(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】レンズプリズムモジュール
(51)【国際特許分類】
G02B 7/18 20210101AFI20220419BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20220419BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20220419BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20220419BHJP
【FI】
G02B7/18 100
G02B7/00
G02B7/18
G02B7/04 E
G02B7/02 Z
(21)【出願番号】P 2020543309
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(86)【国際出願番号】 CN2020093454
(87)【国際公開番号】W WO2020244466
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/089715
(32)【優先日】2019-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910479411.6
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519312957
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス ソリューションズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 晋
【審査官】三宅 克馬
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/158590(WO,A1)
【文献】特表2018-522256(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107479187(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/18
G02B 7/00
G02B 7/04
G02B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズプリズムモジュールであって、
固定台と、前記固定台に回動可能に取り付けられる回転台と、前記回転台に取り付けられ、前記回転台とともに回動可能なプリズムと、前記固定台と前記回転台との間に設けられ、前記回転台を前記固定台に対して回転駆動する回転駆動アセンブリと、前記回転駆動アセンブリに電気的に接続される回路板とを備え、前記回転台は、前記プリズムを取り付けて位置決めするための基台と、前記基台の前記固定台に向かう一方側に設けられ、前記基台が回動するように支持するための回動接続スタンドと、を備え、前記回転駆動アセンブリは、記憶合金で製作され、前記回路板で伝送される電気信号の制御下で変形することにより、前記基台を回動駆動
し、
前記基台は、前記プリズムを受ける基板を備え、前記基板は、間隔を隔てて設けられる2つの第1側縁と、間隔を隔てて対向設置され、それぞれ前記第1側縁に垂直に接続される2つの第2側縁とを備え、前記回転駆動アセンブリは、それぞれ2つの前記第2側縁から前記基板と前記固定台を接続する第1記憶合金及び第2記憶合金と、それぞれ2つの前記第1側縁から前記基板と前記固定台を接続する第3記憶合金及び第4記憶合金とを備え、前記第1記憶合金及び前記第2記憶合金は、前記基板によって前記プリズムを第1回動軸の周りに回動させるように前記基板を駆動し、前記第3記憶合金及び前記第4記憶合金は、前記基板によって前記プリズムを第2回動軸の周りに回動させるように前記基板を駆動し、前記第1回動軸と前記第2回動軸とは、直交し、
前記回動接続スタンドは、第1弾性アーム、第2弾性アーム、第3弾性アーム及び第4弾性アームを備え、前記第1弾性アーム、前記第2弾性アーム、前記第3弾性アーム及び前記第4弾性アームの一端は、前記固定台にまとめて固定され、前記第1弾性アーム及び前記第2弾性アームは、それぞれ前記基板の2つの第2側縁に向けて発散して分布することによって、前記基板により前記プリズムを第1回動軸の周りに回動させるように前記基板を支持し、前記第3弾性アーム及び前記第4弾性アームの他端は、それぞれ前記基板の2つの第1側縁に向けて発散して分布することによって、前記基板により前記プリズムを第2回動軸の周りに回動させるように前記基板を支持することを特徴とするレンズプリズムモジュール。
【請求項2】
前記基台は、2つの側板をさらに備え、2つの前記側板は、それぞれ前記基板の2つの前記第2側縁から前記固定台に背向する方向に向かって延在し、且つ前記基板と2つの前記側板とは取り囲んで収容溝を形成し、前記プリズムは、前記収容溝内に取り付けられていることを特徴とする請求項
1に記載のレンズプリズムモジュール。
【請求項3】
前記固定台は、横向き支持板、縦向き支持板及び支持ボスを備え、前記縦向き支持板は、前記横向き支持板の一端から折り曲げて延在するとともに、前記横向き支持板とともに取り囲んで凹溝を形成し、前記支持ボスは、前記凹溝内に凸設され、且つ前記支持ボスは、前記縦向き支持板から傾斜して前記横向き支持板まで延在する斜面を有し、前記回動接続スタンドは、前記斜面に当接することを特徴とする請求項
2に記載のレンズプリズムモジュール。
【請求項4】
前記第1記憶合金の両端は、いずれも前記支持ボスの一方の側面に固定され、前記第1記憶合金は、中部が一方の前記側板に引っ掛かることでV字状を形成し、前記第2記憶合金の両端は、いずれも前記支持ボスの他方の側面に固定され、前記第2記憶合金は、中部が他方の前記側板に引っ掛かることでV字状を形成することを特徴とする請求項
3に記載のレンズプリズムモジュール。
【請求項5】
前記レンズプリズムモジュールは、間隔を隔てて前記支持ボスの一方側に取り付けられる2つの第1接続端子と、間隔を隔てて前記支持ボスの他方側に取り付けられる2つの第2接続端子とをさらに備え、前記第1記憶合金の両端は、それぞれ2つの前記第1接続端子に接続され、前記第2記憶合金の両端は、それぞれ2つの前記第2接続端子に接続され、及び/又は、
2つの前記側板の前記収容溝に背向する一方側には、いずれも第1掛け柱が凸設され、前記第1記憶合金の中部は、一方の前記側板の前記第1掛け柱に引っ掛かり、前記第2記憶合金の中部は、他方の前記側板の前記第1掛け柱に引っ掛かることを特徴とする請求項
4に記載のレンズプリズムモジュール。
【請求項6】
前記第3記憶合金の両端は、いずれも前記横向き支持板の前記凹溝に背向する側面に固定され、前記第3記憶合金は、中部が前記基板の一方の前記第1側縁に引っ掛かることでV字状を形成し、前記第4記憶合金の両端は、いずれも前記縦向き支持板の前記凹溝に背向する側面に固定され、前記第4記憶合金は、中部が前記基板の他方の前記第1側縁に引っ掛かることでV字状を形成することを特徴とする請求項
5に記載のレンズプリズムモジュール。
【請求項7】
前記レンズプリズムモジュールは、間隔を隔てて前記横向き支持板の前記凹溝に背向する面に取り付けられる2つの第3接続端子と、間隔を隔てて前記縦向き支持板の前記凹溝に背向する側面に取り付けられる2つの第4接続端子とを備え、前記第3記憶合金の両端は、それぞれ2つの前記第3接続端子に接続され、前記第4記憶合金の両端は、それぞれ2つの前記第4接続端子に接続され、及び/又は、
前記基板の前記凹溝に向かう一方側において、2つの前記第1側縁に近接する部位には、いずれも第2掛け柱が凸設され、前記第3記憶合金の中部は、一方の前記第2掛け柱に引っ掛かり、前記第4記憶合金の中部は、他方の前記第2掛け柱に引っ掛かることを特徴とする請求項
6に記載のレンズプリズムモジュール。
【請求項8】
前記横向き支持板の前記支持ボスに背向する側面には、前記第3記憶合金を避けるための第1退避溝が設けられ、前記縦向き支持板の前記支持ボスに背向する側面には、前記第4記憶合金を避けるための第2退避溝が設けられ、及び/又は、
前記レンズプリズムモジュールは、外枠をさらに備え、前記固定台、前記回転台、前記プリズム、前記回転駆動アセンブリ、前記第1接続端子、前記第2接続端子、前記第3接続端子及び前記第4接続端子は、いずれも前記外枠内に位置し、且つ前記第1接続端子、前記第2接続端子、前記第3接続端子及び前記第4接続端子は、いずれも前記回路板に電気的に接続され、前記外枠には、光線が前記プリズムに入るための第1開口と、光線が前記プリズムから屈折して出射するための第2開口とが開設され、前記第1開口及び前記第2開口は、それぞれ前記外枠の隣り合う2つの側面に設けられていることを特徴とする請求項
7に記載のレンズプリズムモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学結像の技術分野に関し、特に携帯電話などの携帯電子機器内に適用されるレンズプリズムモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、結像技術が進歩し、結像機能を有する電子製品が普及するにつれ、光学レンズは、各種の電子製品に広く用いられている。
【0003】
従来技術においてレンズプリズムモジュールは、固定台と、回転台と、回転台に取り付けられるプリズムと、回転台と固定台を回動接続する回動接続アセンブリと、回転台が固定台に対して回動するように駆動するための回転駆動アセンブリとを備え、ここで、回動接続アセンブリは、保持スタンド、バネフレーム、仕切り板、ボール及び磁性鋼などの複数の部材で組み立てられて構成され、その構成が複雑であり、部材の数が多く、加工組立が煩雑であり、コストが高く、量産に適しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、従来のレンズプリズムモジュールの内部構造が複雑になるという問題を解決するためのレンズプリズムモジュールを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、レンズ内においてプリズムの角度の調節に際して簡単な構造を有するレンズプリズムモジュールを提供することを目的とする。
【0006】
本発明の技術案は以下の通りである。
上記目的を達成するために、本発明は、レンズプリズムモジュールを提供し、当該レンズプリズムモジュールは、固定台と、前記固定台に回動可能に取り付けられる回転台と、前記回転台に取り付けられ、前記回転台とともに回動可能なプリズムと、前記固定台と前記回転台との間に設けられ、前記回転台を前記固定台に対して回転駆動する回転駆動アセンブリと、前記回転駆動アセンブリに電気的に接続される回路板とを備え、前記回転台は、前記プリズムを取り付けて位置決めするための基台と、前記基台の前記固定台に向かう一方側に設けられ、前記基台が回動するように支持するための回動接続スタンドと、を備え、前記回転駆動アセンブリは、記憶合金で製作され、前記回路板で伝送される電気信号の制御下で変形することにより、前記基台を回動駆動する。
【0007】
1種の改良として、前記基台は、前記プリズムを受ける基板を備え、前記基板は、間隔を隔てて設けられる2つの第1側縁と、間隔を隔てて対向設置され、それぞれが前記第1側縁に垂直に接続される2つの第2側縁とを備え、前記回転駆動アセンブリは、それぞれ2つの前記第2側縁から前記基板と前記固定台を接続する第1記憶合金及び第2記憶合金と、それぞれ2つの前記第1側縁から前記基板と前記固定台を接続する第3記憶合金及び第4記憶合金とを備え、前記第1記憶合金及び前記第2記憶合金は、前記基板によって前記プリズムを第1回動軸の周りに回動させるように前記基板を駆動し、前記第3記憶合金及び前記第4記憶合金は、前記基板によって前記プリズムを第2回動軸の周りに回動させるように前記基板を駆動し、前記第1回動軸と前記第2回動軸とは、直交する。
【0008】
1種の改良として、前記回動接続スタンドは、第1弾性アーム、第2弾性アーム、第3弾性アーム及び第4弾性アームを備え、前記第1弾性アーム、前記第2弾性アーム、前記第3弾性アーム及び前記第4弾性アームの一端は、前記固定台にまとめて固定され、前記第1弾性アーム及び前記第2弾性アームは、それぞれ前記基板の2つの第2側縁に向けて発散して分布することによって、前記基板により前記プリズムを第1回動軸の周りに回動させるように前記基板を支持し、前記第3弾性アーム及び前記第4弾性アームの他端は、それぞれ前記基板の2つの第1側縁に向けて発散して分布することによって、前記基板により前記プリズムを第2回動軸の周りに回動させるように前記基板を支持する。
【0009】
1種の改良として、前記基台は、2つの側板をさらに備え、2つの前記側板は、それぞれ前記基板の2つの前記第2側縁から前記固定台に背向する方向に向かって延在し、且つ前記基板と2つの前記側板とは取り囲んで収容溝を形成し、前記プリズムは、前記収容溝内に取り付けられている。
【0010】
1種の改良として、前記固定台は、横向き支持板、縦向き支持板及び支持ボスを備え、前記縦向き支持板は、前記横向き支持板の一端から折り曲げて延在するとともに、前記横向き支持板とともに取り囲んで凹溝を形成し、前記支持ボスは、前記凹溝内に凸設され、且つ前記支持ボスは、前記縦向き支持板から傾斜して前記横向き支持板まで延在する斜面を有し、前記回動接続スタンドは、前記斜面に当接する。
【0011】
1種の改良として、前記第1記憶合金の両端は、いずれも前記支持ボスの一方の側面に固定され、前記第1記憶合金は、中部が一方の前記側板に引っ掛かることでV字状を形成し、前記第2記憶合金の両端は、いずれも前記支持ボスの他方の側面に固定され、前記第2記憶合金は、中部が他方の前記側板に引っ掛かることでV字状を形成する。
【0012】
1種の改良として、前記レンズプリズムモジュールは、間隔を隔てて前記支持ボスの一方側に取り付けられる2つの第1接続端子と、間隔を隔てて前記支持ボスの他方側に取り付けられる2つの第2接続端子とをさらに備え、前記第1記憶合金の両端は、それぞれ2つの前記第1接続端子に接続され、前記第2記憶合金の両端は、それぞれ2つの前記第2接続端子に接続され、及び/又は、
2つの前記側板の前記収容溝に背向する一方側にいずれも第1掛け柱が凸設され、前記第1記憶合金の中部は、一方の前記側板の前記第1掛け柱に引っ掛かり、前記第2記憶合金の中部は、他方の前記側板の前記第1掛け柱に引っ掛かる。
【0013】
1種の改良として、前記第3記憶合金の両端は、いずれも前記横向き支持板の前記凹溝に背向する側面に固定され、前記第3記憶合金は、中部が前記基板の一方の前記第1側縁に引っ掛かることでV字状を形成し、前記第4記憶合金の両端は、いずれも前記縦向き支持板の前記凹溝に背向する側面に固定され、前記第4記憶合金は、中部が前記基板の他方の前記第1側縁に引っ掛かることでV字状を形成する。
【0014】
1種の改良として、前記レンズプリズムモジュールは、間隔を隔てて前記横向き支持板の前記凹溝に背向する面に取り付けられる2つの第3接続端子と、間隔を隔てて前記縦向き支持板の前記凹溝に背向する側面に取り付けられる2つの第4接続端子とを備え、前記第3記憶合金の両端は、それぞれ2つの前記第3接続端子に接続され、前記第4記憶合金の両端は、それぞれ2つの前記第4接続端子に接続され、及び/又は、
前記基板の前記凹溝に向かう一方側において、2つの前記第1側縁に近接する部位には、いずれも第2掛け柱が凸設され、前記第3記憶合金の中部は、一方の前記第2掛け柱に引っ掛かり、前記第4記憶合金の中部は、他方の前記第2掛け柱に引っ掛かる。
【0015】
1種の改良として、前記横向き支持板の前記支持ボスに背向する側面には、前記第3記憶合金を避けるための第1退避溝が設けられ、前記縦向き支持板の前記支持ボスに背向する側面には、前記第4記憶合金を避けるための第2退避溝が設けられ、及び/又は、
前記レンズプリズムモジュールは、外枠をさらに備え、前記固定台、前記回転台、前記プリズム、前記回転駆動アセンブリ、前記第1接続端子、前記第2接続端子、前記第3接続端子及び前記第4接続端子は、いずれも前記外枠内に位置し、且つ前記第1接続端子、前記第2接続端子、前記第3接続端子及び前記第4接続端子は、いずれも前記回路板に電気的に接続され、前記外枠には、光線が前記プリズムに入るための第1開口と、光線が前記プリズムから屈折して出射するための第2開口とが開設され、前記第1開口及び前記第2開口は、それぞれ前記外枠の隣り合う2つの側面に設けられている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
本発明では、回転台は、基台と回動接続スタンドが直接接続されることによって構成され、回転台は、それに取り付けられる回動接続スタンドを介して固定台に回動接続されるため、回転台と固定台との間に、別途他の接続部材を設ける必要がなく、レンズプリズムモジュールの構造を簡略化し、レンズプリズムモジュールの部材数を減らし、組立工程を減らし、回転台の製作コストを低減させ、その量産を可能にする。具体的な応用では、回転駆動アセンブリにより回転台及びプリズムを固定台に対して回動駆動することによって、プリズムが回転駆動アセンブリの駆動作用下で角度を自動的に補正することができ、結像効果はより鮮明になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例に係るレンズプリズムモジュールの斜視図である。
【
図2】
図1に示すレンズプリズムモジュールの分解概略図である。
【
図3】本発明の実施例に係るレンズプリズムモジュールの平面図である。
【
図5】
図1に示すレンズプリズムモジュールの外枠が取り外された斜視図である。
【
図6】本発明の実施例に係る回転台の斜視図である。
【
図7】本発明の実施例に係る固定台の斜視図である。
【
図8】本発明の実施例に係る第1接続端子の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面及び実施形態に合わせて本発明をさらに説明する。
【0019】
なお、本発明の実施例において、全ての方向指示(例えば、上、下、内、外、頂部、底部など)は、ある特定の姿勢(図に示されているように)での各部材間の相対的な位置関係を説明するためにのみ使用され、当該姿勢が変わると、当該方向指示もそれに応じて変わる。
【0020】
なお、要素が別の要素に「固定」又は「設置」されていると呼ばれる場合、当該要素は、別の要素に直接あり、又は同時に仲介要素が存在し得る。要素が別の要素に「接続」されていると呼ばれる場合、当該要素は、別の要素に直接接続され、又は同時に仲介要素が存在し得る。
【0021】
図1~
図9を参照すると、本発明の実施例は、レンズプリズムモジュール1を提供し、レンズプリズムモジュール1は、固定台10、回転台20、回路板30、プリズム40及び回転駆動アセンブリ50を備え、回転台20は、固定台10に回動可能に取り付けられ、プリズム40は、回転台20に取り付けられ、回転台20とともに回動することが可能であり、回路板30は、回転駆動アセンブリ50に電気的に接続されることにより、回転駆動アセンブリ50に電流を供給し、回転駆動アセンブリ50は、固定台10と回転台20との間に設けられることにより、回転台20が固定台10に対して回転するように駆動し、これによって、プリズム40は、回転駆動アセンブリ50による駆動下で角度を自動的に補正することができ、その結像効果はより鮮明になる。
【0022】
図6を参照すると、本実施例では、回転台20は、プリズム40を取り付けて位置決めするための基台21と、基台21の固定台10に向かう一方側に設けられ、基台21が回動するように支持するための回動接続スタンド22とを備え、回転駆動アセンブリ50は、複数の記憶合金で製作され、回路板30で伝送される電気信号による制御下で変形することにより、基台21を回動させるように駆動する。本実施例では、回動接続スタンド22は、基台21に直接接続され、且つ回動接続スタンド22と基台21とは、一体成形され、回転台20と固定台10との間に別途他の接続部材を設ける必要がなく、このようにすると、回転台20の構造を簡略化し、組立工程を減らし、回転台20の製作コストを低減させることができる。
【0023】
具体的に、基台21は、基板211及び2つの側板212を備え、本実施例では、基板211は、プリズム40を受け、基板211は、間隔を隔てて対向設置される2つの第1側縁214と、間隔を隔てて対向設置され、それぞれ第1側縁214に垂直に接続される2つの第2側縁215とを備え、2つの側板212は、それぞれ2つの第2側縁215に位置し、2つの側板212は、それぞれ基板211の2つの第2側縁215から固定台10に背向する方向に向かって延在し、且つ基板211と2つの側板212とは、囲んで収容溝213を形成し、プリズム40は、収容溝213内に取り付けられ、回動接続スタンド22が基板211の固定台10に向かう側面に凸設されることで、プリズム40は、回動接続スタンド22により固定台10に対して回転することが可能になる。
【0024】
回動接続スタンド22は、弾性力を有し、回動接続スタンド22は、第1弾性アーム221、第2弾性アーム222、第3弾性アーム223及び第4弾性アーム224を備え、第1弾性アーム221、第2弾性アーム222、第3弾性アーム223及び第4弾性アーム224は、いずれも弧状構造であり、且つ第1弾性アーム221、第2弾性アーム222、第3弾性アーム223及び第4弾性アーム224の一端は、固定台10にまとめて固定され、第1弾性アーム221及び第2弾性アーム222は、それぞれ基板211の2つの第2側縁215に向けて発散して分布することで、基板211によってプリズム40を第1回動軸の周りに回動させるように基板211を支持し、第1回動軸は、斜面131の傾斜方向(
図1で点線Mで示す方向)である。第3弾性アーム223及び第4弾性アーム224の他端は、それぞれ基板211の2つの第1側縁214に向けて発散して分布することで、基板211によってプリズム40を第2回動軸の周りに回動させるように基板211を支持し、第2回動軸は、横向き支持板11と縦向き支持板12との接続線に平行な方向(
図1にX軸で示す方向)であり、第1回動軸は、第2回動軸に直交する。このように、回動接続スタンド22と固定台10における斜面131との接触部位は、回転台20の回転支点となり、言うまでもなく、具体的な応用では、回動接続スタンド22の構成はこれに限定されず、例えば、直接半球状であってもよい。
【0025】
なお、本実施例では、記憶合金に電流が通電されると、記憶合金は通電によって発熱し、その自身の物理的な特性に応じて変形し、長さが短くなることで、回転台20及びプリズム40を回動駆動するための駆動力を生成する。具体的な使用過程では、特に電源オフ後の再起動時に、記憶合金は、レンズプリズムモジュール1を初期位置に復帰させることができない。このとき、回動接続スタンド22の弾性力により、レンズプリズムモジュール1を初期位置に復帰させる必要がある。また、正常な使用過程では、回動接続スタンド22は、弾性力を有するため、回転駆動アセンブリ50が、回転台20が固定台10に対して回転するように駆動するという操作過程をよりスムーズにする。
【0026】
図7を参照すると、好ましくは、固定台10は、横向き支持板11、縦向き支持板12及び支持ボス13を備え、縦向き支持板12は、横向き支持板11の一端から折り曲げて上へ延在するとともに、横向き支持板11とともに囲んで凹溝14を形成し、支持ボス13は、凹溝14内に凸設され、且つ支持ボス13は、縦向き支持板12から傾斜して横向き支持板11まで延在する斜面131を有し、斜面131及び横向き支持板11が形成する夾角と、斜面131及び縦向き支持板12が形成する夾角とは、いずれも45°±2°であり、回動接続スタンド22は、斜面131に当接し、横向き支持板11及び縦向き支持板12は、回転台20の回動角度を制限する作用をさらに有し、具体的に、横向き支持板11の基板211に近接する一端は、基板211の一方の第1側縁214の直下に位置し、縦向き支持板12の基板211に近接する一端は、基板211の他方の第1側縁214の直下に位置し、回動する過程において、基板211が回動する過程で、その2つの第1側縁214は、横向き支持板11又は縦向き支持板12に衝突する。
【0027】
さらに、
図2~
図5を参照すると、回転駆動アセンブリ50は、第1記憶合金51、第2記憶合金52、第3記憶合金53及び第4記憶合金54を備え、プリズム40は、記憶合金の駆動下で、角度を自動的に補正することができる。具体的な使用過程では、第1記憶合金51及び第2記憶合金52は、それぞれ2つの第2側縁215から基板211と固定台10を接続して、第1記憶合金51及び第2記憶合金52は、基板211によってプリズム40を回動接続スタンド22と斜面131との接触部位を支点として第1回動軸の周りに回転させるように基板211を駆動する。
【0028】
第3記憶合金53及び第4記憶合金54は、それぞれ2つの第1側縁214から基板211と固定台10を接続して、第3記憶合金53及び第4記憶合金54は、基板211によってプリズム40を回動接続スタンド22と斜面131との接触部位を支点として第2回動軸の周りに回動させるように基板211を駆動する。
【0029】
本実施例では、第1記憶合金51の両端は、いずれも支持ボス13の一方の側面に固定され、第1記憶合金51は、中部が一方の側板212に引っ掛かることで「V」字状を形成し、第2記憶合金52の両端は、いずれも支持ボス13の他方の側面に固定され、第2記憶合金52は、中部が他方の側板212に引っ掛かることで「V」字状を形成し。第3記憶合金53の両端は、いずれも横向き支持板11の凹溝14に背向する側面に固定され、第3記憶合金53は、中部が基板211の一方の第1側縁214に引っ掛かることで「V」字状を形成し、第4記憶合金54の両端は、いずれも縦向き支持板12の凹溝14に背向する側面に固定され、第4記憶合金54は、中部が基板211の他方の第1側縁214に引っ掛かることで「V」字状を形成する。
【0030】
好ましくは、レンズプリズムモジュール1は、間隔を隔てて支持ボス13の一方側に取り付けられる2つの第1接続端子60と、間隔を隔てて支持ボス13の他方側に取り付けられる2つの第2接続端子70と、間隔を隔てて横向き支持板11の凹溝14に背向する面に取り付けられる2つの第3接続端子80と、間隔を隔てて縦向き支持板12の凹溝14に背向する側面に取り付けられる2つの第4接続端子90とを備え、2つの側板212の収容溝213に背向する一方側には、いずれも第1掛け柱23が凸設され、基板211の凹溝14に向かう一方側において、2つの第1側縁214に近接する部位には、いずれも第2掛け柱24が凸設されている。
【0031】
第1記憶合金51の中部は、一方の側板212の第1掛け柱23に引っ掛かり、第1記憶合金51の両端は、それぞれ2つの第1接続端子60に接続され、第2記憶合金52の中部は、他方の側板212の第1掛け柱23に引っ掛かり、第2記憶合金52の両端は、それぞれ2つの第2接続端子70に接続され、第3記憶合金53の中部は、一方の第2掛け柱24に引っ掛かり、第3記憶合金53の両端は、それぞれ2つの第3接続端子80に接続され、第4記憶合金54の中部は、他方の第2掛け柱24に引っ掛かり、第4記憶合金54の両端は、それぞれ2つの第4接続端子90に接続され、第1接続端子60、第2接続端子70、第3接続端子80及び第4接続端子90は、いずれも回路板30に電気的に接続され、回路板30は、4つの接続端子により、対応する記憶合金に電流を提供する。
【0032】
さらに
図8を参照すると、上述した底座には、さらに複数の突起16が凸設され、また、回路板30には、突起16に嵌合する貫通孔31が設けられ、各接続端子には、突起16に嵌合する係止口61、及び対応する記憶合金を係止するクランプ部62が設けられ、各突起16は、それぞれ回路板30における各貫通孔31に穿設されて、対応する接続端子における係止口61にロック固定される。
【0033】
横向き支持板11の支持ボス13に背向する側面には、第3記憶合金53を避けるための第1退避溝111が設けられ、縦向き支持板12の支持ボス13に背向する側面には、第4記憶合金54を避けるための第2退避溝121が設けられることで、第3記憶合金53及び第4記憶合金54が動作中に固定台10に干渉することを回避するとともに、第3記憶合金53及び第4記憶合金54を固定台10に粗位置決めすることができ、本実施例では、固定台10には、さらに回路板30を取り付けるための連通溝15が設けられ、第1退避溝111は、連通溝15を介して第2退避溝121に連通する。
【0034】
具体的な操作時に、
図1に示すように、第1記憶合金51が通電によって発熱して短くなると、基台21が斜め下方への引っ張り力を受けることで、基台21が回動接続スタンド22と斜面131との接触部位を支点として点線Mで示す方向を回転軸としX軸正方向へ回動し、これによって、プリズム40が固定台10に対して点線Mで示す方向を回転軸としてX軸正方向へ回動するようになり、一方、第2記憶合金52が通電によって発熱して短くなると、プリズム40は、固定台10に対して点線Mで示す方向を回転軸としてX軸負方向へ回動可能であり、第3記憶合金53が通電によって発熱して短くなると、プリズム40は、固定台10に対してX軸で示す方向を回転軸として一方向へ回動可能であり、第4記憶合金54が通電によって発熱して短くなると、プリズム40は、固定台10に対してX軸で示す方向を回転軸として他の逆方向へ回動可能である。回動接続スタンド22は、回転台20を復帰するために用いられる。本願に係る記憶合金は、SMA線と呼ばれてもよく、ここで詳細に説明しない。
【0035】
さらに
図1と
図9を参照すると、レンズプリズムモジュール1は、外枠100をさらに備え、固定台10、回転台20、プリズム40、回転駆動アセンブリ50、回路板30、第1接続端子60、第2接続端子70、第3接続端子80及び第4接続端子90は、いずれも外枠100内に位置し、外枠100の隣り合う4つの側面には、それぞれ光線がプリズム40に入るための第1開口110、光線がプリズム40から屈折して出射するための第2開口120、第3接続端子80を避けるための第3開口130、及び回路板30が通過して設けられるための第4開口140が開設されている。
【0036】
上述したのは、本発明の実施形態であり、当業者にとって、本発明の創造的構想を逸脱しない前提で、種々の改良も行ってもよいが、これらは、いずれも本発明の保護範囲に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0037】
1 レンズプリズムモジュール
10 固定台
11 横向き支持板
111 第1退避溝
12 縦向き支持板
121 第2退避溝
13 支持ボス
131 斜面
14 凹溝
15 連通溝
16 突起
20 回転台
21 基台
211 基板
212 側板
213 収容溝
214 第1側縁
215 第2側縁
22 回動接続スタンド
221 第1弾性アーム
222 第2弾性アーム
223 第3弾性アーム
224 第4弾性アーム
23 第1掛け柱
24 第2掛け柱
30 回路板
31 貫通孔
40 プリズム
50 回転駆動アセンブリ
51 第1記憶合金
52 第2記憶合金
53 第3記憶合金
54 第4記憶合金
60 第1接続端子
61 係止口
62 クランプ部
70 第2接続端子
80 第3接続端子
90 第4接続端子
100 外枠
110 第1開口
120 第2開口
130 第3開口
140 第4開口