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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20220419BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20220419BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
H02M3/28 V
H02M3/28 U
H02M3/155 H
G03G21/00 398
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018108031
(22)【出願日】2018-06-05
(65)【公開番号】P2019213356
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島添 誠
(72)【発明者】
【氏名】小原 耕治
(72)【発明者】
【氏名】林 明洋
(72)【発明者】
【氏名】小出 恭宏
(72)【発明者】
【氏名】立本 雄平
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-142071(JP,A)
【文献】特開2016-158385(JP,A)
【文献】特開2006-067703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
H02M 3/155
B41J 29/38
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電圧を出力する第1出力部と、
スイッチ部を有し該スイッチ部のスイッチング制御を行うことにより、前記第1電圧よりも小さい電圧であり、かつ前記第1出力部からの第2電圧を出力する第2出力部と、
省電力状態に制御する状態制御部とを備え、
前記第2出力部は、前記スイッチ部のスイッチング制御が停止される電圧のうち最大の電圧を、前記省電力状態に制御されたときに前記第2電圧として出力する、画像形成装置。
【請求項2】
前記省電力状態中に、前記第2電圧を所定期間が経過する毎に一段階増加させる第1調整部と、
前記第1調整部により前記第2電圧が一段階増加されたときに、前記スイッチング制御が停止された否かを判断する第1判断部とを備え、
前記第1調整部は、
前記スイッチング制御が停止されていると前記第1判断部に判断されたときに、前記第2電圧をさらに一段階増加させ、
前記スイッチング制御が停止されていないと前記第1判断部に判断されたときに、前記第2電圧をさらに一段階減少させ、
前記第2出力部は、前記第1調整部により前記一段階減少された前記第2電圧を新たな前記第2電圧として出力する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
所定の要因に応じて、前記所定期間を変更する期間変更部をさらに備える、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記所定の要因は、前記画像形成装置内の温度を含む、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記省電力状態中に、前記第2出力部は、負荷を駆動し、
前記所定の要因は、前記負荷の駆動の開始、および負荷の駆動の終了を含む、請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記スイッチング制御が停止されているか否かを判断する第2判断部と、
前記スイッチング制御が停止されていないと前記第2判断部により判断されたときに、前記第2電圧を一段階減少させる第2調整部とを備え、
前記第2調整部は、前記第2出力部から出力される前記第2電圧を、前記スイッチング制御が停止されたと前記第2判断部により判断されるまで、前記第2電圧を一段階ずつ減少させ、
前記第2出力部は、前記スイッチ部のスイッチング制御が停止されたと前記第2判断部により判断されたときの前記第2電圧を新たな前記第2電圧として出力する、請求項1~請求項5いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記状態制御部は、前記最大の電圧を検出する検出状態に制御し、
前記検出状態中に、前記第2調整部の処理および前記第2判断部の処理は実行される、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記省電力状態に制御されたときに、前記第2調整部の処理および前記第2判断部の処理は実行される、請求項6または請求項7に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1電圧を出力する第1出力部(たとえば、メインコンバータ)と、該第1出力部からの電圧を出力し、かつ、第1電圧よりも低い第2電圧を出力する第2出力部(たとえば、DCDCコンバータ)とを備える画像形成装置が提案されている。特許文献1には、この第2出力部は、スイッチ部を有し、該スイッチ部のオンオフ(スイッチング)を連続的に実行することにより、第1出力部からの電圧を第2電圧に変換して出力することが開示されている。また、特許文献1の画像形成装置は、省電力状態に制御する。該省電力状態は、第1出力部からの電圧を第2電圧よりも低い電圧とすることにより、該スイッチ部のオンオフを実行させない状態である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5268615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の画像形成装置では、省電力状態中での第2出力部から出力される電圧の電圧値の制御について何ら鑑みられていなかった。したがって、該省電力状態中では、適切な電圧値の電圧を第2出力部が出力できなかった。
【0005】
本開示は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、省電力状態中に、第2出力部から適切な電圧値の電圧を出力させる画像形成装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に従うと、第1電圧を出力する第1出力部と、スイッチ部を有し該スイッチ部のスイッチング制御を行うことにより、第1電圧よりも小さい電圧であり、かつ第1出力部からの第2電圧を出力する第2出力部と、省電力状態に制御する状態制御部とを備え、第2出力部は、スイッチ部のスイッチング制御が停止される電圧のうち最大の電圧を、省電力状態に制御されたときに第2電圧として出力する、画像形成装置が提供される。
【0007】
好ましくは、省電力状態中に、第2電圧を所定期間が経過する毎に一段階増加させる第1調整部と、第1調整部により第2電圧が一段階増加されたときに、スイッチング制御が停止された否かを判断する第1判断部とを備え、第1調整部は、スイッチング制御が停止されていると第1判断部に判断されたときに、第2電圧をさらに一段階増加させ、スイッチング制御が停止されていないと第1判断部に判断されたときに、第2電圧をさらに一段階減少させ、第2出力部は、第1調整部により一段階減少された第2電圧を新たな第2電圧として出力する。
【0008】
好ましくは、所定の要因に応じて、所定期間を変更する期間変更部をさらに備える。
好ましくは、所定の要因は、画像形成装置内の温度を含む。
【0009】
好ましくは、省電力状態中に、第2出力部は、負荷を駆動し、所定の要因は、負荷の駆動の開始、および負荷の駆動の終了を含む。
【0010】
好ましくは、スイッチング制御が停止されているか否かを判断する第2判断部と、スイッチング制御が停止されていないと第2判断部により判断されたときに、第2電圧を一段階減少させる第2調整部とを備え、第2調整部は、第2出力部から出力される第2電圧を、スイッチング制御が停止されたと第2判断部により判断されるまで、第2電圧を一段階ずつ減少させ、第2出力部は、スイッチ部のスイッチング制御が停止されたと第2判断部により判断されたときの第2電圧を新たな第2電圧として出力する。
【0011】
好ましくは、状態制御部は、最大の電圧を検出する検出状態に制御し、検出状態中に、第2調整部の処理および第2判断部の処理は実行される。
【0012】
好ましくは、省電力状態に制御されたときに、第2調整部の処理および第2判断部の処理は実行される。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、省電力状態中に、第2出力部から適切な電圧値の電圧を出力させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】画像形成装置の全体構成を示す図である。
図2】画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
図3】本実施形態の電源装置の構成を示す図である。
図4】電源装置と負荷との対応を示す図である。
図5】比較例の電源装置の構成を示す図である。
図6】比較例の第1出力部からの出力電圧などを示す図である。
図7】本実施形態の第1出力部からの出力電圧などを示す図である。
図8】省電力状態制御処理のフローチャートである。
図9】省電力移行制御処理のフローチャートである。
図10】検出モードのフローチャートである。
図11】画像形成装置内の温度と、再設定間隔との関係を示す図である。
図12】負荷に出力される電流と、再設定間隔との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に基づいた実施の形態における画像形成装置について、以下、図を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
【0016】
[第1実施形態]
図1を参照して、第1実施形態における画像形成装置100の概略構成について説明する。図1は、画像形成装置100の内部構成を示す図である。
【0017】
図1には、カラープリンターとしての画像形成装置100が示されている。以下では、カラープリンターとしての画像形成装置100について説明するが、画像形成装置100は、カラープリンターに限定されない。たとえば、画像形成装置100は、モノクロプリンターであってもよいし、モノクロプリンター、カラープリンターおよびFAXの複合機(MFP:Multi-Functional Peripheral)であってもよい。
【0018】
画像形成装置100は、形成部としての画像形成ユニット1A~1Dと、中間転写ベルト11と、一次転写ローラー12と、二次転写ローラー13と、クリーニング部15と、排紙トレー16と、カセット17と、制御部18と、露光制御部19と、定着部としての定着器30と、排紙ローラー36と、反転搬送経路38と、電源装置110などを含む。なお、図1では、便宜上、電源装置110は、画像形成装置100の内部に設置されているように記載されている。しかし、電源装置110は、画像形成装置100の外部、たとえば、画像形成装置100の背面に設置されるようにしてもよい。
【0019】
画像形成ユニット1Aは、イエロー(Y)のトナー画像を形成する。画像形成ユニット1Bは、マゼンタ(M)のトナー画像を形成する。画像形成ユニット1Cは、シアン(C)のトナー画像を形成する。画像形成ユニット1Dは、ブラック(BK)のトナー画像を形成する。
【0020】
中間転写ベルト11は、無端状のベルトであり、複数の支持ローラーのうち少なくとも一つの駆動ローラーが回転することにより、矢印21の方向に周回駆動する。画像形成ユニット1A~1Dは、それぞれ、中間転写ベルト11の駆動方向に沿って順に配置されている。
【0021】
画像形成ユニット1A~1Dは、それぞれ、感光体2と、帯電部3と、現像部4と、感光体クリーニング部5と、露光部9とを備える。感光体2は、トナー画像を担持する像担持体である。一例として、感光体2には、その表面に感光層が形成された感光体ドラムが用いられる。感光体2は、中間転写ベルト11の駆動方向に対応する方向に回転する。
【0022】
帯電部3は、感光体2の表面を一様に帯電する。露光部9は、露光制御部19からの制御信号に応じて感光体2にレーザー光を照射し、指定された画像パターンに従って感光体2の表面を露光する。これにより、指定された画像パターンに応じた静電潜像が感光体2上に形成される。
【0023】
現像部4は、感光体2上に形成された静電潜像をトナー画像として現像する。一例として、現像部4は、トナーおよびキャリアからなる二成分系の現像剤を用いて静電潜像を現像する。
【0024】
感光体2の表面に形成されたトナー画像は、一次転写ローラー12によって中間転写ベルト11に転写される。このとき、イエロー(Y)のトナー画像、マゼンタ(M)のトナー画像、シアン(C)のトナー画像、ブラック(BK)のトナー画像が順に重ねられて中間転写ベルト11に転写される。これにより、カラーのトナー画像が中間転写ベルト11上に形成される。
【0025】
感光体クリーニング部5は、クリーニングブレードを備える。クリーニングブレードは、感光体2に圧接され、トナー画像の転写後に感光体2上に残留するトナーを回収する。
【0026】
一次転写ローラー12は、感光体2上に現像されたトナー画像を中間転写ベルト11に転写する。感光体2と中間転写ベルト11とは、一次転写ローラー12を設けている部分で接触している。この接触部分に所定の転写バイアス(電圧)が印加され、この転写バイアスによって、感光体2上のトナー画像が中間転写ベルト11に転写される。
【0027】
カセット17は、画像形成装置100の下部に設けられている。カセット17には、紙等の用紙14がセットされる。用紙14は、カセット17から1枚ずつ二次転写ローラー13に送られる。用紙14の送り出しおよび搬送のタイミングと、中間転写ベルト11上のトナー画像の位置とを同期させることで、用紙14の適切な位置にトナー画像が転写される。その後、用紙14は、定着器30に送られる。
【0028】
定着器30は、用紙14に転写されているトナー画像(未定着のトナー画像)を熱で溶融し、用紙14にトナー画像を定着させる。定着器30は、加熱装置としての加熱ヒーター32hによって加熱される加熱部材としての定着ローラー32と、定着ローラー32とともに表面上に未定着画像が形成された用紙14を挟み込み、定着ローラー32との間を通過させながら用紙14上に未定着画像を定着させる加圧部材としての加圧ローラー31と、定着温度検知部33とを備える。定着温度検知部33による検知結果に基づいて制御部18により定着温度制御が行われる。
【0029】
また、画像形成装置100は、操作部50からユーザの入力を受付けることができる。該ジョブは、たとえば、片面印刷ジョブ(片面印刷させるジョブ)、両面印刷ジョブ(両面印刷させるジョブ)、スキャンジョブ(スキャンさせるジョブ)などを含む。
【0030】
ユーザにより、片面印刷ジョブが入力された場合には、定着器30による定着処理の後に、用紙14は、排紙ローラー36により、排紙トレー16に排紙される。ユーザにより、両面印刷ジョブが入力された場合には、用紙14は、定着器30による定着処理の後に、排紙ローラー36の逆回転により、反転搬送経路38に送られる。その後、用紙の裏面(2面目)にトナー画像が転写されるように、該用紙は、二次転写ローラー13に送られる。該二次転写ローラー13は、用紙14の裏面の適切な位置にトナー画像を転写する。その後、定着器30に再び送られて、定着器30は、該用紙の裏面にトナー画像を定着させる。このように、ユーザにより両面印刷ジョブが入力されると、両面に印刷することができる。
【0031】
クリーニング部15は、クリーニングブレードを備える。クリーニングブレードは、中間転写ベルト11に圧接され、トナー画像の転写後に中間転写ベルト11上に残留するトナー粒子を回収する。このトナー粒子は、搬送スクリュー(図示しない)で搬送され、廃トナー容器(図示しない)に回収される。
【0032】
制御部18は、画像形成装置100の画像形成プロセスを制御する。制御部18は、画像形成ユニット1A~1D、二次転写ローラー13、定着器30(加熱ヒーター32hの温度制御、加圧ローラー31の回転速度等)、露光制御部19等を制御する。
【0033】
また、定着器30の下流には、冷却器55が設けられている。冷却器55は、冷却ローラー52(冷却部)と、対向ローラー51(対向部)とを含む。冷却器55は、制御部18により制御される。対向ローラー51は、冷却ローラー52と対向し、かつ対向ローラー51と冷却ローラー52とで用紙を矜持する。
【0034】
このように、かつ対向ローラー51と冷却ローラー52とで用紙を矜持して、該用紙を冷却することから、安定して該用紙を冷却することができる。
【0035】
また、電源装置110は、画像形成装置100内の各部(各負荷)に電圧(電力)を出力する(供給する)。
【0036】
[ハードウェア構成]
図2は、画像形成装置100のハードウェア構成を示した図である。図2を参照して、画像形成装置100は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)101と、データを不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)102と、データを揮発的に格納するRAM(Random Access Memory)103と、フラッシュメモリ104と、スピーカ106と、通信IF(Interface)108と、IC(Integrated Circuit)カードリーダライタ109と、電源装置110と、制御系負荷202と、駆動系負荷204とを備える。
【0037】
フラッシュメモリ104は、不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ104は、CPU101が実行するオペレーティングシステムおよび各種のプログラム、各種のコンテンツおよびデータを格納している。また、フラッシュメモリ104は、画像形成装置100が生成したデータ、画像形成装置100の外部装置から取得したデータ等の各種データを揮発的に格納する。
【0038】
スピーカ106は、CPU101からの指令に応じて音を発生させる。通信IF108は、他の装置と通信を行なうための用いられるインターフェースである。通信IF108は、無線および/または有線にてデータを送信するための処理を行なう。
【0039】
制御系負荷202は、画像形成装置100の各部分を制御する負荷(部分)である。制御系負荷202は、たとえば、操作部50と、画像形成の処理などを制御する制御部18(図1参照)と、メモリ(ROM102など)と、通信ポート(たとえば、通信IF108など)などを含む。操作部は、表示装置としてのディスプレイと、入力装置としてのタッチパネルとにより構成される。具体的には、操作部は、ディスプレイ(たとえば液晶ディスプレイ)上にタッチパネルを位置決めした上で固定することにより実現される。なお、タッチスクリーンは、タッチパネルディスプレイ、タッチパネル付きディスプレイ、あるいはタッチパネルモニタとも称される。なお、操作部50においては、タッチ位置の検出方法として、たとえば抵抗膜方式または静電容量方式を用いることができる。
【0040】
タッチパネルは、ユーザの指およびスタイラスペン等による入力(タッチ入力)を受け付ける入力デバイスである。CPU101は、タッチパネルからの出力に基づいて入力位置を特定し、当該特定した入力位置に基づいた画面表示を行なう。
【0041】
駆動系負荷204は、たとえば、制御系負荷202により駆動する負荷(部分)である。駆動系負荷204は、画像形成ユニット1A~1D、カセット17から用紙を画像形成ユニット1A~1Dに送り出す送り出し部(図示せず)などを駆動させるためのモータ、およびクラッチなどを含む。なお、図2では、便宜上、ROM102および通信IF108と、制御系負荷202とを分けて記載している。
【0042】
画像形成装置100における処理は、各ハードウェアおよびCPU101により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、フラッシュメモリ104に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカード1091その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、ICカードリーダライタ109その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IFを介してダウンロードされた後、フラッシュメモリ104に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU101によってフラッシュメモリ104から読み出され、さらにフラッシュメモリ104に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU101は、そのプログラムを実行する。
【0043】
画像形成装置100で用いられるソフトウェアは、フラッシュメモリ104、メモリカード1091その他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。
【0044】
なお、記憶媒体としては、DVD-ROM、CD-ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体である。
【0045】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0046】
[電源装置110の構成]
次に、電源装置110の構成の一例を説明する。図3は、電源装置110の構成の一例を示した図である。電源装置110は、メインコンバータ(以下、「第1出力部112」という。)と、DC(Direct Current)DCコンバータ(以下、「第2出力部114」という。)と、スイッチ部116と、制御部120とを含む。
【0047】
第1出力部112は、24Vの電圧(第1電圧)と、5Vの電圧(第2電圧)とのうちいずれかを、駆動系負荷に対して出力可能である。第2出力部114(第2出力部)は、5V(第2電圧)を、制御系負荷に対して出力する。
【0048】
制御部120の制御により、スイッチ部116は、オンおよびオフが切替可能である。スイッチ部116がオンであるときには、第1出力部112から電圧を出力させる状態となる。スイッチ部116がオフであるときには、第1出力部112から電圧を出力させない状態となる。
【0049】
制御部120は、第1調整部122と、第1判断部124と、第2調整部126と、第2判断部128と、状態制御部130と、温度検出部132と、間隔変更部134とを含む。温度検出部132と、間隔変更部134については、第3実施形態および第4実施形態で説明する。状態制御部130は、画像形成装置100を複数の状態(状態)のいずれかに制御する。該複数の状態は、動作状態と、待機状態と、省電力状態(省電力状態)とを含む。
【0050】
動作状態とは、画像形成装置100が動作(稼動)している状態である。動作状態は、たとえば、画像形成装置100が画像形成処理(プリント処理ともいう。)を実行している状態を含む。待機状態は、画像形成装置100が何ら処理を実行していない状態である。つまり、動作状態が終了したときから、待機状態に制御される。動作状態中および待機状態中に、第1出力部112は、24Vである第1電圧を出力する。また、動作状態中および待機状態中に、第2出力部114は、5Vである第2電圧を出力する。
【0051】
また、所定期間(たとえば、5分間)、待機状態に制御されたときには、省電力状態に制御される。省電力状態は、所定の省電力条件が成立したときに成立する状態である。該省電力状態とは、時刻が所定時刻(たとえば、深夜の時刻)に到達することにより成立する第1条件と、ユーザから操作部50に対して所定の省電力操作が入力されることにより成立する第2条件とを含む。
【0052】
次に、第1出力部112および第2出力部114の構成を説明する。第1出力部112は、商用電源10に接続されている。第1出力部112は、整流器1124と、平滑コンデンサ1126と、トランス1128と、フィードバック部1130と、制御IC1132(Integrated Circuit)などを含む。
【0053】
商用電源10から交流電圧(AC電圧)が印加されると、整流器1124により整流された電圧によって平滑コンデンサ1126の充電を行う。この整流器1124と平滑コンデンサ1126は交流電源からのAC電圧を整流し平滑する整流平滑回路として機能している。該整流し平滑された電圧は、トランス1128に対して供給される。また、フィードバック部1130は、制御IC1132に対して、24Vの電圧出力に対応するフィードバック制御を実行することにより、第1出力部112からの出力電圧を安定化させる。
【0054】
第2出力部114は、第1出力部112と接続されている。第2出力部114は、FET1142(Field effect transistor)と、制御IC1144と、フィードバック部1146とを含む。なお、FET1142は、スイッチング機能を有するものであれば、他の部材を用いるようにしてもよい。FET1142の代わりに、たとえば、バイポーラトランジスタを用いるようにしてもよい。
【0055】
第2出力部114は、5Vの電圧を出力するためには、フィードバック部1146のフィードバック制御により、制御IC1144は、FET1142を連続的に駆動する(オンオフを繰返す)。FET1142はスイッチ部ともいう。この連続的な駆動により、第1出力部112からの24Vの電圧を、5Vに変換する(生成する)。この連続的な駆動をスイッチング制御、またはオンオフ制御ともいう。スイッチング制御により、第2出力部114は、5Vの電圧を出力する。動作状態および待機状態においては、第1出力部112からは24Vの電圧が出力され、第2出力部114からは5Vの電圧が出力される。
【0056】
また、FET1142は、スイッチング制御を実行したときには、スイッチングパルスを検出信号として制御部120に対して送信する。FET1142は、1回のON・OFF制御を実行したときに、1のパルスであるスイッチパルスを検出信号として制御部120に対して送信する。
【0057】
第1出力部112から第2出力部114に供給される電圧が5V以上であれば、たとえば、制御部120が、FET1142にスイッチング制御を実行させる。該スイッチング制御により、第1出力部112からの5V以上の電圧を低下させて、第2出力部114は、5Vの電圧を出力する。
【0058】
また、第1出力部112から第2出力部114に供給される電圧が5V未満であれば、たとえば、制御部120が、FET1142にスイッチング制御を実行させずに、FET1142のON状態を継続させる。該FET1142のON状態の継続により、第1出力部112からの5V未満の電圧を、第2出力部114が出力する。
【0059】
第1調整部122と、第1判断部124と、第2調整部126と、第2判断部128との処理については後述する。
【0060】
制御部120は、フィードバック部1130に対して、電圧可変信号を出力する。電圧可変信号は、たとえば、PWM(Pulse Width Modulation)信号である。PWM信号は、たとえば、デューティー比を示す情報が含まれている。フィードバック部1130は、該デューティー比に応じた電圧を第2電圧から出力させることができる。図4は、電圧が出力される負荷を示した図である。図4に示すように、第1出力部112からは、スイッチ部116を経由して、24Vの電圧が、駆動系負荷204(24V負荷)に対して出力される。駆動系負荷204とは、たとえば、モーター、クラッチなどである。また、第2出力部114からは、5Vの電圧が、制御系負荷202(5V負荷)に対して出力される。制御系負荷202は、たとえば、画像形成処理を制御する画像形成制御部と、操作部50と、通信IF108などである。
【0061】
[比較例の画像形成装置]
図5は、比較例の画像形成装置の電源装置を示す図である。図5の比較例の電源装置の参照符号については、図3で説明した各構成部の参照符号に「A」を付けたものである。また、図6は、比較例の画像形成装置の電源装置において、第1出力部112Aからの出力電圧などを示したものである。図6(A)は、電圧切替信号(図5参照)の出力について示したものである。第1出力部112Aに対して電圧切替信号が送信されている間は、第1出力部112Aは、第1電圧を出力する。第1出力部112Aに対する電圧切替信号の送信が停止されると、第1出力部112Aは、出力電圧を低下させる制御を開始する。
【0062】
図6(B)は、第1出力部112Aからの出力電圧を示したものである。図6(C)は、第2出力部114Aからの出力電圧を示したものである。図6(D)は、FET1142Aの状態を示したものである。図6(D)の1本の縦線は、FET1142Aがスイッチング制御を1回行ったことを示すものである。換言すれば、図6(D)の1本の縦線は、FET1142Aのスイッチング制御のスイッチンパルスを示す。タイミングT0~タイミングT1までは、縦線が密集していることから、FET1142Aがスイッチング制御を頻繁に行っていることを示す。また、横軸は、時間Tを示す。
【0063】
図6の例では、待機状態(タイミングT0~T1)において、第1出力部112Aは、24Vの電圧(第1電圧)を出力するともに、第2出力部114Aは、5Vの電圧を出力している。また、待機状態中のタイミングT1において、省電力条件が成立したとする。この場合には、図5(A)に示すように、タイミングT1において、制御部120Aは、フィードバック部1130Aへの電圧信号切替信号の送信を停止する。
【0064】
制御部120Aが、フィードバック部1130Aへの電圧信号切替信号の送信を停止すると、フィードバック制御を制御IC1132Aに対して実行する。このフィードバック制御は、第2出力部114Aから「5-α」の電圧(図6の例では、「第3電圧」という。)を出力させるための制御である。ただし、0<α<5であるとする。
【0065】
図6においては、24Vから、第3電圧(5-α)まで降下している期間が、移行期間(タイミングT1~タイミングT2までの期間)である。この移行期間では、第2出力部114Aからの出力電圧は降下していることから、FET1142Aがスイッチング制御の実行頻度は、待機状態中の該実行頻度と比較して、低下している(図6(D)の縦線の数が減少している)。タイミングT2で、第1出力部112Aからの出力電圧が「5-α」に到達したとする。
【0066】
ここで、図6に示すように、省電力状態への制御が開始されたタイミングT2、つまり、第1出力部112Aからの出力電圧が「5-α」に到達したタイミングT2からは、FET1142Aによるスイッチング制御が停止される状態となる。つまり、FET1142Aは、FET全導通状態となる。このように、全導通状態となることにより、省電力状態での電力の効率を改善できるとも考えられる。
【0067】
しかしながら、αの値が小さい場合、つまり、第2電圧と第3電圧との電位差が小さい場合には、停止させていたスイッチング制御が実行される場合がある。停止させていたスイッチング制御が実行される原因は、電圧設定(電圧安定化)に関係する部品の温度変動などである。電圧設定に関係する部品は、たとえば、フィードバック部1130A内の部品である。この部品は、たとえば、フィードバック部1130Aに含まれるフィードバック抵抗、基準電圧減、エラーアンプ(オペアンプ)などである。また、スイッチング制御の実行は、電圧設定(電圧安定化)に関係する部品定数にも起因する。部品定数は、この部品それぞれに対応付けられている定数である。
【0068】
一方、αの値が大きい場合、つまり、第2電圧と第3電圧との電位差が大きい場合には、第2出力部114Aからの電圧値が、5Vの許容電圧範囲(公差)の下限値を下回ってしまう場合がある。ここで、5Vの許容電圧範囲の下限値は、一例として、5Vの3%の値である「0.15V」を、5Vから減算した「4.85V」である。第2出力部114Aからの電圧値が、5Vの許容電圧範囲の下限値を下回ってしまった場合には、第2出力部114Aに対応する制御用部品が誤動作し、システム動作の停止や部品破損などが発生するおそれがある。第2出力部114Aに対応する制御用部品は、図4などの例では、制御用負荷である画像形成制御部などである。このように、比較例の画像形成装置100Aにおいて、省電力制御中では、第2出力部114Aは、適切な電圧値の電圧を出力できない。
【0069】
[本実施形態の画像形成装置]
図7は、本実施形態の画像形成装置の電源装置110において、第1出力部112からの出力電圧などを示したものである。図7(A)は、電圧可変信号の出力について示したものである。
【0070】
図7(B)は、第1出力部112からの出力電圧を示したものである。図7(C)は、第2出力部114からの出力電圧を示したものである。図7(D)は、FET1142から検知信号(スイッチングパルス信号)の状態を示したものである。図7(D)の1本の縦線は、FET1142Aがスイッチング制御を1回行ったことを示すものである。たとえば、タイミングT0~タイミングT11までは、縦線が密集していることから、FET1142がスイッチング制御を頻繁に行っており、頻繁に検知信号(スイッチングパルス信号)を制御部120に対して送信していることを示している。
【0071】
タイミングT11~タイミングT12の期間において、第1出力部112は、24Vである第1電圧を、5Vである第2電圧まで下げる。状態制御部130は、タイミングT12から省電力状態に制御する。なお、本実施形態では、タイミングT11~タイミングT12までの時間α、つまり、第1出力部112の出力電圧が24Vから5Vに低下するまでの時間αは、予め、開発者などにより測定される。そして、待機モードが終了したタイミングT11から時間α経過したときに、状態制御部130は、省電力状態に制御する。このような構成によれば、第1出力部112から出力される電圧の電圧値を測定する測定部を必要としない。したがって、部品点数を削減できる。
【0072】
ここで、タイミングT12では、第1出力部112からの電圧の電圧値が低下された時点であることから、FET1142によるスイッチング制御が実行されている場合がある。そこで、本実施形態では、FET1142によるスイッチング制御が実行されないように、第1出力部112からの出力電圧を制御する。
【0073】
この制御の一例を説明する。省電力状態に制御されたときには、制御部120の第2判断部128は、FET1142(スイッチ部)のスイッチング制御が停止された否かを判断する。第2判断部128は、FET1124からの検知信号を受信したときに、FET1142のスイッチング制御が停止されていない(スイッチング制御が実行されている)と判断する。一方、第2判断部128は、FET1124からの検知信号を受信していないときに、FET1142のスイッチング制御が停止していると判断する。
【0074】
制御部120の第2調整部126は、FET1142(スイッチ部)のスイッチング制御が停止されていないと第2判断部128により判断されたときに、第2出力部114から出力される第2電圧を最大の電圧となるように減少させる。ここで、最大の電圧とは、FET1142のスイッチング制御が停止される停止電圧以下の電圧のうち最大の電圧をいう。この最大の電圧とは、「スイッチング停止電圧」ともいう(図9のステップS26参照)。
【0075】
また、第2調整部126の増加対象である「第2出力部114から出力される第2電圧」については、第1出力部112からの電圧であるともいえる。したがって、第2調整部126の増加対象は、「第1出力部112から出力される電圧(第2電圧)」ともいえる。
【0076】
省電力状態において、第2出力部114が、第2電圧として、最大の電圧を出力している場合には、FET1142のスイッチング制御が実行されないことから、「省電力状態中にFET1142のスイッチング制御が実行される画像形成装置」と比較して、省電力状態の効率を向上させることができる。また、5Vの許容電圧範囲の下限値である「4.85V」を下回ることがないことから、第2出力部114に対応する制御用部品(図4参照)が誤動作し、システム動作の停止や部品破損などが発生することを低減できる。
【0077】
以下では、第2調整部126および第2判断部128の処理をさらに説明する。第2調整部126は、FET1142のスイッチング制御が停止されていないと第2判断部128により判断されたときに、第2電圧を最大の電圧(スイッチング停止電圧)となるまで一段階ずつ減少させる。
【0078】
「一段階」とは、第2調整部126により増加させることができる電圧の最小値である。この最小値(一段階の値)は、たとえば、制御部120などの分解能に基づいて定められる。たとえば、制御部120などの分解能が高ければ、この最小値を小さくすることができ、第2電圧を細やかに増加させることができる。一方、制御部120などの分解能が低ければ、この最小値を大きくなる。
【0079】
さらに、詳細に説明すると、第2調整部126は、FET1142のスイッチング制御が停止されていないと第2判断部128により判断されたときに、第2電圧を一段階下げる。第2判断部128は、第2調整部126が第2電圧を一段階下げた後に、FET1142のスイッチング制御が停止されていないか否かを判断する。FET1142のスイッチング制御が停止されたと判断されたときには、制御部120は、FET1142のスイッチング制御が停止されたと第2判断部128により判断されたときの第2電圧を新たな第2電圧(つまり、最大の電圧(スイッチング停止電圧))として第2出力部114から出力させる(第2出力部114からの電圧を再設定する)。
【0080】
一方、FET1142のスイッチング制御が停止されてないと判断されたときには、第2調整部126は、第2電圧をさらに一段階下げる。そして、FET1142のスイッチング制御が停止されてないか否かの判断処理と、第2電圧をさらに一段階下げる低下処理とを繰り返す。制御部120は、FET1142のスイッチング制御が停止されたと第2判断部128により判断されるまで、判断処理と、低下処理とを繰り返す。つまり、第2調整部は、第2電圧を、FET1142のスイッチング制御が停止されたと第2判断部128により判断されるまで、第2電圧を一段階ずつ減少させる。制御部120は、FET1142のスイッチング制御が停止されたと第2判断部128により判断されたときに、該判断されたときの第2電圧を新たな第2電圧(つまり、最大の電圧)として第2出力部114から出力させる。
【0081】
次に、省電力状態中の制御について説明する。第1調整部122は、第2電圧を所定期間経過毎に一段階増加させる。ここで、所定期間とは、図7(D)の再設定間隔をいう。第1調整部122は、再設定間隔ごとのタイミング(図7のタイミングT13、T14、T15、T16…)において第2電圧を一段階増加させる。次に、第1判断部124は、第1調整部122により第2電圧が一段階増加されたときに、スイッチング制御が停止された否かを判断する。この判断は、第2判断部128と同様に、FET1142から送信される検出信号を用いて実行される。
【0082】
さらに、第1調整部122は、スイッチング制御が停止されていると第1判断部124に判断されたときに、第2電圧をさらに一段階増加させる。第1調整部122は、スイッチング制御が停止されていないと第1判断部124に判断されるまで第2電圧を一段階ずつ増加させる。
【0083】
その後、第1調整部122は、スイッチング制御が停止されていないと第1判断部124に判断されたときに、第2電圧をさらに一段階減少させる。第2出力部は、第1調整部122により一段階減少された第2電圧を新たな第2電圧として出力する。
【0084】
[画像形成装置100のフローチャート]
図8および図9は、画像形成装置100による、省電力状態に制御されるときのフローチャートを示したものである。図8および図9を用いて、省電力状態に制御されるときのフローチャートを説明する。
【0085】
まず、図8のステップS2において、制御部120は、省電力移行制御を実行する。この省電力移行制御は、図7のタイミングT12の近傍で実行される処理である。
【0086】
図9は、省電力移行制御のフローチャートを示す図である。ステップS22において、第2判断部128は、スイッチング制御が停止された否かを判断する。前述のように、第2判断部128は、FET1142からの検知信号の有無に基づいて、スイッチング制御が停止された否かを判断する。
【0087】
ステップS22において、NOと判断された場合、つまり、FET1142のスイッチング制御が停止されていないと第2判断部128により判断された場合には、ステップS24に進む。
【0088】
ステップS24において、第2調整部126は、第2電圧を一段階減少させる。その後、ステップS22に戻る。ステップS22においてYESと判断されるまで、つまり、FET1142のスイッチング制御が停止されたと第2判断部128により判断されるまで、ステップS22とステップS24の処理は繰り返される。ステップS22において、YESと判断されると、ステップS26に進む。
【0089】
ステップS26においては、制御部120は、S22でYESと判断された時点での電圧であるスイッチング停止電圧を、新たな第2電圧として第2出力部114から出力させる。
【0090】
説明を図8に戻す。S2の処理が終了すると、S4に進む。S4においては、制御部120は、第2出力部駆動確認制御を実行する。第2出力部駆動確認制御は、図9の処理と同一である。このS4の処理は、省電力状態中のうち、再設定間隔ごとのタイミング(図7のタイミングT13、T14、T15、T16…)以外のタイミングで実行される処理である。
【0091】
S6において、制御部120は、再設定間隔が経過したか否かを判断する。この処理は、たとえば、図7のタイミングT13、T14、T15、T16…に到達したか否かを判断する処理である。S6において、NOと判断された場合、つまり、図7のタイミングT13、T14、T15、T16…に到達していないと判断された場合には、S4に戻る。
【0092】
一方、S6において、YESと判断された場合、つまり、図7のタイミングT13、T14、T15、T16…に到達したと判断された場合には、ステップS8に進む。
【0093】
ステップS8において、第1調整部122は、第2電圧を一段階増加させる。その後、ステップS10において、第1判断部124は、FET1142のスイッチング制御が停止された否かを判断する。ステップS10において、YESと判断された場合には、ステップS8に戻る。また、ステップS10において、NOと判断された場合には、ステップS12に進む。
【0094】
ステップS12において、第1調整部122は、第2電圧をさらに一段階減少させる。ステップS14において、制御部120は、S12で一段階減少された電圧であるスイッチング停止電圧を、新たな第2電圧として第2出力部114から出力させる。
【0095】
また、図7では、再設定間隔に到達したタイミングT13、T14、T15、T16・・・において、複数本の縦線が記載されている(複数回のスイッチング制御が実行されている)。これは、S8~S12でも説明したように、スイッチング制御が実行されるまで(S10でNOと判断されるまで)、敢えて第2電圧を増加させていることに基づく。
【0096】
ステップS14において、制御部120は、省電力状態中であるか否かを判断する。ステップS14において、省電力状態が終了していないと判断された場合には、ステップS6に戻る。なお、変形例として、省電力状態が終了していないと判断された場合には、ステップS4に戻るようにしてもよい。ステップS14において、省電力状態が終了したと判断された場合には、図8の省電力状態制御を終了する。
【0097】
また、省電力状態中に第2出力部114から出力される電圧を「第3電圧」としてもよい。
【0098】
[本実施形態の画像形成装置が奏する効果]
以下に、本実施形態の画像形成装置100が奏する効果を説明する。
【0099】
(1) 本実施形態の画像形成装置100は、省電力状態に制御されたときには、第2電圧をスイッチング停止電圧(最大の電圧)として出力するように、第2電圧を調整する。スイッチング停止電圧とは、FET1142のスイッチング制御が停止される電圧である。換言すれば、省電力状態中の第2電圧は、スイッチング制御が実行される直前の電圧ということもできる。よって、画像形成装置100は、第2出力部114から出力される第2電圧を、動作状態中および待機状態中と、省電力状態中とで略同一とすることができる。換言すれば、画像形成装置100は、第2電圧と第3電圧とを略同一とすることができる。
【0100】
したがって、画像形成装置100は、省電力状態の効率を向上させることができるという第1の効果を奏する。また、スイッチング停止電圧は、第2出力部114から出力される電圧の下限値(4.85V)を下回らない電圧でもある。したがって、第2出力部114に対応する制御用部品が誤動作し、システム動作の停止や部品破損などが発生することを低減できるという第2の効果を奏する。
【0101】
また、従来の画像形成装置に対して、第1の効果および第2の効果を奏するための手段を付加するためには、たとえば、電圧設定(フィードバック制御)に関係する部品として、高精度、かつ温度特性が良い部品を用いる必要がある。さらに、画像形成装置の生産者は、生産ラインでの調整工程が必要となる。そうすると、画像形成装置の製造コストが増大になってしまう。
【0102】
しかしながら、本実施形態の画像形成装置では、高精度、かつ温度特性が良い部品を用いる必要がなく、かつ、画像形成装置の生産者は、生産ラインでの調整工程が必要もない。したがって、画像形成装置の製造コストが増大になってしまうことを防止できる。
【0103】
(2) また、図7のタイミングT12近辺では、図8のS2の処理を実行する。したがって、画像形成装置100は、省電力状態への制御の開始タイミング近辺でも第1の効果および第2の効果を奏する。
【0104】
(3) また、再設定間隔ごとのタイミング(図7のタイミングT13、T14、T15、T16…)以外のタイミングでも図8のステップS4の処理を実行する。したがって、画像形成装置100は、省電力状態中において、FET1142によるスイッチング制御が突発的に実行されたとしても、該スイッチング制御を停止させるようにすることができる。したがって、画像形成装置100は、第1の効果を奏する。
【0105】
(4) 再設定間隔ごとのタイミング(図7のタイミングT13、T14、T15、T16…)において、制御部120は、図8のステップS8~ステップS16の処理を実行する。したがって、再設定間隔ごとのタイミングで、スイッチング停止電圧が新たに設定される。たとえば、省電力状態中において、電圧設定に関係する部品の温度変動などにより、FET1142によるスイッチング制御が実行される電圧が変動する場合がある。この場合であっても、再設定間隔ごとのタイミングで、スイッチング停止電圧が新たに設定されることから、再設定間隔ごとのタイミング以外のタイミングで、FET1142によるスイッチング制御が実行され難くできる。
【0106】
(5) 第2電圧を一段階増加させる処理、および第2電圧を一段階増加させる処理は共に、PWM信号を用いて実行される。したがって、画像形成装置100は、適切に、第2電圧を一段階増加させる処理、および第2電圧を一段階増加させる処理を実行することができる。第2電圧を一段階増加させる処理、および第2電圧を一段階増加させる処理は、たとえば、PWM信号においてデューティー比を変更することにより実行される。
【0107】
なお、変形例として、第2電圧を一段階増加させる処理、および第2電圧を一段階増加させる処理は共に、画像形成装置は、アナログ信号を用いるようにしてもよい。ここで、アナログ信号とは、たとえば、電圧を特定可能な信号である。フィードバック部1130は、該アナログ信号を受信することにより、該アナログ信号により示される電圧を特定する。フィードバック部1130は、該特定した電圧を第1出力部112から出力させる。つまり、制御部120は、第2電圧を一段階増加させる場合には、該一段階増加された第2電圧の電圧値を示すアナログ信号をフィードバック部1130に対して送信する。該フィードバック部1130は、該アナログ信号を受信することにより、アナログ信号により示されている「一段階増加された第2電圧」を第1出力部112から出力させる。これにより、画像形成装置100は、第2電圧を一段階増加させる処理を適切に実行できる。
【0108】
また、制御部120は、第2電圧を一段階減少させる場合には、該一段階減少された第2電圧の電圧値を示すアナログ信号をフィードバック部1130に対して送信する。該フィードバック部1130は、該アナログ信号を受信することにより、アナログ信号により示されている「一段階減少された第2電圧」を第1出力部112から出力させる。これにより、画像形成装置100は、第2電圧を一段階減少させる処理を適切に実行できる。
【0109】
(6) FET1142がスイッチング制御を実行しているか否かの制御部120による判断は、FET1142から送信される検知信号に基づいて実行される。したがって、FET1142とは別の部材が検知信号を制御部120に対して送信する構成と比較して、本実施形態の画像形成装置100は、該別の部材を備える必要がないことから、部品点数を削減できる。
【0110】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態の画像形成装置は、S2の処理(つまり、図9の処理)は、省電力状態に制御するとして説明した。第2実施形態の画像形成装置は、たとえば、図9の処理を画像形成装置の工場から市場への出荷前に実行して、予め、スイッチング停止電圧を決定するものである。該スイッチング停止電圧を決定する場合には、たとえば、画像形成装置のモードを検出モード(検出状態)に制御してから実行する。本実施形態の画像形成装置は、操作部50により検出モードに移行させる移行操作が操作部50に対して実行されたときに、検出モードに移行させる。
【0111】
図10は、検出モードでのフローチャートを示したものである。図10のステップS22~ステップS26については、図9のステップS22~ステップS26と同一であることから、説明を繰り返さない。図10において、ステップS26の終了後には、ステップS28に進む。
【0112】
ステップS28では、画像形成装置は、ステップS26で決定したスイッチング停止電圧の値を不揮発性メモリに格納する。不揮発性メモリとは、たとえば、ROM102である。画像形成装置は、省電力状態のステップS2では、24Vから、該ROM102に格納されているスイッチング停止電圧の値まで、第2電圧を減少させる。
【0113】
第2実施形態の画像形成装置によれば、図8のステップS2を実行する必要がない。したがって、図8での省電力状態制御の処理量を削減できる。
【0114】
また、画像形成装置が市場に出荷された後であっても、図10の処理を実行するようにしてもよい。たとえば、画像形成装置の故障などにより、画像形成装置のサービスマンなどが画像形成装置の部品を交換したとする。この場合には、スイッチング停止電圧に関する特性が変わってしまう場合がある。この場合には、サービスマンは、検出モードに移行させて、図10の処理を画像形成装置に実行させることにより、再度、スイッチング停止電圧を決定する。したがって、スイッチング停止電圧に関する特性が変わったとしても、適切に、スイッチング停止電圧の値を決定することができる。
【0115】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。前述の実施形態では、再設定間隔(たとえば、図8のS6参照)は、一定であるとして説明した。第3実施形態では、所定の要因に応じて、再設定間隔(所定期間)を変更する間隔変更部134の機能を画像形成装置100が有する例を説明する。第3実施形態では、所定の要因は、画像形成装置100内の温度を含む。本実施形態では、画像形成装置内に温度センサー(図示せず)が設置されている。制御部120は、画像形成装置内の温度を検知する温度検出部132の機能を有する。温度検出部132は、温度センサーからの検知信号により、画像形成装置内の温度を検知できる。
【0116】
図11は、画像形成装置内の温度と、再設定間隔との関係を示した図である。図11(A)は、画像形成装置100の状態などを示す。図11(B)は、画像形成装置100内の温度(温度変化)を示す。図11(C)は、間隔変更部134により変更される再設定間隔を示す。
【0117】
第3実施形態の間隔変更部134は、図11に示すように、画像形成装置100内の温度が高ければ高いほど、再設定間隔を短くする。これは、画像形成装置100内の温度が高くなるほど、電圧設定(電圧安定化)に関係する部品の温度も高くなるとともにスイッチング停止電圧が不安定になる(変動し易くなる)という現象に基づく。
【0118】
そこで、本実施形態の間隔変更部134は、スイッチング停止電圧を検出する処理の間隔(つまり、再設定間隔)を、画像形成装置内の温度が高ければ高いほど短くする。つまり、画像形成装置100内の温度が高い状況、換言すれば、スイッチング停止電圧が変動し易くなるという状況であるときには、制御部120がスイッチング停止電圧を検出する処理を頻繁に行う。これにより、画像形成装置100は、変動し易くなっているスイッチング停止電圧に追従することができる。
【0119】
図11の例では、タイミングT31~T32の期間、つまり、待機状態から省電力状態に移行する移行期間では、画像形成装置100内の温度(35度~37度)は、他の期間と比較して相対的に高い。したがって、間隔変更部134は、タイミングT31~T32の期間では、再設定間隔を短い間隔である1msに設定する。
【0120】
省電力状態に制御された直後、つまり、タイミングT32~T33までの期間は、タイミングT31~T32の期間と比較して、画像形成装置内の温度が低い期間である。したがって、間隔変更部134は、タイミングT32~T33までの期間では、1msよりも長い10msに再設定間隔を設定する。
【0121】
タイミングT33~T34の期間、つまり、省電力状態に制御されている期間は、画像形成装置100内の温度が、タイミングT31~T33までの期間での温度と比較して低い期間である。したがって、間隔変更部134は、タイミングT33~T34の期間(省電力状態中)では、10msよりも長い1000msに再設定間隔を設定する。
【0122】
また、タイミングT34~T35の期間、つまり、省電力状態から待機状態に移行する移行期間では、画像形成装置100内の温度が高くなる。したがって、間隔変更部134は、タイミングT34~T35の期間(待機状態中)では、1msに再設定間隔を設定する。
【0123】
本実施形態の画像形成装置によれば、画像形成装置100内の温度が高い期間、つまり、スイッチング停止電圧が変動し易い期間であれば、間隔変更部134は、再設定間隔を短い間隔に設定する。したがって、スイッチング停止電圧が変動し易い期間であっても、画像形成装置100は、変動し易くなっているスイッチング停止電圧に追従することができる。よって、画像形成装置100は、適切にスイッチング停止電圧を検出できる。一方、画像形成装置100内の温度が低い期間、つまり、画像形成装置100内の温度が高い期間と比較して、スイッチング停止電圧の変動が低い期間であれば、間隔変更部134は、再設定間隔を長い間隔に設定する。したがって、画像形成装置100は、スイッチング停止電圧を検出する処理の頻度を低下させることができる。よって、画像形成装置100は、スイッチング停止電圧を検出する処理の負担を軽減できる。
【0124】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、省電力状態中に、たとえば、制御系負荷が駆動される場合がある。省電力状態中に、制御系負荷として、たとえば、操作部50が駆動される場合もあり、画像形成装置100に接続されているUSBメモリ(特に図示せず)が駆動される場合がある。たとえば、省電力状態中に、操作部50に対してユーザからの操作が存在するか否かを判断するために操作部50が駆動される。また、たとえば、電力状態中に、USBメモリが適切に接続されているか否かを判断するためにUSBメモリが駆動される。
【0125】
また、省電力状態中に、これらの負荷を駆動させるときには、駆動信号として、電流が出力される。この電流は、第2出力部114が出力するものとしてもよい。また、この電流は、他の箇所、たとえば、制御部120が出力するものとしてもよい。また、画像形成装置の制御部120(間隔変更部134)は、省電力状態中において、負荷に電流が出力されるタイミングを認識しているとする。
【0126】
さらに、本実施形態では、負荷に対して、電流が出力されるときには、間隔変更部134は、再設定期間を短く設定する。これは、負荷に対して電流が出力されたときには(負荷に対して出力される電流値が変動したときには)、つまり、負荷変動が生じたときには、スイッチング停止電圧が変動し易くなることに基づく。また、本実施形態では、前述の所定の要因は、負荷の駆動の開始、および負荷の駆動の終了を含む。
【0127】
図12は、負荷に対して出力される電流値と、再設定間隔との関係を示した図である。図12(A)は、画像形成装置100の状態などを示す。図12(B)は、操作部50についての負荷としての「負荷A」の駆動状態を示している。図12(C)は、USBメモリについての負荷としての「負荷B」の駆動状態を示している。図12(D)は、負荷Aおよび負荷Bに出力される電流の電流値を示している。図12(E)は、間隔変更部134により変更される再設定間隔を示す。図12に示されるように、省電力状態中は、負荷Aおよび負荷Bのいずれを駆動させないときであっても、所定量(図12の例では0.2A)の電流が制御系負荷に対して出力されている。
【0128】
タイミングT41~T42の移行期間では、間隔変更部134は、再設定間隔を1msに設定する。省電力状態への制御が開始したタイミングT42からは間隔変更部134は、再設定間隔を1000msに設定する。また、間隔変更部134は、負荷Aを駆動する(負荷Aに電流が出力される)タイミングT44よりも前の特定期間前のタイミングT43において、間隔変更部134は、再設定間隔を10msに設定する。この特定期間は予め定められた期間である。
【0129】
その後のタイミングT44において、制御部120により負荷Aが駆動される。タイミングT44から特定期間経過したタイミング45まで、間隔変更部134は、再設定間隔として10msを維持する。該負荷Aが駆動されている期間であるタイミングT45~T46は、間隔変更部134は、再設定間隔を1000msに設定する。該負荷Aが駆動されている期間は、出力されている電流値が一定であることから、スイッチング停止電圧があまり変動しない。したがって、タイミングT45~T46の期間では、間隔変更部134は、長めの再設定間隔に設定する。
【0130】
その後、負荷Aへの駆動を停止する(負荷Aへの電流の出力を停止する)タイミングT47よりも前の特定期間前のタイミングT46において、間隔変更部134は、再設定間隔を10msに設定する。
【0131】
その後、タイミングT47において、制御部120は、負荷Aへの駆動を停止する。該タイミングT47から特定期間経過するタイミングT48まで、間隔変更部134は、再設定間隔として10msを維持する。間隔変更部134は、該タイミングT48で、再設定間隔を1000msに設定する。
【0132】
その後、制御部120が、負荷Bを駆動する(負荷Bに電流が出力される)タイミングT50よりも前の特定期間前のタイミングT49において、間隔変更部134は、再設定間隔を100msに設定する。
【0133】
その後のタイミングT50において、制御部120により負荷Bが駆動される。タイミングT50から特定期間経過したタイミング51まで、間隔変更部134は、再設定間隔として100msを維持する。該負荷Bが駆動されている期間であるタイミングT51~T52は、間隔変更部134は、再設定間隔を1000msに設定する。該負荷Bが駆動されている期間は、出力されている電流値が一定であることから、スイッチング停止電圧があまり変動しない。したがって、タイミングT51~T52の期間では、間隔変更部134は、長めの間隔に設定する。
【0134】
その後、負荷Bへの駆動を停止する(負荷Bへの電流の出力を停止する)タイミングT53よりも前の特定期間前のタイミングT52において、間隔変更部134は、再設定間隔を100msに設定する。
【0135】
その後、タイミングT53において、制御部120は、負荷Bへの駆動を停止する。該タイミングT53から所定時間経過するタイミングT54まで、間隔変更部134は、再設定間隔として100msを維持する。間隔変更部134は、該タイミングT54で、再設定間隔を1000msに設定する。
【0136】
その後、移行期間が開始されるタイミングT55まで、制御部120は、再設定間隔を1000msに維持する。移行期間が開始されるタイミングT55から、間隔変更部134は、再設定間隔を1msに設定する。その後、制御部120は、待機状態が開始されるタイミングT56まで、再設定間隔として1msを維持する。
【0137】
以上のように、本実施形態の間隔変更部134は、省電力状態中において、負荷を駆動するタイミングから特定期間前のタイミング(たとえば、T43、およびT49)で、再設定間隔を短くする。その後、負荷を駆動するタイミングから特定期間後のタイミング(たとえば、T45、およびT51)まで、該短くした再設定間隔を維持する。
【0138】
このように、負荷を駆動するタイミングの前後の期間(つまり、タイミングT43~T45までの期間、およびタイミングT49~T51までの期間)においては、負荷に対して出力される電流値が変動する期間である。この期間は、スイッチング停止電圧が変動しやすい期間である。
【0139】
また、本実施形態の間隔変更部134は、負荷の駆動を停止するタイミングから特定期間前のタイミング(たとえば、T46、およびT52)で、再設定間隔を短くする。その後、負荷の駆動を停止するタイミングから特定期間後のタイミング(たとえば、T48、およびT55)まで、該短くした再設定間隔を維持する。
【0140】
このように、負荷の駆動を停止するタイミングの前後の期間(つまり、タイミングT46~T48までの期間、およびタイミングT52~T54までの期間)においては、負荷に対して出力される電流値が変動する期間である。この期間は、スイッチング停止電圧が変動しやすい期間である。
【0141】
このように、スイッチング停止電圧が変動し易い期間において、画像形成装置は、再設定間隔を短い間隔に設定する。したがって、スイッチング停止電圧が変動し易い期間であっても、画像形成装置は、変動し易くなっているスイッチング停止電圧に追従することができる。よって、画像形成装置は、適切にスイッチング停止電圧を検出できる。
【0142】
さらに、本実施形態の間隔変更部134は、駆動される負荷に応じて、つまり、駆動される負荷に出力される電流値に応じて、再設定間隔を設定する。本実施形態では、駆動される負荷に出力される電流値が大きければ大きいほど、再設定間隔を短く設定する。図12の例では、間隔変更部134は、0.8Aの電流を出力することにより駆動される負荷Aについては、再設定間隔として10msを設定する。また、間隔変更部134は、0.6Aの電流を出力することにより駆動される負荷Bについては、再設定間隔として100msを設定する。一般的に、駆動される負荷に出力される電流値が大きければ大きいほど、スイッチング停止電圧が変動する頻度も増加する傾向にある。つまり、再設定間隔は、負荷A(第1負荷)および負荷B(第2負荷)のうち、省電力状態中に電流が出力された負荷に応じた期間であるともいえる。したがって、駆動される負荷に出力される電流値が大きくなり、スイッチング停止電圧が変動する頻度が増加しても、再設定間隔を短くすることにより、適切にスイッチング停止電圧を検出できる。
【0143】
今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0144】
100 画像形成装置、122 第1調整部、124 第1判断部、126 第2調整部、128 第2判断部、130 状態制御部、132 温度検出部、134 間隔変更部、202 制御系負荷、204 駆動系負荷。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
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図10
図11
図12