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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】交差織りされた電極アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20220419BHJP
   H01M 10/0583 20100101ALN20220419BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/0583
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018526933
(86)(22)【出願日】2016-11-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2016078364
(87)【国際公開番号】W WO2017089320
(87)【国際公開日】2017-06-01
【審査請求日】2018-07-12
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】14/952,431
(32)【優先日】2015-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ユンルー ジュー
(72)【発明者】
【氏名】メフル ボタドゥラ
【合議体】
【審判長】山田 正文
【審判官】井上 信一
【審判官】畑中 博幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/043737(WO,A1)
【文献】特開2014-35998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/0583
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリにおいて、
正の電極と、
負の電極と
を含み、
前記正の電極は、第1の導電性材料から形成された第1の基材を含み、かつ、前記第1の基材の両面に配置された第1の活物質を有し、
前記負の電極は、第2の導電性材料から形成された第2の基材を含み、かつ、前記第2の基材の両面に配置された第2の活物質を有し、
前記正の電極及び前記負の電極のうちの一方は、第1のセパレータと第2のセパレータとの間に配置されていて、アルファ電極を形成しており、前記正の電極及び前記負の電極のうちの他方は、ベータ電極を形成しており、
前記アルファ電極及び前記ベータ電極のそれぞれにおける相互に対向する長手方向縁部同士が、周期的に切り欠かれており、相互に隣り合う切り欠き部同士の間に、前記長手方向縁部に沿ってタブが形成されており、
前記アルファ電極及び前記ベータ電極のそれぞれに関して、一方の長手方向縁部の前記切り欠き部は、対向する長手方向縁部の前記切り欠き部から、前記長手方向に沿ってオフセットされており、
前記タブは導電性であり、活物質を有さず、
前記アルファ電極は、Z折りの連続体になるように配置されており、前記Z折りの連続体において、前記アルファ電極は、前記アルファ電極の第2の部分が前記アルファ電極の第1の部分の上に重なるように、第1の折り軸線に対して平行な軸線を中心として第1の方向に折り畳まれており、かつ、前記アルファ電極の第3の部分が前記アルファ電極の前記第1の部分の上に重なるように、前記第1の折り軸線に対して平行な別の軸線を中心として第2の方向に折り畳まれており、前記第1の方向は、前記第2の方向に対向する向きであり、前記アルファ電極の前記第1の部分と、前記アルファ電極の前記第2の部分と、前記アルファ電極の前記第3の部分とは、積層軸線を規定する積層構成になるように配置されており、
前記ベータ電極は、Z折りの連続体になるように配置されており、前記Z折りの連続体において、前記ベータ電極は、前記ベータ電極の第2の部分が前記ベータ電極の第1の部分の上に重なるように、第2の折り軸線に対して平行な軸線を中心として第3の方向に折り畳まれており、かつ、前記ベータ電極の第3の部分が前記ベータ電極の前記第1の部分の上に重なるように、前記第2の折り軸線に対して平行な別の軸線を中心として第4の方向に折り畳まれており、前記第3の方向は、前記第4の方向に対向する向きであり、前記第2の折り軸線は、前記第1の折り軸線及び前記積層軸線に対して垂直であり、
前記アルファ電極の前記Z折りは、前記ベータ電極の前記Z折りと一緒に織り合わされており、これによって、前記ベータ電極の前記第1の部分、前記第2の部分、及び、前記第3の部分は、前記アルファ電極の前記第1の部分、前記第2の部分、及び、前記第3の部分とそれぞれ交互に配置されるように、前記積層軸線に沿って積層されており、
前記アルファ電極及び前記ベータ電極の前記タブは、前記積層構成の対応する側面の上に重なるように、前記積層構成の前記側面へとそれぞれ折り曲げられており、前記積層構成の各側面の上の折り曲げられた前記タブ同士は、相互に重なっており、前記積層軸線の方向に沿って相互に隣り合う前記タブ同士は、前記積層軸線の方向に沿ってオフセットされており、前記積層構成の各側面の上の折り曲げられた前記タブは、ルーバー状の積層構成を形成する、
電極アセンブリ。
【請求項2】
前記アルファ電極及び前記ベータ電極は、それぞれ幅よりも小さい厚さを有する伸長した形状を有し、伸長した方向に対応する長手方向寸法と、前記長手方向寸法に対して垂直な方向における、前記長手方向寸法よりも小さい幅寸法と、前記長手方向寸法及び前記幅寸法の両方に対して垂直な方向における厚さ寸法とを有し、前記厚さ寸法は、前記幅寸法よりも小さく、前記第1の折り軸線は、前記アルファ電極の前記長手方向寸法に対して垂直であり、前記第2の折り軸線は、前記ベータ電極の前記長手方向寸法に対して垂直である、
請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の導電性材料は、前記第2の導電性材料とは異なっており、
前記第1の活物質は、前記第2の活物質とは異なっている、
請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記第1の活物質は、前記正の電極の長手方向縁部と当該第1の活物質との間にスペースが存在するように前記第1の基材の全長に沿って設けられており、これにより、前記正の電極のそれぞれの長手方向縁部に沿って、剥き出しの基材の正の空いたレーンが設けられており、
前記第2の活物質は、前記負の電極の長手方向縁部と当該第2の活物質との間にスペースが存在するように前記第2の基材の全長に沿って設けられており、これにより、前記負の電極のそれぞれの長手方向縁部に沿って、剥き出しの基材の負の空いたレーンが設けられている、
請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記正の空いたレーンは、周期的に切り欠かれており、これによって、相互に隣り合う切り欠き部同士の間に、前記正の電極の前記長手方向縁部に沿って正のタブが形成されており、
前記負の空いたレーンは、周期的に切り欠かれており、これによって、相互に隣り合う切り欠き部同士の間に、前記負の電極の前記長手方向縁部に沿って負のタブが形成されている、
請求項4に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記アルファ電極の前記タブは、前記第1のセパレータ及び前記第2のセパレータを越えて突出している、
請求項5に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記正の電極の一方の長手方向縁部の前記正のタブは、前記正の電極の対向する長手方向縁部の前記正のタブから、前記長手方向に沿ってオフセットされており、
前記負の電極の一方の長手方向縁部の前記負のタブは、前記負の電極の対向する長手方向縁部の前記負のタブから、前記長手方向に沿ってオフセットされている、
請求項5に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記アルファ電極の前記タブは、前記第1のセパレータ及び前記第2のセパレータを越えて突出している、
請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記正の電極及び前記負の電極のうちの前記他方は、セパレータを有さない、
請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
電極アセンブリにおいて、
正の電極と、
負の電極と
を含み、
前記正の電極は、第1の導電性材料から形成された第1の基材を含み、かつ、前記第1の基材の両面に配置された第1の活物質を有し、
前記負の電極は、第2の導電性材料から形成された第2の基材を含み、かつ、前記第2の基材の両面に配置された第2の活物質を有し、
前記正の電極及び前記負の電極のうちの一方は、第1のセパレータと第2のセパレータとの間に配置されていて、絶縁された電極を形成しており、
前記第1の基材及び前記第2の基材のそれぞれにおける相互に対向する長手方向縁部同士が、周期的に切り欠かれており、相互に隣り合う切り欠き部同士の間に、前記長手方向縁部に沿ってタブが形成されており、
前記正の電極及び前記負の電極のそれぞれに関して、一方の長手方向縁部の前記切り欠き部は、対向する長手方向縁部の前記切り欠き部から、前記長手方向に沿ってオフセットされており、
前記タブは導電性であり、活物質を有さず、
前記絶縁された電極は、第1の軸線に対して平行な複数の第1の折り目線を中心にしてZ折りになるように配置されており、
前記正の電極及び前記負の電極のうちの他方は、第2の軸線に対して平行な複数の第2の折り目線を中心にしてZ折りになるように配置されており、前記第2の軸線は、前記第1の軸線に対して垂直であり、
前記絶縁された電極は、前記正の電極及び前記負の電極のうちの前記他方と一緒に交差織りされており、これによって、前記絶縁された電極の、相互に隣り合う第1の折り目線同士の間にある部分が、前記正の電極及び前記負の電極のうちの前記他方の、相互に隣り合う第2の折り目線同士の間にある部分と交互に積層され、これによって、前記第1の軸線及び前記第2の軸線の両方に対して垂直な第3の軸線に沿って積層された前記部分からなる1つのアセンブリが形成されており、
前記正の電極及び前記負の電極の前記タブは、前記アセンブリの対応する側面の上に重なるように、前記アセンブリの前記側面へとそれぞれ折り曲げられており、前記アセンブリの各側面の上の折り曲げられた前記タブ同士は、相互に重なっており、前記第3の軸線の方向に沿って相互に隣り合う前記タブ同士は、前記第3の軸線の方向に沿ってオフセットされており、前記アセンブリの各側面の上の折り曲げられた前記タブは、ルーバー状の積層構成を形成する、
電極アセンブリ。
【請求項11】
電気化学セルにおいて、
セルハウジングと、
前記セルハウジング内に配置された電極アセンブリと
を含み、前記電極アセンブリは、
正の電極と、
負の電極と
を含み、
前記正の電極は、第1の導電性材料から形成された第1の基材を含み、かつ、前記第1の基材の両面に配置された第1の活物質を有し、
前記負の電極は、第2の導電性材料から形成された第2の基材を含み、かつ、前記第2の基材の両面に配置された第2の活物質を有し、
前記正の電極及び前記負の電極のうちの一方は、第1のセパレータと第2のセパレータとの間に配置されていて、アルファ電極を形成しており、前記正の電極及び前記負の電極のうちの他方は、ベータ電極を形成しており、
前記アルファ電極及び前記ベータ電極のそれぞれにおける相互に対向する長手方向縁部同士が、周期的に切り欠かれており、相互に隣り合う切り欠き部同士の間に、前記長手方向縁部に沿ってタブが形成されており、
前記アルファ電極及び前記ベータ電極のそれぞれに関して、一方の長手方向縁部の前記切り欠き部は、対向する長手方向縁部の前記切り欠き部から、前記長手方向に沿ってオフセットされており、
前記タブは導電性であり、活物質を有さず、
前記アルファ電極は、Z折りの連続体になるように配置されており、前記Z折りの連続体において、前記アルファ電極は、前記アルファ電極の第2の部分が前記アルファ電極の第1の部分の上に重なるように、第1の折り軸線に対して平行な軸線を中心として第1の方向に折り畳まれており、かつ、前記アルファ電極の第3の部分が前記アルファ電極の前記第1の部分の上に重なるように、前記第1の折り軸線に対して平行な別の軸線を中心として第2の方向に折り畳まれており、前記第1の方向は、前記第2の方向に対向する向きであり、前記アルファ電極の前記第1の部分と、前記アルファ電極の前記第2の部分と、前記アルファ電極の前記第3の部分とは、積層軸線を規定する積層構成になるように配置されており、
前記ベータ電極は、Z折りの連続体になるように配置されており、前記Z折りの連続体において、前記ベータ電極は、前記ベータ電極の第2の部分が前記ベータ電極の第1の部分の上に重なるように、第2の折り軸線に対して平行な軸線を中心として第3の方向に折り畳まれており、かつ、前記ベータ電極の第3の部分が前記ベータ電極の前記第1の部分の上に重なるように、前記第2の折り軸線に対して平行な別の軸線を中心として第4の方向に折り畳まれており、前記第3の方向は、前記第4の方向に対向する向きであり、前記第2の折り軸線は、前記第1の折り軸線及び前記積層軸線に対して垂直であり、
前記アルファ電極の前記Z折りは、前記ベータ電極の前記Z折りと一緒に織り合わされており、これによって、前記ベータ電極の前記第1の部分、前記第2の部分、及び、前記第3の部分は、前記アルファ電極の前記第1の部分、前記第2の部分、及び、前記第3の部分とそれぞれ交互に配置されるように、前記積層軸線に沿って積層されており、
前記アルファ電極及び前記ベータ電極の前記タブは、前記積層構成の対応する側面の上に重なるように、前記積層構成の前記側面へとそれぞれ折り曲げられており、前記積層構成の各側面の上の折り曲げられた前記タブ同士は、相互に重なっており、前記積層軸線の方向に沿って相互に隣り合う前記タブ同士は、前記積層軸線の方向に沿ってオフセットされており、前記積層構成の各側面の上の折り曲げられた前記タブは、ルーバー状の積層構成を形成する、
電気化学セル。
【請求項12】
正の電極及び負の電極を含む電極アセンブリを形成する方法において、
前記正の電極は、第1の導電性材料から形成された第1の基材を含み、かつ、前記第1の基材の両面に配置された第1の活物質を有し、
前記負の電極は、第2の導電性材料から形成された第2の基材を含み、かつ、前記第2の基材の両面に配置された第2の活物質を有し、
前記方法は、
前記正の電極及び前記負の電極のうちの一方を第1のセパレータと第2のセパレータとの間に配置して、アルファ電極を形成し、前記正の電極及び前記負の電極のうちの他方をベータ電極を形成するために使用するステップと、
前記アルファ電極を第1のZ折りの連続体になるように配置するステップと、
前記アルファ電極を前記第1のZ折りの連続体になるように配置している間に、前記ベータ電極も、第2のZ折りの連続体になるように配置するステップであって、前記第2のZ折りの連続体を前記第1のZ折りの連続体と一緒に織り合わせて、前記ベータ電極の所定の部分が、前記アルファ電極の所定の部分とそれぞれ交互に配置されるように、積層軸線に沿って積層されている電極スタックを供給する、ステップと
を含み、
前記アルファ電極及び前記ベータ電極のそれぞれにおける相互に対向する長手方向縁部同士が、周期的に切り欠かれており、相互に隣り合う切り欠き部同士の間に、前記長手方向縁部に沿ってタブが形成されており、
前記アルファ電極及び前記ベータ電極のそれぞれに関して、一方の長手方向縁部の前記切り欠き部は、対向する長手方向縁部の前記切り欠き部から、前記長手方向に沿ってオフセットされており、
前記タブは導電性であり、活物質を有さず、
前記アルファ電極及び前記ベータ電極の前記タブは、前記電極スタックの対応する側面の上に重なるように、前記電極スタックの前記側面へとそれぞれ折り曲げられており、前記電極スタックの各側面の上の折り曲げられた前記タブ同士は、相互に重なっており、前記積層軸線の方向に沿って相互に隣り合う前記タブ同士は、前記積層軸線の方向に沿ってオフセットされており、前記電極スタックの各側面の上の折り曲げられた前記タブは、ルーバー状の積層構成を形成する、
方法。
【請求項13】
前記アルファ電極を第1のZ折りの連続体になるように配置する前記ステップは、前記第1のZ折りの連続体におけるそれぞれのZ折り処理が、前記アルファ電極の第2の部分が前記アルファ電極の第1の部分の上に重なるように、前記アルファ電極を、第1の折り軸線に対して平行な軸線を中心として第1の方向に折り畳む処理と、前記アルファ電極の第3の部分が前記アルファ電極の前記第1の部分の上に重なるように、前記アルファ電極を、前記第1の折り軸線に対して平行な別の軸線を中心として第2の方向に折り畳む処理とを含むように、前記アルファ電極を配置することを含み、前記第1の方向は、前記第2の方向に対向する向きであり、前記アルファ電極の前記第1の部分と、前記アルファ電極の前記第2の部分と、前記アルファ電極の前記第3の部分とが、積層軸線を規定する積層構成になるように配置されており、
前記ベータ電極を、第2のZ折りの連続体になるように配置する前記ステップは、前記第2のZ折りの連続体におけるそれぞれのZ折り処理が、前記ベータ電極の第2の部分が前記ベータ電極の第1の部分の上に重なるように、前記ベータ電極を、第2の折り軸線に対して平行な軸線を中心として第3の方向に折り畳む処理と、前記ベータ電極の第3の部分が前記ベータ電極の前記第1の部分の上に重なるように、前記ベータ電極を、前記第2の折り軸線に対して平行な別の軸線を中心として第4の方向に折り畳む処理とを含むように、前記ベータ電極を配置することを含み、前記第3の方向は、前記第4の方向に対向する向きであり、前記第2の折り軸線は、前記第1の折り軸線及び前記積層軸線に対して垂直である、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のZ折りの連続体を前記第1のZ折りの連続体と一緒に織り合わせることによって、前記ベータ電極の前記第1の部分、前記第2の部分、及び、前記第3の部分が、前記アルファ電極の前記第1の部分、前記第2の部分、及び、前記第3の部分とそれぞれ交互に配置されるように、前記積層軸線に沿って積層されている電極スタックを供給する、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アルファ電極及び前記ベータ電極は、それぞれ幅よりも小さい厚さを有する伸長した形状を有し、伸長した方向に対応する長手方向寸法と、前記長手方向寸法に対して垂直な方向における、前記長手方向寸法よりも小さい幅寸法と、前記長手方向寸法及び前記幅寸法の両方に対して垂直な方向における厚さ寸法とを有し、前記厚さ方向は、前記幅寸法よりも小さく、
前記アルファ電極を配置する前記ステップ、及び、前記ベータ電極を配置する前記ステップは、前記アルファ電極の前記長手方向寸法が前記ベータ電極の前記長手方向寸法に対して垂直になるように、前記アルファ電極及び前記ベータ電極を配向させることを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記アルファ電極を配置する前記ステップ、及び、前記ベータ電極を配置する前記ステップの前に、前記アルファ電極及び前記ベータ電極のそれぞれにおける第1の部分を、前記アルファ電極の長手方向縁部が前記ベータ電極の長手方向縁部に対して垂直な方向に延在するように積層する、
請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
1.発明の分野
本発明は、エネルギ蓄積器のため電極アセンブリであって、前記電極アセンブリは、Z折りされた正の電極と負の電極とが交差織りされた配置を含み、前記正の電極は、前記正の電極の長手方向軸線が前記負の電極の長手方向軸線に対して垂直になるように前記負の電極と一緒に織り合わされている、電極アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の説明
バッテリパックは、ポータブル電子機器から再生可能な電力システム及び環境に配慮した車両に及ぶ種々の技術のために電力を供給する。例えばハイブリッド電気自動車は、燃料効率を向上させるために、内燃機関と一緒にバッテリパック及び電気モータを使用する。バッテリパックは、複数の電気化学セルから形成される。複数のセルが2次元又は3次元のアレイに配置され、電気的に直列又は並列に接続される。
【0003】
非常に幅広く変化に富んだ設置状況のスペース要件に対処するために、種々異なる種類のセルが展開されており、車両に使用される最も一般的な種類は、円筒形セル、角形セル、及び、パウチセルである。セルの種類にかかわらず、それぞれのセルは、発電及び蓄電ユニットを形成するために、電解質と共にセルハウジングの内部に封止された1つの電極アセンブリを含む。電極アセンブリは、中間のセパレータプレートによって隔離された正の電極要素と負の電極要素との交互の配置を含むことができ、また、個々のシートの積層配置、又は、伸長した電極対を巻回して成るゼリーロール型配置、又は、伸長した電極対をZ折りして成る積層配置に近似したものを含む種々の構成で、電極アセンブリを提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(セルの内部に配置された電極アセンブリの体積)対(セルハウジングの体積)の比によって決定されるセルのエネルギ生成体積効率は、比較的低い。例えば、ゼリーロール型の電極アセンブリを有するいくつかの円筒形セルは、80乃至90パーセントの体積効率であり、ゼリーロール型の電極アセンブリを有するいくつかの角形セルは、60乃至75パーセントの体積効率であり得る。伝統的に、個々の電極プレートの積層配置を有する角形又はパウチタイプのセルは、ゼリーロール型配置を有するものよりも体積的に効率的であり得るが、積層配置の製造は、ゼリーロール型配置の製造よりも困難であり、ミスが生じる傾向があり、従って、より高コストである。Z折りは、積層配置のいくつかの製造上の欠点に対処するが、いくつかのZ折りされた電極アセンブリは、活物質が電極の片面にしか塗布されていないので、比較的低いエネルギ生成能力を有する。従って、比較的低コストの電極アセンブリを採用しつつ、セルのエネルギ生成体積効率を増加させることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
いくつかの態様においては、電極アセンブリは、正の電極と、負の電極とを含み、前記負の電極は、前記正の電極と一緒に交差織りされている。前記正の電極及び前記負の電極のうちの一方は、第1のセパレータと第2のセパレータとの間に配置されていて、アルファ電極を形成しており、前記正の電極及び前記負の電極のうちの他方は、ベータ電極を形成している。前記アルファ電極は、Z折りの連続体になるように配置されており、前記Z折りの連続体において、前記アルファ電極は、前記アルファ電極の第2の部分が前記アルファ電極の第1の部分の上に重なるように、第1の折り軸線に対して平行な軸線を中心として第1の方向に折り畳まれており、かつ、前記アルファ電極の第3の部分が前記アルファ電極の前記第1の部分の上に重なるように、前記第1の折り軸線に対して平行な別の軸線を中心として第2の方向に折り畳まれている。前記第1の方向は、前記第2の方向に対向する向きであり、前記アルファ電極の前記第1の部分と、前記アルファ電極の前記第2の部分と、前記アルファ電極の前記第3の部分とは、積層軸線を規定する積層構成になるように配置されている。さらに、前記ベータ電極は、Z折りの連続体になるように配置されており、前記Z折りの連続体において、前記ベータ電極は、前記ベータ電極の第2の部分が前記ベータ電極の第1の部分の上に重なるように、第2の折り軸線に対して平行な軸線を中心として第3の方向に折り畳まれており、かつ、前記ベータ電極の第3の部分が前記ベータ電極の前記第1の部分の上に重なるように、前記第2の折り軸線に対して平行な別の軸線を中心として第4の方向に折り畳まれている。前記第3の方向は、前記第4の方向に対向する向きであり、前記第2の折り軸線は、前記第1の折り軸線及び前記積層軸線に対して垂直である。前記アルファ電極の前記Z折りは、前記ベータ電極の前記Z折りと一緒に織り合わされており、これによって、前記ベータ電極の前記第1の部分、前記第2の部分、及び、前記第3の部分は、前記アルファ電極の前記第1の部分、前記第2の部分、及び、前記第3の部分とそれぞれ交互に配置されるように、前記積層軸線に沿って積層されている。
【0006】
前記電極アセンブリは、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。前記アルファ電極及び前記ベータ電極は、それぞれ薄く伸長した形状を有し、伸長した方向に対応する長手方向寸法と、前記長手方向寸法に対して垂直な方向における、前記長手方向寸法よりも小さい幅寸法と、前記長手方向寸法及び前記幅寸法の両方に対して垂直な方向における厚さ寸法とを有する。前記厚さ寸法は、前記幅寸法よりも小さく、前記第1の折り軸線は、前記アルファ電極の前記長手方向寸法に対して垂直であり、前記第2の折り軸線は、前記ベータ電極の前記長手方向寸法に対して垂直である。前記正の電極は、第1の導電性材料から形成された第1の基材を含み、かつ、前記第1の基材の両面に配置された第1の活物質を有し、前記負の電極は、第2の導電性材料から形成された第2の基材を含み、かつ、前記第2の基材の両面に配置された第2の活物質を有する。前記第1の導電性材料は、前記第2の導電性材料とは異なっており、前記第1の活物質は、前記第2の活物質とは異なっている。前記第1の活物質は、前記正の電極の長手方向縁部と当該第1の活物質との間にスペースが存在するように前記第1の基材の全長に沿って設けられており、これにより、前記正の電極のそれぞれの長手方向縁部に沿って、剥き出しの基材の正の空いたレーン(clear lane)が設けられており、前記第2の活物質は、前記負の電極の長手方向縁部と当該第2の活物質との間にスペースが存在するように前記第2の基材の全長に沿って設けられており、これにより、前記負の電極のそれぞれの長手方向縁部に沿って、剥き出しの基材の負の空いたレーンが設けられている。前記正の空いたレーンは、周期的に切り欠かれており、これによって、相互に隣り合う切り欠き部同士の間に、前記正の電極の前記長手方向縁部に沿って正のタブが形成されており、前記負の空いたレーンは、周期的に切り欠かれており、これによって、相互に隣り合う切り欠き部同士の間に、前記負の電極の前記長手方向縁部に沿って負のタブが形成されている。前記アルファ電極の前記タブは、前記第1のセパレータ及び前記第2のセパレータを越えて突出している。前記正の電極の一方の長手方向縁部の前記正のタブは、前記正の電極の対向する長手方向縁部の前記正のタブから、前記長手方向に沿ってオフセットされており、前記負の電極の一方の長手方向縁部の前記負のタブは、前記負の電極の対向する長手方向縁部の前記負のタブから、前記長手方向に沿ってオフセットされている。
【0007】
前記電極アセンブリは、以下の追加的な特徴のうちの1つ又は複数を含むこともできる。前記アルファ電極及び前記ベータ電極のそれぞれにおける一方の長手方向縁部が、周期的に切り欠かれており、相互に隣り合う切り欠き部同士の間に、前記長手方向縁部に沿ってタブが形成されている。前記タブは導電性であり、活物質を有さない。前記アルファ電極及び前記ベータ電極のそれぞれにおける相互に対向する長手方向縁部同士が、周期的に切り欠かれており、相互に隣り合う切り欠き部同士の間に、前記長手方向縁部に沿ってタブが形成されており、前記アルファ電極及び前記ベータ電極のそれぞれに関して、一方の長手方向縁部の前記切り欠き部は、対向する長手方向縁部の前記切り欠き部から、前記長手方向に沿ってオフセットされている。前記タブは導電性であり、活物質を有さない。前記アルファ電極の前記タブは、前記第1のセパレータ及び前記第2のセパレータを越えて突出している。前記正の電極及び前記負の電極のうちの前記他方は、セパレータを有さない。
【0008】
いくつかの態様においては、電極アセンブリは、正の電極と、負の電極とを含む。前記正の電極及び前記負の電極のうちの一方は、第1のセパレータと第2のセパレータとの間に配置されていて、絶縁された電極を形成している。前記絶縁された電極は、第1の軸線に対して平行な複数の第1の折り目線を中心にしてZ折りになるように配置されており、前記正の電極及び前記負の電極のうちの他方は、第2の軸線に対して平行な複数の第2の折り目線を中心にしてZ折りになるように配置されており、前記第2の軸線は、前記第1の軸線に対して垂直である。前記絶縁された電極は、前記正の電極及び前記負の電極のうちの前記他方と一緒に交差織りされており、これによって、前記絶縁された電極の、相互に隣り合う第1の折り目線同士の間にある部分が、前記正の電極及び前記負の電極のうちの前記他方の、相互に隣り合う第2の折り目線同士の間にある部分と交互に積層され、これによって、前記第1の軸線及び前記第2の軸線の両方に対して垂直な第3の軸線に沿って積層された前記部分からなる1つのアセンブリが形成されている。
【0009】
いくつかの態様においては、電気化学セルは、セルハウジングと、前記セルハウジング内に配置された電極アセンブリとを含む。前記電極アセンブリは、正の電極と、負の電極とを含む。前記正の電極及び前記負の電極のうちの一方は、第1のセパレータと第2のセパレータとの間に配置されていて、アルファ電極を形成しており、前記正の電極及び前記負の電極のうちの他方は、ベータ電極を形成している。前記アルファ電極は、Z折りの連続体になるように配置されており、前記Z折りの連続体において、前記アルファ電極は、前記アルファ電極の第2の部分が前記アルファ電極の第1の部分の上に重なるように、第1の折り軸線に対して平行な軸線を中心として第1の方向に折り畳まれており、かつ、前記アルファ電極の第3の部分が前記アルファ電極の前記第1の部分の上に重なるように、前記第1の折り軸線に対して平行な別の軸線を中心として第2の方向に折り畳まれている。前記第1の方向は、前記第2の方向に対向する向きであり、前記アルファ電極の前記第1の部分と、前記アルファ電極の前記第2の部分と、前記アルファ電極の前記第3の部分とは、積層軸線を規定する積層構成になるように配置されている。さらに、前記ベータ電極は、Z折りの連続体になるように配置されており、前記Z折りの連続体において、前記ベータ電極は、前記ベータ電極の第2の部分が前記ベータ電極の第1の部分の上に重なるように、第2の折り軸線に対して平行な軸線を中心として第3の方向に折り畳まれており、かつ、前記ベータ電極の第3の部分が前記ベータ電極の前記第1の部分の上に重なるように、前記第2の折り軸線に対して平行な別の軸線を中心として第4の方向に折り畳まれている。前記第3の方向は、前記第4の方向に対向する向きであり、前記第2の折り軸線は、前記第1の折り軸線及び前記積層軸線に対して垂直である。前記アルファ電極の前記Z折りは、前記ベータ電極の前記Z折りと一緒に織り合わされており、これによって、前記ベータ電極の前記第1の部分、前記第2の部分、及び、前記第3の部分は、前記アルファ電極の前記第1の部分、前記第2の部分、及び、前記第3の部分とそれぞれ交互に配置されるように、前記積層軸線に沿って積層されている。
【0010】
いくつかの態様においては、正の電極及び負の電極を含む電極アセンブリを形成する方法が提供される。前記方法は、前記正の電極及び前記負の電極のうちの一方を第1のセパレータと第2のセパレータとの間に配置して、アルファ電極を形成し、前記正の電極及び前記負の電極のうちの他方を、ベータ電極を形成するために使用するステップを含む。前記方法は、前記アルファ電極を第1のZ折りの連続体になるように配置するステップと、前記アルファ電極を前記第1のZ折りの連続体になるように配置している間に、前記ベータ電極も、第2のZ折りの連続体になるように配置するステップであって、前記第2のZ折りの連続体を前記第1のZ折りの連続体と一緒に織り合わせて、前記ベータ電極の所定の部分が、前記アルファ電極の所定の部分とそれぞれ交互に配置されるように、積層軸線に沿って積層されている電極スタックを供給する、ステップとを含む。
【0011】
前記方法は、以下の特徴及び/又は方法ステップのうちの1つ又は複数を含むことができる。前記アルファ電極を第1のZ折りの連続体になるように配置する前記ステップは、前記第1のZ折りの連続体におけるそれぞれのZ折り処理が、前記アルファ電極の第2の部分が前記アルファ電極の第1の部分の上に重なるように、前記アルファ電極を、第1の折り軸線に対して平行な軸線を中心として第1の方向に折り畳む処理と、前記アルファ電極の第3の部分が前記アルファ電極の前記第1の部分の上に重なるように、前記アルファ電極を、前記第1の折り軸線に対して平行な別の軸線を中心として第2の方向に折り畳む処理とを含むように、前記アルファ電極を配置することを含む。前記1の方向は、前記第2の方向に対向する向きであり、前記アルファ電極の前記第1の部分と、前記アルファ電極の前記第2の部分と、前記アルファ電極の前記第3の部分とが、前記積層軸線を規定する積層構成になるように配置されている。前記ベータ電極を、第2のZ折りの連続体になるように配置する前記ステップは、前記第2のZ折りの連続体におけるそれぞれのZ折り処理が、前記ベータ電極の第2の部分が前記ベータ電極の第1の部分の上に重なるように、前記ベータ電極を、第2の折り軸線に対して平行な軸線を中心として第3の方向に折り畳む処理と、前記ベータ電極の第3の部分が前記ベータ電極の前記第1の部分の上に重なるように、前記ベータ電極を、前記第2の折り軸線に対して平行な別の軸線を中心として第4の方向に折り畳む処理とを含むように、前記ベータ電極を配置することを含む。前記第3の方向は、前記第4の方向に対向する向きであり、前記第2の折り軸線は、第1の折り軸線及び前記積層軸線に対して垂直である。前記第2のZ折りの連続体を前記第1のZ折りの連続体と一緒に織り合わせることによって、前記ベータ電極の前記第1の部分、前記第2の部分、及び、前記第3の部分が、前記アルファ電極の前記第1の部分、前記第2の部分、及び、前記第3の部分とそれぞれ交互に配置されるように、前記積層軸線に沿って積層されている電極スタックを供給する。前記アルファ電極及び前記ベータ電極は、それぞれ薄く伸長した形状を有し、伸長した方向に対応する長手方向寸法と、前記長手方向寸法に対して垂直な方向における、前記長手方向寸法よりも小さい幅寸法と、前記長手方向寸法及び前記幅寸法の両方に対して垂直な方向における厚さ寸法とを有し、前記厚さ寸法は、前記幅寸法よりも小さい。前記アルファ電極を配置する前記ステップ、及び、前記ベータ電極を配置する前記ステップは、前記アルファ電極の前記長手方向寸法が前記ベータ電極の前記長手方向寸法に対して垂直になるように、前記アルファ電極及び前記ベータ電極を配向させることを含む。前記アルファ電極を配置する前記ステップ、及び、前記ベータ電極を配置する前記ステップの前に、前記アルファ電極及び前記ベータ電極のそれぞれにおける第1の部分を、前記アルファ電極の長手方向縁部が前記ベータ電極の長手方向縁部に対して垂直な方向に延在するように積層する。
【0012】
有利には、交差織りされたZ折りの構成を有する電極アセンブリを含むセルは、積層されたプレートの電極構成と同様の体積効率を提供するので有利であり、その一方で、交差織りされたZ折りの電極構成を形成するための本方法は連続的なプロセスであるので、積層されたプレートの構成に比べて製造上の利点を有する。特に、交差織りされたZ折りの電極構成を形成するための製造プロセスは、積層されたプレートの電極構成を形成するための製造プロセスよりも高速であり低コストである。
【0013】
交差織りされたZ折りの電極構成を形成するために使用される正の電極及び負の電極はそれぞれ、活物質が両面に堆積された1つの基材を含む。これは、活物質が片面のみに堆積された基材を有するZ折りの電極構成を形成するために使用される複数の電極に匹敵し得る。従って、交差織りされたZ折りの電極アセンブリは、そのような片面のZ折りされた電極アセンブリの2倍の性能を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】パウチセルのアレイを含むバッテリパックの分解斜視図である。
図2】パウチセルの斜視図である。
図3図2の切断線3-3に沿って見たときの、図2のパウチセルの概略断面図である。
図4】電極アセンブリの斜視図である。
図5】正の(ベータ)電極の斜視図である。
図6】線6-6に沿って見たときの、図5の電極の断面図である。
図7】負の電極の斜視図である。
図8】線8-8に沿って見たときの、図7の電極の断面図である。
図9】一対のセパレータの間に配置された負の電極を示す、扇形に広げられた構成におけるアルファ電極の斜視図である。
図10】一対のセパレータの間に配置された負の電極を含む、積層構成におけるアルファ電極の斜視図である。
図11】線11-11に沿って見たときの、図10の電極の断面図である。
図12】分かりやすくするためにセパレータが省略されている、電極アセンブリの概略斜視図である。
図13】セパレータを含む電極アセンブリの角部の拡大斜視図である。
図14図15の凡例として使用するための電極アセンブリの斜視図である。
図15】領域Aによって識別される図14の電極アセンブリの一部の斜視図である。
図16】電極アセンブリを形成する方法を説明するフローチャートである。
図17】電極アセンブリを形成するための電極同士の織り合わせ及びZ折りを説明する図である。
図18】電極アセンブリを形成するための電極同士の織り合わせ及びZ折りを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
図1乃至図4を参照すると、電力を供給するために使用されるバッテリパック1は、電気化学セル20のアレイを含み、これらの電気化学セル20は、電気的に相互接続されており、バッテリパックハウジング2の内部に格納されている。バッテリパックハウジング2は、容器部分3と着脱可能な蓋4とを含む。セル20は、電極アセンブリ40(図3)を含むリチウムイオンパウチセルであり、この電極アセンブリ40は、電解質(例えば、有機溶媒中のリチウム塩)と共にセルハウジング22の内部に封止されており、発電及び蓄電ユニットを形成している。いくつかの実施形態においては、セル20のグループを一緒に束ねてバッテリモジュール(図示せず)を形成することができ、このバッテリモジュール自体がバッテリパックハウジング2の内部に格納される。しかしながら、図示の実施形態においては、これらのセル20は、モジュールに束ねられておらず、その代わりに、バッテリパックハウジング端子5,6に直接的に電気的に接続されている。バッテリパックハウジング2の内部においては、複数のセル20が電気的に直列又は並列に接続されている。
【0016】
それぞれのセル20は、金属製のラミネートフィルムから形成されたパウチタイプのセルハウジング22を含む。セルハウジング21は、長胴形の形状を有する。図示の実施形態においては、セルハウジング21は、立方体の形状であり、6つの直交する面を含み、これら6つの直交する面が一緒になって、電極アセンブリ40によって占有される密封された内部空間を画定している。セル20内に配置された電極アセンブリ40は、電極対41を含み、この電極対41は、以下に詳細に説明されるように電極スタック42を形成するような方法で交差織りされており、かつ、一緒に折り畳まれている。
【0017】
電極対41は、正の電極44と、負の電極46と、第1のセパレータ47と、第2のセパレータ48とを含む。電極44,46及びセパレータ47,48は、材料の伸長したストリップである。本明細書で使用される「ストリップ」という用語は、厚さに対して大きい(例えば100の桁数倍大きい)幅と、幅に対して大きい(例えば1000の桁数倍大きい)長さとを含む幾何形状を表している。例えば、いくつかの用途においては、電極44,46は、0.04mm乃至0.10mmの厚さと、20mm乃至35mmの幅と、20m以上の長さとを有し得る。電極44,46は、(例えば数十mm又は数百mmの桁数の厚さを有する)セル全体の厚さに比べて非常に薄いので、電極44,46は、図3に概略的に図示されている。
【0018】
図5及び図6を参照すると、正の電極44及び負の電極46はそれぞれ、リチウムイオンの挿入及び/又は移動を容易にするための層状構造を有することができる。例えば、図示の実施形態においては、正の電極44は、銅のような第1の導電性材料から形成された第1の基材50を含む。さらに、正の電極44は、第1の基材50の両面に配置されたグラファイトのような第1の活物質53を含む。第1の活物質53は、例えば印刷工程において第1の基材50の全長に沿って設けられている。第1の活物質53は、正の電極44の長手方向縁部51,52と第1の活物質53との間にスペースが存在するように塗布されており、これにより、正の電極44のそれぞれの長手方向縁部51,52に沿って、剥き出しの基材の正の空いたレーン(clear lane)が設けられている。この正の空いたレーンは、周期的に切り欠かれ(例えば切り取られ)ており、これによって、相互に隣り合う切り欠き部同士の間に、正の電極44の長手方向縁部51,52に沿って正のタブ55が形成されている。正のタブ55は導電性であり、活物質を有さない。さらに、一方の長手方向縁部51の正のタブ55aは、対向する長手方向縁部52の正のタブ55bから、長手方向に沿ってオフセットされている。
【0019】
図7及び図8を参照すると、負の電極46は、アルミニウムのような第2の導電性材料から形成された第2の基材70を含む。さらに、負の電極46は、第2の基材70の両面に配置されたリチウム化金属酸化物コーティングのような第2の活物質73を含む。第2の活物質73は、例えば印刷工程において第2の基材70の全長に沿って設けられている。第2の活物質73は、負の電極46の長手方向縁部71,72と第2の活物質73との間にスペースが存在するように塗布されており、これにより、負の電極46のそれぞれの長手方向縁部71,72に沿って、剥き出しの基材の負の空いたレーンが設けられている。この負の空いたレーンは、周期的に切り欠かれており、これによって、相互に隣り合う切り欠き部同士の間に、負の電極46の長手方向縁部71,72に沿って負のタブ75が形成されている。負のタブ75は導電性であり、活物質73を有さない。一方の長手方向縁部71の負のタブ75aは、対向する長手方向縁部72の負のタブ75bから、長手方向に沿ってオフセットされている。
【0020】
図9乃至図11を参照すると、第1及び第2のセパレータ47,48は、それぞれ透過性の膜であり、これらの透過性の膜は、電気的な短絡を防止するために正の電極44と負の電極46とを隔離するように機能し、その一方で、電解質内に設けられたイオン電荷担体の通過も可能にし、また、セル20の内部に電流が流れている間に回路を閉成するために必要とされる。第1及び第2のセパレータ47,48は、3層のポリプロピレン-ポリエチレン-ポリプロピレン膜のような電気絶縁性材料から形成されている。
【0021】
正の電極44及び負の電極46のうちの一方が、第1のセパレータ47と第2のセパレータ48の間に配置されており、この際、セパレータ47と48との間に電極が挟まれる層状構成で配置されており、この層状構成においては、電極が、以下ではアルファ電極80と称されるサブアセンブリを形成している。図示の実施形態においては、第1のセパレータ47と第2のセパレータ48との間に負の電極46が配置されており、第1のセパレータ47及び第2のセパレータ48と共にアルファ電極80を構成している。正の電極44及び負の電極46のうちの他方は、セパレータ間に配置されず(例えばセパレータを有さず)、以下ではベータ電極60と称される。図示の実施形態においては、正の電極44がベータ電極60を構成している。
【0022】
正の電極44及び負の電極46と同様に、アルファ電極80及びベータ電極60も、それぞれ薄く伸長した形状を有し、伸長した方向に対応する長手方向寸法と、長手方向寸法に対して垂直な方向における、長手方向寸法よりも小さい幅寸法と、長手方向寸法及び幅寸法の両方に対して垂直な方向における厚さ寸法とを有し、厚さ寸法は、幅寸法よりも小さい。アルファ電極80においては、負の電極46のタブ75が、幅方向において第1のセパレータ47及び第2のセパレータ48を越えて突出している。
【0023】
再び図4を参照すると、アルファ電極80及びベータ電極60は、それぞれZ折りされ、このZ折りプロセスの間に一緒に交差織りされ、これによって、電極スタック42を形成している。電極スタック42の内部においては、アルファ電極のほぼ平坦な部分は、層状構成においてベータ電極60のほぼ平坦な部分とそれぞれ交互に配置されており、電極スタック42の積層軸線43は、積層方向に対して平行であって、かつ、平坦な部分に対して垂直な方向に、電極スタック42の中心を通って延在している。これから、電極アセンブリ40の交差織り及び折り畳みの構成の詳細を説明する。
【0024】
図12及び図13を参照すると、アルファ電極80は、連続したZ折りの連続体になるように配置されている。それぞれの個々のZ折りにおいて、アルファ電極80は、アルファ電極80の第2の部分80bが、アルファ電極80の第1の部分80aの上に重なるように、第1の折り軸線91に対して平行な軸線92を中心として第1の方向A1に折り畳まれる。アルファ電極80は、アルファ電極80の第3の部分80cが、アルファ電極80の第1の部分80aの上に重なるように、第1の折り軸線91に対して平行な別の軸線93を中心として第2の方向A2にも折り畳まれる。アルファ電極80のZ折りにおいて、第1の方向A1は、第2の方向A2に対向する向きであり、アルファ電極80の第1の部分80a、第2の部分80b、及び第3の部分80cは、積層軸線43に沿った積層構成になるように配置される。第1の折り軸線91は、負の電極46の長手方向縁部71,72に対して垂直であり、負の電極46の幅方向に延在している。さらに、アルファ電極において結果的に生じる、軸線92,93を中心とした折り目F1,F2は、相互に隣り合う一対の対向するタブ75a,75bの間の位置に形成されている。
【0025】
アルファ電極80と同様に、ベータ電極60も、連続したZ折りの連続体になるように配置されている。それぞれのZ折りにおいて、ベータ電極60は、ベータ電極60の第2の部分60bが、ベータ電極60の第1の部分60aの上に重なるように、第2の折り軸線94に対して平行な軸線95を中心として第3の方向A3に折り畳まれる。ベータ電極60は、ベータ電極60の第3の部分60cが、ベータ電極60の第1の部分60aの上に重なるように、第2の折り軸線94に対して平行な別の軸線96を中心として第4の方向A4にも折り畳まれる。ベータ電極60のZ折りにおいて、第3の方向A3は、第4の方向A4に対向する向きであり、第2の折り軸線94は、第1の折り軸線91及び積層軸線43の両方に対して垂直である。第2の折り軸線94は、正の電極44の長手方向縁部51,52に対して垂直であり、正の電極44の幅方向に延在している。さらに、ベータ電極60において結果的に生じる、軸線95,96を中心とした折り目F3,F4は、相互に隣り合う一対の対向するタブ55a,55bの間の位置に形成されている。
【0026】
Z折りを実施する前に、アルファ電極80及びベータ電極60は、ベータ電極60の長手方向縁部51,52がアルファ電極80の長手方向縁部71,72に対して垂直になるように配置され、そして、それぞれの電極80,60の第1の部分80aと60aとが積層される。このように配置されたアルファ電極80及びベータ電極60は、交差方向に同時にZ折りされ、これにより、アルファ電極80のZ折りが、ベータ電極60のZ折りと一緒に織り合わされると共に、これにより、ベータ電極60の第1の部分60a、第2の部分60b、及び第3の部分60cが、アルファ電極80の第1の部分80a、第2の部分80b、及び第3の部分80cとそれぞれ交互に配置されるように積層軸線43に沿って積層される。すなわち、ベータ電極60の第1の部分60aは、アルファ電極80の第1の部分80aと第2の部分80bとの間に層として挿入され、ベータ電極60の第2の部分60bは、アルファ電極80の第2の部分80bと第3の部分80cとの間に層として挿入され、ベータ電極60の第3の部分60cは、アルファ電極80の第3の部分80cの上に重なる。
【0027】
この構成においては、タブ55a,55b,75a,75bは、それぞれの折り目F1,F2,F3,F4の間に配置されている。正の電極44の一方の長手方向縁部51に対応する正のタブ55aは、他方の長手方向縁部52の正のタブ55bに対向する、電極スタック42の側面に配置されている。さらに、負の電極46の一方の長手方向縁部71の負のタブ75aは、他方の長手方向縁部72の負のタブ75bに対向する、電極スタック42の側面であって、正のタブ55a,55bに隣接する、電極スタック42の側面に配置されている。
【0028】
図14及び図15も参照すると、いくつかの実施形態においては、タブ55a,55b、75a,75bが、電極スタック42の側面の上に重なるように、電極スタック42の対応する側面へと折り曲げられている。電極スタック42の内部における電極部分の積層構成及び層状構成に起因して、電極スタック42の所与の側面の上の折り曲げられたタブ同士は、相互に重なっており、積層軸線43の方向に沿ってわずかにオフセットされており、従って、ルーバーの外観を有する。例えば、図15において見て取れるように、正のタブ55aは、折り目F1の上に重なっており、かつ、電極スタック42の1つの側面の上で相互に重なっており、負のタブ75aは、折り目F3の上に重なっており、かつ、電極スタック42の相互に隣り合う(直交する)側面に沿って相互に重なっている。折り曲げられた負のタブ75a,75bが、折り目F3の近傍においてベータ(正の)電極60と接触することを確実に防止するために、第1及び第2のセパレータ47,48も、タブ47a,48aを含むことができる。図15の視界においては、タブ47aだけが見て取れ、第2のセパレータ48に対応するタブ48aは、タブ47aの下にあるので視界から隠れている。負のタブ75aは、セパレータタブ47a,48aを越えて突出するのに十分な長さで設けられており、これにより、負のタブ75は、例えば集電体(図示せず)との電気的な接続を形成することができる。
【0029】
再び図2を参照すると、いくつかの実施形態においては、セル20がさらに正の集電体(図示せず)を含み、この正の集電体は、正の電極44の1つ又は複数の正のタブ55に電気的に接続されており、セルハウジング22の外側に配置された正の端子24に電流を流すように構成されている。これに加えて、セル20がさらに負の集電体(図示せず)を含み、この負の集電体は、負の電極46の1つ又は複数の負のタブ75に電気的に接続されており、セルハウジング22の外側に配置された負の端子26に電流を流すように構成されている。
【0030】
図16乃至図18も参照すると、交差織りされZ折りされた電極アセンブリを形成する方法は、以下の方法ステップを含む:電極対41が設けられ、この電極対41においては、正の電極44及び負の電極46のうちの一方が第1のセパレータ47と第2のセパレータ48との間に配置されており、アルファ電極を形成している。正の電極44及び負の電極46のうちの他方は、ベータ電極60として使用される(ステップ102、図16)。
【0031】
折り畳み及び交差織りを実施する前に、アルファ電極80及びベータ電極60のそれぞれの先端部分80aと60aとが、アルファ電極80の長手方向縁部71がベータ電極60の長手方向縁部51に対して垂直な方向に延在するように積層される(図17)。
【0032】
その後、アルファ電極80は、図12に関して上述したように第1のZ折りの連続体になるように配置される(ステップ104)。アルファ電極が第1のZ折りの連続体になるように配置されている間に、ベータ電極60も、図12に関して上述したように第2のZ折りの連続体になるように(例えば同時に)配置され、第1のZ折りの連続体と一緒に織り合わされて、1つの電極スタック42を供給する(ステップ106、図18)。いくつかの実施形態においては、第1のZ折りの連続体と第2のZ折りの連続体との織り合わせは、以下のようにして達成される。アルファ電極80の先端部分(第1の部分)80aが、ベータ電極60の先端部分(第1の部分)60aの下にくるように配置され、その後、アルファ電極80は、アルファ電極80の第2の部分80bがベータ電極60の先端部分60aの上に重なるように、軸線92を中心として折り畳まれる。次いで、ベータ電極60は、ベータ電極の第2の部分60bがアルファ電極80の第2の部分80bの上に重なるように、軸線95を中心として折り畳まれる。その後、アルファ電極80は、アルファ電極80の第3の部分80cがベータ電極60の第2の部分60bの上に重なるように、軸線93を中心として折り畳まれる。次いで、ベータ電極60は、ベータ電極60の第3の部分60cがアルファ電極80の第3の部分80cの上に重なるように、軸線96を中心として折り畳まれる。この手順は、積層軸線43に沿って積層された部分80a,60a,80b,60b,80c,60cを含む、アルファ電極80及びベータ電極60からなる単一の交差織りされたZ折りを提供する。交差織りされたZ折りの連続体を提供するために、この手順を連続的に繰り返すことができ、この場合、連続体におけるZ折りの数は、アセンブリを形成するために使用される正の電極44及び負の電極46の長さによって制限されている。
【0033】
本方法から結果的に得られる1つの電極アセンブリ40は、個々の電極プレートの積層配置を含む複数の電極アセンブリの体積効率に匹敵する体積効率を有する積層配置を提供するが、製造がより簡単であり、交差織りされるZ折りプロセスの連続的な性質のおかげで欠陥の傾向がより少なくなっている。
【0034】
本明細書で説明されるアルファ電極80は、一対のセパレータ47,48の間に挟まれた負の電極46を含み、ベータ電極60は、セパレータを有さない正の電極44を含むが、電極アセンブリ40は、上記の構成に限定されているわけではない。例えば、いくつかの実施形態においては、アルファ電極80は、一対のセパレータ47,48の間に挟まれた正の電極44を含み、ベータ電極60は、セパレータを有さない負の電極46を含む。他の実施形態においては、アルファ電極80は、一対のセパレータ47,48の間に挟まれた正の電極44を含み、ベータ電極60は、第2の一対のセパレータ(図示せず)の間に挟まれた負の電極46を含む。
【0035】
正の電極44及び負の電極46は、それぞれの長手方向縁部に沿って形成されたタブ55,75を有するものとして説明されてきたが、正の電極44及び負の電極46は、上記の構成に限定されているわけではない。例えば、いくつかの実施形態においては、正及び/又は負の電極60,80は、一方の長手方向縁部に沿って形成されたタブ55,75を有し、対向する長手方向縁部は、タブ55,75を有さない。この実施例においては、活物質を、タブのない長手方向縁部まで電極表面に堆積させることができ、これによって向上された生産性と、ひいては体積的に効果的なセルとが提供される。
【0036】
第1の基材50及び第1の活物質53を含む正の電極44と、第2の基材70及び第2の活物質73を含む負の電極46と、セパレータ47,48とを形成する際に使用するための例示的な材料を記載してきたが、他の材料を使用してもよいこと、また、正の電極44、負の電極46、及び/又はセパレータ47,48を形成するために使用される材料が、特定の用途の要件によって決定され得ることに留意すべきである。
【0037】
本明細書においては、セルハウジング21は、金属製のラミネートフィルムから形成されたパウチセルハウジングであるものとして説明されたが、セルハウジング21は、上記の材料又は構成に限定されているわけではない。例えば、セルハウジング21を他の材料から形成してもよく、及び/又は、角形、円筒形、又は他の構成を有するように形成してもよい。
【0038】
本明細書においては、セル20は、リチウムイオンセルであるものとして説明されたが、セル20は、この種類のセル化学に限定されているわけではない。例えば、いくつかの実施形態においては、セル20は、ニッケル-カドミウム、ニッケル-金属-水素化物、鉛-酸、又は、他の種類のセル化学であってもよい。
【0039】
バッテリセル及び電極アセンブリの選択的な例示的な実施形態は、ある程度詳細に上述されている。ただし、これらの装置を明らかにするために必要であると考えられる構造だけが本明細書に記載されていることを理解すべきである。他の従来の構造、及びバッテリシステムの付属的及び補助的な構成要素の構造は、当業者には周知であり、理解されているものと想定されている。さらに、バッテリセル及び電極アセンブリの実施例を上述してきたが、バッテリセル及び/又は電極アセンブリは、上述した実施例に限定されているわけではなく、特許請求の範囲に記載された装置から逸脱することなく、種々の設計変更を加えることができる。
図1
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