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特許7060538外観検査システム、および、外観検査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】外観検査システム、および、外観検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/892 20060101AFI20220419BHJP
【FI】
G01N21/892 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019059107
(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公開番号】P2020159845
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2020-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000153443
【氏名又は名称】株式会社 日立産業制御ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 澄
(72)【発明者】
【氏名】豊田 誠
(72)【発明者】
【氏名】厚綿 洋治
(72)【発明者】
【氏名】手嶋 剛
(72)【発明者】
【氏名】藤田 秀樹
【審査官】吉田 将志
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-051609(JP,U)
【文献】特開平01-269034(JP,A)
【文献】特開平09-113242(JP,A)
【文献】特開平01-250845(JP,A)
【文献】特開2000-065546(JP,A)
【文献】特開2004-010130(JP,A)
【文献】特開平05-327292(JP,A)
【文献】特開2011-112519(JP,A)
【文献】特開2008-008841(JP,A)
【文献】特開2011-079564(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0200596(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動中の検査対象物に対して手前側から光を照射する手前側照明と、
前記検査対象物を挟んで前記手前側照明と対向する奥側から前記検査対象物に対して光を照射する奥側照明と、
前記手前側照明の前記検査対象物に対する反射光と、前記奥側照明の前記検査対象物に対する透過光とを併せて撮影する手前側カメラと、
前記奥側照明の前記検査対象物に対する前記反射光と、前記手前側照明の前記検査対象物に対する前記透過光とを併せて、前記手前側カメラと対向する位置から撮影する奥側カメラと、
前記手前側カメラの撮影画像をもとに、前記反射光の撮影領域から前記検査対象物の印字内容および印刷デザインを検査するとともに、前記反射光の撮影領域と前記透過光の撮影領域との境界である前記検査対象物の輪郭から前記検査対象物の形状を検査する検査装置とを有しており、
前記検査装置は、前記手前側カメラの撮影画像に加えて、前記奥側カメラの撮影画像についても、前記検査対象物の印字内容および印刷デザイン、ならびに、前記検査対象物の形状を検査することを特徴とする
外観検査システム。
【請求項2】
移動中の検査対象物に対して手前側から光を照射する手前側照明と、
前記手前側照明の位置から前記検査対象物の位置までの所定空間において、前記手前側照明の照射光を所定空間内で反射しつつ前記検査対象物に照射させるための手前側反射筒と、
前記検査対象物を挟んで前記手前側照明と対向する奥側から前記検査対象物に対して光を照射する奥側照明と、
前記奥側照明の位置から前記検査対象物の位置までの所定空間において、前記奥側照明の照射光を所定空間内で反射しつつ前記検査対象物に照射させるための奥側反射筒と、
前記手前側照明の前記検査対象物に対する反射光と、前記奥側照明の前記検査対象物に対する透過光とを併せて撮影する手前側カメラと、
前記手前側カメラの撮影画像をもとに、前記反射光の撮影領域から前記検査対象物の印字内容および印刷デザインを検査するとともに、前記反射光の撮影領域と前記透過光の撮影領域との境界である前記検査対象物の輪郭から前記検査対象物の形状を検査する検査装置とを有することを特徴とする
外観検査システム。
【請求項3】
移動中の検査対象物に対して手前側から光を照射する手前側照明と、
前記検査対象物を挟んで前記手前側照明と対向する奥側から前記検査対象物に対して光を照射する奥側照明と、
前記手前側照明の前記検査対象物に対する反射光と、前記奥側照明の前記検査対象物に対する透過光とを併せて撮影する手前側カメラと、
前記手前側カメラの撮影画像をもとに、前記反射光の撮影領域から前記検査対象物の印字内容および印刷デザインを検査するとともに、前記反射光の撮影領域と前記透過光の撮影領域との境界である前記検査対象物の輪郭から前記検査対象物の形状を検査する検査装置とを有しており、
前記検査装置は、検査合格品の前記検査対象物の画像と、外観検査システムを移動中の前記検査対象物の画像とを照合し、所定割合以上が不一致である場合に、箱形状の前記検査対象物を組み立てるときのフラップの折込不良を検出することを特徴とする
外観検査システム。
【請求項4】
外観検査システムは、手前側照明と、奥側照明と、手前側カメラと、奥側カメラと、検査装置とを有しており、
前記手前側照明は、移動中の検査対象物に対して手前側から光を照射し、
前記奥側照明は、前記検査対象物を挟んで前記手前側照明と対向する奥側から前記検査対象物に対して光を照射し、
前記手前側カメラは、前記手前側照明の前記検査対象物に対する反射光と、前記奥側照明の前記検査対象物に対する透過光とを併せて撮影し、
前記奥側カメラは、前記奥側照明の前記検査対象物に対する前記反射光と、前記手前側照明の前記検査対象物に対する前記透過光とを併せて、前記手前側カメラと対向する位置から撮影し、
前記検査装置は
前記手前側カメラの撮影画像をもとに、前記反射光の撮影領域から前記検査対象物の印字内容および印刷デザインを検査するとともに、前記反射光の撮影領域と前記透過光の撮影領域との境界である前記検査対象物の輪郭から前記検査対象物の形状を検査し、
前記手前側カメラの撮影画像に加えて、前記奥側カメラの撮影画像についても、前記検査対象物の印字内容および印刷デザイン、ならびに、前記検査対象物の形状を検査することを特徴とする
外観検査方法。
【請求項5】
外観検査システムは
手前側照明と、奥側照明と、手前側カメラと、検査装置と
前記手前側照明の位置から検査対象物の位置までの所定空間において、前記手前側照明の照射光を所定空間内で反射しつつ前記検査対象物に照射させるための手前側反射筒と、
前記奥側照明の位置から前記検査対象物の位置までの所定空間において、前記奥側照明の照射光を所定空間内で反射しつつ前記検査対象物に照射させるための奥側反射筒と、を有しており、
前記手前側照明は、移動中の検査対象物に対して手前側から光を照射し、
前記奥側照明は、前記検査対象物を挟んで前記手前側照明と対向する奥側から前記検査対象物に対して光を照射し、
前記手前側カメラは、前記手前側照明の前記検査対象物に対する反射光と、前記奥側照明の前記検査対象物に対する透過光とを併せて撮影し、
前記検査装置は、前記手前側カメラの撮影画像をもとに、前記反射光の撮影領域から前記検査対象物の印字内容および印刷デザインを検査するとともに、前記反射光の撮影領域と前記透過光の撮影領域との境界である前記検査対象物の輪郭から前記検査対象物の形状を検査することを特徴とする
外観検査方法。
【請求項6】
外観検査システムは、手前側照明と、奥側照明と、手前側カメラと、検査装置とを有しており、
前記手前側照明は、移動中の検査対象物に対して手前側から光を照射し、
前記奥側照明は、前記検査対象物を挟んで前記手前側照明と対向する奥側から前記検査対象物に対して光を照射し、
前記手前側カメラは、前記手前側照明の前記検査対象物に対する反射光と、前記奥側照明の前記検査対象物に対する透過光とを併せて撮影し、
前記検査装置は
前記手前側カメラの撮影画像をもとに、前記反射光の撮影領域から前記検査対象物の印字内容および印刷デザインを検査するとともに、前記反射光の撮影領域と前記透過光の撮影領域との境界である前記検査対象物の輪郭から前記検査対象物の形状を検査し、
検査合格品の前記検査対象物の画像と、前記外観検査システムを移動中の前記検査対象物の画像とを照合し、所定割合以上が不一致である場合に、箱形状の前記検査対象物を組み立てるときのフラップの折込不良を検出することを特徴とする
外観検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外観検査システム、および、外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品・薬品など製品が収容されたダンボールなどの成型品であるカートンは、製造ライン上で出荷される前に検査される。その検査を作業員が目視で行う代わりに、検査用カメラで撮影した画像データを入力した計算機による画像処理で、自動的に行う試みもなされている。
撮影する側の検査用カメラと、画像処理する側の計算機とで、それぞれ工夫がなされている。
特許文献1には、検査用カメラを設置する際、配置条件の検討(プランニング)を支援する最適配置探索装置が記載されている。
特許文献2には、ビデオカメラで撮影した膨大な量の動画データを、よりサイズの小さい動画に縮約する動画処理装置が記載されている。
特許文献3には、画像処理ソフトウェアの開発効率を向上させるために、フレームワークにより画像処理ユニットを制御し、画像処理を行う画像処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-128961号公報
【文献】特開2014-96615号公報
【文献】特開2007-34489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カートンの撮影面に対向したカメラから撮影面の正面画像を撮影することにより、カートンの撮影面に印字された内容(製品コードなどの文字列)を画像処理で検査することができる。一方、カートンは直方体などの立体形状であるため、撮影面の記載内容を2次元平面として検査するだけでは不充分である。
例えば、カートンのフラップが正しく閉じられておらず、ずれが発生している状態で出荷してしまうと、その後のカートンの運搬工程において、カートンのフラップが開いてしまい、収容されていた製品がカートンから飛び出してしまうこともある。
【0005】
つまり、カートンを平面的に見たときの記載内容の検査だけでなく、立体的に見たときの成型状態の検査も併せて行う必要がある。しかしながら、特許文献1~3などの従来技術では、立体物の撮影画像を立体的に検査するしくみは提供されていなかった。
また、安定した検査のために外光対策を行う遮光ハウスが必須であり、検査光学系のスペース占有が課題であった。
【0006】
そこで、本発明は、立体物を撮影した画像から外観検査を効率的かつ省スペースで実現することを、主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の外観検査システムは、以下の特徴を有する。
本発明は、移動中の検査対象物に対して手前側から光を照射する手前側照明と、
前記検査対象物を挟んで前記手前側照明と対向する奥側から前記検査対象物に対して光を照射する奥側照明と、
前記手前側照明の前記検査対象物に対する反射光と、前記奥側照明の前記検査対象物に対する透過光とを併せて撮影する手前側カメラと、
前記奥側照明の前記検査対象物に対する前記反射光と、前記手前側照明の前記検査対象物に対する前記透過光とを併せて、前記手前側カメラと対向する位置から撮影する奥側カメラと、
前記手前側カメラの撮影画像をもとに、前記反射光の撮影領域から前記検査対象物の印字内容および印刷デザインを検査するとともに、前記反射光の撮影領域と前記透過光の撮影領域との境界である前記検査対象物の輪郭から前記検査対象物の形状を検査する検査装置とを有しており、
前記検査装置は、前記手前側カメラの撮影画像に加えて、前記奥側カメラの撮影画像についても、前記検査対象物の印字内容および印刷デザイン、ならびに、前記検査対象物の形状を検査することを特徴とする。
その他の手段は、後記する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、立体物を撮影した画像から外観検査を効率的かつ省スペースで実現することができる。
なお、外観検査システムの外光よりも強い光を検査対象物に照射することで、外光の影響を受けにくくするために、大型の検査対象物を含めて検査光学系の全体を遮光ハウスで覆う必要がなくなり、検査光学系を省スペースで実現することができる。
また、1回の撮影で検査対象物の一部を撮影するようにカメラ視野を設定し、連続で複数回撮影された撮影画像の集合によって検査対象物の全体を撮影することで、複数回のうちの1回の撮影では大型の検査対象物の一部だけが映ればよいので、検査光学系を省スペースで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に関する外観検査システムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態に関する外観検査システムの制御系統を示す構成図である。
図3】本発明の一実施形態に関する外観検査システムの長側面検査部の検査光学系を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に関する図3の検査光学系の平面図である。
図5】本発明の一実施形態に関する図3の検査光学系の側面図である。
図6】本発明の一実施形態に関する左側反射筒を備えない場合の左側面照明を示す平面図である。
図7】本発明の一実施形態に関する左側反射筒を備える場合の左側面照明を示す平面図である。
図8】本発明の一実施形態に関する長側面検査装置の構成図である。
図9】本発明の一実施形態に関する短側面検査項目データの説明図である。
図10】本発明の一実施形態に関する長側面検査項目データの説明図である。
図11】本発明の一実施形態に関する左側カメラによる短側面前方の撮影画像図である。
図12】本発明の一実施形態に関する左側カメラによる短側面中央の撮影画像図である。
図13】本発明の一実施形態に関する印字検査およびライン抜け検査の説明図である。
図14】本発明の一実施形態に関する製品異種コード検査の説明図である。
図15】本発明の一実施形態に関する長側面のフラップずれ検査の結果を示す撮影画像図である。
図16】本発明の一実施形態に関する短側面のフラップずれ検査の結果を示す撮影画像図である。
図17】本発明の一実施形態に関する短側面のフラップ折込不良検査の結果を示す撮影画像図である。
図18】本発明の一実施形態に関する短側面のフラップずれ検査について、図16とは別の結果を示す撮影画像図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、外観検査システムの構成図である。
外観検査システムでの検査対象物となるカートンCは、直方体の段ボール箱などで構成され、短い側の側面(以下、短側面)と、長い側の側面(以下、長側面)とを有する。なお、検査対象品をカートンCとした説明はあくまで一例であり、外観検査システムでの検査対象はカートンCの形状に限定せず、検査対象のサイズも小型から大型まで幅広く適用可能である。
外観検査システムでは、移動中のカートンCを各所で撮影し、その撮影画像に対して画像処理を行うことで、カートンCの合否が検査される。外観検査システムは、図示しないカートンCの成形機から供給されるカートンCが、図の左側から右側に向かってベルトコンベアで流れていくように構成される。
【0012】
外観検査システム内のカートンCは、短側面検査部70、反転コンベア80、長側面検査部90の順に通過する。
短側面検査部70では、カートンCの長側面は、進行方向前方(図では右方向)と、進行方向後方(図では左方向)とを向いている。カートンCの短側面は、進行方向左方(図では上方向)と、進行方向右方(図では下方向)とを向いている。
反転コンベア80では、進行方向前方を向いていた長側面を、進行方向の横方向を向くようにカートンCを回転させる。長側面検査部90では、カートンCの短側面は、進行方向前方と後方とを向いており、カートンCの長側面は、進行方向左方と右方とを向いている。
【0013】
外観検査システムの左側プリンタ71L、右側プリンタ71Rは、カートンCの短側面に製品コードや日時データなどを印字する(詳細は図9)。同様に、外観検査システムの左側プリンタ91L、右側プリンタ91Rは、カートンCの長側面に製品コードや日時データなどを印字する。
左側プリンタ71L直後の短側面検査部70の左側には、カートンCの左側の短側面を検査するために、左側カメラ72Lと、左側検査起動センサ75Lとが備えられている。
左側カメラ72Lは、カートンCの短側面を撮影し、その撮影画像を図2の短側面検査装置77に出力する。
左側検査起動センサ75Lおよび右側検査起動センサ75Rは、光電センサなどで構成され、両センサをまたぐカートンCの通過を検知すると、その検知結果をもとに左側カメラ72LによるカートンCの撮影処理を起動させる。
【0014】
右側プリンタ71R直後の短側面検査部70の右側には、カートンCの右側の短側面を検査するために、右側カメラ72Rと、右側検査起動センサ75Rとが備えられている。これらの右側の構成要素も、左側の構成要素と同じ機能である。
同様に、左側プリンタ91L直後の長側面検査部90の左側には、カートンCの左側の長側面を検査するために、左側カメラ92Lと、左側検査起動センサ95Lとが備えられている。
右側プリンタ91R直後の長側面検査部90の右側には、カートンCの右側の長側面を検査するために、右側カメラ92Rと、右側検査起動センサ95Rとが備えられている。
これらの長側面検査部90の各構成要素も、短側面検査部70の同名の構成要素と同じ機能である。
【0015】
図2は、外観検査システムの制御系統を示す構成図である。外観検査システムの制御系統は、全体制御部60と、短側面検査部70と、長側面検査部90とがネットワークで接続されている。
全体制御部60は、管理者からの操作を受け付ける全体制御用GUI61と、
短側面検査部70と長側面検査部90との結果統合および排出制御を司り、上位ネットワークに接続されるシーケンサである全体制御用PLC62とを有する。
短側面検査部70は、左側カメラ72Lおよび右側カメラ72Rからそれぞれ受信した撮影画像をもとにカートンCの短側面を検査する短側面検査装置77と、作業者が操作する短手調整用組込PC78と、外部I/F(interface)などを制御するための短手制御用PLC79とを有する。
長側面検査部90は、左側カメラ92Lおよび右側カメラ92Rからそれぞれ受信した撮影画像をもとにカートンCの長側面を検査する長側面検査装置97と、作業者が操作する長手調整用組込PC98と、外部I/Fなどを制御するための長手制御用PLC99とを有する。
【0016】
検査装置(短側面検査装置77および長側面検査装置97)は、それぞれCPU(Central Processing Unit)と、メモリと、ハードディスクなどの記憶手段(記憶部)と、ネットワークインタフェースとを有するコンピュータとして構成される。
このコンピュータは、CPUが、メモリ上に読み込んだプログラム(アプリケーションや、その略のアプリとも呼ばれる)を実行することにより、各処理部により構成される制御部(制御手段)を動作させる。
【0017】
以下、図3図8を参照して、外観検査システムの長側面検査部90の詳細を説明する。なお、短側面検査部70については、長側面の説明を短側面に置き換えればよい。
図3は、外観検査システムの長側面検査部90の検査光学系を示す斜視図である。例えば、左側を手前側とし、右側を奥側とする。
図4は、図3の検査光学系の平面図である。
図5は、図3の検査光学系の側面図である。
長側面検査部90の左側カメラ(手前側カメラ)92Lと右側カメラ(奥側カメラ)92Rとは、対向するように配置され、その挟まれた空間内をカートンCが通過する。
左側カメラ92Lは左側面照明(手前側照明)93Lに取り付けられており、左側面照明93Lの略中央にある撮影用ののぞき穴(図示省略)を介して、撮影する。同様に、右側カメラ92Rは右側面照明(奥側照明)93Rに取り付けられている。
左側面照明93Lと右側面照明93RとはそれぞれカートンCの側面に光を照射する。ここで、カートンCの側面に照射する光が拡散しないように、左側面照明93LとカートンCとの間の所定空間には左側反射筒(手前側反射筒)94Lが取り付けられ、右側面照明93RとカートンCとの間の所定空間には右側反射筒(奥側反射筒)94Rが取り付けられる(詳細は図6図7)。
【0018】
左側カメラ92Lは左側面照明93Lが照射してカートンCの左側面により反射された光を撮影することで、カートンCの左側面の正面画像を得る。この正面画像は、カートンCの印字内容や印刷デザインを検査するために用いられる。また、左側カメラ92Lは右側面照明93Rが照射してカートンCにより遮られなかった(透過した)光を撮影することで、カートンCの輪郭がシルエットとして形成される背面画像を得る。この場合、右側面照明93Rが左側カメラ92Lにとって背景スクリーンとして機能する。背面画像は、カートンCの箱成型の形状不良を検査するために用いられる。
正面画像と背面画像とは、具体的には1枚の画像内に正面画像を示す第1領域と、背面画像を示す第2領域として形成される。
【0019】
同様に、右側カメラ92Rも右側面照明93Rの反射光を撮影することで、カートンCの右側面の正面画像を得るとともに、左側面照明93Lの透過光を撮影することで、カートンCの輪郭を示す背面画像を得る。
なお、カートンCの検査対象が片方の側面だけの場合には(例えば左側だけ)、検査対象外のカメラは省略してもよい(例えば右側カメラ92Rを省略)。
このように、カートンCの両側面からそれぞれ面照明を当てることで、成型状態を検査する目的の外観検査と、印字状態を検査する印字検査とを1回の撮影で同時に行うことができる。また、すでに正面画像による印字内容や印刷デザインの検査だけが実行されている外観検査システムに対しても、対向側に2枚目の面照明を設けることにより、簡易に外観検査の追加を可能とする。
【0020】
また、図3図5で説明した検査光学系は、以下の(手段1)および(手段2)の少なくとも1つにより検査光学系の筐体を小型化することで、外観検査システムのスペース効率を向上できる。
(手段1)左側面照明93Lおよび右側面照明93Rは、外観検査システムの外光よりも強い光をカートンCに照射するなど、照明の輝度を、外光の影響を受けにくい程度に高輝度化する。これにより、外光の影響を受けにくくするために、大型のカートンCを含めて検査光学系の全体を遮光ハウスで覆う必要がなくなり(換言すると、外観検査システムを外光に対して露出するように構成でき)、検査光学系を小型化できる。
(手段2)1つのカートンCを検査するために、複数回の連続撮影を行う。これにより、複数回のうちの1回の撮影では大型のカートンCの一部だけが映ればよいので、左側カメラ92Lおよび右側カメラ92Rのカメラ位置をカートンCに近づけたり、カメラ視野を狭くしたり、1枚の撮影画像の解像度を低くしたりすることができる。さらに、カメラの撮影範囲が狭いことで、撮影画像内での照明のムラを減らせる。
【0021】
図6は、左側反射筒94Lを備えない場合の左側面照明93Lを示す平面図である。この場合、左側面照明93Lからの照明光(破線矢印で図示)が拡散してしまう。よって、対向側の右側カメラ92R(図3)がカートンCの背面画像を撮影するときに、左側面照明93Lが背景スクリーンとして機能する度合いが小さくなってしまう。
【0022】
図7は、左側反射筒94Lを備える場合の左側面照明93Lを示す平面図である。この場合、左側面照明93Lからの照明光が左側反射筒94Lの内部で反射する。よって、対向側の右側カメラ92RがカートンCの背面画像を撮影するときに、左側面照明93Lが背景スクリーンとして機能する度合いを大きくできる。つまり、左側面照明93Lと左側反射筒94Lとを組み合わせることで、左側面照明93Lを小型化できる。
なお、左側面照明93Lからの照明光を効果的に反射させるために、左側反射筒94Lの内部は反射しやすいように白塗りにしたり、光反射塗料を塗っておくとよい(右側反射筒94Rも同様)。
【0023】
図8は、長側面検査装置97の構成図である。
長側面検査装置97は、検査起動制御部11と、撮像グラバ12と、画像メモリ13と、複数画像グルーピング部14と、画像計測演算処理部15と、検査結果判定部16と、撮像回数制御部17と、検査項目設定部18と、検査項目記憶部19とを有する。
【0024】
検査起動制御部11は、検査起動センサ95(図1の左側検査起動センサ95L、右側検査起動センサ95R)を通過したカートンCを検出すると、撮像グラバ12に対して検査を起動させる。
撮像グラバ12は、照明93(左側面照明93Lおよび右側面照明93R)を制御して、通過中のカートンCに光を照射させるとともに、カメラ92(図1の左側カメラ92L、右側カメラ92R)で連続撮影するように制御する。なお、連続撮影した撮影画像群が1つのカートンCの全体を撮影範囲として漏れなく網羅できるように、連続撮影する回数が撮像回数制御部17を介して撮像グラバ12に与えられる。画像メモリ13には、カートンCの撮影画像が保存される。
複数画像グルーピング部14は、1つのカートンCを連続撮影した撮影画像群を1つにグルーピングする。つまり、カートンC単位で撮影画像群が作成される。なお、複数画像グルーピング部14は、グルーピングされた撮影画像群から、パノラマ画像などの合成画像を作成してもよい。つまり、1つのパノラマ画像には、1つのカートンCが撮影されている。
【0025】
画像計測演算処理部15は、撮影画像群ごとに、その構成要素である個々の撮影画像からカートンCの検査で着目する特徴を抽出する。
検査結果判定部16は、画像計測演算処理部15が抽出した通過中のカートンCの特徴と、事前に検査項目記憶部19に登録されているカートンCの検査項目とを用いて、通過中のカートンCを検査する。そのため、管理者は長手調整用組込PC98を操作して、カートンCの検査項目を検査項目設定部18に入力し、検査項目設定部18から検査項目記憶部19にカートンCの検査項目を登録されておく。
検査結果判定部16は、検査結果を長手調整用組込PC98に表示して管理者に知らせたり、長手制御用PLC99に排出機制御命令として出力して外観検査システムから検査不合格のカートンCを排出させたりする。また、検査結果判定部16は、検査結果の統計データをカウントして、長手調整用組込PC98に統計データをヒストグラムなどの形式で表示してもよい。
【0026】
図9は、検査項目記憶部19に記憶される短側面検査項目データの説明図である。この短側面検査項目データは、例えば検査合格品の撮影画像である。さらに、以下に列挙するように、短側面検査項目データには、短側面の各領域ごとに、検査に用いられる目的・機能が定義されている。以下に一例を示す。
・左上の領域には、左基準位置マーク171が設定される。
・右下の領域には、右基準位置マーク172が設定される。
・上側フラップ端には、トップフラップずれを検査するためのトップフラップ検査領域173Uが設定される。
・左側フラップ端には、左側のサイドフラップずれを検査するための左サイドフラップ検査領域173Lが設定される。
・右側フラップ端には、右側のサイドフラップずれを検査するための右サイドフラップ検査領域173Rが設定される。
・中央フラップ端には、センターフラップずれを検査するためのセンターフラップ検査領域173Cが設定される。
・右上の領域には、製品コード印字検査領域174が設定される。製品コードとは、カートンCに収容される製品(ここでは缶飲料)の種類を特定するデータである。なお、図示省略した製品コードのデータベースからオンラインで製品コードを照合可能である。
・左下の領域には、日時データ印字検査領域175が設定される。日時データとは、例えば製造年月日である。
以上列挙した各検査項目は、検査の目的に応じて各検査を行うか(オン)行わないか(オフ)を指定でき、列挙した各検査項目から一部の検査項目に、実行する検査を限定してもよい。
【0027】
図10は、検査項目記憶部19に記憶される長側面検査項目データの説明図である。この長側面検査項目データは、例えば検査合格品の撮影画像である。さらに、以下に列挙するように、長側面検査項目データには、長側面の各領域ごとに、検査に用いられる目的・機能が定義されている。以下に一例を示す。
・左上の領域には、左基準位置マーク191が設定される。
・右下の領域には、右基準位置マーク192が設定される。
・上側フラップ端には、トップフラップずれを検査するためのトップフラップ検査領域193Uが設定される。
・左側フラップ端には、左側のサイドフラップずれを検査するための左サイドフラップ検査領域193Lが設定される。
・右側フラップ端には、右側のサイドフラップずれを検査するための右サイドフラップ検査領域193Rが設定される。
・右下の領域には、製品コード印字検査領域194が設定される。
・右側の領域には、日時データ印字検査領域195が設定される。
【0028】
図11は、左側カメラ72Lによる短側面前方の撮影画像図である。
連続撮影した撮影画像群のうちの第1回の撮影画像では、短側面前方の正面画像272が左側カメラ72Lの手前側に映っている。一方、右側面照明73Rの背面画像271が左側カメラ72Lの奥側に映っている。よって、画像計測演算処理部15は、コントラスト比が大きい箇所である背面画像271と正面画像272との境界線を、カートンCの輪郭として抽出する。
【0029】
図12は、左側カメラ72Lによる短側面中央の撮影画像図である。
カートンCは、図11のときよりも前方(図面の左側)に移動している。このときの第2回の撮影画像では、背面画像273の位置は変わらないが、正面画像274がカートンCの短側面中央部を映している。
また、図示は省略するが、第3回の撮影画像では、カートンCの短側面後方を映すことにより、合計3枚の撮影画像で、1つのカートンCの全範囲を撮影できる。
【0030】
以下、図13図17を参照して、画像計測演算処理部15および検査結果判定部16による具体的な検査内容を説明する。これらの具体的な検査内容の前処理として、画像計測演算処理部15は、左基準位置マーク171、右基準位置マーク172、ならびに、左基準位置マーク191、右基準位置マーク192を参照して、撮影画像と検査項目データとの位置合わせを行う。
図13は、印字検査およびライン抜け検査の説明図である。
画像計測演算処理部15は、図9の日時データ印字検査領域175に対応する撮影画像の領域を抽出する。そして、検査結果判定部16は、印字検査として、無印字、文字不足、文字乱れ、誤印字、位置ずれなどを不良対象として検出する。
なお、検査結果判定部16は、ライン抜け検査として、画像計測演算処理部15が抽出した撮影画像内のライン抜け領域175Xから、1mm以上(5画素相当)のライン抜けを検出してもよい。
【0031】
図14は、製品異種コード検査の説明図である。
マーク辞書画像として、図9の製品コード印字検査領域174に示される「2T531」という5文字の印刷デザインを、製品異種コード検査の説明用に例示する。
画像計測演算処理部15は、マーク辞書画像に対応する左側面の撮影画像の領域を左側製品コード領域174Lとして抽出し、右側面の撮影画像の領域を右側製品コード領域174Rとして抽出する。
次に、検査結果判定部16は、画像計測演算処理部15により抽出された各製品コード領域と、マーク辞書画像との差分検査を行う。この場合は各製品コード領域に対して1文字ごとの文字抽出は不要であり、画像データとしての差分が検出される。
マーク辞書画像との差分検査の結果として、左側製品コード領域174Lとの比較結果であるマッチング差分領域174Xと、右側製品コード領域174Rとの比較結果であるマッチング差分領域174Yとを、図14にそれぞれ示す。
【0032】
マッチング差分領域174Xは、マーク辞書画像と5文字全てが一致するので、全ての箇所(「2T531」の箇所)が消去される(破線の矩形で示す)。
マッチング差分領域174Yは、マーク辞書画像と最初の3文字が一致するので、その一致箇所(「2T5」の箇所)だけ消去され、残りの不一致箇所(「42」の箇所)は消去されずに撮像内容が残されている。これにより、消去されずに残されている差分量が多いので、検査結果判定部16は、製品異種コード検査として、不合格であると判定できる。
【0033】
一方、画像計測演算処理部15は、抽出した左側製品コード領域174Lおよび右側製品コード領域174Rに対して、OCR(Optical Character Reader)の技術などにより、左右それぞれの印字内容を1文字ずつ抽出してもよい。なお、OCR処理の精度を上げるために、領域内の背景色を白色に変換するなどの前処理を行ってもよい。
その場合、検査結果判定部16は、前記した画像データとしての差分を検出する処理に代えて、文字データとしての差分を検出する処理を行うことでも、同様に、製品異種コード検査を実行できる。
【0034】
図15は、長側面のフラップずれ検査の結果を示す撮影画像図である。
画像計測演算処理部15は、図10の左サイドフラップ検査領域193Lに対応する撮影画像内の領域を左サイドフラップずれ領域193LXとして抽出する。
検査結果判定部16は、外観検査として、左サイドフラップずれ領域193LXの輪郭が左サイドフラップ検査領域193Lのように直線になっている場合(直線性を有している場合)にはフラップずれが発生していない正常状態と判定する。一方、検査結果判定部16は、図15で示すように左サイドフラップずれ領域193LXの輪郭が途中で折れ曲がっており、直線になっていない場合にはフラップずれが発生した不良状態と判定する。
図10の右サイドフラップ検査領域193Rに対応する撮影画像内の右サイドフラップずれ領域193RXの直線性についても、同様に検査される。
【0035】
さらに、画像計測演算処理部15は、図10のトップフラップ検査領域193Uに対応する撮影画像内の領域をトップフラップずれ領域193UXとして抽出する。
検査結果判定部16は、外観検査として、トップフラップずれ領域193UXの輪郭がトップフラップ検査領域193Uの輪郭よりも上部に位置していたり、トップフラップずれ領域193UXの輪郭が直線になっていない場合には、フラップずれが発生した不良状態と判定する。
以上、図15で説明したフラップずれ検査では、背面画像に撮影されている対向側からの透過光がシルエットとしてカートンCの輪郭を抽出した結果が活用されている。
【0036】
図16は、短側面のフラップずれ検査の結果を示す撮影画像図である。
画像計測演算処理部15は、図15と同様に、図9の左サイドフラップ検査領域173Lの位置に対応する左サイドフラップずれ領域173LXと、図9の右サイドフラップ検査領域173Rの位置に対応する右サイドフラップずれ領域173RXと、図9のセンターフラップ検査領域173Cの位置に対応するセンターフラップずれ領域173CXとをそれぞれ抽出する。
検査結果判定部16は、外観検査として、図15と同様に、抽出された各ずれ領域の輪郭が直線か否かにより、フラップずれの発生有無を判定する。なお、センターフラップずれ領域173CXの検査では、検査結果判定部16は、上フラップの下端と、下フラップの上端とが開いてしまっているときに、フラップずれが発生したと判定してもよい。
以上、図15および図16を参照して、フラップずれ検査を説明した。検査結果判定部16は、フラップずれ検査だけでなく、フラップの傷の有無や、フラップのめくれの有無を検査してもよい。
【0037】
図17は、短側面のフラップ折込不良検査の結果を示す撮影画像図である。
この撮影画像には、上フラップと下フラップとに折り込まれてケース奥側に隠れるはずの左サイドフラップが、上フラップおよび下フラップよりも手前側に折り込まれてしまったフラップ折込不良領域179Xを含むカートンCが撮影されている。
このようなフラップ折込不良を検出するために、例えば、検査結果判定部16は、検査項目記憶部19に事前に記憶される短側面検査項目データ(検査合格品)と、今回のカートンCの撮影画像とを画像照合し、たとえば、両データの一致度合いが75%以上の場合に、折込不良が発生していないと判定する。
【0038】
なお、図17の場合では、フラップ折込不良領域179Xの面積が側面全体の1/3程度と広いため、一致度合いが66%で75%未満となり、検査結果判定部16は、フラップ折込不良を検出できる。なお、画像照合処理は、側面の領域全体での照合としてもよいし、4隅に近い一部の領域どうしでの照合としてもよい。照合される一部の領域とは、例えば、左基準位置マーク171の領域、右基準位置マーク172の領域、製品コード印字検査領域174、および、日時データ印字検査領域175である。
左上、左下、右上、右下という4隅の領域を全てチェックすることで、折込不良のパターンは全て検査できる。
【0039】
図18は、短側面のフラップずれ検査について、図16とは別の結果を示す撮影画像図である。
画像計測演算処理部15は、図18の撮影画像図に対して、図9のトップフラップ検査領域173UにおけるカートンC上部の輪郭を抽出する。そして、検査結果判定部16は、抽出したカートンC上部の輪郭が、カートンC底部に対して水平になっておらず、傾いていることにより、トップフラップのずれを検出できる。
【0040】
以上説明した本実施形態では、左側カメラ72Lが検査対象のカートンCを撮影するときに、右側面照明73Rの透過光による面照明撮影領域271と左側面照明73Lの反射光による短側面撮影領域272との双方が同時に撮影されるように、図3図5で示す外観検査システムの検査光学系を構成した。
これにより、カートンCの側面の印字内容だけでなく、カートンCの輪郭の形状も1枚の撮影画像から効率的に取得できるので、印字検査や外観検査など、立体物としてのカートンCを多様な検査項目で検査することができる。
【0041】
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、検査対象物の種類、サイズ、実行される検査項目などの様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。
また、前記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
【0042】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0043】
11 検査起動制御部
12 撮像グラバ
13 画像メモリ
14 複数画像グルーピング部
15 画像計測演算処理部
16 検査結果判定部
17 撮像回数制御部
18 検査項目設定部
19 検査項目記憶部
90 長側面検査部
91L 左側プリンタ
91R 右側プリンタ
92L 左側カメラ(手前側カメラ)
92R 右側カメラ(奥側カメラ)
93L 左側面照明(手前側照明)
93R 右側面照明(奥側照明)
94L 左側反射筒(手前側反射筒)
94R 右側反射筒(奥側反射筒)
95L 左側検査起動センサ
95R 右側検査起動センサ
97 長側面検査装置
98 長手調整用組込PC
99 長手制御用PLC
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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