30 1.61340 44.3 88.99
10 65.350 106.66 81.99
11 137.548 6.80 1.89286 20.4 43.17
12 -147.156 2.40 1.90366 31.3 41.85
13 76.167 8.64 39.48
14(絞り) ∞ (可変) 38.21
15 70.660 1.90 1.85478 24.8 30.85
16 55.067 4.91 1.59522 67.7 30.40
17 803.873 (可変) 30.21
18 87.004 4.28 1.84666 23.9 29.96
19 -95.967 1.62 1.72916 54.7 29.59
20 42.782 4.17 28.35
21 -88.854 1.57 1.91082 35.3 28.40
22 167.200 17.66 29.08
23 118.673 5.16 1.51742 52.4 39.77
24 -141.143 3.16 40.26
25 648.872 7.35 1.73800 32.3 41.33
26 -48.133 1.90 1.92286 18.9 41.56
27 -118.632 103.93 42.40
像面 ∞
各種データ
焦点距離 585.00
Fナンバー 4.12
半画角 2.12
像高 21.64
レンズ全長 475.00
BF 103.93
∞ -0.14倍
d14 33.03 2.00
d17 2.00 33.03
入射瞳位置 951.14
射出瞳位置 -135.47
前側主点位置 106.61
後側主点位置 -481.07
レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 664.21 273.72 -866.05 -477.77
2 14 148.64 39.84 31.86 -5.25
3 18 -439.82 46.87 -121.45 -223.93
【0046】
[数値実施例2]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 259.668 15.94 1.54814 45.8 135.37
2 -682.396 56.92 134.68
3 133.258 19.82 1.43387 95.1 105.37
4 -276.467 0.20 103.13
5 -267.867 4.30 1.73800 32.3 103.09
6 199.210 3.10 97.54
7 79.907 16.59 1.43387 95.1 94.34
8 395.372 1.00 92.05
9 65.333 5.00 1.73800 32.3 82.25
10 51.946 57.50 75.14
11 177.323 6.31 1.92286 18.9 52.65
12 -208.413 2.40 1.90366 31.3 51.52
13 91.800 7.53 48.47
14(絞り) ∞ (可変) 47.16
15 95.361 5.53 1.77250 49.6 34.58
16 -157.387 2.05 1.67270 32.1 33.56
17 210.602 (可変) 32.25
18 90.329 4.68 1.84666 23.8 30.85
19 -88.554 1.71 1.67790 55.3 29.94
20 36.768 4.36 27.92
21 -70.456 1.63 1.91082 35.3 27.96
22 214.658 11.01 29.04
23 -520.337 3.99 1.51633 64.1 36.75
24 -77.580 10.16 37.75
25 79.621 10.97 1.61340 44.3 45.83
26 -52.760 1.91 1.92286 18.9 45.99
27 -99.233 75.00 46.90
像面 ∞
各種データ
焦点距離 392.57
Fナンバー 2.90
半画角 3.15
像高 21.64
レンズ全長 371.15
BF 75.00
∞ -0.16倍
d14 39.53 1.00
d17 2.00 40.53
入射瞳位置 485.63
射出瞳位置 -224.30
前側主点位置 363.30
後側主点位置 -317.57
レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 434.80 189.08 -338.12 -277.05
2 14 177.32 47.11 37.42 -6.38
3 18 1133.91 50.42 426.86 616.09
【0047】
[数値実施例3]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 381.369 11.56 1.53172 48.8 118.70
2 -500.181 61.82 118.33
3 148.541 15.00 1.43387 95.1 96.40
4 -394.609 0.36 94.71
5 -361.695 3.70 1.73800 32.3 94.63
6 308.845 22.72 91.73
7 79.544 10.87 1.43387 95.1 83.35
8 210.448 1.00 81.68
9 75.883 4.90 1.72047 34.7 77.10
10 60.941 80.64 71.98
11 113.172 4.64 1.92286 18.9 40.73
12 984.362 2.50 1.91082 35.3 39.52
13 64.195 10.39 37.45
14(絞り) ∞ (可変) 35.71
15 53.023 1.80 1.91082 35.3 29.50
16 40.373 4.53 1.53775 74.7 28.59
17 1140.560 (可変) 27.97
18 85.792 3.65 1.84666 23.8 26.59
19 -80.860 1.61 1.72916 54.7 25.98
20 41.334 3.17 24.82
21 -78.410 1.50 1.91082 35.3 24.85
22 149.170 22.73 25.47
23 132.930 5.57 1.61340 44.3 39.00
24 -93.848 0.50 39.46
25 423.611 7.08 1.67300 38.1 39.77
26 -48.081 1.80 1.80809 22.8 39.82
27 -253.418 100.00 40.29
像面 ∞
各種データ
焦点距離 489.05
Fナンバー 4.12
半画角 2.53
像高 21.64
レンズ全長 411.08
BF 100.00
∞ -0.14倍
d14 25.05 2.00
d17 2.00 25.05
入射瞳位置 676.66
射出瞳位置 -126.10
前側主点位置 107.93
後側主点位置 -389.05
レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 516.17 219.71 -532.19 -351.33
2 14 130.99 31.37 23.66 -5.24
3 18 -360.34 47.61 -111.82 -221.95
【0048】
[数値実施例4]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 229.599 15.96 1.48749 70.2 133.97
2 -988.019 70.00 133.23
3 144.621 17.38 1.43387 95.1 103.29
4 -340.267 0.30 101.34
5 -340.023 4.45 1.81600 46.6 101.05
6 238.105 8.00 96.97
7 100.345 13.49 1.43387 95.1 93.73
8 570.292 1.00 92.01
9 95.129 5.30 1.67300 38.1 86.31
10 71.718 106.66 80.69
11 163.044 4.96 1.80518 25.4 41.90
12 -213.781 2.00 1.80400 46.6 41.01
13 75.147 7.73 39.11
14(絞り) ∞ (可変) 38.17
15 64.909 1.90 1.90366 31.3 31.04
16 52.933 5.46 1.49700 81.5 30.31
17 1002.162 (可変) 29.44
18 198.056 3.17 1.80809 22.8 28.54
19 -118.676 1.62 1.77250 49.6 28.05
20 63.231 2.36 26.95
21 -148.864 1.57 1.74100 52.6 26.90
22 222.227 17.66 26.86
23 160.615 3.49 1.65412 39.7 28.55
24 -122.891 1.47 28.81
25 -127.293 3.09 1.73800 32.3 28.90
26 -66.303 1.50 1.95906 17.5 29.20
27 -118.632 158.67 29.57
像面 ∞
各種データ
焦点距離 777.00
Fナンバー 5.80
半画角 1.59
像高 21.64
レンズ全長 498.01
BF 158.67
∞ -0.18倍
d14 36.83 2.00
d17 2.00 36.83
入射瞳位置 847.46
射出瞳位置 -92.88
前側主点位置 -775.65
後側主点位置 -618.34
レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 722.87 249.48 -974.00 -509.76
2 14 170.40 44.19 35.13 -6.31
3 18 -202.16 35.93 -31.23 -73.58
【0049】
[数値実施例5]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 192.312 13.69 1.54814 45.8 100.87
2 -380.823 19.00 100.18
3 108.633 17.13 1.43387 95.1 85.97
4 -213.766 0.41 83.59
5 -205.792 3.30 1.73800 32.3 83.26
6 172.454 5.00 78.67
7 59.218 13.09 1.43387 95.1 74.39
8 208.094 1.00 72.30
9 48.647 4.50 1.73800 32.3 64.18
10 38.810 37.98 57.87
11 156.114 4.20 1.92286 18.9 42.43
12 -300.692 2.10 1.88300 40.8 41.55
13 59.296 5.27 38.84
14(絞り) ∞ (可変) 38.38
15 58.603 5.30 1.59522 67.7 32.86
16 -142.767 1.70 1.78472 25.7 32.12
17 -727.435 (可変) 31.40
18 165.812 4.22 1.84666 23.9 29.74
19 -72.258 1.50 1.62299 58.2 28.93
20 37.836 4.11 26.85
21 -63.355 1.50 1.80400 46.6 26.89
22 104.964 12.85 28.08
23 164.943 5.43 1.51633 64.1 39.14
24 -91.658 0.20 40.03
25 99.528 9.03 1.61340 44.3 42.03
26 -51.084 1.80 1.92286 18.9 42.23
27 -97.017 76.35 43.09
像面 ∞
各種データ
焦点距離 292.53
Fナンバー 2.90
半画角 4.23
像高 21.64
レンズ全長 273.92
BF 76.35
∞ -0.17倍
d14 21.27 2.00
d17 1.00 22.27
入射瞳位置 284.51
射出瞳位置 -117.44
前側主点位置 135.47
後側主点位置 -216.18
レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 417.38 121.40 -402.53 -254.38
2 14 100.93 28.27 21.29 -4.26
3 18 -730.88 40.64 -235.71 -397.49
【0050】
[数値実施例6]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 142.560 10.00 1.48749 70.2 97.09
2 588.718 2.00 96.28
3 66.994 20.00 1.43387 95.1 91.43
4 692.391 0.20 89.06
5 57.981 3.20 1.91082 35.3 76.20
6 43.350 16.47 1.59522 67.7 68.60
7 123.299 3.56 64.21
8 417.796 3.20 1.85478 24.8 63.40
9 50.658 6.62 55.21
10 44.368 6.95 1.92286 18.9 52.24
11 98.042 2.50 1.77250 49.6 50.66
12 31.572 9.99 43.47
13(絞り) ∞ (可変) 43.08
14 57.925 1.80 1.72047 34.7 36.31
15 23.797 8.72 1.76385 48.5 33.68
16 113.771 (可変) 32.29
17 52.520 1.75 1.95375 32.3 30.04
18 33.155 5.92 28.35
19 -167.695 6.06 1.61340 44.3 28.97
20 -23.885 1.20 1.71300 53.9 29.54
21 -806.112 3.12 32.17
22 93.512 7.88 1.51633 64.1 35.83
23 -42.724 5.31 36.47
24 -70.650 1.80 1.59522 67.7 36.45
25 35.915 7.04 1.72916 54.7 38.36
26 -2902.542 38.50 38.47
像面 ∞
各種データ
焦点距離 200.00
Fナンバー 2.06
半画角 6.17
像高 21.64
レンズ全長 196.01
BF 38.50
∞ -0.12倍
d13 19.71 1.48
d16 2.50 20.73
入射瞳位置 150.42
射出瞳位置 -71.71
前側主点位置 -12.54
後側主点位置 -161.50
レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 308.98 84.69 -241.16 -172.71
2 14 123.71 10.52 -4.73 -10.32
3 17 -599.35 40.08 -83.39 -130.49
【0051】
【0052】
次に、本発明の光学系を撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)の実施例について、
図13を用いて説明する。
図13において、10はカメラ本体、11は実施例1乃至6で説明したいずれかの光学系によって構成された撮影光学系である。12はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系11によって形成された被写体像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。
【0053】
このように本発明の光学系をデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、軽量であり、かつ色収差等の収差が良好に補正された撮像装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0054】
B1 第1レンズ群
B2 第2レンズ群
B3 第3レンズ群
SP 開口絞り
IP 像面