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特許7059476電子データ管理システムおよび電子データ管理プログラム
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  • 特許-電子データ管理システムおよび電子データ管理プログラム 図1
  • 特許-電子データ管理システムおよび電子データ管理プログラム 図2
  • 特許-電子データ管理システムおよび電子データ管理プログラム 図3
  • 特許-電子データ管理システムおよび電子データ管理プログラム 図4
  • 特許-電子データ管理システムおよび電子データ管理プログラム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】電子データ管理システムおよび電子データ管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/16 20190101AFI20220419BHJP
   G06F 16/24 20190101ALI20220419BHJP
【FI】
G06F16/16
G06F16/24
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017254644
(22)【出願日】2017-12-28
(65)【公開番号】P2019121089
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】518002136
【氏名又は名称】井上 太市
(74)【代理人】
【識別番号】100181630
【弁理士】
【氏名又は名称】原 晶子
(72)【発明者】
【氏名】井上 太市
【審査官】北村 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-181479(JP,A)
【文献】特開2011-186768(JP,A)
【文献】特開2012-008916(JP,A)
【文献】特開2012-128876(JP,A)
【文献】特開2013-235565(JP,A)
【文献】特開2017-207805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G06F16/00-16/958
G06Q10/00-10/10
G06Q30/00-30/08
G06Q50/00-50/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子データを統括して管理するための電子データ管理システムであって、
顧客情報および案件情報を受け付ける情報受付部と、
前記情報受付部によって取得した顧客情報および案件情報の管理を行うための情報管理部と、
前記情報受付部によって取得した顧客情報および案件情報に基づいて、電子データを保存する特定領域を決定する特定領域決定部と、
前記特定領域決定部により決定されたデータストレージの特定領域にフォルダを作成する、または、前記データストレージの特定領域にあるフォルダを開くフォルダ管理部と、を備え、
前記フォルダ管理部は、前記情報受付部によって取得された顧客情報および案件情報が、新規の顧客情報および案件情報の場合にはフォルダを作成し、それ以外の場合にはフォルダを開く電子データ管理システム。
【請求項2】
顧客情報に対して分類IDおよび群類IDを付与し、かつ、案件情報に対してステータスIDを付与するID管理部と、
前記情報管理部に管理されている顧客情報および案件情報の中から所望の顧客情報および案件情報を抽出する情報抽出部と、をさらに備え、
前記情報管理部は、前記ID管理部により付与された分類ID、群類IDおよびステータスIDを保管し、
前記情報抽出部は、分類ID、群類ID、ステータスID、分類IDおよび群類IDが付与されていない顧客情報、ならびに、ステータスIDが付与されていない案件情報のうちの少なくとも1つに基づいて顧客情報および案件情報を抽出する請求項1に記載の電子データ管理システム。
【請求項3】
前記情報抽出部により抽出された顧客情報および案件情報覧を作成するポートフォリオ作成部をさらに備える請求項2に記載の電子データ管理システム。
【請求項4】
前記情報管理部は、顧客情報および案件情報に関連するサムネイルを保持しており、
前記ポートフォリオ作成部は、前記情報管理部に保持されているサムネイルを取得して顧客情報および案件情報の一覧に表示する請求項3に記載の電子データ管理システム。
【請求項5】
子データを統括して管理するための電子データ管理システムとしてコンピュータを動作させる電子データ管理プログラムであって、
前記電子データ管理プログラムは、前記コンピュータを、
客情報および案件情報を受け付ける情報受付部、
記情報受付部で取得した顧客情報および案件情報管理を行うための情報管理部、
記情報受付部で取得した顧客情報および案件情報基づいて、電子データを保存する特定領域を決定する特定領域決定部、および、
前記特定領域決定部で決定されたデータストレージの特定領域にフォルダを作成する、または、前記データストレージの特定領域にあるフォルダを開くフォルダ管理部として動作させるコンピュータプログラムであって、
前記フォルダ管理部、前記情報受付部で取得された顧客情報および案件情報が、新規の顧客情報および案件情報の場合にはフォルダを作成し、それ以外の場合にはフォルダを開く電子データ管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子データを統括して管理するための電子データ管理システムおよび電子データ管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの普及に伴い、ユーザは、パーソナルコンピュータ等のコンピュータを用いて各種業務に従事し、コンピュータを用いて作成した文章データ、図面データ、画像データ、動画データ、音源データ等の種々の電子データをコンピュータに保存して管理することが増えている。このような電子データは、後に所望の電子データにアクセスしやすいように管理されることが望まれる。
【0003】
しかしながら、複数のユーザが、各々作成した電子データを保存していくと、各ユーザは、自身が分かりやすい名前等を付け、自身が分かりやすい場所に保存するため、他人が所望の電子データを探そうとすると非常に探しづらいという問題があった。これにより、顧客からの急な問い合わせ等に際し、必要な電子データがすぐに見つからず、対応が遅れるおそれがあるという問題があった。
【0004】
このような問題を解消するために、例えば特許文献1等に開示されている、電子データをグループに関連づけて管理する考え方が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-302981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電子データをグループに関連づけて管理する場合、ユーザは、電子データを関連づける所定のグループの場所を探し、そこに電子データを保存しなければならず、手間がかかるという問題が生じていた。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザが容易に電子データを保存でき、かつ、他のユーザが容易に所望の電子データにアクセスできる電子データ管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電子データを統括して管理するための電子データ管理システムである。電子データ管理システムは、顧客情報および案件情報を受け付ける情報受付部と、情報受付部によって取得した顧客情報および案件情報の管理を行うための情報管理部と、情報受付部によって取得した顧客情報および案件情報に基づいて、電子データを保存する特定領域を決定する特定領域決定部と、特定領域決定部により決定されたデータストレージの特定領域にフォルダを作成する、または、データストレージの特定領域にあるフォルダを開くフォルダ管理部と、を備える。フォルダ管理部は、情報受付部によって取得された顧客情報および案件情報が、新規の顧客情報および案件情報の場合にはフォルダを作成し、それ以外の場合にはフォルダを開く
【0009】
本発明の電子データ管理システムでは、ユーザが顧客情報および案件情報を入力するだけで、顧客情報および案件情報に基づいてデータストレージの特定領域に自動的にフォルダが生成される。このフォルダ内に電子データを保存すればよく、ユーザは容易に電子データを保存することができる。また、他のユーザが所望の電子データにアクセスしようとする際には、顧客情報および案件情報を特定するだけで、顧客情報および案件情報に基づいてデータストレージの特定領域にあるフォルダが開かれる。これにより、容易に電子データが保存されているフォルダを特定でき、所望の電子データに容易にアクセスすることができる。
【0010】
好ましい実施形態の電子データ管理システムにおいては、顧客情報に対して分類IDおよび群類IDを付与し、かつ、案件情報に対してステータスIDを付与するID管理部と、情報管理部に管理されている顧客情報および案件情報の中から所望の顧客情報および案件情報を抽出する情報抽出部とをさらに備える。情報管理部は、ID管理部により付与された分類ID、群類IDおよびステータスIDを保管し、情報抽出部は、分類ID、群類ID、ステータスID、分類IDおよび群類IDが付与されていない顧客情報、ならびに、ステータスIDが付与されていない案件情報のうちの少なくとも1つに基づいて顧客情報および案件情報を抽出する。
【0011】
このような構成とすることで、取得された顧客情報および案件情報は、分類ID、群類IDおよびステータスIDを保持した状態で電子データ管理システムに保管される。そして、必要な分類ID、群類ID、ステータスID、分類IDおよび群類IDが付与されていない顧客情報、ならびに、ステータスIDが付与されていない案件情報のうちの少なくとも1つを指定することで、指定された分類ID、群類ID、ステータスID、顧客情報または案件情報に基づいて、顧客情報または案件情報を抽出することができる。これにより、例えば所望の分類に属する顧客情報および案件情報といった、ユーザが必要とする顧客情報および案件情報を容易に抽出して確認することができる。
【0012】
さらに好ましい実施形態の電子データ管理システムにおいては、情報抽出部により抽出された顧客情報および案件情報覧を作成するポートフォリオ作成部をさらに備える。
【0013】
このような構成とすることで、例えば所望の分類に属する顧客情報および案件情報といった、ユーザが必要な顧客情報または案件情報を一覧にまとめたポートフォリオを容易に作成することができる。これにより、会議または営業等に用いる資料を容易に作成することができる。
【0014】
さらに好ましい実施形態の電子データ管理システムにおいては、情報管理部は、顧客情報および案件情報に関連するサムネイルを保持しており、ポートフォリオ作成部は、情報管理部に保持されているサムネイルを取得して顧客情報および案件情報の一覧に表示する。
【0015】
このような構成とすることで、会議等に用いる資料に画像が差し込まれ、容易に見やすい資料を作成することができる。
【0016】
さらに本発明は、子データを統括して管理するための電子データ管理システムとしてコンピュータを動作させる電子データ管理プログラムである。電子データ管理プログラムは、コンピュータを、顧客情報および案件情報を受け付ける情報受付部、情報受付部で取得した顧客情報および案件情報管理を行うための情報管理部、情報受付部で取得した顧客情報および案件情報に基づいて、電子データを保存する特定領域を決定する特定領域決定部および、特定領域決定部で決定されたデータストレージの特定領域にフォルダを作成する、または、データストレージの特定領域にあるフォルダを開くフォルダ管理部として動作させるコンピュータプログラムである。フォルダ管理部、情報受付部で取得された顧客情報および案件情報が、新規の顧客情報および案件情報の場合にはフォルダを作成し、それ以外の場合にはフォルダを開く
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る電子データ管理システムによれば、ユーザが容易に電子データを保存でき、かつ、他のユーザが容易に所望の電子データにアクセスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の電子データ管理システムの一実施形態の構成を示す図である。
図2】顧客情報および案件情報の分類ID、群類IDおよびステータスIDを付与するシーケンス図である。
図3】顧客情報および案件情報に基づいてフォルダを作成するシーケンス図である。
図4図3により作成されたフォルダの構造の一例を示す図である。
図5】顧客情報および案件情報に基づいて電子データを抽出するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る電子データ管理システムおよび電子データ管理プログラムの一実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0020】
本実施形態に係る電子データ管理システム10は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータによって構成される。図1に示すように、電子データ管理システム10は、入力部11、情報受付部12、ID管理部13、特定領域決定部14、フォルダ管理部15、表示部16、情報管理部17、情報抽出部18、および、ポートフォリオ作成部19を備えている。
【0021】
入力部11は、例えばマウスまたはキーボード等の入力装置によって実現され、ユーザの操作を受け付ける。情報受付部12、ID管理部13、特定領域決定部14、フォルダ管理部15、情報管理部17、情報抽出部18およびポートフォリオ作成部は、コンピュータに格納されているプログラムに従って動作しており、各種処理を実行する。また、表示部16は、例えばディスプレイ装置によって実現され、各種処理が実行された結果を表示する。
【0022】
電子データ管理システム10は、電子データ管理プログラムをインストールされており、電子データを統括して管理するために用いられる。
【0023】
図2に示すように、電子データ管理システム10では、ユーザは、入力部11で、顧客情報および案件情報を入力する(S21)。顧客情報としては、顧客名、顧客の住所、および顧客の連絡先(電話番号、FAX番号、メールアドレス等)に加えて、ユーザが予め定めた情報を入力することができる。ユーザが定めた情報とは、例えば、ユーザと顧客との関係性(得意先、協力会社、見込み客等の関係性を示す分類)、および、顧客の種別(業種、所在地域等の群類)である。自社内の案件を統括的に管理する場合には、ユーザと顧客との関係性を自社として設定することもできる。案件情報としては、案件の内容、受任日、納期等に加えて、ユーザが予め定めた情報、例えば案件の状態(ステータス)等を入力することができる。
【0024】
入力された顧客情報および案件情報は、情報受付部12に通知され(S22)、情報受付部12によって受け付けられる(S23)。情報受付部12で取得された顧客情報および案件情報は、ID管理部13において、予めユーザが定めていたIDが付与される。ここで、IDには、ユーザと顧客との関係性に基づく分類ID、顧客の種別に基づく群類ID、および、案件の状態に基づくステータスID等がある。これらのID(分類ID、群類IDおよびステータスID)は、ユーザが予めID管理データベースに登録している。ID管理部13では、ユーザが入力した顧客情報および案件情報のそれぞれをID管理データベースに照らし合わせ(S24)、該当するIDを付与する(S25)。そして、顧客名、顧客の住所、および顧客の連絡先、ならびに、付与された分類ID、および群類IDが、顧客情報として、情報管理部17によって顧客管理データベースに登録され、管理される。また、案件の内容、受任日、および納期等、ならびに、付与されたステータスIDが、案件情報として、情報管理部17によって案件管理データベースに登録され、管理される(S26)。
【0025】
また、図3に示すように、電子データ管理システム10では、特定領域決定部14が、情報受取部12で取得した顧客情報および案件情報に基づいて、電子データを保存する特定領域を決定する(S31)。具体的には、ユーザが指定したデータストレージの任意の領域に電子データを保存するための領域を設けている。そして、その領域内において、顧客情報および案件情報に基づいて体系立てて電子データを保存できるように特定領域を決定する。
【0026】
電子データを保存するための特定領域が決定されると、コンピュータを駆動するオペレーティング・システム(OS)に特定領域が通知され(S32)、オペレーティング・システムによってデータストレージの特定領域に顧客フォルダおよび案件フォルダがあるか否かが確認される(S33)。新規の顧客情報の場合、特定領域に顧客フォルダが存在しないため、フォルダ管理部15が、オペレーティング・システムに顧客フォルダの作成を要求し(S34)、オペレーティング・システムがデータストレージの特定領域に顧客フォルダを作成する(S35)。同様に、新規の案件情報の場合、特定領域に案件フォルダが存在しないため、フォルダ管理部15が、オペレーティング・システムに案件フォルダの作成を要求し(S36)、オペレーティング・システムがデータストレージの特定領域に案件フォルダを作成する(S37)。作成された顧客フォルダおよび案件フォルダ(以下、総称して単に「フォルダ」という場合がある)は、表示部16によって確認することができる。
【0027】
このようにして作成されたフォルダの構造の一例を図4に示す。図4では、顧客名に基づいて、体系立ててフォルダが作成されている。なお、体系立てる方法は、顧客名に限らず、ユーザが指定した任意の区分、例えば、案件名、分類、群類、ステータス等に基づいて体系立てることができる。
【0028】
次に、図5を参照して、電子データ管理システム10を利用して保存されている電子データを探す方法について説明する。
【0029】
ユーザは、探したい電子データの顧客情報または案件情報を入力する(S41)。顧客情報としては、顧客名、分類、群類等が、案件情報としては、案件名、受任日の期間、ステータス等があり、これらのうちの少なくとも1つを入力する。入力された顧客情報または案件情報は、情報受付部12へ通知され(S42)、情報受付部12で取得される(S43)。情報受付部12で取得された顧客情報または案件情報に分類、群類またはステータスが含まれていると、図2で示したようにID管理部13がID管理データベースに分類、群類またはステータスのIDの取得を要求し、ID管理データベースから分類、群類またはステータスに該当するIDが通知される。その情報(顧客名等の顧客情報、案件名、受任日の期間等の案件情報)またはID(分類ID、群類ID、ステータスID)に基づいて、情報抽出部18が、顧客管理データベースおよび案件管理データベースに対して、該当する情報またはIDに関する顧客情報および案件情報を要求する(S44)。そして、顧客管理データベースおよび案件管理データベースから該当する情報またはIDの顧客情報または案件情報を抽出する(S45)。
【0030】
情報抽出部18によって抽出された顧客情報および案件情報に基づいて特定領域決定部14が当該顧客情報および案件情報の電子データを保存している特定領域を決定し(S46)、フォルダ管理部15が特定領域に存在しているフォルダを開く(S47)。開いたフォルダは、表示部16に表示される。
【0031】
また、情報抽出部18は、抽出した顧客情報および案件情報をリストとして表示部16に表示する(S48)。表示部16で表示される画面には、抽出された顧客情報および案件情報に関する電子データが保存されているフォルダへのリンクが表示されるようになっている。そのため、ユーザは、入力部11によって、表示部16の画面のリンクへのアクセスを指示することで、情報抽出部18で抽出された顧客情報および案件情報のフォルダが開かれる。これにより、所望の顧客情報および案件情報のフォルダに容易にアクセスでき、フォルダ内に保存されている電子データを容易に見ることができる。
【0032】
また、ユーザが情報抽出部18によって抽出された顧客情報および案件情報に基づいてポートフォリオを作成したい場合には、ユーザがポートフォリオ作成要求を行うと(S51)、ポートフォリオ作成部19は、抽出した顧客情報および案件情報を一覧にしてポートフォリオを作成する(S52)。このとき、情報管理部17によって、顧客情報および案件情報のフォルダにサムネイルが保持されていると、ポートフォリオ作成部19は、フォルダからサムネイルを取得し、一覧に表示する。
【0033】
以上のように、本実施形態の電子データ管理システム10では、ユーザが顧客情報および案件情報を入力するだけで、顧客情報および案件情報を取得してデータストレージの特定領域に自動的にフォルダが生成される。このフォルダ内に電子データを保存すればよく、ユーザは容易に電子データを保存することができる。また、他のユーザが所望の電子データにアクセスしようとする際には、顧客情報および案件情報を特定するだけで、顧客情報および案件情報に基づいてデータストレージの特定領域にあるフォルダが開かれる。これにより、容易に電子データが保存されているフォルダを特定でき、所望の電子データに容易にアクセスすることができる。
【0034】
このように、顧客情報および案件情報に基づいて電子データを統括的に保管・管理することで、ユーザが他のユーザに顧客または案件を引き継ぐ際に、電子データの所在等を説明する必要がなく、顧客または案件の引き継ぎを容易に行うことができる。また、担当者が不在の折に顧客から急な問い合わせがあった場合でも、他のユーザが容易に電子データを確認することができ、顧客に対して迅速な対応を行うことができる。さらに、顧客情報および案件情報のフォルダを共有化して運用が可能なため当該フォルダに保管することで、情報を共有して確認することを容易に行うことができる。
【0035】
また、本実施形態の電子データ管理システム10では、取得された顧客情報および案件情報は、分類ID、群類IDおよびステータスIDを保持した状態で電子データ管理システムに保管される。そして、必要な顧客名、分類、群類、案件名、受任日の期間、ステータス等の顧客情報または案件情報のうちの少なくとも1つを指定することで、その顧客情報または案件情報を抽出し、その顧客情報または案件情報に関するポートフォリオを作成することができる。このとき、フォルダにサムネイルを保存しておくと、ポートフォリオに画像を差し込むことができる。これにより、進捗中の案件の会議等に用いる資料、または、既納客案件を一覧にした新規顧客開拓の営業資料等を容易に作成することができる。
【0036】
また、一度取得された顧客情報および案件情報が保管され、後に容易に参照できるため、これらの顧客情報および案件情報をデータ資源として活用することができる。また、顧客情報および案件情報が共有化できるため、複数のユーザで連携を取って作業を進めることが容易に行える。さらに、自社も一顧客と考えると、自社内の案件(調達案件 機器管理案件等)についても、本実施形態の電子データ管理システム10を用いて容易に管理することができる。
【0037】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0038】
例えば、上記実施形態では、顧客情報に対して、分類IDおよび群類IDを付与しているが、必ずしも分類IDおよび群類IDの両方を付与する必要はなく、一方のみでもよい。また、顧客情報および案件情報に対して、分類ID、群類ID、ステータスIDのみでなく、ユーザがさらに多くの区分に分けたい場合には、区分分けするIDの数を増やすこともできる。
【0039】
また、上記実施形態では、電子データ管理システム10は、入力部11、情報受付部12、ID管理部13、特定領域決定部14、フォルダ管理部15、表示部16、情報管理部17、情報抽出部18、および、ポートフォリオ作成部19を備えている。しかしながら、これらの構成はすべてが必須のものではない。特に、電子データ管理システム10は、ID管理部13、情報抽出部18、および、ポートフォリオ作成部19の少なくとも1つまたは全部を備えなくてもよい。なお、ID管理部13を備えない場合、情報受付部12で受け付けられた顧客情報および案件情報は、IDが付与されることなく情報管理部17に保管される。
【符号の説明】
【0040】
10 電子データ管理システム
12 情報受付部
13 ID管理部
14 特定領域決定部
15 フォルダ管理部
17 情報管理部
18 情報抽出部
19 ポートフォリオ作成部
図1
図2
図3
図4
図5