(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】ギア、および減速機付きモータ
(51)【国際特許分類】
F16H 55/06 20060101AFI20220419BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
F16H55/06
H02K7/116
(21)【出願番号】P 2018102330
(22)【出願日】2018-05-29
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 修
(72)【発明者】
【氏名】磯貝 育夫
【審査官】岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-105728(JP,A)
【文献】特開2001-336609(JP,A)
【文献】特開2017-172680(JP,A)
【文献】特開2006-007294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 55/06
H02K 7/116
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円盤状の平板部と、前記平板部における径方向外側の全周にわたって連結部を介して形成された歯部と、を有する樹脂製のギアであって、
前記平板部には、前記平板部の回転位置を検出するコンタクタのコンタクトプレートが配置され、
前記平板部のうち、前記平板部の厚さ方向の一方側を向く第1端面は平滑に形成されるとともに、前記厚さ方向の他方側を向く第2端面に
のみ、前記他方側に突出するリブが形成され、
前記リブは、前記他方側から見た平面視で前記径方向に沿って放射状に延び、
前記平板部の前記第1端面は、前記歯部における前記厚さ方向の一方側の端部よりも前記厚さ方向の他方側に位置し、
前記連結部は、前記歯部における前記厚さ方向の中間部に位置し、かつ前記リブにおける前記厚さ方向の他方側の端部より、前記厚さ方向の一方側に位置しているとともに、前記平板部の前記第1端面よりも前記厚さ方向の他方側に向けて窪んだ凹部を有しており、
前記コンタクトプレートは、
前記第1端面に配置されて焼結金属により形成されていることを特徴とするギア。
【請求項2】
円盤状の平板部と、前記平板部における径方向外側の全周にわたって連結部を介して形成された歯部と、を有する樹脂製のギアであって、
前記平板部には、前記平板部の回転位置を検出するコンタクタのコンタクトプレートが配置され、
前記平板部のうち、前記平板部の厚さ方向の一方側を向く第1端面は平滑に形成されるとともに、前記厚さ方向の他方側を向く第2端面にのみ、前記他方側に突出するリブが形成され、
前記リブは、前記他方側から見た平面視で前記径方向に沿って放射状に延び、
前記平板部の前記第1端面は、前記歯部における前記厚さ方向の一方側の端部よりも前記厚さ方向の他方側に位置し、
前記連結部は、前記歯部における前記厚さ方向の中間部に位置し、かつ前記リブにおける前記厚さ方向の他方側の端部より、前記厚さ方向の一方側に位置しているとともに、前記平板部の前記第1端面よりも前記厚さ方向の他方側に向けて窪んだ凹状の液溜まり部を有しており、
前記コンタクトプレートは、前記第1端面に配置されて焼結金属により形成されていることを特徴とするギア。
【請求項3】
前記リブは、前記平板部の周方向に沿って延び、前記ギアの回転中心を中心に配置された複数の環状リブと、
前記径方向に延びて前記複数の環状リブ同士を接続するとともに、前記周方向に間隔をあけて配置された複数の放射状リブと、を備え、
前記複数の放射状リブは、前記環状リブを介して前記径方向に互いに不連続に配置されていることを特徴とする請求項1
又は2に記載のギア。
【請求項4】
請求項1
から3のいずれか1項に記載されたギア、および前記ギアの回転中心に固定された出力軸を備えた減速機構部と、
回転軸を有するモータ部と、
前記モータ部を回転自在に収容するモータケースと、
前記モータ部に電気的に接続される給電回路と、
前記回転軸を収容し、前記モータケースに連結されるギアケースと、を有し、
前記減速機構部は、前記ギアケースに収容され、前記回転軸の回転数を減速して前記出力軸に伝達することを特徴とする減速機付きモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ギア、および減速機付きモータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、出力軸等の軸部材の回転を伝達するために、軸部材にギアを設ける場合がある。また、ギアの回転位置を検出するために、このギアの厚さ方向の一方側に、コンタクタのコンタクトプレートを配置する場合がある。
このように、ギアの一方側の端面にコンタクトプレートが配置されているので、コンタクタによりギアの回転位置を検出することが可能になる。この結果、例えば、車両等に設けられたワイパを駆動するための装置では、コンタクタの検出結果に基づいて、ワイパのオートストップ位置(ギアの停止位置)を決定することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のギアでは、コンタクタとギアとを滑らかに摺接させるために、コンタクトプレートが取り付けられた状態で、ギアの厚さ方向の一方向側の端面とコンタクトプレートの表面とがほぼ同一平面となるように形成する必要があった。このため、ギアを補強するためのリブは、ギアの厚さ方向の他方側の端面に形成される。このように構成すると、ギアの軸方向の位置により体積の偏りが生じる。この隔たりは、ギアを、例えば射出成形により形成する際に、ギアの位置により樹脂材料の収縮量の偏りの要因となる。樹脂材料の収縮量の偏りによってギアの寸法精度がばらつくことで、ギアにおける歯部の噛み合いが悪くなるおそれがあった。
【0005】
本発明は、成形精度のよい形状とすることで、歯部の噛み合いが良いギア、および減速機付きモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係るギアは、円盤状の平板部と、前記平板部における径方向外側の全周にわたって連結部を介して形成された歯部と、を有する樹脂製のギアであって、前記平板部には、前記平板部の回転位置を検出するコンタクタのコンタクトプレートが配置され、前記平板部のうち、前記平板部の厚さ方向の一方側を向く第1端面は平滑に形成されるとともに、前記厚さ方向の他方側を向く第2端面には、前記他方側に突出するリブが形成され、前記リブは、前記他方側から見た平面視で前記径方向に沿って放射状に延び、前記平板部の前記第1端面は、前記歯部における前記厚さ方向の一方側の端部よりも前記厚さ方向の他方側に位置し、前記連結部は、前記歯部における前記厚さ方向の中間部に位置し、かつ前記リブにおける前記厚さ方向の他方側の端部より、前記厚さ方向の一方側に位置しているとともに、前記平板部の前記第1端面よりも前記厚さ方向の他方側に向けて窪んだ凹部を有しており、前記コンタクトプレートは、前記第1端面に配置されて焼結金属により形成されていることを特徴とする。
本発明に係るギアは、円盤状の平板部と、前記平板部における径方向外側の全周にわたって連結部を介して形成された歯部と、を有する樹脂製のギアであって、前記平板部には、前記平板部の回転位置を検出するコンタクタのコンタクトプレートが配置され、前記平板部のうち、前記平板部の厚さ方向の一方側を向く第1端面は平滑に形成されるとともに、前記厚さ方向の他方側を向く第2端面にのみ、前記他方側に突出するリブが形成され、前記リブは、前記他方側から見た平面視で前記径方向に沿って放射状に延び、前記平板部の前記第1端面は、前記歯部における前記厚さ方向の一方側の端部よりも前記厚さ方向の他方側に位置し、前記連結部は、前記歯部における前記厚さ方向の中間部に位置し、かつ前記リブにおける前記厚さ方向の他方側の端部より、前記厚さ方向の一方側に位置しているとともに、前記平板部の前記第1端面よりも前記厚さ方向の他方側に向けて窪んだ凹状の液溜まり部を有しており、前記コンタクトプレートは、前記第1端面に配置されて焼結金属により形成されていることを特徴とする。
【0007】
このように、ギアの平板部における厚さ方向(以下、平板部の厚さ方向を単に厚さ方向という)の一方側を向く第1端面が平滑に形成されているので、第1端面にコンタクタのコンタクトプレートを配置することができる。また、平板部における厚さ方向の他方側を向く第2端面に、放射状に延びるリブが形成されているので、ギアの強度を確保することができる。
【0008】
また、第1端面が、歯部の厚さ方向の一方側の端部よりも厚さ方向の内側に位置しているので、ギアを構成する樹脂材料が、厚さ方向の一方側に偏るのを防ぎ、ギアの成形後の収縮量が厚さ方向の位置により偏るのを抑えることができる。
また、連結部が、歯部における厚さ方向の中間部に位置することで、成形時における歯部への樹脂の流れを均一にすることができる。
【0009】
また、リブと歯部との間に位置する連結部が、リブにおける厚さ方向の他方側の端部より、厚さ方向の内側に位置しているので、リブと歯部とが径方向に不連続となる。これにより、成形後の収縮により、リブが径方向の内側に向けて収縮したとしても、この収縮の影響が歯部に及ぶのを抑制することができる。
以上のように、成形性を確保することで、歯部の噛み合いが良いギアを提供することができる。
また、焼結金属により形成されているコンタクトプレートに用いる潤滑剤と、歯部に用いる潤滑剤と、が異なる材料であることがある。このような場合において、歯部に用いる潤滑剤が、径方向の内側に流れてきた際に、平板部と歯部との間に位置し、厚さ方向の他方側に向けて窪む連結部に流れ込むことで、異なる潤滑剤同士が混ざり合うのを回避することができる。
【0010】
また、本発明に係るギアにおける前記リブは、前記平板部の周方向に沿って延び、前記ギアの回転中心を中心に配置された複数の環状リブと、前記径方向に延びて前記複数の環状リブ同士を接続するとともに、前記周方向に間隔をあけて配置された複数の放射状リブと、を備え、前記複数の放射状リブは、前記環状リブを介して前記径方向に互いに不連続に配置されていてもよい。
【0011】
この場合には、リブが複数の環状リブと、複数の放射状リブと、を備えているので、ギアを強固に補強することができる。また、複数の放射状リブが、環状リブを介して径方向に互いに不連続に配置されている。このため、複数の放射状リブが、径方向に互いに連続して配置されている構成と比較して、成形後に放射状リブが収縮した際における径方向の収縮量を抑えることができる。これにより、リブが収縮することで、ハブが径方向の内側に向けて変形するのを抑制することができる。
【0014】
また、本発明に係る減速機付きモータは、前述したギア、および前記ギアの回転中心に固定された出力軸を備えた減速機構部と、回転軸を有するモータ部と、前記モータ部を回転自在に収容するモータケースと、前記モータ部に電気的に接続される給電回路と、前記回転軸を収容し、前記モータケースに連結されるギアケースと、を有し、前記減速機構部は、前記ギアケースに収容され、前記回転軸の回転数を減速して前記出力軸に伝達することを特徴とする。
【0015】
この場合には、減速機付きモータにおいて、前述した各作用効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、成形精度のよい形状とすることで、歯部の噛み合いが良いギア、および減速機付きモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る減速機付きモータのうち、ギアケースを外した状態を示す斜視図である。
【
図4】
図3に示すギアのA-A線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1から
図6を参照し、本発明の一実施形態に係る減速機付きモータ1について説明する。
図1に示すように、減速機付きモータ1は、回転軸O1を有するモータ部10と、モータ部10に電気的に接続される給電回路(図示せず)と、回転軸O1の回転数を減速しギアシャフト51に伝達する減速機構部20と、を有している。モータの回転軸O1と減速機構部20のギアシャフト51の回転軸線O2は互いに直交している。
以下の説明において、ギアシャフト51の回転軸線O2に沿う方向を軸方向といい、軸方向と直交する方向を径方向、回転軸線O2周りに周回する方向を周方向という。
【0019】
減速機付きモータ1は、モータ部10を回転自在に収容するモータケース30と、回転軸O1を収容し、モータケース30に連結されるギアケース40と、を有している。
減速機構部20は、回転軸線O2周りに回転するギア50と、ギア50(後述の平板部52B)の回転位置を検出するコンタクタ60と、を備え、ギアケース40に収容されている。
【0020】
図2、
図3、および
図4に示すように、ギア50は、軸方向に延びるギアシャフト51と、ギアシャフト51における軸方向の一方側の端部に配置された円盤状のギア本体52と、を備えている。
ギアシャフト51は、例えば金材材料等により形成されている。ギアシャフト51における一方側の端部の外周面には、軸方向に延びるスプライン溝51Aが形成されている。
【0021】
ギア本体52は、モータ部10の端部に配置されたウォームシャフト31と噛み合うウォームギアである。ウォームシャフト31は回転軸O1周りに回転する。
ギア本体52は、樹脂材料により形成されている。ギア本体52はギアシャフト51をインサート部材としたインサート形成により形成されている。インサート成形において、ギア本体52がギアシャフト51のスプライン溝51Aに係合することで、ギアシャフト51とギア本体52とが、周方向に係合した状態となる。
【0022】
ギア本体52は、径方向の外側に全周にわたって形成された歯部52Aと、歯部52Aの径方向の内側に位置し、コンタクタ60のコンタクトプレート61が配置される平板部52Bと、歯部52Aと平板部52Bとを径方向に接続する連結部52Cと、を備えている。
【0023】
平板部52Bの径方向の中央部には、ギアシャフト51を覆う有頂筒状の被覆部52Dが形成されている。被覆部52Dがギアシャフト51における軸方向の一方側の端部と周方向に係合している。
【0024】
平板部52Bのうち、厚さ方向(軸方向、以下の説明では、平板部52Bの厚さ方向を単に厚さ方向という場合がある)の一方側を向く第1端面F1は平滑に形成されている。第1端面F1にコンタクトプレート61が配置されている。コンタクトプレート61は、厚さ方向の一方側から見た平面視で正方形状となっている。コンタクトプレート61は焼結金属により形成されている。
【0025】
ギア50の回転に伴って、給電回路とコンタクトプレート61とは、相互に電気的に接続する短絡状態と、接続を遮断する非短絡状態とに切り替えられる。これにより、ギア50の回転位置を検出することができる。コンタクトプレート61には、歯部52Aに塗布されたグリースと異なるグリースが含浸されている。
【0026】
図4および
図5に示すように、平板部52Bのうち、厚さ方向の他方側を向く第2端面F2には、厚さ方向に突出するリブ70が形成されている。リブ70は、他方側から見た平面視で径方向に沿って放射状に延びている。
【0027】
リブ70は、周方向に沿って延び、ギアシャフト51と同軸上に配置された複数の環状リブ71と、径方向に延びて複数の環状リブ71同士を接続する複数の放射状リブ72と、を備えている。複数の放射状リブ72は、周方向に間隔をあけて配置されている。
そして、複数の放射状リブ72は、環状リブ71を介して径方向に互いに不連続に配置されている。
【0028】
平板部52Bの第1端面F1は、歯部52Aにおける厚さ方向の一方側の端部よりも厚さ方向の内側に位置している。
連結部52Cは、歯部52Aにおける厚さ方向の中間部に位置している。連結部52Cはまた、リブ70における厚さ方向の他方側の端部より、厚さ方向の内側に位置している。これにより、歯部52A、連結部52C、および環状リブ71により囲まれる部分に、厚さ方向の一方側に向けて窪む第1凹溝81が形成されている。
【0029】
また、連結部52Cは、平板部52Bの第1端面F1よりも厚さ方向の他方側に向けて窪んでいる。このため、歯部52A、連結部52C、第1端面F1により囲まれる部分に、厚さ方向の他方側に向けて窪む凹部82が形成されている。
【0030】
以上説明したように、ギア50の平板部52Bにおける厚さ方向の一方側を向く第1端面F1が平滑に形成されているので、第1端面F1にコンタクタ60のコンタクトプレート61を配置することができる。また、平板部52Bにおける厚さ方向の他方側を向く第2端面F2に、放射状に延びるリブ70が形成されているので、ギア50の強度を確保することができる。
【0031】
また、第1端面F1が歯部52Aの厚さ方向の一方側の端部よりも厚さ方向の内側に位置しているので、ギア50を構成する樹脂材料が、厚さ方向の一方側に偏るのを防ぎ、ギア50の成形後の収縮量が厚さ方向の位置により偏るのを抑えることができる。
また、連結部52Cが、歯部52Aにおける厚さ方向の中間部に位置することで、成形時における歯部52Aへの樹脂の流れを均一にすることができる。
【0032】
また、リブ70と歯部52Aとの間に位置する連結部52Cが、リブ70における厚さ方向の他方側の端部より、厚さ方向の内側に位置しているので、リブ70と歯部52Aとが径方向に不連続となる。これにより、成形後の収縮により、リブ70が径方向の内側に向けて収縮したとしても、この収縮の影響が歯部52Aに及ぶのを抑制することができる。
以上のように、成形性を確保することで、歯部52Aの噛み合いが良いギア50を提供することができる。
【0033】
また、リブ70が複数の環状リブ71と、複数の放射状リブ72と、を備えているので、ギア50を強固に補強することができる。また、複数の放射状リブ72が、環状リブ71を介して径方向に互いに不連続に配置されている。このため、複数の放射状リブ72が、径方向に互いに連続して配置されている構成と比較して、成形後に放射状リブ72が収縮した際における径方向の収縮量を抑えることができる。これにより、リブ70が収縮することで、ハブが径方向の内側に向けて変形するのを抑制することができる。
【0034】
また、焼結金属により形成されているコンタクトプレート61に用いる潤滑剤と、歯部52Aに用いる潤滑剤と、が異なる材料となっている。そして、歯部52Aに用いる潤滑剤が、径方向の内側に流れてきた際に、平板部52Bと歯部52Aとの間に位置し、厚さ方向の他方側に向けて窪む連結部52Cに流れ込むことで、異なる潤滑剤同士が混ざり合うのを回避することができる。
【0035】
また、平板部52Bの径方向の中央部に、有頂筒状の被覆部52Dが形成されている。これにより、ギアシャフト51の一端が被覆部52Dに覆われるようにしてインサートされ、ギア50に固定されている。ここで、厚さ方向の一方側におけるギア本体52の体積が増大してしまうが、上述のように、ギア本体52にリブ70、連結部52Cを形成することで、厚さ方向の一方側にギア本体52の体積が偏るのを抑えることができる。
【0036】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0037】
例えば上記実施形態では、減速機付きモータ1がワイパモータである構成を示したが、このような態様に限られない。減速機付きモータ1は、ワイパモータと異なる用途で用いられてもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、リブ70が環状リブ71と放射状リブ72とを備えている構成を示したが、このような態様に限られない。リブ70は例えば環状リブ71および放射状リブ72のうち、いずれかのみを備えていてもよいし、環状でも放射状でもない形状であってもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、コンタクトプレート61が焼結金属により形成されている構成を示したが、このような態様に限られない。コンタクトプレート61は、例えば黄銅等の金属板により形成されてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、連結部52Cが平板部52Bの第1端面F1よりも厚さ方向の他方側に向けて窪んでいる構成を示したが、このような態様に限られない。連結部52Cは、平板部52Bの第1端面F1よりも厚さ方向の他方側に向けて窪んでいなくてもよい。
【0041】
また、上記実施形態に限られず、例えば平板部52Bにおける第1端面の外周縁部に、厚さ方向の他方側に向けて突出する突壁を全周にわたって形成してもよい。これにより、歯部52Aから連結部52Cに流れ込んだグリースが、コンタクトプレート61に含浸されたグリースと混合するのを効果的に回避することができる。
【0042】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 減速機付きモータ
10 モータ部
20 減速機構部
30 モータケース
40 ギアケース
50 ギア
51 ギアシャフト
52 ギア本体
52A 歯部
52B 平板部
52C 連結部
60 コンタクタ
61 コンタクトプレート
70 リブ
71 環状リブ
72 放射状リブ
82 凹部