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▶ 木村 友哉の特許一覧

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  • 特許-保冷シート収納ケース 図1
  • 特許-保冷シート収納ケース 図2
  • 特許-保冷シート収納ケース 図3
  • 特許-保冷シート収納ケース 図4
  • 特許-保冷シート収納ケース 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】保冷シート収納ケース
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/672 20060101AFI20220419BHJP
【FI】
B65D85/672
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021119130
(22)【出願日】2021-06-10
【審査請求日】2021-08-02
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521317645
【氏名又は名称】木村 友哉
(72)【発明者】
【氏名】木村 友哉
【審査官】武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】実開平3-122423(JP,U)
【文献】特開2014-181049(JP,A)
【文献】特開2016-47736(JP,A)
【文献】実開平1-121397(JP,U)
【文献】実開平2-108854(JP,U)
【文献】国際公開第2015/093448(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/672
(57)【特許請求の範囲】
【請求項2】
前記ケース内には断熱材が貼り付け又は散布されていることを特徴とする請求項1記載の保冷シート収納ケース。
【請求項3】
前記保冷シートは、プラスチック製又はビニール製フィルム内に水、アルコール、高吸水性ポリマー、増粘安定剤、保存料、形状安定剤、防腐剤のいずれか一つ又は二つ以上を主成分とした保冷剤が封入されていることを特徴とする請求項1に記載の保冷シート収納ケース。
【請求項4】
前記保冷シートは、プラスチック製フィルム、ビニール製フィルム、織物、あるいは不織布シートのいずれか一つ又は二つ以上に水、アルコール、高吸 水性ポリマー、増粘安定剤、保存料、形状安定剤、防腐剤のいずれか二つ以上を主成分としたものが散布されたものであることを特徴とする請求項1に記載の保冷シート収納ケース。
【請求項5】
前記保冷シートに封入されあるいは散布される前記保冷剤は着色されたものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の保冷シート収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット等での買い物で保冷を要する商品がある場合、持ち帰り時にこれらの商品を簡易に包み込みできる保冷シートが収納された携帯タイプの保冷シート収納ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
夏場での温度の高い季節等において、スーパーマーケット等での買い物で保冷を要する商品がある場合にはこれまでは断熱バッグ、クーラーバッグあるいはクーラーボックスなどを買い物の都度持参したり、またこれらを忘れた場合は店舗に用意してある氷を利用するなどしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3202688号公報
【文献】特開2005―110885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように特に夏場での温度の高い季節等において、スーパーマーケット等での買い物で保冷を要する商品がある場合にはこれまでは断熱バッグ、クーラーバッグあるいはクーラーボックスなどを買い物の都度用意し持参していたが、準備に手間取ったり、また容積面で嵩張ったり重くなったりするため利便性に課題があった。また、これまでにも利便性を重視した例えば特許文献1又は特許文献2に示すような保冷効能や断熱性能を有する収納バッグが考案されているが、外形が決まっているため内部に収納できる商品の大きさや種類に制限があり、また単に断熱効能があるのみで保冷効能は少なかった。
本発明は、上記課題を解決するため、保冷効能を長時間維持することのできる保冷シートで保冷を要する商品の大きさや種類に関係なく簡易に商品全体を包み込むことができ、かつ軽量で嵩張らない利便性の良い保冷シート収納ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の保冷シート収納ケースは、ケースと前記ケース内に収納され前記ケースの正面に設けられた引き出し口から引き出し自在の保冷シートとからなる保冷シート収納ケースであって、前記保冷シートは前記ケースに着脱自在でかつ回動自在に横架された巻き取り棒に巻き付けられた状態で収納されており、前記ケースには前記巻き取り棒を出し入れするための開閉自在の蓋が上部に設けられ、また前記保冷シートの引き出し側の端辺にはストッパーが具備され、さらに前記巻き取り棒の一方端あるいは両端のいずれかには前記保冷シートを巻き付けあるいは巻き戻すための巻き取りハンドルが具備されていることを特徴とし、さらに前記保冷シートは、プラスチック製又はビニール製フィルム内に水、アルコール、高吸水性ポリマー、増粘安定剤、保存料、形状安定剤、防腐剤のいずれか一つ又は二つ以上を主成分とした保冷剤が封入されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の保冷シート収納ケースは、保冷効能を長時間維持することのできる保冷シートをケース内にコンパクトに収納した構造としているため買い物バッグの中に入れてもスペースを取らずに持ち運びすることができ、これまでのように重く嵩張る断熱バッグ、クーラーバッグあるいはクーラーボックスなどを都度持参する必要がなくなる。また使用する際にも保冷を要する商品の大きさや種類に応じて必要とする長さ分だけケースより保冷シートを引き出して商品全体を包み込めばよいため保冷処理を効果的効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】 本発明に係る保冷シート収納ケースで、保冷シートを一部引き出した状態の斜視図を示す。
図2】 本発明に係る保冷シート収納ケースで、ケースの正面を一部破断線で切り取って内部を表示した斜視図を示す。
図3】 本発明に係る保冷シート収納ケースのケース単体の斜視図を示す。
図4】 本発明に係る保冷シート収納ケースに収納前の保冷シートの平面図を示す。
図5】 本発明に係る保冷シート収納ケースの使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る保冷シート収納ケースの実施の形態について図1図5に基づいて説明する。
保冷シート収納ケース1は、ケース2の中に巻き取り棒5に巻き付けられた保冷シート3が収納されており、保冷シート3はケース2の正面に設けられた引き出し口2bから僅かな力で必要な長さ分を引き出すことができるものである。図1に保冷シート3を一部引き出した状態の斜視図を示している。
【0009】
以下、本発明保冷シート収納ケース1を構成する主要パーツ毎に説明する。ケース2は、直方体形状の樹脂で成形されたもので、図2又は図3上部には開閉自在の蓋2aを有し、図示していないが蓋2aとケース2の両側面に具備されたマグネット又はストッパーにより蓋が閉まる構造となっている。また、ケース2の正面の長手方向上端部には保冷シート3の引き出し口2bが設けられており、さらに対向する両側面には巻き取り棒5をケース2の長手方向の略中心位置に着脱自在でかつ回動自在とするための先端が半円形状の巻き取り棒軸受け機能を有するスリット2c、2cが設けられている。また請求項2に記載のようにケース2内には断熱材が貼り付け又は散布されている。
【0010】
なお、ケース2の形状は上記直方体素材以外にも多角柱形状、円柱形状、多角錐形状、円錐形状、立方体形状、球体状の一つ又は二つ以上の組み合わせでもよい、又は樹脂以外にもカーボン、ガラス、金属、本革、合皮、布、又は木材の一つ又は二つ以上の組み合わせでもよい。
【0011】
保冷シート3は、厚さ0.5mm~10mmで図4に示すような長方形で形成されており、ケース2の取り出し口2bの近傍に位置する端辺にはケース2内にこの端辺が入り込まないようにするためのストッパー4が具備されている。なお、ストッパー4はケース2の引き出し口2bの口幅よりやや大きめのものを使用する。このストッパー4は保冷シート3をケース2から引き出す際に取っ手として使用してもよい。また請求項1に記載のように保冷シート3の両短辺の近傍中央部に取っ手用穴3a、3aを設けておけば確実に保冷シート3を引き出すことができるとともに球状のスイカなどを持ち帰るときに簡易保冷バッグの取っ手として利用することができる。
【0012】
また、保冷シート3は、請求項3又は請求項4に記載のようにプラスチック製又はビニール製フィルム内に水、アルコール、高吸水性ポリマー、増粘安定剤、保存料、形状安定剤、防腐剤のいずれか一つ又は二つ以上を主成分とした保冷剤が封入されているものや、プラスチック製フィルム、ビニール製フィルム、織物、あるいは不織布シートのいずれか一つ又は二つ以上に水、アルコール、高吸水性ポリマー、増粘安定剤、保存料、形状安定剤、防腐剤のいずれか二つ以上を主成分としたものが散布されたものを使用する。これらを使用することで家庭用冷凍庫に入れておいても凍結することなく柔軟性を保つので巻き取り棒5に容易に巻き付けることができる。
【0013】
また、保冷シート3は請求項5の様に液状又はジェル状の保冷剤3bを着色することにより保冷シートの保冷効果を高めさらにバッグ上部などから中の商品を見えにくくする目隠しとすることが出来る。
【0014】
巻き取り棒5はケース2長手方向長さよりやや長めのものを使用し、またこの巻き取り棒5の一方端あるいは両端のいずれかには保冷シート3を巻き付けあるいは巻き戻すための巻き取りハンドル6が具備されている。
【0015】
次に本発明に係る保冷シート収納ケース1の使用方法を説明する。
使用者は、先ず保冷シート3を広げたままもしくは巻いた状態で家庭用冷凍庫などに一定時間入れた後に取り出して着脱可能な巻き取り棒5や着脱可能なストッパー4を保冷シート3に取り付けストッパー4が外周に位置するように巻き付ける。巻き付け後に、ケース2の蓋2aを開き、ストッパー4を引き出し口2bの僅か外に出した状態でスリット2c、2cに巻き取り棒5の両端をはめ込み、着脱可能な巻き取りハンドル6を取り付け蓋2aを閉める。これで持ち運ぶための準備は完了で、保冷効能を保持した保冷シート3がコンパクトに収納された保冷シート収納ケース1を買い物バッグ10に入れて買い物に出かけることができる。
【0016】
スーパーマーケット等での買い物の際には、保冷を要する商品11の数量、大きさ又は種類に応じて保冷シート収納ケース1から保冷シート3を引き出して図5に示すように商品11を包み込んで買い物バッグ10に入れる。
このように本発明に係る保冷シート収納ケース1を使用すればこれまでのように重く嵩張る断熱バッグ、クーラーバッグ、クーラーボックスなどを都度持参することなく利便性よく商品の保冷を効果的効率的に行うことができる。
さらに、本発明に係る保冷シート収納ケース1は買い物以外の例えばレジャーなどでお弁当を保冷したり、水産物や野菜や果物などの保冷運搬に使用出来たり、水産物や野菜や果物を収穫すぐに保冷し鮮度や状態を保つ事が出来る。
【0017】
保冷シート3はこれに替えて別途保温シート、緩衝シートあるいは断熱シートを用意しておくことで用途に応じてこれらを代替え使用してもよい。
【符号の説明】
【0018】
1 保冷シート収納ケース
2 ケース
2a 蓋
2b 引き出し口
2c スリット(巻き取り棒軸受け)
3 保冷シート
3a 取っ手用穴
3b 保冷剤
4 ストッパー
5 巻き取り棒
6 巻き取りハンドル
10 買い物バッグ(梱包材)
11 商品
【要約】
【課題】 保冷を要する商品の大きさや種類に関係なく簡易に商品全体を包み込むことができかつ保冷効能を長時間維持することのできる保冷シートを収納した軽量で嵩張らない利便性の良い保冷シート収納ケースを提供する。
【解決手段】 ケース2と前記ケース2内に収納され前記ケース2の正面に設けられた引き出し口2bから引き出し自在の保冷シート3とからなる保冷シート収納ケース1であって、前記保冷シート3は前記ケース2に着脱自在でかつ回動自在に横架された巻き取り棒に巻き付けられた状態で収納されており、前記ケース2には前記巻き取り棒を出し入れするための開閉自在の蓋2aが設けられ、また前記保冷シート3の引き出し側の端辺にはストッパー4が具備され、さらに前記巻き取り棒の一方端あるいは両端のいずれかには前記保冷シート3を巻き付けあるいは巻き戻すための巻き取りハンドル6が具備されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5