(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】樹脂製パイプ部材
(51)【国際特許分類】
F01M 13/00 20060101AFI20220419BHJP
F02M 35/10 20060101ALI20220419BHJP
F02M 26/11 20160101ALI20220419BHJP
F16L 23/02 20060101ALN20220419BHJP
【FI】
F01M13/00 G
F02M35/10 311E
F02M35/10 311Z
F02M26/11 311C
F16L23/02 Z
(21)【出願番号】P 2018015659
(22)【出願日】2018-01-31
【審査請求日】2020-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【識別番号】100151644
【氏名又は名称】平岩 康幸
(72)【発明者】
【氏名】大橋 淳一
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 泰啓
【審査官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-060777(JP,A)
【文献】実開昭58-191485(JP,U)
【文献】実開平01-132893(JP,U)
【文献】特開2000-002109(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0345678(US,A1)
【文献】特開平11-062739(JP,A)
【文献】特開2015-105591(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第2468970(GB,A)
【文献】中国特許出願公開第106151737(CN,A)
【文献】特開2003-294015(JP,A)
【文献】実開昭49-85612(JP,U)
【文献】実開昭52-95124(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01M 13/00
F02M 35/10
F02M 26/11
F16L 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ本体と、該パイプ本体の軸端部に一体に形成されて締結
ボルトによって他部材に締結されるフランジと、を備える樹脂製パイプ部材において、
前記フランジは、その締結面が前記パイプ本体の軸端部の軸線に対して鋭角若しくは鈍角で交差するように配置されており、
前記フランジには、前記締結面を形成する締結面部と、前記締結面部の前記締結面と反対側の表面に対向する第1リブと、前記締結面部と前記第1リブとを連絡する複数の第2リブと、が形成されており、
前記第1リブは、前記パイプ本体の軸端部の軸線に対して直交する平面に沿って設けられていることを特徴とする樹脂製パイプ部材。
【請求項2】
前記第2リブは、前記第1リブに直交して該第1リブを横切
り該第1リブの表面側及び裏面側に延びるように設けられている請求項1記載の樹脂製パイプ部材。
【請求項3】
前記フランジには、前記締結ボルトにより前記他部材に締結される左右の締結部が前記パイプ本体を挟んで設けられており、
前記締結面部は、前記フランジにおいて前記左右の締結部を繋ぐ部分に設けられている請求項1又は2に記載の樹脂製パイプ部材。
【請求項4】
前記樹脂製パイプ部材は、前記他部材である吸気マニホールドにエンジンで生じるガスを供給するために用いられる請求項1
乃至3のいずれか一項に記載の樹脂製パイプ部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製パイプ部材に関し、さらに詳しくは、パイプ本体の軸端部に他部材に対する締結用のフランジが一体に形成された樹脂製パイプ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の樹脂製パイプ部材として、パイプ本体と、パイプ本体の軸端部に一体に形成されて締結部材によって他部材に締結されるフランジと、を備えるものが一般に知られている(例えば、特許文献1及び2等参照)。この種の樹脂製パイプ部材は、例えば、吸気マニホールドにエンジンで生じるガスを供給するために用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-62739号公報
【文献】特開2015-105591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のガス供給用の樹脂製パイプ部材101では、例えば、
図9(a)に示すように、搭載要件上の制約により、フランジ103の締結面Sがパイプ本体102の軸端部の軸線Cに対して直交しない構成が要求されることがある。しかし、この場合、例えば、
図9(b)に示すように、フランジ103において締結箇所113a、113bから離れた部位115でのクリープ変形が大きくなる。そのため、吸気マニホールド131への安定的なガス供給を長期間維持することが困難となる。さらに、樹脂製パイプ部材を成形するための金型構造が複数のスライド型を用いた複雑な構造となる。なお、これらの問題は、ガス供給用以外の用途で使用される樹脂製パイプ部材であっても、同様に生じる。
【0005】
なお、上記特許文献1には、フランジの他部材との締結面との反対側の面に締結荷重を吸収するための溝を設けることが開示されている。また、特許文献2には、樹脂製のオイルストレーナにおいて搭載要件上の制約によりパイプ本体が斜めに構成されることが開示されている。しかし、これら特許文献1及び2には、フランジの締結面がパイプ本体の軸端部の軸線に対して直交しない構成が開示されていない。
【0006】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、フランジの締結面がパイプ本体の軸端部の軸線に対して直交しない構成において、フランジの締結箇所から離れた部位に生じるクリープ変形を低減できるとともに、簡易な金型構造を用いて成形できる樹脂製パイプ部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、パイプ本体と、該パイプ本体の軸端部に一体に形成されて締結部材によって他部材に締結されるフランジと、を備える樹脂製パイプ部材において、前記フランジは、その締結面が前記パイプ本体の軸端部の軸線に対して鋭角若しくは鈍角で交差するように配置されており、前記フランジには、前記締結面を形成する締結面部と、前記締結面部の前記締結面と反対側の表面に対向する第1リブと、前記締結面部と前記第1リブとを連絡する複数の第2リブと、が形成されており、前記第1リブは、前記パイプ本体の軸端部の軸線に対して直交する平面に沿って設けられていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第2リブは、前記第1リブに直交して該第1リブを横切るように設けられていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記樹脂製パイプ部材は、前記他部材である吸気マニホールドにエンジンで生じるガスを供給するために用いられることを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の樹脂製パイプ部材によると、フランジは、その締結面がパイプ本体の軸端部の軸線に対して鋭角若しくは鈍角で交差するように配置されている。そして、フランジには、締結面を形成する締結面部と、締結面部の締結面と反対側の表面に対向する第1リブと、締結面部と第1リブとを連絡する複数の第2リブと、が形成されており、第1リブは、パイプ本体の軸端部の軸線に対して直交する平面に沿って設けられている。これにより、第1リブ及び第2リブによりフランジの剛性が高められる。そのため、フランジの締結面がパイプ本体の軸端部の軸線に対して直交しない構成において、フランジの締結箇所から離れた部位に生じるクリープ変形を低減できる。さらに、第1リブが締結面部に対して平行に配置された樹脂製パイプ部材に比べて、金型構造で用いるスライド型を低減できる。よって、簡易な金型構造を用いて樹脂製パイプ部材を成形できる。
また、前記第2リブが、前記第1リブに直交して該第1リブを横切るように設けられている場合は、フランジの剛性が更に高められるため、フランジの締結箇所から離れた部位に生じるクリープ変形をより低減できる。
さらに、前記樹脂製パイプ部材が、前記他部材である吸気マニホールドにエンジンで生じるガスを供給するために用いられる場合は、吸気マニホールドへの安定的なガス供給を長期間維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【
図1】実施例に係る樹脂製パイプ部材の斜視図である。
【
図2】上記樹脂製パイプ部材の軸端部の斜視図である。
【
図4】上記樹脂パイプ部材が締結された吸気マニホールドの斜視図である。
【
図5】比較例に係る樹脂製パイプ部材の軸端部の斜視図である。
【
図7】実験例及び比較例に係る樹脂製パイプ部材のクリープ試験の結果を示すグラフである。
【
図8】樹脂製パイプ部材を成形するための金型構造を説明するための説明図であり、(a)は実施例に係る樹脂製パイプ部材の金型構造を示し、(b)は比較例に係る樹脂製パイプ部材の金型構造を示す。
【
図9】従来の樹脂製パイプ部材を説明するための説明図であり、(a)は樹脂製パイプ部材の軸端部の側面図を示し、(b)は(a)のb矢視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0011】
本実施形態に係る樹脂製パイプ部材は、パイプ本体(2)と、パイプ本体(2)の軸端部(2a)に一体に形成されて締結部材(8、9)によって他部材(31)に締結されるフランジ(3)と、を備える樹脂製パイプ部材(1)において、フランジ(3)は、その締結面(S)がパイプ本体(2)の軸端部の軸線(C)に対して鋭角若しくは鈍角で交差するように配置されている(例えば、
図1~
図4等参照)。そして、フランジ(3)には、締結面(S)を形成する締結面部(10)と、締結面部の締結面と反対側の表面に対向する第1リブ(11)と、締結面部と第1リブとを連絡する複数の第2リブ(12)と、が形成されており、第1リブ(11)は、パイプ本体(2)の軸端部の軸線(C)に対して直交する平面(F)に沿って設けられている(例えば、
図2及び
図3等参照)。なお、上記樹脂製パイプ部材の用途、形状、大きさ等は特に問わない。
【0012】
本実施形態に係る樹脂製パイプ部材としては、例えば、上記第2リブ(12)は、第1リブ(11)に直交して該第1リブを横切るように設けられている形態(例えば、
図2等参照)が挙げられる。
【0013】
本実施形態に係る樹脂製パイプ部材としては、例えば、上記樹脂製パイプ部材(1)は、他部材である吸気マニホールド(31)にエンジンで生じるガスを供給するために用いられる形態(例えば、
図4等参照)が挙げられる。
【0014】
なお、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。
【実施例】
【0015】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例では、本発明に係る「樹脂製パイプ部材」として、
図4に示すように、吸気マニホールド31にエンジンで生じるガス(例えば、排気ガス、ブローバイガス等)を供給するために用いられる樹脂製パイプ部材1を例示する。
【0016】
上記吸気マニホールド31は、樹脂製又は金属製であり、サージタンク32と、一端側がサージタンク32に接続され且つ他端側がエンジンに接続される複数の吸気管33と、を備えている。このサージタンクには、樹脂製パイプ部材1の後述するフランジ3が締結される取付部35が設けられている。この取付部35は、筒部36と、筒部36の軸端部に形成されてフランジ3と突き合わされるフランジ37と、を備えている。
【0017】
(1)樹脂製パイプ部材の構成
本実施例に係る樹脂製パイプ部材1は、
図1に示すように、パイプ本体2と、パイプ本体2の一方の軸端部2aに一体に形成されるフランジ3と、を備えている。この樹脂製パイプ部材1は、パイプ本体2の他方の軸端部2bに一体に形成されるフランジ4を備えている。また、パイプ本体2は、略U字管状に形成されている。このパイプ本体2の中間部には、図示しないエンジンカバーに係止される係止部5が一体に形成されている。また、各フランジ3、4は、パイプ本体2の軸端部2a、2bの外周側に広がって延びており、平面視で略菱形環状又は略楕円環状に形成されている。
【0018】
なお、上記樹脂製パイプ部材1は、一対の分割体7a、7bを溶着、接着等により接合して構成されている。一方の分割体7aは、パイプ本体2の各軸端部2a、2bを形成するとともに、各軸端部2a、2bを連絡する部位の半割部を形成している。また、他方の分割体7bは、各軸端部2a、2bを連絡する部位の半割部を形成している。
【0019】
上記フランジ3は、ボルト8及びナット9(本発明に係る「締結部材」として例示する。)によって吸気マニホールド31の取付部35に締結される(
図4参照)。このフランジ3は、
図2及び
図3に示すように、その締結面Sがパイプ本体2の軸端部2aの軸線Cに対して鋭角θ(例えば、40~80度)で交差するように配置されている。また、フランジ3には、締結面Sを部分的に形成する締結面部10と、締結面部10の締結面Sと反対側の表面に対向する板状の第1リブ11と、締結面部10と第1リブ11とを連絡する複数(図中3つ)の板状の第2リブ12と、が一体に形成されている。さらに、フランジ3には、ボルト8及びナット9により締結される左右の締結部13a、13bがパイプ本体2を挟んで設けられている。
【0020】
上記締結面部10は、フランジ3において左右の締結部13a、13bを繋ぐ部分に設けられている。また、第1リブ11は、パイプ本体2の軸端部2aの軸線Cに対して直交する平面Fに沿って設けられている。また、第2リブ12は、第1リブ11に直交して該第1リブ11を横切るように設けられている。すなわち、第2リブは12、第1リブ11の表面側及び裏面側に延びている。なお、上記フランジ4は、フランジ3と略同様の構成であってもよいし、フランジ3とは異なる構成であってもよい。
【0021】
(2)クリープ試験について
次に、実験例及び比較例に係る樹脂製パイプ部材のクリープ試験について説明する。このクリープ試験では、実験例に係る樹脂製パイプ部材として上述の樹脂製パイプ部材1を採用するとともに、比較例に係る樹脂製パイプ部材として樹脂製パイプ部材1A(
図5及び
図6参照)を採用した。
【0022】
上記樹脂製パイプ部材1Aは、フランジ3Aを備える以外は樹脂製パイプ部材1と略同じ構成である。このフランジ3Aには、締結面Sを部分的に形成する締結面部10Aと、締結面部10Aの締結面Sと反対側の表面に対向する板状の第1リブ11Aと、締結面部10Aと第1リブ11Aとを連絡する複数(図中3つ)の板状の第2リブ12Aと、が一体に形成されている。この第1リブ11Aは、締結面部10Aに対して平行に設けられている。
【0023】
そして、クリープ試験では、樹脂製パイプ部材1、1Aのフランジ3、3Aの締結面部10、10Aにおいて左右の締結部13a、13bから離れた中間部15、15Aの変形量を測定した。具体的に、吸気マニホールド31に樹脂製パイプ部材1、1Aを締結した直後の中間部15、15Aの初期変形量を測定した。さらに、樹脂製パイプ部材1、1Aを締結した吸気マニホールド31を所定の雰囲気(例えば、約150℃の雰囲気)中に所定時間(例えば、100時間)放置した後に中間部15、15Aの劣化後変形量を測定した。そして、劣化後変形量から初期変形量を引いた値をクリープ変形量とした。
【0024】
その結果、
図7に示すように、比較例に係る樹脂製パイプ部材1Aの中間部15Aの初期変形量及び劣化後変形量に比べて、実験例に係る樹脂製パイプ部材1の中間部15の初期変形量及び劣化後変形量が小さいことがわかった。そして、比較例に係る樹脂製パイプ部材1Aの中間部15Aのクリープ変形量に比べて、実験例に係る樹脂製パイプ部材1の中間部15のクリープ変形量が約18%低減されたことがわかった。
【0025】
(3)実施例の効果
本実施例の樹脂製パイプ部材1によると、フランジ3は、その締結面Sがパイプ本体2の軸端部2aの軸線Cに対して鋭角で交差するように配置されている。そして、フランジ3には、締結面Sを形成する締結面部10と、締結面部10の締結面Sと反対側の表面に対向する第1リブ11と、締結面部10と第1リブ11とを連絡する複数の第2リブ12と、が形成されており、第1リブ11は、パイプ本体2の軸端部2aの軸線Cに対して直交する平面Fに沿って設けられている。これにより、第1リブ11及び第2リブ12によりフランジ3の剛性が高められる。そのため、フランジ3の締結面Sがパイプ本体2の軸端部2aの軸線Cに対して直交しない構成において、フランジ3の締結箇所13a、13bから離れた部位15に生じるクリープ変形を低減できる。よって、吸気マニホールド31への安定的なガス供給を長期間維持できる。
【0026】
ここで、
図8(b)に示すように、樹脂製パイプ部材1A(具体的に、半割体7a)を成形するための金型構造16Aでは、上下方向(即ち、パイプ本体2の軸端部2aの軸線Cと直交する方向)に近接離間する一対の型17A、18Aに加えて、第1リブ11Aを形成するための斜め方向にスライドするスライド型19Aを備える必要がある。これに対して、
図8(a)に示すように、樹脂製パイプ部材1(具体的に、半割体7a)を成形するための金型構造16では、型17により第1リブ11が形成されるため、スライド型19Aを必要としない。よって、本実施例の樹脂製パイプ部材1によると、第1リブ11Aが締結面部10Aに対して平行に配置された樹脂製パイプ部材1Aに比べて、金型構造16で用いるスライド型を低減できる。よって、簡易な金型構造16を用いて樹脂製パイプ部材1を成形できる。
【0027】
さらに、本実施例では、第2リブ12は、第1リブ11に直交して該第1リブ11を横切るように設けられている。これにより、フランジ3の剛性が更に高められるため、フランジ3の締結箇所13a、13bから離れた部位15に生じるクリープ変形をさらに低減できる。
【0028】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、単一の第1リブ11が形成されたフランジ3を例示したが、これに限定されず、並設される複数の第1リブ11が形成されたフランジとしてもよい。
【0029】
また、上記実施例では、第1リブ11を横切るように延びる第2リブ12を例示したが、これに限定されず、例えば、第1リブ11と締結面部10との対向面間のみで延びて第1リブ11の対向面の反対側に延びない第2リブとしてもよい。
【0030】
また、上記実施例では、締結部材としてボルト8及びナット9を例示したが、これに限定されず、例えば、締結部材としてリベット、クリップ、グロメット等を採用してもよい。
【0031】
また、上記実施例では、締結面Sの一部を形成する締結面部10を例示したが、これに限定されず、例えば、締結面Sの全面を形成する締結面部としてもよい。
【0032】
さらに、上記実施例では、吸気マニホールド31のサージタンク32に設けられた取付部35を例示したが、これに限定されず、例えば、複数の吸気管33に沿って形成されるガス供給通路部に設けられた取付部としてもよい。
【0033】
さらに、上記実施例では、ガス供給用の樹脂製パイプ部材を例示したが、これに限定されず、例えば、液体供給用の樹脂製パイプ部材としたり、支柱等の構造物として利用される樹脂製パイプ部材としたりしてもよい。
【0034】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0035】
本発明は、上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、軸端部のフランジが他部材に締結される樹脂製パイプ部材に関する技術として広く利用される。
【符号の説明】
【0037】
1;樹脂製パイプ部材、2;パイプ本体、3;フランジ、8;ボルト(締結部材)、9;ナット(締結部材)、10;締結面部、11;第1リブ、12;第2リブ、31;吸気マニホールド(他部材)、C;パイプ本体の軸端部の軸線、F;パイプ本体の軸端部の軸線に直交する平面、S;フランジの締結面。