(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】コンテンツ接触履歴取得システムおよびコンテンツ接触履歴取得方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/1396 20220101AFI20220418BHJP
H04L 67/306 20220101ALI20220418BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20220418BHJP
【FI】
H04L67/1396
H04L67/306
G06Q30/02 300
(21)【出願番号】P 2021184254
(22)【出願日】2021-11-11
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】P 2021097729
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591101434
【氏名又は名称】株式会社ビデオリサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】菊地 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】西 友規
(72)【発明者】
【氏名】松本 圭一
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特許第6915144(JP,B1)
【文献】特開2014-132443(JP,A)
【文献】特開2015-125748(JP,A)
【文献】特開2013-196063(JP,A)
【文献】特開2020-047067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/1396
H04L 67/306
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末による接触状況調査対象のコンテンツへの接触履歴を取得する履歴収集サーバと、
ユーザのプロフィール情報を管理し、前記ユーザ端末の端末識別情報と前記ユーザのユーザ識別情報の紐づけを行うためのユーザ情報突合ページのURLを提供するユーザ情報管理サーバと、を備え、
前記履歴収集サーバと前記ユーザ情報管理サーバは、接触状況の調査対象のコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ、前記コンテンツ配信サーバのドメイン名を含むサブドメインと第1のIPアドレスを関連付けるDNSサーバ、及び、前記第1のIPアドレスへのリクエストを受信して前記履歴収集サーバに当該リクエストを転送するリバースプロキシサーバと、通信回線を介して接続され、
前記コンテンツには、前記サブドメインに対して、前記コンテンツに接触したユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第1のタグが設定されており、
前記ユーザ情報突合ページのURLは、前記コンテンツ配信サーバのドメインを含み、前記ユーザ情報突合ページには、前記サブドメインに対して、前記ユーザ端末への端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第2のタグが設定されており、
前記ユーザ端末において前記コンテンツを閲覧することにより前記第1のタグが発動すると、前記DNSサーバにおいて前記サブドメインに基づいて前記第1のIPアドレスが特定され、前記リバースプロキシサーバにおいて前記第1のIPアドレスへのリクエストが前記履歴収集サーバに転送されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第1のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行い、
前記ユーザ端末において前記ユーザ情報突合ページにアクセスすることにより前記第2のタグが発動すると、前記DNSサーバにおいて前記サブドメインに基づいて前記第1のIPアドレスが特定され、前記リバースプロキシサーバにおいて前記第1のIPアドレスへのリクエストが前記履歴収集サーバに転送されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第2のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うと共に、前記ユーザ識別情報を端末識別情報に紐づけて記録し、
前記第1のタグに基づいて記録された端末識別情報と、前記第2のタグに基づいて記録された端末識別情報を突合することにより、前記履歴収集サーバが、前記コンテンツへの接触履歴と前記ユーザ識別情報の紐づけを行う、
コンテンツ接触履歴取得システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末において前記ユーザ情報突合ページにアクセスしてから一定時間が経過すると、第2のユーザ情報突合ページへリダイレクトし、
前記第2のユーザ情報突合ページのURLは、調査対象のコンテンツを配信する第2のコンテンツ配信サーバのドメインを含み、前記第2のユーザ情報突合ページには、前記第2のコンテンツ配信サーバのドメインを含む第2のサブドメインに対して、前記ユーザ端末への端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第3のタグが設定されており、
前記履歴収集サーバと前記ユーザ情報管理サーバは、前記第2のサブドメインと第2のIPアドレスを関連付けるDNSサーバ、及び、前記第2のIPアドレスへのリクエストを受信して前記履歴収集サーバに当該リクエストを転送するリバースプロキシサーバと、通信回線を介して接続されている、請求項1に記載のコンテンツ接触履歴取得システム。
【請求項3】
ユーザ端末による接触状況調査対象のコンテンツへの接触履歴を取得する履歴収集サーバと、
ユーザのプロフィール情報を管理し、前記ユーザ端末の端末識別情報と前記ユーザのユーザ識別情報の紐づけを行うためのユーザ情報突合ページのURLを提供するユーザ情報管理サーバと、を備え、
前記履歴収集サーバと前記ユーザ情報管理サーバは、接触状況の調査対象のコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ、前記コンテンツ配信サーバのドメインのサブドメインを管理するDNSサーバを定義する第1のDNSサーバ、前記第1のDNSサーバによって、前記サブドメインを管理するDNSサーバとして定義され、前記サブドメインの接続先のIPアドレスを定義する第2のDNSサーバと、通信回線を介して接続され、
前記コンテンツには、前記サブドメインに対して、前記コンテンツに接触したユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第1のタグが設定されており、
前記ユーザ情報突合ページのURLは、前記コンテンツ配信サーバのドメインを含み、前記ユーザ情報突合ページには、前記サブドメインに対して、前記ユーザ端末への端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第2のタグが設定されており、
前記ユーザ端末において前記コンテンツを閲覧することにより前記第1のタグが発動すると、前記第1のDNSサーバにおいて前記サブドメインを管理するDNSサーバが前記第2のDNSサーバであることが特定されると共に、前記第2のDNSサーバにおいて前記サブドメインへのリクエストの送信先が前記履歴収集サーバであることが特定されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第1のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行い、
前記ユーザ端末において前記ユーザ情報突合ページにアクセスすることにより前記第2のタグが発動すると、前記第1のDNSサーバにおいて前記サブドメインを管理するDNSサーバが前記第2のDNSサーバであることが特定されると共に、前記第2のDNSサーバにおいて前記サブドメインへのリクエストの送信先が前記履歴収集サーバであることが特定されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第2のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うと共に、前記ユーザ識別情報を端末識別情報に紐づけて記録し、
前記第1のタグに基づいて記録された端末識別情報と、前記第2のタグに基づいて記録された端末識別情報を突合することにより、前記履歴収集サーバが、前記コンテンツへの接触履歴と前記ユーザ識別情報の紐づけを行う、
コンテンツ接触履歴取得システム。
【請求項4】
前記ユーザ端末において前記ユーザ情報突合ページにアクセスしてから一定時間が経過すると、第2のユーザ情報突合ページへリダイレクトし、
前記第2のユーザ情報突合ページのURLは、調査対象のコンテンツを配信する第2のコンテンツ配信サーバのドメインを含み、前記第2のユーザ情報突合ページには、前記第2のコンテンツ配信サーバのドメインを含む第2のサブドメインに対して、前記ユーザ端末への端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第3のタグが設定されており、
前記履歴収集サーバと前記ユーザ情報管理サーバは、前記第2のサブドメインを管理するDNSサーバを定義するDNSサーバと通信回線を介して接続され、前記第2のサブドメインを管理するDNSサーバは前記第2のDNSサーバであることが定義されている、請求項3に記載のコンテンツ接触履歴取得システム。
【請求項5】
前記端末識別情報は、
前記ユーザ端末においてアクセスしているサイトのドメインに対応するクッキーである、請求項1から4のいずれか1項に記載のコンテンツ接触履歴取得システム。
【請求項6】
前記ユーザ情報管理サーバは、
前記ユーザ端末に、定期的に前記ユーザ情報突合ページのURLを通知する、請求項1から5のいずれか1項に記載のコンテンツ接触履歴取得システム。
【請求項7】
履歴収集サーバによって、ユーザ端末による接触状況調査対象のコンテンツへの接触履歴を取得するコンテンツ接触履歴取得方法であって、
前記履歴収集サーバは、
ユーザのプロフィール情報を管理し、前記ユーザ端末の端末識別情報と前記ユーザのユーザ識別情報の紐づけを行うためのユーザ情報突合ページのURLを提供するユーザ情報管理サーバ、接触状況の調査対象のコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ、前記コンテンツ配信サーバのドメイン名を含むサブドメインと第1のIPアドレスを関連付けるDNSサーバ、及び、前記第1のIPアドレスへのリクエストを受信して前記履歴収集サーバに当該リクエストを転送するリバースプロキシサーバと、通信回線を介して接続され、
前記コンテンツには、前記サブドメインに対して、前記コンテンツに接触したユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第1のタグが設定されており、
前記ユーザ情報突合ページのURLは、前記コンテンツ配信サーバのドメインを含み、前記ユーザ情報突合ページには、前記サブドメインに対して、前記ユーザ端末への端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第2のタグが設定されており、
前記ユーザ端末において前記コンテンツを閲覧することにより前記第1のタグが発動すると、前記DNSサーバにおいて前記サブドメインに基づいて前記第1のIPアドレスが特定され、前記リバースプロキシサーバにおいて前記第1のIPアドレスへのリクエストが前記履歴収集サーバに転送されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第1のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行い、
前記ユーザ端末において前記ユーザ情報突合ページにアクセスすることにより前記第2のタグが発動すると、前記DNSサーバにおいて前記サブドメインに基づいて前記第1のIPアドレスが特定され、前記リバースプロキシサーバにおいて前記第1のIPアドレスへのリクエストが前記履歴収集サーバに転送されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第2のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うと共に、前記ユーザ識別情報を端末識別情報に紐づけて記録し、
前記第1のタグに基づいて記録された端末識別情報と、前記第2のタグに基づいて記録された端末識別情報を突合することにより、前記履歴収集サーバが、前記コンテンツへの接触履歴と前記ユーザ識別情報の紐づけを行う、
コンテンツ接触履歴取得方法。
【請求項8】
履歴収集サーバによって、ユーザ端末による接触状況調査対象のコンテンツへの接触履歴を取得するコンテンツ接触履歴取得方法であって、
前記履歴収集サーバは、
ユーザのプロフィール情報を管理し、前記ユーザ端末の端末識別情報と前記ユーザのユーザ識別情報の紐づけを行うためのユーザ情報突合ページのURLを提供するユーザ情報管理サーバ、接触状況の調査対象のコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ、前記コンテンツ配信サーバのドメインのサブドメインを管理するDNSサーバを定義する第1のDNSサーバ、前記第1のDNSサーバによって、前記サブドメインを管理するDNSサーバとして定義され、前記サブドメインの接続先のIPアドレスを定義する第2のDNSサーバと、通信回線を介して接続され、
前記コンテンツには、前記サブドメインに対して、前記コンテンツに接触したユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第1のタグが設定されており、
前記ユーザ情報突合ページのURLは、前記コンテンツ配信サーバのドメインを含み、前記ユーザ情報突合ページには、前記サブドメインに対して、前記ユーザ端末への端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第2のタグが設定されており、
前記ユーザ端末において前記コンテンツを閲覧することにより前記第1のタグが発動すると、前記第1のDNSサーバにおいて前記サブドメインを管理するDNSサーバが前記第2のDNSサーバであることが特定されると共に、前記第2のDNSサーバにおいて前記サブドメインへのリクエストの送信先が前記履歴収集サーバであることが特定されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第1のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行い、
前記ユーザ端末において前記ユーザ情報突合ページにアクセスすることにより前記第2のタグが発動すると、前記第1のDNSサーバにおいて前記サブドメインを管理するDNSサーバが前記第2のDNSサーバであることが特定されると共に、前記第2のDNSサーバにおいて前記サブドメインへのリクエストの送信先が前記履歴収集サーバであることが特定されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第2のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うと共に、前記ユーザ識別情報を端末識別情報に紐づけて記録し、
前記第1のタグに基づいて記録された端末識別情報と、前記第2のタグに基づいて記録された端末識別情報を突合することにより、前記履歴収集サーバが、前記コンテンツへの接触履歴と前記ユーザ識別情報の紐づけを行う、
コンテンツ接触履歴取得方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルコンテンツやデジタル広告への接触状況を調査するコンテンツ接触履歴取得システムおよびコンテンツ接触履歴取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルコンテンツやデジタル広告への接触履歴を収集し、接触者の動向の分析や、広告の効果測定などに利用することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザ端末でトラッキングタグを埋め込んだウェブサイトを表示すると、ユーザ端末にクッキーIDが割り付けられ、割り付けられたクッキーIDを識別子として、ユーザ端末の閲覧履歴を収集する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、近年、個人情報保護への関心の高まりにより、ユーザの端末を識別する情報を取得して調査に利用することが難しくなりつつある。特に、複数のドメイン間で利用できる端末識別情報であるサードパーティクッキーについては、同一端末による複数のサイトのコンテンツへの接触履歴を管理することができるため、従来はデジタルコンテンツへの接触調査に活用されてきた。また、調査機関等が発行するサードパーティクッキーを用いれば、同じ調査機関が管理するユーザ情報との紐づけも可能である。しかし、サードパーティクッキーは、今後は利用を制限されることが予想される。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザには操作の負担をかけずに、同一端末による複数のサイトのコンテンツへの接触履歴を管理すると共に、接触履歴とユーザ情報とを紐づけて記録できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るコンテンツ接触履歴取得システムは、ユーザ端末による接触状況調査対象のコンテンツへの接触履歴を取得する履歴収集サーバと、ユーザのプロフィール情報を管理し、前記ユーザ端末の端末識別情報と前記ユーザのユーザ識別情報の紐づけを行うためのユーザ情報突合ページのURLを提供するユーザ情報管理サーバと、を備え、前記履歴収集サーバと前記ユーザ情報管理サーバは、接触状況の調査対象のコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ、前記コンテンツ配信サーバのドメイン名を含むサブドメインと第1のIPアドレスを関連付けるDNSサーバ、及び、前記第1のIPアドレスへのリクエストを受信して前記履歴収集サーバに当該リクエストを転送するリバースプロキシサーバと、通信回線を介して接続され、前記コンテンツには、前記サブドメインに対して、前記コンテンツに接触したユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第1のタグが設定されており、前記ユーザ情報突合ページのURLは、前記コンテンツ配信サーバのドメインを含み、前記ユーザ情報突合ページには、前記サブドメインに対して、前記ユーザ端末への端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第2のタグが設定されており、前記ユーザ端末において前記コンテンツを閲覧することにより前記第1のタグが発動すると、前記DNSサーバにおいて前記サブドメインに基づいて前記第1のIPアドレスが特定され、前記リバースプロキシサーバにおいて前記第1のIPアドレスへのリクエストが前記履歴収集サーバに転送されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第1のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行い、前記ユーザ端末において前記ユーザ情報突合ページにアクセスすることにより前記第2のタグが発動すると、前記DNSサーバにおいて前記サブドメインに基づいて前記第1のIPアドレスが特定され、前記リバースプロキシサーバにおいて前記第1のIPアドレスへのリクエストが前記履歴収集サーバに転送されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第2のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うと共に、前記ユーザ識別情報を端末識別情報に紐づけて記録し、前記第1のタグに基づいて記録された端末識別情報と、前記第2のタグに基づいて記録された端末識別情報を突合することにより、前記履歴収集サーバが、前記コンテンツへの接触履歴と前記ユーザ識別情報の紐づけを行うものである。
【0008】
本発明に係るコンテンツ接触履歴取得システムは、ユーザ端末による接触状況調査対象のコンテンツへの接触履歴を取得する履歴収集サーバと、ユーザのプロフィール情報を管理し、前記ユーザ端末の端末識別情報と前記ユーザのユーザ識別情報の紐づけを行うためのユーザ情報突合ページのURLを提供するユーザ情報管理サーバと、を備え、前記履歴収集サーバと前記ユーザ情報管理サーバは、接触状況の調査対象のコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ、前記コンテンツ配信サーバのドメインのサブドメインを管理するDNSサーバを定義する第1のDNSサーバ、前記第1のDNSサーバによって、前記サブドメインを管理するDNSサーバとして定義され、前記サブドメインの接続先のIPアドレスを定義する第2のDNSサーバと、通信回線を介して接続され、前記コンテンツには、前記サブドメインに対して、前記コンテンツに接触したユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第1のタグが設定されており、
前記ユーザ情報突合ページのURLは、前記コンテンツ配信サーバのドメインを含み、前記ユーザ情報突合ページには、前記サブドメインに対して、前記ユーザ端末への端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第2のタグが設定されており、前記ユーザ端末において前記コンテンツを閲覧することにより前記第1のタグが発動すると、前記第1のDNSサーバにおいて前記サブドメインを管理するDNSサーバが前記第2のDNSサーバであることが特定されると共に、前記第2のDNSサーバにおいて前記サブドメインへのリクエストの送信先が前記履歴収集サーバであることが特定されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第1のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行い、前記ユーザ端末において前記ユーザ情報突合ページにアクセスすることにより前記第2のタグが発動すると、前記第1のDNSサーバにおいて前記サブドメインを管理するDNSサーバが前記第2のDNSサーバであることが特定されると共に、前記第2のDNSサーバにおいて前記サブドメインへのリクエストの送信先が前記履歴収集サーバであることが特定されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第2のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うと共に、前記ユーザ識別情報を端末識別情報に紐づけて記録し、前記第1のタグに基づいて記録された端末識別情報と、前記第2のタグに基づいて記録された端末識別情報を突合することにより、前記履歴収集サーバが、前記コンテンツへの接触履歴と前記ユーザ識別情報の紐づけを行うものである。
【0009】
本発明に係るコンテンツ接触履歴取得方法は、履歴収集サーバによって、ユーザ端末による接触状況調査対象のコンテンツへの接触履歴を取得するコンテンツ接触履歴取得方法であって、前記履歴収集サーバは、ユーザのプロフィール情報を管理し、前記ユーザ端末の端末識別情報と前記ユーザのユーザ識別情報の紐づけを行うためのユーザ情報突合ページのURLを提供するユーザ情報管理サーバ、接触状況の調査対象のコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ、前記コンテンツ配信サーバのドメイン名を含むサブドメインと第1のIPアドレスを関連付けるDNSサーバ、及び、前記第1のIPアドレスへのリクエストを受信して前記履歴収集サーバに当該リクエストを転送するリバースプロキシサーバと、通信回線を介して接続され、前記コンテンツには、前記サブドメインに対して、前記コンテンツに接触したユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第1のタグが設定されており、前記ユーザ情報突合ページのURLは、前記コンテンツ配信サーバのドメインを含み、前記ユーザ情報突合ページには、前記サブドメインに対して、前記ユーザ端末への端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第2のタグが設定されており、前記ユーザ端末において前記コンテンツを閲覧することにより前記第1のタグが発動すると、前記DNSサーバにおいて前記サブドメインに基づいて前記第1のIPアドレスが特定され、前記リバースプロキシサーバにおいて前記第1のIPアドレスへのリクエストが前記履歴収集サーバに転送されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第1のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行い、前記ユーザ端末において前記ユーザ情報突合ページにアクセスすることにより前記第2のタグが発動すると、前記DNSサーバにおいて前記サブドメインに基づいて前記第1のIPアドレスが特定され、前記リバースプロキシサーバにおいて前記第1のIPアドレスへのリクエストが前記履歴収集サーバに転送されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第2のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うと共に、前記ユーザ識別情報を端末識別情報に紐づけて記録し、前記第1のタグに基づいて記録された端末識別情報と、前記第2のタグに基づいて記録された端末識別情報を突合することにより、前記履歴収集サーバが、前記コンテンツへの接触履歴と前記ユーザ識別情報の紐づけを行うものである。
【0010】
本発明に係るコンテンツ接触履歴取得方法は、履歴収集サーバによって、ユーザ端末による接触状況調査対象のコンテンツへの接触履歴を取得するコンテンツ接触履歴取得方法であって、前記履歴収集サーバは、ユーザのプロフィール情報を管理し、前記ユーザ端末の端末識別情報と前記ユーザのユーザ識別情報の紐づけを行うためのユーザ情報突合ページのURLを提供するユーザ情報管理サーバ、接触状況の調査対象のコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ、前記コンテンツ配信サーバのドメインのサブドメインを管理するDNSサーバを定義する第1のDNSサーバ、前記第1のDNSサーバによって、前記サブドメインを管理するDNSサーバとして定義され、前記サブドメインの接続先のIPアドレスを定義する第2のDNSサーバと、通信回線を介して接続され、前記コンテンツには、前記サブドメインに対して、前記コンテンツに接触したユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第1のタグが設定されており、前記ユーザ情報突合ページのURLは、前記コンテンツ配信サーバのドメインを含み、前記ユーザ情報突合ページには、前記サブドメインに対して、前記ユーザ端末への端末識別情報の発行および/または記録を行うように指示する情報を含む第2のタグが設定されており、前記ユーザ端末において前記コンテンツを閲覧することにより前記第1のタグが発動すると、前記第1のDNSサーバにおいて前記サブドメインを管理するDNSサーバが前記第2のDNSサーバであることが特定されると共に、前記第2のDNSサーバにおいて前記サブドメインへのリクエストの送信先が前記履歴収集サーバであることが特定されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第1のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行い、前記ユーザ端末において前記ユーザ情報突合ページにアクセスすることにより前記第2のタグが発動すると、前記第1のDNSサーバにおいて前記サブドメインを管理するDNSサーバが前記第2のDNSサーバであることが特定されると共に、前記第2のDNSサーバにおいて前記サブドメインへのリクエストの送信先が前記履歴収集サーバであることが特定されることにより、前記ユーザ端末から前記履歴収集サーバに前記第2のタグに設定される前記指示する情報が送信されることに応答して、前記履歴収集サーバが、前記ユーザ端末に対して前記ユーザ端末の端末識別情報の発行および/または記録を行うと共に、前記ユーザ識別情報を端末識別情報に紐づけて記録し、前記第1のタグに基づいて記録された端末識別情報と、前記第2のタグに基づいて記録された端末識別情報を突合することにより、前記履歴収集サーバが、前記コンテンツへの接触履歴と前記ユーザ識別情報の紐づけを行うものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザには操作の負担をかけずに、同一端末による複数のサイトのコンテンツへの接触履歴を管理すると共に、接触履歴とユーザ情報とを紐づけて記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態1による、コンテンツ接触履歴取得システム1の概略を示すブロック図。
【
図2】本発明の実施の形態1による、コンテンツ接触履歴取得処理のフローチャート。
【
図3】本発明の実施の形態1による、コンテンツ接触履歴取得処理を説明する概略図。
【
図4】本発明の実施の形態による、コンテンツへの接触履歴データとユーザのプロフィール情報との紐づけ処理のフローチャート。
【
図5】本発明の実施の形態による、ユーザ情報突合ページの構成を説明する図。
【
図6】本発明の実施の形態2による、コンテンツ接触履歴取得システム2の概略を示すブロック図。
【
図7】本発明の実施の形態2による、コンテンツ接触履歴取得処理のフローチャート。
【
図8】本発明の実施の形態2による、コンテンツ接触履歴取得処理を説明する概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(用語の説明)
下記の実施形態において、「ドメイン」とは、インターネット上に存在するコンピュータやネットワークを識別する「名前」を示している。また、「サブドメイン」とは、ドメインを目的や用途によって分割したものを示している。例えば、「abc.com」は、コンテンツを配信する会社の「ドメイン」であり、「sub.abc.com」は、「abc.com」のサブドメインである。DNSサーバは、ドメイン情報を管理するサーバである。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるコンテンツ接触履歴取得システム1の概略を示すブロック図である。
図1に示すように、コンテンツ接触履歴取得システム1は、コンテンツ配信サーバ10、履歴収集サーバ20、第1のDNS(Domain Name System)サーバ30、リバースプロキシサーバ40、第2のDNS(Domain Name System)サーバ50、ユーザ情報管理サーバ60、ユーザ端末70を含んでいる。コンテンツ配信サーバ10、履歴収集サーバ20、第1のDNSサーバ30、リバースプロキシサーバ40、第2のDNSサーバ50、ユーザ情報管理サーバ60、およびユーザ端末70は、通信ネットワークNを介して接続されている。通信ネットワークNは、有線又は無線ネットワークであり、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等を含む。
【0015】
コンテンツ接触履歴取得システム1は、接触状況の測定対象のデジタルコンテンツへのユーザ端末70からの接触履歴を取得すると共に、同一のユーザ端末70が接触したコンテンツの分析や、あるコンテンツに接触したユーザの構成(男女比、年代別等)の分析等を行う。
【0016】
コンテンツ配信サーバ10は、測定対象のコンテンツを配信する動画配信サイト等のサーバである。コンテンツ配信サーバ10は、汎用的なコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。コンテンツ配信サーバ10は、制御装置11と記憶装置12を備えている。制御装置11は、ハードウェアとして、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース等を備えている。制御装置11は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。記憶装置12は、ハードディスクドライブ等であり、コンテンツのデータ等が記録されている。
【0017】
履歴収集サーバ20は、測定対象のコンテンツへの接触履歴データとして、対象コンテンツを閲覧したユーザ端末70から受信したクッキー情報(端末識別情報)を含むコンテンツ接触履歴を記録するサーバである。履歴収集サーバ20は、汎用的なコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。履歴収集サーバ20は、制御装置21と記憶装置22を備えている。
【0018】
制御装置21は、ハードウェアとして、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース等を備えている。制御装置21は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。
【0019】
記憶装置22は、ハードディスクドライブ等であり、コンテンツへの接触履歴データとして、コンテンツに接触したユーザ端末70に対して発行されたクッキー情報(端末識別情報)を含むコンテンツ接触履歴が記録されている。また、ユーザ情報突合ページにアクセスしたユーザ端末70に対して発行されたクッキー情報(端末識別情報)とユーザID(ユーザ識別情報)が記録されている。
【0020】
第1のDNSサーバ30と第2のDNSサーバ50は、通信ネットワーク上の名前解決機能を有するサーバであり、指定されたドメイン名をIPアドレスに変換する。第1のDNSサーバ30は、コンテンツ配信サーバ10のドメインを管理するDNSサーバであり、第2のDNSサーバ50は、履歴収集サーバ20のドメインを管理するDNSサーバである。第1のDNSサーバ30には、コンテンツ配信サーバ10のAレコードが記憶されている。Aレコードは、特定のドメインとIPアドレスを関連付けるレコードである。本実施形態では、コンテンツ配信サーバ10のサブドメインに対し、リバースプロキシサーバ40に割り振られたIPアドレス(第1のIPアドレス)を関連付ける内容のAレコードが記憶されている。
【0021】
リバースプロキシサーバ40は、履歴収集サーバ20へのリクエストを受信して、履歴収集サーバ20に転送する機能を有する。具体的には、所定のIPアドレス(第1のIPアドレス)宛てに送信された依頼を履歴収集サーバ20に転送する。なお、各動画配信サイトのコンテンツ配信サーバ10には、上述のAレコードにてそれぞれ異なるIPアドレスが関連付けられており、それぞれのIPアドレス宛に送信された依頼は全てリバースプロキシサーバ40が受信し、履歴収集サーバ20に転送するようにしてもよい。
【0022】
ユーザ情報管理サーバ60は、モニターとして登録されているユーザのユーザIDとプロフィール情報(性別、年代、居住地域、メールアドレス等)を管理すると共に、ユーザ端末70にユーザ情報突合ページへアクセスさせることにより、コンテンツへの接触履歴データと、ユーザのプロフィール情報とを紐づけるサーバである。ユーザ情報管理サーバ60は、例えば、履歴収集サーバ20を管理する業者等が管理する。ユーザ情報管理サーバ60は、汎用的なコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。ユーザ情報管理サーバ60は、制御装置61と記憶装置62を備えている。制御装置61は、ハードウェアとして、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース等を備えている。記憶装置62は、ハードディスクドライブ等であり、ユーザIDとプロフィール情報等が記憶されている。
【0023】
ユーザ端末70は、ユーザが所有する、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、ウェアラブルデバイス、携帯情報端末(PDA)などの端末である。ユーザ端末70は、プロセッサ、キーボードやマウス、操作ボタンやタッチパネルなどの入力装置、液晶ディスプレイなどの表示装置、通信インタフェース、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)などの記憶装置を備えている。記憶装置には、プロセッサが実行するコンピュータプログラムが記憶されている。
【0024】
次に、
図2のフローチャートと、
図3の概略図を用いて、コンテンツ接触履歴取得システム1による、コンテンツ接触履歴取得の流れについて説明する。ここでは、ユーザ端末70から、コンテンツ配信サーバ10が提供する動画配信サイトABCにアクセスし、動画コンテンツCに接触した場合の履歴取得を例に説明する。コンテンツ配信サーバ10のドメイン名は「abc.com」とする。
【0025】
コンテンツCには、測定タグT(第1のタグ)が埋め込まれている。測定タグTには、ドメイン「abc.com」のサブドメイン「sub.abc.com」に対して、ユーザ端末70に対するクッキー情報の発行と記録を行うように指示する内容の処理が記述されている。
【0026】
まず、ユーザがユーザ端末70を操作して、動画配信サイトABCにアクセスし、コンテンツCを閲覧すると(ステップS101)、コンテンツCに埋め込まれている測定タグTが発動する(ステップS102)。
【0027】
測定タグTが発動すると、ユーザ端末70からサブドメイン「sub.abc.com」へのアクセスが開始され、まず、第1のDNSサーバ30においてサブドメイン「sub.abc.com」の名前解決(IPアドレスの取得)が実行される(ステップS103)。第1のDNSサーバ30には、「sub.abc.com」のAレコード設定が記憶されている。具体的には、例えば「sub.abc.com IN A 111.222.333.444」という内容のレコードが記憶されている。このレコードは、「sub.abc.com」宛てのリクエストは、IPアドレス「111.222.333.444」に送信することを示している。
【0028】
第1のDNSサーバ30において、IPアドレス「111.222.333.444」が取得されると、IPアドレス「111.222.333.444」が割り振られているリバースプロキシサーバ40に、測定タグTの指示情報が送信される(ステップS104)。リバースプロキシサーバ40は、IPアドレス「111.222.333.444」に対して送信された指示情報を、履歴収集サーバ20に転送する(ステップS105)。
【0029】
リバースプロキシサーバ40から履歴収集サーバ20に送信された依頼は、第2のDNSサーバ50における履歴収集サーバ20の名前解決(IPアドレスの取得)を経て履歴収集サーバ20に送信される。以上の過程を経て、ユーザ端末70から送信された測定タグTに設定される指示情報が、履歴収集サーバ20に受信される(ステップS106)。履歴収集サーバ20は、受信した指示情報に応答して、ユーザ端末70に対して端末識別情報を発行し、コンテンツCへの接触履歴データとして端末識別情報の記録を行う。また、履歴収集サーバ20はユーザ端末70に対して、クッキー情報を含むコンテンツ接触履歴データを送信する(ステップS107)。具体的には、ユーザ端末70からのコンテンツCへの接触が初めての場合には、履歴収集サーバ20はユーザ端末70を特定するための端末識別情報(実際には、ブラウザの識別情報)を発行し、ユーザ端末70に当該端末識別情報(クッキー情報)と、コンテンツ接触情報(日時、コンテンツ識別情報等)を送信する。また、2回目以降の接触の場合には、ユーザ端末70から履歴収集サーバ20にユーザ端末70に保存される端末識別情報が提供され、履歴収集サーバ20は、当該端末識別情報と、コンテンツ接触情報とを含むコンテンツ接触履歴をユーザ端末70へ送信する。
【0030】
ユーザ端末70は、受信したクッキー情報を含むコンテンツ接触履歴を保存する(ステップS108)。
【0031】
ここで、ユーザ端末70に送信されたクッキー情報を履歴収集サーバ20から発行されたものとして管理すると、コンテンツCを表示するためにアクセスしているコンテンツ配信サーバ10とは異なるドメインからのクッキーであるため、サードパーティクッキーとして認識される。しかし、本実施形態においてユーザ端末70上で、クッキーは、「abc.com」のサブドメイン「sub.abc.com」から発行されたクッキーとして管理されるため、ファーストパーティクッキーとして認識される。すなわち、Aレコード設定(リバースプロキシサーバ40のIPアドレスとの関連付け)を利用して、コンテンツ配信サーバ10のサブドメインに対するリクエストが履歴収集サーバに転送されるようにすることにより、実際には履歴収集サーバ20によって発行されたサードパーティクッキーが、「sub.abc.com」によって発行されたクッキー、すなわち、コンテンツ配信サーバ10のドメインから発行されたファーストパーティクッキーとして扱われる。
【0032】
すなわち、ユーザがユーザ端末70からコンテンツCに接触する度に、コンテンツCに埋め込まれた測定タグが発動し、ファーストパーティクッキーによってユーザ端末70(ブラウザ)が識別される接触履歴データが履歴収集サーバ20に蓄積される。
【0033】
次に、
図4のフローチャートを用いて、コンテンツへの接触履歴データを、ユーザのプロフィール情報と紐づける仕組みについて説明する。
【0034】
ユーザ情報管理サーバ60は、ユーザIDが登録されているユーザのユーザ端末70に対し、定期的にユーザ情報突合ページへのアクセスを促すメールを送信する(ステップS201)。メールには、ユーザにアクセスさせるURLと、当該URLへのアクセスを促す文章等が記載されている。URLは、コンテンツを配信するサイトのドメイン名を含むサブドメイン(例えば、配信サイトABCのドメイン名「abc.com」を含むサブドメイン「sub.abc.com」)に対応しており、さらに、当該ユーザのユーザIDがURLパラメータ(例えば、URLの末尾に「?」に続けて記述される情報)としてURLに付加されている。具体的には、例えばユーザIDが「U123」であれば、ユーザ情報突合ページのURLは「sub.abc.com?id=U123」とすることができる。
【0035】
ユーザが、ユーザ端末70からメールに記載されたURLにアクセスすると(ステップS202)、ユーザ端末70から、URL「sub.abc.com?id=U123」へのアクセスが開始され、第1のDNSサーバ30において「sub.abc.com」の名前解決(IPアドレスの取得)が実行される。上述のとおり、第1のDNSサーバ30には「sub.abc.com」のAレコード設定(「sub.abc.com IN A 111.222.333.444」)が記憶されており、「sub.abc.com」宛てのリクエストはIPアドレス「111.222.333.444」に対応するリバースプロキシサーバ40に送信される。リバースプロキシサーバ40は、第2のDNSサーバ50において履歴収集サーバ20の名前解決を行い、履歴収集サーバ20のIPアドレスを特定し、受信したリクエストを履歴収集サーバ20に転送する。その結果、履歴収集サーバ20内に構築されたユーザ情報突合ページの情報がユーザ端末70に送信され、ユーザ端末70に表示される(ステップS203)。
【0036】
ユーザ情報突合ページは、履歴収集サーバ20内に構築されているが、記載されたURL(ここでは「sub.abc.com?id=U123」)にアクセスしたユーザ側から見ると、コンテンツを配信するサイトのドメインである。ユーザ情報突合ページには、第2のタグが埋め込まれている。第2のタグには、サブドメイン「sub.abc.com」に対して、ユーザ端末70に対するクッキー情報の発行と記録を行うように指示する内容の処理が記述されている。
【0037】
第2のタグが発動すると、ユーザ端末70からサブドメイン「sub.abc.com」へのアクセスが開始され、第1のDNSサーバ30において、サブドメイン「sub.abc.com」の名前解決(IPアドレスの取得)が実行される。上述のとおり、第1のDNSサーバ30には「sub.abc.com」のAレコード設定(「sub.abc.com IN A 111.222.333.444」)が記憶されており、「sub.abc.com」宛てのリクエストはIPアドレス「111.222.333.444」に対応するリバースプロキシサーバ40に送信される。
【0038】
リバースプロキシサーバ40は、第2のDNSサーバ50において履歴収集サーバ20の名前解決を行い、履歴収集サーバ20のIPアドレスを特定し、受信したリクエストを履歴収集サーバ20に転送する。以上の過程を経て、ユーザ端末70から送信された第2のタグに設定される指示情報が、履歴収集サーバ20において受信される。履歴収集サーバ20は、受信した指示情報に応答して、ユーザ端末70に対して、端末識別情報の発行および/または記録を行う(ステップS204)。また、履歴収集サーバ20は、端末識別情報(クッキー情報)を記憶装置22に記憶する。
【0039】
ユーザ情報突合ページの構成について、
図4のフローチャートと
図5を用いて詳しく説明する。
図5に示すように、ユーザ端末70からメールに記載されたURLにアクセスすると、まず1番目の配信サイトABCのユーザ情報突合ページP1が表示される。ユーザ情報突合ページP1が表示されると、ユーザ情報突合ページP1に埋め込まれた第2のタグ(タグT1)が発動し、配信サイトABCの調査対象コンテンツCを閲覧した時と同様の仕組みにより、配信サイトABCのドメインに対応して発行されたクッキー(履歴収集サーバ20によって発行されたクッキー)がユーザ端末70に送信される。すなわち、サブドメイン「sub.abc.com」に基づいて履歴収集サーバ20が特定されて、ユーザ端末70から履歴収集サーバ20に第2のタグに設定される指示情報が送信されることに応答して、履歴収集サーバ20からユーザ端末70にクッキー情報が発行される。また、コンテンツを閲覧した際には、コンテンツ接触履歴として、端末識別情報(クッキー情報)と共に、コンテンツ接触情報(日時、コンテンツ識別情報等)が発行されたが、ユーザ情報突合ページでは、コンテンツ接触情報の代わりに、URLパラメータとして設定されている当該ユーザのユーザIDが端末識別情報と共に発行される。なお、第2のタグに基づいて発行される端末識別情報と、第1のタグに基づいて発行される端末識別情報は、共に同じドメイン(例えば、「abc.com」)のサブドメイン(例えば、「sub.abc.com」)に対して発行が指示されているため、同一の端末識別情報が発行される。なお、本実施形態では、第1のタグと第2のタグにおいて、同じサブドメインに対してクッキーの発行を指示しているが、これらは、同じドメインに属する異なるサブドメイン(例えば、「sub1.abc.com」と「sub2.abc.com」)であってもよい。この場合にも、両サブドメインは同じドメインのサブドメインであるため、同一の端末識別情報が発行される。
【0040】
ユーザ端末70は、受信したクッキー情報を保存する(ステップS205)。
【0041】
さらに、ユーザ情報突合ページP1にアクセスしてから一定時間(例えば、10秒)が経過すると、次のサイトのユーザ情報突合ページ(第2のユーザ情報突合ページ)が登録されている場合には(ステップS206:YES)、履歴収集サーバ20の設定に基づいて、次のサイトのユーザ情報突合ページ(
図5の例では、配信サイトDEFのユーザ情報突合ページP2)へリダイレクトする(ステップS207)。URLは、配信サイトDEFのドメイン名を含むサブドメイン(例えば、配信サイトDEFのドメイン名「def.com」を含むサブドメイン「sub.def.com」(第2のサブドメイン))に対応している。また、最初のユーザ情報突合ページと同様に、当該ユーザのユーザIDがURLパラメータとしてURLに付加されている。例えば、第2のユーザ情報突合ページのURLは「sub.def.com?id=U123」となる。第2のユーザ情報突合ページ(ユーザ情報突合ページP2)においても、サブドメイン「sub.def.com」に対して、ユーザ端末70にクッキーを発行するよう指示するタグ(第3のタグ)が発動し、端末識別情報とユーザIDを含む履歴が発行される。このようにして、ユーザ情報突合ページに含まれる配信サイトのページに順次リダイレクトし、それぞれのページへアクセスした際に、各配信サイトに対応するクッキーが発行される。全ての配信サイトのページへのリダイレクトが完了すると(ステップS206:NO)、完了ページが表示される(ステップS208)。
【0042】
履歴収集サーバ20には、ユーザ端末70から調査対象コンテンツを閲覧した際に記録された各サイトのファーストパーティクッキー(端末識別情報)とコンテンツ接触情報を含むコンテンツ接触履歴と、ユーザ情報突合ページにアクセスした際に記録されたファーストパーティクッキー(端末識別情報)とユーザIDを含む履歴が記録されている。ユーザ端末70を特定する端末識別情報については、サイト毎に共通であるため、端末識別情報で突合することにより、コンテンツへの接触履歴とユーザIDを紐づけることができる。これにより、コンテンツへの接触履歴と、ユーザ情報管理サーバ60に記録されているユーザのプロフィール情報とを紐づけることができる。
【0043】
履歴収集サーバ20に記録されている接触履歴データのうち、ユーザIDとの紐づけができたデータについて、ユーザプロフィールを用いて男女比、年代別構成比等を分析することにより、接触履歴データ全体の傾向を推定することができる。
【0044】
また、本実施形態では同一ユーザ(ユーザ端末70)に対応する端末識別情報はサイトによって異なるが、ユーザ情報突合ページを利用することによって、同じユーザによる接触履歴をまとめることができる。具体例を用いて説明すると、ユーザU1のユーザ端末70に対して配信サイトABCに対応して発行された端末識別情報(クッキーID)は「111」、配信サイトDEFに対応して発行された端末識別情報は「222」、配信サイトGHIに対応して発行された端末識別情報は「333」とすると、コンテンツへの接触履歴データだけでは、これらのクッキーIDを含む履歴データが同一のユーザによるものであることは分からない。一方、ユーザU1がユーザ情報突合ページにアクセスすることにより、それぞれのクッキーIDがユーザU1のユーザIDと紐づけられるので、いずれの接触履歴もユーザU1によるものであることが特定できる。
【0045】
以上のように、本実施形態によれば、コンテンツ配信サーバ10によって配信される調査対象のコンテンツには、コンテンツ配信サーバ10のドメイン名を含むサブドメインに対し、コンテンツに接触したユーザ端末70へのクッキー情報の発行と、発行したクッキー情報(端末識別情報)を含むコンテンツ接触履歴の記録を行うように指示する第1のタグが設定されている。また、第1のDNSサーバ30にはコンテンツ配信サーバ10のサブドメインのAレコード設定が記憶されており、このAレコード設定により、コンテンツ配信サーバ10のサブドメイン宛てのリクエストは、リバースプロキシサーバ40に送信される。リバースプロキシサーバ40は、受信したリクエストを履歴収集サーバ20に転送し、履歴収集サーバ20からユーザ端末7にクッキー情報が発行される。
【0046】
このように、履歴収集サーバ20が、コンテンツ配信サーバ10、第1のDNSサーバ30、およびリバースプロキシサーバ40と連携することにより、実際には、履歴収集サーバ20からユーザ端末70に発行されるサードパーティクッキーがコンテンツ配信サーバ10のドメインから発行されるファーストパーティクッキーとして扱われるので、サードパーティクッキーの利用が制限されているサイト等においても、従来のサードパーティクッキーを利用した接触履歴の管理と同等のことが行える。本実施形態によれば、調査対象のコンテンツを配信する各サイトにおいては、測定タグを設定することと、DNSサーバにサイト内のドメインのAレコード設定(リバースプロキシサーバ40のIPアドレスとの関連付け)を登録することだけを行えばよいので、ごく小さな負担しかかからない。
【0047】
また、ユーザ端末70からユーザ情報突合ページにアクセスしてもらうことにより、各配信サイトのドメインから発行されるファーストパーティクッキーと、ユーザ情報を紐づけて記録することができるようにした。これにより、全接触履歴データの傾向(男女比、年代比等)の推定や、同一ユーザによる複数サイトへの接触履歴の特定などを実現することができる。また、対象のサイトが増えた場合でも、リダイレクトするページを増やすことで簡単に対応することができる。なお、ユーザ情報突合ページは、履歴収集サーバ20を管理する調査会社等が構築すればよいので、調査対象のコンテンツを配信しているサイトには負担がかからない。なお、本実施形態では、ユーザ情報突合ページのURLに、ユーザIDをURLパラメータとして付加することによって、履歴収集サーバ20にユーザIDが送信されるようにしているが、ユーザIDの取得方法はこれに限られない。例えば、ユーザ情報突合ページのサイトに、ユーザIDを使用してログインしてもらい、ログイン中に第2のタグが発動してユーザIDを取得するようにしてもよい。
【0048】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2によるコンテンツ接触履歴取得システム2の概略を示すブロック図である。
図1と同一の符号は同一または対応する構成を示している。
図6に示すように、コンテンツ接触履歴取得システム2は、コンテンツ配信サーバ10、履歴収集サーバ20、第1のDNS(Domain Name System)サーバ30、第2のDNS(Domain Name System)サーバ50、ユーザ情報管理サーバ60、ユーザ端末70を含んでいる。コンテンツ配信サーバ10、履歴収集サーバ20、第1のDNSサーバ30、第2のDNSサーバ50、ユーザ情報管理サーバ60、およびユーザ端末70は、通信ネットワークNを介して接続されている。
【0049】
コンテンツ接触履歴取得システム2は、実施の形態1によるコンテンツ接触履歴取得システム1と同様に、接触状況の測定対象のデジタルコンテンツへのユーザ端末70からの接触履歴を取得すると共に、同一のユーザ端末70が接触したコンテンツの分析や、あるコンテンツに接触したユーザの構成(男女比、年代別等)の分析等を行う。
【0050】
コンテンツ配信サーバ10、履歴収集サーバ20、ユーザ情報管理サーバ60、およびユーザ端末70は、実施の形態1によるコンテンツ接触履歴取得システム1のコンテンツ配信サーバ10、履歴収集サーバ20、ユーザ情報管理サーバ60、およびユーザ端末70と、同様の構成および機能を有する。
【0051】
第1のDNSサーバ30と第2のDNSサーバ50は、通信ネットワーク上の名前解決機能を有するサーバであり、第1のDNSサーバ30は、コンテンツを配信する会社(以下、X社)が使用するDNSサーバであり、第2のDNSサーバ50は、コンテンツへの接触履歴を管理し、接触履歴に基づく分析を行う会社(以下、Y社)が使用するDNSサーバである。ここでは、第1のDNSサーバ30のサーバ名を「ns-xxxdns.net」、第2のDNSサーバ50のサーバ名を「ns-yyydns.net」と定義する。
【0052】
第1のDNSサーバ30には、X社のドメイン「abc.com」を管理するDNSサーバを定義するレコード(NSレコード)が記憶されている。具体的には、例えば「abc.com NS ns-xxxdns.net」という内容のレコードが記憶されている。このレコードは、X社のドメイン「abc.com」を管理するDNSサーバは、第1のDNSサーバ30(「ns-xxxdns.net」)であることを示している。
【0053】
さらに、第1のDNSサーバ30には、X社のサブドメイン「sub.abc.com」を管理するDNSサーバを定義するNSレコードが記憶されている。具体的には、例えば「sub.abc.com NS ns-yyydns.net」という内容のレコードが記憶されている。このレコードは、X社のサブドメイン「sub.abc.com」を管理するDNSサーバは、第2のDNSサーバ50「ns-yyydns.net」であることを示している。すなわち、サブドメイン「sub.abc.com」の管理は、他社(Y社)のDNSサーバに委任されている。このように、NSレコードの設定により、サブドメインの管理権限を他社のDNSサーバに委任することができる。
【0054】
第2のDNSサーバ50には、X社のサブドメイン「sub.abc.com」を管理するDNSサーバが、Y社の第2のDNSサーバ50「ns-yyydns.net」であることを定義するNSレコード「sub.abc.com NS ns-yyydns.net」が記憶されている。さらに、第2のDNSサーバ50には、X社のサブドメイン「sub.abc.com」とIPアドレスの関連付けを定義するレコードが記憶されている。具体的には、例えば「sub.abc.com IN A 123.45.678.999」という内容のレコードが記憶されている。ここでは、IPアドレス「123.45.678.999」は、Y社が管理する履歴収集サーバ20のIPアドレスである。すなわち、このレコードは、「sub.abc.com」宛てのリクエストは、履歴収集サーバ20に送信されることを定義している。
【0055】
次に、
図7のフローチャートと、
図8の概略図を用いて、コンテンツ接触履歴取得システム2による、コンテンツ接触履歴取得の流れについて説明する。ここでは、ユーザ端末70から、コンテンツ配信サーバ10が提供する動画配信サイトABCにアクセスし、動画コンテンツCに接触した場合の履歴取得を例に説明する。コンテンツ配信サーバ10を管理するX社のドメインは「abc.com」とする。
【0056】
コンテンツCには、測定タグT(第1のタグ)が埋め込まれている。測定タグTには、ドメイン「abc.com」のサブドメイン「sub.abc.com」に対して、ユーザ端末70に対するクッキー情報の発行と記録を行うように指示する内容の処理が記述されている。
【0057】
まず、ユーザがユーザ端末70を操作して、動画配信サイトABCにアクセスし、コンテンツCを閲覧すると(ステップS301)、コンテンツCに埋め込まれている測定タグTが発動する(ステップS302)。
【0058】
測定タグTが発動すると、X社のドメイン「abc.com」を管理する第1のDNSサーバ30に、サブドメイン「sub.abc.com」を管理するDNSサーバの問い合わせが送信される(ステップS303)。第1のDNSサーバ30は、記憶されているNSレコード「sub.abc.com NS ns-yyydns.net」に基づいて、「sub.abc.com」を管理するDNSサーバは第2のDNSサーバ50「ns-yyydns.net」であることを返信する(ステップS304)。
【0059】
次に、第2のDNSサーバ50に、サブドメイン「sub.abc.com」の接続先の問い合わせが送信される(ステップS305)。第2のDNSサーバ50は、記憶されているAレコード「sub.abc.com IN A 123.45.678.999」に基づいて、「sub.abc.com」への問い合わせは、IPアドレス「123.45.678.999」に送信することを通知する(ステップS306)。「123.45.678.999」は、Y社が管理する履歴収集サーバ20のIPアドレスである。
【0060】
以上の過程を経て、ユーザ端末70から送信された測定タグTに設定される指示情報、すなわち、サブドメイン「sub.abc.com」にユーザ端末70に対してクッキー情報の発行と記録を行うように指示する情報が履歴収集サーバ20に送信される(ステップS307)。
【0061】
履歴収集サーバ20は、受信した指示情報に応答して、ユーザ端末70に対して端末識別情報を発行し、コンテンツCへの接触履歴データとして端末識別情報の記録を行う。また、履歴収集サーバ20はユーザ端末70に対して、クッキー情報を含むコンテンツ接触履歴データを送信する(ステップS308)。具体的には、ユーザ端末70からのコンテンツCへの接触が初めての場合には、履歴収集サーバ20はユーザ端末70を特定するための端末識別情報(実際には、ブラウザの識別情報)を発行し、ユーザ端末70に当該端末識別情報(クッキー情報)と、コンテンツ接触情報(日時、コンテンツ識別情報等)を送信する。また、2回目以降の接触の場合には、ユーザ端末70から履歴収集サーバ20にユーザ端末70に保存される端末識別情報が提供され、履歴収集サーバ20は、当該端末識別情報と、コンテンツ接触情報とを含むコンテンツ接触履歴をユーザ端末70へ送信する。
【0062】
ユーザ端末70は、受信したクッキー情報を含むコンテンツ接触履歴を保存する(ステップS309)。
【0063】
ここで、ユーザ端末70に送信されたクッキー情報を履歴収集サーバ20から発行されたものとして管理すると、コンテンツCを表示するためにアクセスしているコンテンツ配信サーバ10とは異なるドメインからのクッキーであるため、サードパーティクッキーとして認識される。しかし、本実施形態においてユーザ端末70上で、クッキーは、「abc.com」のサブドメイン「sub.abc.com」から発行されたクッキーとして管理されるため、ファーストパーティクッキーとして認識される。すなわち、第1のDNSサーバ30におけるNSレコード設定(サブドメイン「sub.abc.com」を管理するDNSサーバが第2のDNSサーバ50であることを定義)および第2のDNSサーバ50におけるサブドメイン「sub.abc.com」宛てのリクエストの送信先(履歴収集サーバ20)の設定を利用して、コンテンツ配信サーバ10のサブドメインに対するリクエストが履歴収集サーバ20に送信されるようにすることにより、実際には履歴収集サーバ20によって発行されたサードパーティクッキーが、「sub.abc.com」によって発行されたクッキー、すなわち、コンテンツ配信サーバ10のドメインから発行されたファーストパーティクッキーとして扱われる。
【0064】
すなわち、ユーザがユーザ端末70からコンテンツCに接触する度に、コンテンツCに埋め込まれた測定タグが発動し、ファーストパーティクッキーによってユーザ端末70(ブラウザ)が識別される接触履歴データが履歴収集サーバ20に蓄積される。
【0065】
コンテンツ接触履歴取得システム2における、コンテンツへの接触履歴データとユーザのプロフィール情報との紐づけは、
図4のフローチャートと同様の手順で行うことができる。上記のように、実施の形態1と実施の形態2では、サブドメイン「sub.abc.com」の名前解決(接続先のIPアドレスの取得)の方法が異なっている。
【0066】
図4に示すように、ユーザ情報管理サーバ60は、ユーザIDが登録されているユーザのユーザ端末70に対し、定期的にユーザ情報突合ページへのアクセスを促すメールを送信する(ステップS201)。メールには、ユーザにアクセスさせるURLと、当該URLへのアクセスを促す文章等が記載されている。URLは、コンテンツを配信するサイトのドメインのサブドメイン(例えば、配信サイトABCのドメイン「abc.com」のサブドメイン「sub.abc.com」)に対応しており、さらに、当該ユーザのユーザIDがURLパラメータ(例えば、URLの末尾に「?」に続けて記述される情報)としてURLに付加されている。具体的には、例えばユーザIDが「U123」であれば、ユーザ情報突合ページのURLは「sub.abc.com?id=U123」とすることができる。
【0067】
ユーザが、ユーザ端末70からメールに記載されたURLにアクセスすると(ステップS202)、ユーザ端末70から、URL「sub.abc.com?id=U123」へのアクセスが開始され、まず、ドメイン「abc.com」を管理する第1のDNSサーバ30から「sub.abc.com」を管理するDNSサーバが第2のDNSサーバ50「ns-yyydns.net」であることが返される。さらに、第2のDNSサーバ50から、サブドメイン「sub.abc.com」の接続先IPアドレスが「123.45.678.999」(履歴収集サーバ20のIPアドレス)であることが返される。これにより、「sub.abc.com」宛てのリクエストは履歴収集サーバ20に送信される。その結果、履歴収集サーバ20内に構築されたユーザ情報突合ページの情報がユーザ端末70に送信され、ユーザ端末70に表示される(ステップS203)。
【0068】
ユーザ情報突合ページは、履歴収集サーバ20内に構築されているが、記載されたURL(ここでは「sub.abc.com?id=U123」)にアクセスしたユーザ側から見ると、コンテンツを配信するサイトのドメインである。ユーザ情報突合ページには、第2のタグが埋め込まれている。第2のタグには、サブドメイン「sub.abc.com」に対して、ユーザ端末70に対するクッキー情報の発行と記録を行うように指示する内容の処理が記述されている。
【0069】
第2のタグが発動すると、ユーザ端末70からサブドメイン「sub.abc.com」へのアクセスが開始され、第1のDNSサーバ30からサブドメイン「sub.abc.com」を管理するDNSサーバが第2のDNSサーバ50「ns-yyydns.net」であることが返され、第2のDNSサーバ50から、サブドメイン「sub.abc.com」の接続先IPアドレスが「123.45.678.999」(履歴収集サーバ20のIPアドレス)であることが返される。これにより、「sub.abc.com」宛てのリクエストが履歴収集サーバ20に送信される。
【0070】
以上の過程を経て、ユーザ端末70から送信された第2のタグに設定される指示情報が、履歴収集サーバ20において受信される。履歴収集サーバ20は、受信した指示情報に応答して、ユーザ端末70に対して、端末識別情報の発行および/または記録を行う(ステップS204)。履歴収集サーバ20は、端末識別情報(クッキー情報)を記憶装置22に記憶する。ユーザ端末70は、履歴収集サーバ20から受信したクッキー情報を保存する(ステップS205)。
【0071】
ユーザ情報突合ページの構成は
図5に示す実施の形態1と同様である。ユーザ端末70からユーザ情報突合ページP1にアクセスしてから一定時間(例えば、10秒)が経過すると、次のサイトのユーザ情報突合ページ(第2のユーザ情報突合ページ)が登録されている場合には(ステップS206:YES)、履歴収集サーバ20の設定に基づいて、次のサイトのユーザ情報突合ページ(
図5の例では、配信サイトDEFのユーザ情報突合ページP2)へリダイレクトする(ステップS207)。URLは、配信サイトDEFのドメインのサブドメイン(例えば、「sub.def.com」(第2のサブドメイン))に対応している。また、最初のユーザ情報突合ページと同様に、当該ユーザのユーザIDがURLパラメータとしてURLに付加されている。例えば、第2のユーザ情報突合ページのURLは「sub.def.com?id=U123」となる。第2のユーザ情報突合ページ(ユーザ情報突合ページP2)においても、サブドメイン「sub.def.com」に対して、ユーザ端末70にクッキーを発行するよう指示するタグ(第3のタグ)が発動し、端末識別情報とユーザIDを含む履歴が発行される。このようにして、ユーザ情報突合ページに含まれる配信サイトのページに順次リダイレクトし、それぞれのページへアクセスした際に、各配信サイトに対応するクッキーが発行される。全ての配信サイトのページへのリダイレクトが完了すると(ステップS206:NO)、完了ページが表示される(ステップS208)。
【0072】
履歴収集サーバ20には、ユーザ端末70から調査対象コンテンツを閲覧した際に記録された各サイトのファーストパーティクッキー(端末識別情報)とコンテンツ接触情報を含むコンテンツ接触履歴と、ユーザ情報突合ページにアクセスした際に記録されたファーストパーティクッキー(端末識別情報)とユーザIDを含む履歴が記録されている。ユーザ端末70を特定する端末識別情報については、サイト毎に共通であるため、端末識別情報で突合することにより、コンテンツへの接触履歴とユーザIDを紐づけることができる。これにより、コンテンツへの接触履歴と、ユーザ情報管理サーバ60に記録されているユーザのプロフィール情報とを紐づけることができる。
【0073】
履歴収集サーバ20に記録されている接触履歴データのうち、ユーザIDとの紐づけができたデータについて、ユーザプロフィールを用いて男女比、年代別構成比等を分析することにより、接触履歴データ全体の傾向を推定することができる。
【0074】
また、同一ユーザ(ユーザ端末70)に対応する端末識別情報はサイトによって異なるが、ユーザ情報突合ページを利用することによって、同じユーザによる接触履歴をまとめることができる。具体例を用いて説明すると、ユーザU1のユーザ端末70に対して配信サイトABCに対応して発行された端末識別情報(クッキーID)は「111」、配信サイトDEFに対応して発行された端末識別情報は「222」、配信サイトGHIに対応して発行された端末識別情報は「333」とすると、コンテンツへの接触履歴データだけでは、これらのクッキーIDを含む履歴データが同一のユーザによるものであることは分からない。一方、ユーザU1がユーザ情報突合ページにアクセスすることにより、それぞれのクッキーIDがユーザU1のユーザIDと紐づけられるので、いずれの接触履歴もユーザU1によるものであることが特定できる。
【0075】
以上のように、本実施形態によれば、コンテンツ配信サーバ10によって配信される調査対象のコンテンツには、コンテンツ配信サーバ10のドメインのサブドメインに対し、コンテンツに接触したユーザ端末70へのクッキー情報の発行と、発行したクッキー情報(端末識別情報)を含むコンテンツ接触履歴の記録を行うように指示する第1のタグが設定されている。また、第1のDNSサーバ30には、当該サブドメインを管理するDNSサーバが第2のDNSサーバ50であることを示すNSレコードが記憶されており、第2のDNSサーバ50には、当該サブドメイン宛てのリクエストの送信先が履歴収集サーバ20であることが記憶されている。これにより、履歴収集サーバ20からユーザ端末70にクッキー情報が発行される。
【0076】
このように、コンテンツ配信サーバ10、履歴収集サーバ20、第1のDNSサーバ30、および第2のDNSサーバ50が連携することにより、実際には、履歴収集サーバ20からユーザ端末70に発行されるサードパーティクッキーがコンテンツ配信サーバ10のドメインから発行されるファーストパーティクッキーとして扱われるので、サードパーティクッキーの利用が制限されているサイト等においても、従来のサードパーティクッキーを利用した接触履歴の管理と同等のことが行える。本実施形態によれば、調査対象のコンテンツを配信する各サイトにおいては、コンテンツに測定タグを設定することと、第1のDNSサーバ30に、サブドメインを管理するDNSサーバを定義するNSレコードを設定すればよいので、ごく小さな負担しかかからない。
【0077】
また、ユーザ端末70からユーザ情報突合ページにアクセスしてもらうことにより、各配信サイトのドメインから発行されるファーストパーティクッキーと、ユーザ情報を紐づけて記録することができるようにした。これにより、全接触履歴データの傾向(男女比、年代比等)の推定や、同一ユーザによる複数サイトへの接触履歴の特定などを実現することができる。また、対象のサイトが増えた場合でも、リダイレクトするページを増やすことで簡単に対応することができる。なお、ユーザ情報突合ページは、履歴収集サーバ20を管理する調査会社等が構築すればよいので、調査対象のコンテンツを配信しているサイトには負担がかからない。なお、本実施形態では、ユーザ情報突合ページのURLに、ユーザIDをURLパラメータとして付加することによって、履歴収集サーバ20にユーザIDが送信されるようにしているが、ユーザIDの取得方法はこれに限られない。例えば、ユーザ情報突合ページのサイトに、ユーザIDを使用してログインしてもらい、ログイン中に第2のタグが発動してユーザIDを取得するようにしてもよい。
【0078】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。また、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、1ステップとして記載されているステップを、複数ステップに分けて実行してもよいし、複数ステップに分けて記載されているものを、1ステップとして把握することもできる。
【符号の説明】
【0079】
1,2…コンテンツ接触履歴取得システム
10…コンテンツ配信サーバ
11…制御装置
12…記憶装置
20…履歴収集サーバ
21…制御装置
22…記憶装置
30…第1のDNSサーバ
40…リバースプロキシサーバ
50…第2のDNSサーバ
60…ユーザ情報管理サーバ
61…制御装置
62…記憶装置
70…ユーザ端末
【要約】 (修正有)
【課題】ユーザに負担をかけずに、同一端末による複数のサイトのコンテンツへの接触履歴とユーザ情報とを紐づけて記録する。
【解決手段】コンテンツには、コンテンツに接触したユーザ端末の端末識別情報の発行/記録を行うように指示する第1のタグが設定されており、ユーザ情報突合ページには、ユーザ端末への端末識別情報の発行/記録を行うように指示する第2のタグが設定されており、履歴収集サーバは、ユーザ端末がコンテンツを閲覧することにより第1のタグが発動すると、ユーザ端末に対してユーザ端末の端末識別情報の発行/記録を行い、ユーザ端末がユーザ情報突合ページにアクセスすることにより第2のタグが発動すると、ユーザ識別情報を端末識別情報に紐づけて記録し、第1のタグに基づいて記録された端末識別情報と、第2のタグに基づいて記録された端末識別情報を突合することにより、コンテンツへの接触履歴とユーザ識別情報の紐づけを行う。
【選択図】
図2