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特許7060249配達管理システム、配達管理方法および配達管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】配達管理システム、配達管理方法および配達管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220419BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
B65G61/00 542
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019116355
(22)【出願日】2019-06-24
(65)【公開番号】P2021002267
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2020-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】大石 章夫
【審査官】阿部 陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-082921(JP,A)
【文献】特開2019-082903(JP,A)
【文献】特開2015-035673(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0025321(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地に荷物を配達するための宅配端末の配達処理を管理する配達管理システムであって、
前記目的地における荷受人の行動に起因する情報を少なくとも含む目的地情報を取得する目的地情報取得部と、
前記目的地情報に基づいて、荷受人の存否を推定する推定部と、
前記推定の結果を出力する出力部と、を備え
前記目的地情報取得部は、前記目的地情報として、前記目的地の出入口ドアの開閉動作、および荷物入れの鍵の状態に関する情報を取得する、
配達管理システム。
【請求項2】
前記目的地情報取得部は
前記目的地の郵便受けまたは宅配ボックスの鍵の状態に関する情報の少なくともいずれか1つを含む前記目的地情報を取得する
請求項に記載の配達管理システム。
【請求項3】
前記推定部は、前記目的地情報が変化した場合に、前記変化に応じて前記推定をする
請求項1または2に記載の配達管理システム。
【請求項4】
前記目的地を訪問した前記宅配端末から訪問情報を取得する訪問情報取得部と、
前記訪問情報に応じて、前記推定の結果を評価する評価部と、をさらに備える
請求項1~のいずれか一項に記載の配達管理システム。
【請求項5】
前記目的地情報と前記評価の情報とに基づいて前記推定の結果を更新する更新部をさらに備える
請求項に記載の配達管理システム。
【請求項6】
予め設定された期間分の前記目的地情報および前記期間分の前記評価の情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記更新部は、前記期間分の前記目的地情報と前記評価の情報とに基づいて前記推定の結果を更新する
請求項に記載の配達管理システム。
【請求項7】
目的地に荷物を配達するための宅配端末の配達処理をコンピュータが管理する配達管理方法であって、
前記目的地における荷受人の存否に起因する情報を少なくとも含む目的地情報を取得する目的地情報取得ステップと、
前記目的地情報に基づいて、荷受人の存否を推定する存否推定ステップと、
前記推定の結果を出力する出力ステップと、を備え
前記目的地情報取得ステップは、前記目的地情報として、前記目的地の出入口ドアの開閉動作、および荷物入れの鍵の状態に関する情報を取得する、
配達管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、目的地に荷物を配達するための宅配端末の配達処理を管理する方法を実行させる配達管理プログラムであって、
前記方法は、
目的地における荷受人の存否に起因する情報を少なくとも含む目的地情報を取得する目的地情報取得ステップと、
前記目的地情報に基づいて、荷受人の存否を推定する存否推定ステップと、
前記推定の結果を出力する出力ステップと、を備え
前記目的地情報取得ステップは、前記目的地情報として、前記目的地の出入口ドアの開閉動作、および荷物入れの鍵の状態に関する情報を取得する、
配達管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配達管理システム、配達管理方法および配達管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子商取引市場の活発化に伴い、商取引にかかる商品の配達の頻度が増加している。一方、物流業者は、配達先に商品を届ける最後の区間であるラストワンマイルにおいて、配達先の荷受人が不在の場合には、荷物を届けることができず、再配達を余儀なくされる。そこで、物流業務の効率低下につながる再配達の増加を抑制するためのシステムが提案されている。
【0003】
例えば、荷受人の留守中に商品の受け取りを代行するロッカー型の設備である宅配ボックスが普及している。宅配ボックスは、容量が限られるため、宅配ボックスがいっぱいになると、物流業者は商品を宅配ボックスに預けることができない。そこで、例えば特許文献1に記載の宅配ボックス管理システムは、宅配ボックスに設置された振動センサが振動データを取得し、取得した振動データに基づき、宅配ボックスに起きたイベントを検出する。そして、宅配ボックス管理システムは、イベントの検出結果に基づき、宅配ボックスの利用状況を記憶する利用状況データベースを更新する。
【0004】
また、特許文献2に記載の配送スケジュール管理システムは、コンピュータが、配送先を順次訪問する際の経路パターンと経路パターン別の所要時間を計算し、各経路パターンにおける顧客間での在宅確率平均を算定し、配送スケジュール情報を配送車のナビゲーション装置に配信する処理を実行する。
【0005】
さらに、在宅確認システム(非特許文献1)は、宅配人が配達先へ近付くと、自動で配達先へ架電して配達予定を連絡する。架電を受けた荷受人は、電話のプッシュボタンを操作することで在宅か否かを回答する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-105593号公報
【文献】特開2013-167972号公報
【非特許文献】
【0007】
【文献】GPSトラッカー[令和1年5月20日検索]、インターネット<URL:http://trail.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、再配達の増加を抑制することはできるものの、宅配ボックスが一杯になってしまった場合には、更なる配達を行うことができない。また、特許文献2に記載の技術は、コンピュータが予め記憶している顧客の在宅確率の値を在宅確率テーブルから抽出して処理を行うものであり、実際に荷受人が在宅か否かを動的に判断することはできない。そのため、配達可能な状況にもかかわらず、配達が行われない場合がある。非特許文献1に記載の技術は、荷受人から動的に回答を受けることができるものの、架電コストがかかるうえ、荷受人が架電に応答する必要がある。また、配達先へ近付かなければ在宅かどうかを知ることができず、配達ルートに無駄が生じる場合がある。
【0009】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、荷受人の存否にかかる目的地情報を動的に更新し、配達業務の効率の低下を抑制する配達管理システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の1実施形態にかかる配達管理システムは、目的地に荷物を配達するための宅配端末の配達処理を管理するものであって、目的地情報取得部と、推定部と、出力部とを有している。目的地情報取得部は、目的地における荷受人の行動に起因する情報を少なくとも含む目的地情報を取得する。推定部は、目的地情報に基づいて、荷受人の存否を推定する。出力部は、推定の結果を出力する。
【0011】
本開示の1実施形態にかかる配達管理方法は、目的地に荷物を配達するための宅配端末の配達処理を管理するものであって、目的地情報取得ステップと、存否推定ステップと、出力ステップとを有している。目的地情報取得ステップは、目的地における荷受人の行動に起因する情報を少なくとも含む目的地情報を取得する。存否推定ステップは、目的地情報に基づいて、荷受人の存否を推定する。出力ステップは、推定の結果を出力する。
【0012】
本開示の1実施形態にかかる配達管理プログラムは、目的地に荷物を配達するための宅配端末の配達処理を管理する方法をコンピュータに実行させるものであって、目的地情報取得ステップと、存否推定ステップと、出力ステップとを有している。目的地情報取得ステップは、目的地における荷受人の行動に起因する情報を少なくとも含む目的地情報を取得する。存否推定ステップは、目的地情報に基づいて、荷受人の存否を推定する。出力ステップは、推定の結果を出力する。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、荷受人の存否にかかる目的地情報を動的に更新し、配達業務の効率の低下を抑制する配達管理システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1にかかる配達管理システムのブロック図である。
図2】実施の形態2にかかる配達管理システムの構成概略図である。
図3】センサのブロック図である。
図4】ゲートウェイ装置のブロック図である。
図5】サーバ装置のブロック図である。
図6】宅配端末のブロック図である。
図7】センサとゲートウェイ装置の処理を示すシーケンス図である。
図8】ゲートウェイ装置、サーバ装置および宅配端末の処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0016】
<実施の形態1>
以下、図1を参照して実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1にかかる配達管理システムのブロック図である。実施の形態1にかかる配達管理システムは、目的地に荷物を配達するための宅配端末の配達処理を管理する。図1に示す配達管理システム10は、主な構成として、目的地情報取得部11、推定部12および出力部13を有している。
【0017】
目的地情報取得部11は、目的地における荷受人の存否に起因する情報を少なくとも含む目的地情報を取得するための装置である。目的地情報取得部11は、上記目的地情報を取得すると、取得した目的地情報を推定部12に供給する。
【0018】
目的地情報は、例えば宅配端末が荷物を届けようとする目的地に存在する荷受人の行動に伴い変化する情報が含まれる。目的地情報は、例えば、荷受人の存在を検出するセンサから取得される情報であってもよい。荷受人の存在を検出するセンサは、目的地に設置されていてもよいし、荷受人が装着していてもよい。また目的地情報は、上述の情報に加えて、目的地における気温、湿度、天候、暦等の情報が含まれていてもよい。
【0019】
目的地情報取得部11は、例えば、このようなセンサから目的地情報を取得するためのインタフェースであってもよい。あるいは、目的地情報取得部11は、このようなセンサを含む装置であってもよい。
【0020】
推定部12は、目的地情報取得部11から取得した目的地情報から、荷受人の存否を推定する。推定部12は、例えば荷受人の存否を推定するための情報処理を行う情報処理装置である。推定部12は、CPU(Central Processing Unit)やMCU(Micro Controller Unit)と称される演算装置を含んでいてもよい。推定部12は、目的地情報を処理することにより、存否を推定する。すなわち推定部12は、目的地情報を、予め設定された方法により処理し、処理の結果として、推定の結果を示す信号を生成する。推定部12は、生成した推定の結果を、出力部13に供給する。
【0021】
出力部13は、推定部12から受け取る推定の結果を出力する。出力部13は、推定の結果を宅配端末に対して出力してもよい。また、出力部13は、例えば配達管理システムの管理者であるユーザに対して推定の結果を通知する態様によって出力してもよい。ユーザに対して推定の結果を通知する態様は、例えば音声、画像、光または振動であってもよい。出力部13は、宅配端末を操作する操作者に対して推定の結果を通知する様態によって出力してもよい。出力部13は、宅配端末に対して所定の方式により通信することにより、推定の結果を宅配端末に送信してもよい。
【0022】
以上、実施の形態1について説明した。実施の形態1にかかる配達管理システム10は、1つの装置であってもよいし、別個の装置が通信可能な状態で構成されているものであってもよい。
【0023】
実施の形態1によれば、荷受人の存否を示す目的地情報を取得した場合に動的に推定の結果を更新できる。そのため、実施の形態1にかかる配達管理システム10は、目的地の荷受人が在宅である状況で目的地を訪問する確率を上げることができる。換言すると、実施の形態1にかかる配達管理システム10は、荷受人が不在であるために生じる再配達業務を抑制できる。よって、実施の形態1によれば、配達業務の効率の低下を抑制する配達経路生成システムを提供することができる。
【0024】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。図2は、実施の形態2にかかる配達管理システムの構成概略図である。実施の形態2にかかる配達管理システム100は、主な構成として、荷受人Uの居宅A1、宅配業者B1および居宅A1に荷物を配達する宅配トラックC1を有している。
【0025】
居宅A1は、荷受人Uが居住する場所である。居宅A1は、郵便受けA10にセンサA11が設置されており、自宅ドアA20にセンサA21が設置されている。また、居宅A1にはゲートウェイ装置110が設置されている。
【0026】
センサA11は、郵便受けA10の施錠状態を検出するセンサである。センサA11は、例えば郵便受けA10の鍵が施錠された状態でオン状態になり、郵便受けA10の鍵が解錠された状態でオフ状態になるスイッチを有している。センサA11は、ゲートウェイ装置110に接続されており、上記施錠状態に関する検出信号をゲートウェイ装置110に供給する。
【0027】
センサA21は、自宅ドアA20の開閉状態を検出するセンサである。センサA21は、例えば自宅ドアA20が開いた状態(開扉状態)でオン状態になり、自宅ドアA20が閉じた状態(閉扉状態)でオン状態になるスイッチを有している。センサA21は、ゲートウェイ装置110に接続されており、上記施錠状態に関する検出信号をゲートウェイ装置110に供給する。
【0028】
ゲートウェイ装置110は、センサA11およびセンサA21から検出信号を受け取り、受け取った信号から荷受人が在宅か不在かを推定する。ゲートウェイ装置110は、在宅予想装置と称されてもよい。またゲートウェイ装置110は、インターネット900に接続されており、インターネット900を介して、宅配業者B1に対して配達が可能か否かに関する情報を供給する。
【0029】
宅配業者B1は、顧客から荷物を預かり、預かった荷物を指定された場所に配達する事業者である。宅配業者B1は、サーバ装置120を有している。
【0030】
サーバ装置120は、荷物を配達する宅配トラックを管理する。サーバ装置120は、インターネット900を介して複数のゲートウェイ装置110から配達が可能か否かについての情報を受け取るとともに、受け取った情報から、例えば居宅A1に荷物を配達するか否か、あるいは、配達する場合には、いつ頃配達するか、という配達計画を立てる。サーバ装置120は、配達計画に関する情報を宅配トラックC1に通知する。
【0031】
宅配トラックC1は、宅配業者B1が預かった荷物を積み込み、積み込んだ荷物を目的地へ配達する。宅配トラックC1は、宅配端末130を有している。宅配端末130は、サーバ装置120と無線通信可能に接続し、例えばサーバ装置120から配達計画に関する情報を受け取る。
【0032】
以上、実施の形態2にかかる配達管理システム100の構成概略について説明した。なお、図2は、理解を容易にするために、各構成を1つずつ示した。しかしながら、これらの各構成は複数であってもよい。すなわち例えば配達管理システム100において、荷物を配達する目的地は複数であってもよい。その場合、サーバ装置120は、複数のゲートウェイ装置110に接続してもよい。また配達管理システム100において、荷物を配達する宅配トラックは複数であってもよい。その場合、サーバ装置120は、複数の宅配端末130に接続していてもよい。
【0033】
図3を参照してセンサの具体的な態様について説明する。図3は、センサA11のブロック図である。センサA11は、主な構成として、センサ部101、記憶部102、無線制御部103、電池部104、センサ制御部105および通信部116を有している。
【0034】
センサ部101は、郵便受けA10の鍵が施錠されているか否かを検出し、検出結果を示す信号を生成する。センサ部101は、例えばメカニカルスイッチ、透過型または反射型の光センサを利用したスイッチ、あるいはホール素子を利用したスイッチ等を利用することにより実現される。センサ部101は、生成した信号を、通信部106を介してゲートウェイ装置110に供給する。
【0035】
記憶部102は、フラッシュメモリやEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリであって、センサ制御部105または無線制御部103が種々の制御を行うためのプログラムを記憶している。記憶部102は、センサ部101が検出する施錠状態の閾値を記憶していてもよい。この場合、閾値は、変更可能に記憶されていてもよい。
【0036】
無線制御部103は、通信部106が行う無線通信を制御する。例えば、無線制御部103は、所定の通信方式にしたがって通信を行うための通信用パケットを生成したり、パケットに含まれるヘッダやフッタの情報を生成したりしてもよい。
【0037】
電池部104は、適宜、各構成に接続し、センサA11を駆動させるための電源を各構成に供給する。
【0038】
センサ制御部105は、センサA11の各構成を制御する。センサ制御部105は、例えばMCUを含む回路により構成されている。またセンサ制御部105は、MCUまたは記憶部102に記憶されたプログラムを含んでもよい。
【0039】
通信部106は、所定の通信方式によりゲートウェイ装置110と無線通信を行うインタフェースを含む。通信部106は、例えば通信用のアンテナを有している。
【0040】
以上、センサA11の具体的な態様について説明したが、センサA11の構成は上述のものに限られない。センサA11は、上記全ての構成が一体となっていてもよいし、一体となっておらず、上述の機能を充足すれば、見た目上は分離していてもよい。センサA21は、図3に示したA11と同様の構成を有していてもよい。
【0041】
図4を参照して、ゲートウェイ装置110の詳細について説明する。図4は、ゲートウェイ装置110のブロック図である。ゲートウェイ装置110は、主な構成として、補助記憶部111、主記憶部112、通信制御部113、電源部114、ゲートウェイ制御部115、通信部116および表示部117を有している。
【0042】
補助記憶部111は、不揮発性メモリであって、ゲートウェイ装置110を制御するための制御プログラムを格納している。補助記憶部111は、例えばゲートウェイ装置110が起動すると、格納している制御プログラムを主記憶部112に供給する。
【0043】
主記憶部112は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリであって、補助記憶部111に格納されている制御プログラム等を展開して、種々の処理を実行する際の信号の読出しや書込みを行うためのメモリである。主記憶部112は、処理速度が速い方が好ましいため、処理速度が速い揮発性メモリにより構成されることが好ましいが、不揮発性メモリにより構成されてもよいし、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0044】
通信制御部113は、通信部116を介してインターネット900に接続するための通信処理を制御する。また通信制御部113は、通信部116を介してサーバ装置120と通信するための通信処理を制御する。通信制御部113は、所定の通信プロトコルにしたがって、信号の送受信を行う。
【0045】
電源部114は、ゲートウェイ装置110を駆動させるための電源を供給する電源部である。電源部114は、例えば商用電源に接続し、商用電源から所定の電力を受け取り、受け取った電力を適宜、各構成に供給する。
【0046】
ゲートウェイ制御部115はゲートウェイ装置110の各構成を制御する。ゲートウェイ制御部115は、例えばCPUを含む回路およびプログラムにより構成される。
【0047】
ゲートウェイ制御部115は、実施の形態1において示した推定部12を含んでいる。すなわち、ゲートウェイ制御部115は、取得したセンサA11およびセンサA21の信号を含む目的地情報から、荷受人の存否を推定する。また本実施の形態において、推定部12は、過去の目的地情報から推定部12が行った推定の結果を解析して、将来の荷受人の存否を推定する。将来の荷受人の存否に関する推定は、在宅予想データとも称される。
【0048】
以下に、在宅予想データを生成する場合の具体例について説明する。推定部12は、例えば、予め設定された期間分(例えば1日、1週間、1か月、1年など)の過去の推定データを抽出する。また推定部12は、過去の推定データと、推定データを取得した時刻、曜日、暦、季節などの時間データとを関連付ける。そして、推定部12は、上記の時間データの周期と、推定データとを照合し、周期性が検出できるか否かを試みる。そして、推定データから周期性が検出できた場合、これと対応する時間データとを関連付ける。より具体的には、例えば、1日の内、午後8時から午前7時までは在宅していることが推定される場合、推定部12は、在宅予想データについて、午後8時から午前7時までは在宅であると推定する。例えば、月曜日は午前8時まで在宅していることが検出された場合、推定部12は、在宅予想データとして月曜日は午前8時まで在宅していると推定する。
【0049】
ゲートウェイ制御部115は、評価部14および更新部15をさらに有している。評価部14は、宅配トラックC1に設置された宅配端末130が取得した訪問情報を、サーバ装置120を介して受け取り、受け取った訪問情報から、荷受人の存否に関する推定の結果を評価する。訪問情報は、宅配トラックC1が荷物を届けるために目的地を訪問した結果、荷受人に荷物を引き渡すことができたか否かを示す情報である。すなわち、訪問情報は、推定部12が行った推定の結果に対して、実際に荷受人が在宅だったか否かをフィードバックするための情報である。
【0050】
評価部14は、例えば、推定部12が行った推定の結果に関する情報と、訪問情報とを照合し、いずれも「在宅」で一致していた場合には、受け取った目的地情報から行った存否の推定が正しかったと評価する。評価部14は、例えば、推定部12が行った推定の結果に関する情報と、訪問情報とを照合し、推定の結果が「在宅」であったにもかかわらず、訪問の結果が「不在」であった場合には、存否の推定が正しくなかったと評価する。評価部14は、具体的には、例えば、訪問の結果が正しかった場合に、推定の結果に対して結果が正しかったことを示す値と関連付ける処理を行う。一方、評価部14は、訪問の結果が正しくなかった場合に、推定の結果に対して結果が正しくなかったことを示す値と関連付ける処理を行う。
【0051】
更新部15は、サーバ制御部125が取得した目的地情報と、評価部14が行った評価とから、推定の結果を更新する。例えば、目的地情報から目的地が「在宅」であると推定し、評価部14が推定の結果を正しかったと評価した場合には、更新部15は、更新情報として推定の結果を維持する。一方、目的地情報から目的地が「在宅」であると推定し、評価部14が推定の結果を正しくなかったと評価した場合には、更新部15は、更新情報として推定の結果を「在宅」から「不在」に変更する。
【0052】
更新部15は、過去に取得した目的地情報と、過去に取得した目的地情報に関連付けられている評価情報とから、推定部が行う存否の推定に関するアルゴリズムを修正する機能を有していてもよい。アルゴリズムを修正する機能とは、例えば、目的地情報を入力層として訪問情報を教師データとする機械学習であってもよい。
【0053】
通信部116は、ゲートウェイ装置110がセンサA11およびセンサA21と無線通信を行うためのインタフェースである。例えば、通信部116は、センサA11およびセンサA21と無線通信を行うためのアンテナを含む。
【0054】
通信部116は、センサA11およびセンサA21からそれぞれの信号を取得する機能を有している。そのため、通信部116は、実施の形態1に記載した目的地情報取得部11を含んでいるということができる。また、通信部116は、実施の形態1に記載した目的地情報取得部11の1つの実施態様ということもできる。
【0055】
通信部116は、インターネット900を介してサーバ装置120にセンサA11およびセンサA21から取得した信号を送信するためのインタフェースでもある。通信部116は、サーバ装置120と通信可能に接続するための手段として、例えば無線通信を行うためのアンテナを有していてもよいし、LAN(Local Area Network)コネクタ等の有線接続をするためのインタフェースを有していてもよい。
【0056】
通信部116は、ゲートウェイ制御部115から荷受人の存否の推定に関する情報を受け取ると、受け取った情報を、サーバ装置120に送信する。すなわち通信部116は、実施の形態1において示した出力部13を含んでいるということができる。また通信部116は、出力部13の一実施形態ということもできる。
【0057】
表示部117は、ゲートウェイ装置110の状態を表示する。表示部117は、例えば所定の表示をするための液晶や有機ELを用いた表示装置であってもよいし、ゲートウェイ装置110の状態を示すための1個または複数のLED(light-emitting diode)であってもよい。
【0058】
図5を参照して、サーバ装置120の詳細について説明する。図5は、サーバ装置120のブロック図である。サーバ装置120は、主な構成として、補助記憶部121、主記憶部122、通信制御部123、電源部124、サーバ制御部125、通信部126および表示制御部127を有している。
【0059】
補助記憶部121は、不揮発性メモリであって、サーバ装置120を制御するための制御プログラムを格納している。補助記憶部121は、例えばサーバ装置120が起動すると、格納している制御プログラムを主記憶部122に供給する。
【0060】
主記憶部122は、例えばDRAMやSRAMなどの揮発性メモリであって、補助記憶部121に格納されている制御プログラム等を展開して、種々の処理を実行する際の信号の読出しや書込みを行うためのメモリである。主記憶部122は、不揮発性メモリにより構成されてもよいし、これらを組み合わせたものであってもよい。主記憶部122は、例えば、サーバ制御部125と連携することにより、予め設定された情報処理を行う。
【0061】
通信制御部123は、通信部126を介してインターネット900に接続するための通信処理を制御する。また通信制御部123は、通信部126を介して宅配トラックC1と通信するための通信処理を制御する。通信制御部123は、所定の通信プロトコルにしたがって、信号の送受信を行う。
【0062】
電源部124は、サーバ装置120を駆動させるための電源を供給する電源部である。電源部124は、例えば商用電源に接続し、商用電源から所定の電力を受け取り、受け取った電力を適宜、各構成に供給する。
【0063】
サーバ制御部125はサーバ装置120の各構成を制御するとともに、種々の情報処理を行う。サーバ制御部125は、例えばCPUを含む回路およびプログラムにより構成される。
【0064】
通信部126は、サーバ装置120がゲートウェイ装置110および宅配トラックC1と通信を行うためのインタフェースである。通信部126は、ゲートウェイ装置110や宅配トラックC1と通信可能に接続するための手段として、例えば無線通信を行うためのアンテナを有していてもよいし、LANコネクタ等の有線接続をするためのインタフェースを有していてもよい。例えば、通信部126は、ゲートウェイ装置110からセンサA11およびセンサA21の信号を受け取ると、受け取った信号を、通信制御部123に供給する。
【0065】
また通信部126は、宅配トラックC1に設置された宅配端末130から訪問情報を含む信号を受信する。通信部126は、訪問情報を含む信号を受信すると、受信した信号を通信制御部123に供給する。
【0066】
表示制御部127は、ディスプレイ装置(不図示)に所定の情報を表示させるための信号処理等を行う。表示制御部127は、例えば、サーバ制御部125からの指示を受けて、ゲートウェイ装置110から受け取った信号や、ゲートウェイ装置110から受け取った信号から推定する居宅A1の状態、あるいは、宅配トラックC1の状況等に関する情報をディスプレイ装置に表示させてもよい。
【0067】
次に、図6を参照して宅配端末の詳細について説明する。図6は、宅配端末のブロック図である。宅配端末130は、主な構成として、補助記憶部131、主記憶部132、通信制御部133、電源部134、端末制御部135、通信部136、表示部137および入力部138を有している。
【0068】
補助記憶部131は、不揮発性メモリであって、宅配端末130を制御するための制御プログラムを格納している。補助記憶部131は、例えば宅配端末130が起動すると、格納している制御プログラムを主記憶部132に供給する。
【0069】
主記憶部132は、例えばDRAMやSRAMなどの揮発性メモリであって、補助記憶部131に格納されている制御プログラム等を展開して、種々の処理を実行する際の信号の読出しや書込みを行うためのメモリである。主記憶部132は、処理速度が速い方が好ましいため、処理速度が速い揮発性メモリにより構成されることが好ましいが、不揮発性メモリにより構成されてもよいし、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0070】
通信制御部133は、通信部136を介してサーバ装置120に接続するための通信処理を制御する。通信制御部133は、所定の通信プロトコルにしたがって、信号の送受信を行う。
【0071】
電源部134は、宅配端末130を駆動させるための電源を供給する電源部である。電源部134は、例えば宅配トラックC1のバッテリに接続し、バッテリから所定の電力を受け取り、受け取った電力を適宜、各構成に供給する。電源部134は、自己の電力を賄うための電池を有していてもよい。
【0072】
端末制御部135は宅配端末130の各構成を制御する。端末制御部135は、例えばCPUを含む回路およびプログラムにより構成される。端末制御部135は、通信部136を介してサーバ装置120から受け取った情報を処理し、処理結果を表示部137に表示させる。また端末制御部135は、入力部138から受け取った信号を処理して所定の情報を生成し、生成した情報を、通信部136を介してサーバ装置120に供給する。
【0073】
また端末制御部135は、訪問情報取得部16を有している。訪問情報取得部16は、入力部138と連携して訪問情報を取得する。訪問情報とは、宅配トラックC1が目的地を訪問した際に、荷受人が在宅だったか不在だったかを示す情報である。訪問情報は、例えば、宅配トラックC1が訪問した目的地の識別情報、宅配トラックC1が目的地を訪問した日時、および宅配トラックC1が目的地を訪問した際の荷受人の存否が含まれる。訪問情報は、例えば、宅配トラックC1に搭乗している宅配人が入力部138を操作することにより生成される。宅配端末130は、訪問情報取得部16が訪問情報を取得すると、この情報をサーバ装置120に送信する。
【0074】
通信部136は、宅配端末130がサーバ装置120と無線通信を行うためのインタフェースである。例えば、通信部136は、サーバ装置120と無線通信を行うためのアンテナを含む。通信部136はサーバ装置120から荷受人の存否の推定に関する情報を含む信号を受信し、受信した信号を、通信制御部133に供給する。また通信部136は、端末制御部135が有する訪問情報取得部16が取得した訪問情報を通信制御部133から受け取り、受け取った訪問情報をサーバ装置120に送信する。
【0075】
表示部137は、宅配トラックC1に搭乗している宅配人に種々の情報を示すためのディスプレイ装置である。表示部137は、例えば、所定の表示をするための液晶や有機ELを用いた表示装置を含む。表示部137は、例えば、配達ルートに関する配達エリアの地図を表示し、さらに地図に配達ルートを重畳して表示する。表示部137は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を利用したナビゲーションシステムの一部であってもよい。
【0076】
入力部138は、宅配人の操作を受け付け、受け付けた操作にしたがって、所定の情報を取得するユーザインタフェースである。入力部138は、例えば複数のスイッチやボタンであってもよいし、表示部137に重畳され、表示部137と連携して機能するタッチパネル式の入力装置であってもよい。あるいは、入力部138は、音声認識機能を含む音声入力装置であってもよい。
【0077】
次に、図7を参照して、センサA11およびセンサA21とゲートウェイ装置110との間の処理について説明する。図7は、センサA11、センサA21およびゲートウェイ装置110の処理を示すシーケンス図である。
【0078】
郵便受けA10に設けられたセンサA11および自宅ドアA20に設けられたセンサA21は、それぞれ所定の検出をする(ステップS100)と、検出した信号をゲートウェイ装置110に供給する(ステップS101)。
【0079】
次に、ゲートウェイ装置110は、センサA11およびセンサA21から検出信号を受け取ると、受け取った検出信号を蓄積する(ステップS102)。より具体的には、例えば、ゲートウェイ装置110は、センサA11およびセンサA21のそれぞれから受け取った検出信号を主記憶部112に蓄積する。
【0080】
なお、センサA11から受け取った検出信号は、郵便受けA10の施錠状態を示す信号に加えて、検出した日時を示す情報が含まれていてもよい。検出信号に日時を示す情報が含まれていない場合には、ゲートウェイ装置110は、検出信号を受信した時刻等を関連付けて蓄積してもよい。センサA21から受け取った検出信号についても同様に、検出信号は、自宅ドアA20の開閉状態を示す信号に加えて、検出した日時を示す情報が含まれていてもよいし、ゲートウェイ装置110が日時を示す情報を関連付けて蓄積してもよい。
【0081】
次に、ゲートウェイ装置110は、予め設定された期間T1(例えば、1時間)を検出し(ステップS103)、期間T1毎に、蓄積した検出信号から、予め設定されたアルゴリズムにしたがって、荷受人の存否を推定する(ステップS104)。
【0082】
以下に、荷受人が在宅か不在かを推定するためのアルゴリズムの例を示す。例えば、ゲートウェイ装置110が初めに設定した居宅A1の状態が「不在」であり、当該「不在」状態のときに自宅ドアA20が開閉された場合、ゲートウェイ装置110は、居宅A1の存否を「在宅」と推定する。また、例えば、ゲートウェイ装置110が居宅A1の状態を「在宅」と推定しており、当該「在宅」状態のときに自宅ドアA20が開閉された場合、ゲートウェイ装置110は、居宅A1の存否を「不在」と推定する。
【0083】
また、例えば、郵便受けA10の鍵が施錠状態から解錠状態となった場合、ゲートウェイ装置110は、居宅A1を「在宅」であると推定する。また郵便受けA10が解錠されてから一定期間(例えば5分)以内に自宅ドアA20の開閉が検出されなかった場合、ゲートウェイ装置110は、居宅A1を「不在」と推定する。
【0084】
次に、ゲートウェイ装置110は、将来の荷受人の存否に対する推定を行う(ステップS105)。すなわち、ゲートウェイ装置110は、居宅A1における荷受人Uの在宅予想データを生成する。在宅予想データは、予め設定されたアルゴリズムにしたがい、過去の推定の結果から算出される。次に、ゲートウェイ装置110は、将来の存否に関する推定データである在宅予想データを蓄積する(ステップS106)。
【0085】
上述のように、ゲートウェイ装置110は、センサA11およびセンサA21から取得した目的地情報から荷受人の存否を推定し、当該推定を蓄積することにより、将来の存否を推定する。さらにゲートウェイ装置110は、将来の存否を推定した在宅予想データを蓄積する。このような方法により在宅予想データを生成することにより、配達管理システム100は、居宅A1における荷受人Uの存否に起因する情報を少なくとも含む目的地情報を動的に取得し、在宅予想データを生成できる。よって、例えば、推定部12は、目的地情報が変化した場合に、当該変化に応じて存否の推定をすることができる。また、これにより、ゲートウェイ装置110は、サーバから存否の問合せを受けた場合に、精度の高い在宅予想データを提供できる。
【0086】
次に、図8を参照してゲートウェイ装置110、サーバ装置120および宅配端末130の処理について説明する。図8は、ゲートウェイ装置110、サーバ装置120、宅配端末130および宅配人D1の処理を示すシーケンス図である。なお、宅配人D1は、宅配トラックC1に搭乗している宅配人である。
【0087】
まず、宅配人D1は、宅配トラックC1に搭乗して荷物を配達するため、配達のルートであるルート情報を確認する(ステップS200)。宅配人D1がルート情報を確認する場合とは、例えば、宅配人D1が配達業務を行う日の業務開始時に当日の配達ルート情報を確認する場合である。宅配人D1は、宅配端末130を操作することによりルート情報確認を行う。
【0088】
次に、宅配人D1からの操作を受け付けた宅配端末130は、サーバ装置120に対してルート情報を要求する(ステップS201)。
【0089】
次に、サーバ装置120は、預かっている複数の荷物に関する情報からそれぞれの荷物の配達先である目的地を抽出し、抽出した複数の目的地それぞれが有しているゲートウェイ装置110に対して、配達が可能か否かを問い合わせる(ステップS202)。
【0090】
サーバ装置120から問合わせを受けたゲートウェイ装置110は、蓄積している在宅予想データを使用して、配達が可能か不可能かを回答するための回答データを生成する(ステップS203)。回答データは、例えば、荷受人が在宅であると推定される時間帯の情報が含まれる。ゲートウェイ装置110は、生成した回答データを、サーバ装置120に送信する(ステップS204)。
【0091】
サーバ装置120は、複数のゲートウェイ装置110から回答データを受け取ると、受け取った回答データを集計し、回答データを加味した宅配計画を構築し、宅配計画に応じた配達ルートを生成する(ステップS205)。さらにサーバ装置120は、生成した配達ルートに関するルート情報を宅配端末130に送信する(ステップS206)。
【0092】
宅配端末130は、サーバ装置120からルート情報を受信すると、表示部137にルート情報を表示して宅配人D1に提示する(ステップS207)。宅配人D1は、表示部137に提示されたルート情報を確認するとともに(ステップS208)、宅配トラックC1に搭乗し、確認したルート情報にしたがってそれぞれの目的地へ配達を行う(ステップS209)。
【0093】
配達を行う宅配人D1は、それぞれの目的地において、それぞれの目的地に応じて預かっている荷物を引き渡す。この際、宅配人D1は、目的地を訪問した結果として、目的地が在宅であったか不在であったかを宅配端末130に入力する(ステップS210)。宅配端末130は、訪問結果の入力を受け付けると、受け付けた訪問結果に関する情報である訪問情報を、サーバ装置120に送信する(ステップS211)。サーバ装置120は、宅配端末130から受け取った訪問情報を、対応するゲートウェイ装置110にそれぞれ送信する(ステップS212)。
【0094】
ゲートウェイ装置110は、サーバ装置120から訪問情報を受け取ると、受け取った訪問情報を用いて訪問結果をフィードバックする(ステップS213)。具体的には、例えば、ゲートウェイ装置110は、受け取った訪問情報を用いて在宅予想データを評価する。あるいは、ゲートウェイ装置110は、受け取った訪問情報を用いて、受け取った時刻における存否の推定を更新する。あるいは、ゲートウェイ装置110は、受け取った訪問情報を用いて、存否の推定を行うアルゴリズムを更新する。存否の推定を行うアルゴリズムの更新において、ゲートウェイ装置110は、過去の訪問結果から在宅予想が外れた曜日もしくは時刻またはこれらのいずれもについて分析してもよい。この場合例えばゲートウェイ装置110は、過去に在宅予想が外れることが多かった時間帯について、存否の推定のアルゴリズムに時刻の要素を加えてもよい。さらに、ゲートウェイ装置110は、当該時刻に対してさらに重み付けを加えるように設定してもよい。これにより、配達管理システム100は、より正確に再配達を抑制できる。
【0095】
以上、実施の形態2について説明したが、実施の形態2にかかる配達管理システム100は、上述の構成に限られない。例えば、目的地情報は、上述の情報に加えて、目的地における気温、湿度、天候、暦等の情報が含まれていてもよい。例えば、郵便受けA10は、郵便受けに代えて、宅配ボックスであってもよい。また、宅配端末130は、宅配トラックC1に代えて、自転車、バイク、ドローン、船または歩行ロボット等に搭載されていてもよい。宅配端末130と共に宅配トラックC1に搭乗している宅配人D1は、必須の構成ではない。すなわち、例えば宅配トラックC1は自律走行可能であり、且つ、荷受人Uに対して荷物を引き渡す手段を有していてもよい。ゲートウェイ装置110は、センサA11およびセンサA21と有線により通信可能に接続されていてもよいし、電波により無線通信可能に接続されていてもよいし、光による通信手段により接続されていてもよい。センサA11およびセンサA21は、それぞれが電池を有していてもよいし、ゲートウェイ装置110から電源を供給されていてもよいし、商用電源から電力の供給を受けていてもよい。
【0096】
上記実施の形態において、ゲートウェイ装置110は、在宅予想データを蓄積し、蓄積した在宅予想データから、荷受人の存否に関する情報をサーバ装置120に供給するとしたが、ゲートウェイ装置110がサーバ装置120に供給する情報はこれに限られない。例えばゲートウェイ装置110は、配達可能時間帯あるいは、配達回避時間帯をサーバ装置120に供給するものであってもよい。このような情報をサーバ装置120に供給することにより、それぞれのゲートウェイ装置110が設置されている居宅における荷受人の存否がサーバ装置120に通知されない。よって、このような構成にすることにより、本実施の形態にかかる配達管理システム100は、荷受人のプライバシーを保護することができる。
【0097】
上述のように、実施の形態2によれば、再配達を抑制することにより、配達業務の効率を向上させることができる。またこれにより、移動に使用するエネルギーの消費量低減、交通渋滞の緩和、宅配人の負担軽減も期待できる。さらに、実施の形態2によれば、在宅している状況での配達を想定しているため、宅配ボックスに荷物が入らない状況であっても、荷受人に荷物を引き渡すことができるため、再配達を抑制できる。また実施の形態2にかかる配達管理システム100は、架電の必要がないため、荷受人が架電に応答する必要がなく、荷受人の負担を軽減できる。
【0098】
なお、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0099】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0100】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
目的地に荷物を配達するための宅配端末の配達処理を管理する配達管理システムであって、
前記目的地における荷受人の行動に起因する情報を少なくとも含む目的地情報を取得する目的地情報取得部と、
前記目的地情報に基づいて、荷受人の存否を推定する推定部と、
前記推定の結果を出力する出力部と、を備える
配達管理システム。
(付記2)
前記目的地情報取得部は、前記目的地情報として、前記目的地に設置されている設備の状態に関する情報を取得する
付記1に記載の配達管理システム。
(付記3)
前記目的地情報取得部は、前記目的地情報として、前記目的地の出入口ドアの開閉動作、または荷物入れの鍵の状態、の少なくともいずれかに関する情報を取得する
付記2に記載の配達管理システム。
(付記4)
前記目的地情報取得部は、前記目的地情報として、
前記目的地の玄関ドアの開閉動作に関する情報、
前記目的地の郵便受けまたは宅配ボックスの鍵の状態に関する情報の少なくともいずれか1つを取得する
付記3に記載の配達管理システム。
(付記5)
前記推定部は、前記目的地情報が変化した場合に、前記変化に応じて前記推定をする
付記1~4のいずれか一項に記載の配達管理システム。
(付記6)
前記目的地を訪問した前記宅配端末から訪問情報を取得する訪問情報取得部と、
前記訪問情報に応じて、前記推定の結果を評価する評価部と、をさらに備える
付記1~5のいずれか一項に記載の配達管理システム。
(付記7)
前記目的地情報と前記評価の情報とに基づいて前記推定の結果を更新する更新部をさらに備える
付記6に記載の配達管理システム。
(付記8)
予め設定された期間分の前記目的地情報および前記期間分の前記評価の情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記更新部は、前記期間分の前記目的地情報と前記評価の情報とに基づいて前記推定の結果を更新する
付記7に記載の配達管理システム。
(付記9)
前記推定の結果を前記目的地に近付く可能性がある前記宅配端末に送信する送信部をさらに備える
付記1~8のいずれか一項に記載の配達管理システム。
(付記10)
目的地に荷物を配達するための宅配端末の配達処理を管理する配達管理方法であって、
前記目的地における荷受人の存否に起因する情報を少なくとも含む目的地情報を取得する目的地情報取得ステップと、
前記目的地情報に基づいて、荷受人の存否を推定する存否推定ステップと、
前記推定の結果を出力する出力ステップと、を備える
配達管理方法。
(付記11)
コンピュータに、目的地に荷物を配達するための宅配端末の配達処理を管理する方法を実行させる配達管理プログラムであって、
前記配達管理方法は、
目的地における荷受人の存否に起因する情報を少なくとも含む目的地情報を取得する目的地情報取得ステップと、
前記目的地情報に基づいて、荷受人の存否を推定する存否推定ステップと、
前記推定の結果を出力する出力ステップと、を備える
配達管理プログラム。
【符号の説明】
【0101】
10、100 配達管理システム
11 目的地情報取得部
12 推定部
13 出力部
14 評価部
15 更新部
16 訪問情報取得部
101 センサ部
102 記憶部
103 無線制御部
104 電池部
105 センサ制御部
106、116、126、136 通信部
110 ゲートウェイ装置
111、121、131 補助記憶部
112、122、132 主記憶部
113、123、133 通信制御部
114、124、134 電源部
115 ゲートウェイ制御部
117、137 表示部
120 サーバ装置
125 サーバ制御部
127 表示制御部
130 宅配端末
135 端末制御部
138 入力部
900 インターネット
A1 居宅
A11、A21 センサ
A20 自宅ドア
B1 宅配業者
C1 宅配トラック
D1 宅配人
U 荷受人
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8