(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】タクシーメータシステム、タクシーメータ及び携帯無線端末
(51)【国際特許分類】
G07B 13/00 20060101AFI20220419BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20220419BHJP
G06Q 30/04 20120101ALI20220419BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20220419BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
G07B13/00 H
G06Q50/30
G06Q30/04
G01C21/26 P
G08G1/123 A
(21)【出願番号】P 2018101806
(22)【出願日】2018-05-28
【審査請求日】2021-04-16
(31)【優先権主張番号】P 2017115228
(32)【優先日】2017-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高森 徹示
(72)【発明者】
【氏名】生駒 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】家志 千尋
(72)【発明者】
【氏名】南 良樹
(72)【発明者】
【氏名】大竹 茉希
(72)【発明者】
【氏名】松下 真大
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-259864(JP,A)
【文献】特開2003-346291(JP,A)
【文献】特開2007-334472(JP,A)
【文献】特開2002-312895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 13/00-13/10
G06Q 50/10
G06Q 50/30
G06Q 30/04
G01C 21/26
G08G 1/123
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タクシーメータと、
前記タクシーメータと無線通信により接続される携帯無線端末と、
を備えるタクシーメータシステムにおいて、
前記タクシーメータは、
少なくとも運賃を算出する機能を有する算出部と、
前記携帯無線端末と無線通信を行う通信部と、を備え、
前記携帯無線端末は、
目的地までの運賃を事前に確定する事前確定部と、
前記タクシーメータと無線通信を行う端末側通信部と、を備え、
前記端末側通信部は、前記事前確定部により確定された運賃を前記タクシーメータに送信可能であり、
前記算出部は、算出した運賃および前記事前確定部により確定された運賃のうち低額の運賃を最終的な運賃として出力する、
ことを特徴とするタクシーメータシステム。
【請求項2】
前記通信部は、前記目的地において演算された運賃を前記携帯無線端末に送信し、
前記携帯無線端末は、前記算出部により算出された運賃と、前記事前確定部により確定された運賃とのうちいずれが安いかを判定する判定部を備え、
前記端末側通信部は、前記事前確定部により確定された運賃が前記算出部により算出された運賃よりも安いと判定された場合には、当該確定された運賃を前記タクシーメータに送信し、
前記算出部は、受信した当該運賃を最終的な運賃として出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載のタクシーメータシステム。
【請求項3】
前記通信部と前記端末側通信部とは、狭域通信により直接接続される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタクシーメータシステム。
【請求項4】
少なくとも運賃を算出する機能を有する算出部と、
外部の携帯無線端末と無線通信を行う通信部と、を備え、
前記通信部は、目的地において算出された運賃を前記携帯無線端末に送信し、
前記算出部は、前記目的地にて前記携帯無線端末から運賃を表す情報を取得した場合には、算出した運賃および前記携帯無線端末により確定された運賃のうち低額の運賃を最終的な運賃として出力する、
ことを特徴とするタクシーメータ。
【請求項5】
目的地までの運賃を事前に確定する事前確定部と、
タクシーメータと無線通信を行う端末側通信部と、
前記タクシーメータから運賃を表す情報を受信した場合、受信した運賃と前記事前確定部により確定された運賃とのうちいずれが安いかを判定する判定部と、を備え、
前記端末側通信部は、前記事前確定部により確定された運賃が前記受信した運賃よりも安いと判定された場合には、当該確定された運賃を前記タクシーメータに送信する、
ことを特徴とする携帯無線端末。
【請求項6】
前記携帯無線端末は、
予算金額を入力する入力部と、
入力された前記予算金額で到達可能な、ルート上の地点を算出する地点算出部と、
算出された地点を表示する表示部と、
前記地点を前記目的地として確定する地点確定部と、を有し、
前記事前確定部は、確定された前記地点までの運賃を事前に確定し、
前記端末側通信部は、前記事前確定部により確定された運賃として、前記地点までの運賃を前記タクシーメータに送信可能である
ことを特徴とする請求項1に記載のタクシーメータシステム。
【請求項7】
前記予算金額は、前記携帯無線端末において利用者により入力されたものである、
ことを特徴とする請求項6に記載のタクシーメータシステム。
【請求項8】
前記予算金額は、前記携帯無線端末内にチャージされた電子マネーにより支払い可能な額である、
ことを特徴とする請求項7に記載のタクシーメータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タクシーメータシステム、タクシーメータ及び携帯無線端末に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、タクシーの運賃は、特殊な場合を除き乗車の距離と時間による基準で決まっているので、実際にタクシー車両が目的地に到着しないと、確定しない。したがって、不慣れな土地や知らない土地でタクシーを利用する際に、タクシー利用者は、事前に運賃が分からず、不安を感じることがあった。
【0003】
一方、国土交通省は、タクシー料金を乗車前に確定できる、「運賃事前確定サービス」を2017年度にも導入する方針を示している。
【0004】
先行技術として、料金決定装置が目的地に到着する前にタクシー料金を算出し、算出されたタクシー料金を利用者が支払うべきタクシー料金として決定し、タクシーの走行にかからわらず、決定したタクシー料金を変更しないタクシー料金事前決定システムが特許文献1に開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、実機シミュレータで得られた最安経路情報と、検証シミュレータで得られた最安経路情報とを比較し、その比較結果を出力して乗車料金の正当性を検証する乗車料金検証システムが開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、タッチパネルとタクシーメータが連動することで、タクシーメータが運転席から離れた位置に設置されていても、タクシー運転者がタッチパネルを操作することで、タクシーメータを容易に操作可能であるタクシーメータ装置が開示されている。
【0007】
また、特許文献4には、タクシーの利用にあたって支払可能な金額が指定されている場合に、タクシーメータから取り込んだ料金データから、入力金額を減算して残金額を求め、残金額による走行可能距離を求め、求めた走行可能距離を表示する料金管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2006-259864号公報
【文献】特開2007-128186号公報
【文献】特開2013-88885号公報
【文献】特開平11-312258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のタクシー料金事前決定システムは、目的地に到着する前に、利用者が支払うべきタクシー料金を料金決定装置が決定して変更しないようになっているが、利用者が所持する携帯無線端末で乗車前にタクシー料金を確定するようにはなっていない。
【0010】
また、特許文献2に記載の乗車料金検証システムは、シミュレーションにより乗車料金の正当性を検証するようになっているが、特許文献2には、乗車前にタクシー料金を確定することについて何ら示されていない。
【0011】
また、特許文献3に記載のタクシーメータ装置は、携帯端末が、タクシー料金計算支援サーバから通知されたタクシー料金を表示するが、特許文献3には乗車前にタクシー料金を確定することについては示されておらず、また、サーバを必要とするという問題もある。
【0012】
このように、特許文献1-3のいずれにも、乗車前に運賃を確定することについて何ら開示されていない。
【0013】
また、特許文献4に記載の料金管理装置は、残金額による走行可能距離を表示するが、実際にタクシー車両に乗車し、走行中でなければ、走行可能な距離を確認できない。また、走行可能な距離だけでは、実際に乗客が行きたい目的地に対して、どの地点まで到達できるかが、不明である。したがって、タクシーを利用しようとする利用者は、乗車前に、手持ちの現金または電子マネー等の残高といった予算内で、どこまで到達できるか分からず、タクシーを利用すべきかの判断ができない。
【0014】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、乗客によって支払われる運賃が、乗車前に確定した運賃を超えないようにすることができるタクシーメータシステム、タクシーメータ及び携帯無線端末を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、タクシー利用者が、予算内での到達可能地点を、乗車前に確認することができるタクシーメータシステム、タクシーメータ及び携帯無線端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述した目的を達成するために、本発明に係るタクシーメータシステム、タクシーメータ及び携帯無線端末は、下記(1)~(8)を特徴としている。
(1) タクシーメータと、
前記タクシーメータと無線通信により接続される携帯無線端末と、
を備えるタクシーメータシステムにおいて、
前記タクシーメータは、
少なくとも運賃を算出する機能を有する算出部と、
前記携帯無線端末と無線通信を行う通信部と、を備え、
前記携帯無線端末は、
目的地までの運賃を事前に確定する事前確定部と、
前記タクシーメータと無線通信を行う端末側通信部と、を備え、
前記端末側通信部は、前記事前確定部により確定された運賃を前記タクシーメータに送信可能であり、
前記算出部は、算出した運賃および前記事前確定部により確定された運賃のうち低額の運賃を最終的な運賃として出力する、
ことを特徴とするタクシーメータシステム。
【0016】
上記(1)の構成のタクシーメータシステムによれば、乗客によって支払われる運賃が、乗車前に確定した運賃を超えないようにすることができる。したがって、不慣れな土地や知らない土地でタクシーを利用する際、乗車前(事前)に運賃の上限が分かるので、タクシー利用者は、安心してタクシーを利用できる。また、近年増加している外国人観光客も、同様に安心してタクシーを利用できる。結果として、タクシー利用の増加が期待される。
【0017】
(2) 前記通信部は、前記目的地において演算された運賃を前記携帯無線端末に送信し、
前記携帯無線端末は、前記算出部により算出された運賃と、前記事前確定部により確定された運賃とのうちいずれが安いかを判定する判定部を備え、
前記端末側通信部は、前記事前確定部により確定された運賃が前記算出部により算出された運賃よりも安いと判定された場合には、当該確定された運賃を前記タクシーメータに送信し、
前記算出部は、受信した当該運賃を最終的な運賃として出力する、
ことを特徴とする上記(1)の構成のタクシーメータシステム。
【0018】
上記(2)の構成のタクシーメータシステムによれば、事前確定料金が賃走時のタクシーメータ料金より安い場合、スマートフォンが自動的に事前確定料金を送信するので、乗客の手間を軽減できる。また、事前確定料金が賃走時のタクシーメータ料金より高い場合、スマートフォンは事前確定料金をタクシーメータに送信しなくてもよいので、タクシーメータによる書き換え処理を省くことができる。また、この場合、支払うタクシーメータ料金は、事前確定料金よりも安いので、乗客の費用が軽減される。これにより、タクシー利用の増加が期待される。
【0019】
(3) 前記通信部と前記端末側通信部とは、狭域通信により直接接続される、
ことを特徴とする上記(1)又は(2)の構成のタクシーメータシステム。
【0020】
上記(3)の構成のタクシーメータシステムによれば携帯無線端末は、タクシーメータとの接続において、狭域通信に要する電力で済むので、電力消費を抑制できる。特に、消費電力の少ないBLE通信を用いた場合、一層の低消費電力化が可能となる。したがって、タクシーの乗車中に携帯無線端末をタクシーメータに長時間接続し続けたとしても、携帯無線端末のバッテリ駆動時間が著しく短くなることを抑制できる。また、他の装置を経由することなく直接に通信が行われるので、運賃に関する情報を表示あるいは更新するまでに要する遅延時間を短縮できる。
【0021】
(4) 少なくとも運賃を算出する機能を有する算出部と、
外部の携帯無線端末と無線通信を行う通信部と、を備え、
前記通信部は、目的地において算出された運賃を前記携帯無線端末に送信し、
前記算出部は、前記目的地にて前記携帯無線端末から運賃を表す情報を取得した場合には、算出した運賃および前記携帯無線端末により確定された運賃のうち低額の運賃を最終的な運賃として出力する、
ことを特徴とするタクシーメータ。
【0022】
上記(4)の構成のタクシーメータによれば、タクシーメータに表示される最終的な運賃が乗車前に確定した運賃を超えないように抑えることができる。
【0023】
(5) 目的地までの運賃を事前に確定する事前確定部と、
タクシーメータと無線通信を行う端末側通信部と、
前記タクシーメータから運賃を表す情報を受信した場合、受信した運賃と前記事前確定部により確定された運賃とのうちいずれが安いかを判定する判定部と、を備え、
前記端末側通信部は、前記事前確定部により確定された運賃が前記受信した運賃よりも安いと判定された場合には、当該確定された運賃を前記タクシーメータに送信する、
ことを特徴とする無線携帯端末。
【0024】
上記(5)の構成の無線携帯端末によれば、タクシーメータに対し、乗車前に確定した運賃を超えないように抑えた運賃を表示させることができる。
【0025】
(6) 前記携帯無線端末は、
予算金額を入力する入力部と、
入力された前記予算金額で到達可能な、ルート上の地点を算出する地点算出部と、
算出された地点を表示する表示部と、
前記地点を前記目的地として確定する地点確定部と、を有し、
前記事前確定部は、確定された前記地点までの運賃を事前に確定し、
前記端末側通信部は、前記事前確定部により確定された運賃として、前記地点までの運賃を前記タクシーメータに送信可能である
ことを特徴とする上記(1)の構成のタクシーメータシステム。
【0026】
上記(6)の構成のタクシーメータシステムによれば、タクシー利用者が、予算内での到達可能地点を乗車前に確認することができるため、タクシーを利用すべきかの判断ができる。一方、乗務員についても、乗客の予算内での到達可能地点が事前にわかっているため、例えば、乗客が乗車中に眠ってしまった場合でも、乗客の予算を超えてタクシーが走行し続け、乗客から支払われる運賃が不足するということが起こらず、乗務員は安心してタクシーを運送できる。また、実際に乗車したときのタクシーメータ料金よりも、乗車前に確認した事前確定料金の方が安い場合、タクシーメータに事前確定料金が反映されるため、利用者は、安心してタクシーを利用できる。
【0027】
(7) 前記予算金額は、前記携帯無線端末において利用者により入力されたものである、
ことを特徴とする上記(6)の構成のタクシーメータシステム。
【0028】
上記(7)のタクシーメータシステムによれば、スマートフォンなどの携帯無線端末において利用者が予算額を自由に入力できる。例えば、手持ちの現金や、スマートフォンにチャージされている電子マネーの残高を考慮して、タクシー運賃として支払える金額の上限を適切に設定できる。
【0029】
(8) 前記予算金額は、前記携帯無線端末内にチャージされた電子マネーにより支払可能な額である、
ことを特徴とする上記(7)の構成のタクシーメータシステム。
【0030】
上記(8)のタクシーメータシステムによれば、タクシー運賃を電子マネーで支払う場合であっても、利用者は安心してタクシーを利用できる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、乗客によって支払われる運賃が、乗車前に確定した運賃を超えないようにすることができる。また、本発明によれば、タクシー利用者が、予算内での到達可能地点を、乗車前に確認することができる。
【0032】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態におけるタクシーメータシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、タクシーメータの動作手順を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、乗車前におけるスマートフォンの動作手順を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、ステップS21におけるルート検索処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、乗車中におけるスマートフォンの動作手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、ステップS41における無線接続処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、ステップS44における受信データ表示処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、ステップS45における料金比較処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、タクシーメータのタッチパネルの表示画面を示す図である。
【
図10】
図10は、スマートフォンのタッチパネルの表示画面を示す図である。
【
図11】
図11は、乗車前におけるスマートフォンの動作手順を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、ステップS82における予算判定処理手順を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、第2実施形態における、乗車中におけるスマートフォン50の動作手順を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、ステップS104における予算送信処理手順を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、第2実施形態に係るスマートフォン50のタッチパネルTP2の表示画面を示す図であり、
図15(A)は、タッチパネルTP2に予算ボタンB1が表示される例を示し、
図15(B)は、タッチパネルTP2に、予算選択画面として、現金ボタンB2および電子マネーボタンB3が表示される例を示す。
【
図16】
図16は、第2実施形態に係るスマートフォン50のタッチパネルTP2の表示画面を示す図であり、
図16(A)は、タッチパネルTP2に現金支払い用入力画面G1が表示される例を示し、
図16(B)は、タッチパネルTP2に電子マネー支払い用入力画面G2が表示される例を示す。
【
図17】
図17は、第2実施形態に係るスマートフォン50のタッチパネルTP2の表示画面を示す図であり、
図17(A)は、利用者がタクシーに乗車する前の表示画面例を示し、
図17(B)は、利用者がタクシーに乗車中の表示画面例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0035】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態におけるタクシーメータシステム5の構成を示すブロック図である。タクシーメータシステム5は、タクシー車両8に搭載されたタクシーメータ10と、乗客等によって所持されるスマートフォン50とを含む構成を有し、タクシーメータ10とスマートフォン50との間でタクシーメータ料金情報(以下、メータ料金情報という)を共有する。メータ料金情報は、運賃及びタクシーメータ10の状態(以下、メータ状態という)を含む。
【0036】
タクシーメータ10は、CPU11、ROM12、RAM13、カードリーダライタ(R/W)インターフェイス(I/F)14、通信部24、表示部15、入力部16、インターフェイス(I/F)17A、17B、RTC(時計IC)18、及びナビゲーション22を有する。I/F17Aには、GPS受信器20が接続される。I/F17Bには、ETC車載器19が接続される。
【0037】
CPU11は、タクシーメータ10の全体の動作を制御する。CPU11は、車両の速度を表す車速パルス信号等を入力する入力ポートを内蔵する。車速パルス信号は、車輪の回転に応じて出力される信号である。CPU11は、車速パルス信号から得られる走行距離と、RTC18で計時される走行時間とから、運賃を算出する。通常の賃走時、CPU11は、走行距離または走行時間がそれぞれ一定値に達すると、課金をアップする。また、高速道路の賃走時、CPU11は、走行時間による課金を停止し、走行距離による課金アップ(料金上がり)だけを行う。同様に、乗客待ち時など特定の条件下で、CPU11は、走行距離による課金を停止し、走行時間による課金アップだけを行ってもよい。
【0038】
また、CPU11は、タリフの入力として、各種ボタンの選択を受け付ける。例えば、CPU11は、実車ボタンb2が選択されると、賃走時の運賃を計算し、表示部15に賃走中のタクシー料金画面を表示する。また、CPU11は、高速ボタンb11、割増ボタンb12、割引ボタンb15等が選択された場合、それぞれ高速、割増、割引等のメータ状態をタクシー料金画面に表示可能である(
図4参照)。
【0039】
ROM12は、タクシーメータ10の基本制御プログラム、料金算出に用いられる料金マスタファイル等を記憶する。RAM13は、CPU11が各種プログラムを実行する際のワーキングメモリとして使用される。
【0040】
カードリーダライタ(R/W)インターフェイス(I/F)14には、乗務員によって所持され、各種データの読み書きが行われるメモリカード14Aが挿抜自在に装着される。メモリカード14Aには、接触で読み書きを行うSDカードやCF(登録商標)カード等のメモリカードの他、非接触で読み書き可能なICカードや磁気カード等が用いられる。なお、このメモリカード14Aは、タクシー車両を管理する事務所側のデータ処理装置に対しても、挿抜自在に装着可能である。
【0041】
通信部24は、狭域通信として近距離無線(例えば、BLE、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標))及び無線LANの機能を有し、スマートフォン50と通信可能である。
【0042】
I/F17Aには、GPS受信器20が接続される。GPS受信器20は、GPS衛星から送信される時刻データを受信し、タクシー車両8の現在位置(緯度、経度、高度)を算出し、GPS位置情報として出力可能である。I/F17Bには、ETC車載器19が接続される。RTC(時計IC)18は現在時刻を計時する。RTC18によって計時される時刻は、車両の運転状態を表す走行データとともにRAM13に記録される。
【0043】
表示部15は、前述したように、タクシーメータ10における各種情報を表示する。また、入力部16は、乗務員等による入力操作を受け付ける。本実施形態では、表示部15と入力部16は、タッチパネルTP1で一体的に構成される。タッチパネルを用いた場合、乗務員がタッチパネルTP1に表示された各種ボタンを押下することで、タクシーメータ10は、入力された情報を受け付ける。なお、表示部15と入力部16は、別々の電子部品であってもよい。この場合、表示部は、液晶表示器(LCD)、有機EL、プラズマディスプレイ、LED等の表示デバイスにより構成される。また、入力部は、タッチセンサ、タッチパッド、マウス、キーボード、トラックボール等の入力デバイスにより構成される。
【0044】
ナビゲーション22は、走行時、タクシー車両8のGPS位置情報に基づき、表示部15に表示された地図上に現在位置をマーカで描いたり、ナビゲーションを行うための入力項目を表示したり、入力部16で入力された目的地までの経路を案内する機能を有する。なお、ここでは、ナビゲーション22は、表示部15に表示するだけであったが、音声出力機能を有する場合、スピーカやイヤホン端子から音声案内を出力してもよい。また、ナビゲーション22は、表示部15とは別にナビゲーション画面を表示可能なディスプレイユニットを有してもよい。
【0045】
一方、スマートフォン50は、CPU51、メモリ52、通信部53、操作部54、表示部55、及び音声入出力部56を有する。CPU51は、スマートフォン50の各部を統括的に制御する。
【0046】
通信部53は、狭域通信として、近距離無線(例えば、BLE、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標))や、無線LANの機能を有し、タクシーメータ10と通信可能である。また、通信部53は、モバイル通信の機能を有し、無線基地局との間で制御データを送受信し、制御プロトコルに従った発呼、着呼等のプロトコル制御を行う。
【0047】
メモリ52は、スマートフォン50の各種データ(設定値、電話帳データ、SMSメッセージ、各種画像データ、音楽データ等の情報)を記憶する。設定値には、後述する、スマートフォン50をタクシーメータ10に自動接続するか、それとも手動接続するかを選択する情報が含まれる。また、メモリ52は、タクシーメータ10から送信されたメータ料金情報を記憶する。ここで、スマートフォン50を所持するユーザ(タクシー利用者)は、タクシー会社等のクラウドサービスにアクセスし、タクシー利用アプリ(以下、単にアプリともいう)をダウンロード可能である。ダウンロードされたタクシー利用アプリは、メモリ52の不揮発性メモリに保持され、スマートフォン50にインストールされる。タクシー利用アプリのインストールが終了すると、スマートフォン50のホーム画面には、タクシー利用アプリのアイコンが表示される。ユーザがこのアイコンを押下することで、タクシー利用アプリは起動する。タクシー利用アプリは、メモリ52に記憶されたメータ料金情報をタクシー料金画面(
図10(B)参照)上に表示する。
【0048】
音声入出力部56には、マイク57及びスピーカ58が接続される。音声入出力部56は、マイク57及びスピーカ58を介して、音声通話の入出力や着信音の出力を行う。
【0049】
操作部54は、テンキーや各種機能ボタンを含む。表示部55は、地図やメータ料金情報等の各種情報を表示する。本実施形態では、操作部54及び表示部55はタッチパネルTP2で構成される。なお、操作部54及び表示部55は、別々の電子部品で構成されてもよい。
【0050】
上記構成を有するタクシーメータシステム5の動作を示す。
図2は、タクシーメータ10の動作手順を示すフローチャートである。タクシーメータ10のCPU11は、この動作プログラムを周期的に実行する。タクシーメータ10のCPU11は、乗客が乗車し、乗客が所持するスマートフォン50からの無線接続要求があると、無線接続処理を行う(S1)。無線接続は、前述したように、近距離無線や無線LANで行われる。なお、スマートフォン50からの無線接続要求が無い場合、CPU11は無線接続要求があるまで待機する。また、無線接続が一旦行われた後、乗客によるスマートフォン50の接続遮断の操作が行われる、あるいは、スマートフォン50がタクシーメータ10の無線通信範囲から外れると、無線接続は遮断する。接続遮断の操作として、タクシー利用アプリの終了、遮断ボタンの押下等が挙げられる。
【0051】
無線接続が行われると、CPU11は、現在のメータ料金情報(運賃及びメータ状態)をスマートフォン50に送信する(S2)。CPU51は、支払ボタンb3が押下されたか否かを判別する(S3)。支払ボタンb3が押下されない場合、CPU51はステップS2の処理に戻る。一方、支払ボタンb3が押下された場合、CPU51は、タクシーメータ料金の支払情報をスマートフォン50に送信する(S4)。この支払情報は、走行距離と時間に基づいて算出される運賃を、メータ状態(高速、割増、割引等)に従って調整したタクシーメータ料金の情報を含む。
【0052】
そして、CPU11は、スマートフォン50から事前確定料金情報を受信したか否かを判別する(S5)。事前確定料金情報を受信していない場合、CPU11は本動作を終了する。一方、ステップS5で事前確定料金情報を受信した場合、CPU11は、事前確定料金情報に基づき、タクシーメータ料金を書き換える(S6)。ここで、事前確定料金情報は、タクシ利用者がタクシーを利用する前(乗車前)にタクシー利用アプリを起動し、タクシー利用アプリのルート検索処理を行った結果、得られた予測運賃を含む情報である。なお、タクシー利用者は、予測運賃の他、障害者である場合、障害者割引が適用されるように、「割引」等のメータ状態を事前確定料金情報に含めてもよい。
【0053】
タクシーメータ料金を書き換えると、CPU11は、料金書き変え確認情報をスマートフォン50に送信する(S7)。この後、CPU11は本動作を終了する。
【0054】
続いて、スマートフォン50の動作を示す。
(乗車前のタクシー利用者の操作)
乗車前、タクシー利用者は、事前にタクシー利用アプリがインストールされているスマートフォン50を用いてルート検索を行う。
図3は、乗車前におけるスマートフォン50の動作手順を示すフローチャートである。スマートフォン50のCPU51は、タクシー利用者によって表示部55のホーム画面に表示されたタクシー利用アイコンがタッチ操作されると、タクシー利用アプリを起動する。タクシー利用アプリは、通信可能な範囲に属するタクシーメータの有無を判断する。タクシーメータの有無については、タクシー利用者がタクシー利用アプリにボタン操作で指示してもよいし、タクシー利用アプリが無線接続要求をブロードキャスト送信し、その応答の有無によって自ら判断してもよい。
【0055】
乗車前、スマートフォン50のCPU51は、ルート検索処理を行う(S21)。ルート検索処理の詳細については後述する。この後、CPU51は本動作を終了する。
【0056】
図4は、ステップS21におけるルート検索処理手順を示すフローチャートである。CPU51は、タクシー利用者によってルート検索操作が行われるまで待つ(S31)。このルート検索操作では、現在地、目的地、及び各種条件(例えば、高速可、時間優先、料金優先、渋滞回避、経由地指定等)を含む情報が入力される。
【0057】
ルート検索操作が行われると、CPU51は、タクシー利用者によって入力された情報を基に、ルート検索を行い、ルート(案内経路)、距離、時間、予測運賃等を検索結果として出力する(S32)。ルート検索結果はタクシー利用アプリの画面に表示される。CPU51は、ルート検索結果をメモリ52に保持する(S33)。この後、CPU51は本動作を終了する。
【0058】
(乗車中のタクシー利用者の操作)
図5は、乗車中におけるスマートフォン50の動作手順を示すフローチャートである。スマートフォン50のCPU51は、タクシーメータ10と無線接続処理を行う(S41)。無線接続処理の詳細については、後述する。
【0059】
CPU51は、ルート検索結果がメモリ52に保持されているか否かを判別する(S42)。ルート検索結果がメモリ52に保持されている場合としては、乗車前、タクシー利用者がルート検索を行い、その結果がメモリ52に保持されている場合、および以前タクシーを利用した際のルート検索結果がメモリ52に保持されている場合が想定される。
【0060】
ルート検索結果がメモリ52に保持されている場合、CPU51は、ステップS44の処理に進む。一方、ルート検索結果がメモリ52に保持されていない場合、CPU51は、ルート検索処理を行う(S43)。このルート検索処理は、前述した
図4のルート検索処理と同じである。
【0061】
CPU51は、タクシーメータ10からメータ料金情報及び支払情報を受信する受信データ表示処理を行う(S44)。受信データ表示処理の詳細については後述する。CPU51は、乗車前に取得した事前確定料金と実際のタクシーメータ料金とを比較する、料金比較処理を行う(S45)。この後、CPU51は本動作を終了する。料金比較処理の詳細については後述する。
【0062】
図6は、ステップS41における無線接続処理手順を示すフローチャートである。スマートフォン50のCPU51は、タクシーメータ10と無線接続しているか否かを判別する(S51)。タクシーメータ10と無線接続されている場合、CPU51はそのまま本動作を終了する。
【0063】
一方、タクシーメータ10と無線接続されていない場合、CPU51は、メモリ52に記憶された設定が、自動接続であるか、それとも手動接続であるかを判別する(S52)。手動接続である場合、CPU51は、乗客による接続操作が行われるまで待つ(S53)。接続操作として、例えば、スマートフォン50のタクシー利用アプリの画面に表示された無線接続ボタンの押下が挙げられる。
【0064】
接続操作が行われると、CPU51は、無線接続処理を実行する(S54)。無線接続は、前述したように、近距離無線通信や無線LANで行われる。近距離無線通信として、例えばBluetooth(登録商標)で行う場合、スマートフォン50とタクシーメータ10のペアリングが行われる。また、無線LANで行う場合、スマートフォン50は、タクシーメータ10が接続されるネットワークのSSID(Service Set Identifier)や暗号化キーを設定する。また、ステップS52で自動接続である場合、CPU51は、乗客の接続操作を待つことなく、ステップS54に進む。この後、CPU51は本動作を終了する。
【0065】
図7は、ステップS44における受信データ表示処理手順を示すフローチャートである。CPU51は、タクシーメータ10から現在のメータ料金情報(運賃及びメータ状態)を受信したか否かを判別する(S61)。メータ料金情報を受信した場合、CPU51は、タッチパネルTP2にウインドウとして表示されたタクシー料金画面GM2を更新する(S62)。タクシー料金画面GM2には、更新された運賃及びメータ状態(次回料金上がり割合バー等)が表示される。一方、ステップS61でメータ料金情報を受信していない場合、CPU51は、タクシーメータ10からタクシーメータ料金の支払情報を受信したか否かを判別する(S63)。支払情報を受信しなかった場合、CPU51は、ステップS61の処理に戻る。一方、支払情報を受信した場合、CPU51は本動作を終了する。
【0066】
図8は、ステップS45における料金比較処理手順を示すフローチャートである。CPU51は、タクシーメータ10から受信したタクシーメータ料金と、事前確定料金とを比較する(S71)。比較の結果、タクシーメータ料金が事前確定料金より高いか否かを判別する(S72)。タクシーメータ料金が事前確定料金より高い場合、CPU51は、タクシーメータ10に事前確定料金を送信する(S73)。
【0067】
そして、CPU51は、タクシーメータ10から料金書き換え確認情報を受信したか否かを判別する(S74)。タクシーメータ10でタクシーメータ料金が書き換えられた場合、タクシーメータ10からスマートフォン50に料金書き換え確認情報が送信される。スマートフォン50のCPU51は、料金書き換え確認情報を受信していない場合、ステップS73に戻り、事前確定料金を送信する処理を繰り返す。ステップS74で、CPU51は、料金書き換え確認情報を受信した場合、そのまま本動作を終了する。乗客は事前確定料金でタクシーメータ料金を精算することができる。例えば、急な渋滞の発生等によって運賃が高くなっても、乗客は、事前確定料金でタクシーメータ料金を精算することができるので、安心してタクシーに乗車することができ、結果としてタクシー利用の増加に繋がる。
【0068】
一方、ステップS72でタクシーメータ料金が事前確定料金と同じもしくは低い場合、CPU51は、そのまま動作を終了する。タクシーメータ料金が事前確定料金よりも安かった場合、金額が低いままのタクシーメータ料金で乗客はタクシーメータ料金を精算できる。従って、乗客は、割安感を抱くことができ、タクシー利用の増加に繋がる。なお、タクシーメータ料金が事前確定料金よりも低かった場合、タクシーメータ料金を事前確定料金に揃えてもよく、タクシーメータ料金の均一化を図ることができる。この場合、運転者の売上を安定化できる。
【0069】
図9は、タクシーメータ10のタッチパネルTP1の表示画面を示す図である。タクシーメータ10は、箱形の筐体10zを有する。筐体10zの前面には、タッチパネルTP1が配置される。タッチパネルTP1は、表示部15及び入力部16を有する。表示部15は、矩形のタクシー料金画面GM0、及びタクシー料金画面GM0を縁部に沿うように逆L字形の操作画面GS0を表示する。タクシー料金画面GM0には、運賃及びメータ状態が表示される。メータ状態は、高速、割増、割引、次回料金上がりバー等の情報を含む。
【0070】
操作画面GS0には、入力部16である各種ボタンb1~b5,b11~b15が配置される。具体的に、操作画面GS0の右側には、空車ボタンb1、実車(賃走)ボタンb2、支払ボタンb3、合計ボタンb4及び迎車ボタンb5が配置される。また、操作画面GS0の下側には、高速ボタンb11、割増ボタンb12、予約ボタンb13、貸切ボタンb14及び割引ボタンb15が配置される。また、筐体10zの下方には、メモリカード14Aが挿抜自在に装着される挿入口14zが配置される。
【0071】
図9(A)に示す書き換え前のタクシー料金画面GM0では、タクシーメータ料金は「運賃 2,450円」であったが、
図9(B)に示す書き換え後のタクシー料金画面GM0では、タクシーメータ料金は事前確定料金である「運賃 2,170円」に変更されている。
【0072】
図10は、スマートフォン50のタッチパネルTP2の表示画面を示す図である。
図10(A)は、乗車前のタッチパネルTP2の表示画面を示す。タッチパネルTP2には、タクシー利用アプリのルート検索で決定したルートR1が地図mp1上に描画される。また、タッチパネルTP1には、ポップ画面pp1が表示される。ポップ画面pp1には、ルートR1に沿って現在位置から目的地まで走行する際の時間、距離及び予測運賃が含まれる。ここでは、時間は「16分」、距離は「6.1km」、予測運賃は「2,170円」である。
【0073】
図10(B)は、乗車中のタッチパネルTP2の表示画面を示す。タッチパネルTP2には、ポップ画面pp1の他、ウインドウとしてタクシー料金画面GM2が表示される。タクシー料金画面GM2には、運賃及び次回料金上がり割合バーbr1が表示される。ここでは、運賃として金額2,170円が表示されている。
【0074】
本発明の第1実施形態に係るタクシーメータシステム5は、タクシーメータ10とスマートフォン50(携帯無線端末)と、を備える。タクシーメータ10は、スマートフォン50と無線通信を行う通信部24を備え、スマートフォン50は、目的地までのタクシーメータ料金(運賃)を事前に確定するCPU51(事前確定部)と、タクシーメータ10と無線通信を行う通信部53(端末側通信部)と、を備える。通信部53は、CPU51により確定された運賃をタクシーメータ10に送信可能であり、CPU11は、算出した運賃および確定された運賃のうち低額の運賃を最終的な運賃として出力する。これにより、乗客によって支払われる運賃が、乗車前に確定した運賃を超えないようにすることができる。したがって、不慣れな土地や知らない土地でタクシーを利用する際、乗車前(事前)に運賃の上限が分かるので、タクシー利用者は、安心してタクシーを利用できる。また、近年増加している外国人観光客も、同様に安心してタクシーを利用できる。結果として、タクシー利用の増加が期待される。
【0075】
また、通信部24は、目的地において演算された運賃をスマートフォン50に送信し、スマートフォン50は、CPU11により算出された運賃と、CPU51により確定された運賃とのうちいずれが安いかをCPU11(判定部)により判定する。通信部53は、CPU51により確定された運賃がCPU11により算出された運賃よりも安いと判定された場合には、当該確定された運賃をタクシーメータ10に送信し、CPU11は、受信した当該運賃を最終的な運賃として出力する。これにより、事前確定料金が賃走時のタクシーメータ料金より安い場合、スマートフォンが自動的に事前確定料金を送信するので、乗客の手間を軽減できる。また、事前確定料金が賃走時のタクシーメータ料金より高い場合、スマートフォンは事前確定料金をタクシーメータに送信しないので、タクシーメータによる書き換え処理を省くことができる。また、この場合、支払うタクシーメータ料金は、事前確定料金よりも安いので、乗客の費用が軽減される。これにより、タクシー利用の増加が期待される。
【0076】
また、タクシーメータ10の通信部24とスマートフォン50の通信部53とは、近距離無線通信(狭域通信)により直接接続される。これにより、携帯無線端末は、タクシーメータとの接続において、狭域通信に要する電力で済むので、電力消費を抑制できる。特に、消費電力の少ないBLE通信を用いた場合、一層の低消費電力化が可能となる。したがって、タクシーの乗車中に携帯無線端末をタクシーメータに長時間接続し続けたとしても、携帯無線端末のバッテリ駆動時間が著しく短くなることを抑制できる。また、他の装置を経由することなく直接に通信が行われるので、運賃に関する情報を表示あるいは更新するまでに要する遅延時間を短縮できる。
【0077】
本発明の第1実施形態に係るタクシーメータ10は、少なくとも運賃を算出する機能を有するCPU11(算出部)と、外部のスマートフォン50と無線通信を行う通信部24と、を備える。通信部24は、目的地において算出された運賃をスマートフォン50に送信し、CPU11は、目的地にてスマートフォン50から運賃を表す情報を取得した場合には、算出した運賃およびスマートフォン50により確定された運賃のうち低額の運賃を最終的な運賃として出力する。これにより、タクシーメータに表示される最終的なタクシーメータ料金が乗車前に確定した運賃を超えないように抑えることができる。
【0078】
本発明の第1実施形態に係るスマートフォン50は、目的地までの運賃を事前に確定するCPU51(事前確定部)と、タクシーメータ10と無線通信を行う通信部53(端末側通信部)と、タクシーメータ10から運賃を表す情報を受信した場合、受信した運賃とCPU51により確定された運賃とのうちいずれが安いかを判定するCPU51(判定部)と、を備える。通信部53は、CPU51により確定された運賃が受信した運賃よりも安いと判定された場合には、当該確定された運賃をタクシーメータ10に送信する。これにより、タクシーメータに対し、乗車前に確定した運賃を超えないように抑えた運賃を表示させることができる。
【0079】
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
例えば、携帯無線端末は、スマートフォンに限らず、タブレット端末、ノートPC等であってもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、タクシーメータで課金されたタクシーメータ料金と、スマートフォンで取得した事前確定料金との比較を、スマートフォンが行う場合を示したが、タクシーメータが行ってもよい。この場合、タクシーメータは、スマートフォンと無線接続されると、スマートフォンから事前確定料金情報を受信する。タクシーメータは、賃走中あるいは支払時にタクシーメータ料金が事前確定料金を超えるか否かを判別し、超えている場合、タクシーメータ料金を事前確定料金に書き換える。
【0081】
また、賃走中に事前確定料金をタクシーメータに送信するようにしておけば、賃走中、タクシーメータが事前確定料金をタクシー料金画面GM0に表示させておくことができるので、乗客は目的地に到着するまで安心した気持ちでいられる。
【0082】
また、上記実施形態では、タクシーメータ料金が事前確定料金よりも安かった場合、タクシーメータ料金は書き換えられなかったが、事前確定料金に書き換えられてもよい。この場合、逐次課金されるタクシーメータ料金は、支払う運賃として利用されなくなり、乗車時点でタクシーメータ料金(運賃)は確定することになる。これにより、乗務員及び乗客のいずれも、課金されるタクシーメータ料金を気にしなくても済むようになる。したがって、運転者は運転に専念することができ、また、乗客はリラックスした状態でタクシーを利用できる。
【0083】
(第2実施形態)
第2実施形態におけるタクシーメータシステムの構成は、前述した
図1のタクシーメータシステム5の構成と同じである。第2実施形態において、第1実施形態と異なる点は、スマートフォン50において、操作部54(入力部)が予算金額の入力操作を受け付け、CPU51(地点算出部)が入力された予算金額で到達可能なルート上の地点を算出し、表示部55が算出された地点を表示する点である。また、CPU51(地点確定部)は、地点を目的地として確定する。さらに、CPU51(事前確定部)は、確定された地点までの運賃を事前に確定する。通信部53(端末側通信部)は、CPU51により確定された運賃として、当該地点までの運賃をタクシーメータ10に送信可能である。
【0084】
上記構成を有する、第2実施形態に係るタクシーメータシステム5の動作を示す。
【0085】
まず、スマートフォン50の動作を示す。
(乗車前のタクシー利用者の操作)
図11は、乗車前におけるスマートフォンの動作手順を示すフローチャートである。スマートフォン50には、第1実施形態で説明したように、事前にタクシー利用アプリがインストールされている。
【0086】
タクシー利用者の乗車前に、スマートフォン50のCPU51は、ルート検索処理を行う(S81)。ルート検索処理S81は、
図4を参照して説明したルート検索処理S21と同じである。ルート検索処理(S81)の後、CPU51は、予算判定処理を行う(S82)。予算判定処理の詳細については後述する。この後、CPU51は本動作を終了する。
【0087】
図12は、ステップS82における予算判定処理手順を示すフローチャートである。CPU51は、
図15(A)に示される予算ボタンB1が押下されたか否かを判断する(S91)。
図15は、第2実施形態に係るスマートフォン50のタッチパネルTP2の表示画面を示す図である。
図15(A)は、タッチパネルTP2に予算ボタンB1が表示される例を示す。タッチパネルTP2には、
図10(A)を参照して説明したように、タクシー利用アプリのルート検索で決定したルートR2が地図mp1上に描画され、さらに、左隅に予算ボタンB1が重ねて描画されている。予算ボタンB1が押下されなかった場合(S91でNO)は、CPU51は本動作を終了する。一方、予算ボタンB1が押下された場合(S91でYES)、CPU51は、
図15(B)に示すように、タッチパネルTP2に予算選択画面を表示させる。
図15(B)において、タッチパネルTP2には、予算選択画面として現金ボタンB2および電子マネーボタンB3が表示されている。
【0088】
予算ボタンB1が押下された場合(S91でYES)、CPU51は、現金ボタンB2および電子マネーボタンB3のいずれが押下されたかを判断する(S92)。現金ボタンB2が押下された場合、CPU51は、タッチパネルTP2に現金支払い用入力画面G1を表示させる(S93)。
図16(A)は、タッチパネルTP2に表示される現金支払い用入力画面G1を示す図である。現金支払い用入力画面G1は、タッチパネルTP2にウインドウとして表示されるものであり、利用者によって入力された金額を表示する金額表示欄c1、数字を入力するためのテンキーtk、並びに、「戻る」および「決定」の操作を行うための操作ボタンk1およびk2を有する。利用者は、テンキーtkおよび操作ボタンk1、k2を押下して、予算金額を入力する(S94)。入力された金額が金額表示欄c1に表示される。一方、電子マネーボタンB3が押下された場合、CPU51は、タッチパネルTP2に電子マネー支払い用入力画面G2を表示させる。
【0089】
図16(B)は、タッチパネルTP2に表示される電子マネー支払い用入力画面G2を示す図である。電子マネー支払用入力画面G2は、タッチパネルTP2にウインドウとして表示されるものであり、現金支払い用入力画面G1に類似するが、金額表示欄c1の代わりに、チャージ額欄c2および支払額欄c3を有する点が現金支払い用入力画面G1と異なる。チャージ額欄c2には、利用可能な電子マネー残高が表示される(S95)。利用者は、テンキーtkおよび操作ボタンk1、k2を押下して、チャージ額欄c2に表示された電子マネー残高を超えない予算金額を入力する(S96)。入力された金額が支払額欄c3に表示される。
【0090】
利用者によって予算金額が入力されると(S94,S96)、CPU51は、入力された予算金額で到達可能な、ルートR2上の地点を算出し、タッチパネルTP2に表示させる(S97)。
図17は、タッチパネルTP2に表示される、入力された予算金額で到達可能なルートR2上の地点Pを表示する画面例を示す。
図17(A)は、利用者がタクシーに乗車する前の表示画面例を示し、
図17(B)は、利用者がタクシーに乗車中の表示画面例を示す。
【0091】
図17(A)に示すように、利用者がタクシーに乗車する前の表示画面では、地図mp1上に、ルートR2に加え、ポップ画面pp2、pp3が表示される。ポップ画面pp2には、ルートR2に沿って現在位置から目的地まで走行する際の時間、距離及び予測運賃が含まれる。ここでは、時間は「17分」、距離は「5.2km」、予測運賃は「2,170円」である。ポップ画面pp3は、入力された予算金額で到達可能な、ルートR2上の地点Oを示す位置に表示される。ここでは、タッチパネルTP2に、予算金額として2000円が入力された場合の到達可能な地点Pが表示される。ステップS97において、CPU51(事前確定部)は、地点Pを目的地として確定し、確定された地点Pまでの運賃を事前に確定する。そして、CPU51は、入力された予算および目的地として確定された地点P(到達可能地点)をメモリ52に保持する。この後、CPU51は本動作を終了する。
【0092】
なお、CPU51は、予算金額で到達可能な地点としてルートR2上の複数の地点をタッチパネルTP2に表示させ、利用者が表示された複数の地点から一の地点をタッチ操作によって選択すると、選択された地点を目的地として確定してもよい。この場合、予算金額で到達可能な地点近辺の、たとえば駅やバス停などを目的地として設定することができ、利用者はタクシーを降りた後にも本来の目的地まで容易に移動できる。
【0093】
(乗車中のタクシー利用者の操作)
図13は、第2実施形態における、乗車中におけるスマートフォン50の動作手順を示すフローチャートである。スマートフォン50のCPU51は、タクシーメータ10と無線接続処理を行う(S101)。無線接続処理(S101)は、前述した
図6の無線接続処理と同じである。CPU51は、ルート検索結果がメモリ52に保持されているか否かを判別する(S102)。この判別処理(S102)は、前述した
図5のステップS42の処理と同じである。ルート検索結果がメモリ52に保持されている場合、CPU51は、ステップS104の予算送信処理に進む。一方、ルート検索結果がメモリ52に保持されていない場合、CPU51は、ルート検索処理を行う(S103)。このルート検索処理(S103)は、前述した
図4のルート検索処理と同じである。
【0094】
CPU51は、事前に確定された運賃(事前確定料金)として、
図12のステップS97で確定した地点Pまでの運賃をタクシーメータ10に送信する予算送信処理を行う(S104)。予算送信処理の詳細については後述する。
【0095】
この後、CPU51は、タクシーメータ10からメータ料金情報及び支払情報を受信する受信データ表示処理を行う(S105)。受信データ表示処理は、前述した
図7の受信データ表示処理と同じである。CPU51は、タッチパネルTP2に、
図17(B)に示す、予算金額で到達可能なルートR2上の地点Pを表示する画面を表示させる。
図17(B)は、
図17(A)に示す画面において、自タクシーの現在位置を示すマークMが表示され、さらに、ウィンドウとしてタクシー料金画面GM3が表示されたものである。タクシー料金画面GM3には、タクシーメータ10から受信した現在のメータ料金情報(運賃およびメータ状態)が表示される。続いて、CPU51は、乗車前に取得した事前確定料金と実際のタクシーメータ料金とを比較する料金比較処理を行う(S106)。料金比較処理(S106)は、前述した
図8の料金比較処理と同じであるが、第2実施形態では、事前確定料金として、
図12のステップS97で確定した地点Pまでの運賃を用いる。この後、CPU51は本動作を終了する。
【0096】
図14は、ステップS104における予算送信処理手順を示すフローチャートである。スマートフォン50のCPU51は、予算が入力済みであるか、すなわち、入力された予算および目的地として確定された地点P(到達可能地点)がメモリ52に保持されているか、を判断する(S111)。予算が入力されている場合(S111でYES)、CPU51は、メモリ52に保持されている予算および到達可能地点(地点P)をタクシーメータ10へ送信し(S112)、本動作を終了する。一方、予算が入力されていない場合(S111でNO)、CPU51は、そのまま本動作を終了する。
【0097】
以上のように、本発明の第2実施形態に係るタクシーメータシステム5は、タクシーメータ10と、スマートフォン50(携帯無線端末)と、を備える。スマートフォン50において、操作部54(テンキーtk)にて入力された予算金額で、到達可能なルート上の地点を、CPU51(地点算出部)が算出し、表示部55が、算出された地点を表示する。また、CPU51(地点確定部)によって、この地点が目的地として確定され、CPU51(事前確定部)がこの地点までの運賃を事前に確定する(S97)。そして、確定された運賃がタクシーメータ10に送信される(S104)。これにより、タクシーを利用しようとする利用者が、予算内での到達可能地点を、乗車前に確認することができるため、タクシーを利用すべきかの判断ができる。一方、乗務員についても、乗客の予算内での到達可能地点が事前にわかっているため、例えば、乗客が乗車中に眠ってしまった場合でも、乗客の予算を超えてタクシーが走行し続け、乗客から支払われる運賃が不足するということが起こらず、乗務員は安心してタクシーを運送できる。
【0098】
ここで、上述した本発明の実施形態に係るタクシーメータシステム、タクシーメータ及び携帯無線端末の特徴をそれぞれ以下[1]~[8]に簡潔に纏めて列記する。
[1] タクシーメータ(10)と、
前記タクシーメータと無線通信により接続される携帯無線端末(スマートフォン50)と、
を備えるタクシーメータシステム(5)において、
前記タクシーメータは、
少なくとも運賃を算出する機能を有する算出部(CPU11)と、
前記携帯無線端末と無線通信を行う通信部(24)と、を備え、
前記携帯無線端末は、
目的地までの運賃を事前に確定する事前確定部(CPU51)と、
前記タクシーメータと無線通信を行う端末側通信部(53)と、を備え、
前記端末側通信部は、前記事前確定部により確定された運賃を前記タクシーメータに送信可能であり(S74)、
前記算出部は、算出した運賃および前記事前確定部により確定された運賃のうち低額の運賃を最終的な運賃として出力する(S6)、
ことを特徴とするタクシーメータシステム。
【0099】
[2] 前記通信部は、前記目的地において演算された運賃を前記携帯無線端末に送信し、
前記携帯無線端末は、前記算出部により算出された運賃と、前記事前確定部により確定された運賃とのうちいずれが安いかを判定する判定部(CPU11)を備え、
前記端末側通信部は、前記事前確定部により確定された運賃が前記算出部により算出された運賃よりも安いと判定された場合には、当該確定された運賃を前記タクシーメータに送信し、
前記算出部は、受信した当該運賃を最終的な運賃として出力する、
ことを特徴とする[1]に記載のタクシーメータシステム。
【0100】
[3] 前記通信部と前記端末側通信部とは、狭域通信(近距離無線通信)により直接接続される、
ことを特徴とする[1]又は[2]に記載のタクシーメータシステム。
【0101】
[4] 少なくとも運賃を算出する機能を有する算出部(CPU11)と、
外部の携帯無線端末と無線通信を行う通信部(24)と、を備え、
前記通信部は、目的地において算出された運賃を前記携帯無線端末に送信し(S4)、
前記算出部は、前記目的地にて前記携帯無線端末から運賃を表す情報を取得した場合には、算出した運賃および前記携帯無線端末により確定された運賃のうち低額の運賃を最終的な運賃として出力する(S6)、
ことを特徴とするタクシーメータ(10)。
【0102】
[5] 目的地までの運賃を事前に確定する事前確定部(CPU51)と、
タクシーメータと無線通信を行う端末側通信部(53)と、
前記タクシーメータから運賃を表す情報を受信した場合、受信した運賃と前記事前確定部により確定された運賃とのうちいずれが安いかを判定する判定部(CPU51)と、を備え、
前記端末側通信部は、前記事前確定部により確定された運賃が前記受信した運賃よりも安いと判定された場合には、当該確定された運賃を前記タクシーメータに送信する(S73)、
ことを特徴とする携帯無線端末。
【0103】
[6] 前記携帯無線端末は、
予算金額を入力する入力部(操作部54)と、
入力された前記予算金額で到達可能な、ルート上の地点を算出する地点算出部(CPU51)と、
算出された地点を表示する表示部(55)と、
前記地点を前記目的地として確定する地点確定部(CPU51)と、を有し、
前記事前確定部は、確定された前記地点までの運賃を事前に確定し(S97)、
前記端末側通信部は、前記事前確定部により確定された運賃として、前記地点までの運賃を前記タクシーメータに送信可能である(S104)
ことを特徴とする[1]に記載のタクシーメータシステム。
【0104】
[7] 前記予算金額は、前記携帯無線端末において利用者により入力されたものである(S94,S96)、
ことを特徴とする[6]に記載のタクシーメータシステム。
【0105】
[8] 前記予算金額は、前記携帯無線端末内にチャージされた電子マネーにより支払い可能な額である、
ことを特徴とする[7]に記載のタクシーメータシステム。
【符号の説明】
【0106】
8 タクシー車両
10 タクシーメータ
10z 筐体
11,51 CPU
12 ROM
13 RAM
14 カードリーダライタ(R/W)インターフェイス(I/F)
14A メモリカード
14z 挿入口
15,55 表示部
16 入力部
17A,17B インターフェイス(I/F)
18 RTC
19 ETC車載器
20 GPS受信器
22 ナビゲーション
24,53 通信部
50 スマートフォン
52 メモリ
54 操作部
56 音声入出力部
57 マイク
58 スピーカ
b1~b5,b11~b15 ボタン
br1 次回料金上がり割合バー
c1 金額表示欄
c2 チャージ額欄
c3 支払額欄
G1 現金支払い用入力画面
G2 電子マネー支払用入力画面
GM0,GM2、GM3 タクシー料金画面
GS0 操作画面
k1,k2 操作ボタン
mp1 地図
pp1,pp2,pp3 ポップ画面
R1,R2 ルート
TP1,TP2 タッチパネル
tk テンキー