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特許7060596X線走査及び光学走査の組合せを使用する切断/分配
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】X線走査及び光学走査の組合せを使用する切断/分配
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/04 20180101AFI20220419BHJP
   G01N 23/18 20180101ALI20220419BHJP
   A22C 21/00 20060101ALI20220419BHJP
   A22C 17/00 20060101ALI20220419BHJP
   A22C 25/00 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
G01N23/04
G01N23/18
A22C21/00 Z
A22C17/00
A22C25/00 Z
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019526189
(86)(22)【出願日】2017-07-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-26
(86)【国際出願番号】 US2017043687
(87)【国際公開番号】W WO2018022598
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-07-14
(31)【優先権主張番号】62/368,941
(32)【優先日】2016-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16207287.0
(32)【優先日】2016-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】15/394,208
(32)【優先日】2016-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519032723
【氏名又は名称】ジョン・ビーン・テクノロジーズ・コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】591042838
【氏名又は名称】ノルデイシェル・マシーネンバウ・ルド・バアデル・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・カーゲー
【氏名又は名称原語表記】NORDISCHER MASCHINENBAU RUD.BAADER GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG+COMPAGNIE KOMMANDITGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ホッカー,ジョン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】シュテッフェンス,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ブレイン,ジョージ・アール
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0307013(US,A1)
【文献】国際公開第2015/198062(WO,A1)
【文献】特開2016-038364(JP,A)
【文献】特表2019-526061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00-23/2276
G01V 5/00-5/14
A22C 17/00-17/16
B26D 1/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベア・システム上で食品を搬送する間、食品から望ましくない成分を切断して取り除く及び/又は食品を分配するため、食品を処理するシステム10であって、前記システムは、
食品を搬送する上流コンベア区分12を備える前記コンベア・システム;
前記上流コンベア区分上の食品を走査し、食品のサイズ及び/又は形状並びに食品から取り除くべき望ましくない成分の位置(複数可)を含む食品の物理的パラメータを確認するため、前記上流コンベア区分12に配置したX線走査器60であって、前記確認した物理的パラメータは、食品の形状及び/又はサイズ並びに食品から取り除くべき、望ましくない成分の位置(複数可)に対応する第1のデータ・セットによって表す、X線走査器60;
前記上流コンベア区分によって既に搬送した食品を受け、食品を更に搬送するため、前記上流コンベア区分12の下流に配置した下流コンベア区分20を備える前記コンベア・システム;
前記下流コンベア区分20上の食品を走査し、前記下流コンベア区分20上の食品の位置並びに前記下流コンベア区分20上の食品の形状及び/又はサイズから構成される食品の物理的パラメータを確認する、前記下流コンベア区分20の光学走査器102であって、前記確認した物理的パラメータの少なくとも一部は、食品の形状及び/又はサイズに対応する第2のデータ・セットによって表す、光学走査器102;並びに
食品を切断して望ましくない食品成分を取り除く、及び/又は食品を分配する1つ又は複数の切断器(複数可)120
を備える、システム10において、
前記第1のデータ・セット及び前記第2のデータ・セットを受信すること;
前記光学走査器により走査した食品が、前記X線走査器により既に走査した同じ食品に対応することを検証するため、前記光学走査器102からの前記第2のデータ・セットの少なくとも一つの部分と、この第2のデータ・セットの少なくとも一つの部分に対応する前記X線走査器60からの前記第1のデータ・セットの少なくとも一つの部分とを比較すること;
前記第1のデータ・セットの少なくとも一つの部分とこの少なくとも一つの部分に対応する第2のデータ・セットの少なくとも一つの部分とを比較することであって、前記第1のデータ・セットと前記第2のデータ・セットとの間に十分な差異が存在する場合、前記第1のデータ・セットを前記第2のデータ・セットの上で変換することを任意選択で実施し、前記変換は、
(i)食品の方向変換;
(ii)食品の回転変換;
(iii)食品サイズの尺度変更;
(iv)食品のせん断歪み;
の1つ又は複数を含む、比較すること;
食品上の望ましくない成分を位置特定する及び/又は食品の分配の仕方を決定すること;並びに
食品を切断して望ましくない成分を取り除く及び/又は食品を分配する前記切断器120を制御すること
を行うように構成したプロセッサ18
を特徴とするシステム10。
【請求項2】
前記第1のデータ・セットは、前記上流コンベア区分12上の食品の外側周囲構成に対応し、
前記第2のデータ・セットは、前記下流コンベア区分20上の食品の外側周囲構成に対応する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のデータ・セットは、前記上流コンベア区分20上の食品の外側周囲構成に沿った位置に対応し、
前記第2のデータ・セットは、前記下流コンベア区分20上の食品の外側周囲構成に沿った位置に対応する、
請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のデータ・セットは、前記上流コンベア区分12上の食品の外側周囲構成に沿った位置に対応する座標を含み、
前記第2のデータ・セットは、前記下流コンベア区分20上の食品の外側周囲構成に沿った座標を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記X線走査器60及び/又は前記光学走査器102によって確認する更なる任意選択の物理的パラメータは、食品の長さ、幅、縦横比、厚さ、厚さ断面、輪郭、外側輪郭;外側周囲;外側周囲構成;周囲サイズ並びに/又は形状及び重量の少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサが、前記光学走査器102により走査した食品が前記X線走査器60により既に走査した食品と同じ食品ではないことを決定した場合、前記プロセッサは、前記X線走査器60により走査した後続の食品が前記光学走査器120により走査したのと同じ食品であるかどうかを決定する、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記X線走査器60からの前記第1のデータ・セットと前記光学走査器102からの前記第2のデータ・セットとを比較し、前記光学走査器により走査した食品が前記X線走査器により既に走査した同じ食品に対応することを検証し、前記検証は、前記第1のデータ・セット及び前記第2のデータ・セットのデータ値の二乗平均平方根誤差分析;前記第1のデータ・セット及び前記第2のデータ・セットのデータ値の標準偏差分析;前記第1のデータ・セット及び前記第2のデータ・セットのデータ値の最小二乗回帰分析からなる群から選択される分析方法の使用によって行う、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンベア・システムに沿った前記X線走査器から前記光学走査器までの食品の位置は、監視しない、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記上流コンベア区分12に沿った食品の進行位置は、監視せず、
前記プロセッサ18は、食品が前記上流コンベア区分12を離れた際に前記第1のデータ・セットを受信する、
請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記下流コンベア区分20は、前記下流コンベア区分20に沿って延在するコンベア・ベルト22を備え、
前記プロセッサ18は、前記第1のデータ・セットを受信すると、前記下流コンベア区分20に対する前記コンベア・ベルト22の位置を記録する、
請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンベア・システムは、前記上流コンベア区分12と前記下流コンベア区分20との間に配置した移送コンベア区分250を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
コンベア・システム上で食品を搬送する間、食品から望ましくない成分を切断して取り除く及び/又は食品を分配するため、食品を処理する方法であって、前記方法は、
前記コンベア・システムの上流コンベア区分12上で食品を搬送すること;
食品のサイズ及び/又は形状並びに食品から取り除くべき望ましくない成分の位置(複数可)を含む食品の物理的パラメータを確認するため、X線走査器60により前記第1のコンベア区分12上の食品を走査することであって、前記物理的パラメータは、食品のサイズ及び/又は形状並びに食品から取り除くべき、望ましくない食品成分の位置(複数可)であり、X線走査によって確認する前記物理的パラメータは、食品のサイズ及び/又は形状並びに望ましくない食品成分の位置に対応する第1のデータ・セット内で構成する、走査すること;
食品を更に搬送するため、前記上流コンベア区分12の下流に配置した前記コンベア・システムの下流コンベア区分20に食品を移送すること;並びに
食品の物理的パラメータを確認するため、光学走査器102により前記第2のコンベア区分上の食品を走査することであって、前記物理的パラメータは、前記第2のコンベア区分20上の食品の位置並びに前記第2のコンベア区分20上の食品のサイズ及び/又は形状から構成され、前記光学走査器102によって確認する前記物理的パラメータは、前記第2のコンベア上の食品の形状及び/又はサイズ並びに食品の外側周囲構成に対応する第2のデータ・セット内に構成する、走査すること;
を含む、方法において、
前記第1のデータ・セット及び前記第2のデータ・セットを受信すること;
前記光学走査器により走査した食品が、前記X線走査器により既に走査した同じ食品に対応することを検証するため、前記光学走査器102からの前記第2のデータ・セットの少なくとも一つの部分と、この第2のデータ・セットの少なくとも一つの部分に対応する前記X線走査器60からの前記第1のデータ・セットの少なくとも一つの部分とを比較すること;並びに
前記第1のデータ・セットの少なくとも一つの部分とこの少なくとも一つの部分に対応する前記第2のデータ・セットの少なくとも一つの部分とを比較することであって、前記第1のデータ・セットと前記第2のデータ・セットとの間に十分な差異が存在する場合、前記第1のデータ・セットを前記第2のデータ・セット上で変換することを任意選択で実施し、前記変換は、
(i)食品の方向変位;
(ii)食品の回転移動;
(iii)食品サイズの尺度変更;
(iv)食品のせん断歪み;
の1つ又は複数を含む、比較すること;
前記変換した食品上の望ましくない成分を位置特定する及び/又は前記変換した食品の分配の仕方を決定すること;並びに
前記変換した食品上の望ましくない成分の前記決定した位置を使用することによって、食品を切断して望ましくない成分を取り除く及び/又は前記変換した食品の分配の仕方の決定を使用することによって食品を分配すること
のためにプロセッサ18を使用するステップ
を特徴とする、方法。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記第1のデータ・セットを前記第2のデータ・セットと比較する際、前記第1のコンベア区分12上の食品の外側周囲構成に対応する前記第1のデータ・セットからのデータと、前記第2のコンベア区分20上の食品の外側周囲構成に対応する前記第2のデータ・セットからのデータとを比較する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記第1のコンベア区分12上の食品の外側周囲に沿った位置に対応する前記第1のデータ・セットからのデータと、前記第2のコンベア区分20上の食品の外側周囲に沿った位置に対応する前記第2のデータ・セットからのデータとを比較する、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記第1のデータ・セットを前記第2のデータ・セットと比較する際、前記第1のコンベア区分12上の食品の外側周囲に沿って位置する座標に対応する前記第1のデータ・セットからのデータと、前記第2のコンベア区分20上の食品の外側周囲に沿って位置する座標に対応する前記第2のデータ・セットからのデータとを比較する、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
更なる物理的パラメータを確認するため、前記X線走査器60及び/又は前記光学走査器によって食品を走査することを更に含み、前記更なる物理的パラメータは、食品の長さ、幅、縦横比、厚さ、厚さ断面、輪郭、外側輪郭、外側周囲、外側周囲構成、周囲サイズ、体積並びに/又は形状及び重量の少なくとも1つを含む、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記プロセッサが、前記光学走査器102により走査した食品が前記X線走査器60により既に走査した食品と同じ食品ではないことを決定した場合、前記プロセッサは、前記X線走査器60により走査した後続の食品が前記光学走査器102により走査したのと同じ食品であるかどうかを決定する、請求項12~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記X線走査器60からの前記第1のデータ・セットと前記光学走査器102からの前記第2のデータ・セットとを比較し、前記光学走査器により走査した食品が前記X線走査器により既に走査した同じ食品に対応することを検証し、前記検証は、前記第1のデータ・セット及び前記第2のデータ・セットのデータ値の二乗平均平方根誤差分析;前記第1のデータ・セット及び前記第2のデータ・セットのデータ値の標準偏差分析;前記第1のデータ・セット及び前記第2のデータ・セットのデータ値の最小二乗回帰分析からなる群から選択される分析方法の使用によって行う、請求項12~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記コンベア・システムに沿った前記X線走査器から前記光学走査器までの食品の位置は、監視しない、請求項12~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記コンベア・システムは、前記上流コンベア区分12と前記下流コンベア区分20との間に配置した移送コンベア区分250の上の食品を搬送することを更に含む、請求項12~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
コンベア・システム上で食品を搬送する間、食品から望ましくない成分を切断して取り除く及び/又は食品を分配するため、食品を処理するシステム10’であって、前記システムは、
(a)食品を搬送する上流コンベア区分12を備える前記コンベア・システム;
(b)前記上流コンベア区分12上の食品を走査し、食品から取り除くべき望ましくない成分の位置(複数可)を含む食品の物理的パラメータを確認するため、前記上流コンベア区分12に配置したX線走査器60であって、前記確認する物理的パラメータは、食品及び望ましくない食品成分の位置(複数可)に対応する第1のデータ・セットによって表す、X線走査器60;
(c)前記上流コンベア区分12によって既に搬送した食品を受け、食品を更に搬送するため、前記上流コンベア区分12の下流に配置した下流コンベア区分20を備える前記コンベア・システム;
(d)前記下流コンベア区分20上の食品を走査し、食品の物理的パラメータを確認するため、前記下流コンベア区分20に配置した第1の光学走査器102であって、前記物理的パラメータは、前記下流コンベア区分20上の食品の位置並びに前記下流コンベア区分20上の食品のサイズ及び/又は形状パラメータを含み、前記確認する物理的パラメータの少なくとも一部は、食品のサイズ及び/又は形状に対応する第2のデータ・セットによって表す、光学走査器102;並びに
(e)前記上流コンベア区分12上の食品を走査し、食品の物理的パラメータを確認するため、前記上流コンベア区分12に配置した第2の光学走査器202であって、前記物理的パラメータは、食品のサイズ及び/又は形状パラメータ並びに任意選択で、食品から取り除くべき望ましくない成分の位置(複数可)を含み、前記確認する物理的パラメータは、食品のサイズ及び/又は形状並びに任意選択で、望ましくない食品成分の位置(複数可)に対応する第3のデータ・セットによって表す、第2の光学走査器202;
(f)食品を切断して望ましくない食品成分を取り除く及び/又は食品を分配する1つ又は複数の切断器(複数可)120
を備える、システム10’において、
前記第1のデータ・セット、前記第2のデータ・セット及び前記第3のデータ・セットを受信すること;
第1の光学走査器102により走査した食品が、第2の光学走査器202により既に走査した同じ食品に対応することを検証するため、前記第1の光学走査器102からの前記第2のデータ・セットの少なくとも一つの部分と、この第2のデータ・セットの少なくとも一つの部分に対応する前記第2の光学走査器202からの前記第3のデータ・セットの少なくとも一つの部分とを比較すること;
前記第3のデータ・セットの少なくとも一つの部分とこの少なくとも一つの部分に対応する第2のデータ・セットの少なくとも一つの部分とを比較することであって、前記第3のデータ・セットと前記第2のデータ・セットとの間に十分な差異が存在する場合、前記第3のデータ・セットを前記第2のデータ・セット上で変換することを任意選択で実施し、前記変換は、
(i)食品の方向変換;
(ii)食品の回転変換;
(iii)食品サイズの尺度変更;
(iv)食品のせん断歪み;
の1つ又は複数を含む、比較すること;
食品上の望ましくない成分を位置特定する及び/又は食品の分配の仕方を決定すること;並びに
食品を切断して望ましくない成分を取り除く及び/又は食品を分配する前記1つ又は複数の切断器(複数可)120を制御すること
を行うように構成したプロセッサ18
を特徴とする、システム10’。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線走査及び光学走査の組合せを使用する切断/分配に関する。
【背景技術】
【0002】
食肉、家禽、魚及び他の食品の処理は、食品を所望のサイズ、重量、形状等に分配すること、及び骨、軟骨、脂肪、金属、ガラス、プラスチック等、食品からの望ましくない材料又は成分又は欠陥(総称して若しくは個々に「材料」)の位置を特定し、取り除くことを含んでいる。過去、こうした処理は、手で行っており、労働集約的な活動であった。より最近では、自動分配機の使用により食品を分配するシステム及び方法が開発されている。食品からの望ましくない材料を位置特定し、取り除くことを自動化する試みもなされている。初期のシステムは、食品内の望ましくない材料を検出する光学走査器、音響走査器、及び針等の機械デバイスの使用を含んでいる。骨又は他の望ましくない材料/欠陥の位置を特定した後、例えば高圧水噴射切断器を使用して、これらを食品から切除することができる。
【0003】
その後の開発は、特に食品内部の望ましくない材料の位置を特定するX線走査器の使用を含んでいる。X線走査器からの情報を使用し、1つ又は複数のナイフ、水噴射切断器又は他の種類の切断器かどうかによらず、切断デバイス(複数可)の切断経路を制御する。食品は、典型的には、コンベア上でX線走査器を通過して運ばれる。走査器からの情報を分析し、食品内の望ましくない材料の位置を決定する。この情報を使用し、下流の切断器(複数可)の動作を制御する。
【0004】
X線走査を成功させるには、食品を、ゴム及び/又はプラスチックから構成したコンベア・ベルト等のX線透過性のコンベア・ベルト上で搬送することを必要とする。しかし、そのようなコンベア・ベルトは、水噴射切断器(複数可)を使用する切断/切除工程の間の食品の搬送に適していない。むしろ、水噴射切断には、高圧水噴射の影響に耐え、例えば加工品の切断後、水噴射がベルトを通って下方に通過可能であるように、格子又は「開放」構造の堅固な金属ベルトが必要である。したがって、食品は、X線走査器に関連付けた最初のゴム又はプラスチックのベルトから、切断のための金属格子型ベルトに移送される。この移送工程の間、食品は、ベルトの速度の差、ベルトの不整合、食品に対するベルトの「把持力」の差等、様々な原因により、ベルトに対して変位し、形状が歪む又は変化することがある。結果として、X線走査器によって検出したコンベア上の食品の位置及び/又は食品の構成は、使用される下流の水噴射又は他の切断器(複数可)に達する食品とは一致しないことがある。このことは、不正確な食品の切断及び/又は分配をもたらすおそれがある。
【0005】
上記の状況に対処する努力において、第1の平坦X線透過性ベルトに関連付けたX線走査器、及び金属開放格子ベルト上に位置する第2の光学走査器を利用するシステムが開発されている。追跡機構は、食品が最初のX線ベルト上にある間、及び金属開放格子切断ベルト上にある間にも、食品の位置を常時追跡するために使用される。追跡位置のデータは、第2の開放格子ベルト上の食品の推定位置を決定するために使用し、システムが、光学走査した食品がX線システムにより既に走査したのと同じ食品であることを確認できるようにすると記載されている。コンピュータ・プロセッサは、骨、軟骨、脂肪等の位置に関するX線画像データを、視覚システムによって生成した第2の画像データ上にマッピングする。
【0006】
本開示は、第1のX線透過性ベルトにわたり配置したX線走査器及び下流の金属開放格子型ベルトにわたり配置した第2の光学走査器を利用して、食品からの望ましくない材料を位置特定し、取り除くための向上したシステム及び方法を対象とする。向上したシステム及び方法は、食品を所望のサイズ、形状、重量等に分配するために使用することもできる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本概要は、概念の1つの選択を簡略化した形態で導入するために提供し、これらの概念は、発明を実施するための形態において以下で更に説明する。本概要は、請求する主題の主要の特徴を特定することを意図するものでも、本概要を個別に使用し、請求する主題の範囲を決定する助けとして使用することを意図するものでもない。
【0008】
加工品をコンベア・システム上で搬送する間、加工品からの望ましくない成分を切断し、取り除く及び/又は加工品を分配するため、食品形態の加工品を含む加工品を処理するシステムを提供する。食品形態の加工品という状況において、コンベア・システムは、食品を搬送する上流コンベア区分を備える。X線走査器は、上流コンベア区分に配置し、食品を走査し、食品のサイズ及び/又は形状パラメータを含む食品の物理的パラメータを確認する。1つのそのような形状及び/又はサイズのパラメータは、食品の外側周囲構成である。X線走査器は、食品から取り除くべき、望ましくない成分の位置(複数可)も確認する。確認される食品の物理的パラメータは、第1のデータ・セットによって表され、第1のデータ・セットは、食品のサイズ及び/又は形状パラメータ(複数可)並びに食品の望ましくない成分の位置(複数可)に対応する。
【0009】
X線走査器から下流に配置したコンベア・システムの下流コンベア区分は、上流コンベア区分から食品を受け、食品を更に搬送する。光学走査器は、下流コンベア区分に配置し、食品を走査し、下流コンベア区分上の食品のサイズ及び/又は形状パラメータ並びに食品の位置を含む食品の物理的パラメータを確認する。X線走査器の場合と同様に、光学走査器によって確認するサイズ及び/又は形状パラメータは、食品の外側周囲構成の形態とすることができる。また、光学走査により確認する食品の物理的パラメータの少なくとも一部は、第2のデータ・セットによって表す。
【0010】
システムは、食品を切断して望ましくない食品成分を取り除く及び/又は食品を分配する1つ又は複数の切断器(複数可)も含む。
【0011】
システムを制御するプロセッサを提供する。この点について、プロセッサは、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットを受信し、光学走査器からの第2のデータ・セットと、X線走査器からの見かけ上対応する第1のデータ・セットとを比較するように構成する。この比較の1つの目的は、光学走査器によって走査した食品が、X線走査器により既に走査した同じ食品に対応することを検証することである。
【0012】
プロセッサは、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットの対応する部分も比較し、第1のデータ・セットと第2のデータ・セットとの間の調和又は一致を確認する。サイズ/形状パラメータに関係する第1のデータ・セットと第2のデータ・セットとの間に十分な差異が存在する場合、第1のデータ・セットを第2のデータ・セット上で変換することを任意選択で実行することができる。そのような変換は、食品の方向変換、食品の回転変換、食品サイズの尺度変更、及び食品のせん断歪みの1つ又は複数を含む。
【0013】
また、プロセッサは、食品の望ましくない成分を位置特定する及び/又は食品の所望の分配の仕方を決定する。その後、プロセッサは、食品データを変換したか否かによらず、切断器(複数可)を制御し、食品を切断して望ましくない食品成分を取り除く、及び/又は食品を分配する。
【0014】
上記のように、X線走査器及び光学走査器によって確認する物理的パラメータは、食品の外側周囲構成を含むことができる。この点について、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットは、食品の外側周囲に沿った位置に対応し得る。より詳細には、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットは、食品の外側周囲部分に沿った位置に対応する座標に対応し得る。
【0015】
上にも記したように、X線走査器及び/又は光学走査器によって確認する物理的パラメータは、食品のサイズ及び/又は形状パラメータ、並びにより詳細には食品の外側周囲構成を含む。X線走査器及び/又は光学走査器によって確認する更なるサイズ及び/又は形状パラメータは、食品の長さ、幅、縦横比、厚さ、厚さ断面、輪郭、外側輪郭、外側周囲サイズ、外側周囲形状及び/又は重量を含むことができる。
【0016】
本開示の更なる態様として、プロセッサが、光学走査器により走査した食品がX線走査器により既に走査した食品と同じ食品ではないことを決定した場合、プロセッサは、X線走査器により走査した後続の食品が光学走査器により走査したのと同じ食品であるかどうかを決定するように動作可能である。この点について、X線走査器により走査した食品は、光学走査器に到達する前にコンベア・システムから取り除かれていることがある。したがって、取り除いた食品の第1のデータ・セットに対応する第2のデータ・セットはない。光学走査器により確認する次のデータ・セットは、コンベア・システムから取り除いた食品の後続の食品のデータ・セットである。したがって、プロセッサが光学走査器により確認するデータ・セットと、取り除いた食品のデータ・セットとを比較した場合、一致が生じない。しかし、コンベア・システムから取り除いた食品の後の次の食品に関係する比較において、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットの一致は生じる。このようにして、本発明のシステムは、コンベア・システムから取り除いた食品が光学走査器に決して到達していないことを決定する。
【0017】
プロセッサによる第1のデータ・セットと第2のデータ・セットとの比較は、様々な分析方法を使用して実行することができる。1つのそのような方法は、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットの値を比較することができる二乗平均平方根誤差分析である。利用し得る第2の分析方法は、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットの選択データ値の標準偏差を比較することである。閾値又は基準標準偏差を予め設定することができ、設定値を下回る偏差が、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットからのデータが十分に類似していること、並びにX線走査器及び光学走査器により走査した、対応する食品が同じであることを示すようにする。利用し得る第3の分析方法は、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットのデータ値の最小二乗回帰分析である。他の分析方法を利用することができる。
【0018】
上記のシステムは、コンベア・システムに沿ったX線走査器から光学走査器までの食品の位置を監視する必要がないことは理解されよう。
【0019】
しかし、コンベア・システムに沿った食品の進行位置を監視しないが、プロセッサが、食品が上流コンベア区分を離れた際に第1のデータ・セットを受信した場合、下流コンベア区分の速度及び下流コンベア区分に沿った光学走査器の位置に基づき、X線走査した食品が光学走査器に到達した時点の近似を行うことができる。
【0020】
本開示の更なる態様として、下流コンベアは、コンベア・ベルトを利用することができる。そのような場合、プロセッサは、第1のデータ・セットを受信すると、光学走査器に対するコンベア・ベルトの位置を記録し、これにより、食品が光学走査器に到達し得るときに関する近似をもたらすことができる。しかし、上記のように、プロセッサによるこの監視は、本開示のシステムでは必要ではない。
【0021】
本開示の更なる態様では、移送コンベア区分は、上流コンベア区分と下流コンベア区分との間に配置することができる。そのような移送コンベアを使用し、第1のコンベア区分と第2のコンベア区分との間の高さの差に適合させることができる。更に、移送コンベアは、各端部に鋭い先端を有することができ、上流コンベアから食品を受け、次に、食品の歪みをほとんど伴わずに食品を下流コンベアに送出するようにする。このようにして、上流コンベア区分及び下流コンベア区分の隣接する端部は、従来の比較的大きな半径の先端を有することができる。
【0022】
本開示の更なる態様では、第2の光学走査器は、上流コンベア区分に配置され、上流コンベア区分上の食品を走査し、食品のサイズ及び/又は形状パラメータを含む食品の物理的パラメータを確認する。任意選択で、第2の走査器は、食品を走査し、食品から取り除くべき、望ましくない成分の位置(複数可)を確認することもできる。第2の光学走査器によって確認される食品の物理的パラメータは、第3のデータ・セットによって表され、第3のデータ・セットは、食品のサイズ及び/又は形状に関連するパラメータ並びに任意選択で食品の望ましくない成分の位置(複数可)に対応する。
【0023】
1つの選択として、第1のデータ・セット、第2のデータ・セット及び第3のデータ・セットをプロセッサに送信し、プロセッサは、第1の光学走査器からの第2のデータ・セットと、第2の光学走査器からの第3のデータ・セットとを比較する。第2のデータ・セットと第3のデータ・セットとの間に十分な差異が存在する場合、第3のデータ・セットを第2のデータ・セット上で変換することを任意選択で実行することができる。そのような変換は、食品の方向変換、食品の回転変換、食品サイズの尺度変更、及び食品のせん断歪みの1つ又は複数を含む。代替として、X線走査器及び第2の光学走査器からの出力をX線走査器及び第2の光学走査器と関連付けた第2のデータ・プロセッサに送信することができ、この第2のデータ・プロセッサは、第1のデータ・セット及び第3のデータ・セットを生成し、したがって、これらのデータ・セットをシステム・プロセッサに送信し、これらのデータ・セットを第1の光学走査器のデータ・セットと共に処理することができる。
【0024】
X線走査器及び第2の光学走査器によって確認されるデータの使用により、プロセッサは、食品内の望ましくない成分を位置特定する。その後、プロセッサは、切断器又は複数の切断器を制御し、食品を切断して望ましくない食品成分を取り除く。
【0025】
加工品をコンベア・システム上で搬送する間、加工品からの望ましくない成分を切断し、取り除く及び/又は加工品を分配するため、食品形態の加工品を含む加工品を処理する方法を提供する。食品形態の加工品の状況において、方法は、食品を上流コンベア区分上に搬送することを含む。食品は、上流コンベア区分上にある間、X線走査器により走査し、これにより、食品のサイズ及び/又は形状パラメータを含む食品の物理的パラメータを確認する。1つのそのような形状及び/又はサイズのパラメータは、食品の外側周囲構成である。食品から取り除くべき望ましくない成分の位置(複数可)は、X線走査器によっても確認される。確認される食品の物理的パラメータは、第1のデータ・セットによって表され、第1のデータ・セットは、食品のサイズ及び/又は形状パラメータ(複数可)並びに望ましくない食品成分の位置(複数可)に対応する。
【0026】
X線走査器から、食品は、下流コンベア区分に移送され、更に搬送される。食品は、下流コンベア区分に位置する光学走査器によって走査され、下流コンベア区分上の食品のサイズ及び/又は形状パラメータ並びに食品の位置を含む食品の物理的パラメータを確認する。X線走査器の場合と同様に、光学走査器によって確認するサイズ及び/又は形状パラメータは、食品の外側周囲構成の形態とすることができる。また、光学走査により確認する食品の物理的パラメータの少なくとも一部は、第2のデータ・セットによって表す。
【0027】
次に、食品を1つ又は複数の切断器によって切断して望ましくない食品成分を取り除く及び/又は食品を分配する。
【0028】
プロセッサはシステムを制御する。この点について、プロセッサは、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットを受信し、光学走査器からの第2のデータ・セットと、X線走査器からの見かけ上対応する第1のデータ・セットとを比較する。この比較の1つの目的は、光学走査器によって走査した食品が、X線走査器により既に走査したのと同じ食品であることを検証することである。
【0029】
プロセッサは、サイズ及び/又は形状パラメータに関連する第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットの対応する部分も比較し、第1のデータ・セットと第2のデータ・セットとの間の調和又は一致を確認する。第1のデータ・セットと第2のデータ・セットとの間に十分な差異が存在する場合、第1のデータ・セットを第2のデータ・セット上で変換することができる。そのような変換は、食品の方向変換、食品の回転変換、食品サイズの尺度変更、及び食品のせん断歪みの1つ又は複数を含む。
【0030】
食品上の望ましくない成分は、プロセッサによって位置特定される、及び/又は食品の所望の分配の仕方に関して決定が行われる。その後、切断器は、プロセッサによって動作、制御し、これにより、食品を変換したか否かによらず、食品を切断して望ましくない食品成分を取り除く及び/又は食品を分配する。
【0031】
上記のように、X線走査器及び光学走査器は、食品の外側周囲構成を含み得る食品の物理的パラメータを確認する。この点について、X線走査器及び光学走査器によって生成した第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットは、食品の外側周囲に沿った位置に対応し得る。より詳細には、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットは、食品の外側周囲に沿った位置に対応する座標に対応し得る。
【0032】
上にも記したように、X線走査器及び/又は光学走査器によって確認する物理的パラメータは、食品のサイズ及び/又は形状パラメータ、並びにより詳細には食品の外側周囲構成を含む。X線走査器及び/又は光学走査器によって確認する更なるサイズ及び/又は形状パラメータは、食品の長さ、幅、縦横比、厚さ、厚さ断面、輪郭、外側輪郭、外側周囲サイズ、外側周囲形状、体積及び/又は重量を含むことができる。
【0033】
本開示の更なる態様として、プロセッサが、光学走査器により走査した食品がX線走査器により既に走査した食品と同じ食品ではないことを決定した場合、プロセッサは、X線走査器により走査した後続の食品が光学走査器により走査した同じ食品であるかどうかを決定する。この点について、X線走査器により走査した食品は、光学走査器に到達する前に、コンベア・システムから取り除かれていることがある。したがって、取り除いた食品の第1のデータ・セットに対応する第2のデータ・セットはない。光学走査器により確認する次のデータ・セットは、コンベア・システムから取り除いた食品の後続の食品のデータ・セットである。この点について、光学走査器により確認されるデータ・セットと、取り除いた食品のデータ・セットとをプロセッサによって比較した場合、一致が生じない。しかし、コンベア・システムから取り除いた食品の後の次の食品に関係する比較において、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットの一致は生じる(1つの食品のみを取り除いたと仮定する)。このようにして、本発明のシステムは、コンベア・システムから取り除いた食品が光学走査器に決して到達していないことを決定する。
【0034】
プロセッサは、第1のデータ・セットと第2のデータ・セットとを比較する様々な分析方法を使用することができる。1つのそのような方法は、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットの値を比較することができる二乗平均平方根誤差分析である。利用し得る第2の分析方法は、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットのデータ値の標準偏差を比較することである。閾値又は基準標準偏差を予め設定することができ、設定値を下回る偏差が、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットからのデータが十分に類似していること、並びにX線走査器及び光学走査器により走査した、対応する食品が同じであることを示すようにする。利用し得る第3の分析方法は、第1のデータ・セット及び第2のデータ・セットのデータ値の最小二乗回帰分析である。他の分析方法を利用することができる。
【0035】
上記の方法では、コンベア・システムに沿ったX線走査器から光学走査器までの食品の位置を監視又は追跡しないことは理解されよう。
【0036】
しかし、コンベア・システムに沿った食品の進行位置を監視しないが、プロセッサが、食品が上流コンベア区分を離れた際に第1のデータ・セットを受信した場合、下流コンベア区分の速度及び下流コンベア区分に沿った光学走査器の位置に基づき、X線走査した食品が光学走査器に到達した時点に近似させることができる。
【0037】
本開示の更なる態様として、下流コンベアは、コンベア・ベルトを利用することができる。そのような場合、プロセッサは、第1のデータ・セットを受信すると、光学走査器に対するコンベア・ベルトの位置を記録し、これにより、食品が光学走査器に到達するときに関する近似を提供する。しかし、上記のように、プロセッサによるこの監視は、本開示の方法では必要ではない。
【0038】
本開示の更なる態様では、食品は、移送コンベア区分の使用によって上流コンベア区分から下流コンベア区分に移送され、移送コンベア区分は、上流コンベア区分と下流コンベア区分との間に位置する。そのような移送コンベアは、第1のコンベア区分と第2のコンベア区分との間の高さの差に対処することができる。更に、各端部に鋭い先端を有する移送コンベアは、上流コンベアから食品を受け、次に、食品の歪みをほとんど伴わずに食品を下流コンベアに送出する。このようにして、上流コンベア区分及び下流コンベア区分の隣接する端部は、従来の比較的大きな半径の先端と共に構成することができる。
【0039】
本開示の更なる態様では、食品は、上流コンベア区分に位置する第2の光学走査器で走査し、食品のサイズ及び/又は形状パラメータを含む食品の物理的パラメータを確認するだけでなく、任意選択で、食品から取り除くべき望ましくない成分の位置を確認する。X線走査器及び第2の光学走査器は、共に上流コンベア区分に位置するため、X線物体データは、第2の走査器の走査データの上に直接重ねることができ、「一致」工程を使用する必要がない。更に、第1の光学走査器からの第2のデータ・セットは、第2の光学走査器からの第3のデータ・セットと比較され、第1の光学走査器により走査した食品が、第2の光学走査器により走査した食品に対応することを決定、検証する。
【0040】
第2の光学走査器の使用により、X線走査器は、上流コンベアと下流コンベアとの間の加工品の一致に使用するための加工品の外側輪郭を生成する必要はないことを理解されたい。そうではなく、X線走査データは、加工品から取り除くべき望ましくない材料の位置特定、及び望ましくない材料を取り除く切断装置の切断経路の決定にのみ必要である。更に、2つの光学走査器の撮像工程は同様であるため、場合によっては、X線走査データの使用による加工品の外側輪郭の生成からのデータ一致に対し、2つの光学走査器からのデータの間でより良好な一致が生じる。
【0041】
本発明の上記の態様及び多くの付随する利点は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明を参照してより良好に理解するにつれて、より明らかに理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本開示の第1の実施形態による加工品を処理する装置及び方法の概略図である。
図2図1に示すシステムの断片図である。
図3】本発明のシステム及び方法により利用し得るX線走査器の概略図である。
図4】本開示のシステム及び方法により利用し得る別のX線走査器の概略図である。
図5】本開示の装置及び方法により利用し得るコンベアの部分断片図である。
図6A-6F】加工品が第1のコンベア・ベルトから第2のコンベア・ベルトに移送される際、移動又は歪むことがある様式の概略図である。
図7図1及び図2に対応する加工品加工方法の流れ図である。
図8】本開示により加工品を処理する装置及び方法の第2の実施形態の概略図である。
図9図8に示す方法に対応する流れ図である。
図10】本開示により加工品を処理する装置及び方法の第3の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
添付の図面に関する下記の説明は、開示する主題の様々な実施形態の説明を意図し、唯一の実施形態を表すことを意図するものではない。添付の図面において、同様の数字は同様の要素を参照する。本開示で説明する各実施形態は、単に一例又は例示として提供し、他の実施形態より好ましい又は有利なものとして解釈すべきではない。本明細書で提供する例示的な例は、網羅的であることも、開示した厳密な形態に本開示を限定することも意図しない。同様に、本明細書で説明するあらゆるステップは、同じ又は実質的に同様の結果を達成するために他のステップ又はステップの組合せと互換可能とすることができる。
【0044】
以下の説明において、本開示の例示的な実施形態の完全な理解をもたらすため、多数の具体的な詳細を示す。しかし、本開示の多くの実施形態は、具体的な詳細の一部又は全部を伴わずに実行し得ることは当業者にとって明らかであろう。いくつかの例では、周知の工程ステップは、本開示の様々な態様を不必要に不明瞭にしないようにするため、詳細に説明していない。更に、本開示の実施形態は、本明細書で説明する特徴のあらゆる組合せを利用し得ることを理解されたい。
【0045】
本出願は、「前方」、「後方」、「前」、「後」、「先」、「裏側」、「上方」、「下方」、「上」、「下」、「上部」、「底部」、「右手」、「左手」、「中」、「外」、「延長」、「前進」、「後退」、「近位」及び「遠位」等、「方向」への言及を含むことがある。本出願におけるこれらの言及及び他の同様の言及は、本開示の説明、理解に対する助けを支援するものにすぎず、本発明をこれらの方向に限定することを意図しない。
【0046】
本出願は、語「概ね」、「ほぼ」、「おおよそ」又は「実質的に」等の修飾子を含むことがある。これらの用語は、「寸法」、「形状」、「温度」、「時間」、又は問題とする他の物理的パラメータが、厳密である必要はないが、実施に必要な機能が実行できる限り、変動する可能性があることを示す修飾子として働くことを意味する。例えば、句「概ね円形の形状」の場合、形状は、問題とする構造の必要な機能を実行できる限り、厳密に円形である必要はない。
【0047】
以下の説明において、本開示の様々な実施形態を説明する。以下の説明及び添付の図面において、対応するシステム組立体、装置及びユニットは、同じ部品番号によって特定することができるが、最初に添数を有する。同じ又は類似しているそのようなシステム組立体、装置及びユニットの部品/構成要素の説明は、冗長にしないように、本出願において繰り返さない。
【0048】
本出願及び特許請求の範囲において、「食物(food)」、「食品(food product、food piece及びfood item)」への言及は互換的に使用され、食物の全ての様式を含むことを意味する。そのような食物は、食肉、魚、家禽、果物、野菜、ナッツ又は他の種類の食物を含むことができる。また、本発明のシステム及び方法は、生の食品、並びに部分的及び/又は完全に加工若しくは調理された食品を対象とする。
【0049】
更に、本出願で開示し、本発明の特許請求の範囲内で規定するシステム、装置及び方法は、食品に特に適用可能であるが、食物分野以外で使用することもできる。したがって、本出願及び特許請求の範囲は、互いに同義である「加工品(work product及びworkpiece)」と呼ぶ。加工品への言及は、食物及び食品も含むことを理解されたい。
【0050】
本開示のシステム及び方法は、加工品のサイズ及び/又は形状パラメータを含む加工品の物理的パラメータを確認するため、食品を含めた加工品の走査を含む。そのようなサイズ及び/又は形状パラメータは、他のパラメータのうち、加工品の長さ、幅、縦横比、厚さ、厚さ断面、輪郭、外側輪郭、外側周囲、外側周囲構成、外側周囲サイズ、外側周囲形状、体積及び/又は重量を含み得る。食品を含む加工品の長さ、幅、長さ/幅の縦横比及び厚さといった物理的パラメータに対して、そのような物理的パラメータは、そのようなパラメータの最大、平均、中間及び/又は中位の値を含むことができる。加工品の厚さ断面に関し、そのような断面は、加工品の長さに沿ったもの、加工品の幅にわたるもの、並びに加工品の幅及び長さにわたるもの/これらに沿ったものとすることができる。
【0051】
上記のように、確認、測定、分析等ができる加工品の更なるパラメータは、加工品の輪郭である。輪郭という用語は、加工品の基部若しくは底部であるか、加工品の厚さに沿った任意の高さであるかにかかわらず、加工品の外形、形状及び/又は形態を指すことができる。「外側輪郭」というパラメータ用語は、加工品の最外境界又は縁部に沿った加工品の外形、形状、形態等を指すことができる。
【0052】
加工品の「周囲」と呼ぶパラメータは、加工品周囲の境界又は距離を指す。したがって、外側周囲、外側周囲構成、外側周囲サイズ及び外側周囲形状という用語は、加工品の最外境界又は縁部の周囲距離、構成、サイズ及び形状に関係する。
【0053】
上記の列挙したサイズ及び/又は形状パラメータは、限定的又は包括的であることを意図しない。本発明のシステム及び方法によって、他のサイズ及び/又は形状パラメータの確認、監視、測定等ができる。更に、上記の特定のサイズ及び/又は形状パラメータの定義又は説明は、限定的又は包括的であることを意味しない。
【0054】
処理システム10の第1の実施形態を図1及び図2に示し、処理システム10は、X線走査ステーション14を通過して食品等の加工品WPを搬送する第1の又は上流コンベア12を含む一方で、加工品WPは、走査ステーションで放出されるX線に対し不透過性であるコンベア・ベルト16上を移送される。加工品WPは、走査ステーション14で検査し、加工品のサイズ及び/又は形状に関係する加工品WPの物理的パラメータを確認する。そのようなパラメータは、例えば、長さ、幅、縦横比、厚さ、厚さ断面、輪郭、外側輪郭構成、周囲、外側周囲構成、外側周囲サイズ及び形状、体積及び/又は重量、並びに加工品が骨、脂肪、軟骨、金属、ガラス、プラスチック等のあらゆる望ましくない材料を含むかどうか、及び加工品内の望ましくない材料の位置を含むことができる。ステーション14で行われた走査の結果は、プロセッサ18に送信される。加工品をステーション14で走査した後、加工品は、第1のコンベア16の下流に位置する第2の又は下流コンベア20に移送する。第2のコンベア20は、格子又は開放構造のベルト22を含む。光学走査ステーション24は、コンベア20に沿って位置し、加工品の物理的パラメータを確認し、物理的パラメータは、例えば、X線走査ステーション14における加工品WPの走査の説明において上記で特定した加工品のサイズ及び/又は形状に関係する物理的パラメータを含む。
【0055】
ステーション24で行われた光学走査の結果は、プロセッサ18に送信される。プロセッサ18は、まず、X線走査ステーション14及び光学走査ステーション24からのデータを分析し、ステーション24で走査した加工品が、ステーション14で既に走査した加工品と同じであることを確認する。この識別を確認した後、次に、第1のコンベアから第2のコンベアに移送する間、加工品に対する十分な移動若しくは変位、又は加工品に対するあらゆる著しい形状の歪みがあった場合、X線走査器から適用可能な情報又はデータは、プロセッサによって、光学走査器によって生成した、対応するデータ上で変換(「転換」とも呼ぶ)される。そのような変換は、以下でより完全に説明するような、加工品のX及び/又はY方向への変位;加工品の回転;加工品のサイズの尺度変化;並びに加工品のせん断歪みの1つ又は複数を含むことができる。
【0056】
その後、X線ステーション14で走査した加工品からの、加工品内の望ましくない材料の位置を、光学走査器24により走査した加工品上で確認(マッピング)し、次に、変換する。望ましくない材料は、1つ又は複数の切断器を使用して切断器ステーション28で加工品から取り除き、1つ又は複数の切断器は、プロセッサ18からの指示に基づき動作する制御器26により制御される。切断器ステーション28において、加工品は分配もされる(又は代替的に分配される)。その後、回収ステーション30において、加工品WP及び/又は加工品から取り除いた材料を回収し、図示しない運搬コンベア、貯蔵ビン又は他の場所に移送する。
【0057】
図1に概略的に示す処理システム10の上記の構成要素/態様をより詳細に説明すると、プロセッサ18は、以下でより十分に説明するように、インターフェース40を含み、走査ステーション14及び24並びにシステム10の他のデータ供給源から信号及び情報を受信する。メモリ・ユニット42は、処理システム10に関する情報を保存するために設けられる。キーボード又は他の入力デバイス44は、オペレータがプロセッサ18と通信可能であるように設けられる。また、表示器又は他の出力デバイス46は、処理システム10の機能を含む情報をプロセッサからオペレータに伝達するように設けられる。プロセッサ18は、制御器26も含み、制御器26は、コンベア16及び20、X線走査ステーション14、光学走査ステーション24、切断器ステーション28並びに回収ステーション30を含むシステム10の動作を制御するプログラム可能論理制御器又は他の種類の制御器の形態とすることができる。プロセッサ18は、ネットワーク48に接続することができる。また、ローカル・プロセッサ18を用いるのではなく、ネットワーク計算システムをこの目的で使用することができる。
【0058】
図1及び図2を特に参照すると、上記したコンベア12は、X線透過輪ベルト16を含み、X線透過輪ベルト16は、駆動ローラ50及び遊びローラ52の上を伝う。駆動ローラ50は、従来の様式で動力供給することができる。符号器54は、駆動ローラ50に関連付けられ、コンベア12の長さ部に沿ったベルト16の場所又は位置を監視することができる。コンベア12は、脚部56又は下にある骨組み筐体58又は別の適切な構造体によって支持することができる。
【0059】
上記のように、コンベア・ベルト16は、ゴム、プラスチック又はそれらの組合せ等のX線透過性材料から作製する。この構造のために、X線は、コンベア・ベルトを容易に透過し、コンベア・ベルト16の上側走路の下に位置する検出器62に衝突する。
【0060】
システム10は、コンベア12が加工品WPを連続的又は間欠的に移動させる使用法に限定されない。この点について、コンベア12は、加工品WPを搬送する移動プラットフォーム又は他の運搬機構に代えることができる。これらの代替実施形態では、X線走査ステーション14は、X線が、図1及び図2に示すように垂直ではなく、水平方向で加工品WPに向けられるように構成することができる。
【0061】
X線走査ステーション14において、X線走査器システム60を使用し、食品を含めた加工品WPを検査し、骨、脂肪、金属、プラスチック、ガラス等のあらゆる望ましくない材料が加工品内に位置するかどうかを決定する。X線システム60は、図1に概略的に示す一方で、図2は、X線システムを収容する筐体61を示す。
【0062】
概して、X線は、物体を通過するにつれて、X線が通過する材料の合計質量に比例して減衰する。したがって、X線が加工品WP等の物体を通過した後、検出器62等のX線検出器で受信するX線の強度は、物体の密度に反比例する。例えば、鶏肉又は魚肉よりも比較的高い密度を有する鶏の骨又は魚の骨を通過したX線は、鶏肉又は魚肉のみを通過したX線よりも多く減衰する。したがって、X線は、特定の密度又はX線修正特性を有する望ましくない材料の存在を検出する加工物の検査に適している。加工品の加工におけるX線の性質及び使用法に対する一般的な説明は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,585,605号に見出すことができる。
【0063】
図3を参照すると、X線走査システム60は、X線64を加工品WPに向けて放出するX線供給源63を含む。X線検出器アレイ62は、コンベア・ベルト16の上側走路に隣接して、その下に位置し、加工品がX線64の範囲内にある場合に加工品WPを通過したX線64を受信する。アレイ62内のX線検出器のそれぞれは、X線検出器に衝突したX線強度に対応する信号を生成する。X線検出器アレイにより生成した信号は、プロセッサ18に送信される。プロセッサは、これらの信号を処理し、加工品WP内に存在するあらゆる望ましくない材料の存在及び位置を決定する。
【0064】
システム10は、符号器54の形態の位置センサを含むことができ、符号器54は、加工品がX線ステーション14に対してコンベア上を移動する際にコンベア12の長さ部に沿った加工品WPの位置を示す信号を生成する。コンベア12の長さ部及び幅部に沿った加工品の位置は、X線システムによって確認することができる。上記のように、X線システムは、加工品に関する他の情報を提供することもでき、他の情報には、加工品のサイズ及び/又は形状に関係する物理的パラメータを含み、例えば、長さ、幅、縦横比、厚さ、厚さ断面、輪郭、外側輪郭構成、周囲、外側周囲構成、外側周囲サイズ及び形状、体積及び/又は重量、並びに加工品の物理的パラメータの他の態様を含む。加工品WPの外側周囲構成に関し、X線検出器システムは、X-Y座標系又は他の座標系に基づく加工品の外側周囲に沿った位置を決定することができる。
【0065】
特に、図3を引き続き参照すると、X線検出器アレイ62は、複数のフォトダイオード68a~68nの上に位置するシンチレータ材料層66を含む。X線供給源63は、X線供給源63から放出されるX線64がX線検出器アレイ62の幅部を完全に取り囲むような十分な距離でコンベア・ベルト16の上に位置する。X線64は、コンベア・ベルト16を通じて加工品WPを通過し、次に、シンチレータ材料層66に衝突する。フォトダイオード68a~68nは、可視光のみに反応するため、シンチレータ材料66は、シンチレータ材料66に衝突するX線エネルギーを可視閃光に変換するために使用し、可視閃光は、受けたX線の強度に比例する。フォトダイオード68は、シンチレータ材料66から受けた光の強度に比例する振幅を有する電気信号を生成する。これらの電気信号は、プロセッサ18に中継される。
【0066】
フォトダイオード68は、コンベア16の幅部にわたり線状に配置され、加工品WPの「スライス」を通過するX線を検出することができる。当然、代替的なフォトダイオードの構成が可能である。例えば、フォトダイオードは、いくつかの列で格子正方形状に配置し、図1図3に示すX線検出器60の走査領域を増大させることができる。
【0067】
加工品WPを通過したX線の強度(又は減衰)を検出し、加工品内の望ましくない材料の存在を決定することもできるX線走査器システム60の他の実施形態を利用することができる。例えば、図4を参照すると、X線検出器システム60’の代替実施形態は、X線透視装置スクリーン70及びビデオ・カメラ72を含む。X線64がX線透視装置スクリーン70に衝突すると、スクリーンが起動し、衝突したX線の減衰に比例して閃光を生成する。次に、閃光は、ビデオ・カメラ72、又はX線透視装置スクリーン70によって生成した「写真」を捕捉することができる他のデバイスによって記録される。次に、ビデオ・カメラ72によって捕捉した画像をプロセッサ18に送信し、X線透視装置スクリーン70によって生成した光の強度に関連するデジタル値に変換する。
【0068】
更に代替的に、直接平坦パネルX線撮像技法又は直接X線撮影を使用することができる。例えば、非晶質セレン検出器アレイをX線検出器として使用し、衝突するX線の強度を直接検出し、この強度をプロセッサ18に送信することができる。
【0069】
加工品WPが走査ステーション14を通過した後、加工品は、第1の又は上流コンベア12の端部まで進行し、次に、第2の又は下流コンベア20に移送される。上記のように、第2のコンベア20の入力端部は、コンベア12の出力端部に近接して位置し、加工品WPは、コンベア12からコンベア20まで最小の「中断」で移送することができる。このことは、加工品WPの移送において、コンベア20上の加工品が、コンベア12及び20上の他の加工品に対して横方向及び長手方向にその形状及び位置を実質的に保つことを意味する。
【0070】
図1図2及び図5を参照すると、コンベア20のベルト22は、格子又は開放形態で構成した金属構造であり、切断器ステーション28における水噴射(複数可)が、ベルトを通り、収集槽又は他の受けまで下方に自由に通過し、収集槽又は他の受けは、図示せず、コンベア20の下に位置する。ベルト22に対応するコンベア・ベルトの様々な構造は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6854590号に記載されている。
【0071】
コンベア20は、図1に示す脚部80によって、又は図2に示す筐体構造81によって支持することができる。ベルト22は、駆動スプロケット82の周囲、及びコンベアの反対端部における遊びスプロケット84の周囲を伝う。スプロケット82及び84の歯86及び87は、チェーン90のリンク88を係合し、チェーン90のリンク88は、図5に示す目の粗い織りのコンベア・ベルト22の側縁部に沿って延在する。ベルト22は、形成した平坦ワイヤ・リンク92から構成する。ベルト・リンク92は、金属交差棒94によって接続され、金属交差棒94は、穴を通して係合し、これらの穴は、リンク92内に形成され、位置合わせされている。ベルト22は、チェーン90を伴わずに形成することができ、この場合、スプロケット82及び84は、図2に示すようにベルト22の最外部分を係合するように設計することができる。
【0072】
当然、ベルト22は、多数の他の種類の構造のものとすることができ、図2及び図4は、可能な構造を示すにすぎない。符号器96は、コンベア20と共に利用し、駆動スプロケット82の回転又はスプロケット82に結合した駆動シャフト(図示せず)に対応する固定間隔で信号又はパルスを生成することができる。このことは、コンベア20上で移動する加工品の位置を知ることを可能にする。
【0073】
上記のように、光学走査ステーション24は、コンベア20に沿って配置する。ステーション24における光学走査は、筐体100内に位置する走査器102により、1つ又は複数の光源104により照らした加工品WPを見ることを含む様々な技法を使用して実行することができる。光源104からの光は、移動するコンベア20にわたって延在し、鮮明な影線又は光縞線を画定し、横断ビームの順方向領域は、暗い。加工品をコンベアが運んでいない場合、影線/光縞は、ベルトにわたり直線を形成する。しかし、加工品が影線/光縞を通過する際、加工品の上側の不規則表面は、加工品及び影線/光縞に対し下方に向けられたビデオ・カメラによって見た際に不規則な影線/光縞をもたらす。ビデオ・カメラは、影線光縞が、コンベア20上に加工品WPが存在しない場合に占める位置からの影線/光縞の変位を検出する。この変位は、影線/光縞に沿った加工品の厚さを示す。
【0074】
加工品の長さは、影線が加工品によってもたらされる時間の長さによって決定される。この点について、コンベア20の構造体内に組み込んだ符号器96は、コンベアの順方向移動に対応する固定時間間隔でパルスを生成する。
【0075】
光学走査器102は、ベルト22上の加工品WPの位置を特定し、したがって、加工品が、ベルト22上に移送された後、ベルト16に対してX及び/又はY方向に変位したかどうかを確認することができる。走査器102は、加工品WPがベルト16上の加工品の向きに対して回転したかどうか、又は加工品が、ベルト16上の加工品の構成に対して長さ若しくは幅が増加若しくは減少したかどうか、又はそれ以外に形状が歪んだかどうかを決定することもできる。加工品の外側構成は、走査器102によって識別可能であり、走査器102は、加工品WPのサイズ及び/又は形状(例えば、加工品の長さ、幅、縦横比、厚さ、厚さ断面、輪郭(2次元及び3次元の両方)、外側輪郭構成;周囲、外側周囲構成、外側周囲サイズ及び/又は形状、体積及び/又は重量)に関連するパラメータを確認する。加工品の外側周囲構成に関し、走査器は、X-Y座標系又は他の座標系に関する加工品の外側周囲に沿った個別の位置を決定することができる。このX-Y座標系又は他の座標系の情報は、プロセッサによって使用し、光学走査ステーション24で走査した加工品がX線走査ステーション14で既に走査したものと同じ加工品であることを決定/検証することができる。例えば、プロセッサは、走査ステーション24により決定した加工品の外側周囲に沿った座標を特定するデータと、X線走査ステーション14で既に得た、対応するデータとを比較することができる。データ・セットが固定閾値レベル内に一致した場合、光学ステーション24で走査した加工品がX線走査ステーション14で既に走査した加工品と同じであるという確認をもたらす。
【0076】
しかし、例えば、加工品が、コンベア12から取り除かれた場合、又は取り除かれる加工品が光学走査ステーション24に到達する前にコンベア20から取り除かれた場合、光学ステーション24で走査した次の加工品は、X線走査ステーション14からの走査データと一致しないことになる。というのは、そのようなX線走査データは、取り除かれた加工品に対応するためである。したがって、プロセッサ18は、走査ステーション14及び24からの加工品の周囲座標データ・セットの間に一致がないことを決定する。したがって、光学走査器102は、走査ステーション24の下を通過する次の加工品を走査し、そのような次の加工品が、X線走査ステーション14で走査され、プロセッサ18に送信された加工品の走査データに一致するかどうかを決定する。プロセッサは、光学ステーション24で走査した加工品が、取り除かれた加工品のX線走査が行われた直後にX線走査ステーションで走査した加工品に対応するかどうかを決定する。プロセッサ18は、X線走査ステーション14からの正確な走査データと、光学走査ステーション24からの同じ加工品の走査データとを一致させる。当然、このことは、走査器14によって位置特定した加工品WP内の骨又は他の望ましくない材料の位置と、光学走査器24によって走査した加工品とを一致させるために不可欠である。というのは、この情報は、制御器26によって利用し、切断器ステーション28で切断器の動作を制御し、骨又は他の望ましくない材料を加工品から切除するためである。
【0077】
プロセッサは、「一致」工程を有限回数で通過する。確認しなければならないX線走査からのデータ・セット数を決定する一例は、以下の通り決定することができる。走査器の間の距離を、製品の長さ+製品の間隙+安全寸法係数の和によって除算する。例えば、X線走査器と光学走査器との間が9フィートであり、加工品が約450mmの長さの製品であるという開示がある場合、そのキュー内で確認される最大データ・セット数は、9×12/(17.7+2+2)=4.9によって計算され、このため、5回の一致試行が行われる。光学走査器からのデータ・セットは、メモリ・ユニット42内に保存したX線走査器からの5つのデータ・セットと比較する。より長い長さの製品の場合、メモリ・キュー内のデータ・セット数は、より短い加工品のデータ・セット数よりも少ない。また、走査器の間の距離が十分に短い場合、1回の一致比較のみを実行する。また、ベルト速度の差又は変更が、可能な比較数を変化させることがあることは理解されよう。ベルト速度がより速い場合、製品の間により大きな間隙及び/又はより大きな安全裕度が必要であることがあり、必要な計算を行う時間はより少ない。
【0078】
一致が生じない場合、「切り身がない」というエラー・メッセージ又は「一致が見つからない」というエラー・メッセージが生成される。システムは、光学走査器に到達した次の加工品に進み、新たな加工品の探索を開始する。
【0079】
例えば、X線走査の後、光学走査の前に1つの加工品をコンベア12から取り除いた場合、一致が生じる前に2回の一致試行のみを必要とするはずである。しかし、可能性は低いが、加工品WPがベルト16からベルト22までの移送中に歪み、システム10が加工品のX線画像を認識しない場合、所定の一致試行の後、加工品は、切断及び/又は切り落とし/分配されることなく、ベルト22の下に進むことになる。上記したエラー・メッセージが生成され、切断されていない加工品は、システム10によって特定又はマークし、再加工又は他の処置のための特定の場所に取り除くことができる。
【0080】
加工品を切断しない及び/又は切り落とさない代替として、システムは、最後の最高の利用可能な一致を使用し、加工品を切断/切り落としすることができる。この点について、それでもなお有益な又は有用であり得る、次善の加工品切断/切り落としを行うことができる。しかし、次善の切断/切り落としが収率の損失をもたらす場合、そのような切断/切り落としは回避することができる。
【0081】
X線走査ステーション14から光学走査ステーション24までの加工品WPの位置の連続的な追跡の試行はないことを理解されたい。そうではなく、上記の方法は、X線走査ステーション14で走査した加工品と、光学ステーション24で走査した同じ加工品とを一致させるために使用する。また、上記の説明は、本開示のシステムを使用し、第1のコンベア及び/又は第2のコンベア上での1つ又は複数の特定の時点における加工品を位置特定できることを示していないが、加工品の特定の位置は、連続的に追跡しない。更に、本発明のシステム10において、加工品をコンベア12に沿って任意の特定の時点で位置特定する必要はない。
【0082】
走査ステーション14及び24からの走査データを使用し、加工品がコンベア16からコンベア22に正確に移送されたか否かを決定し、移送工程の間、加工品に対しどの程度の物理的歪み又は移動が生じたかを決定することができる。そのような歪み又は移動は、コンベアの中心線又は他のデータ線に対する加工品の横方向への変位を含むことができる。加工品は、コンベアの長さ部に沿って、コンベア16上の加工品の位置に対し長手方向に変位していることもある。
【0083】
加工品の変位がX及び/又はY方向(複数可)で生じた場合、プロセッサ18は、加工品のX線画像及びX線撮像からの基礎をなすデータを、加工品の光学走査画像に変換又は処理するように機能し、加工品の形状又は外形に対する一致を向上させるようにする。この変換は、概略的に図6Aに示し、X線ステーション14で走査した加工品を破線で示し、光学走査ステーション24で走査した加工品を実線で示す。プロセッサ18は、破線画像を図6Aに実線で示す光学画像に変換する。
【0084】
コンベア・ベルト16からコンベア・ベルト22への加工品の移送は、図6Bに示すような加工品の回転をもたらすこともあり、X線走査ステーション14により走査した加工品を破線で示す一方で、光学走査ステーション24により走査した加工品を実線で示す。切断器ステーション28における切断器(複数可)が、加工品WPから骨又は他の材料を正確に切断できるように、X線走査器からの外形又は形状データを光学走査器24からの画像データ上で転換する。
【0085】
ベルト16からベルト22までの加工品の移送の間に起こり得る更なる種類の歪みは、加工品の規模(長さ)が、Y方向(ベルト22にわたり)及び/又はX方向(ベルト22に沿って)に増大又は減少し得ることである。図6Cは、加工品の規模がY方向で増大したことを示す一方で、図6Dは、加工品の規模がX方向で増大したことを示す。当然、加工品の規模は、特に規模がY方向で増大した場合、X方向で減少することもあり、その逆も同様に、加工品の規模は、特に規模がX方向で増大した場合、Y方向で減少することがある。とはいえ、X線走査器14からの走査データは、X及びYの規模という点で、光学走査器102により走査した加工品に転換する。
【0086】
コンベア・ベルト16からコンベア・ベルト22までの加工品の移送の間に起こり得る歪みの別の形態は、図6Eに示すようなX方向でのせん断歪みである。せん断歪みにおいて、加工品は、図6Eに示すように、加工品の幅にわたりX方向で漸進的に歪む又は変位することがある。当然、せん断歪みは、図6Eに示すように鏡像として生じることがある。また、加工品にわたって線形で漸進的に生じるせん断歪みが示されるが、せん断歪みは、加工品にわたって非線形であることもある。他の種類の歪みの場合と同様に、せん断歪みは、コンベア速度の差又は2つのコンベアの不完全な整合等の様々な原因によるものであることがある。したがって、コンベア・ベルトにわたる方向において、加工品は、コンベア・ベルト進行方向に対して後方又は前方に漸進的に変位していることがある。
【0087】
図6Eは、せん断歪みによる、第2のコンベア・ベルト22上での加工品の前方(右手方向)への変位を示す。上記のように、当然、せん断歪みは、反対方向(左手方向)で生じることがあり、このため、加工品は、コンベア・ベルトにわたって進行する加工品の名目位置に対して後方に延在する。
【0088】
図6Fは、せん断歪みがY方向で生じ得ることを示し、加工品は、加工品の長さ部に沿ってベルトに対して側方に変位する。図6Fは、Y方向で(頁に沿って上方へ)の加工品のせん断歪みを示す。せん断歪みは、図6Fで示すものとは反対方向で生じ得ることは理解されよう。
【0089】
せん断歪みの方向にかかわらず、X線走査からのデータは、光学走査ステーションで走査した加工品上で転換する。必要な転換が生じ、加工品に対する移動及び/又は歪みを修正した後、光学走査からの加工品の形状、サイズ及び外形は、光学ステーションにより走査する加工品の位置、向き及び/又は形状により良好に一致している。その後、X線走査からの他のデータは、転換した加工品上にマッピングすることができ、他のデータには、加工品から切除すべき骨又は他の材料又は欠陥の位置を含む。そのようなマッピングは、周知の技法によって実行することができる。
【0090】
コンベア16からコンベア22に移送する間に加工品に生じた可能性がある歪み及び/又は変位を修正又は調節する上記の1つ又は複数の転換ステップがない場合、X線走査の間に位置特定した骨又は他の望ましくない材料の位置を、光学走査した加工品へマッピングすると、加工品内の骨、欠陥又は他の望ましくない材料の位置(複数可)に関する不正確な情報がもたらされ得ることは理解されよう。したがって、加工品から骨又は他の望ましくない材料を切除する試みは、失敗することがわかる。また、加工品は所望の様式で正確に分配されないことがある。
【0091】
上記で説明した「一致」分析の場合と同様に、光学走査ステーション24で光学走査した加工品が、X線走査ステーション14で既に走査したのと同じ加工品であることを検証するため、プロセッサ18により分析し、上記の転換を実施するデータ・セットは、加工品の外側周囲に沿った座標位置から構成することができる。この点について、プロセッサ18は、X線走査ステーション14で決定した加工品の外側周囲に沿った座標位置から構成されるデータと、光学走査ステーション44で決定した加工品の外側周囲に沿った同じ位置の対応する座標とを比較することができる。そのようなデータ・セットの比較を使用し、コンベア・ベルト22に移送中の加工品が、例えばX-Y並進、Z軸回りの回転で歪んでいる又は変位しているか否かを決定することができる。データ・セットの不一致は、どの種類(複数可)の歪みが生じたか、及びそのような歪みの程度を表示し、X-Y走査データの適切な修正転換を光学走査器102により走査した加工品に適用できるようにする。
【0092】
加工品が光学走査ステーション24を通過すると、加工品は切断ステーション28の上に移動する。上記のように、X線走査ステーション及び光学走査ステーションからの情報を組み合わせ、加工品から取り除くべき骨又は他の材料の位置が、加工品に対して正確に決定され、これにより、加工品が切断器ステーション28で切除されるようにする。
【0093】
様々な種類の切断デバイスは、切断ステーション28で利用され、骨又は他の望ましくない材料を加工品から取り除くこと、及び加工品を必要に応じて切断又は分配することができる。利用し得る1つの種類の切断器は、米国特許第4875254号、同第5365186号及び同第5868056号で開示される高圧水噴射を用い、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。利用し得る他の種類の切断デバイスは、帯鋸、往復鋸、丸鋸、ギロチン・ナイフ及びレーザーを含む。加工品を分配すべき場合、これらの同じ切断デバイスの使用によって、加工品を所望の分配サイズ、分配重量、分配形状、分配厚さ、最大脂肪含有量、又は他のパラメータに切断することができる。
【0094】
図2は、本開示と共に利用し得る1つの特定の切断装置120を示す。装置120は、基本形態において、支持構造体122を含み、支持構造体122は、コンベア20にわたり延在し、コンベアの移動方向に対し横方向に移動する第1の往復台124を支持、案内する。往復台124は、駆動システム126によって動力供給され、駆動システム126は、部分的に、動力システム128及び駆動列130を含む。第2の長手方向支持構造体132は、コンベア20の移動方向と全体的に位置合わせされた方向で往復台124から外側への片持ばりが用いられる。第2の長手方向往復台134は、駆動システム126により、長手方向支持構造体132に沿って移動するように適合する。この点について、第2の動力システム135は、駆動列130を通じて長手方向往復台134に動力供給する。
【0095】
高速水噴射ノズル組立体136は、長手方向往復台134に組み付けられ、ノズルが、下にある加工品WP上で動作する(加工品WPを切断する)際、長手方向往復台134と共に移動し、加工品WPは、コンベア20によって搬送される。ノズル組立体136は、往復台134に固着された本体部分138を含む。ノズル組立体136は、コンベア・ベルト22に向けて下方に向けられた下側出口先端部140も含む。ノズル組立体136の種類の高圧液体ノズル組立体は、市販品である。高圧水は、図示しない供給ラインによって、当技術分野で公知の様式でノズル組立体136に供給される。
【0096】
動作中、加工品WPはコンベア20に沿って搬送されるため、ノズル組立体136は、往復台124及び134によって選択された進行経路に沿って移動し、往復台124及び134は、駆動システム126によって動力供給される。往復台124は、コンベア20の進行方向に対し、ノズル組立体136を横方向に移動させ、往復台134は、ノズル組立体を長手方向に移動させる。このことは、ノズル組立体を経路に沿って迅速に進行させることを可能にし、経路は、プロセッサ18によって、動力システム128及び135のサーボ・モータの動作にプログラムされる。
【0097】
加工品WPからの骨又は他の望ましくない材料を切断若しくは他の方法で取り除いた後、又は加工品を分配した後、加工した加工品(複数可)を収集ステーション30でコンベア20から取り除くことができる。ステーション30において、1つ又は複数の収集デバイス150は、制御器26によって制御され、分配/切断した加工品をコンベア20から取り除き、運搬コンベア(図示せず)又は他の場所に配置する。
【0098】
収集デバイス150は、制御器26によって自動的に動作させることができる。この点について、制御器26は、コンベア20上の加工品WPの位置を追跡し、この既知の位置を使用し、収集デバイス150の動作を制御し、加工品をコンベアから自動的に取り除く。収集デバイス150は、加工品WPと固着取り付けすることができる取り付け可能部分152を含み、加工品をコンベア・ベルト22から持ち上げ、コンベア22の移動方向に対して加工品を側方又は長手方向で運搬コンベア又は他の場所まで搬送することができる。取り付け可能部分152は、吸着作用、又は分配した/切り落とした加工品WPを把持する他の方法を利用することができる。本発明と共に使用するのに適切な収集デバイスは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6826989号に開示されている。
【0099】
分配してある加工品WPは、収集デバイス150の使用に加え、他の方法によってコンベア20から取り除き得ることは理解されよう。例えば、腕部(図示せず)を使用し、ベルト22から加工品を押す若しくは掃引することができるか、又は動力供給したラムを利用し、コンベアから加工品を押す若しくは掃引することができる。更なる代替として、加工品は、コンベアの端部から、別のコンベアの上、容器の中等に単に落とすことが可能である。したがって、本開示は、切断及び/又は分配した後の加工品の配置を制限することを意図しない。
【0100】
本開示の処理システム10を利用する1つの方法158を図7に概略的に示す。工程は、ステップ160で開始し、ステップ162において、加工品を平坦ベルト・コンベア16上に載せる。その後、ステップ164において、走査ステーション14でX線検出器システム60を使用して加工品を走査する。次に、ステップ166において、加工品の走査からのデータをステップ168によって示すプロセッサ18に送信する。
【0101】
その後、ステップ170において、X線走査コンベア12から分配コンベア20に加工品を移送する。次に、ステップ172において、光学走査器102を利用する光学走査ステーション24で加工品を任意選択で走査する。更にステップ174において、光学走査ステーション24で生成したデータをプロセッサ18に送信する。このデータ送信もステップ168によって表す。
【0102】
その後、ステップ176において、プロセッサ18は、光学走査データと、既に受信したX線走査データとを比較し、光学走査した加工品WPがX線走査器によって既に走査したものと同じであるか否かを決定する。上記で説明したように、比較データは、加工品の外側周囲に沿った座標位置から構成することができる。
【0103】
様々な方法及び技法を使用し、X線走査器60からの第1のデータ・セットと、光学走査器102からの第2のデータ・セットとを比較し、光学走査器により走査した食品が、X線走査器により既に走査した同じ食品に対応することを検証することができる。例えば、2つのデータ・セットの間の二乗平均平方根(RMS)誤差を計算し、そのような誤差値を、既に確立した最大RMSと比較し、X線走査器によって走査した食品が光学走査器によって走査した食品と同じであることを検証することができる。この点について、RMS誤差は、加工品の外側周囲に沿ってそれぞれ対応する座標位置で計算される。本質的に、座標のそれぞれの位置の差は、X及びY座標値の差の二乗和平方根として計算される。その後、これらの距離の二乗値を加算し、この和を対応する座標対の数によって除算する。最後に、この商の平方根をRMS誤差として取る。計算されたRMS誤差は、予め確立した最大RMS誤差と比較し、予め確立した最大RMS誤差は、許容可能であり、同じ加工品を光学走査器及びX線走査器によって走査したという結論を依然として下すものである。
【0104】
利用し得る別の分析方法は、加工品に沿った各位置のX及びY座標値の差を決定し、X-Y座標値の許容可能なばらつき又は差を規定する標準偏差を選択することによるものである。この技法において、信頼レベルは、加工品の周囲に沿った様々な座標位置のそれぞれにおける標準偏差の点で規定することができる。X-Y座標の間の受け入れ可能な信頼レベル又は許容可能な標準偏差のレベルは、前もって確立する。
【0105】
他の回帰分析技法、例えば、最小二乗回帰分析も利用することができる。
【0106】
光学走査からの加工品が既にX線走査した加工品に一致することが決定された場合、ステップ178において、プロセッサは、第2のコンベア20に移送する際の加工品の移動又は歪みのため、X線走査結果から光学走査結果に物理的パラメータを転換する必要があるかどうかという決定に進む。上記で説明したように、そのような歪みは、加工品のX及び/又はY方向並進、加工品のZ軸回りの回転、加工品のX及び/又はY方向の尺度変化、並びにX及び/又はY方向のせん断歪みを含むことができる。十分な変位又は歪みが加工品WP内に生じている場合、プロセッサ18によって、必要な転換を実行する。したがって、X線走査器60によって走査した加工品の構成と、光学走査器102によって走査した加工品の構成との近接した一致が達成され、この構成には、例えば、加工品の外側周囲並びにサイズ及び形状を含む。
【0107】
一方、光学走査からの加工品WPが既にX線走査した加工品WPに一致しないことが決定された場合、プロセッサは、ステップ177において、光学走査データと、X線走査から受信した次のデータ・セットとを比較し、コンベア・ベルト上の次の加工品が光学走査からの加工品と同じであるかどうかを決定する。この状況において、光学走査ステーション24から上流の位置で1つの加工品を第1のコンベア12又は第2のコンベア20のいずれかから取り除いた場合、コンベアに沿って進行する次の加工品は、光学走査した加工品に対応することになる。しかし、2つ以上の加工品WPが光学走査ステーション24から上流のコンベアから取り除かれた場合、プロセッサ18は、光学走査してある加工品と、X線走査ステーション14で走査してある、対応する加工品との間に一致が生じるまで分析比較を継続する。X線走査からのデータ・セット及び光学走査からのデータ・セットから一致が達成された後、工程は、ステップ178に移動し、上記で説明した何らかの転換を実行する必要があるかどうかを決定する。
【0108】
次に、ステップ180において、X線走査によって決定した骨又は他の望ましくない材料の位置は、上記で説明したように、必要な転換を適用した後、光学走査から決定した加工品構成の上にマッピングされる。したがって、ステップ182において、水噴射又は他の種類の切断器の切断経路は、プロセッサ18によって生成する。次に、ステップ184において、加工品を切断して骨若しくは他の望ましくない材料を取り除くか、及び/又は加工品を所望のサイズ、重量、形状等に分配する。次に、最後に、ステップ186において、骨若しくは他の望ましくない材料を取り除くことによって加工するか、又は所望の物理的パラメータに従って分配した加工品は、例えば、運搬コンベア、収集ビン等に降ろす。
【0109】
図8及び図9は、本開示による代替システム10’及び方法を示す。図1図6の場合と同じであるシステム10’の構成要素及び部品、並びに図7の場合と同じである方法208のステップは、同じ部品番号で識別され、これらの説明はここでは繰り返さない。むしろ、以下の説明は、図1図7に示すものに対する、図8及び図9に示すシステム10’及び方法208の変化又は差異に焦点を当てる。とはいえ、システム10’の適用可能な構成要素及び部品は、図4の実施形態に適用されることを理解されたい。同じことは、方法208に適用可能な図7のステップにも適用される。
【0110】
図8を参照すると、光学走査ステーション200は、第1のコンベア12の上に配置し、光学走査器202を使用して、第1のコンベア・ベルト16の上にある間に加工品WPを走査する。光学走査ステーション200は、第1のX線走査ステーション14の下流に位置するが、光学走査ステーション200は、代わりに、X線走査ステーションの上流に位置することもできる。X線走査ステーション14に対する光学走査ステーション200の位置にかかわらず、X線走査器202は、ベルト22の上での加工品WPの走査及び加工品の物理的パラメータの確認に対して上記で説明した走査器102と実質的に同様に動作させることができる。しかし、電荷結合デバイス(CCD)及び赤外線カメラを含む他の種類の光学走査器を使用することができる。使用するカメラの種類にかかわらず、加工品の光学画像を生成する。
【0111】
システム10に対するシステム10’の1つの差は、X線走査器60と同じベルト16に位置する光学走査器200の場合、X線走査器からの画像情報を生成したときと、カメラからの画像情報を生成したときとの時間差のみに基づくのではなく、「一致」工程を使用する必要なしに、加工品のX線物体データを光学走査データの上に直接重ねることが可能であるということである。当然、時間差はベルト16の速度の関数である。
【0112】
また、X線走査器からの加工品の外側輪郭は、2つのコンベア12と20との間で加工品を一致させる必要はないことを理解されよう。X線走査は、切断器装置120の切断経路の決定するためだけに使用する必要がある。更に、切断経路の決定は、少なくとも、光学走査器202に見える加工品の欠陥又は他の態様に対して、光学走査器202から得たデータから強化することができる。こうした加工品の欠陥又は他の態様は、X線走査器によっては識別可能ではないか、又は少なくとも正確に識別することができないものである。そのような欠陥は、例えば、血斑、変色、裂け、傷、肉/身の組織に対する他の損傷、皮の切れ端、他の変形、及び加工品の上の他の望ましくない特徴又は欠陥を含む。
【0113】
X線データを光学走査生成データの上に重ねることは、加工品の輪郭外形を「生成」し、加工品内の望ましくない材料又は欠陥(例えば骨)の位置を決定する前に行うことができる。走査器202からのデータは、プロセッサ18に送信され、プロセッサは、コンベア・ベルト16の上に移送される加工品の輪郭外形を生成し、加工品内の欠陥の位置を確立することができる。次に、そのようなデータは、上記で説明した、X線走査からのデータをシステム10によって利用するのと同じ様式でシステム10’によって利用し、ベルト22の上で光学走査した加工品が、ベルト16の上で(X線によって)既に走査した加工品と同じであることを確認する。このデータは、コンベア16からコンベア22までの移送による加工品の移動又は歪みのために必要なあらゆる転換の実行にも利用される。更に、この情報を利用して、コンベア22上の、走査器102によって走査した加工品構成に対する欠陥の位置をマッピングし、切断装置120が、加工品の分配及び/又は欠陥を取り除くための切断を制御できるようにする。上記以外、図8に示す処理装置10’は、図1図6に示す処理装置10と同じである。2つの光学走査又は撮像器202及び102の撮像処理は同じであるため、X線走査ステーション14及び光学走査ステーション24からのデータを使用すると、2つの光学システムからのデータの間により良好な一致を生じさせることができる。
【0114】
図9は、図8に示す処理システム10’を利用する1つの方法208を示す。見たところ、図9に示す方法208のステップは、ほとんどの部分で、図7に示す方法158のステップと同じ又は非常に類似している。しかし、図9において、方法208は、光学走査ステップ210を含み、光学走査ステップ210は、例えば、X線走査ステップ166の後、第1のコンベア12の上にある間の加工品WPの走査を伴う。代替的に、光学走査ステップ210は、X線走査ステップ166の前に行うことができる。
【0115】
図9に示すように、光学走査ステップ210からのデータは、ステップ212でプロセッサ18に送信される。ステップ214において、プロセッサは、X線走査からのデータを、第1の光学走査からのデータの上に直接重ねる。その後、プロセッサは、加工品の輪郭外形を生成し、例えば、方法158に関して上記で説明したように、輪郭外形に沿ったX/Y座標の形態でそのような輪郭外形を表す。プロセッサ18は、X線走査及び第1の光学走査からのデータも分析し、加工品WP内の欠陥(例えば骨)の位置を特定する。
【0116】
方法208における、方法158からの別の変形として、ステップ176’において、プロセッサは、走査器102からの光学走査データと、走査器202からの光学走査データとを比較し、光学走査器102によって見た加工品が光学走査器202によって見た加工品と同じであることを検証する。別の変形又は代替として、ステップ178’において、光学走査器202からのデータと光学走査器102からのデータとの間で必要な転換を行う。上記の差以外、図9に示す方法208は、本質的に、図7に示し、上記で説明した方法158と同じであるか又はかなり類似している。
【0117】
図10は、本開示による代替システム10’’及び方法を示す。図1図6及び図8の場合と同じであるシステム10’’の構成要素及び部品は、同じ部品番号で識別され、これらの説明はここでは繰り返さない。むしろ、以下の説明は、図1図9に示すものに対する、図10に示すシステム10’’の変化又は差に焦点を当てる。
【0118】
図10を参照すると、移送コンベア250は、第1の又は上流コンベア12と第2の又は下流コンベア20との間に挿入され、コンベア12からコンベア20への加工品WPの移送を容易にし、加工品への歪みを最小にする。移送コンベア250は、コンベア・ベルト252を含み、コンベア・ベルト252は、コンベア枠構造体260の上に組み付けた端部ローラ254及び256の上を伝う。図10に示すように、枠構造体は、コンベア12と20との間にコンベア250を支持する脚部262を含む。ベルト252は、駆動ローラ264によって動力供給され、駆動ローラ264は、移送コンベア250の長さ部に沿って中央に位置する。遊びローラ266は、駆動ローラ264の上へのベルト252の巻き付けを増大させ、ベルト252と駆動ローラ264との間の滑りを回避するために使用する。
【0119】
図10に示すように、端部ローラ254及び256の外径は、比較的小さく、これにより、ベルト252の端部を、ベルト16及びベルト22の対応する端部に近接配置することを可能にする。したがって、ベルト16とベルト252との間の間隙は、かなりわずかであり、ベルト252とベルト22との間の間隙に対しても同じである。その結果、加工品WPは、ベルト16からベルト252に移送し、その後、ベルト252からベルト22に移送することができ、変位、移動又は歪みは非常にわずかである。理想的には、ベルト16、252及び22の速度は、同じであり、ベルト16からベルト252、ベルト252から22への加工品の正確な移送も促進する。
【0120】
コンベア12及び20の高度が同じではない場合、移送コンベア250は、コンベアの高さ又は高度の差に対処するように利用し得ることを理解されたい。この点について、端部ローラ254及び256は、隣接ローラ50及びスプロケット84の高度に対応するように、異なる高度とすることができる。
【0121】
更に、ベルト252は、異なる種類の材料から構成し、様々な構造のものとすることができ、この構造には、テクスチャの付いた搬送表面を有し、加工品WPの下側との良好な「把持」を達成する構造を含む。1つのそのようなベルト構造は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,683,903号に開示されている。米国特許第8,683,903号は、「平坦」ベルト構造を開示しており、ベルトの上面は、当接縁部を画定する輪郭が付き、加工品の下側に対して押圧し、ベルトに対して加工品が後方摺動に抗うのを支援する。
【0122】
上記のように、本開示の処理システムは、コンベア、このケースではコンベア12、250及び20に沿った加工品WPの移動を連続的に追跡しない。そのような連続追跡は、システム10’’でも可能ではないことがある。例えば、中間コンベア250を製造作業の間に停止すべきであった場合、加工品WPのX線画像は、依然として生成され、光学ステーション24に送信されるが、加工品WPは、コンベア250の停止のため、光学ステーションに到達することはない。したがって、システム10’’は、加工品を連続的に追跡することができず、システムは、加工品が光学走査器24に到達する予定であることを知ることはない。そうではなく、システム10’’は、単に、次の加工品が光学ステーション24に到達するまで待機する。
【0123】
例示的な実施形態を例示し、説明してきたが、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく様々な変更を中で行い得ることは理解されたい。例えば、処理システム10は、修正方法により利用することができ、ベルト16からベルト22への加工品WPの移送が生じるときに関してプロセッサ18に警告するものである。ベルト22の速度が既知であると、プロセッサ18は、走査ステーション24でどの特定の加工品WPを次に走査するかを確認することができる。この情報は、上記で説明した方法の代わりに又はこれに加えて使用することができ、走査ステーション24からの光学走査データは、X線ステーション14からのX線走査データと比較し、光学走査ステーション24における加工品が、X線走査ステーション14で既に走査した加工品に対応することを検証する。処理システム10は、この更なるデータなしでも全く問題なく動作することができる。しかし、そのようなデータは、上記のシステム10及び10’並びに方法158及び208を使用して得た結果を確認する機能を果たすことができる。
【0124】
また、コンベア12及び20は、上記の以外で構成することができる。例えば、コンベア12に単一の駆動ローラ50を用い、コンベア20及びこれらの2つのコンベアの交点に単一のスプロケット84を用いるのではなく、他の構成を使用し、コンベア・ベルト16及び22の隣接端部を一緒により近い状態にし、ベルトの間の間隙のサイズを低減することができる。例えば、2つのローラ(上側ローラ及び下側ローラ)は、単一のローラ50の代わりに使用することができる。同様に、2つのスプロケットを単一のスプロケット84の代わりに使用することができる。このことは、コンベア12及び20の隣接する端部を「直角にする」ことができるため、コンベアを隔てる間隙を低減でき、これにより、コンベア12から20へ移送する際の加工品の歪み及び/又は移動をより少なくすることを促進する。
【0125】
更に、処理システム10において、個々の第1の又は上流コンベア12、第2の又は下流コンベア20及び移送コンベア250は、単なる個々のコンベアとしてではなくコンベア・システムの一部として考慮することができる。そのようなコンベア・システムは、プロセッサ18によって制御、調整される。
【0126】
更に、X線走査器と光学走査器との間、並びにプロセッサ18を含む本システム及び方法の他の構成要素の間/の中でのデータ送信及び他の通信は、ケーブル又は他のハードウェアを介するように図示するが、代わりに、そのようなデータ/通信は、Blue Tooth(登録商標)又は他のプロトコルを使用してワイヤレスに送信することができる。更に、本開示のシステム及び方法において様々なデータ・フォーマットを使用することができる。1つの例示的なデータ・フォーマットはXMLである。データ・フォーマットの別の例はJSON(Java Script(登録商標) Object Notation)である。
【0127】
更に、本開示のシステム及び方法を使用し、食品及び他の加工品から望ましくない材料及び成分を位置特定し、取り除くだけでなく、加工品を切り落とすか又は分配することができるが、こうした機能の1つのためだけ又はその他の機能のためにシステム及び方法を使用することができ、両方の機能のために使用しなくてもよい。
【0128】
排他的性質又は特権を請求する本発明の実施形態は、以下のように定義する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7
図8
図9
図10