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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-19
(45)【発行日】2022-04-27
(54)【発明の名称】空気調和機の室外機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/24 20110101AFI20220420BHJP
【FI】
F24F1/24
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018028716
(22)【出願日】2018-02-21
(65)【公開番号】P2019143879
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100083404
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 拓也
(72)【発明者】
【氏名】辻 康雅
(72)【発明者】
【氏名】高梨 恭輔
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-030885(JP,A)
【文献】特開2014-047991(JP,A)
【文献】特開2010-175231(JP,A)
【文献】特開2017-015381(JP,A)
【文献】特開2001-296041(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0133423(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/02、1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体形状の筐体を有し、上記筐体の内部を、下部仕切板と上記下部仕切板に載置される電装部仕切板で送風機室と機械室に区切り、上記送風機室には送風ファンと熱交換器を配置し、上記機械室には上部に電装品ユニットと下部にアキュムレータや冷媒配管を含む冷媒回路部品が配置されており、上記筐体の一部分に上記電装品ユニットを覆うサービスパネルが着脱可能に設けられているとともに、上記筐体の上記機械室側を囲む側面には下方から上記電装品ユニット内に外気を取り込む外気取込口が設けられている空気調和機の室外機において、
上記電装品ユニットは、上記電装部仕切板に取り付けられた第1電装品ユニットと、上記第1電装品ユニットの前端に一端が支持された基板固定板を有する第2電装品ユニットとを含み、上記筐体内において第2電装品ユニットが上記サービスパネルの裏面側に配置されており、
上記電装部仕切板の少なくとも上部には、上記第1電装品ユニットに含まれている発熱部品の冷却風用の第1通風口が設けられており、上記第2電装品ユニットの上記基板固定板には、上記外気取込口より取り込まれた外気の一部が上記基板固定板の上記サービスパネル側の前面を通って上記第1通風口側に向かう放熱経路を形成する第2通風口が設けられており、
上記基板固定板の上記サービスパネル側の上部には、箱状に形成された配線収納部が設けられており、上記配線収納部に上記第2通風口が形成されていることを特徴とする空気調和機の室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の室外機に関し、さらに詳しく言えば、室外機に備えられた電装品ユニットの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋外に設置された1台の室外機と、空調室内に設置される1台以上の室内機が冷媒配管を介して接続されて冷凍サイクルを構成する多室型の空気調和機が知られている。室外機内部は、室外機の筐体の一部を構成する底板に取り付けられた仕切板によって、圧縮機やアキュムレータや配管等が備えられた機械室と、熱交換器や送風ファン等が設置された送風機室とに区画されている。そして、機械室の上部には圧縮機や送風ファン等の装置に駆動電力を供給する電源装置や室外機の運転を制御する制御基板等を備えた電装品ユニットが配置される。
【0003】
例えば、特許文献1,2に記載されている室外機では、電装品ユニットとして、上記仕切板の上部に含まれる電装部仕切板に所定の電装品を実装した固定側の第1電装品ユニットと、サービスパネル側で第1電装品ユニットの前端に扉状に開閉可能に支持された取付基板に所定の電装品を実装した可動側(扉側)の第2電装品ユニットとを備えている。
【0004】
電装品ユニット内には、リアクタやインバータ基板に搭載されているパワートランジスタ等の発熱部品が収納されている。これらの発熱部品を冷却するため、機械室の下部に設けられている外気取込口から電装品ユニット内に外気を取り込むようにしている。
【0005】
多くの場合、リアクタやインバータ基板は固定側の第1電装品ユニットの電装部仕切板側に設けられている。そこで、特許文献2に記載されている発明では、電装部仕切板のうちの発熱部品取付部の上方位置に通気口を設けて、放熱経路として、外気取込口からの空気を発熱部品に沿って流れやすくしている。
【0006】
これに対して、扉側の第2電装品ユニットについては空気が流れにくいため、発熱部品はもっぱら第1電装品ユニット側に配置せざるを得ず、これが部品レイアウトの自由度を狭めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-159222号公報
【文献】特開2013-50255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の課題は、電装部仕切板に設けられる第1電装品ユニットと、サービスパネルの裏面側に配置される第2電装品ユニットとを含む電装品ユニットを備えている空気調和機の室外機において、第2電装品ユニット側にも空気が流れやすい発熱部品冷却用の放熱経路を設けることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、直方体形状の筐体を有し、上記筐体の内部を、下部仕切板と上記下部仕切板に載置される電装部仕切板で送風機室と機械室に区切り、上記送風機室には送風ファンと熱交換器を配置し、上記機械室には上部に電装品ユニットと下部にアキュムレータや冷媒配管を含む冷媒回路部品が配置されており、上記筐体の一部分に上記電装品ユニットを覆うサービスパネルが着脱可能に設けられているとともに、上記筐体の上記機械室側を囲む側面には下方から上記電装品ユニット内に外気を取り込む外気取込口が設けられている空気調和機の室外機において、
上記電装品ユニットは、上記電装部仕切板に取り付けられた第1電装品ユニットと、上記第1電装品ユニットの前端に一端が支持された基板固定板を有する第2電装品ユニットとを含み、上記筐体内において第2電装品ユニットが上記サービスパネルの裏面側に配置されており、
上記電装部仕切板の少なくとも上部には、上記第1電装品ユニットに含まれている発熱部品の冷却風用の第1通風口が設けられており、上記第2電装品ユニットの上記基板固定板には、上記外気取込口より取り込まれた外気の一部が上記基板固定板の上記サービスパネル側の前面を通って上記第1通風口側に向かう放熱経路を形成する第2通風口が設けられており、
上記基板固定板の上記サービスパネル側の上部には、箱状に形成された配線収納部が設けられており、上記配線収納部に上記第2通風口が形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第2電装品ユニットの基板固定板に、外気取込口より取り込まれた外気の一部が基板固定板のサービスパネル側の前面(部品実装面)を通って第1電装品ユットに設けられている第1通風口側に向かう放熱経路を形成する第2通風口が設けられているいることにより、第2電装品ユニット側にも発熱部品を搭載することができ、その分、部品レイアウトの自由度が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による空気調和機の室外機の一実施形態を示す前面側斜視図。
図2】上記空気調和機の室外機の背面側斜視図。
図3】上記空気調和機の室外機の内部構造を示す斜視図。
図4】上記空気調和機の室外機が備える電装品ユニットを示す拡大斜視図。
図5】下部仕切板と上記電装品ユニットの電装部仕切板の各一部分を示す斜視図。
図6】上記電装品ユニットの取付状態を示す斜視図。
図7】上記電装部仕切板を示す斜視図。
図8】上記電装品ユニットを示す分解斜視図。
図9】上記電装品ユニットの骨組を示す斜視図。
図10】上記電装品ユニットに含まれる第1電装品ユニットを示す(a)左側面側斜視図、(b)分解図。
図11図8のA-A部分断面図。
図12】上記電装品ユニットの内部を示す右側面側斜視図。
図13】上記電装品ユニットが備えるトップ基板と基板固定具を分離して示す斜視図。
図14】上記電装品ユニットに含まれる第3電装品ユニットの組立方を示す斜視図。
図15】上記電装品ユニットの電装部仕切板の別の実施形態を示す斜視図。
図16】(a)上記電装部仕切板の別の実施形態の上方部分を示す斜視図、(b)第1電装部仕切板に対する第2電装部仕切板の折曲げ角度を説明する模式図。
図17】上記電装品ユニットをその内部に設けた把手を使用して持ち上げた状態を示す模式的な斜視図。
図18】本発明の好ましい態様として、下部仕切板の上端に電装品ユニットの受け板を設けた例を示す要部斜視図。
図19】(a),(b)電装品ユニットを上記受け板をガイドとして固定位置にまで移動させる状態を示す説明図。
図20】上記電装品ユニットに含まれる第2電装品ユニットの改善された放熱経路を有する実施形態を示す斜視図。
図21図20に冷却風の流れ方向を書き込んだ斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して、本発明のいくつかの実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0014】
本発明に係る空気調和機の室外機は屋外に設置され、空調室内に設置される1台以上の室内機と冷媒配管を介して接続されて冷凍サイクルを構成する。
【0015】
まず、図1図2を参照して、この実施形態に係る空気調和機の室外機1(以下、単に室外機1とする)は、ほぼ直方体形状の筐体11を有している。なお、直方体の筐体11において、上面側を上面または上方、上面の対面を底面または下方、後述する吹出口31のある面を前面または前方、前面の対面を背面側または後方、後述する外気取込口141のある面を右側面または右方、右側面の対面を左側面または左方として以下説明する。各部品においても同様である。
【0016】
筐体11の外郭は主に鋼板で形成され、筐体11の前面と左側面は前面パネル30で覆われている。前面パネル30の前面の上下2箇所には、後述する送風ファン21に合わせて円形に開口された吹出口31が設けられている。
【0017】
吹出口31の周囲は、前面パネル30の鋼板を内側に延ばしてラッパ状に形成されたベルマウス32を備える。吹出口31は、線材を加工したファンガード35で覆われて保護されている。この実施形態において、前面パネル30の左側面には、横5個×縦7個の長方形状の孔からなる吸込口33が設けられている。
【0018】
筐体11の前面の右側と右側面の前面側は、下部の配管カバー12と上部のサービスパネル13で覆われている。配管カバー12とサービスパネル13は、冷媒配管やケーブル(図示無し)の接続およびメンテナンスのために着脱可能となっている。
【0019】
また、筐体11の右側面の背面側と背面の一部までは背面パネル14で覆われている。背面パネル14の右側面下部には、後述する電装品ユニット5に外気を取り込む複数の横長孔状の外気取込口141が設けられている。
【0020】
前面パネル30、配管カバー12および背面パネル14は、筐体11の底面となり筐体11を支える脚部151を有する底板15にネジ止めによって組み付けられ、前面パネル30とサービスパネル13と背面パネル14の上端は天板16で覆われている。
【0021】
天板16は、ネジ止めによって前面パネル30とサービスパネル13と背面パネル14に組み付けられている。なお、図1において、サービスパネル13の上部は内部の電装品ユニット5を図示するために切り欠いてある。
【0022】
図3に示すように、筐体11の内部は、底板15に立設されて前面パネル30の右端がネジ止めされ、筐体11の側面に平行で底板15から後述する電装部仕切板52の下端に至るまでの高さを有する下部仕切板24と、下部仕切板24の前面側に載置される電装部仕切板52によって前面パネル30側の送風機室FRとサービスパネル13側の機械室MRとに区切られている。また、下部仕切板24の背面側の上には、後述する上部仕切板26が配置されている。
【0023】
送風機室FRには、上下の2個所にプロペラファン型の送風ファン21が設けられている。送風ファン21は、底板15に支持されたモータ支持体19に固定されたファンモータ20に軸支されている。
【0024】
また、送風機室FRには、左側面から背面に沿って上面視でL字形状である熱交換器18が配置されている。熱交換器18は並列した複数のフィン181と、同フィン181に直交するように蛇行状に配設された伝熱管182とからなる。
【0025】
図2を参照して、筐体11の背面側は、背面パネル14の側端と前面パネル30の側端との間に熱交換器18が露出している。筐体11の背面側において、熱交換器18が露出している部分が送風機室FRに外気を取り入れるための背面吸込口22で、背面吸込口22には保護部材23が設けられている。
【0026】
図3に戻って、機械室MRには、上部に電装品ユニット5が配置され、下部にアキュムレータ40や圧縮機41や四方弁42および冷媒配管43と膨張弁44等の冷媒回路部品4が配置されている。
【0027】
上記の構成により、空気調和機の室外機1は、例えば冷房運転時に熱交換器18の伝熱管182の内部を流通する高温・高圧の冷媒の熱を、伝熱管182からフィン181に伝熱するとともに、このフィン181が、送風ファン21により吸込口33と背面吸込口22から吸い込まれた空気によって冷却されることで熱交換が行われる。
【0028】
図4に示すように、熱交換器18は、熱交換器18の右端を囲む熱交換器取付板183を備える。熱交換器取付板183は複数の孔を有し、この孔に伝熱管182が貫通して他の伝熱管182や冷媒配管43と接続されている。図示しないが、熱交換器取付板183の下端が底板15に固定されることで熱交換器18が立設される。
【0029】
熱交換器取付板183は、前端が熱交換器18側に直角に折れ曲がり熱交角部185が形成される。熱交換器取付板183と熱交角部185に、下部仕切板24および後述する上部仕切板26が組み付けられてネジ止めされる。
【0030】
図5を併せて参照して、下部仕切板24は、機械室MRの内部に配置されている冷媒回路部品4(アキュムレータ40、圧縮機41、冷媒配管43等)に沿って、筐体11の側面に平行な前面側の第1仕切面241と、背面側で筐体11の背面に平行で熱交換器取付板183に固定される第2仕切面242と、第1仕切面241と第2仕切面242の間を傾斜面で繋ぐ第3仕切面243を有する。
【0031】
下部仕切板24は、その前端に機械室MR側に折れ曲がった下前面フランジ部244を備える。また、下部仕切板24は、その上端に機械室MR側に折れ曲がった受け部25を備える。
【0032】
第1仕切面241の上に位置する受け部25は、レール用受け部251とする。レール用受け部251の第3仕切面243側の端には、後述するストッパー57が止まる位置で部分的に機械室MR側に延出したストッパー用延出部251aが設けられる。
【0033】
下部仕切板24の第2仕切面242の上方には、上部仕切板26が設けられる。上部仕切板26は、右端が背面側に折れ曲がり熱交換器取付板183にネジ止めされる。上部仕切板26の左端は、電装部仕切板52に固定される。
【0034】
上部仕切板26の下端には、下部仕切板24の受け部25と当接するように折れ曲がって形成された固定片262、263が設けられている。図6を併せて参照して、上部仕s切板26の左上部には、送風機室FR方向に向かい徐々に立ち上がる差込爪264が設けられている。上部仕切板26の右上部には、内側に延出した固定具265が設けられている。
【0035】
図5図7に示すように、電装部仕切板52は、鋼板を折り曲げ加工した下部仕切板24の第1仕切面241の上に位置する取付面53と、取付面53の背面側から直角に曲がった角部541と、角部541から上部仕切板26まで延出して上部仕切板26に固定される固定面54と、取付面53の前端から多段に折れ曲がり凹部となる支柱取付部521と、支柱取付部521の前面で下前面フランジ部244と面一となる上前面フランジ部522とを備えている。
【0036】
電装部仕切板52は、さらに、支柱取付部521の内側に固定され右側が上前面フランジ部244よりも突出する支柱55と、取付面53と固定面54の下端角部を結合し、先端が下方に折れ曲がった折曲片561で第3仕切面243の受け部25と当接する角部固定板56を備える。
【0037】
取付面53の下端は、送風機室FR側に折れ曲がったレール面58となる。レール面58は、レール面58の端が下方に折れ曲ったレールガイド部581を備える。また、取付面53の機械室MR側の下部には、レール面58より下方に延出したストッパー57が設けられ、さらに前端の支柱取付部521の底面には、機械室MR側に下方に折れ曲がった前ガイド部523を備える。
【0038】
レールガイド部581の内側から前ガイド部523の内側までの左右幅W1は、下部仕切板24のレール用受け部251の左右幅と同じである。また、レール面58の左右幅W2は、ストッパー用延出部251aの左右幅と同じである。
【0039】
これにより、ストッパー用延出部251aがレールガイド部581とストッパー57の間で規制され、レール用受け部251が、レールガイド部581と前ガイド部523の間で規制され、ガタつきを防止する。
【0040】
次に、電装品ユニット5の構成について説明する。図8に示すように、電装品ユニット5の基本構造は、電装部仕切板52に取り付けられた電装部品を含む第1電装品ユニット6と、第1電装品ユニット6の前端に一端が支持され、サービスパネル13側に配置され第1電装品ユニット6に直交する第2電装品ユニット7と、第1電装品ユニット6と第2電装品ユニット7の上に取り付けられ筐体11の上面に沿って配置される第3電装品ユニット8の3面で形成される。
【0041】
第1電装品ユニット6、第2電装品ユニット7および第3電装品ユニット8の3面が、それぞれほぼ直角に交わるように組み立てられることで、図4に示す電装品ユニット5内の内部に直方体状の空間が形成される。
【0042】
この空間が配管収容部45となり、図3および図6に示す機械室MRに配置される冷媒回路部品4の一部、具体的には、膨張弁44と、アキュムレータ40および冷媒配管43の上部を収容することが可能となる。これにより、筐体11の高さを低く形成することができ、コンパクトな室外機1となる。
【0043】
図9に示すように、電装品ユニット5の骨組は、第1電装品ユニット6の前述した電装部仕切板52と、第2電装品ユニット7の基板固定板71と、第3電装品ユニット8の支持枠81で形成される。
【0044】
図4図8および図10に示すように、第1電装品ユニット6の電装部仕切板52と、第2電装品ユニット7の基板固定板71は、それぞれ両面に電装部品を設けることが可能である。
【0045】
また、図13図14を参照して、第3電装品ユニット8の支持枠81には、トップ基板82を含む基板固定組84が着脱可能に取り付けられ、基板固定組84のトップ基板82に電装部品を設けることができる。これにより、大容量化に伴う大型の基板や電源部品を十分に配置することが可能となる。
【0046】
第3電装品ユニット8の支持枠81は、鋼板で形成され支持枠81の上と下にそれぞれ内側に曲がった補強部817、818を備えた断面がコ字状の枠であり、図9に示すように、電装部仕切板52の前後の上部両端に橋架される。
【0047】
支持枠81は、電装部仕切板52の固定面54の上端にネジ止めされる後アーム部811と、後アーム部811から直角に曲がった右アーム部812と、右アーム部812から直角に曲がり途中の一部が前方に傾斜して上前面フランジ部522の上端にネジ止めされる前アーム部813とを備えている。
【0048】
後アーム部811には、上部仕切板26の差込爪264に対向する位置に差込爪用孔811aを有し、固定具265に対向する位置に背面側に曲がった後取付具814が設けられている。後取付具814の左右2カ所には係合孔811bを有する。
【0049】
また、右アーム部812の前方には、右側に曲がった右取付具815がある。前アーム部813には、前アーム部813の前面から底面に沿って曲がりさらに下方に曲がったクランク状の前取付具816がある。前取付具816の一部はさらに前方に曲がり引掛爪816aとなる。
【0050】
図7を併せて参照して、前述した支柱55は、電装部仕切板52の下端から支持枠81の下までの高さを有し、支柱55の前面側には、上下2箇所にヒンジ用スリット551を備える。このヒンジ用スリット551は、左側の上端部に上方に長い溝552を備え、右側の下端部に下方に長い溝553を備える。
【0051】
基板固定板71は、鋼板で形成され、筐体11の前面と平行な取付面710と、取付面710の下部から前方に傾く端子台取付面711と、取付面710と端子台取付面711から左前方に傾斜した傾斜面712を備える。
【0052】
傾斜面712の左端には、前面と平行となるヒンジ面713と、ヒンジ面713の端から支柱55のヒンジ用スリット551に対向する位置にヒンジ片714が上下2箇所に左側に向けて突出するように設けられている。
【0053】
基板固定板71は、ヒンジ面713から傾斜面712にかけて切り欠かれた開口部73を有する。開口部73は、基板固定板71の高さの半分ほどの高さを有し基板固定板71の上下中央の位置に大きく開口されている。
【0054】
傾斜面712には、開口部73の近傍で上下2箇所に孔状のコネクタ中継部74を備える。コネクタ中継部74には、中継コネクタ741が嵌められる。
【0055】
また、基板固定板71の取付面710と端子台取付面711の右端は、後方に曲がりさらに右側に曲がって背面パネル14に固定されるフランジ部716となる。また、取付面710の上端に係止孔715を有する。
【0056】
基板取付板71は、前方から支柱55のヒンジ用スリット551の溝552にヒンジ片714を挿入して取付面710を後方に移動させることにより、ヒンジ片714がヒンジ用スリット551の溝553に嵌合する。これにより、第2電装品ユニット7は第1電装品ユニット6の支柱55に開閉可能に支持される。
【0057】
次に、取付面710の上端にある係止孔715に支持枠81の前取付具816の引掛爪816aを引っ掛けて係止孔715横のネジ孔と前取付具816のネジ孔をネジ止めすることで、電装品ユニット5の骨組が組み立てられる。
【0058】
電装品ユニット5には、後述するヒートシンク631、632、633とインバータ基板611とコンデンサ821等の各種電装部品が取り付けられていることと、電装品ユニット5自体が鋼板で形成されていることにより重量は約15kgにも及ぶ。
【0059】
これを容易に下部仕切板24に載置させるために、まず、図6に示すように、電装品ユニット5を下部仕切板24の高さまで上げる。次に、電装部仕切板52のレールガイド部581とストッパー57の間に、下部仕切板24のレール用受け部251を挟むように位置を合わせてレール用受け部251の上にレール面58を載せる。
【0060】
そして、電装品ユニット5を後方へスライドさせる。そのまま移動させると角部固定板56の折曲片561が第3仕切面243の受け部25に当接して停止する。この時、下部仕切板24のストッパー用延出部251aがレールガイド部581とストッパー57の間で規制され、レール用受け部251の前方を、レールガイド部581と前ガイド部523の間で規制することで電装品ユニット5の左右方向のズレを防ぎ仮固定される。
【0061】
また、電装品ユニット5の移動に伴って、上部仕切板26の差込爪264が支持枠部81の差込爪用孔811aに嵌ることで電装品ユニット5の上端も仮固定される。
【0062】
仮固定された電装品ユニット5は、支持枠81の後取付具814と上部仕切板26の固定具265とをネジ止めする。そして、支持枠81の右取付具815と基板取付板71のフランジ716とを背面パネル14にネジ止めすることにより、電装品ユニット5が機械室MRに固定される。
【0063】
図7図8図10図12に示すように、第1電装品ユニット6には、電装部仕切板52の取付面53に鋼板製の取付台61を介して各電装部品が取り付けられる。この実施形態によると、取付台61の後方(図8において取付台61の右側)にインバータ基板611が配置され、取付台61の前方(図8において取付台61の左側)に2つのファンモータドライブ基板62が上下に並べられており、ファンモータドライブ基板62の上にダイオードブリッジ614が配置されている。いずれも発熱素子を実装した基板や発熱部品である。
【0064】
そこで、これら電装部品を冷却するために、電装部仕切板52と取付台61は、インバータ基板611とファンモータドライブ基板62とダイオードブリッジ614に合わせてそれぞれ取付孔531、616を有し、電装部仕切板52の送風機室FR側には、取付孔531を覆いインバータ基板611とファンモータドライブ基板62とダイオードブリッジ614を冷却するヒートシンク631、632、633がそれぞれ設けられている。
【0065】
ヒートシンク631、632、633は、上下に複数の放熱用フィン63aが並べられ後述する空気K1が横に流れるように通風路632が形成されている。
【0066】
インバータ基板611の上には発熱部品であるリアクタ613を備え、リアクタ613は、前面側と背面側とが開口されてコ字状に折り曲げたダクト651で覆われており、電装部仕切板52と取付台61は、リアクタ613に合わせて通風口532を有する。電装部仕切板52の送風機室FR側には、通風口532を覆い上部に庇が設けられた横長スリット状の複数の通風孔641を有する遮水蓋64が設けられている。
【0067】
電装部仕切板52の取付面53には、固定面54との角部541(電装部仕切板の背面側)からヒートシンク631の一端側との間に空気取込口59を備える。空気取込口59は、プレス加工で背面側に向けて機械室MR側に傾斜した縦長スリッ ト状の複数の通気孔591からなり、この例では横に5列、縦に2段で設けられている。
【0068】
取付台61には、空気取込口59の周囲に機械室MR側に突出して空気取込口59に空気K1を導く通気ガイド部617が設けられている。通気ガイド部617にある開口部は空気流入口615になる。
【0069】
空気取込口59は、送風機室FR側ではヒートシンク631に隣接した位置となり、ヒートシンク631と同じ高さを有する。そして、空気取込口59とヒートシンク631は導風カバー652で囲われる。導風カバー652は、空気取込口59側が傾斜した導風面653を備え、ヒートシンク631の前方に空気出口654を有する。
【0070】
次に、電装品ユニット5内の空気の流れを説明する。送風ファン21により引っ張られ背面パネル14の外気取込口141から流入した空気は機械室MR内を上昇し、電装品ユニット5内の電装部品を冷却して、ダクト651から遮水蓋64に至り通気孔641から送風ファン21に直接向かって送風機室FRに流れる空気K2となる。
【0071】
また、空気の一部である空気K1は、取付台61の空気流入口615に入り、取付台61の突出した通気ガイド部617に沿って空気取込口59から導風カバー652に流入し、導風カバー652の導風面653に沿ってヒートシンク631の通風路63bを通り、ヒートシンク631を冷却して、空気出口654から送風機室FRに至る。
【0072】
熱交換される前の空気を直接ヒートシンク631に流す導風カバー652を設けたことで、ヒートシンク631を搭載した発熱素子を実装した基板や発熱部品を効率的に冷却できる。また、導風カバー652と、機械室MR側に傾斜した縦長スリット状の通気孔591と、空気取込口59の一部を覆う通気ガイド部617により、3重の遮水構造が形成され、送風機FR室からの水の侵入を確実に防ぐことができる。
【0073】
また、電装品ユニット5内の電装部品を冷却して遮水蓋64から送風ファン21に直接向かって送風機室FRに流れる空気K2と、導風カバー652を流れてヒートシンク631を冷却して送風機室FRの前方に流れる空気K1とは流出方向が異なり、互いに影響することがなく効率的に電装品を冷却して放熱効率を高めることができる。
【0074】
第1電装品ユニット6は、前述したように、取付台61の前方(サービスパネル13側寄り)に上下に並べた二つのファンモータドライブ基板62を備える。各ファンモータドライブ基板62には、第1コネクタ621と第2コネクタ622が設けられている。第1コネクタ621は、ファンモータ20を駆動する第1ケーブル46と接続され、第2コネクタ622は、ファンモータ20の信号線である第2ケーブル47が接続される。
【0075】
第1コネクタ621は、ファンモータドライブ基板62の前方(サービスパネル13側寄り)に配置され、図4図12に示すように、第2電装品ユニット7の開口部73から第1コネクタ621が視認される。
【0076】
図3を参照して、ファンモータ20に接続された第1ケーブル46、第2ケーブル47は、下部仕切板24の第1仕切面241にある引出口245から機械室MRに入る。第1ケーブル46の先端にはコネクタ461があり、このコネクタ461を開口部73から直接ファンモータドライブ基板62の第1コネクタ621に差し込むことができる。
【0077】
また、第2コネクタ622は、傾斜面712にあるコネクタ中継部74に設けた中継コネクタ741と接続されており、第2ケーブル47をコネクタ中継部74の中継コネクタ741と接続することで第2コネクタ622と接続できる。
【0078】
これにより、電装品ユニット5の第2電装品ユニット7を開かなくても、第1ケーブル46、第2ケーブル47の接続やメンテナンスが可能となり、作業性が向上する。
【0079】
第3電装品ユニット8は、図13に示すように、トップ基板82が基板固定具83に固定されて図14に示す基板固定組84となり、この基板固定組84が支持枠81に対して下方から取付けられる。
【0080】
トップ基板82は、長方形の板材からなる基板の底面にコンデンサ821や他の電装部品を有する。基板固定具83は樹脂材で形成され、トップ基板82の周囲を囲む長方形の固定枠831を有する。固定枠831は固定枠831の内側下部に縁状に設けた基板支持部832でトップ基板82を支える。
【0081】
さらに、固定枠831は、その右側の長辺の内側上部から3箇所突出した突出片833と、固定枠831の左側の長辺の内側から3箇所と前方の短辺の内側から1箇所に突出した係止爪834を備える。基板支持部832は、突出片833と係止爪834のある部分では切欠かれている。
【0082】
基板支持部832の上面から突出片833と係止爪834の下端までの間隔は、トップ基板82の板体の厚みとほぼ同一である。基板固定具83の下には、コンデンサ821に接しないように固定枠831を補強する梁835が2本設けられている。なお、突出片833を係止爪834としても良い。
【0083】
トップ基板82は、図13に示すように、上方から基板固定具83に挿入し、右側の長辺を基板支持部832と突出片833の間に嵌めた後、トップ基板82を係止爪834の下に位置するように嵌め込むことで固定される。
【0084】
図8を併せて参照して、基板固定具83は、トップ基板82の一方の短辺(背面側)に位置する固定枠831の外側に背面側に突出した係合爪836、836が2つ設けられている。
【0085】
また、図13に示すように、基板固定具83には、トップ基板82の他方の短辺(前面側)に位置する固定枠831の外側に突出した取付片838、838が2つ設けられている。
【0086】
取付片838は、支持枠81と組み立てた時に支持枠81の補強部818の上に載る爪部838aを有する。さらに、取付片838、838の間に、支持枠81と組み立てた時に支持枠81の下に位置するネジ用片837を備える。
【0087】
基板固定組84となった基板固定具83は、支持枠81に対して下方から位置を合わせ背面側に2つある係合爪836を支持枠81の係合孔811bに嵌め込む。係合爪836と係合孔811bは若干の遊びがあり、基板固定具83を後方に少し押して前方の取付片838側を上方に押すと、取付片838の爪部838aが支持枠81の補強部818の上に載る。これで仮固定される。
【0088】
この時、係合爪836と取付片838の爪部838aで支持枠81に支持されているため、落下するおそれはない。最後にネジ用片837と支持枠81のネジ孔を位置合わせして下方からネジ止めすることで基板固定組84が支持枠81に固定される。
【0089】
メンテナンスのために基板固定組84を外す時は、逆にネジをはずして基板固定具83を後方に少し押して前方の取付片838側を下方に引き、取付片838の爪部838aを支持枠81の補強部818から取り外し、最後に係合爪836を係合孔811bから引き抜くことで容易に外すことができる。
【0090】
組み立てられた第3電装品ユニット8は、図4に示すように、絶縁シート85で覆われる。また、基板固定組84は支持枠81の右側に取り付けられることで、電装部仕切板52との間に隙間86が設けられている。
【0091】
この隙間86に、前述した第1電装品ユニット6のダクト651が配置される。このように、基板固定組84とダクト651が並んで配置されることにより、電装品ユニット5の高さをさらに低くすることができ、ひいては筐体11の高さを低くすることができる。
【0092】
以上のように、電装部仕切板53に橋架されるコ字状の支持枠81を備え、支持枠81にトップ基板82と同トップ基板82を支える基板固定具83が一体となった基板固定組84を取り付けることにより、電装部品(コンデンサ821)を筐体11の上部にも設けることが可能となる。
【0093】
また、筐体11の上部に基板固定組84を設けることで、筐体11の高さを低くすることも可能となる。また、基板固定組84は支持枠81の右側に取り付けられることで電装部仕切板52との間に隙間86が設けられる。
【0094】
この隙間86に第1電装品ユニット6のダクト651が配置される。これにより、基板固定組84とダクト651が並んで配置されることで電装品ユニット5の高さをさらに低くすることができ、ひいては筐体11の高さを低くすることができる。さらに、基板固定組84は着脱可能であることから、トップ基板82を下方から取り外すことが可能となり、メンテナンスの作業性が向上する。
【0095】
ところで、上記実施形態において、第1電装品ユニット6は電装部仕切板52に取り付けられているが、図7に示すように、電装部仕切板52は筐体11の側面(図1において右側面)とほぼ平行な平板であり、インバータ基板611は電装部仕切板52のサービスパネル13側の第2電装品ユニット7から見て後端側(奥側)に配置されている。
【0096】
電装品ユニット5のメンテナンス時には、サービスパネル13を外し、第2電装品ユニット7を筐体11の外側(図1の紙面手前側)に向けて開いて電装品ユニット5の内部を点検することになるが、特にインバータ基板611については、電装部仕切板52の後端側の奥まった箇所に配置されていることから、インバータ基板611の視認性が悪く、また、インバータ基板611を例えばネジ回し等の工具を用いて外す場合、その作業性に難がある。
【0097】
そこで、この点を改善するための別の実施形態を図15,16により説明するが、これらの図において、先に説明した実施形態と実質的に同じである構成要素には、それと同じ参照符号を用いている。
【0098】
この別の実施形態では、電装部仕切板52は、サービスパネル13側の第2電装品ユニット7から見て前端側の第1電装部仕切板52aと、後端側の第2電装部仕切板52bとに区画され、前端側の第1電装部仕切板52aに対して後端側の第2電装部仕切板52bが所定の角度で折り曲げられている。図16(b)を参照して、第1電装部仕切板52aに対する第2電装部仕切板52bの折曲げ角θは、第1電装部仕切板52aを含む面を0度の基準面として、その基準面から時計方向回りに測った角度である。
【0099】
すなわち、前端側の第1電装部仕切板52aは筐体11の側面(図1において右側面)とほぼ平行であるが、後端側の第2電装部仕切板52bは筐体11の側面(図1において右側面)側に傾けられ、平面視で第1電装部仕切板52aと第2電装部仕切板52bはくの字状を呈する。
【0100】
インバータ基板611に対する視認性や作業性を良好とするうえで、この例では、第1電装部仕切板52aに対する第2電装部仕切板52bの折曲げ角度θを40度としているが、30~50度の範囲であれば同等の効果が奏される。
【0101】
先の図5を参照して、下部仕切板24は、筐体11の側面に平行な前面側の第1仕切面241と、背面側で筐体11の背面に平行で熱交換器取付板183に固定される第2仕切面242と、第1仕切面241と第2仕切面242の間を傾斜面で繋ぐ第3仕切面243を有していることから、第1電装部仕切板52aを第1仕切面241とほぼ同一面とし、第2電装部仕切板52bを第3仕切面243とほぼ同一面とすることが好ましい。
【0102】
このように、後端側の第2電装部仕切板52bを筐体11の側面(図1において右側面)側に傾けたことにより、第2電装部仕切板52bに配置されているインバータ基板611の視認性がよくなり、また、他の周辺部品に気遣うことなく手を容易に近づけることができる等、作業性よくメンテナンスすることができる。
【0103】
なお、先の実施形態と同じく、第1電装部仕切板52a側にはファンモータドライブ基板62が配置されるが、本発明は、この基板配置に限定されるものではなく、例えば第1電装部仕切板52a側にインバータ基板611が配置され、第2電装部仕切板52b側にファンモータドライブ基板62が配置されてもよい。
【0104】
先にも説明したように、電装品ユニット5には、ヒートシンク631、632、633とインバータ基板611とコンデンサ821等の各種電装部品が取り付けられており、また、電装品ユニット5の骨格が鋼板で形成されていることにより重量は約15kgにも及ぶ。そのため、電装品ユニット5を持ち上げて搬送することは容易ではない。
【0105】
そこで、電装品ユニット5の持ち運びを容易にするため、本発明の好ましい態様として、図15,16に示すように、電装部仕切板52のインバータ基板611等が装着されている側の内面側に把手510を備えている。把手510は、コ字型の握り部511の両端に互いに外側に向くネジ止め片512,512を有する帯板からなる一般的な形状であってよく、また、板金製、合成樹脂製のいずれであってもよい。
【0106】
把手510は、図15において、電装部仕切板52の右上の空いている箇所、この例ではインバータ基板611の斜め右上で空気取込口59の上に配置されている。把手510は、垂直もしくは水平に取り付けられてもよいが、45度程度傾けられていることが好ましい。傾き方向は右上がり(左下がり)、右下がり(左上がり)のいずれでもよい。
【0107】
これによれば、図17に示すように、一方の手で把手510を握り、他方の手でヒートシンク631(図10参照)の下方を支えることにより、重量のある電装品ユニット5を抱えるようにして持ち運ぶことができる。
【0108】
なお、この例において、把手510は、電装部仕切板52のうちの第2電装部仕切板52b側に設けられているが、把手510が取り付けられる電装部仕切板52は、図7に示すように折曲げ部を有しない平板であってもよい。
【0109】
次に、図5を参照して、先の実施形態では、電装品ユニット5を下部仕切板24上に載置するにあたって、電装部仕切板52の下端をレール面58とし、下部仕切板24の第1仕切面241の上端にレール面58に対するレール用受け部251を形成し、電装品ユニット5をレール用受け部251に沿って移動させるようにして下部仕切板24上に載せるようにしているが、レール用受け部251の幅が狭いことから、移動時の安定性に難がある。
【0110】
そこで、この点を解決するための構成として、図18に示すように、下部仕切板24の上端に電装品ユニット5を安定してその固定位置にまで移動することができる受け板270を設ける。
【0111】
先にも説明したように、下部仕切板24は、筐体11の側面に平行な前面側の第1仕切面241と、筐体11の背面に平行で熱交換器取付板183に固定される第2仕切面242と、第1仕切面241と第2仕切面242の間を繋ぐ第3仕切面243を有している。
【0112】
受け板270は、第1仕切面241のほぼ中央部分から第2仕切面242のほぼ中央部分にかけて直線的に延びる辺を斜辺として、第1仕切面241、第3仕切面243および第2仕切面242の上端に被せられる三角形状であり、その斜辺には上方に折り曲げられて立設された第1フランジ271が形成されている。
【0113】
ここでの実施形態において、電装品ユニット5は、先の図15で説明したように、電装部仕切板52が前端側の第1電装部仕切板52aと後端側の第2電装部仕切板52bとに区画され、第1電装部仕切板52aに対して第2電装部仕切板52bが所定角度でくの字状折り曲げられており、このうちの第2電装部仕切板52bの下端には送風機室FR側に折り曲げられて立設された第2フランジ52cが設けられている。
【0114】
これによれば、図19(a)に示すように、電装品ユニット5を持ち上げて第2電装部仕切板52bの後端を受け板270に載せ、第1フランジ271に沿わせながら矢印A方向に移動させることにより、電装品ユニット5を図19(b)に示す固定位置にまで安定して案内することができる。
【0115】
上記したように、第2電装品ユニット7は第1電装品ユニット6の支柱55に開閉可能に支持されており、サービスパネル13とほぼ平行な閉じられた状態から筐体11の外側(図1の紙面手前側)に例えば90゜位まで開くことができる。
【0116】
再び図16を参照して、第1電装品ユニット6と第2電装品ユニット7の間には所定の電気配線W(この例においては三相の電源線)が架け渡される。空調能力の向上に伴って圧縮機等の駆動電流値も増えることから、電源線Wにも径の太い配線が用いられる。配線が太くなると引き回しが困難となり、第2電装品ユニット7の開閉にも支障が生ずる。
【0117】
そこで、電源線Wを第2電装品ユニット7を最大に開いたときに要する長さ以上の十分な長さとし、第2電装品ユニット7の基板固定板71の上部に電源線Wの余剰長さ分を収納する配線収納部75を設ける。
【0118】
図20を併せて参照して、配線収納部75は、ほぼ箱状の形状としてサービスパネル13側に突出するように形成されている。配線収納部75は、基板固定板71と一体に形成されてもよいし、別体として形成されネジ止めや溶接等により基板固定板71に後付けされてもよい。
【0119】
好ましくは、図16に示すように、配線収納部75内に配線掛け具752を設け、電源線Wの余剰長さ分を輪状にして配線掛け具752に複数回通して保持させるとよい。なお、この例では、配線掛け具752を環状体としているが、鉤型(フック型)の掛け具を用いることもできる。
【0120】
これによれば、配線径が太い電源線Wであっても第1電装品ユニット6と第2電装品ユニット7の間にコンパクトに容易に引き回すことができる。電気配線Wは信号線であってもよく、電源線に限られない。
【0121】
次に、図20図21により、第2電装品ユニット7の改善された放熱経路について説明する。なお、図20図21は、電装品ユニット5をサービスパネル13側の下方か見た斜視図である。
【0122】
第2電装品ユニット7の基板固定板71の両面には、空調制御用の多くの部品が実装され、その中に含まれている発熱部品が基板固定板71の前面(サービスパネル13側の面)側に配置されている場合、背面パネル14の外気取込口141(図1参照)から電装品ユニット5内に取り込まれる空気の一部を基板固定板71の前面側にも流れやすくして発熱部品をより効果的に冷却する必要がある。
【0123】
先にも説明したように、第1電装品ユニット6の電装部仕切板52(第2電装部仕切板52b)の上部には、リアクタ613の冷却風を送風機室FR側に排出する通気口532が形成されている。
【0124】
この通気口532を第1通気口として、第2電装品ユニット7の基板固定板71の上部に、基板固定板71の前面側の空気の通りをよくするための第2通気口を設ける。第2通気口は、基板固定板71に開けられた単なる開口であってもよいが、この実施形態では、上記配線収納部75の底部に第2通気口751を設けている。
【0125】
これにより、図21の矢印Bで示すように、基板固定板71の前面から第2通気口751を通って第1通気口532に向かう冷却風の流れをよくする放熱経路が形成され、基板固定板71の前面側に設けられている発熱部品をより効果的に冷却することができる。
【0126】
また、第2電装品ユニット7を電装品ユニット5に組み込む際、第2電装品ユニット7のヒンジ片714を第1電装品ユニット6の支柱55に設けられているヒンジ用スリット551に係合することになるが、その際、第2通気口751を第2電装品ユニット7の持ち運び用の手掛け部として利用することができる。
【符号の説明】
【0127】
1:室外機、11:筺体、12:配管カバー、13:サービスパネル、14:背面パネル、141:外気取込口、15:底板、16:天板、18:熱交換器、
20:モータ、21:送風ファン、24:下部仕切板、25:受け部、351:レール受け部、251a:ストッパー用延出部、26:上部仕切板、264:差込爪、270:受け板、271:第1フランジ、
30:前面パネル
4:冷媒回路部品、40:アキュムレータ、43:冷媒配管、45:配管収容部、46:第1ケーブル、47:第2ケーブル、
5:電装品ユニット、510:把手、52:電装部仕切板、53:取付面、54:固定面、541:角部、55:支柱、551:ヒンジ用スリット、56:角部固定板、57:ストッパー、58:レール面、581:レールガイド部、59:空気取込口、591:通気孔、
6:第1電装品ユニット、61:取付台、611:インバータ基板、62:ファンモタドライブ基板、621:第1コネクタ、622:第2コネクタ、631:ヒートシンク、 64:遮水蓋、651:ダクト、652:導風カバー、
7:第2電装品ユニット、71:基板固定板、73:開口部、74:コネクタ中継部、 741:中継コネクタ、75:配線収納部、
8:第3電装品ユニット、81:支持枠、82:トップ基板、83:基板固定具、84:基板固定組、85:絶縁シート、86:隙間
MR:機械室、FR:送風機室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21