(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】アルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤を含む液体洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 1/29 20060101AFI20220418BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20220418BHJP
C11D 1/83 20060101ALI20220418BHJP
C11D 1/22 20060101ALI20220418BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20220418BHJP
C11D 1/75 20060101ALI20220418BHJP
【FI】
C11D1/29
C11D17/08
C11D1/83
C11D1/22
C11D1/72
C11D1/75
(21)【出願番号】P 2020538124
(86)(22)【出願日】2019-01-18
(86)【国際出願番号】 US2019014187
(87)【国際公開番号】W WO2019143932
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-07-09
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ステンガー、パトリック・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ホール、メグ・エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】シュロック、キャスリン・メイソン
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-526788(JP,A)
【文献】特表2017-514967(JP,A)
【文献】国際公開第2017/201113(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0340611(US,A1)
【文献】特表2017-521564(JP,A)
【文献】JIN, Z. et al.,Synthesis and Properties of Anionic Surfactants Containing Oxyethylene Group or/and Branched Tail,Journal of Dispersion Science and Technology,(2011),Vol.33,pp.898-902,DOI:10.1080/01932691003756720
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00-19/00
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
D06M13/00-15/715
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗剤組成物であって、前記洗剤組成物
の5重量%~20重量%未満の、アルキルエトキシル化サルフェート(alkyl ethoxylated sulfate、「AES」)界面活性剤及び第2の界面活性剤を含む界面活性剤系であって、前記AES界面活性剤が複数のAES化合物を含み、各AES化合物がアルキル鎖を含み、前記AES界面活性剤が、前記AES界面活性剤
の40重量%
~70重量%の、前記アルキル鎖に15個の炭素原子を有するAES化合物(C15 AES)を含み、前記AES界面活性剤が、前記AES界面活性剤
の30重量%以下の、前記アルキル鎖に14個の炭素原子を有するAES化合物(C14 AES)を含み、
前記AES界面活性剤が、前記AES界面活性剤の少なくとも1重量%の、前記アルキル鎖に13個の炭素原子を有するAES化合物(C13 AES)を含み、前記AES界面活性剤が、前記アルキル鎖を含む脂肪族アルコールの重量平均分子量に基づいて
、200
ダルトン~216ダルトン
未満の重量平均分子量(MW)を有する鎖長を特徴とする、界面活性剤系と、洗剤補助剤と、を含む、液体洗剤組成物。
【請求項2】
前記組成物が、前記洗剤組成物
の5重量%
~17重量
%の前記界面活性剤系を含む、請求項1に記載の液体洗剤組成物。
【請求項3】
前記AES界面活性剤が、前記AES界面活性剤
の45重量%
~60重量
%のC15 AESを含む、請求項1又は2に記載の液体洗剤組成物。
【請求項4】
前記AES界面活性剤が、アルキル鎖に12個の炭素原子を有するAES化合物(C12 AES
)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項5】
前記AES界面活性剤が、前記AES界面活性剤
の15重量%
~50重量
%の、アルキル鎖に13個の炭素原子を有するAES化合物(C13 AES)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項6】
前記AES界面活性剤が、前記AES界面活性剤
の25重量%以
下のC14 AESを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項7】
前記AES界面活性剤が、更に、C12 AES
、及びC14 AESのそれぞれを前記AES界面活性剤の少なくとも1重量%含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項8】
前記AES界面活性剤が
、210
ダルトン~216ダルトン
未満の重量平均分子量を有する鎖長を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項9】
前記AES界面活性剤が
、0.5
~5の平均エトキシル化度を特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項10】
前記AES界面活性剤
の10重量%
~30重量%が、C2位で分岐している、請求項1~9のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項11】
前記第2の界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホネート、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤、アミンオキシド界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項12】
前記第2の界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホネー
トを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項13】
前記アルキルベンゼンスルホネートが、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(linear alkyl benzene sulphonate、「LAS」)であり、前記LASが、AESとLASとの重量比
が1:1
~10:
1になるような量で存在する、請求項12に記載の液体洗剤組成物。
【請求項14】
前記組成物が、20s
-1及び20℃
で200
~800cpsの粘度を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項15】
前記洗剤補助剤が、脂肪酸及び/又はその塩、酵素、封入有益剤、汚れ放出ポリマー、色調剤、ビルダー、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、酵素安定剤、触媒材料、漂白剤、漂白触媒、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー分散剤、ポリマー脂洗浄剤、増白剤、抑泡剤、染料、色調剤、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、充填剤、ヒドロトロープ、溶媒、抗菌剤及び/又は防腐剤、中和剤及び/又はpH調整剤、アルコキシル化ポリエチレンイミン(PEI)ポリマー、加工助剤、充填剤、レオロジー調整剤又は構造化剤、乳白剤、パールエッセンス剤、顔料、防食及び/又は耐変色剤、並びにこれらの混合物から選択される、請求項1~14のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アルキルエトキシル化サルフェート(alkyl ethoxylated sulfate、AES)界面活性剤を含む界面活性剤系を含む液体洗剤組成物に関する。本開示はまた、AES界面活性剤を含む洗剤ペーストにも関する。本開示はまた、関連するプロセスにも関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤製造業者は、常に、自社の液体洗剤組成物の洗浄性能及び/又は審美性を改善しようとしている。界面活性剤は、このような組成物の典型的な洗浄の主力成分(workhorse)であり、アルキルエトキシル化サルフェート(AES)界面活性剤などのアニオン性界面活性剤が一般的である。比較的低濃度の界面活性剤(例えば、20重量%未満)を含む組成物は、特定の課題を提示する。
【0003】
例えば、界面活性剤が比較的少ない組成物は、消費者にとって薄い又は粘性が低いように見える場合があり、これは、低品質及び/又は性能不良を暗示する。塩又は構造化剤などの外部増粘剤を添加することによってこのような組成物の粘度を増大させることはできるが、このような材料を使用すると、更なる洗浄効果が得られることなく、追加費用が発生する。
【0004】
更に、比較的長いアルキル鎖長(例えば、C14以上)を有するAES界面活性剤を配合することにより、特定の液体洗剤組成物の洗浄効果を改善できる(例えば、脂汚れの除去)ことが見出された。しかしながら、平均AES鎖長(その鎖長を有するアルコールの重量平均分子量に反映され得る)が長すぎると、洗剤組成物の物理的安定性が不十分となる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
良好な性能、粘度、及び/又は安定性プロファイルを提供する改善された液体洗剤組成物を提供する必要性が引き続き存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、アルキル鎖に特定のアルキル鎖長、すなわち15個の炭素を有するアルキルエトキシル化サルフェートを含む液体洗剤組成物に関する。
【0007】
例えば、本開示は、液体洗剤組成物であって、当該洗剤組成物の約5重量%~20重量%未満の、アルキルエトキシル化サルフェート(AES)界面活性剤及び第2の界面活性剤を含む界面活性剤系であって、当該AES界面活性剤が複数のAES化合物を含み、各AES化合物がアルキル鎖を含み、当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約40重量%~約70重量%の、アルキル鎖に15個の炭素原子を有するAES化合物(C15 AES)を含み、当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約30重量%以下の、アルキル鎖に14個の炭素原子を有するAES化合物(C14 AES)を含み、当該AES界面活性剤が、当該アルキル鎖を含む脂肪族アルコールの重量平均分子量に基づいて、約200~約220ダルトンの重量平均分子量(MW)を有する鎖長を特徴とする、界面活性剤系と、洗剤補助剤と、を含む、液体洗剤組成物に関する。
【0008】
本開示はまた、液体洗剤組成物であって、AES界面活性剤及び第2の界面活性剤を含む界面活性剤系であって、当該AES界面活性剤が複数のAES化合物を含み、各AES化合物がアルキル鎖を含み、当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約40重量%~約70重量%のC15 AESを含み、当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約30重量%以下のC14 AESを含み、当該AES界面活性剤が、アルキル鎖を含む脂肪族アルコールの重量平均分子量に基づいて、約208~215ダルトン以下の重量平均分子量(MW)を有する鎖長を特徴とし、当該AES界面活性剤が、約0.5~約5の平均エトキシル化度を更に特徴とする、界面活性剤系と、洗剤補助剤と、を含む、液体洗剤組成物に関する。
【0009】
本開示はまた、洗剤ペーストであって、当該ペーストの約45重量%~約100重量%のAES界面活性剤であって、当該AES界面活性剤が複数のAES化合物を含み、各AES化合物がアルキル鎖を含み、当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約40重量%~約70重量%のC15 AESを含み、当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約30重量%以下のC14 AESを含み、当該AES界面活性剤が、アルキル鎖を含む脂肪族アルコールの重量平均分子量に基づいて、約200~約220ダルトンの重量平均分子量(MW)を有する鎖長を特徴とし、当該AES界面活性剤が、約0.5~約5の平均エトキシル化度を更に特徴とする、AES界面活性剤系を含み、所望により、当該ペーストが、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、腐食剤、アルコキシル化ポリアルキレンイミン(alkoxylated polyalkyleneimine、PEI)ポリマー、非アミノ官能性有機溶媒、水、又はこれらの組み合わせを更に含む、洗剤ペーストに関する。
【0010】
本開示はまた、関連するプロセスにも関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、アルキルエトキシル化サルフェート(AES)界面活性剤化合物の特定のブレンドを含む液体洗剤組成物に関する。特に、特定のアルキル鎖長分布を有するAESを慎重に選択すると、改善された粘度、洗浄性能、及び/又は安定性を付与できることが見出された。例えば、特定の量のC15アルキル鎖及び特定の重量平均分子量(例えば、約200~約220ダルトン)のアルキル鎖を有するAESは、液体洗剤組成物、特に比較的少量の界面活性剤(例えば、20重量%未満)を有するものにおいて粘度を改善することが見出されている。
【0012】
理論に束縛されるものではないが、疎水性の高い長い鎖(例えば、C15)と疎水性の低い短い鎖(例えば、C13)とのバランスをとることにより、特定の液体洗剤組成物の粘度に対して驚くべき効果を有する有効なAES材料が得られると考えられる。更に、このような組成物は、同じ又はより低い重量平均分子量を有するAES界面活性剤と比較してより長鎖のAESの量を増加させることにより、特定の汚れ(例えば、脂汚れ)に対する同じ又は改善された洗浄性能を提供すると予想される。
【0013】
本開示の組成物及び方法については、以下でより詳細に記載する。
【0014】
本明細書で使用する場合、特許請求の範囲で使用される場合の冠詞「a」及び「an」は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用する場合、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」は、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の成分を含み、それらから本質的になり、又はそれらからなることができる。
【0015】
本明細書では、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語が使用されてもよい。これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。それは、指示される材料が意図的に含まれる他の材料のうちの1つの中に不純物としてのみ存在する組成物を含むことを意味する。指示される材料は、あったとしても、組成物の1重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、又は更には0重量%の濃度で存在してもよい。
【0016】
本明細書で使用する場合、語句「布地ケア組成物」は、布地処理用に設計された組成物及び配合物を含む。このような組成物は、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地強化組成物、布地消臭組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔性基材若しくは不織布シート上又は中に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者に明白であり得るその他の好適な形態を含むが、これらに限定されない。このような組成物を、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用してもよい、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄周期中に加えてもよい。
【0017】
別途記載のない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0018】
本明細書における全ての温度は、特に断らない限り、摂氏(℃)である。特に指示がない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で行われる。
【0019】
本開示の全ての実施形態において、全ての比率(%)は、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比は重量比である。
【0020】
本明細書の全体をとおして与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体をとおして与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体をとおして与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれるより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0021】
液体洗剤組成物
本開示は、液体洗剤組成物に関する。洗剤組成物は、以下により詳細に論じられる界面活性剤系を含んでいてよい。
【0022】
液体洗剤組成物は、布地ケア組成物又は食器ケア組成物などの家庭用ケア製品であり得る。洗剤組成物は、ライトデューティー液体洗剤組成物、ヘビーデューティー液体洗剤組成物、硬質面洗浄組成物(手動又は自動の食器洗浄組成物など)、洗濯用添加剤、及びこれらの混合物の群から選択してよい。洗剤組成物は、硬質面洗浄組成物(食器洗浄組成物など)、布地ケア組成物(ヘビーデューティー液体洗剤組成物など)、又はこれらの混合物から選択してよい。
【0023】
液体洗剤組成物は、約1~約2000センチポアズ(1~2000mPa・s)、又は約200~約1400センチポアズ、又は約200~約1000センチポアズ、又は約200~約800センチポアズ(200~1400mPa・s)の粘度を有し得る。粘度は、ブルックフィールド粘度計、2番スピンドルを使用し、60RPM/sで、20℃にて測定して決定することができる。
【0024】
液体洗剤組成物は等方性であってよい。液体組成物は、比較的透明又は半透明であってよい。本開示の洗剤組成物は、染料及び/又は乳白剤の非存在下において、ブランクとして脱イオン水を使用するBeckman DU分光光度計を用いて、標準的な光路長10mmのキュベットを介して室温で測定した570nmの波長において、約50%超、又は約60%超、又は約80%超、又は約90%超の透過率を特徴とし得る。透過率は、試験方法の章に記載される方法に従って決定される。
【0025】
液体洗剤組成物は、約6.5~約9、又は約7~約9、又は約7.5~約8.5のpHを特徴とし得る。pHは、試験方法の項に提供される方法に従って測定される。
【0026】
液体洗剤組成物は、界面活性剤系及び洗剤補助剤を含み得る。これら成分は、以下により詳細に記載される。
【0027】
本開示は、それぞれが本開示によるAESを含有する液体洗剤組成物のアレイであって、第1の液体洗剤組成物が比較的多量の総界面活性剤(例えば、当該組成物の20重量%超)を含み、第2の液体洗剤組成物が比較的少量の総界面活性剤(例えば、当該組成物の20重量%未満)を含む、液体洗剤組成物のアレイを想到する。アレイは、陳列棚又は店舗棚に存在し得る。第1及び第2の液体洗剤は、例えば、3メートル以内、又は2メートル以内、又は1メートル以内など、互いに近接していてよい。
【0028】
界面活性剤系
本開示の洗剤組成物は、界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、洗剤組成物の意図される最終用途に好適な2つ以上の洗浄性界面活性剤を含み得る。
【0029】
洗剤組成物は、任意の好適な量の界面活性剤を含み得る。洗剤組成物は、当該組成物の約1重量%~約60重量%、又は約5重量%~約50重量%、又は約8重量%~約40重量%の界面活性剤系を含み得る。洗剤組成物は、当該洗剤組成物の約5重量%~約20重量%、又は約5重量%~約17重量%、又は約8重量%~約15重量%、又は約10重量%~約15重量%の界面活性剤系を含み得る。洗剤組成物は、界面活性剤が比較的少なくてよく(例えば、20重量%未満)、これによって費用効率を高くすることができる。
【0030】
界面活性剤系は、アルキルエトキシル化サルフェート(AES)界面活性剤、及び以下により詳細に記載される第2の界面活性剤を含み得る。
【0031】
アルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤(AES)
本開示の洗剤組成物及び/又は界面活性剤系は、アルキルエトキシル化サルフェート(AES)界面活性剤を含む。AES界面活性剤が、界面活性剤系の主要成分であってよく、これは、任意の他の単一界面活性剤よりも多くのAES界面活性剤が存在することを意味する。本開示の洗剤組成物及び/又は界面活性剤系は、当該界面活性剤系の少なくとも約30重量%、又は約40重量%、又は約50重量%、又は約60重量%のAES界面活性剤を含み得る。洗剤組成物は、当該洗剤組成物の約3重量%、又は約5重量%、又は約8重量%、又は約10重量%約19重量%、又は約17重量%、又は約15重量%、又は約12重量%、又は約10重量%までのAES界面活性剤を含み得る。
【0032】
AES界面活性剤は、複数のAES化合物を含み、各AES化合物はアルキル鎖を含む。特定のAES化合物のアルキル鎖は、別名アルキル鎖長としても知られている、アルキル部分における炭素の総数によって特徴付けることができる。所与の量のAES界面活性剤は、特定の割合又は分布の範囲内である鎖長を有する様々なAES化合物を含んでいてよい。したがって、所与の量又はサンプルのAESは、特定の鎖長を有するAES化合物の分布、及び/又はアルキル部分における重量平均炭素数によって特徴付けることができる。
【0033】
市販のAES界面活性剤としては、C12~15 AESとして知られている12~15の重量平均鎖長を有するAES、又はC12~14 AESとして知られている12~14の鎖長を有するAESを挙げることができる。これらのAES界面活性剤は、15の鎖長を有する少なくともいくつかのAES化合物を含んでいる場合もあるが、典型的には、それに加えて比較的広範かつ多様な分布の他の鎖長を特徴とする。
【0034】
対照的に、本開示のAES界面活性剤は、アルキル鎖に15個の炭素原子を有するAES化合物(C15 AES)を比較的高比率で含み得る。C15 AESは、比較的長いアルキル鎖がAES界面活性剤の疎水性を増大させ、これによって脂汚れ除去などの改善された汚れ除去が得られ得るので、望ましい場合がある。AES界面活性剤は、当該AES界面活性剤の約40重量%、又は約45重量%から約70重量%、又は約60重量%までのC15 AESを含み得る。C15 AESは、AES界面活性剤の主要部分を構成してよく、これは、任意の他の単一の種類のAES界面活性剤よりも多い重量のC15 AES界面活性剤が存在することを意味する。C15 AESは、AES界面活性剤の重量の少なくとも半分、又は更には大部分を構成し得る。
【0035】
本開示のAES界面活性剤は、アルキル鎖に14個の炭素原子を有するAES化合物(C14 AES)、例えば、当該AES界面活性剤の少なくとも約1重量%のC14 AESを含み得る。AES界面活性剤は、比較的限られた量のC14 AESを含み得る。例えば、AES界面活性剤は、当該AES界面活性剤の約30重量%以下、又は約25重量%以下、又は約20重量%以下、又は約15重量%以下、又は約10重量%以下のC14 AESを含有し得る。組成物又は界面活性剤系が比較的高い比率のC15 AESを含む場合、例えば安定性の理由から、C14 AESの量を制限することが望ましい場合がある。
【0036】
本開示のAES界面活性剤は、アルキル鎖に12個の炭素原子を有するAES化合物(C12 AES)、アルキル鎖に13個の炭素原子を有するAES化合物(C13 AES)、又はこれらの混合物を含み得る。AES界面活性剤は、C12 AES及びC13 AESの混合物を含んでいてもよい。AES界面活性剤は、当該AES界面活性剤の約25重量%~約50重量%又は約30重量%~約40重量%の、C12 AES及びC13 AESの混合物を含み得る。比較的短い鎖長(例えば、12個及び/又は13個の炭素)を有するAESは、C15 AESの疎水性を相殺するのに役立ち得、その結果、例えば、より広い洗浄プロファイル及び/又はより良好な安定性プロファイルが得られる。更に又はあるいは、例えば、C12 AES及び/又はC13 AESの存在は、AES界面活性剤の鎖長の重量平均分子量を相対的に(例えば、約200~約220ダルトンに)減少させるのに役立ち得る。
【0037】
本開示のAES界面活性剤は、アルキル鎖に13個の炭素原子を有するAES化合物(C13 AES)を含み得る。比較的短いアルキル鎖は、AES界面活性剤の相対疎水性を低下させ、それによって、当該AES界面活性剤が様々な汚れを除去することを可能にする、及び/又はより疎水性のAES界面活性剤よりも相対的に物理的により安定になることができるので、C13 AESが望ましい場合がある。AES界面活性剤は、当該AES界面活性剤の約15重量%、又は約20重量%、又は約25重量%から約50重量%、又は約40重量%、又は約35重量%まで、好ましくは約15重量%~約35重量%のC13 AESを含み得る。C13 AESは、AES界面活性剤中に最も又は2番目に多いAES化合物として存在し得、例えば、AES界面活性剤は、他の鎖長のAESと比較していずれも比較的高い濃度を有するC15 AES及びC13 AESを最も多く含み得る。
【0038】
本開示のAES界面活性剤は、アルキル鎖に12個の炭素原子を有するAES化合物(C12 AES)を含み得る。AES界面活性剤は、少なくとも約1重量%、又は少なくとも約3重量%、又は少なくとも約5重量%、又は少なくとも約10重量%のC12 AESを含有し得る。AES界面活性剤は、約20重量%以下、又は約15重量%以下、又は約12重量%以下、又は約10重量%以下、又は約5重量%以下のC12 AESを含有し得る。AES界面活性剤は、当該AES界面活性剤の約1重量%、又は約3重量%から約20重量%、又は約15重量%まで、好ましくは約3重量%~約15重量%のC12 AESを含有し得る。C12 AESは、例えば、C15 AESの疎水性を相殺し、その結果、より広い洗浄プロファイル及び/又はより良好な安定性プロファイルをもたらすために望ましい場合がある。
【0039】
本開示のAES界面活性剤は、上記のC15界面活性剤の量に加えて、C12 AES、C13 AES、及びC14 AES界面活性剤のそれぞれを、AES界面活性剤の少なくとも1重量%含み得る。本開示のAES界面活性剤は、C12 AES、C13 AES、C14 AES、又はこれらの混合物、好ましくはこれらの混合物を、当該AES界面活性剤の約30重量%~約60重量%含み得る。
【0040】
本開示のAES界面活性剤は、約1重量%~約20重量%のC12 AES、約25重量%~約50重量%のC13 AES、約1重量%~約10重量%のC14 AES、及び約45重量%~約60重量%のC15 AESを含み得(各重量%はAES界面活性剤の重量による)、約205~約220、好ましくは約208~約218の平均分子量を有するアルキル鎖長を特徴とし得るが、ただし、提供される重量%は、合計約95重量%~約100重量%になり得る。
【0041】
本開示のAES界面活性剤は、アルキル鎖に16個の炭素原子を有するAES化合物(C16 AES)を含み得る。例えば、より長い鎖長が相不安定性の原因となり得るので、存在するC16の量が制限される場合もある。本開示のAES界面活性剤は、当該AES界面活性剤の約0.1重量%から約5重量%未満、又は約3重量%未満、又は約1.5重量%未満、又は1重量%未満のC16 AESを含み得る。
【0042】
本開示のAES界面活性剤は、分布中のAES化合物の鎖長の重量平均分子量によって特徴付けることができる。AES界面活性剤は、全体として、C15 AESの比較的高い比率を考慮して、予想し得るよりも低い重量平均分子量鎖長を特徴とする場合もある。
【0043】
鎖長の重量平均分子量は、アルキル鎖及びヒドロキシル基からなる脂肪族アルコールの重量平均分子量を求めることによって決定することができる。このような方法で鎖長の分子量を計算することは、いくつかの利点を提示することができる。例えば、AES界面活性剤は、典型的には、アルコキシル化(例えば、エトキシル化)及び硫酸化されて最終AES化合物に到達する前に原材料として機能する、このような脂肪族アルコールから合成される。したがって、脂肪族アルコール原料に関する関連情報は、典型的には、原料の供給元及び/又はAESの製造業者から入手可能である。更に、AES界面活性剤自体の分子量ではなくアルキル鎖を含む脂肪族アルコールに基づく分子量を報告することは、可変的なアルコキシル化から生じる不確実性を除去するのに役立つ。例えば、C15 AES材料は、1モルのエトキシル化を含むいくつかの分子、並びに2モル及び/又は3モルのエトキシル化を含む他の分子を含み得る。
【0044】
例えば、C15 AES化合物のアルキル鎖の分子量は、以下の実験式:C15H31OHを有し得るC15脂肪族アルコールに基づく。このようなC15脂肪族アルコールは、約228ダルトンの分子量を有する。便宜上、表1は、いくつかの例示的な脂肪族アルコールの分子量を示す。
【0045】
【0046】
本開示のAES界面活性剤は、約200、又は約205、又は約208、又は約210、又は約211、約214から約220、又は約218、又は約215ダルトンまでの重量平均分子量を有する鎖長を特徴とし得、特定のアルキル鎖の分子量は、当該アルキル鎖を含む脂肪族アルコール(すなわち、アルキル鎖及びヒドロキシル基からなる脂肪族アルコール)の分子量に基づく。AES界面活性剤は、約200~約220、又は約210~約220、又は約211~約218ダルトンの重量平均分子量を有する鎖長を特徴とし得る。AES界面活性剤は、約208~215ダルトン以下の重量平均分子量を有する鎖長を特徴とし得る。比較的低い重量平均分子量(例えば、208~215ダルトン)の鎖長を特徴とするAESは、比較的多量の界面活性剤(例えば、20重量%超)を有する洗剤組成物において特に好ましい場合があるが、その理由は、改善された物理的安定性を促進するためである。
【0047】
AES界面活性剤は、そのエトキシル化度によって特徴付けることもできる。AES化合物の集団において、AES分子は様々なエトキシル化度を有し得る。したがって、所与の量又はサンプルのAESは、重量平均エトキシル化度によって特徴付けることもでき、当該エトキシル化度は、AES1モルあたりのエトキシ基(-O-CH2-CH2)のモル数として報告される。本開示のAES界面活性剤は、約0.5~約5、又は約1~約3、又は約1.5~約2.5の重量平均エトキシル化度を特徴とし得る。界面活性剤系中の直鎖状アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤の量が少ないか又は存在しない場合、界面活性剤系は、比較的低いエトキシル化度を有するAESを含むことが好ましい場合があるが、それは、このようなAESが脂洗浄効果をもたらすことができるためである。
【0048】
AESは、エトキシル化されていないアルキルサルフェート(alkyl sulfate、「AS」)界面活性剤を少なくともいくらか含み得る。非エトキシル化ASは、エトキシル化プロセス中の不完全な反応の結果として、及び/又は別個の成分として添加されたため、存在し得る。本開示の目的のために、(非エトキシル化)ASは、濃度、鎖長分子量、及び/又はエトキシル化度を決定するとき、AES界面活性剤の一部であると見なされる。
【0049】
AES界面活性剤は、直鎖状アルキル鎖を有するAES化合物、分枝状アルキル鎖を有するAES化合物、又はこれらの混合物を含み得る。AES界面活性剤は、C2位で分岐しているAES界面活性剤を含み得、当該C2は、エトキシサルフェート頭部基から2番目に離れている炭素である(すなわち、エトキシサルフェート頭部基に隣接する炭素がC1位に存在する)。AES界面活性剤は、当該AES界面活性剤の約10重量%~約30重量%の、C2位で分岐しているAES界面活性剤を含み得る。分岐状アルキル鎖は、AES界面活性剤の洗浄プロファイルを改善し得る及び/又は広げ得る。また、AES化合物の直鎖状アルキル部分が好ましい場合もある。AES界面活性剤の少なくとも約50重量%、又は少なくとも約75重量%、又は少なくとも約90重量%、又は少なくとも約95重量%、又は約100重量%のAES化合物が、直鎖状アルキル鎖であるアルキル鎖を有し得る。AESは、C15 AESの混合物を含み得、C15 AESのうちの少なくとも60重量%のC15 AESは直鎖状であり、C15 AESのうちの少なくとも10重量%のC15 AESは分岐している、好ましくはC2位で分岐している。AESは、C13 AESの混合物を含み得、C13 AESのうちの少なくとも60重量%のC13 AESは直鎖状であり、C13 AESのうちの少なくとも10重量%のC13 AESは分岐している、好ましくはC2位で分岐している。
【0050】
上記のとおり、AES化合物は、典型的には、エトキシル化脂肪族アルコールを硫酸化することによって製造される。まず、脂肪族アルコールを提供し、次いで、公知の方法に従ってエトキシル化してよい。したがって、AES化合物、又は当該AES化合物の少なくともアルキル鎖は、それが由来する源、例えば油又は脂肪族アルコールの観点で説明することができる。本開示のAES化合物は、非石油源、好ましくは天然源に由来するアルキル鎖を含み得る。本開示のAESは、天然由来のアルキル鎖を含むAESと、合成由来(例えば、石油由来)のAESのアルキル鎖を含むAESとの混合物を含み得、このような混合物は、例えば、1種類のAESの不足を別の種類によって穴埋め(back-filled)することができるように、サプライチェーンのばらつき、混乱、及び/又は価格変動を考慮するのに有用であり得る。
【0051】
天然源としては、植物又は動物源、好ましくは植物に由来する油を挙げることができる。植物油の代表的な非限定例としては、キャノーラ油、ナタネ油、ココヤシ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、キリ油、ジャトロファ油、カラシ油、グンバイナズナ油、椿油、ヒマシ油、又はこれらの混合物が挙げられる。好適な原料油としては、典型的には、好適なメタセシス触媒の存在下でメタセシス反応から形成されるメタセシス化油を挙げることができる。アルキル部分は、ココヤシ油、パーム核油、又はこれらの混合物、好ましくはココヤシ油、パーム核油、又はこれらの混合物に由来していてよい。このような起源は、化石燃料に依存しないので、環境及び/又は持続可能性の理由から望ましい場合がある。更に、天然源由来のAES化合物のアルキル鎖は、典型的には、偶数個の炭素原子を含有する。
【0052】
アルキル鎖の他の源(例えば、原料アルコール)は、市販のアルコール、例えば、Shellによって販売されているもの(例えば、商標名Neodol(商標)、例えば、Neodol(商標)23、Neodol(商標)3、Neodol(商標)45、及び/又はNeodol(商標)5)、及び/又はSasolによって販売されているもの(例えば、Lial(商標)、Isalchem(商標)、Safol(商標)など)を含み得る。
【0053】
本開示のAESは、フィッシャー・トロプシュ法から得られたものでなくてもよい。本開示のAESは、周知のシェル改変オキソ法から得られたものであってよい。本開示のAESは、チーグラー法から得られたAESを含んでいてよい。
【0054】
本開示のAESは、酸形態、塩形態(例えば、中和された)、又はこれらの混合物で存在し得る。塩形態のAESは、アルカリ金属塩、好ましくは、ナトリウム塩、アンモニウム塩、又はアルカノールアミン塩であってよい。
【0055】
第2の界面活性剤
本開示の洗剤組成物及び/又は界面活性剤系は、AESに加えて少なくとも第2の界面活性剤を含んでいてよい。第2の界面活性剤は、非石油源、好ましくは天然源に由来していてよい。好適な天然源は、上記のとおりである。
【0056】
第2の界面活性剤は、界面活性剤系の約0.1重量%~約90重量%、又は約0.1重量%~約75重量%、又は約20重量%~約50重量%の濃度で界面活性剤系中に存在していてよい。第2の界面活性剤は、洗剤組成物の約1重量%~約50重量%、又は約5重量%~約40重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約25重量%の濃度で洗剤組成物中に存在していてよい。
【0057】
第2の界面活性剤は、任意の好適な洗浄性界面活性剤であってよい。第2の界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又はこれらの混合物、好ましくは、アニオン性、非イオン性、又は双性イオン性界面活性剤から選択してよい。第2の界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネート、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤、アミンオキシド、メチルエステルスルホネート、糖脂質界面活性剤、アルキルポリグルコシド界面活性剤、又はこれらの組み合わせから選択してよい。第2の界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネート、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤、アミンオキシド界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択してよい。
【0058】
第2の界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を含んでいてよい。アルキル基は、直鎖(直鎖状)又は分枝鎖状の構造において約9~約15個の炭素原子を含有していてよい。アルキル基は、直鎖状であってもよい。かかる直鎖状アルキルベンゼンスルホネートは、「LAS」として既知である。直鎖状アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中に約11~14個の平均炭素原子数を有してもよい。直鎖状直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中約11.8個の炭素原子の平均炭素原子数を有してもよく、C11.8 LASと略称される場合がある。アルキルベンゼンスルホネートは、少なくとも部分的に、アルカリ金属塩、好ましくはナトリウム塩、又はアミン塩、例えばモノエタノールアミン塩などのエタノールアミン塩などの塩として存在していてよい。
【0059】
LASは、AESとLASとの重量比が約1:1、又は約2:1から約10:1、又は約8:1、又は約5:1になるような量で存在し得る。界面活性剤系は、25%未満、又は10%未満、又は5%未満、又は1%未満の直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含んでいてよい。LASは、典型的には、脂染みなどの疎水性の染みに対する洗浄効果をもたらすので、低濃度のLASの場合(少しでもあれば)、AESは、約0.5~約3.0、又は約0.5~約2.0、又は約0.5~約1.5の平均エトキシル化度を特徴とすることが好ましい場合があるが、それは、より低いAESエトキシル化度が疎水性の染みの除去効果をもたらすのに役立ち得ると考えられるためである。
【0060】
第2の界面活性剤は、アミンオキシド界面活性剤を含み得る。好ましいアミンオキシドは、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、特にココジメチルアミンオキシドである。アミンオキシドは、直鎖状又は中鎖分岐状アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖状アミンオキシドとしては、1つのR1 C8~18アルキル部分と、C1~3アルキル基及びC1~3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2及びR3部分とを含有する水溶性アミンオキシドが挙げられる。好ましくは、アミンオキシドは、式R1-N(R2)(R3)Oにより特徴付けられ、式中、R1はC8~18アルキルであり、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル及び3-ヒドロキシプロピルからなる群から選択される。直鎖状アミンオキシド系界面活性剤としては、特に、直鎖状C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖状C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。好ましいアミンオキシドとしては、直鎖状C10、直鎖状C10~C12、及び直鎖状C12~C14アルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。本明細書で使用する場合、「中鎖分岐状(mid-branched)」とは、アミンオキシドが、n1個の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、このアルキル部分における1つのアルキル分岐がn2個の炭素原子を有することを意味する。アルキル分岐は、アルキル部分上で、窒素に結合したα炭素上に位置する。アミンオキシドにおけるこの種の分枝は、当該技術分野において、内部アミンオキシドとしても知られている。本開示の組成物は、当該組成物の約0.1重量%から約5重量%、又は約3重量%、又は約1重量%までのアミンオキシドを含んでいてよい。
【0061】
第2の界面活性剤は、非イオン性界面活性剤を含み得る。非イオン性界面活性剤は、エトキシル化アルコール界面活性剤、及び/又は式R(OC2H4)nOH(式中、Rは、約8個~約15個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素ラジカル、及びアルキル基が約8個~約12個の炭素原子を含有するアルキルフェニルラジカルからなる群から選択され、nの平均値は、約5~約15である)のエトキシル化アルキルフェノールであってよい。
【0062】
非イオン性界面活性剤は、エトキシル化アルコールであってよい。例えば、非イオン性界面活性剤は、アルコール(アルキル部分)に平均約12個~14個の炭素原子を有し、アルコール1モル当たり約7モル~9モルのエチレンオキシドの平均エトキシル化度を有するエトキシル化アルコールから選択してよい。
【0063】
非イオン性界面活性剤の他の非限定例としては、C12~C18アルキルエトキシレート、例えば、Shell製のNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤;C6~C12アルキルフェノールアルコキシレート(ここで、アルコキシレート単位はエチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位の混合物である);C12~C18アルコール、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC6~C12アルキルフェノール縮合物、例えば、BASF製のPluronic(登録商標);C14~C22中鎖分岐状アルコール;C14~C22中鎖分岐状アルキルアルコキシレート(BAEx、ただし、xは1~30である);アルキル多糖類、具体的にはアルキルポリグリコシド;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、並びにエーテルキャップ化ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0064】
界面活性剤系は、カチオン性界面活性剤を含み得る界面活性剤を含み得る。カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、これは26個以下の炭素原子を有し得、アルコキシレート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;ジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム界面活性剤;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;ポリアミンカチオン性界面活性剤;カチオン性エステル界面活性剤;及びアミノ界面活性剤、例えば、アミドプロピルジメチルアミン(amido propyldimethyl amine、APA)が挙げられる。本開示の組成物は、カチオン性界面活性剤及び/又はpH7未満若しくはpH6未満でカチオン性になる界面活性剤を実質的に含んでいなくてよいが、それは、カチオン性界面活性剤がアニオン性界面活性剤などの他の成分と負の相互作用をする可能性があるためである。
【0065】
界面活性剤系は、双性イオン性界面活性剤を含み得る。双性イオン性界面活性剤の例としては、二級及び三級アミン誘導体、複素環式二級及び三級アミン誘導体、又は四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。双性イオン性界面活性剤は、アルキルジメチルベタイン、ココジメチルアミドプロピルベタインを含むベタイン、並びにC8~C18(例えば、C12~C18)アミンオキシド、並びにN-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネート(アルキル基は、C8~C18又はC10~C14であってよい)などのスルホ及びヒドロキシベタインを含み得る。
【0066】
界面活性剤系は、分岐状界面活性剤を含んでいてよい。好適な分岐状界面活性剤としては、疎水性物質鎖に沿ってランダムに分布しているメチル分岐を含む非スルホン化C12/13アルコール系界面活性剤、例えば、Sasolから入手可能なSafol(登録商標)、Marlipal(登録商標)を挙げることができる。更に好適な追加の分岐状アニオン性洗浄性界面活性剤としては、オキソ法から得られる、2-アルキル位で分岐しているアルコールに由来する非スルホン化界面活性剤、例えば、商標名Isalchem(登録商標)123、Isalchem(登録商標)125、Isalchem(登録商標)145、Isalchem(登録商標)167で販売されているものが挙げられる。オキソ法に起因して、分岐は2-アルキル位に位置している。これらの2-アルキル分岐アルコールは、通常、長さC11~C14/C15の範囲であり、全て2-アルキル位置で分岐した構造異性体を含む。追加の好適な非スルホン化分岐状アニオン性洗浄性界面活性剤としては、イソプレノイド系多分岐洗剤アルコールの界面活性剤誘導体、アンテイソ及びイソ-アルコール由来の分岐状界面活性剤、並びに/又はゲルベアルコール系界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤系は、修飾アルキルベンゼンスルホネート(modified alkylbenzene sulfonate、MLAS)などの他の分岐状界面活性剤を含んでいてもよい。
【0067】
他の有用な界面活性剤としては、ラムノリピド及び/又はソホロリピッドなどの糖脂質界面活性剤を挙げることができる。このような界面活性剤は、天然由来(例えば、微生物由来)であり得るので、特に有用であり得る。
【0068】
洗剤補助剤
界面活性剤組成物は、少なくとも1つの洗剤補助剤を更に含んでいてよい。洗剤補助剤は、組成物の意図される使用に好適な濃度で組成物中に存在していてよい。典型的な使用濃度は、蛍光増白剤などの補助剤についての組成物の0.001重量%から、ビルダーについての組成物の50重量%までの範囲である。
【0069】
少なくとも1つの洗剤補助剤は、脂肪酸及び/又はその塩、酵素、封入有益剤、汚れ放出ポリマー、色調剤、ビルダー、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、酵素安定剤、触媒材料、漂白剤、漂白触媒、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー分散剤、ポリマー脂洗浄剤、増白剤、抑泡剤、染料、色調剤、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、充填剤、ヒドロトロープ、溶媒、抗菌剤及び/又は防腐剤、中和剤及び/又はpH調整剤、加工助剤、充填剤、レオロジー調整剤又は構造剤、乳白剤、パールエッセンス剤、顔料、防食及び/又は耐変色剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択してよい。少なくとも1つの洗剤補助剤は、構造化剤、ビルダー、布地柔軟剤、ポリマー又はオリゴマー、酵素、酵素安定剤、漂白系、増白剤、色調剤、キレート剤、抑泡剤、コンディショニング剤、保湿剤、香料、封入香料、充填剤又は担体、アルカリ性系、pH制御系、緩衝剤、アルカノールアミン、溶媒、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの洗剤補助剤であってよい。
【0070】
少なくとも1つの洗剤補助剤は、外部構造化系、酵素、封入有益剤、汚れ放出ポリマー、色調剤、及びこれらの混合物を含んでいてよい。封入有益剤は、封入香料であってもよく、好ましくは当該封入香料がコアを取り囲むシェルを含み、好ましくは当該シェルがアミン化合物を含まず、好ましくは当該シェルがアクリレートポリマーを含む封入香料であってよい。
【0071】
本開示の組成物は、溶媒、好ましくは非アミノ官能性有機溶媒などの有機溶媒を含んでいてよい。好適な有機溶媒としては、グリセロール、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,2プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、2,3-ブタンジオール、1,3ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールホルマルジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、及びこれらの混合物を挙げることができる。溶媒は、安定性及び/又は粘度を所望のレベルにするのを支援するために有用であり得る。
【0072】
本開示の組成物は、上記のとおり、アルコキシル化ポリエチレンイミン(polyethyleneimine、PEI)ポリマーなどのアルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマーを含み得る。このようなPEIポリマーは、組成物の粘度変化を促進し得る。アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、組成物の約0.1重量%~約5重量%、又は約0.5重量%~約4.5重量%、好ましくは約0.75重量%~約1.5重量%の濃度で組成物中に存在してもよい。アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー、好ましくはアルコキシル化PEIは、エトキシレート(EO)基、プロポキシレート(PO)基、又はこれらの組み合わせを含んでいてよい。アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー、好ましくはアルコキシル化PEIは、エトキシレート(EO)基を含んでいてよい。アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー、好ましくはアルコキシル化PEIは、プロポキシレート(PO)基を含んでいなくてもよい。アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー、好ましくはアルコキシル化PEIは、平均してアルコキシル化窒素あたり、約1~50個のエトキシレート(EO)基及び約0~30個のプロポキシレート(PO)基を含み得る。アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、直鎖状、分岐状、又はこれらの組み合わせであってよく、好ましくは分岐状である。PEI600 EO20及び/又はPEI600 EO24 PO16などの好適なアルコキシル化ポリアルキレンイミンは、BASF(Ludwigshafen,Germany)から入手可能である。
【0073】
特に、主に天然又は持続可能な起源に由来する洗剤が望ましい場合、特定の補助剤を制限又は更には排除することが望ましい場合がある。本開示の洗剤組成物は、シリコーン、染料、増白剤、又はこれらの組み合わせを含んでいなくてもよい。本開示の洗剤組成物は、当該組成物の5重量%未満、又は3重量%未満、又は1重量%未満のアミン含有化合物を含んでいてよいが、ただし、アミンオキシド界面活性剤(存在する場合)はアミン含有化合物の総量に含まれない。
【0074】
上記のとおり、AES界面活性剤の選択は、特定の洗剤製剤において粘度を上昇させるのに役立ち得る。したがって、特に、染み除去などの性能効果が得られることなく追加費用を負担することになる場合、外部構造化剤が必要ない場合もある。本開示の洗剤組成物は、外部構造化剤を実質的に含んでいなくてよい。外部構造化剤としては、高分子構造化剤、非高分子結晶性ヒドロキシ官能性構造化剤、ミクロフィブリル化セルロース(microfibrillated cellulose、MFC)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0075】
洗剤組成物において粘度を上昇させるために、塩化ナトリウムなどの無機塩が使われることも多い。しかし、このような塩は、染み除去などの性能効果を与えない。AES界面活性剤の選択は特定の洗剤製剤において粘度を上昇させるのに役立ち得るので、本開示の液体洗剤組成物は、当該液体洗剤組成物の約2重量%以下、又は約1重量%以下、又は約0.5重量%以下、又は約1重量%以下の無機塩を含み得る。
【0076】
洗剤ペースト
本開示は、洗剤ペースト組成物にも関する。このような洗剤ペーストは、比較的濃縮された量のAES界面活性剤を含み得る。このような濃縮組成物は、運搬費を節約し、担体などのあまり望ましくない及び/又は不活性な材料を取り入れることなく、所望の濃度で製品組成物に組み込むために有用である。洗剤ペーストを他の界面活性剤及び/又は洗剤補助剤と組み合わせてもよく、その結果、本開示に従い得る洗剤組成物が得られる。
【0077】
本開示の洗剤ペーストは、当該ペーストの約45重量%、又は約50重量%、又は約55重量%から約100重量%、又は約90重量%、又は約80重量%、又は約70重量%、又は約60重量%までのAES界面活性剤を含み得る。AES界面活性剤は、当該AES界面活性剤の約40重量%~約70重量%のC15 AESを含み得る。AES界面活性剤は、当該AES界面活性剤の約15重量%~約40重量%のC13 AESを含み得る。AES界面活性剤は、アルキル鎖を含む脂肪族アルコールの分子量に基づいて、約200~約220ダルトンの重量平均分子量を有する鎖長を特徴とし得る。AES界面活性剤は、約0.5~約5の重量平均エトキシル化度を更に特徴とし得る。好適なAES界面活性剤については、上により詳細に記載する。
【0078】
本開示の洗剤ペースト組成物は、当該組成物の約1重量%、又は約2重量%から約25重量%、又は約20重量%、又は約15重量%、又は約10重量%、又は約5重量%、又は約2重量%までの追加材料を含んでいてもよい。例えば、ペーストは、更に、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤などの第2の界面活性剤、腐食剤、アルコキシル化ポリアルキレンイミン(PEI)ポリマー、非アミノ官能性有機溶媒、水、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。濃縮AES界面活性剤組成物は、他の洗剤補助材料を実質的に含んでいなくてもよい。
【0079】
本開示による洗剤ペーストは、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤(LAS)などのアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を含み得る。直鎖状アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤は、組成物の約0重量%~約15重量%、又は約2重量%~約15重量%、又は約5重量%~約12重量%の濃度で存在することができる。LASは、洗剤ペーストの粘度変化を促進し得る。洗剤ペースト組成物は、他のアニオン性、非イオン性、両性、カチオン性界面活性剤、及び/又は双性イオン性界面活性剤などの他の界面活性剤を実質的に含んでいなくてもよい。
【0080】
濃縮AES界面活性剤の少なくとも一部は、好ましくは水酸化ナトリウムなどの苛性剤で中和されてもよい。濃縮AES界面活性剤の少なくとも一部は、塩形態、好ましくはナトリウム塩形態で存在していてよい。
【0081】
本開示の濃縮AES界面活性剤組成物は、上記PEIポリマーなどのアルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマーを含み得る。このようなPEIポリマーは、洗剤ペーストの粘度変化を促進し得る。アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、濃縮AES界面活性剤組成物の約0.1重量%~約5重量%、又は約0.5重量%~約4.5重量%、又は約0.75重量%~約1.5重量%の濃度で当該組成物中に存在し得る。
【0082】
洗剤ペーストは、限られた数の成分を有していてよく、これによって、最終製品(又は複数の最終製品)における配合の柔軟性を最大化することができる。濃縮AES界面活性剤は、組成物中に存在し得る反応副生成物又は未反応の反応物質を含まずに、約5成分以下、又は約4成分以下、又は約3成分以下を有していてよい。
【0083】
洗剤組成物の製造方法
本開示は、本明細書に記載される界面活性剤系を含む洗剤組成物の製造方法に関する。当該方法は、本明細書に記載される組成物の成分を、記載される割合で組み合わせることを含んでいてよい。当該方法は、第1の量の本明細書に記載のAES界面活性剤を含む第1の洗剤組成物と、第2の量の本明細書に記載のAES界面活性剤を含む第2の洗剤組成物とを作製することを含み得る。第1及び第2の洗剤組成物は、含み得る。
【0084】
例えば、本開示による洗剤組成物を製造するプロセスは、本開示によるAES界面活性剤又は洗剤ペーストを提供することと、任意選択で、第2の界面活性剤を提供することと、当該界面活性剤又はペーストを1つ以上の洗剤補助剤と合わせて洗剤組成物を形成することと、を含み得る。AES界面活性剤は、当該AES界面活性剤の約40重量%~約70重量%の、アルキル鎖に15個の炭素原子を有するAES化合物(C15 AES)を含み得る。AES界面活性剤は、当該AES界面活性剤の約30重量以下の、アルキル鎖に14個の炭素原子を有するAES化合物(C14 AES)を含み得る。AES界面活性剤は、当該AES界面活性剤の約15重量%~約40重量%の、アルキル鎖に13個の炭素原子を有するAES化合物(C13 AES)を含み得る。AES界面活性剤は、アルキル鎖を含む脂肪族アルコールの重量平均分子量(MW)に基づいて、約200~約220ダルトンの重量平均分子量を有する鎖長を特徴とし得る。AES界面活性剤は、約0.5~約5の平均エトキシル化度を更に特徴とし得る。
【0085】
洗剤組成物の製造プロセスは、本開示によるAES界面活性剤(例えば、C15 AESを比較的多く含む)を、第2のAES界面活性剤(例えば、C15 AESが少ないもの)、非エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤、又はこれらの組み合わせと合わせる工程を含み得る。AESの異なるサンプルを合わせることにより、更なる安定性及び/又は性能効果を提供することができる。
【0086】
本開示に係る液体組成物は、従来の方法に従って、例えば、バッチプロセス又は連続ループプロセスで製造してよい。
【0087】
本明細書に記載される洗剤組成物を小袋、好ましくは水溶性フィルムで作製された小袋に封入して、布地を処理するために使用することができる単位用量物品を形成することができる。このような組成物は、比較的少量の水、例えば、洗剤組成物の約20重量%未満、又は約15重量%未満、又は約12重量%未満、又は約10重量%未満、又は約8重量%未満の水を有することが好ましい。
【0088】
洗剤組成物の使用方法
本開示は、本明細書に記載される洗剤組成物の使用方法に関する。洗剤組成物は、布地又は硬質面などの表面を処理するために使用することができる。
【0089】
表面を処理する方法は、表面、好ましくは布地を提供する工程と、当該表面を上記の洗剤組成物と接触させる工程と、を含んでいてよい。表面、好ましくは布地は、脂汚れを含んでいてよい。当該方法は、水の存在下で布地を撹拌することを含んでいてよい。当該方法は、洗浄又は清浄化の操作を実施する工程を更に含んでいてもよい。接触工程の前、間、又は後に水を添加して、洗浄液を形成してもよい。
【0090】
本開示はまた、本開示に係る組成物を使用して、布地、好ましくは汚れた布地を、例えば機械によって洗浄する方法であって、本開示に係る洗剤組成物を、洗浄する布地と接触させる工程と、洗浄又は清浄化の操作を実施する工程と、を含む方法に関する。
【0091】
任意の好適な洗濯機、例えば、トップローディング又はフロントローディング自動洗濯機を使用することができる。当業者は、関連の洗浄作業に好適な洗濯機を認識するであろう。本開示の物品は、布地添加剤、布地柔軟剤、すすぎ補助剤などの他の組成物と組み合わせて使用してもよい。更に、本開示の洗剤組成物は既知の手洗い方法で使用してもよい。
【0092】
本開示はまた、布地を処理する方法であって、布地を本明細書に記載される洗剤組成物と接触させる工程と、洗浄工程を実施する工程と、次いで、当該布地を布地柔軟化組成物と接触させる工程と、を含む方法を目的とし得る。方法全体、又は少なくとも洗浄工程は、手動で実施してもよく、機械で支援してもよく、又は自動洗濯機で行ってもよい。布地に布地柔軟化組成物を接触させる工程は、例えば、自動洗濯機のすすぎサイクル中に、水の存在下において実行され得る。
【0093】
組み合わせ
本開示の具体的に想到される組み合わせを、ここで以下のアルファベットを付した項に記載する。これらの組み合わせは、事実上例示的なものであり、限定的であることを意図したものではない。
【0094】
A.液体洗剤組成物であって、当該洗剤組成物の約5重量%~20重量%未満の、アルキルエトキシル化サルフェート(「AES」)界面活性剤及び第2の界面活性剤を含む界面活性剤系であって、当該AES界面活性剤が複数のAES化合物を含み、各AES化合物がアルキル鎖を含み、当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約40重量%~約70重量%の、当該アルキル鎖に15個の炭素原子を有するAES化合物(C15 AES)を含み、当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約30重量%以下の、当該アルキル鎖に14個の炭素原子を有するAES化合物(C14 AES)を含み、当該AES界面活性剤が、当該アルキル鎖を含む脂肪族アルコールの重量平均分子量に基づいて、約200~約220ダルトンの重量平均分子量(MW)を有する鎖長を特徴とする、界面活性剤系と、洗剤補助剤と、を含む、液体洗剤組成物。
【0095】
B.当該組成物が、当該洗剤組成物の約5重量%~約17重量%、又は約8重量%~約15重量%、又は約10重量%~約15重量%の界面活性剤系を含む、段落Aに記載の液体洗剤組成物。
【0096】
C.当該界面活性剤系が、当該界面活性剤組成物の少なくとも約30重量%、好ましくは少なくとも約60重量%のAES界面活性剤を含む、段落A~Bのいずれかに記載の液体洗剤組成物。
【0097】
D.当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約45重量%~約60重量%、好ましくは約50重量%~約60重量%のC15 AESを含む、段落A~Cのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0098】
E.当該AES界面活性剤が、アルキル鎖に12個の炭素原子を有するAES化合物(C12 AES)、アルキル鎖に13個の炭素原子を有するAES化合物(C13 AES)、又はこれらの混合物を含む、段落A~Dのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0099】
F.当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約25重量%~約50重量%のC12 AESとC13 AESとの混合物を含む、段落A~Eのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0100】
G.当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約15重量%~約50重量%、又は約25重量%~約50重量%、又は約25重量%~約40重量%、又は約30重量%~約40重量%の、アルキル鎖に13個の炭素原子を有するAES化合物(C13 AES)を含む、段落A~Fのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0101】
H.当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約25重量%以下、又は約20重量%以下、又は約15重量%以下、又は約10重量%以下のC14 AESを含む、段落A~Gのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0102】
I.当該AES界面活性剤が、更に、C12 AES、C13 AES、及びC14 AESのそれぞれを当該AES界面活性剤の少なくとも1重量%含む、段落A~Hのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0103】
J.当該AES界面活性剤が、約210~約220ダルトン、好ましくは約211~約218ダルトンの重量平均分子量を有する鎖長を特徴とする、段落A~Iのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0104】
K.当該AES界面活性剤が、約0.5~約5、又は約1~約3、又は約1.5~約2.5の平均エトキシル化度を特徴とする、段落A~Jのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0105】
L.当該AES界面活性剤の約10重量%~約30重量%が、C2位で分岐している、段落A~Kのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0106】
M.当該第2の界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホネート、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤、アミンオキシド界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、段落A~Lのいずれ1つに記載の液体洗剤組成物。
【0107】
N.当該第2の界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホネート、好ましくは直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(「LAS」)を含む、段落A~Mのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0108】
O.当該LASが、AESとLASとの重量比が約1:1~約10:1、好ましくは約2:1~約5:1になるような量で存在する、段落Nに記載の液体洗剤組成物。
【0109】
P.当該組成物が、20s-1及び20℃で約200~約800cpsの粘度を特徴とする、段落A~Oのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0110】
Q.当該洗剤補助剤が、脂肪酸及び/又はその塩、酵素、封入有益剤、汚れ放出ポリマー、色調剤、ビルダー、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、酵素安定剤、触媒材料、漂白剤、漂白触媒、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー分散剤、ポリマー脂洗浄剤、増白剤、抑泡剤、染料、色調剤、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、充填剤、ヒドロトロープ、溶媒、抗菌剤及び/又は防腐剤、中和剤及び/又はpH調整剤、加工助剤、充填剤、レオロジー調整剤又は構造化剤、乳白剤、パールエッセンス剤、顔料、防食及び/又は耐変色剤、並びにこれらの混合物から選択される、段落A~Pのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0111】
R.当該洗剤補助剤が、アルコキシル化ポリエチレンイミン(PEI)ポリマーを含む、段落A~Qのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0112】
S.当該液体洗剤が、当該組成物の約2重量%以下の無機塩を含む、段落A~Rのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0113】
T.当該液体洗剤が、布地ケア組成物である、段落A~Sのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0114】
U.液体洗剤組成物であって、アルキルエーテルサルフェート(alkyl ether sulfate、AES)界面活性剤及び第2の界面活性剤を含む界面活性剤系であって、当該AES界面活性剤が複数のAES化合物を含み、各AES化合物がアルキル鎖を含み、当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約40重量%~約70重量%の、アルキル鎖に15個の炭素原子を有するAES化合物(C15 AES)を含み、当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約30重量%以下の、アルキル鎖に14個の炭素原子を有するAES化合物(C14 AES)を含み、当該AES界面活性剤が、アルキル鎖を含む脂肪族アルコールの重量平均分子量に基づいて、約208~約215ダルトン以下の重量平均分子量(MW)を有する鎖長を特徴とし、当該AES界面活性剤が、約0.5~約5の平均エトキシル化度を更に特徴とする、界面活性剤系と、洗剤補助剤と、を含む、液体洗剤組成物。
【0115】
V.洗剤ペーストであって、当該ペーストの約45重量%~約100重量%のAES界面活性剤であって、当該AES界面活性剤が複数のAES化合物を含み、各AES化合物がアルキル鎖を含み、当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の約40重量%~約70重量%の、アルキル鎖に15個の炭素原子を有するAES化合物(C15 AES)を含み、当該AES界面活性剤が、当該AES界面活性剤の30重量%以下の、アルキル鎖に14個の炭素原子を有するAES化合物(C14 AES)を含み、当該AES界面活性剤が、アルキル鎖を含む脂肪族アルコールの重量平均分子量に基づいて、約200~約220ダルトンの重量平均分子量(MW)を有する鎖長を特徴とし、当該AES界面活性剤が、約0.5~約5の平均エトキシル化度を更に特徴とする、AES界面活性剤系を含み、所望により、当該ペーストが、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、腐食剤、アルコキシル化ポリアルキレンイミン(PEI)ポリマー、非アミノ官能性有機溶媒、水、又はこれらの組み合わせを更に含む、洗剤ペースト。
【0116】
試験方法
パーセント透過率
パーセント透過率は、Beckman Coulter DU(登録商標)800などの紫外可視分光計を用いて測定される。標準の10mm光路長キュベットをサンプル測定に使用し、脱イオン水ブランクと比較する。サンプルは、染料及び/又は乳白剤の不存在下、20℃±2℃の温度で測定される。
【0117】
pH
本明細書において特に明記しない限り、組成物のpHは、20±2℃における組成物の10%水性溶液(重量/体積)のpHとして定義される。pHを±0.01pH単位まで測定することができる任意の計測器が好適である。Orion meters(Thermo Scientific,Clintinpark-Keppekouter,Ninovesteenweg 198,9320 Erembodegem-Aalst,Belgium)又は均等物が、許容可能な計器である。pH計は、カロメル又は銀/塩化銀基準を有する適切なガラス電極を備えていなければならない。例としては、Mettler DB 115が挙げられる。電極は、メーカーが推奨する電解質溶液中で保管する必要がある。
【0118】
洗剤の10%水溶液は、以下の手順に従って調製される。サンプル10±0.05グラムを±0.02グラムまで正確に測定できる天秤で計量する。サンプルは100mLのメスフラスコへ移されて、精製水(水の導電率が<5μS/cmである限り、脱イオン化された及び/又は蒸留された水が好適である)で容量まで希釈されて、十分に混合される。約50mLの得られた溶液をビーカーに注ぎ、温度を20±2℃に調整して、pHをpH計製造業者の標準的な手順に従って測定する。pHアセンブリを組み立てて較正するための製造業者の指示書に従わなれなければならない。
【0119】
平均アルキル鎖長の決定
界面活性剤又は前駆体アルコールの平均アルキル鎖長は、多くの場合、界面活性剤の供給元によって報告される。当業者であれば、硫酸化又はスルホン化界面活性剤の平均アルキル鎖長が、原料アルコールの観点で決定及び/又は報告される場合もあることを理解するであろう。
【0120】
質量基準での鎖長分布のみ報告される場合、以下の式によって平均アルキル鎖長を計算することもできる。
平均アルキル鎖長=(ΣCLi)/(Σ(Xi/CLi))
(式中、Xiは、各鎖長CLiの質量分率である)。
【0121】
鎖長分布が界面活性剤の供給元から入手できない場合、Analysis of Surfactants,Second Edition Thomas Schmitt,CRC Press,2001,pg.29に記載されているように、ガスクロマトグラフィーを介して鎖長分布を決定することができる。硫酸化アルコールのみが利用可能である場合、ヨウ化水素酸溶液による分解によってサルフェートをアルキルヨウ化物に変換し得る。(Lee and Putnam,J.Am.Oil Chem.Soc.43:690(1966))。次いで、アルキルヨウ化物誘導体は、ガスクロマトグラフィーを介して鎖長について容易に特徴付けられる。
【実施例】
【0122】
以下に提供される実施例は、事実上例示を意図するものであり、限定することを意図するものではない。
【0123】
実施例1.AES組成物。
例示的なAES組成物を以下の表2に示す。組成物A及びCは、等量のC14及びC15アルキル鎖並びに比較的少量のC13アルキル鎖を有する比較例である。組成物B及びDは、本開示によるAES組成物であり、C13及びC15アルキル鎖の両方が比較的多く含まれている。
【0124】
【表2】
1AES組成物A及びBは、85重量%のAE2.5Sと、15%の、C12及びC13アルキル鎖を有する非エトキシル化アルキルサルフェートとの混合物である。
【0125】
実施例2.異なるAES鎖長分布から生じる粘度効果。
様々な液体洗剤組成物を調製する(洗剤1~11)。各組成物は、異なる補助剤及び/又は添加剤の濃度を含むが、それぞれの界面活性剤系を以下の表3に示す。洗剤は、界面活性剤の総量が減少する順に列挙される。
【0126】
各洗剤組成物の2つのバージョンを調製する-実施例1に従って、AES「A」を有するもの及びAES「B」を有するもの。
【0127】
得られた組成物を40℃で2週間保管する。保管期間の終了時に、ブルックフィールド粘度計、2番スピンドルを用いて、60RPM/s、20℃で、各組成物の粘度を測定する。粘度測定値、並びに「B」AES界面活性剤と比較した「A」AES界面活性剤を含む組成物間の粘度差を以下の表3に示す。
【0128】
【0129】
表3に示すように、洗剤組成物の粘度は、典型的には、「A」AES界面活性剤を「B」AES界面活性剤に置き換えたときに増加する。更に、「A」AES界面活性剤を「B」AES界面活性剤に置き換えたとき、比較的低濃度の界面活性剤(例えば、20%未満)を含む洗剤組成物は、粘度の著しい増加(例えば、50%超)を示す。例えば、洗剤例8~11を参照されたい。
【0130】
実施例3.物理的安定性。
実施例2に従って、洗剤製剤2及び7のそれぞれ3つのサンプルを調製する。各サンプルは、実施例1に従って、異なるAES組成物:A、B、及びDを使用する。それぞれの界面活性剤系を以下の表4に提供する。値は、全組成物の重量%として提供される。
【0131】
サンプルを25℃及び10℃で保管し、次いで、物理的安定性について目視評価する。透明な製剤は安定していると考えられるが、一方、曇りは物理的安定性の欠如を示す。
【0132】
【0133】
表4に示すように、AES A及びAES Bはいずれも、25℃及び10℃の両方で物理的に安定しているように見える製品をもたらす。しかしながら、AES Dで作製された一部の製品は、10℃で曇って見え、これは物理的安定性の欠如を示す。
【0134】
注目すべきことに、AES B及びAES Dはいずれも、C13及びC15 AESを多く含んでいる。分子量の差(211対216)によって明らかな鎖長分布の比較的小さな変化が、最終製品洗剤においてこのような物理的安定性の差をもたらすことは驚くべきことである。理論に束縛されるものではないが、より長いアルキル鎖長の疎水性の程度が高いほど、物理的不安定性の原因となると考えられる。
【0135】
更に、AES B(実施例13及び16に例示)がAES Aよりも洗剤製造業者にとってより有利であると考えられるが、これは、様々な製品にわたって配合の柔軟性がより大きくなり得るためである。例えば、実施例2に示すように、AES Aと比較してより高い比率のC15 AES及び例えばC13 AESを有するAES Bは、特に界面活性剤が比較的少ない製剤において粘度を上昇させるのに役立つ。次いで、製造業者は、高及び低洗剤組成物の両方を配合するために単一源のAES界面活性剤を使用することができ、それによって、原料の複雑性を低減することができる。
【0136】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0137】
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0138】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。