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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-19
(45)【発行日】2022-04-27
(54)【発明の名称】物品供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/28 20060101AFI20220420BHJP
   B65G 47/88 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
B65G47/28 D
B65G47/88 G
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018084567
(22)【出願日】2018-04-25
(65)【公開番号】P2019189407
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】村浜 政貴
(72)【発明者】
【氏名】山道 哲雄
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-292265(JP,A)
【文献】特開2011-63287(JP,A)
【文献】実開昭61-72520(JP,U)
【文献】特開昭49-15597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/28
B65G 47/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を連続的に搬送する搬送コンベヤと、搬送コンベヤの搬送方向と同一方向に循環走行される少なくとも2組の循環走行機構と、それら各循環走行機構に設けられて、上記搬送コンベヤ上の物品に係合して該物品を各々の循環走行機構の走行速度に規制する係合部材と、各循環走行機構をそれぞれ独立して駆動させるとともに速度制御可能な駆動手段と、上記循環走行機構及び駆動手段の作動を制御する制御装置とを備え、
一方の循環走行機構に設けられた一方の係合部材によって搬送コンベヤ上を搬送する先頭の物品と係合することにより、搬送コンベヤ上を搬送する物品を一方の係合部材の走行速度に規制している間に、他方の循環走行機構に設けられた他方の係合部材を先頭の物品から搬送方向上流に位置する物品と係合させ、それから一方の係合部材と先頭の物品との係合を解除させることにより、一方の係合部材と他方の係合部材との間にある物品群を他方の係合部材から上流に続く後続の物品群と離隔させて下流へ供給するように構成した物品供給装置において、
上記制御装置は、他方の係合部材が物品に係合するまでは、一方の係合部材の移動速度を上記搬送コンベヤの搬送速度より遅い速度に規制するとともに、
他方の係合部材が物品に係合した後は、一方の係合部材及び他方の係合部材を上記搬送コンベヤの搬送速度より速い速度まで加速させて、一方の係合部材と他方の係合部材の間にある物品群を両方の係合部材で挟持しつつ、搬送コンベヤ上で搬送方向へ移動させることにより後続の物品群から離隔させ、その後、一方の係合部材と先頭の容器群との係合を解除させるとともに、他方の係合部材を搬送コンベヤの搬送速度より遅い速度まで減速させて後続する物品群の先頭の物品に係合させることを特徴とする物品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品供給装置に関し、より詳しくは、搬送されてくる物品を所定個数ずつにグルーピングして下流へ供給する物品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、先頭の容器群と後続の容器群との間隔を離しつつ、先頭の容器群を下流へ供給するようにした物品供給装置は広く知られている(例えば特許文献1、特許文献2)。
これら従来の物品供給装置は、搬送コンベヤによって搬送される容器の前面に係合する2組の係合ピンを備えており、先頭の容器群に第1の係合ピンを係合させて搬送速度を規制するとともに、第2の係合ピンを後続の容器群と係合させて搬送速度を規制し、その後、第1の係合ピンが退没して先頭の容器群から離隔すると、該先頭の容器群が搬送コンベヤの搬送速度で搬送されることにより所定数にグルーピングされるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4480228号公報
【文献】特許第3396424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の物品供給装置においては次のような問題が生じていた。つまり、容器に水滴が付いている場合や角形の容器の場合においては、相前後する容器同士が密着した状態となっており、その状態の容器群が搬送コンベヤによって搬送されることになる。
そのため、前述したように2組の係合ピンを用いて先頭の容器群を後続の容器群から離隔させようとする際に、先頭の容器群の最後尾の容器と後続の容器群の最前列の容器が密着してすぐに離隔しないことがあり、そのためにグルーピング後の先頭の容器群における最後尾の容器に搬送遅れが生じることがあった。ここで、搬送方向下流側にプッシャバーによって容器群を後方側から押圧して送り出す機構が配置されている場合には、上記搬送遅れが生じた最後尾の容器にプッシャバーが衝突する等の問題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した事情に鑑み、本発明は、物品を連続的に搬送する搬送コンベヤと、搬送コンベヤの搬送方向と同一方向に循環走行される少なくとも2組の循環走行機構と、それら各循環走行機構に設けられて、上記搬送コンベヤ上の物品に係合して該物品を各々の循環走行機構の走行速度に規制する係合部材と、各循環走行機構をそれぞれ独立して駆動させるとともに速度制御可能な駆動手段と、上記循環走行機構及び駆動手段の作動を制御する制御装置とを備え、
一方の循環走行機構に設けられた一方の係合部材によって搬送コンベヤ上を搬送する先頭の物品と係合することにより、搬送コンベヤ上を搬送する物品を一方の係合部材の走行速度に規制している間に、他方の循環走行機構に設けられた他方の係合部材を先頭の物品から搬送方向上流に位置する物品と係合させ、それから一方の係合部材と先頭の物品との係合を解除させることにより、一方の係合部材と他方の係合部材との間にある物品群を他方の係合部材から上流に続く後続の物品群と離隔させて下流へ供給するように構成した物品供給装置において、
上記制御装置は、他方の係合部材が物品に係合するまでは、一方の係合部材の移動速度を上記搬送コンベヤの搬送速度より遅い速度に規制するとともに、
他方の係合部材が物品に係合した後は、一方の係合部材及び他方の係合部材を上記搬送コンベヤの搬送速度より速い速度まで加速させて、一方の係合部材と他方の係合部材の間にある物品群を両方の係合部材で挟持しつつ、搬送コンベヤ上で搬送方向へ移動させることにより後続の物品群から離隔させ、その後、一方の係合部材と先頭の容器群との係合を解除させるとともに、他方の係合部材を搬送コンベヤの搬送速度より遅い速度まで減速させて後続する物品群の先頭の物品に係合させるようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
このような構成によれば、先頭の物品群を搬送方向の前後から両方の係合部材で挟持した状態で搬送コンベヤよりも速い移動速度で移動させることで、後続の物品群から先頭の物品群を速やかに離隔させてグルーピングすることができる。
そのため、下流側の位置に物品群を送りだすプッシャバーを備えた送り出し機構が配置した場合において、グルーピング後の物品群の最後尾の物品に搬送遅れを生じることはなく、プッシャバーがグルーピング後の物品群の最後尾の物品に衝突する等のトラブルを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施例を示す正面図。
図2図1の要部の平面図。
図3図2の要部の拡大図。
図4図2のIV―IV線に沿う断面図。
図5図1の物品供給装置による処理工程を示す工程図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1において、1は多数の容器2を所定数ずつの容器群201にグルーピングして下流側へ供給する物品供給装置である。物品供給装置1の処理対象となる容器2は、角形のペットボトルであり、内部に充填液が充填されて口部にキャップが装着されるとともに外周部にフィルムラベルが装着されている。
物品供給装置1は、正立して密集状態の多数の容器2を下流側に連続的に搬送する搬送コンベヤ3と、搬送コンベヤ3の搬送経路におけるグルーピング領域Aに配置されて、前後2組の係合ピンP1、P2を容器2同士の隙間gに挿入させて所定数(24本)の容器群201ずつにグルーピングするグルーピング機構4と、このグルーピング機構4よりも下流側となる搬送経路の上方に配置されて、グルーピングされた後の容器群201をプッシャバー5により搬送方向下流側へ押圧して送り出す送り出し機構6と、これらの構成要素の作動を制御する制御装置7を備えている。
【0009】
図1ないし図4に示すように、搬送コンベヤ3は、並列に配置された6本のトップチェーンから構成されており、これら6本のトップチェーンは所定速度V1で同期して矢印方向に連続的に走行されるようになっている。
容器2は図示しない上流側の供給位置において搬送コンベヤ3の載置面3Aに供給されるようになっており、載置面3A上の容器2は、相前後する容器2及び隣り合う容器2同士が密着して密集状態となり、その状態で搬送コンベヤ3によって所定の搬送速度V1で下流側へ搬送されるようになっている。
搬送コンベヤ3の搬送経路の途中となるグルーピング領域Aの下方側にグルーピング機構4が配置されるとともに、グルーピング領域Aの隣接下流側となる搬送経路の上方側に送り出し機構6が配置されている。
送り出し機構6は、左右一対の複数組のスプロケット11に噛み合って矢印方向に循環走行される左右一対のチェーン12と、左右のチェーン12にわたってそれらの走行方向に等ピッチで架設された複数のプッシャバー5と、スプロケット11を回転させるモータ13とを備えている。
制御装置7が図示しないモータを介して搬送コンベヤ3を所定の搬送速度V1で走行させる際には、制御装置7によってモータ13が所定の回転数で回転駆動されるので、各プッシャバー5が搬送コンベヤ3の搬送速度V1よりも少し速い移動速度V2で矢印方向に循環走行されるようになっている。
プッシャバー5の移動速度V2は、搬送コンベヤ3の搬送速度V1よりも少し速い移動速度V2に設定されているので、グルーピング機構4によって24本ずつにグルーピングされた後の容器群201が搬送コンベヤ3によって順次送り出し機構6の下方側へ搬送されると、各容器群201の最後尾の容器2の外周部にプッシャバー5が移動方向上流側(後方)から当接して、各容器群201を搬送コンベヤ3上で摺動させながら下流側へ送り出して図示しない下流側機器へ供給するようになっている。
【0010】
しかして、本実施例は、グルーピング機構4を以下の様に構成することにより、グルーピングする容器群を後続の容器群と速やかに切り離すことができ、容器群を密集した状態で下流へ供給するようにしたことが特徴である。
すなわち、図1ないし図4に示すように、グルーピング機構4は、搬送コンベヤ3の載置面3Aよりも上方側まで突出されることで容器2同士の隙間gに挿入されてから容器2と係合する一方の係合ピンP1と、搬送コンベヤ3の載置面3Aよりも上方側まで突出されて容器2同士の隙間gに挿入されてから容器2と係合する他方の係合ピンP2と、一方の係合ピンP1を所定の移動軌跡で循環走行させる第1循環走行機構16と、他方の係合ピンP2を上記係合ピンP1と同じ移動軌跡で循環走行させる第2循環走行機構17と、グルーピング領域Aにおいて載置面3Aよりも上方に突出した両係合ピンP1、係合ピンP2を開閉作動させるカム18を備えている。
【0011】
左右一対の支持フレーム21A、21Bにわたって、2本の回転軸22A、22Bが所定間隔で回転自在に軸支されており、一方の回転軸22Aは第1サーボモータ23Aにより回転されるようになっており、他方の回転軸22Bは第2サーボモータ23Bにより回転されるようになっている。これら第1サーボモータ23A及び第2サーボモータ23Bの作動は制御装置7によって制御されるようになっている。
一方の回転軸22Aの両端側の外周部に駆動用のスプロケット24A,24Aが嵌着されており、それらの位置に対応させて他方の回転軸22Bの両端側の外周部にスプロケット24B、24Bが回転自在に嵌合されている。また、他方の回転軸22Bの両端側の外周部に駆動用のスプロケット25A、25Aが嵌着されており、それらの位置に対応させて一方の回転軸22Aの両端側の外周部にスプロケット25B,25Bが回転自在に嵌合されている。
スプロケット24Aとスプロケット24Bとにわたって無端状のチェーン26、26が掛け渡されるとともに、スプロケット25Aとスプロケット25Bとにわたって無端状のチェーン27、27が掛け渡されている。
左右一対のチェーン26、26と直交させて、かつそれらのチェーン26、26にわたって直線状の支持部材29が2本取り付けられている。また、左右一対のチェーン27、27と直交させて、かつそれらのチェーン27、27にわたって直線状の支持部材30が2本取り付けられている。チェーン26の走行方向における等距離の2箇所に支持部材29が取り付けられており、同様にチェーン27の走行方向における等距離の2箇所に支持部材30が取り付けられている。そして、各支持部材29の長手方向(搬送経路と直交する方向)に係合ピンP1が等ピッチで6対設けられており、各支持部材30にも同様にして係合ピンP2が等ピッチで6対設けられている。
【0012】
支持部材29及び支持部材30の両端の底部にはローラ31が回転自在に設けられており、これらの左右両端のローラ31は、支持フレーム21A、21Bに形成された左右一対のガイド溝21aを転動するようになっている。
図1に示すように、ガイド溝21aは、正面図で見たときに両回転軸22A、22Bを囲繞して、かつ搬送コンベヤ3の搬送経路と平行な上下の直線領域を有する無端状の細長い楕円形となっている。
制御装置7により第1サーボモータ23Aと第2サーボモータ23Bが回転されるとチェーン26,27が同一方向に走行されるようになっており、それに伴って支持部材29、30及びそれらに配置された係合ピンP1、係合ピンP2がガイド溝21aに沿って楕円形の移動軌跡で循環走行されるようになっている。
本実施例では、一方の係合ピンP1と他方の係合ピンP2とが走行方向において順次交互に配置されており、搬送コンベヤ3の載置面3Aに近い上方側の直線状の走行領域においては、係合ピンP1、P2が搬送コンベヤ3と同一方向に移動されるとともに載置面3Aよりも上方に突出されて搬送コンベヤ3上の容器2と係合できるようになっている。
第1サーボモータ23A、スプロケット24A、24B、チェーン26、支持部材29等によって第1循環走行機構16が構成されており、第2サーボモータ23B、スプロケット25A、25B、チェーン27、支持部材30等によって第2循環走行機構17が構成されている。
本実施例では、制御装置7は、第1サーボモータ23A及び第2サーボモータ23Bの作動を別個に制御して、載置面3Aよりも上方側へ突出させた係合ピンP1、P2の移動速度を変化させることで、前後位置の係合ピンP1、P2によって所定数の容器群にグルーピングできるようになっている。
【0013】
グルーピング領域Aにおいて搬送方向において前後する係合ピンP1、P2が搬送コンベヤ3の載置面3Aよりも上方へ突出して搬送コンベヤ3と同一方向に移動される際に、各係合ピンP1、P2は、カム18のカム溝18A、18Bとカムフォロワ37、38とを介して所要量だけ開閉されるので、閉鎖された係合ピンP1、係合ピンP2が搬送コンベヤ3上の容器2と係合するようになっている。
両支持部材29、30が循環走行される際の移動軌跡を囲繞して、一方のフレーム21Aには無端状の係合溝21cが形成されており、この係合溝21cに両支持部材29、30の外周部に取り付けたローラ32を係合させている。これにより、支持部材29、30及びそれらに配置した係合ピンP1、係合ピンP2が循環走行される際に、搬送コンベヤ3の走行方向と直交する方向に位置ずれしないようになっている(図3、4参照)。
【0014】
支持部材29には長手方向の6箇所に左右一対のアーム33A、33Bが等ピッチで取り付けられており、これらに対応させて支持部材30にも左右一対のアーム33A、33Bが6箇所に等ピッチで取り付けられている
支持部材29の各アーム33A、33Bの先端に2本一組からなる係合ピンP1が立設されており、支持部材30の各アーム33A、33Bの先端に2本一組からなる係合ピンP2が立設されている。
アーム33A、33Bはピン34によって支持部材29の上面に搖動可能(開閉可能)に取り付けられており、左方の各アーム33Aの突出部33aは、支持部材29の隣接上流側へ突出させてあり、右方の各アーム33Bの突出部33bは、支持部材29の隣接下流側まで突出させている。
各アーム33Aの突出部33aは、それぞれピンによって直線状の第2レバー36に回転自在に取り付けられており、各アーム33Bの突出部33bは、それぞれピンにより直線状の第1レバー35に回転自在に取り付けられている。
第1レバー35の底部にカムフォロワ37が回転自在に取り付けられており、該カムフォロワ37はグルーピング領域Aにおいてカム18に形成された右方の第1カム溝18Aに係合するようになっている。また、第2レバー36の底部にもカムフォロワ38が回転自在に取り付けられており、該カムフォロワ38は、グルーピング領域Aにおいてカム18に形成された左方の第2カム溝18Bに係合するようになっている。
【0015】
支持部材30側の係合ピンP2も支持部材29側の係合ピンP1と同様に構成されている。すなわち、アーム33A、33Bはピン34によって支持部材30に回転可能に取り付けられており、各アーム33Aの突出部33aは、支持部材30の隣接上流側まで突出させてあり、各アーム33Bの突出部33bは、支持部材30の隣接下流側まで突出させている。各アーム33Aの突出部33aは、ピンにより直線状の第2レバー36に回転自在に取り付けられており、各アーム33Bの突出部33bは、ピンにより直線状の第1レバー35に回転自在に取り付けられている。
第1レバー35の底部にカムフォロワ37が回転自在に取り付けられており、該カムフォロワ37はグルーピング領域Aにおいてカム18の第1カム溝18Aに係合するようになっている。また、第2レバー36の底部にカムフォロワ38が回転自在に取り付けられており、該カムフォロワ38はグルーピング領域Aにおいてカム18の第2カム溝18Bに係合するようになっている。
【0016】
カム18は、グルーピング領域Aとなる搬送コンベヤ3の近接下方側に水平に設けられており、搬送コンベヤ3の搬送方向に沿って第1カム溝18Aと第2カム溝18Bが形成されている。
カム18の前後には、カム18の位置を除いた上記ガイド溝21aの全周に沿って断面コ字形のガイド部材39が設けられており、カム18が配置されていない箇所では両レバー35、36のカムフォロワ37、38をガイド部材39に係合して支持させるようになっている。
そのため、両支持部材29、30がグルーピング領域Aを搬送コンベヤ3と同一方向に移動される際には、係合ピンP1、係合ピンP2は搬送コンベヤ3の載置面3Aよりも上方まで突出して搬送コンベヤ3上の隣り合う容器2同士の隙間gに挿入されるようになっている。また、その状態で両カム溝18A、18Bとカムフォロワ37、38との係合により、グルーピング領域Aにおいて、支持部材29の係合ピンP1及び支持部材30の係合ピンP2が開放状態から所要量、同期して閉鎖されることで搬送コンベヤ3上の幅方向一列6本の容器2と係合するとともに、その後、容器2から離隔するようになっている。
そのようにグルーピング領域Aにおいて搬送コンベヤ3上の容器2に係合ピンP1、P2が係合することで、搬送コンベヤ3上の容器群の移動速度を規制できるようになっている。
【0017】
図2に示すように、カム18に形成された第1カム溝18Aと第2カム溝18Bは、それらの上流端と下流端は搬送コンベヤ3の搬送方向と同一方向の直線状となってガイド部材39と接続されているが、上流端と下流端の間の中間領域は、搬送コンベヤ3の搬送方向における一側(左側)へ同じ寸法だけ弓型に平行移動した形状となっている。そして、第1カム溝18Aの中間領域は、第2カム溝18Bの中間領域に対して搬送コンベヤ3の搬送方向において所定量下流側へ位置をずらして形成されている。
支持部材29,30が、下方側の直線状の移動領域及び上流端と下流端の反転箇所を走行される際には、カムフォロワ37、38はガイド部材39に係合して移動されるようになっており、その状態では、支持部材29,30に配置された各対の係合ピンP1、P2は大きく開放された状態となっている。
この状態で、走行される支持部材29,30と係合ピンP1、P2が上流端の反転箇所でグルーピング領域Aにおける上流端へ移動すると、係合ピンP1、P2が搬送コンベヤ3の載置面3Aよりも上方へ突出して隣り合う容器2同士の隙間gに挿入されるとともに、カムフォロワ37、38が両カム溝18A、18Bと係合するようになっている(図1)。その後、搬送方向に移動する支持部材29に設けられた各対の係合ピンP1及び支持部材30に設けられた各対の係合ピンP2が上記カム溝18A、18Bとカムフォロワ37、38を介して同期して所要量閉鎖されてから再度開放されるようになっている。これにより、グルーピング領域Aを搬送される幅方向6本の容器2に係合ピンP1、係合ピンP2が係合して、係合した容器2とその隣接上流側の容器2群の移動速度を規制することができるようになっている。
以上のように構成されたグルーピング機構4を前提として、制御装置7によって第1循環走行機構16と第2循環走行機構17の駆動源である各サーボモータ23A、23Bの作動を制御することにより、グルーピング領域Aにおいて搬送コンベヤ3上の容器2を24本ずつの容器群201にグルーピングするようになっている。
【0018】
以上の構成において、容器2を所定数ずつにグルーピングする際の処理工程を示した図5(a)~図5(g)により物品供給装置1の作動を説明する。
まず、搬送コンベヤ3が所定の搬送速度V1で容器2を搬送しており、送り出し機構6が搬送コンベヤ3の搬送速度V1よりも少し早い移動速度V2で矢印方向Bに走行されている。
そしてグルーピング領域Aにおいて先頭となる係合ピンP1は搬送コンベヤ3の載置面3Aよりも上方に突出し、かつ、両カム溝18A、18Bとカムフォロア37、38により係合ピンP1が閉鎖しているため、支持部材29の6対の係合ピンP1が幅方向1列の6本の容器2と係合した状態となっている。
この状態で係合ピンP1の移動速度を搬送コンベヤ3の搬送速度Vlより遅い速度に制御することによって係合ピンP1と係合する容器2以降の容器群は係合ピンP1の移動速度に規制されながら密集状態で移動される。
また、後続となる他方の係合ピンP2はグルーピング領域Aにおいて搬送コンベヤ3上の容器2と係合すべく、搬送コンベヤ3の搬送速度よりも早い速度で移動してきて、搬送コンベヤ3の載置面3Aよりも上方に突出して所定位置、本実施例においては上記係合ピンP1が係合した容器2から上流側へ4本目と5本目の容器2との間に到達すると移動速度を係合ピンP1の移動速度と同速になるよう減速されるとともに、両カム溝18A、18Bとカムフォロア37、38により係合ピンP2は閉鎖されることによって4本目と5本目の容器2の隙間gに係合ピンP2が挿入される(図5(a))。これにより、グルーピング領域Aで係合ピンP1と係合ピンP2との問に合計24本の容器2が存在する状態となる。
この後、両循環走行機構16、17の両サーボモータ23A、23Bを介して係合ピンP1と係合ピンP2が搬送コンベヤ3の搬送速度V1よりも速い所定の移動速度Vxとなるまで加速が開始される(図5(b))。なお、本実施例では、このように係合ピンP1、P2を加速させるタイミングは、回転軸22A、22Bを介して係合ピンP1、P2の移動位置を検出する図示しないエンコーダからの検出信号に基づいて制御装置7が決定するようになっている。
次に、係合ピンP1と係合ピンP2が所定の移動速度Vxまでの加速中に、それらの移動速度が搬送コンベヤ3の搬送速度V1まで到達していない状態では、係合ピンP1や係合ピンP2に後続する容器2も係合ピンP1や係合ピンP2と離れることなく、密集した状態を保ったまま移動される(図5(c))。
続いて、係合ピンP1と係合ピンP2が搬送コンベヤ3の搬送速度V1より速い移動速度Vxに到達すると、両係合ピンPl、P2の間に存在する先頭の容器群201は、両係合ピンP1、P2によって搬送方向の前後を挟持された状態で搬送コンベヤ3の載置面3A上を搬送方向に移送されるので、係合ピンP2よりも上流側に位置する後続の容器群と速やかに離隔する(図5(d))。
この後、先頭の容器群に係合していた係合ピンP1は第1サーボモータ23Aによって、そのまま搬送コンベヤ3の搬送速度V1よりも早い速度Vxで移動されることにより、先頭の容器群の最前列の容器2から離隔してからグルーピング領域Aを通過した後に搬送コンベヤ3の載置面3Aよりも下方へ退没する。一方、係合ピンP2は第2サーボモータ23Bによって搬送コンベヤ3の搬送速度V1よりも遅い速度まで減速される(図5(e))。
続いて、係合ピンP1は搬送コンベヤ3の搬送速度V1よりも早い速度での移動を継続する一方、係合ピンP2は搬送コンベヤ3の搬送速度V1よりも遅い速度まで減速されて移動しているので、搬送逮度V1で移動している後続の容器群が係合ピンP2に追いつくことにより、該後続の容器群の最前列の6本の容器2は係合ピンP2と当接して係合ピンP2の移動速度に規制される(図5(f))。
この後、係合ピンP2の上流に位置する後続の容器群は係合ピンP2の移動速度に規制されながらグルーピング領域Aを移動する。一方、後続の新たな係合ピンP1はグルーピング領域Aに向けて移動を継続している(図5(g))。
この後は、グルーピング領域Aにおいて相前後する係合ピンP1、P2の搬送方向の移動と上述した移動速度の制御が繰り返されることにより、グルーピング機構4により容器2が順次24本ずつの容器群201にグルーピングされるとともに、グルーピング後の各容器群201は送り出し機構6のプッシャバー5によって下流側の機器へ供給されるようになっている。
【0019】
以上のように、本実施例は、グルーピング領域Aにおいて、先行する一方の係合ピンP1と後続する他方の係合ピンP2とで容器群を前後から挟み込んだ状態で、搬送コンベヤ3の搬送速度V1よりも速い速度まで両係合ピンP1、P2を加速させることで、先頭の容器群を後続の容器群から確実、かつ速やかに離隔させてグルーピングするようになっている。そのため、グルーピング領域Aからその隣接下流側の送り出し機構6へグルーピング後の容器群201が搬送される際に、容器群201の最後尾の容器2に搬送遅れが生じない。したがって、送り出し機構6のプッシャバー5が、グルーピング後の容器群201の最後尾の容器2に後方側から円滑に当接することになり、最後尾の容器2にプッシャバー5が上方から衝突して転倒させる等のトラブルは生じない。
なお、上記実施例においては、物品供給装置1の処理対象の物品として容器2を想定しているが、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0020】
1‥物品供給装置 2‥容器(物品)
3‥搬送コンベヤ 5‥プッシャバー
6‥送り出し機構 7‥制御装置
16‥第1循環走行機構 17‥第2循環走行機構
A‥グルーピング領域 P1‥係合ピン(係合部材)
P2‥係合ピン(係合部材)
図1
図2
図3
図4
図5