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特許7059479伝導伝熱乾燥機並びに伝導伝熱乾燥機の運転方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】伝導伝熱乾燥機並びに伝導伝熱乾燥機の運転方法
(51)【国際特許分類】
   F26B 3/22 20060101AFI20220419BHJP
   F26B 25/00 20060101ALI20220419BHJP
   C02F 11/12 20190101ALI20220419BHJP
【FI】
F26B3/22
F26B25/00 A
C02F11/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018061763
(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公開番号】P2019174044
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000149310
【氏名又は名称】株式会社大川原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100086438
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 喬彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 勝哉
(72)【発明者】
【氏名】増田 匠
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-118800(JP,U)
【文献】実開昭56-018894(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 3/22
F26B 25/00
C02F 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部材である本体シェル内に、この本体シェルの長手方向に沿った軸を中心に回転駆動される加熱装置が具えられ、この加熱装置の伝熱面に被処理物を接触させてその水分を蒸発させるように構成された伝導伝熱乾燥機において、
前記加熱装置の回転方向に掻き上げられる被処理物の機内レベルを検出するための機内レベル検出機構が具えられるものであり、
この機内レベル検出機構は、外部から本体シェル内に挿通状態とされたスライド自在のロッドを具え、このロッドの下端部が被処理物の表層部と接することにより、被処理物の機内レベルの変動に伴って上下動するように構成されたものであり、
前記ロッドの上下位置により外部から被処理物の機内レベルを認知することができるように構成され
更に前記ロッドのスライド箇所にはエアパージ機構が具えられていることを特徴とする伝導伝熱乾燥機。
【請求項2】
前記ロッドの上下位置の検出を行うためのセンサが具えられていることを特徴とする請求項1記載の伝導伝熱乾燥機。
【請求項3】
前記ロッドの下端部には、沈み込み防止機構が形成されていることを特徴とする請求項1または2いずれか記載の伝導伝熱乾燥機。
【請求項4】
前記機内レベル検出機構は、本体シェルの長手方向に沿って複数個所に具えられていることを特徴とする請求項1、2または3いずれか記載の伝導伝熱乾燥機。
【請求項5】
前記請求項1、2、3または4いずれか記載の伝導伝熱乾燥機を用いて、
加熱装置を回転駆動するためのモータに流れる電流値、本体シェル内における被処理物の機内レベル及び機内レベルの変移量のうちのいずれか一つまたは複数の状態に応じて、
本体シェルへの被処理物の投入量および/または本体シェルからの乾燥品の排出量を制御することを特徴とする伝導伝熱乾燥機の運転方法。
【請求項6】
前記請求項1、2、3または4いずれか記載の伝導伝熱乾燥機を用いて、
単位時間の時間-機内レベル特性を表すグラフを得るとともに、このグラフを用いて単位時間当たりの機内レベルを算出することを特徴とする伝導伝熱乾燥機の運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は泥状・ケーキ状・粉粒状等の材料や液体材料の乾燥・濃縮を行う装置に関するものであって、特に本体シェル内に位置する被処理物の滞留量等を正確に把握することのできる伝導伝熱乾燥機並びに伝導伝熱乾燥機の運転方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
泥状・ケーキ状・粉粒状等の材料の乾燥を行う装置の一つである伝導伝熱乾燥機1′は図9に示すように、本体シェル10′内に加熱装置たる多管式加熱管11′が具えられ、この多管式加熱管11′の伝熱面に被処理物Pを接触させて水分を蒸発させ、蒸発した水分を本体シェル10′内に供給されるキャリアガスCによって本体シェル10′外に排出することにより、本体シェル10′に位置する被処理物Pの乾燥が行われるように構成された装置である。
また前記本体シェル10′内には加熱装置(多管式加熱管11′)が具えられ、この加熱装置の伝熱面に被処理物Pを接触させて、多くの場合では水分を蒸発させる目的で用いられている。
このような伝導伝熱乾燥機1′については本出願人も製造販売を行っており、更にこの伝導伝熱乾燥機1′が適用された乾燥装置等を開発し、既に特許出願に及んでいる(例えば特許文献1、2参照)。
その後も本出願人は、伝導伝熱乾燥機及び乾燥装置等の改良・開発を鋭意行っており、乾燥装置の運転に関し次の様な点で改良の余地があることが確認された。
【0003】
すなわち伝導伝熱乾燥機1′の制御は、本体シェル10′内における被処理物Pのホールドアップ状態(機内レベル)の調節、ホッパ20′から本体シェル10′への被処理物Pの投入量(速度)の調節、多管式加熱管11′に供給される熱媒体の調節等によって行われるものであり、被処理物Pの性状に合わせてこれら各制御要素の調節を行うことにより、所望の乾燥処理が施されるようにしている。
なお前記被処理物Pのホールドアップ状態とは、被処理物Pは本体シェル10′内において、多管式加熱管11′の回転に伴って回転方向に掻き上げられて盛り上がった状態で偏在することとなるものであり(図3参照)、このように多管式加熱管11′が回転しているときに、その回転方向に被処理物Pが盛り上がった状態をホールドアップ状態と称するものであり、その高さ位置を機内レベルと称するものである。
【0004】
そして現状、前記本体シェル10′内における被処理物Pのホールドアップ状態は、多管式加熱管11′を回転駆動するためのモータに流れる電流値に基づいて把握され、以下のような制御が行われている。
まずモータに流れる電流値が「大」である場合にはモータM1の負荷が高い状態であることから、本体シェル10′内における被処理物Pの滞留量が増加し、これに伴い機内レベルが上昇していると判断され、本体シェル10′からの被処理物P2の排出量を増加して機内レベルを下降させる制御が行われる。
一方、電流値が「小」である場合にはモータM1の負荷が低い状態であることから、本体シェル10′内における被処理物Pの滞留量が減少し、これに伴い機内レベルが下降していると判断され、本体シェル10′からの被処理物Pの排出量を減少して機内レベルを上昇させる制御が行われる。
更に電流値が「中」である場合にはモータの負荷が上記二つの場合の中間であることから、本体シェル10′からの被処理物Pの排出量を通常状態とする制御が行われる。
【0005】
しかしながら被処理物Pの水分が多い場合等に、粘りや本体シェル10′内への付着によって多管式加熱管11′の負荷が増大し、被処理物Pの滞留量が少なく、機内レベルが低いにもかかわらず電流値が増大することがある。この場合、本来であれば被処理物Pの滞留量を増やして急激な水分上昇を避けるために機内レベルを維持するようにしたいが、前述のような制御では、本体シェル10′からの被処理物Pの排出量が増加するように制御されて機内レベルが更に低下してしまうこととなる。
【0006】
ところで本体シェル10′内における排出口102′付近に設けられた品温センサによって検出される被処理物Pの温度(以下、品温と呼ぶ。)と、被処理物Pの水分値との間には相関関係が確認されているため、品温を監視することにより被処理物Pのおおよその水分値を把握することができる。
このため、被処理物Pの水分が多いことに起因して、被処理物Pの滞留量が少なく機内レベルが低いにもかかわらず電流値が増大しているのか否かを判断することも可能ではあるが、品温-水分値特性はレスポンスが遅いためこの手法は現実的ではない。
【0007】
そこで本体シェル10′に保守用に形成された側面開口108′のカバーを外して、ここから本体シェル10′内を目視することにより行うことが確実ではあるものの、本体シェル10′内の雰囲気は高温で危険であり、更に臭気が外部に飛散してしまうといった問題があった。
もちろんこのような問題は、側面開口108′に透明な耐熱ガラス等を嵌め込むこと等により解消することは可能ではあるものの、ガラス面が曇ったり汚れてしまうためこれを排除するための構成が別途必要となり、この手法も現実的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2014-006017公報
【文献】特開2015-081712公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような背景からなされたものであって、伝導伝熱乾燥機において、本体シェル内において処理されている被処理物の性状を把握するとともに、被処理物の性状により適合した多様な運転条件を設定することのできる新規な伝導伝熱乾燥機並び伝導伝熱乾燥機の運転方法の開発を技術課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち請求項1記載伝導伝熱乾燥機は、中空部材である本体シェル内に、この本体シェルの長手方向に沿った軸を中心に回転駆動される加熱装置が具えられ、この加熱装置の伝熱面に被処理物を接触させてその水分を蒸発させるように構成された伝導伝熱乾燥機において、前記加熱装置の回転方向に掻き上げられる被処理物の機内レベルを検出するための機内レベル検出機構が具えられるものであり、この機内レベル検出機構は、外部から本体シェル内に挿通状態とされたスライド自在のロッドを具え、このロッドの下端部が被処理物の表層部と接することにより、被処理物の機内レベルの変動に伴って上下動するように構成されたものであり、前記ロッドの上下位置により外部から被処理物の機内レベルを認知することができるように構成され、更に前記ロッドのスライド箇所にはエアパージ機構が具えられていることを特徴として成るものである。
【0011】
また請求項2記載の伝導伝熱乾燥機は、前記要件に加え、前記ロッドの上下位置の検出を行うためのセンサが具えられていることを特徴として成るものである。
【0012】
また請求項記載の伝導伝熱乾燥機は、前記要件に加え、前記ロッドの下端部には、沈み込み防止機構が形成されていることを特徴として成るものである。
【0013】
更にまた請求項記載の伝導伝熱乾燥機は、前記要件に加え、前記機内レベル検出機構は、本体シェルの長手方向に沿って複数個所に具えられていることを特徴として成るものである。
【0014】
また請求項記載の伝導伝熱乾燥機の運転方法は、前記請求項1、2、3または4いずれか記載の伝導伝熱乾燥機を用いて、加熱装置を回転駆動するためのモータに流れる電流値、本体シェル内における被処理物の機内レベル及び機内レベルの変移量のうちのいずれか一つまたは複数の状態に応じて、
本体シェルへの被処理物の投入量および/または本体シェルからの乾燥品の排出量を制御することを特徴として成るものである。
【0015】
また請求項記載の伝導伝熱乾燥機の運転方法は、前記請求項1、2、3または4いずれか記載の伝導伝熱乾燥機を用いて、単位時間の時間-機内レベル特性を表すグラフを得るとともに、このグラフを用いて単位時間当たりの機内レベルを算出することを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
【発明の効果】
【0016】
まず請求項1記載の発明によれば、本体シェル内を直接目視することなく、被処理物の機内レベルを把握することができる。
このため機内レベルの変移量の状態から被処理物が本体シェルの横断面内において均質な状態で分布しているのか、不均質な状態で分布しているのかを判定することができる。
これにより伝導伝熱乾燥機の制御を、被処理物の実際の機内レベルに応じた適切なものとすることができる。
また本体シェル内の臭気あるいは粉塵や蒸発蒸気が機内レベル検出機構を通じて外部に漏れるのを防止することができる。
また機内レベル検出機構のケーシングが透明である場合には、雲りや粉塵の付着、凝縮液滴の付着を防ぐことができる。
【0017】
また請求項2記載の発明によれば、被処理物の機内レベルを非接触で検出することが可能となる。
このため機内レベル検出機構の故障率を低下させることができ、その信頼性を向上することができる。
【0018】
また請求項記載の発明によれば、本体シェル内でリフタによって掻き上げられる被処理物に対して、ロッドが沈み込んでしまうのを防止して、被処理物の機内レベルを正確に把握することができる。
【0019】
更にまた請求項記載の発明によれば、本体シェル内の複数個所で被処理物の機内レベルを把握することができ、本体シェル内に位置する被処理物の状態をより正確に把握することができる。
【0020】
また請求項記載の発明によれば、本体シェルへの被処理物の投入量および/または本体シェルからの乾燥品の排出量の制御を、被処理物の実際の機内レベルに応じた適切なものとすることができる。
【0021】
また請求項記載の発明によれば、単位時間当たりの滞留量を正確に求めることができ、本体シェルへの被処理物の投入量および/または本体シェルからの乾燥品の排出量の制御を、よりいっそう好適に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の伝導伝熱乾燥機が適用された伝導伝熱乾燥設備を示すブロック図である。
図2】伝導伝熱乾燥機を一部透視して示す正面図である。
図3】伝導伝熱乾燥機を一部透視して示す左側面図及び右側面図である。
図4】本体シェルにおける機内レベル検出機構周辺を一部拡大して示す横断面図である。
図5】機内レベル検出機構による機内レベルの検出の様子を示す骨格的に横断面図である。
図6】ロッド上端位置の時間による変化の様子を示すグラフ及びこれに対応したセンサによる検出の状態を示すグラフである。
図7】電流値、機内レベル及び変移量を用いた被処理物の投入量及び排出量の制御態様を示す表である。
図8】機内レベル検出機構を本体シェルに複数個所に具える実施例を示す正面図である。
図9】既存の伝導伝熱乾燥機を一部透視して示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の伝導伝熱乾燥機並びに伝導伝熱乾燥機の運転方法の最良の形態は以下の実施例に示すとおりであるが、これらの実施例に対して本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更を加えることも可能である。
【実施例
【0024】
本発明の伝導伝熱乾燥機1は、一例として図2~3に示すように、機枠1F上に具えられた処理室たる本体シェル10と、この本体シェル10の内部に加熱装置の一例である多管式加熱管11を具えて成るものであり、前記多管式加熱管11を、その内部に熱媒体たる加熱蒸気Vを流すとともに回転させ、本体シェル10内に投入される被処理物P1を多管式加熱管11の管外面(伝熱面)に接触させることにより熱を伝導させて乾燥させて乾燥の進んだ被処理物P2とし、最終的に乾燥品P3とする装置である。なお本明細書において、本体シェル10内に位置する被処理物を総称する場合には符号をPとして被処理物Pと称する。
以下、伝導伝熱乾燥機1について説明し、その後、伝導伝熱乾燥機1の運転方法について説明する。
【0025】
まず前記本体シェル10は、一例として図3に示すように楕円状の横断面を有する中空部材であり、図1~3に示すように投入口101、排出口102、キャリアガス口103、排気口104が形成されている。
なお投入口101は、本体シェル10の片側端部付近に形成されるものであり、この投入口101付近に排気口104が形成される。
更に本体シェル10における前記排気口104よりも中央寄りの部分に分散投入口101aが形成されるものであり、更にこの実施例ではその隣に分散投入口101bも形成するようにした。もちろん、後述する多管式加熱管11の長手方向に沿って更に複数の個所に分散投入口を形成するようにしてもよい。
また本体シェル10及び多管式加熱管11は、水平または投入口101側が排出口102側よりも幾分か高くなるように傾斜して機枠1Fに設置される。
【0026】
なお前記排出口102は図3(b)に示すように、本体シェル10に形成された開口部(方形)を、下部から上部に向かって順に、幅十数cm程度の複数の板材102aで塞ぐことにより、所望の高さ寸法で形成することができるものである。
このような構成が採られることから、板材102aを高く積み上げれば、排出口102の開口は上部に狭くしか開かないため、後述するように本体シェル10内の被処理物P1の滞留量が大きくなる。逆に板材102aが少なければ開口は広くなり、後述するように本体シェル10内の被処理物P1の滞留量は少なくなる。
また前記排出口102を覆うようにダクト102bが外装されるものであり、また排出口102を塞ぐ蓋部材102cが具えられており、排出口102が蓋部材102cにより塞がれている「閉状態」では、本体シェル10から乾燥品P3が排出されることはなく、一方、排出口102が蓋部材102cにより塞がれていない「開状態」では、本体シェル10から乾燥品P3が排出される。そして本体シェル10内の被処理物Pの滞留量は、この蓋部材102cの「開」、「閉」動作の繰り返しの時間間隔が制御盤4からの制御信号により調整される。
なお前記蓋部材102cは、適宜シリンダやリンク機構を具えて構成される不図示の開閉機構により排出口102に対して接近離反するように構成される。
更に前記排気口104付近に排気ガス温度センサ121が具えられ、また排出口102付近に品温センサ122が具えられる。
【0027】
更にまた前記本体シェル10は一例として二重ジャケット構造とされ、蒸気供給口106からドレン口107に至る加熱媒体の通過経路が形成され、本体シェル10内を昇温することができるような構成が採られている。なお、このような二重ジャケット構造に替えてトレース配管等を設置することもできる。また本体シェル10に形成される側面開口108は、本体シェル10の内部の観察等を行う際に利用されるものであり、定常時には点検蓋によって塞がれている。
また前記本体シェル10は常圧下あるいは僅かな負圧下での使用を前提に構成されるものであり、このため厳密な気密性が求められることがなく、複雑な投入・排出機構、給・排気機構を要しないものである。このため、伝導伝熱乾燥機1を低コストで構築することができる。
【0028】
次に前記多管式加熱管11は、円筒状のチューブ束116の両側部に鏡板112を具えるとともに、この鏡板112の中心に中空の軸体113を具えて成り、前記機枠1Fに具えた軸受ブロック114によって軸体113を回転可能に支持して成るものである。なお多管式加熱管11を回転させるための動力源としてモータM1が具えられる。
そして前記軸体113の両端にはロータリージョイント115a、115bが取り付けられ、チューブ束116と接続される。また軸体113の外面と本体シェル10との間には、外気との遮断のためのシール機構が設けられている。
またチューブ束116の側周部には、複数のリフタ117及び適宜の角度を持たせた送り羽根118が取り付けられたアングル111(例えばアングル鋼)が多数(この実施例では12本)具えられるものであり、これらよって被処理物Pは図3に示すように掻き上げられて、前記チューブ束116に接触するとともに投入口101側から排出口102側に進むこととなる。
【0029】
次いで機内レベル検出機構13について説明すると、この機構は、外部から本体シェル10内に挿通状態とされるスライド自在のロッド131を具え、このロッド131の下端部が被処理物Pの表層部と接することにより、被処理物Pの高さ位置の変動に伴って上下動するように構成されたものである。この様な構成が採られることにより、前記ロッド131の上下位置により外部から被処理物Pの高さ位置を認知することができる。
具体的には図4に示すように、耐衝撃性・耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチックやガラス等の透明素材によって形成されたケーシング130にスリーブ132が内嵌され、このスリーブ132の中穴132aに挿通されたロッド131が上下動できるように具えられて成るものである。
なおケーシング130を長手方向の適宜の個所で分割自在とすることにより、スリーブ132をケーシング130内の長手方向の好適な位置に設置することが可能となる。
【0030】
前記ロッド131の上部付近には、抜け落ち防止のためのストッパ133が具えられ、一方、ロッド131の下端部には、ロッド131の被処理物Pへの沈み込みを防止するための機構としての当接片135が具えられる。
この当接片135は、図4に示すような円錐台状のものの他、角錐、球形状等、実質的にロッド131の底面を拡張して被処理物Pとの接触面積を増大させることにより、ロッド131が下方から持ち上げられて来る被処理物P中に沈み込むのを防止することができる形態が採られる。因みに稼動中の伝導伝熱乾燥機1において、下水汚泥を被処理物Pとした際の試験では、当接片135の下面にかかる圧力が2.2kg/cm2 程度であればロッド131及び当接片135が被処理物P中に沈み込んでしまうことなく、被処理物Pの機内レベルを正確に検出することができることが確認されている。
なおロッド131及び当接片135の素材としては、SUS等の金属の他、シリコーン、フッ素樹脂あるいはこれらを組み合わせたもの等が採用し得る。
【0031】
また前記ロッド131の上下位置の検出を行うためのセンサSが具えられるものであり、この実施例では一例としてケーシング130の外部且つスリーブ132の上方部分に、送受光式のセンサSが具えられるものであり、上下方向に五基のセンサS1、S2、S3、S4、S5が配列されるようにした。なお前記ロッド131が金属製である場合には、センサSとして非接触式の近接センサあるいは静電容量式のセンサを採用することもできる。
またケーシング130が透明素材によって形成されることから、ケーシング130の側周部にゲージを付することにより、目視によってもロッド131の上下位置を確認することができるようにしてもよい。
【0032】
また前記ロッド131のスライド箇所にはエアパージ機構が具えられ、本体シェル10内の雰囲気の外部流出を防止することができるように構成される。具体的には、ケーシング130の上部または側周部にパージエア供給口130aが形成され、ここに適宜のポンプからパージエアを供給することにより、このパージアがスリーブ132の中穴132aを通過して本体シェル10内に流入することとなり、本体シェル10内の雰囲気及び臭気の外部流出が防止される。更に粉塵や蒸気がケーシング130内に流入することを防ぐため、ケーシング130が透明素材である場合、ロッド131の動きや位置を目視して確認することができる。
【0033】
そしてこの実施例では図2に示すように、排出口102付近の分散投入口101b側の部分に一基の機内レベル検出機構13が具えられるようにした。
【0034】
次に図1に示されているように、伝導伝熱乾燥設備Fにおいて伝導伝熱乾燥機1の周辺機器として設けられる投入装置2、集塵装置3、制御盤4、脱臭炉5、熱交換器6、減圧弁7、流量調整弁8及び熱交換器9について説明する。
まず前記投入装置2について説明すると、このものは一例としてホッパ20の底部にスクリューコンベヤ20aを具えて構成されるものであり、その排出口は前記伝導伝熱乾燥機1における投入口101、分散投入口101a、101bに接続される。なお分散投入口101a、101bと投入装置2との間にはバルブ21、22が設けられる。
また前記スクリューコンベヤ20aはインバータモータM2を駆動源とするものである。
またこのスクリューコンベヤ20aに代えて、モーノポンプ(登録商標)等の一軸偏心ねじポンプ等を適用することもできる。
【0035】
また本体シェル10における排気口104から排出される排気ガスG1中に含まれる粉塵を除去するための集塵装置3が具えられるものであり、サイクロン式、バグフィルタ式等適宜の機器が採用される。
【0036】
更にこの集塵装置3の次段に、排気ガスG1を燃焼させることにより脱臭処理を施すための脱臭炉5が具えられる。この脱臭炉5は、炉本体50内に、バーナ51によって燃料を燃焼させることにより生成された高温の燃焼ガスを供給し、給気口52から炉本体50内に供給される排気ガスG1を加熱・燃焼させて脱臭処理を行い、脱臭処理の施された排気ガスG2として排気口53から排出する機器である。そして排気口53付近の炉本体50の内部温度を測定するための温度センサ54が具えられている。また前記バーナ51への燃料供給ラインに調量弁55が設けられる。
【0037】
更に脱臭炉5の次段には熱交換器6が具えられ、排気口53から排出された排気ガスG2中の熱を、給気口52に供給される前の排気ガスG1中に採り込むことができるように構成されている。
【0038】
また前記ロータリージョイント115aには多管式加熱管11を加熱するための加熱蒸気Vが供給されるものであり、この加熱蒸気Vは、減圧弁7と流量調整弁8とが具えられた蒸気配管経路から供給される。
なお加熱蒸気Vの圧力は、被処理物P1の性状に応じて0.1から0.7MPaG(温度としては120~170℃に相当)程度に調整される。
また加熱蒸気Vの蒸気配管経路は減圧弁7の前段で分岐しており、この分岐路は熱交換器9に接続され、昇温した外気をキャリアガスCとしてキャリアガス口103に供給できるように構成されている。またこの分岐路は蒸気供給口106にも接続され、本体シェル10内を昇温することができるように構成されている。
【0039】
本発明の伝導伝熱乾燥機1は一例として上述のように構成されるものであり、以下、本発明の伝導伝熱乾燥機1の運転方法について説明する。
【0040】
(1)脱臭炉の起動
まず始めに、伝導伝熱乾燥機1から排気される排気ガスG1は、被処理物P1(一例として有機汚泥)から蒸発する水分や臭気成分等を含むものとなるため、バーナ51に着火して脱臭炉5を起動しておく。
【0041】
(2)乾燥機の準備
次いで被処理物P1の投入に先立って、伝導伝熱乾燥機1における多管式加熱管11及び本体シェル10を昇温しておくものであり、多管式加熱管11を設定した回転数で回転させた状態で、ロータリージョイント115a及び蒸気供給口106に加熱蒸気Vを供給する。
また上記伝導伝熱乾燥機1の準備に際しては、ロータリージョイント115bの下流側に具えられたポンプ(図示省略)を動作させ、多管式加熱管11内に生じたドレンDの排出や、リークにより入り込んだ空気などの非凝縮性ガスを排出させる。
【0042】
(3)キャリアガスの供給
続いて一例としてキャリアガスCとしての外気を、フィルタ(図示省略)を用いて除塵等を施した後、更に熱交換器9により約100℃に加熱してキャリアガス口103から本体シェル10内に供給する。
【0043】
(4)被処理物の乾燥
次いで投入装置2から投入口101を通じて本体シェル10内に被処理物P1を投入するものであり、この投入装置2は、回転速度が可変可能である例えばインバータモータM2を駆動源とするものであり、回転速度の調整は駆動周波数を変化させることにより行われる。
【0044】
そして本体シェル10内に投入された被処理物P1は、送り羽根118やリフタ117の作用によって投入口101側から排出口102側に移動するとともに、更にリフタ117等によってカスケードしながら掻き上げられることによりチューブ束116と効果的に接触し、この際、熱を受けて水分が蒸発して含水率が低下するものである。
このとき、本体シェル10内における被処理物P1の分布状態は、図3の横断面図に示すように多管式加熱管11の回転に伴って回転方向に盛り上がって偏在した状態となるものであり、この様な状態を含めて被処理物P1は本体シェル10の下部に位置していると呼ぶ。
なお多管式加熱管11の回転に伴って回転方向に盛り上がった状態の被処理物Pの高さを位置を機内レベルと称する。
【0045】
そして上述のような伝導伝熱乾燥機1の運転において、多管式加熱管11のチューブ束116は、本体シェル10の下部に位置する被処理物Pの中に潜り込むようにしてこれと接触し、被処理物Pを加熱して水分の蒸発を促すものである。
更に被処理物Pは多管式加熱管11の側周部に具えられた複数のリフタ117等によってカスケードしながら掻き上げられ、本体シェル10内の上部に至るとともに、ここから落下する際にチューブ束116の内側に位置するチューブに接触し、ここでも乾燥が促されるものである。
【0046】
また加熱蒸気Vがチューブ束116内において顕熱及び潜熱を失い凝縮して生じたドレンDは、排出口102側の鏡板112内に具えられた適宜のドレン排出管(図示省略)から押し出され、軸体113、ロータリージョイント115bを経由して伝導伝熱乾燥機1の外部に排出され、セパレータ(図示省略)により概ねドレンDと気体に分離されてそれぞれの経路を通じて排出される。なお伝導伝熱乾燥機1の運転中は、加熱蒸気Vの供給が継続されるとともに、加熱蒸気Vの圧力(温度)が一定となるように減圧弁7が制御される。
一方、排出口102に達した乾燥の進んだ被処理物P2は、適宜のタイミングで前述の蓋部材102cの開閉動作が起動されることにより排出口109から乾燥品P3として排出される。
【0047】
(5)排気ガスの処理
また被処理物Pから蒸発した水分や揮発性有機物は、キャリアガス口103から本体シェル10内に流入したキャリアガスCに同伴されるようにして、速やかに排気口104から排気ガスG1として外部に排出される。そして排気口104から排出される排気ガスG1に含まれる微粉等は、集塵装置3において分離される。
【0048】
次いで排気ガスG1は熱交換器6において、脱臭炉5における排気口53から排出された排気ガスG2中の熱を採り込んで昇温された後、脱臭炉5における給気口52から炉本体50内に供給される。そして炉本体50内において排気ガスG1は、バーナ51によって燃料を燃焼させることにより生成された高温の燃焼ガスにより加熱・燃焼されて脱臭処理が施され、排気ガスG2として排気口53から排出され、前出の熱交換器6を経由して外部に排出される。
【0049】
(6)被処理物の投入量及び排出量の制御
上述のような伝導伝熱乾燥機1の運転にあたり、本発明では、多管式加熱管11を回転駆動するモータM1に流れる電流の値(以下、単に「電流値」と称する。)と、機内レベル検出機構13による被処理物Pの機内レベル(以下、単に「機内レベル」と称する。)の検出値とが常時測定される。図5に機内レベル検出機構13による「機内レベル」の検出の様子を骨格的に示す。また図6にロッド131の上端位置の時間による変化の様子及びこれに対応したセンサSによる検出の状態を示す。
そして「電流値」、「機内レベル」及び機内レベルの変移量(以下、単に「変移量」と称する。)のうちのいずれか一つまたは複数の状態に応じて、本体シェル10への被処理物P1の投入量(以下、単に「投入量」と称する。)のおよび/または本体シェル10からの乾燥品P3の排出量(以下、単に「排出量」と称する。)を制御するものである。
なおこの制御にあたっては、上記「機内レベル」及び「電流値」は、適宜の単位時間での測定値を平均した値が採用されるものであり、一方、「変移量」は、例えば当該単位時間内での最大値が採用される。
【0050】
ここで前記「機内レベル」について詳しく説明すると、図6において、単位時間の間における斜線部の面積の合計を、当該単位時間で除することで、当該単位時間の間におけるロッドR1の上端の高さの平均値が算出される。この高さの平均値が、当該単位時間の間における平均「機内レベル」、つまり先に述べたホールドアップ状態にある被処理物Pの概ね平均の上端の位置を意味する。
そして本体シェル10への被処理物P1の投入量の制御は、投入装置2のインバータモータM2の駆動周波数を変化させることにより行われる。一方、本体シェル10からの乾燥品P3の排出量の制御は、前述の蓋部材102cの開閉の時間の設定値を、例えば制御盤4内の制御機器に予め設定されている開閉時間の幾つかの組合せの設定値を用いて行われる。開閉時間としては、例えば、乾燥品P3の排出量を多くする場合の開時間/閉時間は2秒/15秒、通常運転での開時間/閉時間は2秒/30秒、排出量を少なくする場合の開時間/閉時間は2秒/60秒である。
【0051】
(A)「変移量」及び「電流値」を用いる実施例
まず「変移量」及び「電流値」を用いる実施例について説明すると、例えば連続するあるいは所定の間隔を空けた二つの単位時間で比べたときに「変移量」が増大した場合、もしくは「変移量」の「大」な状態が継続した場合、これらを水分上昇に伴う被処理物Pの伝導伝熱乾燥機1内部への付着が生じているものと捉え、本体シェル10への被処理物P1の「投入量」を少なくする制御が行われる。
なお前記「変移量」は、一例としてセンサSの検出差が二段以上(例えばセンサS2とS4)の場合を「大」とし、二段未満(例えばセンサS1とS2)の場合を「小」とするものである。
またこの際、「電流値」を確認し、基準電流値よりも「低」のときには共回りが発生していると捉え、「排出量」を通常運転とする又は少なくする制御が行われる。一方、基準電流値よりも「高」のときには、「付着」が生じていることが略確定するため、「排出量」を通常運転とする制御が行われる。
ここで前記「共回り」とは、被処理物Pがリフタ117等によってカスケードしながら掻き上げられることなく、塊状になってチューブ束116と共に回ってしまうことを意味するものである。
【0052】
(B)「電流値」、「機内レベル」及び「変移量」を用いる実施例
次に「電流値」、「本機内レベル」及び「変移量」を用いる実施例について説明するものであり、一例として図7に示す表に従って被処理物Pの投入量及び排出量の制御が行われる。
なお前記「機内レベル」は、詳しくは先に説明した様な算出方法により平均としての「機内レベル」を制御に利用できるが、ここでは概略として、一例として、図5(a)に示すようにセンサS1のみの検出が確認されているとき及び図5(b)に示すようにセンサS2までの検出が確認されているときを「低」とし、図5(c)に示すようにセンサS3までの検出が確認されているときを「中」とし、更に図5(d)に示すようにセンサS4までの検出が確認されているとき及び図5(e)に示すようにセンサS5までの検出が確認されているときを「高」とする三段階のレベルで表現するものである。
【0053】
まず一例として、「変移量:大、機内レベル:高、電流値:高」となる場合(表中のケース1)、「変移量」が「大」であることから、被処理物Pは本体シェル10の横断面内において不均質な状態で分布しており、リフタ117等によるカスケードが均等に行われておらず、「付着」が生じていると判定される。
且つこの状態で「機内レベル」が「高」であることから、本体シェル10内の機内レベル検出機構13の近傍における被処理物Pの滞留量は多いまたは中位の状態であると判定される。
且つこの状態で電流値が「高」であることから、被処理物Pが本体シェル10内の多管式加熱管11の延在方向においても「付着」が生じて負荷が増大しているのが原因であると判定される。
そしてこのような判定の下、「投入量」を少なくし、「排出量」を通常運転とする制御が行われる。
【0054】
次に、「変移量:小、機内レベル:高、電流値:高」となる場合(表中のケース3)について説明すると、「変移量」が「小」である場合、被処理物Pは本体シェル10の横断面内において概ね均質な流動性の良い状態で分布しており、リフタ117によるカスケードが概ね均等に行われていると判定される。
且つこの状態で「機内レベル」が「高」である場合、本体シェル10内の機内レベル検出機構13の近傍における被処理物Pの滞留量は多い状態であると判定される。
且つこの状態で「電流値」が「高」である場合、本体シェル10内の多管式加熱管11の延在方向における被処理物Pの滞留量が多い状態であることが妥当である(滞留量が多い正常状態である)と判定される。
そしてこのような判定の下、「投入量」を維持し、「排出量」を多くする制御が行われる。
【0055】
このように本発明によれば、「電流値」に加え、「機内レベル」及び「変移量」を判断材料として、「投入量」及び「排出量」を制御することにより、従来と比べて、本体シェル10内に位置する被処理物Pの性状に合わせた適切な制御を多様に行うことが可能となる。
具体的には上記のケース1、3では、ともに「電流値」が「高」であるため、従来手法によると同様の制御が行われることとなるのに対し、本発明によると異なる制御が行われることとなる。
また上記のケース1、3では、ともに「電流値」が「高」であり、更にともに「機内レベル」が「高」であるものの、「変移量」が「大」、「小」と異なるため、異なる制御が行われることとなる。
なお本願における方法発明は請求項6で定義したように、「電流値」、「機内レベル」及び「変移量」のうちのいずれか一つまたは複数の状態に応じて、「投入量」および/または「排出量」を制御するものであり、従来手法で判断材料としていた「電流値」に加え、「機内レベル」を判断材料とすることにより判断項目数が増し、更に「変移量」を判断材料とすることにより更に判断項目数が増すこととなるものです(表中の判定6項目)。
【0056】
〔他の実施例〕
本発明は上述した実施例を基本となる実施例とするものであるが、本発明の技術的思想に基づいて以下に示すような実施例を採ることもできる。
まず図8に示すように、前記機内レベル検出機構13を、本体シェル10の長手方向に沿って二個所以上の複数個所に具えるようにしてもよく、本体シェル10内の複数個所で被処理物Pの「機内レベル」を把握することができ、本体シェル10内に位置する被処理物Pの状態をより正確に把握することができると共に、本体シェル10内全体での滞留量の推算が可能となり、この状態に応じたより繊細な制御を行うことができる。
【0057】
また図6に示したグラフの中に単位時間の範囲を示しているが、この単位時間よりもさらに短い単位時間Δt毎のセンサSの検出位置との関係を用いて制御に利用することもできる。例えば、Δtの時にセンサS5の検出が確認され、続くΔtの時でもセンサS5の検出が確認されるという様に、しばらくセンサS5の検出が連続した後、続くΔtの時にセンサS1が検出される様であれば、付着性の強い被処理物Pの大きな集合状態の形成が推察されるので、この集合状態を解砕する運転条件に変更する制御を採ることが可能となる。
【符号の説明】
【0058】
1 伝導伝熱乾燥機
1F 機枠
10 本体シェル
101 投入口
101a 分散投入口
101b 分散投入口
102 排出口
102a 板材
102b ダクト
102c 蓋部材
103 キャリアガス口
104 排気口
106 蒸気供給口
107 ドレン口
108 側面開口
109 排出口
11 多管式加熱管(加熱管)
111 アングル
112 鏡板
113 軸体
114 軸受ブロック
115a ロータリージョイント
115b ロータリージョイント
116 チューブ束
117 リフタ
118 送り羽根
121 排気ガス温度センサ
122 品温センサ
13 機内レベル検出機構
130 ケーシング
130a パージエア供給口
131 ロッド
132 スリーブ
132a 中穴
133 ストッパ
135 当接片
2 投入装置
20 ホッパ
20a スクリューコンベヤ
21 バルブ
22 バルブ
3 集塵装置
4 制御盤
5 脱臭炉
50 炉本体
51 バーナ
52 給気口
53 排気口
54 温度センサ
55 調量弁
6 熱交換器
7 減圧弁
8 流量調整弁
9 熱交換器
C キャリアガス
D ドレン
F 伝導伝熱乾燥設備
G1 排気ガス
G2 排気ガス
M1 モータ
M2 インバータモータ
P 被処理物
P1 被処理物
P2 被処理物(乾燥の進んだ)
P3 乾燥品
S センサ
S1 センサ
S2 センサ
S3 センサ
S4 センサ
S5 センサ
V 加熱蒸気
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9