(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】連続繊維の巻きを有する膨張可能な医療用バルーン
(51)【国際特許分類】
A61M 25/10 20130101AFI20220418BHJP
【FI】
A61M25/10 502
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020211033
(22)【出願日】2020-12-21
(62)【分割の表示】P 2019016795の分割
【原出願日】2014-04-24
【審査請求日】2021-01-18
(32)【優先日】2013-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513180222
【氏名又は名称】ロマ ヴィスタ メディカル、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100117411
【氏名又は名称】串田 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ティルソン,アレクサンダー・クイリン
(72)【発明者】
【氏名】クルニアワン,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】スチーフ,マーク・クリストファー
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-500104(JP,A)
【文献】特表2012-507372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部と、前記中心部に接続された第1および第2のテーパ部を含むバルーンであって、前記バルーンの第1の端部から前記バルーンの第2の端部へと延在する長手方向軸を含むバルーンと、
前記中心部に沿って前記長手方向軸に対して+/-0から20度の角度で延在し、かつ前記バルーンの前記第1および第2のテーパ部の少なくとも1つで少なくとも一回、回転する1本の連続繊維と、を備える、医療用器具。
【請求項2】
前記1本の連続繊維が前記バルーンの少なくとも一部の周りを半径方向に延在する、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記1本の連続繊維が前記第1および第2のテーパ部の少なくとも1つの周りを半径方向に延在する、請求項
2に記載の器具。
【請求項4】
前記1本の連続繊維が前記バルーンの前記中心部の周りを半径方向に延在する、請求項
2に記載の器具。
【請求項5】
前記1本の連続繊維は、複数の第1の繊維ストランドを備える、請求項1に記載の器具。
【請求項6】
前記第1の繊維ストランドが、前記第1および第2のテーパ部の少なくとも一部の周りに半径方向に延在するように、前記複数の第1の繊維ストランドの各ストランドが、前記バルーンの前記長手方向軸に対して約35から90度の角度で延在する、請求項
5に記載の器具。
【請求項7】
前記複数の第1の繊維ストランドの各ストランドは、前記テーパ部の少なくとも一部の周りの半径方向への延在から、前記第1および第2のテーパ部の前記長手方向軸に対して+/-0から20度の角度での延在へと変化する、請求項
5または
6に記載の器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による組み込み
[0001]本明細書で述べられるすべての公報および特許出願は、あたかも個々の公報または特許出願の各々が参照によって組み込まれるために具体的に個々に示されているのと同程度に参照によって本明細書に組み込まれる。本出願は、また、米国仮特許出願第61/815,689号および米国仮特許出願第61/656,404号を参考として本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
[0002]例えば、バルーンのような繊維ベースの装置および膨張可能な装置は、医療処置に広く使用されている。バルーンの場合には、典型的にはカテーテルの端部において、バルーンが関心領域に到達するまで挿入される。バルーンに圧力を加えることによってバルーンが膨張する。使用の1つのバリエーションにおいては、バルーンが膨張する場合に、バルーンは体内で空間を作り出す。
【0003】
[0003]バルーンは、心臓弁で使用されることができ、それには、大動脈弁バルーン形成術(BAV)の間や経カテーテル大動脈弁植込術(TAVI)の間が含まれる。バルーンは、狭窄大動脈弁を開けるために使用され得る。狭窄弁は、バルーンを引き裂きまたは穿刺しがちな硬い石灰化病変を有することがある。さらに、安全性および制御性を高めるために、膨張したバルーンの正確な直径が望まれる。
【0004】
[0004]バルーンは、例えば、血管形成術の間、または、末梢血管系処置の間、血管腔の中央から血管系壁に向けて血小板を離れさせるために使用され得る。この処置中において、バルーンの先端に装着されたカテーテルが血管閉塞内に配置される。バルーンが膨張されると、血管収縮が広げられ、その結果として、血流が改善される。
【0005】
[0005]2つの基本的なタイプのバルーンが使用される。1つは、高圧低コンプライアンスバルーンである。他の1つは、低圧高コンプライアンスバルーンである。
[0006]高コンプライアンス医療用バルーンは、多くの場合、ウレタン、ラテックス、シリコーン、PVC、Pebax、および他のエラストマーから構成される。高コンプライアンスバルーンにおける圧力が増大されると、バルーン寸法は拡張する。圧力が低減されると、高コンプライアンス医療用バルーンは、その元の形状、または、そのほぼ元の形状に戻ることができる。高コンプライアンス医療用バルーンは、ゼロ膨張圧力と破裂との間の容積で数回、容易に拡張することができる。
【0006】
[0007]従来の高コンプライアンス医療用バルーンは、多くの理由から不適切になり得る。高コンプライアンスまたは弾性の大きい医療用バルーンは、典型的には、高圧に到達できない。それは、それらの壁の引張り強度が小さく、また、バルーンが拡張した際にそれらの壁が薄くなるからである。いくつかの場合では、高コンプライアンス医療用バルーンは、処理を完了するには不十分な力を提供する。高コンプライアンス医療用バルーン定格圧力を超過すると、患者の深刻な合併症につながり得るバルーンの破損が生じる大きなリスクを生み出す。さらに、高コンプライアンス医療用バルーンは、また、形状制御性に乏しい。高コンプライアンス医療用バルーンが拡張すると、臨床治療の目的ではなく、主に患者内の環境の特徴によって影響される形状になり得る。いくつかの場合では、これは、医師が望むことと反対のことになり得る。多くの医療手順は、特定のバルーン形状を確実に形成することを前提としている。さらに、高コンプライアンス医療用バルーンは、多くの場合、穿刺および引裂に対する耐性に乏しい。
【0007】
[0008]低コンプライアンス、高圧医療用バルーンは、比較的高圧の下でそれらの形状を実質的に保持する。高圧低コンプライアンスバルーンで使用するものとして、PET(ポリエチレンテレフタレート)が最も一般的な材料である。PETは、一般に、高性能血管形成バルーンに使用される。PETは、他のポリマーよりも強度が高く、様々な形状にモールドされることができ、非常に薄く(例えば、5μmから50μm(0.00508mm(0.0002インチ)から0.0508mm(0.002インチ)))製造することができ、このため、これらのバルーンを薄型にすることができる。しかしながら、PET壁から製造されるバルーンは、もろく、引き裂けが生じがちである。体内の硬いまたは鋭利な表面、例えば狭窄に対して押される場合、PET製バルーンは、穿刺耐性に乏しい。PETは非常に硬いので、PETから製造されるバルーンは、小さな直径の中に包んだり折り畳んだりすることが難しい場合があり、また、追跡性(trackability)(すなわち、曲がりくねった血管を通って配置されるガイドワイヤにわたって摺動し曲がる能力)が乏しくなる場合がある。さらに、PETから製造されるバルーンは、均質なポリマーから製造される他のほとんどのバルーンよりも強いものの、それでも、所定の医療処置を完了するために十分な圧力を保持できる程には強くない場合がある。さらに、大きなバルーン直径(例えば、20mm以上)では、PET製バルーンは、依然として、BAVおよびTAVIなどの処置に関して過剰なコンプライアンス(順応性)を有している。ナイロン製バルーンは、低コンプライアンス、高圧バルーン用の代替材料である。しかしながら、これらのナイロン製バルーンは、通常、PET製バルーンよりも弱く、このため、封じ込めることができる圧力がより小さい。ナイロンは、水を吸収しやすく、このことは、場合によっては、ナイロンの材料特性に対して不利な効果を与え得る。ナイロンは、PETよりも改善された穿刺耐性を有し、PETよりも柔軟である。
【0008】
[0009]繊維強化複合材料バルーンは、別の代替的な低コンプライアンスで、高圧の医療用バルーンである。このような繊維強化複合材料バルーンは、有利には高圧に耐えることができ、正確な形状制御を行うことができ、引き裂きおよび穿刺に対して高い耐性を有する。しかしながら、繊維強化されたバルーンのための製造工程は、複雑で、かつ費用がかかり、所望の支援を得るためには多数の異なる繊維の層の付着を必要とし得る。多くの場合、これらの層のうち少なくとも1つは、ベースのバルーンを巻く布地の逆畳み込みパターン層で構成される。このような布地のパターン層を形成し、巻くことは、面倒で、労働力と設備が必要であり、時間がかかる可能性がある。さらに、繊維の配向によって、破裂時の繊維強化されたバルーンの引き裂きパターン(「裂け目」または「裂け目-停止」特性と呼ばれることもある)は、シャフトを通るバルーンを除去することがより難しくなる結果となり得る。
【0009】
[0010]このように、高圧に耐え、正確な形状制御を提供し、高度に制御された引裂特性を有する能力をなおも維持しつつ、バルーンのような、迅速にかつ容易に製造され得る、繊維強化された装置を作る必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0011]一般に、一実施形態では、医療用器具は、半径方向に、かつ長手方向の両方に延在する単一の連続繊維を含む装置を備える。一実施例では、この装置は、バルーンの第1の端部からバルーンの第2の端部に延在する、中心部と、長手方向軸に沿った中心部に接続された、第1および第2のテーパ部を含むバルーンであってよい。単一の連続繊維は、中心部に沿った長手方向軸と実質的に平行に延在し、かつ、装置の第1および第2のテーパ部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部の周りに半径方向に延在し得る。
【0011】
[0012]この器具は、さらに、バルーンの中心部の周りを半径方向に延在する第2の繊維
を含み得る。第2の繊維は、単一の連続繊維の一部であってよく、複数の第1の繊維ストランド(strand)を備え得る。このストランドは、第1および第2のテーパ部のうちの少なくとも一部分の周りに半径方向に延在するように、複数の第1の繊維ストランドの各ストランドは、バルーンの長手方向軸に対して約35から約90度の角度で延在し得る。複数の第1の繊維ストランドの各ストランドは、テーパ部の少なくとも一部の周りへの半径方向への延在から、第1および第2のテーパ部の長手方向軸と実質的に平行な延在へと変化し得る。
【0012】
[0013]第2の繊維は、第2の繊維が中心部の周りに半径方向に延在するように、バルーンの長手方向軸に対して約80度から90度の角度で延在し得る。第2の繊維は、第1および第2のテーパ部の周りに、中心部の周りの第2の繊維ストランドのピッチよりも低ピッチにて延在し得る。第2の繊維は、第1の繊維の上に延在してよく、第1の繊維の第1の部分上に、および第1の繊維の第2の部分の下でよい。第1の繊維の第1の部分は、バルーンの前半上にあってよく、第1の繊維の第2の部分は、バルーンの後半にある。
【0013】
[0014]第3の繊維もまた、提供され得る。第3の繊維は、バルーンの第1の端部から分離された位置の第1のテーパ部で始まり得る。第3の繊維は、第1の単一の連続繊維の一部であり得る。
【0014】
[0015]単一の連続繊維は、バルーンの第1および第2のテーパ部の両方の周りに半径方向に延在し得る。
[0016]その他の実施形態では、繊維強化された医療用バルーンは、円柱状の中心部を含む。バルーンは、バルーンの第1の端部からバルーンの第2の端部へと延在する、中心の長手方向軸に沿った円柱状の中心部に接続された、第1および第2円の錐形部を含む。バルーンは、バルーンの第1の端部からバルーンの第2の端部へと延在する複数の第1の繊維ストランドを含む。複数の第1の繊維ストランドのそれぞれのストランドは、円柱状の中心部を通り、第1および第2の円錐形部の少なくとも一部の周りに半径方向に、長手方向軸に実質的に平行に延びる。バルーンは、中心部の周りを半径方向に延在する、少なくとも1つの第2の繊維ストランドを含む。
【0015】
[0017]本実施形態および他の実施形態は、1つ以上の次の特徴を備え得る。複数の第1の繊維ストランドのストランドは、単一の連続する繊維のすべての部分となり得る。複数の第1の繊維ストランドおよび少なくとも1つの第2の繊維ストランドは、単一の連続する繊維のすべての部分となり得る。このストランドは、第1および第2の円錐形部の少なくとも一部分の周りに半径方向に延在するように、複数の第1の繊維ストランドの各ストランドは、バルーンの長手方向軸に対して約35度から90度の角度で延在し得る。複数の第1の繊維ストランドの各ストランドは、円錐形部の少なくとも一部の周りへの半径方向への延在から、第1および第2の円錐形部の長手方向軸と実質的に平行な延在へと変化し得る。少なくとも1つの第2の繊維ストランドは、ストランドが中心部の周りに半径方向に延在するように、バルーンの長手方向軸に対して約80度から90度の角度で延在し得る。少なくとも1つの第2の繊維ストランドは、第1および第2の円錐形部の周りに、中心部の周りの少なくとも1つの第2の繊維ストランドのピッチよりも低ピッチにて延在し得る。少なくとも1つの第2のストランドは、複数の第1の繊維ストランドのすべてのストランドの上に延在し得る。少なくとも1つの第2のストランドは、複数の第1の繊維ストランドの第1の部分の上に、そして複数の第1の繊維ストランドの第2の部分の下に延在し得る。複数の第1の繊維の第1の部分は、バルーンの前半上にあってよく、複数の第1の繊維の第2の部分は、バルーンの後半上にあってよい。繊維強化された医療用バルーンは、複数の第3の繊維ストランドをさらに含み得、複数の第3の繊維ストランドは、バルーンの第1の端部から分離された位置で、第1の円錐形部で始まることができる。第1の繊維ストランドおよび第3の繊維ストランドの少なくとも一部は、単一の連続繊維の一部であり得る。
【0016】
[0018]本開示は、また、中心部と、中心部に接続された第1および第2のテーパ部を含む、バルーンの形態の医療用器具に関する。バルーンは、バルーンの第1の端部からバルーンの第2の端部に延在する、長手方向軸を含む。不織繊維層は、中心部に沿った長手方向軸と実質的に平行に延在する第1の繊維と、第1のテーパ部の周りに半径方向に延在する第2の繊維とを含む。第1の繊維および第2の繊維は、単一の連続する繊維の一部を形成し得る。
【0017】
[0019]一般には、一実施形態では、円柱状の中心部と、バルーンの第1の端部からバルーンの第2の端部へと延在する、中央の長手方向軸に沿った円柱状の中心部に接続された第1および第2のテーパ部を有する、繊維強化複合材料バルーンを製造する方法が記載されている。この方法は、単一の連続繊維を、バルーンの長手方向軸に実質的に平行に延在する円柱状の中心部に付けるステップと、単一の連続繊維を第1および第2のテーパ部の少なくとも1つに付けるステップと、を含む。付けるステップは、第1および第2のテーパ部の少なくとも1つの少なくとも一部の半径方向の周りの単一の連続繊維を付けるステップを含み得る。この方法は、さらに、バルーンの中心部の周りを半径方向に延在する第2の繊維を付けるステップを含み得る。
【0018】
[0020]別の開示された実施形態では、円柱状の中心部と、バルーンの第1の端部からバルーンの第2の端部へと延在する、中央の長手方向軸に沿った円柱状の中心部に接続された第1および第2の円錐形部を有する、繊維強化複合材料バルーンを製造する方法は、円柱状の中心部内のバルーンの長手方向軸に実質的に平行に延在する、複数の第1の繊維ストランドを形成するための円柱状の中心部と第1および第2の円錐形部を有する単一の連続繊維をベース層に付けるステップを含む。
【0019】
[0021]本実施形態および他の実施形態は、1つ以上の次の特徴を備えていてもよい。単一の連続繊維を付けるステップは、第1の円錐形部の周りに半径方向に繊維を巻くことにより、複数の第1の繊維ストランドの繊維ストランドを形成するステップと、円柱状の中心部内の長手方向軸に実質的に平行に繊維を敷設するステップと、バルーンの第1の端部からバルーンの第2の端部に、第2の円錐形部の周りに半径方向に繊維を巻くステップと、を含み得る。単一の連続繊維を付けるステップは、第2の円錐形部の周りに半径方向に繊維を巻くように繊維を付ける方向を変化させることにより、複数の第1の繊維ストランドの別の繊維ストランドを形成するステップと、円柱状の中心部内の長手方向軸に実質的に平行に繊維を敷設するステップと、バルーンの第2の端部から、バルーンの第1の端部に、第1の円錐形部の周りに半径方向に繊維を巻くステップと、を含み得る。この方法は、少なくとも1つの第2の繊維ストランドを形成するために、円柱状の中心部の周りに半径方向に繊維を巻くステップをさらに含み得る。少なくとも1つの第2の繊維ストランドを形成するために、円柱状の中心部の周りに半径方向に繊維を巻くステップは、複数の第1のストランドの少なくとも一部のストランドの上の円柱状部の周りに半径方向に繊維を巻くステップを含み得る。この方法は、少なくとも1つの第2の繊維ストランドの上に複数の第1の繊維ストランドの第2の部分を巻くステップをさらに含み得る。単一の連続繊維を付けるステップは、ベースマンドレル上に延在するブラダーに繊維が付着するために、溶媒和された熱的に接合可能な材料に繊維を浸漬するステップを含み得る。この方法は、単一の連続繊維を付けた後、バルーンの第1および第2の端部を切断するステップをさらに含み得る。
【0020】
[0022]本開示は、装置の異なる部分に長手方向におよび半径方向に付けられた単一の連続繊維を含む医療用チューブのような装置を備える医療用器具に関すると考えられ得る。繊維ベースの装置を形成する関連する方法は、装置の異なる部分に長手方向に、かつ半径
方向に単一の連続繊維を付けるステップを含む。本開示は、また、単一の連続繊維を、装置の中心部に長手方向に付け、かつ装置の別の部分に半径方向に付けることにより、繊維ベースの装置を形成する方法に広く関連する。
【0021】
[0023]本開示は、また、長手方向軸を有するバルーンであって、層の一部内の長手方向軸と実質的に平行に延在し、かつ、長手方向軸を実質的に横切る方向に1つ以上の繊維を含む、単一繊維層を含むバルーンを備える、医療用器具に関連し得る。一実施形態では、バルーンは、繊維が長手方向軸に並んで延在する概して円柱形状の部分と、円柱形状部に接続された概してテーパ状の部分と、を備え、繊維はテーパ部に沿って半径方向に延在する。繊維は単一の連続繊維であってよい。
【0022】
[0024]本発明の新規の特徴が次の特許請求の範囲に詳細に説明される。例示的な実施形態を説明する次の詳細な説明(本発明の原理が使用される)および添付図面を参照することによって、本発明の特徴および利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】[0025]長手方向の繊維ストランドおよびフープ状の繊維ストランドを有する膨張可能な装置を示す。長手方向の繊維ストランドは、中心部内の長手方向軸に実質的に平行に、かつバルーンの先端部の周りに半径方向に延在する。フープ状の繊維ストランドは、装置の長さに沿って膨張可能な装置の周りに半径方向に延在する。
【
図2】[0026]膨張可能な装置への第1の長手方向の繊維ストランドの付着を示す。
【
図3】[0027]膨張可能な装置への第2の長手方向の繊維ストランドの付着を示す。
【
図4】[0028]膨張可能な装置への第3の長手方向の繊維ストランドの付着を示す。
【
図5】[0029]
図5は膨張可能な装置への第4の長手方向の繊維ストランドの付着を示す。 [0030]
図5aは
図5の膨張可能な装置の断面図である。
【
図6】[0031]
図6は膨張可能な装置の円周すべてに延在する長手方向の繊維を示す。 [0032]
図6aは
図6の膨張可能な装置の断面図である。
【
図7】[0033]
図7はその上に長手方向の繊維ストランドを有する膨張可能な装置の周りに巻き付けられたフープ状のストランドを示す。 [0034]
図7aは
図7の膨張可能な装置の断面図である。
【
図8】[0035]
図8は膨張可能な装置の半分の上に敷設された長手方向の繊維ストランドを有する膨張可能な装置を示す。 [0036]
図8aは
図8の断面図である。
【
図9】[0037]
図9は
図8の装置の周りを巻かれたフープ状のストランドを示す。 [0038]
図9aは
図9の断面図である。
【
図11】[0040]フープ状の繊維ストランドの下の長手方向ストランドの集合とフープ状のストランド上の長手方向ストランドの別の集合を有する、膨張可能な装置の断面図である。
【
図12】[0041]膨張可能な装置の中心部内の長手方向軸の角度での、膨張可能な装置上で延在する長手方向ストランドを示す。
【
図13】[0042]
図12の膨張可能な装置上に巻き付けられたフープ状のストランドを示す。
【
図14】[0043]長手方向ストランドの半径状の巻きが、膨張可能な装置の円錐形部の少なくとも半ばまで延在する、膨張可能な装置上の例示的な繊維の巻きを示す。
【
図15】[0044]
図14の膨張可能な装置上に巻き付けられたフープ状のストランドを示す。
【
図16】[0045]器具車輪を有する連続的な過程における膨張可能な装置への繊維ストランドの付着を示す。
【
図17】[0046]膨張可能な装置の例示的な層または壁の部分を示す。
【
図18A】[0047]膨張可能な装置のための内部層またはブラダーを製造する例示的な方法を示す。
【
図18B】膨張可能な装置のための内部層またはブラダーを製造する例示的な方法を示す。
【
図18C】膨張可能な装置のための内部層またはブラダーを製造する例示的な方法を示す。
【
図18D】膨張可能な装置のための内部層またはブラダーを製造する例示的な方法を示す。
【
図18E】膨張可能な装置のための内部層またはブラダーを製造する例示的な方法を示す。
【
図18F】膨張可能な装置のための内部層またはブラダーを製造する例示的な方法を示す。
【
図18G】膨張可能な装置のための内部層またはブラダーを製造する例示的な方法を示す。
【
図19】[0048]
図19Aは膨張可能な装置の層または部分を統合するための例示的方法を示す。
図19Bは膨張可能な装置の層または部分を統合するための例示的方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[0049]一般的に、本明細書で記載されるのは、医療用バルーンのような、繊維強化された装置であり、連続繊維の巻き付きによって形成される。バルーンは繊維または繊維ストランドを含み、中心部内の長手方向軸に実質的に平行に、かつバルーンの先端部の周りに半径方向に延在する。
【0025】
[0050]
図1を参照すると、膨張可能な装置2(例えば、バルーン)は、中心部1301、テーパ部または円錐形部1303a、1303bおよび先端部1305a、1305bを含み得る。例えば、中心部1301および先端部1305a、1305bは、それぞれの部分1301、1305a、1305bの長さにわたる実質的に一定の直径を有する形状であり得る。その他の実施形態では、中心部1301か先端部1305a、1305bのいずれかは、僅かにくびれた構成を有するように、それぞれの部分の長さに沿って直径を変化することが可能である。いくつかの実施形態では、部分1305a、1305bは、長さを減少されるか除去され得る。繊維ストランドは、また、先端部1305a、1305bにおいて長手方向であってよいが、半径方向であるように示されている。
【0026】
[0051]中心部1301と先端部1305a、1305bとの間で延在する円錐形部1303a、1303bは、中心部1301から先端部1305a、1305bへと延在する、低減する半径の断面図を有し得る。即ち、円錐形であり得る。いくつかの実施形態では、円錐形部1303a、1303bは、その中に球形または円形部などの延在または拡大領域を有し得る。さらに、円錐形部1303a、1303bは、それぞれ、1307a、1307bおよび1309a、1309b小区分を有し得る。小区分1307a、1307bは、中心部1301から延在してよく、実質的に凸状の外側表面を有し得る。小区分1309a、1309bは先端部1305a、1305bから延在してよく、実質的に凸状の外側表面を有し得る。それぞれの凸状および凹状の外側表面は、急に直径を変化する位置であっても、有利には、バルーンの平滑な外表面を提供することが可能である。
【0027】
[0052]
図1にさらに示されているように、膨張可能な装置2は、装置の端から他の端に、膨張可能な装置2の長さを横切る長手方向の繊維ストランド1313を含み得る。それぞれの長手方向繊維ストランド1313は、バルーンの先端でバルーンの周りに半径方向に延在することが可能である(例えば、先端部1305a、1305bまたは円錐形部1303a、1303bにおいて)。したがって、ストランド1313は、膨張可能な装置2の繊維層を形成すると考えられてよく、層内の繊維が、全体として長手方向軸と平行に(円柱状部に沿うなど)かつ全体として長手方向軸を横切る方向(先端部1305a、1305bに沿うなど)の双方に延在する。繊維ストランド1313は、このように螺線形または膨張可能な装置2の先端の周りに螺旋状に、バルーンの長手方向軸108に対して、50から80度のように、約35度、40度、45度、50度、55度、60度、65度、70度または75度のように、約25から90度の角度で延在し得る。各繊維ストランド1313は、中心部1301内の長手方向軸108に実質的に平行に(例えば±5°、±2°、±1°、または±0.1°)さらに延在することが可能である。例えば、各繊維ストランド1313は、中心部1301全体に沿った長手方向軸108に実質的に平行に延在し得る。
【0028】
[0053]
図1に依然として参照すると、膨張可能な装置2は、少なくとも1つのフープ状の繊維ストランド1315をさらに含み得る。フープ状の繊維ストランド1315は、少なくとも中心部1301の周りに半径方向に巻き付くことが可能である。フープ状の繊維ストランド1315は、長手方向軸108に対して、80度から90度などのように、ほぼ90度の角度で延在可能であり、少なくとも中心部1301全体の長さに延在可能である。いくつかの実施形態では、フープ状の繊維ストランド1315は、円錐形部1303a、1303bおよび/または先端部1305a、1305bのすべてまたは一部を通って延在可能である。さらに、フープ状の繊維ストランド1315は、円錐形部1303a、1303bおよび/または先端部1305a、1305bのすべてまたは一部を通って延在する実施形態においては、繊維巻きのピッチは、膨張可能な装置2の両端に向かう繊維巻きのピッチよりも中央部1301において高くなり得る(例えば、インチ単位の巻きがより多くなり得る)。有利には、長手方向の繊維ストランド1313は少なくとも円錐形部1303a、1303bの部分の周りに半径方向に巻き付けられ、半径方向に支えるため、フープ状の繊維ストランド1315は、それらの部分の上に(またはピッチと同じ高さに)完全に延在する必要はない。
【0029】
[0054]
図2から
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、ストランド1313、1315は、単一の連続繊維85(単一のモノフィラメントまたは複数のモノフィラメントを含む、繊維トウであり得る)の一部として、バルーンにすべて付け得る。
図2を参照すると、繊維85は、膨張可能な要素2(即ち、中心部1301、円錐形部1303a、1303bおよび先端部1305a、1305b)の形状で構成されたマンドレルに付け得る。このマンドレルは、さらに、膨張可能な要素2の両端から延在する犠牲シャフト2000a、2000bを含み得る。繊維85は、先端部1305bの周りを半径方向に、円錐形部1303bの少なくとも一部を通る周りを半径方向に、中心部1301を長手方向軸108に対し実質的に平行に横架し、円錐部1303aの下方に延在し、円錐部1303aおよび先端部1305aの周りに半径方向に巻くために推移し得る。膨張可能な要素2の長さを横切る第1の横断は、第1の繊維ストランド1313aを形成し得る。
【0030】
[0055]
図3を参照すると、別の繊維ストランド1313bを形成するために、繊維85は、膨張可能な要素2に向かって反対に方向付けられ、逆の方向に巻き付けられる(即ち、先端部1305aから先端部1305bへ)ことが可能である。
図3に示されるように、繊維ストランド1313bを半径方向に巻き付け(例えば、渦巻きまたは螺旋状)をすると、繊維ストランド1313a、1313bが巻き付けの各回転の中心点に合うか重なるように、繊維ストランド1313aの半径方向の巻き付けの反対に延在するであろう。繊維ストランド1313a、1313bは、中心部1301内で互いに実質的に平行に延在するよう、真っ直ぐに延ばす前に円錐形部1303a、1303b内でさらに交差することになる。
【0031】
[0056]
図4を参照すると、第3の繊維ストランド1313cは、繊維ストランド131
3aに類似して、繊維85を膨張可能な要素2に向かって反対に方向付けられて敷設することにより付け得る。
図4に示されるように、繊維ストランド1313cは、中心部1301と先端部1305a、1305bの両方に沿って繊維ストランド1313aと実質的に平行に延びる。さらに、
図4に示されるように、繊維ストランド1313は、繊維ストランド1313cが直接繊維ストランド1313bの隣に敷設され、直接繊維ストランド1313aの隣に敷設されて、連続して敷設され得る。
【0032】
[0057]
図5を参照すると、第4の繊維ストランド1313dは、繊維85を膨張可能な要素2に向かって反対に方向付けられることにより付け得、繊維ストランド1313bに類似して敷設され得る。
図5aは、結果として得られた繊維の配置の断面図を示す。
【0033】
[0058]
図6および
図6aを参照すると、繊維85は、膨張可能な装置の一方の端からもう一つの端へ、繊維ストランド1313が中心部1301の円周の周りに完全に敷設されるまで、前後に巻き付けられ続けることが可能である。繊維ストランド1313は、全周が覆われたとき、繊維ストランド1313はバルーンの長さにわたって互いに実質的に均等に間隔をあけられるように、敷設され得る。このように、直径が狭くなるに従って、繊維ストランドの間隔がトータルで低減されるが、なお、繊維ストランドと繊維ストランドとの間は、実質的に均等なままである。
【0034】
[0059]12のストランド1313のみが明瞭化のために中心部1301の円周の周りを示しているが、ストランド1313のピッチはもっと高くてもよいと理解すべきである。例えば、ストランド1313のピッチは、8から100ピッチの間であってよく、より限定的には、約40ピッチのように、30から50ピッチの間である。さらに、繊維ストランドは連続して敷設されると記載されていたが、その必要はない。例えば、ストランド1313は、分離された集合で敷設される可能性がある。
【0035】
[0060]いくつかの実施形態では、フープ状のストランド1315は、同様の連続繊維85を使用して付け得る。一実施形態では(
図7および
図7aに示される)、フープ状のストランド1315は長手方向ストランド1313のすべての上に付け得る。このように、一旦、長手方向ストランド1313が巻き付けられると、繊維85は、膨張可能な装置2に向かって反対に方向付けられ、先端部1305a、1305b、円錐形部1303a、1303b、および中心部1301の周りに半径方向に巻き付けられ、フープ状のストランド1315を重ねるよう形成される。
【0036】
[0061]
図8から
図10を参照すると、一実施形態では、長手方向ストランド1313のすべての上にフープ状のストランド1315を付けるよりもむしろ、長手方向ストランド1313のセットは下に配置され、続いてフープ状のストランド1315、長手方向ストランド1313の第2のセットが配置され得る。例えば、
図8および
図8aに示されるように、繊維85は、ストランド1313の第1のセット1321を形成するために膨張可能な装置2の片側半分に沿って敷設され得る。例えば、
図9および
図9aに示されるように、繊維85は次に少なくとも中央部1301の周りに、第1のセット1321の上にフープ状のストランド1315を形成するために、半径方向に巻き付けられ得る。最後に、
図10および
図10aに示されるように、繊維85は、フープ状のストランド1315の上の、ストランド1313の第2のセット1323を形成するために膨張可能な装置の片側半分に沿って敷設され得る。その結果、繊維1321の第1のセット(バルーンの片側半分に沿って延在する)は、ストランド1323の第2のセットがフープ状のストランド1315の上にありつつ、フープ状のストランド1315の下にある。
【0037】
[0062]代替的な構成も考えられる。例えば、
図11に示されるように、長手方向ストランド1313の第1のセット1325は、より広げられた構成(即ち、最終の装置への敷
設に所望されるよりも半分のピッチで)で敷設されてよく、次にフープ状のストランド1315は敷設されてよく、次に、長手方向ストランド1313の第2のセット1327は、フープ状のストランド1315の上で、予め敷設された長手方向ストランド1313の間に下に敷設され得る。本例では、長手方向の繊維ストランド1313の第1および第2のセット1325、1327は、単独でまたは集合で(1つの集合につき1から10の長手方向のストランド1313など)敷設され得る。さらに、別の例においては、フープ状のストランド(単数または複数)の付着は、1つ以上の長手方向ストランドの付着によって分離させられ得る。例えば、フープ状のストランド1315は、長手方向ストランド1313のセットの上に、1つの端部から中心へと巻き付けられてよく、より多くの長手方向ストランド1313がフープ状のストランド1315の上に付けてよく、次に、別のフープ状のストランド1315がもう片方の端部から中心へと敷設されてよい。
【0038】
[0063]
図12から
図13を参照すると、いくつかの実施形態では、長手方向の繊維ストランド1313は、中央部1301内の長手方向軸108に対して小角度で延在し得る。例えば、繊維ストランド1313は、+/-5から15度など、例えば+/-12度などのように、長手方向軸に対して+/-0から20度の角度で延在し得る。さらに、他のすべての繊維ストランド1313(または繊維ストランドの交互の集合)は、長手方向軸108に対して反対側の正方向/負方向に延在してよく、それによって、膨張可能な装置2が捻じられないように保つ。
【0039】
[0064]
図14から
図15を参照すると、いくつかの実施形態では、長手方向繊維1313は、凹状の小区分1309a、1309bの大部分またはすべての周りに半径方向に延在し得る。凹状の小区分1309a、1309bの周りに半径方向に延在する長手方向繊維1313を有すると、有利には、ストランドの付着中または付着後に繊維ストランドが持ち上がるのを防ぐ(長手方向軸に実質的に平行に延在する繊維ストランドは凹状部分から持ち上がろうとする傾向がある)ことと、繊維ストランドが急傾斜から付着中または付着後に落ちるのを防ぐ(長手方向軸に実質的に直交するよう延在する繊維ストランドは傾斜を落ちようとする傾向があるため)ことの両方を支援する。その他の実施形態では、長手方向ストランド1313の半径方向の巻きは、円錐形部1303a、1303bの長さの1%、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%より少なく延在し得る。
【0040】
[0065]いくつかの実施形態では、それぞれの長手方向ストランドが膨張可能な装置の全体の長さに延在するよりもむしろ、長手方向ストランドは円錐形部で逆方向または回転し得る。例えば、長手方向ストランドのいくつかは、長手方向繊維の残部が長手方向軸に実質的に平行の状態から半径方向に巻き付く箇所で反対方向に向き得る。有利には、このような、バルーンの端部まで延在するよりもむしろ、円錐内で反対方向に向かうストランドを有することにより、円錐の端部にある繊維の増加が少なくなり得る。
【0041】
[0066]いくつかの実施形態では、長手方向の繊維ストランド1313は、先端部1305a、1305b内の長手方向軸108に実質的に平行に延在し得る。このように、各ストランドは、中央部1301内の長手方向軸108に実質的に平行に、円錐形部1303a、1303bの少なくとも一部の周りに半径方向に、および先端部1305a、1305b内の長手方向軸108と実質的に平行に延在し得る。
【0042】
[0067]犠牲シャフト2000a、2000bは、すべての繊維が付けられた後、除去され得る。いくつかの実施形態では、その上に繊維が付けられた膨張可能な装置の一部および/またはシャフトは切断され得る。このようにすることで、方向転換をしたときに起こる不必要な厚さを有利に除去することが可能となる。このように、付着中は、ストランド1313のいくつかまたはすべての方向転換点(即ち、あるストランドから次のストラン
ドへの接続点)は、犠牲シャフト2000a、2000bまたは膨張可能な装置2自体のいずれかの上に敷設され得る。
図2から
図10と
図12から
図16とにおいては、繊維は犠牲シャフト2000b上に延在し、犠牲シャフト2000aの前で終わることが示される。
【0043】
[0068]本明細書で記載される繊維ストランドは、樹脂、接着剤または熱によって溶接可能な材料(TPUなど)内で延在する繊維のような、繊維母材の一部であることができる。樹脂、接着剤または熱によって溶接可能な材料は、繊維が膨張可能な装置2上に配置される前、配置される間、または配置された後に繊維に付け得る。
【0044】
[0069]本明細書に記載される膨張可能な装置2は、本明細書で記載されたものとは別に、追加的な半径方向の部分を含み得る。例えば、
図17を参照すると、膨張可能な装置は、ポリマーフィルムなどのような、外部層72aを有する壁1331を含み得る。壁1331は、さらに、内部層72bを含んでよく、ポリマーフィルムから製造される漏洩しないブラダーであり得る。第1の中間層72cは、繊維母材であってよく、例えば、前述したような繊維1313である。第2の中間層72dは、例えば、前述したように、半径方向および平行の双方に配向されたストランド1315を有する繊維母材であり得る。さらに上記のように、いくつかの長手方向ストランド1313の上に、およびその他の長手方向ストランド1313の下に延在する、フープ状のストランド1315を有することによって、母材層72c、72dは、単一層にまとめられ得る。あるいは、母材層72c、72dは、互いに対して配向を交代することが可能である。第3中間層72eは、樹脂または接着剤または熱によって溶接可能な材料であり得る。外部層72aは、ストランド1313、1315を隔離し、保護する役割をする。
【0045】
[0070]全体のバルーン壁1331を製造するために、ブラダーが最初に製造され得る。例えば、
図18Aから
図18Gを参照すると、膨張可能な装置2(即ち、中心部、円錐形部および先端部)の形状を有するブラダーはマンドレル230の上に作られ得る。
図18Aは、マンドレル230の外側表面が接着剤または第1の接着剤208aを有し得ることを示す。第1の接着剤208aは、マンドレルを有する第1のパネル196aの接触面積の外周の周りに配置され得る。第1の接着剤208aは、水溶性であり得る。第1の接着剤208aは、液糖であり得る。パネル196aは、マンドレル上に配置されてよい。パネル196aは、単一層でも複数層でも良い。例えば、パネルは、フィルムや溶解可能な接着剤の層であり得る。パネル196aは、マンドレルに接触する側面上のフィルムや半径方向外側の接着剤に配置され得る。パネル196aは穿孔可能であってよい。パネルは、パネルの上部と底部との間の圧力を維持することが可能であり得ない。
【0046】
[0071]
図18Bは、正圧は、圧力室の上部に適用されることが可能であり、および/または負圧や差圧または吸引や真空は圧力室の底部に適用されることが可能であることを示す。その結果、パネル196aは、マンドレル230に差し込まれるかおよび/または押し下げるおよび/または形成され得る。パネル196aの形成は、パネル196aの一部を生じさせたり、延ばしたり、変形させたり、薄くしたりまたはそれらの組合せを生じ得る。例えば、中央部分38を覆うパネル196aの約25%超は、形成作業中に顕著に生じおよび/または延ばされ得る。第1のパネルは、マンドレル230に平滑に嵌めこまれることができ、第1の接着剤208Aでマンドレルに接着され得る。熱は、マンドレル230上で形成される前にパネル196aに適用され得る。1つのパネル196aの形成は、パネル196aが
図18Bに示される形状に達する前に、異なる寸法のマンドレルに1回以上成され得る。パネル196aの形成は、機械的ダイで完了されてもよい。機械的ダイは、熱せられ、ほぼマンドレル230の形状に密着され得る。機械的ダイは、マンドレルに類似した形状を有し得る。マンドレル230およびパネル196aは、切り取り治具内に取り付けられてもよい。マンドレル230から延在する第1のパネル196aの余剰部分は、ブレード、レーザ、ウォータージェットカッター、ダイカット器具、または、それらの組合せを使用して切り取られてもよい。切り取り治具は、マンドレル230と、マンドレルに取り付けられた第1のパネル196aとを覆ってもよい。いくつかのパネル196aおよび/または層72は、マンドレル230にわたって形成され、切断されてもよい。パネル196aおよび/または層72は、同時すなわち一度で切り取られてもよい。
【0047】
[0072]
図18Cは、マンドレルが第2のパネル196bの取り付けに備えて取り除かれる第1のパネル196aの過剰領域を有していてもよいことを示す。
[0073]
図18Dは、第2の接着剤208bが、第2のパネル196bの第1のパネル196aとの接触領域の周囲の周りで第1のパネル196aに適用されてもよいことを示す。第2の接着剤208bは、エポキシ、ウレタン、熱可塑性物質、シアノアクリレート、UV硬化接着剤、または、それらの組合せであってもよい。マンドレル230は、マンドレル座部にある第1のパネル196aとともに、マンドレル座部に着座されてもよい。第2のパネル196bは、示されるように、マンドレル230に接して配置され得る。
【0048】
[0074]
図18Eは、正圧および/または負圧が以下に説明されるように圧力室に印加されてもよいことを示している。第2のパネル196bは、マンドレル230に円滑に嵌合されるか、マンドレル230に対して圧力成形され、第2の接着剤208bのところで第1のパネル196aに接着されてもよい。接着は、加熱によって達成されてもよい。第1および第2のパネル(196a、196b)は、バルーン壁の内側層72bまたはブラダー52を形成してもよい。内側層は漏れ止めされていてもよい。内側層は、圧力を持続させることができてもよい。複数の層は、以下で説明される方法を繰り返すことによって製造され得る。圧力室は、加熱されて、例えば、パネルの粘度および係数が低下されてもよい。
【0049】
[0075]
図18Fは、マンドレル230が省略された
図32Eの断面を示す。
図18Aから
図18Eにおける過程は、
図18Eおよび
図18Fに示される部分で繰り返され、
図18Gに示されるブラダー52の断面図を作り出してよい。パネル196c、196dは、形成されてもよい。各パネルは、半径方向内向きに対向する接着剤208c、208dを有していてもよい。バルーンの第3および第4の内側継ぎ目69c、69dは、バルーンの第1の内側継ぎ目69aとバルーン第2の内側継ぎ目69bとの間のほぼ中間で方向付けられていてもよい。ブラダー52は、漏れ止めされていてもよい。あるいは、内部層は、ブロー成型されたバルーンであってよく、当該技術分野において公知である。バルーンは巻き付きの過程においては、媒体(気体、液体または固体)で満たされ得る。
【0050】
[0076]
図16を参照すると、繊維85は、次にブラダーまたはマンドレル上に付け得る。例えば、繊維85はブラダーまたはマンドレルの表面にわたって繊維が走るように構成された自動化されたヘッドを使用して付け得る。
図16は、繊維85が、器具車輪248を使用してマンドレル230(ブラダーまたはその他のその上の層を含み得る)上に巻き付けられ得ることを示す。繊維85は、連続的であってもよいし、非連続的であってもよい。マンドレルは、マンドレル長手方向軸線250またはバルーン長手方向軸線を中心として回転されることができる。マンドレルは回転されてよく、例えば、
図1に示された繊維模様を取得するように、全体の繊維を敷設する過程の間を通してずっと、単一の方向で回転され得る。
【0051】
[0077]スプール244は受動的に(例えば、自由に)または能動的に回転して繊維85を配置し得る。巻きの前または巻きの間に、繊維85は、接着剤、溶剤、または、その両方を使用して浸漬またはコーティングされてもよい。器具アーム246は、回転器具車輪248に取り付けられてもよい。器具アーム246は、器具車輪248を膨張可能な装置2に垂直に、膨張可能な装置2と接触して位置決めするために、回転し、並進することが
できる。器具車輪248は、繊維85を、表面に接触するのを助けるように、膨張可能な装置2の表面に対して垂直に圧力を印加することが可能であり、その上で装置を横断して繊維トウのモノフィラメントが付着および/または広げられる。器具車輪248は、例えば圧力を印加したり膨張可能な装置2またはマンドレル230の表面に密接して追従したりすることによって、繊維85を膨張可能な装置2に付着させるよう支援してよい。器具車輪248は、バルーン20の表面の材料を柔軟化または溶融するために加熱されてもよい。繊維を所定位置に連結するために、バルーン上の材料を溶融または溶媒和するために、繊維上の材料を溶融または溶媒和するために、または、それらの組合せのために、他の熱源または溶剤が使用されてもよい。繊維を取り付けるために、器具車輪248とともに、または、器具車輪248を使用せずに、分離抵抗加熱器、レーザ、UV光源、赤外光源、加熱空気源、RF容積器が使用されてもよい。溶剤、例えば、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アルコール、または、それらの組合せは、繊維85の接着を促進することができ、これらは、器具車輪248とともに、または、器具車輪248を使用せずに使用されてもよい。器具車輪248は、非粘着材料から製造されてもよく、または、非粘着材料でコーティングされてもよい。器具車輪248は、回転しなくてもよい。器具車輪248は、硬い表面、例えば、炭化物を備えていてもよい。いくつかの実施形態では、硬い表面を有するノズルは、器具車輪248に代えて使用され得る。
【0052】
[0078]いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリウレタン(TPU)のような粘着性または熱によって溶接可能な材料は、ブラダーに付着され、繊維に差し込むのを支援するよう付着され得る。さらに、いくつかの実施形態では、繊維は、付着中に、TPUのような溶媒和された接着剤または熱によって溶接可能な材料に浸漬されることが可能である。いくつかの実施形態では、この材料は噴霧することによって付着され得る。ブラダー上で溶媒和された熱的に接合可能な材料および熱的に接合可能な材料の双方が使用される場合、自然の熱によって接合可能な材料は、溶媒和された熱によって接合可能な材料が粘着性を促進するために有利に適合することが可能である。接着剤または熱によって溶接可能な材料は、繊維の付着中または巻きが終了した後に適用され得る。
【0053】
[0079]さらに、いくつかの実施形態では、外部層が繊維巻きの上に付け得る。外部層は、例えば、
図18Aから
図18Eに関して記載され示されたものに類似して、繊維で巻き付けられた装置の周りを覆うフィルムのパネルで形成され得る。
【0054】
[0080]いくつかの実施形態では、本明細書で記載された内部層または外部層は、堆積によって形成され得る。例えば、金(または、本明細書で列挙される他の材料)などの金属が堆積されて、層を形成してもよい。この層は、物理蒸着、化学蒸着またはそれらの組合せのような蒸着によって、形成されてもよい。例えば、パリレン、ポリイミド、ポリナフタレン、ポリフェニルビニレン、フルオロポリマーブレンド類、ポリアゾメチン、ポリフルオロハイドロカーボン類、ポリペルフルオロカーボン類、ポリオレフィン類またはそれらの組合せが堆積され得る。蒸着層は、有利には、ピンホールがなく、それによって膨張可能な装置の漏れ抵抗を向上する。さらに、蒸着は層が容易に大量生産されることが可能である。
【0055】
[0081]壁1331のすべての層がマンドレルに付けられた後、壁1331は統合され得る。例えば、
図19Aから
図19Bを参照すると、最終の統合前の膨張可能な装置2は、バルーンポケット624を含有するバルーン型622に配置され得る。バルーン型は、折り目をつけられ、または孔があり、そのためかなりの量の気体が、バルーン型622の壁を通ってまたは沿って、バルーンポケット624から吸い込まれ、周囲の大気へと出て行く。バルーンはバルーン622(図示せず)の先端のいずれかに外へ延在し得る内部容積に配置された管を有し得る。管は薄く大変可撓性があってよい。管はシリコン製のゴムでよい。コーティングは、加硫の間、バルーン2上の外部層72aを形成するバルーンを結
合する型622内に噴霧され得る。
【0056】
[0082]
図19Bは、バルーン型が膨張可能な要素2の周りで閉じられ得ることを示す。バルーンがバルーンポケット624の内部に接触するために延在するように、圧力がバルーンの第2の流体ポートに印加され得る。あるいは、バルーン(図示せず)の端のいずれかの外へ延在する管は、バルーンがポケット624と接触するまで加圧され得る。
【0057】
[0083]型622は、オーブンに入れられ熱される。型622は、ヒーターで作られ得る。バルーン型は、加熱する間、真空下にまたは真空槽内に配置され得る。圧力下のバルーンを加熱すると、1つ以上の層または部分が、隣接層または隣接部分と溶解されおよび/または融合され、および/または結合させる。圧力下で溶解すると、バルーン壁中の空隙またはポケットを除去し得る。外側の内部層および外部層(72b、72a)は、溶解しなくてよい。バルーンを圧力下で加熱すると、溶解または薄層にして1つの連続した構造にする前に、膨張可能な装置2の壁1331を生じ得る。バルーンの外壁22bおよび/または外部層72aは、この過程によって実質的に平滑にし得る。バルーン外壁22bおよび/または外部層72aには透過性または孔があり得るので、製造中にバルーン壁22に詰まった気体またはその他の材料が、バルーンが圧力下で加熱されるときに逃げることができる。
【0058】
[0084]本明細書で記載された繊維は、様々な材料から作られ得る。例示的な材料には、Vectran(登録商標)、PBO、Spectra(登録商標)、Conex(登録商標)、Dyneema(登録商標)、Technora(登録商標)、Dacron(登録商標)、Compet(登録商標)、ポリエステル、ナイロン、PEEK、PPS、ホウ素繊維、Ceramic Fiber、Kevlar(登録商標)、無機炭素または炭素繊維、無機ケイ素または高強度ファイバーガラス、有機ポリマーまたは有機アラミド、Twaron(登録商標)、タングステン、モリブデン、ステンレス鋼、ニッケル/コバルト合金、チタン合金およびニチノール合金を含む。
【0059】
[0085]本明細書で記載された膨張可能な装置2は、開示された経皮的心臓弁移植に使用されるような、医療用侵襲性バルーンとして使用され得る。例えば、それらのバルーンは経カテーテル大動脈弁の移植に使用されている。膨張可能な装置2は、冠状動脈および末梢への適用の双方における血管形成にも使用され得る。
【0060】
[0086]一例示的実施形態では、BAVにおいて使用される膨張可能な医療装置は、約20mmの直径、約10atmの破裂圧、中心部におけるインチ単位の長さが40トウ(1インチの直径のバルーンで約126トウ)、中心部のフープ状の巻きにおいてインチ単位60トウを有し得る。トウは8モノフィラメントおよび約1.41bsの破断強さを有し得る。
【0061】
[0087]有利には、本明細書で記載される膨張可能な装置は、螺旋状または円周状の故障を防止するのを助けるよう構成される。即ち、繊維は装置の中心部(最大の直径を有する)内の長手方向軸に実質的に平行に延在するため、装置は中心部における、それらの平行な繊維に沿って故障しやすい。長手方向軸に実質的に沿った、このような故障は、有利には、シースまたは導入器を通って引き出すことが容易にできる。万一、中心部が螺旋状に巻き付いた場合、フープ状の繊維は、ショルダにまたはショルダの近傍に敷設され、破裂故障は螺旋状になるがますます狭い中央ゾーンに押し込められる。
【0062】
[0088]さらに、本明細書で記載される膨張可能な装置の繊維ストランドは、最小の工具で連続的に敷設され得る。この過程は自動的で、容易に更新されることが可能である。繊維の付着過程、特に、長手方向軸に平行なストランドの付着は、素早く行われることが可
能である。さらに、機械の経路はコンピュータで操作するソフトウェアによって制御されるため、自動化された過程は、膨張可能な装置の異なる寸法および形状間で容易に変更することが可能である。装置が搭載された後、すべての繊維の付着は、自動的に完了され、人間が介入する必要はない。
【0063】
[0089]本明細書で記載される膨張可能な装置は、さらに、最小の内側壁の剪断を呈する繊維が堆積するよう設計され得る。壁の剪断は、繊維の「不調」につながり、繊維、特にフープ状の繊維は、バルーンが膨張されるときには、より大きな半径部分からより小さな半径部分へと移動する。フープ状の繊維の移動は、バルーンの未熟な故障を所持させ、これにより、バルーンの最大膨張の圧力を制限する。
【0064】
[0090]本明細書で記載される膨張可能な装置の繊維ストランドは、さらに、例えば螺旋の模様が巻き付いたバルーンに対して、バルーンの両端において繊維の増大を減少することが可能となる。
【0065】
[0091]本明細書で記載される膨張可能な装置用の繊維は、さらに有利には、全体の付着過程において、僅かに張力を印加され、それによって繊維が付着中に持ち上がったり移動したりしないことを確実にするのを助ける。
【0066】
[0092]本明細書で単数として記載される任意の要素は、複数にされることは可能(即ち、「1つ」と記載される任意のものは、1つ以上であることが可能)であり、複数の要素は個別に使用され得る。要素、装置、方法またはそれらの組合せの単一のバリエーションの開示された特徴は、例えば、寸法、破裂圧、形状、材料またはそれらの組合せなどの、その他のバリエーションに使用または適用されることができる。属の要素の、任意の種の要素は、その属のその他の任意の種の要素の特徴または要素を有し得る。本発明を遂行する、上述した構成、要素または組図と方法とその要素と、本発明の態様のバリエーションは、任意の組合せで互いに組み合わされ、改良され得る。
以上説明したように、本発明は以下の形態を有する。
形態1
中心部と、前記中心部に接続された第1および第2のテーパ部を含むバルーンであって、前記バルーンの第1の端部から前記バルーンの第2の端部へと延在する長手方向軸を含むバルーンと、
前記中心部に沿って前記長手方向軸に実質的に平行に、かつ前記第1および第2のテーパ部の少なくとも1つの少なくとも一部の周りを半径方向に延在する単一の連続繊維と、を備える、医療用器具。
形態2
前記バルーンの前記中心部の周りを半径方向に延在する第2の繊維をさらに含む、形態1に記載の器具。
形態3
第2の繊維が前記単一の連続繊維の一部である、形態2に記載の器具。
形態4
前記単一の連続繊維は、複数の第1の繊維ストランドを備える、形態1または2に記載の器具。
形態5
前記ストランドは、前記第1および第2のテーパ部の少なくとも一部の周りに半径方向に延在するように、前記複数の第1の繊維ストランドの各ストランドが、前記バルーンの前記長手方向軸に対して約35から90度の角度で延在する、形態4に記載の器具。
形態6
前記複数の第1の繊維ストランドの各ストランドは、前記テーパ部の少なくとも一部の周りの半径方向への延在から、前記第1および第2のテーパ部の前記長手方向軸と実質的に平行な延在へと変化する、形態4または5に記載の器具。
形態7
前記少なくとも1つの第2の繊維は、前記第2の繊維が前記中心部の周りに半径方向に延在するように、前記バルーンの前記長手方向軸に対して約80度から90度の角度で延在する、形態2から6のいずれか一項に記載の器具。
形態8
前記第2の繊維は、前記第1および第2のテーパ部の周りに、前記中心部の周りの前記第2の繊維ストランドのピッチよりも低ピッチにて延在する、形態2から7のいずれか一項に記載の器具。
形態9
前記少なくとも1つの第2の繊維が前記第1の繊維の上に延在する、形態2から8のいずれか一項に記載の器具。
形態10
前記少なくとも1つの第2の繊維が、前記第1の繊維の第1の部分の上に延在し、前記第1の繊維の第2の部分の下に延在する、形態1に記載の器具。
形態11
前記第1の繊維の前記第1の部分は、前記バルーンの前半上にあり、前記第1の繊維の前記第2の部分が前記バルーンの後半上にある、形態10に記載の器具。
形態12
前記バルーンの前記第1の端部から分離された位置の前記第1のテーパ部で始まる第3の繊維をさらに備える、形態1から11のいずれか一項に記載の器具。
形態13
前記第3の繊維が前記第1の単一の連続繊維の一部である、形態12に記載の器具。
形態14
単一の連続繊維は、前記バルーンの前記第1および第2のテーパ部の両方の周りに半径方向に延在する、形態1に記載の器具。
形態15
中心部と、前記中心部に接続された第1および第2のテーパ部とを含むバルーンであって、前記バルーンの第1の端部から前記バルーンの第2の端部に延在する長手方向軸を備えるバルーンと、
前記中心部に沿った前記長手方向軸と実質的に平行に、前記第1のテーパ部の周りに半径方向に、前記長手方向軸に実質的に平行に、前記第2のテーパ部の周りに半径方向に延びる単一の連続繊維と、を備える、医療用器具。
形態16
中心部と、前記中心部に接続された、第1および第2のテーパ部を含むバルーンであって、前記バルーンの第1の端部から前記バルーンの第2の端部に延在する長手方向軸を含むバルーンと、
前記中心部に沿った前記長手方向軸と実質的に平行に延在する第1の繊維と、前記第1のテーパ部の周りに半径方向に延在する第2の繊維とを含む不織繊維層と、を備える、医療用器具。
形態17
前記第1の繊維および前記第2の繊維は、単一の連続繊維の一部を形成する、形態16に記載の器具。
形態18
繊維強化された医療用バルーンであって、
概して円柱状の中心部と、
前記バルーンの第1の端部から前記バルーンの第2の端部へと延在する、中心の長手方向軸に沿った前記概して円柱状の中心部に接続された、第1および第2の概して円錐形状の部分と、
前記バルーンの前記第1の端部から前記バルーンの前記第2の端部へと延在する複数の第1の繊維ストランドであって、前記複数の第1の繊維ストランドのそれぞれのストランドが、前記概して円柱状の中心部を通る前記長手方向軸に実質的に平行に、かつ、前記第1および第2の概して円錐形状の部分の少なくとも一部の周りに半径方向に延びる、第1の繊維ストランドと、
前記概して円柱状の中心部の周りを半径方向に延在する、少なくとも1つの第2の繊維ストランドと、を備える、繊維強化された医療用バルーン。
形態19
前記複数の第1の繊維ストランドの前記ストランドは、単一の連続繊維のすべての部分である、形態18に記載の繊維強化された医療用バルーン。
形態20
前記複数の第1の繊維ストランドのストランドと、前記少なくとも1つの第2の繊維ストランドが、単一の連続繊維のすべての部分である、形態18に記載の繊維強化された医療用バルーン。
形態21
前記ストランドが、前記第1および第2の円錐形部の少なくとも一部分の周りに半径方向に延在するように、前記複数の第1の繊維ストランドの各ストランドが、前記バルーンの前記長手方向軸に対して約35から90度の角度で延在する、形態18に記載の繊維強化された医療用バルーン。
形態22
前記複数の第1の繊維ストランドの各ストランドは、前記円錐形部の少なくとも一部の周りの半径方向への延在から、前記第1および第2の円錐形部の前記長手方向軸と実質的に平行な延在へと変化する、形態18に記載の繊維強化された医療用バルーン。
形態23
前記少なくとも1つの第2の繊維ストランドは、前記ストランドが前記中心部の周りに半径方向に延在するように、前記バルーンの前記長手方向軸に対して約80度から90度の角度で延在する、形態18に記載の繊維強化された医療用バルーン。
形態24
前記少なくとも1つの第2の繊維ストランドは、前記第1および第2の円錐形部の周りに、前記中心部の周りの前記少なくとも1つの第2の繊維ストランドのピッチよりも低ピッチにて延在する、形態18に記載の繊維強化された医療用バルーン。
形態25
前記少なくとも1つの第2の繊維ストランドが、複数の第1の繊維ストランドのすべての前記ストランドの上に延在する、形態18に記載の繊維強化された医療用バルーン。
形態26
前記少なくとも1つの第2の繊維ストランドが、前記複数の第1の繊維ストランドの第1の部分の上に、および前記複数の第1の繊維ストランドの第2の部分の下に延在する、形態18に記載の繊維強化された医療用バルーン。
形態27
前記複数の第1の繊維の前記第1の部分が、前記バルーンの前半上にあり、前記複数の第1の繊維の前記第2の部分が前記バルーンの後半上にある、形態26に記載の繊維強化された医療用バルーン。
形態28
複数の第3の繊維ストランドをさらに備え、前記複数の第3の繊維ストランドは、前記バルーンの前記第1の端部から分離された箇所で、前記第1の概して円錐形状の部分で始まる、形態18に記載の繊維強化された医療用バルーン。
形態29
前記第1の繊維ストランドおよび前記第3の繊維ストランドの少なくとも一部分が、単一の連続繊維の一部分である、形態28に記載の繊維強化された医療用バルーン。
形態30
バルーンの第1の端部から前記バルーンの第2の端部に延在する中央の長手方向軸に沿って、概して円柱状の中心部と、前記概して円柱状の中心部に接続される第1および第2のテーパ部を有する、繊維強化複合材料バルーンを製造する方法であって、
単一の連続繊維を、前記バルーンの前記長手方向軸に実質的に平行に延在する前記概して円柱状の中心部分に付けるステップと、
前記単一の連続繊維を、前記第1および第2のテーパ部のうちの少なくとも1つに付けるステップと、を含む方法。
形態31
前記付けるステップは、前記第1および第2のテーパ部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部の周りに半径方向に前記単一の連続繊維を付けるステップを含む、形態30に記載の方法。
形態32
前記バルーンの前記概して円柱状の中心部の周りを半径方向に延在する第2の繊維をさらに含む、形態30に記載の方法。
形態33
バルーンの第1の端部から前記バルーンの第2の端部に延在する中央の長手方向軸に沿って、概して円柱状の中心部と、前記概して円柱状の中心部に接続される第1および第2の概して円錐形状の部分を有する、繊維強化複合材料バルーンを製造する方法であって、
前記概して円柱状の中心部分内の前記バルーンの前記長手方向軸に実質的に平行に延在する複数の第1の繊維ストランドを形成するために、前記概して円柱状の中心部と第1および第2の概して円錐形状の部分を有するベース層に、単一の連続繊維を付けるステップを含む方法。
形態34
前記単一の連続繊維の付着が、前記第1の円錐形部の周りに半径方向に前記繊維を巻くことにより、前記複数の第1の繊維ストランドの繊維ストランドを形成するステップと、
前記概して円柱状の中心部内の前記長手方向軸に実質的に平行に前記繊維を敷設するステップと、
前記バルーンの前記第1端部から前記バルーンの前記第2端部に、前記第2の概して円
錐形状の部分の周りに半径方向に前記繊維を巻くステップと、を含む、形態33に記載の方法。
形態35
前記単一の連続繊維を付けるステップは、前記第2の概して円錐形状の部分の周りに半径方向に前記繊維を巻くように前記繊維を付ける前記方向を変化させることにより、前記複数の第1の繊維ストランドの別の繊維ストランドを形成するステップと、
前記概して円柱状の中心部内に、前記長手方向軸に実質的に平行に前記繊維を敷設するステップと、
前記バルーンの前記第2の端部から前記バルーンの前記第1の端部に、前記第1の概して円錐形状の部分の周りに半径方向に前記繊維を巻くステップと、をさらに含む、形態34に記載の方法。
形態36
少なくとも1つの第2の繊維ストランドを形成するために、前記単一の連続繊維を前記概して円柱状の中心部の周りに半径方向に巻くステップを含む、形態33から35のいずれか一項に記載の方法。
形態37
少なくとも1つの第2の繊維ストランドを形成するために、前記概して円柱状の中心部の周りに半径方向に前記単一の連続繊維を巻くステップは、前記複数の第1のストランドの少なくとも一部の前記ストランドの上の前記概して円柱状の中心部の周りに半径方向に前記繊維を巻くステップを含む、形態36に記載の方法。
形態38
前記少なくとも1つの第2の繊維ストランドの上で前記複数の第1の繊維ストランドの第2部分を巻くステップをさらに含む、形態36または37に記載の方法。
形態39
単一の連続繊維を付けるステップが、ベースマンドレル上に延在するブラダーに前記繊維を付着するために、溶媒和された熱的に接合可能な材料に前記繊維を浸漬するステップを含む、形態30から38のいずれか一項に記載の方法。
形態40
前記単一の連続繊維を付けた後、前記バルーンの前記第1または第2の端部を切断するステップをさらに含む、形態30から39のいずれか一項に記載の方法。
形態41
前記付着ステップ後に前記単一の連続繊維を切断するステップをさらに含む、形態30から40のいずれか一項に記載の方法。
形態42
前記バルーンの前記第1の端部から前記バルーンの前記第2の端部に延在する中央の長手方向軸に沿って、概して円柱状の中心部と、前記概して円柱状の中心部に接続される第1および第2のテーパ部とを有する、繊維強化複合材料バルーンを製造する方法であって、
前記バルーンの前記長手方向軸に実質的に平行に延在する多倍長の単一の連続繊維を、前記概して円柱状の中心部に付けるステップと、
前記単一の連続繊維を前記第1および第2のテーパ部のうちの少なくとも1つに固定するステップと、を含む方法。
形態43
前記固定するステップが、前記単一の連続繊維を前記第1および第2のテーパ部のうちの1つまたは両方の周りに半径方向に巻くステップを含む、形態42に記載の方法。
形態44
装置の異なる部分に長手方向に、かつ半径方向に付けられた単一の連続繊維を含む装置を備える、医療用器具。
形態45
前記装置がバルーンを備える、形態44に記載の器具。
形態46
長手方向軸と第1および第2の開放端部を有するバルーンと、
前記バルーンに接続された単一の連続繊維であって、前記長手方向軸に概して平行に延在する第1の通過部と、前記第1の通過部に概して平行に延在する第2の通過部とを有する単一の連続繊維と、を備える、医療用器具。
形態47
前記単一の連続繊維が前記バルーンの少なくとも一部に沿って半径方向に延在する、形態46に記載の医療用器具。
形態48
前記バルーンの少なくとも一部の上で半径方向に延在する第2の繊維をさらに含む、形態46に記載の医療用器具。
形態49
長手方向軸を有するバルーンであって、繊維層の一部の前記長手方向軸に実質的に平行に延在し、前記同様の繊維層の別の部分の前記長手方向軸を実質的に横切る方向に延在する、1つ以上の繊維を含む前記繊維層を含むバルーンを備える、医療用器具。
形態50
前記バルーンは、概して円柱形状の部分であって、繊維が前記概して円柱形状の部分に沿って前記長手方向軸に並んで延在する概して円柱形状の部分と、
前記円柱形状の部分に接続された概してテーパ状の部分と、を備え、
繊維は前記テーパ部に沿って半径方向に延在する、形態49に記載の器具。
形態51
繊維ベース装置の異なる部分に長手方向に、かつ半径方向に単一の連続繊維を付けるステップを含む、繊維ベース装置を形成する方法。
形態52
繊維ベース装置を形成する方法であって、単一の連続繊維を前記装置の一部分に長手方向に付け、かつ前記装置の別の部分に半径方向に付けるステップを含む、繊維ベース装置を形成する方法。