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特許7059371公共地及び私有地における駐車に関する動力車両のための駐車支援
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  • 特許-公共地及び私有地における駐車に関する動力車両のための駐車支援 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】公共地及び私有地における駐車に関する動力車両のための駐車支援
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20220418BHJP
   B60W 30/06 20060101ALI20220418BHJP
【FI】
G08G1/16 D
B60W30/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020524452
(86)(22)【出願日】2018-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2018079229
(87)【国際公開番号】W WO2019086315
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-06-23
(31)【優先権主張番号】102017125710.1
(32)【優先日】2017-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】ディミトリオス、ツェンペツィス
(72)【発明者】
【氏名】マルクス、ハイムベルガー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファニー、プリンツハウゼン
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102013015348(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102012112802(DE,A1)
【文献】特表2013-530867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30、30/00-60/00
G01C 21/00-21/36、23/00-25/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力車両(1)の駐車支援装置(2)を運転する方法であって:
a) 前記動力車両(1)のドライバーによって制御される駐車の場合に、前記駐車支援装置(2)の演算ユニット(3)によって、前記動力車両(1)の初期位置(5)と駐車される位置(6)との間の駐車軌道(4)を学習し;
b) 学習された前記駐車軌道(4)が少なくとも1つのそれぞれのセクション(13、14)において公共地(11)又は私有地(12)を通るかどうかをチェックし;
c) 私有地(12)を通るチェックされた前記駐車軌道(4)のセクション(14)のみにおいて前記駐車軌道(4)に沿った前記動力車両(1)の無人駐車、
という方法ステップを含み、
前記駐車される位置(6)は私有地に位置する、方法。
【請求項2】
ナビゲーションユニット(7)の地図情報に基づく及び/又は周辺センサーユニット(9)の周辺情報、特にカメラユニットのカメラ情報及び/又は位置検知ユニット(8)の位置情報及び/又は入力ユニットのユーザ入力、に基づく前記チェックの間、前記駐車軌道(4)が前記それぞれのセクション(13、14)において公共地又は私有地(11、12)を通るかどうかが検知されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チェックの間、前記演算ユニット(3)は、前記周辺情報から前記それぞれのセクション(13、14)に関する交通量を決めて、前記交通量が所定の制限的な交通量よりも大きい場合にはセクション(13、14)が公共地(11)を通るものとして検知されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記駐車軌道(4)を学習するプロセスの間、前記駐車軌道(4)の前記それぞれのセクション(13、14)における前記交通量が決められ、前記制限的な交通量は、前記駐車軌道(4)を学習するプロセスの間に検知された前記交通量に応じて予め定められることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ドライバーによって監視される部分的に自律的な駐車が、公共地(11)を通るチェックされた前記駐車軌道(4)のセクション(13)において実行されることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記チェックは前記駐車軌道(4)を学習するプロセスの間に実行され、特に、現在それにそって走行されている前記駐車軌道(4)のそのセクション(13、14)が公共地又は私有地(11、12)を通るかどうかが、前記ドライバーに知らされることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記無人駐車の間、前記ドライバーは前記動力車両(1)にいないことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ドライバーは前記無人駐車を中断でき、特に中断が発生した場合、前記駐車軌道(4)における前記動力車両(1)の現在位置が、前記駐車軌道(4)の新たな最終位置(5’)として保存されることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記公共地(11)は公道、特に道及び/又は駐車場を含み、特に前記私有地(12)は私道を含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
動力車両(1)のための駐車支援装置(2)であって、
- 前記動力車両(1)のドライバーによって制御される駐車のケースにおいて、前記動力車両(1)の初期位置(5)と駐車される位置(6)との間の駐車軌道(4)を学習するための演算ユニット(3)を有し、
前記演算ユニット(3)は、トレーニングされた前記駐車軌道(4)がそれぞれのセクション(13、14)において公共地(11)又は私有地(12)を通るかどうかをチェックするように、及び私有地(12)を通るチェックされた前記駐車軌道(4)のセクション(14)においてのみ前記駐車軌道(4)に沿った前記動力車両(1)の無人駐車を可能にするように、設計されることを特徴とする駐車支援装置(2)。
【請求項11】
請求項10に記載の駐車支援装置(2)を備える動力車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、動力車両の駐車支援装置を運転するための方法に関する。発明はまた、動力車両のドライバーによって制御される駐車の場合に、動力車両の初期位置と駐車位置との間の駐車軌道を学習するための演算ユニットを有する、動力車両のための駐車支援装置に関する。
【発明の概要】
【0002】
動力車両の駐車を支援するための、すなわち部分的に又は完全に自動化されたやり方で駐車を実行するための、多数の駐車支援装置がすでに存在している。動力車両が駐車プロセス中にそれに沿って移動される軌道を保存し、後で部分的に自動で又は完全に自動で駐車するために前記軌道を使用する駐車支援装置がすでに存在する。これに関連して、それぞれの駐車軌道が学習されている場合に、動力車両のセンサーユニットからの異なるセンサー情報項目が、例えばランドマークと呼ばれるものの形での周辺に関する情報を得るために、及び、例えばランドマークであるこの情報に従ってそれら自体を正しい方向に置くために、典型的には使用される。
【0003】
したがって、ランドマークなどの周辺の情報は、駐車軌道に沿った後の自動走行中に使用され、保存又は学習された駐車軌道に対する動力車両の現在位置を決定し、したがってそれが駐車軌道を辿って最終的に所望の駐車位置に到達するように動力車両をどのように制御する必要があるかを決定する。これに関連して、保存された軌道上に対応して存在する障害が、その方法を中止又は一時停止させうる。さらに、動力車両が障害物の周りを走行する影響に対して軌道が適合されることもできる。逆に、これに関連して、学習された駐車軌道は、また、駐車位置から、駐車支援装置によって支援された駐車が開始した最初の位置に、実行されることもできる。
【0004】
したがって、全体として、例えば、ドライバーが動力車両から降りて、以前に学習した駐車軌道に沿って、例えばドライバーの私有地でこの駐車スペースを自動的に想定し、その後ドライバーが車両に再度乗り込むことができる最初の位置に、トレーニングされた駐車軌道に沿って逆に、必要に応じて駐車スペースから再び出ることを保証することができる。これに関連して、初期位置と駐車位置との間の学習された駐車軌道は、例えば運転の形で駐車軌道上で動力車両の向きを変えるために、元の駐車軌道からのある領域で初期位置から駐車位置まで逸脱する同等の代替軌道を含むこともでき、それによって、部分的に自動化された又は完全に自動化された駐車スペースの外への移動プロセスの後、駐車時とは反対の向きで、動力車両が元の駐車軌道上の初期位置又は別の位置にその後到達する。
【0005】
例えば、これに関連して、DE 10 2008 027 692 A1は、駐車プロセス中に車両のドライバーを支援する方法を開示し、当該駐車プロセスの間、ドライバーが車両を離れた後、前記車両は、適切な駐車エリアを自動的に検索してそこに駐車し、及び/又は、ドライバーが車両を必要とする場合、前記車両は自動的に駐車スペースから出て行き、特定の場所でドライバーを自動的に迎えに行く。
【0006】
DE 10 2016 001 264 A1は、限られたエリアで車両を自動的に運転する方法を開示し、その方法では車両に搭載され自動運転に使用される制御ユニットが車両インターフェースを介して外部制御装置によって制御される。これに関連して、自律駆動に使用される車載制御ユニットは、ローカルインフラストラクチャユニットとして具体化された外部制御装置によって指定された制限されたエリアに車両が位置しているかどうかを、チェックする。指定された限られたエリアで車両の位置が検知された後、自律運転プロセスを制御するために、ローカルインフラストラクチャ制御ユニットへの無線接続が、車両のリモート制御インターフェースを介して車載制御ユニットによって確立され、車両はローカルインフラストラクチャ制御ユニットによって遠隔制御される。
【0007】
したがって、駐車支援装置によって支援又は実行される、駐車プロセス、駐車スペースに出入りするプロセスの間、安全性を高めるという目的が生じる。
【0008】
この目的は、独立特許請求項の主題によって達成される。有利な実施形態は、従属特許請求項、説明、及び図において理解されることができる。
【0009】
発明は、一連の方法ステップを有する動力車両の駐車支援装置を運転する方法に関する。1つの方法ステップは、ここでは、動力車両のドライバーによって制御される駐車の場合に、駐車支援装置のコンピュータユニットによって、車両の初期位置と駐車位置との間の駐車軌道を学習することである。ここでの駐車は、駐車スペース内に移動する及び/又は駐車スペースから出ることを含むことができる。例えば、初期位置は、例えばドライバーが駐車軌道を学習するために駐車支援装置の学習モードを作動させる場合に、ドライバーのユーザ入力によってここで検知されることができる。しかしながら、初期位置はまた、例えば駐車位置から始まる駐車軌道の長さによって、後で決定されることもできる。ここでは、例えば既知の方法で説明されているように、駐車軌道を学習することができる。
【0010】
ここで、さらなる方法ステップとして、演算ユニットは、学習した駐車軌道が、少なくとも1つのそれぞれのセクション、すなわち1つ又は複数のそれぞれのセクションにおいて公共地又は私有地を通るかどうかを決定するためのチェックを実行することが重要である。したがって、チェック中に、学習された駐車軌道は、各々が完全に公共地又は私有地を通る区別されたセクションに、分割されることができる。ここでは、対応するセクションが、例えば公共セクション及び私有セクションとして言及されうる。さらなる方法のステップは、ここでは、私有地を通るチェックされた駐車軌道のセクションのみの駐車軌道に沿って、演算ユニットによって制御される動力車両の無人駐車である。したがって、無人駐車は、1又は複数の私有セクションでのみ行われる。動力車両の無人駐車は、ここでは、ドライバーが動力車両の中にいない動力車両の駐車であると理解されることができる。無人駐車は、基本的に、特にSAE Automationレベル3以上によれば、自動化された駐車としても理解されることができる。基本的に、この状況では、ドライバーは車両に存在することもでき、決定的なことは、ドライバーなしの駐車の間、ドライバーが動力車両のいかなる制御機能も想定しないことである。したがって、完全に自動化された駐車は、私有地、私有セクションを運転する場合にのみ可能とされる。
【0011】
駐車軌道の公共セクションは、例えば駐車軌道からここで削除されることができ、それによって、将来、更新された初期位置と駐車位置との間の駐車軌道が私有地を完全に通るようになる。部分的に自動化された駐車のみ、すなわち、特にSAE Automationレベル2以下の駐車支援装置によるドライバーの支援が、チェックされた駐車軌道の公共セクションに関して実行されることも可能である。
【0012】
これは、一方では公共地での、例えば公道での、動力車両の無人運転が回避されるという利点を有し、それはそれぞれの管轄区域によっては合法でない可能性がある。この場合、提案された方法は、動力車両のドライバー又は所有者の法的問題を回避する。加えて、一般に、動力車両の無人駐車の場合、動力車両の速度が大幅に低下され、それは、公道交通の他の参加者を苛立たせて、それに応じて混雑又は事故さえ引き起こす可能性がある。これは提案された方法によって回避され、それによって道路交通における安全性が高められる。これは、駐車スペース内に移動する場合及び駐車スペースから移動する場合の両方で、有利である。
【0013】
有利な一実施形態では、これに関連して、特にカメラユニットのカメラ情報及び/又は駐車支援装置の位置検知ユニットの位置情報及び/又は駐車支援装置の入力ユニットのユーザ入力の、駐車支援装置のナビゲーションユニットの地図情報に基づく、及び/又は、駐車支援装置の周辺センサーユニットの周辺情報に基づくチェックの間、駐車軌道がそれぞれのセクションにおいて公共地又は私有地を通るかどうかが検知されることが定められることができる。位置検知ユニットは、例えば、全地球測位システムモジュール(GPSモジュール)又は同様のモジュールを含むことができる。私有地又は公共地を検知するために、例えば、公道には一般には存在するが私道には存在しない特定の道路標示が検知されるという点で、カメラ情報が使用されることができる。また、例えば入場口やゲートを検知することによって、私有地をそのようなものとして検知することも可能である。
【0014】
チェックプロセスの間の異なる情報のそれぞれの組み合わせは、特に有利である。例えば、道路標示は典型的には一戸建住宅の私道には存在しないが、それらは民間住宅開発ではそうである。これに関連して、位置情報は、検知された道路標示を私有地に割り当てるのにさらに役立つことができる。さらに、例えば、位置情報と地図情報との組み合わせから、動力車両の現在の位置が、したがって駐車軌道の対応するセクションが、公共地にあるか又はそれを通るかどうかを、改善された方法で推定することが可能である。これは一般にマップ情報に含まれる。したがって、駐車軌道は地図情報と比較されることができ、それによって駐車軌道が地図に保存されるグローバル情報にリンクされることができる。例えば、より正確な駐車軌道を決定するために、GPSモジュールの位置情報が、車両内部モジュールからの位置情報、例えばオドメトリ(odometry)情報と組み合わせられることができる。
【0015】
私有地又は公共地に関する駐車軌道のチェックも、ユーザ入力によって改善又は実行されることができる。したがって、例えば、ユーザ入力は私有地又は公共地を定めたり、チェックの結果を確認したりできる。これに関連して、学習プロセス中にユーザ入力も提供されることができ、その結果、駐車軌道の学習中にさえ、後者は私有地又は公共地を通るものとしてマークされる。
【0016】
これは、駐車軌道がそれぞれのセクションにおいて公共地又は私有地の上を通るかどうかが、特に高信頼度で検知されることができるという利点を有する。
【0017】
特に、ここでは、チェックの間、演算ユニットが周辺情報からそれぞれのセクションに関する交通量を決定し、セクションに関して決められる交通量が所定の制限的な交通量よりも多い場合、セクションは公共地を通るものとして検知されることも提供され得る。交通量は、例えば、軌道のそれぞれのセクションに関して、周辺における動的物体の数を保存することによって、決定されることができる。基本的に、ここでは、より動的な物体が、つまり特に動力車両などの他の交通参加者が、私有地よりも公共地に存在すると想定できる。これは、その方法がもう一度精度が向上し、さらに、冒頭で述べた他の交通参加者のいらだちを防ぐことができるという利点を有する。
【0018】
これに関連し、駐車軌道のそれぞれのセクションにおける学習の間、交通量が決められ、学習プロセスの間に検知された交通量に応じて制限的な交通量が特定されるということが、好ましくは与えられうる。
【0019】
これは、基本的に交通量が、例えばそれぞれの住宅地に応じて、公共地でも大きな程度で変動する可能性があるため、公共地又は私有地の検知がもう一度改善されるという利点を有する。
【0020】
交通量の検知のために、それぞれ、動力車両の走行経路を横切る交通参加者を検知するのに役立つ駐車支援システムの対応する横断交通センサーユニットを使用することも可能である。横断交通量が予め定められた量を超える場合、割り当てられた土地は公共地として検知可能である。
【0021】
有利な一実施形態では、ドライバーによって監視される部分的に自律的な駐車が、公共地を通るチェックされた駐車軌道のセクションで実行されるということがここでは定められる。
【0022】
これは、ドライバーがまだ早期に駐車プロセスの制御の少なくとも一部をあきらめることができるので、安全性の向上の上記の利点に快適性の向上が伴うという利点がある。
【0023】
更なる有利な実施形態では、学習プロセス中にチェックが実行されるということが、特に、現在走行中の駐車軌道のそのセクションが公共地又は私有地を通るかどうかがドライバーに伝えられるということが、定められる。これに関連して、ドライバーは、好ましくは、駐車支援装置によって、公共地上を通る駐車軌道の対応のセクションが無人駐車に使用できないことを通知され得る。私有地を通る駐車軌道のそれぞれのセクションはここに保持可能であり、及び/又は、公共地を通る駐車軌道の一部は拒否可能である。公共地を通る駐車軌道のセクションを拒否する代わりに、前記軌道をメモリに保存することが可能である。この場合、ドライバーによる確認の後にのみ、動力車両が駐車軌道の公共セクションにおいて運転されることを許可されるということが定められうる。それに応じて、学習された駐車軌道の初期位置は、それが私有地にあるまで又は軌道に停止点を追加できるまで、前記軌道に沿ってシフトされることができる。
【0024】
これは、支援された駐車の可能性及び危険についてのドライバーの対応する認識が高められ、したがって駐車時の安全性がさらに高められるという利点を有する。
【0025】
さらなる有利な実施形態では、無人駐車中にドライバーが車両にいないということが定められる。ここでは、動力車両の外側で、デッドマンスイッチ(dead man’s switch)によって無人駐車を監視することにより、運転安全性を高めることができる。
【0026】
これは、ドライバーのための快適性と柔軟性が向上するという利点を有する。
【0027】
さらなる有利な実施形態では、ドライバーが無人駐車を中断することができ、特に、中断が発生した場合、動力車両によって想定される駐車軌道上の動力車両の現在位置が停止点及び/又は新たな最終位置、すなわち初期位置又は駐車された位置、として記憶されるということが定められる。これに関連して、その新たな最終位置は、私有地に関連付けられている位置として保存されることができる。これは、その後の軌道に関する更なる学習プロセスの間に、考慮に入れられることができる。代替的又は追加的に、駐車軌道の初期位置は、駐車支援装置により、駐車軌道が私有地を完全に通るまで駐車軌道に沿って自動的にシフトされることもできる。
【0028】
これは、安全性がさらに高まり、現在の状況において、ただし将来の状況に関して有効である、公共地における望ましくない無人運転が、ドライバーにより禁止されることができるという利点がある。
【0029】
さらに有利な実施形態では、公共地が公道を含み、特に私有地が私道を含むということが定められる。両方の場合において、道路は、好ましくは道及び/又は駐車場を含むことができる。
【0030】
この場合、公道、特に道又は駐車場で大量の交通が予想されることになるため、したがって無人駐車が他の交通参加者を苛立たせて、危険にさらす可能性があるため、私有地への無人駐車の制限は特に有利である。
【0031】
発明はまた、動力車両のドライバーによって制御される駐車の場合に、動力車両の駐車位置と初期位置との間の駐車軌道を学習するための演算ユニットを有する、動力車両のための駐車支援装置に関する。演算ユニットが、学習された駐車軌道が少なくとも1つのそれぞれのセクションで公共地又は私有地を通るかどうかをチェックし、私有地を通るチェックされた駐車軌道のセクションにおいてのみ、駐車軌道に沿った動力車両の無人駐車を可能にするように及び/又は実行するように設けられることが、ここでは重要である。
【0032】
駐車支援装置の利点及び有利な実施形態は、ここでは、記載された方法の利点及び有利な実施形態に対応する。
【0033】
発明はまた、そのような駐車支援装置を有する動力車両に関する。
【0034】
上記の説明で引用されている特徴と特徴の組み合わせ、及び、以下の図面の説明で引用されている及び/又は図面においてのみ示されている特徴と特徴の組み合わせは、それぞれ示された組み合わせだけでなく、発明の範囲から逸脱しない他の組み合わせにおいても、使用されることができる。したがって、図面に明示的に示されていないが、特徴の自己完結型の組み合わせにより説明される実施形態から生まれ及び生成可能である本発明の実施形態も、含まれるものとして及び開示されているものとしてみなされることが意図されている。したがって当初に考案された独立請求項の全ての特徴を持っているわけではない特徴の組み合わせ及び実施形態も開示されているとみなされる。さらに、請求項のバックリファレンス(back-references)において記載された又はそれとは異なる特徴の組み合わせを超えるか又は当該組み合わせとは異なる特徴の組み合わせ及び実施形態は、特に上記の実施形態によって、開示されているとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
発明の例示的な実施形態は、概略図を参照して以下により詳細に説明される。図面において:
図1図1は、第1の例示的なシナリオにおける、駐車支援装置の例示的な実施形態を有する動力車両を示す。
図2図2は、第2の例示的なシナリオにおける図1からの動力車両を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図面において、同一又は機能的に同一の要素には、同じ参照符号が与えられている。
【0037】
図1は、駐車支援装置2の例示的な実施形態を備えた動力車両1を図示する。このケースにおいて、駐車支援装置2は、ここでは、動力車両1のドライバーによって制御される駐車の間、動力車両1の初期位置5と駐車された位置6との間の駐車軌道4を学習するための演算ユニット3を有する。加えて、ここでの駐車支援装置2はまた、演算ユニット3に地図情報を利用可能にするためのナビゲーションユニット7を有し、この例では、全地球測位システム15に割り当てられて演算ユニット3に動力車両の位置情報を利用可能にする目的を持つ位置検知ユニット8も有する。最後に、駐車支援装置2は、また、周辺センサーユニット9を有し、周辺センサーユニット9は、ここではカメラとして具現化されており、したがって、動力車両1の周辺エリア10に関する周辺情報をカメラ情報の形で演算ユニット3に利用可能にする。
【0038】
本ケースにおいて、駐車軌道4は、初期位置5と駐車位置6との間でドライバーが実行した先行する動力車両1の駐車プロセスにおいて、既に学習されている。示される例において、軌道は、ここでは部分的に、公共地11を、本ケースでは公道を、通り、且つ、私有地12を、本ケースでは入場口の形の私道を、通る。そして、示されている例示的なシナリオにおいて、ドライバーは、初期位置5で自動駐車プロセスを発動させたいと思い、これは駐車軌道4に沿った動力車両1の無人駐車である。こうした中又はすでに駐車軌道4の学習中に、演算ユニット3は、本ケースでは利用可能にされた情報、具体的にここでは地図情報及び周辺情報、カメラ情報及び位置情報、に基づいて、それぞれのセクション13、14における駐車軌道4が公共地11又は私有地12を通るか否かを検知する。本ケースにおいて、駐車軌道4は、第1セクション13、公共セクション13、において公共地11を通り、第2セクション14、私有セクション14、において私有地12を通る。
【0039】
対応して、駐車支援装置2の演算ユニット、したがって駐車システム2自体は、初期位置5から始まる無人駐車を許可又は実行せず、むしろ、例えば、本ケースでは、対応する機能がまだ作動されることができないこと及び彼が依然として私有セクション14に到達するまで、例えば部分的にアシストされた運転モードで、動力車両1に対するコントロールを保持しなければならないことを、ドライバーに通知する。したがってドライバーは、駐車プロセスにおいて、例えばさらなる位置16まで、動力車両を制御することができ、その後、動力車両1が無人のやり方で私有セクション14におけるさらなる位置16から駐車軌道4に沿って無人で駐車することを許容することができる。
【0040】
これに関連して、例えば、新たな位置16は新たな初期位置5’として定められることができる。そして、例えば、支援される駐車は、もちろん、この新たな初期位置5’からのみ可能である。
【0041】
図2は、さらなる例示的なシナリオにおける図1からの動力車両1を示す。明確にするために、駐車支援装置2(図1)はここでは図示されていない。本ケースにおいて、駐車軌道4は、初期位置5から駐車位置6まで、公共地11としての道路から歩道を介して私有地としての私有駐車場12に至る。駐車軌道4はまた、ここでは、駐車している位置5から駐車される位置6内への動力車両1の駐車中に学習される元の駐車軌道4とは異なる追加の駐車軌道4’と同等の代替軌道を含む。追加の駐車軌道4’は、私有地12での無人運転によってもたらされ、その間、動力車両1は、駐車スペースから出て行くプロセス中に動力車両1が初期位置6から外れて旋回され、それによって動力車両1が私有セクション13を出る際に、それは、駐車スペース内への移動の間のその向きに関して逆に向けられる。
【0042】
提案された方法は、ここでは、駐車位置6からの無人移動中に、車両が無人のやり方で公共地11において運転されないことを保証する。例えば、ここでは、動力車両1の自動停止を、駐車軌道4が公共セクション14と合流するさらなる位置16で提供することができ、その結果、駐車スペースからの移動中に動力車両1が、交通量が多い可能性がある公共地において無人のやり方で運転されない。
図1
図2