(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】保守管理装置、システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20220419BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
(21)【出願番号】P 2019042152
(22)【出願日】2019-03-08
【審査請求日】2020-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000232140
【氏名又は名称】NECフィールディング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】武内 正和
【審査官】上嶋 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-242060(JP,A)
【文献】特開2018-142256(JP,A)
【文献】特開2002-145451(JP,A)
【文献】特開2003-256730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記憶する記憶部と、
前記記憶部を制御するとともに、所定の情報処理を行う制御部と、
を備え、
前記記憶部は、
保守契約された保守対象機器に関する情報を管理する保守契約データベースと、
交換部品の在庫数量を管理する部品在庫データベースと、
保守対象機器に対応する交換部品を管理する交換部品データベースと、
障害が発生したときの機器とその時に交換した交換部品の種類及び数量とを管理する障害履歴データベースと、
を記憶し、
前記制御部は、
所定期間の間に前記保守契約データベース又は前記部品在庫データベースの内容に変動が生じたか否かを判断する処理と、
前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベース、前記交換部品データベース、及び、前記障害履歴データベースに基づいて、各交換部品の適正在庫数量を算出する処理と、
前記各交換部品に基づいて、前記部品在庫データベースを参照して、前記各交換部品の実在庫数量を算出する処理と、
前記各交換部品について前記実在庫数量が前記適正在庫数量以上であるか否かを判断する処理と、
前記各交換部品のいずれかについて前記実在庫数量が前記適正在庫数量未満である場合、不足する前記各交換部品について前記実在庫数量と前記適正在庫数量との差から交換部品の不足数量を算出する処理と、
算出された前記不足数量を用いて発注処理する処理と、
を行
い、
前記内容の変動は、前記保守契約データベースへの保守契約の削除、又は、変更を含む、
保守管理装置。
【請求項2】
前記各交換部品の前記適正在庫数量を算出する処理では、
前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベースに基づいて、各保守対象機器を特定し、前記各保守対象機器の数量を算出する処理と、
前記各保守対象機器に基づいて、前記交換部品データベースを参照して、各交換部品を特定する処理と、
算出された前記各保守対象機器の数量、及び、前記各交換部品に基づいて、前記障害履歴データベースを参照して、前記各交換部品の前記適正在庫数量を算出する処理と、
を行う、
請求項1記載の保守管理装置。
【請求項3】
前記各交換部品の適正在庫数量を算出する処理では、
前記各交換部品に基づいて、前記障害履歴データベースを参照して、前記各交換部品の個数を算出する処理と、
算出された前記各交換部品の個数に、対応する、算出された前記各保守対象機器の数量を積算する処理と、
を行う、
請求項2記載の保守管理装置。
【請求項4】
データを出力する出力部をさらに備え、
前記発注処理する処理では、
計算された前記不足数量を追加するための発注書を生成する処理と、
生成された前記発注書を前記出力部から出力する処理と、
を行う、
請求項1乃至3のいずれか一に記載の保守管理装置。
【請求項5】
前記内容の変動は、前記保守契約データベースへの保守契約の追
加を含む、
請求項1乃至4のいずれか一に記載の保守管理装置。
【請求項6】
顧客が使用する顧客端末と通信可能に接続する通信部をさらに備え、
前記保守契約データベースへの保守契約の追加は、前記顧客端末からの保守契約申し込み情報による保守契約の追加を含む、
請求項5記載の保守管理装置。
【請求項7】
データを入力する入力部をさらに備え、
前記保守契約データベースへの保守契約の追加、削除、又は、変更は、前記入力部の操作による保守契約の追加、削除、又は、変更を含む、
請求項5又は6記載の保守管理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一に記載の保守管理装置と、
前記保守管理装置と通信可能に接続するとともに顧客が使用する顧客端末と、
を備える、
保守管理システム。
【請求項9】
保守契約された保守対象機器に関する情報を管理する保守契約データベースと、
交換部品の在庫数量を管理する部品在庫データベースと、
保守対象機器に対応する交換部品を管理する交換部品データベースと、
障害が発生したときの機器とその時に交換した交換部品の種類及び数量とを管理する障害履歴データベースと、
を記憶する保守管理装置を用いて保守を管理する保守管理方法であって、
所定期間の間に前記保守契約データベース又は前記部品在庫データベースの内容に変動が生じたか否かを判断するステップと、
前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベース、前記交換部品データベース、及び、前記障害履歴データベースに基づいて、各交換部品の適正在庫数量を算出するステップと、
前記各交換部品に基づいて、前記部品在庫データベースを参照して、前記各交換部品の実在庫数量を算出するステップと、
前記各交換部品について前記実在庫数量が前記適正在庫数量以上であるか否かを判断するステップと、
前記各交換部品のいずれかについて前記実在庫数量が前記適正在庫数量未満である場合、不足する前記各交換部品について前記実在庫数量と前記適正在庫数量との差から交換部品の不足数量を算出するステップと、
算出された前記不足数量を用いて発注処理するステップと、
を含
み、
前記内容の変動は、前記保守契約データベースへの保守契約の削除、又は、変更を含む、
保守管理方法。
【請求項10】
保守契約された保守対象機器に関する情報を管理する保守契約データベースと、
交換部品の在庫数量を管理する部品在庫データベースと、
保守対象機器に対応する交換部品を管理する交換部品データベースと、
障害が発生したときの機器とその時に交換した交換部品の種類及び数量とを管理する障害履歴データベースと、
を記憶する保守管理装置で実行されるプログラムであって、
所定期間の間に前記保守契約データベース又は前記部品在庫データベースの内容に変動が生じたか否かを判断する処理と、
前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベース、前記交換部品データベース、及び、前記障害履歴データベースに基づいて、各交換部品の適正在庫数量を算出する処理と、
前記各交換部品に基づいて、前記部品在庫データベースを参照して、前記各交換部品の実在庫数量を算出する処理と、
前記各交換部品について前記実在庫数量が前記適正在庫数量以上であるか否かを判断する処理と、
前記各交換部品のいずれかについて前記実在庫数量が前記適正在庫数量未満である場合、不足する前記各交換部品について前記実在庫数量と前記適正在庫数量との差から交換部品の不足数量を算出する処理と、
算出された前記不足数量を用いて発注処理する処理と、
を実行さ
せ、
前記内容の変動は、前記保守契約データベースへの保守契約の削除、又は、変更を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保守に関する情報を管理する保守管理装置、システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
保守対象となっている機器や装置の交換部品、工具、治具等の在庫数量は、通常、各倉庫や拠点で管理されている。在庫数量に不足が生じそうになった時には、作業者、管理者等の経験に基づいて、不足分を発注して補充している。また、近年においては、情報処理装置を用いて、機器や装置の保守作業の予定に応じて交換部品の必要数量を算出し、算出された必要数量に応じて交換部品の手配を要求する在庫管理システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の分析は、本願発明者により与えられる。
【0005】
しかしながら、特許文献1のように保守作業の予定に応じて交換部品の手配を行っていたのでは、保守契約数の増減に対応することができず、交換部品の在庫数量の過不足が生ずる。つまり、保守契約数が増加したにもかかわらず保守作業の予定に応じて交換部品の手配を行っていたのでは保守契約数が増加した分の交換部品が不足する可能性があり、保守契約数が減少したにもかかわらず保守作業の予定に応じて交換部品の手配を行っていたのでは保守契約数が減少した分の交換部品が過剰になる可能性がある。そのため、保守契約数の増減による交換部品の在庫数量の過不足を抑制するには、作業者、管理者等の経験に頼らざるを得ず、交換部品の在庫数量の見直しに時間を要することになる。
【0006】
本発明の主な課題は、保守契約の変動による交換部品の在庫数量の過不足を抑制することに貢献することができる保守管理装置、システム、方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の視点に係る保守管理装置は、データを記憶する記憶部と、前記記憶部を制御するとともに、所定の情報処理を行う制御部と、を備える。前記記憶部は、保守契約された保守対象機器に関する情報を管理する保守契約データベースと、交換部品の在庫数量を管理する部品在庫データベースと、保守対象機器に対応する交換部品を管理する交換部品データベースと、障害が発生したときの機器とその時に交換した交換部品の種類及び数量とを管理する障害履歴データベースと、を記憶する。前記制御部は、所定期間の間に前記保守契約データベース又は前記部品在庫データベースの内容に変動が生じたか否かを判断する処理と、前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベース、前記交換部品データベース、及び、前記障害履歴データベースに基づいて、各交換部品の適正在庫数量を算出する処理と、前記各交換部品に基づいて、前記部品在庫データベースを参照して、前記各交換部品の実在庫数量を算出する処理と、前記各交換部品について前記実在庫数量が前記適正在庫数量以上であるか否かを判断する処理と、前記各交換部品のいずれかについて前記実在庫数量が前記適正在庫数量未満である場合、不足する前記各交換部品について前記実在庫数量と前記適正在庫数量との差から交換部品の不足数量を算出する処理と、算出された前記不足数量を用いて発注処理する処理と、を行う。
前記第1の視点の変形として、保守管理装置は、データを記憶する記憶部と、前記記憶部を制御するとともに、所定の情報処理を行う制御部と、を備える。前記記憶部は、保守契約された保守対象機器に関する情報を管理する保守契約データベースと、交換部品の在庫数量を管理する部品在庫データベースと、保守対象機器に対応する交換部品を管理する交換部品データベースと、障害が発生したときの機器とその時に交換した交換部品の種類及び数量とを管理する障害履歴データベースと、を記憶する。前記制御部は、所定期間の間に前記保守契約データベース又は前記部品在庫データベースの内容に変動が生じたか否かを判断する処理と、前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベース、前記交換部品データベース、及び、前記障害履歴データベースに基づいて、各交換部品の適正在庫数量を算出する処理と、前記各交換部品に基づいて、前記部品在庫データベースを参照して、前記各交換部品の実在庫数量を算出する処理と、前記各交換部品について前記実在庫数量が前記適正在庫数量以上であるか否かを判断する処理と、前記各交換部品のいずれかについて前記実在庫数量が前記適正在庫数量未満である場合、不足する前記各交換部品について前記実在庫数量と前記適正在庫数量との差から交換部品の不足数量を算出する処理と、算出された前記不足数量を用いて発注処理する処理と、を行い、前記内容の変動は、前記保守契約データベースへの保守契約の削除、又は、変更を含む。
【0008】
第2の視点に係る保守管理システムは、前記第1の視点に係る保守管理装置と、前記保守管理装置と通信可能に接続するとともに顧客が使用する顧客端末と、を備える。
【0009】
第3の視点に係る保守管理方法は、保守契約された保守対象機器に関する情報を管理する保守契約データベースと、交換部品の在庫数量を管理する部品在庫データベースと、保守対象機器に対応する交換部品を管理する交換部品データベースと、障害が発生したときの機器とその時に交換した交換部品の種類及び数量とを管理する障害履歴データベースと、を記憶する保守管理装置を用いて保守を管理する。前記保守管理方法は、所定期間の間に前記保守契約データベース又は前記部品在庫データベースの内容に変動が生じたか否かを判断するステップと、前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベース、前記交換部品データベース、及び、前記障害履歴データベースに基づいて、各交換部品の適正在庫数量を算出するステップと、前記各交換部品に基づいて、前記部品在庫データベースを参照して、前記各交換部品の実在庫数量を算出するステップと、前記各交換部品について前記実在庫数量が前記適正在庫数量以上であるか否かを判断するステップと、前記各交換部品のいずれかについて前記実在庫数量が前記適正在庫数量未満である場合、不足する前記各交換部品について前記実在庫数量と前記適正在庫数量との差から交換部品の不足数量を算出するステップと、算出された前記不足数量を用いて発注処理するステップと、を含む。
前記第3の視点の変形として、保守管理方法は、保守契約された保守対象機器に関する情報を管理する保守契約データベースと、交換部品の在庫数量を管理する部品在庫データベースと、保守対象機器に対応する交換部品を管理する交換部品データベースと、障害が発生したときの機器とその時に交換した交換部品の種類及び数量とを管理する障害履歴データベースと、を記憶する保守管理装置を用いて保守を管理する。前記保守管理方法は、所定期間の間に前記保守契約データベース又は前記部品在庫データベースの内容に変動が生じたか否かを判断するステップと、前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベース、前記交換部品データベース、及び、前記障害履歴データベースに基づいて、各交換部品の適正在庫数量を算出するステップと、前記各交換部品に基づいて、前記部品在庫データベースを参照して、前記各交換部品の実在庫数量を算出するステップと、前記各交換部品について前記実在庫数量が前記適正在庫数量以上であるか否かを判断するステップと、前記各交換部品のいずれかについて前記実在庫数量が前記適正在庫数量未満である場合、不足する前記各交換部品について前記実在庫数量と前記適正在庫数量との差から交換部品の不足数量を算出するステップと、算出された前記不足数量を用いて発注処理するステップと、を含み、前記内容の変動は、前記保守契約データベースへの保守契約の削除、又は、変更を含む。
【0010】
第4の視点に係るプログラムは、保守契約された保守対象機器に関する情報を管理する保守契約データベースと、交換部品の在庫数量を管理する部品在庫データベースと、保守対象機器に対応する交換部品を管理する交換部品データベースと、障害が発生したときの機器とその時に交換した交換部品の種類及び数量とを管理する障害履歴データベースと、を記憶する保守管理装置で実行される。前記プログラムは、所定期間の間に前記保守契約データベース又は前記部品在庫データベースの内容に変動が生じたか否かを判断する処理と、前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベース、前記交換部品データベース、及び、前記障害履歴データベースに基づいて、各交換部品の適正在庫数量を算出する処理と、前記各交換部品に基づいて、前記部品在庫データベースを参照して、前記各交換部品の実在庫数量を算出する処理と、前記各交換部品について前記実在庫数量が前記適正在庫数量以上であるか否かを判断する処理と、前記各交換部品のいずれかについて前記実在庫数量が前記適正在庫数量未満である場合、不足する前記各交換部品について前記実在庫数量と前記適正在庫数量との差から交換部品の不足数量を算出する処理と、算出された前記不足数量を用いて発注処理する処理と、を実行させる。
前記第4の視点の変形として、プログラムは、保守契約された保守対象機器に関する情報を管理する保守契約データベースと、交換部品の在庫数量を管理する部品在庫データベースと、保守対象機器に対応する交換部品を管理する交換部品データベースと、障害が発生したときの機器とその時に交換した交換部品の種類及び数量とを管理する障害履歴データベースと、を記憶する保守管理装置で実行される。前記プログラムは、所定期間の間に前記保守契約データベース又は前記部品在庫データベースの内容に変動が生じたか否かを判断する処理と、前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベース、前記交換部品データベース、及び、前記障害履歴データベースに基づいて、各交換部品の適正在庫数量を算出する処理と、前記各交換部品に基づいて、前記部品在庫データベースを参照して、前記各交換部品の実在庫数量を算出する処理と、前記各交換部品について前記実在庫数量が前記適正在庫数量以上であるか否かを判断する処理と、前記各交換部品のいずれかについて前記実在庫数量が前記適正在庫数量未満である場合、不足する前記各交換部品について前記実在庫数量と前記適正在庫数量との差から交換部品の不足数量を算出する処理と、算出された前記不足数量を用いて発注処理する処理と、を実行させ、前記内容の変動は、前記保守契約データベースへの保守契約の削除、又は、変更を含む。
【0011】
なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。また、本開示では、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。プログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インタフェイスを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させ、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インタフェイスを介して、外部と交信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備える。
【発明の効果】
【0012】
前記第1~第4の視点によれば、保守契約の変動による交換部品の在庫数量の過不足を抑制することに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態1に係る保守管理システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【
図2】実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる保守契約申し込み入力フォームの一例を示したイメージ図である。
【
図3】実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる保守契約データベースのデータ構造の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図4】実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる保証書データベースのデータ構造の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図5】実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる販売店データベースのデータ構造の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図6】実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる保守形態データベースのデータ構造の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図7】実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる部品在庫データベースのデータ構造の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図8】実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる交換部品データベースのデータ構造の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図9】実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる所定期間データベースのデータ構造の一例を模式的に示したイメージ図である。
【
図10】実施形態1に係る保守管理システムにおける保守管理装置の制御部の保守契約申し込みの際の動作を模式的に示したフローチャート図である。
【
図11】実施形態1に係る保守管理システムにおける保守管理装置の制御部の保守契約又は在庫数量が変動した際の動作を模式的に示したフローチャート図である。
【
図12】実施形態2に係る保守管理装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【
図13】ハードウェア資源の構成を模式的に示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に説明する本開示では、モード1に係る保守管理装置及びその変形モードを適宜選択して組み合わせることができる。
【0015】
前記モード1に係る保守管理装置として、データを記憶する記憶部と、前記記憶部を制御するとともに、所定の情報処理を行う制御部と、を備え、前記記憶部は、保守契約された保守対象機器に関する情報を管理する保守契約データベースと、交換部品の在庫数量を管理する部品在庫データベースと、保守対象機器に対応する交換部品を管理する交換部品データベースと、障害が発生したときの機器とその時に交換した交換部品の種類及び数量とを管理する障害履歴データベースと、を記憶し、前記制御部は、所定期間の間に前記保守契約データベース又は前記部品在庫データベースの内容に変動が生じたか否かを判断する処理と、前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベース、前記交換部品データベース、及び、前記障害履歴データベースに基づいて、各交換部品の適正在庫数量を算出する処理と、前記各交換部品に基づいて、前記部品在庫データベースを参照して、前記各交換部品の実在庫数量を算出する処理と、前記各交換部品について前記実在庫数量が前記適正在庫数量以上であるか否かを判断する処理と、前記各交換部品のいずれかについて前記実在庫数量が前記適正在庫数量未満である場合、不足する前記各交換部品について前記実在庫数量と前記適正在庫数量との差から交換部品の不足数量を算出する処理と、算出された前記不足数量を用いて発注処理する処理と、を行う、保守管理装置が可能である。
【0016】
前記モード1に係る保守管理装置の変形モードとして、前記各交換部品の前記適正在庫数量を算出する処理では、前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベースに基づいて、各保守対象機器を特定し、前記各保守対象機器の数量を算出する処理と、前記各保守対象機器に基づいて、前記交換部品データベースを参照して、各交換部品を特定する処理と、算出された前記各保守対象機器の数量、及び、前記各交換部品に基づいて、前記障害履歴データベースを参照して、前記各交換部品の前記適正在庫数量を算出する処理と、を行う、ことができる。また、前記モード1に係る保守管理装置の変形モードとして、前記各交換部品の適正在庫数量を算出する処理では、前記各交換部品に基づいて、前記障害履歴データベースを参照して、前記各交換部品の個数を算出する処理と、算出された前記各交換部品の個数に、対応する、算出された前記各保守対象機器の数量を積算する処理と、を行う、ことができる。また、前記モード1に係る保守管理装置の変形モードとして、データを出力する出力部をさらに備え、
前記発注処理する処理では、計算された前記不足数量を追加するための発注書を生成する処理と、生成された前記発注書を前記出力部から出力する処理と、を行う、ことができる。また、前記モード1に係る保守管理装置の変形モードとして、前記内容の変動は、前記保守契約データベースへの保守契約の追加、削除、又は、変更を含む、ことができる。また、前記モード1に係る保守管理装置の変形モードとして、顧客が使用する顧客端末と通信可能に接続する通信部をさらに備え、前記保守契約データベースへの保守契約の追加は、前記顧客端末からの保守契約申し込み情報による保守契約の追加を含む、ことができる。また、前記モード1に係る保守管理装置の変形モードとして、データを入力する入力部をさらに備え、前記保守契約データベースへの保守契約の追加、削除、又は、変更は、前記入力部の操作による保守契約の追加、削除、又は、変更を含む、ことができる。
【0017】
本開示では、モード2に係る保守管理システムとして、前記モード1に係る保守管理装置と、前記保守管理装置と通信可能に接続するとともに顧客が使用する顧客端末と、を備える、保守管理システムが可能である。
【0018】
本開示では、モード3に係る保守管理方法として、保守契約された保守対象機器に関する情報を管理する保守契約データベースと、交換部品の在庫数量を管理する部品在庫データベースと、保守対象機器に対応する交換部品を管理する交換部品データベースと、障害が発生したときの機器とその時に交換した交換部品の種類及び数量とを管理する障害履歴データベースと、を記憶する保守管理装置を用いて保守を管理する保守管理方法であって、所定期間の間に前記保守契約データベース又は前記部品在庫データベースの内容に変動が生じたか否かを判断するステップと、前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベース、前記交換部品データベース、及び、前記障害履歴データベースに基づいて、各交換部品の適正在庫数量を算出するステップと、前記各交換部品に基づいて、前記部品在庫データベースを参照して、前記各交換部品の実在庫数量を算出するステップと、前記各交換部品について前記実在庫数量が前記適正在庫数量以上であるか否かを判断するステップと、前記各交換部品のいずれかについて前記実在庫数量が前記適正在庫数量未満である場合、不足する前記各交換部品について前記実在庫数量と前記適正在庫数量との差から交換部品の不足数量を算出するステップと、算出された前記不足数量を用いて発注処理するステップと、を含む、保守管理方法が可能である。
【0019】
本開示では、モード4に係るプログラムとして、保守契約された保守対象機器に関する情報を管理する保守契約データベースと、交換部品の在庫数量を管理する部品在庫データベースと、保守対象機器に対応する交換部品を管理する交換部品データベースと、障害が発生したときの機器とその時に交換した交換部品の種類及び数量とを管理する障害履歴データベースと、を記憶する保守管理装置で実行されるプログラムであって、所定期間の間に前記保守契約データベース又は前記部品在庫データベースの内容に変動が生じたか否かを判断する処理と、前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベース、前記交換部品データベース、及び、前記障害履歴データベースに基づいて、各交換部品の適正在庫数量を算出する処理と、前記各交換部品に基づいて、前記部品在庫データベースを参照して、前記各交換部品の実在庫数量を算出する処理と、前記各交換部品について前記実在庫数量が前記適正在庫数量以上であるか否かを判断する処理と、前記各交換部品のいずれかについて前記実在庫数量が前記適正在庫数量未満である場合、不足する前記各交換部品について前記実在庫数量と前記適正在庫数量との差から交換部品の不足数量を算出する処理と、算出された前記不足数量を用いて発注処理する処理と、を実行させる、プログラムが可能である。
【0020】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。また、下記の実施形態は、あくまで例示であり、本発明を限定するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。さらに、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インタフェイスも同様である。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備え、コンピュータ装置は、通信インタフェイスを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。
【0021】
[実施形態1]
実施形態1に係る保守管理システムについて図面を用いて説明する。
図1は、実施形態1に係る保守管理システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【0022】
保守管理システム1は、保守に関する情報を管理するシステムである(
図1参照)。保守管理システム1は、保守契約の変動による交換部品の在庫数量の過不足を抑制する機能を有する。保守管理システム1は、顧客端末10と、保守管理装置20と、ネットワーク40と、を有する。なお、
図1では、説明の簡略化のため、顧客端末10を1つのみとしているが、顧客端末10が複数個あってもよい。
【0023】
顧客端末10は、顧客(クライアント)が使用する情報処理端末である(
図1参照)。顧客端末10には、例えば、パーソナルコンピュータ、ノート端末、タブレット端末、スマートフォン等を用いることができる。顧客端末10は、ネットワーク40を介して保守管理装置20と通信可能に接続されている。顧客端末10は、プログラムを実行することにより所定の情報処理を行う。顧客端末10は、主な構成部として、通信部11と、制御部12と、入力部13と、出力部14と、記憶部15と、を有する。
【0024】
通信部11は、顧客端末10と保守管理装置20との間で所定の情報、データ、又は信号の送受信を行う機能部である(
図1参照)。通信部11は、ネットワーク40を介して保守管理装置20の通信部21と通信可能に接続されている。通信部11は、制御部12の制御により通信を行う。通信部11には、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等のネットワークインタフェイスを用いることができる。
【0025】
制御部12は、通信部11、入力部13、出力部14、及び記憶部15を制御する機能部である(
図1参照)。制御部12には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)等のユニットを用いることができ、1つだけでなく複数のユニットを用いたものでもよい。制御部12は、通信部11、入力部13、出力部14、及び記憶部15と電気的に接続(バス接続でも可)されている。制御部12は、通信部11を制御して、保守管理装置20に対する情報の送受信を行う。制御部12は、入力部13を制御して、入力部13から入力された情報を取り込む。制御部12は、出力部14を制御して、出力部14に情報を出力させる。制御部12は、記憶部15への情報の書き込みや読み出しを行う。制御部12は、記憶部15に記憶されたプログラムを読み出し、主記憶部にロードして実行することで、所定の情報処理を行う。
【0026】
入力部13は、情報を入力するための機能部である(
図1参照)。入力部13は、制御部12によって制御され、顧客端末10の使用者の操作によって情報が入力される。入力部13には、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、マイク、その他の入力手段を用いることができ、図示しない通信部を介して通信可能に接続された入力部を有する情報端末等を用いてもよい。
【0027】
出力部14は、情報を出力(表示、音声出力、印刷等)するための機能部である(
図1参照)。出力部14は、制御部12の制御により出力を行う。出力部14には、例えば、表示を行うディスプレイ、印刷を行うプリンタ、その他の出力手段を用いることができ、図示しない通信部を介して通信可能に接続された出力部を有する情報端末等を用いてもよい。
【0028】
記憶部15は、データ、データベース、プログラム等の情報を記憶する機能部である(
図1参照)。記憶部15は、制御部12の制御により、情報の書き込みや読み出しを行う。ここで、プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。記憶部15には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク装置、外部接続されたRAID(Redundant Arrays of Independent Disks)装置等を用いることができ、どの様な記憶装置を用いてもよい。
【0029】
保守管理装置20は、保守に関する情報を管理する装置である(
図1参照)。保守管理装置20には、例えば、保守管理部門に設置されているワークステーションサーバ、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置(コンピュータ)を用いることができる。保守管理装置20は、ネットワーク40を介して顧客端末10と通信可能に接続されている。保守管理装置20は、プログラムを実行することにより所定の情報処理を行う。保守管理装置20は、主な構成部として、通信部21と、制御部22と、入力部23と、出力部24と、記憶部25と、を有する。
【0030】
通信部21は、保守管理装置20と顧客端末10との間で所定の情報、データ、又は信号の通信を行う機能部である(
図1参照)。通信部21は、ネットワーク40を介して顧客端末10の通信部11と通信可能に接続されている。通信部21は、制御部22の制御により送受信を行う。通信部21には、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等のネットワークインタフェイスを用いることができる。
【0031】
制御部22は、通信部21、入力部23、出力部24、及び、記憶部25を制御する機能部である(
図1参照)。制御部22には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)等のユニットを用いることができ、1つだけでなく複数のユニットを用いたものでもよい。制御部22は、通信部21、入力部23、出力部24、及び、記憶部25と電気的に接続(バス接続でも可)されている。制御部22は、通信部21を制御して、顧客端末10に対する情報の送受信を行う。制御部22は、入力部23を制御して、入力部23から入力された情報を取り込む。制御部22は、出力部24を制御して、出力部24に情報を出力させる。制御部22は、記憶部25への情報の入出力、記憶部25内に記憶されたデータベース32~39へのデータの書き込みや読み出しを行う。制御部22は、記憶部25に記憶されたプログラム(在庫管理プログラム31を含む)を読み出し、主記憶にロードして実行することで、所定の情報処理を行う。
【0032】
入力部23は、情報を入力する機能部である(
図1参照)。入力部23は、制御部22によって制御され、保守管理装置20の使用者の操作によって情報が入力される。入力部23には、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、マイク、その他の入力手段を用いることができ、図示しない通信部を介して通信可能に接続された入力部を有する情報端末等を用いてもよい。
【0033】
出力部24は、情報を出力(例えば、表示、音声出力、印刷等)する機能部である(
図1参照)。出力部24は、制御部22の制御により出力を行う。出力部24には、例えば、表示を行うディスプレイ、印刷を行うプリンタ、メール送信、その他の出力手段を用いることができ、図示しない通信部を介して通信可能に接続された出力部を有する情報端末等を用いてもよい。
【0034】
記憶部25は、データ、データベース、プログラム等の情報を記憶する機能部である(
図1参照)。ここで、プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。記憶部25は、制御部22の制御により情報の入出力、データベース32~39へのデータの書き込みや読み出しを行う。記憶部25には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク装置、外部接続されたRAID(Redundant Arrays of Independent Disks)装置等を用いることができ、どの様な記憶装置を用いてもよい。記憶部25は、主な情報として、保守契約申し込み入力フォーム(
図2参照)と、在庫管理プログラム31と、保守契約データベース32(
図3参照)と、保証書データベース33(
図4参照)と、販売店データベース34(
図5参照)と、保守形態データベース35(
図6参照)と、部品在庫データベース36(
図7参照)と、交換部品データベース37(
図8参照)と、所定期間データベース38(
図9参照)と、障害履歴データベース39と、を記憶する。データベース32~39の詳細については、後述する。
【0035】
在庫管理プログラム31は、交換部品の適正な在庫数量(適正在庫数量)を管理する適正管理を行うためのプログラムである。在庫管理プログラム31は、制御部22で実行される。在庫管理プログラム31を実行する制御部22は、以下のような情報処理が行う。すなわち、制御部22は、通信部21を通じて顧客端末10からの保守契約申し込み情報(
図2の保守契約申し込み入力フォームに入力された情報)を取得するように処理する。また、制御部22は、受信した保守契約申し込み情報を、記憶部25の保守契約データベース32に格納するように処理する。また、制御部22は、保守契約データベース32及び保守形態データベース35に含まれる情報に基づいて、保守料金を算出するように処理する。また、制御部22は、算出された保守料金を、出力部24から出力するように処理する。制御部22は、保守契約数の変動があったときに、データベース32~37に基づいて、交換部品の適正な在庫数量(適正在庫数量)を算出する処理を行う。制御部22は、部品在庫データベース36を参照して、各交換部品の実際の在庫数量(実在庫数量)を算出する。制御部22は、実在庫数量が適正在庫数量を下回る場合、当該交換部品が不足していると判断し、当該交換部品を発注処理する。これにより、交換部品の在庫数量の適正管理と補充を行うことができる。なお、交換部品には、工具や治具が必要な交換部品の場合には工具や治具を含めることができる。また、在庫管理プログラム31を制御部22で実行したときの情報処理の詳細は、後述する。
【0036】
ネットワーク40は、顧客端末10と保守管理装置20とを通信可能に接続する情報通信網である(
図1参照)。ネットワーク40は、イントラネット、ローカルネットワーク等でもよく、有線ネットワーク及び無線ネットワークの一方又は両方を含んでいてもよい。
【0037】
次に、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる保守契約申し込み入力フォームについて図面を用いて説明する。
図2は、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる保守契約申し込み入力フォームの一例を示したイメージ図である。
【0038】
保守契約申し込み入力フォームは、保守契約を申し込む(登録する)ための入力フォームである(
図2参照)。保守契約申し込み入力フォームは、保守管理装置20にアクセスしてきた顧客端末10に提供されて出力部14で表示される。なお、保守契約申し込み入力フォームは、保守管理装置20の管理者の操作により保守管理装置20の出力部24で表示されるようにしてもよい。
図2の保守契約申し込み入力フォームへの情報の入力は、顧客が保守対象機器を購入した後、顧客が顧客端末10を用いて入力部13を操作して、取引書類に記載された取引識別情報を、保守契約申し込み入力フォームの入力欄に入力する。ここで、「取引書類」には、機器の売買契約書、納品書、保証書等、機器を取引(購入を含む)したことが分かる正規な書類が含まれる。また、「取引識別情報」には、契約番号、購入番号、保証書番号、伝票番号、記号等の識別情報が含まれ、当該機器を取引したことを識別(特定)できる情報であればどのような情報でもよい。なお、入力欄への入力は、顧客端末10の入力部13から入力するだけでなく、保守管理装置20の入力部23から入力するようにしてもよい。また、保守契約申し込み入力フォームに入力された情報(保守契約申し込み情報)は保守管理装置20に送信されるが、所定のフォーマットで作成した保守契約申し込み情報をメールで保守管理装置20に送信するようにしてもよい。
【0039】
保守契約申し込み入力フォームへの入力方法は、顧客が保守契約する対象機器と保守形態等の条件等である保守契約情報を、入力する項目毎に定められた選択肢の中から、クリックにより選択肢が入力箇所の下に現れ選択するプルダウンメニュー方式や、選択項目の中のボタンをクリックして選択するラジオボタン方式等で選択して入力される。選択肢だけでなく、フリーキーワードの入力も可能である。なお、テキスト入力の場合、予め定めた文や単語でない場合、入力を受け付ないようにすることができる。入力を受け付ない場合、受け付ける単語や文の例を表示してもよく、入力を受け付けできない理由をポップアップ表示等してもよい。フリーワードの入力において、予め定めた文や単語以外を入力する場合、例えば、新たな文を入力することを意味する特定の文や単語等を入力すると、入力する項目毎のデータベースの該当する項目に新たに入力された情報を追加する処理を行うようにしてもよい。なお、予め定めた文や単語は、デキスト文等である。
【0040】
図2の保守契約申し込み入力フォームの例では、入力欄として、名前、住所、電話番号、保証書番号(販売店出荷情報番号)、購入機器(機器名/号機)、保守形態、保守作業可能な日、及び、保守作業可能な時間帯の各種入力欄を有する。
【0041】
「1.名前」の入力欄は、顧客(保守契約申込者)の社名、個人名などの顧客を特定する情報をテキスト入力する欄である。
【0042】
「2.住所」の入力欄は、顧客が保守契約の対象となる機器(保守対象機器)の設置場所の情報をテキスト入力する欄である。
【0043】
「3.電話番号」の入力欄は、当該保守対象機器の設置場所の電話番号、又は、顧客と連絡が取れる電話番号をテキスト入力する欄である。
【0044】
「4.保証書番号(販売店出荷情報番号)」の入力欄は、当該保守対象機器に係る保証内容を特定するための番号(保証書番号又は販売店出荷情報番号)をテキスト入力する箇所である。
【0045】
「5.購入機器(機器名/号機)」の欄は、前記「4.保証書番号(販売店出荷情報番号)」の欄で入力された情報に基づいて、保守管理装置20の保証書データベース33又は販売店データベース34を参照することにより、当該保守対象機器に係る情報(機器名/号機)を特定して自動的に表示する欄である。なお、保守対象機器に係る情報は、テキスト入力する方式にしてもよい。
【0046】
「6.保守形態」の入力欄は、保守対象機器毎に予め定められている保守形態(例えば、引取り修理、若しくは、出張修理有り及び出張点検有り、又は、出張修理有り及び出張点検無し)の中から、保守契約依頼者の都合がよい、保守対象機器やその構成部品の保守形態を選択入力する欄である。保守形態の選択入力は、プルダウンメニュー方式、ラジオボタン方式等の選択方式により入力可能な方式を用いることができるが、テキスト入力する方式にしてもよい。
【0047】
なお、保守形態には、保守対象機器毎に予め定められている保守形態だけでなく、例えば、以下の(a1)~(a4)のように機器で選択可能な保守形態を含めることができる。
【0048】
(a1)引取り修理及び引取り定期点検に係る保守形態
この保守形態は、顧客が修理品や定期点検品を保守会社へ送り、当該保守会社は修理や定期点検を行い、修理や定期点検後、修理や定期点検品を送り返す保守形態である。この保守形態では、障害発生時の機器や構成部品の修理や定期点検が可能である。また、この保守形態では、引取り修理や定期点検の費用は、保守契約費用に含まれる。また、この保守形態では、顧客が修理品や定期点検品を保守会社へ送る費用は、保守契約費用に含まないが、契約の内容により、保守契約費用に含める場合もある。さらに、この保守形態では、修理や定期点検完了後、保守会社が修理品や定期点検品を顧客へ送る費用は、保守契約費用に含むが、契約の内容により、保守契約費用に含めない場合もある。
【0049】
(a2)出張修理及び持ち込み定期点検に係る保守形態
この保守形態は、顧客のところにある保守対象機器の設置場所へ、保守作業者が行き、修理を行う保守形態である。なお、この保守形態では、顧客のところにある機器の設置場所へ、保守作業者が行くが、定期点検は行わない。また、この保守形態では、障害発生時の機器や構成部品の出張修理が可能だが、定期点検は保守会社に持ち込む。また、この保守形態では、保守対象機器の出張修理や定期点検の持ち込み点検費用は、保守契約費用に含まれる。また、この保守形態では、顧客が定期点検品を保守会社へ送る費用は、保守契約費用に含まないが、契約の内容により、保守契約費用に含める場合もある。さらに、この保守形態では、定期点検完了後、保守会社が定期点検品を顧客へ送る費用は、保守契約費用に含むが、契約の内容により、保守契約費用に含めない場合もある。
【0050】
(a3)出張修理のみに係る保守形態
この保守形態は、顧客のところにある機器の設置場所へ、保守作業者が行き、修理を行う保守形態である。なお、この保守形態では、定期点検は、保守契約の対象外である。また、この保守形態では、障害発生時の保守対象機器やその構成部品の出張修理が可能だが、定期点検は別途契約するか、都度、点検費用を支払い、依頼する必要がある。また、この保守形態では、機器の出張修理は、保守契約費用に含まれる。ただし、この保守形態では、定期点検は対象外のため、保守契約費用に含まない。
【0051】
(a4)出張修理、及び、定期点検に係る保守形態
この保守形態は、顧客のところにある保守対象機器の設置場所へ、保守作業者が行き、修理や定期点検を行い、保守対象機器やその構成部品の出張修理と定期点検の出張点検が可能な保守形態である。この保守形態では、修理や出張修理や出張定期点検の費用は、保守契約費用に含まれる。
【0052】
「7.保守作業可能な日」は、予め定められている日(週間の日数)の中から、保守契約依頼者の都合のよい保守作業可能な日を選択入力する箇所である。保守作業可能な日の選択入力は、プルダウンメニュー方式、ラジオボタン方式等の選択方式により入力可能な方式を用いることができるが、テキスト入力する方式にしてもよい。
【0053】
「保守作業可能な日」の指定では、週7日(すなわち、毎日)、週6日(週の中で定めた曜日以外を保守作業不可とする。例えば、日曜日を保守作業不可とする事が多い。)、週5日(週の中で定めた曜日の、2日間を保守作業不可とする。通常は、日曜日と土曜日を保守作業不可とする事が多い。)、のいずれかから指定する。メールの場合は、保守作業可能な日を記載する。
【0054】
「8.保守作業可能な時間帯」は、予め定められている時間帯の中から、保守契約依頼者の都合のよい保守作業可能な時間帯を選択入力する箇所である。保守作業可能な時間帯の選択入力は、プルダウンメニュー方式、ラジオボタン方式等の選択方式により入力可能な方式を用いることができるが、テキスト入力する方式にしてもよい。
【0055】
「保守作業可能な時間帯」の指定では、例えば、24時間(すなわち、深夜も含め、終日保守作業可)、9:00~17:00(すなわち、指定時間帯、若しくは、予め定めた時間帯から選択。通常は、いわゆる昼間)、8:30~21:00(指定時間だが、夜間も含む指定時間帯、若しくは、予め定めた時間帯から選択。通常は、昼間と深夜を除く夜間のいずれかを選択)の中から指定する。メールの場合は、保守作業可能な時間帯を記載する。
【0056】
次に、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる保守契約データベース(
図1の32)について図面を用いて説明する。
図3は、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる保守契約データベースのデータ構造の一例を模式的に示したイメージ図である。
【0057】
保守契約データベース(
図1の32)は、保守契約された保守対象機器に関する情報を管理するデータベースである(
図3参照)。保守契約データベース32は、顧客及びその保守対象機器に関する保守契約情報を格納する。保守契約データベース32は、
図2の保守契約申し込み入力フォームで入力された情報に対応する情報が格納されている。保守契約データベース32では、顧客名、住所、電話番号、保証書番号/販売店出荷情報番号、販売店名、購入年月日(出荷/販売年月日)、保守形態、保守作業可能な日、保守作業可能な時間帯、及び、保守対象機器構成情報(
図3の機器構成1(機器名/号機)、機器構成2(機器名/号機)、機器構成3(機器名/号機)、機器構成4(機器/号機)、機器構成5(機器名/号機)に相当)が関連付けられている。なお、保守対象機器構成情報は、機器構成1~5の情報が全てある必要はなく、少なくとも機器構成1があればよい。保守契約データベース32は、新規保守契約の追加だけでなく、保守契約の変更(内容変更、契約終了等を含む)が原因で変動する場合もある。
【0058】
次に、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる保証書データベース(
図1の33)について図面を用いて説明する。
図4は、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる保証書データベースのデータ構造の一例を模式的に示したイメージ図である。
【0059】
保証書データベース(
図1の33)は、顧客の保守対象機器に係る保証書に関する情報を格納するデータベースである(
図4参照)。保証書データベース33は、保証書番号に基づいて、顧客の保守対象機器の各種情報を得るために用いられる。保証書データベース33では、保証書番号、機器(装置)名、出荷年月日、部品名、及び、製造号機が関連付けられている。
【0060】
次に、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる販売店データベース(
図1の34)について図面を用いて説明する。
図5は、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる販売店データベースのデータ構造の一例を模式的に示したイメージ図である。
【0061】
販売店データベース(
図1の34)は、販売店が顧客に販売した機器に関する情報を格納するデータベースである(
図5参照)。販売店データベース34は、販売店の出荷情報番号に基づいて、販売店が顧客に販売した機器に関する情報を得るために用いられる。販売店データベース34では、出荷情報番号、顧客名、機器(装置)名、販売年月日、部品名、及び、製造号機が関連付けられている。
【0062】
次に、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる保守形態データベース(
図1の35)について図面を用いて説明する。
図6は、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる保守形態データベースのデータ構造の一例を模式的に示したイメージ図である。
【0063】
保守形態データベース(
図1の35)は、機器ごとに予め定められている保守形態に関する情報を格納するデータベースである(
図6参照)。保守形態データベース35は、機器及び保守形態に応じた保守料金を算出するために用いられる。保守形態データベース35では、機器(装置)名、部品名、引取り修理の料金、出張修理有り及び出張点検有りの場合の対応可能な日(週間の日数)及び時間帯での料金、及び、出張修理有り及び出張点検無しの場合の対応可能な日(週間の日数)及び時間帯での料金が関連付けられている
【0064】
次に、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる部品在庫データベース(
図1の36)について図面を用いて説明する。
図7は、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる部品在庫データベースのデータ構造の一例を模式的に示したイメージ図である。
【0065】
部品在庫データベース(
図1の36)は、交換部品の在庫数量を管理するデータベースである(
図7参照)。部品在庫データベース36は、各部品倉庫の各交換部品の在庫数量に関する情報を格納する。部品在庫データベース36は、実在庫数量を把握するために用いられる。部品在庫データベース36では、部品コード、部品名、機器(装置)名、部品倉庫Aでの在庫数量、部品倉庫Bでの在庫数量、及び、部品倉庫Cでの在庫数量が関連付けられている。部品在庫データベース36は、保守対象機器で障害が発生したことなどが原因で交換部品の使用により在庫数量が変動する場合がある。部品在庫データベース36は、保守管理装置20の管理者によって管理される。
【0066】
次に、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる交換部品データベース(
図1の37)について図面を用いて説明する。
図8は、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる交換部品データベースのデータ構造の一例を模式的に示したイメージ図である。
【0067】
交換部品データベース(
図1の37)は、保守対象機器に対応する交換部品を管理するデータベースである(
図8参照)。交換部品データベース37は、機器ごとに予め定められている交換部品に関する情報を格納する。交換部品には、有寿命部品及び消耗品が含まれる。有寿命部品は、所定の累積稼働時間経過時、若しくは、その後に必ず交換が必要となる部品であって、保守作業員の対応が必要な部品である。有寿命部品の例として、例えば、所定の累積稼働時間を超えると故障が増える液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、プリンタのローラー等が挙げられる。消耗品は、所定の累積稼働時間経過時、若しくは、その後に必ず交換が必要となる部品であって、顧客にて交換可能な部品である。消耗品の例として、例えば、メモリ等バックアップ用一次電池、充電回数による寿命がある2次電池、プリンタのトナーカートリッジ等が挙げられる。交換部品データベース37では、機器(装置)名、品名、有寿命部品、及び、消耗品が関連付けられている。
【0068】
次に、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる所定期間データベース(
図1の38)について図面を用いて説明する。
図9は、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる所定期間データベースのデータ構造の一例を模式的に示したイメージ図である。
【0069】
所定期間データベース(
図1の38)は、交換部品を入手することが可能な所定期間に関する情報を格納するデータベースである(
図9参照)。所定期間データベース38は、適正在庫数量に対して実在庫数量が不足するときに適正在庫数量になるように交換部品を補充するように発注処理を行うために用いられる。所定期間データベース38には、部品コード、部品を入手するまでの期間(日)、及び、適正在庫数量が関連付けられている。ここで、当該部品を入手するまでの期間(日)は、部品購入の場合、発注してから入手するまでの期間である。適正在庫数量は、在庫管理プログラム31の実行により算出された交換部品の適正な在庫数量である。なお、所定期間は、工具の場合、当該工具毎の使用期間、すなわち、部品倉庫から入手する場合は、部品倉庫から出庫し戻るまでの期間である。
【0070】
次に、実施形態1に係る保守管理システムにおいて用いられる障害履歴データベース(
図1の39)について説明する。障害履歴データベース39は、障害が発生したときの機器に対応する交換部品の種類及び数量を管理するデータベースである。障害履歴データベース39は、過去に障害が発生した機器と、その時に交換した部品の実績(交換部品の種類及び数量)とを関連付けている。障害履歴データベース39は、保守契約の変動(保守契約データベース32の内容の変動)により各交換部品の適正な在庫数量を算出する際に用いられる。
【0071】
次に、実施形態1に係る保守管理システムにおける保守管理装置の制御部の動作について図面を用いて説明する。
図10は、実施形態1に係る保守管理システムにおける保守管理装置の制御部の保守契約申し込みの際の動作を模式的に示したフローチャート図である。
図11は、実施形態1に係る保守管理システムにおける保守管理装置の制御部の保守契約又は在庫数量が変動した際の動作を模式的に示したフローチャート図である。なお、保守管理システムの構成部については、
図1を参照されたい。
【0072】
保守契約申し込みの際の動作について
図10を用いて説明する。
【0073】
まず、保守管理装置20の制御部22は、顧客端末10のアクセスにより、保守契約申し込み入力フォーム(
図2参照)を顧客端末10に送信する(
図10のステップA1)。
【0074】
ステップA1の後、顧客端末10は、保守契約申し込み入力フォームを受信し、受信した保守契約申し込み入力フォームを表示し、表示された保守契約申し込み入力フォームに顧客が情報(保守契約申し込み情報)を入力し、入力された保守契約申し込み情報を保守管理装置20に送信することになる。
【0075】
また、ステップA1の変形例として、保守管理装置20の管理者が保守管理装置20の制御部22にアクセスした場合は、保守契約申し込み入力フォームを表示し、表示された保守契約申し込み入力フォームに管理者が情報(保守契約申し込み情報)を入力し、入力された保守契約申し込み情報を保守管理装置20の制御部22に提供することになる。
【0076】
次に、保守管理装置20の制御部22は、顧客端末10からの保守契約申し込み情報を受信する(
図10のステップA2)。
【0077】
次に、保守管理装置20の制御部22は、ステップA2で受信した保守契約の申し込み情報を記憶部25の保守契約データベース32に記憶(登録)させる(
図10のステップA3)。
【0078】
次に、保守管理装置20の制御部22は、ステップA2で受信した保守契約の申し込み情報(ステップA3で記憶された保守契約の申し込み情報でも可)における保守形態に基づいて、保守形態データベース35を参照して、保守料金を算出する(
図10のステップA4)。ここで、保守料金の算出では、保守契約の申し込み情報における選択条件毎に費用を算出し、算出された費用を積算する。
【0079】
次に、保守管理装置20の制御部22は、ステップA4で算出された保守料金に基づいて見積書を生成する(
図10のステップA5)。
【0080】
次に、保守管理装置20の制御部22は、ステップA5で生成された見積書を顧客端末10に送信する(
図10のステップA6)。
【0081】
ステップA6の後、顧客端末10は、見積書を受信し、受信した見積書を表示することになる。
【0082】
また、ステップA6の変形例として、保守管理装置20の管理者が保守管理装置20の制御部22にアクセスした場合は、見積書を表示することになる。
【0083】
次に、保守管理装置20の制御部22は、ステップA2で受信した保守契約の申し込み情報(ステップA3で記憶された保守契約の申し込み情報でも可)における購入機器(機器名/号機)に基づいて、交換部品データベース37と照合して、機器毎に予め定められている有寿命部品又は消耗品があるか否かを判断する(
図10のステップA7)。予め定められている有寿命部品又は消耗品がない場合(ステップA7のNO)、終了する。
【0084】
予め定められている有寿命部品又は消耗品がある場合(ステップA7のYES)、保守管理装置20の制御部22は、該当する有寿命部品又は消耗品がある旨の通知を顧客端末10に送信し(
図10のステップA8)、その後、終了する。
【0085】
ステップA8の後、顧客端末10は、通知を受信し、受信した通知を表示し、その後、終了することになる。
【0086】
また、ステップA8の変形例として、保守管理装置20の管理者が保守管理装置20の制御部22にアクセスした場合は、通知を表示し、その後、終了することになる。
【0087】
保守契約又は在庫数量が変動した際の動作について
図11を用いて説明する。
【0088】
まず、保守管理装置20の制御部22は、前回の判断から予め定められた所定時間の間(初回の場合は保守契約データベース32の最初の登録があったとき)に、保守契約データベース32又は部品在庫データベース36の内容に変動が生じたか否かを判断する(
図11のステップB1)。内容に変動が生じていない場合(ステップB1のNO)、終了する。
【0089】
内容に変動が生じた場合(ステップB1のYES)、保守管理装置20の制御部22は、保守契約データベース32に基づいて、各保守対象機器を特定し、特定された各保守対象機器の数量を算出する(
図11のステップB2)。
【0090】
次に、保守管理装置20の制御部22は、ステップB2で特定された各保守対象機器に基づいて、交換部品データベース37を参照して、各交換部品を特定する(
図11のステップB3)。
【0091】
次に、保守管理装置20の制御部22は、ステップB2で算出された各保守対象機器の数量、及び、ステップB3で特定された各交換部品に基づいて、障害履歴データベース39を参照して、各交換部品の適正な在庫数量(適正在庫数量)を算出する(
図11のステップB4)。
【0092】
ここで、各交換部品の適正在庫数量の算出は、ステップB3で特定された各交換部品に基づいて、障害履歴データベース39を参照して、各交換部品の個数を算出し、算出された各交換部品の個数に、対応する、ステップB2で算出された各保守対象機器の数量を積算することにより行われる。
【0093】
次に、保守管理装置20の制御部22は、ステップB3で特定された各交換部品に基づいて、部品在庫データベース36を参照して、各交換部品の実際の在庫数量(実在庫数量)を算出する(
図11のステップB5)。
【0094】
次に、保守管理装置20の制御部22は、各交換部品について実在庫数量が適正在庫数量以上であるか否かを判断する(
図11のステップB6)。各交換部品について実在庫数量が適正在庫数量以上である場合(ステップB6のYES)、所定期間内に交換部品の在庫切れが発生しないので、終了する。
【0095】
各交換部品のいずれかについて実在庫数量が適正在庫数量未満である場合(ステップB6のNO)、保守管理装置20の制御部22は、該当する交換部品について所定期間内に庫切れが発生するので、不足する各交換部品について実在庫数量と適正在庫数量との差から交換部品の不足数量を算出する(
図11のステップB7)。
【0096】
次に、保守管理装置20の制御部22は、不足する各交換部品について、計算された交換部品の不足数量(不足量に所定数量を加算した量でも可)を追加(発注)するための発注書を生成する(
図11のステップB8)。
【0097】
最後に、保守管理装置20の制御部22は、生成された発注書を出力し(
図11のステップB9)、その後、終了する。出力された発注書に基づいて保守管理装置20の管理者は交換部品の発注の事務処理を行うことになる。
【0098】
なお、発注の事務処理は、保守管理装置20の制御部22が行うようにしてもよい。
【0099】
また、発注の事務処理に関し、新規保守契約対象機器のみに使用する部品の場合、予め、前記部品毎の所定期間内での修理発生による交換部品数を、過去の実績値等から定めて、必要数量を発注処理するようにしてもよい。ここで、必要数量は、当該部品の交換回数であり、1回の交換作業で複数の当該交換部品を交換しても、交換に必要な工具は1つである。
【0100】
また、発注の事務処理に関し、他機器でも使用する共通の交換部品の場合、他機器を含めた修理発生による交換部品数を、過去の実績値等から定めて、必要数量を発注処理するようにしてもよい。
【0101】
また、発注の事務処理に関し、保守契約が増えたことによる適正在庫数量の増加分を、前記のように不足数量を追加する発注処理を行い、あわせて、入手した部品を、当該保守契約の機器の保守契約データベース32における住所から、当該住所を担当する部品倉庫へ送るようにしてもよい。ここで、担当する倉庫は、最も近い部品倉庫でもよい。
【0102】
また、発注の事務処理に関し、交換部品だけでなく、工具や治具についても、保守契約データベース32及び部品在庫データベース36並びに障害履歴データベース39を用いて、工具や治具について適正在庫数量及び実在庫数量を算出して比較し、不足が発生していれば、不足する工具や治具毎に不足数量を算出し、不足している工具や治具の不足数量を追加する発注処理を行うようにしてもよい。
【0103】
また、発注の事務処理に関し、新規の保守契約の保守対象機器や交換部品にのみに使用する工具の場合、当該保守対象機器や交換部品に類似する保守対象機器や交換部品に対応する障害履歴データベース39におけるデータを参考にして適正在庫数量を算出し、実在庫数量(ここでは0)との差である不足数量を発注処理するようにしてもよい。
【0104】
また、工具は、通常、機器間で共通に使用するため、保守対象機器の増加数だけ増やす必要は無く、保守対象機器の保守契約の増加数の、所定の割合だけ増やせばよい。ただし、特定の機器や部品のみに使用する工具は新規に入手する必要がある。ここで、必要工具は、部品毎に必要と成る工具であり、機器を保守するために必要な治具を含む。また、保守契約の増加数は、同じ保守契約で同じ機種の定期点検等で部品を交換する場合、同一場所で行うための工具の必要数量は、同じ部品を有する保守対象機器が含まれる保守契約数でもよい。また、所定の割合は、同じ数でもよい。
【0105】
また、必要工具の同時期の使用数が、当該倉庫に対応する担当拠点数より少ない場合は、担当拠点での保管や在庫とせず、部品使用時に、必要工具も併せて発送するように、倉庫でも保管や在庫とするようにしてもよい。
【0106】
また、同時に使用する工具の数量が、部品倉庫の数より少ない場合には、部品倉庫の在庫としてもよい。
【0107】
また、保守契約の機器が増えても、それに比例して部品在庫や必要工具の数量を増やす必要はなく、その部品や必要工具のそれぞれ、部品は発注後入庫までの平均期間より、その機器の障害発生から復旧までの期間に部品在庫や必要工具が無くなる期間がなくなることがないように、交換部品の在庫数量と工具の在庫数量を定めておく。ここで、入庫までの期間は、工具の場合は返送までの期間である。
【0108】
実施形態1によれば、保守契約の変動による交換部品の在庫数量の過不足を抑制することに貢献することができる。つまり、保守管理装置20は、保守契約が増えても、比例して、交換部品の在庫数量を増やす必要はなく、それぞれ交換部品は、平均発注後入庫までの期間と、その機器の障害発生からの復旧までの期間で、交換部品がなくなることがないように、交換部品の適正在庫数量を定めておくことで、交換部品の過不足がないようにすることができる。
【0109】
[実施形態2]
実施形態2に係る保守管理システムについて図面を用いて説明する。
図12は、実施形態2に係る保守管理装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0110】
保守管理装置20は、データを記憶する記憶部25と、記憶部25を制御するとともに、所定の情報処理を行う制御部22と、を備える。
【0111】
記憶部25は、保守契約データベース32と、部品在庫データベース36と、交換部品データベース37と、障害履歴データベース39と、を記憶する。保守契約データベース32は、保守契約された保守対象機器に関する情報を管理するデータベースである。部品在庫データベース36は、交換部品の在庫数量を管理するデータベースである。交換部品データベース37は、保守対象機器に対応する交換部品を管理するデータベースである。障害履歴データベース39は、障害が発生したときの機器とその時に交換した交換部品の種類及び数量とを管理するデータベースである。
【0112】
制御部22は、所定期間の間に前記保守契約データベース又は前記部品在庫データベースの内容に変動が生じたか否かを判断する処理を行う。制御部22は、前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベース、前記交換部品データベース、及び、前記障害履歴データベースに基づいて、各交換部品の適正在庫数量を算出する処理を行う。制御部22は、前記各交換部品に基づいて、前記部品在庫データベースを参照して、前記各交換部品の実在庫数量を算出する処理を行う。制御部22は、前記各交換部品について前記実在庫数量が前記適正在庫数量以上であるか否かを判断する処理を行う。制御部22は、前記各交換部品のいずれかについて前記実在庫数量が前記適正在庫数量未満である場合、不足する前記各交換部品について前記実在庫数量と前記適正在庫数量との差から交換部品の不足数量を算出する処理を行う。制御部22は、算出された前記不足数量を用いて発注処理する処理を行う。
【0113】
実施形態2によれば、不足する各交換部品について実在庫数量と適正在庫数量との差に基づいて交換部品の不足数量を調整するので、保守契約の変動による交換部品の在庫数量の過不足を抑制することに貢献することができる。
【0114】
なお、実施形態1、2に係る保守管理装置は、いわゆるハードウェア資源(情報処理装置、コンピュータ)により構成することができ、
図13に例示する構成を備えたものを用いることができる。例えば、ハードウェア資源100は、内部バス104により相互に接続される、プロセッサ101、メモリ102、ネットワークインタフェイス103等を備える。
【0115】
なお、
図13に示す構成は、ハードウェア資源100のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。ハードウェア資源100は、図示しないハードウェア(例えば、入出力インタフェイス)を含んでもよい。あるいは、装置に含まれるプロセッサ101等のユニットの数も
図13の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ101がハードウェア資源100に含まれていてもよい。プロセッサ101には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)等を用いることができる。
【0116】
メモリ102には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
【0117】
ネットワークインタフェイス103には、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等を用いることができる。
【0118】
ハードウェア資源100の機能は、上述の処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ102に格納されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
【0119】
上記実施形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0120】
[付記1]
本発明では、前記第1の視点に係る保守管理装置の形態が可能である。
【0121】
[付記2]
前記各交換部品の前記適正在庫数量を算出する処理では、
前記内容に変動が生じたときに、前記保守契約データベースに基づいて、各保守対象機器を特定し、前記各保守対象機器の数量を算出する処理と、
前記各保守対象機器に基づいて、前記交換部品データベースを参照して、各交換部品を特定する処理と、
算出された前記各保守対象機器の数量、及び、前記各交換部品に基づいて、前記障害履歴データベースを参照して、前記各交換部品の前記適正在庫数量を算出する処理と、
を行う、
付記1記載の保守管理装置。
【0122】
[付記3]
前記各交換部品の適正在庫数量を算出する処理では、
前記各交換部品に基づいて、前記障害履歴データベースを参照して、前記各交換部品の個数を算出する処理と、
算出された前記各交換部品の個数に、対応する、算出された前記各保守対象機器の数量を積算する処理と、
を行う、
付記2記載の保守管理装置。
【0123】
[付記4]
データを出力する出力部をさらに備え、
前記発注処理する処理では、
計算された前記不足数量を追加するための発注書を生成する処理と、
生成された前記発注書を前記出力部から出力する処理と、
を行う、
付記1乃至3のいずれか一に記載の保守管理装置。
【0124】
[付記5]
前記内容の変動は、前記保守契約データベースへの保守契約の追加、削除、又は、変更を含む、
付記1乃至4のいずれか一に記載の保守管理装置。
【0125】
[付記6]
顧客が使用する顧客端末と通信可能に接続する通信部をさらに備え、
前記保守契約データベースへの保守契約の追加は、前記顧客端末からの保守契約申し込み情報による保守契約の追加を含む、
付記5記載の保守管理装置。
【0126】
[付記7]
データを入力する入力部をさらに備え、
前記保守契約データベースへの保守契約の追加、削除、又は、変更は、前記入力部の操作による保守契約の追加、削除、又は、変更を含む、
付記5又は6記載の保守管理装置。
【0127】
[付記8]
本発明では、前記第2の視点に係る保守管理システムの形態が可能である。
【0128】
[付記9]
本発明では、前記第3の視点に係る保守管理方法の形態が可能である。
【0129】
[付記10]
本発明では、前記第4の視点に係るプログラムの形態が可能である。
【0130】
なお、上記の特許文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(必要により不選択)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。
【符号の説明】
【0131】
1 保守管理システム
10 顧客端末
11 通信部
12 制御部
13 入力部
14 出力部
15 記憶部
20 保守管理装置
21 通信部
22 制御部
23 入力部
24 出力部
25 記憶部
31 在庫管理プログラム
32 保守契約データベース
33 保証書データベース
34 販売店データベース
35 保守形態データベース
36 部品在庫データベース
37 交換部品データベース
38 所定期間データベース
39 障害履歴データベース
40 ネットワーク
100 ハードウェア資源
101 プロセッサ
102 メモリ
103 ネットワークインタフェイス
104 内部バス