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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】機器制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/1396 20220101AFI20220419BHJP
【FI】
H04L67/1396
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018019568
(22)【出願日】2018-02-06
(65)【公開番号】P2019139327
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】菅原 康博
(72)【発明者】
【氏名】大石 大祐
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 節男
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-178129(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0062123(US,A1)
【文献】特開2015-060355(JP,A)
【文献】特開2003-288663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06Q 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の範の通路においてそれぞれ異なる場所に設けられ、設けられた場所に対応する人の有無を検出する複数の人検出部から出力される人検出情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された検出情報に基づいて、前記所定の範の通路における幅方向の中間を境界として区分される2つの領域ごとに、人の偏在の発生と、偏在の発生している場所とを検出する偏在検出部と、
前記偏在検出部による人の偏在の発生に関する検出結果に基づいて、前記所定の範の通路に対応する所定の機器にて所定の動作が行われるように制御する機器制御部と
を備える機器制御装置。
【請求項2】
前記機器制御部は、
前記所定の範囲の通路においてそれぞれ異なる場所に設置される複数の照明機器のうち、前記偏在検出部により検出された人の偏在が発生した場所に対応する照明機器の照明の動作を制御する
請求項1に記載の機器制御装置。
【請求項3】
前記照明機器は、所定の範の通路において公衆を対象としてそれぞれ異なる場所に設置される公衆対応設備としての街灯装置である
請求項2に記載の機器制御装置。
【請求項4】
前記機器制御部は、
前記所定の範囲の通路においてそれぞれ異なる場所に設置される複数の表示機器のうち、前記偏在検出部により検出された人の偏在が発生した場所に基づいて選択した表示機器において、選択された表示機器の設置された場所に対応する所定の表示が行われるように制御する
請求項1から3のいずれか一項に記載の機器制御装置。
【請求項5】
前記機器制御部は、
人の偏在が発生した場所に対応して存在する端末装置にて所定の情報が取得されるように制御する
請求項1から4のいずれか一項に記載の機器制御装置。
【請求項6】
前記機器制御部は、
前記偏在検出部により人の偏在が検出されたことに応じて、所定の情報の送信先として予め登録された端末装置にて前記所定の情報が取得されるように制御する
請求項1から5のいずれか一項に記載の機器制御装置。
【請求項7】
前記人検出部は、
前記所定の範の通路において公衆を対象としてそれぞれ異なる場所に設置される公衆対応設備に備えられる
請求項1から6のいずれか一項に記載の機器制御装置。
【請求項8】
コンピュータを、
所定の範の通路においてそれぞれ異なる場所に設けられ、設けられた場所に対応する人の有無を検出する複数の人検出部から出力される人検出情報を取得する情報取得部、
前記情報取得部により取得された検出情報に基づいて、前記所定の範の通路における幅方向の中間を境界として区分される2つの領域ごとに、人の偏在の発生と、偏在の発生している場所とを検出する偏在検出部、
前記偏在検出部による人の偏在の発生に関する検出結果に基づいて、前記所定の範の通路に対応する所定の機器にて所定の動作が行われるように制御する機器制御部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
宅内サブネットのデバイスと宅外サブネットワークのデバイスとの連係動作として、宅内サブネットワークが構築された住宅の住人がドアから外出する時に、当該住宅の出口に面した街路に沿って間隔を介して設けられた複数の街路灯のうち、住宅の出口に該当する地区の街路灯の照度を上昇させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、照明器具の照射領域の明るさ分布を検出する明るさ検出センサとしてTVカメラを使用し、TVカメラによって得られる画像の所要エリアにおいて、明るさを検出すると共に、人感センサとしての機能により人の有無を検出することによって、照明の必要性を適宜判断して常に適正かつ有効な照明を行う技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-172388号公報
【文献】特開2002-289377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば商店街等のような商業的な地域範囲において、地域範囲における機器を適宜動作させることにより販売促進を図ることが考えられる。この場合において、地域範囲に存在する不特定の人の状況を的確に把握できるようにすることが求められる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、宅内サブネットワークが構築された住宅の住人の状況に応じて街路灯を制御することに限定され、不特定の人の状況に応じて機器を制御することはできない。
また、特許文献2に記載の技術では、単に人が存在するあるいは存在しないという状況の区分に応じて照明が制御されるに留まっている。この点で、特許文献2に記載の技術は、地域範囲の販売促進等を考慮すると、人の状況の把握が不十分であり、適切に機器の動作を制御することも困難である。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、地域範囲における不特定の人の状況を的確に把握して、地域範囲に対応する機器の動作を適切に制御できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、所定の地域範囲においてそれぞれ異なる場所に設けられ、設けられた場所に対応する人の有無を検出する複数の人検出部から出力される人検出情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部により取得された検出情報に基づいて、前記地域範囲における人の偏在の発生と、偏在の発生している場所とを検出する偏在検出部と、前記偏在検出部による人の偏在の発生に関する検出結果に基づいて、前記地域範囲に対応する所定の機器にて所定の動作が行われるように制御する機器制御部とを備える機器制御装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、コンピュータを、所定の地域範囲においてそれぞれ異なる場所に設けられ、設けられた場所に対応する人の有無を検出する複数の人検出部から出力される人検出情報を取得する情報取得部、前記情報取得部により取得された検出情報に基づいて、前記地域範囲における人の偏在の発生と、偏在の発生している場所とを検出する偏在検出部、前記偏在検出部による人の偏在の発生に関する検出結果に基づいて、前記地域範囲に対応する所定の機器にて所定の動作が行われるように制御する機器制御部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、地域範囲における不特定の人の状況を的確に把握して、地域範囲に対応する機器の動作を適切に制御できるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態における地域管理システムの全体構成例を示す図である。
図2】本実施形態における公衆対応設備群の構成の具体例を示す図である。
図3】本実施形態における街灯装置を備える公衆対応設備群の設置態様例を示す図である。
図4】本実施形態における街灯装置の構成例を示す図である。
図5】本実施形態における公衆対応設備関連サーバの構成例を示す図である。
図6】本実施形態における特異点の検出結果の一例を示す図である。
図7】本実施形態における公衆対応設備関連サーバが実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[地域管理システムの構成]
図1は、本実施形態における地域管理システムの全体構成例を示している。本実施形態の地域管理システムは、同図に電力管理地域1として示す所定の地域範囲における電力を管理する。また、本実施形態の地域管理システムは、公衆対応設備の動作を管理し、公衆対応設備により得られた情報に基づく情報提供を行うことができる。また、本実施形態の地域管理システムは、公衆対応設備群12が設置された所定の地域範囲(電力管理地域1としての地域範囲に含まれる地域範囲である)において存在する端末装置(個人端末TM-P、従事者端末TM-W)に情報を送信することができる。
【0011】
本実施形態において、公衆対応設備群12が設置される所定の地域範囲は商店街(所定の地域範囲の一例)である。また、公衆対応設備群12に含まれる公衆対応設備は、商店街において照明として設置される街灯装置である。
【0012】
同図を参照して、まず、本実施形態の地域管理システムにおける電力管理の構成について説明する。
電力管理地域1においては、複数の需要家施設11が存在する。本実施形態において、需要家施設11は、それぞれ、住宅、商店、商業施設、産業施設等であって、個人、企業、自治体等の需要家が所有する施設である。
【0013】
各需要家施設11は、電力線PLと接続されている。また、本実施形態の需要家施設11は、太陽光発電装置11aと蓄電池11bを備える。また、図示は省略するが、需要家施設11は、需要家施設11内での電力管理を行う施設内電力管理装置を備えてよい。
なお、需要家施設11のうちには、太陽光発電装置11aと蓄電池11bのいずれか一方を備える需要家施設11があってもよい。また、需要家施設11のうちには、太陽光発電装置11aと蓄電池11bのいずれも備えない需要家施設11があってもよい。
なお、以降の説明において、需要家を需要家施設11と同義で記載する場合がある。
【0014】
また、電力管理地域1においては、公衆対応設備群12が備えられる。公衆対応設備群12は、例えば電力管理地域1において配置される1以上の公衆対応設備を含む。本実施形態において、公衆対応設備とは、電力管理地域1にいる不特定の人(通行者)を対象として所定の公共的な目的に応じて設置される設備である。
公衆対応設備群12に含まれる公衆対応設備は、電力線PLから供給される電力により稼働される。
なお、電力管理地域1において、公衆対応設備群12は複数が配置されてよい。複数の公衆対応設備群12が備えられる場合、各公衆対応設備群12は、それぞれが異なる地域範囲に設置されてもよい。また、各公衆対応設備群12は、異なる目的に応じた異なる公衆対応設備を備えてもよい。
【0015】
また、電力管理地域1においては、共有蓄電池13が備えられる。共有蓄電池13は、需要家施設11、公衆対応設備群12に対して共通に備えられる蓄電池である。共有蓄電池13は、電力線PLと接続されている。なお、電力管理地域1としては、共有蓄電池13が設置されない態様がとられてもよい。
【0016】
また、電力管理地域1においては電力管理装置14が備えられる。電力管理装置14は、電力管理地域1における需要家施設11、公衆対応設備12及び共有蓄電池13を対象として電力管理を行う。
【0017】
また、電力管理地域1において設置される電力線PLは、例えば電力会社が供給する商用交流電源ACと接続されている。また、電力線PLは、例えば電力管理地域1以外の外部電力管理地域1Aに設置された電力線と接続されている。
【0018】
電力管理に関して上記のような構成を有する地域管理システムでは、商用交流電源AC、あるいは外部電力管理地域1Aから融通されるようにして供給される電力(外部供給電力)により需要家施設11における負荷、公衆対応設備群12などを稼働させることができる。また、地域管理システムでは、外部供給電力を利用して商用交流電源ACから供給される電力を共有蓄電池13に充電させることができる。
【0019】
また、地域管理システムでは、需要家施設11ごとにおいて、太陽光発電装置11aにより発電された電力を利用して施設内の負荷を稼働させることができる。また、需要家施設11ごとにおいて、太陽光発電装置11aにより発電された電力や電力線PL経由で供給された電力を蓄電池11bに充電させることができる。
【0020】
また、1つの需要家施設11において、例えば負荷電力が少ない状態であるために、太陽光発電装置11aにより発電された電力や蓄電池11bに蓄積された電力が使用しきれずに余剰分が発生する場合がある。このような場合、需要家施設11は、余剰分の電力を、負荷に供給する電力が不足している他の需要家施設11、公衆対応設備群12、あるいは共有蓄電池13等に供給することができる。これにより、電力管理地域1における電力自立率(消費電力における電力管理地域1における発電電力由来の電力の比率)を高めることができる。
また、需要家施設11にて発生した余剰分の電力は、上記のように電力管理地域1にて消費されてもよいし、電力管理地域1全体において発電される電力が電力管理地域1全体で必要な電力を越えているような状況では、電力管理地域1外に逆潮流(売電)されてもよい。
【0021】
また、共有蓄電池13は、上記のように電力管理地域1における需要家施設11にて発生した余剰電力を充電することができる。共有蓄電池13は、充電により蓄積した電力を、例えば電力管理装置14の制御に応じて放電させ、電力線PLに出力させることができる。共有蓄電池13から出力された電力は、電力管理地域1における需要家施設11及び公衆対応設備群12にて消費されてもよいし、電力管理地域1外に逆潮流(売電)されてもよい。
【0022】
上記の説明から理解されるように、本実施形態の電力管理地域1においては、太陽光発電装置11a、蓄電池11b、共有蓄電池13等が備えられることで、電力自立率を高めることが可能になる。これにより、電力管理地域1としては、需要家の負担となる電力使用料を抑制することが可能になる。また、電力自立率の向上によって電力会社から供給される電力の使用を抑制できることに伴い、電力会社による発電量も抑制されることから環境負荷の低減も図ることができる。
【0023】
電力管理地域1においては、公衆対応設備関連システムの中枢である公衆対応設備関連サーバ100(機器制御装置の一例)が備えられる。
公衆対応設備関連サーバ100は、電力管理地域1内に設置されたアクセスポイントAPなどと無線LAN(Local Area Network)経由で通信可能に接続される。本実施形態において、アクセスポイントAPは、公衆対応設備群12が設置された商店街にて、商店街に存在する端末と通信が可能なように設置される。なお、同図において示されているアクセスポイントは1つであるが、複数のアクセスポイントAPが適宜配置されてよい。
【0024】
アクセスポイントAPは、通信距離に位置する通行者SJが所持する個人端末TM-Pや、通信距離に位置する従事者WKが所持する従事者端末TM-Wと通信を行う。通行者SJは、公衆対応設備群12が設置される商店街を通行する者である。即ち、通行者SJは、商店街にとっての客である。従事者WKは、公衆対応設備群12が設置される商店街における店舗にて例えば店員として業務に従事する者である。これにより、公衆対応設備関連サーバ100は、公衆対応設備群12が設置される商店街に存在する個人端末TM-Pや従事者端末TM-Wと通信を行うことができる。
【0025】
また、公衆対応設備関連サーバ100は、例えばアクセスポイントAP経由で、公衆対応設備群12における公衆対応設備のそれぞれと通信可能に接続される。これにより、公衆対応設備関連サーバ100は、公衆対応設備群12における公衆対応設備の動作を制御することができる。また、公衆対応設備関連サーバ100は、公衆対応設備が備えるセンサにより検出された情報を取得することができる。
【0026】
[公衆対応設備群の具体例]
図2は、本実施形態の公衆対応設備群12の構成の具体例を示している。なお、同図において図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
同図では、公衆対応設備群12が公衆対応装置として、20個の街灯装置200-A~200-Tを備えている例が示されている。以降の説明において、街灯装置200-A~200-Tについて特に区別しない場合には、街灯装置200と記載する。
また、同図では、公衆対応設備群12が備える公衆対応装置(街灯装置200)が20個である例を示しているが、公衆対応設備群12が備える公衆対応装置の数については特に限定されない。
街灯装置200のそれぞれは、アクセスポイントAP経由で公衆対応設備関連サーバ100と通信可能に接続されている。街灯装置200のそれぞれは、近距離無線通信が可能とされている。街灯装置200が対応する近距離無線通信の方式としては特に限定されないが、例えばBluetooth(登録商標)等を挙げることができる。これにより、街灯装置200は、近距離無線通信の通信距離にある端末(個人端末TM-P)と通信を行うことができる。
【0027】
図3は、街灯装置200を備える公衆対応設備群12の設置態様例を示している。同図においては、電力管理地域1における商店街STRが示されている。同図においては、商店街STRを平面方向からみている。商店街STRの通りには、個人端末TM-Pを所持する通行者SJが存在している状態が例示されている。また、商店街STRにおけるある店舗STにおいて従事者端末TM-Wを所持する従事者WKが存在している状態が例示されている。
同図に示されるように、街灯装置200は、商店街STRの通りの両端のそれぞれにおいて、適宜、隣り合う街灯装置200と或る距離を隔てて設置される。
【0028】
図4は、街灯装置200の構成例を示している。同図の街灯装置200は、アクセスポイント対応通信部201、人感センサ202、制御部203、照明部204、表示部205、音出力部206、及び近距離無線対応通信部207を備える。
【0029】
アクセスポイント対応通信部201は、アクセスポイントAPと無線LANによる通信を行う。
人感センサ202(人検出部の一例)は、設けられた場所に対応する人の有無を検出する。人感センサ202の検出方式については特に限定されないが、例えば焦電型の赤外線センサなどであって、周囲との温度変化を感知するものであってよい。即ち、本実施形態の人感センサ202は、人の有り無しに応じた2値的な検出信号を出力する態様のものであってよい。また、人感センサ202が人を検知可能な距離は、例えば最も近い位置にある他の街灯装置200に備えられる人感センサ202の検出可能距離に応じた検出範囲とできるだけ重複しないように設定されればよい。
【0030】
制御部203は、街灯装置200としての機能を実現するための各種制御を実行する。制御部203としての機能は、街灯装置200において備えられるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
制御部203は、人感センサ202の検出結果に基づく人検出情報を、アクセスポイント対応通信部201により公衆対応設備関連サーバ100に対して送信させることができる。街灯装置200から送信される人検出情報には、人検出情報の送信元の街灯装置200を示す街灯装置IDが含まれる。
【0031】
照明部204は、制御部203の制御に応じて照明器具を発光させることにより照明を行う部位である。本実施形態において、照明部204が備える照明器具は、特に限定されないが、例えばLED(Light Emitted Diode)であってもよい。そのうえで、本実施形態の照明部204として、例えば異なる発光色のLEDを備えることで、制御部203による制御に応じて、照明部204による照明光の色を変化させることが可能とである。
【0032】
表示部205は、表示を行う部位である。表示部205としての表示デバイスは、例えばマトリクス状にLEDのドットが配列されたものであってもよいし、液晶表示デバイスなどであってよい。表示部205の表示は、制御部203によって制御される。表示部205による表示は、例えば商店街における広告などのためにデジタルサイネージを行う場合に利用される。
音出力部206は、制御部203の制御に応じて、例えばスピーカなどから音を出力させる部位である。
近距離無線対応通信部207は、例えばBluetooth等の近距離無線通信による通信を行う。
【0033】
このような構成の街灯装置200は、一例として、表示部205が通行者SJによって見やすい高さに設置されればよい。この場合、照明部204は、照明光により下方向を照らすようにされてよい。
【0034】
[公衆対応設備関連サーバの構成例]
図5は、公衆対応設備関連サーバ100の構成例を示している。同図の公衆対応設備関連サーバ100は、街灯装置200を備える公衆対応設備群12に対応する。同図の公衆対応設備関連サーバ100は、通信部101、制御部102及び記憶部103を備える。
【0035】
通信部101は、インターネットINT経由で通信を行う部位である。
制御部102は、公衆対応設備関連サーバ100としての機能を実現するための各種制御を実行する。制御部102としての機能は、公衆対応設備関連サーバ100が備えるCPUがプログラムを実行することによって実現される。
同図の制御部102は、情報取得部121、偏在検出部122、及び機器制御部123を備える。
【0036】
情報取得部121は、街灯装置200に備えられる人感センサ202から出力される人検出情報を取得する。街灯装置200の人感センサ202は、人の有無の検出に応じた人検出情報を出力する。街灯装置200は、人感センサ202から出力された人検出情報を公衆対応設備関連サーバ100に送信する。情報取得部121は、受信された人検出情報を通信部101経由で取得する。
【0037】
偏在検出部122は、情報取得部121により取得された人検出情報に基づいて、商店街STRにおける人の偏在の発生の有無と、偏在の発生した場所とを検出する。
【0038】
機器制御部123は、偏在検出部122による人の偏在の発生に関する検出結果に基づいて、商店街STRにおいて存在する所定の機器にて所定の動作が行われるように制御する。なお、本実施形態において「機器」と「装置」とは同義として扱われてよい。
【0039】
記憶部103は、制御部102が利用する各種の情報を記憶する。同図の記憶部103は、設備設置情報記憶部131、従事者登録情報記憶部132、及び通知情報記憶部133を備える。
【0040】
設備設置情報記憶部131は、設備設置情報を記憶する。設備設置情報は、図3に例示したように商店街STRに設置された街灯装置200ごとの位置(設置位置)を示す情報である。設備設置情報は、例えば街灯装置200を示す街灯装置IDごとに、商店街STRの地図に対応の位置を指定した情報であってよい。このような設備設置情報を参照することで、例えば図3のように商店街STRに設置された街灯装置200ごとの設置位置が把握される。
【0041】
従事者登録情報記憶部132は、公衆対応設備関連サーバ100からの情報通知を受けるユーザとして登録された従事者に関する情報である、従事者登録情報を記憶する。従事者WKは、公衆対応設備関連サーバ100からの情報通知を受けるにあたり、自分が所持する従事者端末TM-Wに情報通知の受信機能を有するアプリケーション(従事者利用アプリケーション)をインストールされる。従事者WKは、自分が所持する従事者端末PM-Wにインストールされた従事者利用アプリケーションにユーザアカウント(例えば、ユーザID、パスワード)を入力してログインすることにより、従事者利用アプリケーションを利用可能となる。
1の従事者WKに対応する従事者登録情報は、従事者端末PM-Wにインストールされた従事者利用アプリケーションのアプリケーションIDと、ユーザにより登録されたユーザアカウントとを含む。
【0042】
通知情報記憶部133は、通知情報として、個人端末TM-Pに送信する個人端末対応通知情報と、従事者端末TM-Wに送信する従事者端末対応通知情報とを記憶する。
【0043】
[公衆対応設備関連システムの動作概要]
本実施形態の公衆対応設備関連サーバ100においては、街灯装置200のそれぞれが備える人感センサ202から出力される人検出信号に基づいて、商店街STRの通路における人の偏在に関する検出を行う。具体的に、公衆対応設備関連サーバ100は、人の偏在に関する検出として、偏在の発生を検出し、偏在の発生を検出した場合には、商店街STRにおいて偏在の発生している場所を検出(特定)する。
【0044】
公衆対応設備関連サーバ100における偏在検出は、例えば以下のように行われる。
街灯装置200が備える人感センサ202は人の有無についての検出結果を示す人気出力情報を出力する。公衆対応設備関連サーバ100の情報取得部121は、街灯装置200(200-A~200-T)のそれぞれと通信を行うことで、街灯装置200のそれぞれの人感センサ202から出力された人検出情報を取得する。
人感センサ202の検出範囲は、自己が備えられた街灯装置200と隣り合う他の街灯装置における人感センサ202の検出範囲とできるだけ重複しないように設定される。これにより、1つの街灯装置200に備えられる人感センサ202は、商店街STRの通路において自己を備える街灯装置200が設置された場所の近傍の人の有無を検出するようにされる。情報取得部121は、街灯装置200のそれぞれから人検出情報を取得する。これにより、情報取得部121は、時間経過に応じて、商店街STRの通路において街灯装置200が設置された位置ごとに対応する場所ごとの人の有無の状況を示す情報を取得することができる。
【0045】
公衆対応設備関連サーバ100において、偏在検出部122は、所定時間長による偏在検出期間ごとにおいて、取得される街灯装置200ごとの人検出情報を取り込む。これにより、偏在検出部122は、偏在検出期間において、街灯装置200ごとに複数の人検出情報を取得することができる。
この場合において、偏在検出期間に取得される人検出情報の数は、街灯装置200の間で異なっていてもよいし、同じであってもよい。例えば、人の存在を示す人検出情報が人感センサ202から出力されたことに応じて街灯装置200から公衆対応設備関連サーバ100に人検出情報を出力するようにされた場合には、偏在検出期間において取得される人検出情報の数は街灯装置200の間で異なってくる。一方、一定の時間間隔ごとにサンプリングされるように街灯装置200から公衆対応設備関連サーバ100に人検出情報が送信されるようになっている場合には、偏在検出期間において取得される人検出情報の数は街灯装置200の間で同じとなる。
【0046】
そのうえで、偏在検出部122は、1つの偏在検出期間において、以下の処理を実行する。
つまり、偏在検出部122は、偏在検出期間において取得された、街灯装置200ごとに対応する複数の人検出情報を利用して、街灯装置200ごとに対応させて人検出情報に基づく人の存在数(反応数)を算出する。
偏在検出部122は、算出された街灯装置200ごとの反応数から特異点を検出する。偏在検出部122による特異点の検出手法については特に限定されないが、例えば統計における分散の手法を用いてよい。即ち、特異点は、反応数の母集団において他の反応数と比較して顕著に高い値を示すものとして検出される反応数である。また、特異点は、標準偏差における外れ値として検出されてもよい。
【0047】
図6は、連続する5つの偏在検出期間T1~T5のそれぞれにおける特異点の検出結果の一例を示している。同図において偏在検出期間ごとにおけるグラフは、横軸が反応数を示し、縦軸が対応の街灯装置200を示す。縦軸におけるA~J、K~Tは、それぞれ街灯装置200-A~200-J、200-K~200-Tを示す。
【0048】
また、同図においては、1つの偏在検出期間ごとに、街灯装置200-A~200-Jの反応数を示すグラフと、街灯装置200-K~200-Tの反応数を示すグラフとの、2つのグラフが示されている。本実施形態において、偏在検出部122は、偏在検出期間ごとに、2つのグラフのそれぞれについて反応数の特異点を検出する。つまり、偏在検出部122は、1の偏在検出期間において、街灯装置200-A~200-Jに対応する反応数の母集団(以下、第1母集団とも記載する)と、街灯装置200-K~200-Tに対応する反応数の母集団(以下、第2母集団とも記載する)との、2つの母集団のそれぞれを対象に特異点を検出する。
【0049】
第1母集団に対応する街灯装置200-A~200-Jは、商店街STRの通路の一方(北側)の路端に設置されており、第2母集団に対応する街灯装置200-K~200-Tは、商店街STRの通路の他方(南側)の路端に設置されている。つまり、偏在検出部122は、商店街STRにおいて長さ方向(東西方向)に沿って延伸する通路の幅方向におけるほぼ中央を境にして区分される2つの領域のそれぞれに対応させて特異点を検出するようにされている。
【0050】
例えば、商店街STRの通路における全ての街灯装置200-A~200-Kに対応する反応数を1つの母集団として特異点を検出してもよい。しかしながら、商店街STRの場合には通路の両側において各種店舗が並んでいることから、通路の長さ方向における位置が同じであっても一方の路端側と他方の路端側とで人が集まる要因が異なるといえる。そこで、本実施形態においては、このような商店街STRの性質を考慮して、通路の幅方向における一方の路端側に応じた領域と他方の路端側に応じた領域とのそれぞれに対応させて特異点を検出するようにしている。これにより、商店街STRの性質に対応させて、特異点についての検出精度を高めることが可能になる。
【0051】
同図においては、まず、偏在検出期間T1において、偏在検出部122が特異点検出の処理を行った結果、第1母集団と第2母集団とのいずれにおいても得点が検出されなかった例が示されている。
また、次の偏在検出期間T2においては、第1母集団においては特異点が検出されなかったが、第2母集団において、街灯装置200-Rに対応する反応数が特異点S1として検出された例が示されている。
また、次の偏在検出期間T3においては、第1母集団においては特異点が検出されなかったが、第2母集団において、街灯装置200-Qに対応する反応数が特異点S2として検出された例が示されている。
また、次の偏在検出期間T4においては、第1母集団において街灯装置200-Fに対応する反応数が特異点S3として検出されたが、第2母集団において特異点が検出されなかった例が示されている。
また、次の偏在検出期間T5においては、第1母集団と第2母集団とのいずれにおいても得点が検出されなかった例が示されている。
【0052】
同図の例との対応では、まず、偏在検出部122は、偏在検出期間T2において街灯装置200-Rに対応する反応数を特異点S1として検出したことに応じて、偏在検出期間T2に対応する時間にて、商店街STRの街灯装置200-Rに対応する場所にて人の偏在の発生を検出する。
次に、偏在検出部122は、偏在検出期間T3において街灯装置200-Qに対応する反応数を特異点S2として検出したことに応じて、偏在検出期間T3に対応する時間にて街灯装置200-Qに対応する場所にて人の偏在が発生したと判定する。
次に、偏在検出部122は、偏在検出期間T4において街灯装置200-Fに対応する反応数を特異点S3として検出したことに応じて、偏在検出期間T4に対応する時間にて街灯装置200-Qに対応する場所にて人の偏在の発生を検出する。
【0053】
このように商店街STRにおいて発生する人の偏在は、商店街STRに存在する人の状況として、商店街STRにおける特定の場所にて人の偶然の集中が生じたものと捉えられる。
このような人の偶然の集中としての人の偏在は、あくまでも一例であるが以下のように発生し得る。つまり、はじめは数人の通行者SJが或る店舗に興味を持ってその店舗の前にて立ち止まっていたが、通行者SJが立ち止まっていたことがさらに他の通行者SJにも興味を持たせて立ち止まらせた、このように商店街STRにおける或る特定の場所において立ち止まる通行者SJが増えることにより、人の偏在が偶然に発生する。
例えば、商店街における人の偏在として、有名店にて行列ができているようなものであったり、イベント会場にて行われているイベントに人が集まっているといったように、偶然性によらず発生する人の偏在の態様もある。しかしながら、このような人の偏在は、偶然に発生するものではなく、有名店が存在していることでほぼ必然的に発生するものとなる。
本実施形態の公衆対応設備関連サーバ100は、このような必然性のある人の偏在ではなく、商店街STRにおいて流動的に変化する人の分布において偶然性をもって発生する人の偏在を検出する。
【0054】
[機器制御例]
公衆対応設備関連サーバ100における機器制御部123は、上記のように人の偏在の発生が検出されたことに応じて、商店街STRに対応する機器にて所定の動作が行われるように制御(機器制御)を行う。このような機器制御は、商店街STRにおける販売促進を目的として行われる。公衆対応設備関連サーバ100が行う機器制御として、以下の機器制御例1~5を挙げる。
【0055】
〔機器制御例1(第1照明制御)〕
公衆対応設備関連サーバ100の機器制御部123が販売促進のために行う機器制御の1つは、街灯装置200における照明の制御である。
機器制御部123は、照明制御として、偏在が発生した場所(偏在発生場所)を基準とする所定の街灯装置200(照明機器の一例)の照明部204により、他の街灯装置200とは異なる態様で照明が行われるようにしてよい(第1照明制御)。
第1照明制御として、偏在発生場所の街灯装置200を制御対象として、他の場所の街灯装置200よりも目立つような態様で照明を行わせてよい。具体的には、制御対象の街灯装置の照明部204の明るさを他の場所の街灯装置200の照明部204よりも強くしたり、他の場所の街灯装置200とは異なる色で照明部204が照明を行うようにしてよい。照明の色に関しては、例えば時間経過に応じて色が変化していくようにしてもよい。また、制御対象の街灯装置200は、例えば偏在発生場所の街灯装置200だけではなく、偏在発生場所の街灯装置200一定以内の距離に位置する街灯装置200も含めてよい。
上記のように第1照明制御を行うことで、商店街STRにいる通行者SJは、偏在発生場所に対応して異なる照明が行われていることに気付く。これにより、通行者SJに偏在発生場所への関心を持たせ、偏在発生場所に通行者SJを誘導することが期待できる。このような第1照明制御は、例えば偏在発生場所に人を集めることで販売促進が期待できる場合に有効である。
【0056】
〔機器制御例2(第2照明制御)〕
また、公衆対応設備関連サーバ100の機器制御部123は、機器制御として、偏在発生場所に存在する人を、商店街STRにおける特定の場所(誘導場所)に誘導するように街灯装置200の照明を制御してよい(第2照明制御)。
例えば、或る場所にて人の偏在の発生したことが判定されると、機器制御部123は、偏在発生場所から予め定められた誘導場所までの移動経路に対応して設置されている街灯装置200のそれぞれを制御対象として、誘導灯として機能するように照明部204により所定の態様による照明が行われるように制御する。
一例として、偏在発生場所に対応する街灯装置200から誘導場所に対応する街灯装置200までの街灯装置200に、所定の色による照明を順次交代させていくようにして表示させてよい。一具体例として、図3の街灯装置200-Cが偏在発生場所に対応し、街灯装置200-Fが誘導場所に対応する場合、街灯装置200-C、200-D、200-E、200-Fの順で一定時間ごとに交代で誘導用の所定の色が照明されるという動作を行わせる。また、このような照明の動作が繰り返されるようにしてもよい。
このような照明が行われることで、偏在発生場所に存在している通行者SJは、自分のいる場所から誘導場所にかけて、照明色が街灯装置200を順次移動していくように見える。このような照明を見た通行者SJは、照明色の移動先に関心を持ち、誘導場所にまで移動してみようと考える。このような第2照明制御によっては、偏在発生場所に存在している多数の通行者SJを誘導場所に誘導することで、販売促進を図ることが期待できる。
【0057】
〔機器制御例3(表示制御)〕
また、公衆対応設備関連サーバ100の機器制御部123は、機器制御として、偏在発生場所に存在する人に向けた情報提供として、街灯装置200(表示機器の一例)の表示部205にて表示を行わせるようにしてもよい(表示制御)。
具体的に、表示制御として、例えば機器制御部123は、偏在発生場所に対応して設置されている街灯装置200に対して、商店街STRにおける広告内容を有する表示情報を送信する。広告内容は、商店街STRにおける所定の店舗の広告であってもよいし、商店街STRにて行われるイベント等を告知するようなものであってもよい。また、機器制御部123は、偏在発生場所に対応する街灯装置200として、偏在発生に応じた特異点が検出された1つの街灯装置200だけではなく、偏在発生場所を基準として一定以内の距離に設置されている複数の街灯装置200に表示情報を送信してもよい。表示情報を受信した街灯装置200は、受信された表示情報に基づく表示が表示部205にて行われるようにする。
このような表示制御によって、偏在発生場所に存在している通行者SJは、街灯装置200にて表示されている広告を見ることができる。これにより、商店街STRでの販売促進が期待できる。
なお、表示部205における表示にとともに、音出力部206から音を出力させてもよい。
また、例えば商店街STRにおける1以上の所定の場所に、街灯装置200とは個別に表示装置を設け、機器制御部123は、偏在発生場所に対応する場所に設置された表示装置にて通行者SJに向けて情報が提供されるように表示制御を行ってもよい。
【0058】
〔機器制御例4(端末通知制御1)〕
また、公衆対応設備関連サーバ100の機器制御部123は、機器制御として、偏在発生場所に存在している通行者SJが所持する個人端末TM-Pにて、個人端末対応通知情報(所定の情報の一例)が受信されるように制御してよい(端末通知制御1)。つまり、この場合の機器制御は、個人端末TM-Pとしての機器にて個人端末対応通知情報を受信する動作が行われるようにする制御である。個人端末対応通知情報は、例えば商店街STRに関連する広告内容を有する情報であってよい。
この場合の機器制御部123は、偏在発生場所に対応して設置されている街灯装置200に対して個人端末対応通知情報を送信する。個人端末対応通知情報は通知情報記憶部133に記憶されている。
端末通知制御1における機器制御部123も、偏在発生場所に対応する街灯装置200として、偏在発生に応じた特異点が検出された1つの街灯装置200だけではなく、偏在発生場所を基準として一定以内の距離に設置されている複数の街灯装置200に個人端末対応通知情報を送信してもよい。
また、個人端末対応通知情報は、任意の街灯装置200に対応付けられて管理されてもよい。一例として、店舗の広告としての個人端末対応通知情報については、対応の店舗に最も近い街灯装置200(もしくは、対応の店舗の位置から一定以内の距離に設置された街灯装置200)に対応付ける。この場合、機器制御部123は、通知情報記憶部133が記憶する個人端末対応通知情報のうちで、偏在発生場所に対応する街灯装置200に対応付けられた個人端末対応通知情報を、偏在発生場所に対応する街灯装置200に送信する。このような個人端末対応通知情報は、対応付けられた街灯装置200の近傍の店舗に関する広告内容を有するようなものであってよい。
【0059】
個人端末対応通知情報を受信した街灯装置200は、受信された個人端末対応通知情報を、近距離無線対応通信部207と接続されている端末に対して送信(転送)する。近距離無線対応通信部207は、端末が通信距離以内にまで近づいたことに応じて端末とペアリングを行い、通信距離に存在する端末と通信可能に接続される。これにより、近距離無線対応通信部207の通信距離に位置している個人端末TM-Pは、近距離無線対応通信部207と通信可能な状態にあり、個人端末対応通知情報を受信(取得)することができる。
個人端末TM-Pは、受信された個人端末対応通知情報を出力する。一例として、個人端末対応通知情報は以下のように通知されてよい。個人端末対応通知情報を受信した個人端末TM-Pは、例えば所定の情報通知用のアプリケーションにより、個人端末対応通知情報の受信を通知する通知動作を実行する。通知動作は例えばプッシュ通知でよい。個人端末対応通知情報の受信の通知に気付いた通行者SJは、個人端末TM-Pを操作して受信された個人端末対応通知情報を表示させる。
このように端末通知制御1が行われることで、偏在発生場所にいる通行者SJは、自分が所持する個人端末TM-Pにて出力させた個人端末対応通知情報を閲覧できる。個人端末対応通知情報は、前述のように例えば商店街STRに関連する広告内容を有する。通行者SJは、閲覧した個人端末対応通知情報の内容に関心があれば、例えば広告元の店舗に赴くなどの行動をとる可能性がある。このように、端末通知制御1が行われることによっても商店街STRでの販売促進が期待できる。
【0060】
〔機器制御例5(端末通知制御2)〕
また、公衆対応設備関連サーバ100の機器制御部123は、機器制御として、人の偏在の発生に応じて、従事者端末対応通知情報の受信端末として予め登録された従事者端末TM-Wにて従事者端末対応通知情報(所定の情報の一例)が受信されるようにしてよい(端末通知制御2)。つまり、この場合の機器制御は、従事者端末TM-Wとしての機器にて従事者端末対応通知情報を受信する動作が行われるようにする制御である。
端末通知制御2の実行にあたり、機器制御部123は、人の偏在の発生が検出されたことに応じて、従事者登録情報記憶部132に記憶されている従事者登録情報を参照し、従事者端末対応通知情報の通知先となる従事者WKを特定する。従事者登録情報記憶部132に記憶される従事者登録情報は、従事者登録情報の通知を受けるユーザとして登録した従事者WKのアプリケーションIDを含んでいる。機器制御部123は、従事者登録情報記憶部132に記憶される従事者登録情報が示すアプリケーションIDのそれぞれを送信先として、例えばアクセスポイント対応通信部201からネットワーク経由で、従事者端末対応通知情報を送信する。
上記の例では、従事者登録情報記憶部132に記憶されている従事者登録情報の全てに対応する従事者端末TM-Wに対して従事者端末対応通知情報が送信される。これに対して、従事者登録情報記憶部132に記憶されている従事者登録情報のうち、偏在発生場所に応じた一部の従事者登録情報に対応する従事者端末TM-Wに対して従事者端末対応通知情報が送信されるようにしてもよい。つまり、この場合の従事者登録情報記憶部132に記憶される従事者登録情報は、対応する街灯装置200を示す街灯装置指定情報を含む。対応する街灯装置200の指定は、例えば従事者が登録を行う際に指定できるようにしてよい。
機器制御部123は、人の偏在の発生が検出されると、従事者登録情報記憶部132から、偏在発生場所に対応する街灯装置200を示す街灯装置指定情報を含む従事者登録情報を検索する。機器制御部123は、検索された従事者登録情報が示すアプリケーションIDのそれぞれを送信先として従事者端末対応通知情報を送信する。このようにすれば、例えば、従事者WKは、商店街STRにおいて自分が希望する場所において偏在が発生した場合に限定して従事者端末対応通知情報を受け取ることができる。
【0061】
従事者端末対応通知情報は、例えば商店街STRにて人の偏在が発生したことを通知する内容を有する。このような従事者端末対応通知情報を受け取った従事者WKは、例えば店頭で客に声かけをするなど、偏在発生場所にいる通行者SJに向けて、自分の店に来てもらうようにするための何らかの施策をとることができる。これにより、商店街STRでの販売促進が期待される。
【0062】
なお、上記各機器制御のもとでは、例えば偏在検出部122が、偏在発生場所の時間経過に応じた変化に基づいて、偏在発生場所の推移を推定してもよい。そのうえで、機器制御部123は、推定された偏在発生場所の推移に応じた機器制御を実行してもよい。
一例として、機器制御例5(端末通知制御2)のもとでは、機器制御部123は、偏在発生場所の推移の推定結果に基づき、一定時間後に偏在発生場所となることが推定される場所に対応する街灯装置200を示す街灯装置指定情報を含む従事者登録情報を検索する。そして、検索された従事者登録情報が示す従事者WKの従事者端末TM-Wに対し、一定時間後に、従事者WKが登録した街灯装置200の付近にて人の偏在が発生する予報としての従事者端末対応通知情報を送信してもよい。
【0063】
[処理手順例]
図7のフローチャートを参照して、本実施形態の公衆対応設備関連サーバ100が実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:公衆対応設備関連サーバ100において、情報取得部121は、1つの偏在検出期間が開始されるのを待機している。
ステップS102:情報取得部121は、偏在検出期間が開始されたことに応じて、街灯装置200のそれぞれから人検出情報の取得を実行する。
【0064】
ステップS103:情報取得部121は、ステップS102による人検出情報の取得を実行している状態のもとで、人検出情報取得期間が終了されたか否かについて判定する。人検出情報取得期間は、偏在検出期間において人検出情報の取得のために設けられる期間である。この場合の人検出情報取得期間は、偏在検出期間とともに開始され、偏在検出期間の終了よりも前のタイミングで終了されてよい。
人検出情報取得期間が終了していなければ、ステップS102に処理が戻されることで、人検出情報を取得する処理が繰り返される。
ステップS104:人検出情報取得期間が終了されると、偏在検出部122は、人検出情報取得期間により取得された街灯装置200ごとの人検出情報を利用して、街灯装置200ごとに対応する反応数を算出する。
ステップS105:偏在検出部122は、ステップS104にて算出された街灯装置200ごとの反応数を利用して、人の偏在が発生したか否かの検出(偏在検出処理)を実行する。偏在検出処理にあたって、偏在検出部122は、図6にて説明したように、商店街STRの通路の北側の街灯装置200に対応する第1母集団と、南側の街灯装置200に対応する第2母集団との2つの母集団ごとに偏在検出を行う。
ステップS106:機器制御部123は、ステップS105による偏在検出処理の結果、人の偏在の発生が有るとの検出結果が得られたか否かについて判定する。人の偏在の発生が有るとの検出結果が得られなかった場合には、ステップS107をスキップして同図の処理が終了される。
ステップS107:人の偏在の発生が有るとの検出結果が得られた場合、機器制御部123は機器制御を実行する。ステップS107における機器制御としては、前述の機器制御例1~5のうちの1以上が実行されればよい。
【0065】
なお、同図の処理では、1つの偏在検出期間において人の偏在の発生が検出されたことに応じて機器制御が実行される。しかしながら、例えば偏在検出期間が短いような場合には、連続する所定の複数の偏在検出期間ごとに人の偏在の発生が検出されたことを以て、偏在の発生が確定されたものとし、機器制御部123が機器制御を実行するようにされてもよい。この場合において、連続する所定の複数の偏在検出期間ごとに人の偏在の発生が検出される状況としては、同じ街灯装置200に対応する場所にて連続して検出されるという状況であってよい。また、連続する所定の複数の偏在検出期間ごとに人の偏在の発生が検出される状況としては、人の偏在の発生が或る軌跡に沿って移動しているようにして検出される状況であってもよい。
【0066】
なお、上述の公衆対応設備関連サーバ100や街灯装置200等の公衆対応設備としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の公衆対応設備関連サーバ100や街灯装置200等の公衆対応設備としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 電力管理地域、12 公衆対応設備群、13 共有蓄電池、14 電力管理装置、100 公衆対応設備関連サーバ、101 通信部、102 制御部、103 記憶部、121 情報取得部、122 偏在検出部、123 機器制御部、131 設備設置情報記憶部、132 従事者登録情報記憶部、133 通知情報記憶部、200(200-A~200-T) 街灯装置、201 アクセスポイント対応通信部、202 人感センサ、203 制御部、204 照明部、205 表示部、206 音出力部、207 近距離無線対応通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7