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特許7060661プレスヘッドロック機構及びプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置
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  • 特許-プレスヘッドロック機構及びプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置 図1
  • 特許-プレスヘッドロック機構及びプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置 図2
  • 特許-プレスヘッドロック機構及びプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置 図3
  • 特許-プレスヘッドロック機構及びプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置 図4A
  • 特許-プレスヘッドロック機構及びプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置 図4B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】プレスヘッドロック機構及びプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20220419BHJP
   B30B 5/00 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
G01R31/26 J
B30B5/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020166625
(22)【出願日】2020-10-01
(65)【公開番号】P2021107806
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2020-10-02
(31)【優先権主張番号】108148006
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505441638
【氏名又は名称】致茂電子股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chroma Ate Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】歐陽勤一
(72)【発明者】
【氏名】陳建名
(72)【発明者】
【氏名】蘇柏安
(72)【発明者】
【氏名】王玉▲セン▼
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-502138(JP,A)
【文献】特表2018-535418(JP,A)
【文献】特開2002-231398(JP,A)
【文献】米国特許第08044673(US,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0073690(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/26
B30B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータ、スライダー及びロックピンを備えるとともに、プレスヘッド及びテストソケット基板をロックするために用いる、プレスヘッドロック機構であって、
前記アクチュエータは、前記プレスヘッド及び前記テストソケット基板のうちの少なくとも何れか1つに配設され、
前記スライダーは、前記プレスヘッド及び前記テストソケット基板のうちの少なくとも何れか1つに配設されるとともに、前記アクチュエータに接続され、
前記ロックピンは、前記プレスヘッド及び前記テストソケット基板のうちの少なくとも何れか1つに配設され、
前記プレスヘッドと前記テストソケット基板とが接合されたときに、前記アクチュエータにより前記スライダーが特定方向に摺動されて前記ロックピンを堅固に固定し、前記プレスヘッドと前記テストソケット基板とが分離することを防ぎ、
前記アクチュエータ及び前記スライダーは、前記プレスヘッドに配設され、
前記プレスヘッドの底面には、挿入孔が形成され、
前記ロックピンは、前記テストソケット基板の上面から突出され、
前記スライダーは、スロットを有し、
前記プレスヘッドと前記テストソケット基板とが接合されたときに、前記ロックピンが前記挿入孔に挿通されて前記スロットに挿入され、前記アクチュエータにより前記スライダーが駆動され、前記スロットに前記ロックピンが堅固に固定され、
前記スライダーの前記スロットは、大円孔及び小円孔を有し、
前記スライダーは、プッシュブロックを有し、
前記ロックピンは、頭部及び首部を有し、
前記プレスヘッドと前記テストソケット基板とが接合されたときに、前記ロックピンの前記頭部が前記スロットの前記大円孔に挿通され、前記アクチュエータにより前記プッシュブロックが押動された後、前記スライダーの前記小円孔に前記ロックピンの前記首部が堅固に固定されることを特徴とする、
プレスヘッドロック機構。
【請求項2】
テストソケット基板、プレスヘッド及び2つのプレスヘッドロック機構を備えた、プレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置であって、
前記テストソケット基板は、テストソケットスロットを有し、
前記プレスヘッドは、第1のサポートアーム及び第2のサポートアームを含み、前記第1のサポートアーム及び前記第2のサポートアームは、前記テストソケットスロットの両側にそれぞれ配設され、前記第1のサポートアーム及び前記第2のサポートアームは、係止ブロックを有し、
前記プレスヘッドロック機構は、前記第1のサポートアーム、前記第2のサポートアーム及び前記テストソケット基板のうちの少なくとも何れか1つに配設されるとともに、アクチュエータ、スライダー及びロックピンをそれぞれ有し、
前記スライダーは、スロット、底板、プッシュブロック及びストップブロックを有し、前記プッシュブロック及び前記ストップブロックは、前記底板の両側にそれぞれ設けられ、
前記スライダーの前記スロットは、大円孔及び小円孔を有し、
前記ロックピンは、頭部及び首部を有し、
前記アクチュエータが前記スライダーを摺動させ、前記係止ブロックが前記プッシュブロックを係止すると、前記ロックピンが前記スライダーの前記大円孔に位置合わせされ、前記ロックピンの前記頭部が前記大円孔から挿出可能であり、
前記アクチュエータが前記スライダーを摺動させ、前記係止ブロックが前記ストップブロックを係止すると、前記スライダーの前記小円孔に前記ロックピンの前記首部が堅牢に固定され、
前記プレスヘッドと前記テストソケット基板とが分離することを防ぐことを特徴とする、
プレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置。
【請求項3】
前記プレスヘッドは、下圧力発生装置及びプレスフィットブロックを有し、前記下圧力発生装置は、前記第1のサポートアームと前記第2のサポートアームとの間に位置し、前記プレスフィットブロックは、前記下圧力発生装置に配設され、前記テストソケットスロットに対応することを特徴とする請求項2に記載のプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレスヘッドロック機構及びプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置に関し、特に、特定の押下力を付与し、電子部品の品質を検査する電子部品検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体技術が発展するに従い、シングルチップの機能及び演算処理能力は高まっているが、それに伴ってチップの接点又はピンの数も非常に多くなってきている。現在の技術レベルから言って、一部のチップの断面積サイズは、既に10cmに達し、上面の接点は数千~1万個以上に達している。
【0003】
また、これらのチップを検査する際、チップとポゴピン(pogo pin)とが十分に電気的に接続されるように、装置本体は十分な押下力を付与する必要があった。各ポゴピンのばね力は、約25~35gfであるため、現在の業界の検査規格の要求に依り、ポゴピンのばね力に完全に打ち勝つためには、装置は少なくとも300Kgfの押下力を付与しなければ、チップ上の全ての接点を対応したポゴピンにそれぞれ電気的に接続させることはできなかった。このような大きな押下力及びその反作用力に対応するために、装置には係合機構を別途設ける必要があった。
【0004】
また、前述した係合機構については、本出願人の特許文献1を参照する。特許文献1では、プレスヘッド及びソケットプレートをロックする多種類の機構が公開されているが、その大部分はシングル駆動源の2段式押下方式に属し、プレスヘッドを押下げてチップに当接する際、係合機構は未だ駆動されておらず、プレスヘッドを再び押下げなければ、係合機構を同時に駆動させることはできなかった。
【0005】
しかし、特許文献1は、体積が大きく、機構の組立が複雑であり、高コストであるなどの欠点を有する他、係合機構がロック状態にあるかリリース状態にあるか正確に知ることができなかったため、係合機構の動作を検出するセンサーを別途設ける必要があった。
また、一部のチップ検査工程にかかる時間が数十時間~数日に及ぶことがあり、従来技術の係合機構はロック状態にあるとき、駆動源によりプレスヘッドを押下げ続けなければならなかったため、多くのエネルギーが無駄となるばかりでなく、付加的な押下力により材料疲労が起き、装置の寿命を短くしてしまう虞もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2017292973号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、機構又は動作方式が非常に簡素であり、設置コスト及びメンテナンスコストが安く、広いスペースをとらず、ロック状態でテストを行う際、余計なエネルギーを使って押下げたりロック機構を駆動させる必要がない、プレスヘッドロック機構及びプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明のプレスヘッドロック機構は、プレスヘッド及びテストソケット基板をロックするために用いる。当該ロック機構は、プレスヘッド及びテストソケット基板のうちの少なくとも何れか1つに配設されたアクチュエータ、スライダー及びロックピンを含む。プレスヘッドとテストソケット基板とが接合されたときに、アクチュエータによりスライダーが特定方向に摺動されてロックピンを堅固に固定し、プレスヘッドとテストソケット基板とが分離することを防ぐ。
【0009】
前段で述べたように、本発明は、スライダー及びロックピンをプレスヘッド及びテストソケット基板にそれぞれ配設し、プレスヘッド及びテストソケット基板をロックする際、アクチュエータによりスライダーを駆動し、ロックピンを堅固に固定し、プレスヘッドとテストソケット基板とが分離することを防ぐ。本発明が採用する機構は、簡素で信頼性が高く、組立及びメンテナンスが非常に容易であり、アクチュエータによりロック状態にするかロック状態を解除するときにスライダーを変位させるときのみエネルギーを消費するため、アクチュエータを継続的に駆動させる必要はない。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置は、テストソケット基板、プレスヘッド及び2つのプレスヘッドロック機構を備える。テストソケット基板は、テストソケットスロットを有する。プレスヘッドは、第1のサポートアーム及び第2のサポートアームを含む。第1のサポートアーム及び第2のサポートアームは、テストソケットスロットの両側にそれぞれ配設される。2つのプレスヘッドロック機構は、第1のサポートアーム、第2のサポートアーム及びテストソケット基板のうちの少なくとも何れか1つに配設される。各プレスヘッドロック機構は、アクチュエータ、スライダー及びロックピンをそれぞれ有する。プレスヘッドとテストソケット基板とが接合されたときに、アクチュエータによりスライダーが特定方向に摺動されてロックピンを堅固に固定し、プレスヘッドとテストソケット基板とが分離することを防ぐ。
【発明の効果】
【0011】
本発明のプレスヘッドロック機構及びプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置は、プレスヘッドロック機構の一部部品がプレスヘッドのサポートアーム内に取付けられる。例えば、アクチュエータ及びスライダーがサポートアームに取付けられ、ロックピンがテストソケット基板上に固設される。ロックする際、アクチュエータによりスライダーを駆動し、スライダーによりロックピンを堅固に固定する。以上の構成より、下圧力発生装置が押下力を発生させ、被測定チップに押下力が付与されたときに、プレスヘッドとテストソケット基板とが押下力の影響を受けて分離してしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置を示す説明図である。
図2】本発明の一実施形態に係るプレスヘッド及びテストソケット基板を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るプレスヘッド及びテストソケット基板を示す分解斜視図である。
図4A】本発明の一実施形態に係るプレスヘッドロック機構を示す説明図である。
図4B】本発明の一実施形態に係るスライダーを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の他の技術内容、特徴及び効果について、以下、図面を参照しながら好適な実施形態の詳細な説明で明らかにする。
【0014】
本発明のプレスヘッドロック機構及びプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置を本実施形態で詳しく説明する前に以下の事項を述べておく。
以下の説明では、類似の部材には同一の符号が付してある。また、本発明の図面は、単に例示の目的でそのように描かれているにすぎず、各部材の寸法は、必ずしも現実の寸法を反映するものとは限らない上、詳細な部分もすべて図面に描かれているわけではないことに留意されたい。
【0015】
図1を参照する。図1は、本発明の一実施形態に係るプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置を示す説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置は、下圧端Md及びベース端Mbを含む。下圧端Mdは、電子部品Cを押下げるために用いる他、電子部品Cをピック及びプレイスする機能を備え、他の実施形態では、電子部品Cを加熱又は冷却する機能を備えなければならず、下圧端Mdは、電子部品Cを載置し、テストするために用いる。
【0016】
また、本実施形態の下圧端Mdは、プレスヘッド2により構成され、頂板70、第1のサポートアーム71、第2のサポートアーム72、下圧力発生装置81及びプレスフィットブロック82を含む。
頂板70は、昇降機構(図示せず)に接続される。第1のサポートアーム71及び第2のサポートアーム72は、頂板70の両側にそれぞれ配設される。下圧力発生装置81は、頂板70に接続されるとともに、第1のサポートアーム71と第2のサポートアーム72との間に位置する。プレスフィットブロック82は、下圧力発生装置81に接続されて下圧力発生装置81下に位置する。下圧力発生装置81が押下力を発生させ、プレスフィットブロック82により押下力を伝達して押し当てると、被測定電子部品Cに押下力が付与される。
【0017】
また、本実施形態のベース端Mbは、テストソケット基板6及びテストソケットスロット60を含む。その他の部材は図面に示されていないが、当業者であれば分かるように、例えば、テストボード(test board)、サポートプレート(support plate)、テストバー(T shaped bar)などを含んでもよい。
テストソケットスロット60は、テストソケット63を収容するために用い、テストソケット63が電気的インターフェースを形成し、電子部品Cをテスター(tester)に電気的に接続させてテストする。電気的インターフェースは、テストソケット63底部のプローブPを含む。プローブPは、電子部品C底面の接点(図示せず)と電気的に接続される。
【0018】
図2図3及び図4Aを参照する。図2は、本発明の一実施形態に係るプレスヘッド2及びテストソケット基板6を示す斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係るプレスヘッド2及びテストソケット基板6を示す分解斜視図である。図4Aは、本発明の一実施形態に係るプレスヘッドロック機構を示す説明図である。
図2図3及び図4Aに示すように、本実施形態の各プレスヘッドロック機構は、アクチュエータ3、スライダー4及びロックピン5を含む。第1のサポートアーム71及び第2のサポートアーム72には、アクチュエータ3及びスライダー4がそれぞれ取付けられる。ロックピン5は、テストソケット基板6に固設される。本実施形態のアクチュエータ3は気圧シリンダであるが、本発明はこれだけに限定されるわけではなく、往復直線運動可能な機構又は装置であれば本発明に適用可能である(例えば、リニアモーター(liner motor))。
【0019】
また、第1のサポートアーム71及び第2のサポートアーム72は、収容空間S、挿入孔21及び係止ブロックBをそれぞれ含む。収容空間Sは内部空間である。アクチュエータ3及びスライダー4は、収容空間Sに収容される。挿入孔21は、第1のサポートアーム71及び第2のサポートアーム72の底面に形成されるとともに、収容空間Sと連通する。また、係止ブロックBは、収容空間Sの上面側から下方へ突出され、スライダー4を係止して位置決めする。
【0020】
図4Bを併せて参照する。図4Bは、本発明の一実施形態に係るスライダー4を示す斜視図である。本実施形態のスライダー4は、底板40、プッシュブロック42及びストップブロック43を含む。プッシュブロック42及びストップブロック43は、底板40の両側にそれぞれ設けられる。底板40には、スロット41が形成される。スロット41は、大円孔411及び小円孔412を含む。大円孔411及び小円孔412は互いに連通する。
【0021】
また、本実施形態のテストソケット基板6は、テストソケットスロット60、第1のバンプ61及び第2のバンプ62を含む。テストソケットスロット60は、テストソケット63(図示せず)を収容する。第1のバンプ61及び第2のバンプ62は、テストソケット基板6上に組立てられるとともに、テストソケットスロット60の両側にそれぞれ設けられる。第1のバンプ61及び第2のバンプ62には、ロックピン5がそれぞれ配設される。また、本実施形態のロックピン5は、頭部51及び首部52を含む。
【0022】
全ての図面を同時に参照する。以下、本実施形態の作動方式について説明する。まず、電子部品をテストソケット63に挿設した後、プレスヘッド2の押下げを開始する。続いて、第1のサポートアーム71及び第2のサポートアーム72の底面上の挿入孔21にロックピン5を挿入し、スライダー4が係止ブロックBに接触されると、プッシュブロック42は係止された状態となる。ロックピン5は、スライダー4の大円孔411に位置合わせして挿通させることができる。大円孔411の直径は、ロックピン5の頭部51より大きい。
【0023】
また、プレスヘッド2とテストソケット基板6とをロックする際、アクチュエータ3はスライダー4を摺動させ、係止ブロックBがストップブロック43を係止する際、スライダー4の小円孔412にロックピン5の首部52が係入され、スライダー4のスロット41にロックピン5が堅牢に固定され、プレスヘッド2とテストソケット基板6とをロックし分離することを防ぐ。続いて、下圧力発生装置81が電子部品Cに押下力を付与し、テストする。
【0024】
また、テストが完了したとき、係止ブロックBが係止されるまで、アクチュエータ3により再びスライダー4をプッシュブロック42まで摺動させる。同様に、このときスライダー4の大円孔411にロックピン5を嵌入させるが、ロックピン5は、大円孔411から挿出可能である。詳細には、プレスヘッド2はテストソケット基板6から容易に取り外すことができる。
【0025】
さらに詳細には、下圧力発生装置81が電子部品Cに押下力を付与するとき、プレスヘッドロック機構全体は、内力平衡を得ることができる。シミュレーション分析によると、300Kgfの押下力を付与する際、第1のサポートアーム71及び第2のサポートアーム72のそれぞれが150Kgfの内応力を受けると、最大変位量は0.034mmのみであり、それは頂板70と、第1のサポートアーム71及び第2のサポートアーム72との接続箇所の端部に発生する。
上述したことから分かるように、本発明のプレスヘッドロック機構は、内力平衡を得て、非常に大きな押下力を受ける状況下でも変形量が非常に小さい。
【0026】
上述したことから分かるように、本発明のプレスヘッドロック機構及びプレスヘッドロック機構を有する電子部品検査装置は、以下(1)~(5)の長所を有する。
(1)本発明のプレスヘッドロック機構は、簡素で、組立及びメンテナンスが容易であり、低コスト、信頼性が高く、実用的である。
(2)本発明のプレスヘッドロック機構は、プレスヘッドの両側に配設されたサポートアーム内に取付けられ、広いスペースをとらないため、装置の空間を最大限利用することができる。
(3)ロックの開閉を行うときのみ、アクチュエータによりスライダーを駆動させるため、テストを行っている最中又はテストを行う前のアクチュエータは待機状態にあり、付加的な動力源によりロック状態を保持する必要がないため、エネルギー消費を大幅に減らすことができる。
(4)従来技術で述べた単一動力源の方式と比べ、本発明は、付加的な力(押下力)によりロック状態を維持する必要がないため、付加的な押下力により発生する複雑な応力の影響を受けることを減らし、装置の部品が内力により生じる疲労効果を改善し、使用寿命を延ばすことができる。
(5)本発明のプレスヘッドロック機構は、内力平衡を得て、大きな力である押下力がテスト装置の他の機構又は部品に与える悪影響を減らし、大きな力である押下力に耐え得るため、変形量が小さい。
【0027】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0028】
2 プレスヘッド
3 アクチュエータ
4 スライダー
5 ロックピン
6 テストソケット基板
21 挿入孔
40 底板
41 スロット
42 プッシュブロック
43 ストップブロック
51 頭部
52 首部
60 テストソケットスロット
61 第1のバンプ
62 第2のバンプ
63 テストソケット
70 頂板
71 第1のサポートアーム
72 第2のサポートアーム
81 下圧力発生装置
82 プレスフィットブロック
411 大円孔
412 小円孔
B 係止ブロック
C 電子部品
Md 下圧端
Mb ベース端
P プローブ
S 収容空間
図1
図2
図3
図4A
図4B