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特許7059348無線通信システムにおけるアップリンクリソースとサイドリンクリソースを共有して端末間通信を実行する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】無線通信システムにおけるアップリンクリソースとサイドリンクリソースを共有して端末間通信を実行する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/14 20180101AFI20220418BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20220418BHJP
   H04W 4/46 20180101ALI20220418BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20220418BHJP
【FI】
H04W76/14
H04W16/28
H04W4/46
H04W92/18
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020500090
(86)(22)【出願日】2017-07-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-22
(86)【国際出願番号】 KR2017007324
(87)【国際公開番号】W WO2019009454
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2020-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】ピョン イルム
(72)【発明者】
【氏名】カン チウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ サンリム
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/126022(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0183219(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおけるアップリンクリソースとサイドリンクリソースを共有してV2X(vehicle-to-everything)通信を実行する方法において、
基地局から、リソースプールに関連する情報を受信するステップであって、前記リソースプールは、時間又は周波数領域内で前記アップリンクリソース及び前記サイドリンクリソースと重なることが許される、ステップと、
第1UE(user equipment)が、参照信号を前記基地局に送信するステップと、
前記第1UEが、前記基地局からダウンリンク制御信号を受信するステップであって、
前記ダウンリンク制御信号は、アップリンク信号に対する干渉を減少させるために、サイドリンクビームグループに関連する第1情報、又はアップリンクビームグループに関連する第2情報を含み、
前記第1情報は、(i)前記アップリンク信号に対する前記干渉を減少させるために使用してはならない第1ビームに関する第3情報、又は、(ii)前記第1UEが前記アップリンク信号に対する前記干渉を減少させるために使用することが好ましい第2ビームに関する第4情報を含み、
前記第2情報は、前記第1UEによって前記アップリンク信号を送信するために使用される第4ビームを通知する、ステップと、
前記第1情報によって通知される前記第1ビーム以外の第3ビームに基づいて、又は前記第1情報によって通知される前記第2ビームに基づいて、前記第1UEが、サイドリンク信号を第2UEに送信するステップと、を含み、
前記サイドリンク信号は、前記アップリンク信号を前記サイドリンク信号と重ねることが時間又は周波数領域で許されている前記リソースプールを使用して送信され、
前記アップリンク信号は、前記第2情報によって通知される前記第4ビームに基づいて前記リソースプールを使用して前記基地局に送信される、方法。
【請求項2】
前記第1情報は、前記サイドリンクビームグループのための前記第1ビームと、前記サイドリンクビームグループのための第1送信電力とを含み、
前記第2情報は、前記アップリンクビームグループのための前記第2ビームと、前記アップリンクビームグループのための第2送信電力とを含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記第1送信電力は、前記第1ビームのための送信電力の上限であり、
前記第2送信電力は、前記第4ビームのための送信電力であり、
前記サイドリンク信号は、前記第1送信電力以下の送信電力に基づいて送信され、
前記アップリンク信号は、前記第2送信電力に基づいて送信される、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記ダウンリンク制御信号は、チャネル情報種類フィールドをさらに含み、
前記チャネル情報種類フィールドが第1の値を指示する場合、前記第2情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれ、
前記チャネル情報種類フィールドが第2の値を指示する場合、前記第1情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれる、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1UEが前記基地局から第1の臨時識別子及び第2の臨時識別子を受信するステップをさらに含み、
前記ダウンリンク制御信号のCRC(Cyclic Redundancy Check)が前記第1の臨時識別子でマスキングされる場合、前記第2情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれ、
前記ダウンリンク制御信号の前記CRCが前記第2の臨時識別子でマスキングされる場合、前記第1情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれる、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1UEが前記基地局から前記リソースプールに対する割当情報をセル共通に又はUEを特定して受信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1UEが前記基地局から前記参照信号の割当情報をUEを特定して受信するステップをさらに含み、
前記参照信号の前記割当情報は、送信時間の情報、送信周波数、シーケンスリソース、前記参照信号のための送信電力、及び前記参照信号を送信するアンテナポートの情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ダウンリンク制御信号は、前記アップリンク信号に対するスケジューリングフィールドをさらに含み、
前記第1UEが前記アップリンク信号を送信しない場合、前記アップリンク信号に対する前記スケジューリングフィールドは、NULLに設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記サイドリンク信号は、ユニキャスト又はマルチキャスト方式で送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
無線通信システムにおけるアップリンクリソースとサイドリンクリソースを共有してV2X(vehicle-to-everything)通信を実行する第1UEにおいて、
無線信号を送信及び受信するRF(radio frequency)部と、
前記RF部に連結されるプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
基地局から、リソースプールに関連する情報を受信し、前記リソースプールは、時間又は周波数領域内で前記アップリンクリソース及び前記サイドリンクリソースと重なることが許され、
参照信号を前記基地局に送信し、
前記基地局からダウンリンク制御信号を受信し、
前記ダウンリンク制御信号は、アップリンク信号に対する干渉を減少させるために、サイドリンクビームグループに関連する第1情報、又はアップリンクビームグループに関連する第2情報を含み、
前記第1情報は、(i)前記アップリンク信号に対する前記干渉を減少させるために使用してはならない第1ビームに関する第3情報、又は、(ii)前記第1UEが前記アップリンク信号に対する前記干渉を減少させるために使用することが好ましい第2ビームに関する第4情報を含み、
前記第2情報は、前記第1UEによって前記アップリンク信号を送信するために使用される第4ビームを通知し、
前記第1情報によって通知される前記第1ビーム以外の第3ビームに基づいて、又は前記第1情報によって通知される前記第2ビームに基づいて、サイドリンク信号を第2UEに送信する、ように構成され
前記サイドリンク信号は、前記アップリンク信号を前記サイドリンク信号と重ねることが時間又は周波数領域で許されている前記リソースプールを使用して送信され、
前記アップリンク信号は、前記第2情報によって通知される前記第4ビームに基づいて前記リソースプールを使用して前記基地局に送信される、第1UE。
【請求項11】
前記第1情報は、前記サイドリンクビームグループのための前記第1ビームと、前記サイドリンクビームグループのための第1送信電力とを含み、
前記第2情報は、前記アップリンクビームグループのための前記第2ビームと、前記アップリンクビームグループのための第2送信電力とを含む、請求項10に記載の第1UE。
【請求項12】
前記第1送信電力は、前記第1ビームのための送信電力の上限であり、
前記第2送信電力は、前記第4ビームのための送信電力であり、
前記サイドリンク信号は、前記第1送信電力以下の送信電力に基づいて送信され、
前記アップリンク信号は、前記第2送信電力に基づいて送信される、請求項11に記載の第1UE。
【請求項13】
前記ダウンリンク制御信号は、チャネル情報種類フィールドをさらに含み、
前記チャネル情報種類フィールドが第1の値を指示する場合、前記第2情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれ、
前記チャネル情報種類フィールドが第2の値を指示する場合、前記第1情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれる、請求項10に記載の第1UE。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記基地局から第1の臨時識別子及び第2の臨時識別子を受信し、
前記ダウンリンク制御信号のCRC(Cyclic Redundancy Check)が前記第1の臨時識別子でマスキングされる場合、前記第2情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれ、
前記ダウンリンク制御信号の前記CRCが前記第2の臨時識別子でマスキングされる場合、前記第1情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれる、請求項10に記載の第1UE。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記基地局から前記リソースプールに対する割当情報をセル共通に又はUEを特定して受信する、請求項10に記載の第1UE。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記基地局から前記参照信号の割当情報をUEを特定して受信し、
前記参照信号の前記割当情報は、送信時間の情報、送信周波数、シーケンスリソース、前記参照信号のための送信電力、及び前記参照信号を送信するアンテナポートの情報を含む、請求項10に記載の第1UE。
【請求項17】
前記ダウンリンク制御信号は、アップリンク信号に対するスケジューリングフィールドをさらに含み、
前記第1UEが前記アップリンク信号を送信しない場合、前記アップリンク信号に対する前記スケジューリングフィールドは、NULLに設定される、請求項10に記載の第1UE。
【請求項18】
前記サイドリンク信号は、ユニキャスト又はマルチキャスト方式で送信される、請求項10に記載の第1UE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、無線通信に関し、より詳しくは、無線通信システムにおけるアップリンクリソースとサイドリンクリソースを共有して端末間通信を実行する方法及びこれを使用した機器に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd generation partnership project)LTE(long-term evolution)は、高速パケット通信を可能にするための技術である。LTEの目標であるユーザと事業者の費用節減、サービス品質向上、カバレッジ拡張、及びシステム容量増大のために、多くの方式が提案された。3GPP LTEは、上位レベルの必要条件として、ビット当たり費用節減、サービス有用性向上、周波数バンドの柔軟な使用、簡単な構造、開放型インターフェース、及び端末の適切な電力消費を要求する。
【0003】
広く普及しているLTEベースのネットワークが、自動車産業が“コネクティッドカー(connected car)”という概念を実現することができる機会を提供するため、LTEベースのV2X(vehicle-to-everything)が市場から緊急に要求されている。特に、V2V(vehicle-to-vehicle)通信のための市場は、研究プロジェクト、フィールドテスト、及び規制業務のような関連活動が米国、ヨーロッパ、日本、韓国、及び中国のような一部の国家または地域で既に進行中であるか、または始まることと予想される。
【0004】
3GPPは、このような状況に対応するためにLTEベースのV2Xに対する研究及び仕様の作業を積極的に進行している。LTEベースのV2Xのうち、PC5ベースのV2Vに対する議論が最優先で進行している。LTEサイドリンク(SL;sidelink)のリソース割当、物理層構造、及び同期化などの改善と共に、LTEのPC5インターフェースに基づいてV2Vサービスをサポートすることが可能である。一方、LTE PC5インターフェースだけでなく、LTE UuインターフェースまたはPC5インターフェースとUuインターフェースの組み合わせに基づくV2V動作シナリオが考慮されている。V2Vサービスの最大の効率は、動作シナリオを適切に選択または転換することで達成されることができる。
【0005】
PC5ベースのV2Vに対する該当RAN仕様とUuインターフェースとの統合が近い将来に完了すると、装置及びネットワーク具現化のための迅速な準備が可能になるにつれて、市場でLTEベースのV2Vに対するより多くの機会が提供されることができる。また、他のV2Xサービス、特に、V2I/N(vehicle-to-infrastructure/network)及びV2P(vehicle-to-pedestrian)サービスの基礎を提供して、全てのV2Xサービスに対するRANサポートが時間内に完了することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書は、無線通信システムにおけるアップリンクリソースとサイドリンクリソースを共有して端末間通信を実行する方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書は、アップリンクリソースとサイドリンクリソースを共有して端末間通信を実行する方法及び装置を提案する。
【0008】
前記装置は、無線信号を送信及び受信するRF(radio frequency)部及び前記RF部に連結されるプロセッサを含む。
【0009】
本実施例は、第1の端末と第2の端末との間はサイドリンクで信号を送受信することができ、第1の端末と基地局との間はアップリンクで信号を送受信することができる。アップリンクリソースとサイドリンクリソースは、時間/周波数リソースを共有するが、分散アンテナを適用したビームを使用することで空間的に区分して通信を実行することができる。このとき、端末は、複数のRU(Radio Unit)を有し、RUは、アンテナポートに対応でき、アンテナポートでビームまたはビームグループを設定することができる。
【0010】
第1の端末は、参照信号を基地局に送信する。前記参照信号は、サイドリンク信号を送信するために使われるビーム情報を判断するために送信する。前記参照信号は、SRSに対応できる。
【0011】
第1の端末が参照信号を送信する前に、第1の端末は、基地局から前記参照信号の割当情報を端末を特定して受信する。前記参照信号の割当情報は、前記参照信号の送信時間、送信周波数、シーケンスリソース、送信電力に対する情報、及び前記参照信号が送信されるアンテナポートの情報を含む。
【0012】
第1の端末は、基地局からダウンリンク制御信号を受信する。前記ダウンリンク制御信号は、前記第1の端末がサイドリンク信号を送信する時、アップリンク信号に対する干渉を減少させるために使われないビームを指示するビーム制限情報を含む。
【0013】
前記ビーム制限情報は、ビームインデックスであり、明示的にダウンリンク制御信号に含まれることができる。または、前記ビーム制限情報は、暗黙的に(implicit)ダウンリンク制御信号に含まれる。一例として、端末が参照信号を送信した時間または周波数またはシーケンスリソースインデックスをダウンリンク制御信号に含んで暗黙的に知らせることができる。このとき、端末が時間リソース1でビームAを利用し、基地局がダウンリンク制御信号で時間リソース1の情報をビーム制限情報として知らせた場合、端末は、ビームAが制限されたことを把握することができる。前記動作は、ダウンリンク制御信号でビーム推薦情報を送信する場合にも適用されることができる。
【0014】
また、前記ダウンリンク制御信号は、前記第1の端末がアップリンク信号を送信する時に使われるビームを指示するビーム推薦情報をさらに含むことができる。また、前記ダウンリンク制御信号は、チャネル情報種類フィールドをさらに含むことができる。前記チャネル情報種類フィールドが第1の値を指示する場合、前記ビーム推薦情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれることができる。前記チャネル情報種類フィールドが第2の値を指示する場合、前記ビーム制限情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれることができる。
【0015】
ここで、ビーム制限情報は、サイドリンクビーム関連情報に対応し、ビーム推薦情報は、アップリンクビーム関連情報に対応するとしたが、一つの例に過ぎず、ビーム制限情報がアップリンクビーム関連情報になることもでき、ビーム推薦情報がサイドリンクビーム関連情報になることもできる等、多様に使われることができる。
【0016】
第1の端末は、前記サイドリンク信号を前記ビーム制限情報が指示するビームを除外したビームを使用して第2の端末に送信する。前記サイドリンク信号は、アップリンクリソースとサイドリンクリソースが時間及び周波数領域で重なるリソースプール(resource pool)を介して送信される。また、前記アップリンク信号は、前記ビーム推薦情報が指示するビームを使用して前記リソースプールを介して前記基地局に送信される。それによって、重なるリソースを使用することによって発生するアップリンクとサイドリンクとの間の干渉を防止することができる。
【0017】
このとき、第1の端末は、基地局から前記リソースプールに対する割当情報をセル共通にまたは端末を特定して受信することができる。本実施例において、基地局は、リソースプール内の端末間ユニキャスト通信を制御せずに、単純にアップリンクリソースとサイドリンクリソースが重なったリソースプールに対する割当情報のみを伝達する。
【0018】
また、前記ビーム制限情報は、前記第1の端末が前記サイドリンク信号を送信する時に使われないビームのインデックスと送信電力を含む。前記ビーム推薦情報は、前記第1の端末が前記アップリンク信号を送信する時に使われるビームのインデックスと送信電力を含む。
【0019】
このとき、前記サイドリンク信号は、前記第1の端末が前記サイドリンク信号を送信する時に使われないビームの送信電力より低い送信電力を使用して送信される。前記アップリンク信号は、前記第1の端末が前記アップリンク信号を送信する時に使われるビームの送信電力で送信される。
【0020】
また、第1の端末は、基地局から第1の臨時識別子及び第2の臨時識別子を受信する。これはダウンリンク制御信号にチャネル情報の種類を指定するために追加的な臨時識別子を割り当てることである。
【0021】
前記ダウンリンク制御信号のCRC(Cyclic Redundancy Check)が前記第1の臨時識別子でマスキング(masking)される場合、前記ビーム推薦情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれる。前記ダウンリンク制御信号のCRCが前記第2の臨時識別子でマスキングされる場合、前記ビーム制限情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれる。
【0022】
前記ダウンリンク制御信号は、アップリンク信号に対するスケジューリングフィールドをさらに含む。このとき、基地局が第1の端末にアップリンクスケジューリングを実行しない場合にも前記アップリンク信号に対するスケジューリングフィールドを含める。前記第1の端末が前記アップリンク信号を送信しない場合、前記アップリンク信号に対するスケジューリングフィールドはNULLに設定される。前記スケジューリングフィールドがNULLに設定された場合、第1の端末は、ダウンリンク制御信号を介してサイドリンク信号を送信するためのビーム関連情報が伝達されたことを把握することができる。
【0023】
前記サイドリンク信号は、ユニキャストまたはマルチキャスト方式で送信される。端末間ブロードキャストまたはディスカバリ信号は、専用リソースが必要である。しかし、端末間ユニキャスト信号は、端末にトラフィックが発生する時、非周期的に送信されるため、サイドリンクリソースがアップリンクリソースと重なってリソース消費を減らすことができる。
【発明の効果】
【0024】
提案する技法を利用すると、端末は、同時に多数個の端末間接続を設定することができる。また、各接続に互いに異なるRUを適用することができ、互いに異なる接続に活用されたRU間の干渉が小さい場合、端末が一つのRUで信号を受信しながら他のRUで信号を送信するように動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本明細書が適用される無線通信システムを示す。
図2】ユーザプレーンに対する無線プロトコル構造を示したブロック図である。
図3】制御プレーンに対する無線プロトコル構造を示したブロック図である。
図4】サイドリンクトランスポートチャネルとサイドリンク物理チャネルのマッピングを示す。
図5】サイドリンク論理チャネルとサイドリンクトランスポートチャネルのマッピングを示す。
図6】分散アンテナが適用される車両でSDDを適用する一例を示す。
図7】SDDが適用されない車両間通信の一例を示す。
図8】SDDが適用される車両間通信の一例を示す。
図9】自律走行車のためのV2X通信で自動追い越し動作シナリオを示す。
図10】自律走行車のためのV2X通信でプラトーンシナリオを示す。
図11】V2X通信をする車両内RUとベースバンドプロセッサの配置の一例を示す。
図12】V2X通信のためのビームグループを形成する一例を示す。
図13】V2X通信のためのビームグループを形成する他の例を示す。
図14】多数のRUを保有した車両間に多数の通信接続を設定する一例を示す。
図15】SLとULが時間/周波数リソースを共有する場合、SDDが適用されない車両間通信の一例を示す。
図16】SLとULが時間/周波数リソースを共有する場合、SDDが適用される車両間通信の一例を示す。
図17】本明細書の実施例に係るアップリンクリソースとサイドリンクリソースを共有して端末間通信を実行する手順を示す。
図18】端末間通信リンク内動作のための端末のRU配置の一例を示す。
図19】本明細書の実施例に係るアップリンクリソースとサイドリンクリソースを共有して端末間通信を実行する手順流れ図である。
図20】本明細書の実施例が具現化される機器を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の技術は、CDMA(code division multiple access)、FDMA(frequency division multiple access)、TDMA(time division multiple access)、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)、SC-FDMA(single carrier-frequency division multiple access)などのような多様な無線通信システムに使われることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)で具現化されることができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術で具現化されることができる。OFDMAは、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802-20、E-UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術で具現化されることができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(long term evolution)は、E-UTRAを使用するE-UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、ダウンリンクでOFDMAを採用し、アップリンクでSC-FDMAを採用する。
【0027】
説明を明確にするために、3GPP LTE/LTE-Aを中心に記述するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるものではない。
【0028】
図1は、本発明が適用される無線通信システムを示す。これはE-UTRAN(Evolved-UMTS Terrestrial Radio Access Network)、またはLTE(Long Term Evolution)/LTE-Aシステムとも呼ばれる。
【0029】
E-UTRANは、端末(User Equipment、UE)10に制御プレーン(control plane)とユーザプレーン(user plane)を提供する基地局(Base Station、BS)20を含む。端末10は、固定されてもよいし、モビリティを有してもよく、MS(Mobile station)、UT(User Terminal)、SS(Subscriber Station)、MT(mobile terminal)、無線機器(Wireless Device)等、他の用語で呼ばれることもある。基地局20は、端末10と通信する固定局(fixed station)を意味し、eNB(evolved-NodeB)、BTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント(AccessPoint)等、他の用語で呼ばれることもある。
【0030】
基地局20は、X2インターフェースを介して互いに接続されることができる。基地局20は、S1インターフェースを介してEPC(Evolved Packet Core)30、より詳しくは、S1-MMEを介してMME(Mobility Management Entity)と接続され、S1-Uを介してS-GW(Serving Gateway)と接続される。
【0031】
EPC30は、MME、S-GW、及びP-GW(Packet Data Network-Gateway)で構成される。MMEは、端末の接続情報や端末の能力に対する情報を有しており、このような情報は、端末のモビリティ管理に主に使われる。S-GWは、E-UTRANを終端点として有するゲートウェイであり、P-GWは、PDNを終端点として有するゲートウェイである。
【0032】
端末と基地局との間の無線インターフェースをUuインターフェースという。端末とネットワークとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の層は、通信システムで広く知られた開放型システム間相互接続(Open System Interconnection;OSI)基準モデルの下位3層に基づいて、L1(第1層)、L2(第2層)、L3(第3層)に区分されることができ、このうち、第1層に属する物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を利用した情報伝送サービス(Information Transfer Service)を提供し、第3層に位置するRRC(Radio Resource Control)層は、端末とネットワークとの間に無線リソースを制御する役割を遂行する。そのために、RRC層は、端末と基地局との間にRRCメッセージを交換する。
【0033】
図2は、ユーザプレーン(user plane)に対する無線プロトコル構造(radio protocol architecture)を示したブロック図である。図3は、制御プレーン(control plane)に対する無線プロトコル構造を示したブロック図である。ユーザプレーンは、ユーザデータ送信のためのプロトコルスタック(protocol stack)であり、制御プレーンは、制御信号送信のためのプロトコルスタックである。
【0034】
図2及び図3を参照すると、物理層(PHY(physical)layer)は、物理チャネル(physical channel)を利用して上位層に情報伝送サービス(information transfer service)を提供する。物理層は、上位層であるMAC(Medium Access Control)層とはトランスポートチャネル(transport channel)を介して接続されている。トランスポートチャネルを介してMAC層と物理層との間にデータが移動する。トランスポートチャネルは、無線インターフェースを介してデータがどのようにどんな特徴で送信されるかによって分類される。
【0035】
互いに異なる物理層間、即ち、送信機と受信機の物理層間は、物理チャネルを介してデータが移動する。前記物理チャネルは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式で変調されることができ、時間と周波数を無線リソースとして活用する。
【0036】
MAC層の機能は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のマッピング及び論理チャネルに属するMAC SDU(service data unit)のトランスポートチャネル上に物理チャネルに提供されるトランスポートブロック(transport block)への多重化/逆多重化を含む。MAC層は、論理チャネルを介してRLC(Radio Link Control)層にサービスを提供する。
【0037】
RLC層の機能は、RLC SDUの連結(concatenation)、分割(segmentation)、及び再結合(reassembly)を含む。無線ベアラ(Radio Bearer;RB)が要求する多様なQoS(Quality of Service)を保証するために、RLC層は、透過モード(Transparent Mode、TM)、非確認モード(Unacknowledged Mode、UM)、及び確認モード(Acknowledged Mode、AM)の三つの動作モードを提供する。AM RLCは、ARQ(automatic repeat request)を介してエラー訂正を提供する。
【0038】
ユーザプレーンでのPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層の機能は、ユーザデータの伝達、ヘッダ圧縮(header compression)、及び暗号化(ciphering)を含む。制御プレーンでのPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層の機能は、制御プレーンデータの伝達及び暗号化/完全性保護(integrity protection)を含む。
【0039】
RRC(Radio Resource Control)層は、制御プレーンでのみ定義される。RRC層は、RBの設定(configuration)、再設定(re-configuration)、及び解除(release)と関連して論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルの制御を担当する。
【0040】
RBは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために第1層(PHY層)及び第2層(MAC層、RLC層、PDCP層)により提供される論理的経路を意味する。RBが設定されるとは、特定サービスを提供するために無線プロトコル層及びチャネルの特性を規定し、各々の具体的なパラメータ及び動作方法を設定する過程を意味する。また、RBは、SRB(Signaling RB)とDRB(Data RB)の二つに分けられる。SRBは、制御プレーンでRRCメッセージを送信する通路として使われ、DRBは、ユーザプレーンでユーザデータを送信する通路として使われる。
【0041】
端末のRRC層とE-UTRANのRRC層との間にRRC接続(RRC Connection)がある場合、端末は、RRC接続状態(RRC connected state)にあるようになり、そうでない場合、RRCアイドル状態(RRC idle state)にあるようになる。
【0042】
ネットワークから端末にデータを送信するダウンリンクトランスポートチャネルとして、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)と、それ以外にユーザトラフィックや制御メッセージを送信するダウンリンクSCH(Shared Channel)と、がある。ダウンリンクマルチキャストまたはブロードキャストサービスのトラフィックまたは制御メッセージの場合、ダウンリンクSCHを介して送信されることもでき、または別途のダウンリンクMCH(Multicast Channel)を介して送信されることもできる。一方、端末からネットワークにデータを送信するアップリンクトランスポートチャネルとして、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)と、それ以外にユーザトラフィックや制御メッセージを送信するアップリンクSCH(Shared Channel)と、がある。
【0043】
トランスポートチャネルの上位にあり、トランスポートチャネルにマッピングされる論理チャネル(Logical Channel)として、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(MulticastトラフィックChannel)などがある。
【0044】
以下、サイドリンクが説明される。サイドリンクは、サイドリンク通信とサイドリンク直接発見のためのUE間インターフェースである。サイドリンクは、PC5インターフェースに対応する。サイドリンク通信は、二つ以上の近接したUEが何のネットワークノードも経ずにE-UTRAN技術を使用してProSe(proximity-based services)直接通信(direct communication)を可能にするAS機能である。サイドリンク発見は、二つ以上の近接したUEがどんなネットワークノードも経ずにE-UTRAN技術を使用してProSe直接発見(direct discovery)を可能にするAS機能である。サイドリンクは、UL送信と類似するようにULリソース及び物理チャネル構造を使用する。サイドリンク送信は、UL送信方式と同じ基本送信方式を使用する。しかし、サイドリンクは、全てのサイドリンク物理チャネルに対して単一のクラスタ送信に制限される。また、サイドリンクは、各サイドリンクサブフレームの端に1シンボルのギャップを使用する。
【0045】
図4は、サイドリンクトランスポートチャネルとサイドリンク物理チャネルのマッピングを示す。図4を参照すると、UEからサイドリンク発見メッセージを伝達するPSDCH(physical sidelink discovery channel)は、SL-DCH(sidelink discovery channel)にマッピングされる。UEからサイドリンク通信に対するデータを伝達するPSSCH(physical sidelink shared channel)は、SL-SCH(sidelink shared channel)にマッピングされる。UEから送信されるシステム及び同期化関連情報を伝達するPSBCH(physical sidelink broadcast channel)は、SL-BCH(sidelink broadcast channel)にマッピングされる。PSCCH(physical sidelink control channel)は、UEからサイドリンク通信に対する制御信号を伝達する。
【0046】
図5は、サイドリンク論理チャネルとサイドリンクトランスポートチャネルのマッピングを示す。図5を参照すると、SL-BCHは、SBCCH(sidelink broadcast control channel)にマッピングされる。SBCCHは、一つのUEから他のUEにサイドリンクシステム情報を放送するためのサイドリンクチャネルである。このチャネルは、サイドリンク通信が可能なUEのみ使用することができる。SL-SCHは、STCH(sidelink traffic channel)にマッピングされる。STCHは、一つのUEから他のUEへのユーザ情報の送信のための一対多(point-to-multipoint)チャネルである。このチャネルもサイドリンク通信が可能なUEのみ使用することができる。
【0047】
サイドリンク通信は、UEがPC5インターフェースを介して直接通信できる通信モードである。この通信モードは、UEがE-UTRANによりサービスされる時及びUEがE-UTRAカバレッジ外部にある時にサポートされる。公共安全(public safety)作業に使われるように権限が与えられたUEのみがサイドリンク通信を実行することができる。
【0048】
カバレッジ外の動作に対する同期化を実行するために、UEは、SBCCH及び同期化信号を送信して同期化ソースとして動作できる。SBCCHは、他のサイドリンクチャネル及び信号を受信するときに必要な最も重要なシステム情報を伝達する。SBCCHは、同期化信号と共に40msの固定周期で送信される。UEがネットワークカバレッジにある時、SBCCHの内容は、eNBによりシグナリングされたパラメータから導出される。UEがカバレッジを外れた場合、UEが同期化の基準として他のUEを選択すると、SBCCHの内容は、受信されたSBCCHから導出される。そうでない場合、UEは、あらかじめ構成されたパラメータを使用する。SIB18(system information block type-18)は、同期化信号及びSBCCH送信のためのリソース情報を提供する。カバレッジ外の動作のために40ms毎に二つの事前に構成されたサブフレームがある。UEは、一つのサブフレームで同期化信号とSBCCHを受信し、定義された基準によって、UEが同期化ソースになると、他のサブフレームで同期信号とSBCCHを送信する。
【0049】
UEは、サイドリンク制御周期の間に定義されたサブフレーム上でサイドリンク通信を実行する。サイドリンク制御周期は、サイドリンク制御情報及びサイドリンクデータ送信のためにセルに割り当てられたリソースが発生する期間である。サイドリンク制御周期内で、UEは、サイドリンク制御情報とそれに後続するサイドリンクデータを送信する。サイドリンク制御情報は、レイヤ1 ID及び送信特性(例えば、MCS、サイドリンク制御周期の間のリソースの位置、タイミング整列)を示す。
【0050】
UEは、Uu及びPC5を介して下記の減少する優先順位で送信及び受信を実行する:
【0051】
-Uu送信/受信(最も高い優先順位);
【0052】
-PC5サイドリンク通信の送受信;
【0053】
-PC5サイドリンク発見公知/モニタリング(最も下位の優先順位)。
【0054】
サイドリンク通信をサポートするUEは、リソース割当のために次の二つのモードで動作できる。1番目のモードは、スケジューリングされたリソース割当(scheduled resource allocation)である。スケジューリングされたリソース割当は、モード1と呼ばれる。モード1で、UEは、データを送信するためにRRC_CONNECTEDになる必要がある。UEは、eNBから送信リソースを要求する。eNBは、サイドリンク制御情報及びデータの送信のための送信リソースをスケジューリングする。UEは、eNBにスケジューリング要求(D-SR(dedicated scheduling request)またはランダムアクセス)を送信した後、サイドリンクBSR(buffer status report)を送る。サイドリンクBSRに基づいて、eNBは、UEがサイドリンク通信の送信のためのデータを有していると決定でき、送信に必要なリソースを推定することができる。eNBは、構成されたSL-RNTI(sidelink radio network temporary identity)を使用してサイドリンク通信のための送信リソースをスケジューリングすることができる。
【0055】
2番目のモードは、UE自律リソース選択(UE autonomous resource selection)である。UE自律リソース選択は、モード2と呼ばれることもある。モード2で、UEは、自体的にリソースプールからリソースを選択し、サイドリンク制御情報及びデータを送信するための送信フォーマットを選択する。カバレッジ外の動作のためにあらかじめ構成され、またはカバレッジ内動作のためにRRCシグナリングにより提供される最大8個のリソースプールがある。各リソースプールには一つ以上のPPPP(ProSe per-packet-priority)が連結されることができる。MAC PDU(protocol data unit)の送信のために、UEは、MAC PDUで識別された論理チャネルのうち最も高いPPPPを有する論理チャネルのPPPPと同じPPPPのうち一つがあるリソースプールを選択する。サイドリンク制御プールとサイドリンクデータプールは、一対一に関連される。リソースプールが選択されると、サイドリンク制御周期全体の間に選択が有効である。サイドリンク制御周期が終了された後、UEは、リソースプールを再び選択できる。
【0056】
UEがサイドリンク通信のためのカバレッジを外れている時、サイドリンク制御情報のための送信及び受信リソースプールの集合は、UE内にあらかじめ構成される。UEがサイドリンク通信のためのカバレッジ内にある時、サイドリンク制御情報のためのリソースプールは、次のように構成される。受信のために使われるリソースプールは、放送シグナリングでRRCを介してeNBにより構成される。送信のために使われるリソースプールは、モード2が使われる場合、専用または放送シグナリングでRRCを介してeNBにより構成され、モード1が使われる場合、専用シグナリングでRRCを介してeNBにより構成される。eNBは、構成された受信プール内でサイドリンク制御情報送信のための特定のリソースをスケジューリングする。
【0057】
UEがサイドリンク通信のためのカバレッジを外れている時、サイドリンクデータのための送信及び受信リソースプールの集合は、UE内にあらかじめ構成される。UEがサイドリンク通信のためのカバレッジ内にある時、サイドリンクデータのためのリソースプールは、次のように構成される。モード2が使われる場合、送信及び受信に使われるリソースプールは、専用または放送シグナリングでRRCを介してeNBにより構成される。モード1が構成されると、送信及び受信のためのリソースプールがない。
【0058】
サイドリンク発見は、PC5を介してE-UTRA直接無線信号を使用して近接した他のUEを発見するために、サイドリンク発見をサポートするUEにより使われる手順として定義される。サイドリンク発見は、UEがE-UTRANによりサービスされる場合及びUEがE-UTRAカバレッジを外れる場合の、両方ともにサポートされる。E-UTRAの範囲を外れる場合、ProSe可能な公共安全UEのみがサイドリンク発見を実行することができる。公共安全サイドリンクの発見のために、許容された周波数は、UEであらかじめ構成され、UEが該当周波数でE-UTRAの範囲を外れる場合にも使われる。あらかじめ構成された周波数は、公共安全ProSe搬送波と同じ周波数である。
【0059】
同期化を実行するために、SIB19に提供された同期信号に対するリソース情報に基づいて同期化信号を送信することによって、発見メッセージの公知に参加するUEは、同期化ソースとして動作できる。
【0060】
発見メッセージ公知には二つの類型のリソース割当がある。1番目は、UE自律リソース選択であって、これは発見メッセージを公知するためのリソースが非UE特定基準に割り当てられるリソース割当手順である。UE自律リソース選択は、タイプ1と呼ばれる。タイプ1で、eNBは、UEに発見メッセージの公知に使われるリソースプール構成を提供する。該当構成は、放送または専用シグナリングでシグナリングされることができる。UEは、指示されたリソースプールから無線リソースを自律的に選択し、発見メッセージを公知する。UEは、各発見周期の間に無作為で選択された発見リソース上で発見メッセージを公知することができる。
【0061】
2番目は、スケジューリングされたリソース割当であって、これは発見メッセージを公知するためのリソースがUE特定基準に割り当てられるリソース割当手順である。スケジューリングされたリソース割当は、タイプ2で呼ばれることもある。タイプ2で、RRC_CONNECTEDのUEは、RRCを介してeNBから発見メッセージを公知するためのリソースを要求することができる。eNBは、RRCを介してリソースを割り当てる。リソースは、公知のためにUE内に構成されたリソースプール内に割り当てられる。
【0062】
RRC_IDLEにあるUEの場合、eNBは、次のオプションの中から一つを選択することができる。eNBは、SIB19でタイプ1ベースの発見メッセージ公知のためのリソースプールを提供することができる。サイドリンク発見のために認可されたUEは、RRC_IDLEで発見メッセージを知らせるために、このリソースを使用する。または、eNBは、SIB19でサイドリンク発見をサポートするが、発見メッセージ公知のためのリソースを提供しないことを示すことができる。UEは、発見メッセージ公知のためのリソースを要求するためにRRC_CONNECTEDに進入する必要がある。
【0063】
RRC_CONNECTEDにあるUEの場合、サイドリンク発見公知を実行するように許可されたUEは、サイドリンク発見公知を実行することを所望するということをeNBに指示する。また、UEは、サイドリンク発見公知を所望する周波数をeNBに知らせることができる。eNBは、MMEから受信されたUEコンテキストを使用してUEがサイドリンク発見公知のために認可されるかどうかを検証する。eNBは、専用シグナリングを介して発見メッセージ公知のためのタイプ1リソースプールをUEに構成できる。eNBは、発見メッセージ公知のために専用RRCシグナリングを介して専用リソースと共にリソースプールを時間及び周波数のインデックスの形態で構成できる。専用シグナリングを介してeNBにより割り当てられたリソースは、eNBがRRCシグナリングによりリソースを再構成し、または、UEは、RRC_IDLEに進入する時まで有効である。
【0064】
RRC_IDLE及びRRC_CONNECTED内の許可された受信UEは、タイプ1のリソースプール及びタイプ2のリソースプールをモニタリングする。eNBは、RRCシグナリング(SIB19または専用)で周波数内、同じまたは異なるPLMNセルの周波数間発見メッセージモニタリングに使われるリソースプール構成を提供する。RRCシグナリング(SIB19または専用)は、周波数内、同じまたは異なるPLMNの周波数間セルでサイドリンク発見の公知に使われる詳細なサイドリンク発見構成を含むことができる。
【0065】
V2X(vehicle-to-everything)通信に対して説明する。V2X通信は、V2V(vehicle-to-vehicle)通信、V2I(vehicle-to-infrastructure)通信、及びV2P(vehicle-to-pedestrian)通信の三つの類型がある。V2Xのこのような三つの類型は、最終ユーザのためのより知的なサービスを提供するために“協同意識”を使用することができる。これは車両、RSU(road side unit)、及び歩行者のような運送エンティティが該当地域環境(例えば、近接した他の車両またはセンサー装備から受信した情報)に対する知識を収集し、協同衝突警告または自律走行のような知能型サービスを提供することができるように該当知識を処理して共有できることを意味する。
【0066】
V2Xサービスは、3GPP送信を介してV2Vアプリケーションを使用する送信または受信UEを含む通信サービスの一類型である。通信に参加した相手によって、V2Xサービスは、V2Vサービス、V2Iサービス、V2Pサービス、及びV2N(vehicle-to-network)サービスに分けられる。V2Vサービスは、通信の両側ともV2Vアプリケーションを使用するUEであるV2Xサービスの類型である。V2Iサービスは、通信の一側がUEであり、他側がRSUであり、両側ともV2Iアプリケーションを使用するV2Xサービスの類型である。RSUは、V2Iアプリケーションを使用してUEと送受信できるV2Iサービスをサポートするエンティティである。RSUは、eNBまたは固定UEで具現化される。V2Pサービスは、通信の両側ともV2Pアプリケーションを使用するUEであるV2Xサービスの類型である。V2Nサービスは、通信の一側がUEであり、他側がサービングエンティティであり、全てV2Nアプリケーションを使用し、LTEネットワークエンティティを介して互いに通信するV2Xサービスの類型である。
【0067】
V2Vで、E-UTRANは、許容、認可、及び近接性基準が満たされる時、互いに近接したUEがE-UTRA(N)を使用してV2V関連情報を交換することを意味する。近接基準は、MNO(mobile network operator)により構成されることができる。しかし、V2VサービスをサポートするUEは、V2XサービスをサポートするE-UTRANによりサービスの提供を受け、または提供を受けない時、そのような情報を交換することができる。V2VアプリケーションをサポートするUEは、アプリケーション層情報(例えば、V2Vサービスの一部としてその位置、動的及び属性に対して)を送信する。V2Vペイロード(payload)は、互いに異なる内容を受け入れるために融通性があるべきであり、情報は、MNOにより提供された構成によって周期的に送信されることができる。V2Vは、主に放送基盤である。V2Vは、互いに異なるUE間にV2V関連アプリケーション情報を直接交換することを含み、及び/またはV2Vの制限された直接通信範囲によって、V2Vは、互いに異なるUE間にV2V関連アプリケーション情報をV2Xサービスをサポートする基盤構造(例えば、RSU、アプリケーションサーバ等)を介して交換することを含む。
【0068】
V2Iで、V2IアプリケーションをサポートするUEは、アプリケーション層情報をRSUに送信する。RSUは、アプリケーション層情報をUEグループまたはV2IアプリケーションをサポートするUEに送信する。
【0069】
V2Pで、E-UTRANは、許容、認可、及び近接性基準が満たされる時、互いに近接したUEがE-UTRANを使用してV2P関連情報を交換することを意味する。近接基準は、MNOにより構成されることができる。しかし、V2PサービスをサポートするUEは、V2XサービスをサポートするE-UTRANによりサービスされない時にもこのような情報を交換することができる。V2PアプリケーションをサポートするUEは、アプリケーション層情報を送信する。このような情報は、V2Xサービスをサポートする車両UE(例えば、歩行者に警告)及び/またはV2Xサービスをサポートする歩行者UE(例えば、車両に警告)により放送されることができる。V2Pは、互いに異なるUE間(一つは車両、他の一つは歩行者)でV2V関連アプリケーション情報を直接交換することを含み、及び/またはV2Pの制限された直接通信範囲によって、V2Pは、互いに異なるUE間にV2P関連アプリケーション情報をV2Xサービスをサポートする基盤構造(例えば、RSU、アプリケーションサーバ等)を介して交換することを含む。
【0070】
以下、V2X通信のためのSDD(Space Division Duplex)を説明する。
【0071】
本明細書で考慮する空間分割通信(SDD)は、端末の各アンテナを空間的に分割(space division)して各アンテナの通信リンクを独立的に運営する技法である。アンテナ別に通信リンクを独立的に運営するためには、端末が保有したアンテナ間の自己干渉が除去されるべきであり、通信リンクに含まれている端末間の干渉も減少されなければならない。
【0072】
端末が保有したアンテナ間の自己干渉を除去するための技法として、アナログ及びデジタル自己干渉除去技法を適用し、またはアンテナ間の距離を確保して自己干渉を減少させる技法がある。前者よりは後者が低い複雑度を有するため、実際システムに適用することが容易である。後者の技法は、既存の通信端末より大きさが大きい車両端末でアンテナ間の距離を確保して適用できる。端末間の干渉を減少させるための技法には既存セルラー通信システムのセル間干渉減少技法を適用することができる。現在6GHz以上の高周波を有するセルラー通信では通信距離確保のためにビーム幅が小さく形成されるため、隣接セルのビームが重なって干渉が発生する確率は低いと見なされている。また、信号の直進性によって信号が物によりブロックされる確率が大きい。車両は、表面が鉄からなっており、且つ大きさが大きいため、隣接端末の高周波信号をブロックする確率が大きい。
【0073】
前記特性によって、空間分割通信は、分散アンテナを有する車両間の高周波通信に適用することが容易である。空間分割通信を適用すると、アンテナのリンクが互いに孤立(isolation)されているため、各通信リンクの送受信時点を互いに異なるように割り当て、各通信リンクで周波数リソースを再使用することが可能である。図6は、空間分割通信を適用した一例である。
【0074】
図6は、分散アンテナが適用される車両でSDDを適用する一例を示す。
【0075】
図6において、リンク1とリンク2は、互いに異なる装置(端末または基地局)と接続された通信リンクである。各通信リンクの状況によって、TxリソースとRxリソースの量を変更することができ、Tx時点とRx時点を変更することができる。前記図面において、Radio Unit(RU)は、多数個のアンテナが集まったアンテナモジュールであり、端末が4個のRUを分散して保有した場合である。4個のRUのうち2個のRUは、リンク1を形成するために使用し、残りの2個は、リンク2を形成するために使用した。
【0076】
SDDを多数の端末に適用すると、そうでない場合より、目標時間内に一層多いリソースを利用して一層多くの回数の送信を実行することができる長所がある。図7及び図8は、SDDを適用しない場合と適用した場合を比較した一例である。
【0077】
図7は、SDDが適用されない車両間通信の一例を示す。図8は、SDDが適用される車両間通信の一例を示す。
【0078】
図7のようにSDDを適用しない場合、端末は、互いに異なる端末に多重化方式で信号を同時に送信する。もし、3個の端末が図7のように各々の隣接端末と通信リンクを形成しようとする場合、各端末は、1個の送信リソースと2個の受信リソースの割当を受けなければならない。
【0079】
図8のようにSDDを適用すると、端末は、各通信リンク別に1個の送信リソースと1個の受信リソースを形成すればよいため、単位時間に一層多い回数の信号送信を実行することができる。SDDを適用する場合、端末は、同時に信号を送信する隣接端末と周波数リソースを分けて割当を受けなければならない。もし、SDDを適用する場合、各端末の送信信号が空間的に分割されているため、同じ周波数リソースを使用することができる。したがって、各通信リンクが使用する周波数リソースが増加する。
【0080】
前記長所以外にも空間分割のために各通信リンクの受信端末が狭い受信ビームを使用して信号を受信するため、電波妨害(Jamming)の影響を受ける確率が低くなる。また、隣接車両が信号をブロックする確率が高いため、遠くから電波妨害をしにくい。追加の長所として、通信グループ間のリソースと通信グループ内のリソースが互いに直交するリソースになるように基地局が管理する必要がないため、基地局のリソース管理の複雑度が減少する長所がある。TR 22.886で1マイル当たり15840台の車両が存在するシナリオが含まれており、この場合、基地局が車両間の通信リンクを各々管理するには基地局の複雑度が過度に増加するようになる。SDDが適用されると、通信リンクに含まれている端末間で送信時点と受信時点のみを決定すればよいため、基地局の複雑度が減少する長所がある。
【0081】
以下、自律走行車のためのV2X使用シナリオ(use case)を説明する。
【0082】
<シナリオ1:追い越し動作シナリオ>
【0083】
図9は、自律走行車のためのV2X通信で自動追い越し動作シナリオを示す。
【0084】
図9を参照すると、自動車両1が他の車両2を追い越ししようと試みる。このような試み中に予期しない変更や予測された軌道離脱が発生できる。これは近くの車両の行動変化または道路上の動物及びその他の物体の出現で発生できる。
【0085】
追い越し動作は、一定のグラニュラリティ(granularity)で計画されて周辺車両により同意される。追い越し動作の正確度は、軌跡のグラニュラリティ(即ち、個別グリッド(grid)要素の大きさ)に依存する。予想することができない道路状況が発生すると、衝突を避けるために新しい共同ソリューションを速やかに交渉しなければならない。車両が軌跡の次のグリッド要素を入力する前に、この動作を完了しなければならない。
【0086】
本シナリオは、各車線の幅が3.5mであり、軌跡正確度が0.3mである道路を仮定する。また、道路上の車両が30m/s(108km/h)の速度で動くと仮定する。この場合、各車両は、10ms毎にグリッド要素を通過する。
【0087】
予期しない道路状況が発生すると、事故を避けるために新しい計画を確立しなければならない。道路軌道に対する統合合意書には最小限三つの類型のメッセージが必要である。これは、各関連車両で提供される一連の軌跡、全てのオプションに対する評価及び確認メッセージである。各通信ステップは、3.3ms以内に完了しなければならず、各ステップの計算要求事項は無視される。
【0088】
<シナリオ2:協力的認識シナリオ>
【0089】
自律走行システムは、自体センサーを介して得た環境情報に基づいて遂行される。しかし、実際は大型トラックやバスが視野を遮っているため、車両は、道路と周辺環境を完璧に把握できない。その他、自律走行車両は、相互間に地域認識情報を交換するだけでなく、多様なセンサー及びカメラを介して周辺環境の多様な機能が検知可能でなければならない。
【0090】
協調能動安全システムは、危険な状況をドライバに警告し、ドライバが事故を避けることができない場合、自動制動またはステアリングを介して介入できる。プラトーン(道路汽車)及び高度に自動化された走行のような協力運転アプリケーションは、移動時間、燃料消費、及びCO2排出量を減らし、道路の安全及び交通効率を上げることができる。また、車両間または車両とインフラとの間の協力が要求されるだけでなく、車両と脆弱な道路ユーザとの間の協力、例えば、歩行者と自転車に乗る人は、スマートフォンとタブレットのようなモバイル装置を介して交通安全を向上させるときに重要な核心要素となる。C-ITSシステムは、時期が適切且つ信頼できる情報交換に依存する。大部分の応用プログラムには、特に高いモビリティと大容量のメッセージの大きさを考慮する時、一般的にリアルタイム要求事項と安定性及び利用可能性に対する厳格な要求事項がある。
【0091】
また、トラフィックシナリオは、自動追い越し動作のような複雑な走行状況で、前方車両は、必要によって、後方車両にリアルタイムビデオデータを提供することができる。商用ビデオエンコーダの一般的な値は、100msである。したがって、ビデオは、エンコーディング及びデコーディングの遅延を防止し、リアルタイムで駆動目的として使用するために原始形式で送信されると仮定する。カメラ能力は、未来の自律走行作業に適した特徴抽出に十分でなければならない。解像度が1280×720ピクセルであり、リフレッシュ状態が30fpsであるグレースケール(gray-scale)ビデオを仮定する時、データ速度は220Mbpsである。
【0092】
また、トラフィックシナリオは、全てのV2X送信に対して約1600byteのメッセージの大きさに対して5ms未満の終端間の待機時間の要求事項を保証しなければならない。データは、イベント駆動型または周期的に約10Hzの速度で送信される。高速道路では500km/hまでの相対速度が可能である。周期的なブロードキャストトラフィックは、地域環境の認識により探知された物体と関連した情報及び実際の車両と関連した情報を送信するために、繰り返し1-50Hzの繰り返し速度からなる1600バイトを構成する。
【0093】
<シナリオ3:先導車両(leading vehicle)がある/ないプラトーニング(platooning)シナリオ>
【0094】
使用事例3-1(先導車両があるプラトーン):速度とステアリングの自動制御が可能なプラトーンに適切に配置された車両が燃料消費を減らして安全性を高め、道路混雑を改善してドライバの利便性を増加させる。プラトーンから確実な助力を受けるためには、プラトーンの各車両に加速、破壊、軌道変更などのようなプラトーンの共通媒介変数の変更に対するリアルタイム情報を交換するための特定の通信技術が備えられなければならない。また、車両は、道路混雑及び最適の燃料消費を改善するために可能な限り近い距離で相互に着いて行かなければならず、他方では、狭い間隔によって衝突の危険が高まって非常に厳格な待機時間及び信頼性の制約が必要である。
【0095】
使用事例3-2(先導車両がないプラトーン):複数の車線コンボイ(convoy)用の場合、先導車両、中央集中式コントローラまたは監督者が存在しない。その代わりに、車両制御は、側面及び縦方向の全てでコンボイの全てのメンバに分散される(図9参照)。この接近法の結果は、制動車両のような車両撹乱がコンボイの全ての構成員に一層大きいまたは小さい影響を及ぼすため、安定的な形成を招くということである。
【0096】
図10は、自律走行車のためのV2X通信でプラトーンシナリオを示す。
【0097】
シナリオ3-1(制動):車両負荷、道路特性、及びブレーキシステムの相違を補完するために、プラトーンに参加した各車両に高級ブレーキ制御があると仮定する。ブレーキ制御器は、欠陥が与えられた分散の付加的なガウシアン雑音(Gaussian noise)によりモデリングされるように不完全である。事故の確率は、ブレーキコントローラの分散が10-4である時、約10-6であり、プラトーンの車両は、23m/sの速度で動き、車両間の距離は、4.5mであり、パケットは、1番目の送信時に正常に伝達される。したがって、非常に低いパケットエラー率(例えば、10-6未満)が好ましいということが分かる。
【0098】
シナリオ3-2(協同認識のためのプラトーンの共通媒介変数+ビデオデータ):プラトーンの先導車両は、運送会社1を介して次の車両にプラトーンの共通媒介変数を送信する。また、ビデオデータは、キャリア2を介して多重ホップ方式で後方車両にプラトーンの共通パラメータの有無と共に伝達される。一般的に、キャリア2は、キャリア1より相当高い周波数を有する。例えば、DSRCとLTE V2Vは、キャリア1とmmWaveとVLC(Visual Light Communication)として使われることができる。キャリア1は、短い遅延時間内にプラトーンの最後の車両にプラトーンの共通媒介変数を伝達することができるようにキャリア2より電波損失が少ない。しかし、搬送波1は、電波妨害電波攻撃に脆弱であり、搬送波1の領域別スペクトラム効率及びデータ速度は搬送波2より低い。
【0099】
シナリオ3-3(先導車両がないプラトーン:コンボイ):小型車両間の距離を維持するために、コンボイメンバは、コンボイ車両の最新車両品質データを高周波に交換しなければならない。コンボイ制御アルゴリズムは、全てのコンボイ会員の情報の代りに隣接車両の車両動力学情のみを必要とする。このように、アルゴリズムは、大型コンボイ装置によく拡張され、車両がコンボイに加入し、またはコンボイを離れるとき、容易に所望の形態に収束する。
【0100】
シナリオ3-4:シナリオ2の他にもI2VリンクまたはV2I2Vリンクを使用して確認された情報をプラトーンの車両に伝達できる。インフラは、センサー及び車両で情報を収集してサーバに伝達する。サーバは、弱い且つ加工された情報を除外する。例えば、サーバは、車両で収集した情報をブラックリストにドロップ(drop)できる。サーバは、フィルタリングされた情報をインフラで送信し、インフラは、フィルタリングされた情報をプラトーンの車両に伝達する。
【0101】
ただし、前記シナリオによると、信号ブロック(block)の可能性がある。シナリオ3に叙述されているプラトーンまたはコンボイのようなサービスでは、車両間通信の信頼度と低遅延が非常に重要である。しかし、該当サービスでは、ブレーキ制御装置の不安定性と通信の遅延時間などによって、車両間距離が最小4.5m以上、通常は6~8m程度の車両間隔が設定されることと予想されている。車両間隔が離れると、プラトーンに属しない任意の車両が追い越しするためにプラトーングループの間に割り込むことができ、この場合、割り込んだ車両によってプラトーングループ間の通信の信頼度が低下されることができる。用語を整理すると、プラトーンは、単一車線で走行される車両グループに対応し、必ずしも自律走行をする必要はない。コンボイは、多数の車線で走行される車両グループに対応し、車両が自律走行をする場合に使われる。
【0102】
また、LTEシステムにおけるV2X通信は、限界がある。前記シナリオでは車両がプラトーンの任意の区間で割り込むことができるため、信号がブロックされる端末は、通信グループ内の任意の端末である。したがって、前記問題を解決するためには任意の端末が送信した信号をグループ内の任意の端末が中継可能でなければならない。現在進行中である3GPPのV2Xスタディアイテムでは、車両間の周期的な信号ブロードキャスティングを中心にスタディが行われており、該当結果を単純に適用しては前記シナリオに対する問題を解決することができない。
【0103】
また、5G V2Xの要求事項として、低遅延高信頼通信が提案されている。一例として、3GPP TR 22.886によると、集団認知(collective perception)の場合は、200mの範囲内の車両に3ms内で99.999%の信頼度でデータを送信することが必要であり、緊急軌跡(emergence trajectory)の場合は、3ms内で99.999%の信頼度で500m内の車両にデータを送信することが要求された。
【0104】
500m範囲内の車両に前記情報を送信する時、車両が信号をブロックすることができる確率が存在する。したがって、車両間多重ホップ通信を利用して信号を遠くまで伝達する案を考慮することができる。しかし、多重ホップ通信は、ホップ数が増えるにつれて遅延が増加するようになる。これは3ms内に信号を伝達することを困難にする。したがって、ホップ数が増えても遅延の増加を最小化することができる技法が必要である。
【0105】
したがって、前記問題点と必要性を解決することができるV2X通信のための中継信号を送信する方法を以下で説明する。
【0106】
図11は、V2X通信をする車両内RUとベースバンドプロセッサの配置の一例を示す。
【0107】
本明細書において、RU(Radio Unit)は、一つまたは多数個の物理アンテナで構成されることができ、一つのRUは、一つまたは多数個のアンテナポートを有することができる。RUは、単純にRFモジュールの機能のみを保有することができる。RUが単純にRFモジュールの機能のみを保有した場合、RUは、アンテナパネルと同じである。さらに、RUが一つのアンテナポートのみを有している場合、単一RUは、単一アンテナポートと同じである。RUは、RFモジュールの機能だけでなく、L1機能の一部または全部が含まれ、またはL2/L3機能の一部まで含まれることもできる。
【0108】
本明細書において、端末は、既存の携帯電話、スマートフォン以外にも通信モデムが設置された車両も含む。図11を参照すると、端末は、多数個のRU(RU1、RU2、RU3、RU4、...)を有することができる。また、多数個のRUとベースバンドプロセッサが連結されていることが分かる。
【0109】
本明細書において、サブフレームは、物理層の時間単位であり、時間区間、送信時間区間、スロット、TU(Transmission Unit)などに代替されることができる。また、本明細書で叙述するRSU(road side unit)は、端末形態のRSUまたは基地局形態のRSUである。
【0110】
一例として、n個の車両が一つのプラトーングループをなしている時、n個の車両と隣接した基地局を束ねて一つの通信グループを形成することができる(ここで、nは、自然数である)。他の例として、セル内の全ての車両とセルの基地局が一つの通信グループを形成することもできる。また、一つの端末は、互いに異なる通信グループに同時に属することができる。
【0111】
本明細書で叙述する空間分割通信(space division duplex communication)は、端末1のRU1とRU2が同時に信号を送受信するだけでなく、RU1が信号を送信する間にRU2が信号を受信し、またはRU2が信号を送信する間にRU1が信号を受信する動作が可能な通信を意味する。そのために、RU1とRU2は、別途のTXRXU(transmission and reception unit)として考慮されることができる。
【0112】
本明細書は、端末間通信をスケジューリングする主体を基地局であると叙述したが、基地局は、RSUまたは端末形態RSUまたは端末間通信を担当するクラスタヘッド端末などに代替されることができる。
【0113】
本明細書は、端末がビームグループを設定することができる場合を仮定する。本明細書において、ビームグループは、端末が送信または受信を独立的に実行することができる単位を意味する。即ち、互いに異なるビームグループは、別途のTXRXUを保有している。もし、互いに異なるビームグループに含まれているTXRXU間の自己干渉が特定の値以下であり、または自己干渉除去器を利用して特定の値以下に下げることができる場合、端末は、ビームグループ1で信号を受信しながらビームグループ2で信号を送信することが可能である。また、ビームグループは、TxビームグループとRxビームグループが同一に設定され、または異なるように設定されることができる。
【0114】
ビームグループは、TXRXUに一対一に対応され、または一対多に対応されることができる。即ち、端末がN個のTXRXU(transmission and reception unit)を有する場合、端末は、N個以下のビームグループを形成することができる。また、ビームグループは、一つ以上のアナログビームで構成されることができる。一例として、端末がN個のTXRXUを有しており、各TXRXUにアナログビームフォーミングが適用されない場合、端末は、N個のビームグループを有し、各ビームグループは、一つのビームで構成されることができる。この場合、ビームグループは、TXRXUと同じである。他の一例として、端末がN個のTXRXUを有しており、各TXRXUにアナログビームフォーミングが適用される場合、端末は、N個のビームグループを有し、各ビームグループは、多数個のビームで構成されることができる。
【0115】
図12及び図13は、各RUが別途のTXRXUを有している場合にビームグループを形成した一例である。図12及び図13において、扇形は、単一ビームを意味し、一つのビームグループが4個のビームで構成された場合を意味する。
【0116】
図12は、V2X通信のためのビームグループを形成する一例を示す。
【0117】
図12の上段には、端末1が4個のビームグループを有しており、4個のTXRXUは、車両の前、後、両隣に位置している。図12の下段には、端末1が2個のビームグループを有しており、4個のTXRXUは、車両の前、後にのみ位置している。
【0118】
図13は、V2X通信のためのビームグループを形成する他の例を示す。
【0119】
図13の上段には、端末1が2個のビームグループを有しており、2個のTXRXUは、車両の両隣にのみ位置している。図13の下段には、端末1が4個のビームグループを有しており、4個のTXRXUは、車両の前、後の隅部分に位置している。
【0120】
以下、本明細書は、多数個のRU(Radio Unit)を保有した端末が特定RUでは信号を受信しながら、他のRUでは信号を送信するための干渉測定手順とこれと関連したシグナリングを提案することを目的とする。特に、RU間の干渉が存在し、これを除去することができるアナログ干渉除去器がRUに存在する場合を考慮する。
【0121】
図14は、多数のRUを保有した車両間に多数の通信接続を設定する一例を示す。
【0122】
前記記述したプラトーン、コンボイ、協力的操作アシスタンス(Cooperative maneuver assistance)などのサービスを提供するために、車両は、図14のように自分の前後左右の車両と通信接続が設定されることが必要である。したがって、該当サービスの提供を受けた車両は、多数個のV2Vリンクを形成するようになる。また、シナリオ3に叙述されているプラトーンまたはコンボイのようなサービスでは、3ms程度の遅延時間を満たしながら、高信頼度を達成することが重要である。
【0123】
現在のLTE V2Vは、車両が自分の情報を周囲にブロードキャスティングすることを目的として開発されたし、ユニキャストのためのV2V接続設定は、標準化作業が行われなかった。さらに、ブロードキャスティングでは信号が全方向に送信されることが重要であるため、車両が全方向性アンテナ(omni-antenna)特性を有する単一RUを保有することを仮定して技術が開発されたが、今後指向性を有する多数個のRUを保有した車両が導入されることが予想される。図14のように、車両が多数個のV2V通信接続を設定する場合は、多数個のRUを保有した車両が通信遅延及び容量で長所を有することが予想されるため、多数個のRUを保有した車両が多数個の通信接続を設定するための技術開発が必要である。さらに、図14のように多数個のRUを保有した車両が特定RUで信号を受信しながら、特定RUで信号を送信する動作を実行するようになると、より短い時間に信号を送信することができる長所がある。
【0124】
本明細書において、RUは、一つまたは多数個の物理アンテナで構成されることができ、一つのRUは、一つまたは多数個のアンテナポートを有することができる。RUは、単純にRFモジュールの機能のみを保有し、またはL1機能の一部または全部が含まれることができる。また、L2/L3機能の一部まで含まれることもできる。もし、RUが一つのアンテナポートを有してRFモジュールの機能のみを保有する場合、単一RUは、単一アンテナポートと同じである。したがって、本発明のRUは、アンテナポートグループまたはアンテナポートまたはアンテナモジュールに置換可能である。
【0125】
本明細書において、端末は、既存の携帯電話、スマートフォン以外にも通信モデムが設置された車両も含み、端末は、多数個のRUを有することができる。本明細書において、サブフレームは、物理層の時間単位であり、時間区間、送信時間区間、スロット、TU(Transmission Unit)などに代替されることができる。
【0126】
本明細書で叙述する空間分割二重通信(space division duplex communication)は、端末のRU1とRU2が同時に信号を送受信するだけでなく、RU1が送信する間にRU2が信号を受信し、またはRU2が信号を送信する間にRU1が信号を受信する動作が可能な通信を意味する。また、本明細書で叙述するRSU(road side unit)は、端末形態のRSUまたは基地局形態のRSUである。
【0127】
本発明で叙述する空間分割二重通信(space division duplex communication)は、端末のRU1とRU2が同時に信号を送受信するだけでなく、RU1が送信する間にRU2が信号を受信し、またはRU2が信号を送信する間にRU1が信号を受信する動作が可能な通信を意味する。そのために、RU1とRU2は、別途のTXRXU(transmission and reception unit)として考慮されることができる。
【0128】
以下、本明細書は、端末間通信のためのリソースとアップリンクリソースが共有されるように設定することによって、無線リソースをより効率的に使用することができる技法を提案することを目的とする。
【0129】
サイドリンク(sidelink;SL)でユニキャスト信号送信のためのリソースを基地局が毎度割り当てるようになると、スケジューリングのために多くのシグナリングが必要である。代表として、端末1が端末2に信号を送信するために、基地局にリソース割当を要求する場合がある。この場合、必要な最小シグナリングは、次の通りである。端末1は、基地局にスケジューリング要求をし(シグナリング1)、基地局は、端末2に端末1の信号受信を指示した後(シグナリング2)、端末1に信号送信のためのリソースを割り当てる(シグナリング3)ようになる。それに対し、端末1が端末2に信号を直接送信することができる場合、前記シグナリングは必要ない、または端末1の信号送信を知らせるシグナルがデータと共に送信されることができる。
【0130】
シグナリングの回数が増加することによって、端末1と端末2との間の信号送信のための前処理時間が増加するようになって、前処理プロシージャのシグナリングのうち一つでも端末が信号を受信することができない場合は信号受信に失敗するため、信頼度が減少する。隣接した車両間の通信時、端末1と端末2のチャネルが端末と基地局との間のチャネルより品質がよいため、基地局の調整(coordination)による信頼度減少は、一層増加するようになる。さらに、6GHz以上の周波数帯域では、基地局と端末との間のチャネルは、端末間通信チャネルより大きい信号ブロッキング確率を有するようになる。したがって、基地局の調整無しで端末間通信を実行する技法が、より短い時間に高信頼度で信号を送信することができる。したがって、基地局の調整無しでユニキャスト信号を送信することが必要である。
【0131】
基地局が端末間ユニキャスト通信のリソースを信号送信毎に管理しない場合は、端末間ユニキャスト通信のためのリソースプール(resource pool)を割り当てる方式を適用することができる。もし、端末間ユニキャスト通信のトラフィックがイベント発生ベースの(event-triggered)トラフィックである場合、ユニキャスト通信のためのリソースプールを短い周期で時間/周波数リソースを割り当てることは非効率的である。これは端末間ユニキャスト通信を要求する端末の数が少ないほど深化される。したがって、端末間ユニキャスト通信のためのリソースプールを他のリソース(例えば、ULリソース、DLリソース、ブロードキャストのためのSLリソース)と共有する方法を適用することができる。
【0132】
即ち、サイドリンクのブロードキャスト信号またはサイドリンクのディスカバリ(discovery)用信号は、専用(dedicated)リソースが必要であるが、端末間ユニキャスト信号は、トラフィックが発生する時にのみ非周期的に送信されるため、サイドリンクリソースを他のリソースと重なって使用することができる。
【0133】
端末間ユニキャスト通信のためのリソースプールを他のリソースと共有する場合、信号間の干渉が発生できる。一例として、アップリンクリソースと該当リソースプールが時間/周波数リソースを共有する場合、アップリンク信号に意図しない干渉が発生できる。このような干渉を減らすために、アップリンクリソースとリソースプールが共有する時間/周波数リソースを空間分割することができる。
【0134】
したがって、本明細書では、アップリンクと端末間のユニキャスト通信のためのリソースプールが時間/周波数リソースを共有する場合に空間分割を適用するための技法を提案する。
【0135】
図15は、SLとULが時間/周波数リソースを共有する場合、SDDが適用されない車両間通信の一例を示す。図16は、SLとULが時間/周波数リソースを共有する場合、SDDが適用される車両間通信の一例を示す。
【0136】
図15及び図16は、サイドリンクとアップリンクが時間/周波数リソースを共有する場合の一例である。図15及び図16において、車両1、2、3と4、5、6は、一つの通信グループをなしており、互いに信号をやり取りする状況である。また、車両1、2、4は、アップリンクに信号送信のためのリソースの割当を受けた場合である。図15及び図16において、1->2、3は、車両1が車両2と3に信号をマルチプレキシングして送信することを意味し、1->BSは、車両1が基地局にアップリンク信号を送信することを意味する。SDDを適用しない場合(図15)は、各通信リンクが互いに直交する時間/周波数リソースの割当を受けた場合であり、SDDを適用した場合(図16)は、通信リンクが互いに時間/周波数リソースを共有し、再びアップリンクリソースともリソースを共有する一例である。
【0137】
前述した状況でアップリンクとサイドリンクとの間の干渉を減少させるために、本明細書で叙述する実施例は、下記の通りである。
【0138】
図17は、本明細書の実施例に係るアップリンクリソースとサイドリンクリソースを共有して端末間通信を実行する手順を示す。
【0139】
-提案技術1-
【0140】
基地局は、端末間ユニキャスト通信のための時間/周波数リソース(例えば、リソースプール)の一部または全部をULの時間/周波数リソース及び/またはDLの時間/周波数リソース及び/またはSLのブロードキャストまたはディスカバリ用に割り当てられた時間/周波数リソースと共有(share or overlap)するように設定することができる(S1710)。そのために、基地局は、該当リソースプール割当のためのセル共通または端末固有(UE-specific)のシグナルを物理層シグナルまたは上位層シグナルで送信できる。
【0141】
物理層または上位層シグナルで端末間ユニキャスト通信のための時間/周波数リソース(リソースプール)を指定するための情報フィールドは、次のように構成されることができる。一例として、情報フィールドは、サブフレームまたはスロットまたはミニスロット内の時間/周波数リソースを指定するための用途である。他の一例として、情報フィールドは、SLリソース及び/またはULリソース及び/またはDLリソース内の時間/周波数リソースを指定するための用途である。具体的に、端末間ユニキャスト通信のためのリソースプールがアップリンクリソースとサイドリンクリソースの両方ともに割当可能であり、アップリンクリソースがサブフレーム内のn、n、…nUL番目のOFDMシンボルに割り当てられており、サイドリンクリソースがサブフレーム内のm、m、…mSL番目のOFDMシンボルに割り当てられている場合、該当リソースプールを割り当てるための情報フィールドは、n、…、nULとm、…、mSLのOFDMシンボルを全て含んで設定される。
【0142】
端末間ユニキャスト通信のための時間/周波数リソースに適用されるヌメロロジー(numerology)がDLまたはULのヌメロロジーと異なる場合にも、リソースを共有することができる。この場合、端末間ユニキャスト通信のための時間/周波数リソースを割り当てるための情報フィールドは、端末間ユニキャスト通信に適用されるヌメロロジーを基準に生成する。ここで、ヌメロロジーとは、高信頼低遅延を目的とする次世代無線通信システムで使われることができる多様な数値に対応できる。例えば、ヌメロロジーは、サブフレームの長さ(TTIの長さ)、サブキャリア間隔(subcarrier spacing)、サブフレームのシンボル数及び/またはCPの長さなどになる。
【0143】
基地局が端末に参照信号の送信(例えば、SRS(Sounding Reference Signal))を端末固有物理層または上位層シグナルで指示する(S1720)。該当シグナルには参照信号送信の時間及び/または周波数及び/またはシーケンスリソース情報及び/または送信電力と共に、該当参照信号を送信するアンテナポート情報及び/または基地局が以後端末にダウンリンク制御チャネルを介して送信するチャネル情報の種類(type)を指示する指示子が含まれることができる。または、該当シグナルは物理層シグナリングであり、チャネル情報指示子は上位層指示子で送信されることができる。端末は、シグナリングされた情報に基づいて参照信号を基地局に送信する(S1730)。
【0144】
チャネル情報種類の一例として、端末がサイドリンク信号を送信する時、アップリンク干渉減少のために使用してはならないビーム情報(ビーム制限情報)が送信されることができる(S1740)。または、端末がアップリンク信号を送信する時に使用することが好ましいビーム情報(ビーム推薦情報)が送信されることができる(S1740)。端末は、ビーム制限情報が指示するビームを除外したビームを使用してサイドリンク信号を送信することができる(S1750)。また、端末は、ビーム推薦情報が指示するビームを使用してアップリンク信号を送信することができる(S1760)。
【0145】
または、端末がサイドリンク信号を送信する時、アップリンク干渉減少のために使用してはならないビーム情報と共にアップリンク信号送信時に使用することが好ましいビーム情報が送信されることができる。他の一例として、端末がサイドリンク信号を送信する時、アップリンク干渉減少のために使用することが好ましいビーム情報が送信されることができる。または、端末がサイドリンク信号を送信する時、アップリンク干渉減少のために使用することが好ましいビーム情報と共にアップリンク信号送信のために使用することが好ましいビーム情報が送信されることができる。前記実施例のビーム情報は、ビーム方向を示すビームインデックスと共に送信電力を示すビームの大きさが含まれることができる。
【0146】
前記実記例において、ビーム情報は、明示的に(explicit)知らせることができ、暗黙的に(implicit)知らせることができる。または、一部は明示的に知らせ、一部は暗黙的に知らせることができる。一例として、基地局が端末にビーム方向を暗黙的に知らせる場合、基地局は、端末が送信した参照信号の時間及び/または周波数及び/またはシーケンスインデックスを知らせることができる。一例として、基地局が端末にビームの送信電力を知らせる場合、送信電力フィールドで明示的に知らせることができる。
【0147】
端末は、基地局から受信したチャネル情報の種類によって端末間ユニキャスト信号送信時に使用し、または使用してはならないビーム情報を把握することができる。一例として、端末がアンテナポート1でビームnを利用してリソース(1、n)でSRSを送信した場合を仮定する。基地局が端末間ユニキャスト信号送信時に使用してはならないことを指示するチャネル情報としてリソース(1、3)を送信した場合、端末は、リソース(1、3)で送信したアンテナポート1のビーム3を利用しない。他の一例として、基地局が端末間ユニキャスト信号送信時に使用することを推薦するチャネル情報としてリソース(1、2)を送信した場合、端末は、アンテナポート1のビーム2を利用して端末間ユニキャスト通信を実行し、または該当ビーム選択が困難であるとき、可能な限り方向性が類似するビームを利用して端末間ユニキャスト通信を実行する。前記実施例を介して、基地局が端末に送信するチャネル情報を介して端末がサイドリンク信号送信時に使用するアンテナポート(または、アンテナパネルまたはRU)と該当ポートでのアナログ及び/またはデジタルビーム方向情報を取得することができることが分かる。
【0148】
他の実施例として、サイドリンクビーム制限情報を送信する時、ビーム方向制限情報と共にビーム送信電力が送信されることができる。このとき、端末は、制限された方向のビームで信号を送信することができるが、基地局が制限した送信電力より低い電力でのみ信号を送信することができる。他の一例として、サイドリンクビーム推薦情報を送信する時、ビーム方向推薦情報と共にビーム送信電力が送信されることができる。このとき、ビーム送信電力は、推薦方向に信号を送信する時に使用することができる最大電力である。他の一例として、サイドリンクビーム制限または推薦情報と共にULビーム推薦情報が送信される場合にビーム送信電力がULビームを対象にして送信される場合、該当ビーム情報は、UL送信時に使用する信号の送信電力を指示する。
【0149】
基地局が端末に送信するチャネル情報を含む物理層制御信号(例えば、DCI)は、該当端末にアップリンクスケジューリングをしない場合にも送信されることができる(S1740)。
【0150】
前記チャネル情報は、端末間ユニキャスト通信が該当端末または隣接端末に及ぼすアップリンク干渉を減少させる目的として使われることができる。この場合は、該当端末がUL信号送信を実行しない場合にも前記チャネル情報を伝達することが必要である。このような特性を利用してスケジューリングフィールド情報がNULLであるかどうかによって端末動作を下記のように変化させることができる。
【0151】
端末がアップリンク信号送信のためのダウンリンク制御信号(例えば、DCI)を受信したが、スケジューリングフィールド(field)の情報がNULLである場合は、基地局が送信したチャネル情報にサイドリンクビーム制限(restriction)情報またはサイドリンクビーム推薦(recommendation)情報が含まれていると判断する。また、アップリンクビーム推薦情報も同時に送信されることができる。該当情報にはビーム方向と共にビーム送信電力が含まれることができる。
【0152】
一例として、基地局が端末にスケジューリングを実行しない場合は、DCIのうち、リソース割当情報、MCS情報、リダンダンシーバージョン(redundancy version)情報、再送信PCID(process ID)情報、NDI(New data indicator)情報が必要ない。したがって、前記情報フィールドの一部または全部がNULLに設定された場合、端末は、サイドリンクビーム制限情報または推薦情報が送信されたことを把握することができる。このとき、サイドリンクビーム制限情報または推薦情報は、既にULビーム推薦のために使われた情報フィールドで送信されることができる。または、ULビーム推薦のための情報フィールドにはそのままULビーム推薦のための情報が送信され、前記情報フィールドのうち使用しない情報フィールドでサイドリンクビーム推薦または制限情報が送信されることができる。
【0153】
前記実施例と類似するように、サイドリンクビームと関連したビーム電力情報は、既存のULビームの電力設定のための情報フィールドで送信されることができる。または、サイドリンクビーム送信電力を指示するための情報フィールドが、前記情報フィールドのうち使われないフィールドに定義されることができる。
【0154】
また、ダウンリンク制御信号にチャネル情報の種類を定義するフィールドが使われることができる。一例として、チャネル情報種類フィールドが0である場合、ULビーム関連情報であり、チャネル情報種類フィールドが1である場合、サイドリンクビーム関連情報である。このとき、サイドリンクビーム関連情報は、ビーム制限情報またはビーム推薦情報である。
【0155】
前記技法は、スケジューリングフィールドをNULLに設定する実施例より情報フィールドをもう一つ使用するため、ビームインデックスを指示するための情報フィールドが減少される短所がある。しかし、スケジューリングフィールドをNULLに設定することが他の用途で利用される場合は、前記技法を適用することが好ましい。一例として、チャネル情報種類フィールドが0である場合は、ビーム方向情報フィールドがUL送信のためのビーム方向情報を含み、チャネル情報種類フィールドが1である場合は、ビーム方向情報フィールドがSLのビーム推薦または制限のためのビーム方向情報を含む。また、チャネル情報種類フィールドが0である場合は、ビーム送信電力情報フィールドがUL送信時の送信電力を意味し、チャネル情報種類フィールドが1である場合は、ビーム送信電力情報フィールドがサイドリンク送信時のビーム送信電力制限情報を含むことができる。
【0156】
ダウンリンク制御信号にチャネル情報の種類を指定するために追加的な臨時識別子が端末に割り当てられることができる。一例として、端末にRNTI1とRNTI2を割り当て、CRC(Cyclic Redundancy Check)がRNTI1でマスキングされると、ULビーム関連情報が送信され、RNTI2でマスキングされると、SLビーム関連情報が送信されることができる。
【0157】
該当技術は、追加的な情報フィールドが必要ないという長所があるが、追加的なRNTIリソースが割り当てられなければならない短所がある。もし、車両の数が多くてRNTIの数字が十分でない場合は、該当技術を適用しにくい。一例として、CRCがRNTI1でマスキングされる場合は、ビーム方向情報フィールドがUL送信のためのビーム方向情報を含み、CRCがRNTI2でマスキングされる場合は、ビーム方向情報フィールドがSLのビーム推薦または制限のためのビーム方向情報を含む。また、CRCがRNTI1でマスキングされる場合は、ビーム送信電力情報フィールドがUL送信時の送信電力を意味し、CRCがRNTI2でマスキングされる場合は、ビーム送信電力情報フィールドがサイドリンク送信時のビーム送信電力制限情報を含むことができる。
【0158】
また、参照信号が送信されるリソースは、アップリンクリソース及び/またはサイドリンクリソースである。
【0159】
通常的に、SRSリソースは、ULリソースで送信される。したがって、SRSをULリソースで送信する案を考慮することができる。しかし、該当SRSがSLがULに及ぼす干渉を測定する用途である場合、SLリソースに追加的なリソースを確保してSRSを送信することもできる(S1710)。
【0160】
サイドリンクとアップリンクのヌメロロジー(numerology)が異なり、且つ互いに時間/周波数リソースを共有する場合の端末動作は、下記の通りである。端末の参照信号送信リソースがアップリンクリソースに設定された場合、端末は、下記の二つの動作が可能である。
【0161】
-Opt1)アップリンクヌメロロジーを利用して参照信号を送信する。
【0162】
-Opt2)サイドリンクヌメロロジーを利用して参照信号を送信する。
【0163】
端末の参照信号送信リソースがサイドリンクリソースに設定された場合、端末は、下記の二つの動作が可能である。
【0164】
-Opt3)サイドリンクヌメロロジーを利用して参照信号を送信する。
【0165】
-Opt4)アップリンクヌメロロジーを利用して参照信号を送信する。
【0166】
前記提案技術は、SLとULのヌメロロジーが異なる場合にも、時間/周波数リソースを共有することができるということを意味する。前記実施例のopt1と4は、基地局オーバーヘッドを減少させる効果がある。その理由は、基地局がUL SRSリソース領域で単一numerologyのみを考慮してSRSを受信すればよいためである。一例として、フィルタリングを省略することができる。Opt2と3は、実際の端末がサイドリンク信号送信時に利用するヌメロロジーが正確なサイドリンク干渉を測定することができる長所がある。
【0167】
サイドリンク時間/周波数リソース(例えば、リソースプール)で参照信号(例えば、SRS)送信のための時間/周波数リソースを端末共通(UE-common)シグナルで割り当てる。該当リソースプールにある端末は、該当リソースで参照信号以外の信号を送信しない。該当リソースは、半静的(semi-static)またはダイナミック(dynamic)に割り当てられることができる。以後または同時に、基地局は、各端末に端末固有(UE-specific)シグナルで参照信号送信を周期的(periodic)または非周期的(aperiodic)に指示できる。
【0168】
前記参照信号を送信する端末は、サイドリンクでのみ主に通信を実行する端末であるため、UL端末とサイドリンク端末が両方ともULリソースでのみSRSを送信すると、ULでSRS送信のためのオーバーヘッドが大きい。したがって、サイドリンクにSRS送信のためのリソースを割り当てることが必要である。また、サイドリンクリソースで信号送信がネットワークの制御を受けないアドホック(ad-hoc)の特徴を有する場合、SRSが他の信号送信によって干渉を受けないようにSRS送信のためのリソースを端末共通シグナルで割り当てる必要がある。以後、基地局は、SRS送信を指示する端末に別途に指示を要求することができる。
【0169】
前記SRSリソースを送信するOFDMシンボルでは、サイドリンクブロードキャスト信号が送信され、またはサイドリンク端末用RACH zone及び/またはサイドリンク端末用SR(Scheduling Request)リソースが定義されている場合がある。
【0170】
-提案技術2-
【0171】
基地局が端末1に参照信号の送信(例えば、SRS)をシグナル1で指示し、端末2に特定のリソースで参照信号の受信をシグナル2で指示する。シグナル1には、参照信号送信の時間及び/または周波数及び/またはシーケンスリソース情報及び/または送信電力と共に、端末が参照信号を送信するアンテナポート情報及び/または基地局が以後端末にダウンリンク制御チャネルを介して送信するチャネル情報の種類(type)を指示する指示子が含まれることができる。シグナル2には、端末2が受信すべき参照信号の時間及び/または周波数及び/またはシーケンスリソース情報と共に端末2が基地局に送信すべきチャネル情報の種類(type)を指示する指示子が含まれることができる。
【0172】
シグナル2に含まれているチャネル情報の種類によって、端末が送信するチャネル情報には、次のような実施例が適用されることができる。一例として、端末2は、自分が受信した参照信号の大きさが閾値以上である参照信号の時間、周波数、シーケンスインデックスを送信することができる。他の一例として、端末2は、自分が受信した参照信号の大きさが閾値以下である参照信号の時間、周波数、シーケンスインデックスを送信することができる。前記二つの実施例を適用するためには、シグナル2に閾値も送信されることができる。前記実施例のビーム情報は、ビーム方向を示すビームインデックスと共に送信電力を示すビームの大きさが含まれることができる。
【0173】
シグナル1に含まれるチャネル情報の種類によって、端末が受信するチャネル情報には、次のような実施例が適用されることができる。一例として、端末1がアップリンク信号送信時に隣接したサイドリンクに及ぼす干渉を減少させるために、アップリンク信号送信時に使用してはならないビーム情報が送信されることができる。または、端末1がアップリンク信号送信時に使用してはならないビーム情報と共に使用することが好ましいビーム情報が送信されることができる。または、端末1がアップリンク信号送信時使用してはならないビーム情報と共にサイドリンク信号送信時に使用してはならないビーム情報が送信されることができる。この場合、端末は、前記ビーム情報が指示するビームを除外したビームを使用してアップリンク信号とサイドリンク信号を送信することができる。
【0174】
他の一例として、端末1がアップリンク信号送信時に使用することが好ましいビーム情報が送信されることができる。このとき、生成されるビーム情報は、端末1と基地局との間のチャネルと端末1が端末2に及ぼす干渉を考慮して基地局が生成する。この場合、端末は、前記ビーム情報が指示するビームを使用してアップリンク信号を送信することができる。
【0175】
前記実施例のビーム情報は、ビーム方向を示すビームインデックスと共に送信電力を示すビームの大きさが含まれることができる。
【0176】
前記実記例において、ビーム情報は、明示的に(explicit)知らせることができ、暗黙的に(implicit)知らせることができる。または、一部は明示的に知らせ、一部は暗黙的に知らせることができる。一例として、基地局が端末にビーム方向を暗黙的に知らせる場合、基地局は、端末が送信した参照信号の時間及び/または周波数及び/またはシーケンスインデックスを知らせることができる。一例として、基地局が端末にビームの送信電力を知らせる場合、送信電力フィールドから明示的に知らせることができる。
【0177】
提案技術2は、提案技術1に対して、端末間チャネル測定を介してULがSLに及ぼす干渉を測定することができるという長所を有する。したがって、基地局が端末1にダウンリンク制御信号を送信する時、アップリンク送信時のビーム制限情報を送信することができる。このとき、ビーム情報には、ビーム方向情報及び/またはビーム送信電力情報が含まれることができる。また、基地局が端末1に送信するダウンリンク制御信号の送信方式として、提案技術1のスケジューリングフィールドがNULLに設定された技法、チャネル情報種類フィールドを含める技法、別途のRNTIでCRCマスキングする技法までの方式が適用されることができる。端末1がサイドリンクで信号を送信する端末である場合、参照信号が送信されるリソースがアップリンクリソース及び/またはサイドリンクリソースである技法の適用が可能であるが、端末1がULで信号を送信する場合、長所・短所が下記のように変化されることができる。
【0178】
即ち、サイドリンクとアップリンクのヌメロロジーが異なり、互いに時間/周波数リソースを共有する場合の端末動作は、下記の通りである。端末の参照信号送信リソースがアップリンクリソースに設定された場合、端末は、下記の二つの動作が可能である。
【0179】
-Opt1)アップリンクヌメロロジーを利用して参照信号を送信する。
【0180】
-Opt2)サイドリンクヌメロロジーを利用して参照信号を送信する。
【0181】
端末の参照信号送信リソースがサイドリンクリソースに設定された場合、端末は、下記の二つの動作が可能である。
【0182】
-Opt3)サイドリンクヌメロロジーを利用して参照信号を送信する。
【0183】
-Opt4)アップリンクヌメロロジーを利用して参照信号を送信する。
【0184】
前記提案技術は、SLとULのヌメロロジーが異なる場合にも時間/周波数リソースを共有することができるということを意味する。前記提案技術のopt1と4は、基地局オーバーヘッドを減少させる効果がある。その理由は、基地局がUL SRSリソース領域で単一ヌメロロジーのみを考慮してSRSを受信すればよいためである。また、実際のUL送信信号を利用して干渉を測定するため、干渉測定の正確度が増加できる。しかし、端末2がULヌメロロジーを利用して参照信号を受信しなければならないため、端末の複雑度が増加する短所がある。Opt2とOpt3は、ヌメロロジーが同じであるため、端末複雑度が減少する長所があるが、基地局複雑度が増加する短所がある。また、端末1がサイドリンクの他の端末(端末2)に及ぼす干渉を減少させる長所がある。
【0185】
-提案技術3-
【0186】
他の一例として、端末1が端末2に信号を送信するリソースと受信するリソースを各々送信リソース1と受信リソース1という。端末1が端末3または基地局に信号を送信するリソースと受信するリソースを各々送信リソース2と受信リソース2という。送信リソース1と受信リソース1は、重ならないように互いに異なる時間及び/または周波数リソースに割り当てられなければならない。送信リソース1は、送信リソース2または受信リソース2と時間及び/または周波数リソースが一部または全部重なることができる。受信リソース1は、送信リソース2または受信リソース2と時間及び/または周波数リソースが一部または全部重なることができる。前記のように重なるリソースの個数は、端末が保有したRU間干渉が閾値以下であるRUの個数に設定されることができる。
【0187】
図18は、端末間通信リンク内動作のための端末のRU配置の一例を示す。
【0188】
端末別に保有したRUの個数とRU間干渉の大きさは、端末毎に異なることがある。それによって、各端末が同時に送受信できるユニキャスト通信リンクの数字は、変わるようになる。
【0189】
一例として、図18の1番目の例1810のように端末が一つのRUのみを保有することができる。この場合、該当端末は、一時点に一つの通信リンクで信号を送信または受信することができる。他の例として、図18の4番目の例1840で、端末は、4個のRUを保有しているが、前面に位置した2個のRU間には干渉が発生できる。したがって、該当端末が同じ車線の前方車両と通信を実行する場合、送受信を同時に実行するFD(Full duplex)を適用しにくい。もし、適用しようとする場合は、端末にアナログ干渉除去器のような追加的な装置が導入されなければならなくて端末の複雑度と費用が増加するようになるため、アナログ干渉除去器の導入を端末に強制しにくい。また、一般的なeV2X(enhanced V2X)の遅延要求時間は、3msであるため、端末間ユニキャスト通信時にはFDを適用しなくても所望の要求条件を満たすことが容易である。このような理由で、端末間の通信リンク内動作は、TDDまたはFDDのように動作するようにすることが必要である。即ち、端末が保有するRU間に干渉が発生できてFDでは動作できず、HD(Half Duplex)で動作できる。
【0190】
もし、特定の端末が多数個のRUを保有しており、このうち一部のRU間の干渉量が小さい場合、端末は、RU1では信号を受信し、RU2では信号を送信することができる。即ち、多数のRUを使用する場合、FD動作のように実行されることもできる。しかし、RU間の干渉が大きい、または一つのRUではFDを適用することができない。このとき、RUのビームは、互いに異なる方向を指向するため、各RUが接続された装置は、互いに異なる端末または基地局である可能性が高い。したがって、各RUが互いに異なる端末に接続された場合は、時間及び/または周波数リソースを共有するように設計することが可能である。即ち、SDD形態で区分できる。
【0191】
図19は、本明細書の実施例に係るアップリンクリソースとサイドリンクリソースを共有して端末間通信を実行する手順流れ図である。
【0192】
本実施例は、第1の端末と第2の端末との間にはサイドリンクで信号を送受信することができ、第1の端末と基地局との間にはアップリンクで信号を送受信することができる。アップリンクリソースとサイドリンクリソースは、時間/周波数リソースを共有するが、分散アンテナを適用したビームを使用することで空間的に区分して通信を実行することができる。このとき、端末は、複数のRU(Radio Unit)を有し、RUは、アンテナポートに対応でき、アンテナポートでビームまたはビームグループを設定することができる。
【0193】
ステップS1910において、第1の端末は、参照信号を基地局に送信する。前記参照信号は、サイドリンク信号を送信するために使われるビーム情報を判断するために送信する。前記参照信号は、SRSに対応できる。
【0194】
第1の端末が参照信号を送信する前に、第1の端末は、基地局から前記参照信号の割当情報を端末を特定して受信することができる。前記参照信号の割当情報は、前記参照信号の送信時間、送信周波数、シーケンスリソース、送信電力に対する情報、及び前記参照信号が送信されるアンテナポートに情報を含むことができる。
【0195】
ステップS1920において、第1の端末は、基地局からダウンリンク制御信号を受信する。前記ダウンリンク制御信号は、前記第1の端末がサイドリンク信号を送信する時、アップリンク信号に対する干渉を減少させるために使われないビームを指示するビーム制限情報を含む。
【0196】
前記ビーム制限情報は、ビームインデックスであり、明示的にダウンリンク制御信号に含まれることができる。または、前記ビーム制限情報は、暗黙的に(implicit)ダウンリンク制御信号に含まれることができる。一例として、端末が参照信号を送信した時間または周波数またはシーケンスリソースインデックスをダウンリンク制御信号に含んで暗黙的に知らせることができる。このとき、端末が時間リソース1でビームAを利用したし、基地局がダウンリンク制御信号で時間リソース1情報をビーム制限情報として知らせた場合、端末は、ビームAが制限されたことを把握することができる。前記動作は、ダウンリンク制御信号でビーム推薦情報を送信する場合にも適用されることができる。
【0197】
また、前記ダウンリンク制御信号は、前記第1の端末がアップリンク信号を送信する時に使われるビームを指示するビーム推薦情報をさらに含むことができる。また、前記ダウンリンク制御信号は、チャネル情報種類フィールドをさらに含むことができる。前記チャネル情報種類フィールドが第1の値を指示する場合、前記ビーム推薦情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれることができる。前記チャネル情報種類フィールドが第2の値を指示する場合、前記ビーム制限情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれることができる。
【0198】
ここで、ビーム制限情報は、サイドリンクビーム関連情報に対応し、ビーム推薦情報は、アップリンクビーム関連情報に対応するとしたが、一つの例に過ぎず、ビーム制限情報がアップリンクビーム関連情報になることもでき、ビーム推薦情報がサイドリンクビーム関連情報になることもできる等、多様に使われることができる。
【0199】
ステップS1930において、第1の端末は、前記サイドリンク信号を前記ビーム制限情報が指示するビームを除外したビームを使用して第2の端末に送信する。前記サイドリンク信号は、アップリンクリソースとサイドリンクリソースが時間及び周波数領域で重なるリソースプール(resource pool)を介して送信される。また、前記アップリンク信号は、前記ビーム推薦情報が指示するビームを使用して前記リソースプールを介して前記基地局に送信されることができる。それによって、重なるリソースを使用することによって発生するアップリンクとサイドリンクとの間の干渉を防止することができる。
【0200】
このとき、第1の端末は、基地局から前記リソースプールに対する割当情報をセル共通にまたは端末を特定して受信することができる。本実施例において、基地局は、リソースプール内の端末間ユニキャスト通信を制御せずに、単純にアップリンクリソースとサイドリンクリソースが重なったリソースプールに対する割当情のみを伝達する。
【0201】
また、前記ビーム制限情報は、前記第1の端末が前記サイドリンク信号を送信する時に使われないビームのインデックスと送信電力を含むことができる。前記ビーム推薦情報は、前記第1の端末が前記アップリンク信号を送信する時に使われるビームのインデックスと送信電力を含むことができる。
【0202】
このとき、前記サイドリンク信号は、前記第1の端末が前記サイドリンク信号を送信する時に使われないビームの送信電力より低い送信電力を使用して送信されることができる。前記アップリンク信号は、前記第1の端末が前記アップリンク信号を送信する時に使われるビームの送信電力で送信されることができる。
【0203】
また、第1の端末は、基地局から第1の臨時識別子及び第2の臨時識別子を受信することができる。これはダウンリンク制御信号にチャネル情報の種類を指定するために追加的な臨時識別子を割り当てることである。
【0204】
前記ダウンリンク制御信号のCRC(Cyclic Redundancy Check)が前記第1の臨時識別子でマスキング(masking)される場合、前記ビーム推薦情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれることができる。前記ダウンリンク制御信号のCRCが前記第2の臨時識別子でマスキングされる場合、前記ビーム制限情報は、前記ダウンリンク制御信号に含まれることができる。
【0205】
前記ダウンリンク制御信号は、アップリンク信号に対するスケジューリングフィールドをさらに含むことができる。このとき、基地局が第1の端末にアップリンクスケジューリングを実行しない場合にも、前記アップリンク信号に対するスケジューリングフィールドを含めることができる。前記第1の端末が前記アップリンク信号を送信しない場合、前記アップリンク信号に対するスケジューリングフィールドは、NULLに設定されることができる。前記スケジューリングフィールドがNULLに設定された場合、第1の端末は、ダウンリンク制御信号を介してサイドリンク信号を送信するためのビーム関連情報が伝達されたことを把握することができる。
【0206】
前記サイドリンク信号は、ユニキャストまたはマルチキャスト方式で送信されることができる。端末間ブロードキャストまたはディスカバリ信号は、専用リソースが必要である。しかし、端末間ユニキャスト信号は、端末にトラフィックが発生する時、非周期的に送信されるため、サイドリンクリソースがアップリンクリソースと重なってリソース消費を減らすことができる。
【0207】
図20は、本明細書の実施例が具現化される機器を示したブロック図である。
【0208】
無線装置2000は、プロセッサ2010、メモリ2020、RF(radio frequency)部2030を含むことができる。
【0209】
プロセッサ2010は、前述した機能、手順、方法を具現化するように設定されることができる。ラジオインターフェースプロトコル(radio interface protocol)の層(layer)は、プロセッサにより具現化されることができる。プロセッサ2010は、前述した動作を駆動するための手順を実行することができる。メモリ2020は、動作的にプロセッサ2010に連結され、RF部2050は、プロセッサ2010に動作的に連結される。
【0210】
プロセッサ2010は、ASIC(application-specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路及び/またはデータ処理装置を含むことができる。メモリ2020は、ROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、格納媒体及び/または他の格納装置を含むことができる。RF部2030は、無線信号を処理するためのベースバンド回路を含むことができる。実施例がソフトウェアで具現化される時、前述した技法は、前述した機能を遂行するモジュール(過程、機能など)で具現化されることができる。モジュールは、メモリ2020に格納され、プロセッサ2010により実行されることができる。メモリ2020は、プロセッサ2010の内部または外部にあり、広く知られた多様な手段でプロセッサ2010と連結されることができる。
【0211】
前述した一例に基づいて本明細書による多様な技法が図面と図面符号を介して説明された。説明の便宜のために、各技法は、特定の順序によって多数のステップやブロックを説明したが、このようなステップやブロックの具体的順序は、請求項に記載された発明を制限するものではなく、各ステップやブロックは、異なる順序で具現化され、または異なるステップやブロックと同時に実行されることが可能である。また、通常の技術者であれば、ステップやブロックが限定的に記述されたものではなく、発明の保護範囲に影響を与えない範囲内で少なくとも一つの他のステップが追加または削除されることが可能であるということが分かる。
【0212】
前述した実施例は、多様な一例を含む。通常の技術者であれば、発明の全ての可能な一例の組み合わせが説明されることができないという点が分かる。また、本明細書の技術から多様な組み合わせが派生することができるという点が分かる。したがって、発明の保護範囲は、請求項に記載された範囲を外れない範囲内で、詳細な説明に記載された多様な一例を組み合わせて判断しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20