(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】コメント投稿システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20220419BHJP
G06Q 50/00 20120101ALI20220419BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220419BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20220419BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20220419BHJP
【FI】
G06Q50/20
G06Q50/00 300
G06F13/00
G06F3/0481 170
G06F3/0484 120
(21)【出願番号】P 2020211061
(22)【出願日】2020-12-21
【審査請求日】2020-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】399056820
【氏名又は名称】テクマトリックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【氏名又は名称】中辻 史郎
(72)【発明者】
【氏名】岩元 利純
【審査官】竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111277637(CN,A)
【文献】特開2018-163518(JP,A)
【文献】特開2018-097834(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0026932(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0380937(US,A1)
【文献】特開2015-185107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 13/00
G06F 3/04817
G06F 3/04842
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コメントの投稿と閲覧とを行うことができるコメント投稿システムであって、
複数の閲覧対象者カテゴリと閲覧対象者の情報との関係を対応付けた対応関係を記憶する記憶部と、
コメント投稿時に複数の前記閲覧対象者カテゴリの中から1以上の所望の前記閲覧対象者カテゴリを選択する閲覧者選択部と、
コメント投稿者がコメントを作成するコメント作成部と、
前記コメント投稿者、前記コメント作成部で作成されたコメント内容、及び、前記対応関係をもとに、選択された前記閲覧対象者カテゴリの閲覧対象者を特定し、特定した閲覧対象者に対してコメント投稿を通知するとともに閲覧可能にする閲覧処理部と、
閲覧されるコメントの表示画面に、選択された全ての前記閲覧対象者カテゴリを表示する表示処理部と
を備えたことを特徴とするコメント投稿システム。
【請求項2】
コメントの表示画面に表示される前記閲覧対象者カテゴリは、アイコン表示されることを特徴とする請求項1に記載のコメント投稿システム。
【請求項3】
コメントの表示画面に全ての前記閲覧対象者カテゴリをアイコン表示するとともに、選択された前記閲覧対象者カテゴリのアイコン表示は、他の閲覧対象者カテゴリのアイコン表示とは異なることを特徴とする請求項1に記載のコメント投稿システム。
【請求項4】
コメント投稿対象には、複数のコメント投稿カテゴリがあり、
コメント投稿時に、複数のコメント投稿カテゴリの中から1つの前記コメント投稿カテゴリを選択してコメント投稿することを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載のコメント投稿システム。
【請求項5】
前記コメント投稿カテゴリは、前記コメント投稿カテゴリ毎にコメント投稿を許容する1以上の前記コメント投稿者を特定していることを特徴とする請求項4に記載のコメント投稿システム。
【請求項6】
閲覧したコメントに対するコメント投稿の閲覧対象者は、選択された前記閲覧対象者カテゴリの閲覧対象者の中から任意に選択できることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載のコメント投稿システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コメント投稿時に特定の閲覧者対象者をその都度、容易に指定できるとともに、コメント閲覧時にコメント投稿者が特定した他の閲覧対象者を容易に認識することできるコメント投稿システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信技術の発達と、通信サービスの多様化とに伴って、様々な種類の電子会話ツールが広く用いられてきた。電子会話ツールとは、例えば、電子掲示板、チャット、ブログ、短文投稿サイト(TWITTER(登録商標)など)、SNS(Social Networking Service)などである。ユーザは、通信機器を用いて、これらの会話ツールを活用し、他のユーザと対話したり、コミュニティを形成したり、情報を発信したりして、他のユーザとのコミュニケーションを実現している(特許文献1参照)。
【0003】
この電子会話ツール、例えばコメント交換機能は、グループ内における開発等を行う場合、全員に公開することによるアイデアのフィードバック交換によって生産性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、人との関わりそのものが大きな意義をもつ教育機関では、全員をコメント投稿の閲覧対象者とすることは教育管理上好ましくない場合がある。例えば、教育機関においては、本人をコメント投稿の閲覧対象者とする場合だけではなく、本人をコメント投稿の閲覧対象者から除外すべき場合もある。教育機関では、間接的な指導が必要な場合もあるためである。このように、コメントは、適切な閲覧者の範囲に対して公開すべきものである。また、コメント投稿の閲覧対象者を知ることはコメントの影響を知ることになり、教育管理上、大事なものである。
【0006】
一方、コメント交換機能以外の電子メールは、そもそも各人がメーラーを設定して自分のメールアドレスを管理し、複数の受信者にメールを送る場合、受信者のメールアドレスを用いて選択するため、操作が複雑になる。また、電子掲示板では、閲覧者の制限が一律に行われるため、メッセージ毎の個別具体的な閲覧者選択は困難である。
【0007】
上記のメッセージ交換機能、例えばSNSの1つであるLINE(登録商標)などでは、基本的に1対1のメッセージ交換を行うものであり、複数の人にメッセージを送る場合、グループ設定を行っているが、このグループは基本的に固定的である。また、グループ設定では、メンション機能を用いて特定の人に対して指定したメッセージを送ることができるが、グループ内の他の人にも閲覧される。さらに、転送機能などを用いて特定の人に対して一斉送信することができるが、受信者は、他の誰に送られているか(公開されているか)を認識することができないという課題がある。また、返信時にも同様に他の誰に送られているかを認識することができない。
【0008】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、コメント投稿時に特定の閲覧者対象者をその都度、容易に指定できるとともに、コメント閲覧時にコメント投稿者が特定した他の閲覧対象者を容易に認識することできるコメント投稿システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明は、コメントの投稿と閲覧とを行うことができるコメント投稿システムであって、複数の閲覧対象者カテゴリと閲覧対象者の情報との関係を対応付けた対応関係を記憶する記憶部と、コメント投稿時に複数の前記閲覧対象者カテゴリの中から1以上の所望の前記閲覧対象者カテゴリを選択する閲覧者選択部と、コメント投稿者がコメントを作成するコメント作成部と、前記コメント投稿者、前記コメント作成部で作成されたコメント内容、及び、前記対応関係をもとに、選択された前記閲覧対象者カテゴリの閲覧対象者を特定し、特定した閲覧対象者に対してコメント投稿を通知するとともに閲覧可能にする閲覧処理部と、閲覧されるコメントの表示画面に、選択された全ての前記閲覧対象者カテゴリを表示する表示処理部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、コメントの表示画面に表示される前記閲覧対象者カテゴリは、アイコン表示されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、コメントの表示画面に全ての前記閲覧対象者カテゴリをアイコン表示するとともに、選択された前記閲覧対象者カテゴリのアイコン表示は、他の閲覧対象者カテゴリのアイコン表示とは異なることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、コメント投稿対象には、複数のコメント投稿カテゴリがあり、コメント投稿時に、複数のコメント投稿カテゴリの中から1つの前記コメント投稿カテゴリを選択してコメント投稿することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、前記コメント投稿カテゴリは、前記コメント投稿カテゴリ毎にコメント投稿を許容する1以上の前記コメント投稿者を特定していることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、閲覧したコメントに対するコメント投稿の閲覧対象者は、選択された前記閲覧対象者カテゴリの閲覧対象者の中から任意に選択できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、コメント投稿時に特定の閲覧対象者をその都度、容易に指定できるとともに、コメント閲覧時にコメント投稿者が特定した他の閲覧対象者を容易に認識することできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るコメント投稿システムの概要構成示すブロック図である。
【
図2】
図2は、コメント投稿システムによるコメント投稿及びコメント閲覧の一例を説明するための説明図である。
【
図3】
図3は、コメント投稿者と閲覧対象者カテゴリとの関係の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、複数の閲覧対象者カテゴリと閲覧対象者の情報との関係を対応付けた対応関係の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図1に示した管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、
図1に示した端末装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、コメント対応状況表の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、コメント投稿処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係るコメント投稿システムの好適な実施形態を詳細に説明する。
【0022】
<コメント投稿システムの概要>
まず、本実施形態に係るコメント投稿システムの概要について説明する。
図1は、本実施形態に係るコメント投稿システム1の概要構成示すブロック図である。また、
図2は、コメント投稿システム1によるコメント投稿及びコメント閲覧の一例を説明するための説明図である。
【0023】
図1に示すように、コメント投稿システム1は、管理装置10及び端末装置20がネットワークNに接続される。管理装置10は、例えばクラウド上に配置される。管理装置10は、端末装置20によるコメント投稿及びコメント閲覧を支援及び管理する装置である。端末装置20は、複数の端末装置21、複数の端末装置22、及び、複数の端末装置23を有する。端末装置21は、各生徒が使用する生徒端末装置である。端末装置22は、各生徒の保護者が使用する保護者端末装置である。また、端末装置23は、各教師が使用する教師端末装置である。なお、端末装置21,22,23は、タブレットなどの携帯端末であることが好ましいが、デスクトップ型やラップトップ型のPC(パーソナルコンピュータ)であってもよい。
【0024】
図2に示すように、管理装置10は、端末装置20からのコメント投稿要求を受けてコメント作成画面P1を端末装置20に表示させる。コメント作成画面P1では、コメント投稿カテゴリ、日時、コメント投稿者、閲覧対象者カテゴリ、投稿内容欄M1が少なくとも表示される。コメント投稿カテゴリには、例えば
図3に示すように、科目コメント、日別コメント、連絡帳、グループコメント、掲示板があり、
図2に示すコメント作成画面P1は、コメント投稿者が日別コメントを選択したものである。なお、科目コメントは、時間割表に示す科目に対するコメントを投稿する領域であり、主として生徒がコメント投稿する。連絡帳は、教師と保護者との間で連絡をとるためのコメントを投稿する領域である。また、グループコメントは、教師、保護者などで形成される特定のグループにおいて連絡をとるためのコメントを投稿する領域である。掲示板は、教育施設におけるイベント開催などの運営などの全体に関するコメントを投稿する領域である。
【0025】
なお、コメント投稿者は、担任教師、生徒本人、保護者であるが、
図3では、さらに学外関係者を追加している。この場合、学外関係者も、端末装置20を有しており、管理装置10に接続可能である。また、担任教師は、クラスを担当するクラス担当教師と科目を担当する科目担当教師とを含む。
図3に示すように、各コメント投稿カテゴリに対するコメント投稿は、コメントカテゴリ毎にコメント投稿を許容する1以上のコメント投稿者を特定している。例えば、
図3では、科目コメントに対して全てのコメント投稿者がコメント投稿を行うことができるが、日別コメントに対しては、ここでは担任教師及び保護者のみにコメント投稿が許容され、生徒本人及び学外関係者にはコメント投稿が禁止されることとする。科目コメントは、主として授業内容等に対するコメントを投稿する領域であるが、日別コメントは、主として、日々の生徒の成長や生活態度などを教師と保護者とがメッセージ交換する領域として用いることができるためである。なお、日別コメントに関しては、子供に対してコメント投稿を許容し、学外関係者等のコメント投稿を禁止するよう構成することもできる。グループコメント及び掲示板も、コメント投稿の趣旨から、生徒本人を除いたコメント投稿者のコメント投稿を許容している。
【0026】
図2において、コメント作成画面P1における日時は、コメント作成時の日時が自動的に設定される。コメント投稿者は、コメント投稿を依頼した端末装置20の担任教師であり、その名前「山田れい」が自動的に設定される。
【0027】
閲覧対象者カテゴリは、作成したコメントの閲覧対象者のカテゴリであり、ここでは、6つの閲覧対象者カテゴリが予め設定されている。具体的な閲覧対象者カテゴリは、担任教師、教師全員、生徒本人、生徒全員、保護者、保護者全員である。コメント投稿者は、この6つの閲覧対象者カテゴリの中から1以上の所望の閲覧対象者カテゴリをチェック欄へのチェックによって選択する。
図2では、閲覧対象者カテゴリとして担任教師と保護者とが選択されている。なお、コメント投稿者は、担任教師であるため、自分自身の閲覧対象者カテゴリであり、担任教師の閲覧対象者カテゴリの選択をデフォルトして選択しておいてもよい。
【0028】
投稿内容は、「メイちゃん」に関するコメントである。ここで、管理装置10は、複数の閲覧対象者カテゴリと閲覧対象者の情報との関係を対応付けた対応関係を記憶している。具体的には、
図4に示す対応関係D1を予め記憶している。閲覧対象者カテゴリの担任教師には、閲覧対象者として「山田れい」を含む教師が紐づけられ、さらに、「山田れい」には、担任する生徒として「森川メイ」が紐づけられている。また、選択された閲覧対象者カテゴリの保護者には、閲覧対象者として「森川由子」が紐づけられ、さらに「森川由子」の子供である「森川メイ」が紐づけられている。
【0029】
なお、投稿内容には、テキストのみならず、各種情報、例えば静止画や動画などを添付することができる。文章も、テキストのみならず、文字修飾などの各種書式を適用することができる。
【0030】
管理装置10は、原稿内容の「メイちゃん」をキーワードK1にして対応関係D1を検索し、選択された閲覧対象カテゴリである担任教師が「山田れい」であり、保護者が「森川由子」であることを特定する。すなわち、管理装置10は、コメント投稿者、投稿内容欄M1に記載されたコメント内容、及び、対応関係D1をもとに、選択された閲覧対象者カテゴリの閲覧対象者を特定する。
【0031】
管理装置10は、特定された閲覧対象者に対してコメント投稿があった旨を端末装置20側に通知するとともに、選択された閲覧対象者カテゴリの閲覧対象者に対して、投稿されたコメントの閲覧を可能にする設定を行い、作成されたコメントを記憶する。これによって、作成されたコメントは特定の閲覧対象者に公開されることになる。
【0032】
一方、コメント投稿があった旨の通知を受けた保護者は、管理装置10にアクセスして、日別コメントのコメント投稿を閲覧する。
図2に示したコメント閲覧画面P2には、コメント投稿者である担任教師「山田れい」及び投稿の日時が表示されるとともに、投稿内容であるメッセージが表示される。さらに、コメント閲覧画面P2は、コメント投稿時に選択した閲覧対象者カテゴリのアイコン群I10が表示される。
【0033】
アイコン群I10には、閲覧対象者カテゴリに対応するアイコンI1~I6が表示可能であるが、選択された閲覧対象者カテゴリに対応し、担当教師のアイコンI1及び保護者のアイコンI5が表示される。なお、
図2では、全ての閲覧対象者カテゴリのアイコンI1~I6が表示されているが、選択された閲覧対象者カテゴリのアイコンI1,I5を、選択されない他の閲覧対象カテゴリのアイコンI2~I4,I6に比べて強調表示している。例えば、アイコンI2~I4,I6の透明度をアイコンI1,I5に比べて高くする。あるいは、アイコンI2~I4,I6とアイコンI1,I5の輝度を異ならせる。さらには、アイコンI2~I4,I6とアイコンI1,I5の色を異ならせる。いずれにしても、選択状態か非選択状態かがわかる表示にすればよい。
【0034】
なお、返信投稿時には、コメント作成画面P1に対応したコメント作成画面が表示され、このコメント作成画面において、上記の閲覧対象者カテゴリを選択することができる。この場合、最初のコメント投稿者が選択した閲覧対象者カテゴリに対してチェック欄にチェックがされているが、ここでは、自分自身の保護者のチェックを外している。この結果、コメント閲覧画面P3には、アイコン群I20が表示されるが、選択された担当教師のアイコンI1のみが表示される。なお、管理装置10は、投稿内容の「れいさん」をキーワードK2とし、対応関係D1を用いて担当教師の閲覧対象者「山田れい」を特定する。管理装置10は、特定した閲覧対象者に対して返信投稿があった旨を通知するとともに、返信投稿されたコメントを記憶する。これによって、返信投稿されたコメントは特定の閲覧対象者に公開されることになる。なお、閲覧されるコメント履歴は、各閲覧対象者に対して時系列で表示してもよいし、ツリー形式で表示してもい。
【0035】
したがって、コメント投稿時は、特定の閲覧対象者カテゴリが表示され、このうちの所望の閲覧対象者カテゴリを選択するのみで、閲覧対象者を容易に選択することができる。また、この閲覧対象者カテゴリを選択するのみで、対応関係D1などを用いて閲覧対象者を容易に特定して閲覧対象者に通知することができる。また、教師全員、生徒全員、保護者全員などの閲覧対象者カテゴリを選択した場合、個別に各閲覧対象者を選択しなくても、閲覧対象者閲覧対象者カテゴリに属する多数の閲覧対象者を容易に特定することができる。
【0036】
また、閲覧対象者は、コメント閲覧時に、投稿されたコメントを閲覧できる他の閲覧対象者(閲覧対象者カテゴリ)を容易に認識することができ、返信投稿時の参考とすることができる。
【0037】
<管理装置の構成>
次に、
図1に示した管理装置10の構成について説明する。
図5は、
図1に示した管理装置10の構成を示す機能ブロック図である。管理装置10は、入出力部11、通信部12、記憶部13及び制御部14を有する。
【0038】
入出力部11は、各種操作入力及び表示出力等を行うタッチパネル式ディスプレイなどの入出力インタフェースである。通信部12は、ネットワークNを介して端末装置20と通信を行うための通信インタフェースである。
【0039】
記憶部13は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、対応関係D1、コメントD2、コメント対応状況表D3を記憶する。
【0040】
制御部14は、管理装置10の全体を制御する制御部であり、ログイン処理部14a、閲覧者選択支援部14b、コメント作成支援部14c、閲覧処理部14d、表示処理支援部14e及び状況表表示処理支援部14fを有する。制御部14は、これらの機能部に対応するプログラムを不揮発性メモリや磁気ディスク装置などの記憶装置に記憶しておき、これらのプログラムをメモリにロードして、CPUで実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
【0041】
ログイン処理部14aは、各端末装置20からのログイン処理を行う。このログイン処理では、例えば、ID及びパスワードの入力を要求する。
【0042】
閲覧者選択支援部14bは、コメント投稿時に複数の閲覧対象者カテゴリの中から1以上の所望の閲覧対象者カテゴリを選択する支援を行う。コメント作成支援部14cは、コメント投稿者がコメント作成を行う際の処理支援を行う。
【0043】
閲覧処理部14dは、コメント投稿者、コメント作成支援部14cによる支援のもと、端末装置20側のコメント作成部で作成されたコメント内容、及び、対応関係D1をもとに、選択された閲覧対象者カテゴリの閲覧対象者を特定し、特定した閲覧対象者に対してコメント投稿を通知するとともに、投稿したコメントの閲覧可能にする。
【0044】
表示処理支援部14eは、閲覧されるコメントの表示画面に、選択された全ての閲覧対象者カテゴリを表示する処理を支援する。この表示は、例えば、上記のアイコンで表示している。
【0045】
状況表表示処理支援部14fは、教師の端末装置23に対する処理支援であり、クラス担当の担任教師ごとに設けられ、自身が教育を行った生徒からのコメント投稿の有無と、コメント投稿に対する自身及び科目の教育を行った他の科目担当の教師からの返信投稿の有無とを表示するコメント対応状況表D3を表示処理する支援を行う。このコメント対応状況表D3は、コメント投稿の実行によってリアルタイムで逐次更新される。
【0046】
なお、閲覧処理部14dは、生徒本人がコメント投稿するコメント投稿カテゴリ(科目コメント)に対するコメント投稿は、コメント投稿した生徒に対する教育を担当した教師の閲覧を可能にする。これは、生徒が日々の自分、又は自分たちの活動に対して科目コメントに投稿した場合、教師がこのコメント投稿(生徒の振り返り)に対してフードバックすることが好ましいからである。この生徒の振り返りと教師のフィードバックにより、生徒の成長を促すことができる。
【0047】
さらに、状況表表示処理支援部14fは、コメント対応状況表D3上において、生徒からのコメント投稿の有無、自身の返信投稿、及び、他の科目担当の教師からの返信投稿の有無を、異なる表示形態でアイコン表示するようにしている。
【0048】
<端末装置の構成>
次に、
図1に示した端末装置20の構成について説明する。
図6は、
図1に示した端末装置20の構成を示す機能ブロック図である。端末装置20は、入力部31、表示部32、通信部33、記憶部34及び制御部35を有する。
【0049】
入力部31は、キーボード又はマウス等の入力デバイスであり、表示部32は、液晶パネル等の表示デバイスであり、通信部33は、管理装置10に接続するための通信インタフェース部である。なお、入力部31及び表示部32は、例えばタッチパネル式ディスプレイによる一体型の入出力部であってもよい。記憶部34は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。
【0050】
制御部35は、端末装置20の全体を制御する制御部であり、閲覧者選択部35a、コメント作成部35b、表示処理部35c及び状況表表示処理部35dを有する。なお、状況表表示処理部35dは、端末装置20のうち、教師の端末装置23のみに設けられる。制御部35は、この機能部に対応するプログラムを不揮発性メモリや磁気ディスク装置などの記憶装置に記憶しておき、このプログラムをメモリにロードして、CPUで実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
【0051】
閲覧者選択部35aは、閲覧者選択支援部14bのもと、コメント投稿時に複数の閲覧対象者カテゴリの中から1以上の所望の閲覧対象者カテゴリを選択する処理を行う。コメント作成部35bは、コメント作成支援部14cのもと、コメント投稿者のコメントを作成する。表示処理部35cは、表示処理支援部14eのもと、閲覧されるコメントを表示するとともに、コメントの表示画面に、選択された全ての前記閲覧対象者カテゴリを表示する処理を行う。状況表表示処理部35dは、状況表表示処理支援部14fのもと、自身が教育を行った生徒からのコメント投稿の有無と、コメント投稿に対する自身及び科目の教育を行った他の科目担当の教師からの返信投稿の有無とを表示するコメント対応状況表を表示処理する。
【0052】
<コメント対応状況表の一例>
図7は、コメント対応状況表D3の一例を示す図である。
図7に示すように、コメント対応状況表D3は、クラス担当の担任教師が担当する生徒の学籍番号、氏名、コメント投稿の有無を示す記録、ホームルームや算数などの科目が示されている。記録には、自身が教育を行った生徒からのコメント投稿の有無と、コメント投稿に対する自身及び科目の教育を行った他の科目担当の教師からの返信投稿の有無とを表示するアイコンが表示される。
【0053】
アイコンI30は、生徒によるコメント投稿があった場合に表示される。アイコンI31は、生徒によるコメント投稿に対する返信投稿があったことを示している。アイコンI32は、生徒によるコメント投稿に対する他の科目担当の教師からの返信投稿があったことを示している。アイコンI31,I32に対応する白抜きのアイコンは、教師からの返信投稿がないことを示している。なお、アイコンI31とアイコンI32とを異なる表示対応としているのは、自身の返信投稿なのか、他の教師による返信投稿なのかを識別するためである。科目のモームルームや算数の欄には、記録欄に対する、生徒によるコメント投稿や教師による返信投稿の詳細な発生科目を示しており、アイコンI30~I32などと同様なアイコンが表示されている。
【0054】
これにより、クラス担当の担任教師は、生徒のコメント投稿の有無、及び、コメント投稿に対する返信投稿の有無を容易に認識することができる。
【0055】
<コメント投稿処理>
図8は、コメント投稿処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、まず、管理装置10は、コメント投稿カテゴリの選択を受け付ける(ステップS101)。その後、管理装置10は、選択されたコメント投稿カテゴリのコメント作成画面P1を表示する(ステップS102)。その後、コメント作成画面P1において閲覧対象者カテゴリの選択を受け付ける(ステップS103)。さらに、投稿内容の入力を受け付ける(ステップS104)。
【0056】
その後、閲覧処理部14dは、コメント投稿者、コメント作成支援部14cで作成されたコメント内容、及び、対応関係D1をもとに、選択された閲覧対象者カテゴリの閲覧対象者を特定し、特定した閲覧対象者に対してコメント投稿を通知するとともに閲覧可能にする(ステップS105)。さらに、表示処理支援部14eは、選択された閲覧対象者カテゴリのアイコン表示をコメントに付加する(ステップS106)。そして、このコメントD2を記憶部13に記憶し(ステップS107)、本処理を終了する。
【0057】
なお、コメント閲覧時には、上記のアイコン表示されたコメントを表示する。そして、返信投稿する場合、上記のコメント投稿処理と同様な処理を行う。
【0058】
また、上記のコメント作成画面P1等では、言語理解力に対応して生徒が認識しやすい言葉で表示している。例えば、生徒は「こども」などに変換して表示している。
【0059】
なお、上記の実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係るコメント投稿システムは、コメント投稿時に特定の閲覧者対象者をその都度、容易に指定でき、コメント閲覧時にコメント投稿者が特定した他の閲覧対象者を容易に認識させたい場合に有用である。
【符号の説明】
【0061】
1 コメント投稿システム
10 管理装置
11 入出力部
12,33 通信部
13,34 記憶部
14,35 制御部
14a ログイン処理部
14b 閲覧者選択支援部
14c コメント作成支援部
14d 閲覧処理部
14e 表示処理支援部
14f 状況表表示処理支援部
20,21~23 端末装置
31 入力部
32 表示部
35a 閲覧者選択部
35b コメント作成部
35c 表示処理部
35d 状況表表示処理部
D1 対応関係
D2 コメント
D3 コメント対応状況表
I1~I6,I30~I32 アイコン
I10,I20 アイコン群
K1,K2 キーワード
M1 投稿内容欄
N ネットワーク
P1 コメント作成画面
P2,P3 コメント閲覧画面
【要約】
【課題】コメント投稿時に特定の閲覧者対象者をその都度、容易に指定できるとともに、コメント閲覧時にコメント投稿者が特定した他の閲覧対象者を容易に認識すること。
【解決手段】複数の閲覧対象者カテゴリと閲覧対象者の情報との関係を対応付けた対応関係D1を記憶する記憶部13と、コメント投稿時に複数の閲覧対象者カテゴリの中から1以上の所望の閲覧対象者カテゴリを選択する閲覧者選択支援部14bと、コメント投稿者がコメントを作成するコメント作成支援部14cと、コメント投稿者、コメント作成支援部14cで作成されたコメント内容、及び、対応関係D1をもとに、選択された閲覧対象者カテゴリの閲覧対象者を特定し、特定した閲覧対象者に対してコメント投稿を通知するとともに閲覧可能にする閲覧処理部14dと、閲覧されるコメントの表示画面に、選択された全ての閲覧対象者カテゴリを表示する表示処理支援部14eとを備える。
【選択図】
図5