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特許7060007ステータ、モータ、電動パワーステアリング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】ステータ、モータ、電動パワーステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/52 20060101AFI20220419BHJP
【FI】
H02K3/52 E
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019505705
(86)(22)【出願日】2017-11-22
(86)【国際出願番号】 JP2017042089
(87)【国際公開番号】W WO2018168090
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2020-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2017048645
(32)【優先日】2017-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小川 裕史
(72)【発明者】
【氏名】荒尾 慶宣
(72)【発明者】
【氏名】山下 佳明
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/026491(WO,A1)
【文献】特開2011-182512(JP,A)
【文献】特開2016-028542(JP,A)
【文献】特開2008-043105(JP,A)
【文献】国際公開第2017/018066(WO,A1)
【文献】特開2016-214034(JP,A)
【文献】特開2014-093880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる中心軸周りに環状に配置され、コイル線が巻き回されるステータコアと、
前記ステータコアの上側に配置される第1サポート部材と、
前記第1サポート部材の上側に配置される第2サポート部材と、を備え、
前記第1サポート部材は、前記ステータコアから引き出される前記コイル線を案内する収容溝を有し、
前記収容溝は、前記第1サポート部材の上面に沿う方向に延びる上側に開口した溝であり、
前記第2サポート部材は、前記コイル線を軸方向に支持する貫通孔を有し、
前記第2サポート部材の少なくとも一部は、軸方向に見て、前記第1サポート部材の前記収容溝と重なり、
前記第1サポート部材は、複数の前記収容溝を有し、隣り合う前記収容溝を隔てる壁部を有し、
複数の前記収容溝が径方向に隣り合って配置され、
軸方向に見て、相対的に長い前記収容溝が径方向内側に配置される、ステータ。
【請求項2】
前記収容溝は、軸方向に見て、直線状である、請求項1に記載のステータ。
【請求項3】
複数の前記収容溝が径方向に隣り合って配置され、
径方向に沿う断面における2つの前記収容溝の底面は、軸方向位置が互いに異なる、請求項に記載のステータ。
【請求項4】
前記第1サポート部材は、前記ステータ側を向くとともに前記中心軸に対して傾斜する下向き傾斜面を有し、前記ステータコアから延びる前記コイル線は、前記下向き傾斜面と軸方向で重なる位置を通って前記収容溝に案内される、請求項1からのいずれか1項に記載のステータ。
【請求項5】
前記収容溝の底面は、前記中心軸に対して傾斜した上向き傾斜面を含む、請求項1からのいずれか1項に記載のステータ。
【請求項6】
前記第1サポート部材を上下方向に貫通する貫通部を有し、
前記第2サポート部材の少なくとも一部は、軸方向に見て前記貫通部と重なり、
前記ステータコアから前記貫通部を経由して前記第2サポート部材に延び、前記第2サポート部材に支持されるコイル線を有する、請求項1からのいずれか1項に記載のステータ。
【請求項7】
前記貫通部は、径方向に延びる区画壁によって第1貫通部と第2貫通部とに区画され、
前記第1貫通部と前記第2貫通部のそれぞれに前記コイル線が通される、請求項に記載のステータ。
【請求項8】
前記区画壁の上面に前記第2サポート部材が接続される、請求項に記載のステータ。
【請求項9】
前記第2サポート部材は、前記収容溝を通って前記第2サポート部材に延びる前記コイル線を支持する第1貫通孔と、前記貫通部を通って前記第2サポート部材に延びる前記コイル線を支持する第2貫通孔と、を有し、
前記第1貫通孔の下面側の開口部と、前記第2貫通孔の下面側の開口部は、軸方向位置が互いに異なる、請求項からのいずれか1項に記載のステータ。
【請求項10】
前記第2サポート部材は、複数の前記貫通孔を有し、
前記第2サポート部材は、隣り合う前記貫通孔の下面側の開口部の間に、径方向に延びる仕切壁を有する、請求項1からのいずれか1項に記載のステータ。
【請求項11】
前記第2サポート部材は、複数の前記貫通孔を有し、
少なくとも2つの前記貫通孔の下面側の開口部は、互いに異なる大きさである、請求項1から10のいずれか1項に記載のステータ。
【請求項12】
前記第2サポート部材は、3つ以上の前記貫通孔を有し、
3つ以上の前記貫通孔の上面側の開口部は、軸方向に見て一方向に並んでいる、請求項1から11のいずれか1項に記載のステータ。
【請求項13】
前記ステータコアに巻き回された前記コイル線により複数の三相巻線組が構成され、それぞれの前記三相巻線組から引き出された前記コイル線が、前記第2サポート部材の前記貫通孔に支持される、請求項1から12のいずれか1項に記載のステータ。
【請求項14】
前記第1サポート部材は、環状または円弧状であり、
前記第1サポート部材は、バスバーを支持する、請求項1から13のいずれか1項に記載のステータ。
【請求項15】
前記バスバーは、中性点用バスバーである、請求項14に記載のステータ。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載のステータと、
前記ステータと隙間を介して対向するロータと、
前記ロータを前記中心軸周りに回転可能に支持するシャフトと、
前記シャフトを支持するベアリングと、
前記ベアリングを保持するベアリングホルダと、を備え、
前記ベアリングホルダを軸方向に貫通するホルダ貫通部を有し、
前記第2サポート部材は、前記ホルダ貫通部に挿入される、モータ。
【請求項17】
前記第2サポート部材の外周面に、前記ホルダ貫通部の壁面と接触するリブを有する、請求項16に記載のモータ。
【請求項18】
前記ベアリングホルダの上側に配置され、前記第2サポート部材から延びる前記コイル線に接続される基板を有する、請求項16または17に記載のモータ。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか1項に記載のモータを備える、電動パワーステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータ、モータ、電動パワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂モールド体に複数のバスバーが埋め込まれたバスバーユニットを備えたモータが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-290921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のバスバーを樹脂モールド体に埋め込んだバスバーユニットは、ユニット自体の製造工数が多くなる。また、モータの結線態様によっては多くのコイル線とバスバーを溶接する必要があり、工程が煩雑になる場合がある。
【0005】
本発明の一態様は、簡素な構造でコイル線の絶縁を確保できるステータおよびモータ、ならびに上記モータを備えた電動パワーステアリング装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様によれば、上下方向に延びる中心軸周りに環状に配置され、コイル線が巻き回されるステータコアと、前記ステータコアの上側に配置される第1サポート部材と、前記第1サポート部材の上側に配置される第2サポート部材と、を備え、前記第1サポート部材は、前記ステータコアから引き出される前記コイル線を案内する収容溝を有し、前記収容溝は、前記第1サポート部材の上面に沿う方向に延びる上側に開口した溝であり、前記第2サポート部材は、前記コイル線を軸方向に支持する貫通孔を有し、前記第2サポート部材の少なくとも一部は、軸方向に見て、前記第1サポート部材の前記収容溝と重なり、前記第1サポート部材は、複数の前記収容溝を有し、隣り合う前記収容溝を隔てる壁部を有し、複数の前記収容溝が径方向に隣り合って配置され、軸方向に見て、相対的に長い前記収容溝が径方向内側に配置される、ステータが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、簡素な構造でコイル線の絶縁を確保できるステータおよびモータ、ならびに上記モータを備えた電動パワーステアリング装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態のモータの断面図である。
図2図2は、実施形態のモータの要部を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態のモータの平面図である。
図4図4は、第1サポート部材の平面図である。
図5図5は、第1サポート部材を上面側から見た斜視図である。
図6図6は、第1サポート部材を下面側から見た斜視図である。
図7図7は、第1サポート部材におけるコイル線の引き回し態様を示すステータの部分斜視図である。
図8図8は、第2サポート部材を下面側から見た斜視図である。
図9図9は、実施形態の電動パワーステアリング装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。 以下の説明においては、中心軸Jの延びる方向を上下方向とする。ただし、本明細書における上下方向は、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向(中心軸Jの軸周り)を単に「周方向」と呼ぶ。
【0010】
なお、本明細書において、軸方向に延びる、とは、厳密に軸方向に延びる場合に加えて、軸方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。また、本明細書において、径方向に延びる、とは、厳密に径方向、すなわち、軸方向に対して垂直な方向に延びる場合に加えて、径方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
【0011】
<モータ> 図1は、本実施形態のモータの断面図である。図2は、本実施形態のモータの要部を示す斜視図である。図3は、本実施形態のモータの平面図である。 モータ1は、ハウジング20と、ロータ30と、ステータ40と、ベアリングホルダ70と、制御基板80と、を備える。モータ1では、制御基板80と、ベアリングホルダ70と、ステータ40とが、上側から下側に向かって、この順に配置される。 ステータ40は、コイル43を含むステータ本体40Aと、ステータ本体40Aから引き出されるコイル線45を支持する第1サポート部材50および第2サポート部材60と、を有する。
【0012】
なお、以下の説明において、第1サポート部材50および第2サポート部材60に支持される複数のコイル線のいずれか又は複数を特定せずに指す場合、単に「コイル線45」と表示する。一方、特定のコイル線を示す場合には、「コイル線45a」、「コイル線45A」のように添字(a、A等)を付した符号を用いて表示する。
【0013】
ハウジング20は、上下方向に延びる筒部21と、筒部21の下端に位置する底壁部23と、上側に開口する開口部20aと、を有する。ハウジング20の内面には、ステータ本体40Aが固定される。ハウジング20の開口部20aには、ベアリングホルダ70が挿入される。ベアリングホルダ70の上面に制御基板80が配置される。制御基板80は、ベアリングホルダ70のホルダ貫通部77から露出するコイル線45と接続される。
【0014】
筒部21は、本実施形態の場合、中心軸Jを中心とする円筒状である。筒部21の形状は、円筒状に限られず、例えば、多角形の筒形としてもよい。 底壁部23は、ステータ40の下側に配置され、下側ベアリング34を保持するベアリング保持部23aと、底壁部23を軸方向に貫通する出力軸孔22と、を有する。
【0015】
ロータ30は、シャフト31を有する。シャフト31は、上下方向に延びる中心軸Jを中心とする。ロータ30は、シャフト31とともに中心軸J周りに回転する。シャフト31の下側の端部は、出力軸孔22を通じてハウジング20の下側へ突出する。
【0016】
上側ベアリング33および下側ベアリング34は、シャフト31を、中心軸周りに回転可能に支持する。下側ベアリング34は、ステータ40の下側において、ベアリング保持部23aに保持される。上側ベアリング33は、ステータ40の上側において、ベアリングホルダ70に保持される。
【0017】
ステータ本体40Aは、ロータ30の径方向外側に位置する。ステータ本体40Aは、ステータコア41と、インシュレータ42と、コイル43と、を有する。インシュレータ42は、ステータコア41のティースに取り付けられる。コイル43は、インシュレータ42に巻き回されるコイル線により構成され、ステータコア41のティースに配置される。ステータ40の外周面は、ハウジング20の内周面に固定される。
【0018】
第1サポート部材50は樹脂製の部材であり、ステータ本体40Aの上面に配置される。第1サポート部材50は、図2および図3に示すように、軸方向に見て円環状である。第1サポート部材50の上面には、樹脂製の第2サポート部材60と、金属製の中性点用バスバー91、92とが配置される。
【0019】
図4は、第1サポート部材の平面図である。図5は、第1サポート部材を上面側から見た斜視図である。図6は、第1サポート部材を下面側から見た斜視図である。
【0020】
第1サポート部材50は、第2サポート部材60と重なる位置に、第1サポート部材50を上下方向に貫通する貫通部56を有する。貫通部56は、本実施形態の場合、径方向外側へ開口する切り欠き部である。貫通部56は、第1サポート部材50を上下方向に貫通する貫通孔であってもよい。
【0021】
貫通部56は、径方向に延びる板状の区画壁58により第1貫通部56aと第2貫通部56bとに区画される。第1貫通部56a、第2貫通部56bはいずれも第1サポート部材50を上下方向に貫通する。 区画壁58は、径方向に見て台形状の外形を有する。区画壁58の上面には、第2サポート部材60の一部が挿入される接続凹部58aが2箇所設けられる。径方向内側の接続凹部58aは位置決め用に径方向に延びる楕円凹部である。径方向外側の接続凹部58aは固定用の丸孔である。区画壁58の下面には、ステータコア41の上面に突き当てられる脚部58bが設けられる。第1サポート部材50はステータコア41に固定される。
【0022】
第1サポート部材50は、4つの収容溝51a、51b、51c、51dを有する。収容溝51a~51cは、第1サポート部材50の上面に開口した溝である。収容溝51a~51cは、上面に沿う方向(中心軸Jと直交する平面に沿う方向)に延びる。収容溝51a~51cは、コイル43から引き出されるコイル線45(図2参照)を収容可能な幅と深さを有する。
【0023】
4つの収容溝51a~51dは、軸方向に見て、貫通部56を挟んだ両側に2つずつ配置される。収容溝51a~51dのうち、2つの収容溝51a、51bは、貫通部56の第1貫通部56a側の側方に位置する。他の2つの収容溝51c、51dは、貫通部56の第2貫通部56b側の側方に位置する。
【0024】
2つの収容溝51a、51bは、貫通部56側の端部において第1貫通部56aと周方向につながる。収容溝51a、51bは第1貫通部56aの内面に開口する。収容溝51a、51bは、第1貫通部56aから貫通部56の側方へ直線状に延びる。収容溝51a、51bが直線状であることにより、コイル43から引き出されるコイル線45を収容溝51a、51bに容易に収容することができる。これにより、ステータ40の組み立て作業性が向上する。なお、コイル線45を直線に沿って配置可能であれば、収容溝51a、51bの形状は様々な形態を採ってもよい。例えば、収容溝51a、51bは、延びる方向の軸線が直線であれば、先端が先細りする形状としてもよい。
【0025】
収容溝51a、51bは、軸方向に見て、径方向に並んで配置される。収容溝51bの径方向内側に位置する収容溝51aは、収容溝51bよりも長い。第1サポート部材50は円環状であるため、直線状の収容溝51a、51bのうち、長い方の収容溝51aを径方向内側に配置することで、第1サポート部材50における収容溝51a、51bの占有面積を小さくできる。径方向に隣り合う収容溝51a、51bの間には、壁部151が設けられる。壁部151によって、収容溝51a、51bに収容されるコイル線45同士の接触が抑制される。
【0026】
収容溝51aの底面は、中心軸Jに対して傾斜した上向き傾斜面55aを含む。収容溝51bの底面は、中心軸Jに対して傾斜した上向き傾斜面55bを含む。上向き傾斜面55a、55bは、いずれも、第1貫通部56aに向かうに従って軸方向位置が高くなる傾斜面である。この構成によれば、コイル線45を、上向き傾斜面55a、55bに沿わせて斜めに引き出すことができる。これにより、コイル線45を直角に曲げることなく、第2サポート部材60が配置される貫通部56へ引き回すことができる。
【0027】
本実施形態の場合、図5に示すように、上向き傾斜面55aと上向き傾斜面55bは、径方向外側から見た周方向位置が重なる領域において、上向き傾斜面55aが上向き傾斜面55bよりも上側に位置する。上向き傾斜面55aと上向き傾斜面55bは中心軸Jに対する傾斜角度が同等であり、上向き傾斜面55aの上端は、上向き傾斜面55bの上端よりも上側に位置する。収容溝51a、51bの底面の軸方向位置を異ならせることで、収容溝51a、51bに収容されるコイル線45同士の接触が抑制される。
【0028】
収容溝51aの貫通部56と反対側の端部は、第1サポート部材50の下面から上方向に延びる案内部57aにつながる。収容溝51bの貫通部56と反対側の端部は、第1サポート部材50の下面から上方向に延びる案内部57bにつながる。本実施形態の場合、案内部57a、57bは、第1サポート部材50の径方向外側および上下方向へ開口する切り欠き部である。案内部57a、57bは、径方向内側へ開口する切欠きであっても良く、第1サポート部材50の下面に開口し、対応する収容溝51a、51bにつながる穴部であってもよい。
【0029】
第1サポート部材50は、図6に示すように、
案内部57aにおいてコイル線45を案内する面として、下側(ステータ本体40A側)を向くとともに中心軸Jに対して傾斜した下向き傾斜面52aを有する。第1サポート部材50は、案内部57bにおいてコイル線45を案内する面として、下側(ステータ本体40A側)を向くとともに中心軸Jに対して傾斜した下向き傾斜面52bを有する。コイル43から引き出されるコイル線45が下向き傾斜面52a、52bに接触することにより、コイル線45は収容溝51a、51bへ向かいやすくなる。そのため、コイル線45を引き出す作業を容易に行うことができる。
【0030】
他の2つの収容溝51c、51dは、収容溝51a、51bと同様の構成を有し、同様の作用効果を奏する。以下では、収容溝51c、51dの構成についてのみ説明する。 収容溝51c、51dは、貫通部56側の端部において第2貫通部56bの内側に開口する。収容溝51c、51dは、第2貫通部56bから貫通部56の側方へ直線状に延びる。収容溝51c、51dは、軸方向に見て、径方向に並んで配置される。収容溝51dの径方向内側に位置する収容溝51cは、収容溝51dよりも長い。径方向に隣り合う収容溝51c、51dの間には、壁部152が設けられる。
【0031】
収容溝51cの底面は、中心軸Jに対して傾斜した上向き傾斜面55cを含む。収容溝51dの底面は、中心軸Jに対して傾斜した上向き傾斜面55dを含む。上向き傾斜面55c、55dは、いずれも、第2貫通部56bに向かうに従って軸方向位置が高くなる傾斜面である。
【0032】
収容溝51cの貫通部56と反対側の端部は、第1サポート部材50の下面から上方向に延びる案内部57cにつながる。収容溝51dの貫通部56と反対側の端部は、第1サポート部材50の下面から上方向に延びる案内部57dにつながる。本実施形態の場合、上向き傾斜面55cと上向き傾斜面55dは、径方向外側から見た周方向位置が重なる領域において、上向き傾斜面55cが上向き傾斜面55dよりも上側に位置する。上向き傾斜面55cと上向き傾斜面55dは中心軸Jに対する傾斜角度が同等であり、上向き傾斜面55cの上端は、上向き傾斜面55dの上端よりも上側に位置する。
【0033】
第1サポート部材50は、図6に示すように、案内部57cのコイル線45を案内する面として、下側(ステータ本体40A側)を向くとともに中心軸Jに対して傾斜した下向き傾斜面52cを有する。第1サポート部材50は、案内部57dのコイル線45を案内する面として、下側(ステータ本体40A側)を向くとともに中心軸Jに対して傾斜した下向き傾斜面52dを有する。
【0034】
図7は、第1サポート部材50におけるコイル線45の引き回し態様を示すステータの部分斜視図である。 第1サポート部材50の収容溝51a、51bは、ステータ本体40Aのコイル43から引き出されるコイル線45を、第1サポート部材50の上面に沿わせて配置し、第2サポート部材60へ案内する。
【0035】
収容溝51aは、案内部57aの下側に位置するコイル43aから延びるコイル線45aを第1貫通部56aへ案内する。コイル43aから上側へ延びるコイル線45aは、案内部57aの下向き傾斜面52aに沿って収容溝51a側へ折り曲げられ、収容溝51a内へ挿入される。コイル線45aは、収容溝51a内を直線状に斜め上方へ延び、第1貫通部56aに達する。コイル線45aは、第1貫通部56a内で上側へ折り曲げられ、貫通部56の上方へ延びた状態で保持される。
【0036】
収容溝51bは、案内部57bの下側に位置するコイル43bから延びるコイル線45bを第2貫通部56bへ案内する。コイル43bから上側へ延びるコイル線45bは、案内部57bの下向き傾斜面52bに沿って収容溝51b側へ折り曲げられ、収容溝51b内へ挿入される。コイル線45bは、収容溝51b内を直線状に斜め上方へ延び、収容溝51b内で上側へ折り曲げられ、収容溝51bの上方へ延びた状態で保持される。コイル線45bは、収容溝51b上で折り曲げられているが、第2貫通部56bにまで延びることも考えられる。そのため、第2貫通部56bにまでコイル線45bが到達してしまったとしても、他のコイル線45aと接触することを避けるため、収容溝51aと収容溝51bとの間に段差を設けている。
【0037】
第1貫通部56aは、第1貫通部56aの下側に位置するコイル43cから延びるコイル線45cを上方へ案内する。コイル線45cは、コイル43cから上方へ延び、第1貫通部56a内に挿入される。コイル線45cは、第1貫通部56a内で区画壁58の上向き傾斜面58cに沿って区画壁58側へ折り曲げられ、区画壁58上で上側へ折り曲げられる。コイル線45cは、区画壁58の上方へ延びた状態で保持される。 コイル線45cは、第1サポート部材50の収容溝51a、51bを通らずに第2サポート部材60へ引き回される。このようなコイル線45cを設けることで、第1サポート部材50における収容溝51a~51dの数を減らすことができ、コイル線45を引き回す際の作業性が向上する。
【0038】
収容溝51c、51d、第2貫通部56bは、上記に説明した収容溝51a、51b、第1貫通部56aと同様に、コイル43から引き出されるコイル線45を、貫通部56または収容溝51dの上方へ案内する。これにより、第1サポート部材50は、図7に示すように、6本のコイル線45を貫通部56の上方へ延びた状態で保持する。第1サポート部材50から上方へ延びるコイル線45は、後述する第2サポート部材60の貫通孔61に挿入される。
【0039】
第1サポート部材50は、図6に示すように、下面から下側(ステータ本体40A側)へ突出する複数の脚部50b、58bを有する。第1サポート部材50は、脚部50b、58bの下端面においてステータ本体40Aに接触する。この構成により、第1サポート部材50とステータ本体40Aとの間に空間を保持でき、コイル43から引き出されるコイル線45を引き回すことができる。
【0040】
図3に示すように、第1サポート部材50は、中性点用バスバー91の両端が挿入されるバスバー収容部53a、53dと、中性点用バスバー91を保持する2箇所のバスバー保持部53b、53cとを有する。第1サポート部材50は、中性点用バスバー92の両端が挿入されるバスバー収容部54a、54dと、中性点用バスバー92を保持する2箇所のバスバー保持部54b、54cと、を有する。中性点用バスバー91および中性点用バスバー92は、帯状の金属板を2箇所で30°程度折り曲げた弧状の導電部材である。中性点用バスバー91および中性点用バスバー92は、円環状の第1サポート部材50に沿って配置される。
【0041】
第1サポート部材50のバスバー収容部53a、53dおよびバスバー保持部53b、53cは、中性点用バスバー91を挿入するスリットを有する。中性点用バスバー91は、板面が中心軸Jを向くようにバスバー収容部53a、53dおよびバスバー保持部53b、53cのスリットに挿入される。バスバー保持部53b、53cは、中性点用バスバー91の2箇所の折り曲げ部を保持する。
【0042】
中性点用バスバー91は、バスバー収容部53a、53dおよびバスバー保持部53b、53cのスリットの間に延びる直線状部分において、コイル線45A、45B、45Cと接続される。コイル43から引き出されるコイル線45Aは、バスバー収容部53aとバスバー保持部53bとの中間位置において上側へ延びた状態で第1サポート部材50に支持され、中性点用バスバー91の直線部分91Aと溶接等により接続される。
【0043】
同様に、コイル線45Bは、バスバー保持部53bとバスバー保持部53cとの中間位置において、中性点用バスバー91の直線部分91Bと接続される。コイル線45Cは、バスバー保持部53cとバスバー収容部53dとの中間位置において、中性点用バスバー91の直線部分91Cと接続される。
【0044】
バスバー収容部54a、54dおよびバスバー保持部54b、54cは、バスバー収容部53a、53dおよびバスバー保持部53b、53cと同様の構成を備える。中性点用バスバー92は、バスバー収容部54a、54dおよびバスバー保持部54b、54cのスリットに挿入され、バスバー収容部54a、54dおよびバスバー保持部54b、54cのスリットの中間位置において、コイル線45D、45E、45Fと接続される。
【0045】
本実施形態のステータ40では、第1サポート部材50に中性点用バスバー91、92を保持していることで、ステータ40内で中性点接続を行うことができ、コイル線45を効率よく引き回すことができる。また、中性点用バスバー91、92は単純な形状のバスバーでよいため、構造も簡素化することができる。 なお、第1サポート部材50に保持されるバスバーは、中性点用バスバーに限られず、三相回路のU相、V相、W相を接続する相用バスバーであってもよい。
【0046】
本実施形態のステータ40は、6個のコイル43からなる三相巻線組を、周方向に2組配置した構成を有する。一方の三相巻線組は、中性点用バスバー91に中性点を接続され、図7に示すコイル線45a~45cが三相の相用配線として引き出される。他方の三相巻線組は、中性点用バスバー92に中性点を接続され、コイル線45d~45fが相用配線として引き出される。これらの三相巻線組から引き出された6本のコイル線45a~45fが、後述する第2サポート部材60の貫通孔61に挿入される。
【0047】
図8は、第2サポート部材を下面側から見た斜視図である。 第2サポート部材60は、図1から図4に示すように、第1サポート部材50の貫通部56の上側に配置される。第2サポート部材60は、樹脂成形部材であり、コイル線45をそれぞれ保持する6つの貫通孔61を有する。
【0048】
なお、以下の説明において、複数の貫通孔61のいずれか又は複数を特定せずに指す場合、単に「貫通孔61」と表示する。一方、特定の貫通孔を示す場合には、「貫通孔61a」のように添字(a等)を付した符号を用いて表示する。
【0049】
第2サポート部材60は、図1および図8に示すように、下部に位置する下部支持部60Aと、下部支持部60Aから上方に突出する上部支持部60Bとを有する。6つの貫通孔61は、下部支持部60Aと上部支持部60Bを軸方向に貫通する。下部支持部60Aは、図3に示すように、軸方向に見て、上部支持部60Bよりも大きい平面領域を有する。
【0050】
下部支持部60Aは、第1サポート部材50から延びる6本のコイル線45を、それぞれに対応する貫通孔61(61a~61f)へ案内する構成を備える。貫通孔61a~61fは、下部支持部60Aの下面に開口する。下部支持部60Aの下面において、中央の2つの貫通孔(第1貫通孔)61c、61fの開口位置は、他の4つの貫通孔(第2貫通孔)61a、61b、61d、61eよりも下側である。貫通孔61a、61b、61d、61eの開口位置は、軸方向において同じ高さ位置である。
【0051】
貫通孔61c、61fは、コイル43から貫通部56へ直接引き出されたコイル線45c、45fが挿入される貫通孔である。これらの貫通孔61c、61fの下側の開口位置を、他の貫通孔61の下側の開口位置よりも低くしたことで、コイル線45c、45fと他のコイル線45との接触を避けることができる。
【0052】
下部支持部60Aにおいて、貫通孔61a、61dには、第1サポート部材50の収容溝51a、51cを経由して引き回されたコイル線45a、45d(図7参照)が挿入される。貫通孔61b、61eには、収容溝51b、51dを経由して引き回されたコイル線45b、45eが挿入される。貫通孔61c、61fには、コイル43から貫通部56へ直接引き出されたコイル線45c、45fが挿入される。
【0053】
貫通孔61a~61fは、下部支持部60Aの下面における開口径が、上部支持部60Bの上面における開口径
よりも大きい。この構成により、コイル線45a~45fを貫通孔61a~61fに挿入しやすくなり、作業性が向上する。
【0054】
本実施形態では、中央の2つの貫通孔61c、61fの下面側の開口径が、他の貫通孔61a、61b、61d、61eの下面側の開口径よりも大きい。コイル線45a~45fを貫通孔61a~61fに挿入する際には、最も下側に開口する貫通孔61c、61fに、最初にコイル線45c、45fが挿入される。このときに、貫通孔61c、61fの開口径が大きいことで、コイル線45c、45fの位置調整が行いやすくなり、挿入作業が容易になる。
【0055】
なお、6つの貫通孔61のうち、外側に位置する貫通孔61a、61b、61d、61eの下側の開口径が、中央の貫通孔61c、61fの下側の開口径よりも大きい構成としてもよい。外側の貫通孔61a、61b、61d、61eに挿入されるコイル線45a、45b、45d、45eは、収容溝51a~51dを経由して引き回される。そのため、貫通部56へ直接引き出されるコイル線45c、45fと比較して、貫通孔61に対する位置合わせが難しい。そこで、外側の貫通孔61a、61b、61d、61eの下側の開口径を大きくすることで、コイル線45を貫通孔61に挿入しやすくなる。
【0056】
下部支持部60Aは、隣り合う2つの貫通孔61c、61fの間から下側へ突出し、第1サポート部材50と接触する基台部63を有する。基台部63は、下面から下側へ突出する2つの凸部62を有する。凸部62は、第1サポート部材50の区画壁58に設けられる接続凹部58aに挿入される。基台部63は、凸部62と接続凹部58aとにより位置決めされた状態で区画壁58上に配置される。
【0057】
下部支持部60Aは、下面から下方へ延びる板状の2つの仕切壁64を有する。一方の仕切壁64は、貫通孔61a、61bの間に位置する。他方の仕切壁64は、貫通孔61d、61eの間に位置する。仕切壁64は、図3に示すように、下部支持部60Aの径方向内側へ突出して延びる。仕切壁64が設けられていることで、貫通孔61a、61bに挿入されるコイル線45a、45bの接触、並びに、貫通孔61d、61eに挿入されるコイル線45d、45eの接触を避けることができる。
【0058】
第2サポート部材60は、図4に示すように、第1サポート部材50上に配置されたときに、軸方向に見て、4つの収容溝51a~51dの少なくとも一部と重なる。より詳細には、第2サポート部材60は、2つの収容溝51b、51dを上側から覆う。第2サポート部材60は。収容溝51a、51cの貫通部56側の端部を上側から覆う。2つの仕切壁64は、それぞれ収容溝51a、51c上を斜めに横切る位置に配置される。第2サポート部材60は、第1サポート部材50の貫通部56を上側から覆う。
【0059】
上部支持部60Bは、下部支持部60Aの上面から軸方向上側へ柱状に延びる。図3に示すように、上部支持部60Bにおいて、6つの貫通孔61は、軸方向に見て一方向に等間隔に並んでいる。すなわち、上部支持部60Bは、モータ1から突出する6本のコイル線45を、一方向に等間隔に並んだ状態で保持する。このようにコイル線45を整列した状態で保持することで、コイル線45と制御基板80との接続を精度よく容易に行うことができる。また、コイル線45と制御基板80と接続の自動化も容易な構成となる。
【0060】
第2サポート部材60は、上部支持部60Bの外周面に、複数のリブ67を有する。リブ67は、軸方向に延びる細長い突起である。リブ67は、本実施形態のモータ1において、上部支持部60Bを所定位置に固定する。 図1に示すように、ベアリングホルダ70には、軸方向に貫通する貫通孔からなるホルダ貫通部77が設けられる。上部支持部60Bは、ハウジング20にベアリングホルダ70が取り付けられた状態で、ホルダ貫通部77に挿入される。リブ67は、ホルダ貫通部77の内周面に接触又は押し当てられる。この構成により、上部支持部60Bは、軸方向に見て、ホルダ貫通部77内の所定位置に精度よく配置される。これにより、上部支持部60Bに保持されたコイル線45が、ベアリングホルダ70上の所定位置に精度よく配置されることとなる。その結果、ベアリングホルダ70上に配置される制御基板80に対してコイル線45が精度よく配置されるので、制御基板80とコイル線45との接続を精度よく容易に行うことができる。
【0061】
上記構成を備えた本実施形態のステータ40によれば、第1サポート部材50と第2サポート部材60とを別々の部材としたことで、第2サポート部材60を取り付けない状態で第1サポート部材50におけるコイル線45の引き回しを行うことができる。これにより、コイル線45を引き回す際の作業性が向上する。 コイル線45を所定位置に保持する第1サポート部材50に対して、第2サポート部材60を取り付けることで、第2サポート部材60が収容溝51a~51dの一部を軸方向に覆うので、収容溝51a~51dに収容されたコイル線45が上側へ浮くのを抑え、絶縁性を確保することができる。 第1サポート部材50および第2サポート部材60は、金属部品のインサート成形が不要であり、樹脂成形のみで作製できるため、簡素な構造でコイル線45の絶縁を確保できる。 本実施形態のモータ1によれば、ステータ40において簡素な構造で絶縁性を確保することができる。
【0062】
なお、本実施形態では、第1サポート部材50が円環状である場合について説明したが、第1サポート部材50は環状に限られず、周方向において一部が途切れた形状であってもよい。例えば、第1サポート部材50は、周方向に延びる円弧状や折線形状とすることができる。
【0063】
モータ1において、複数のコイル43は、複数の接続系統を構成する。具体的には、複数のコイル43は、図7に示した3本のコイル線45a~45cを相用端子とする第1接続系統と、コイル線45d~45fを相用端子とする第2接続系統と、を構成する。これにより、いずれかの接続系統に不具合が生じた場合であっても、モータ1に電流を供給することができる。上記の第1接続系統および第2接続系統は、それぞれに含まれるコイル43がスター結線によって接続された三相回路によって構成される。なお、複数の接続系統とは、電気的に接続される外部電源がそれぞれ異なり、接続系統ごとに独立して電流が供給される複数の回路である。
【0064】
本実施形態では、1つの第2サポート部材60によって6本のコイル線45を支持する構成としたが、第2サポート部材60を二分割し、分割したそれぞれの第2サポート部材が3本ずつのコイル線45を支持する構成としてもよい。これにより、例えば、第1接続系統と第2接続系統の三相巻線組のコイル線45を別々の位置に配置することができる。なお、モータ1は、3つ以上の接続系統を有する構成としてもよい。
【0065】
<電動パワーステアリング装置> 次に、本実施形態のモータ1を搭載する装置の実施形態について説明する。本実施形態においては、モータ1を電動パワーステアリング装置に搭載した例について説明する。図9は、本実施形態の電動パワーステアリング装置2を示す模式図である。
【0066】
電動パワーステアリング装置2は、自動車の車輪の操舵機構に搭載される。本実施形態の電動パワーステアリング装置2は、モータ1の動力により操舵力を直接的に軽減するラック式のパワーステアリング装置である。電動パワーステアリング装置2は、モータ1と、操舵軸914と、車軸913と、を備える。
【0067】
操舵軸914は、ステアリング911からの入力を、車輪912を有する車軸913に伝える。モータ1の動力は、図示略のボールねじを介して、車軸913に伝えられる。ラック式の電動パワーステアリング装置2に採用されるモータ1は、車軸913に取り付けられ外部に露出しているため、防水構造を必要とする。
【0068】
本実施形態の電動パワーステアリング装置2は、本実施形態のモータ1を備える。このため、本実施形態と同様の効果を奏する電動パワーステアリング装置2が得られる。 なお、ここでは、本実施形態のモータ1の使用方法の一例として電動パワーステアリング装置2を挙げたが、モータ1の使用方法は限定されない。
【符号の説明】
【0069】
1…モータ、2…電動パワーステアリング装置、20a…開口部、30…ロータ、31…シャフト、40…ステータ、41…ステータコア、43,43a,43b,43c…コイル、45,45a~45d,45A~45D…コイル線、50…第1サポート部材、51a,51b,51c,51d…収容溝、52a,52b,52c,52d…下向き傾斜面、55a,55b,55c,55d,58c…上向き傾斜面、56…貫通部、56a…第1貫通部、56b…第2貫通部、58…区画壁、60…第2サポート部材、61,61a,61b,61c,61d,61e…貫通孔、64…仕切壁、67…リブ、70…ベアリングホルダ、77…ホルダ貫通部、91,92…中性点用バスバー、151,152…壁部、911…ステアリング、J…中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9