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特許7060474光変調器、光送信機、光復調器、光受信機及び光通信システム
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  • 特許-光変調器、光送信機、光復調器、光受信機及び光通信システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】光変調器、光送信機、光復調器、光受信機及び光通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/516 20130101AFI20220419BHJP
   H04J 14/06 20060101ALI20220419BHJP
   G02F 1/01 20060101ALI20220419BHJP
   G02F 2/00 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
H04B10/516
H04J14/06
G02F1/01 B
G02F2/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018152914
(22)【出願日】2018-08-15
(65)【公開番号】P2020028065
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2020-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100170667
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩次
(72)【発明者】
【氏名】石村 昇太
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-167474(JP,A)
【文献】特開2004-320386(JP,A)
【文献】特開2017-073729(JP,A)
【文献】特開2011-146795(JP,A)
【文献】TSUKAMOTO S. et al.,Coherent Demodulation of Optical Multilevel Phase-Shift-Keying Signals Using Homodyne Detection and Digital Signal Processing,IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS,VOL. 18, NO. 10,米国,IEEE,2006年05月15日,pages 1131-1133
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
G02F 1/00-1/125
G02F 1/21-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線偏波である第1偏波の連続光の位相を第1データに基づく第1位相操作量だけ変動させる様に変調して第1変調光を出力する第1変調手段と、
前記第1変調光を円偏波の第2変調光に変換する変換手段と、
前記第2変調光の前記第1偏波の成分と前記第1偏波とは直交する第2偏波の成分の位相を第2データに基づく第2位相操作量だけ互いに逆向きに変動させる様に変調して第3変調光を出力する第2変調手段と、
を備えていることを特徴とする光変調器。
【請求項2】
第1データに基づく第1位相操作量及び第2データに基づく第2位相操作量から第3位相操作量を判定し、直線偏波である第1偏波の連続光の位相を前記第3位相操作量だけ変動させる様に変調して第1変調光を出力する第1変調手段と、
前記第1変調光を円偏波の第2変調光に変換する変換手段と、
前記第1位相操作量及び前記第2位相操作量から第4位相操作量を判定し、前記第2変調光の前記第1偏波の成分と前記第1偏波とは直交する第2偏波の成分の位相を前記第4位相操作量だけ互いに逆向きに変動させる様に変調して第3変調光を出力する第2変調手段と、
を備え、
前記第3位相操作量は、前記第1位相操作量と前記第2位相操作量との和又は差であり、前記第3位相操作量が前記第1位相操作量と前記第2位相操作量との和である場合、前記第4位相操作量は、前記第1位相操作量と前記第2位相操作量との差であり、前記第3位相操作量が前記第1位相操作量と前記第2位相操作量との差である場合、前記第4位相操作量は、前記第1位相操作量と前記第2位相操作量との和であることを特徴とする光変調器
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光変調器を有することを特徴とする光送信機。
【請求項4】
円偏波である変調光の第1偏波の成分及び前記第1偏波とは直交する第2偏波の成分それぞれコヒーレント検出して第1電気信号及び第2電気信号を出力する出力手段と、
前記第1電気信号と前記第2電気信号を乗ずることで第3電気信号を生成し、前記第1電気信号を前記第2電気信号で除することで第4電気信号を生成する生成手段と、
前記第3電気信号の位相に基づき第1データを判定し、前記第4電気信号の位相に基づき第2データを判定する判定手段と、
を備え
前記変調光は、前記第1偏波の連続光の位相を前記第1データに基づく第1位相操作量だけ変動させる様に変調して第1変調光を出力し、前記第1変調光を円偏波の第2変調光に変換し、前記第2変調光の前記第1偏波の成分と前記第2偏波の成分の位相を前記第2データに基づく第2位相操作量だけ互いに逆向きに変動させる様に変調することで生成されたものであることを特徴とする光復調器。
【請求項5】
請求項に記載の光復調器を有することを特徴とする光受信機。
【請求項6】
光送信機と光受信機と、を含む光通信システムであって、
前記光送信機は、
直線偏波である第1偏波の連続光の位相を第1データに基づく第1位相操作量だけ変動させる様に変調して第1変調光を出力する第1変調手段と、
前記第1変調光を円偏波の第2変調光に変換する変換手段と、
前記第2変調光の前記第1偏波の成分と前記第1偏波とは直交する第2偏波の成分の位相を第2データに基づく第2位相操作量だけ互いに逆向きに変動させる様に変調して第3変調光を出力する第2変調手段と、
を備え、
前記光受信機は、
前記第3変調光を受信し、前記第3変調光の前記第1偏波の成分及び前記第2偏波の成分それぞれコヒーレント検出して第1電気信号及び第2電気信号を出力する出力手段と、
前記第1電気信号と前記第2電気信号を乗ずることで第3電気信号を生成し、前記第1電気信号を前記第2電気信号で除することで第4電気信号を生成する生成手段と、
前記第3電気信号の位相に基づき前記第1データを判定し、前記第4電気信号の位相に基づき前記第2データを判定する判定手段と、
を備えていることを特徴とする光通信システム。
【請求項7】
光送信機と光受信機と、を含む光通信システムであって、
前記光送信機は、
第1データに基づく第1位相操作量及び第2データに基づく第2位相操作量から第3位相操作量を判定し、直線偏波である第1偏波の連続光の位相を前記第3位相操作量だけ変動させる様に変調して第1変調光を出力する第1変調手段と、
前記第1変調光を円偏波の第2変調光に変換する変換手段と、
前記第1位相操作量及び前記第2位相操作量から第4位相操作量を判定し、前記第2変調光の前記第1偏波の成分と前記第1偏波とは直交する第2偏波の成分の位相を前記第4位相操作量だけ互いに逆向きに変動させる様に変調して第3変調光を出力する第2変調手段と、
を備え、
前記光受信機は、
前記第3変調光を受信し、前記第3変調光の前記第1偏波の成分及び前記第2偏波の成分それぞれをコヒーレント検出して第1電気信号及び第2電気信号を出力する出力手段と、
前記第1電気信号の位相に基づき前記第1データを判定し、前記第2電気信号の位相に基づき前記第2データを判定する判定手段と、
を備え、
前記第3位相操作量は、前記第1位相操作量と前記第2位相操作量との和であり、前前記第4位相操作量は、前記第1位相操作量と前記第2位相操作量との差であることを特徴とする光通信システム
【請求項8】
光送信機と光受信機と、を含む光通信システムであって、
前記光送信機は、
第1データに基づく第1位相操作量及び第2データに基づく第2位相操作量から第3位相操作量を判定し、直線偏波である第1偏波の連続光の位相を前記第3位相操作量だけ変動させる様に変調して第1変調光を出力する第1変調手段と、
前記第1変調光を円偏波の第2変調光に変換する変換手段と、
前記第1位相操作量及び前記第2位相操作量から第4位相操作量を判定し、前記第2変調光の前記第1偏波の成分と前記第1偏波とは直交する第2偏波の成分の位相を前記第4位相操作量だけ互いに逆向きに変動させる様に変調して第3変調光を出力する第2変調手段と、
を備え、
前記光受信機は、
前記第3変調光を受信し、前記第3変調光の前記第1偏波の成分及び前記第2偏波の成分それぞれをコヒーレント検出して第1電気信号及び第2電気信号を出力する出力手段と、
前記第1電気信号の位相に基づき前記第2データを判定し、前記第2電気信号の位相に基づき前記第1データを判定する判定手段と、
を備え、
前記第3位相操作量は、前記第1位相操作量と前記第2位相操作量との差であり、前前記第4位相操作量は、前記第1位相操作量と前記第2位相操作量との和であることを特徴とする光通信システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光変復調技術に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1及び2は、偏波多重QPSK信号を生成する光変調器を開示している。図1は、非特許文献1及び2が開示する偏波多重QPSK信号を生成する光変調器の構成図である。X偏波の連続光は、分岐部5で分岐され、それぞれ、図2に示すQPSK光変調部6に入力される。上側のQPSK光変調部6は、データ列Xで連続光をQPSK変調し、X偏波のQPSK信号を合波部8に出力する。下側のQPSK光変調部6は、データ列Yで連続光をQPSK変調し、X偏波のQPSK信号を偏波回転部7に出力する。偏波回転部7は、X偏波のQPSK信号の偏波を回転させ、X偏波と直交するY偏波のQPSK信号を合波部8に出力する。合波部8は、X偏波のQPSK信号とY偏波のQPSK信号を合波し、偏波多重QPSK信号を出力する。
【0003】
図2は、図1のQPSK変調部6の構成図である。分岐部60は、入力される連続光を2分岐して、それぞれ、分岐部61I及び61Qに出力する。分岐部61Iは、入力される連続光を2分岐して、光位相調整部62I及び63Iに出力する。光位相調整部62I及び63Iには、データ列に応じた電圧(以下、バイアス)が印加される。光位相調整部62I及び63Iが出力する光の位相は、それぞれ、印加されるバイアスに応じて調整される。合波部64Iは、光位相調整部62I及び63Iが出力する光を合波して出力する。ここで、QPSK変調部6は、光位相調整部62I及び63Iから出力される光の位相が、基準位相を中心に対称となる様に制御する。例えば、基準位相は、複素平面における実軸(I軸)の方向に対応する位相である。したがって、合波部64Iが出力する合波光は、印加されるバイアスに応じて複素平面の実軸上を移動(振幅が変動)する信号になる。
【0004】
分岐部61Q、光位相調整部62Q及び63Q並びに合波部64Qでの処理も、分岐部61I、光位相調整部62I及び63I並びに合波部64Iでの上述した処理と同様である。したがって、合波部64Qが出力する合波光は、印加されるバイアスに応じて複素平面の実軸上を移動する信号になる。合波部64Qが出力する合波光は、位相調整部65において、その位相が90度回転される。したがって、位相調整部65が出力する合波光は、印加されるバイアスに応じて複素平面の虚軸(Q軸)上を移動する信号になる。合波部66は、合波部64Iが出力する合波光と、位相調整部65が出力する合波光を合波する。したがって、光位相調整部62I及び63Iと、光位相調整部62Q及び63Qに印加するバイアスをデータ列に応じて調整することで、合波部66が出力する合波光は、QPSK信号になる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】P.Dong,et al.,"112-Gb/s monolithic PDM-QPSK modulator in silicon",Opt.Express 20,B624-B629,2012年
【文献】E.Yamada et al.,"112-Gb/s InP DP-QPSK Modulator Integrated with a Silica-PLC Polarization Multiplexing Circuit",in National Fiber Optic Engineers Conference,OSA Technical Digest(Optical Society of America),paper PDP5A.9,2012年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1及び2の構成は複雑であり、また、複数回の光の分岐や合波による損失が大きくなる。
【0007】
本発明は、簡易な構成で、偏波多重変調信号を処理する技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によると、光変調器は、直線偏波である第1偏波の連続光の位相を第1データに基づく第1位相操作量だけ変動させる様に変調して第1変調光を出力する第1変調手段と、前記第1変調光を円偏波の第2変調光に変換する変換手段と、前記第2変調光の前記第1偏波の成分と前記第1偏波とは直交する第2偏波の成分の位相を第2データに基づく第2位相操作量だけ互いに逆向きに変動させる様に変調して第3変調光を出力する第2変調手段と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、簡易な構成で、偏波多重変調信号を処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】非特許文献に記載の光変調器の構成図。
図2図1のQPSK変調部の構成図。
図3】一実施形態による光変調器の構成図。
図4】一実施形態による光変調器の各部が出力する変調信号の説明図。
図5】一実施形態による光復調器の構成図。
図6】一実施形態による光変調器の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は例示であり、本発明を実施形態の内容に限定するものではない。また、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。
【0012】
<第一実施形態>
図3は、本実施形態による光変調器の構成図である。なお、本実施形態では、X偏波とY偏波それぞれの変調方式をQPSKとする。つまり、X偏波とY偏波それぞれにおいて1シンボルで2ビットのデータを搬送するものとする。しかしながら、本発明は、PSK、8PSK等、他の多値度の変調方式に対しても同様に適用できる。光位相調整部10には、X偏波の連続光が入力される。また、変換部13には、データ列Xが入力される。変換部13は、データ列Xの連続する2ビットの値に応じた位相操作量Vを出力する。光位相調整部10は、X偏波の連続光の位相を、位相操作量Vだけ変化させ、X偏波の変調光31を出力する。光位相調整部10は、電気光学効果などを利用した位相変調器であり、例えば、図2の光位相調整部62I等と同じ構成を使用することができる。例えば、位相操作量Vが0の場合、X偏波の変調光31が、図4(A)の座標41で示す信号になるものとする。この場合、位相操作量Vを増加させると、X偏波の変調光31の位相は、図4の点線で示す様な経路で変化する。なお、図4の黒丸は、データ列Xの連続する2ビットの値に対応するQPSK信号のシンボルの位相を示している。X偏波の変調光31の位相が、データ列の連続する2ビットの値に応じた図4(A)の黒丸で示す位相となる様に、変換部31が位相操作量Vを決定することで、光位相調整部10はQPSK変調を行う。X偏波の変調光31は、以下のジョーンズベクトルで表される。
【0013】
【数1】
【0014】
1/4波長板(QWP)11は、X偏波の変調光31を円偏波の変調光32に変換する。図4(B)及び(C)は、それぞれ、円偏波の変調光32のX偏波成分と、Y偏波成分とを示している。X偏波の変調光31の座標41は、図4(B)に示す様に、円偏波の変調光22のX偏波成分においては同じ座標位置になるが、図4(C)に示す様に、円偏波の変調光32のY偏波成分においては位相が90度だけ回転する。円偏波の変調光32は、以下のジョーンズベクトルで表される。
【0015】
【数2】
なお、X偏波成分及びY偏波成分の振幅は、変調光31の(1/√2)になるが、説明を簡略化するため、以下の総ての説明において、振幅の倍率については省略する。
【0016】
変換部14には、データ列Yが入力される。変換部14は、データ列Yの連続する2ビットの値に応じた位相操作量Vを出力する。光位相調整部12のハードウェア構成は、光位相調整部10と同様である。しかしながら、光位相調整部12には円偏波の変調光32が入力されるため、光位相調整部12は、位相操作量Vに基づきX偏波成分とY偏波成分の相対位相を制御することになる。光位相調整部12が出力する円偏波の変調光33は、以下のジョーンズベクトルで表される。
【0017】
【数3】
【0018】
本実施形態による光送信機は、図3に示す光変調器を有し、円偏波の変調光33を光伝送路に出力する。
【0019】
図5は、本実施形態による光受信機が有する光復調器の構成図である。受信部20には、光送信機が送信した円偏波の変調光33が入力される。受信部20は、通常のコヒーレント光受信機と同様に、円偏波の変調光33のX偏波成分とY偏波成分それぞれを検出し、円偏波の変調光33のX偏波成分とY偏波成分を示す電気信号34及び35を出力する。電気信号34が示す複素平面上の座標をRxとし、電気信号35が示す複素平面上の座標をRyとすると、
【0020】
【数4】
である。
【0021】
復調部21は、以下の式(1)で示す演算を行って電気信号36を出力し、以下の式(2)で示す演算を行って電気信号37を出力する。
【0022】
【数5】
【0023】
式(1)から明らかな様に、電気信号36は、位相操作量Vを示し、よって、データ列Xの連続する2ビットの値に対応する。同様に、式(2)から明らかな様に、電気信号37は、位相操作量Vを示し、よって、データ列Yの連続する2ビットの値に対応する。判定部22は、電気信号36に基づきデータ列Xの連続する2ビットの値を判定し、判定部23は、電気信号36に基づきデータ列Yの連続する2ビットの値を判定する。
【0024】
以上、本実施形態の光変調器は、図1の分岐部5や合波部6を必要とせず、簡易な構成で、偏波多重された変調信号を生成することができる。また、本実施形態の光復調器は、上記光変調器が生成した偏波多重変調信号を復調することができる。なお、光位相調整部10及び光位相調整部12は、上述した構成に限定されず、光信号の位相を調整する任意の構成を光位相調整部10及び光位相調整部12として使用することができる。なお、光位相調整部12としては、X偏波成分とY偏波成分の位相を等価的に互いに逆方向に同じ値だけ変化させるものを使用する。
【0025】
<第二実施形態>
第一実施形態では、光受信機において、通常のコヒーレント検出を行った後、式(1)及び式(2)で示す演算を行うことで、光送信機が送信したデータ列Xと、データ列Yの復調・判定を行っていた。本実施形態では、式(1)及び式(2)の演算を送信側で行うことにより、光受信機においては、図5の復調部21を不要にし、受信部20が出力する電気信号34及び35に基づき、判定部22及び23が、データ列X及びデータ列Yの値を判定する。つまり、本実施形態では、従来の復調器を使用することができる。
【0026】
図6は、本実施形態による光送信機の構成図である。本実施形態において、変換部13及び変換部14には、共に、データ列X及びデータ列Yが入力される。変換部13は、位相操作量V´を、V+Vで求め、変換部14は、位相操作量V´を、V-Vで求める。なお、V及びVは第一実施形態と同様である。したがって、受信部20が出力する電気信号34が示す複素平面上の座標Rxと、電気信号35が示す複素平面上の座標Ryは以下の様になる。
【0027】
【数6】
【0028】
したがって、判定部22及び23は、受信部20が出力する電気信号34及び35に基づき、データ列X及びデータ列Yの値を判定することができる。なお、本実施形態において、変換部13は、位相操作量V´を、VとVの和で求め、変換部14は、位相操作量V´を、VとVの差で求めた。しかしながら、変換部13が、位相操作量V´を、VとVの差で求め、変換部14が、位相操作量V´を、VとVの和で求める構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0029】
10、12:光位相調整部、11:1/4波長板
図1
図2
図3
図4
図5
図6