(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】画像形成装置、システム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20220419BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
G06F8/65
G06F3/12 325
(21)【出願番号】P 2017239429
(22)【出願日】2017-12-14
【審査請求日】2020-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兪 和俊
【審査官】吉倉 大智
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-252039(JP,A)
【文献】特開2012-213991(JP,A)
【文献】特開2013-235314(JP,A)
【文献】特開2009-110268(JP,A)
【文献】特開2001-051810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/00-8/38
G06F 8/60-8/77
G06F 9/44-9/445
G06F 9/451
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連携アプリケーションを有する情報処理装置と、
前記情報処理装置と連携して動作する1つ以上の画像形成装置と、
前記連携アプリケーションを、前記画像形成装置を介して配信するサーバーと、を備え、
各前記1つ以上の画像形成装置は、
当該画像形成装置を制御する制御部と、
前記情報処理装置と通信するための通信回路と、
前記サーバーと通信するための通信インターフェースと、
ファームウェアを格納するための格納部と、を含み、
前記制御部は、
前記情報処理装置から前記連携アプリケーションを識別するアプリ情報を受信し、
前記ファームウェアが更新される場合、前記アプリ情報により識別される前記連携アプリケーションであって更新版の前記ファームウェアに対応した前記連携アプリケーションを、前記情報処理装置に配信するために前記サーバーから受信
し、
前記連携アプリケーションは複数種類の連携アプリケーションを含み、
前記制御部は、
前記ファームウェアが更新される場合、前記サーバーによる前記更新版のファームウェアに対応した全ての種類の前記連携アプリケーションを配信可能になった時、前記サーバーから前記更新版のファームウェアと前記対応した全ての種類の連携アプリケーションとを受信し、
各前記複数種類の連携アプリケーションの利用頻度を管理し、
前記ファームウェアが更新される場合、前記サーバーから受信する前記更新版のファームウェアに対応した前記複数種類の連携アプリケーションのうち、前記利用頻度が高い1つ以上の連携アプリケーションを前記情報処理装置に送信する、システム。
【請求項2】
連携アプリケーションを有する情報処理装置と連携して動作する画像形成装置であって、
前記画像形成装置を制御する制御部と、
前記情報処理装置と通信するための通信回路と、
前記画像形成装置を介して前記連携アプリケーションを配信するサーバーと通信するための通信インターフェースと、
ファームウェアを格納するための格納部と、を備え、
前記制御部は、
前記情報処理装置から前記連携アプリケーションを識別するアプリ情報を受信し、
前記ファームウェアが更新される場合、前記アプリ情報により識別される前記連携アプリケーションであって更新版の前記ファームウェアに対応した前記連携アプリケーションを前記サーバーから受信
し、
前記連携アプリケーションは複数種類の連携アプリケーションを含み、
前記制御部は、
前記ファームウェアが更新される場合、前記サーバーによる前記更新版のファームウェアに対応した全ての種類の前記連携アプリケーションを配信可能になった時、前記サーバーから前記更新版のファームウェアと前記対応した全ての種類の連携アプリケーションとを受信し、
前記制御部は、
各前記複数種類の連携アプリケーションの利用頻度を管理し、
前記ファームウェアが更新される場合、前記サーバーから受信する前記更新版のファームウェアに対応した前記複数種類の連携アプリケーションのうち、前記利用頻度が高い1つ以上の連携アプリケーションを前記情報処理装置に送信する、画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
前記情報処理装置から前記連携アプリケーションにより生成された生成データを受信し、
受信された前記生成データを、前記ファームウェアを用いて処理する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記生成データは、前記アプリ情報を含み、
前記制御部は、受信された前記生成データから前記アプリ情報を取得する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記ファームウェアが更新される場合、前記サーバーによる前記更新版のファームウェアに対応の前記連携アプリケーションの配信が可能になった時、前記サーバーから前記更新版のファームウェアと前記対応した連携アプリケーションを受信する、請求項2から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記連携アプリケーションは、ユーザーによりカスタマイズされた種類の連携アプリケーションを含む、請求項
2から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記サーバーは、前記連携アプリケーションの利用履歴を含むログ情報を管理し、
前記制御部は、さらに、
前記情報処理装置から前記ログ情報と前記アプリ情報を受信し、
受信された前記ログ情報と前記アプリ情報を前記サーバーに送信する、請求項2から
6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、さらに、
前記サーバーから前記更新版のファームウェアに対応した前記連携アプリケーションを受信した場合、前記情報処理装置の前記連携アプリケーションからの問合せを受信したとき、受信されている前記対応した連携アプリケーションを問合せ元の前記情報処理装置に送信する、請求項2から
7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
連携アプリケーションを有する情報処理装置と連携して動作する画像形成装置を制御する方法であって、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置と通信するための通信回路と、
前記画像形成装置を介して前記連携アプリケーションを配信するサーバーと通信するための通信インターフェースと、
ファームウェアを格納するための格納部と、を備え、
前記方法は、
前記情報処理装置から前記連携アプリケーションを識別するアプリ情報を受信するステップと、
前記ファームウェアが更新される場合、前記アプリ情報により識別される前記連携アプリケーションであって更新版の前記ファームウェアに対応した前記連携アプリケーションを前記サーバーから受信するステップと、を備え
、
前記連携アプリケーションは複数種類の連携アプリケーションを含み、
前記方法は、さらに、
前記ファームウェアが更新される場合、前記サーバーによる前記更新版のファームウェアに対応した全ての種類の前記連携アプリケーションを配信可能になった時、前記サーバーから前記更新版のファームウェアと前記対応した全ての種類の連携アプリケーションとを受信するステップと、
各前記複数種類の連携アプリケーションの利用頻度を管理するステップと、
前記ファームウェアが更新される場合、前記サーバーから受信する前記更新版のファームウェアに対応した前記複数種類の連携アプリケーションのうち、前記利用頻度が高い1つ以上の連携アプリケーションを前記情報処理装置に送信するステップと、を備える、方法。
【請求項10】
連携アプリケーションを有する情報処理装置と連携して動作する画像形成装置であって、
前記画像形成装置を制御する制御部と、
前記情報処理装置と通信するための通信回路と、
前記画像形成装置を介して前記連携アプリケーションを配信するサーバーと通信するための通信インターフェースと、
ファームウェアを格納するための格納部と、を備え、
前記制御部は、
前記情報処理装置から前記連携アプリケーションを識別するアプリ情報を受信し、
前記ファームウェアが更新される場合、前記アプリ情報により識別される前記連携アプリケーションであって更新版の前記ファームウェアに対応した前記連携アプリケーションを前記サーバーから受信し、
前記サーバーは、前記連携アプリケーションの利用履歴を含むログ情報を管理し、
前記制御部は、さらに、
前記情報処理装置から前記ログ情報と前記アプリ情報を受信し、
受信された前記ログ情報と前記アプリ情報を前記サーバーに送信する、画像形成装置。
【請求項11】
連携アプリケーションを有する情報処理装置と連携して動作する画像形成装置であって、
前記画像形成装置を制御する制御部と、
前記情報処理装置と通信するための通信回路と、
前記画像形成装置を介して前記連携アプリケーションを配信するサーバーと通信するための通信インターフェースと、
ファームウェアを格納するための格納部と、を備え、
前記制御部は、
前記情報処理装置から前記連携アプリケーションを識別するアプリ情報を受信し、
前記ファームウェアが更新される場合、前記アプリ情報により識別される前記連携アプリケーションであって更新版の前記ファームウェアに対応した前記連携アプリケーションを前記サーバーから受信し、
前記制御部は、さらに、
前記サーバーから前記更新版のファームウェアに対応した前記連携アプリケーションを受信した場合、前記情報処理装置の前記連携アプリケーションからの問合せを受信したとき、受信されている前記対応した連携アプリケーションを問合せ元の前記情報処理装置に送信する、画像形成装置。
【請求項12】
連携アプリケーションを有する情報処理装置と連携して動作する画像形成装置を制御する方法であって、
前記画像形成装置は、
前記画像形成装置を制御する制御部と、
前記情報処理装置と通信するための通信回路と、
前記画像形成装置を介して前記連携アプリケーションを配信するサーバーと通信するための通信インターフェースと、
ファームウェアを格納するための格納部と、を備え、
前記方法は、
前記情報処理装置から前記連携アプリケーションを識別するアプリ情報を受信するステップと、
前記ファームウェアが更新される場合、前記アプリ情報により識別される前記連携アプリケーションであって更新版の前記ファームウェアに対応した前記連携アプリケーションを前記サーバーから受信するステップと、
前記サーバーは、前記連携アプリケーションの利用履歴を含むログ情報を管理し、
前記方法は、さらに、
前記情報処理装置から前記ログ情報と前記アプリ情報を受信するステップと、
受信された前記ログ情報と前記アプリ情報を前記サーバーに送信するステップと、を備える、方法。
【請求項13】
連携アプリケーションを有する情報処理装置と連携して動作する画像形成装置を制御する方法であって、
前記画像形成装置は、
前記画像形成装置を制御する制御部と、
前記情報処理装置と通信するための通信回路と、
前記画像形成装置を介して前記連携アプリケーションを配信するサーバーと通信するための通信インターフェースと、
ファームウェアを格納するための格納部と、を備え、
前記方法は、
前記情報処理装置から前記連携アプリケーションを識別するアプリ情報を受信するステップと、
前記ファームウェアが更新される場合、前記アプリ情報により識別される前記連携アプリケーションであって更新版の前記ファームウェアに対応した前記連携アプリケーションを前記サーバーから受信するステップと、
前記サーバーから前記更新版のファームウェアに対応した前記連携アプリケーションを受信した場合、前記情報処理装置の前記連携アプリケーションからの問合せを受信したとき、受信されている前記対応した連携アプリケーションを問合せ元の前記情報処理装置に送信するステップと、を備える、方法。
【請求項14】
請求項9、請求項12および請求項13のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は画像形成装置、システム、方法およびプログラムに関し、特に、情報処理装置と連携して動作する画像形成装置、システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンターまたはコピー機またはそれらの複合機であるMFP(Multi-Function Peripherals)などの画像形成装置を、当該画像形成装置と通信する情報処理装置により使用するケースがある。
【0003】
この場合、情報処理装置にインストールされているプリンタードライバーなどの、情報処理装置を画像形成装置と連係して動作させる連携アプリケーションが起動される。情報処理装置の連携アプリケーションからのデータは、画像形成装置のファームウェアにより処理される。
【0004】
このような使用状況においては、情報処理装置にインストールされている連携アプリケーションのバージョンが、MFPなどの画像形成装置のファームウェアのバージョンと整合している必要がある。整合していない場合は、情報処理装置から、画像形成装置の一部の機能を使用することができない、または画像形成装置の新たな機能を使用できないなどの問題が生じ得る。
【0005】
また、MFPなどの画像形成装置に最新版のファームウェアを自動的に提供する技術が提案されているが、最新版のファームウェアに対応する連携アプリケーションが当該最新版のファームウェアとともに提供されないために上記のような不整合が生じるケースが起こり易くなっている。
【0006】
印刷用のドライバーなどのソフトウェアを、ファームウェアに関連付けて装置にインストールする技術が、例えば特開2017-37620号公報(特許文献1)および特開2014-38368号公報(特許文献2)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-37620号公報
【文献】特開2014-38368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記に述べた特許文献1では、印刷装置のドライバーはユーザー操作により選択される。そのため、印刷装置のファームウェアが更新されるときは、ユーザーは、更新後のファームウェアに対応するドライバーを再度選択する必要がある。また、特許文献2では、管理サーバーのドライバー管理部が、クライアントの周辺機器のドライバーと、当該周辺機器の対応ファームと管理する。そのため、周辺機器のドライバーに関する情報を管理するサーバーを特別に設ける必要がある。
【0009】
したがって、画像形成装置のファームウェアが更新される場合に、更新版のファームウェアに対応する連携アプリケーションを配信するための簡単な構成が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一例にかかるシステムは、連携アプリケーションを有する情報処理装置と、情報処理装置と連携して動作する1つ以上の画像形成装置と、連携アプリケーションを、画像形成装置を介して配信するサーバーと、を備え、各1つ以上の画像形成装置は、当該画像形成装置を制御する制御部と、情報処理装置と通信するための通信回路と、サーバーと通信するための通信インターフェースと、ファームウェアを格納するための格納部と、を含み、制御部は、情報処理装置から連携アプリケーションを識別するアプリ情報を受信し、ファームウェアが更新される場合、アプリ情報により識別される連携アプリケーションであって更新版のファームウェアに対応した連携アプリケーションを、サーバーから受信する。
【0011】
本開示の一例にかかる画像形成装置は、連携アプリケーションを有する情報処理装置と連携して動作する画像形成装置であって、画像形成装置を制御する制御部と、情報処理装置と通信するための通信回路と、画像形成装置を介して連携アプリケーションを配信するサーバーと通信するための通信インターフェースと、ファームウェアを格納するための格納部と、を備え、制御部は、情報処理装置から連携アプリケーションを識別するアプリ情報を受信し、ファームウェアが更新される場合、アプリ情報により識別される連携アプリケーションであって更新版のファームウェアに対応した連携アプリケーションをサーバーから受信する。
【0012】
上述の開示における画像形成装置の制御部は、さらに、情報処理装置から連携アプリケーションにより生成された生成データを受信し、受信された生成データを、ファームウェアを用いて処理する。
【0013】
上述の開示における生成データは、アプリ情報を含み、制御部は、受信された生成データからアプリ情報を取得する。
【0014】
上述の開示における制御部は、ファームウェアが更新される場合、サーバーによる更新版のファームウェアに対応の連携アプリケーションの配信が可能になった時、サーバーから更新版のファームウェアと対応した連携アプリケーションを受信する。
【0015】
上述の開示における連携アプリケーションは複数種類の連携アプリケーションを含み、制御部は、ファームウェアが更新される場合、サーバーによる更新版のファームウェアに対応した全ての種類の連携アプリケーションを配信可能になった時、サーバーから更新版のファームウェアと対応した全ての種類の連携アプリケーションとを受信する。
【0016】
上述の開示における連携アプリケーションは、ユーザーによりカスタマイズされた種類の連携アプリケーションを含む。
【0017】
上述の開示における制御部は、各複数種類の連携アプリケーションの利用頻度を管理し、ファームウェアが更新される場合、サーバーから受信する更新版ファームウェアに対応した複数種類の連携アプリケーションのうち、利用頻度が高い1つ以上の連携アプリケーションを情報処理装置に送信する。
【0018】
上述の開示におけるサーバーは、連携アプリケーションの利用履歴を含むログ情報を管理し、制御部は、さらに、情報処理装置からログ情報とアプリ情報を受信し、受信されたログ情報とアプリ情報をサーバーに送信する。
【0019】
上述の開示における制御部は、さらに、サーバーから更新版のファームウェアに対応した連携アプリケーションを受信した場合、情報処理装置の連携アプリケーションからの問合せを受信したとき、受信されている対応した連携アプリケーションを問合せ元の情報処理装置に送信する。
【0020】
本開示の一例にかかる方法は、連携アプリケーションを有する情報処理装置と連携して動作する画像形成装置を制御する方法である。画像形成装置は、情報処理装置と通信するための通信回路と、画像形成装置を介して連携アプリケーションを配信するサーバーと通信するための通信インターフェースと、ファームウェアを格納するための格納部と、を備える。方法は、情報処理装置から連携アプリケーションを識別するアプリ情報を受信するステップと、ファームウェアが更新される場合、アプリ情報により識別される連携アプリケーションであって更新版のファームウェアに対応した連携アプリケーションをサーバーから受信するステップと、を備える。
【0021】
本開示の一例にかかるプログラムは、上述に開示す方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0022】
本開示の一例によれば、画像形成装置のファームウェアが更新される場合に、更新版のファームウェアに対応する連携アプリケーションを配信するための簡単な構成が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施の形態にかかるシステムの概略的な構成を示す図である。
【
図2】本実施の形態にかかる画像形成装置100のハードウェアの構成の一例を概略的に示す図である。
【
図3】本実施の形態にかかるサーバー300のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【
図4】本実施の形態にかかる情報処理装置200のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【
図5】本実施の形態にかかる印刷データ50の構成を概略的に示す図である。
【
図6】本実施の形態にかかる画像形成装置100、情報処理装置200およびサーバー300の機能の構成の一例を概略的に示す図である。
【
図7】本実施の形態にかかるドライバーリスト333の構成の一例を概略的に示す図である。
【
図8】本実施の形態にかかる情報処理装置200における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施の形態にかかる画像形成装置100における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本実施の形態にかかるサーバー300における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】本実施の形態にかかる画像形成装置100によるインストール処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】本実施の形態にかかるテストページ印刷データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を参照しつつ、画像形成システムの実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
【0025】
<A.開示の概要>
この開示の概要を、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施の形態にかかるシステムの概略的な構成を示す図である。
【0026】
図1を参照して、システム1は、複数の画像形成装置100、複数の情報処理装置200、有線または無線のネットワーク400,401,402および403、サーバー300、ファイアウォールFW、中継器260および270を備える。なお、システム1は、複数の画像形成装置100と複数の情報処理装置200を備えるが、画像形成装置100および情報処理装置200はそれぞれ1台であってもよい。ネットワーク401および402はLAN(ローカルエリアネットワーク)またはグローバルネットワークを含む。ネットワーク400は、インターネットなどの各種のネットワークを含む。
【0027】
画像形成装置100はネットワーク401を介して相互に通信可能に接続されている。情報処理装置200は、画像形成装置100とネットワーク401,402を介して有線または無線で通信する。また、画像形成装置100または情報処理装置200は、中継器260,270およびファイアウォールFWを介して、ネットワーク400を経由してサーバー300と通信する。画像形成装置は、少なくとも1以上の画像処理機能を有する装置であればよく、例えばMFP、プリンター、ファクシミリ送受信機、コピー機などを含み得る。情報処理装置200は、コンピュータに相当する構成を有し、少なくともプログラムを格納するメモリ、プログラムを実行するプロセッサ、通信回路および指示入力デバイスなどを備える装置を含む。情報処理装置200は、据え置き型または携帯型を含み得る。サーバー300は、例えばクラウドサーバを含み得る。
【0028】
システム1では、情報処理装置200は、画像形成装置100と連携して動作するために、連携アプリケーションの一実施例であるプリンタードライバー204がインストールされる。同様に、画像形成装置100は、情報処理装置200と連携して動作するためのアプリケーションとして例えば、ファームウェア118がインストールされる。画像形成装置100は、ファームウェア118を用いて、画像形成装置100のプリンタードライバー204からの受信データを処理する。画像形成装置100は、各情報処理装置200から、当該情報処理装置200の各プリンタードライバー204の種類およびバージョン(または版)ならびに対応のファームウェア118の種類を含むアプリ情報205を、情報処理装置200から受信する。これにより、画像形成装置100は、各情報処理装置200からプリンタードライバー204のアプリ情報205を収集する。また、アプリ情報205は、プリンタードライバー204が利用されている環境(例えば、情報処理装置200のOS(オペレーティングシステム)の識別情報など)を含んでも良い。
【0029】
画像形成装置100は、各情報処理装置200から受信(収集)したアプリ情報205をサーバー300に送信する。画像形成装置100のファームウェア118が更新される場合、サーバー300は、画像形成装置100から受信しているアプリ情報205に基づき、更新版のファームウェア118に対応したバージョンのプリンタードライバーを配信する。この対応したバージョンのプリンタードライバーは、画像形成装置100を経由して各情報処理装置200に配信される。
【0030】
このような配信により、特許文献1のようにユーザー操作を必要とせず、また特許文献2のようなサーバー装置によるドライバー管理部も必要としない、更新版のファームウェアに対応したバージョンのプリンタードライバーの情報処理装置200への配信を可能にする簡単な構成が提供される。つまり、画像形成装置100が各情報処理装置200からアプリ情報205を収集し、サーバー300は画像形成装置100により収集されたアプリ情報205で識別される、更新版のファームウェア118に対応したバージョンのプリンタードライバーを、画像形成装置100を介して情報処理装置200に配信する。これにより、ユーザー操作およびサーバー300によるドライバー管理を必要としない構成で、ファームウェア118の更新時には、更新版のファームウェアに対応した版のプリンタードライバーを、情報処理装置200に提供することが可能となる。
【0031】
本実施の形態では、ファームウェアの内容は、例えばファームウェアの提供者により更新され得る。同様に、プリンタードライバーの内容も、例えばプリンタードライバーの提供者により更新され得る。プリンタードライバーの更新は、ファームウェアが更新されるときに更新されたファームウェアの内容に整合(マッチ)させるための更新を含み得る。また、このような更新が何回実施されたかは「版」または「バージョン」で識別される。
【0032】
また、本実施の形態にかかる情報処理装置200には、異なる種類のプリンタードライバー204がインストールされ得る。プリンタードライバー204の種類は、当該プリンタードライバー204に対する設定内容(対応のファームウェアの識別子、印刷用紙サイズ、モノクロ/カラーなど)に従い異なる。本実施の形態にかかるプリンタードライバー204の種類は、設定内容が予め定められた標準を示す「標準」と、「カスタマイズ」とを含む。カスタマイズとは、ユーザーの好みと使い方に合わせて、プリンタードライバー204の標準の設定内容を設定し直す(変更する)ことをいう。本実施の形態では、例えばユーザーが情報処理装置200を操作して標準のプリンタードライバー204の設定内容をカスタマイズすることにより、「カスタマイズ」タイプのプリンタードライバー204が生成され得る。
【0033】
本実施の形態では、上記に述べたようにファームウェア118と連携アプリケーションであるプリンタードライバー204とのバージョンを整合(マッチ)させるために、ファームウェア118が更新される場合、更新版ファームウェアに対応したバージョンのプリンタードライバー(以下、対応プリンタードライバーともいう)が配信されて、情報処理装置200にプリンタードライバー204としてインストールされる。
【0034】
本実施の形態にかかる連携アプリケーションは、プリンタードライバー204に限定されず、ファームウェア118と連携して起動される各種のアプリケーションを含み得る。また、本実施の形態では、画像形成装置100が連携アプリケーションから受信するデータであって、ファームウェア118により処理されるデータを、例えばプリンタードライバー204が生成する印刷データとしているが、これに限定されない。
【0035】
本実施の形態では、インストールとはアプリケーション(連携アプリケーションおよびファームウェアを含む)を記憶部に格納する処理を示す。より特定的には、インストールは、これらアプリケーションを記憶部に格納し、CPUにより実行可能(読出可能)な状態に設定することを示す。例えば、アプリケーションは、解凍などされることにより実行可能(読出可能)状態に設定される。
【0036】
プリンタードライバー204は、情報処理装置200においてユーザーの印刷指示(または外部からの印刷指示)に従い、画像形成装置100がファームウェア118などを用いて処理可能な印刷データを形成するためのソフトウェアを含む。
【0037】
ファームウェア118は、情報処理装置200のハードウェア資源にアクセスして各機能を実現するためのソフトウェアである。ファームウェア118は、例えば情報処理装置200からの印刷データを、その設定内容に従いハードウェア資源にアクセスしつつ、処理する。
【0038】
本実施の形態にかかるシステム1では、画像形成装置100に格納されたファームウェア118は、サーバー300を含む外部装置から供給される更新版ファームウェアがインストールされることにより更新され得る。また、情報処理装置200に格納されたプリンタードライバー204は、サーバー300または画像形成装置100を含む外部装置から供給される対応プリンタードライバーがプリンタードライバー204としてインストールされることにより更新され得る。
【0039】
<B.画像形成装置100のハードウェア構成>
図2は、本実施の形態にかかる画像形成装置100のハードウェアの構成の一例を概略的に示す図である。
図2を参照して、画像形成装置100は、画像形成装置100を制御するための制御部に相当するCPU(Central Processing Unit)10、プログラムおよびデータを格納するための記憶部160、情報の入出力部170、ネットワーク400,401および402を介してサーバー300と通信するための通信I/F(InterFaceの略)156、情報処理装置200と通信するための通信回路175、および各種処理部を含む。
【0040】
記憶部160は、CPU10により実行されるプログラムおよびデータを記憶するためのROM(Read Only Memory)、CPU10によりプログラムを実行する際の作業領域として供されるRAM(Random Access Memory)および不揮発メモリなどを含む。
【0041】
入出力部170は、ディスプレイを含む表示部171およびユーザーが画像形成装置100に情報を入力するために操作する操作部172を含む。ここでは、表示部171と操作部172は、一体的に構成されたタッチパネルとして提供されてもよい。
【0042】
通信I/F156は、NIC(Network Interface Card)などの回路を含んで構成される。通信I/F156は、サーバー300を含む外部装置とネットワークを介して通信するためのデータ通信部157を含む。データ通信部157は、データを、ネットワークを介してサーバー300を含む外部装置に送信するための送信部158、およびネットワークを介してサーバー300を含む外部装置からデータを受信する受信部159を含む。
【0043】
通信回路175は、情報処理装置200と通信するための例えばLAN(Local Area Network)またはNFC(Near Field Communication)などの通信回路を含む。
【0044】
上記の各種処理部は、画像処理部151、画像形成部152、画像データを含む各種データを記憶するハードディスクなどの記憶部153、図示しないプリンターを制御する画像出力部154、図示しないファクシミリ回路を制御するためのファクシミリ制御部155、原稿を光学的に読み取って画像データを得るための画像読取部173、外部記憶媒体176が脱着自在に装着されるデータリーダー/ライター174を備える。
【0045】
画像出力部154は、情報処理装置200から受信する後述する印刷データ50を用いてプリンターを駆動する。データリーダー/ライター174は、装着された外部記憶媒体176からプログラムまたはデータを読出す回路と、外部記憶媒体176にデータを書込む回路を有する。
【0046】
<C.サーバー300のハードウェア構成>
図3は、本実施の形態にかかるサーバー300のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
図3を参照して、サーバー300は、サーバー300を制御するためのCPU30、記憶部34、および
画像形成装置100または情報処理装置200と通信するネットワークコントローラー35を含む。記憶部34は、CPU30により実行されるプログラムおよびデータを記憶するためのROM31、RAM32、各種の情報を格納するためのHDD(Hard Disk Drive)33
を含む。RAM32は、各種情報を記憶する領域と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域とを含む。ネットワークコントローラー35は、NICなどの回路を含む。
【0047】
<D.情報処理装置200のハードウェア構成>
図4は、本実施の形態にかかる情報処理装置200のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
図4を参照して、情報処理装置200は、情報処理装置200を制御するための制御部に相当するCPU20、ディスプレイ23、ユーザーが情報処理装置200に情報を入力するために操作する操作パネル25、記憶部26および通信コントローラ27を備える。記憶部26は、CPU20により実行されるプログラムおよびデータを記憶するためのROM21、RAM22、およびハードディスク装置を含むメモリ28を備える。ディスプレイ23と操作パネル25は、一体的に構成されたタッチパネルとして提供されてもよい。通信コントローラ27は、他の情報処理装置200または画像形成装置100またはサーバー300と通信するためのNICまたはLAN回路などの通信回路を含む。
【0048】
<E.印刷データの構成>
図5は、本実施の形態にかかる印刷データ50の構成を概略的に示す図である。本実施の形態にかかるプリンタードライバー204は、プリンターに画像を印刷させるための印刷データ50を生成する。
図5を参照して印刷データ50は、PJLデータ51、PDL(ページ記述言語)データ52および印刷データ50のユーザーを識別するユーザーID53を含む。本実施の形態では、プリンタードライバー204は、印刷対象となるデータをPDLデータ5
2に変換し、PDLデータ5
2はPJLデータ5
1およびユーザーID53が付加された印刷データ50として画像形成装置100に送信される。PJLデータ52は、PJL形式で記述されたコマンドデータである。この印刷対象となるデータは、情報処理装置200においてアプリケーション(たとえば、文書編集アプリケーションであるワープロソフト、表計算ソフトなど)を用いて作成されたデータを含み得る。ユーザーID53は、印刷データ50のユーザーの識別子であり、例えば情報処理装置200へのユーザーのログイン名が含まれる。
【0049】
図5を参照して、PJLデータ51は、PDLデータ52に直接影響を与えない命令が各種規定されている。たとえば、ステープル、パンチなどの機能を用いる場合に当該機能に関するコマンドデータが記述される。また、本実施の形態では、PJLデータ5
1は、PDLの種類、プリンタードライバー204のアプリ情報205が有する当該プリンタードライバー204のバージョンを示すバージョンデータ54、プリンタードライバー204の種類55およびプリンタードライバー204に対応のファームウェア118の種類56を含む。なお、印刷データ50は、画像形成装置100で処理されるジョブ(印刷ジョブ)として送信されてもよい。
【0050】
印刷データ50は画像形成装置100により処理される。具体的には、画像形成装置100の画像出力部154は、印刷データ50のPDLデータ52を、ファームウェア118を用いて記憶部160のRAM上でビットマップデータとして展開する。画像出力部154の図示しないプリンターは、ビットマップデータ(PDLデータ52)に従って印刷用紙に対する印字処理を実行し、PJLデータ51に従って印刷用紙などに対する所定の処理(ステープル処理など)を実行する。
【0051】
また、印刷データ50に含まれるアプリ情報205、即ちプリンタードライバー204のバージョンデータ54および種類55ならびにファームウェアに種類56は、画像形成装置100によりサーバー300に送信される。
【0052】
<F.情報処理装置200の機能構成>
図6は、本実施の形態にかかる画像形成装置100、情報処理装置200およびサーバー300の機能の構成の一例を概略的に示す図である。
図6を参照して、情報処理装置200は、それぞれが、CPU20が実行するプログラムを含んで構成される送信部201、ドライバーインストール部202、および操作受付部203を含む。また、記憶部26には、複数種類のプリンタードライバー204、複数のアプリ情報205およびプリンタードライバー204により生成される印刷データ50、および各種プリンタードライバー204の利用履歴を含むログ情報57が格納される。ログ情報57の詳細は後述する。
【0053】
本実施の形態では、複数種類のプリンタードライバー204と複数のアプリ情報205は、1対1で対応する。プリンタードライバー204の種類毎に、設定内容(用紙サイズ、カラー/モノクロなど)が異なる。ユーザーは、操作パネル25を操作してプリンタードライバー204の種類を選択的に指定することができる。情報処理装置200のプリンタードライバー204の種類は、設定内容が「標準」であるプリンタードライバー204と、設定内容がユーザーにより「カスタマイズ」されたプリンタードライバー204を含み得る。
【0054】
送信部201は、記憶部26の印刷データ50を画像形成装置100に送信する。ドライバーインストール部202は、配信されたプリンタードライバー204を記憶部26にインストールする。これにより、記憶部26の元のプリンタードライバーは、配信されたプリンタードライバー204により上書きされて更新される。操作受付部203は、操作パネル25を介した情報処理装置200に対するユーザー操作を受付ける。操作受付部203は受付けるユーザー操作内容は、ユーザーが情報処理装置200にログインするためのID、プリンタードライバー204の種類の指定、印刷データ50の画像形成装置100への送信指令などを含む。
【0055】
<G.画像形成装置100の機能構成>
図6を参照して、画像形成装置100は、それぞれが、CPU10により実行されるプログラムを含んで構成される印刷データ取得部110、後述するドライバー情報164を取得するドライバー情報取得部111、ファームウェアインストール部112、プリンタードライバー送信部113およびドライバー情報送信部114を備える。また、記憶部160には、ファームウェア118が格納される。また、記憶部160は、ファームウェア118の更新版である更新版ファームウェア162、更新版ファームウェア162の対応プリンタードライバー163、ドライバー情報164および利用頻度165を格納するための領域を有する。利用頻度165の詳細は後述する。
【0056】
印刷データ取得部110は、情報処理装置200から受信するデータのうちから印刷データ50を取得(抽出)し、画像出力部154に出力する。ドライバー情報取得部111は、受信された印刷データ50から、アプリ情報205(バージョンデータ54および種類55およびファームウェアの種類56)およびユーザーID53を取得(抽出)する。ドライバー情報164は、アプリ情報205およびユーザーID53を含む。
【0057】
ファームウェアインストール部112は、ファームウェア118を記憶部160に格納する、または更新版ファームウェア162が配信された場合に記憶部160に格納する。ファームウェアインストール部112は、ファームウェアを格納したときに、CPU10が実行可能なようにデータの解凍などを実施してもよい。また、ファームウェアインストール部112は、更新版ファームウェア162が配信されたとき、更新版ファームウェア162を元のファームウェア118に上書きすることにより、ファームウェア118を更新してもよい。
【0058】
プリンタードライバー送信部113は、対応プリンタードライバー163を情報処理装置200にインストールするために送信する。プリンタードライバー送信部113は、各種のプリンタードライバー204の対応プリンタードライバー163のうちから、1つ以上を情報処理装置200に選択して送信する選択的プリンタードライバー送信部115を含む。また、ドライバー情報送信部114は、ドライバー情報取得部111により取得されたドライバー情報164をサーバー300に送信する。
【0059】
プリンタードライバー送信部113は、上記の更新版ファームウェア162が記憶部160に格納されるとき(または、上記の上書きが実施されるとき)、対応プリンタードライバー163を記憶部160から読出し、情報処理装置200に送信する。このように、画像形成装置100で更新版ファームウェア162がインストールされるとき、すなわち元のファームウェア118が更新されるとき、情報処理装置200に更新版ファームウェア162の対応プリンタードライバーを格納(例えば、プリンタードライバー204としてインストール(実行可能状態にする))することができる。これにより、情報処理装置200にインストールされているプリンタードライバー204のバージョンを、画像形成装置100にインストールされているファームウェア118(すなわち更新版ファームウェア)のバージョンと整合(マッチ)させることができる。
【0060】
<H.サーバー300の機能構成>
図6を参照してサーバー300は、それぞれが、CPU30が実行するプログラムで構成されるドライバー情報受信部301、読出部302、配信部303およびログ情報57を管理するログ管理部304を含む。
【0061】
サーバー300は、記憶部34に複数種類のファームウェアからなる群331、複数種類のプリンタードライバーからなる群332、各画像形成装置100に対応したドライバーリスト333および候補リスト334を格納する。群331の複数種類のファームウェアは、それぞれが異なるバージョンを示す。また、群332の複数種類のプリンタードライバーも、それぞれが異なるバージョンを示す。候補リスト334は、サーバー300により配信されるべきファームウェアとプリンタードライバーの候補が登録される。
【0062】
群331の各の各種のファームウェアは、メーカーにより適宜の時期に更新されて提供される。提供により、群331の各ファームウェアが更新版に書換えられる。また、群332の各のプリンタードライバーは、メーカーにより適宜の時期に更新されて提供される。提供により、群332の各プリンタードライバーが更新版に書換えられる。更新時期は、より典型的には、画像形成装置100のファームウェア118が更新されるときを含む。このように、本実施の形態では、群331の各種のファームウェアおよび群332の各種のプリンタードライバー204は、最新版を示し得る。
【0063】
なお、
図6の画像形成装置100、情報処理装置200およびサーバー300の各部は、CPUにより実行されるプログラムと、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの回路の組合せにより構成されてもよい。
【0064】
<I.ドライバーリストの構成>
図7は、本実施の形態にかかるドライバーリスト333の構成の一例を概略的に示す図である。
図7を参照して各ドライバーリスト333は、対応の画像形成装置100において使用されているプリンタードライバー204の種類毎に関連付けて、レコードRを格納する。レコードRは、当該プリンタードライバー204のユーザーを識別するユーザーID700、当該プリンタードライバー204の種類701、当該プリンタードライバー204のバージョンを示すバージョンデータ702、当該プリンタードライバー204に対応のファームウェアの種類703および更新済データ704を含む。
【0065】
具体的には、CPU30は、ドライバー情報受信部301が受信したドライバー情報164のユーザーID53、バージョンデータ54、種類55およびファームウェアの種類56を、ユーザーID700、種類701、バージョンデータ702および種類703としてドライバーリスト333に格納する。
【0066】
更新済データ704は、対応のプリンタードライバーの更新版が、群332に格納されているか否かを示す。CPU30は、ドライバーリスト333に更新済データ704を書込む。具体的には、CPU30は、対応の種類701で特定されたプリンタードライバーの更新版がメーカーにより提供されて群332に格納するとき、CPU30は、ドライバーリスト333の当該更新版のプリンタードライバーの種類701に対応した更新済データ704として「OK」を書込む。未だ提供されていない場合は更新済データ704は「NG」のまま(または「NG」が書込まれる)。
【0067】
読出部302は、画像形成装置100のファームウェア118が更新されるとき、更新版ファームウェアに対応のプリンタードライバーを配信するために、当該画像形成装置100のドライバーリスト333から配信するべきプリンタードライバーの種類701を特定し、特定された種類のプリンタードライバーの更新版とユーザーID700を、群332から読出す。配信部303は、読出されたプリンタードライバーの更新版とユーザーID700を配信する。
【0068】
<J.処理フローチャート>
図8、
図9、
図10および
図11を参照して、ファームウェア更新時の対応プリンタードライバーのインストールについて説明する。ここでは、説明を簡単にするために、サーバー300は1台の画像形成装置100と通信する場合を説明する。
【0069】
(J-1.情報処理装置200における処理)
図8は、本実施の形態にかかる情報処理装置200における処理の一例を示すフローチャートである。情報処理装置200のCPU20は、
図8の処理を周期的に繰返す。
図8を参照して、まず、ユーザーは情報処理装置200にログインし、印刷対象データおよびプリンタードライバー204の種類を選択する(ステップS1)。
【0070】
CPU20は、選択されたプリンタードライバー204のアプリ情報205からプリンタードライバーの種類およびバージョン、ならびに対応するファームウェア118の種類を取得し(ステップS2a)、取得された情報を含むPJLデータ51を生成する(ステップS3a)。また、CPU20は、ユーザーが指定した印刷対象データを取得し(ステップS2b)、取得された印刷対象データからPDLデータ52を生成する(ステップS3b)。CPU20は、生成されたPJLデータ51、PDLデータ52およびログイン時に取得されたユーザーIDから印刷データ50(
図5参照)を生成する(ステップS4)。CPU20の送信部201は、通信コントローラ27に印刷データ50を画像形成装置100宛に送信させる。
【0071】
(J-2.画像形成装置100における処理)
図9は、本実施の形態にかかる画像形成装置100における処理の一例を示すフローチャートである。画像形成装置100のCPU10は、
図9の処理を周期的に繰返す。
図9を参照して、画像形成装置100の印刷データ取得部110は、通信回路175に情報処理装置200から送信された印刷データ50を受信させる(ステップT1)。
【0072】
ドライバー情報取得部111は、受信された印刷データ50を解析し、解析の結果からドライバー情報164が含まれるか否かを判断する(ステップT3)。ドライバー情報取得部111は、印刷データ50にドライバー情報164が含まれていないと判断すると(ステップT3でNO)、CPU10は画像出力部154に、印刷データ50を用いた印字処理を実行させる(ステップT9)。
【0073】
ドライバー情報取得部111は、印刷データ50にドライバー情報164が含まれていると判断すると(ステップT3でYES)、ドライバー情報取得部111は印刷データ50からドライバー情報164を取得(抽出)し(ステップT5)、CPU10は画像出力部154に、印刷データ50を用いた印字処理を実行させる(ステップT9)。
【0074】
また、ドライバー情報取得部111は、取得されたドライバー情報164を記憶部160に保存(格納)する(ステップT11)。ドライバー情報送信部114は、記憶部160からドライバー情報164を読出し、通信I/F156に読出されたドライバー情報164をサーバー300に送信させる(ステップT13)。
【0075】
なお、印刷データ50の印字処理は、ステップT9に代えて、例えばステップT3の直前で実行されてもよい。また、ファームウェア118の種類56は、情報処理装置200に代えて、画像形成装置100が取得するとしてもよい。
【0076】
(J-3.サーバー300における処理)
図10は、本実施の形態にかかるサーバー300における処理の一例を示すフローチャートである。サーバー300のCPU30は、
図10の処理を周期的に繰返す。
図10を参照して、サーバー300のドライバー情報受信部301は、ネットワークコントローラー35に画像形成装置100から送信されたドライバー情報164を受信させる(ステップR1)。ドライバー情報受信部301は、画像形成装置100から受信されたドライバー情報164を、当該画像形成装置100に対応のドライバーリスト333にレコードRとして格納する。
【0077】
CPU30は、ドライバー情報164に含まれるファームウェアの種類56に基づき、当該ファームウェアが更新されるか否かを判断する(ステップR3)。例えば、ファームウェアの提供者から、種類56が示すファームウェアの更新版を提供する旨の通知を受信するか否かに基づき判断する。
【0078】
CPU30は、ファームウェアの更新がなされると判断すると(ステップR3でYES)ステップR5に移行するが、ファームウェアの更新はなされないと判断すると(ステップR3でNO)、処理を終了する。
【0079】
ファームウェアの更新がなされる場合、CPU30は変数Nに初期値(0)を設定し(ステップR5)、変数Nを1インクリメントする(ステップR7)。変数Nは、ドライバーリスト333のレコードRをカウントするために用いられる。
【0080】
CPU30は、ドライバーリスト333の先頭からN個目のレコードRにより特定される更新版のプリンタードライバー204が提供されているか否かを、当該レコードRの更新済データ704から判断する(ステップR9)。CPU30は、更新済データ704は「NG」を示すとき、更新版のプリンタードライバー204が未だ提供されていないと判断し(ステップR9で‘未更新’)、後述するステップR13に移行する。
【0081】
一方、更新済データ704は「OK」を示すとき、CPU30は、更新版のプリンタードライバーが提供されていると判断し(ステップR9で‘更新済’)、CPU30は、更新版のプリンタードライバーのレコードRをドライバーリスト333から読出し、候補リスト334に登録(格納)する(ステップR11)。CPU30は、ドライバーリスト333の全てのレコードRを検索したかを、変数Nの値から判断する(ステップR13)。CPU30は、全てのレコードRを検索していないと判断すると(ステップR13でYES)、処理はステップR7に戻る。
【0082】
一方、CPU30は、全てのレコードRを検索したと判断すると(ステップR13でNO)、読出部302は、更新版のファームウェアを群331から読出し、また候補リスト334に含まれる各レコードRの種類701が示す対応プリンタードライバーを群332から読出す。これにより、群332から、更新版ファームウェアの1または複数の対応プリンタードライバーが読出される。配信部303は、ネットワークコントローラー35に、読出された更新版のファームウェアと対応プリンタードライバーを、画像形成装置100宛に送信させる(ステップR15)。このとき、対応プリンタードライバーには、対応のレコードRのユーザーID700が付加される。これにより、サーバー300は、画像形成装置100のファームウェアが更新されるとき、更新版のファームウェアと対応プリンタードライバーとを配信することが可能となる。
【0083】
(J-4.画像形成装置100における配信処理)
図11は、本実施の形態にかかる画像形成装置100によるインストール処理のフローチャートである。画像形成装置100のCPU10は、
図11の処理を周期的に繰返し実施する。サーバー300が、画像形成装置100を経由して情報処理装置200に配信するために、画像形成装置100が更新版ファームウェア162と対応プリンタードライバー163を受信した場合を説明する。CPU10は、サーバー300から受信する更新版ファームウェア162と対応プリンタードライバー163を、記憶部160に格納する。
【0084】
図11を参照して、画像形成装置100のCPU10は、通信回路175に、情報処理装置200のドライバーインストール部202から問合せ58を受信するかを判断する(ステップS15)。問合せ58は、印刷データ50を送信する毎、または毎日の定時(その日の最初に印刷データ50を送信する時など)に、ドライバーインストール部202が、対応プリンタードライバー163の有無を画像形成装置100に問い合わせるためのものである。
【0085】
問合せ58を受信しないときは(ステップS15でNO)、処理を終了するが、問合せ58を受信したとき(ステップS15でYES)、ファームウェアインストール部112は、更新版ファームウェア162を記憶部160にインストールする(ステップS17)。これにより、画像形成装置100のファームウェア118は、更新される。この更新が可能な時期は、例えば画像形成装置100が使用されていない期間などを含む。
【0086】
また、プリンタードライバー送信部113は、受信された対応プリンタードライバー163を情報処理装置200にインストールするために、通信回路175に当該対応プリンタードライバー163と対応のユーザーID700を問合せ元の情報処理装置200宛に送信させる(ステップS19)。
【0087】
情報処理装置200のドライバーインストール部202は、受信した対応プリンタードライバー163をユーザーID700と関連づけてインストールする。これにより、画像形成装置100のファームウェア118が更新される場合に、情報処理装置200の各ユーザーのプリンタードライバー204は、対応プリンタードライバー163に更新される。
【0088】
図11の処理の変形例として、情報処理装置200のプリンタードライバー204の全種類について、更新版ファームウェア162に対応したプリンタードライバー163が記憶部160に格納されていると判定されたとき、ステップT17およびステップT19の処理を実施するとしてもよい。これにより、全ての種類の対応プリンタードライバー163が配信可能になった場合、画像形成装置100のファームウェア118が更新されるときに、情報処理装置200の全種類のプリンタードライバー204が対応プリンタードライバー163を用いて更新される。
【0089】
図8と
図11の処理フローチャートは、プログラムとして画像形成装置100の記憶部160に格納されて、プログラムはCPU10により読出されて実行される。また、
図9の処理フローチャートは、プログラムとして情報処理装置200の記憶部26に格納されて、プログラムはCPU20により読出されて実行される。また、
図10の処理フローチャートは、プログラムとしてサーバー300の記憶部34に格納されて、プログラムはCPU30により読出されて実行される。
【0090】
なお、情報処理装置200には、ファームウェアの更新時に、対応プリンタードライバー163が配信可能である旨が、画像形成装置100から通知されてもよい。
【0091】
上記の
図8~
図11の処理は、画像形成装置100が1台の情報処理装置200と通信する場合を説明したが、複数の情報処理装置200と通信する場合であっても、画像形成装置100は各情報処理装置200から各種のプリンタードライバー204に対応のアプリ情報205(またはアプリ情報205を含むドライバー情報164
)を収集し、サーバー300に送信することができる。そして、画像形成装置100は、ファームウェアの更新時は、サーバー300からドライバー情報164に従った対応プリンタードライバー163を受信し、各情報処理装置200にインストールのために送信することができる。
【0092】
<K.印刷データの他の例>
図12は、本実施の形態にかかるテストページ印刷データの他の例を示す図である。本実施の形態では、サーバー300は、プリンタードライバー204の利用履歴を示すログ情報を管理する。画像形成装置100のCPU10は、予め設定された時に、情報処理装置200から各プリンタードライバー204のログ情報57とドライバー情報164(アプリ情報205とユーザーID53)を受信し、受信されたログ情報57とドライバー情報164をサーバー300に送信する。
【0093】
これにより、サーバー300によりログ情報57が収集されるときに、画像形成装置100は、各プリンタードライバー204のドライバー情報164を収集することができる。
【0094】
本実施の形態では、各種のプリンタードライバー204は、利用される毎に、利用履歴(印刷対象データの識別子、日時、印刷枚数、実行結果(成功/失敗)など)を蓄積してログ情報57として記憶部160に格納する。各種のプリンタードライバー204は、予め設定されたときに(例えば定期的に)、対応のログ情報57からテストページ印刷データ60を生成し、生成されたテストページ印刷データ60を画像形成装置100に送信する。これにより、画像形成装置100はテストページを印字出力し、また受信したログ情報57を収集する。画像形成装置100は、収集されたログ情報57をサーバー300に送信する。
【0095】
図12を参照して、テストページ印刷データ60は、印刷対象となるデータとして予め定められたテストページの印刷データ50とログ情報57を含む。テストページ印刷データ60は、画像形成装置100に送信される場合、プリンタードライバー204のユーザーID53が付加される。テストページ印刷データ60によれば、画像形成装置100が各プリンタードライバー204のログ情報57を収集する場合に、同時に上記に述べたアプリ情報205およびユーザーID53を含むドライバー情報164も収集することができる。
【0096】
<L.対応プリンタードライバー163の配信方法の変形例>
本実施の形態では、選択的プリンタードライバー送信部115は、サーバー300から受信する対応プリンタードライバー163のうち、利用頻度165が閾値よりも高い、すなわち高い利用頻度であるプリンタードライバー204に該当する1つ以上の対応プリンタードライバー163を選択し、選択された対応プリンタードライバー163を情報処理装置200に送信する。
【0097】
1つ以上の対応プリンタードライバー163の選択基準は、上記の利用頻度に限定されない。例えば、各種のプリンタードライバー204について最も最近の利用日時からの経過時間を管理する。選択的プリンタードライバー送信部115は、サーバー300から受信する対応プリンタードライバー163のうち、当該経過時間が閾値よりも長い、すなわち利用されていない時間が比較的長いプリンタードライバー204に該当する1つ以上の対応プリンタードライバー163を選択する。
【0098】
なお、上記に述べた利用頻度165または経過時間の管理と対応プリンタードライバー163の選択は、サーバー300により実施されてもよい。
【0099】
<M.プログラム>
上記に述べた処理を画像形成装置100、情報処理装置200およびサーバー300に実行させるためのプログラムが提供される。このようなプログラムは、少なくとも上記の
図8~
図11に示すフローチャートに従うプログラムを含む。画像形成装置100、情報処理装置200およびサーバー300のコンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。プログラムは、CPUなどの1つ以上のプロセッサにより、またはプロセッサとASIC,FPGAなどの回路との組合せにより実行され得る。
【0100】
なお、プログラムは、コンピュータのOS(Operating System)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して、プロセッサに処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本実施の形態のプログラムに含まれ得る。
【0101】
また、本実施の形態にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して、プロセッサに処理を実行させる。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本実施の形態にかかるプログラムに含まれ得る。
【0102】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0103】
1 システム、23 ディスプレイ、25 操作パネル、50 印刷データ、54,702 バージョンデータ、55,56,701,703 種類、57 ログ情報、58 問合せ、60 テストページ印刷データ、100 画像形成装置、110 印刷データ取得部、111 ドライバー情報取得部、112 ファームウェアインストール部、113 プリンタードライバー送信部、114 ドライバー情報送信部、115 選択的プリンタードライバー送信部、118 ファームウェア、151 画像処理部、152 画像形成部、154 画像出力部、155 ファクシミリ制御部、157 データ通信部、162 更新版ファームウェア、163 対応プリンタードライバー、164 ドライバー情報、165 利用頻度、200 情報処理装置、202 ドライバーインストール部、204 プリンタードライバー、205 アプリ情報、300 サーバー。