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特許7060690ブロックチェーンベースのリソース価値評価方法および装置
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  • 特許-ブロックチェーンベースのリソース価値評価方法および装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】ブロックチェーンベースのリソース価値評価方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220419BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220419BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/02 394
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020529457
(86)(22)【出願日】2019-05-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 US2019032677
(87)【国際公開番号】W WO2019222507
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2020-07-20
(31)【優先権主張番号】201810476443.6
(32)【優先日】2018-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520015461
【氏名又は名称】アドバンスド ニュー テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】シンイン・ヤン
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/090329(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0287090(US,A1)
【文献】国際公開第2015/145979(WO,A1)
【文献】特開2005-149327(JP,A)
【文献】特開2018-45300(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0287068(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソース価値を評価するための方法であって、
ブロックチェーンネットワークのブロックチェーンノードによって、前記ブロックチェーンネットワーク上で公開された情報データを取得するステップであり、前記情報データは、センサーを備えた複数のデバイスノードによって前記ブロックチェーンネットワーク上で公開され、前記情報データは、リソース価値に関連するパラメータを含み、前記ブロックチェーンネットワークは、前記センサーを備えた前記複数のデバイスノードを含み、前記センサーは、前記リソース価値に関連する前記パラメータを知覚または収集するように構成されている、ステップと、
前記ブロックチェーンノードによって、前記情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているかどうかを判定するステップと、
前記ブロックチェーンノードによって、前記情報データ内のパラメータ値に基づき、リソース価値評価ロジックを使用して、現時点の前記リソース価値を計算するステップであって、前記現時点の前記リソース価値の計算が、前記情報データ内の前記パラメータ値が前記所定のしきい値または前記しきい値範囲を超えているとの判定に応答してトリガされる、ステップと
前記ブロックチェーンノードによって、以前に計算されたリソース価値と前記現時点のリソース価値の差に応答して、前記現時点のリソース価値に基づき処理サービスを実行するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記情報データ内の前記パラメータ値が前記所定のしきい値または前記しきい値範囲を超えているかどうかを判定するステップは、
前記ブロックチェーンネットワーク上で公開されたリソース価値評価スマートコントラクトを呼び出すステップと、
前記スマートコントラクトで宣言される実行プログラムであって、前記情報データ内の前記パラメータ値が前記所定のしきい値または前記しきい値範囲を超えているかどうかを判定するために使用される実行プログラムを実行するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定のリソース価値評価ロジックを使用して前記リソース価値を計算するステップは、
前記情報データ内の前記パラメータ値が前記所定のしきい値または前記しきい値範囲を超えているとの判定に応答して、前記リソース価値を取得するために、前記リソース価値評価ロジックを使用して前記リソース価値を計算するステップ
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
記処理サービスを実行するステップは、
前記ブロックチェーンネットワーク上で公開された前記リソース価値の変化に応答して、処理中のスマートコントラクトを呼び出すステップと、
前記スマートコントラクトで宣言された前記リソース価値の変化に応答して、処理プログラムを実行するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
センサーを備えた前記複数のデバイスノードは、モノのインターネットセンサーノードを含み、前記情報データは、前記モノのインターネットセンサーノードによって、前記モノのインターネットを介して前記ブロックチェーンネットワークに送られる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記リソース価値評価ロジックは、前記リソース価値に関連する前記パラメータに基づいて前記リソース価値に対して機械学習トレーニングを実行することによって取得されるリソース価値評価モデルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記機械学習トレーニングは、決定ツリー方法を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
記処理サービスを実行するステップは、
リソースに基づいて生成された融資額を再評価するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
記処理サービスを実行するステップは、
リソースに基づいて開始された融資ローンに対してリスク管理処理を実行するステップであって、前記リスク管理処理は、未発行ローンの引き締めまたは緩和を含む、ステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ブロックチェーンネットワークは、コンソーシアムブロックチェーンネットワークである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記センサーの各々は、構成エンティティの各々の前記リソース価値に関連するリソースの各構成エンティティのパラメータを知覚または収集するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記リソース価値は、リソースの複数の構成エンティティのリソース価値の合計以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記センサーは、前記複数の構成エンティティの前記リソース価値に関連するリソースの前記複数の構成エンティティの各々の前記パラメータを知覚または収集するように構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された複数のモジュールを備える、リソース価値を評価するための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年5月17日に出願された中国特許出願第201810476443.6号の優先権を主張する。
【0002】
本明細書は、ネットワーク通信技術の分野に関し、特に、ブロックチェーンベースのリソース価値評価方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
動産融資(movable property financing)は、企業によって自己所有され、もしくは第三者によって法的に所有される動産もしくは商品権(goods rights)を抵当に入れる/担保に入れる信用サービス、または銀行が企業の動産もしくは商品権を監督する信用サービスである。動産の価値に関連する物理的要因(たとえば、環境の温度および湿度、ならびに製品の性能に関連する時間の延長)は、動産が抵当に入れられている/担保に入れられている、または監督されているときに変化し、それに応じて動産の価値も変化する可能性がある。価値の変化に基づいて融資ポリシーを対応して調整するために、抵当に入れられている/担保に入れられている、または監督されている動産または商品権の価値評価方法は存在しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述の問題を解決するために、本明細書は、ブロックチェーンベースのリソース価値評価方法を提供し、ブロックチェーンネットワークは、センサーを備えた複数のデバイスノードを含み、センサーは、リソース価値に関連するパラメータを知覚または収集するように構成され、本方法は、ブロックチェーンネットワーク上で公開された情報データを取得するステップであって、情報データは、センサーを備えた複数のデバイスノードによってブロックチェーンネットワーク上で公開され、情報データは、リソース価値に関連するパラメータを含む、ステップと、情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているかどうかを判定するステップと、情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているとの判定に応答して、所定のリソース価値評価ロジックを使用してリソース価値を計算するステップとを含む。
【0005】
好ましくは、本明細書で提供される方法は、計算されたリソース価値に基づいてリソース価値の変化に応答して処理サービスを実行するステップをさらに含む。
【0006】
好ましくは、情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているかどうかを判定するステップ、および情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているとの判定に応答して、所定のリソース価値評価ロジックを使用してリソース価値を計算するステップは、ブロックチェーンネットワーク上で公開されたリソース価値評価スマートコントラクトを呼び出すステップと、スマートコントラクトで宣言され、情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているかどうかを判定するために使用される実行プログラムを実行するステップと、情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているとの判定に応答して、リソース価値を取得するために、リソース価値評価ロジックを使用してリソース価値を計算するステップとを含む。
【0007】
好ましくは、リソース価値の変化に応答して処理サービスを実行するステップは、ブロックチェーンネットワーク上で公開されたリソース価値の変化に応答して処理中のスマートコントラクトを呼び出すステップと、スマートコントラクトで宣言されたリソース価値の変化に応答して処理プログラムを実行するステップとを含む。
【0008】
好ましくは、センサーを備えたデバイスノードは、モノのインターネットセンサーノードを含み、情報データは、複数のモノのインターネット(IoT)センサーノードによって、モノのインターネットを介してブロックチェーンネットワークに送られる。
【0009】
好ましくは、リソース価値評価ロジックは、リソース価値に関連するパラメータに基づいてリソース価値に対して機械学習トレーニングを実行することによって取得されるリソース価値評価モデルを含む。
【0010】
好ましくは、リソース価値に対して機械学習トレーニングを実行するための機械学習トレーニング方法は、決定ツリー方法を含む。
【0011】
好ましくは、リソース価値の変化に応答して処理サービスを実行するステップは、リソースに基づいて生成された融資額を再評価するステップを含む。
【0012】
好ましくは、リソース価値の変化に応答して処理サービスを実行するステップは、リソースに基づいて開始された融資ローンにおいてリスク管理処理を実行するステップであって、リスク管理処理は、未発行ローンの引き締めまたは緩和を含む、ステップを含む。
【0013】
好ましくは、ブロックチェーンネットワークは、コンソーシアムブロックチェーンネットワークである。
【0014】
好ましくは、センサーが、リソース価値に関連するパラメータを知覚または収集するように構成されていることは、センサーの各々が、構成エンティティの値に関連するリソースの各構成エンティティのパラメータを知覚または収集するように構成されており、計算されたリソース価値は、リソースのすべての構成エンティティの値の合計以上であることを含む。
【0015】
好ましくは、センサーが、リソース価値に関連するパラメータを知覚または収集するように構成されていることは、センサーが、複数の構成エンティティのリソース価値に関連する、リソースの複数の構成エンティティのパラメータを知覚または収集するように構成されていることを含む。
【0016】
対応して、本発明は、ブロックチェーンベースのリソース価値評価装置をさらに提供し、ブロックチェーンネットワークは、センサーを備えた複数のデバイスノードを含み、センサーは、リソース価値に関連するパラメータを知覚または収集するように構成され、本装置は、ブロックチェーンネットワーク上で公開された情報データを取得するように構成された取得ユニットであって、情報データは、センサーを備えた複数のデバイスノードによってブロックチェーンネットワーク上で公開され、情報データは、リソース価値に関連するパラメータを含む、取得ユニットと、情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているかどうかを判定するように構成された判定ユニットと、所定のリソース価値評価ロジックを使用してリソース価値を計算するように構成された計算ユニットとを含む。
【0017】
好ましくは、本装置は、計算されたリソース価値に基づいてリソース価値の変化に応答して処理サービスを実行するように構成されたサービス処理ユニットをさらに含む。
【0018】
本明細書は、メモリとプロセッサとを含むコンピュータデバイスをさらに提供し、メモリは、プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムを記憶し、コンピュータプログラムを実行すると、プロセッサは、記載されたリソース価値評価方法のステップを実行する。
【0019】
本明細書は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、記載されたリソース価値評価方法のステップが実行される。
【0020】
前述の技術的解決策からわかるように、ブロックチェーンベースのリソース価値評価方法および装置によれば、感知デバイスによって収集された情報データを使用して、動的な関連付けによってリソース価値を評価し、感知デバイスは、感知によって収集されたデータをブロックチェーンネットワークに送る。ブロックチェーンネットワークの改ざん防止機構によって、データの真正性および妥当性が保証され、それによって、動的なリソース価値評価のための信頼性の高いデータ保証が提供される。加えて、本明細書では、IoT感知デバイスによって収集されたデータを使用して、ブロックチェーンネットワーク上に展開されたリソース価値評価スマートコントラクトを動的にトリガし、呼び出して、動産の価値評価を自律的に完了させることができ、したがって、評価は、人の介入がより少なく、権限が分散されていることによって特徴づけられ、それによって、評価の公平性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本明細書の一実装形態による、ブロックチェーンベースのリソース価値評価方法を示すフローチャートである。
図2】本明細書の一実装形態による、決定ツリー方法を使用して牛乳リソース価値評価モデルをトレーニングするプロセスを示す概略図である。
図3】本明細書の一実装形態による、ブロックチェーンベースのリソース価値評価方法を示す概略図である。
図4】本明細書の一実装形態による、ブロックチェーンベースのリソース価値評価装置を示す概略図である。
図5】本明細書で提供されるリソース価値評価装置の実装形態を実行するために使用されるハードウェア構造を示す図である。
図6】本開示の一実装形態による、リソース価値を動的に評価するためのコンピュータ実装方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
通常、市場のみで変動する住宅などの不動産の価値とは異なり、動産の価値は、通常、温度、湿度、時間などの環境要因の影響を受ける。たとえば、物品担保ローンサービスでは、食品の担保期間が長くなることによって、有効期限により価値の損失が大きくなり、電子製品は、保管環境の温度および湿度に非常に敏感であるので、急激な温度および湿度の変化により、電子製品の価値が大きく損なわれる。現在、市場における動産に基づく融資ローンの場合、融資サービスの初期段階では、市場の価格設定ポリシーに基づいて、動産に対して固定的または静的な価値のクレジットが付与されている。動産融資プロセス全体において、動産の価値の変化に基づいて、融資ポリシーを時間的に調整することはできない。たとえば、ローン発行中に動産にクレジットを付与するときに動産が有するものに比べて動産の価値が大幅に低下したとき、銀行などのローン会社が顧客の当初のローン申込額に基づいてローンを発行することは、非常にリスクが高い。
【0023】
本明細書は、動産の価値を時間的に動的に評価し、価値の変化に応答して対応する機関が対応する処理を行うのを助けるためのリソース価値評価方法および装置を提供することを目的とする。本明細書で提供されるリソース価値評価方法および装置は、ブロックチェーンネットワークに基づいて確立される。センサーを備えたデバイスが動産の価値に関連するパラメータを知覚し、センサーを備えたデバイスによって知覚されたパラメータデータがブロックチェーンネットワークに送信され、したがって、感知デバイスおよびブロックチェーンネットワークを使用して動産の価値を効果的に評価し、時間的に判定することができる。本明細書で提供されるリソース価値評価方法は、銀行などのローン会社のサービス端末デバイス、金融ローン規制機関の端末デバイス、または価値評価におけるリソース価値の変化に応答してリソース価値評価またはサービス処理を行う必要がある別の機関の端末デバイスによって実行することができる。
【0024】
本明細書で提供される実装形態は、携帯電話、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートブックコンピュータ、もしくはサーバなどのコンピューティングおよびストレージ機能を有する任意のデバイス上で実行することができ、または本明細書の実装形態における各機能は、1つもしくは複数のデバイス上で実行される論理ノードを使用して実装することができる。
【0025】
図1は、本明細書の一実装形態による、ブロックチェーンベースのリソース価値評価方法を示すフローチャートである。ブロックチェーンネットワークは、センサーを備えた複数のデバイスノードを含み、センサーは、リソース価値に関連するパラメータを知覚または収集するように構成されている。方法は、以下のステップを含む。
【0026】
ステップ102:ブロックチェーンネットワーク上で公開された情報データを取得し、情報データは、センサーを備えた複数のデバイスノードによってブロックチェーンネットワーク上で公開され、情報データは、リソース価値に関連するパラメータを含む。
【0027】
ステップ104:情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているかどうかを判定する。
【0028】
情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているとの判定に応答して、以下のステップが行われる。
【0029】
ステップ106:所定のリソース価値評価ロジックを使用してリソース価値を計算する。
【0030】
本明細書の実装形態における「リソース」、「動産」、または「商品」とは、通常、動産または商品権の融資プロセスにおける抵当に入れられた/担保に入れられた対象物または監督される対象物を示す。「動産」とは、通常、収益化が容易で、生産分野または流通分野において比較的安定した価格である一般的な商品である。「商品権」とは、倉庫の受取証や船荷証券などの権利証の形式で記載された動産の所有権である。動産または商品権の融資の信用サービスの種類には、短期循環資金ローン、銀行引受手形、商業引受手形保証、国際貿易金融などがあり得、これは、本明細書では限定されない。
【0031】
動産の価格または価値は比較的安定しているが、実際の動産または商品権の融資プロセスにおける保管または監督環境の影響により、動産の価値が変化する多くの例がある。本明細書の実装形態における「センサーを備えたデバイス」(感知デバイスと呼ぶこともできる)は、センサーを備え、情報を送信または送ることができるデバイスである。センサーは、動産の価値に関連するパラメータを知覚または収集するように構成することができ、パラメータは、通常、動産の重量、保管環境の温度および湿度、動産の導電率(動産が電子部品であるとき)、保管時間などを含むことができる。食品や電子製品に関わらず、保管時間は、動産の価値に影響を与える重要な要素である。本明細書において、センサーによって知覚または送信され、リソース価値に関連するパラメータは、物理パラメータに限定されない。経済パラメータ、産地パラメータ、健康指数など、リソース価値に関連する他のパラメータは、センサーによって知ることができる。たとえば、商品の単価(通常、市場要因によって影響を受ける)は、商品取引の一次市場または二次市場への通信接続を有するセンサーによって知ることができる。商品の価値に影響を与える商品の産地は、センサーによって産地証明書上のデジタルIDを読み取ることによって知ることができる。商品の健康指数は、センサーに送信された商品に関連する健康状態を使用して知ることができる。センサーによって知覚または収集された情報を収集した後、センサーを備えたデバイスは、デバイスのネットワークとの通信接続を有するブロックチェーンネットワークに情報データを送る。
【0032】
本明細書の実装形態に記載の「ブロックチェーンネットワーク」は、コンセンサス機構を使用してノードによって取得され、分散型データ記憶構造を有するP2Pネットワークシステムとすることができる。ブロックチェーンネットワーク内のデータは、時間的に互いに接続された「ブロック(block)」上に分散される。後者のブロックは、前のブロックのデータダイジェストを含む。加えて、異なる特定のコンセンサス機構(たとえば、POW、POS、DPOS、およびPBFT)に基づいて、ノードのすべてまたは一部のデータの完全なバックアップが達成される。当業者は、ブロックチェーンネットワークシステムが対応するコンセンサス機構で動作するので、ブロックチェーンネットワークのデータベースに収集されたデータをどのノードでも改ざんすることが困難であることをよく知っている。たとえば、POWコンセンサスを使用するブロックチェーンネットワークの場合、既存のデータを改ざんするために、ネットワーク全体の少なくとも51%の計算能力(たとえば、ハッシュレート)を有する攻撃が必要となる可能性がある。したがって、ブロックチェーンネットワークシステムは、別の集中型データベースシステムと比較できないデータセキュリティの保証、攻撃防止、および改ざん防止によって特徴づけられる。本明細書で提供される実装形態では、ブロックチェーンネットワークのノードとして機能させるために、ブロックチェーンネットワークを実行するためのノードサービスプロトコルに準拠することによって、センサーを備えた複数のデバイスのすべてをブロックチェーンネットワークに追加することができることがわかる。センサーを備えたデバイスによってブロックチェーンネットワークに提供され、動産の価値に密接に関連する情報データは、ブロックチェーンネットワーク内の任意の他のノードによって攻撃または改ざんされず、それによって、動産の価値を計算する真正性を確実に保証する。
【0033】
本明細書で提供される実装形態では、通常、動産の価値の変化傾向の経験または数学的モデリングに基づいて、動産の価値にリソース価値評価ロジックが設定され、動産の価値に関連する各パラメータにしきい値またはしきい値範囲が設定される。情報データ内の各パラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えると知覚されるとき、リソース価値は、所定のリソース価値評価ロジックに基づいて計算される。価値は、動産融資における初期の融資価格と比較され、またはそれを記録して、動産の価値の変化をさらに監視または評価するために使用することができる。
【0034】
本明細書に示す一実装形態では、チェーン上のデータの肯定応答時間を短縮し、トランザクションのスループットを向上させ、セキュリティおよび性能のニーズを満たすために、通常、ブロックチェーンネットワークを構築するために、コンソーシアムチェーンアーキテクチャを選択することができる。たとえば、大規模な商業銀行、クレジット会社、中国銀行監督管理委員会のような金融ローン規制機関など、信用のより高い機関は、ブロック台帳に参加するために、コンソーシアムチェーンのメンバーノードとして働くことができる。コンソーシアムチェーンのコンセンサスプロセスも、メンバーノードによって制御される。ネットワーク上の指定された比率(たとえば2/3)を超えるノードが1つのブロックを確認すると、そのブロックに記録されたトランザクションやデータがネットワークにわたって確認される。コンソーシアムチェーンは、アプリケーションシナリオに基づいて公開性を判定し、公開機関にコンソーシアムチェーンへのアクセスを付与することができる。たとえば、本実装形態では、大規模商業銀行、クレジット会社、または中国銀行監督管理委員会などの金融ローン規制機関が、ブロック台帳に参加するメンバーノードとして機能することができ、センサーを備えた各デバイスは、コンソーシアムチェーンにアクセスすることができる共通ノードとすることができる。より高いトランザクションスループットなどの以前の技術的な利点に加えて、コンソーシアムチェーンアーキテクチャを使用してブロックチェーンネットワークを構築することで、同じコンソーシアムチェーン内のメンバーおよび共通ノードのための動産融資における統一的な価値評価方法および基準をさらに構築することができる。
【0035】
以下では、具体的な例を使用して、前の実装形態で説明したリソース価値評価ロジックについて説明する。たとえば、牛乳の価値を動産融資に使用するとき、牛乳の初期値は、通常、まず、市場における牛乳の価格動向に基づいて判定される。牛乳の価値評価ロジックは、牛乳の価値分析曲線または数学モデルに基づいて、次のように結論づけられる。牛乳の価値は、保証期間の30%後に直線的に減少し始め、有効期限後に5%に減少し、基本設定温度を超えると、時間とともに直線的に減少し、最終的には5%まで減少し、産地の牛の健康状態が悪い場合、牛乳の価値はそのままゼロになる。対応して、牛乳の価値評価ロジックは、以下のように表すことができる。

if (provenance status<healthy_threshold)
{*price=0; return;}
else if (exp_date-date<30%*guarantee_period)
{*price*=((exp_date-date)/(30%*guarantee_period))*(1-95%)}
else if ((temperature>temp_upbound||temperature<temp_lowbound) && days<day_threshold1)
{*price*=days*(1-95%)/day_threshold1}
else if ((humidity>humidity_threshold && days<day_threshold2))
{*price*=days*(1-95%)/day_threshold2}
【0036】
牛乳の価値評価ロジックから、牛乳の価値に関連するパラメータは、産地、日付、温度、湿度などを含むことができることがわかる。パラメータの影響下で牛乳の価値が変化するというルールに基づいて、たとえば、説明した価値評価ロジックにおいて、healthy_threshold、30%*guarantee_period、[temp_lowbound,temp_upbound]、day_threshold1、day_threshold2、humidity_thresholdなど、各パラメータに対してしきい値またはしきい値範囲がさらに設定される。情報データ内のあるパラメータ値が、記載されたしきい値またはしきい値範囲を超えている(それよりも大きいまたは小さい)と知覚された場合、牛乳の現在の価値は、リソース価値評価ロジックを使用して計算される。動産をリアルタイムで監視し、評価する、または次の段階で動産価値評価の初期値として機能するように、牛乳の計算された現在価値を記録することができる。あるいは、牛乳の計算された現在価値が、動産融資の初期段階での牛乳の初期値よりも大きいか小さいかの程度に基づいて、たとえば、発行されたローンの割当てがそれに応じて緩和されるか引き締められる、または発行されたローンに対するリスク管理がさらに緩和されるか引き締められる。
【0037】
したがって、本明細書に示される別の実装形態では、記載された動産の価値評価方法は、計算されたリソース価値に基づくリソース価値の変化に応答して処理サービスを実行することをさらに含む。言い換えれば、計算されたリソース価値と、動産融資の初期段階で推定されたリソース価値との差分に基づいて、リソース価値の変化に応答した処理サービスが実行される。たとえば、動産に基づいて生成された融資額が再評価され、または動産に基づいて開始された融資ローンサービスにおいてさらなるリスク管理処理が行われ、リスク管理処理は、未発行のローンの引き締めまたは緩和を含むことができる。
【0038】
本明細書で提供される以前の実装形態では、センサーを備えたデバイスは、ブロックチェーンネットワークの改ざん防止機構を使用してパラメータデータの真正性および妥当性を保証するために、リソース価値に関連し、センサーによって知覚または収集されたパラメータをブロックチェーンネットワークに送り、それによって、動的なリソース価値評価のための信頼性の高い保証が提供される。ブロックチェーンネットワーク内のノードとして、動的リソース価値評価機関は、ブロックチェーンネットワークから取得されたパラメータに基づいてリソース価値を動的に評価し、リソース価値の変化に応答して処理サービスを実行し、融資ポリシーを時間的に調整することができ、それによって、リスクの高い融資操作を回避することができ、特に、動産が抵当に入れるプロセスや保管プロセスで明らかに破損したときに生じるローン機関へのリスクを回避することができる。
【0039】
さらに、本明細書に示す一実装形態では、情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているかどうかを判定すること、および情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているとの判定に応答して、所定のリソース価値評価ロジックを使用してリソース価値を計算することは、ブロックチェーンネットワーク上で公開されたリソース価値評価スマートコントラクトを呼び出すことによって実行することができる。リソース価値評価スマートコントラクトは、ブロックチェーンネットワーク上で公開され、情報データを含む命令を使用して呼び出される。スマートコントラクトは、情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値を超えているかどうかの判定を宣言し、情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値を超えているとの判定に応答して、現在のリソース価値を取得するために、リソース価値評価ロジックを使用してリソース価値を計算する。銀行やローン会社などのリソース価値評価パーティが、ブロックチェーンネットワークにおいて情報データを使用してオフラインでリソース価値を計算し、ブロックチェーンネットワークにおいてスマートコントラクトを呼び出して記載したプロセスを実行する方法と比較して、スマートコントラクトは、対応する命令の要求に応じていつでも呼び出すことができ、それによって、業務効率を大幅に向上させることができる。加えて、スマートコントラクトの実行は、人の介入が少なく、権限が分散されていることによって特徴づけられる。スマートコントラクトの動作結果は、ブロックチェーンネットワークのコンセンサスを実行し、達成した後に公開することができ、それによって、動産の評価の公平性および透明性を高めることができる。以前のスマートコントラクトの展開パーティは、銀行やローン会社などの動産価値の変化を評価する必要がある機関、独自のニーズに基づいて展開されるリソース価値評価プログラム、業界で認められているコンソーシアムブロックチェーンネットワーク内の動産価値評価機関、ほとんどのローン会社のニーズに基づいて展開されるリソース価値評価プログラムなどとすることができる。
【0040】
本明細書で提供されるリソース価値評価方法では、動産の価値変化に基づいて、情報データ中の各パラメータにあらかじめ決定されたしきい値またはしきい値範囲を対応して調整することができ、スマートコントラクトを使用して、記載されたパラメータのしきい値またはしきい値範囲の調整を容易にし、以前の調整を公正かつ透明性のあるものとすることができる点に留意する価値がある。
【0041】
さらに、本明細書に示すさらに別の実装形態では、記載したリソース価値評価スマートコントラクトが実行され、動産の現在価値が取得された後、ブロックチェーンネットワークにおいて動作するリソース価値変更処理スマートコントラクトをさらに呼び出すことができ、スマートコントラクトは、リソース価値の変化に応答して、動産の融資額の再評価、未発行ローンの引き締めまたは緩和などを含む処理サービスを実行する。本実装形態は、特に、コンソーシアムブロックチェーンネットワークにおける各銀行またはローン会社のノードが、コンソーシアムにおける統一されたローン処理ルール、または動産の価値が変化した後に統一されたサービス処理ルールに従うシナリオに適用可能である。記載したリソース価値評価スマートコントラクトおよびリソース価値変更処理スマートコントラクトは、ブロックチェーンネットワークの同じアドレスで展開された同じスマートコントラクトの2つの関連プログラム、または同じブロックチェーンネットワークの2つの異なるアドレスにおいて展開された2つのスマートコントラクト、または通信接続を有する2つの異なるブロックチェーンネットワークにそれぞれ展開された2つのスマートコントラクトとすることができ、これは、本明細書では限定されない。
【0042】
本明細書のさらに別の実装形態では、センサーを備えたデバイスは、モノのインターネットセンサー、すなわち、インテリジェントな識別、位置決め、追跡、監視、および管理など複数の機能の情報知覚または収集を実装するために、モノのインターネットを介して情報を交換したり、通信を実行したりする感知デバイスである。ユーザの操作指示に基づいて、センサーによって収集または取得された情報データをブロックチェーンネットワークに送るセンサーを備えた一般的なデバイスと比較して、IoTセンサーは、ユーザによって設定されたデータ送信ルールまたは送信頻度に基づいて、センサーによって収集または取得された情報データをブロックチェーンネットワークに自律的に送ることができる。したがって、IoTセンサーが情報データを知覚し、収集し、情報データをブロックチェーンネットワークに送信するとき、IoT感知およびブロックチェーンネットワーク技術の利点が組み合わされる。情報の知覚、収集、送信、保存の全プロセスにおいて、情報データにおける手動操作が軽減され、それによって、情報伝達効率が向上し、送信される情報データの客観性および信頼性が向上する。加えて、記載された情報データは、ブロックチェーンネットワークにおいて収集された後、改ざんまたは模倣することができず、したがって、データ情報の信頼性が保証される。センサーを備えた一般的なデバイスと比較して、IoTセンサーは、消費電力がはるかに低く、エネルギー消費が低減される一方で、本実装形態の環境適合性も改善される。
【0043】
モノのインターネットを構築するための異なる電磁信号周波数に基づいて、記載されたモノのインターネットは、NB-IoT、WiFi、GPRS、Bluetooth、LORAなどの信号に基づいて構築されたモノのインターネットを含み、これは、本明細書では限定されない。
【0044】
牛乳において動産評価を実行する記載した実装形態では、たとえば、重量、温度、湿度、保管期間など牛乳のパラメータを監視する重量センサー、赤外線温度センサー、湿度センサー、またはタイマーなどのIoTセンサーは、最初に、ブロックチェーンネットワーク内のノードとして登録するために、牛乳が存在するエリアに構成されたモノのインターネットを介してブロックチェーンネットワークにアクセスする。記載されたIoTセンサーは、センサーのプログラムによってあらかじめ決定された周波数に基づいて、または人の介入を必要とせずに、別のあらかじめ決定された条件に基づいて、情報データを監視し、収集し、ブロックチェーンネットワークに送り、それによって、人間のコストを低減し、情報データを手動で操作したり変更したりすることによるデータの歪みを防止する。加えて、IoTセンサーによって知覚または収集された情報は、さらに、暗号化され、ブロックチェーンネットワークに送られ、特定のニーズに基づいて記憶される必要があり、それによって、データ情報のセキュリティが向上する。加えて、記載されたIoTセンサーは、携帯電話または知覚されたデータに電子署名を行い、電子署名および情報データをブロックチェーンネットワークに送ることができ、悪意のあるIoTセンサーノードが通常のIoTセンサーを模倣して悪意のある情報を送ることを防止することができる。さらに、記載されたIoTセンサーによるブロックチェーンネットワークへの情報データの送信は、ブロックチェーンネットワーク上でリソース評価スマートコントラクトを呼び出すように、情報データを含む命令をブロックチェーンネットワークに送り、スマートコントラクトを使用して、情報データ内の重量、温度、湿度、および保存期間などのパラメータが所定のしきい値またはしきい値の範囲を超えているかどうかを判定し、牛乳の現在の価値を取得するために、リソース価値評価ロジックを自律的に実行することとすることができる。加えて、スマートコントラクトの燃料運転機構は、ウイルスに感染したIoTセンサーがDDoS攻撃を受けることを防止し、それによって、システム全体のセキュリティを向上させるのにより役立つ。モノのインターネットとブロックチェーンネットワーク技術との組合せに基づいて、監視、送信、判定、評価などの全プロセスを含む記載された動産価値評価方法は、ブロックチェーンネットワークを使用することによって、IoTセンサーノードによって自律的に完了することができ、したがって、人件費の削減、安全で信頼できる情報データ、悪意のある改ざん防止、透明性および公平性のある価値判定および評価プロセスなどのメリットを得ることができる。
【0045】
本明細書に記載されているリソース価値評価ロジックは、過去の価格データ/市場価値変動などのデータに基づいて、過去の価格設定経験または数学的モデリングプロセスを使用して取得することができる。別の示された実装形態では、以前のリソース価値評価ロジックは、リソース価値に関連するパラメータに基づいてリソース価値に対して機械学習トレーニングを実行することによって取得される。たとえば、動産価値の履歴データ、業界の価格設定基準、または動産価値に関連する他の既知のデータに基づいてトレーニングセットが形成され、リソース価値に関連するパラメータ(限定はしないが、商品の性質、時間、および環境(たとえば、温度、湿度、騒音など)を含む)において機械学習トレーニングが実行され、評価ロジックまたは評価モデルが生成される。機械学習トレーニング方法には、決定ツリー方法、ニューラルネットワーク法などがある。決定ツリー生成アルゴリズムは、ID3、C4.5、C5.0などを含むことができる。決定ツリーは、ツリー構造である。各内部ノードは、1つの属性の判定を表し、各分岐は1つの判定結果の出力を表し、各リーフノードは1つの分類結果を表す。たとえば、本明細書で議論される牛乳価格評価ロジックは、決定ツリー方法を使用してトレーニングすることができる。牛乳価値ロジックまたはモデルのトレーニングについては、図2を参照されたい。詳細な作成プロセスは、ここでは説明しない。当業者であれば、機械学習などの人工知能方法を使用してリソース価値評価モデルが構築されるとき、大量のパラメータにおいて入出力トレーニングを行うことによって、より正確で合理的なリソース価値評価ロジックを取得することができることを知ることができる。
【0046】
加えて、リソース価値評価モデルは、パラメータ設定方法と密接に関連しており、記載されたパラメータ設定方法は、パラメータを取得する方法(すなわち、IoTセンサーを構成する方法)とさらに密接に関連していることに留意することは価値がある。センサーの数量を低減し、ブロックチェーンネットワーク上のデータ占有空間をさらに節約するために、価値評価のために一緒に集約することができる動産は、全体的な評価を通じて評価することができる。たとえば、同じ製造バッチまたは製造日を有する1つの容器内の複数のボックスの牛乳については、容器内のすべての牛乳の価値を、容器全体の重量、温度、湿度、保管時間などのパラメータを収集することによって計算することができ、牛乳のボックスごとに対応する重量、温度、湿度、保管時間のセンサーを設置する必要がない。たとえば、コレクションのセット(たとえば、骨董品、美術品、切手など)のように、強化機能の集約伴ういくつかの動産では各構成要素の値を1つずつ加算することによって得られる合計価格が、集約され構成要素の評価値の合計よりもはるかに低いので、そのような動産の評価において、構成要素ごとにセンサーを構成して、たとえば場所や所有者など、各構成要素の対応するパラメータを監視する必要があり、以前の情報データは、ブロックチェーンネットワークに収集される。しかしながら、いくつかの複雑な動産の形態では、動産が複数の集約機能を含む場合、様々な集計機能のリソースの価値を別々に計算し、次いで、全体で加算して、ローンの割当てのためのデータ参照を提供することができる。
【0047】
図3は、本明細書の一実装形態による、ブロックチェーンベースのリソース価値評価および処理方法を示す概略図である。本実装形態では、複数のパラメータを使用して動産の価値に対して機械学習トレーニングを実行して、動産の価値評価モデルを取得する。動産の価値評価モデルは、スマートコントラクトプログラムに書き込まれ、ブロックチェーンネットワーク上にコンパイルされ、展開される。加えて、デバイスステータスの設定または更新により、複数のIoT感知デバイス(IoT端末)は、ブロックチェーンネットワークのノード登録プログラムを実行し、対応するアカウントまたはアドレスを取得して、ブロックチェーンネットワークに登録することができる。スマートコントラクトの展開と、チェーン上の複数のIoT感知デバイスへの登録との間には、時間的な順序の制限はない。次いで、複数のIoT感知デバイスは、所定の周波数を使用して作業環境から情報データを知覚し、収集し、情報をスマートコントラクト呼び出し命令の形でブロックチェーンネットワークに公開する。当業者であれば、記載した命令は、ブロックチェーンネットワークによる検証(IoTセンサーの電子署名に基づく検証を含む)後にスマートコントラクトの実行をトリガするために使用され、実行プロセスは、情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているかどうかを判定することと、情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているとの判定に応答して、スマートコントラクトにおいて展開された動産の価値評価モデルまたは別の論理形態に基づいて、動産の現在価値を計算することとを含むことを理解されたい。スマートコントラクトは、ブロックチェーンネットワークの特定のコンセンサス機構に基づいて複数のノードにおいて呼び出され、実行することができ、対応する実行結果も複数のノードを使用して検証され、合意される。銀行、ローン会社、専門の動産価値評価会社などのサービス実行者は、価値変更内容を受信した後、動産の価値変更度および所定のポリシーに基づいて、対応する価値変更サービス処理を実行する。随意に、動産価値の変化に応答して処理ロジックをスマートコントラクトにおいてさらに展開することができ、動産価値の変化に応答して実行されるサービス処理をスマートコントラクトによって引き続き実行することができる。加えて、ローン会社や銀行などの異なる機関が、リソース価値の変化について異なる処理ロジックを有するとき、動産価値の変化に応答して実行されるサービス処理は、ブロックチェーンネットワーク上に展開された別のスマートコントラクトによって実行することができ、または、ブロックチェーンネットワークへの通信接続を有する別のブロックチェーンネットワーク上に展開されたスマートコントラクトによって実行することができ、これは、本明細書では限定されない。
【0048】
前述の実装形態では、たとえば、リソース価値評価モデルトレーニング、チェーンでのリソース価値評価スマートコントラクトの展開、チェーンへのIoTセンサーの登録、IoTセンサーによって、リソース価値評価ロジックを実行するためにスマートコントラクトをトリガすること、ローン機関によって、リソース価値の変化に応答してサービス処理を実行することなど、複数の技術的解決策が組み合わされる。人工知能トレーニング、IoT感知デバイス、ブロックチェーンネットワーク、およびスマートコントラクトの技術の利点を参照すると、動産価値を監視し、処理することができ、または、価値の変化に応答したサービス処理をいつでも実行することができ、それによって、人件費が大幅に削減され、人為的な主観的要因(たとえば、人間が感知情報のデータパラメータを修正または改ざんしたり、主観的に人為的に不合理な価値評価ロジックを設定したりすること)によってリソース価値評価プロセスが影響を受ける度合いが大幅に低減される。したがって、動産価値評価および処理のために、公正で透明性があり、合理的であり、低コストの運用方法が提供される。
【0049】
以前の手順の実装形態に対応して、本明細書の一実装形態は、ブロックチェーンベースのリソース価値評価および処理装置をさらに提供する。この装置は、ソフトウェアを使用して実装することができ、または、ハードウェアを使用して実装することができ、またはハードウェアとソフトウェアの組合せを使用して実装することができる。ソフトウェアの実装が一例として使用される。論理装置として、ソフトウェアは、ソフトウェアが配置されたデバイスの中央処理装置(CPU)を使用して、対応するコンピュータプログラム命令を実行のためのメモリに読み出すことによって形成される。ハードウェアに関しては、図5に示すCPU、メモリ、および記憶デバイスに加えて、音楽オリジナリティ分析装置が配置されているデバイスは、通常、無線信号を送受信するためのチップなど他のハードウェア、および/またはネットワーク通信機能を実装するためのカードなど他のハードウェアをさらに含む。
【0050】
図4は、本明細書によるブロックチェーンベースのリソース価値評価および処理装置40を示す。ブロックチェーンネットワークは、センサーを備えた複数のデバイスノードを含み、センサーは、リソース価値に関連するパラメータを知覚または収集するように構成されている。装置40は、ブロックチェーンネットワーク上で公開された情報データを取得するように構成された取得ユニット402であり、情報データは、センサーを備えた複数のデバイスノードによってブロックチェーンネットワーク上で公開され、情報データは、リソース価値に関連するパラメータを含む、取得ユニット402と、情報データ内のパラメータ値が所定のしきい値またはしきい値範囲を超えているかどうかを判定するように構成された判定ユニット404と、所定のリソース価値評価ロジックを使用してリソース価値を計算するように構成された計算ユニット406とを含む。
【0051】
好ましくは、ブロックチェーンベースのリソース価値評価装置40は、計算されたリソース価値に基づいてリソース価値の変化に応答して処理サービスを実行するように構成されたサービス処理ユニット408をさらに含むことができる。
【0052】
記載された装置におけるユニットの機能および役割の特定の実装プロセスについては、記載された方法における対応するステップの実装プロセスを参照されたい。関連する部分については、方法の実装形態における説明を参照されたい。簡単のために、詳細はここでは省略する。
【0053】
記載した装置の実装形態は一例にすぎない。別々の部分として記載されているユニットは、物理的に別個であってもなくてもよく、ユニットとして表示されている部分は、物理モジュールであってもなくてもよく、1つの位置に配置されても複数のネットワークモジュールに分散されてもよい。本明細書の解決策の目的を達成するために、ユニットの一部または全部を、実際のニーズに基づいて選択することができる。当業者は、創造的な取り組みなしに本発明の実装形態を理解し実装することができる。
【0054】
記載された実装形態において記載された装置またはユニットは、コンピュータチップまたはエンティティによって実装することができ、あるいは機能を有する製品によって実装することができる。典型的な実装デバイスは、コンピュータである。コンピュータは、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯電話、カメラ付き携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、メディアプレーヤ、ナビゲーションデバイス、電子メールデバイス、ゲーム機、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス、またはこれらのデバイスうちの任意のものの組合せとすることができる。
【0055】
記載された方法の実装形態に対応して、本明細書の一実装形態は、コンピュータデバイスをさらに提供し、コンピュータデバイスは、メモリおよびプロセッサを含む。メモリは、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムを記憶する。記憶されたコンピュータプログラムを実行すると、プロセッサは、本明細書の本実装形態におけるブロックチェーンベースのリソース価値評価方法のステップを実行する。ブロックチェーンベースのリソース価値評価および処理実装方法のステップの詳細な説明については、以前の内容を参照されたい。繰り返しは不要である。
【0056】
記載された方法の実装形態に対応して、本明細書の一実装形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶する。コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、本明細書の本実装形態におけるブロックチェーンベースのリソース価値評価方法のステップが実行される。ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析を実装するための方法のステップの詳細な説明については、以前の内容を参照されたい。繰り返しは不要である。
【0057】
前の説明は、単に本明細書の例示的な実装形態にすぎず、本明細書を制限するためのものではない。本明細書の意図および原理から逸脱することなく行われる任意の変更、等価の置換、または改良は、本明細書の保護範囲内に含まれるものとする。
【0058】
典型的な構成では、コンピューティングデバイスは、1つまたは複数のプロセッサ(CPU)、1つまたは複数の入出力インターフェース、1つまたは複数のネットワークインターフェース、および1つまたは複数のメモリを含む。
【0059】
メモリは、たとえば読取り専用メモリ(ROM)またはフラッシュメモリ(フラッシュRAM)など、コンピュータ可読媒体に、揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および/または不揮発性メモリなどの形態を含むことができる。メモリは、コンピュータ可読媒体の一例である。
【0060】
コンピュータ可読媒体は、揮発性および不揮発性、取外し可能および取外し不能の媒体を含み、任意の方法または技術を使用することによって情報を記憶することができる。情報は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータとすることができる。
【0061】
コンピュータ記憶媒体は、限定はしないが、パラメータランダムアクセスメモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、別のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは別のメモリ技術、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)または別の光学ストレージ、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、別の磁気記憶デバイス、あるいは任意の他の非送信媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、コンピューティングデバイスによってアクセスできる情報を記憶するために使用することができる。本明細書の定義に基づいて、コンピュータ可読媒体は、一時的なコンピュータ可読媒体(一時的媒体)、たとえば、変調されたデータ信号およびキャリアを含まない。
【0062】
「含む(include)」、「含む(contain)」という用語、またはそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーするものとし、したがって、要素のリストを含むプロセス、方法、商品、またはデバイスは、それらの要素を含むだけでなく、明示的に挙げられていない他の要素をも含み、あるいはそのようなプロセス、方法、商品、またはデバイスに固有の要素をさらに含むことにさらに留意する価値がある。それ以上の制約がなければ、「~を含む」で始まる要素は、その要素を含むプロセス、方法、商品、またはデバイスにおける追加の同一要素の存在を排除しない。
【0063】
当業者であれば、本明細書の実装形態が、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供され得ることを理解するべきである。したがって、本明細書の実装形態は、ハードウェアのみの実装、ソフトウェアのみの実装、またはソフトウェアとハードウェアとの組合せを用いた実装の形を使用することができる。加えて、本明細書の実装形態は、コンピュータ使用可能プログラムコードを含む1つまたは複数のコンピュータ使用可能記憶媒体(限定はしないが、ディスクメモリ、CD-ROM、光メモリなどを含む)上に実装されるコンピュータプログラム製品の形態を使用することができる。
【0064】
上記の文脈では、図6は、本明細書の一実装形態による、自律的で透過的な方法でリソース価値を動的に評価するためのコンピュータ実装方法600の一例を示すフローチャートである。提示を明快にするために、以下の説明では、本明細書における他の図の文脈で方法600を一般的に説明する。しかしながら、方法600は、必要に応じて、たとえば、任意のシステム、環境、ソフトウェア、およびハードウェア、またはシステム、環境、ソフトウェア、およびハードウェアの組合せによって実行できることを理解される。いくつかの実装形態では、方法600の様々なステップは、並行して、組み合わせて、ループで、または任意の順序で実行することができる。
【0065】
602において、方法600は、リソース価値に関連する1つまたは複数のパラメータを符号化したデータにアクセスする。図1から図3に関連して上記で説明したように、パラメータの例には、環境温度や湿度などの物理的要因、製品性能に関連する時間の持続時間がある。1つまたは複数のパラメータは、モノのインターネット(IoT)を形成するセンサーによって監視される。いくつかの場合には、センサーのIoTは、環境をポーリングして1つまたは複数のパラメータを定期的に感知し、ローカル接続プロトコルを介して相互に通信するデバイスの自律的なリングを形成してもよい。いくつかの場合には、センサーのIoTは、たとえばノイズの複数の標準偏差など、パラメータが統計的に有意な変化を経験したとき、読取値を収集し、記録し、報告してもよい。次いで、情報は、ブロックチェーンネットワーク上のセンサーのIoTによって公開される。いくつかの実施形態は、センサーのIoTがブロックチェーンネットワークと相互作用するためのゲートウェイを提供する。ゲートウェイの一例は、コンセンサスノードが監視されているパラメータに関する最新の情報を維持するように、監視されている情報を定期的に報告するか、または(IoTを介してイベントによってトリガされたとき)ブロードキャストするために、センサーのIoTのための登録および認証サービスを提供する。602から、方法600は604に進む。
【0066】
604において、監視されている少なくとも1つのパラメータが、所定のしきい値または所定のしきい値範囲と比較される。図1から図3に関連して上記で説明したように、いくつかの実施形態は、牛乳ストック供給を追跡する特定の例では、産地ステータス、保管温度、現在の日付などの様々なパラメータを、しきい値またはしきい値範囲と比較してもよい。604から、方法600は606に進む。
【0067】
606において、比較されるパラメータが所定のしきい値または所定のしきい値範囲を超えているかどうかに関する判定が行われる。図1から図3に関連して上記で説明したように、監視されているパラメータが、記載されたしきい値よりも大きくなったもしくは小さくなったとき、または、監視されているパラメータが記載されたしきい値範囲外になったとき、情報データがしきい値を超える。608において、監視されているパラメータがしきい値またはしきい値範囲を超えていることに応答して、評価ロジックに従ってリソース価値を計算するための計算がトリガされる。判定によって、監視されているパラメータが所定のしきい値(または所定のしきい値範囲)を超えていないことが明らかになると、方法600は、606から602に進むことができる。図1から図3に関連して上記で説明したように、評価ロジックは、1つまたは複数のパラメータと関連してブロックチェーンネットワークにおいてスマートコントラクトによって記述される。608から、方法600は610に進む。
【0068】
610において、方法600は、リソース価値に関連する1つまたは複数のパラメータを符号化したデータにアクセスし、次いで、612および614に進み、監視されているパラメータと所定のしきい値(または所定のしきい値範囲)との間の比較、次いで、パラメータが所定のしきい値(または所定のしきい値範囲)を超えているかどうかに関する判定が行われる。監視されているパラメータがしきい値またはしきい値範囲を超えていることに応答して、方法は612に進み、スマートコントラクトに記述されている評価ロジックに従ってリソース価値を計算するために、計算がトリガされる。監視されているパラメータが所定のしきい値(または所定のしきい値範囲)を超えていないとの判定に応答して、方法600は、すでに上述したように、610に進むことができる。
【0069】
616から、方法600は、618に進み、計算されたリソース価値が変化したかどうかに関する判定が行われる。図1から図3に関連して上記で説明したように、リソース価値の変化は、第1の時点(最初の時点)でのリソース価値と、次いで第2の時点(後の時点)でのリソース価値との間の差として表すことができる。この変化は、たとえば、動産融資の初期段階で推定された以前の価値からの変更を示すことができる。この変化は、動産に基づいて生成された融資の額を変えることができる。この変化は、動産に基づいてすでに開始されたローンサービスに融資するための新たなリスク管理処理も保証することができる。リスク管理処理は、未発行のローンの条件を引き締めたり緩和したりすることも含むことができる。たとえば、変更されたリソース価値に基づいて、担保を下げたり、高めたりすることができる。
【0070】
リソース価値が変更されたことに応答して、方法600は618に進み、処理ロジックの実行がトリガされる。たとえば、処理サービスは、時間的に融資ポリシーを調整するために、リソース価値の変化に応答して実行することができ、それによって、ローン機関によって行われる、そうでなければ無害な融資操作に関連付けられた不確実性が回避される。リソース価値が変化しないままであることに応答して、方法600は、すでに上述したように、610に進むことができる。
【0071】
センサーのIoTとブロックチェーンネットワークとを組み合わせることによって、本明細書に記載の実装形態は、たとえば、センサーのIoTを介して動産の物理的属性を特徴づける1つまたは複数のパラメータを追跡することができ、追跡されるパラメータがしきい値/範囲を超えていることに応答して、ブロックチェーンネットワーク上で公開されたスマートコントラクトであると記載された評価ロジックに従って、更新された物理的属性に基づいて新しいリソース価値を計算することができる。最初の時点から後の時点まで、リソース価値は、センサーのIoTによって感知された変化するパラメータに基づいてタイムリーに評価され、ブロックチェーンネットワークへのゲートウェイによって検証され、ブロックチェーンネットワーク上で報告され得る。記録時点間でリソース価値が変化したとき、リソース価値に関連したローンの期間を再評価するために、処理サービスを実行することができる。ブロックチェーンネットワーク上のコンセンサスノードを呼び出すことによって、自律的機構を呼び出して、リソース価値のタイムリーな評価、およびおそらくリソース価値に基づくローンの期間の調整を開始することができる。この自律的機構は、中央集権的な権限はない。本明細書で開示される実施形態では、リソース価値の評価は、コンソーシアムネットワークであり得るブロックチェーンネットワーク上の参加ノード間で到達したコンセンサスにおいて動作する。ブロックチェーンネットワークは、物理的属性のパラメータがしきい値/範囲を超えていることに応答して実行される評価ロジックを符号化したスマートコントラクトを公開し、発行することができる。スマートコントラクトは、たとえば、初期推定値からのリソース価値の変化に応答して実行される処理ロジックを符号化することもできる。本明細書に開示される実施形態では、機械学習トレーニングは、少なくとも部分的に、リソース価値の変動を示す履歴データ、および少なくとも1つのパラメータ値がその後に所定のしきい値/範囲を超えたときに、洗練された評価ロジックに従ってリソース価値が計算されるようなリソース価値に関連する業界の価格設定基準に基づいて、評価ロジックを洗練するために実行される。機械学習トレーニングは、改良された属性に到達するための経路を検索するために、2つ以上の分岐からリーフノードをトラバースする決定ツリー方法を組み込むことができる。
【0072】
本明細書に記載された実施形態および動作は、デジタル電子回路、あるいはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくは本明細書に開示される構造を含むハードウェア、またはそれらの1つもしくは複数の組合せに実装することができる。動作は、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶デバイスに記憶されている、または他のソースから受信されたデータにおいてデータ処理装置によって実行される動作として実装することができる。データ処理装置、コンピュータ、またはコンピューティングデバイスは、データ、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ、または上記の複数のもの、もしくは組合せを含む、データを処理するための装置、デバイス、および機械を包含し得る。この装置は、たとえば、中央処理装置(CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または特定用途向け集積回路(ASIC)などの専用論理回路を含むことができる。装置は、問題のコンピュータプログラムの実行環境を生成するコード、たとえば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム(たとえば、オペレーティングシステムまたはオペレーティングシステムの組合せ)、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン、またはそれらの1つまたは複数の組合せを構成するコードも含むことができる。装置および実行環境は、ウェブサービス、分散コンピューティング、およびグリッドコンピューティングインフラストラクチャなど、様々な異なるコンピューティングモデルインフラストラクチャを実現することができる。
【0073】
コンピュータプログラム(たとえば、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアモジュール、ソフトウェアユニット、スクリプト、またはコードとしても知られる)は、コンパイルされたもしくはインタープリタ型言語、宣言型言語もしくは手続き型言語を含む、任意の形式のプログラミング言語で記述することができ、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、またはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしてなど、あらゆる形式で展開できる。プログラムは、問題のプログラム専用の単一のファイル、または複数のコーディネートされたファイル(たとえば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、もしくはコードの一部を記憶するファイルなど)に、他のプログラムまたはデータ(たとえば、マークアップ言語文書に記憶された1つまたは複数のスクリプトなど)を保持するファイルの一部に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または1つのサイトに位置するか、もしくは複数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行することができる。
【0074】
コンピュータプログラムの実行のためのプロセッサは、例として、汎用および専用の両方のマイクロプロセッサ、およびあらゆる種類のデジタルコンピュータの1つまたは複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリまたはその両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令に従ってアクションを実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つもしくは複数の大容量記憶デバイスを含むか、1つもしくは複数の大容量記憶デバイスからデータを受信する、またはそこにデータを転送する、またはその両方のために、動作可能に結合される。コンピュータは、別のデバイス、たとえば、モバイルデバイス、携帯情報端末(PDA)、ゲーム機、全地球測位システム(GPS)受信機、またはポータブルストレージデバイス中に組み込むことができる。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したデバイスは、不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイスを含み、例としては、半導体メモリデバイス、磁気ディスク、および光磁気ディスクを含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補うまたは組み込むことができる。
【0075】
モバイルデバイスは、ハンドセット、ユーザ機器(UE)、携帯電話(たとえば、スマートフォンなど)、タブレット、ウェアラブルデバイス(たとえば、スマートウォッチ、およびスマートメガネなど)、人体に埋め込まれたデバイス(たとえば、バイオセンサー、人工内耳など)、または他のタイプのモバイルデバイスを含み得る。モバイルデバイスは、様々な通信ネットワーク(以下で説明)にワイヤレス通信する(たとえば、無線周波数(RF)信号を使用して)ことができる。モバイルデバイスは、モバイルデバイスの現在の環境の特性を判定するためのセンサーを含むことができる。センサーには、カメラ、マイクロフォン、近接センサー、GPSセンサー、モーションセンサー、加速度計、環境光センサー、水分センサー、ジャイロスコープ、コンパス、気圧計、指紋センサー、顔認識システム、RFセンサー(たとえば、Wi-Fiおよびセルラー無線など)、温度センサー、または他のタイプのセンサーなどがあり得る。たとえば、カメラには、可動レンズまたは固定レンズ、フラッシュ、画像センサー、画像プロセッサを備える前方または後方カメラがあり得る。カメラは、顔および/または虹彩認識の詳細をキャプチャできるメガピクセルのカメラとすることができる。カメラは、データプロセッサおよびメモリに記憶された、またはリモートでアクセスされた認証情報とともに、顔認識システムを形成できる。顔認識システムまたは、1つもしくは複数のセンサー、たとえば、マイクロフォン、モーションセンサー、加速度計、GPSセンサー、RFセンサーなどをユーザ認証に使用できる。
【0076】
ユーザとの対話を提供するために、実施形態は、ディスプレイデバイスおよび入力デバイス、たとえば、ユーザに情報を表示するための液晶ディスプレイ(LCD)または有機発光ダイオード(OLED)/仮想現実(VR)/拡張現実(AR)ディスプレイ、ならびにユーザがコンピュータに入力を提供できるタッチスクリーン、キーボード、およびポインティングデバイスを有するコンピュータ上に実装することができる。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの対話を提供することもでき、たとえば、ユーザに提供されるフィードバックは、たとえば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックなど、任意の形態の感覚フィードバックとすることができ、ユーザからの入力は、音響、音声、または触覚入力を含む任意の形態で受信することができる。さらに、コンピュータは、たとえば、ウェブブラウザから受信された要求に応答して、ユーザのクライアントデバイス上のウェブブラウザにウェブページを送ることによってなど、ユーザによって使用されるデバイスとの間でドキュメントを送受信することによって、ユーザと対話することができる。
【0077】
実施形態は、たとえば通信ネットワークなど、有線またはワイヤレスのデジタルデータ通信(またはそれらの組合せ)の任意の形態または媒体によって相互接続されたコンピューティングデバイスを使用して実装できる。相互接続されたデバイスの例は、一般に、典型的には、通信ネットワークを介して対話する互いに遠隔であるクライアントおよびサーバである。たとえばモバイルデバイスなどのクライアントは、たとえば、購入、販売、支払い、贈与、送信、ローンのトランザクションを実行したり、トランザクションを承認したりするなど、サーバとのトランザクション自体を実行したり、サーバを介してトランザクションを実行したりすることができる。そのようなトランザクションは、アクションおよびレスポンスが時間的に近接しているようなリアルタイムであってもよく、たとえば、個人がアクションおよびレスポンスが実質的に同時に発生していることを知覚する、個人のアクションに続くレスポンスの時間差が1ミリ秒(ms)未満もしくは1秒(s)未満である、またはシステムの処理制限を考慮して意図的な遅延がないなどである。
【0078】
通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線アクセスネットワーク(RAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、およびワイドエリアネットワーク(WAN)がある。通信ネットワークには、インターネットのすべてまたは一部、別の通信ネットワーク、または通信ネットワークの組合せがあり得る。情報は、ロングタームエボリューション(LTE)、5G、IEEE802、インターネットプロトコル(IP)、または他のプロトコルまたはプロトコル組合せを含む様々なプロトコルおよび規格に従って通信ネットワーク上で送信することができる。通信ネットワークは、接続されたコンピューティングデバイス間で音声、ビデオ、生体認証、または認証データ、または他の情報を送信できる。
【0079】
別個の実装形態として記載された特徴は、組み合わせて、単一の実装形態において実装されてもよく、一方、単一の実装形態として記載された特徴は、複数の実装形態において、別々に、または任意の適切な部分組合せで実装されてもよい。特定の順序で説明され、請求された動作は、特定の順序、あるいは図示されたすべての動作が実行されなければならないことを必要とするものとして理解されないものとする(いくつかの動作はオプションとすることができる)。適宜に、マルチタスキングまたは並列処理(またはマルチタスキングと並列処理の組合せ)を実行できる。
【符号の説明】
【0080】
40 ブロックチェーンベースのリソース価値評価および処理装置
402 取得ユニット
404 判定ユニット
406 計算ユニット
408 サービス処理ユニット
600 コンピュータ実装方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6