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特許7060327会議記録装置、会議記録方法、及びプログラム。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】会議記録装置、会議記録方法、及びプログラム。
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20220419BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/16 650
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017025131
(22)【出願日】2017-02-14
(65)【公開番号】P2018132892
(43)【公開日】2018-08-23
【審査請求日】2020-02-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年11月8日イトーキ東京イノベーションセンターSYNQAで開催されたイベント(ITOKI PRESENTATION(IP)2017)で発表
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】藤田 和之
(72)【発明者】
【氏名】大橋 一広
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 毅
(72)【発明者】
【氏名】西川 政行
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 豊
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-267279(JP,A)
【文献】特開2017-033376(JP,A)
【文献】特開2010-054991(JP,A)
【文献】特開2005-195617(JP,A)
【文献】特開2004-287201(JP,A)
【文献】特開2005-124160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-3/04895
G06F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議室における会議の内容を記録、閲覧する会議記録装置であって、
前記会議の参加者が所定の媒体に記載した内容を記載事項情報として記録する記載事項記録部と、
前記参加者の発言内容に関する音声データを取得する音声取得部と、
前記音声データを文字データに変換して、前記参加者を示す参加者情報と紐づけた発言事項情報として記録する発言事項記録部と、
前記会議において前記参加者が閲覧した内容について、前記内容の位置を示すアドレスを含む情報を閲覧事項情報として記録する、閲覧事項記録部と、
記記載事項情報、前記発言事項情報、及び前記閲覧事項情報を時系列に沿って統合的に表示するとともに、一の前記閲覧事項情報が選択されると前記アドレスが示す前記内容を表示する、履歴表示部と、
を備えことを特徴とする、会議記録装置。
【請求項2】
前記会議記録装置は、前記所定の媒体を撮影する撮影装置を備え、
前記記載事項記録部は、前記撮影装置が撮影した画像を前記記載事項情報として記録する
ことを特徴とする、請求項1記載の会議記録装置。
【請求項3】
前記撮影装置が、所定の時間ごとに前記所定の媒体を撮影することを特徴とする、請求項2記載の会議記録装置。
【請求項4】
前記記載事項記録部は、前記撮影した画像と、前記記載事項記録部が直前に記録した画像を比較して生成した差分情報が所定のしきい値を超える場合に前記撮影した画像を前記記載事項情報として記録する
ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の会議記録装置。
【請求項5】
前記所定の媒体が、前記会議室に設けたホワイトボードであることを特徴とする、請求項2~4のいずれかに記載の会議記録装置。
【請求項6】
コンピュータを用いて会議室における会議の内容を記録、閲覧する会議記録方法であって、
コンピュータが、
前記会議の参加者が所定の媒体に記載した内容を記載事項情報として記録するステップと、
前記参加者の発言内容に関する音声データを取得するステップと、
前記音声データを文字データに変換して、前記参加者を示す参加者情報と紐づけた発言事項情報として記録するステップと、
前記会議において前記参加者が閲覧した内容について、前記内容の位置を示すアドレスを含む情報を閲覧事項情報として記録するステップと、
前記記載事項情報、前記発言事項情報、及び前記閲覧事項情報を時系列に沿って統合的に表示するとともに、一の前記閲覧事項情報が選択されると前記アドレスが示す前記内容を表示する、ステップと、
を備えことを特徴とする、会議記録方法。
【請求項7】
コンピュータに請求項6記載の会議記録方法を実行させるプログラム。
【請求項8】
会議室における会議の内容を記録、閲覧する会議記録装置であって、
前記会議における参加者の発言内容に関する音声データを取得する音声取得部と、
前記音声データを文字データに変換して、前記参加者を示す参加者情報と紐づけた発言事項情報として記録する発言事項記録部と、
前記会議における所定の付加情報を記録する付加情報記録部と、
前記発言事項情報及び前記所定の付加情報を時系列に沿って統合的に表示する履歴表示部と、
を備え、
前記所定の付加情報が、前記会議において前記参加者が閲覧した内容について、前記内容の位置を示すアドレスを含む閲覧事項情報と、
前記参加者が所定の媒体に記載した内容を示す記載事項情報、及び前記会議において用いられた資料を示す資料情報含み、
前記履歴表示部は、前記付加情報に含まれる閲覧事項情報について、時系列に沿って表示するとともに、一の前記閲覧事項情報が選択されると前記アドレスが示す前記内容を表示することを特徴とする、会議記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は会議記録装置、会議記録方法、及びプログラムに関し、具体的には、会議の流れを容易に把握することができる会議記録装置、会議記録方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会議における議事録作成を支援する情報システムとして、例えば特許文献1の議事録記録システムが知られている。特許文献1の議事録記録システムは、当該特許文献1の図1に示されるように、複数のマイクロフォン101およびコンピュータ端末装置102、データ処理サーバ103を備え、会議の参加者が発言した音声を、マイクロフォン101を介してコンピュータ端末装置102によりデジタル信号化し、データ処理サーバ103によりデジタル信号化された音声データを文章データに変換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-177776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、音声認識により会議参加者の発言内容を文字データに変換することにより、会議における発言の内容を議事録として記録することができる。この議事録により会議の内容を把握することができる。
【0005】
しかしながら、今日の会議においては、例えばホワイトボード等に会議参加者が話題に沿った事項を記載する、或は、あらかじめ会議の議題に沿った資料や、会議中の話題についていわゆるインターネット等の広域ネットワーク上に存在する情報を検索して表示する等を行いながら会議が進行することが多い。このような場合には、会議参加者の発言内容のみを記載した議事録では、会議の内容を把握することが難しいという問題があった。また、ホワイトボードに記載した内容や、会議において閲覧した資料等が残されている場合であっても、当該記載内容や資料等と会議参加者の発言内容がどのように関連しているのかを理解することが難しいという問題があった。
【0006】
本発明は前述の問題に鑑み、会議の流れを容易に把握することができる会議記録装置、会議記録方法、及びプログラムを提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決することを課題としてなされた本発明に係る会議記録装置は、会議室における会議の内容を記録、閲覧する会議記録装置であって、前記会議の参加者が所定の媒体に記載した内容を記載事項情報として記録する記載事項記録部と、前記参加者の発言内容に関する音声データを取得する音声取得部と 、前記音声データを文字データに変換して、前記参加者を示す参加者情報と紐づけた発言事項情報として記録する発言事項記録部と、前記会議において前記参加者が閲覧した内容について、前記内容の位置を示すアドレスを含む情報を閲覧事項情報として記録する、閲覧事項記録部と、前記記載事項情報、及び前記発言事項情報を時系列に沿って統合的に表示するとともに、一の前記閲覧事項情報が選択されると前記アドレスが示す前記内容を表示する、履歴表示部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る会議記録装置は、所定の媒体を撮影する撮影装置を備え、前記記載事項記録部は、前記撮影装置が撮影した画像を記載事項情報として記録するようにしてもよい。この場合、撮影装置が所定の時間ごとに前記所定の媒体を撮影するようにしてもよい。また、記載事項記録部が、前記撮影した画像と、前記記載事項記録部が直前に記録した画像を比較して生成した差分情報が所定のしきい値を超える場合に前記撮影した画像を記載事項情報として記録するようにすると好適である。また、本発明に係る会議記録装置は、所定の媒体が、会議室に設けたホワイトボードであるようにしてもよい。
【0009】
前述の課題を解決することを課題としてなされた本発明に係る会議記録方法は、コンピュータを用いて会議室における会議の内容を記録、閲覧する会議記録方法であって、コンピュータが、前記会議の参加者が所定の媒体に記載した内容を記載事項情報として記録するステップと、前記参加者の発言内容に関する音声データを取得するステップと、前記音声データを文字データに変換して、前記参加者を示す参加者情報と紐づけた発言事項情報として記録するステップと、前記会議において前記参加者が閲覧した内容について、前記内容の位置を示すアドレスを含む情報を閲覧事項情報として記録するステップと、前記記載事項情報、及び前記発言事項情報を時系列に沿って統合的に表示するとともに、一の前記閲覧事項情報が選択されると前記アドレスが示す前記内容を表示する、ステップと、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の構成によれば、会議の内容を、所定の媒体に記載した内容である記載事項情報、各参加者の発言の内容である発言事項情報、及び、会議において閲覧した内容である閲覧事項情報として記録し、当該記録した内容を履歴表示部が時系列に沿って表示する。これにより、会議の内容を記載事項情報、発言事項情報、及び閲覧事項情報が統合された情報として閲覧することができるので、会議の流れを容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る実施形態の一例における会議記録装置の構成を示す図である。
図2】同実施形態の一例における、記載事項記録部の処理の流れを示す図である。
図3】同実施形態の一例における、発言事項記録部の処理の流れを示す図である。
図4】同実施形態の一例における、閲覧事項記録部の処理の流れを示す図である。
図5】同実施形態の一例における、履歴表示部の表示画面の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の一例における会議記録装置1の構成を示した図である。図1で示すように、会議記録装置1は記載事項記録部11と、発言事項記録部12と、閲覧事項記録部13と、履歴表示部14と、データストア部15と、操作部16を備えており、複数のマイクロフォン2と、撮影装置3と、プロジェクタ4が接続されている。また、会議記録装置1はネットワーク5と接続されており、当該ネットワーク5を介して閲覧端末6と通信することができる。
【0013】
本実施形態の一例において、会議記録装置1は周知のコンピュータ、すなわち、CPUとメモリ、二次記憶装置、キーボードやマウス、ディスプレイやネットワーク通信装置等の入出力装置がバスによって接続された装置である。二次記憶装置に予め記録されたプログラムをメモリにロードしてCPUが実行することにより、コンピュータが会議記録装置1として稼働するものである。なお、会議記録装置1として用いるコンピュータはパーソナルコンピュータであってもよいし、サーバ用途のコンピュータであってもよく、また、一台のコンピュータにより会議記録装置1を構成してもよいし、二台以上のコンピュータにより会議記録装置1を構成してもよい。
【0014】
記載事項記録部11は、会議において所定の媒体に参加者が記載した事項を記載事項情報として記録する。本実施形態の一例では所定の媒体として会議室に設けたホワイトボードを用いており、会議記録装置1と接続された撮影装置3によりホワイトボードを所定の時間ごとに撮影し、当該撮影したホワイトボードの画像を後述するデータストア部15に記載事項情報として記録する。なお、撮影装置3は、会議記録装置1の記載事項記録部11により任意のタイミングでホワイトボードを撮影可能な撮影装置であればよく、USB(Universal Serial Bus)でコンピュータと接続可能ないわゆるWebカメラを用いてよい。また、所定の媒体はホワイトボードでなくてもよく、会議室の壁面やテーブルの一区画等でもよいし、電子黒板や電子ホワイトボード、あるいはタッチパネル式のディスプレイ装置等の電子媒体でもよい。当該電子媒体が記載事項を保存する機能を有していれば、当該電子媒体が撮影装置3を兼ねるようにしてもよい。
【0015】
発言事項記録部12は、会議の参加者が発言した内容を発言事項情報として記録する。本実施形態の一例では、会議記録装置1に複数のマイクロフォン2が接続されており、当該マイクロフォン2から取得した音声情報を文字情報に変換して後述するデータストア部15に発言事項情報として記録する。なお、後述するように本実施形態の一例では複数のマイクロフォン2を用いて、各マイクロフォン2により取得した音声すなわち発言の内容を、当該マイクロフォン2が設置された位置に居る参加者の発言として、当該参加者を示す参加者情報と紐づける。したがって、本実施形態の一例では参加者の数と同数のマイクロフォン2が会議記録装置1に接続されるが、例えば、音声の方向や声紋等により一のマイクロフォン2、又は参加者の数よりも少ない数のマイクロフォン2により発言者を特定できる場合には、マイクロフォン2の数は参加者と同数でなくてもよい。
【0016】
閲覧事項記録部13は、会議において参加者が閲覧した情報を閲覧事項情報として記録する。本実施形態の一例では、会議記録装置1にプロジェクタ4が接続されており、会議の参加者等がプロジェクタ4により会議室に表示した情報を、後述するデータストア部15に閲覧事項情報として記録する。
【0017】
履歴表示部14は、前述の記載事項記録部11が記録した記載事項情報、発言事項記録部12が記録した発言事項情報、及び、閲覧事項記録部13が記録した閲覧事項情報、すなわち、会議の内容を記録した情報を、時系列に沿って表示する。前述したように、本実施形態の一例では、会議記録装置1がネットワーク5を介して閲覧端末6と接続されており、履歴表示部14は、閲覧端末6からの要求を受信してデータストア部15から会議の内容を記録した情報を取得して所定の形式で返信し、これを閲覧端末6に送信する。閲覧端末6は返信された情報を閲覧端末6が備えるディスプレイ装置に表示する。会議記録装置1と閲覧端末6の通信には任意のプロトコルを用いてよく、例えばHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を用いてよい。
【0018】
データストア部15は、前述の記載事項情報、発言事項情報、及び、閲覧事項情報を記録する。本実施形態の一例では、データストア部15は会議記録装置1が備えるRDBMS(Relational Database Management System)及び二次記憶装置上の任意の領域により構成されているが、データストア部15の具体的な構成は適宜変更してよい。例えば、RDBMSのみでデータストア部15を構成してもよいし、二次記憶装置は会議記録装置1の内部に備えず、いわゆるインターネット上のクラウドストレージを用いてもよい。
【0019】
操作部16は、会議の参加者等が会議記録装置1を操作するための入力装置群である。本実施形態の一例では、操作部16は会議記録装置1が備えるキーボード及びマウスである。
【0020】
本実施形態の一例において、会議記録装置1にはマイクロフォン2、撮影装置3、及びプロジェクタ4が接続されているが、接続の方法は適宜選択してよく、特定のケーブルを用いて接続してもよいし、あるいはネットワーク5を介して接続してもよい。
【0021】
閲覧端末6は、前述の履歴表示部14を介して会議の内容を記録した情報を閲覧するための端末である。閲覧端末6は、ネットワーク5を介して会議記録装置1と通信可能な端末であればよく、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ等の携帯型コンピュータを用いてよい。また、ネットワーク5は会議記録装置1と閲覧端末が通信可能なネットワークであればよく、いわゆるインターネットのような公衆が利用可能な広域ネットワークでもよいし、会議記録装置1と閲覧端末6のみが接続可能なローカルネットワークでもよい、また、いわゆるインターネットを利用したVPN(Virtual Private Network)でもよい。
【0022】
以上が本実施形態の一例における会議記録装置1の構成である。会議記録装置1の具体的な構成は適宜変更してよく、前述の様に一台のコンピュータにより会議記録装置1を構成してもよいし、二台以上のコンピュータにより会議記録装置1を構成してもよい。例えば、会議記録装置1を会議室に設置する操作端末と、バックエンドサーバが任意のネットワークで通信する構成としてもよい。この場合には、操作端末はマイクロフォン2、撮影装置3、プロジェクタ4が接続されるとともに記載事項記録部11、発言事項記録部12、閲覧事項記録部13及び操作部16を備えるようにし、バックエンドサーバが履歴表示部13及びデータストア部15を備えるようにしてもよい。また、操作端末とバックエンドサーバが通信するネットワークはネットワーク5を用いてもよいし、他のネットワークを用いてもよい。
【0023】
次に、本実施形態の一例における会議記録装置1が実行する処理について説明する。図2は、本実施形態の一例における、記載事項記録部11が行う処理の流れを示したフロー図である。
【0024】
図2で示すように、記載事項記録部11は撮影装置3を操作して、会議室が備えるホワイトボードを撮影し、当該撮影した画像を取得する(ステップS11)。
【0025】
次いで、記載事項記録部11は記載事項記録部11が直前に記録した画像をデータストア部15から取得して、撮影装置3から取得した画像と比較する(ステップS12)。記載事項記録部11は比較した結果を差分情報として生成し、以降の分岐の条件として使用する。本実施形態の一例では、上記の記載事項記録部11が直前に記録した画像を、撮影装置3から取得した画像と比較するための比較対象として用いているが、比較対象としてはこれに限られず、例えば直前に撮影装置3から取得した画像を用いてもよい。
【0026】
記載事項記録部11は、当該差分情報が所定のしきい値を超える場合に前述の撮影装置3から取得した画像を記載事項情報としてデータストア部15に記録する(ステップS13)。この時、記載事項情報には撮影装置3がホワイトボードを撮影した日時を示す日時情報が紐付けられ、当該日時情報は後述する履歴表示部14において、会議の内容を時系列に沿って表示するために使用される。
【0027】
記載事項情報をデータストア部15に記録した後、あるいは、前述の差分情報が所定のしきい値を超えなかった場合には、記載事項記録部11は所定の時間待機した後(ステップS14)、再度ステップS11~S13の処理を実行する。
【0028】
なお、前述したように、会議記録装置1を一台のコンピュータで構成するか、あるいは二台以上のコンピュータで構成するかは任意に選択してよい。例えば前述のように会議記録装置1を会議室内の操作端末とネットワーク上のバックエンドサーバから構成した場合には、記載事項記録部は操作端末に備えるように構成することにより、撮影した画像の差分が所定のしきい値を超える場合にのみ操作端末の記載事項記録部11からバックエンドサーバのデータストア部15にデータ送信を行うので、操作端末とバックエンドサーバ間のネットワーク負荷を効果的に低減することができる。また、本実施形態の一例における記載事項記録部11は所定の時間ごとにホワイトボードを撮影し、差分がしきい値を超える場合に記載事項情報をデータストア部15に記録するが、撮影のタイミングや記録の条件は任意に選択してよい。例えば、所定の時間ごとに撮影するのではなく会議の参加者等が任意のタイミングで手動により撮影を行うようにしてもよいし、ホワイトボードに振動計を設けて振動を取得し、一定量の筆記があったと判定したタイミングで撮影するようにしてもよい。この場合には、記録に際して差分の比較を行わず、撮影した画像をすべてデータストア部15に記録するようにしてもよい。あるいは、会話の内容を解析して話題の変化を検出した場合にホワイトボードを撮影するようにしてもよい。この場合は、後述する発言事項記録部12の例えばステップS22とステップS23の間に会話の内容を解析するステップ及び解析した会話の内容に基づいて話題の変遷を検出するステップを設け、話題の変化を検出したタイミングで撮影するようにしてもよい。なお、本実施形態の一例では所定時間ごとにホワイトボードを撮影するためにステップS13において所定の時間待機するが、上記のように手動、一定の筆記、または会話の変化等により撮影を行う場合は、ステップS13は所定時間ではなく撮影が行われるまで待機するようにしてよい。
【0029】
図3は、本実施形態の一例における、発言事項記録部12が行う処理の流れを示したフロー図である。図3で示すように、発言事項記録部12はマイクロフォン2から会議参加者の発言を音声情報として取得する(ステップS21)。
【0030】
音声情報を取得すると、発言事項記録部12は取得した音声情報を文字情報に変換し(ステップS22)、発言の参加者を示す発言者情報、及び、マイクロフォン2から音声情報を取得した日時を示す日時情報と紐づけてデータストア部15に発言事項情報として記録する(ステップS23)。発言者情報及び日時情報は、後述する履歴表示部14において、会議の内容を時系列に沿って表示するために使用される。
【0031】
なお、前述したように、会議記録装置1を一台のコンピュータで構成するか、あるいは二台以上のコンピュータで構成するかは任意に選択してよい。また、会議記録装置1を構成するコンピュータは周知のコンピュータを使用してよく、スマートフォンやタブレットコンピュータ等の携帯端末に会議記録装置1の一部又は全部の機能を担当させてもよい。発言事項記録部12は、一の参加者の発言を一のスマートフォンやタブレットコンピュータ等で取得し、記録するようにしてもよく、この場合にはスマートフォンやタブレットコンピュータ等が備える録音装置をマイクロフォン2の代わりとしてもよい。
【0032】
図4は、本実施形態の一例における閲覧事項記録部13が実行する処理の流れを示したフロー図である。前述したように会議記録装置1は操作部16を備えており、会議の参加者等が操作部16を操作して任意のアドレスを指定することにより、当該アドレスが示す情報を、プロジェクタ4を介して会議室の任意の場所に表示する。閲覧事項記録部13は、図4で示すように、プロジェクタ4により表示した内容を取得する(ステップS31)。
【0033】
プロジェクタ4により表示した内容を取得すると、閲覧事項記録部13は当該取得した内容を閲覧事項情報としてデータストア部15に記録する(ステップS32)。本実施形態の一例において、プロジェクタ4により表示した内容は、表示した内容種別、タイトル、概要、表示した情報の位置を示すアドレス、及びサムネイル画像を含む情報である。また、閲覧事項情報には当該表示した内容を取得した日時を示す日時情報が紐づけられ、当該日時情報は後述する履歴表示部14において、会議の内容を時系列に沿って表示するために使用される。
【0034】
ステップS31、S32の処理を実行すると、閲覧事項記録部13は所定の時間待機し(ステップS33)、再度ステップS31~S32の処理を実行する。所定の時間は任意に選択してよい。
【0035】
なお、操作部16を操作してプロジェクタ4により表示する情報は適宜選択してよく、例えば組織内ネットワーク上の任意のファイルでも良いし、ネットワーク5がいわゆるインターネットの場合には、前述のアドレスとしてURLを指定することにより、任意のインターネット上の情報を表示するようにしてもよい。
【0036】
以上が、本実施形態の一例における記載事項記録部11、発言事項記録部12、及び閲覧事項記録部13が実行する処理の内容である。
【0037】
次いで、本実施形態の一例における履歴表示部14が実行する処理について説明する。図5は、本実施形態の一例における履歴表示部14が表示する画面の構成を示した図である。図5で示すように、履歴表示部14が表示する画面W1には、画面W1の長辺方向を軸とする時間軸W11と、発言W12と、発言者W12aと、記載事項W13と、閲覧事項W14が表示される。
【0038】
時間軸W11は、会議における各々の日時を表示する軸である。前述したように、本実施形態の一例では、記載事項記録部11が記録した記載事項情報、発言事項記録部12が記録した発言事項情報、及び、閲覧事項記録部13が記録した閲覧事項情報は、それぞれ日時を示す日時情報が紐づけられており、画面W1には時間軸W11で表示されている日時の記載事項情報、発言事項情報、及び閲覧事項情報が表示される。
【0039】
発言W12は、発言事項記録部12が記録した発言事項情報である。発言事項情報は前述のように発言内容を示す文字情報に、発言者を示す発言者情報と発言日時を示す日時情報が紐づけられており、履歴表示部14は画面W1に時間軸W11として表示した日時の範囲に属する発言事項情報をデータストア部15から取得して、時間軸W11の該当する位置に発言W12として表示する。また、発言者情報は発言W12の上方に発言者W12aとして表示される。
【0040】
記載事項W13は、記載事項記録部11が記録した記載事項情報である。記載事項情報は前述の様にホワイトボードを所定の時間間隔で撮影した画像に、撮影日時を示す日時情報を紐づけたものである。履歴表示部14は、画面W1に時間軸W11として表示した日時の範囲に属する記載事項情報をデータストア部15から取得し、記載事項情報が有する画像を記載事項W13として時間軸W11の該当する位置に表示する。
【0041】
閲覧事項W14は、閲覧事項記録部13が記録した閲覧事項情報である。閲覧事項情報は、前述のように、操作部16を操作してプロジェクタ4により表示した内容に、当該内容を取得した日時を示す情報を紐づけたものである。履歴表示部14は、画面W1に時間軸W11として表示した日時の範囲の属する閲覧事項情報をデータストア部15から取得して、時間軸W11の該当する位置に表示する。本実施形態の一例では、閲覧事項情報としてサムネイル画像が含まれており、当該サムネイル画像を閲覧事項W14として表示するとともに、当該閲覧事項W14を閲覧端末6の利用者が選択すると、閲覧事項情報が有するアドレスが示す情報を表示する。
【0042】
本実施形態の一例の説明は以上である。本実施形態の一例では、会議の内容を、ホワイトボード等の媒体に記載した内容である記載事項情報、各参加者の発言の内容である発言事項情報、及び、会議において閲覧した内容である閲覧事項情報として記録し、当該記録した内容を履歴表示部14が時系列に沿って表示する。この構成により、会議の内容を三種類の情報が統合された情報として表示することができるので、会議の流れを容易に把握することができる。
【0043】
本実施形態の一例の構成は以上であるが、本発明の実施の形態はこれに限られない。例えば、前述したように会議記録装置1を二以上のコンピュータにより構成してもよいし、あるいは、マイクロフォン2に代えて録音機能付きのスマートフォンやタブレットコンピュータ等の携帯端末を用いてもよい。
【0044】
また、本実施形態の一例では会議の内容を記載事項情報、発言事項情報、閲覧事項情報の三種類の情報を統合した情報として表示するが、発言事項情報以外の情報として他の情報を適宜組み合わせて用いてもよい。例えば、会議記録装置が、会議における参加者の発言内容を、参加者を示す参加者情報と紐づけた発言事項情報として記録する発言事項記録部と、会議における所定の付加情報を記録する付加情報記録部と、発言事項情報及び所定の付加情報を時系列に沿って表示する履歴表示部を備え、所定の付加情報が、参加者が所定の媒体に記載した内容を示す記載事項情報、前記参加者が閲覧した内容を示す閲覧事項情報、前記会議において用いられた資料を示す資料情報、前記参加者の行動を示す参加者行動情報、前記参加者の感情を示す参加者感情情報のうちの一又は二以上を含むように構成してもよい。参加者の行動や感情としては種々の情報を記録及び表示してもよいが、例えば参加者の相槌を行動として記録するようにしてもよい。前述したように、会議では参加者の発言の外に、参加者が議題等に沿ってホワイトボード等に記載した情報、会議の議題に沿って予め用意された資料、或は会議中の話題についてインターネット上で検索したWeb情報等を介して様々なやり取りがなされ、更には前記発言や情報のやり取りに相俟って参加者が発現する挙動や相槌、或は情感等もあるから、参加者の発言内容に加えて上記の情報を時系列に沿って表示することにより、会議の流れを容易に把握することができる。
【0045】
その他の具体的な構成も本実施形態の一例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 会議記録装置
11 記載事項記録部
12 発言事項記録部
13 閲覧事項記録部
14 履歴表示部
15 データストア部
16 操作部
2 マイクロフォン
3 撮影装置
4 プロジェクタ
5 ネットワーク
6 閲覧端末

図1
図2
図3
図4
図5