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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】画像処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20220419BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20220419BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220419BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
B41J29/00 Z
B41J29/38
G03G21/00 396
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018098520
(22)【出願日】2018-05-23
(65)【公開番号】P2019205050
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 一樹
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-021751(JP,A)
【文献】特開2010-068438(JP,A)
【文献】特開2000-050000(JP,A)
【文献】特開2016-042711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00
B41J 29/38
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置と、当該画像処理装置と通信可能な情報処理装置とを備える画像処理システムであって、
前記情報処理装置は、
第1のユーザーに関連するカウント情報を格納する第1の格納手段と、
前記画像処理装置に対して、第1のユーザーに関連付けて、画像データの生成を要求する要求手段と、
前記要求に応じて生成された画像データを処理する処理手段と、
前記処理手段による処理に従って、前記第1の格納手段内のカウント情報を更新する第1の更新手段と、
を含み、
前記画像処理装置は、
第1のユーザーに関連するカウント情報を格納する第2の格納手段と、
前記要求に応じて画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段による画像データの生成に従って、前記第2の格納手段に格納された、前記第1のユーザーに関連するカウント情報を更新する第2の更新手段と、
を含み、
前記情報処理装置は、
前記第1の格納手段内のカウント情報と前記第2の格納手段内のカウント情報とを同期させるために、前記画像処理装置と通信する同期手段をさらに含み、
前記処理手段による前記処理は、画像サイズの変更、画像のカラーの変更、および、画像の画素数の変更のうち少なくとも1種類の処理を含み、
前記第1の更新手段は、前記処理手段によって実行された処理の種類に従った態様で前記第1の格納手段内のカウント情報を更新する画像処理システム。
【請求項2】
画像処理装置と、当該画像処理装置と通信可能な情報処理装置とを備える画像処理システムであって、
前記情報処理装置は、
第1のユーザーに関連するカウント情報を格納する第1の格納手段と、
前記画像処理装置に対して、第1のユーザーに関連付けて、画像データの生成を要求する要求手段と、
前記要求に応じて生成された画像データを処理する処理手段と、
前記処理手段による処理に従って、前記第1の格納手段内のカウント情報を更新する第1の更新手段と、
を含み、
前記画像処理装置は、
第1のユーザーに関連するカウント情報を格納する第2の格納手段と、
前記要求に応じて画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段による画像データの生成に従って、前記第2の格納手段に格納された、前記第1のユーザーに関連するカウント情報を更新する第2の更新手段と、
を含み、
前記情報処理装置は、
前記第1の格納手段内のカウント情報と前記第2の格納手段内のカウント情報とを同期させるために、前記画像処理装置と通信する同期手段をさらに含み、
前記同期手段は、前記画像処理装置が画像処理動作の実行である場合には、前記画像処理装置に対して、前記同期のためのフラグである同期要求フラグの設定を要求し、
前記画像処理装置は、
前記同期要求フラグの設定の要求に応じて、前記画像処理装置において同期要求フラグを設定する設定手段をさらに含み、
前記第2の更新手段は、前記同期要求フラグが設定されている場合に、前記同期手段に、前記第1の格納手段内のカウント情報と前記第2の格納手段内のカウント情報の同期のための通信を要求する画像処理システム。
【請求項3】
画像処理装置と、当該画像処理装置と通信可能な情報処理装置とを備える画像処理システムであって、
前記情報処理装置は、
第1のユーザーに関連するカウント情報を格納する第1の格納手段と、
前記画像処理装置に対して、第1のユーザーに関連付けて、画像データの生成を要求する要求手段と、
前記要求に応じて生成された画像データを処理する処理手段と、
前記処理手段による処理に従って、前記第1の格納手段内のカウント情報を更新する第1の更新手段と、
を含み、
前記画像処理装置は、
第1のユーザーに関連するカウント情報を格納する第2の格納手段と、
前記要求に応じて画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段による画像データの生成に従って、前記第2の格納手段に格納された、前記第1のユーザーに関連するカウント情報を更新する第2の更新手段と、
を含み、
前記情報処理装置は、
前記第1の格納手段内のカウント情報と前記第2の格納手段内のカウント情報とを同期させるために、前記画像処理装置と通信する同期手段をさらに含み、
前記同期手段は、前記要求に応じて生成された画像データが前記処理手段に処理されることなく削除された場合に、前記第1の格納手段内のカウント情報と前記第2の格納手段内のカウント情報とを同期させるために、前記画像処理装置と通信する画像処理システム。
【請求項4】
前記画像処理装置と前記情報処理装置とは、一体的に構成される、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項5】
画像処理装置と、当該画像処理装置と通信可能な情報処理装置と、当該情報処理装置と通信可能なサーバーとを備える画像処理システムであって、
前記サーバーは、
第1のユーザーに関連するカウント情報を格納する第1の格納手段を含み、
前記情報処理装置は、
前記画像処理装置に対して、第1のユーザーに関連付けて、画像データの生成を要求する要求手段と、
前記要求に応じて生成された画像データを処理する処理手段と、
前記処理手段による処理に従って、前記第1の格納手段内のカウント情報を更新する第1の更新手段と、
を含み、
前記画像処理装置は、
第1のユーザーに関連するカウント情報を格納する第2の格納手段と、
前記要求に応じて画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段による画像データの生成に従って、前記第2の格納手段に格納された、前記第1のユーザーに関連するカウント情報を更新する第2の更新手段と、
を含み、
前記情報処理装置は、
前記第1の格納手段内のカウント情報と前記第2の格納手段内のカウント情報とを同期させるために、前記画像処理装置と通信する同期手段をさらに含む、画像処理システム。
【請求項6】
前記同期手段は、前記画像処理装置が画像処理動作の実行である場合には、当該画像処理動作の実行後に、前記同期のための通信を実行する、請求項1および請求項3~請求項のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記同期手段は、前記第1の格納手段内のカウント情報が前記第1のユーザーに割り当てられた上限に達した場合には、前記画像処理装置に対して当該第1のユーザーに関する画像処理動作の停止を要求する、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記同期手段は、前記第1の格納手段において前記第1のユーザーに割り当てられたカウント情報の上限が更新された場合に、前記画像処理装置に対して当該第1のユーザーに関する画像処理動作の再開を要求する、請求項に記載の画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理システムに関し、特に、サーバーと画像処理装置とが連携して画像データを処理する画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のMFP(Multi-Functional Peripheral)等の画像処理装置には、課金等のために、画像処理の内容に従ったカウント情報を管理し、さらに、このようなカウント情報をサーバーによって管理されるものがあった。このような画像処理装置は、たとえば、特開2009-169687号公報(特許文献1)、特開2010-074377号公報(特許文献2)、および、特開2016-164720号公報(特許文献3)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-169687号公報
【文献】特開2010-074377号公報
【文献】特開2016-164720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、画像処理装置において生成された画像データが、サーバー側でも処理される場合がある。このような場合、画像処理装置側のカウント情報とサーバー側でのカウント情報を連携させる必要がある。しかしながら、従来、画像処理装置とサーバーとは、互いに独立して動作し、それぞれがカウント情報を保持し、それぞれの装置における処理に応じてそれぞれのカウント情報を更新していた。したがって、画像処理装置とサーバーとが一つのシステムとしてデータを処理する場合、画像処理装置とサーバーにおけるカウント情報の統一的な管理が望まれる。
【0005】
具体的な実施態様の一例において、システムの管理者は、管理者メニューによるカウント情報表示機能などによって、画像処理装置のカウント情報を確認できる。また、管理者は、サーバーのカウント情報も確認できる。画像処理装置とサーバーのそれぞれが、それぞれにカウント情報を更新した場合、画像処理装置のカウント情報とサーバーのカウント情報とは、通常一致しない。このため、管理者は、どちらのカウント情報に基づいてシステムの利用状況を特定すればよいか分からず、混乱する可能性が高い。
【0006】
本開示は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、サーバーと画像処理装置とが連携する画像処理システムにおいて、カウント情報を適切に管理するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に従うと、画像処理装置と、当該画像処理装置と通信可能な情報処理装置とを備える画像処理システムが提供される。情報処理装置は、第1のユーザーに関連するカウント情報を格納する第1の格納手段と、画像処理装置に対して、第1のユーザーに関連付けて、画像データの生成を要求する要求手段と、要求に応じて生成された画像データを処理する処理手段と、処理手段による処理に従って、第1の格納手段内のカウント情報を更新する第1の更新手段と、を含む。画像処理装置は、第1のユーザーに関連するカウント情報を格納する第2の格納手段と、要求に応じて画像データを生成する生成手段と、生成手段による画像データの生成に従って、第2の格納手段に格納された、第1のユーザーに関連するカウント情報を更新する第2の更新手段と、を含む。情報処理装置は、第1の格納手段内のカウント情報と第2の格納手段内のカウント情報とを同期させるために、画像処理装置と通信する同期手段をさらに含む。
【0008】
本開示の他の局面に従うと、画像処理装置と、当該画像処理装置と通信可能な情報処理装置と、当該情報処理装置と通信可能なサーバーとを備える画像処理システムが提供される。サーバーは、第1のユーザーに関連するカウント情報を格納する第1の格納手段を含む。情報処理装置は、画像処理装置に対して、第1のユーザーに関連付けて、画像データの生成を要求する要求手段と、要求に応じて生成された画像データを処理する処理手段と、処理手段による処理に従って、第1の格納手段内のカウント情報を更新する第1の更新手段と、を含む。画像処理装置は、第1のユーザーに関連するカウント情報を格納する第2の格納手段と、要求に応じて画像データを生成する生成手段と、生成手段による画像データの生成に従って、第2の格納手段に格納された、第1のユーザーに関連するカウント情報を更新する第2の更新手段と、を含む。情報処理装置は、第1の格納手段内のカウント情報と第2の格納手段内のカウント情報とを同期させるために、画像処理装置と通信する同期手段をさらに含む。
【0009】
処理手段による処理は、画像サイズの変更、画像のカラーの変更、および、画像の画素数の変更のうち少なくとも1種類の処理を含んでいてもよい。第1の更新手段は、処理手段によって実行された処理の種類に従った態様で第1の格納手段内のカウント情報を更新してもよい。
【0010】
同期手段は、画像処理装置が画像処理動作の実行である場合には、当該画像処理動作の実行後に、同期のための通信を実行してもよい。
【0011】
同期手段は、画像処理装置が画像処理動作の実行である場合には、画像処理装置に対して、同期のためのフラグである同期要求フラグの設定を要求してもよい。画像処理装置は、同期要求フラグの設定の要求に応じて、画像処理装置において同期要求フラグを設定する設定手段をさらに含んでいてもよい。第2の更新手段は、同期要求フラグが設定されている場合に、同期手段に、第1の格納手段内のカウント情報と第2の格納手段内のカウント情報の同期のための通信を要求してもよい。
【0012】
同期手段は、第1の格納手段内のカウント情報が第1のユーザーに割り当てられた上限に達した場合には、画像処理装置に対して当該第1のユーザーに関する画像処理動作の停止を要求してもよい。
【0013】
同期手段は、第1の格納手段において第1のユーザーに割り当てられたカウント情報の上限が更新された場合に、画像処理装置に対して当該第1のユーザーに関する画像処理動作の再開を要求してもよい。
【0014】
同期手段は、要求に応じて生成された画像データが処理手段に処理されることなく削除された場合に、第1の格納手段内のカウント情報と第2の格納手段内のカウント情報とを同期させるために、画像処理装置と通信してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、情報処理装置内のカウント情報が更新された場合に、情報処理装置の同期手段が、情報処理装置内のカウント情報と画像処理装置内のカウント情報とを同期させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】画像処理システムの一例である情報処理機器100の外観を示す図である。
図2】情報処理機器100のハードウェア構成を示す図である。
図3】情報処理機器100における、MFP部10内のカウント情報とサーバー部20内のカウント情報との同期を説明するための図である。
図4】情報処理機器100における、MFP部10内のカウント情報とサーバー部20内のカウント情報との同期を説明するための図である。
図5】カウント値の同期の一例を示す図である。
図6】カウント値の同期の他の例を示す図である。
図7】情報処理機器100にユーザーがログインしたときにサーバー部20のCPU250が実行する処理の一例のフローチャートである。
図8図7のステップS26のサブルーチンのフローチャートである。
図9】情報処理機器100にユーザーがログインしたときにMFP部10のCPU150が実行する処理の一例のフローチャートである。
図10】ステップS34(図7)におけるサーバー部20からの再ログイン要求に応じてMFP部10で実行される処理のフローチャートである。
図11図7の処理の変形例のフローチャートである。
図12】画像処理システムの構成の変形例を示す図である。
図13図12の画像処理システムの機能的な構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照しつつ、画像処理システムの一実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
【0018】
[1.画像処理システムの構成]
図1は、画像処理システムの一例である情報処理機器100の外観を示す図である。図2は、情報処理機器100のハードウェア構成を示す図である。情報処理機器100は、サーバーとMFPとを一体的に構成する機器として実現される。図1および図2を参照して、情報処理機器100の構成を説明する。
【0019】
情報処理機器100は、MFP部10と、サーバー部20と、操作パネル30とを備える。操作パネル30は、MFP部10およびサーバー部20のユーザーインターフェースとして利用される。以下、MFP部10とサーバー部20のそれぞれの構成を説明する。
【0020】
(MFP部10)
MFP部10は、MFP部10全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)150と、記憶部160とを含む。記憶部160は、たとえば、不揮発性メモリーによって実現される。記憶部160に格納される情報は、CPU150によって実行されるプログラム、および、当該プログラムの実行に利用されるデータを含んでいてもよい。データの一例は、ユーザーごとのカウント情報である。カウント情報は、たとえば、情報処理機器100の機能の使用状況をカウントした値を含む。
【0021】
MFP部10は、さらに、画像処理部151と、画像形成部152と、画像読取部153と、内部インターフェース180とを含む。画像処理部151は、入力された画像データを処理することにより、たとえば出力される画像の拡大・縮小等の処理を実行する。画像処理部151は、たとえば画像処理用のプロセッサーおよびメモリーによって実現される。画像形成部152は、トナーカートリッジ、記録用紙を収容するための用紙トレイ、および、感光体等の、記録用紙に画像を形成するためのハードウェア資源、ならびに、記録用紙を搬送するためのハードウェア資源によって実現される。画像読取部153は、スキャナー等の、原稿の画像データを作成するように構成されたハードウェア資源によって実現される。画像処理部151、画像形成部152、および、画像読取部153のそれぞれの機能は、画像形成装置においてよく知られたものを採用することができるため、ここでは詳細な説明は繰返さない。
【0022】
内部インターフェース180は、サーバー部20との通信のインターフェースとして機能し、たとえばLAN(Local Area Network)カードによって実現される。
【0023】
(サーバー部20)
サーバー部20は、サーバー部20全体を制御するためのCPU250と、ネットワーク通信部260と、記憶部270と、内部インターフェース280とを含む。
【0024】
ネットワーク通信部260は、グローバルネットワークを介して、ユーザーのPC(Personal Computer)等の外部機器との間でデータの送受信を実行するように構成された、ハードウェア資源によって実現される。当該ハードウェア資源の一例は、ネットワークカードである。CPU250は、ネットワーク通信部260を介して外部機器と通信する。
【0025】
記憶部270は、たとえば、不揮発性メモリーによって実現される。記憶部270に格納される情報は、CPU250によって実行されるプログラム、および、当該プログラムの実行に利用されるデータを含んでいてもよい。データの一例は、ユーザーごとのカウント情報である。カウント情報は、たとえば、情報処理機器100の機能の使用状況をカウントした値を含む。
【0026】
CPU250は、さらに、操作パネル30を制御するように構成されている。操作パネル30は、制御用回路350と、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等によって実現される表示部360と、タッチセンサー等によって実現される操作部370とを含む。
【0027】
制御用回路350は、CPU250からの制御信号に従って、表示部360の表示動作を制御する。操作部370は、入力された情報を制御用回路350へ出力する。制御用回路350は、操作部370から入力された情報に応じた信号をCPU250へ出力する。
【0028】
[2.画像処理システム内のカウント情報の管理]
図3および図4は、情報処理機器100における、MFP部10内のカウント情報とサーバー部20内のカウント情報との同期を説明するための図である。図3および図4の双方には、MFP部10とサーバー部20の機能構成が示される。そして、図3には、サーバー部20からMFP部10へのジョブの要求に関するデータの流れが示される。図4には、MFP部10内のカウント情報がサーバー部20内のカウント情報と同期化される処理の概要が示される。以下、MFP部10とサーバー部20の機能構成を説明した後、図3図4のそれぞれに示された処理の内容を説明する。
【0029】
(MFP部10の機能構成)
MFP部10は、ログイン処理部11と、スキャンカウンター処理部12と、スキャン実行部13と、スキャンデータ転送処理部14と、MFP側カウント値DB(データベース)15とを含む。
【0030】
ログイン処理部11は、サーバー部20からMFP部10へのログインのための処理を実行し、たとえば所与のプログラムを実行するCPU150によって実現される。
【0031】
スキャンカウンター処理部12は、ユーザーごとのカウント情報を管理する。管理の一例は、MFP部10における画像処理機能の使用状況に従って、カウント情報として記憶されるカウント値をカウントダウンすることである。画像処理機能の一例は、画像読取部153による画像データの生成(スキャン機能)である。たとえば、1頁の原稿のスキャンによる画像データの生成により、カウント値が「1」カウントダウンされる。
【0032】
一例では、スキャンカウンター処理部12は、ユーザーAに対して「100」のカウント値が割当てられている場合に、ユーザーAが情報処理機器100にログインしている状態で1頁の原稿の画像データが生成されると、ユーザーAのカウント値を、「1」カウントダウンする。これにより、ユーザーAのカウント値が「99」へと変化する。
【0033】
スキャン実行部13は、MFP部10における画像処理機能を実行する。画像処理機能の一例は、画像読取部153による画像データの生成(スキャン機能)である。スキャン実行部13の一例は、画像読取部153である。
【0034】
スキャンデータ転送処理部14は、MFP部10において生成された画像データをサーバー部20へ送信し、たとえば内部インターフェース180によって実現される。
【0035】
MFP側カウント値DB15は、ユーザーごとのカウント値を格納し、たとえば記憶部160によって実現される。
【0036】
(サーバー部20の機能構成)
サーバー部20は、ログイン処理部21と、判定部22と、要求処理部23と、上限カウンター処理部24と、プレビュー処理部25と、データ処理部26と、サーバー側カウント値DB27と、データストレージ28とを含む。
【0037】
ログイン処理部21は、サーバー部20のMFP部10へのログインを要求し、たとえば所与のプログラムを実行するCPU250によって実現される。
【0038】
判定部22は、サーバー部20における画像データに対する処理によって、MFP部10側のカウント情報をサーバー部20側のカウント情報と同期させる必要があるか否かを判定し、たとえば所与のプログラムを実行するCPU250によって実現される。
【0039】
要求処理部23は、ユーザーの指示に基づいて、MFP部10に、画像処理機能の実行を要求する。要求処理部23は、たとえば所与のプログラムを実行するCPU250によって実現される。
【0040】
上限カウンター処理部24は、サーバー部20において画像データに対する処理が実行されたことに基づいて、認証されたユーザーに関連付けられたカウント値を更新し、たとえば所与のプログラムを実行するCPU250によって実現される。
【0041】
プレビュー処理部25は、操作パネル30の表示部360に、MFP部10から取得した画像データのプレビュー画面を表示し、たとえば所与のプログラムを実行するCPU250によって実現される。
【0042】
データ処理部26は、MFP部10から取得した画像データに対する種々の処理を実行する。実行される処理は、画像サイズの変更、画像のカラーの変更、および/または、画像の画素数の変更を含んでいてもよい。実行される処理は、外部サーバーへの送信および/または電子メールの添付物としての送信を含んでいてもよい。データ処理部26は、たとえば、所与のプログラムを実行するCPU250によって、または、CPU250とネットワーク通信部260とによって実現される。
【0043】
サーバー側カウント値DB27は、ユーザーごとのカウント情報を記憶し、たとえば記憶部270によって実現される。
【0044】
データストレージ28は、画像データを記憶し、たとえば記憶部270によって実現される。
【0045】
(サーバー部20からMFP部10へのジョブの要求)
図3において、一点鎖線の矢印は、サーバー部20からMFP部10へのジョブの要求における信号の流れを表わす。
【0046】
ユーザーが、操作パネル30にユーザーIDとパスワードを入力すると、サーバー部20のCPU250は、当該ユーザーを認証する。当該ユーザーが、さらに操作パネル30にMFP部10における画像処理機能の実行(たとえば、原稿のスキャン)の指示を入力すると、要求処理部23は、MFP部10のスキャン実行部13に対して、画像処理機能(たとえば、スキャン)の実行を要求する。
【0047】
上記要求に応じて、スキャン実行部13は、原稿のスキャンを実行し、当該原稿の画像データを生成する。スキャンデータ転送処理部14は、生成された画像データをサーバー部20へ送信する。
【0048】
サーバー部20のプレビュー処理部25は、表示部360に、スキャンデータ転送処理部14から送信された画像データのプレビュー画像を表示する。サーバー部20において、CPU250は、MFP部10において生成された画像データに対するユーザーの指示を受け付ける。
【0049】
上記指示は、画像データに対する画像処理であってもよい。当該画像処理は、たとえば画像サイズの変更、画像のカラーの変更、および/または、画像の画素数の変更である。画像処理を指示されると、データ処理部26は、指示された画像処理を実行する。
【0050】
上記指示は、画像データの送信であってもよい。画像データの送信を指示されると、データ処理部26は、指示に含まれる宛先へ、画像データを送信する。送信される画像データは、データ処理部26による画像処理後のものであってもよいし、データ処理部26による画像処理が施されないもの(スキャンデータ転送処理部14から送信されたままのもの)であってもよい。
【0051】
上記指示は、画像データの保存であってもよい。保存を指示されると、データ処理部26は、画像データをデータストレージ28に格納(保存)する。保存される画像データは、データ処理部26による画像処理後のものであってもよいし、データ処理部26による画像処理が施されないものであってもよい。
【0052】
上記指示は、画像データの削除であってもよい。削除を指示されると、データ処理部26は、当該画像データを削除する。削除される画像データは、データ処理部26による画像処理後のものであってもよいし、データ処理部26による画像処理が施されないものであってもよい。
【0053】
上限カウンター処理部24は、データ処理部26による画像データに対する処理の内容に応じて、上限カウンター処理部24内のカウント値を更新する。一例では、1頁分の画像データに対する1種類のデータ変換ごとに、カウント値が「0.5」カウントダウンされる。データ変換の種類は、たとえば、サイズ変更、カラーからモノクロへの変更、モノクロからカラーへの変更、および、画素数の変更を含む。
【0054】
他の例では、1件の宛先への1頁分の画像データの送信ごとに、カウント値がカウントダウンされる。より具体的には、1頁分のモノクロの画像データが情報処理機器100外の1件の宛先に送信されるたびに、カウント値が「0.5」カウントダウンされ、1頁分のカラーの画像データが情報処理機器100外へと送信されるとカウント値が「1.0」カウントダウンされる。たとえば、2件の宛先へ1頁分のモノクロの画像データが送信されると、カウント値が「1.0」カウントダウンされる。
【0055】
画像データに対する処理の内容(データ変換、送信)とカウントダウンされる値との関係は、たとえば「属性マップ」として記憶部160に格納される。
【0056】
判定部22は、データ処理部26が画像データの処理を実行すると、情報処理機器100にログインしているユーザーについて、サーバー部20内のカウント情報とMFP部10内のカウント情報との同期が必要であると判断し、ログイン処理部21を通して、MFP部10へのログインを要求する。
【0057】
(MFP部10内のカウント情報とサーバー部20内のカウント情報との同期化)
図4を参照して、サーバー部20内のカウント情報とMFP部10内のカウント情報との同期が必要であると判断されたときの、これらの同期について説明する。図4において、破線の矢印は、サーバー部20からMFP部10へのカウント値の同期に関する信号の流れを表わす。
【0058】
図3において説明されたように、判定部22からMFP部10へのログインを要求されると、ログイン処理部11は、サーバー部20をMFP部10へログインMFP部10へログインさせる。その後、サーバー部20の判定部22は、MFP部10のスキャンカウンター処理部12に、情報処理機器100にログインしているユーザーについてサーバー側カウント値DB27に格納されているカウント値を送信する。スキャンカウンター処理部12は、MFP側カウント値DB15に格納されたカウント値を判定部22から送信されたカウント値によって更新する。これにより、サーバー部20内のカウント値とMFP部10内のカウント値とが同期される。
【0059】
[3.カウント値の同期の具体例]
(具体例1)
図5は、カウント値の同期の一例を示す図である。図5には、情報処理機器100の4つの状態(状態A1~A4)が示されている。
【0060】
状態A1は、情報処理機器100にユーザーがログインしたときの状態を表す。サーバー部20のログイン処理部21は、ユーザーのログインに応じて、当該ユーザーについてサーバー側カウント値DB27に格納されているカウント値をMFP部10に送信する。MFP部10では、送信されたカウント値が、ログイン処理部11およびスキャンカウンター処理部12を介してMFP側カウント値DB15へ送信される。これにより、ユーザーのログイン時にサーバー部20とMFP部10との間で当該ユーザーのカウント値が同期する。ユーザーのカウント値の一例として「100」が示されている。
【0061】
状態A2は、MFP部10がユーザーのカウント値を更新した状態を表す。サーバー部20の要求処理部23から要求されると、MFP部10のスキャン実行部13は、原稿のスキャンによって画像データを生成する。MFP部10のスキャンデータ転送処理部14は、生成された画像データをサーバー部20へ送信する。
【0062】
画像データの生成に応じて、MFP部10のスキャンカウンター処理部12は、上記ユーザーのカウント値を「1」カウントダウンする。これにより、MFP部10のMFP側カウント値DB15では、上記ユーザーのカウント値が「99」へと変更される。一方、サーバー部20では、未だ画像処理が実行されていないので、サーバー側カウント値DB27における上記ユーザーのカウント値は「100」のままである。
【0063】
状態A3は、サーバー部20のデータ処理部26が、MFP部10から送信された画像データをE-mailにて5つの宛先に送信した状態を表す。
【0064】
図5の例では、画像データとしてモノクロ画像のデータが採用される。これにより、サーバー部20の上限カウンター処理部24は、上記画像データの送信に応じて、上記ユーザーのサーバー側カウント値DB27におけるカウント値を「2.5」カウントダウンする。「2.5」は、1つ宛先あたりのモノクロ画像のデータの送信が「0.5」であること、および、5つの宛先に送信されたこと、に基づいて導出された値である。上記のカウントダウンにより、サーバー側カウント値DB27における上記ユーザーのカウント値は「97.5」へと変更される。一方、MFP部10のMFP側カウント値DB15のカウント値は「99」である。
【0065】
状態A4は、サーバー部20における処理の後に、サーバー部20内のカウント値とMFP部10内のカウント値とが同期された状態を表す。
【0066】
データ処理部26が画像データを処理(データの送信)したことにより、判定部22は、サーバー部20とMFP部10との間でカウント値の同期が必要な状態が発生したと判定し、MFP部10にサーバー部20のログインを要求する。サーバー部20がMFP部10へログインすると、判定部22は、サーバー側カウント値DB27内の上記ユーザーのカウント値を送信する。MFP部10のスキャンカウンター処理部12は、上記ユーザーについて、MFP側カウント値DB15内のカウント値(「99」)を、送信されたカウント値(「97.5」)によって更新する。これにより、上記ユーザーについて、MFP側カウント値DB15に、サーバー側カウント値DB27に格納されているカウント値と同じカウント値(「97.5」)が格納される。これにより、上記ユーザーについて、サーバー部20内のカウント値とMFP部10内のカウント値とが同期される。
【0067】
(具体例2)
図6は、カウント値の同期の他の例を示す図である。図6には、情報処理機器100の4つの状態(状態B1~B4)が示されている。
【0068】
状態B1は、図5の状態A3(判定部22が、サーバー部20とMFP部10との間でカウント値の同期が必要な状態が発生したと判定し、MFP部10にサーバー部20のログインを要求する)において、MFP部10がジョブを実行中である状態を表す。
【0069】
状態B1は、たとえば、図5を参照して説明された原稿のスキャンおよび送信を指示したユーザーが、さらに、別の原稿のスキャンおよび送信を指示したことにより、MFP部10が当該別の原稿のスキャンを実行している状態に相当する。
【0070】
状態A3において、サーバー部20の判定部22からのログイン要求に対し、MFP部10のログイン処理部11は、MFP部10がジョブの実行中であることを返信する。当該返信に応じて、判定部22は、カウント値の同期のためのログイン要求を保留する。判定部22は、状態B4として後述されるように、MFP部10においてジョブが終了した後に、保留されたログイン要求を再度送信する。
【0071】
状態B2は、上記別の原稿のスキャンによって生成された画像データがMFP部10からサーバー部20へと送信される状態を表す。別の原稿のスキャン動作により、MFP部10のMFP側カウント値DB15のカウント値は、状態A3において示された値からさらに「1」カウントダウンされる。これにより、MFP側カウント値DB15におけるカウント値は、「99」から「98」へと変更される。
【0072】
状態B3は、サーバー部20が、状態B2においてMFP部10から送信された画像データをE-mailの添付物として送信する状態を表す。図6の例では、「別の原稿」の画像データとして生成されるデータとして、カラーの画像データが採用される。情報処理機器100では、カラー画像のデータ送信によって、カウント値は1頁ごとに「1」カウントダウンされる。これにより、サーバー側カウント値DB27のカウント値は、状態A3において示された値から「1」カウントダウンされる。すなわち、サーバー側カウント値DB27のカウント値は、「97.5」から「96.5」へと変更される。
【0073】
状態B4は、サーバー部20における処理の後に、サーバー部20内のカウント値とMFP部10内のカウント値とが同期された状態を表す。状態B3において説明されたように、サーバー部20のデータ処理部26が画像データを処理(データの送信)したことにより、判定部22は、サーバー部20とMFP部10との間でカウント値の同期が必要な状態が発生したと判定し、MFP部10に対してサーバー部20のログインを要求する。当該ログインの要求は、状態B1において保留されたログイン要求の再送信としても機能する。
【0074】
サーバー部20がMFP部10へログインすると、判定部22は、サーバー側カウント値DB27内の上記ユーザーのカウント値を送信する。MFP部10のスキャンカウンター処理部12は、上記ユーザーについて、MFP側カウント値DB15内のカウント値(「98」)を、送信されたカウント値(「96.5」)によって更新する。これにより、上記ユーザーについて、MFP側カウント値DB15に、サーバー側カウント値DB27に格納されているカウント値と同じカウント値(「96.5」)が格納される。
【0075】
以上、図6を参照して説明されたように、サーバー部20は、MFP部10に対してカウント値の同期のためのログインを要求したときに、MFP部10がジョブの実行中であれば、MFP部10におけるジョブの終了後に再度ログインを要求する。
【0076】
これにより、MFP部10のジョブの終了後に、上記ユーザーについて、サーバー部20内のカウント値とMFP部10内のカウント値とが同期される。
【0077】
[4.サーバー部側の処理の流れ]
図7は、情報処理機器100にユーザーがログインしたときにサーバー部20のCPU250が実行する処理の一例のフローチャートである。当該処理は、たとえばCPU250が所与のプログラムを実行することによって実現される。図7を参照して、当該処理の内容を説明する。
【0078】
ステップS10にて、CPU250は、操作パネル30に入力されたユーザーIDとパスワードとを用いて、ユーザーを認証する。
【0079】
ステップS12にて、CPU250は、MFP部10に、サーバー部20のログインを要求する(図5の状態A1)。
【0080】
ステップS14にて、CPU250は、認証されたユーザーのカウント値をMFP部10へ送信する。送信されるカウント値は、サーバー側カウント値DB27に格納されている、すなわちサーバー部20側のカウント値である。
【0081】
この例では、サーバー部20は、ユーザーから、操作パネル30を介して、スキャンジョブの指示を受ける。これに応じて、ステップS16にて、CPU250は、MFP部10にスキャンジョブの実行を要求する。
【0082】
ステップS18にて、CPU250は、MFP部10から送信された、スキャンデータ(スキャンジョブによって生成された画像データ)を受信する。
【0083】
ステップS20にて、CPU250は、受信されたスキャンデータのプレビューを、表示部360に表示する。
【0084】
ステップS22にて、CPU250は、スキャンデータが送信も保存もされずに削除されたか否かを判断する。本実施の形態において、スキャンデータが送信も保存もされずに削除されたことは、当該スキャンデータがサーバー部20において処理されることなく削除されたことの一例である。情報処理機器100において、ユーザーは、たとえばステップS2にて表示されたプレビューの画像を見ながら、スキャンデータに対する、画像処理、送信、および/または保存を指示することができる。ここでの「保存」は、たとえば、スキャンデータをデータストレージ28に格納することを意味する。
【0085】
CPU250は、スキャンデータが送信も保存もされずに削除されたと判断すると(ステップS22にてYES)、ステップS24にて同期フラグをセットして、ステップS28へ制御を進める。なお、サーバー部20の初期状態では、同期フラグはリセットされている。一方、CPU250は、スキャンデータに対して送信または保存の少なくとも一方がなされたと判断すると、ステップS26へ制御を進める。
【0086】
図8は、図7のステップS26のサブルーチンのフローチャートである。図8を参照して、ステップS26の内容を説明する。
【0087】
ステップS260にて、CPU250は、上記のスキャンデータに対して送信の指示がなされたか否かを判断する。CPU250は、送信の指示がなされたと判断すると(ステップS260にてYES)、ステップS264へ制御を進め、そうでなければ(ステップS260にてNO)、ステップS262へ制御を進める。
【0088】
ステップS262にて、CPU250は、スキャンデータに対してなされた処理の内容に応じて、認証されたユーザーについての、サーバー側カウント値DB27内のカウント値をカウントダウンする。ステップS262における「処理」は、スキャンデータに対するデータ変換を意味する。
【0089】
画像処理の内容とカウントダウンされる値との関係は、たとえば、属性マップにおいて規定されている。一例では、属性マップは、サイズ変更(たとえば、A4→A3)とカラーからモノクロへの変換とのそれぞれに対して、1頁分の画像データごとに値「0.5」をカウントダウンすることを規定している。この場合、ユーザーが、1頁分のスキャンデータについて、サイズをA4からA3に変更し、カラーデータからモノクロデータへ変更した後、変更後のスキャンデータをデータストレージ28へ保存すると、当該ユーザーのカウント値は「1.0」カウントダウンされる。
【0090】
ステップS264にて、CPU250は、スキャンデータに対してなされた処理の内容に応じて、認証されたユーザーについての、サーバー側カウント値DB27内のカウント値をカウントダウンする。ステップS264における「処理」は、スキャンデータの送信を意味する。なお、送信前にスキャンデータに対してデータ変換がなされた場合には、ステップS264では、カウントダウンされる値に、当該データ変換に応じた値が加算される。
【0091】
データの変換および送信に応じてカウントダウンされる値は、たとえば上記の属性マップにおいて規定されている。データの送信に関し、1件の宛先に対して、1頁のモノクロの画像データの送信に対する値は「0.5」である。1件の宛先に対して、1頁のカラーの画像データの送信に対する値は「1.0」である。たとえば、ユーザーが1頁分のカラー画像データを、サイズをA4からA3に変更した後、3件の宛先に送信すれば、当該ユーザーのカウント値は「3.5」(0.5+1.0×3)カウントダウンされる。
【0092】
ステップS266にて、CPU250は、同期フラグをセットして、図7へ制御を戻す。
【0093】
図7に戻って、ステップS26にてスキャンデータ用処理を実行した後、またはステップS24の制御の後、ステップS28にて、CPU250は、同期フラグがセットされているか否かを判断する。CPU250は、同期フラグがセットされていると判断すると(ステップS28にてYES)、同期フラグをリセットしてステップS30へ制御を進め、そうでなければ(ステップS28にてNO)、図7の処理を終了させる。
【0094】
ステップS30にて、CPU250は、MFP部10がジョブを実行中であるか否かを判断する。CPU250は、MFP部10がジョブを実行中であれば(ステップS30にてYES)、ステップS32へ制御を進め、そうでなければ(ステップS30にてNO)、ステップS34へ制御を進める。
【0095】
ステップS32にて、CPU250は、MFP部10から、ジョブの完了通知を待る。MFP部10からジョブの完了通知を受けると、CPU250はステップS34へ制御を進める。
【0096】
ステップS34にて、CPU250は、MFP部10に対して、サーバー部20の再ログインを要求する。
【0097】
ステップS36にて、CPU250は、サーバー部20が再ログインしたMFP部10に対して、ステップS10にて認証したユーザーについてサーバー側カウント値DB27に格納されたカウント値を送信する。
【0098】
[5.MFP部側の処理の流れ]
図9は、情報処理機器100にユーザーがログインしたときにMFP部10のCPU150が実行する処理の一例のフローチャートである。当該処理は、たとえばCPU150が所与のプログラムを実行することによって実現される。図9を参照して、当該処理の内容を説明する。
【0099】
ステップS100にて、CPU150は、サーバー部20から、ステップS12(図7)として説明されたログイン要求を受信する。
【0100】
ステップS102にて、CPU150は、サーバー部20によって認証されたユーザーのログイン処理を実行する。これにより、MFP部10は、上記ユーザーとしてサーバー部20にログインし、当該ユーザーがログアウトするまでに受信したジョブを当該ユーザーのジョブとして実行する。
【0101】
ステップS104にて、CPU150は、サーバー部20に、上記ユーザーのカウント値を要求する。これに応じて、サーバー部20のCPU250は、MFP部10に、ステップS14にて、サーバー側カウント値DB27に格納された当該ユーザーのカウント値を送信する。CPU150は、サーバー部20から受信したカウント値を、上記ユーザーのカウント値としてMFP側カウント値DB15に格納する。
【0102】
ステップS106にて、CPU150は、MFP部10の状態を、サーバー部20からのジョブ要求に対して待機する状態へと移行させる。
【0103】
ステップS108にて、CPU150は、サーバー部20からジョブの要求を受信したか否かを判断し、受信したと判断すると(ステップS108にてYES)、ステップS110へ制御を進め、そうでなければ(ステップS108にてNO)、ステップS106へ制御を戻す。
【0104】
ステップS110にて、CPU150は、要求されたジョブ(たとえば、スキャンジョブ)を実行する。
【0105】
ステップS112にて、CPU150は、ジョブの実行によって生成されたデータをサーバー部20へ送信する。
【0106】
ステップS114にて、CPU150は、属性マップを利用して、上記ユーザーについてのMFP側カウント値DB15におけるカウント値を更新する。ステップS114にて利用される属性マップは、サーバー部20において使用される属性マップと同様の内容を含んでいてもよい。MFP部10では、属性マップは、たとえば記憶部160に格納される。一例では、属性マップは、1頁分の原稿のスキャンデータを生成するたびに、カウント値を「1.0」カウントダウンすることを規定する。
【0107】
ステップS116にて、CPU150は、サーバー部20から要求された全てのジョブがMFP部10において完了したか否かを判断する。CPU150は、全てのジョブが完了したと判断すると(ステップS116にてYES)、ステップS118へ制御を進め、そうでなければ(ステップS116にてNO)、ステップS110へ制御を戻す。
【0108】
ステップS118にて、CPU150は、サーバー部20へジョブ完了通知を送信する。サーバー部20において、当該ジョブ完了通知は、ステップS32(図7)にて受信される。その後、CPU150は、図9の処理を終了させる。
【0109】
[6.MFP部における再ログイン後の処理]
図10は、ステップS34(図7)におけるサーバー部20からの再ログイン要求に応じてMFP部10で実行される処理のフローチャートである。図10の処理は、たとえばCPU150が所与のプログラムを実行することによって実現される。図10を参照して、当該処理の内容を説明する。
【0110】
ステップS130にて、CPU150は,サーバー部20からの再ログイン要求を受信する。
【0111】
ステップS132にて、CPU150は、ステップS102と同様に、サーバー部20によって認証されたユーザーのログイン処理を実行する。
【0112】
ステップS134にて、サーバー部20からステップS36(図7)にて送信されるカウント値を受信する。
【0113】
ステップS136にて、CPU150は、MFP側カウント値DB15に格納された上記ユーザーのカウント値を、ステップS134にて受信したカウント値によって更新する。その後、CPU150は、図10の処理を終了させる。
【0114】
図10のステップS136において、MFP側カウント値DB15に、サーバー部20から送信されたカウント値が格納されることにより、サーバー部20とMFP部10との間でカウント値が同期される。これにより、MFP部10におけるカウント値を利用した既存の課金システムを利用しながら、当該カウント値に、MFP部10とサーバー部20の双方の処理を反映させることができる。
【0115】
一例では、MFP部10がスキャンデータを生成した後でサーバー部20が当該スキャンデータを送信した場合、MFP部10とサーバー部20は、当該スキャンデータの送信のためにカウントダウンされたカウント値を共有する。
【0116】
他の例では、MFP部10がスキャンデータを生成した後、サーバー部20において当該スキャンデータが送信も保存もされることなく削除された場合、MFP側カウント値DB15にサーバー側カウント値DB27内のカウント値が格納されることにより、MFP部10において、スキャンデータの生成によるカウントダウンが解消される。
【0117】
本開示では、MFP部10とサーバー部20において、各ユーザーのカウント値が管理される。一例として、カウント値は、各ユーザーに対して割り当てられたカウントの残量を規定する。サーバー部20は、画像データに対して処理を実行することによってユーザーAのカウント値が「0」になった場合に、MFP部10に対して、ユーザーAについて実行中のジョブの停止を指示してもよい。サーバー部20は、ユーザーAについてのカウント値が「0」になった場合、そのことを、表示部360における表示等によって報知してもよい。
【0118】
ユーザーAは、当該ユーザーAのカウント値を増やすために、サーバー部20に対して課金等の対応を実行してもよい。サーバー部20は、当該対応に応じてユーザーAのカウント値が「0」を超えると、MFP部10に対して、上記のように停止を指示したジョブの再開を指示してもよい。
【0119】
[7.MFP部のジョブ実行中にサーバー部がカウント値を更新した場合]
図11は、図7の処理の変形例のフローチャートである。図11の処理では、サーバー部20は、カウント値を更新したときにMFP部10がジョブの実行中であれば、MFP部10に同期要求フラグのセットを要求する。同期要求フラグは、カウント値の同期のためにログインすることを要求するためのフラグである。
【0120】
より具体的には、図11に示された処理は、図7に示された処理のステップS32の代わりにステップS33の制御を含む。
【0121】
ステップS33にて、サーバー部20のCPU250は、MFP部10に、同期要求フラグのセットを要求する。その後、CPU250は、図11の処理を終了させる。
【0122】
ステップS33の要求に応じて、MFP部10のCPU150は、MFP部10において同期要求フラグをセットする。なお、MFP部10の初期状態では、同期要求フラグはリセットされている。
【0123】
図11の処理が実行される例では、CPU150は、図9に相当する処理のステップS116にて、サーバー部20から要求されたジョブが全て終了したと判断すると、同期要求フラグがセットされているか否かを判断する。同期要求フラグがセットされていなければ、CPU150は、そのまま当該処理を終了させる。
【0124】
同期要求フラグがセットされていると判断すると、CPU150は、同期要求フラグをリセットした後、図10を参照して説明された処理を開始する。この場合、CPU150は、ステップS130にてサーバー部20から再ログイン要求を受信する代わりに、サーバー部20に対して、再ログインの要求を送信する。これに応じて、サーバー部20はMFP部10に再度ログインする。
【0125】
サーバー部20は、サーバー部20がMFP部10に再度ログインすると、MFP部10に、サーバー側カウント値DB27に格納された上記ユーザーのカウント値を送信する。
【0126】
CPU150は、サーバー部20から送信されたカウント値をMFP側カウント値DB15に格納する(ステップS136)。これにより、サーバー部20とMFP部10との間で、上記ユーザーのカウント値が同期される。
【0127】
[8.画像データを送信するサーバーとは別のサーバーにおけるカウント値の管理]
図12は、画像処理システムの構成の変形例を示す図である。図12の例では、画像処理システム1000は、情報処理機器100と、当該情報処理機器100とネットワークNを介して通信可能な外部サーバー200とを含む。
【0128】
図13は、図12の画像処理システムの機能的な構成の一例を示す図である。図13の例では、図3の例においてサーバー部20に設けられていたサーバー側カウント値DB27が、外部サーバー200に設けられている。外部サーバー200は、サーバー側カウント値DB27内のカウント値を管理するためのプロセッサーを備える。
【0129】
外部サーバー200は、その機能として、ユーザー認証部201を含む。ユーザー認証部201は、たとえば上記プロセッサーが所与のプログラムを実行することによって実現される。サーバー部20のログイン処理部21は、ユーザー認証部201に対して、ユーザーを特定する情報を送信する。ユーザー認証部201は、サーバー側カウント値DB27において、ログイン処理部21から送信された情報によって特定されるユーザーについてのカウント値を更新し、また、当該ユーザーについてのカウント値をMFP部10へ送信する。
【0130】
図13において矢印A1で示されるように、ユーザーの最初のログイン時に、要求処理部23は、MFP部10に当該ユーザーのカウント値を送信するとともに、MFP部10にジョブの実行を要求する。データ処理部26は、MFP部10から送信された画像データに対して処理を実行する。上限カウンター処理部24は、実行された処理に応じたカウント値を特定する。判定部22は、外部サーバー200に対して、サーバー側カウント値DB27のカウント値を特定された値だけカウントダウンするように指示する。
【0131】
図13において矢印A2で示されるように、サーバー部20において同期フラグがセットされると、判定部22は、外部サーバー200に対して、サーバー側カウント値DB27内のカウント値をMFP部10に送信することを指示する。スキャンカウンター処理部12は、外部サーバー200から送信された、サーバー側カウント値DB27内のカウント値を、MFP側カウント値DB15に格納する。これにより、サーバー側カウント値DB27内のカウント値とMFP側カウント値DB15内のカウント値とが同期される。
【0132】
[9.開示の要約]
本開示は、以下のように要約される。
【0133】
図1等に示されるように、画像処理システム(情報処理機器100)は、画像処理装置(MFP部10)と、当該画像処理装置と通信可能な情報処理装置(サーバー部20)とを備える。
【0134】
情報処理装置は、
第1のユーザーに関連するカウント情報を格納する第1の格納手段(データストレージ28)と、
画像処理装置に対して、第1のユーザーに関連付けて、画像データの生成を要求する要求手段(要求処理部23)と、
要求に応じて生成された画像データを処理する処理手段(データ処理部26)と、
処理手段による処理に従って、第1の格納手段内のカウント情報を更新する第1の更新手段(上限カウンター処理部24)と、を含む。
【0135】
画像処理装置は、
第1のユーザーに関連するカウント情報を格納する第2の格納手段(MFP側カウント値DB15)と、
要求に応じて画像データを生成する生成手段(スキャン実行部13)と、
生成手段による画像データの生成に従って、第2の格納手段に格納された、第1のユーザーに関連するカウント情報を更新する第2の更新手段(スキャンカウンター処理部12)と、を含む。
【0136】
情報処理装置は、第1の更新手段がカウント情報を更新した場合に、第1の格納手段内のカウント情報と第2の格納手段内のカウント情報とを同期させるために、画像処理装置と通信する同期手段(判定部22)をさらに含む。
【0137】
なお、図13等に示されるように、画像処理システムにおいて、第1の格納手段は、情報処理装置とは異なる装置(外部サーバー200)に設けられていてもよい。
【0138】
本開示では、カウント情報の同期の処理が、サーバー部20側の処理に基づいて更新されたカウント値が、MFP部10側のカウント値によって上書きされるように構成された。これにより、MFP部10側の処理に基づくカウント値の更新分は無視されることになる。このことは、最終的にサーバー部20側の処理がなされない場合には画像処理システムを利用したとはみなさない、というポリシーで、カウント値を更新することを意味する。
【0139】
なお、上記処理は、MFP部10側の処理によるカウント値の更新分が同期後のカウント値に反映されるように構成されてもよい。例えば、MFP部10において生成されたスキャンデータがサーバー部20へ転送される際に、スキャンにより更新されたMFP部10側のカウント値がサーバー部20へ転送され、転送されたカウント値を加算するようにサーバー部20側のカウント値が上書きされた後、サーバー部20側の処理によるカウント値が更新されてもよい。
【0140】
今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0141】
10 MFP部,11,21 ログイン処理部,12 スキャンカウンター処理部,13 スキャン実行部,14 スキャンデータ転送処理部,20 サーバー部,22 判定部,23 要求処理部,24 上限カウンター処理部,25 プレビュー処理部,26 データ処理部,28 データストレージ,30 操作パネル,100 情報処理機器,150,250 CPU,151 画像処理部,152 画像形成部,153 画像読取部,160,270 記憶部,180,280 内部インターフェース,200 外部サーバー,260 ネットワーク通信部,350 制御用回路,360 表示部,370 操作部、1000 画像処理システム。
図1
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