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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】ボウリング管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63D 5/04 20060101AFI20220419BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20220419BHJP
【FI】
A63D5/04 Z
A63D5/04 A
A63D5/04 B
G06T19/00 600
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020001383
(22)【出願日】2020-01-08
(65)【公開番号】P2021108813
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2020-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】510020516
【氏名又は名称】株式会社スポーツレジャーシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】野崎 満裕
(72)【発明者】
【氏名】辻田 政廣
(72)【発明者】
【氏名】原口 伸泰
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-128768(JP,A)
【文献】特開2000-000339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63D 1/00-1/08、5/00-5/10
A63F 13/00-13/98
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーン上に配置されるボウリングピンを撮像するカメラと、
前記カメラで撮像された映像を表示するディスプレイと、
演出用のオブジェクト画像及び前記オブジェクト画像に設定された所定の値を記憶する記憶部と、
前記オブジェクト画像を用いてボウリングゲームに付随させて第1の演出用ゲームを実行させる制御部とを備え、
前記制御部は、プレイヤによるボウルの投球に応じて、前記ディスプレイに表示されている前記ボウリングピンの映像の所定のピン映像の位置に前記オブジェクト画像を前記記憶部から読み出してスーパーインポーズ処理で表示し、前記所定のピン映像のピンが、投球されたボウルによって倒された場合に前記オブジェクト画像に設定されている前記所定の値をポイントとして累積的に付与するボウリング管理システム。
【請求項2】
前記オブジェクト画像は少なくとも複数種類が設けられ、
前記制御部は、前記複数のオブジェクト画像を複数のピンに対応して設定する請求項1に記載のボウリング管理システム。
【請求項3】
前記制御部は、プレイヤの属性に基づいて前記オブジェクト画像の投球毎の出現率を設定する請求項1又は2に記載のボウリング管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、プレイヤの属性をボウリングゲーム中のスコアにより判定する請求項3に記載のボウリング管理システム。
【請求項5】
前記オブジェクト画像は、モンスタを模擬した画像であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のボウリング管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、ボウリングゲーム終了時の前記ポイントが前記オブジェクト画像に関連して設定された閾値をクリアした場合、前記第1の演出用ゲームに勝利したと設定する請求項1~5のいずれかに記載のボウリング管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボウリングゲームの進行に付随して実行される演出用のゲームの表示を制御するボウリング管理システム及びサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボウリング場には、スコア処理の結果を、コンソールの筐体内のCRT、オーバーヘッドCRT、さらに各レーンの前方側にあるピンセッタを覆う横長のマスキングディスプレイに表示して、プレイヤや観客にゲームの進行状況を広く報知する装置が配備されている。
【0003】
特許文献1には、かかる横長のマスキングディスプレイに、ボウリングゲーム以外の他のゲームとしてのスロットマシーンゲームのアニメ画像を表示する装置が提案されている。また、特許文献2には、レーンの長手方向を区分けして撮像する複数のレーン撮影用カメラと、各カメラで撮像されたボウルの挙動に対応させてレーン上面にCG合成された、例えば雲が流れる空の映像を投影させる映像出力手段とを備え、プレイヤや観客に大きな驚きや感動等を与える装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-225339号公報
【文献】特開2011-128768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に記載の装置は、ボウリングゲームの進行内容とは直接係わりのない他のゲームとか景色画像を単に表示するものであり、また、ボウリングゲームに係わる映像と関連させて画像表示を行うものでもないため、ボウリングゲームの進捗に応じた興趣乃至高揚感が格別湧くものではない。特に、特許文献2に記載の装置は、レーン上面を新たに投影面とするものであるから、他の画像を併記表示することでシナジー効果を期待するものではない。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、ボウリングゲームの映像を表示するディスプレイに、ボウリングゲームの進行に付随して実行される演出ゲームの画像を合成表示して興趣乃至高揚感を高めるボウリング管理システム及びサーバ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るボウリング管理システムは、レーン上に配置されるボウリングピンを撮像するカメラと、前記カメラで撮像された映像を表示するディスプレイと、演出用のオブジェクト画像を記憶する記憶部と、前記オブジェクト画像を用いてボウリングゲームに付随させて第1の演出用ゲームを実行させる制御部とを備え、前記制御部は、プレイヤによるボウルの投球に応じて前記ディスプレイに表示されている映像中の特定の位置に前記オブジェクト画像を前記記憶部から読み出してスーパーインポーズ処理で表示し、前記制御部は、前記ボウルの投球結果に応じて予め設定したポイントを累積的に付与するものである。
【0008】
本発明によれば、通常のボウリングゲームを行いながら、それに付随して第1の演出用ゲームを実行することが可能となり、興趣に富んだ新たなゲームを提供することができる。また、プレイヤがボウルを投球すると、それに応じてディスプレイに表示されている、カメラで撮像された映像中の特定の位置にモンスタ画像などのオブジェクト画像がAR技術を用いてスーパーインポーズ処理で合成表示されるので、高い演出効果が期待される。そして、ボウルの投球結果に応じたボウリングゲームのスコアの他に、第1の演出用ゲームでもポイントを競うようにしたことで、2種類のゲームで興趣を醸し出し、また射幸心を演出することができる。
【0009】
また、本発明は、前記オブジェクト画像には所定の値が設定されており、前記制御部は、前記ディスプレイに表示されているボウリングピンの映像の所定のピン映像の位置に対応させて前記オブジェクト画像をスーパーインポーズ処理で表示すると共に、前記所定のピン映像のピンが投球されたボウルによって倒された場合に前記オブジェクト画像に設定されている値を前記ポイントとして付与する。この構成によれば、ディスプレイに表示されるピン映像にオブジェクト画像がスーパーインポーズ処理で合成表示されるので、演出効果が得られ、また、当該ピンが倒されると、対応するオブジェクト画像に設定されている値がポイントとして付与される(獲得できる)ので、演出用でありながら射幸心に富むゲームとなる。
【0010】
また、前記オブジェクト画像は少なくとも複数種類が設けられ、前記制御部は、前記複数のオブジェクト画像を複数のピンに対応して設定する。この構成によれば、複数のピン映像に対応して種々のオブジェクト画像がスーパーインポーズ処理で合成表示されるので、演出性の高いゲームが提供できる。
【0011】
また、前記制御部は、プレイヤの属性に基づいて前記オブジェクト画像の投球毎の出現率を設定する。この構成によれば、プレイ個々に対してオブジェクト画像の出現状況が変わるので、演出性の高いゲームが提供できる。
【0012】
また、前記制御部は、プレイヤの属性をボウリングゲーム中のスコアにより判定する。この構成によれば、オブジェクト画像の出現状況がプレイヤのスコア、すなわちボウリングに対する巧拙に依存するようにしたので、飽きの来ない、演出性の高いゲームが提供できる。
【0013】
また、前記制御部は、前記オブジェクト画像をレーン映像上の所定位置にスーパーインポーズ処理で表示する。この構成によれば、あたかも、投球されたボウルの走行の障害となるように演出表示されるので、刺激乃至興趣に富んだ演出ゲームが提供可能となる。
【0014】
また、前記制御部は、ボウルが前記オブジェクト画像の表示位置を通過すると前記オブジェクト画像に所定の動きを行わせる。この構成によれば、ボウルの走行及び位置と関連してオブジェクト画像に動きを生じさせることで、演出効果を高めることができる。
【0015】
また、前記オブジェクト画像としてモンスタを模擬した画像を採用することで、刺激性に富んだ演出ゲームが提供できる。
【0016】
また、前記制御部は、ボウリングゲーム終了時に、前記オブジェクト画像に関連して設定された閾値をクリアした場合、前記第1の演出用ゲームに勝利したと設定する。この構成によれば、射幸心を煽るような演出ゲームが提供できる。
【0017】
また、前記記憶部は、前記第1の演出用ゲームに勝利したときの他のプレイヤの履歴をそれぞれ記憶するものであり、前記制御部は、前記第1の演出用ゲームに勝利したときの他のプレイヤの履歴とポイントを競う対戦を行う第2の演出用ゲームを実行するもので、前記第1の演出用ゲームに勝利したプレイヤと、当該プレイヤの対戦要求を受けて選出された前記第1の演出用ゲームに勝利したときの他のいずれかのプレイヤの履歴との間で前記第2の演出用ゲームを実行する。この構成によれば、第1の演出用ゲームに勝利したときの他のプレイヤの履歴とポイントを競う対戦を行う第2の演出用ゲームを可能とすることで、同一のボウリング場のプレイヤ同士で実質的に演出ゲームの対戦が可能となり、多様性に富み、かつ継続性のある演出ゲームが提供できる。
【0018】
また、本発明に係るサーバ装置は、前記ボウリング管理システムに前記第1の演出用ゲームを前記制御部にて実行させるプログラムを前記記憶部に記憶するものである。本発明によれば、サーバ装置から第1の演出用ゲームのプログラム及びオブジェクト画像が読み出されて、ボウリングゲームに付随させて第1の対戦ゲームが実行される。
【0019】
また、本発明に係るサーバ装置は、前記ボウリング管理システムに前記第1の演出用ゲームを制御部に実行させるプログラムを記憶部に記憶するサーバ装置であって、前記記憶部は、前記第1の演出用ゲームに勝利したときの他のプレイヤの履歴を記憶し、前記記憶部は、前記第1の演出用ゲームに勝利したときの他のプレイヤの履歴とポイントを競う対戦を行う第2の演出用ゲームのプログラムを記憶し、前記制御部は、前記第1の演出用ゲームに勝利したプレイヤと、当該プレイヤの対戦要求を受けて選出された前記第1の演出用ゲームに勝利したときの他のいずれかのプレイヤの履歴とで前記第2の演出用ゲームを実行する。本発明によれば、サーバ装置の記憶部に記憶された、第1の演出用ゲームを実行させるプログラム、第1の演出用ゲームに勝利したときの他のプレイヤの履歴、及び第1の演出用ゲームに勝利したときの他のプレイヤの履歴とポイントを競う対戦を行う第2の演出用ゲームのプログラムを読み出して、制御部に対してボウリングゲームに付随させて第2の演出用ゲームを行わせることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ボウリングゲームの進行に付随して実行される演出ゲームの画像を合成表示して興趣乃至高揚感を高める。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態であるボウリング管理システムが適用されるボウリング場の内部全体の構成を示す概略図である。
図2】本ボウリング管理システムが適用される、レーンの側方から見たボウリング場内の構成の一例を示す概略図である。
図3】(A)はフロント部、コンソール部、各ディスプレイ及び各カメラ間の信号の接続関係を示すボウリング管理システムの概略ブロック図、(B)はディスプレイに表示されたスコア表の画像例である。
図4図3(A)の一部を、より詳細に示したブロック図である。
図5】ゲームサーバに格納されているデータ類の一例を示す図である。
図6】演出用の対戦ゲームを実行する場合のCPUの機能構成図である。
図7】ボウリングゲーム自体のスコア関連処理の一例を示すフローチャートである。
図8】マスキングディスプレイに表示されるエフェクト用合成画像で、(A)は立ち位置での合成画像、(B)は投球動作中の合成画像を示す。
図9】マスキングディスプレイに表示される選択用画像で、(A)は仮想のコスプレオブジェクトの選択画面例を示し、(B)は選択された画面例を示し、(C)は仮想のモンスタオブジェクトの選択画面例を示し、(D)は選択された画面例を示す図である。
図10】レーンの助走部側から前方のマスキングディスプレイを見た図で、(A)はマスキングディスプレイにレーン映像とモンスタ画像とが合成表示された画面例、(B)はさらにレーン映像に特定色が合成表示された画面例の図である。
図11】(A)はマスキングディスプレイにレーン映像とモンスタ画像、さらにレーン映像に溶岩流を模擬したオブジェクト画像が合成表示された画面例、(B)はレーン映像とモンスタ画像、さらにレーン映像に溶岩流を模擬したオブジェクト画像が合成表示され、モンスタ画像が動画である場合の画面例、(C)は、図8(B)に示すエフェクト用合成画像を示す図と同一の図である。
図12】(A)は第9,10フレームでの投球時の画面例の図、(B)、(C)は、演出ゲームの結果を示す画面例の図である。
図13】対戦ゲームの進行中に出現するデフォルメオブジェクト画像の図である。
図14】対戦ゲームの表示関連処理の一例を示すフローチャートである。
図15】対戦ゲームの表示関連処理の一例を示すフローチャートである。
図16】対戦ゲームの表示関連処理の一例を示すフローチャートである。
図17】演出用のオーブ争奪ゲームを実行する場合のCPUの機能構成図である。
図18】オーブ争奪ゲームの対戦相手側の情報の表示例を示す画面図である。
図19】オーブ争奪ゲームのスコア関連処理の一例を示すフローチャートである。
図20】演出用の第2の実施形態に係る対戦ゲームを実行する場合のCPUの機能構成図である。
図21】モンスタの出現態様を示すマスキングディスプレイの画面図で、(A)は、特定のピンの映像の空き位置に合成表示する図、(B)は特定のピンの映像の頭部に合成表示する図である。
図22】モンスタ出現率の一例を示す図である。
図23】第2の実施形態に係る対戦ゲームにおけるモンスタ出現率設定処理の一例を示すフローチャートである。
図24】第2の実施形態に係る対戦ゲームにおけるモンスタ演出表示処理の一例を示すフローチャートである。
図25】フロント管理装置の制御部の機能構成図である。
図26】閲覧可能な画像図の一例を示すもので、勝利した対戦ゲームでのボウリングスコア表、勝利場面及び最終投球映像(動画含む)を含む画像図の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の一実施形態であるボウリング管理システム1が適用されたボウリング場の内部全体の構成を示す概略図であり、コンソール部20の手前からレーン前方側のボウリング場内の全体を見渡した図である。図2は、本ボウリング管理システム1が適用される、レーンの側方から見たボウリング場内の構成の一例を示す概略図である。
【0023】
図1に示すように、ボウリング場内には、左右方向に複数のレーン10が並設され、手前には2レーン毎にコンソール部20が設けられている。コンソール部20の斜め上の天井であるオーバーヘッド部30には、公知のオーバーヘッドディスプレイ部(以下、OHディスプレイ)31(図2参照)が設けられている。また、前方のピンセッタ13(図2参照)の正面側にはマスキング部40が設けられている。
【0024】
レーン10は、プレイヤPLのための助走部10aから前方に向かって所定幅でかつ所定長だけ延設されている。レーン10の左右にはボウルBoを受け止めるガータ(溝)が並設されている。図2に示すように、レーン10の先端部のピンステージ上には10本のピンPiが所定の配列で立設される。ピンセッタ13は、公知の機構を備えており、10本のピンをピンステージ上に所定の配列で立設する動作と、投球に関連して倒れたピンPiのみを内部側に回収する動作とを行う。
【0025】
レーン10の助走部10a側からピンステージ側に向けて、レーン10上を転動するボウルBoを検出する、例えばフォトインターラプタを利用したボウルセンサ11,12が配置されている。ボウルセンサ11は、助走部10aから所定長だけ前方側に配置され、ボウルセンサ12は、ピンステージの少し手前位置に配置されている。ピンカメラ14は、ピンセッタ13あるいは他の部材中の、ピンPiより高い位置に固設されている。ピンカメラ14は、ピンステージ上を俯瞰的に撮像するもので、投球後のピンアクション、すなわち各ピンPiの転倒と直立維持の各状態を撮像する。
【0026】
コンソール部20は、順番待ちのプレイヤが座る椅子などを有し、所要数のディスプレイ、ここではタブレット21(図3参照)が椅子側に向けられて準備されている。なお、タブレット21には、感圧素子を含む透光性のタッチパネル211(図4参照)が積層配置され、タブレット21に表示されるボタン画像(例えば対戦ゲームとか、オーブ争奪ゲーム他)上を押下することで各種の指示入力を可能にしている。
【0027】
オーバーヘッド部30は、OHディスプレイ31とOHカメラ32とを少なくとも備える。OHディスプレイ31は、各種のディスプレイが採用可能であり、画面がコンソール部20側に向けて配置され、さらに後方(図2の左方)通路からも表示画像が観察可能にされている。OHカメラ32は、レーン10及び転動するボウルBoを俯瞰的に撮像するもので、ボウルセンサ11の手前適所からピンステージ上のピンPiまでが撮像範囲となるように設定されている。
【0028】
マスキング部40は、例えばレーン10の左右に配置された支持枠41aに支持されたマスキングディスプレイ41と、支持枠41aに支持されたフロントカメラ42とを少なくとも備える。マスキングディスプレイ41は、画面が助走部10a側に向けて立設され、コンソール部20さらには奥の通路からも表示内容が視認可能な比較的大型サイズのLED、その他、各種のディスプレイで構成されている。フロントカメラ42は、例えば支持枠41aに支持され、助走部10a上のプレイヤPLを撮像する。
【0029】
図3(A)は、フロント部50、コンソール部20、各ディスプレイ及び各カメラ間の信号の接続関係を示すボウリング管理システム1の概略ブロック図である。図3(B)は、例えばOHディスプレイ31に表示されたスコア表の画像例で、この画像例では、2名でボウリングゲームを行い、現在、5フレームまでのゲーム履歴及びスコアが表記されている。ゲーム履歴及びスコアは、後述するようにボウリングゲームプログラムに従って自動作成及び自動計算される。なお、ボウリングゲームのスコア及びルールは公知なので説明は省略する。
【0030】
図3(A)において、コンソール部20とフロント部50との間、またフロント部50に設けたオフィスユニット51、フロント管理装置52及びデータサーバ53の間は、それぞれLANケーブルを介してローカルエリアネットワークとして接続されている。オフィスユニット51は、典型的には事務所内に配置されたパーソナルコンピュータ(PC)である。フロント管理装置52は、ボウリング場の受付カウンタなどに配置された受付処理、料金精算処理、スコア表のプリント指示処理などを行うPCである。データサーバ53は、顧客情報の管理のほか、各レーンで行われる各時間でのすべてのボウリングゲームデータ、成績管理を行うとともに、後述するようにボウリングゲームに付随して実行される、遊び心を加えて興趣性の高い演出ゲームとしての性格を有する対戦ゲーム、オーブ争奪ゲームのすべてのゲーム関連データを管理する。なお、データサーバ53は、例えばチェーン店中の各ボウリング場における前記データを含めてもよい。
【0031】
また、本実施形態では、各コンソール部20には、2レーン分のマスキングディスプレイ41及びOHディスプレイ31、また2レーン分のフロントカメラ42、ピンカメラ14及びOHカメラ32がそれぞれ接続されて、2レーン分のデータ処理を行っているが、コンソール部20は、ディスプレイ41,31及びカメラ42,14,32を、レーン毎に1組の態様として1レーン分ずつをデータ処理するものとしてもよい。コンソール部20は、後述するように、ディスプレイ41,31へのデータ表示を制御し、またカメラ42,14,32の動作タイミングを制御する。
【0032】
なお、フロント部50の例えばフロント管理装置52は、必要に応じてネットワークである例えばインターネット60に接続可能にされている。インターネット60上にはSNSサーバ70が接続されている。SNSサーバ70は、SNS(Social Networking Service)の動作を管理する管理プログラムと共に必要に応じてデータサーバ等を備えている。また、インターネット60には携帯端末80が接続可能にされている。携帯端末80は、少なくとも電子メールが可能であり、また、公知のようにSNS登録を行ってSNSを利用することが可能である。データサーバ53には、後述するSNS連動のアプリケーションプログラムが読み出し可能に格納されており、携帯端末80からの要求を受けてダウンロードして、図略の内部RAMにインストールすることで、後述するSNS連動アプリが利用可能となる。また、SNS登録会員間でフォローリクエストの許可を受けると、相手会員のアップロードした内容乃至ハッシュタグ付きコンテンツを閲覧することが可能となる。なお、ハッシュタグ付きコンテンツの閲覧に関しては、フォローリクエストの許可の有無に関わらず可能としてもよい。
【0033】
図4は、図3(A)の一部を、より詳細に示したブロック図で、コンソール部20を中心にした、1レーン分に対応する部分である。コンソール部20は、好ましくはプロセッサを含むCPU201を備える。CPU201は、バスBUを介してRAM202、ROM203と接続されている。CPU201は、画像処理回路421,141,321を介してフロントカメラ42、ピンカメラ14及びOHカメラ32とそれぞれ接続されている。また、CPU201は、バスBUを介して、ゲーム画像出力回路204、I/O回路206、合成画像出力回路208、第1、第2ボウルセンサ11,12及びタッチパネル211と接続されている。ゲーム画像出力回路204は、ゲーム進行に応じたスコアや各種の画像(動画含む)等を出力する。
【0034】
スイッチ205は、I/O信号に基づいて信号ラインの切り替え(選択)を行う。I/O回路206は、スイッチ205への選択制御信号の他、画像合成回路207に対する合成処理のタイミング制御信号や表示メモリ209に対するデータ書き込み、読み出しの同期制御信号を出力する。
【0035】
画像合成回路207は、各カメラ42,14,32で撮像された現実の映像と、合成画像出力回路208から出力された、合成対象となる仮想のデジタル情報画像とを合成(スーパーインポーズ)して表示メモリ209に一時記憶させ、合成画像としてディスプレイ上に公知のラスタスキャンによってリアルタイムで出力表示させる、いわゆる拡張現実(Augmented Reality)処理を実行する。合成対象となるデジタル情報画像には、データサーバ53乃至はRAM202に書き込まれた、例えば各種のオブジェクト画像、各種のエフェクト画像その他の仮想のオブジェクトを含む。なお、画像合成回路207の処理として、ボウリングゲームを演出する画像とデジタル情報画像とを合成する処理態様を含めてもよい。また、ハブ210は、1レーン分用としての複数台のタブレット21に前記合成画像を含む所定の信号を供給する。なお、タッチパネル211は、前記のように、タブレット21の表示面に重畳配置されてプレイヤからのタッチ等の入力操作を受け付ける。
【0036】
CPU201は、データサーバ53乃至はROM203に書き込まれた各種のプログラムを実行して、後述するボウリングゲームの実行とスコア処理を、また、選択的に実行される対戦ゲームプログラムの実行とポイント処理を、さらに選択的に実行されるオーブ争奪ゲームの実行とポイント処理の制御をそれぞれ行う。RAM202は、ワークエリアとして用いられる。なお、前記各種のプログラムは、データサーバ53からROM203に読み出しておき、その都度、ROM203からワークエリアに読み出して実行する態様でもよい。また、CPU201及び画像合成回路207を含めて本発明における制御部として機能する。
【0037】
フロントカメラ42は、マスキング部40側から助走部10a方向を視野とした状態で、特に助走部10a上のプレイヤPLを撮像する。撮像されたプレイヤPLの映像は、鏡を見た場合と同様に左右反転した画像にされてディスプレイ41,31、タブレット21の少なくとも1つに導かれて適宜表示される。
【0038】
CPU201は、フロントカメラ42で撮像されたプレイヤPLの映像を画像処理回路421を通して動きのある映像部分(プレイヤPLの部分)を抽出し、プレイヤPLの背格好などのいわば属性情報、投球準備状態、及び投球開始動作を判定する。これらの各情報を抽出する手段としては、センサを利用する方法や種々の画像認識処理方法が適用可能であるが、例えばOpenPose(ディープラーニングを使った、単眼式のカメラからの撮像映像に対するスケルトン検出アルゴリズム)が知られている。OpenPoseは、公知のように、単眼式のフロントカメラ42からの撮像映像(映像乃至動画像)から、人の特徴点の検出と特徴点同士の関係の推定を行い、人の体格(膝、肘、目など)を検知して人体姿勢を推定する。CPU201は、得られた体格情報などを利用して、プレイヤPLの背格好、典型的には身長、痩身かどうかなどを判別する。また、必要に応じてタブレット21のタッチパネル211で他の属性、例えば性別、年齢などを入力する態様も採用可能であり、さらに身長などを入力する態様でもよい。投球準備状態は、例えばプレイヤPLの人体の各部の姿勢乃至経時的に静止状態であるかどうかで判定可能である。投球開始動作は、例えば静止状態から人体の各部に歩行のような動きが生じているか否かで判定可能である。なお、プレイヤPLの属性情報は、後述するようにコスプレオブジェクト画像Gco(図9(B)参照)の選定に反映され、投球準備状態乃至投球開始動作は、後述するようにエフェクト用としてのオーラ画像(図8参照)の合成に反映される。
【0039】
なお、プレイヤPLに対する投球準備状態及び投球開始動作の判定は、フロントカメラ42に代えて、他の種々のセンサを用いても行うことが可能である。例えばコンソール部20乃至は助走部10aの適所に、フォトインターラプタのような人体検知センサを、助走部10aに立ったら1個がオンし、助走に入ったら他の1個がオンするような配置にして各動作を判別可能にし、あるいは1個のセンサで変移が検知可能な構成としてもよい。
【0040】
CPU201は、公知の手法を用いて、ピンカメラ14及び画像処理回路141を経て各ピンPiの直立/転倒状態を判定する。すなわち、画像処理回路141は、ピンカメラ14で撮像された映像信号を入力し、所定の画像処理を施して直立ピンと転倒ピンの判定を容易にするべく画像の2値化を行い、CPU201は、2値化画像データを取り込んで各ピンPiの直立/転倒状態を判定する。ピンPiの状態情報は、周知のようにスコア計算に反映される。
【0041】
また、CPU201は、レーン10の所定位置、例えばボウルBoが第1ボウルセンサ11で検知されたタイミングに基づいてOHカメラ32及び画像処理回路321を経てボウルBoの位置、例えばレーン10の幅方向の位置を検知する。画像処理回路321は、固設されたOHカメラ32で撮像した映像中から、形状乃至動きのあるボウル映像GBoを経時的に識別して抽出し、予め設定されているレーン映像G10の位置情報とからボウルBoの位置を判定する。ボウルBoの位置情報は、後述するように演出用オブジェクトであるモンスタ画像Gmの動きに反映される。
【0042】
合成画像出力回路208は、拡張現実のためのデジタル情報画像をデータサーバ53から読み出して、画像合成回路207に出力する。図5は、データサーバ53が保管する各種のデータファイルを示している。データサーバ53は、ゲームプログラムデータファイル531、プレイヤデータファイル532、対戦ゲーム等関連データファイル533を少なくとも格納する。
【0043】
ゲームプログラムデータファイル531は、本来のボウリングゲームプログラム、演出用の対戦ゲームプログラム、射幸心を煽るオーブ争奪ゲームプログラムを含む。なお、ゲームプログラムデータファイル531は、ROM203に格納する態様でもよく、あるいは、ボウリングゲームプログラムのみをROM203に格納する態様としてもよい。
【0044】
プレイヤデータファイル532は、フロントで記入などされた氏名、付与されたID、ゲーム日時、指定されたゲームレーン番号、各ゲームの履歴(投球毎の転倒ピンの種類(何番ピンなど)や本数)とスコアなどの各データ、さらに、プレイヤ合成画像、対戦ゲームの履歴と結果、オーブ争奪ゲームの結果、獲得オーブ数、オーブ数に応じたランクの各データを含む。
【0045】
対戦ゲーム等関連データファイル533は、エフェクト画像、コスプレオブジェクト画像、モンスタ画像、モンスタ選択演出画像、モンスタエフェクト画像、勝敗エフェクトがオズ、オーブ対戦画像、ポイント付与ルール、デフォルメオブジェクト画像、さらに対戦ゲームの他の実施形態に係るモンスタの出現率、モンスタとピンとの対応パターン、モンスタポイント表の各データを含む。
【0046】
図6は、演出用の対戦ゲームを実行する場合のCPUの機能構成図である。CPU201は、各種のプログラムをRAM202に読み出して実行することで、ボウリングゲーム進行管理部2011、プレイヤ画像識別部2012、コスプレ選択・合成部2013、モンスタ選出部2014、画像合成制御部2015、ポイント管理部2016、及び対戦ゲーム進行管理部2017として機能する。なお、プレイヤ画像識別部2012~対戦ゲーム進行管理部2017は、通常のボウリングゲームに、演出用の対戦ゲームを付加した場合の対戦ゲームの処理を管理するものである。対戦ゲームの選択は、プレイヤが所定の指示、例えばタブレット21を経て対戦ゲームの選択の入力を受け付けることで動作する。
【0047】
ボウリングゲーム進行管理部2011は、通常のボウリングゲームの進行を管理する。通常のボウリングゲームの進行は、例えば図3(B)に示すように、1フレーム目から順番に投球し、10フレーム目の投球で終了する。ここで、対戦ゲームにおけるポイントとの関連で、スコアの計算ルールを簡単に説明する。10フレーム目を除く各フレームでは、1投目ですべてのピンを倒すと「ストライク」(図3(B)、例えばプレイヤ「〇〇〇〇」の2フレーム目と3フレーム目参照)とされ、続く2投分での転倒ピンの本数が加算される。2本目で残りをすべて倒すと「スペア」(図3(B)、例えばプレイヤ「〇〇△△」の2フレーム目参照)とされ、続く1投分での転倒ピンの本数が加算される。2投目で立直ピンが残ると「オープン」フレーム(図3(B)、例えばプレイヤ「〇〇〇〇」の4,5フレーム目参照)とされ、この場合には転倒ピンの本数だけの加算となる。10フレーム目は、最大3投目まで可能となる。なお、通常のボウリングゲームの進行は周知であるので、対戦ゲームと関連する処理について、以下説明する。
【0048】
図7は、CPU201のボウリングゲーム進行管理部2011によって実行される、通常のボウリングゲームにおけるボウリングゲームスコア関連処理についてのフローチャートである。まず、現在のスコア(図3(B)参照)が例えばタブレット21及びOHディスプレイ31に表示される(ステップS1)。次いで、プレイヤPLが助走部10aに立ったか否かが、前述したようにフロントカメラ42あるいは他のセンサの検出結果から判断される(ステップS3)。プレイヤPLが助走部10aに立ったのであれば、フロントカメラ42の撮像映像をマスキングディスプレイ41に表示する(ステップS5)。続いて、ボウルBoが第1ボウルセンサ11の検出するレーン10上の所定位置を通過したかどうか、すなわちオンしたか否かが判断される(ステップS7)。オンするまで待って、オンした場合、OHカメラ32の撮像映像をマスキングディスプレイ41に表示する(ステップS9)。次に、ボウルBoが第2ボウルセンサ12の検出するレーン10上の所定位置を通過したかどうか、すなわちオンしたか否かが判断される(ステップS11)。ボウルBoが第2ボウルセンサ12で検出された場合、ピンカメラ14の撮像映像をマスキングディスプレイ41に表示し、ピン状態を検出する。ピン状態の検出とは、ピンカメラ14の撮像映像に基づいて、例えば立直ピンのうちの何番ピンを倒したか(何番ピンが立直して残ったか)を検出する(ステップS13)。そして、CPU201は、立直ピンの検出状況から、スコアを計算し、かつタブレット21やOHディスプレイ31に表示する(ステップS15)。かかる処理が投球の毎に実行される。そして、1ゲームが終了すると、ゲーム履歴及びスコアがフロント管理装置52(乃至はデータサーバ53)へ送信されて、格納される。
【0049】
プレイヤ画像識別部2012は、フロントカメラ42で撮像され、画像処理回路421による画像処理を経て撮像映像中からプレイヤ映像Gplを識別する(図8(A),(B))。図8(A),(B)は、画面内のプレイヤ映像Gplを表示したマスキングディスプレイ41の画面図で、作画の便宜上、シルエットで簡略して示しているが、(A)は立ち位置でボウル映像Gboを構えた状態の映像、(B)は投球動作中の映像である。プレイヤ映像Gplには、エフェクト用としての画像、ここではオーラを模擬したオーラ画像Gauが合成表示されている。プレイヤ画像識別部2012は、動きのあるプレイヤ映像Gplの経時的な位置情報を取得し、その位置情報を用いて、プレイヤ映像Gplの周囲に合成対象のオーラ画像Gauをスーパーインポーズ処理して表示する。また、オーラ画像Gauは、経時的に変化するアニメ画像であってもよい。なお、表示するディスプレイは、マスキングディスプレイ41に限らず、OHディスプレイ31、タブレット21でもよく、また複数でもよい。
【0050】
コスプレ選択・合成部2013は、プレイヤPLが立ち位置にいるときに、フロントカメラ42で撮像され、画像処理回路421による画像処理を経て撮像映像中からプレイヤ映像Gplの特徴を識別する。より詳細には、コスプレ選択・合成部2013は、プレイヤPLの属性情報、すなわち背格好や身長、痩身さなど、さらには必要に応じてタッチパネル211からの入力情報に基づいて、プレイヤPLに対応するコスプレオブジェクトを選出する。
【0051】
図9(A)は選出対象である所定数の、ここでは3個のコスプレオブジェクト画像Gc1,Gc2,Gc3が準備されている。コスプレ選択・合成部2013は、プレイヤPLに対して識別された属性情報に対応する1つのコスプレオブジェクト画像Gc0を選出する。図9(B)では、コスプレオブジェクト画像Gc1が選出され、さらに、その一部分、例えば顔面部分に、プレイヤ映像Gplから抽出した同じ個所の顔映像Gpfが合成されて、コスプレオブジェクト画像Gc0とされている。コスプレ選択・合成部2013は、ゲーム開始の最初の1投目を投じる前の助走部10aの立ち位置で構えたときに、コスプレオブジェクト画像Gc0をマスキングディスプレイ41に表示する演出を行う。なお、コスプレ選択・合成部2013は、所定の短時間でコスプレオブジェクト画像Gc0を、図8(A)のオーラ画像Gauが合成されたプレイヤ映像Gplに切り替える。また、図8(A)に示す各コスプレオブジェクト画像Gcはディスプレイに表示してもよいし、しなくてもよい。
【0052】
モンスタ選出部2014は、立ち位置にいるプレイヤPLをフロントカメラ42で撮像し、画像処理回路421による画像処理を経てプレイヤPLのジェスチャー、例えば腕の動き操作を識別する。より詳細には、モンスタ選出部2014は、ゲームの最初の1投目を投じる前にマスキングディスプレイ41の画面410に複数のモンスタ画像Gm1~4を区分けして表示し(図9(C)参照)、助走部10aの立ち位置でプレイヤPLに複数種類のジェスチャーのいずれかを行わせ、そのジェスチャーを識別することでモンスタ画像Gmを選出する。例えば、図9(C)のモンスタ画像Gm1に向けて破線で示すように、上から斜め左下方に向けて画像と交差するように、いわば手刀を切るような仕草である。下側の画像に対しては、下から斜め左上方、斜め右上方に向けて手刀を切る仕草をすることで、それぞれ識別が可能となる。図9(D)は、モンスタ画像Gm1が選出されたことを演出する態様を示し、選出されたことが視認容易とされている。
【0053】
画像合成制御部2015は、図8図9の他、図10図13に示すように、いずれかのカメラで撮像された映像とデジタル情報画像とを合成する処理を制御する。図10は、助走部10aからマスキングディスプレイ41方向を見た図で、レーン10が前方に延設され、その前端にピンPiが10本配列されており、かつレーン10の途中をボウルBoが転動している。そして、前方のマスキングディスプレイ41の画面410には、OHカメラ32で撮像された、レーン10、ピンPi及びボウルBoを含む映像が表示されるとともに、演出用としてモンスタ画像Gmが所定位置、例えば転動中のボウル映像Gboの近傍に合成表示されている。図10(B)は、他の演出用の画像例で、レーン映像G10の上面に、刺激の強い色彩乃至は模様が施された画像が合成されている。これによって対戦ゲームに対する演出効果が増長される。
【0054】
図11は、図10のマスキングディスプレイ41の画面410を示したもので、図11(A)は、マスキングディスプレイ41の画面410にレーン映像G10、ボウル映像Gbo及びモンスタ画像Gm、さらにレーン映像G10上に溶岩流を模擬したオブジェクト画像が合成表示された画面である。この場合、モンスタ画像Gmは、ボウル映像Gboを威嚇するような演出画像乃至はアニメーションでもよい。図11(B)は、図11(A)と異なり、モンスタ画像Gmが動いて、例えばボウル映像Gboをかわすような動作(飛び跳ね、左右移動など)をしている。図11(C)は、図8(B)に示すエフェクト用合成画像を示す図と同一の図である。対戦ゲームでは、ボウルBoの投球開始動作中は図11(C)のプレイヤ映像Gplが表示され、投球後のボウルBoが第1ボウルセンサ11での検出位置を超えると、図11(A)又は(B)が表示される。図11(A)又は(B)のいずれが演出表示されるかは、後述するように、ボウルBoが第1ボウルセンサ11を通過するタイミングでOHカメラ32が検出したボウルBoの位置情報によって切り替え設定されることが好ましい。また、位置情報の他、ボウルBoの移動速度を第1ボウルセンサ11を横切る時間で、又はOHカメラ32での経時的なボウル映像の位置変化から計測し、移動速度の高低を含めて切り替えるようにしてもよい。あるいは、乱数等を用いたランダム設定としてもよい。
【0055】
図12(A)は、ゲーム終盤のフレーム、例えば第9,10フレームの投球時の演出用の画面例の図で、投球前にマスキングディスプレイ41に表示される。画面410には、「FINAL ATTACK」の文字画像Gguが合成表示される。図12(B)、(C)は、対戦ゲームの結果を示す画面例の図である。図12(B)は、対戦ゲームに勝利(モンスタを討伐)した場合で、画面410に「WINNER」の文字画像Gwiが合成表示される。図12(C)は、対戦ゲームに敗戦した場合で、画面410に「LOSE」の文字画像Gloが合成表示される。
【0056】
図13(A)は、所定の人物、例えばプロボウラを模擬したデフォルメオブジェクト画像Gd1を、図13(B)は、所定の人物、例えば店舗所属のインストラクタを模擬したデフォルメオブジェクト画像Gd2を示す。これらのデフォルメオブジェクト画像Gd1,Gd2は、画面410に所定のタイミング乃至ランダムなタイミングで出現するように設定されており、出現の度に、あるいはモンスタに勝利した場合に、プレイヤにはそれぞれ所定のポイントが付与され、あるいは後述するオーブが所定個数付与される。
【0057】
ポイント管理部2016は、ボウリングゲームのスコア及び進行状況に応じたポイント換算ルールに従ってポイントを設定し、プレイヤに累積的に付与する処理を行う。本実施形態では、各モンスタに予め所定のダメージポイントを設定しておき、一方、プレイヤは、モンスタに所定のダメージを演出的に与える毎に、換算ルールによるポイントを獲得する(モンスタはその分、同等のダメージポイントが減算される。)。対戦ゲームは、1ゲーム分のボウリングゲームの終了時点で、少なくともプレイヤが、対戦したモンスタのダメージポイントをすべて奪ってゼロ点にすることで勝利するようにしている。なお、プレイヤのポイントは、例えばゲーム途中でモンスタのダメージポイントをすべて奪った後でも、ゲームが終了するまで引き続き対戦に応じたポイント換算ルールでポイントを獲得することが可能である。
【0058】
ポイント換算ルールは、基本的にはボウリングゲームに付随した演出ゲームであるため、ボウリングのスコアが高いほど対戦ゲームも高いポイントが付与されることが好ましい。より詳細には、ポイント換算ルールは、例えば、(a)倒したピンPiの本数に対応したポイント、(b)スペア、ストライクでボーナス的なポイント、(c)マーク(ストライクやスペア)が続いた場合のボーナス的なポイント(コンボボーナス)、(d)投球直前にミッション(例えば「偶数ピンを倒せ」、「10(テン)ピンを残すな」)が発生(例えばマスキングディスプレイ41に表示)し、プレイヤが当該ミッションを達成した場合のボーナス的なポイント、(e)所定フレームに対して、例えば9,10フレームでは、ポイントが数倍、ここでは2倍に設定されるなどである。また、表示されているモンスタ画像Gmの挙動(威嚇、かわすなど)に対しても所定のポイントを設定してもよい。このように、ポイント獲得条件を種々設けることで演出ゲームについても興趣、射幸心を醸し出すことが可能となる。なお、本実施形態においては、ポイントは数字に限定されず、他の表記方法、例えば下下下、下下中、…、上上中、上上上のような階層表現を採用してもよい。
【0059】
対戦ゲーム進行管理部2017は、通常のボウリングゲームに対戦ゲームを付加したゲームの進行管理を実行する。対戦ゲーム進行管理部2017は、プレイヤ画像識別部2012~ポイント管理部2016の動作管理を実行する。
【0060】
図14図16は、対戦ゲーム進行管理部2017によって実行される対戦ゲームの関連処理の一例を示すフローチャートである。まず、現在のスコア(図3(B)参照)が例えばタブレット21及びOHディスプレイ31に表示され(ステップS21),次いで、プレイヤPLが助走部10aに立ったか否かが、前述したようにフロントカメラ42あるいは他のセンサの検出結果から判断される(ステップS23)。次に、1フレーム目の1投目か否かが判断され(ステップS25)、1投目の場合、プレイヤPLが確認されると、コスプレオブジェクト画像Gcの選出処理が実行されて、選出されたコスプレオブジェクト画像GcにプレイヤPLの撮像映像の顔部分が合成されて(図9(B)参照)、各ディスプレイ41,31、タブレット21に表示される(ステップS27)。また、モンスタ画像Gmの設定、すなわち選出と各ディスプレイ41,31、タブレット21への表示が行われる(ステップS29)。一方、1投目でなければ、ステップS31に移行する。
【0061】
続いて、ゲーム進行のフレーム管理から最後の投球か否かが判断され(ステップS31)、最後の投球であればステップS33に進み、そうでなければステップS35に移行する。ステップS33では、ファイナルアタックの画像Gguが各ディスプレイ41,31、タブレット21に表示される。ステップS35では、フロントカメラ42の映像処理を通して投球開始か否かが判断される。投球開始であれば、フロントカメラ42でのプレイヤPLの撮像映像にエフェクト画像を合成し、各ディスプレイ41,31、タブレット21に表示される(図8(B)、ステップS37)。次いで、フロントカメラ42の映像処理を通して投球終了か否かが判断される(ステップS39)。次いで、設定されたモンスタ画像GmがOHカメラ32での撮像映像と合成されてレーン映像G10上の所定位置に表示される(図15、ボウリング場ステップS41)。そして、第1ボウルセンサ11がオンか否かが判断され、オンであれば、OHカメラ32での撮像映像からボウルBoのレーン10上の位置、速度が検出される(ステップS43)。次いで、検出位置、速度に応じて、モンスタ画像Gmにエフェクト動作の実行が行われる(図11(A),(B)、ステップS45)。
【0062】
次いで、第2ボウルセンサ12がオンか否かが判断され(ステップS49)、オンであれば、ピンカメラ14での撮像映像が各ディスプレイ41,31、タブレット21に表示される(ステップS51)。ピンカメラ14での撮像映像がマスキングディスプレイ41に表示されると共に、ピンの状態が検出される(ステップS53)。ここで、1球の投球の終了に基づいて、スコア処理と、ゲームポイント計算処理と、フロント管理装置へのゲームポイントデータの送信とが行われる(ステップS55)。
【0063】
次いで、1ゲームが終了したか否かが判断され(ステップS57)、終了でなければ、本フローは最初にリターンされる。終了であれば、対戦ゲームの勝者が判定される(ステップS59)。なお、前記したように、勝者は、モンスタのダメージポイントがゼロ点まで低下した場合、プレイヤとなり、そうでない場合には、モンスタとなる。モンスタが勝者の場合、敗戦画像(図12(C))が各ディスプレイ41,31、タブレット21に表示される(ステップS61)。一方、プレイヤが勝者の場合、勝利画像(図12(B))が各ディスプレイ41,31、タブレット21に表示され(ステップS63)、さらに、勝利が連続したか否かが判断される(ステップS65)。そして、勝利が連続している場合、連続勝利数をインクリメント(積算)し、フロント管理装置52へ送信してデータサーバ53に格納して(ステップS67)、終了する。なお、本フローチャートにおいては、デフォルメオブジェクト画像Gd1,Gd2の出現に関しては、説明を省略している。
【0064】
図17は、演出用のオーブ争奪ゲームを実行する場合のCPUの機能構成図である。CPU201は、各種のプログラムをRAM202に読み出して実行することで、ボウリングゲーム進行管理部2021、対戦相手選出部2022、プレイヤ画像識別部2023、コスプレ選択・合成部2024、画像合成制御部2025、ポイント管理部2026、及びオーブ争奪ゲーム進行管理部2027として機能する。なお、対戦相手選出部2022~オーブ争奪ゲーム進行管理部2027は、通常のボウリングゲームに、演出用のオーブ争奪ゲームを付加した場合のゲームの処理を管理するものである。オーブ争奪ゲームの選択は、プレイヤが所定の指示、例えばタブレット21を経てオーブ争奪ゲームの選択の入力を受け付けることで動作する。
【0065】
ボウリングゲーム進行管理部2021は、通常のボウリングゲームの進行を管理するもので、前記で説明したボウリングゲーム進行管理部2011と同一であり、説明は省略する。
【0066】
ここで、オーブ争奪ゲームの概要について説明する。オーブ争奪ゲームは、プレミアム、ここでは仮想のオーブを獲得する演出ゲームである。オーブ個数が所定数を超えると仮想のランク(あるいは称号など)が付与され、例えばボウリング場のディスプレイに本人名などと対応付けて所要のタイミングで表示される。オーブ争奪ゲームは、対戦ゲームに連続して、例えば連続3回以上勝利していること、及び/又はオーブの持ち数が所定数以上であることを条件としてもよい。オーブ争奪ゲームは、過去の対戦ゲームでモンスタに勝利した他のプレイヤが当該対戦ゲームで取得したポイントと大小を競うものである。他のプレイヤは任意乃至所定のルールで選出される。本実施形態では、対戦相手のゲーム内容は、選出されたプレイヤが行った1ゲームでの各フレームの状況並びに獲得したポイントの履歴がそのまま再現される。なお、本実施形態では、対戦相手の匿名化のために、対戦相手に代えて、対戦相手が勝利したときのコスプレオブジェクトが用いられる(図18参照)。あるいはその時に倒したモンスタの画像を用いてもよい。対戦相手のコスプレオブジェクト画像Gcは前記対戦ゲームの場合と同様、複数の中から任意に乃至は自動で選択可能にしてもよい。オーブ争奪ゲームに勝利すると、所定数のオーブが付与され、それによって、オーブ数が予め設定された個数を超えると、より上位のランク(称号)が付与される。また、ランクの付与に代えて、あるいはさらにコスプレオブジェクトやエフェクトの表示がグレードアップされてもよい。なお、負けた場合にはオーブが減少するルールでもよい。
【0067】
対戦相手選出部2022は、タブレット21を操作してオーブ争奪ゲームが選択されると、オーブ数の条件をクリアしている場合、対戦相手の選出を行う。対戦相手は、ランダムに選出され、あるいはオーブ争奪ゲームを希望するプレイヤが対戦ゲームで勝利した際に獲得したポイントと比較して、同等のポイントで勝利した過去の他のプレイヤの中からランダムにあるいは所定期間内の該当者のリストを表示し、その中からプレイヤ自身が選択する態様としてもよい。図18は、対戦相手が選択されたときのOHディスプレイ31の画面310で、中央に選出された対戦相手のコスプレオブジェクト画像Gcが表示され、画面310の所定箇所、例えば下部欄311に自己が仮想的に所持するオーブ数を表すオーブ画像312が表示される。図18では、所得オーブ数は5個である。
【0068】
プレイヤ画像識別部2023は、プレイヤ画像識別部2012と同一の動作を行う。また、コスプレ選択・合成部2024は、コスプレ選択・合成部2013と同一の動作を行う。また、画像合成制御部2025は、画像合成制御部2015と同一の動作を行う。また、ポイント管理部2026は、ポイント管理部2016と同一の動作を行う。
【0069】
オーブ争奪ゲーム進行管理部2027は、対戦相手選出部2022~ポイント管理部2026の動作管理、及び通常のボウリングゲームにオーブ争奪ゲームを付加したゲームの進行管理を実行する。
【0070】
図19は、オーブ争奪ゲーム進行管理部2027によって実行されるオーブ争奪ゲームの関連処理の一例を示すフローチャートである。まず、オーブ争奪戦の選択の有無が判断され(ステップS71)、なければ本フローを抜ける。一方、オーブ争奪戦の選択があれば、オーブ対戦条件をクリアしているか、例えば連続3回以上対戦ゲームで勝利しているか否かが判断され(ステップS73) 、クリアしていなければ本フローを抜ける。一方、オーブ争奪条件をクリアしていれば、オーブ争奪ゲーム進行管理処理に移行する(ステップS75)。
【0071】
オーブ争奪ゲーム進行管理処理では、まず、プレイヤが投球する毎にポイントが算出され、かつ1フレーム終了毎のゲームポイントp1が算出されて、直前のフレームまでのゲームポイント値に累積される(ステップS751)。次いで、対戦相手のゲーム履歴から、同一フレームの対戦相手のゲームポイントp2を読み出し、p1とp2とが比較され(ステップS753)、比較結果に応じてモンスタ画像Gmの演出表示が制御される(ステップS755)。このときのモンスタ画像Gmは、選択された対戦相手のゲームに登場したモンスタであってもよい。p2<p1の場合、予め準備された、モンスタ画像Gmがダメージを受けた演出画像が表示され、p1<p2の場合、予め準備された、モンスタ画像Gmが襲ってくる演出画像が表示される。なお、p1=p2の場合に、予め準備された、にらみ合いの演出画像が表示されてもよい。また、フレームが10フレーム目の最終投球でなく、ゲーム途中である場合には、ステップS751に戻る。
【0072】
一方、最終投球が終了して1ゲームが終了した時点で、両者の累積ゲームポイントP1,P2が読み出されて、P1とP2との大小比較が行われ(ステップS757)、比較結果に応じて勝敗の演出表示が行われる(ステップS759)。例えば、図12(B)(C)のような文字付きの画像であってもよい。
【0073】
次いで、オーブ争奪ゲームの勝敗結果及びスコアがフロント管理装置52(乃至はデータサーバ53)へ送信されて、格納される。なお、オーブ争奪ゲームの勝敗結果には、オーブ数の更新、ランク付けの更新なども含まれる。
【0074】
図20は、演出用の第2の実施形態に係る対戦ゲームを実行する場合のCPUの機能構成図である。CPU201は、各種のプログラムをRAM202に読み出して実行することで、ボウリングゲーム進行管理部2031、プレイヤ画像識別部2032、コスプレ選択・合成部2033、モンスタ設定部2034、画像合成制御部2035、ポイント管理部2036、及び対戦ゲーム進行管理部2037として機能する。なお、プレイヤ画像識別部2032~対戦ゲーム進行管理部2037は、通常のボウリングゲームに、演出用の対戦ゲームを付加した場合の対戦ゲームの処理を管理するものである。また、第2の実施形態に係る対戦ゲームは、図6に示す対戦ゲーム装置の機能構成図に対応するもので、ボウリングゲーム進行管理部2031~コスプレ選択・合成部2033、対戦ゲーム進行管理部2037は、ボウリングゲーム進行管理部2011~コスプレ選択・合成部2013、対戦ゲーム進行管理部2017と同一の動作を行うので説明は省略する。
【0075】
モンスタ設定部2034は、データサーバ53の対戦ゲーム等関連データファイル533に格納されているモンスタとピンの対応パターン、モンスタポイント表、モンスタの出現率等の各情報に基づいて処理される。
【0076】
図21は、モンスタの出現態様を示すマスキングディスプレイ41の画面図で、(A)は、特定のピンの映像の空き位置に合成表示する図、(B)は特定のピンの映像の頭部に合成表示する図である。対戦ゲーム等関連データファイル533に格納されている、モンスタとピンの対応パターンの情報は、10本のピンのすべてに、あるいは所定のピンにそれぞれモンスタが対応付けられている。モンスタは複数種類が準備されており、種類に応じてポイント付されている。ポイントは正値の他、負値を含めてもよい。
【0077】
画像合成制御部2035は、種々の映像と画像との合成を行う他、図21(A)に示すような、右側のピン映像Gpの横位置にモンスタ画像Gm1を合成表示し、また、図21(B)に示すような、立直の2本のピン映像110の各頭部位置にそれぞれ異なるモンスタ画像Gm1,Gm2を合成表示する。モンスタポイント表には、各モンスタに対して、例えば5点から-5点まで、1点刻みで設定されている。
【0078】
ポイント管理部2036は、1投毎に、倒したピンに対応付けられているモンスタのポイントを合計し、さらに、このポイントをフレーム毎に累積して、ゲーム終了時点での合計値を対戦ゲームでのポイントとする。また、ポイント管理部2036は、ポイント管理部2016が計算対象としているポイント換算ルールのうちの前記した(b)~(e)を含めてもよい。
【0079】
図22は、モンスタ出現率の一例を示す図である。モンスタの出現率とは、投球毎に、あるいは各フレームの1投目と2投目等において、モンスタの出現状況を変更する条件をいう。モンスタの出現率は、一定でもよいが、また種々の方法で適宜設定可能である。本実施形態ではボウリングゲームのスコアと対応させている。例えば、図22に示すように、予測スコアが高いか低いかのプレイヤに対してはモンスタの出現率を相対的に高めに設定して対戦ゲームの演出も楽しめるようにし、一方、スコアが100点前後のプレイヤに対してはモンスタの出現率を相対的に低めに設定してボウリングゲームに集中させるようにしている。なお、モンスタの出現率は、連続的に設定する他、段階的に例えば予測スコア10点毎に設定してもよい。モンスタ設定部2034は、モンスタの出現率に基づいて、投球毎に出現の有無を設定し、画像合成制御部2035に設定内容に従った画像合成表示を行わせる。
【0080】
図23は、第2の実施形態に係る対戦ゲームにおけるモンスタ出現率設定処理の一例を示すフローチャートである。第2の実施形態では、モンスタ出現率の設定には、図22に示すように予測スコアが必要になる。予測スコアの取得は、種々の方法が考えられるが、ここでは、最初の1投目(初球)で倒したピンの本数で設定する。すなわち、まず、1フレーム目の1投目かどうかが判断され(ステップS101)、そうであれば、その投球結果から予測スコアを判断し、さらにモンスタ出現率を設定する(ステップS103)。かかる1投目で倒したピン数と予測スコアとの対応は、図5の対戦ゲーム等関連データファイル533のモンスタの出現率等に予め格納されている。倒したピン数と予測スコアとの対応関係は、ある程度の相関性があり、例えば直線で乃至は曲線で近似すればよい。なお、初球に限定されず、例えば1フレーム目を参照してもよい。また、倒した本数で判断する他、配列された10本のピンPiのうちのどのピンPiを倒したかの情報を含めて予測してもよい。
【0081】
図24は、第2の実施形態に係る対戦ゲームにおけるモンスタ演出表示処理の一例を示すフローチャートである。投球開始が検出されると(ステップS201)、フレームの1投目か否かが判断される(ステップS203)。フレームの1投目である場合、OHカメラ32の撮像映像中のピン映像Gpiに対応する所定位置に、設定されたモンスタ出現率に応じて各モンスタ画像Gmが合成して表示される(ステップS205)。一方、フレームの2投目である場合、OHカメラ32の撮像映像中の、1投目で倒れなかった残りのピン映像Gpiに対応する所定位置に、設定されたモンスタ出現率に応じて各モンスタ画像Gmが合成して表示される(ステップS207)。次いで、所定の条件(モンスタポイント表その他)でポイントの算出が行われ、直前のポイント値に累積される(ステップS209)。続いて、ゲーム終了か否かが判断され(ステップS211)、終了でなければリターンし、終了であれば、ポイントの累積値がフロント管理装置52へ送信される(ステップS213)。
【0082】
なお、モンスタ画像Gmの出現パターンは複数種類が準備されており、対戦ゲーム毎に所定ルールで、あるいはランダムに設定されるようにしてもよい。また、モンスタ画像Gmの出現パターンは、1ゲーム中でも所定ルールで(例えばスコアの変化状況に応じて)、あるいはランダムに変化するようにしてもよい。このようにすることで、飽きを可及的に阻止することが可能となる。
【0083】
図25は、SNS連動を支援するオフィスユニット51の制御部511の機能構成図である。ここに、SNS連動の支援とは、あるプレイヤのボウリングゲームの結果、対戦ゲーム等の結果を編集して当該プレイヤのインターネット60上のSNSサーバ70にアップロード可能にする処理、また、同じSNS会員であって、承認したフォロアーにアップロード情報を閲覧可能にして、情報交換を促進させる支援をいう。
【0084】
制御部511はCPU(プロセッサ)を備えている。制御部511は、図略のROMに書き込まれた所定のプログラムを実行することで、情報編集部5111及びロード処理部5112として機能する。データサーバ53は、プレイヤ毎に、ボウリングゲーム自体のスコアなどの関連情報の他、プレイヤが対戦ゲームで勝利したときのゲーム履歴、各フレームのポイント、最終ポイント、モンスタを記憶する。制御部511は、インターネット60を介してプレイヤの携帯端末80と情報通信可能にされている。情報編集部5111は、プレイヤの携帯端末80から対戦ゲームに関連する情報を取得するリクエストがあると、そのリクエストに応じた情報を含む返信用画面を作成するべく、予め準備された編集プログラムに従って所定の情報の編集処理を実行する。例えば、「モンスタコレクション」がリクエストされると、本人が倒したモンスタの画像のリストが一覧表示可能に編集される。また、リクエストが「モンスタ討伐時の結果」の場合、図26に示すような、勝利した対戦ゲームでのボウリングスコア表、勝利場面及び最終投球映像(動画含む)を含む画像図が編集して作成される。
【0085】
ロード処理部5112は、自己の携帯端末80の表示画面にリクエスト画像を返信する。また、ロード処理部5112は、画面中のSNS登録のボタンが操作されると、インターネット60上のSNSサーバ内の本人のウエブサーバに、閲覧中の画像がアップロードされて登録される。また、登録後は必要に応じてダウンロードが可能となる。
【0086】
また、プレイヤのフォロアーになった者は、自己の携帯端末80を用いて、プレイヤの登録情報を閲覧することができる。なお、携帯端末80には、インターネットへの接続機能を備えた情報処理端末を含めてよい。また、情報編集部5111は、図26(A)に示す、各携帯端末80の画面上の各モンスタ画像上をタッチすると、当該モンスタを倒したときの対戦ゲームの履歴乃至ボウリングゲームのスコアが表示されるように情報を階層的に合成していてもよい。また、制御部511をオフィスユニット51に設けた態様としたが、これに代えて、フロント管理装置52に設けてもよい。
【符号の説明】
【0087】
10 レーン
14 ピンカメラ
21 タブレット(ディスプレイ)
31 OHディスプレイ
32 OHカメラ
41 マスキングディスプレイ
42 フロントカメラ
52 フロント管理装置(サーバ装置)
53 データサーバ(サーバ装置)
201 CPU(制御部)
207 画像合成回路(制御部)
Pi ピン(ボウリングピン)
Bo ボウル
PL プレイヤ
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