(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】CVD装置用ノズル、CVD装置およびCVD膜の製造方法
(51)【国際特許分類】
C23C 16/455 20060101AFI20220419BHJP
【FI】
C23C16/455
(21)【出願番号】P 2018064962
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村 将成
(72)【発明者】
【氏名】外薗 裕樹
【審査官】今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特表平07-502561(JP,A)
【文献】特開2012-175072(JP,A)
【文献】特表2017-511974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料ガスを供給する内側の内側供給管と、原料ガスを供給する外側の外側供給管とが同軸に配置された幹部と、
前記外側供給管に形成された外側開口と、
前記内側供給管から枝分かれし、少なくとも前記外側開口の内側に到達する位置まで突出する内側拡散パイプと、を備えるCVD装置用ノズル
であって、
前記CVD装置用ノズルの表面には、セラミックコートが設けられているとともに、
前記内側供給管の上流部には、黒鉛より熱伝導率の低い断熱部材が設けられており、かかつ、前記断熱部材は、アルミナ、ムライト、ジルコニアまたはコージェライトの少なくともいずれか一つからなるCVD装置用ノズル。
【請求項2】
前記外側供給管の前記外側開口の位置で枝分かれして外側に突出する外側拡散パイプを更に備え、
前記内側拡散パイプは前記外側開口の位置で外側へ突出し、
前記外側拡散パイプと、前記内側拡散パイプが同軸に配置されて枝部を構成する請求項1に記載のCVD装置用ノズル。
【請求項3】
前記CVD装置用ノズルは、黒鉛からなる請求項1または2に記載のCVD装置用ノズル。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか1項に記載のCVD装置用ノズルと、
前記CVD装置用ノズルが配置され、原料ガスを導入する内側空間を有する容器と、
を備えたCVD装置。
【請求項5】
請求項1から
3のいずれか1項に記載のCVD装置用ノズルを備えたCVD装置の内側空間に基材を配置し、前記外側供給管には第1の原料ガスを導入し、前記内側供給管には第2の原料ガスを導入することにより、前記基材の表面に前記第1の原料ガスと前記第2の原料ガスとを由来とするCVD膜を形成するCVD膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CVD装置用ノズル、CVD装置およびCVD膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体、工具、熱処理装置などの分野では、硬い被膜、耐熱性のある素材が必要なことから、基材の上にセラミック層を形成するCVD法が広く利用されている。2種の原料ガスを用いるCVD装置では、原料ガスが混合した状態では安定性が低下し、CVD層を形成する基材に達するまでに熱分解してしまうことがある。基材に達する前の早期反応での析出物は、パーティクルとなって浮遊し、基材や炉内に堆積したり、ノズル内部に堆積したりして閉塞の原因となる。
【0003】
特許文献1には、少なくとも2種の反応ガスを個別に収容する少なくとも2つのガス空間を形成する噴射ヘッド本体と、前記噴射ヘッド本体の下面に配置された複数のガス噴射孔と、前記ガス噴射孔にそれぞれ配置され、前記少なくとも2つのガス空間から前記少なくとも2種の反応ガスを個別に導入して噴射する同軸多流体ノズルとを有することを特徴とするガス噴射ヘッドが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記記載された発明は、ウェハの処理のためのCVD装置の基材の上に備えられた円盤状のシャワーヘッドである。また、使用する原料ガスは薄い誘電体薄膜を形成するものであり、製膜温度は、400~600℃程度である。これに対しセラミック基材を保護するためのCVD層の形成では、厚いCVD層が必要である。このため、効率よく分解できるよう高い温度で製膜される。
【0006】
さらに、セラミック基材を保護するためのCVD層では、膜の均質性よりもコーティングの効率を重視するため、多くの基材をCVD炉に詰め、裏側にもガスが回りこみやすいよう圧力、配置を調整し、ノズルから噴出された原料ガスを炉内の隅々に拡散させる製膜条件で行われる。上記記載の円盤状のシャワーヘッド型のノズルでは、炉壁部分からの原料ガスの噴射し、ウェハに回路を形成する準備のためのものであり、効率を重視するものではない。また、炉内にノズルを配置するものではない。
【0007】
本発明は、前記課題を鑑み、セラミック基材を保護するためのコーティングができる複数の原料ガスを用いて安定して使用可能なCVD装置用ノズル、安定してコーティングができるCVD装置、安定してコーティングができるCVD膜の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明のCVD装置用ノズルは、以下のものである。
【0009】
(1)原料ガスを供給する内側の内側供給管と、原料ガスを供給する外側の外側供給管とが同軸に配置された幹部と、前記外側供給管に形成された外側開口と、前記内側供給管から枝分かれし、少なくとも前記外側開口の内側に到達する位置まで突出する内側拡散パイプと、を備える。
【0010】
本発明のCVD装置用ノズルによれば、内側の内側供給管と外側の外側供給管とに分けられて、内側供給管および外側供給管の先端において原料ガスが混合する構造となっているので、内側供給管で供給される原料ガスと外側供給管で供給される原料ガスとが、供給管内で互いに交じり合うことがない。このため、互いに反応しやすい原料ガスの組み合わせであっても、原料ガスが混在するまでの熱分解を防止できる。また、CVD炉内に備えられた基材の近くまで安定して原料ガスを導けるので、CVD装置の空間でのパーティクルの発生を抑制するとともにCVD装置用ノズル内部の閉塞を防止することができる。
【0011】
本発明のCVD装置用ノズルは、以下の態様であることが望ましい。
【0012】
(2)前記外側供給管の前記外側開口の位置で枝分かれして外側に突出する外側拡散パイプを更に備え、前記内側拡散パイプは前記外側開口の位置で外側へ突出し、前記外側拡散パイプと、前記内側拡散パイプが同軸に配置されて枝部を構成する。
【0013】
CVD装置用ノズルが、外側開口の位置で枝分かれして外側拡散パイプと内側拡散パイプが同軸に配置された枝部を有することによって、幹部に集中せず分散させることができ、CVD炉内に備えられた基材に効率よく輸送することができる。
【0014】
(3)前記CVD装置用ノズルは、黒鉛からなる。
【0015】
CVD装置用ノズルが黒鉛からなると、黒鉛は原料ガスに対して安定であるので、侵食されることなく使用することができる。また、黒鉛は、熱伝導率が高いので、原料ガスが混合する部分において温度上昇を防止することができ、混合する部分で混合した原料ガスの熱分解を抑制することができる。
【0016】
(4)前記CVD装置用ノズルの表面には、セラミックコートが設けられている。
【0017】
黒鉛は、多孔質であるため、原料ガスが浸透しやすい。CVD装置用ノズルの表面にセラミックコートを設けると、原料ガスの混合が防止され、原料ガスが混合するに至るまでのパーティクルの発生を防止することができる。
【0018】
(5)前記内側供給管の上流部には、黒鉛より熱伝導率の低い断熱部材が設けられている。
【0019】
CVD装置用ノズルが黒鉛からなると、接続される導管に熱が伝わりやすい。第1の導管は外側供給管の近傍に冷却ジャケットを設置し水冷することができる。一方、第2の導管は第1の導管の内側にあるため、内側供給管の近傍に第2の冷却ジャケットを設置することができず、第2の導管が高温に曝されやすくなる。本発明では、第2供給管の上流部に断熱部材が備えられているので第2の導管が高温にさらされにくくすることができる。また、断熱部材が内側の第2の導管の根元である上流部に位置すると、枝部を接続するため複雑な形状が必要でないため、破損しにくくすることができる。
【0020】
(6)前記断熱部材は、アルミナ、ムライト、ジルコニアまたはコージェライトの少なくともいずれか一つからなる。
【0021】
これらのセラミックは耐熱性を有し、黒鉛よりも熱伝導率が低いので、本発明のCVD装置用ノズルとして好適に使用することができる。
【0022】
前記課題を解決するための本発明のCVD装置は、以下のものである。
【0023】
(7)前記(1)~(6)の何れかに記載のCVD装置用ノズルと、前記CVD装置用ノズルが配置され、原料ガスを導入する内側空間を有する容器と、を備える。
【0024】
本発明のCVD装置によれば、CVD装置用ノズルを閉塞させにくいので、長期間使用することができる。また、内側空間まで原料ガスが混合しないので、パーティクルの発生を防止することができる。
【0025】
前記課題を解決するための本発明のCVD膜の製造方法は、以下のものである。
【0026】
(8)前記(1)~(6)の何れかに記載のCVD装置用ノズルを備えたCVD装置の内側空間に基材を配置し、前記外側供給管には第1の原料ガスを導入し、前記内側供給管には第2の原料ガスを導入することにより、前記基材の表面に前記第1の原料ガスと前記第2の原料ガスとを由来とするCVD膜を形成する。
【0027】
本発明のCVD膜の製造方法によれば、CVD装置用ノズルを閉塞させにくいので、長期間使用することができる。また、基材近傍まで原料ガスが混合しないので、パーティクルの発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明のCVD装置用ノズル、CVD装置およびCVD膜の製造方法によれば、CVD装置用ノズルの内側の内側供給管と外側の外側供給管とに分けられて、内側供給管および外側供給管の先端において原料ガスが混合する構造となっているので、内側供給管で供給される原料ガスと外側供給管で供給される原料ガスとが、供給管内で互いに交じり合うことがない。このため、互いに反応しやすい原料ガスの組み合わせであっても、原料ガスが混在するまでの熱分解を防止できる。また、CVD炉内に備えられた基材の近くまで安定して原料ガスを導けるので、CVD装置の空間でのパーティクルの発生を抑制するとともにCVD装置用ノズル内部の閉塞を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】
図1のA部を拡大した概略図、(a)実施例1、(b)実施例2、(c)実施例3。
【0030】
(発明の詳細な説明)
本発明のCVD装置用ノズルは、原料ガスを供給する内側の内側供給管と、原料ガスを供給する外側の外側供給管とが同軸に配置された幹部と、前記外側供給管に形成された外側開口と、前記内側供給管から枝分かれし、少なくとも前記外側開口の内側に到達する位置まで突出する内側拡散パイプと、を備える。
【0031】
本発明のCVD装置用ノズルによれば、内側の内側供給管と外側の外側供給管とに分けられて、内側供給管および外側供給管の先端において原料ガスが混合する構造となっているので、内側供給管で供給される原料ガスと外側供給管で供給される原料ガスとが、供給管内で互いに交じり合うことがない。このため、互いに反応しやすい原料ガスの組み合わせであっても、原料ガスが混在するまでの熱分解を防止できる。また、CVD炉内に備えられた基材の近くまで安定して原料ガスを導けるので、CVD装置の空間でのパーティクルの発生を抑制するとともにCVD装置用ノズル内部の閉塞を防止することができる。
外側開口の内側とは、外側開口の形成する輪郭の内側に内側拡散パイプの開口があること意味する。
【0032】
本発明のCVD装置用ノズルは、以下の態様であることが望ましい。
【0033】
前記外側供給管の前記外側開口の位置で枝分かれして外側に突出する外側拡散パイプを更に備え、前記内側拡散パイプは前記外側開口の位置で外側へ突出し、前記外側拡散パイプと、前記内側拡散パイプが同軸に配置されて枝部を構成する。
【0034】
CVD装置用ノズルが、外側開口の位置で枝分かれして外側拡散パイプと内側拡散パイプが同軸に配置された枝部を有することによって、幹部に集中せず分散させることができ、CVD炉内に備えられた基材に効率よく輸送することができる。
【0035】
前記CVD装置用ノズルは、黒鉛からなる。
【0036】
CVD装置用ノズルが黒鉛からなると、黒鉛は原料ガスに対して安定であるので、侵食されることなく使用することができる。また、黒鉛は、熱伝導率が高いので、原料ガスが混合する部分において温度上昇を防止することができ、混合する部分で混合した原料ガスの熱分解を抑制することができる。
【0037】
前記CVD装置用ノズルの表面には、セラミックコートが設けられている。
【0038】
黒鉛は、多孔質であるため、原料ガスが浸透しやすい。CVD装置用ノズルの表面にセラミックコートを設けると、原料ガスの混合が防止され、原料ガスが混合するに至るまでのパーティクルの発生を防止することができる。
セラミックコートとしては、熱分解炭素、CVD-SiCなどが利用できる。セラミックコートは、CVD装置用ノズルの内側、外側またはその両方にコーティングすることができる。少なくとも片面にコーティングされていれば原料ガスの混合を防止することができる。
【0039】
前記内側供給管の上流部には、黒鉛より熱伝導率の低い断熱部材が設けられている。
【0040】
CVD装置用ノズルが黒鉛からなると、接続される導管に熱が伝わりやすい。CVD装置用ノズルは、内側の内側供給管と外側の外側供給管で構成される二重構造であると、外側の外側供給管は冷却しやすく過熱されにくいが、内側の内側供給管は冷却されにくいため、過熱しやすい構造となっている。内側の内側供給管と内側の第2の導管との間に熱を遮断する断熱部材が備えられていると、内側の第2の導管が過熱しにくい構造とすることができる。また、断熱部材が内側の第2の導管の根元に位置すると、枝部を接続するため複雑な形状が必要でないため、破損しにくくすることができる。
【0041】
前記断熱部材は、アルミナ、ムライト、ジルコニアまたはコージェライトの少なくともいずれか一つからなる。
【0042】
これらのセラミックは耐熱性を有し、黒鉛よりも熱伝導率が低いので、本発明のCVD装置用ノズルとして好適に使用することができる。
【0043】
前記課題を解決するための本発明のCVD装置は、前記CVD装置用ノズルと、前記CVD装置用ノズルが配置され、原料ガスを導入する内側空間を有する容器と、を備える。
【0044】
本発明のCVD装置によれば、CVD装置用ノズルを閉塞させにくいので、長期間使用することができる。また、内側空間まで原料ガスが混合しないので、パーティクルの発生を防止することができる。
【0045】
前記課題を解決するための本発明のCVD膜の製造方法は、前記CVD装置用ノズルを備えたCVD装置の内側空間に基材を配置し、前記外側供給管には第1の原料ガスを導入し、前記内側供給管には第2の原料ガスを導入することにより、前記基材の表面に前記第1の原料ガスと前記第2の原料ガスとを由来とするCVD膜を形成する。
【0046】
本発明のCVD装置によれば、CVD装置用ノズルを閉塞させにくいので、長期間使用することができる。また、基材近傍まで原料ガスが混合しないので、パーティクルの発生を防止することができる。
【0047】
(発明を実施するための形態)
図1に基づいて本実施形態のCVD装置を説明する。
【0048】
CVD装置1は、ドーム型の容器2と、容器2内に形成される内側空間3と、容器2を固定する台座4と、内側空間3内に突出し、台座4に固定されるCVD装置用ノズル10とを備えている。CVD装置用ノズル10は、原料ガスを内側空間3に供給し、内側空間3に設置された基材50に原料ガスを由来とするCVD膜を形成させる。
【0049】
図2及び
図3に基づいて、CVD装置用ノズルの供給管について説明する。
【0050】
CVD装置用ノズル10は、内側に配置される略円筒状の内側供給管11と、内側供給管11の外方に位置し内側供給管11と離間した同軸上に配置される略円筒状の外側供給管12を有し、内側供給管11と外側供給管12はそれぞれ異なる原料ガスを内側空間3に供給する。
【0051】
また、内側供給管11の外側と外側供給管12の内側との間には幹部13が設けられ、幹部13には外側供給管12内を運ばれる原料ガスが流れる。幹部13は、内側供給管11及び外側供給管12と同軸に配置されている。
【0052】
内側供給管11と外側供給管12は、同じ位置において枝分かれしており、外側供給管12には外側開口14が形成されている。また、内側供給管11には、内側供給管11から枝分かれし外側開口14の内側に到達する位置まで突出し、外側開口14から外側に突出している内側拡散パイプ15が設けられている。そして、外側供給管12には、外側供給管12の外側開口14の位置で枝分かれし外側に突出する外側拡散パイプ16が設けられている。外側拡散パイプ16と内側拡散パイプ15とは同軸に配置され、枝部17を構成している。
内部拡散パイプ15と内側供給管11とは、ネジで接合されている。同様に外側拡散パイプ16と外側供給管12とは、ネジで接合されている。このため、幹部と枝部がともに同軸となるように配置されたCVD装置用ノズルを形成することができる。
【0053】
図2(b)および(c)は内側供給管11と外側供給管12の実施例1(
図2(a))と異なる実施例2、実施例3である。外側開口14とほぼ同一平面上まで突出した内側拡散パイプ15と(
図2(b)参照:実施例2)、外側開口14から外側に突出した内側拡散パイプ15(
図2(c):実施例3)である。容器2の形状や大きさ、CVD膜を形成させる基材50の形状や大きさ種類により選択することができる。
【0054】
CVD装置用ノズル10の上流部、特に内側供給管11の上流部(台座4方向)には、内側供給管11と連結する黒鉛よりも熱伝導率の低い断熱部材20が設けられている。断熱部材20は、
図3に示すように、内側供給管11と連結している側と反対側で第2の導管18と接続されている。一方、外側供給管12は、断熱部材20と第2の導管18とが接続される近傍で第1の導管19と接続されている。
【0055】
また、第1の導管19は、第1の冷却ジャケット31で囲まれ、第2の導管18は第2の冷却ジャケット32で囲まれている。第2の導管18は、第1の導管19より内側空間3から離れた位置にある。
【0056】
CVD装置1の内側空間3に基材50を配置し、外側供給管12には第1の原料ガスを導入し、内側供給管11には第2の原料ガスを導入することにより、基材50の表面に第1の原料ガスと第2の原料ガスとを由来とするCVD膜を形成させることができる。
【0057】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の、CVD装置用ノズル、CVD装置およびCVD膜の製造方法は、基材に対して安定してコーティングが形成できることを要望する分野に適合可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 CVD装置
2 容器
3 内側空間
10 CVD装置用ノズル
11 内側供給管
12 外側供給管
13 幹部
14 外側開口
15 内側拡散パイプ
16 外側拡散パイプ
17 枝部
18 第2の導管
19 第1の導管
20 断熱部材
31 第1の冷却ジャケット
32 第2の冷却ジャケット
50 基材