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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】油圧打撃装置
(51)【国際特許分類】
   B25D 9/26 20060101AFI20220418BHJP
   E21B 1/26 20060101ALI20220418BHJP
【FI】
B25D9/26
E21B1/26
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020501319
(86)(22)【出願日】2017-07-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-15
(86)【国際出願番号】 KR2017007976
(87)【国際公開番号】W WO2019022265
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2020-03-06
(31)【優先権主張番号】10-2017-0093279
(32)【優先日】2017-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512302485
【氏名又は名称】スサン重工業株式会社
【氏名又は名称原語表記】SOOSAN HEAVY INDUSTRIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】#109-2,Yangsan-ri,Yanggam-myeon Hwaseong-si Gyeonggi-do Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カン ヨンキ
(72)【発明者】
【氏名】チョ ジェサン
(72)【発明者】
【氏名】キム テヨン
【審査官】中里 翔平
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-298475(JP,A)
【文献】特開2005-177899(JP,A)
【文献】特開平10-306677(JP,A)
【文献】米国特許第05860481(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25D 9/00-9/26
E21B 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧打撃装置において、
作動油が流入する流入口と、
前記作動油が流出する流出口と、
シリンダー内で昇下降可能に配置されて、ロッドを打撃するピストンと、
前記ピストンの昇下降を制御し、第1供給ラインにより前記流入口に連結され、第1流出ラインにより前記流出口に連結されるピストン制御バルブと、
前記ピストン制御バルブを制御し、第3供給ラインにより前記流入口に連結され、第3流出ラインにより前記流出口に連結され、第3作動ラインにより前記ピストン制御バルブに連結される打撃力調節バルブと、
前記打撃力調節バルブを制御し、第2供給ラインにより前記流入口に連結され、第2流出ラインにより前記流出口に連結され、第4供給ラインにより前記ピストン制御バルブに連結される岩盤強度感知バルブと、
前記ピストンの上部段差部と前記シリンダーの内面との間に形成される空間で、第2作動ラインにより前記岩盤強度感知バルブに連結される上部チャンバーと、
前記ピストンの下部段差部と前記シリンダーの内面との間に形成される空間で、ピストン制御バルブチャンバーに連結される下部チャンバーと、
前記上部段差部と前記下部段差部の間の前記ピストンと、前記シリンダーとの内面の間に形成される空間で、第1短打ラインにより前記打撃力調節バルブを連結し、前記第1短打ラインよりも上部に連結される第1長打ラインにより前記打撃力調節バルブに連結され、メイン流出ラインにより前記流出口に連結される中間チャンバーと、
前記打撃力調節バルブにより前記第1短打ラインに連結可能に前記打撃力調節バルブに連結される第2短打ライン、及び前記打撃力調節バルブにより前記第1長打ラインに連結可能に前記打撃力調節バルブに連結される第2長打ラインのそれぞれの一側に連結されて、前記ピストン制御バルブに他側が連結される第1作動ラインと、を備え、
前記ピストン制御バルブは、
体、
前記本体の内部に形成され、前記第1流出ライン、前記第1作動ライン、前記第4供給ライン、及び前記第3作動ラインに連通する前記ピストン制御バルブチャンバー、
記ピストン制御バルブチャンバーの内部で昇下降可能に配置される昇下降部
前記昇下降部の外側に形成され、前記第4供給ラインと前記第3作動ラインを連通する第1溝
前記昇下降部の外側に形成され、前記第1作動ラインに連通する第3溝、を含み、
記昇下降部の下降位置において、前記第4供給ラインと前記第3作動ラインは前記第1溝により連結し、記昇下降部の上昇位置において、前記第4供給ラインと前記第3作動ラインの連結が遮断され
地盤の強岩を打撃する場合、前記ピストンに伝えられた反発力により、前記上部チャンバー内部の作動油の圧力は高圧で上昇し、前記上部チャンバーに連結される前記第2作動ラインを通じて伝えられた前記作動油の圧力により前記岩盤強度感知バルブは前記流入口に連結する前記第2供給ラインを前記第4供給ラインに連結することにより、前記流入口に供給される作動油を、前記第4供給ラインを通じて前記ピストン制御バルブに供給し、
前記昇下降部が下降位置で、前記第1溝を通じて前記第4供給ラインと前記第3作動ラインが互いに連結されることにより、前記ピストン制御バルブに供給される作動油を、前記第3作動ラインを通じて前記打撃力調節バルブに供給し、
前記打撃力調節バルブは前記供給された作動油により、前記第1短打ラインと前記第2短打ラインの連結を遮断し、前記第1長打ラインを前記第2長打ラインに連結し、前記第3供給ラインを前記第3作動ラインに連結し、
前記第1長打ライン、前記第2長打ライン、前記第1作動ラインを通じて供給された作動油により前記第3溝が加圧されることにより、前記昇下降部が上昇し、
前記昇下降部が上昇することにより、前記ピストン制御バルブチャンバーと前記上部チャンバーが互いに連結され、前記第1供給ラインにより前記ピストン制御バルブに供給される作動油が前記上部チャンバーに供給されることによって、前記ピストンを下降させて前記ロッドを打撃し、
地盤の軟岩を打撃する場合、前記ピストンに伝えられた反発力によって前記上部チャンバー内部の作動油の圧力は、前記強岩に比べて相対的に低圧で上昇し、前記上部チャンバーに連結される前記第2作動ラインを通じて伝えられた前記作動油の圧力によって、前記岩盤強度感知バルブは前記第2供給ラインを前記第4供給ラインに連結しなくなり、
前記第1供給ラインを通じて前記ピストン制御バルブに供給される作動油は、前記下部チャンバーに供給され、前記下部チャンバーに供給される作動油は前記ピストンの下部段差部を加圧して前記ピストンを上昇させ、
前記ピストンの上昇により、前記下部チャンバーと前記第1短打ラインが連結され、前記下部チャンバーの作動油は、前記第1短打ライン、前記第2短打ライン、前記第1作動ラインを通じて前記ピストン制御バルブに伝えられ、前記ピストン制御バルブに伝えられる作動油により前記第3溝が加圧されることで、前記昇下降部が上昇し、
前記昇下降部が上昇することにより、前記ピストン制御バルブチャンバーと前記上部チャンバーは互いに連結され、前記第1供給ラインで前記ピストン制御バルブに供給される作動油が前記上部チャンバーに供給されることにより、前記ピストンを下降させて前記ロッドを打撃することを特徴とする油圧打撃装置。
【請求項2】
前記打撃力調節バルブは、前記打撃力調節バルブを作動させる第1スプールを備え、
前記第1スプールが加圧されて上昇される時、前記第1スプールは、前記第1短打ラインと第2短打ラインの連結を遮断し、前記第1長打ラインと前記第2長打ラインを連結させ、前記第3供給ラインと前記第3作動ラインは連結されることを特徴とする請求項1に記載の油圧打撃装置。
【請求項3】
前記打撃力調節バルブは、前記打撃力調節バルブを作動させる第1スプールを備え、
前記第1スプールは、
前記第1スプールの下面となる第1スプール下部加圧面、
前記第1スプール下部加圧面の上部に形成される第1スプール下部遮断部、
前記第1スプール下部遮断部の上部に形成される第1スプール上部遮断部、
前記第1スプール上部遮断部の上部に形成されて、前記第1スプールの表面となる第1スプール上部加圧面、
前記第1スプール下部加圧面と前記第1スプール下部遮断部との間に形成される第1スプール下部連結部、および
前記第1スプール下部遮断部と第1スプール上部遮断部との間に形成される第1スプール上部連結部を含み、
前記第1スプールが前記打撃力調節バルブ内で前記第1スプール下部加圧面が前記第3作動ラインの方向に位置するように配置される場合、前記第1スプールは第1配置位置にあり、
前記第1スプールが前記第1配置位置にあるように配置されて、前記第1スプールが下降位置にある場合、前記第1短打ラインと前記第2短打ラインは前記第1スプール上部連結部によって連結され、前記第1長打ラインと前記第2長打ラインの連結は前記第1スプール上部遮断部によって遮断され、前記第1スプールが前記第1配置位置にあるように配置され、前記第3作動ラインを通じて作動油が供給されて前記第1スプール下部加圧面が加圧されることによって前記第1スプールが上昇位置にある場合、前記第1短打ラインと前記第2短打ラインの連結は前記第1スプール下部遮断部によって遮断され、前記第1長打ラインと前記第2長打ラインは前記第1スプール上部連結部によって連結されることを特徴とする請求項1に記載の油圧打撃装置。
【請求項4】
前記第1スプールが前記第1配置位置にあるように配置され、前記第1スプールが下降位置にある場合、前記第3供給ラインと前記第3作動ラインの連結は前記第1スプール下部加圧面によって遮断され、
前記第1スプールが前記第1配置位置にあるように配置され、前記第3供給ラインを通じて作動油が供給されて前記第1スプール下部加圧面が加圧されることによって前記第1スプールが上昇位置にある場合、前記第3供給ラインと前記第3作動ラインが連結されることを特徴とする請求項3に記載の油圧打撃装置。
【請求項5】
前記第1スプールが前記打撃力調節バルブ内で前記第1スプール上部加圧面が前記第3作動ラインの方向に位置するように配置される場合、前記第1スプールは第2配置位置にあり、
前記第1スプールが前記第2配置位置にあるように配置され、前記第1スプールが下降位置にある場合、前記第1短打ラインと前記第2短打ラインの連結は前記第1スプール上部遮断部によって遮断され、前記第1長打ラインと前記第2長打ラインの連結は前記第1スプール上部連結部によって連結され、
前記第1スプールが前記第2配置位置にあるように配置され、前記第3作動ラインを通じて作動油が供給されて前記第1スプール上部加圧面が加圧されることによって前記第1スプールが上昇位置にある場合、前記第1短打ラインと前記第2短打ラインの連結は前記第1スプール上部遮断部によって遮断され、前記第1長打ラインと前記第2長打ラインの連結は前記第1スプール上部連結部によって連結されることを特徴とする請求項3に記載の油圧打撃装置。
【請求項6】
前記第1スプール下部加圧面の断面積は前記第1スプール上部加圧面の断面積より大きいことを特徴とする請求項5に記載の油圧打撃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧打撃装置に関し、特に、掘削機などの建設装備に装着されピストンが下降してロッドを打撃することによって、前記ロッドが地盤の岩盤などを破砕する油圧打撃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧打撃装置は、掘削機やローダーなどの建設装備に装着されて岩盤やコンクリートなどを破砕する装備であり、シリンダーの作動時、ピストンが下降して破砕工具であるロッド(rod)を打撃し、前記ロッドが地盤のコンクリートおよび岩盤など、破砕目的物に衝撃力を加えて破砕を達成する。
【0003】
油圧打撃装置は、ピストンの上死点の位置によりロッドに加えられる打撃力を調節することができるし、上記のような打撃力調節は大きく2つの打撃で成り立つことができる。換言すれば、油圧打撃装置の打撃は相対的に高い上死点を持つことによって、ロッドを強く打撃する長打(long-stroke)と、相対的に低い上死点を持つことによってロッドを弱く打撃する短打(short-stroke)に分かれることができる。このような長打は主に強岩からなる地盤を破砕するのに効果的であり、短打は主に軟岩からなる地盤を破砕するのに効果的である。
【0004】
従って、地盤の岩盤の状態により、前述した打撃、すなわち、長打または短打に変換できる油圧打撃装置が開発され、このような油圧打撃装置として、韓国登録特許第10-1072069号(以下、「特許文献1」という)に記載されたものが公開されている。
【0005】
特許文献1のブレーカーは、ブレーカーのシリンダーの外側に配置されるブレーカーの打撃力調節およびアイドルブロー防止用の方向転換部の強打表示部、弱打表示部およびアイドルブロー防止表示部のいずれか1つを選択し回転させる動作によって、これと連設された打撃調節バルブを通じてブレーカーの打撃ロッドをピストンによってアイドルブロー不可や強打、弱打の動作を選択的に実行することができる。
【0006】
しかし、特許文献1のブレーカーは方向転換部を回転させてこそ、打撃力調節バルブがアイドルブロー防止管路または強打転換管路を遮断させることになって強打または弱打 モードを実行することができる。従って、ブレーカーで地盤の岩盤を破砕する作業をする場合、使用者が岩盤の状態を直接把握して方向転換部を回転させてこそ強打または弱打が変換されて実行することができるため、作業の効率が低下され、使用が不便だという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述した問題を解決するためになされたものであり、地盤の岩盤の状態によりピストンとシリンダーの間で上部に備わる上部チャンバーの圧力の大きさを感知して自動的に打撃モードを転換できる油圧打撃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態による油圧打撃装置は、シリンダー内で昇下降可能に配置されるピストンと、前記ピストンと前記シリンダーとの間で上部に備わる上部チャンバーと、前記ピストンと前記シリンダーとの間で下部に備わる下部チャンバーと、を有する油圧打撃装置において、前記ピストンの昇下降を制御するピストン制御バルブと、前記ピストン制御バルブを制御する打撃力調節バルブと、前記打撃力調節バルブを制御する岩盤強度感知バルブと、前記岩盤強度感知バルブと前記ピストン制御バルブを連結する第4供給ラインと、前記打撃力調節バルブと前記ピストン制御バルブを連結する第3作動ラインと、を備え、前記ピストン制御バルブは、本体、前記本体の内部に形成されるピストン制御バルブチャンバー、前記本体と前記ピストン制御バルブチャンバーとの間で昇下降可能に配置される昇下降部、および前記昇下降部に形成される第1溝を含み、前記昇下降部が下降位置にある場合、前記第4供給ラインと前記第3作動ラインは前記第1溝によって連結され、前記昇下降部が上昇位置にある場合、前記第4供給ラインと前記第3作動ラインの連結は遮断され、前記岩盤強度感知バルブが作動して、前記第4供給ラインと前記第3作動ラインが連結されるにつれ作動油が前記第4供給ラインおよび前記第3作動ラインを通じて供給され、前記打撃力調節バルブを作動させることを特徴とする。
【0009】
また、前記ピストンと前記シリンダーとの間において、前記上部チャンバーと前記下部チャンバーとの間に備わる中間チャンバーと、作動油が流入する流入口と前記打撃力調節バルブを連結する第3供給ラインと、前記中間チャンバーと前記打撃力調節バルブを連結する第1短打ラインと、前記第1短打ラインと前記ピストン制御バルブを連結する第2短打ラインと、前記中間チャンバーと前記打撃力調節バルブを連結し、前記中間チャンバーとの連結部分が前記第1短打ラインよりも前記中間チャンバーの上部に位置する第1長打ラインと、前記第1長打ラインと前記ピストン制御バルブを連結する第2長打ラインと、をさらに含み、前記打撃力調節バルブは、前記打撃力調節バルブを作動させる第1スプールを備え、前記第1スプールが加圧されて上昇される時、前記第1スプールは、前記第1短打ラインと第1短打ラインの連結を遮断し、前記第1長打ラインと前記第2長打ラインを連結させ、前記第3供給ラインと前記第3作動ラインは連結されることを特徴とする。
【0010】
また、前記ピストンと前記シリンダーとの間において、前記上部チャンバーと前記下部チャンバーとの間に備わる中間チャンバーと、作動油が流入する流入口と前記打撃力調節バルブを連結する第3供給ラインと、前記中間チャンバーと前記打撃力調節バルブを連結する第1短打ラインと、前記第1短打ラインと前記ピストン制御バルブを連結する第2短打ラインと、前記中間チャンバーと前記打撃力調節バルブを連結し、前記中間チャンバーとの連結部分が前記第1短打ラインよりも前記中間チャンバーの上部に位置する第1長打ラインと、前記第1長打ラインと前記ピストン制御バルブを連結する第2長打ラインと、をさらに含み、前記打撃力調節バルブは、前記打撃力調節バルブを作動させる第1スプールを備え、前記第1スプールは、前記第1スプールの下面となる第1スプール下部加圧面、前記第1スプール下部加圧面の上部に形成される第1スプール下部遮断部、前記第1スプール下部遮断部の上部に形成される第1スプール上部遮断部、前記第1スプール上部遮断部の上部に形成されて、前記第1スプールの表面となる第1スプール上部加圧面、前記第1スプール下部加圧面と前記第1スプール下部遮断部との間に形成される第1スプール下部連結部、および前記第1スプール下部遮断部と第1スプール上部遮断部との間に形成される第1スプール上部連結部を含み、前記第1スプールが前記打撃力調節バルブ内で前記第1スプール下部加圧面が前記第3作動ラインの方向に位置するように配置される場合、前記第1スプールは第1配置位置にあり、前記第1スプールが前記第1配置位置にあるように配置されて、前記第1スプールが下降位置にある場合、前記第1短打ラインと前記第2短打ラインは前記第1スプール上部連結部によって連結され、前記第1長打ラインと前記第2長打ラインの連結は前記第1スプール上部遮断部によって遮断され、前記第1スプールが前記第1配置位置にあるように配置され、前記第3供給ラインを通じて作動油が供給されて前記第1スプール下部加圧面が加圧されることによって前記第1スプールが上昇位置にある場合、前記第1短打ラインと前記第2短打ラインの連結は前記第1スプール下部遮断部によって遮断され、前記第1長打ラインと前記第2短打ラインは前記第1スプール上部連結部によって連結されることを特徴とする。
【0011】
また、前記第1スプールが前記第1配置位置にあるように配置され、前記第1スプールが下降位置にある場合、前記第3供給ラインと前記第3作動油路の連結は前記第1スプール下部加圧面によって遮断され、前記第1スプールが前記第1配置位置にあるように配置され、前記第3供給ラインを通じて作動油が供給されて前記第1スプール下部加圧面が加圧されることによって前記第1スプールが上昇位置にある場合、前記第3供給ラインと前記第3作動油路が連結されることを特徴とする。
【0012】
また、前記第1スプールが前記打撃力調節バルブ内で前記第1スプール上部加圧面が前記第3作動ラインの方向に位置するように配置される場合、前記第1スプールは第2配置位置にあり、前記第1スプールが前記第2配置位置にあるように配置され、前記第1スプールが下降位置にある場合、前記第1短打ラインと前記第2短打ラインの連結は前記第1スプール上部遮断部によって遮断され、前記第1長打ラインと前記第2長打ラインの連結は前記第1スプール上部連結部によって連結され、前記第1スプールが前記第2配置位置にあるように配置され、前記第3供給ラインを通じて作動油が供給されて前記第1スプール上部加圧面が加圧されることによって前記第1スプールが上昇位置にある場合、前記第1短打ラインと前記第2短打ラインの連結は前記第1スプール上部遮断部によって遮断され、前記第1長打ラインと前記第2長打ラインの連結は前記第1スプール上部連結部によって連結されることを特徴とする。
【0013】
また、前記第1スプール下部加圧面の断面積は前記第1スプール上部加圧面の断面積より大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上に説明したような本発明の油圧打撃装置によれば、次のような効果がある。
【0015】
地盤の岩盤の状態により自動的に打撃モードが短打モードまたは長打モードに転換されるし、これによって地盤の破砕を効率的に達成することができる。
【0016】
昇下降部の位置によって第1溝が第4供給ライン714と第3作動ライン723を連結したり遮断したりすることで、短打モードから長打モードに容易に転換することができる。
【0017】
第1スプールが上昇位置まで上昇する場合、第3供給ラインと第3作動ラインが連結されるにつれ昇下降部を中間位置まで容易に上昇させる効果があるだけでなく、第1スプールが上昇位置で十分な時間維持されるようにし、これによって、長打モードでの転換をより一層容易にすることができる。
【0018】
打撃力調節バルブの第1スプールの配置位置を第1配置位置または第2配置位置に選定させることによって、短打モードまたは長打モードへの変換を可能にしたり、長打モードでだけ維持させたりすることができ、これによって、破砕作業地域の岩盤の状態により望む打撃モードで作業を実行できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1a】本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置を示す図である。
図1b図1aのピストン制御バルブの昇下降部が下降位置にある状態を拡大して示す図である。
図1c図1aの打撃力調節バルブの第1スプールが第1配置位置に配置され、下降位置にある状態を拡大して示す図である。
図1d図1aの岩盤強度感知バルブの第2スプールが下降位置にある状態を拡大して示す図である。
図2図1aの油圧打撃装置の状態でピストンが上昇して第1上死点に位置した状態を示す図である。
図3a図2の油圧打撃装置の状態でピストン制御バルブの昇下降部が下降位置にある状態を示す図である。
図3b図3aのピストン制御バルブを拡大して示す図である。
図4図3aの油圧打撃装置の状態でピストンが下降して下死点に位置した状態を示す図である。
図5図4の油圧打撃装置の状態で岩盤強度感知バルブの第2スプールが上昇して上昇位置にある状態を示す図である。
図6図5の油圧打撃装置の状態で岩盤強度感知バルブの第2スプールが下降して下降位置に位置し、打撃力調節バルブの第1スプールが上昇して上昇位置に位置して、第3供給ラインと第3作動ラインが連結された状態を示す図である。
図7a図6の油圧打撃装置の状態でピストンが上昇して第2上死点に位置し、打撃力調節バルブの第1スプールが下降して第3供給ラインと第3作動ラインの連結が遮断された状態を示す図である。
図7b図7aのピストン制御バルブの昇下降部が中間位置にある状態を拡大して示す図である。
図8図7aの状態で打撃力調節バルブの第1スプールが下降して下降位置にある状態を示す図である。
図9図1aの油圧打撃装置の打撃力調節バルブの第1スプールが第2配置位置に配置されたことを拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の説明で言及される打撃力調節バルブ500および岩盤強度感知バルブ600は、図1aなどに油圧打撃装置10のシリンダー100の外部に位置することで示されているが、これは説明の容易さのために図示されたものであり、打撃力調節バルブ500および岩盤強度感知バルブ600がピストン制御バルブ400と同様にシリンダー100の内部に位置するように配置されたことで理解されることができる。
【0021】
以下の説明で言及される第1上死点は、図2に示すように、ピストン200の下部段差部210が第1短打ライン731の上部に位置する時までピストン200が上昇した状態を言い、第2上死点は、図7aに示すように、ピストン200の下部段差部210が第1長打ライン741の上部に位置する時までピストン200が上昇した状態を言う。
【0022】
この場合、第1長打ライン741は中間チャンバー112との連結部分が第1短打ライン731よりも中間チャンバー112の上部に位置するので、第2上死点は第1上死点より高いピストン200の位置を有するようになる。
【0023】
また、下死点は、図4に示すように、ピストン200が下降してピストン200の下面がロッド300の上面につくことによって、ロッド300の上面を打撃する状態を言う。
【0024】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明すれば次のとおりである。
【0025】
図1aは本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置を示す図であり、図1bは図1aのピストン制御バルブの昇下降部が下降位置にある状態を拡大して示す図であり、図1cは図1aの打撃力調節バルブの第1スプールが第1配置位置に配置され、下降位置にある状態を拡大して示す図であり、図1dは図1aの岩盤強度感知バルブの第2スプールが下降位置にある状態を拡大して示す図であり、図2図1aの油圧打撃装置の状態でピストンが上昇して第1上死点に位置した状態を示す図であり、図3aは図2の油圧打撃装置の状態でピストン制御バルブの昇下降部が下降位置にある状態を示す図であり、図3bは図3aのピストン制御バルブを拡大して示す図であり、図4図3aの油圧打撃装置の状態でピストンが下降して下死点に位置した状態を示す図であり、図5図4の油圧打撃装置の状態で岩盤強度感知バルブの第2スプールが上昇して上昇位置にある状態を示す図であり、図6図5の油圧打撃装置の状態で岩盤強度感知バルブの第2スプールが下降して下降位置に位置し、打撃力調節バルブの第1スプールが上昇して上昇位置に位置して、第3供給ラインと第3作動ラインが連結された状態を示す図であり、図7aは図6の油圧打撃装置の状態でピストンが上昇して第2上死点に位置し、打撃力調節バルブの第1スプールが下降して第3供給ラインと第3作動ラインの連結が遮断された状態を示す図であり、図7bは図7aのピストン制御バルブの昇下降部が中間位置にある状態を拡大して示す図であり、図8図7aの状態で打撃力調節バルブの第1スプールが下降して下降位置にある状態を示す図であり、図9図1aの油圧打撃装置の打撃力調節バルブの第1スプールが第2配置位置に配置されたことを拡大して示す図である。
【0026】
図1aから図1dに示すように、本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置10は、作動油が流入する流入口700と、作動油が流出する流出口800と、シリンダー100内で昇下降可能に配置されるピストン200と、ピストン200により打撃されて地盤を破砕するロッド300と、ピストン200とシリンダー100との間で上部に備わる上部チャンバー113と、ピストン200とシリンダー100との間で下部に備わる下部チャンバー111と、ピストン200とシリンダー100との間において上部チャンバー113と下部チャンバー111との間に備わる中間チャンバー112と、ピストン200の昇下降を制御するピストン制御バルブ400と、ピストン制御バルブ400を制御する打撃力調節バルブ500と、打撃力調節バルブ500を制御する岩盤強度感知バルブ600と、流入口700とピストン制御バルブ400を連結する第1供給ライン711と、流入口700と岩盤強度感知バルブ600を連結する第2供給ライン712と、流入口700と岩盤強度感知バルブ600を連結する第3供給ライン713と、岩盤強度感知バルブ600とピストン制御バルブ400を連結する第4供給ライン714と、第2短打ライン732および第2長打ライン742とピストン制御バルブ400を連結することによって、打撃力調節バルブ500とピストン制御バルブ400を連結する第1作動ライン721と、上部チャンバー113と岩盤強度感知バルブ600を連結する第2作動ライン722と、打撃力調節バルブ500とピストン制御バルブ400を連結する第3作動ライン723と、中間チャンバー112と打撃力調節バルブ500を連結する第1短打ライン731と、第1短打ライン731と第1作動ライン721を連結することによって、第1短打ライン731とピストン制御バルブ400を連結する第2短打ライン732と、中間チャンバー112と打撃力調節バルブ500を連結して、中間チャンバー112との連結部分が第1短打ライン731よりも中間チャンバー112の上部に位置する第1長打ライン741と、第1長打ライン741と第1作動ライン721を連結することによって、第1長打ライン741とピストン制御バルブ400を連結する第2長打ライン742と、メイン流出ライン810と打撃力調節バルブ500を連結することによって、流出口800と打撃力調節バルブ500を連結する第1流出ライン811と、メイン流出ライン810と岩盤強度感知バルブ600を連結することによって、流出口800と岩盤強度感知バルブ600を連結する第2流出ライン812と、メイン流出ライン810と打撃力調節バルブ500を連結することによって、流出口800と打撃力調節バルブ500を連結する第3流出ライン813を含んで構成される。
【0027】
流入口700および流出口800
流入口700は、作動油が油圧打撃装置10の内部に供給される時、作動油が流入する通路を言い、流出口800は、作動油が油圧打撃装置10の外部に回収される時、作動油が流出する通路を言う。
【0028】
流入口700はポンプ(図示せず)により作動油が供給される高圧ラインと連結され、流出口800は排水ポンプ(図示せず)により作動油が吸入される低圧ラインと連結されている。
【0029】
また、高圧ラインと低圧ラインは油圧打撃装置10の外部で互いに連結されており、これによって、高圧ラインと低圧ラインおよび油圧打撃装置10は一つの油圧循環回路を形成することになる。
【0030】
従って、ポンプが稼動すると、作動油が高圧ラインおよび流入口700を通じて油圧打撃装置10の内部、すなわち、シリンダー100の内部に流入して供給され、この場合、作動油は高圧状態で供給される。
【0031】
また、高圧状態での作動油は、後述するバルブおよびラインを経て低圧ラインと流出口800を通じて油圧打撃装置10の外部、すなわち、シリンダー100の外部に流出され、この場合、作動油は低圧状態で吸入され流出し回収される。
【0032】
前述したように、図1aなどには流入口700および流出口800がシリンダー100の外部に位置するように図示されているが、これは説明の容易さのためのものであり、流入口700および流出口800はシリンダー100に形成することができる。
【0033】
シリンダー100
以下、シリンダー100に対して説明する。
【0034】
シリンダー100の内部には空洞110が形成され、空洞110にはピストン200が昇下降可能に配置される。
【0035】
空洞110の上部にはガスチャンバー114が形成され、空洞110の下部にはピストン200により打撃されるロッド300が昇下降可能に配置される。
【0036】
シリンダー100には、ピストン制御バルブ400と、岩盤強度感知バルブ600と、打撃力調節バルブ500と、アキュムレーター120とが配置されている。
【0037】
下部チャンバー111は、ピストン200の下部段差部210の下部とシリンダー100の内部、すなわち、空洞110により形成される空間を指す。
【0038】
下部チャンバー111は、高圧の作動油が流入してピストン200を上部へ上昇させる機能を有し、第1供給ライン711およびピストン制御バルブチャンバー420により流入口700と連結される。
【0039】
中間チャンバー112は、下部チャンバー111の上部に位置し、ピストン200の上部段差部220および下部段差部210の間とシリンダー100の内部、すなわち、空洞110により形成される空間を指す。
【0040】
中間チャンバー112は、後述する第1および第2短打ライン731,732、第1および第2長打ライン741,742およびメイン流出ライン810と連結され、これに対する詳細は後述する。
【0041】
上部チャンバー113は、中間チャンバー112の上部に位置し、ピストン200の上部段差部220の上部とシリンダー100の内部、すなわち、空洞110により形成される空間を指す。
【0042】
上部チャンバー113は、高圧の作動油が流入してピストン200を下部へ下降させる機能を有し、第2作動ライン722により岩盤強度感知バルブ600と連結される。
【0043】
ガスチャンバー114は、空洞110の最上部を構成する空間を指し、ガスチャンバー114の内部には窒素ガスが充填されている。
【0044】
ガスチャンバー114の内部に充填された窒素ガスは、上昇されたピストン200がガスチャンバー114の上部につかないようにする緩衝機能を有するとともに、前記窒素ガスのガス圧でピストン200を下部に押し出してピストン200の下降に寄与する機能を有する。
【0045】
アキュムレーター120は、内部に充填された窒素ガスを利用してピストン200が下死点まで下降してロッド300を打撃する時に下部チャンバー111の瞬間的な圧力上昇を緩衝させ、下部チャンバー111の圧力上昇による作動油の抑留を防止する機能を有する。
【0046】
ピストン200
以下、ピストン200に対して説明する。
【0047】
図1aに示すように、ピストン200はシリンダー100の内部に形成された空洞110の内部で昇下降可能に配置され、ピストン200の下部には下部段差部210が形成され、ピストン200の上部には上部段差部220が形成されている。
【0048】
従って、下部チャンバー111に高圧の作動油が供給されると、前記高圧の作動油が下部段差部210を上部に押し出すことによって、ピストン200が上昇する。
【0049】
また、上部チャンバー113に高圧の作動油が供給されると、前記高圧の作動油が上部段差部220を下部に押し出すことによって、ピストン200が下降する。
【0050】
上部チャンバー113に作動油が供給されてピストン200が下降されると、ピストン200はピストン200の下部に位置するロッド300を打撃することになる。
【0051】
上記のように、ピストン200により打撃されたロッド300は下降して地盤を打撃し、これによって、地盤の破砕などを達成することができる。
【0052】
ピストン200の下部段差部210および上部段差部220の直径は空洞110の直径と同じ大きさを有する。
【0053】
また、上部段差部220の油圧面積は下部段差部210の油圧面積より大きく形成される。換言すれば、上部段差部220の幅は下部段差部210の幅より大きく形成され、これによって、前記作動油による油圧面積は上部段差部220が下部段差部210より大きい。
【0054】
従って、上部チャンバー113と下部チャンバー111に高圧の作動油が同時に供給される場合、上部段差部220を下部に押し出す加圧力がもっと大きく作用し、これによって、ピストン200が容易に下降できるようになる。
【0055】
ピストン制御バルブ400
以下、ピストン制御バルブ400に対して説明する。
【0056】
ピストン制御バルブ400は、上部チャンバー113に供給される作動油の供給を選択的に制御することによって、ピストン200の昇下降を制御する機能を有する。
【0057】
ピストン制御バルブ400は、図1aおよび図1bに示すように、第1供給ライン711により流入口700と連結され、第1作動ライン721により第2短打ライン732および第2長打ライン742と連結され、第3作動ライン723により打撃力調節バルブ500と連結され、第4供給ライン714により岩盤強度感知バルブ600と連結され、第1流出ライン811、第1-1流出ライン811a、第1-2流出ライン811bおよび第1-3流出ライン811cにより流出口800と連結される。
【0058】
また、ピストン制御バルブ400は、図1aおよび図1bに示すように、油圧打撃装置10のシリンダー100の内部に配置され、シリンダー100の内部に固定するように配置された本体410と、本体410内部に形成されたピストン制御バルブチャンバー420と、本体410とピストン制御バルブチャンバー420との間で昇下降可能に配置された昇下降部430と、昇下降部430に形成された第1ないし第3溝431,432,433を含んで構成される。
【0059】
本体410は、ピストン制御バルブ400でシリンダー100に固定されるように配置された部分であり、本体410の外面は第4供給ライン714、第1作動ライン721、第3作動ライン723、第1-1流出ライン811a、第1-2流出ライン811b、第1-3流出ライン811cと連結される。
【0060】
また、本体410の上部には昇下降部430の挿入部434が挿入される挿入チャンバー411が形成されている。
【0061】
このような挿入チャンバー411は、挿入部434が挿入チャンバー411の下部に挿入することと同時に、第1-1流出ライン811aと連結される。
【0062】
従って、挿入チャンバー411に流入した作動油は第1-1流出ライン811aを通じてシリンダー100の外部に流出することができる。
【0063】
ピストン制御バルブチャンバー420は、本体410の内部に形成される空間を指し、アキュムレーター120、下部チャンバー111および上部チャンバー113を第1供給ライン711に連結する機能を有する。
【0064】
昇下降部430は、本体410の内面と密着するように配置され、作動油の供給により本体410とピストン制御バルブチャンバー420との間で上、下にスライド可能に配置される。
【0065】
上記のような昇下降部430は、第1作動ライン721に供給される作動油の供給の有無により作動する。
【0066】
もし、昇下降部430が図1bに示すように、下降位置にある場合、すなわち、昇下降部430が本体410の下部に位置する場合、ピストン制御バルブチャンバー420と上部チャンバー113の連結を遮断することになり、これによって、上部チャンバー113への高圧の作動油の供給を遮断することができる。
【0067】
もし、昇下降部430が上昇して図3bに示すように、上昇位置に位置する場合、すなわち、昇下降部430の本体410の上部に位置する場合、ピストン制御バルブチャンバー420と上部チャンバー113が連結さらることになり、これによって、上部チャンバー113への高圧の作動油の供給を達成することができる。
【0068】
昇下降部430には本体410の挿入チャンバー411に挿入される挿入部434と、第1ないし第3溝431,432,433が形成されている。
【0069】
挿入部434は、本体410の挿入チャンバー411に挿入され、昇下降部430が歪まず定位置で昇下降するのに寄与する機能を有する。
【0070】
第1溝431は、昇下降部430が図1bに示すように下降位置にあったり、図7bに示すように中間位置にある時、第4供給ライン714および第3作動ライン723を連結する機能を有する。
【0071】
従って、昇下降部430が下降位置または中間位置にある時、第4供給ライン714に供給された作動油は第1溝431および第3作動ライン723を通じて打撃力調節バルブ500に供給され、打撃力調節バルブ500を作動させることができる。
【0072】
ただ、上記のような第1溝431の構造によって、昇下降部430が図3bに示すように上昇位置にある場合、すなわち、昇下降部430が本体410の上部に位置する場合、第4供給ライン714と第3作動ライン723の連結が遮断され、第3作動ライン723は第1溝431により第1-3流出ライン811cと連結される。
【0073】
従って、第3作動ライン723に残存した作動油は第1-3流出ライン811cを通じてシリンダー100の外部へ容易に流出することができる。
【0074】
換言すれば、第3作動ライン723に残存した作動油は、第1-3流出ライン811c、第1流出ライン811およびメイン流出ライン810を通じて流出口800に流出することによって、油圧打撃装置10の外部へ容易に回収できるようになる。
【0075】
第2溝432は、昇下降部430が下降位置にある場合、第1-2流出ライン811bおよび上部チャンバー113と連結される。
【0076】
従って、昇下降部430が下降位置にある時、上部チャンバー113の内部の作動油は第1-2流出ライン811bを通じてシリンダー100の外部に流出することができ、これによって、ピストン200を容易に上昇させることができる。
【0077】
換言すれば、上部チャンバー113に残存した作動油は、第1-2流出ライン811b、第1流出ライン811およびメイン流出ライン810を通じて流出口800に流出することで、油圧打撃装置10の外部で容易に回収することができ、これによって、ピストン200を容易に上昇させることができる。
【0078】
上昇第3溝433は、第1作動ライン721と連結され、第1作動ライン721に高圧の作動油が供給される時、前記作動油が第3溝433を加圧することで、昇下降部430を上部へ上昇させる機能を有する。
【0079】
従って、第1作動ライン721を通じて作動油が第3溝433の内部に供給されると、昇下降部430が上昇されることで、上部チャンバー113へ作動油を供給することができ、これによって、ピストン200を下降させることができる。
【0080】
打撃力調節バルブ500
以下、打撃力調節バルブ500に対して説明する。
【0081】
打撃力調節バルブ500は、ピストン制御バルブ400が上部チャンバー113へ作動油を供給する時点を制御することによって、ピストン制御バルブ400を制御する機能を有し、打撃力調節バルブ500を作動させる第1スプール510を備えている。
【0082】
打撃力調節バルブ500は、図1aおよび図1cに示すように、第3供給ライン713により流入口700と連結され、第3作動ライン723によりピストン制御バルブ400と連結され、第3流出ライン813およびメイン流出ライン810により流出口800と連結される。
【0083】
この場合、第4供給ライン714が岩盤強度感知バルブ600とピストン制御バルブ400を連結するので、第4供給ライン714と第3作動ライン723により間接的に岩盤強度感知バルブ600と連結される。
【0084】
また、第1短打ライン731により中間チャンバー112と連結され、第2短打ライン732および第1作動ライン721によりピストン制御バルブ400と連結される。
【0085】
また、第1長打ライン741により中間チャンバー112と連結され、第2長打ライン742および第1作動ライン721によりピストン制御バルブ400と連結される。
【0086】
第1スプール510は、図1cに示すように、打撃力調節バルブ500の内部に配置され、第1スプール510の下面である第1スプール下部加圧面511と、第1スプール下部加圧面511の上部に形成される第1スプール下部遮断部512と、第1スプール下部遮断部512の上部に形成される第1スプール上部遮断部513と、第1スプール上部遮断部513の上部に形成され、第1スプール510の上面である第1スプール上部加圧面516と、第1スプール下部加圧面511と第1スプール下部遮断部512との間に形成される第1スプール下部連結部514と、第1スプール下部遮断部512と第1スプール上部遮断部513との間に形成される第1スプール上部連結部515とを含んで構成される。
【0087】
また、第1スプール510は、打撃力調節バルブ500に配置される位置により、第1配置位置または第2配置位置に区分されることができる。
【0088】
第1配置位置は、図1cに示すように、打撃力調節バルブ500内で第1スプール下部加圧面511が第3作動ライン723の方向に位置するように配置されたことを言う。
【0089】
このような第1配置位置の場合、第1スプール上部加圧面516は第1スプリング520に挿入されることになり、第1スプリング520は弾性力で第1スプール上部遮断部513の上面を加圧することになる。
【0090】
また、第1配置位置の場合、第3作動ライン723を通じて供給された作動油は第1スプール下部加圧面511を加圧することになり、これによって、打撃力調節バルブ500が作動する。
【0091】
第2配置位置は、図9に示すように、打撃力調節バルブ500内で第1スプール上部加圧面516が第3作動ライン723の方向に位置するように配置されたことを言う。
【0092】
換言すれば、第2配置位置は第1配置位置の第1スプール510の方向を上、下に反転させて打撃力調節バルブ500内に配置されている。
【0093】
このような第2配置位置の場合、第1スプール下部加圧面511は第1スプリング520の方向に位置することになり、第1スプール下部加圧面511が第1スプリング520を加圧する形態となる。
【0094】
また、第2配置位置の場合、第3作動ライン723を通じて供給された作動油は第1スプール上部加圧面516を加圧することになり、これによって、打撃力調節バルブ500が作動する。
【0095】
第1スプール510は、前述した第1配置位置および第2配置位置によりその機能に差が発生し、以下の説明では第1スプール510が第1配置位置にあることを基準として説明し、第1スプール510が第2配置位置にある場合については別途説明する。
【0096】
第1スプール510が第1配置位置にあるのを前提に、図1cに示すように、第1スプール510が下降位置にある場合、第1短打ライン731と第2短打ライン732は第1スプール上部連結部515により連結され、第1長打ライン741と第2長打ライン742の連結は第1スプール上部遮断部513により遮断され、第3供給ライン713と第3作動ライン723の連結は第1スプール下部加圧面511により遮断される。
【0097】
従って、図1cの状態、すなわち、第1スプール510が第1配置位置にあり、下降位置にある状態ではピストン200が上昇する場合、中間チャンバー112の作動油が第1短打ライン731、第2短打ライン732、第1作動ライン721を通じてピストン制御バルブ400に供給され、ピストン200は第1上死点に位置することになる。
【0098】
上記のように、ピストン200が第1上死点に位置するようにする打撃モード(percussion mode)を短打モード(short-stroke mode)とし、これに対する詳細は後述する。
【0099】
第1スプール510が第1配置位置にあるのを前提に、図6に示すように、第1スプール510が上昇位置にある場合、第1短打ライン731と第2短打ライン732の連結は第1スプール下部連結部514により遮断され、第1長打ライン741と第2長打ライン742は第1スプール上部連結部515により連結され、第3供給ライン713と第3作動ライン723は互いに連結される。
【0100】
従って、図6の状態、すなわち、第1スプール510が第2配置位置にあり、上昇位置にある状態ではピストン200が上昇する場合、中間チャンバー112の作動油が第1長打ライン741、第2長打ライン742、第1作動ライン721を通じてピストン制御バルブ400に供給され、ピストン200は第2上死点に位置することになる。
【0101】
上記のように、ピストン200が第2上死点に位置するようにする打撃モード(percussion mode)を長打モード(long-stroke mode)とし、これに対する詳細は後述する。
【0102】
また、打撃力調節バルブ500は、上記のような第1スプール510の第1配置位置または第2配置位置での配置位置変更を容易にするために、第1スプリング520と第1スプール510が配置される空間を覆うカバー530は着脱可能に構成されることが好ましい。
【0103】
岩盤強度感知バルブ600
以下、岩盤強度感知バルブ600に対して説明する。
【0104】
岩盤強度感知バルブ600は、打撃力調節バルブ500に作動油を供給してその作動を制御することによって、打撃力調節バルブ500を制御する機能を有し、岩盤強度感知バルブ600を作動させる第2スプール610を備えている。
【0105】
岩盤強度感知バルブ600は、図1aおよび図1dに示すように、第2供給ライン712により流入口700と連結され、第4供給ライン714によりピストン制御バルブ400と連結され、第2作動ライン722により上部チャンバー113と連結され、第2流出ライン812およびメイン流出ライン810により流出口800と連結される。
【0106】
この場合、第3作動ライン723が打撃力調節バルブ500とピストン制御バルブ400を連結するので、第4供給ライン714と第3作動ライン723により間接的に打撃力調節バルブ500と連結される。
【0107】
上記のような構成によって、岩盤強度感知バルブ600はロッド300により破砕される地盤の岩盤の強度に従ってその作動が制御され、これに対する詳細は後述する。
第2スプール610は、図1dに示すように、岩盤強度感知バルブ内に配置され、第2スプール610の下面である第2スプール加圧面611と、第2スプール加圧面611の上部に形成される第2スプール遮断部612と、第2スプール加圧面611と第2スプール遮断部612との間に形成される第2スプール連結部613とを含んで構成される。
【0108】
この場合、第2スプール610は、第2スプール加圧面611が第2作動ライン722の方向に位置するように配置される。従って、第2作動ライン722を通じて供給された作動油は第2スプール加圧面611を加圧することになり、これによって、岩盤強度感知バルブ600が作動する。
【0109】
第2スプール610が図1dに示すように下降位置にある場合、第2スプール遮断部612は第2供給ライン712と第4供給ライン714の連結を遮断する。
【0110】
また、図5に示すように、作動油が第2作動ライン722を通じて供給され第2スプール610の第2スプール加圧面611を加圧することによって、第2スプール610が上昇位置にある場合、第2スプール連結部613は第2供給ライン712と第4供給ライン714を連結する。
【0111】
本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置10の地盤破砕動作
以下、前述した構成を有する本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置10の地盤破砕動作について説明する。
【0112】
本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置10は、ロッド300で破砕する地盤の岩盤強度に応じて油圧打撃装置10のバルブおよびラインを流動する作動油によって自動的に打撃モードを切り替えることができる。
【0113】
従って、従来の油圧打撃装置とは異なって、使用者が一々地盤の岩盤の状態を把握して打撃モードを切り替える必要がない。
【0114】
詳細に説明すると、油圧打撃装置10の岩盤の強度が弱い軟岩が主である地盤を打撃する場合、岩盤強度感知バルブ600は作動しないことになり、これによって、図2に示すように、ピストン200が第1上死点まで上昇することになる短打モードを維持して地盤の破砕を実行する。
【0115】
第1上死点は、図2に示すように、ピストン200の下部段差部210が第1短打ライン731の上部に位置する時までピストン200が上昇した状態を言う。
【0116】
逆に、油圧打撃装置10は岩盤の強度が強い強岩が主である地盤を打撃する場合、岩盤強度感知バルブ600が作動し、これによって、図7aに示すように、ピストン200が第2上死点まで上昇することになる長打モードに変換されて地盤の破砕を実行する。
【0117】
前述した長打モードの場合、ピストン200が第2上死点まで上昇した後にロッド300を打撃することになるので、短打モードよりもロッド300に加えられる打撃力(または、衝撃力)が強い。これは、第2上死点の高さが第1上死点の高さより高いからである。
【0118】
従って、ロッド300が地盤を破砕する打撃力はまた強くなり、これによって、強岩の破砕に非常に効果的である。
【0119】
短打モードによる地盤破砕
以下、本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置10が軟岩を主とする地盤を打撃する時に実行される短打モードによる地盤破砕について詳細に説明する。
【0120】
本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置10の短打モードによる地盤破砕は図1a、図2図3a、図4の順で行う。
【0121】
先に、地盤の軟岩を破砕するために油圧打撃装置10のロッド300を地盤につくように位置させ、地盤を破砕する準備をさせる。
【0122】
その後、図1aに図示された油圧打撃装置10の状態で、高圧ラインから高圧の作動油が供給され、流入口700を通じて油圧打撃装置10の内部に流入すると、高圧の作動油は第1ないし第3供給ライン713へ流動する。
【0123】
この場合、第2供給ライン712は、岩盤強度感知バルブ600の第2スプール610の第2スプール遮断部612により閉鎖されるので、第2供給ライン712の作動油は第4供給ライン714へ流動されない。
【0124】
また、第3供給ライン713は、打撃力調節バルブ500の第1スプール510の第1スプール下部遮断部512により閉鎖されるので、第3供給ライン713の作動油は第3作動ライン723へ流動されない。
【0125】
逆に、第1供給ライン711を通じて流動される作動油はピストン制御バルブ400およびシリンダー100の内部を通じて流動し下部チャンバー111に供給される。
【0126】
下部チャンバー111に供給されて流入した高圧の作動油はピストン200の下部段差部210の下面を押し上げることになり、これによって、図2に示すように、ピストン200は第1上死点まで上昇する。
【0127】
上記のようなピストン200が上昇する場合、上部チャンバー113に残存した作動油はピストン制御バルブ400の第2溝432および第1-2流出ライン811bを通じて第1流出ライン811に流動され、第1流出ライン811へ流動した作動油はメイン流出ライン810および流出口800を通じて油圧打撃装置10の外部に流出して回収される。
【0128】
従って、上部チャンバー113の内部圧力は減ることになり、これによって、ピストン200を容易に上昇させることができる。
【0129】
ピストン200が第1上死点まで上昇されるにつれ、下部チャンバー111と第1短打ライン731は連結され、これによって、下部チャンバー111の高圧の作動油は第1短打ライン731、第2短打ライン732、第1作動ライン721を通じてピストン制御バルブ400へ流動する。
【0130】
第1作動ライン721を通じてピストン制御バルブ400に流動された高圧の作動油はピストン制御バルブ400の昇下降部430に形成された第3溝433を加圧し、これによって、図3aおよび図3bに示すように、昇下降部430は上昇して上昇位置に到達する。
【0131】
昇下降部430が上昇されるにつれ、ピストン制御バルブチャンバー420と上部チャンバー113は連結され、これによって、ピストン制御バルブチャンバー420に供給された高圧の作動油は上部チャンバー113で流動することになる。
【0132】
上部チャンバー113に供給されて流入した高圧の作動油は、ピストン200の上部段差部220の上面を押し下げることによって、図4に示すように、ピストン200は下死点まで下降することになる。
【0133】
上記のようにピストン200が下降する場合、下部チャンバー111に残存した作動油はメイン流出ライン810および流出口800を通じて油圧打撃装置10の外部に流出し回収される。
【0134】
従って、下部チャンバー111の内部圧力が減ることによって、ピストン200は容易に下降することができる。
【0135】
ピストン200が下死点まで下降するのにつれ、ピストン200の下面がロッド300の上面を打撃することになり、打撃されたロッド300はその衝撃によって下降し地盤の軟岩を破砕して軟岩の破砕が達成される。
【0136】
ロッド300が軟岩を破砕することになると、ピストン200には反発力が伝えられる。この場合、軟岩は弱い強度を有するので、ピストン200に伝えられた反発力は相対的に不備であり、これによって、上部チャンバー113の内部の作動油の圧力は不備に上昇する。
【0137】
従って、上部チャンバー113と連結される第2作動ライン722の内部の作動油の圧力もまた、岩盤強度感知バルブ600の第2スプール610を上昇させるのには不足し、これによって、岩盤強度感知バルブ600の第2スプール610は上昇せず、図1dに示すように、下降位置に位置したまま維持される。
【0138】
また、ピストン200が下死点に位置すると、メイン流出ライン810、中間チャンバー112および第1短打ライン731が連結されるので、第1作動ライン721を通じて供給されて第3溝433を押し出すことによって、昇下降部430を上昇させた作動油はメイン流出ライン810および流出口800を通じて流出し、これによって、図4に示すように、ピストン制御バルブ400の昇下降部430は再び下降されて下降位置に復帰する。
【0139】
上記のように、ピストン200が下死点に位置してロッド300を打撃すると、ピストン200は再び図1aの位置に戻り、前述した順序を繰り返すことによって、ピストン200の短打モードによる地盤破砕を繰り返すことができる。
【0140】
換言すれば、本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置10は図1aから図4の状態を繰り返すことによって、油圧打撃装置10の短打モードを実行することになる。
【0141】
長打モードによる地盤破砕
以下、本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置10が強岩を主とする地盤を打撃する時に実行される強打モードによる地盤破砕について詳細に説明する。
【0142】
本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置10の強打モードによる地盤破砕は、図1a、図2図3a、図5図6図7a、図8の順で行う。
【0143】
油圧打撃装置10の強打モードは短打モードの図4の状態から始まる。従って、図1ないし図4に示されたピストン200の上昇などの動作は前述した短打モードの動作と同様であり、これに対する説明は省略する。
【0144】
油圧打撃装置10は、前述した短打モードで説明した図4の状態を経た後、ピストン200が完全に下降して下死点に位置することによって、ピストン200の下面はロッド300の上面を打撃することになる。従って、打撃されたロッド300は下降して地盤の強岩を打撃することによって、強岩の破砕が達成される。
【0145】
ロッド300が強岩を破砕すると、ピストン200に反発力が伝えられる。この場合、強岩は強い強度を有するので、ピストン200に伝えられた反発力は非常に大きくて、上部チャンバー113の内部の作動油の圧力は瞬間的に高圧で上昇することになる。
【0146】
従って、上部チャンバー113と連結される第2作動ライン722の内部の作動油の圧力は岩盤強度感知バルブ600の第2スプール610を上昇させるのに充分であり、これによって、第2作動ライン722で流動された作動油は第2スプール610の第2スプール加圧面611を加圧する。
【0147】
従って、図5に示すように、第2スプール610は上昇して上昇位置に位置することになる。
【0148】
第2スプール610が上昇位置に位置するのにつれ、第2供給ライン712と第4供給ライン714が連結され、これによって、流入口700で供給された高圧の作動油は第2供給ライン712および第4供給ライン714を通じてピストン制御バルブ400に供給される。
【0149】
この場合、ピストン制御バルブ400の昇下降部430は下降位置にあるので、第4供給ライン714と第3作動ライン723は昇下降部430の第1溝431により連結される(図1b参照) 。
【0150】
従って、第4供給ライン714に流動した作動油は、第1溝431を通じて第3作動ライン723へ流動して打撃力調節バルブ500の第1スプール510の第1スプール下部加圧面511を加圧する。
【0151】
第1スプール下部加圧面511が加圧されるにつれ、第1スプール510は図6に示すように上昇して上昇位置に位置することになる。
【0152】
従って、前述した通り、第1短打ライン731と第2短打ライン732の連結は第1スプール下部遮断部512により遮断され、第1長打ライン741と第2長打ライン742は第1スプール上部連結部515により連結され、第3供給ライン713と第3作動ライン723が連結される。
【0153】
この場合、岩盤強度感知バルブ600の第2スプール610は下降位置に位置することになる。
【0154】
これは、第2作動ライン722に流動した上部チャンバー113の作動油は上部チャンバー113の内部の瞬間的な圧力上昇により流動するので、これ以上第2スプール加圧面611を加圧できないからである。従って、図6に示すように、岩盤強度感知バルブ600の第2スプール610は下降して下降位置に位置することになる。
【0155】
上記のように、第1短打ライン731と第2短打ライン732の連結が遮断される一方、第1長打ライン741と第2長打ライン742が連結されるにつれ、油圧打撃装置10の短打モードが長打モードに変換される。
【0156】
従って、下部チャンバー111に高圧の作動油が供給されると、図7aに示すように、ピストン200が第2上死点まで上昇される。
【0157】
これは、第1短打ライン731と第2短打ライン732の連結が遮断されたので、下部チャンバー111に供給される作動油は第1長打ライン741が形成された位置まで流入するからである。
【0158】
上記のように、ピストン200が第2上死点まで上昇する途中、ピストン制御バルブ400の昇下降部430は図7bに示すように中間位置まで上昇する。
【0159】
これは、図6の状態で第4供給ライン714に供給された作動油が第1溝431を押し上げることによって、昇下降部430が少し上昇するからである。
【0160】
もちろん、前述した通り、昇下降部430が中間位置に位置する場合にも第1溝431は第4供給ライン714と第3作動ライン723を連結させる。
【0161】
ただし、岩盤強度感知バルブ600の第2スプール610が下降位置にあるにつれ、第4供給ライン714での作動油の供給が中断されるため、打撃力調節バルブ500の第1スプール510は図7aに示すように多少下降することになり、これによって、第3供給ライン713と第3作動ライン723の連結は第1スプール下部加圧面511により遮断される。
【0162】
ピストン200が上昇して第2上死点に到達すると、下部チャンバー111の作動油は第1長打ライン741、第2長打ライン742および第1作動ライン721を通じてピストン制御バルブ400へ流動する。
【0163】
従って、第1作動ライン721に流動した作動油は第3溝433を押し出して昇下降部430を上昇させ、これによって、昇下降部430は上昇位置に位置することになる。
【0164】
従って、ピストン制御バルブチャンバー420と上部チャンバー113は連結され、高圧の作動油が上部チャンバー113に供給され、図5に示すように、ピストン200が下死点まで下降してロッド300を打撃することができる。
【0165】
上記のように、ピストン200が下死点まで下降してピストン200の下面がロッド300の表面を打撃すると、ピストン200は再び反発力を受け、前述した順序を繰り返すことによって、長打モードによる油圧打撃装置10の破砕を繰り返すことができる。
【0166】
換言すれば、本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置10は、図1aから図4図5から図8の状態を順に実行した後、図5から図8の状態を順に繰り返すことによって、油圧打撃装置10の長打モードを実行することになる。
【0167】
前述した本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置10は従来の油圧打撃装置とは異なり、岩盤の状態に応じて自動的に打撃モードを変換することで、地盤の破砕を効率的に達成することができる。
【0168】
また、岩盤強度感知バルブ600が作動して打撃力調節バルブ500を作動させる時、昇下降部430が下降位置および中間位置にある場合、第1溝431が第4供給ライン714と第3作動ライン723を連結させ、昇下降部430が上昇位置にある場合、第1溝431が第4供給ライン714と第3作動ライン723の連結を遮断することによって、短打モードから長打モードへの転換を容易にすることができる。
【0169】
詳細に説明すると、岩盤強度感知バルブ600が作動する場合、すなわち、第2スプール610が上昇位置に位置すると、高圧の作動油が第4供給ライン714を通じてピストン制御バルブ400に供給される。
【0170】
この場合、昇下降部430が下降位置にある状態で高圧の作動油が供給され、このような高圧の作動油は第1溝431と連結された第3作動ライン723を通じて流動し第1スプール510を加圧することによって、打撃力調節バルブ500を作動させる。
【0171】
第1スプール510が加圧されて上昇することによって、第1スプール510が上昇位置に位置すると、第3供給ライン713と第3作動ライン723が連結され、第2スプール610は下降して下降位置に位置するため、高圧の作動油は第4供給ライン714、第1溝431、第3作動ライン723、第3供給ライン713、第2供給ライン712、第1供給ライン711、ピストン制御バルブ チャンバー420に閉じ込められる。
【0172】
換言すれば、前記第4供給ライン714等が一瞬閉鎖回路を形成し、これによって、作動油は第1溝431を押し出して昇下降部430が中間位置に上昇される。
【0173】
昇下降部430が中間位置に上昇するのにつれ、第1溝431が第4供給ライン714と第3作動ライン723の連結を遮断するため、第1スプール510は再び下降する。
【0174】
また、この場合、第1長打ライン741および第2長打ライン742を通じて供給された作動油は、第1作動ライン721を通じて第3溝433に供給されピストン制御バルブ400の昇下降部430を完全に上昇させることによって、上部チャンバー113へ作動油を供給する。
【0175】
前述した通り、短打モードから長打モードへの転換は岩盤強度感知バルブ600の第2スプール610の位置と、ピストン制御バルブ400の昇下降部430の位置と、打撃力調節バルブ500の第1スプール510の位置それぞれがどこに位置するかによる。
【0176】
換言すれば、岩盤強度感知バルブ600の作動(すなわち、第2スプール610が上昇)により打撃力調節バルブ500が作動し、打撃力調節バルブ500の作動(すなわち、第1スプール510が上昇)により第1および第2長打ライン741,742が連結され、ピストン制御バルブ400の昇下降部430が中間位置で上昇するにつれ、打撃力調節バルブ500の作動が中断(すなわち、第1スプール510が下降)され、ピストン200が第2上死点に到達するのにつれ第1および第2長打ライン741,742を通じて作動油が供給され、昇下降部430が完全に上昇されてピストン200が再び下降する。
【0177】
従って、長打モードへの転換については、ピストン制御バルブ400、打撃力調節バルブ500、岩盤強度感知バルブ600の有機的な作動が重要であり、前述した昇下降部430の位置による第4供給ライン714および第3作動ライン723の連結の有無はこのような有機的な作動を容易にする効果がある。
【0178】
また、打撃力調節バルブ500の第1スプール510が上昇位置まで上昇する場合、第3供給ライン713および第3作動ライン723が連結されるにつれ、作動油は昇下降部430を中間位置まで容易に上昇させる効果を有するだけでなく、第1スプール510が上昇位置で十分な時間維持されるように寄与することによって、長打モードへの転換をより容易にする効果がある。
【0179】
油圧打撃装置10の無段階の挙動
前述した本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置10は短打モードと長打モードの間の打撃モードを有することができる。
【0180】
例えば、ピストン200に伝えられる反発力が岩盤強度感知バルブ600の第2スプール610を上昇位置よりも低く上昇させるほどの力である場合、第4供給ライン714と第3作動ライン723を通じて流動する作動油の量が前述した場合よりも相対的に少なく流動することになる。従って、相対的に少ない量の作動油によって打撃力調節バルブ500の第1スプール510は短い時間の間だけ上昇することになる。
【0181】
従って、ピストン200が第1上死点と第2上死点の間の上死点を有する程に上昇する時、作動油は第1および第2短打ライン731,732と第1作動ライン721を通じてピストン制御バルブ400に流入し昇下降部430を上昇させることによって、ピストン制御バルブチャンバー420と上部チャンバー113を連結させる。
【0182】
ピストン制御バルブチャンバー420と上部チャンバー113が連結されるにつれ、高圧の作動油が上部チャンバー113に供給され、ピストン200が下死点まで下降してロッド300を打撃する。
前述した通り、打撃力調節バルブ500の第1スプール510が上昇する時間に応じてピストン200の上死点は第1上死点の高さより高いが、第2上死点の高さより低く位置することができる。
【0183】
換言すれば、岩盤の状態によりピストン200に伝えられる反発力が岩盤強度感知バルブ600の第2スプール610を上昇させるほどの力だけを有すると、前記反発力の大きさに従って前述した短打モードの第1上死点(図2の状態)と、前述した長打モードの第2上死点(図7aの状態)の範囲内でピストン200の上死点が位置することができる。
【0184】
従って、ピストン200の上死点の位置が図2の状態と図7aの状態の範囲内に位置することができ、これによって、油圧打撃装置10の打撃は岩盤状態による連続的な挙動、すなわち、段階的挙動でない無段階の挙動となることができる。
【0185】
前述した無段階の挙動によって、本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置10は、地盤を破砕する時、破砕する岩盤の状態が変化し続けてもこれに合わせて自動的にピストン200の上死点の位置を変えることができる。
【0186】
従って、岩盤の強度に従って、前述した短打モード、長打モードまたは短打モードと長打モードの間の打撃モード(「第1上死点<上死点<第2上死点」の条件を満たすモード)へ即刻に変換されることができ、これによって油圧打撃装置10の破砕効率を向上するという効果がある。
【0187】
打撃力調節バルブ500の第1スプール510の第2配置位置による油圧打撃装置10の作動
以下、打撃力調節バルブ500の第1スプール510が第2配置位置に位置するように配置される場合、油圧打撃装置10の作動について説明する。
前述した通り、第1スプール510は、その配置位置により第1配置位置と第2配置位置に区分され、このような第2配置位置の第1スプール510は図9に示されている。
【0188】
図9に示すように、第2配置位置を有する第1スプール510は、打撃力調節バルブ500の内部で第1スプール上部加圧面516が第3作動ライン723の方向に位置し、第1スプール下部加圧面511が第1スプリング520と当接する形態を有する。
【0189】
従って、油圧打撃装置10が軟岩を主とする地盤を破砕することによって、岩盤強度感知バルブ600が作動しなくなり、第1スプール510が下降位置にある場合、第1短打ライン731と第2短打ライン732の連結は第1スプール上部遮断部513により遮断され、第1長打ライン741と第2長打ライン742の連結は第1スプール上部連結部515により連結される。
【0190】
また、油圧打撃装置10が強岩を主とする地盤を破砕することによって、岩盤強度感知バルブ600が作動し第1スプール510が上昇位置にある場合にも、第1短打ライン731と第2短打ライン732の連結は第1スプール上部遮断部513により遮断され、第1長打ライン741と第2長打ライン742の連結は第1スプール上部連結部515により連結される。
【0191】
上記のように、第1スプール510が上昇位置にある場合にも第1および2長打ライン741,742だけが連結される理由は、第1スプール下部加圧面511の断面積が第1スプール上部加圧面516の断面積よりも大きいためである。
【0192】
詳細に説明すると、第1スプール下部加圧面511の断面積は第1スプール上部加圧面516の断面積より大きいので、第3作動ライン723を通じて供給された作動油が第1スプール上部加圧面516を加圧することになっても、第1スプール510は高く上昇されない。
【0193】
従って、第1スプール510が上昇位置にあっても、第1長打ライン741と第2長打ライン742は第1スプール上部連結部515により連結されたまま維持され、第1短打ライン731と第2短打ライン732の連結は第1スプール上部遮断部513により遮断されたまま維持される。
【0194】
上記のように、第1スプール510が打撃力調節バルブ500内で第2配置位置にある場合、岩盤強度感知バルブ600の作動の有無に関係なく第1長打ライン741と第2長打ライン742が連結されることによって、油圧打撃装置10は常に長打モードを維持する。従って、地盤の岩盤の強度と関係なくピストン200は第2上死点まで上昇する。
【0195】
このように、本発明の好ましい実施形態による油圧打撃装置10は打撃力調節バルブ500の第1スプール510を第1配置位置および第2配置位置の中のどの配置位置に配置するかにより、短打モードまたは長打モードに変換させたり、長打モードだけを維持するように選択できる効果がある。
【0196】
換言すれば、地盤の岩盤の軟岩と強岩が混在されている地域では、第1スプール510を第1配置位置に配置することによって、地盤の岩盤の状態に従って短打モードまたは長打モードを自動的に変換可能になり、これによって、地盤を効率的に破砕させることができる。
【0197】
また、地盤の岩盤の強岩を主とする地域では、第1スプール510を第2配置位置に配置することによって、常に長打モードを維持して地盤を早く破砕することができる。
以上のように、油圧打撃装置10の使用者は破砕作業を実行する地域の特性に従って第1スプール510の配置位置を簡単に変えて配置することによって、作業の効率性を高めることができる。
【0198】
また、前述した通り、第1スプリング520と第1スプール510が配置される空間を覆うカバー530が着脱式に構成されることによって、第1スプール510の第1配置位置または第2配置位置への配置位置変更を容易にすることができるという効果がある。
【0199】
前述した通り、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の構想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正または変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0200】
10: 油圧打撃装置
100: シリンダー
110: 空洞
111: 下部チャンバー
112: 中間チャンバー
113: 上部チャンバー
114: ガスチャンバー
120: アキュムレーター
200: ピストン
210: 下部段差部
220: 上部段差部
300: ロッド
400: ピストン制御バルブ
410: 本体
411: 挿入チャンバー
420: ピストン制御バルブチャンバー
430: 昇下降部
431: 第1溝
432: 第2溝
433: 第3溝
434: 挿入部
500: 打撃力調節バルブ
510: 第1スプール
511: 第1スプール下部加圧面
512: 第1スプール下部遮断部
513: 第1スプール上部遮断部
514: 第1スプール下部連結部
515: 第1スプール上部連結部
516: 第1スプール上部加圧面
520: 第1スプリング
530: カバー
600: 岩盤強度感知バルブ
610: 第2スプール
611: 第2スプール加圧面
612: 第2スプール遮断部
613: 第2スプール連結部
700: 流入口
711: 第1供給ライン
712: 第2供給ライン
713: 第3供給ライン
714: 第4供給ライン
721: 第1作動ライン
722: 第2作動ライン
723: 第3作動ライン
731: 第1短打ライン
732: 第2短打ライン
741: 第1長打ライン
742: 第2長打ライン
800: 流出口
810: メイン流出ライン
811: 第1流出ライン
811a: 第1-1流出ライン
811b: 第1-2流出ライン
811c: 第1-3流出ライン
812: 第2流出ライン
813: 第3流出ライン
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9