(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】下肢血液循環器具
(51)【国際特許分類】
A63B 22/04 20060101AFI20220419BHJP
【FI】
A63B22/04
(21)【出願番号】P 2017185894
(22)【出願日】2017-09-27
【審査請求日】2020-08-05
(31)【優先権主張番号】10-2016-0172904
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515036545
【氏名又は名称】ヘ-ヨン・チョイ
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【氏名又は名称】金山 明日香
(72)【発明者】
【氏名】ヘ-ヨン・チョイ
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05188577(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0204293(US,A1)
【文献】特開2006-000600(JP,A)
【文献】登録実用新案第3057798(JP,U)
【文献】米国特許第06796928(US,B1)
【文献】米国特許第04813666(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 22/04-22/08
A63B 23/04-23/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体下板(1)中央部分に垂直方向に構成する垂直支持棒(2)と、
前記垂直支持棒(2)の左・右水平方向に構成する回転基軸(2b)と、
前記回転基軸(2b)の左・右両方に回転する左・右回転棒(8a、9a)とを備える下肢血液循環器具において、
前記左・右回転棒(8a、9a)を重力作用によって上・下方向に回転させるために、前記左・右回転棒(8a、9a)上端にそれぞれ自重による重力作用によって垂直方向から水平方向まで回転するように構成する重錘(16)と、
前記左・右回転棒(8a、9a)下端に前記それぞれの重錘(16)の重力作用によって水平方向から垂直方向まで回転する左・右踏み板(8、9)と、
前記回転基軸(2b)に前記左・右回転棒(8a、9a)を連係するために前記左・右回転棒(8a、9a)に備えられ、前記重錘(16)と前記左・右踏み板(8、9)の間に備えられる回転装置(2c)とを含むことによって、
使用者(12)が前記左・右踏み板(8、9)を順次加圧すると、前記回転基軸(2b)によって前記
それぞれの重錘(16)は順次上向回転し、
前記使用者(12)が前記左・右踏み板(8、9)の圧力を解除すると、前記回転基軸(2b)によって前記重錘(16)は自重による重力作用により下向回転して前記左・右踏み板(8、9)を上向回転させることを特徴とする下肢血液循環器具。
【請求項2】
前記垂直支持棒(2)上端に補助回転基軸(2d)を備え、前記補助回転基軸(2d)の両方に各々回転重錘(16a)を備
え、
前記左・右回転棒(8a、9a)上端にはウレタンまたはシリコン、ゴムのうちの一つで構成した弾力素材の左・右車輪(5、6)を構成することを特徴とする、請求項1に記載の下肢血液循環器具。
【請求項3】
椅子構造と結合したことを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載の下肢血液循環器具。
【請求項4】
机構造と結合したことを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載の下肢血液循環器具。
【請求項5】
寝台構造の一方に結合したことを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載の下肢血液循環器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩くのと同じ足首運動を誘発することで下肢から上体へ血液循環を促進させる左・右の足首連動器具に関するものであり、さらに詳しくは、左・右の足首を基軸とし重力(Gravity)作用を利用して上・下方向に連動することを特徴とする下肢血液循環器具(Device for Pelvic Limb Blood Flow)に関する。
【背景技術】
【0002】
静脈は動脈のように心臓搏動の推進がなく、特に脚の静脈血の流れは足裏から心臓に重力に逆らって逆に上がっていく。
このような静脈血は、呼吸や筋肉収縮の力のような外部の力によって心臓の方へ戻っていくが、静脈壁には弁膜というのが所々にあって、血液が心臓の方の一方だけに流れるように開き、逆に流れれば閉じる構造によって血液の逆流を防いでくれる役割をしている。
このような弁膜が壊れたり機能が弱くなると、老廃物や二酸化炭素を含んだ静脈血が心臓の方に上がることができずに脚にたまり、むくんだり重かったり痛かったり等の症状を感じるようになる。
【0003】
また、窮屈な飛行機の座席に長く座っている場合、脚の静脈で生じた血栓のために肺血管が詰まる、いわゆる肺塞栓症であるエコノミー席症候群が発生する。
こうなる理由は、
図8の参考図のように、下肢静脈15で、下肢の動きがあってこそ心臓のポンプ作用により血が脚の部分から上体に移動するのであるが、このような下肢の動きがない場合、静脈の血の流れが停滞し、そこで血栓が発生して肺血管が詰まり呼吸困難、失神等の肺塞栓症が発生する。
【0004】
長く座っていると血液が足の先に集まる場合が多く、そうして足の先に下がった血液が再び上がることができず、血管がふくらんだ状態を下肢静脈瘤という。
下がった血液を押し上げる役割をするのがふくらはぎの筋肉である。このような理由からふくらはぎを第2の心臓といい、このようなふくらはぎの筋肉に刺激を与える最もよい運動法が足首運動と歩く運動である。
したがって足首運動と歩く運動が混合した血液循環運動が必要である。
【0005】
従来の階段を上がる効果のステッパー、あるいは自転車ペダル構造のように膝の軟骨の筋肉と下肢筋肉を発達させる筋肉運動器具は、長期間歩くように運動をすることができる器具ではない。すなわち、上記血液循環運動はふくらはぎの筋肉を刺激する程度でなければならず、別途の物理的力が加えられる筋肉運動になっては本発明の目的を達成することができない。
すなわち、最低2~3時間以上、長時間持続的に血液循環を図らなければならないため、力の入る従来の運動器具では通常30分以上運動する場合、体力消尽により疲労度が増加し、長時間継続して持続することができない。
血液循環のための柔らかく軽い筋肉活動の促進でなければならず、無理な物理的力を加えて筋肉を鍛錬する運動では筋肉疲労等が誘発され、むしろ血液循環に支障をもたらすことがあり得る。
【0006】
しかし、従来の運動器具、すなわち自転車ペダル方式の運動器具等は、左ペダルと右ペダルを360゜回転させる運動であるため、運動半径が大きいので設置場所に制限が多く、多くの筋肉運動が誘発され、上記ペダル回転構造を構成するフレーム等の補助構造等により自体の大きさと体積が大きい。
【0007】
従来のステッパー等の運動器具は、スプリングまたはガスショックアブソーバ等で力を強制的に加圧して体力を消耗する筋肉運動であり、長く行ったとき、膝の関節に深刻な障害を与える。
【0008】
したがって、本発明のように長時間持続的な血液循環運動には適用することができない。
また、上記スプリングやガスショックアブソーバは、長時間使用時に熱が発生し、磨耗により騒音がひどくなる。
【0009】
特許文献1は、筋肉を鍛錬する筋肉運動器具である。
【0010】
特許文献2及び特許文献4は、エアチューブの強制的な空気弾力反発による弾性で指圧をする単純指圧機器である。
本件発明のように、順次に左・右の足を交差で連動させる機能でもなく、一度充填された空気は総量的な位置変動なしに固定された内部でそのまま物理的力が存在するので、一定量以上の力で加圧しなければならない。そのため、事実上、高齢者や使用者が体力に応じて力を調整することができない、単純なエアチューブ上に指圧装置を構成したものに過ぎない。
【0011】
特許文献3のような座式下半身運動器具は、緩衝円形スプリング構造により強制的な力の所要が誘発されるため筋肉運動が誘発され、特にこれに使用されるトーションスプリングの構造は、単純にそのスプリングの弾性が起こす反発を利用した筋肉発達運動であるため、長時間の使用に体力的限界が伴い、膝の軟骨に深刻な負担を誘発する。
それだけでなく、スプリングの弾性反発による騒音が相当に発生して使用場所に制限が多かった。
【0012】
上記のような運動器具等は、その運動の強度がスプリング、空気圧の反発等により決められた以上の力を加えなくては駆動しない筋肉運動であるため、使用者がコンディションまたは体力の程度に応じてその運動強度を調整することができない。
【0013】
したがって上記既存の室内運動機器はどれも物理的な反発力を利用して相当な体力を消耗させる筋肉発達運動に関するものであって、血液循環ができず足がむくむ妊婦、体力運動が危険な心臓病患者、無理な運動力なしに継続した血液循環が要求される糖尿病患者に使用が可能で、別途の運動する時間がない受験生及びデスクワーク者に血液を循環させることができる手段となることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】大韓民国特許出願第10-2013-0014924号
【文献】大韓民国実用新案出願第20-2001-0024755号
【文献】大韓民国特許出願第10-2007-0117143号
【文献】大韓民国特許出願第10-2005-0021669号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
長時間座っていると血液が足の先に集まる場合が多く、これによる下肢静脈瘤は、足の先に下がった血液が再び上がることができずに発生する症状である。
しかし、下がった血液を押し上げる役割をするのがふくらはぎの筋肉であるが、このようなふくらはぎの筋肉に筋肉運動ではない刺激を与える最もよい運動法が足首運動である。
このような足首運動は、かかとを基軸として足前部を上下移動するが、左・右の足を順次に交差する運動をするようにしなければならない。
【0016】
上記のような問題点を解決しようとするなら、脚全体を動かす筋肉運動は体力等を要するため長く行うことができない。したがって足首を基軸として柔らかくふくらはぎの筋肉を動かす水準の力で持続的に長時間繰り返す連動運動が最も効果的である。
本発明は、上記のような目的を達成するための提案である。機器自体が強制的な力を誘発する構造なしに柔らかく左・右に作用することができるように構成し、かかとを基軸として足前部を上・下に駆動して、まるで軽く歩くような効果が得られるようにした。別途の物理的力が要求されるパワー構造がなく、左・右の足を順次に交差駆動して、軽く歩くのと同じポンプ効果、すなわち、重力作用により下肢静脈から上体に血液を循環させる効果を誘発した。使用者の体力及びコンディションに応じて無理せずに、自動で、運動中に使用者の意志によって別途調整機能なしに体力に応じて運動強度が任意調整することができるようにした。
【0017】
特に、使用者がほとんど力を入れないため、膝の軟骨や周辺筋肉に力を入れず、まるで軽く歩くように柔らかく駆動される構造を提示する。
【0018】
また、上記のように駆動する際、騒音が発生してはならない。
【0019】
また、従来の運動器具が使用するスプリング、ガスショックアブソーバ等の強制的な物理的装置は、使用するほど弛緩し磨耗して、事実上、長時間の使用が不可能である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記のような課題を解決するために本発明は、さらに具体的に
図1、
図3により説明すれば、本体下板1中央部分に垂直方向に構成する垂直支持棒2を構成し、上記垂直支持棒2の左・右両方には垂直方向に平行に構成する左・右の補助垂直支持棒2aを構成し、上記左・右の補助垂直支持棒2a、2bと垂直支持棒2の左・右水平方向に同一な位置に構成する回転基軸2bを構成し、上記回転基軸2bの左・右両方にベアリングのような回転装置2cと結合構成する左・右回転棒8a、9aを構成し、上記左・右回転棒8a、9aの上端に構成した重さが相当に重い金属等で形成した重錘16を備え、上記左・右回転棒8a、9a下端に構成した左・右踏み板8、9を構成する。
【0021】
上記左・右回転棒8a、9a中段に構成した回転基軸2bを基軸として、使用者12が上記左・右踏み板8、9を加圧して下向回転すると、上記重錘16は上向きに回転し、上記使用者12が左・右踏み板8、9から圧力を解除すると、重錘16は自重による重力により自動で下向回転移動して、順次下肢運動によって下肢血液を循環させるように構成する。
【0022】
垂直支持棒2の上端に補助回転基軸2dを備え、上記補助回転基軸2dの両方に各々回転重錘16aを備えて、上記回転重錘16aの下端部位には移動面を形成し、左・右回転棒8a、9aの上端にはウレタンまたはシリコン、ゴムのような弾力素材の左・右の車輪5、6と摩擦なしに円滑に回転、移動するように構成する。
【発明の効果】
【0023】
このような本発明は、重錘16の重量を利用した重力の力で作動する自動血液循環足首運動装置である。
【0024】
使用者が左・右の踏み板を順次に加圧するとき、重錘が順次に上向き回転し、加圧を解除すると重錘16はその重さにより各々自動で下向する。
上記左・右踏み板構造の上・下の動きが順次に自動連動することにより、まるで楽に歩く運動のような効果を誘発する。
【0025】
本発明の使用者は、上記左・右踏み板8、9により、かかとを基軸として足の前部を上向きに向けるとふくらはぎの筋肉が収縮し、下向きに下げるとふくらはぎの筋肉が弛緩し、これを左・右順次に繰り返すと下肢の血液循環を促進させるが、別途の運動なしに長時間持続して使用することができる。
【0026】
また、上記のような一定角度以内の上・下運動は、ふくらはぎの筋肉を収縮し弛緩させる作用のみをすることにより、別途の体力を要せず長時間血液循環運動を図ることができ、膝の軟骨の影響を与えない。
【0027】
また、このような本発明は、持続的に長時間使用する器具であるため、従来の運動器具のようにスプリング、ショックアブソーバのように使用するほど磨耗性のある構成では不可能である。すなわち、本発明はこのような物理的力を加える要素ではない、重錘による重力を利用する構造であるため、長時間使用する構造が可能となる。
【0028】
また、上記のような左・右連動作用時、左・右踏み板8、9に加圧する力を使用者が任意に調整することにより、運動の強度を調整することができる。
【0029】
このような本発明は、使用者は楽に自分の体力、コンディションに合う楽な水準の歩く効果を誘発して、長時間体力の消耗なしに下肢の持続的血液循環を図って、疲労解消と血栓防止及び元気回復を期することができる。
【0030】
また、本発明の構造は、歩く運動と足首運動によってふくらはぎの筋肉を活性化して血液循環を促進し、重錘16を使用者に応じて可変して、辛くなく歩く効果を得ることができる構造に調整することにより、物理的力による筋肉鍛錬運動ではないため体力消耗がなく長時間の使用が可能となる。
【0031】
また、左・右踏み板8、9の作用が、左・右回転車輪5、6の内部ベアリング構造(未表示)と外部弾力構造により摩擦を減少し、非常に柔らかく連動するため騒音が発生せず、長時間使用しても衝撃を与えず、読書室、事務室、作業空間、アパートで近隣騒音なしに、机の内部下または椅子の下等、多様な場所に設置して長時間使用が可能である。
【0032】
左・右の足を順次に交差運動するとき、微細に伝達される力によって柔らかく作用するようにして、使用者の使用時の衝撃をほとんどなくし、筋肉運動を誘発させない上に騒音も発生しないようにする。
【0033】
したがって、このような本発明は、筋肉運動ではない血液循環連動器具であって、血液循環ができず足がむくむ妊婦、体力運動が危険な心臓病患者、無理な運動力なしに継続した血液循環が要求される糖尿病患者はもちろん、他に運動する時間がない受験生及び勤務者に勉強または業務をしながら同時に軽く歩く効果で血液循環効果が増大する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図6】(a)は足裏の湧泉ツボの説明図で、(b)は足裏の使用説明図である。
【
図7】(a)は本発明が机と結合した時の説明図、(b)は本発明が運送手段内部に設置された時の説明図、(c)は椅子と結合時の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、飛行機の座席、汽車、バス、乗用車等の狭い座席に搭乗した乗客や、机の前での長時間勤務者、読書室で勉強する受験生等が、歩く運動、足の運動や足首運動によって反復的かつ継続して、ふくらはぎの筋肉の収縮弛緩作用を図り、まるで歩くことのようなポンプ効果により、下肢から血液循環を継続してすることができる構成を目的とする。
【0036】
このような本発明は、
図1、
図2、
図3、
図4のように、本体下板1中央部分に垂直方向に構成する垂直支持棒2と、垂直支持棒2の左・右水平方向に構成する回転基軸2bと、回転基軸2bの左・右両方に構成する左・右回転棒8a、9aと、左・右回転棒8a、9a上端に構成して自重が有する重力作用により垂直方向から水平方向に回転するように構成した重錘16と、左・右回転棒8a、9a下端に構成して重錘16の重力作用により上・下方向に自動で回転するように構成した左・右踏み板8、9とを含むことにより、使用者が左・右踏み板8、9を加圧して下向回転すると重錘16は上向きに回転し、使用者が左・右踏み板8、9の圧力を解除すると重錘16は自重による重力作用で下向回転して左・右踏み板8、9を自動で上向回転させることを特徴とする。
【0037】
また、垂直支持棒2上端に補助回転基軸2dを備え、上記補助回転基軸2dの両方に各々回転重錘16aを備え、上記回転重錘16a下端部位には移動面(図示せず)を形成し、左・右回転棒8a、8b上端にはウレタンまたはシリコン、ゴムのうちの一つで構成した弾力素材の左・右車輪5、6を構成することを特徴とする。
【0038】
上記構造を椅子構造と結合するか、机構造または寝台構造の一方に結合することができる。
【0039】
これを図面に基づいて詳しく説明する。
すなわち、
図2、
図4のように、使用者はかかとを基軸として足の前部を上記左踏み板8により下向きに加圧すると、左踏み板8上のふくらはぎの筋肉が収縮し、左踏み板8が下向するとふくらはぎの筋肉が弛緩する。
【0040】
同じ論理で、右踏み板9を下向きに加圧すると右踏み板8上のふくらはぎの筋肉が収縮し、右踏み板9が下向するとふくらはぎの筋肉が弛緩する。
これを順次繰り返すことにより、左・右踏み板8、9上の左・右ふくらはぎの筋肉が順次に収縮して弛緩し、下肢の血液循環を順次に持続促進して、まるで心臓ポンプ作用のように静脈循環を持続することができるように構成する。
【0041】
また、上記のような血液循環運動は、継続して長時間持続しなければならないため、構造自体が騒音が発生しない構造で構成されることを目的としている。
【0042】
これを図面により下記の実施例で詳しく説明する。
図1、
図2のように、本体下板1中央部分に垂直支持棒2を垂直方向に構成し、本体下板1左・右両方には垂直支持棒2と垂直方向に平行に左・右の補助垂直支持棒2aを構成する。
回転基軸2bは、補助垂直支持棒2a、2bと垂直支持棒2の同一な位置に左・右水平方向に構成する。
左・右回転棒8a、9aは、回転基軸2bの左・右両方に各々備えるが、ベアリングのような回転装置2cと結合構成する。
左・右回転棒8a、9a上端には、重さが相当に重い鉄等の金属やプラスチック等の重さの比重が大きい素材で形成した重錘16を各々構成し、左・右回転棒8a、9a下端には左・右踏み板8、9を、左・右回転棒8a、9a上端には各々重錘16を構成する。
【0043】
上記重錘16の重量は、使用者の体力に応じて重量を調節することができる構造である。
使用者の体力に応じて重錘16の重さを調整する方法は、重錘16の重量自体を選択して調節する方法であり、もう一つの方法は重錘16の位置を可変して調整することができる。
【0044】
左・右踏み板8、9の形態は、
図1、
図2のように、垂直支持棒2を基準として下向角度を有する形態で備える。
すなわち、使用者がかかとを基準として左・右踏み板8、9を加圧して踏むとき、左・右回転棒8a、9aの回転により左・右踏み板8、9が本体下板1に移動するように構成し、左・右回転棒8a、9a上端の各々の重錘16は、垂直に近く構成するが、垂直状態を越えないように角度範囲を構成する。
【0045】
すなわち、左・右回転棒8a、9aの模型を、
図2のように、S字形態で構成し、S形の上端には重錘16を、下端には左・右踏み板8、9を各々構成し、左・右回転棒8a、9aの中心には回転基軸2bを形成して、回転基軸2bを基軸として左・右踏み板8、9を加圧して下向回転すると重錘16は上向きに回転し、使用者12が左・右踏み板8、9から圧力を解くと重錘16は自重による重力により自動で下向回転移動するようになる。
【0046】
このような本発明の構成は、
図2のように、使用者が左・右かかとを基軸として左・右の足の前面で左・右踏み板8、9を順次に加圧すると、各々の左・右回転棒8a、8bが回転基軸2bを基軸として回転して上端の重錘16が回転し、左・右踏み板8、9で圧力を解くと、上端の各々の重錘16が自重による重力作用により下向回転し、左・右踏み板8、9は自動で上向きに回転するようになる。
このような左・右踏み板8、9を順次に加圧すれば、持続的に歩くのと同じ効果を得るようになる。
【0047】
左・右回転棒8a、9aの模型はS字形態に限定せず、Z字形、L字形等、多様な形態で構成することができるが、基本的原理は、回転基軸2cを基軸として左・右踏み板8、9を加圧して下向回転すると重錘16は上向きに回転し、使用者12が左・右踏み板8、9から圧力を解くと重錘16は自重による重力により自動で下向回転移動するように構成することである。
【0048】
すなわち、本発明の特徴は、重錘16の重量を利用した重力の力で作動する自動血液循環足首運動装置にある。
このような重錘16の素材は、重量が相当に重い鉄、金属はもちろんプラスチック素材で活用することができる。
【0049】
したがって、重錘16の構成角度は、回転時の上向きとしては水平を基準として垂直形態すなわち90度を越えない、すなわち89度以内の垂直角度以内とし、下向移動時は水平方向を基準として0度を越えないようにする。
このような理由は、重錘16が垂直を基準として90度を越えたとき、後にひっくり返るようになり、水平方向0度以下に下げるときは、連繋された左・右踏み板8、9が回転基軸2bを越えて上下連動作用が不可能になる。
実際、本発明の構成時において、重錘16の上・下回転方向は、上向き15度-45度の間で構成するのが適正で、したがって左・右踏み板8、9の移動幅は下向45度-15度が勧奨される。
【0050】
このように構成する理由は、本発明の目的が従来のステッパーのように筋肉を育てる筋肉運動ではないためである。
筋肉運動器具は、人が歩くように長時間使用することが不可能である。本発明の目的は、人が長く歩くように長時間辛くなく継続して歩く効果を得て、足首運動によって下肢静脈血液循環を図るためである。
【0051】
もう一つの実施例を説明すると、
図3のように、本体下板1中央位置に水平方向の垂直支持棒2を構成し、その左・右両端に補助垂直支持棒2aを備え、垂直支持棒2を基準として回転基軸2bを備える構造は上記
図1の構造と同じである。
ただ、重錘16の構成を異にする。
【0052】
すなわち垂直支持棒2上端部に左・右水平方向に上端回転基軸2dを追加構成し、回転基軸2dの左・右両端に各々回転重錘16aを備える。
回転重錘16aの後端構成は、回転軸17をベアリング等と結合して上端回転基軸2dと連繋し、回転重錘16aの前端は重量が大きい金属等で形成した重錘16で各々形成する。
回転重錘16a下端面には移動面16bを形成して、左・右回転棒8a、8b上端に備えたウレタンまたはシリコン、ゴムのような弾力素材の左・右車輪5、6と摩擦なしに円滑に回転移動するように構成する。
【0053】
このような本発明は、
図4のように、使用者12が左踏み板8または右踏み板9から加圧を解除すすると、各々の重錘16が有する重さの力で重力作用により回転重錘16aが下がる。
この際、回転重錘16aの下面を左・右車輪5、6が上・下に回転移動しながら車輪自体が回転するため、摩擦なく柔らかく騒音なしで回転させる効果がある。
したがって左・右踏み板8、9を順次に踏めば、左・右回転重錘16aの作用により使用者はまるで歩くような効果が出るようになり、心臓ポンプのように下肢血液循環ポンプ作用が可能になる。
【0054】
図6(a)ように足裏の中間上端部分に凹んだ部分があるが、これを湧泉ツボ11aという。
このような湧泉ツボ11aは、医学的に全身の気運神経、血脈が1ヶ所に集まるツボと公知されている。
このような湧泉ツボは、足裏で最も重要な部位であり、マッサージをすれば全身に血液循環が円滑になり、元気が回復して疲労を解消するのに役立つ。
【0055】
しかし、従来の指圧関連製品は、底に無数に多い隆起点を細く底全面に無数に構成することにより、使用者に足裏の苦痛を感じさせ、長く使用することができない短所がある。
また、このような湧泉ツボは、その部位全体をマッサージするように押してやると効果がある部分で、従来のように針のように押しては全く効果がない。
【0056】
本発明は、このような上記短所を勘案し、
図6(b)ように、左・右踏み板8、9の表面に、血液循環のための湧泉ツボ部位全体を、マッサージをするように押してやることができるように一つの隆起半球11で構成する。
このような隆起半球は、全体が半球形態で弾力ある素材で、長時間使用しても使用者に痛みを誘発しない効果がある。
【0057】
さらに詳しく説明すれば、隆起半球11の材質をシリコン、ゴム、ウレタンのように自体弾性が高く柔らかい弾力素材で構成するが、その形態を半球の弾力素材に足裏14のうちの湧泉ツボ部位全体部分を当てて押すと、非常に柔らかくマッサージをするような湧泉ツボに対する指圧効果が、自体材質の弾力により生成されるように形成するのである。
【0058】
したがって、このような本発明は、必要に応じて上記実施例に全て適用され、
図6(b)のように湧泉ツボ部分の指圧運動と上記左・右連動運動による血液循環運動と平行するとき、その効果は増大する。
【0059】
上記実施例は、全て垂直支持棒2を基軸として使用者の足の前部の上、下回転の角度は限定しないが、望ましくは上・下50度以内とする。望ましくは20度前後である。
このような理由は、上記角度を50度以上にするときは、足首の靭帯の無理な引力を誘発して無理がかかるため、長時間の血液循環連動運動が難しいからである。
【0060】
このような本発明は、使用者の体格によって変わる左・右の下肢間隔を補完するために、垂直支持棒2を2分割して、左・右回転棒8a、9aと左・右踏み板8、9と左・右重錘16と本体基板1を、左・右に分離するように構成し、その間に一般的な間隔調整装置を構成して左・右間隔を調整して使用することができるように構成することができる。
【0061】
本発明の目的は、筋肉運動ではない長時間持続する下肢血液を持続的に行ってくれる上・下ポンプ運動である。そのため、運動時の少しの衝撃も累積すれば騒音が発生し得るため、これを防止する。このような発明品の使用場所が事務室、読書室、アパート、等のように多重人が同時に生活する空間であるため、騒音が発生してはいけないからである。
【0062】
このような本発明の構造は、本体支持板1下面前端に垂直支持棒を備え、垂直支持棒を回転して立てるとき、本発明の使用者が使用が楽な角度で四角で使用することができ、使用しないときは垂直支持棒を畳んで携帯することができる。
【0063】
また、このような本発明は、
図7(a)ように、長時間机に座って勉強する受験生または事務職員、または
図7(b)、(c)のように長時間狭い空間で旅行する飛行機、汽車、バス、乗用車の乗客、及び血液循環ができず足がむくむ妊婦、体力運動が危険な心臓病患者、継続した血液循環が要求される糖尿病患者に無理なく血液循環活動が可能である。また、
図7(c)のように、椅子に座って働く様々な職業社員が、机の下部に設置して別途の運動時間なしに業務、または勉強をしながら同時に軽く歩くように血液循環運動を持続的にすることができるため、業務効果と共に勉強の集中力、疲労回復を図ることができる。
また本発明の構造全体を、病院等で寝台の一方に付着するとき、患者は横になっていても下肢血液循環運動をすることができる。
【0064】
したがって、このような本発明は、既存のステッパーのようにショックアブソーバ、スプリング、弾力装置、空気圧縮等のように、使用者が物理的に無理な筋肉に力を加える筋肉運動ではなく、足首を基軸として重力を利用してまるで歩くように下肢筋肉に刺激を与える水準で長時間力疲れずに血液循環ができる器具である。
【0065】
したがって別途に運動する時間がない受験生及びデスクワーク者、運動時間のない使用者が、別途の運動時間をとらなくても、勉強または業務をしたり、作業中に、または旅行中やTVを見る間にも、業務をしながら同時に軽く歩く運動効果を与えることにより、下肢血液循環を促進させて疲労回復、疲労累積防止、肺塞栓症防止をする効果がある。
【符号の説明】
【0066】
1 本体下板、2 垂直支持棒、2a 補助垂直支持棒、2b 回転基軸、3 回転軸、4 水平垂直支持棒、5 左車輪、6 右車輪、7 上・下回転リング、7a 左・右回転リング、8 左踏み板、8a 左回転棒、9 右踏み板、9a 右回転棒、10 回転棒、11 隆起半球、12 回転垂直支持棒、13 角度調整器、14 足、15 下肢静脈、16 重錘、16a 回転重錘、17 回転軸、18 制動軸、20a 第1垂直支持棒、21a 第2車輪垂直支持棒、100 血液循環駆動装置。