(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】照明デバイス
(51)【国際特許分類】
F21V 17/00 20060101AFI20220418BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20220418BHJP
F21V 29/76 20150101ALI20220418BHJP
【FI】
F21V17/00 200
F21V29/503
F21V29/76
(21)【出願番号】P 2021534199
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019085351
(87)【国際公開番号】W WO2020127050
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-06-14
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】バイルスマ アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン エッゲレン アルノ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン オス ペトルス ヨハンネス マリア
(72)【発明者】
【氏名】セイメン イブラヒム
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ドーレン スヴェーゲルス ヘンリカ イルデホンセ オーベルティーン ジャクリーン
(72)【発明者】
【氏名】ホルヴァト ヴィクトール
(72)【発明者】
【氏名】トルーニート テオドール コルネリス
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-090772(JP,A)
【文献】実開昭60-141009(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 5/00,17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、前記支持体上の照明集合体と、前記照明集合体を覆い、前記支持体に取り付けられるレンズ部材とを有する照明デバイスであり、前記レンズ部材が周縁部を有し、前記支持体及び前記レンズ部材が、それぞれ、各々が内面を有する複数の取付孔を含み、前記レンズ部材の前記取付孔が、前記レンズ部材の前記周縁部に沿って配置され、それによって、前記レンズ部材の取付孔が、前記支持体の取付孔と位置合わせされ、取付要素が、位置合わせされたそれぞれの取付孔内に延在し、前記取付孔に固定されており、それによって、前記レンズ部材を前記支持体に固定する照明デバイスであって、前記レンズ部材の前記周縁部の
少なくとも半分に沿って延在するコヒーレント領域内に配置される前記取付要素の各々が、前記支持体及び前記レンズ部材に対する降伏要素であり、前記取付要素の前記各々が、前記支持体及び前記レンズ部材よりも低いヤング率を有する照明デバイス。
【請求項2】
前記取付要素の前記各々が、1GPa未満のヤング率を有する請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
前記取付要素の前記ヤング率が、0.1GPa未満であり、特には0.05GPa未満である請求項2に記載の照明デバイス。
【請求項4】
前記取付要素の前記各々が、4%を上回る降伏ひずみを有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項5】
前記取付要素の前記降伏ひずみが、10%を上回り、特には50%を上回り、更に特には200%を上回る請求項4に記載の照明デバイス。
【請求項6】
前記支持体と前記レンズ部材との間にガスケットが配置される請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項7】
前記取付孔のうちの少なくとも1つは、それぞれの取付要素との確動係合を供給し、ひいては、それぞれの取付要素の機械的固定を供給するよう、その前記内面の少なくとも一部に、波形がつけられている、特には、ねじ山がつけられている請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項8】
前記支持体及び前記レンズ部材の各々が、前記支持体及び前記レンズ部材のそれぞれの他方に対して遠位にある遠位面を有し、前記取付孔のうちの少なくとも1つが、それぞれの取付要素との確動係合を供給し、ひいては、それぞれの取付要素の機械的固定を供給するよう、前記遠位面において、拡張された断面積を持つ部分を有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項9】
前記取付要素のうちの少なくとも1つが、それぞれの取付孔の前記内面に付着する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項10】
前記支持体がヒートシンクである請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項11】
前記支持体が金属製の支持体である請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項12】
前記取付要素の前記各々がポリマを含む請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項13】
前記取付要素の前記各々が、シリコーンゴム、シリコーン接着剤、及びシリコーンシーラントのグループから選択される材料を有する請求項1乃至12のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項14】
少なくとも1つの弾性クランプが、前記レンズ部材を前記支持体の方へ付勢する請求項1乃至13のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項15】
前記弾性クランプが、前記支持体に固定されるばねを有する請求項14に記載の照明デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体(base)と、前記支持体上の照明集合体(light aggregate)と、前記照明集合体を覆い、前記支持体に取り付けられるレンズ部材とを有する照明デバイスであって、前記レンズ部材が周縁部を有し、前記支持体及び前記レンズ部材が、それぞれ、各々が内面を有する複数の取付孔を含み、前記レンズ部材の前記取付孔が、前記レンズ部材の前記周縁部に沿って配置され、それによって、前記レンズ部材の取付孔が、前記支持体の取付孔と位置合わせされ、取付要素が、位置合わせされたそれぞれの取付孔内に延在し、前記取付孔に固定されており、それによって、前記レンズ部材を前記支持体に固定する照明デバイスに関する。
【0002】
本発明の少なくとも幾つかの実施形態は、LED照明器具、特に、屋外LED照明器具に関する。
【背景技術】
【0003】
上述した技術の照明デバイスは、JP 2996094 B2から知られており、JP 2996094 B2は、支持体及びレンズ部材の周縁部の周りに間隔を置いて配置される取付孔を通して挿入される管リベット又はアイレットを用いて相互接続される支持体及びレンズ部材を有する照明デバイスを開示している。アイレットに代わるものとしてねじが使用されてもよい。トリム(trim)が、接合周縁部の周りに供給され、管リベットの内孔に供給される接着剤を用いて固定される。支持体とレンズ部材の接合周縁部には、リベットのない、更なる接着剤供給孔が設けられる。更なる接着剤供給孔に供給される接着剤は、支持体の接合周面とレンズ部材の接合周面との間に入り込んで、これらの面を接着し得る。
【0004】
幾つかの照明デバイス、例えば、LED照明器具の場合、特に、屋外用途のものの場合は、天候条件に対する耐性が必要とされる。従って、埃及び水に対する特定の耐性が、IPレーティング又はIPxxレーティングによって規定されている(International Protection Marking, IEC standard 60529参照)。照明デバイス又は照明器具を防水にするために、防塵性及び防水性を供給するためのカバープレートを、LED基板を覆って一体化させることは、よく用いられるものである。従って、IPレーティングに従うために、LED基板などの照明集合体を覆って取り付けられることができるレンズ部材を設けることが知られている。
【0005】
例えばIP66の屋外モジュールのための、レンズ部材は、多くの場合、シリコーンガスケットが付属しており、ヒートシンクとして機能し得る金属板などの支持体にねじを用いて固定される必要がある。ねじを締めると、レンズ部材と支持体との間でガスケットが圧縮され、水の浸入に対する耐性をもたらす。しかしながら、本発明者は、場合によっては、加熱中及び冷却中に、レンズ部材が、金属製のヒートシンクの形態の支持体よりも膨張及び収縮することを発見した。レンズ部材はねじによって固定されているので、温度サイクル中のレンズ部材と支持体との間の動きは、制限される又はない。これは、レンズ部材の材料において高い応力をもたらし、最終的には、レンズ部材において亀裂をもたらす。
【0006】
JP 2996094 B2の、支持体とレンズ部材とを互いに取り付けるやり方は、レンズ部材と支持体との間の動きに備えていないことに留意されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記の問題を解決又は最小化することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これは、導入部で述べたような照明デバイスであって、前記レンズ部材の前記周縁部の少なくとも半分に沿って、特には、前記レンズ部材の前記周縁部の少なくとも4分の3に沿って延在するコヒーレント領域(coherent area)内に配置される前記取付要素の各々が、前記支持体及び前記レンズ部材に対する降伏要素であり、前記取付要素の前記各々が、前記支持体及び前記レンズ部材よりも低いヤング率を有する照明デバイスによって、達成される。これにより、前記レンズ部材の、前記支持体と比べて異なる膨張又は収縮が、前記レンズ部材及び前記支持体のそれぞれの部分の間の相対的な動きをもたらすことができ、前記レンズ部材の材料において高い応力が発生されるのではなく、前記取付要素が弾性変形されることが、達成される。前記周縁部は、直線状延在部及び/又は湾曲延在部を有し、少なくとも前記コヒーレント領域内では、前記取付要素の各々が降伏要素である前記コヒーレント領域は、前記レンズ部材の前記周縁部の前記延在部の少なくとも半分に沿って、特には、前記レンズ部材の前記周縁部の前記延在部の少なくとも4分の3に沿って延在することに留意されたい。実施形態においては、前記支持体及び前記レンズ部材の各々が、前記支持体及び前記レンズ部材のそれぞれの他方に対して近位にある近位面を有し、前記支持体及び前記レンズ部材の各々が、前記支持体及び前記レンズ部材のそれぞれの他方に対して遠位にある遠位面を有する。
【0009】
実施形態においては、前記取付要素の前記各々は、1GPa未満のヤング率を有する。
【0010】
更なる実施形態においては、前記取付要素の前記ヤング率は、0.1GPa未満であり、特には0.05GPa未満である。
【0011】
実施形態においては、前記取付要素の前記各々は、4%を上回る降伏ひずみを有する。
【0012】
更なる実施形態においては、前記取付要素の前記降伏ひずみは、10%を上回り、特には50%を上回り、更に特には200%を上回る。
【0013】
これらの実施形態は、前記レンズ部材及び前記支持体のそれぞれの部分の間の相対的な動きの可能性をサポートし、前記取付要素は弾性変形される。
【0014】
前記支持体の設計、及び特に前記レンズ部材の設計に応じて、前記レンズ部材の前記周縁部の一部に沿って、例えば、このような一部は使用中に温度の変化がほとんどないために、前記支持体と前記レンズ部材との間で実質的な動きが生じない場合には、多くの前記取付要素が降伏要素である必要はない。しかしながら、前記レンズ部材の前記周縁部の前記延在部の少なくとも半分に沿って、特には、前記レンズ部材の前記周縁部の前記延在部の少なくとも4分の3に沿って、前記取付要素は、前記支持体と前記レンズ部材との間の動きを吸収するための降伏要素であるべきである。
【0015】
幾つかの実施形態においては、前記取付要素の全て、場合によっては、1つを除いて前記取付要素の全てが降伏要素である。
【0016】
実施形態においては、前記支持体と前記レンズ部材との間にガスケットが配置される。このようなガスケットは、前記レンズ部材と前記支持体との間の水密性及び/又は防塵性を提供する。前記ガスケットは弾性があり、実施形態においては、前記ガスケットの材料は、シリコーンである、又はシリコーンを有する。
【0017】
実施形態においては、前記取付孔のうちの少なくとも1つは、それぞれの取付要素との確動係合(positive engagement)、即ち、幾何学的係合を供給し、ひいては、それぞれの取付要素の機械的固定を供給するよう、その前記内面の少なくとも一部に、波形がつけられている(corrugate)、特には、ねじ山がつけられている(threaded)。
【0018】
実施形態においては、前記取付孔のうちの少なくとも1つは、それぞれの取付要素との確動係合を供給し、ひいては、それぞれの取付要素の機械的固定を供給するよう、前記遠位面において、拡張された断面積を有する。
【0019】
従って、前記取付要素が前記レンズ部材又は前記支持体の材料に付着する必要のない実施形態が提供される。
【0020】
実施形態においては、前記取付要素のうちの少なくとも1つは、それぞれの取付孔の前記内面に付着する。
【0021】
後者の実施形態を組み合わせることは可能であり、それにより、取付要素は、前記レンズ部材及び/又は前記支持体と確動的に(positively)、即ち、幾何学的に、且つ付着して、係合し得る。
【0022】
実施形態においては、前記支持体は、ヒートシンクであり、実施形態においては、前記支持体は、金属製の支持体である。組み合わされてもよいこれらの実施形態は、例えば、LED照明器具に適している。
【0023】
少なくとも幾つかの実施形態においては、前記取付要素の前記各々は、ポリマを有し、少なくとも幾つかの実施形態においては、前記取付要素の前記各々は、シリコーンゴム、シリコーン接着剤、及びシリコーンシーラントのグループから選択される材料を有する。
【0024】
実施形態においては、少なくとも1つの弾性クランプが、前記レンズ部材を前記支持体の方へ付勢する(urge)。このような実施形態は、例えば、前記レンズ部材と前記支持体との間にガスケットが存在する場合に使用されることができ、このような弾性クランプの使用は、前記取付部材が、上述のような水密性及び/又は防塵性を提供するために前記ガスケットを圧縮するのに十分な力を供給しない場合に、特に有益である。
【0025】
更なる特定の実施形態においては、前記弾性クランプは、前記支持体に固定されるばねを有する。
【0026】
前記レンズ部材は、例えば、半透明又は透明な部材であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
ここで、概略図面を参照して、非限定的な例示的な実施形態に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
【
図1】従来技術による照明デバイスの分解組立図である。
【
図2】本発明の第1実施形態における、支持体、レンズ部材、及び取付部材を通る断面を示す。
【
図3】本発明の第2実施形態における、支持体、レンズ部材、及び取付部材を通る断面を示す。
【
図4】本発明の第3実施形態における、支持体、レンズ部材、及び取付部材を通る断面を示す。
【
図5】本発明の第4実施形態における、支持体、レンズ部材、及び取付部材を通る断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施形態の詳細な説明
【0029】
図1は、レンズ部材1と、本実施形態においてはLED基板である照明集合体3と、ガスケット5、例えば、シリコーンガスケットと、本実施形態においては照明集合体又はLED基板3のためのヒートシンクとして機能する金属製の支持体である支持体7とを有する従来技術の照明デバイスの分解組立図を示している。
【0030】
ねじ9、即ち、取付要素の第1セットは、照明集合体3を支持体7に固定するために設けられ、ねじ11、即ち、取付要素の第2セットは、レンズ部材1を支持体7に固定するために設けられ、ねじ13、即ち、取付要素の第3セットは、照明デバイスをランプ(図示せず)などに取り付けるために設けられる。
図1において示されているように、レンズ部材1と照明集合体3には、それぞれ、ねじ11、9の挿入のための取付孔が設けられ、支持体7には、ねじ11、9を受けるための、ねじ山がつけられている取付孔が設けられる。ねじ9のための取付孔は、照明デバイスの水及び埃の影響を受けやすい部分への水又は埃の侵入を防止するようめくら孔であるのに対し、ねじ11のための取付孔は、従来技術のデバイスにおいては、貫通孔又はめくら孔であってもよい。レンズ部材1の取付孔は、レンズ部材1の周縁部1Aに沿って設けられる。
【0031】
レンズ部材1は、照明集合体3及び支持体7に面する近位面15と、照明集合体3及び支持体7とは反対側を向いた遠位面17とを有する。それに応じて、支持体7は、照明集合体3及びレンズ部材1に面する近位面19と、照明集合体3及びレンズ部材1とは反対側を向いた遠位面21とを有する。
【0032】
レンズ部材1は、レンズ部材1が半透明であることを示す破線で示されている溝23を有し、前記溝23は、ガスケット5を受けるためにレンズ部材1の近位面15に延在する。ねじ11の挿入のためのレンズ部材1の取付孔は、溝23に隣接して配置され、従って、
図1において示されている実施形態においては、ねじ11は、ガスケット5を通過しない。
図1の照明デバイスが組み立てられ、ねじ11が締められる場合、レンズ部材1の近位面15と支持体7の近位面19とが、必ずしも互いに接触することなく互いに近づけられ、ガスケット5が、水及び埃の侵入に対する堅固さ(tightness)を提供するよう圧縮される。
【0033】
以下においては、本発明の4つの異なる実施形態における、支持体、レンズ部材、及び取付部材を通る断面を示している
図2乃至5に対する参照がなされている。
図1において示されている照明デバイス、及び
図2乃至5において示されている実施形態に関して、両方とも、同様の要素は同様の参照番号によって示されている。
【0034】
図1の従来技術の照明デバイスのねじ11の第2セットに代えて、支持体7及びレンズ部材1に対する降伏要素である取付要素11A、11Bを用いることが、本発明の概念と見なされてもよく、本発明による前記取付要素11A、11Bは、支持体7及びレンズ部材1よりも低いヤング率を有する。従って、本発明による取付要素11A、11Bは、少なくともレンズ部材1の周縁部1Aの大部分に沿って、レンズ部材1の周縁部1Aの少なくとも半分に沿って、特に、レンズ部材1の周縁部1Aの少なくとも4分の3に沿って、取付孔に設けられるべきである。幾つかの実施形態においては、取付要素11A、11Bの全て、場合によっては、1つを除いて取付要素11A、11Bの全てが降伏要素である。
【0035】
従って、
図2は、レンズ部材1の一部と、支持体7の一部と、それぞれレンズ部材1及び支持体7を通って延在する、位置合わせされている取付孔25、27内に配置され、前記取付孔25、27の間に延在する取付要素11Aとを示している。支持体7における取付孔27は、雌ねじによって設けられる波形内面29を有する、ねじ山の付いた取付孔であり、レンズ部材1における取付孔25は、近位面15における取付孔25の断面積に対して拡張された断面積を備える一部31を遠位面17において有する。波形内面29及び一部31の拡張された断面積が、取付要素11Aと、レンズ部材1及び支持体7(の取付孔)との間の確動係合又は幾何学的係合を提供する。従って、取付要素11Aが、レンズ部材1を支持体7に固定する。
【0036】
図3乃至5は、支持体7が、
図2において示されているレンズ部材1のように、近位面19における取付孔27の断面積に対して拡張された断面積を備える取付孔27の一部33を遠位面21において有する実施形態を示している。従って、
図3乃至5において示されている実施形態においては、拡張された断面積を備える一部31及び33が、取付要素11Bと、レンズ部材1及び支持体7(の取付孔)との間の確動係合又は幾何学的係合を提供する。
【0037】
図2及び3は、取付孔25及び27によって貫通される領域において、レンズ部材1と支持体7との間にガスケットが存在しない実施形態を示している。しかしながら、
図2及び3において示されている部分以外では、
図1において示されている実施形態のように、レンズ要素1と支持体7との間にガスケットが存在していてもよい。それに応じて、概略
図2及び3においては、レンズ部材1と支持体7とが相互に接触しているように示されているが、これは、そうである必要はない。
【0038】
図4及び5は、取付要素11Bがガスケット5の取付孔を通って延在するために、取付孔25及び27によって貫通される領域において、レンズ部材1と支持体7との間にガスケット5、又はガスケット5の少なくとも一部が延在する実施形態を示している。
【0039】
図5において示されている実施形態においては、弾性クランプ35が、レンズ部材1を支持体7の方へ付勢している。弾性クランプ35は、ばね37と、支持体7にねじ込まれるねじ39とを有する。
【0040】
本発明の実施形態においては、
図2乃至5において示されている取付要素11A、11Bは、例えば、使用中の温度の変化によるレンズ部材1及び支持体7の膨張及び収縮における違いによる、特にレンズ部材の材料におけるひずみ又は応力を最小化するために、1GPa未満の、特には0.1GPa未満の、より特には0.05GPa未満のヤング率を有する。
【0041】
更に、本発明の実施形態においては、
図2乃至5において示されている取付要素11A、11Bは、4%を上回る、特には10%を上回る、更に特には50%を上回る、一層更に特には200%を上回る降伏ひずみを有する。従って、取付要素11A、11Bは、取付要素11A、11Bの破壊なしに、取付孔25、27の領域において、レンズ部材1と支持体7との間の動きを可能にする。
【0042】
本発明の幾つかの実施形態においては、取付要素11A、11Bは、例えば、シリコーンゴム、シリコーン接着剤、及びシリコーンシーラントのグループから選択される材料を含み得るポリマを有する。
【0043】
実施形態においては、取付要素11A、11Bは、レンズ部材1が支持体7上に配置された後に、後で軟質ゴムと同様の特性を持つよう固めることができる非スランプペースト(non-slump paste)として取付孔25、27に塗布される、シリコーン接着剤、例えば、Dow Corning(登録商標) 744などの材料を有する。
【0044】
取付要素11A、11Bが、後で固めるための、材料、例えば、非スランプペーストなどのペースト材料として塗布される場合、支持体7とレンズ部材1との間に存在する任意のガスケット5を圧縮するだろう取付要素11A、11Bにおける張力を供給するために、固める間に収縮する材料が使用されてもよく、又は状況によって必要とされるような堅固さを供給するガスケット5の圧縮を確実にするために、取付要素11A、11Bの材料を塗布し、固める間、レンズ部材1は、支持体7の方へ付勢されるべきである。ガスケット5のこのような圧縮が、取付要素11A、11B内に存在する如何なる張力によっても供給されない場合には、弾性クランプ35のような弾性クランプが頼りにされ得る。
【0045】
上記においては、例を用いて本発明について説明しているが、この例は、本発明の範囲又は本願によって求められる保護を限定するものではないことは理解されるべきである。当業者は、上記の実施形態の特徴が多くのやり方で変えられ得ることを理解するだろう。例えば、上記の例においては矩形である照明デバイスの全体の形は、円形、楕円形、二次、多角形などであってもよい。