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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220419BHJP
【FI】
A63F5/04 511G
A63F5/04 601B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021105789
(22)【出願日】2021-06-25
(62)【分割の表示】P 2019113965の分割
【原出願日】2019-06-19
(65)【公開番号】P2021151559
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2021-06-25
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110001988
【氏名又は名称】特許業務法人小林国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 裕司
【審査官】安藤 達哉
(56)【参考文献】
【文献】特許第6888828(JP,B2)
【文献】特許第6634652(JP,B2)
【文献】特許第6780863(JP,B2)
【文献】特許第6783259(JP,B2)
【文献】特開2016-174958(JP,A)
【文献】特開2017-144273(JP,A)
【文献】特開2000-167203(JP,A)
【文献】特開2017-221408(JP,A)
【文献】特開2010-012058(JP,A)
【文献】特開2014-170947(JP,A)
【文献】特開2010-219208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に複数種類の図柄が配列されたリールと、前記リールを内側から照らすバックライトと、を備える遊技機であって、
前記バックライトは、
光源が複数実装された光源基板と、
前記光源を露出させる開口を複数有し、前記光源基板の前記光源が実装された面の少なくとも一部を覆うように配置される、光を反射する仕切り部材と、を備え、
1つの前記開口から複数の前記光源が露出するようになっており、
前記光源基板には、前記光源それぞれを識別可能とする数字を含む識別符号が設けられており、
前記識別符号は、
それぞれの前記識別符号の標記方向が揃えられ、
それぞれの前記識別符号が、対応する前記光源に対して同じ側に位置するように設けられ、
かつ、前記仕切り部材が配置された状態においても前記開口を介してそれぞれの前記識別符号の全体が見えるようになっている、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置されるスロットマシンなどの遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店などの遊技場に設置される遊技機としてスロットマシンが広く知られている。スロットマシンは、保管する場合や輸送する場合には嵩張らず、パチンコホールなどの遊技場に設置されるなどして遊技が行われる(遊技が行われる可能性がある)場合には遊技者の目を引くように大型で起伏に富んだ形態であることが好ましい。このため、下記特許文献1、2では、トップレンズユニット(遊技機本体の前面上部に配置され、機種名やキャラクタの絵柄などが表示された部材)を、第1位置(保管や輸送の場合に移動される位置であり、以下、収納位置と称する場合がある)と、第2位置(遊技が行われる(遊技が行われる可能性がある)場合に移動される位置であり、以下使用位置と称する場合がある)との間で移動可能な構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-180901号公報
【文献】特開2017-205170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1、2は、いずれもトップレンズユニットの保護については考慮されておらず、保管時や輸送時にトップレンズユニットが破損してしまう場合があった。
【0005】
本発明は、上記背景を鑑みてなされたものであり、保管時や輸送時にトップレンズユニットを保護できる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、前面扉と、前面扉に取り付けられて第1位置と第2位置との間で移動可能な移動部材と、を備えた遊技機において、前記第1位置の前記移動部材よりも、前記第2位置の前記移動部材の方が遊技者側に位置し、前記移動部材が前記第2位置に位置する場合には、前記移動部材が当該遊技機の遊技者側の先端を構成し、前記移動部材が前記第1位置に位置する場合には、前記移動部材が当該遊技機の遊技者側の先端を構成しないことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、保管時や輸送時にトップレンズユニットを保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】スロットマシンの外観斜視図である。
図2】スロットマシンの外観斜視図である。
図3】スロットマシンの側面図である。
図4】スロットマシンの側面図である。
図5】スロットマシンの正面図である。
図6】スロットマシンの正面図である。
図7】可動機構の分解斜視図である。
図8】可動機構の分解側面図である。
図9】可動機構の動きを示す説明図である。
図10】可動機構の動きを示す説明図である。
図11】リールユニットの正面図である。
図12】リールの構造を示す説明図である。
図13】リールテープの態様及び貼付け構造を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示すように、スロットマシン(遊技機)10は、収納箱11と、前面扉12とを備え、これらから遊技機本体が構成されている。収納箱11には、複数のリール60(図12参照)がユニット化されたリールユニット61(図11参照)や、メダルの払い出しを行うホッパ装置、遊技に関する制御を行うメイン制御基板、演出に関する制御を行うサブ制御基板など各種の部品が収納されている。前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12a及び下扉12bはそれぞれ収納箱11に軸着され、開閉自在に支持されている。
【0010】
なお、以下では、スロットマシン10の上面側を「上」、下面側を「下」、スロットマシン10のうち、遊技者(スロットマシン10で遊技する遊技者)側(先端側)を「前」、スロットマシン10のうち遊技者とは反対側を「後」、スロットマシン10に向かって左側(遊技者の左手側)を「左」、スロロットマシン10に向かって右側(遊技者の右手側)を「右」として説明を行う。
【0011】
上扉12aには、その前面に、各種画像を表示する液晶ディスプレイ15、及び、リール60を視認させるための透明窓16が設けられている。リール60の外周面には複数種類の図柄が配列されており、リール60が停止した状態では、透明窓16を通して1つのリール60につき3個の図柄が表示される。
【0012】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットする際に操作されるベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー24、回転しているリール60を停止させるためのストップボタン26a~26c、ホッパ装置から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿27、クレジットされたメダルを清算するための清算ボタン28が設けられている。また、下扉12bには、スロットマシン10の機種名やキャラクタの絵柄などが表示された化粧パネル29が設けられている。
【0013】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルを投入、または、ベットボタン23操作することによりメダルがベットされるとスタートレバー24が有効化され、有効化されたスタートレバー24を操作すると遊技が開始される。遊技が開始されると、内部抽選が実行される。内部抽選では、少なくとも1つの役またはハズレが割り当てられた複数の当選エリアのいずれかが決定され、決定された当選エリアに割り当てられた役が当選(当選役)となる。
【0014】
また、遊技が開始されると、リール60が回転を開始する。リール60の回転速度が一定速度に到達し、この状態で継続して回転する状態(定常回転)となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化され、有効化されたストップボタン26a~26cを操作すると操作されたストップボタンに対応するリール60を停止させることができる。そして、全てのリール60が停止したときに、当選役に対応する図柄組合せが表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0015】
<遊技機本体の先細り形状>
遊技機本体の外装体は、前方へ向かうほど先細り形状に形成されている。先細り形状とは、先(前方)へ向かうほど、幅(左右方向の長さ)や高さ(上下方向の長さ)が小さく(短く)なる形状であることを示している。
また、先細り形状とは、前側の部材と後側の部材との接続部に段差が生じる場合に、この段差がスロットマシン10の外側に広がるのではなく内側に窄まるように、前側の部材と後側の部材とが形成されていることを示している。具体的には、接続部が上面側に露呈している場合については、前側の部材の後端よりも後側の部材の前端が上側(高い位置)に位置し、接続部が下面側に露呈している場合については、前側の部材の後端よりも後側の部材の前端が下側(低い位置)に位置し、接続部が右面側に露呈している場合については、前側の部材の後端よりも後側の部材の前端が右側(外側)に位置し、接続部が左面側に露呈している場合については、前側の部材の後端よりも後側の部材の前端が左側(外側)に位置していることを示している。例えば、図1に示すように、本実施形態では、スロットマシン10の上面に、後側から前側に向けて部材A、B、C、D、Eがこの順番で並べられており、部材Aの前端は部材Bの後端よりも上側(高い位置)に位置し、部材Bの前端は部材Cの後端よりも上側(高い位置)に位置し、部材Cの前端は部材Dの後端よりも上側(高い位置)に位置し、部材Dの前端は部材Eの後端よりも上側(高い位置)に位置している。
このように、遊技機本体を先細り形状に形成することで、遊技者が遊技機本体に指をかけて牽引するなどが難しくなるので、例えば、前面扉12を牽引して隙間から不正な器具を挿入するなどといった不正行為を防止できる。なお、外装体は、全体として先細りであればよく、外装体の比較的小さな範囲が部分的に先太りとなっていてもよい。外装体の比較的小さな範囲とは、遊技者が指をかけることが難しい程度に小さな範囲であり、具体的には、先太りとなっている部分(牽引するために指をかけることが可能な部分)の大きさが1平方センチに満たない程度に小さいことを示している。また、このように部分的に先太りとなっている部分が複数存在していてもよいが、このような部分を合計しても外装体全体の1割に満たない範囲であることを示している。
【0016】
<トップレンズユニット>
スロットマシン10には、遊技機本体(本実施形態では前面扉12、より具体的には上扉12a)にトップレンズユニット30(移動部材)が着脱自在に取り付けられている。トップレンズユニット30は、スロットマシン10の機種名やキャラクタの絵柄などが表示された表示パネルや、表示パネルを装飾する装飾部材や、表示パネルを照明する照明部材などがユニット化されたものであり、本実施形態では上扉12aの前面上部に着脱自在に取り付けられている。トップレンズユニット30は、スロットマシン10がパチンコホールなどの遊技場に設置されて遊技が行われる(遊技が行われる可能性がある)状態では遊技者の目を引き、反対に、保管する場合や輸送する状態では嵩張らないこと(コンパクトであること)が要求される。このため、スロットマシン10では、トップレンズユニット30を、図1図3図5に示す使用位置(遊技が行われる(遊技が行われる可能性がある)場合に移動される位置であり、本発明の第2位置に相当する位置)と、図2図4図6に示す収納位置(保管や輸送の場合に移動される位置であり、本発明の第1位置に相当する位置)と、の間で移動自在に設けている。
なお、トップレンズユニット30は、前述した表示パネルに代えて(または、加えて)液晶ディスプレイなどの表示装置を含んで構成されるものであってもよい。
【0017】
<使用位置、収納位置>
図1図3図5に示すように、使用位置は、遊技機本体の上端部(より具体的には、遊技機本体を構成する収納箱11及び前面扉12のうち、より上側に位置する収納箱11の上端部)よりもさらに上方にトップレンズユニット30が突出した位置である。また、使用位置は、遊技機本体の前端部(より具体的には、遊技機本体を構成する収納箱11及び前面扉12のうち、より前側に位置する前面扉12の前端部であり、本発明の先端に相当する)よりもさらに前方にトップレンズユニット30(トップレンズユニット30の前端(先端))が突出した位置である。つまり、トップレンズユニット30が使用位置に移動した状態では、トップレンズユニット30によりスロットマシン10の上端部及び前端部が構成される。
【0018】
一方、図2図4図6に示すように、収納位置は、使用位置から下方かつ後方にトップレンズユニット30が移動した位置である。収納位置においては、前面扉12の上端部よりも下方にトップレンズユニット30(トップレンズユニット30の上端部)が位置している。また、収納位置においては、前面扉12の前端部よりも後方にトップレンズユニット30(トップレンズユニット30の前端部)が位置している。つまり、トップレンズユニット30が収納位置に移動した状態では、遊技機本体(本実施形態では、収納箱11の上面)によりスロットマシン10の上端部が構成される。さらに、トップレンズユニット30が収納位置に移動した状態では、遊技機本体(本実施形態では、前面扉12、より具体的には下扉12b、さらに具体的にはメダル受け皿27)によりスロットマシン10の前端部が構成される。
なお、図5図6に示すように、スロットマシン10では、トップレンズユニット30が使用位置に移動された場合の方が収納位置に移動された場合よりも、スロットマシン10を正面から観察した場合の液量ディスプレイ15の露呈量(露呈された領域の大きさ)が大きくなっている。換言すると、スロットマシン10では、トップレンズユニット30が使用位置に移動された場合の方が収納位置に移動された場合よりも、トップレンズユニット10と液晶ディスプレイ15との重複量(重なり合う領域の大きさ)が小さくなっている。
【0019】
上述のように、使用位置においては、トップレンズユニット30が遊技機本体よりも上方かつ前方に突出しているため、遊技者の目を引きやすい。また、収納位置においては、トップレンズユニット30が使用位置から下方かつ後方へ移動するため、嵩張らない。さらに、収納位置は、遊技機本体によりスロットマシン10の上端部が構成される位置までトップレンズユニット30が下方に移動された位置であるため、よりコンパクトになり嵩張り難い。また。例えば、スロットマシン10の上方から力が加えられた場合に、この力がトップレンズユニット30ではなく遊技機本体に伝わるため、トップレンズユニット30の破損などを防止できる。同様に、収納位置は、遊技機本体によりスロットマシン10の前端部が構成される位置までトップレンズユニット30が後方に移動された位置であるため、よりコンパクトになり嵩張り難い。また、例えば、スロットマシン10の前方から力が加えられた場合に、この力がトップレンズユニット30ではなく遊技機本体に伝わるため、換言すると、トップレンズユニット30が遊技機本体により保護されるため、トップレンズユニット30の破損などを防止できる。
なお、トップレンズユニット30は、使用位置の方が収納位置よりも液晶ディスプレイ15の視認性が向上すればよいので、使用位置において必ずしも遊技機本体の上方に突出していなくてもよい。すなわち、使用位置においてはトップレンズユニット30が遊技機本体の前方にのみ突出している構成としてもよい。
【0020】
なお、本実施形態では、収納位置では遊技機本体の上端部がトップレンズユニット30の上端部よりも上方に位置する例、すなわち、収納位置では遊技機本体が単独でスロットマシン10の上端部を構成する例で説明をしたが、本発明はこれに限定されない。収納位置では遊技機本体の上端部とトップレンズユニット30の上端部とが上下方向において同程度の位置(上下方向の位置の違いが1cm程度)となる、すなわち、収納位置では遊技機本体とトップレンズユニット30とによりスロットマシン10の上端部が構成されるようにしてもよい。こうすることで、スロットマシン10の上方から力が加えられた場合に、この力を遊技機本体とトップレンズユニット30とで分散できるため、両者の破損を防止できる。
【0021】
同様に、本実施形態では、収納位置では遊技機本体(前面扉12)の前端部がトップレンズユニット30の前端部よりも前方(遊技者側)に位置する例、すなわち、収納位置では遊技機本体が単独でスロットマシン10の前端部を構成する例で説明をしたが、本発明はこれに限定されない。収納位置では遊技機本体の前端部とトップレンズユニット30の前端部とが前後方向において同程度の位置(前後方向の位置の違いが1cm程度)となる、すなわち、収納位置では遊技機本体とトップレンズユニット30とによりスロットマシン10の前端部が構成されるようにしてもよい。こうすることで、スロットマシン10の前方から力が加えられた場合に、この力を遊技機本体とトップレンズユニット30とで分散できるため、両者の破損を防止できる。
なお、本発明は、少なくとも、収納位置においてトップレンズユニット30の前端部が遊技機本体(前面扉12)の前端部(先端)よりも前方に位置しなければよい。すなわち、使用位置においては、必ずしもトップレンズユニット30の前端部(先端)が遊技機本体(前面扉12)の前端部(先端)よりも前方に位置する必要はない。
【0022】
また、本実施形態では、遊技機本体の前端部がメダル受け皿27である例で説明をしたが、遊技機本体の前端部がメダル受け皿27とは異なる部材、例えば、上扉12aや化粧パネル29などであってもよい。また、遊技機本体の前端部が演出ボタンであってもよい。演出ボタンとしては、例えば、前扉12から手前側に突出するように形成されたものの他、前述した化粧パネル29を押し込み操作可能に構成して演出ボタンとしても機能させるようにしたものなどが挙げられる。さらに、遊技機本体の前端部がスタートレバー24であってもよい。スタートレバー24は少なくとも上下に首を振るように操作(移動)することが可能であり、スタートレバー24の中には、押し込み操作(後方へ移動)することが可能に設けられたものもある。このため、スタートレバー24が遊技機本体の前端部を構成している場合において、スロットマシン10の前方から力が加えられた場合であっても、スタートレバー24が移動することによって力を逃がすことができる。もちろん、遊技機本体の前端部が上述した以外の部材、例えば、ランプなどの電飾部材や、遊技機の外装を装飾するための装飾部材や意匠部材などであってもよい。
また、例えば、上扉12aとメダル受け皿27とが前後方向において同程度(前後方向の位置の違いが1cm程度)の位置に設けられているといったように、遊技機の前端部が複数の部材から構成されているものでもよい。ただし、前端部分の面積が小さな部材については、このような部材が遊技機本体の前端部を構成している場合にスロットマシン10の前方から力が加えられると、小さな面積の先端部分に力が集中してしまい、破損してしまう可能性が高くなってしまう。このため、前端部分の面積が小さな部材については、少なくとも単独で遊技機本体の先端部を構成するといったことが無いように、このような部材の前端部が技機本体の前端部から一段程度(少なくとも数mm程度)後方に位置するように配置することが好ましい。
【0023】
さらに、本実施形態では、トップレンズユニット30が使用位置と収納位置との間で移動する例、すなわち、移動部材がトップレンズユニット30である例で説明をしたが、移動部材はトップレンズユニット30に限定されない。移動部材は、収納位置と使用位置との間を移動自在に設けられた部材であればよいので、トップレンズユニット30以外の移動部材について、この移動部材を使用位置へ移動させることで、この移動部材によりスロットマシン10の前端部が構成され、この移動部材を収納位置に移動させることで、遊技機本体によりスロットマシン10の前端部が構成されるようにしてもよい。
【0024】
<トップレンズユニットの着脱性>
トップレンズユニット30は、図7図8に示す可動機構40により、遊技機本体(前面扉12)に対して移動自在に支持されている。可動機構40は、トップレンズユニット30に固定されるレンズユニット側ベース42、トップレンズユニット30を遊技機本体に取り付けるための取付部44、取付部44が取り付けられる遊技機本体側ベース46を備えている。
【0025】
レンズユニット側ベース42は、例えばネジ止めされるなどにより、トップレンズユニット30の背面に固定される。レンズユニット側ベース42の背面側には、取付部44が配置され、レンズユニット側ベース42と取付部44は、リンクアーム48a、48bを介して連結されている。具体的には、リンクアーム48a、48bの一端部がレンズユニット側ベース42に設けられたレンズユニット側回転軸42a、42bに軸支され、リンクアーム48a、48bの他端部が取付部44に設けられた取付部側回転軸44a、44bに軸支されている。
【0026】
遊技機本体側ベース46は、例えばネジ止めされるなどにより、遊技機本体の前面側に固定されている。遊技機本体側ベース46には、板状に形成された本体の中央部に、取付部44を取り付けるための取付面46aが設けられており、取付部44は、背面を取付面46aに対面させた状態で、ネジ50(取付手段)により取付面46aに固定される(取り付けられる)。
具体的には、取付部44には、ネジ50を通すための貫通穴44cが設けられ、遊技機本体側ベース46には、ネジ50と螺合するネジ穴46bが設けられている。そして、ネジ50は貫通穴44cを通りネジ穴46bに螺合される。これにより、ネジ50の頭部と取付面46aとの間で挟まれて取付部44が固定される。なお、本実施形態では、取付手段がネジ50単体である例で説明を行うが、取付手段がネジ50の他に貫通穴44cとネジ穴46bとの少なくとも一方を含むものであってもよい。
このように、取付部44が取付面46aに取り付けられることにより、リンクアーム48a、48b、及び、レンズユニット側ベース42を介して連結されたトップレンズユニット30が遊技機本体に取り付けられる。また、反対に、ネジ50を外して取付部44部を取付面46aから取り外すことにより、トップレンズユニット30が遊技機本体から取り外される。
【0027】
図9図10に示すように、トップレンズユニット30を遊技機本体(遊技機本体側ベース46)に取り付けた状態では、図9に示す使用位置と、図10に示す収納位置との間でトップレンズユニット30が移動可能となっている。図9において、使用位置では、レンズユニット側回転軸42a、42bが、取付部側回転軸44a、44bよりも上方に位置し、レンズユニット側ベース42が遊技機本体側ベース46の前方に配置され、レンズユニット側ベース42に設けられたロックバー52が、遊技機本体側ベース46に設けられたロック機構54に係合してロックされる。これにより、トップレンズユニット30が使用位置に係止される。
【0028】
ロック機構54は、上部に解除部56(図7参照)が設けられ、この解除部56を押下することで前述したロックバー52のロックを解除可能となっている。本実施形態では、遊技機本体の上面に開口58が設けられており(図1図2参照)、この開口58から例えばドライバーなどを差し込むなどすることにより、解除部56を押下してロックを解除できる。そして、ロックを解除することで、トップレンズユニット30を収納位置へと移動させることができる。図10において、収納位置は、使用位置から取付部側回転軸44a、44bを中心にリンクアーム48a、48bが約180度回転した位置である。収納位置では、レンズユニット側回転軸42a、42bが、取付部側回転軸44a、44bよりも下方に位置し、レンズユニット側ベース42が遊技機本体側ベース46の下方に配置される。
【0029】
また、図6に示すように、収納位置では、トップレンズユニット30を遊技機本体に固定している(取り付けている)ネジ50が遊技機本体の前面側から露呈する。これにより、このネジ50を外すといった簡単な操作で、トップレンズユニット30を遊技機本体から取り外すことができる。また、遊技機本体の前面側からネジ50によりネジ止めするといった簡単な操作で、トップレンズユニット30を遊技機本体に取り付けることも可能である。特に、スロットマシン10では、収納位置において、トップレンズユニット30の着脱に必要な取付手段(本実施形態ではネジ50)の全てが露呈される構成としている。このため、他の部材を外したり前面扉12を開放して背面側から着脱操作を行うなどの必要がなく、着脱性が高い。
なお、収納位置において取付手段の全てが露呈される例で説明をしたが、必ずしも全ての取付手段が露呈される必用はない。例えば、5本の取付手段によりトップレンズユニット30が着脱される構成において、3本はトップレンズユニット30を収納位置へ移動させることにより露呈され、残り2本については前面扉12を開放することにより露呈される構成(収納位置において取付手段の一部のみ露呈される構成)としてもよい。
【0030】
さらに、本実施形態では、トップレンズユニット30をネジ止めして遊技機本体に取り付ける例で説明をしたが、例えば、ロックピンを用いてトップレンズユニット30を遊技機本体に取り付けるといったように、ネジ止め以外の方法によりトップレンズユニット30を遊技機本体に取り付けてもよい。すなわち、トップレンズユニット30を遊技機本体に取り付けるための取付手段はネジ50に限定されない。
さらに、前述のように、取付手段はネジ50(または、ロックピンなど)単体に限定されず、貫通穴44c(図7参照)やネジ穴46b(図7s参照)のようにネジ50(または、ロックピンなど)と組み合わせて用いられるものを含むものでもよい。
【0031】
また、本実施形態では、トップレンズユニット30を収納位置に移動させることでトップレンズユニット30の取付手段が露呈し、トップレンズユニット30の取り外しが可能となる例、すなわち、移動部材がトップレンズユニット30である例で説明をしたが、移動部材はトップレンズユニット30に限定されない。移動部材は、収納位置と使用位置との間を移動自在に設けられた部材であればよいので、トップレンズユニット30以外の移動部材について、この移動部材を収納位置に移動させることで、この移動部材の取付手段が露呈され、この移動部材の取り外しが可能となる構成としてもよい。
【0032】
<リール>
図11に示すように、スロットマシン10の内部には、リールユニット61が収められている。前述のように、リールユニット61は、複数(本実施形態では3つ)のリール60がユニット化されたものである。なお、3つのリール60は同様の構成をしているため、以下の説明では、これら3つのリール60について区別せずに同様の符号を付して説明を行う。
【0033】
図12に示すように、リール60は、リールドラム62(枠体)を備え、このリールドラム62にリールテープ64(図13参照)を巻きつけることによって構成されている。リールドラム62は、左右一対のリング62a,62aを備え、リールテープ64は、リング62a,62a間を橋渡すようにリールドラム62に巻きつけられる(図13参照)。
【0034】
リールドラム62の内側には、複数のLED200が実装されたLED基板210、LED基板210の各LED200からの照明光をリールテープ64に導光するリフレクタ220が設けられている。LED基板210には、リール60の上段、中段、下段のそれぞれに3つずつ、合計9つのLED200が実装されている。リフレクタ220には、リール60の上段、中段、下段のそれぞれに対応する3つの部屋229(図11参照)が設けられている。各部屋229は、上下左右の4つの側壁を有し、両端が開口(以下の説明では、LED基板210側の開口を底面側開口、リールテープ64側の開口を先端側開口と称する場合がある)している。また、各部屋229は、底面側開口から先端側開口へ向かうほど開口の面積が拡大するテーパー形状に形成されている。
【0035】
図13(a)に示すように、リール60を構成する一対のリング62a,62aは、対向するリング62a側(すなわち内側)に向かって突出した形状を有する一対のリールテープ支持部65,65を備えている。この一対のリールテープ支持部65,65は、軸方向(左右方向)に所定の幅(約5mm程度)を有している。一対のリールテープ支持部65,65は、リールテープ64の左右方向(幅方向)両端の部分(約5mm幅)を支持するために設けられており、リールテープ64は、例えば貼り付けによりリールテープ支持部65に固定されている。換言すると、リールテープ64の背面側の左右の端部が、リールテープ支持部65,65(リング62a,62a)に支持されている。さらに換言すると、リールテープ支持部65,65は、LED200リールテープ64の背面側の左右の端部との間に介在している。
【0036】
図13(b)に示すように、リールテープ64には、他の図柄(リプレイ、ベル等)に比べて左右方向の長さが長い特別図柄301(青7、白7、BAR等)が設けられている。この特別図柄301は、図柄の外周部に形成され、光の透過率が低い非透光部311(低透光部)(高遮光部)と、非透光部311の内側に形成され、光の透過率が高い透光部312(高透光部)(低遮光部)とを有している。非透光部311は、例えば有色不透明であり、黒色等である。透光部312は、例えば有色透明であり、赤色等である。なお、非透光部311は、透光部312に比べて相対的に透過率が低く設定されていればよく、必ずしも光を完全に遮断するものでなくてもよいが、遊技者から見て実質的に透光性を有していないと感じられる程度に透過率が低いことが望ましい。
ここで、説明のために、リールテープ64の左端から約5mm内側(右側)の線を線V1とし、リールテープ64の右端から約5mm内側(左側)の線を線V2とする。
透光部312は、その端部(左端および右端)(角部)が、線V1および線V2の内側となるように設けられている。換言すると、透光部312は、その端部(左端および右端)(角部)がリールテープ支持部65と、径方向において(すなわち遊技者側から見て前後方向において)重ならない位置となるように設けられている。これにより、LED200からの光がリールテープ支持部65によって遮られ、透光部312の端部(左端および右端)(角部)が陰ってしまい、視認性が低下するのを防止できる。
一方、非透光部311は、その端部(左端および右端)(角部)が線V1および線V2の外側となるように設けられている。換言すると、非透光部311は、その端部(左端および右端)(角部)がリールテープ支持部65と、径方向において(すなわち遊技者側から見て前後方向において)重なる位置となるように設けられている。なお、非透光部311における左右方向のいずれか一方の端部(左端および右端)(角部)が、リールテープ支持部65と重なる位置となるように設けられていてもよい。
このように構成することで、遊技性を向上させる観点等から視認性を向上させたい特別図柄301を可能な限り大きく表示できるとともに、特別図柄301における照明を要する箇所(すなわち透光部312)には確実に光が到達し、特別図柄301の視認性の低下を防止できる。
なお、リールテープ64のうち図柄の設けられていない空白の部分(以下、空白部)の光の透過率は、透光部312の光の透過率よりも小さく、非透光部311の光の透過率よりも大きいことが好ましい。
【0037】
リールテープ支持部65は、リールドラム62と同様に樹脂で形成されている。当該樹脂が黒色等の不透明(透光性を有しない)のものである場合、内側からの光がリールテープ支持部65によって遮られるため、透光部312をリールテープ支持部65と重ならない位置に設けることが特に有効となる。なお、樹脂が透明(無色透明または有色透明)(透光性を有する)の場合であっても、リールテープ支持部65によって光の透過量が減少することとなるため、透光部312をリールテープ支持部65と重ならない位置に設けることは有効である。
【0038】
また、図11に示すように、LED基板210には、当該LED基板210に設けられたLED200のそれぞれの近傍に、それぞれのLED200を識別するための識別符号205が記されている。LED基板210には、リール60の周方向に連続して並ぶ各部屋229の底面側開口に臨んで複数のLED200が実装されている。各部屋229には2~9個のLED200が臨んでおり、1枚のLED基板210には6~27個のLED200が実装されている。なお、図11では、1枚のLED基板210に9個のLED200が実装されている場合を示している。また、図11の例では、リール60の周方向に連続して並ぶ3つの部屋229のうち、中段の部屋229については、底面側開口の上下方向の中央部にLED200を実装しているのに対し、上段の部屋229については、底面側開口の上下方向の中央よりも下側に寄せてLED200を実装している。他方、下段の部屋229については、底面側開口の上下方向の中央よりも上側に寄せてLED200を実装している。こうすることにより、上段の部屋229については、先端側開口の上端部により確実にLED200からの照明光が到達し、下段の部屋229については、先端側開口の下端部により確実にLED200からの照明光が到達する。
なお、図11の例では、1枚のLED基板210に9個のLED200が実装されている場合を示しているが、LED200の個数はこれに限られるものではない。例えば、リフレクタ220の各部屋229の底面側開口に、それぞれ9個のLED200が臨んでいてもよい。この場合、1枚のLED基板210に27個のLED200が設けられる(実装される)ことになる。
【0039】
1枚のLED基板210に9個のLED200が実装されている場合には、各LED200には、1~9までの通し番号が付与されている。各LED200の近傍には、識別符号205として「LED1」~「LED9」までの文字がそれぞれ記されている。なお、1枚のLED基板210にn(自然数)個のLED200が実装されている場合には、各LED200には、1~nまでの通し番号が付与されている。そして、各LED200の近傍には、識別符号205として「LED1」~「LEDn」までの文字がそれぞれ記されている。
【0040】
通し番号は、遊技機(LED基板210)の設計者によって定められるものであり、例えば9個のLED200のうちの1個のLED200が点灯しなくなった場合等に、当該点灯しなくなったLED200の識別符号205を確認することで、点灯しなくなったLED200の通し番号を判別することが可能となり、当該点灯しなくなったLED200の識別符号205からLED基板210の回路図等を辿ることにより、LED基板210の故障個所等を解析することが可能となる。
【0041】
また、識別符号205は、リフレクタ220がLED基板210の前面側に配置された状態であっても各LED200を識別可能な位置に設けられている。すなわち、リフレクタ220は、LED基板210の前方に、LED基板210のLED200が実装された面の少なくとも一部を覆うように配置されているが、リフレクタ220の各部屋229の底面側開口は、LED基板210の表面に臨んでおり、この底面側開口に臨むようにして識別符号205がLED200の近傍に記されている。したがって、リフレクタ220が配置された状態においても、リフレクタ220の底面側開口(部屋229)を通して、各LED200の通し番号が何番なのかがわかるようになっている。このとき、識別符号205は、その全体が視認可能となっていなくてもよく、各LED200を識別可能な状態となっていればよい。例えば、「LED1」~「LEDn」までの文字のうち、その一部がリフレクタ220によって隠されていても、数字部分「1」~「n」が判別可能な程度に見えていれば、各LED200を識別することが可能となる。
【0042】
なお、識別符号205としての「LED1」~「LED9」の文字のうちの数字部分「1」~「9」は、リフレクタ220がLED基板210の前面側に配置された状態において、正面側から部屋229を通してすべて視認可能な状態となっている。したがって、LED基板210の前面側に設けられたLED200は全て、識別符号205により識別可能な状態となっている。
また、LED基板210の前面に設けられた識別符号205はすべて、LED200に対して同じ側(図11ではLED200の下側)に設けられている。また、識別符号205は、すべて標記方向が揃えられている。例えば、図11に示すように、識別符号205はすべて、左から右に読むように記されている。
また、リール60のリフレクタ220およびLED基板210を例にとって説明したが、演出用の照明装置等の他の照明装置に用いられるリフレクタおよびLED基板についても同様に、リフレクタが配設された状態で識別符号205を判別可能に構成してもよい。また、ここでは隣接する部屋229どうしを仕切り、隣接する部屋229からの光を遮る仕切り部材として、光を反射するリフレクタ220(例えば、白色の仕切り部材)を用いた場合を例にとって説明したが、リフレクタ220の替わりに光を反射しないもの(例えば、黒色の仕切り部材)を用いてもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 スロットマシン(遊技機)
11 収納箱
12 前面扉
12a 上扉
12b 下扉
15 液晶ディスプレイ
16 透明窓
22 メダル投入口
23 ベットボタン
24 スタートレバー
26a~26c ストップボタン
27 メダル受け皿
28 精算ボタン
29 化粧パネル
30 トップレンズユニット(移動部材)
40 可動機構
42 レンズユニット側ベース
42a、42b レンズユニット側回転軸
44 取付部
44a、44b 取付部側回転軸
44c 貫通穴
46 遊技機本体側ベース
46a 取付面
46b ネジ穴
48a、48b リンクアーム
50 ネジ(取付手段)
52 ロックバー
54 ロック機構
56 解除部
58 開口
60 リール
61 リールユニット
62 リールドラム
62a リング
64 リールテープ
65 リールテープ支持部
200 LED
205 識別符号
210 LED基板
220 リフレクタ
229 部屋
301 特別図柄
311 非透光部
312 透光部
V1 リールテープ64の左端から約5mm内側(右側)の線
V2 リールテープ64の右端から約5mm内側(左側)の線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13