(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】分割トラックに沿った高度制御
(51)【国際特許分類】
B60L 13/03 20060101AFI20220419BHJP
B60L 13/10 20060101ALI20220419BHJP
B61B 13/08 20060101ALN20220419BHJP
B61B 13/06 20060101ALN20220419BHJP
【FI】
B60L13/03 Z
B60L13/10 A
B61B13/08 B
B61B13/06 N
(21)【出願番号】P 2018562062
(86)(22)【出願日】2017-05-24
(86)【国際出願番号】 US2017034338
(87)【国際公開番号】W WO2017205546
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-05-25
(32)【優先日】2016-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517074613
【氏名又は名称】スカイトラン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バエルチュ ローベルト
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/158543(WO,A1)
【文献】米国特許第05647477(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0158955(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0272716(US,A1)
【文献】国際公開第2016/040374(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0060520(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0077898(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0175077(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 58/4
B61B 13/08
B61B 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の軌道セグメントを含む分割軌道に沿って移動する車両の高度を制御する方法であって、
コントローラが一つ以上のセンサによって生成されたデータを受信するステップと、
コントローラが、分割軌道に対する車両の高度を決定するステップと、
コントローラが、二つ以上の支持部の間の
前記複数の軌道セグメントの
うちの少なくとも1つの軌道セグメントの長さと車両の重さに関するデータを受信するステップと、
コントローラが、
前記少なくとも1つの軌道セグメントに対する車両の速さを決定するステップと、
コントローラが、
前記少なくとも1つの軌道セグメントの長さと、車両の重さと、車両の速さとに基づいて、二つの支持部間の
前記少なくとも1つの軌道セグメントの撓みを計算するステップと、
コントローラが、
前記少なくとも1つの軌道セグメントの撓みに相当するオフセットの分、車両の高度を
前記分割軌道に対して調節し、これによって車両の高度を
撓みがないときの軌道面である移動面に対して一定に保つステップと、を有する方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの軌道セグメントの撓みが静的有限要素解析(FEA)モデルを利用して算出される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
高度から撓みを差し引くことでオフセットを算出するステップをさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
分割軌道に対する車両の高度を、分割軌道内を通過することで持ち上げる力を生成するように構成された浮上力発生装置の角度を変更することで調整する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
分割軌道に対する車両の高度を、車両の速度を変更して生成される浮上力を変更することで、調整する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
浮上力発生装置が生成する浮上力は、車両の速度増加により増加し、車両の速度減少により減少する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
車両が一つ以上の高度センサを有する浮上力発生装置を有し、前記浮上力発生装置が分割軌道内で支持されている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
一つ以上の高度センサが分割軌道と相互作用可能な超音波センサである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
一つ以上の高度センサが分割軌道と相互作用可能なレーザーセンサである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
受信したデータが
、前記複数の軌道セグメントのうちの二つ以上の軌道セグメントの距離を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
支持部間の距離に関するデータが、各支持部に配置されたRFIDタグのスキャンデータをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
二つ以上のポール間の距離に関するデータが、各ポールに配置されたバーコードのスキャンデータをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
二つ以上のポール間の距離に関するデータが、GPSから位置を取得して、データベースから距離を見つけ出すことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
複数の軌道セグメントを含む分割軌道に沿って移動する車両の高度を制御する方法であって、
コントローラが一つ以上のセンサによって生成されたデータを受信するステップと、
コントローラが、分割軌道に対する車両の高度を決定するステップと、
コントローラが、二つ以上の支持部の間の
前記複数の軌道セグメントの
うちの少なくとも1つの軌道セグメントの長さと車両の重さに関するデータを受信するステップと、
コントローラが、
前記少なくとも1つの軌道セグメントに対する車両の速さを決定するステップと、
コントローラが、
前記少なくとも1つの軌道セグメントの長さと、車両の重さと、車両の速さとに基づいて、二つの支持部間の
前記少なくとも1つの軌道セグメントの撓みを計算するステップと、
コントローラが、浮上モジュレーションを計算するステップと、
浮上モジュレーション信号を浮上力発生装置に送信するステップと、を有し、
浮上モジュレーション信号が、
前記少なくとも1つの軌道セグメントの撓みに相当する浮上モジュレーションによって、車両の高度を
前記少なくとも1つの軌道セグメントに対して調節し、これによって車両の高度を
撓みがないときの軌道面である移動面に対して一定に保つ、方法。
【請求項15】
複数の軌道セグメントを含む分割軌道に沿って移動する車両の高度を制御する方法であって、
コントローラが一つ以上のセンサによって生成されたデータを受信するステップと、
コントローラが、分割軌道に対する車両の高度を決定するステップと、
コントローラが、分割軌道に対する車両の高度の変化率を決定するステップと、
コントローラが、移動する方向に対する複数の浮上翼それぞれの角度を決定するステップと、
コントローラが、移動する方向に対する前記複数の浮上翼それぞれの角度の変化率を決定するステップと、
コントローラが、二つ以上の支持部の間の
前記複数の軌道セグメントのうちの少なくとも1つの軌道セグメントの長さと車両の重さに関するデータを受信するステップと、
コントローラが、
前記少なくとも1つの軌道セグメントに対する車両の速さを決定するステップと、
コントローラが、
前記少なくとも1つの軌道セグメントの長さと、車両の重さと、車両の速さとに基づいて、二つの支持部間の
前記少なくとも1つの軌道セグメントの撓みを計算するステップと、
コントローラが、翼の角度、翼の角度の変化率、高度、高度の変化率を用いて、浮上モジュレーションを計算するステップと、
浮上モジュレーション信号を浮上力発生装置に送信するステップと、を有し、
コントローラが、
前記少なくとも1つの軌道セグメントの撓みに相当する浮上モジュレーションによって、車両の高度を
前記少なくとも1つの軌道セグメントに対して調節し、これによって車両の高度を
撓みがないときの軌道面である移動面に対して一定に保つ、方法。
【請求項16】
複数の軌道セグメントを含む分割軌道に沿って移動する車両の高度を制御する方法であって、
コントローラが一つ以上のセンサによって生成されたデータを受信するステップと、
コントローラが、水平な移動経路のガイドラインを示す少なくとも一つのマークが設けられ、前記少なくとも一つのマークを検知するように構成された一つ以上のセンサを有する
、前記複数の軌道セグメントのうちの少なくとも1つの軌道セグメントに対する、車両の高度を決定するステップと、
コントローラが、二つ以上の支持部の間の
前記少なくとも1つの軌道セグメントの長さと車両の重さに関するデータを受信するステップと、
コントローラが、
前記少なくとも1つの軌道セグメントに対する車両の速さを決定するステップと、
コントローラが、標準的な載荷の車両による
前記少なくとも1つの軌道セグメントの撓みについて事前に計算され記憶された高度データにアクセスするステップと、
車両に対するマークの高さ位置を検知することで、
前記少なくとも1つの軌道セグメントに対する車両の高度を調整して、
前記少なくとも1つの軌道セグメントが撓む前の移動経路である所望の移動経路に対して車両を一定の高度に維持するステップと、を有する方法。
【請求項17】
前記少なくとも一つのマークが前記所望の移動経路を示すものであり、車両の重さによって
前記少なくとも1つの軌道セグメントが撓むことにより、
前記少なくとも一つのマークが比例して撓
む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
コントローラを有する高度制御システムであって、コントローラはプロセッサを有し、プロセッサは、実行されると、プロセッサが、
一つ以上のセンサによって生成されたデータを受信するステップ、
複数の軌道セグメントを含む分割軌道に対する車両の高度を決定するステップ、
二つ以上の支持部の間の
前記複数の軌道セグメントの
うちの少なくとも1つの軌道セグメントの長さと車両の重さに関するデータを受信するステップ、
前記少なくとも1つの軌道セグメントに対する車両の速さを決定するステップ、
前記少なくとも1つの軌道セグメントの長さと、車両の重さと、車両の速さとに基づいて、二つの支持部間の
前記少なくとも1つの軌道セグメントの撓みを計算するステップ、及び、
前記少なくとも1つの軌道セグメントの撓みに相当するオフセットの分、車両の高度を
前記少なくとも1つの軌道セグメントに対して調節し、これによって車両の高度を
撓みがないときの軌道面である移動面に対して一定に保つステップを実行する指示を記憶するように構成されている高度制御システム。
【請求項19】
分割軌道に対する車両の高度を、分割軌道内を通過することで持ち上げる力を生成するように構成された浮上力発生装置の角度を変更することで調整する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
分割軌道に対する車両の高度を、車両の速度を変更して生成される浮上力を変更することで、調整する、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2016年5月25日に出願された米国仮出願No.62/340,568号の利益を主張するものであり、その内容すべてが本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は分割軌道(segmented track)に沿った車両の高度制御に関する。詳細には、本開示は、分割軌道に沿って運行する磁気浮上車両の経路を維持することに関する。
【背景技術】
【0003】
交通システムは人々や貨物を長い距離にわたって移動させられるように設計される。交通システムは車道または軌道に沿って移動するように構成された車両を含むものであってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような車両は、軌道または車道に対する乗客または貨物コンパートメントの振動その他の動きを減少させるように、乗客または貨物コンパートメントの動きを変更するよう構成されたサスペンションシステムを有することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
種々の実施形態は単に例示的なものであって、正確な縮尺でない可能性があり、開示の範囲を制限すると解釈されるべきものではない。よってそのような詳細が図示または説明されることはない。本技術の様々な特徴や利点が上記記載によって、本開示の構造や機能の詳細とともに示されているが、これらは単に例示的なものであって、詳細について、特に部材の形状、大きさ、構成は、添付の請求項で用いられる用語の一般的な広い意味において示される最大限の範囲における、本開示の原則の範囲内において、変更可能である。よって上記実施形態は添付の請求項の範囲内において適宜変更可能と考えられるべきである。請求項において、一揃い(set)の部材における「少なくとも一つ」は、該一揃いの部材の一つまたは複数を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、分割軌道の一区間に進入する車両の一例を示す線図である。
【
図2】
図2は、撓んだ分割軌道に沿った車両を所定の高度に維持する浮上力発生装置の一例を示す線図である。
【
図3】
図3は、所定の高度を維持するために速度を上げた車両の一例を示す線図である。
【
図4】
図4は、分割軌道の一区間を出る車両の一例の線図である。
【
図5】
図5は、分割軌道の一区間に沿って移動する二台の車両の一例を示す線図である。
【
図6】
図6は、分割軌道の一区間を移動する三台の車両の一例を示す線図である。
【
図7】
図7は高度を制御する方法の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は高度を制御する方法の別の例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は高度を制御する方法のさらに別の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
あくまで例としての添付の図面に基づいて、本技術の実施について下記に説明する。
【0008】
記載を簡潔かつ明瞭にするために、必要に応じて、対応するまたは同じ要素については、異なる図面間でも同じ部材番号を使用する。さらに、本開示における実施の理解を容易にするために、種々の具体的な構成が示される。しかし、これらの具体的構成を抜きにしても前記実施が可能であることは、当業者であれば理解可能である。他の事例、方法、手続、部材については、関連する特徴を曖昧にしないためにここでは詳述されない。さらに、本記載は実施の範囲を限定するものと解釈されるべきものではない。
【0009】
本開示を通じて用いられる定義を以下に示す。「浮上(levitation)」は、互いに対する機械的接触なしで、ある物体が他の物体に対して持ち上げられ吊り下げられることを意味する。「浮上力(levitation force)」は浮上させる力のことである。浮上力は垂直方向(重力方向と反対の方向)に作用可能であるが、同じ力を、左右方向、または垂直方向と左右方向両方の成分を有する方向に、二つの物体を移動または位置させるのに用いることもできる。一般化すると、本願での「浮上」および「浮上力」は、それぞれ非接触の配置、および二つの物体に対して第一の移動方向に略垂直な方向にかかる力を意味する。さらに、「浮上磁束」と「浮上力」とは交換可能な用語であり同じ要素を指し示す。「浮上力発生装置」は、持ち上げられる部材と相互作用する磁気波を発生して、移動可能な対象物を固定された対象物に対して浮上させる。
【0010】
「駆動力」は、ある対象物を他の対象物に対して加速させる、静止させる、または減速させるのに必要な力を意味する。本明細書では、「駆動力」は、二つの対象物間の機械的接触なしで効果を及ぼす、第一の進行方向にほぼ即した力である。さらに、「駆動磁束」と「駆動力」とは交換可能な用語であり同じ要素を指し示す。「駆動力発生装置」は、駆動部材と相互作用する磁気波を発生して、移動可能な対象物を固定された対象物に対して駆動する。本出願は、2012年6月26日に提出された米国特許9,090,167「交通システム用の駆動システム」全体を参照によって組み込んでいる。
【0011】
「ガイドウェイ」は、自動車、車両、ボギー車、輸送装置がそれに沿って移動可能な経路を提供する装置または構造である。本明細書では、「ガイドウェイ」と「軌道」とは交換可能な用語であり同じ要素を指し示す。自動車は、ガイドウェイに沿って移動可能に構成された装置である。自動車は少なくとも部分的に覆われている、全体的に覆われている、または対象物を配置可能な表面を有している。自動車は、ガイドウェイと組み合わされたボギー車と組み合わされていてもよい。ボギー車は自動車と一体となった部材でもよく、自動車と組み合わせ可能な別の部材でもよい。本明細書のボギー車は、車輪を有さずガイドウェイと係合するように構成されていてもよい。
【0012】
「制御装置」は一般的には、プログラムを実行してデータ解析、判断、信号送信を行う(車載の)コンピュータである。制御装置は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、メモリ(読出し専用メモリ(ROM))および/または(ランダムアクセスメモリ(RAM))、および/または記憶装置を非限定的に有する電子機器でもよい。制御装置は、商用オフザシェルフ(COTS)の電子機器、または高度制御システム用に特別に設計された装置であってもよい。
【0013】
「組み合わされた」は、二つの対象物を連結または接続することを意味する。組み合わせは直接でもよく間接でもよい。間接的組み合わせは、二つの対象物が一つ以上の中間物を通じて接続される場合を含む。組み合わせは、電気的または機械的接続を意味してもよい。組み合わせは、物理的接触を伴わない磁気的連結でもよい。「略(substantially)」は、ある要素の寸法、形状その他、「略」が修飾する語が厳密には形容するもののとおりでないことを表す。例えば、略円筒状は、対象物が円筒に似た形をしているが一つ以上の点で真の円筒とは異なっていることを意味する。「有する(comprising)」は、「非限定的に有する」ことを意味する。この用語は特に、拡張可能に含むことや、ある組み合わせ、グループ、シリーズ等の一部であることを意味する。「磁気源」は、自然に磁界を発生するまたは磁界を発生するように誘導可能な物質である。磁気源は、例えば、永久磁石、電磁石、超伝導体、その他磁界を発生するまたは磁界を発生するように誘導可能なその他の物質を含む。「ピッチ」は、浮上力発生装置の長軸の、移動方向または移動面に対する鉛直角として定義される。「ヨー」は、車両の鉛直軸周りの回転または振動として定義される。
【0014】
上記の種々の実施形態は単に例示的なものであって、開示の範囲を制限すると解釈されるべきものではない。よってそのような詳細が図示または説明されることはない。本技術の様々な特徴や利点が上記記載によって、本開示の構造や機能の詳細とともに示されているが、これらは単に例示的なものであって、詳細について、特に部材の形状、大きさ、構成は、添付の請求項で用いられる用語の一般的な広い意味において示される最大限の範囲における、本開示の原則の範囲内において、変更可能である。よって上記実施形態は添付の請求項の範囲内において適宜変更可能と考えられるべきである。請求項において、一揃い(set)の部材における「少なくとも一つ」は、該一揃いの部材の一つまたは複数を意味する。例えば、A、B、Cの少なくとも一つは、部材がAだけ、Bだけ、Cだけ、AとB、AとC、BとC、またはAとBとCである場合を示す。
【0015】
本開示は、分割軌道に沿って移動する車両の高度を制御する方法に関する。この方法では、コントローラが、一つ以上のセンサが生成したデータを受け取って、分割軌道に対する車両の高度を決定する。前記方法では、次に、コントローラが、二つ以上の支持部の間の軌道セグメントの長さと車両の重さに関するデータを受け取り、当該軌道セグメントに対する車両の速さを決定する。前記方法ではさらに、コントローラが、軌道セグメントの長さと、車両の重さと、車両の速さとに基づいて、二つの支持部間の分割軌道の撓みを計算する。コントローラは、分割軌道の撓みに相当するオフセットの分、車両の高度を分割軌道に対して調節し、これによって車両の高度を移動面に対して一定に保つ。前記方法では、さらに、コントローラが高度から撓みを差し引くことでオフセットを算出してもよい。
【0016】
分割軌道の撓みは、有限要素解析(FEA)モデルを利用して算出可能である。車両の浮上は浮上力発生装置のピッチ角度を変えることで調整可能である。浮上力発生装置は、分割軌道内を通過することで持ち上げる力を生成するように構成されている。
車両は、一つ以上の高度センサを有する浮上力発生装置を有し、該浮上力発生装置が分割軌道内で支持される(received)ように構成されていてもよい。一つ以上の高度センサは、分割軌道と相互作用可能な超音波センサであってもよい。車両の浮上は、車両の速度を変えて、生成される浮上力を変えることでも調整可能である。少なくとも一つの実施形態において、生成される浮上力は車両の速度増加により増加し、生成される浮上力は車両の減速により減少する。
【0017】
軌道セグメントの長さに関して受信したデータは、二つ以上の軌道セグメントの長さのデータであってもよい。少なくとも一つの実施形態において、前記方法では、二つの軌道セグメントの長さに関するデータを受信してもよい。他の実施形態において、前記方法では、三つ、四つ、または他の数の軌道セグメントの長さに関するデータを受信してもよい。支持部間の距離に関するデータは、各支持部に配置されたRFIDタグのスキャンデータを含んでいてもよい。他の実施形態において、支持部間の距離に関するデータは、各支持部に配置されたバーコードのスキャンデータを含んでいてもよい。さらに他の実施形態において、二つ以上の支持部間の距離に関するデータは、全地球測位システム(GPS)から情報を得ることと、データベースから距離を取得することを含んでいてもよい。
【0018】
本開示では一台、二台、または三台の車両が分割ガイドウェイの特定の部分にあることを図示、記述しているが、三台を超える数の車両の高度を分割ガイドウェイにおいて制御する方法も、本開示の範囲に収まるものである。各例は略水平なガイドウェイに関して記載されているが、本開示は、垂直、または垂直と水平の間のいかなる角度に設けられたガイドウェイも包含するものである。垂直方向に設けられたガイドウェイの場合、システムはエレベータに類似したものとなる。他のシステムにおいて、ガイドウェイは、水平な要素、垂直な要素、角度のついた要素、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0019】
図1は、車両102が分割軌道106に入る状態の、浮上交通システム100の一実施形態を示す。浮上交通システム100は、複数の分割軌道106部分からなる軌道を有する。各分割軌道106部分は一つ以上の支持部108によって支持される。分割軌道部分は様々な長さ(length)110を有してもよい。図示された実施形態は、対向する端部に支持部108を有する分割軌道セグメント106を記載しているが、分割軌道は、例えばそこから延在する二次的支持部を有する中央支持部108などの、異なる構造の支持部108を有していてもよい。
【0020】
分割軌道106部分は、浮上交通システム100内で車両102を移動可能にする軌道のネットワークを構築可能である。分割軌道106部分は二つの支持部108間の全範囲に渡る範囲として描かれているが、この部分は全範囲の一部でもよく、複数の部分が二つの支持部108間の全範囲に渡って設けられるように、他の分割軌道106部分とどちらかの側で接続されていてもよい。車両102は、分割軌道106によって少なくとも部分的に支持され(received)、車両102が浮上交通システム100内で移動可能にする、浮上力発生装置104を有する。浮上力発生装置104は、分割軌道106と磁気的に結合し相互作用して、車両102を交通システム100に沿ってガイドする。浮上力発生装置104と分割軌道106とは、車両102が浮上交通システム100内で移動する際に、互いに対して物理的に接触するように構成されず、浮上力発生装置104は浮上磁力を生成して、浮上力発生装置104を上に、または分割軌道106から(分割軌道内に収まる)距離をとるように、浮上させる。
【0021】
車両102は、車両102が浮上交通システム100内を移動する際に所定の高度118を保つようにすることができる高度制御システム112を有することができる。分割軌道106は、支持部108間の長さ110にわたって撓み116を有することがある。撓み116は、様々な異なる理由によって生じる。例えば、撓み116は、分割軌道106自体の重さによって生じる。さらに、撓みは分割軌道106に沿って移動する一台以上の車両102の重さによっても生じる。高度制御システム112は、車両102の浮上を制御することで、分割軌道106の撓み分をオフセットして所定の高度118を保つことが可能である。高度制御システム112は、車両102と分割軌道106との情報を受信及び決定するように構成されたコントローラ114を有していてもよい。コントローラ114は、一つ以上のセンサからの情報に応じて分割軌道106の長さ110の撓みを決定することが可能な、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コンピュータ、サーバ、または他の電子機器であってもよい。
【0022】
コントローラ114は、所定の高度118、支持部108の間隔、分割軌道の長さ110など、浮上交通システム100に関連する情報を受信する。コントローラ114は、車両102の重さや速度などの情報を決定することができる。車両102の重さは、車両102自体の重さ、乗客の重さ、ペイロード、貨物、またはそれらのいかなる組み合わせも含む。少なくとも一つの実施形態において、コントローラ114は車両102の重さを即座に決定する。少なくとも一つの実施形態において、コントローラ114は、一人以上の乗客、ペイロード、貨物を含むことができる、車両102の内容物とともに、車両102の重さを即座に決定する。他の実施形態において、コントローラ114は、浮上交通システム100内における車両102の発車時の車両102の重さを受信する。
【0023】
高度制御システム112は、浮上交通システム100と結合した一つ以上のセンサ120からデータを受信可能である。前記一つ以上のセンサ120は、車両102、分割軌道106、および/または支持部108に設けることができる。前記一つ以上のセンサ120は、高度、速度、重量、位置、またはそれらのいかなる組み合わせを決定するように構成された、光学センサ、電波センサ、および/または近距離通信装置であってよい。前記一つ以上のセンサ120は、分割軌道106の撓み116を決定するために必要なデータを高度制御システム112に提供する。少なくとも一つの実施形態において、前記一つ以上のセンサ120は、浮上力発生装置104上に設けられた少なくとも一つの高度センサ105を有する。前記一つ以上の高度センサ105は、分割軌道106と相互作用するように構成された超音波センサであってもよい。少なくとも一つの場合において、浮上力発生装置104は一つ以上の浮上力発生装置、例えば、一つの前方浮上力発生装置と一つの後方浮上力発生装置、または二つの前方浮上力発生装置と二つの後方浮上力発生装置であってもよい。
【0024】
さらなる実施形態において、前記一つ以上のセンサ120は、隣り合う車両102間でデータをエンコードおよび/または送信するように構成されたレーザーセンサを含んでいてもよい。エンコードされたおよび/または送信されたデータは、分割軌道の長さ110、分割軌道の撓み、隣接する車両の速度、隣接する車両の重さ、および/または高度制御システム112が必要とするその他のデータであってもよい。
【0025】
図1から分かるように、一つ以上のセンサ120は、支持部108に設けられた送信機122と通信可能に組み合わされて、分割軌道106の長さ110に関するデータを受信する。このデータは、車両102が分割軌道106に沿って移動することに伴う、分割軌道106の次の長さ110の予想される撓み116を、高度制御システム112が決定することを補助する。一つ以上のセンサ120の少なくとも一つは、支持部108に設けられた送信機122と通信可能であって、軌道セグメント106の長さ110に関するデータを受信できる。送信機122は、QRコードなどのバーコード124、RFIDタグ、またはデータを一つ以上のセンサ120に提供する類似の装置であってもよい。
【0026】
送信機122は、一つ以上のセンサ120の通信範囲を考慮しつつ、支持部108や分割軌道106に、または浮上交通システム100の他の箇所に設けられる。図示の実施形態において、送信機122は支持部108上に設けられている。送信機122は、浮上交通システム100の他の箇所に設けられてもよい。例えば、送信機122は軌道セグメント106の接続部または途中に設けられてもよい。送信機122に関連付けられるデータは静的でも動的でもよい。送信機122に関連付けられるデータが動的な場合、車両102によって受信されたデータは、前方車両102の重さ、レールの温度、周囲の気温、後方車両102の重さ、その他必要な情報を含むことができる。
【0027】
送信機122は、二つ以上の支持部108間の軌道の長さ110に関するデータを記憶していてもよい。
図1では、送信機122は二つのポール間の分割軌道106の長さ110を通信している。他の実施形態では、送信機122が分割軌道106の二つ以上の長さ110に関するデータを送信することで、浮上交通システム100内において必要な送信機122の総数を削減している。
【0028】
図2は、浮上交通システム100の分割軌道106の撓んだ長さ110に位置する車両102を図示している。分割軌道106の長さ110は、車両102の重さによって撓む。撓み116は数学的に予測可能であり、既知の車両102の重さや速度、分割軌道106の長さ110から計算可能である。コントローラ114は、車両102の重さや速度、分割軌道106の長さ110を考慮して、分割軌道106の撓み116を計算可能である。コントローラ114は、次に、撓み116を考慮して車両102の浮上を調整することで、所定の高度118を維持する。
【0029】
コントローラ114が車両102の浮上を調整することで所定の高度118を維持するための方法は、車両102の速度を上げる、浮上力発生装置104のピッチを調節してより大きい浮上力を得る等があるが、これらに限定されない。
図2は、
図1の浮上力発生装置に比べて高い浮上力を発生するピッチで設けられた浮上力発生装置104を有することで、所定の高度118を維持する車両102を示している。少なくとも一つの例において、浮上力発生装置104は略翼形であって、浮上力発生装置のピッチの調整によって浮上翼の角度が変わる。
【0030】
分割軌道106は、その内面に一つ以上のマーク107が設けられていてもよい。この一つ以上のマーク107により、撓んだ分割軌道106上に水平な移動経路が示される。前記一つ以上のマーク107は、色ペイント、反射テープ、反射ペイント、その他類似の、分割軌道106の内面とのコントラストを示すマーキングであってよい。場合によっては、一つ以上のマーク107が内面に設けられて、車両が一台の時、二台の時、三台の時等、分割軌道106の異なる状態において水平の移動経路を示すものであってもよい。
【0031】
浮上力発生装置104上の高度センサ105は、一つ以上のマーク107に対する位置を決定可能であって、水平な移動経路を維持可能であってもよい。高度センサ105は、マーク107からのずれを検知可能であって、コントローラ114に浮上力発生装置104のピッチを調整して水平な移動経路を維持させるものであってもよい。コントローラ114は、様々な状況下における各分割軌道106の、事前に計算された撓みを記憶していてもよい。コントローラ114は、駆動システム100の状態が、例えば車両が分割軌道106に入る/から出る等により変化した際に、浮上力発生装置104と高度センサとをあるマーク107から別のマーク107に合うように調整してもよい。少なくとも一つの場合において、コントローラは、翼の角度および翼の角度の変化率を用いて、浮上モジュレーション(levitation modulation)を計算してもよい。コントローラ114は、浮上モジュレーション信号を浮上力発生装置に送信して、分割軌道に対する車両の高度および高度の変化率を調整してもよい。
【0032】
図3は、分割軌道に対する速度が速く、
図1の浮上力発生装置104に類似したピッチの浮上力発生装置104を有する、車両102を図示している。分割軌道106に対する速度が増加すると、浮上力発生装置104が生成する浮上力も増加し、車両102は移動面に対する所定の高度118を維持可能となる。
【0033】
コントローラ114は車両102の浮上を調整することで、略直線の移動方向と所定の高度118を維持する。例えば、分割軌道が、上り斜面や下り斜面など略非水平に設けられている場合、コントローラ114は車両102の浮上を調整して、略非水平な分割軌道106の撓みを考慮した所定の高度118を維持する。
【0034】
図4は分割軌道106を離れる車両102を示している。車両102が分割軌道106の長さ110から出ると、撓み116は車両102の重さがなくなることにより正常状態に戻る。分割軌道106が略直線状で撓みのない正常状態に戻ると、高度制御システム112は浮上を再調整して所定の高度118を維持する。少なくとも一つの実施形態において、前記正常状態は、分割軌道の重さによる多少の撓みを含んでいてもよく、一台以上の車両の重さが正常状態に比較して撓みを引き起こす。
図2、
図3を参照して説明したように、高度制御システム112は、速度を増加する、浮上力発生装置104のピッチを変更する、またはそれらの組み合わせによって、車両102の浮上を調整することができる。車両102は、分割軌道の次の区間について支持部108上の送信機122からデータを受信してもよい。
【0035】
図5は、分割軌道106の長さ110にわたって移動する二台の車両を示している。高度制御システム112は、一台以上の車両102に関するデータを受信可能である。例えば、
図5に示す、特定の分割軌道106内にある二台の車両102について、予想される撓み116を計算して、各車両102に所定の高度118を維持させる。高度制御システム112は、車両102に設けられた一つ以上のセンサ120を用いて、前方および後方の車両102の重さと速度に関するデータを受信可能である。各車両102は、隣接するまたは近傍の車両102と通信可能に接続されて、高度制御システムに撓み116の計算に関するデータを提供可能に構成されていてもよい。車両102は、光学、電波、またはその他既知の近距離通信システムや、それらの組み合わせと結合可能であってもよい。本明細書では、隣接する車両102は、当該車両の前後の車両を含む。さらに、近傍の車両102は、隣接する車両だけでなく、必要な変化の予測が要求される車両も含む。
【0036】
図6は、分割軌道106の長さ110にわたって移動する三台の車両を示す。高度制御システム112は、特定の分割軌道106内にある一台以上、
図6では三台の車両102に関するデータを受信し、予想される撓み116を計算して、各車両102に所定の高度118を維持させる。
【0037】
分割軌道106の長さ110上にある車両の数は、分割軌道の長さ110、車両102の速度、車両間隔、浮上交通システム100内の車両の数、および/または経路使用の頻度/人気によって変わってもよい。ルート、目的地、または分割軌道106によっては、分割軌道106の長さ110内での車両102の潜在的台数を変更する使用比が異なっていてもよい。
【0038】
図示の実施形態は分割軌道106の長さ110内にある一台、二台、または三台の車両102について記載しているが、撓みを計算して所定の高度118を維持するように構成された高度制御システム112を有することも本開示の範囲内である。
【0039】
図7は、一例としての実施形態に関連するフローチャートを示している。例示の方法700は例として示され、方法700の実行の仕方には様々なものがある。下記の方法700は、例えば
図1~6に示す構成を用いて実行される。
図7に示す各ブロックは、例示の方法700において実行される一つ以上の処理、方法、またはサブルーチンを表している。さらに、図示のブロックの順番は単に説明目的のものであり、本開示に基づいてブロックの順番を変更可能である。ブロックを追加することやより少ない数のブロックとすることも、本開示の範囲内である。例示の方法700はブロック702から開始してもよい。
【0040】
前記方法は、ブロック702においてコントローラが一つ以上のセンサによって生成されたデータを受信するように構成されていてもよい。このデータは、元の位置、行き先、周囲の温度、車両の重さについての情報を含んでいてもよい。
【0041】
前記方法では、ブロック704において、コントローラが軌道セグメントに対する車両102の高度を決定する。
【0042】
前記方法では、ブロック706において、コントローラが二つ以上の支持部間の分割軌道106の区間のデータを受信する。
【0043】
前記方法は、ブロック708において、分割軌道に対する車両の速度を決定する。
【0044】
前記方法は、ブロック710において、分割軌道の区間の撓みを計算し、計算した撓みを相殺して車両の高度を維持する。
【0045】
前記方法は、ブロック712において、必要とされる浮上モジュレーションを計算する。浮上モジュレーションは、車両の高度、車両の速度、および/または分割軌道の撓みによって決定されてもよい。
【0046】
前記方法は、ブロック714において、浮上モジュレーション信号を浮上力発生装置および/または推進力発生装置に送信してもよい。浮上モジュレーション信号は、車両からコントローラによって浮上力発生装置および/または推進力発生装置に送信されてもよい。浮上モジュレーション信号は、分割軌道の撓みに相当する浮上モジュレーションによって、分割軌道に対する車両の高度を調整可能である。分割軌道に対する車両の高度は、車両の速度を上げるおよび/または浮上力発生装置のピッチを変更することで調整可能であり、これによって移動面に対する車両の高度が一定に維持される。
【0047】
少なくとも一つの例において、コントローラは、分割軌道に対する車両の変化率と、一つ以上の浮上力発生装置の角度と、移動方向に対する一つ以上の浮上力発生装置の変化率とを決定可能である。
【0048】
図8は、一例としての実施形態に関連するフローチャートを示している。例示の方法800は例として示され、方法800を実行するやり方には様々なものがある。下記の方法800は、例えば
図1~6に示す構成を用いて実行される。
図8に示す各ブロックは、例示の方法800において実行される一つ以上の処理、方法、またはサブルーチンを表している。さらに、図示のブロックの順番は単に説明目的のものであり、本開示に基づいてブロックの順番を変更可能である。ブロックを追加することやより少ない数のブロックとすることも、本開示の範囲内である。例示の方法800はブロック802から開始してもよい。
【0049】
前記方法800は、ブロック802において、分割軌道の一区間に入った車両の高度を計測してもよい。
【0050】
前記方法800は、ブロック804において、支持部間の間隔を受信してもよい。前記方法は、支持部上に設けられたバーコードをスキャンして次の支持部までの既知の距離を受信することで、支持部間の間隔を受信してもよい。
【0051】
前記方法800は、ブロック806において、車両とペイロードとの重さをロードセルを用いて計測してもよい。少なくとも一つの実施形態において、重量計測とペイロード計測とは、車両が浮上交通システムに入った時点で行われてもよい。他の実施形態において、重量計測は、車両が各支持部に近づく際にリアルタイムで行われてもよい。
【0052】
前記方法800は、ブロック808において、車両の速度と、前の支持部からの時間とを決定する。高度制御システムは、さらに、浮上交通システム内における車両の位置を決定してもよい。
【0053】
前記方法800は、ブロック810において、分割軌道の撓みまたはたるみ(sag)を計算可能である。撓みは静的FEAモデルを利用して算出可能である。
【0054】
前記方法800は、ブロック812において、高度から撓みを差し引くことでデルタ高度(altitude delta)を計算可能である。
【0055】
前記方法800は、ブロック814において、デルタ高度がゼロより大きく、分割軌道が撓みを有しているかどうか決定する。デルタ高度がゼロの場合、高度制御システムは何もせず、方法800は終了する。デルタ高度がゼロより大きい場合、方法800はブロック816に進む。
【0056】
前記方法800は、ブロック816において、高度に撓みオフセットを付加して、浮上力発生装置に浮上力を向上させて高度を維持する。
【0057】
図9は、一例としての実施形態に関連するフローチャートを示している。例示の方法900は例として示され、方法900を実行するやり方には様々なものがある。下記の方法900は、例えば
図1~6に示す構成を用いて実行される。
図9に示す各ブロックは、例示の方法900において実行される一つ以上の処理、方法、またはサブルーチンを表している。さらに、図示のブロックの順番は単に説明目的のものであり、本開示に基づいてブロックの順番を変更可能である。ブロックを追加することやより少ない数のブロックとすることも、本開示の範囲内である。例示の方法900はブロック902から開始してもよい。
【0058】
前記方法900は、ブロック902において、一つ以上のセンサによって生成されたデータを受信してもよい。
【0059】
前記方法900は、ブロック904において、水平移動経路ガイドラインを示す少なくとも一つのマークが設けられた軌道セグメントに対する、車両の高度を決定してもよい。
【0060】
前記方法900は、ブロック906において、二つ以上の支持部間の軌道セグメントの長さと、車両の重さとに関するデータを受信してもよい。
【0061】
前記方法900は、ブロック908において、軌道セグメントに対する車両の速度を決定してもよい。
【0062】
前記方法900は、ブロック910において、標準的な載荷の車両による軌道セグメントの撓みについて事前に計算された高度データにアクセス可能である。
【0063】
前記方法900は、ブロック912において、車両に対するマークの高さ位置を検知することで、一つ以上の軌道セグメントに対する車両の高度を調整可能である。
【0064】
前記方法900は、ブロック914において、コントローラによって、浮上モジュレーション信号を浮上力および/または推進力発生装置に送信してもよい。
【0065】
例示的な実施形態とその利点とは前記記載から理解可能であると考える開示の精神および範囲から離れず、利点を犠牲にすることのない種々の変更が可能であることは明白であり、前記の各例は、本開示の単に望ましいまたは例示の実施形態である。