(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-19
(45)【発行日】2022-04-27
(54)【発明の名称】資産管理装置及び資産管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220420BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2018119137
(22)【出願日】2018-06-22
【審査請求日】2021-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】514079354
【氏名又は名称】株式会社クロスビート
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】篠田 仁太郎
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-006975(JP,A)
【文献】国際公開第2017/150472(WO,A1)
【文献】篠田仁太郎,仮想環境とクラウドID、IT資産管理で「絶対に外せない」要点とは?,[online],2018年05月15日,[令和4年1月21日検索], インターネット<URL:https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/1802/16/news004.html>
【文献】篠田仁太郎,ソフトウェア資産管理システム、信じられないような「本当の話」~失敗しない製品選定・導入のツボ~,[online],2017年06月26日,[令和4年1月21日検索], インターネット<URL:https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/1706/13/news102_4.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードウェア、前記ハードウェアにインストールされるソフトウェア、及び前記ソフトウェアに関連付けられるライセンスを含む資産に関する情報である資産情報を管理する資産管理装置であって、
管理対象である前記ハードウェアを識別するためのハードウェア資産IDに関連付けて、前記ハードウェアに関する情報を格納するハードウェア管理台帳データベースと、
管理対象である前記ソフトウェアを識別するためのソフトウェア資産IDに関連付けて、少なくともインストール自動承認の可否を含む前記ソフトウェアに関する情報を格納するソフトウェア管理台帳データベースと、
管理対象である前記ライセンスを識別するためのライセンス管理IDに関連付けて、少なくとも当該ライセンスに対応するソフトウェアの情報を含む前記ライセンスに関する情報を格納するライセンス管理台帳データベースと、
前記ハードウェアに対する前記ソフトウェアのインストールの承認を自動的に承認するインストール自動承認処理を行うインストール処理部と、
管理対象であるハードウェアと通信する送受信部と
を備え、
前記インストール処理部は、前記インストール自動承認処理において、前記ハードウェアからの照会に応じて手動の承認処理が不要なソフトウェアを集約した自動承認可能リストを取得して前記ハードウェアに提供し、前記ハードウェアにおいてユーザが前記自動承認可能リストから選択したソフトウェアのインストールを自動的に承認するとともに、承認を要することなく前記ハードウェアにインストールするとともに、当該インストールに伴い変更される情報について、ソフトウェア管理台帳データベース及びライセンス管理台帳データベースを更新
し、
前記自動承認可能リストは、余剰のライセンスがあるもの及びライセンスの紐づけを必要としないものを集約したリストである
ことを特徴とする資産管理装置。
【請求項2】
コンピュータを、請求項
1に記載の資産管理装置として機能させることを特徴とする資産管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードウェアやソフトウェアについての資産情報を管理する資産管理装置、資産管理方法及び資産管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の企業は、サーバ装置やサーバ装置を利用するクライアント端末をはじめとするハードウェアや、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションをはじめとするソフトウェアなどの多数のIT資産を保有しており、その管理が共通の課題となっている。IT資産管理システムは、このようなIT資産を適切に管理し、コンプライアンスの徹底、IT投資の最適化などを図ることを目的としたシステムである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
IT資産管理システムは、具体的には例えば、組織内のネットワーク上のハードウェアの仕様や設定及びソフトウェアのインストール情報などの現況情報を収集する現況情報収集機能、ハードウェアやソフトウェア及び保有ライセンスのあるべき状態を管理する機能、現況情報収集機能により収集した情報とあるべき状態とを照合して両者の間の齟齬を特定する機能、ソフトウェア毎に利用可能なユーザを制限する機能、及びソフトウェアやパッチを配布する機能などを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなIT資産管理システムでは、ハードウェアにインストールされているソフトウェアとそのライセンスとを適切に把握・管理する必要がある。このため、ユーザが自由にソフトウェアをインストールすることは認められず、ハードウェアに新たにソフトウェアをインストールするには、ソフトウェアをインストールすることについて申請と承認のプロセスを経ることが必要となる。しかしながら、このような申請・承認プロセスが要求されることにより、すぐにソフトウェアをインストールすることができない、承認権限者に承認のための煩雑な作業が必要となるといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、改善された資産管理装置及び資産管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る資産管理装置は、ハードウェア、ハードウェアにインストールされるソフトウェア、及びソフトウェアに関連付けられるライセンスを含む資産に関する情報である資産情報を管理する資産管理装置である。この資産管理装置は、管理対象であるハードウェアを識別するためのハードウェア資産IDに関連付けて、ハードウェアに関する情報を格納するハードウェア管理台帳データベースと、管理対象であるソフトウェアを識別するためのソフトウェア資産IDに関連付けて、少なくともインストール自動承認の可否を含むソフトウェアに関する情報を格納するソフトウェア管理台帳データベースと、管理対象であるライセンスを識別するためのライセンス管理IDに関連付けて、少なくとも当該ライセンスに対応するソフトウェアの情報を含むライセンスに関する情報を格納するライセンス管理台帳データベースと、ハードウェアに対するソフトウェアのインストールの承認を自動的に承認するインストール自動承認処理を行うインストール処理部と、管理対象であるハードウェアと通信する送受信部とを備える。そして、インストール処理部は、インストール自動承認処理において、ハードウェアからの照会に応じて手動の承認処理が不要なソフトウェアを集約した自動承認可能リストを取得してハードウェアに提供し、ハードウェアにおいてユーザが自動承認可能リストから選択したソフトウェアのインストールを自動的に承認するとともに、承認を要することなくハードウェアにインストールするとともに、当該インストールに伴い変更される情報について、ソフトウェア管理台帳データベース及びライセンス管理台帳データベースを更新する。
【0008】
本発明では、インストール処理部は、自動承認可能リストとして、余剰のライセンスがあるもの及びライセンスの紐づけを必要としないものを集約したリストを取得するとよい。
【0009】
或いは、インストール処理部は、自動承認可能リストとして、余剰のライセンスがあるもの及びライセンスの紐づけを必要としないものを集約したリストを取得してもよい。
【0010】
本発明に係る資産管理プログラムは、コンピュータを、上記何れかの資産管理装置として機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】本発明の資産管理装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】第1格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【
図4】第2格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【
図5】インストール自動承認処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】変形例におけるインストール自動承認処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る資産管理装置20が適用される資産管理システム1を説明する。
図1に示すように、実施形態に係る資産管理システム1は、複数のハードウェア10と、これらハードウェア10とLAN等のネットワーク30により接続された資産管理装置20とを備えている。なお、ネットワーク30は、無線、有線を問わない。また、ネットワーク30は、社内LANのみならず公衆回線を利用するものであってもよい。
【0013】
資産管理装置20は、ネットワーク30により接続されたハードウェア10のハードウェア資産、ソフトウェア資産、及びソフトウェア資産に関連付けられるライセンス等の資産情報管理するための管理装置である。
図2に示すように、資産管理装置20は、記憶部201と、インストール処理部202と、更新処理部203と、送受信部204とを備える。なお、資産管理装置20は、CPU(Central Processing Unit)、HDD(Hard Disk Drive)、メモリ等の記憶装置、ネットワーク30を介した外部との通信を実現する通信装置等を備えるサーバコンピュータとして構成される。
図2に示す資産管理装置20の機能は、HDD等の記憶装置に記憶されている資産管理プログラムをメモリが読み込み、CPUが処理することにより実現される。
【0014】
記憶部201は、第1格納部212、及び第2格納部213を含んでいる。
図3は、第1格納部212に格納されているデータの一例を示す図である。第1格納部212には、ハードウェア10のインベントリ情報が第1の管理情報としてハードウェア10ごとに格納されている。インベントリ情報とは、ハードウェア10のハードウェア構成情報(CPUクロック数、空きハードディスク容量など)と利用者情報(利用者名、所属など)、インストールされているソフトウェア情報(OS、アプリケーションプログラムなど)等の現況に関する情報を含んでいる。
【0015】
図3に示すように、第1格納部212は、ハードウェアインベントリ情報データベース(DB)と、ソフトウェアインベントリ情報データベース(DB)を有している。ハードウェアインベントリ情報DBには、例えば、ハードウェア10を識別するためのハードウェア資産ID、製品名、仕様、利用者、ハードウェア10が利用しているソフトウェア情報、取得日付等の情報が格納されている。
また、ソフトウェアインベントリ情報DBには、ソフトウェアを識別するためのソフトウェア資産IDに関連付けてインストールされているソフトウェア(OS、アプリケーションプログラムなど)のソフトウェア名、バージョン、ライセンス等の情報が格納されている。
【0016】
第1格納部212に格納されるインベントリ情報は、定期的に自動的に収集・更新される。また、管理者の操作に基づいて定期的な収集・更新とは異なる任意のタイミングでインベントリ情報を収集・更新できるように構成される。
【0017】
図4は、第2格納部213に格納されているデータの一例を示す図である。第2格納部213に格納される第2の管理情報には、第1格納部212に格納されるインベントリ情報とは別に各資産のあるべき状態が登録・管理されており、
図4に示すように、ハードウェア管理台帳データベース(DB)、ソフトウェア管理台帳データベース(DB)、ライセンス管理台帳データベース(DB)等を有している。これらの各台帳データベースは、基本的に管理者や利用者等による新規作成や更新を申請する操作と、申請に対する承認権限者による承認操作を経て更新される。
【0018】
ハードウェア管理台帳DBは、例えば、ハードウェア10を識別するためのハードウェア資産IDに関連付けて、製品名、仕様、管理部署、管理者、利用部署、利用者、取得日付等の情報を格納する。また、ハードウェア管理台帳DBは、ハードウェア資産IDに関連付けて、当該ハードウェアのユーザが組織内で他部署に異動した場合等における処理方法を規定する移動区分情報を格納する。移動区分情報は、例えば、利用者と移動する/利用者と移動しない等の複数の選択肢から何れかを選択する形式とするとよい。
【0019】
ソフトウェア管理台帳DBは、ソフトウェアを識別するためのソフトウェア資産IDに関連付けて、インストールされているソフトウェア(OS、アプリケーションプログラムなど)のソフトウェア名、バージョン、当該ソフトウェアがインストールされているハードウェアのハードウェア資産ID、当該ソフトウェアに関連付けられているライセンスのライセンス管理ID、管理部署、管理者、利用者等の情報、インストール自動承認の可否、ライセンス紐づけの要否、等の各種情報を格納する。なお、ソフトウェア管理台帳DBに登録されているすべてのソフトウェアについてインストール自動承認を認める場合には、インストール自動承認の可否をソフトウェアごとに紐づけて格納しなくてもよい。
【0020】
また、ライセンス管理台帳DBは、ライセンスを識別するためのライセンス管理IDに関連付けて、当該ライセンスに対応するソフトウェアの名称、バージョン等の各種仕様、ライセンスの条件に関する情報(例えば、ライセンス数、ライセンス期間、フルライセンスかアップグレードライセンスか等の区分)、管理部署、管理者等が格納する。なお、使われていないライセンスについては、ソフトウェアが関連付けられない。
【0021】
資産管理装置20は、当該資産管理装置20における各種の動作条件(例えば、メール通知の送信要否、メールサーバの設定、通知ルール、インベントリ情報の更新周期等)の各種設定をコンフィグレーションデータとして保持する。
【0022】
インストール処理部202は、各ハードウェアに対する新たなソフトウェアのインストールに関する処理を行う。具体的には、インストール処理部202は、手動の承認処理が不要なソフトウェアについての情報の集約、新たなソフトウェアをインストールすることをユーザが希望したときに必要な承認・申請等の処理等を行う。
【0023】
インストール処理部202は、手動の承認処理が不要なソフトウェアについて、ソフトウェア名、バージョン、ライセンス紐づけの要否、ライセンス紐づけを必要とするものについて余剰のライセンス数等の情報を、ソフトウェア管理台帳DB及びライセンス管理台帳DBから収集する。そして、インストール処理部202は、手動の承認処理が不要なソフトウェアのうち、余剰のライセンスがあるもの及びライセンスの紐づけを必要としないものを集約したリスト(すなわち、余剰のライセンスがないものを含まないリスト)を、自動承認可能リストとして保持する。この自動承認可能リストを更新するタイミングは任意であり、定期的に実行してもよいし、新たなソフトウェアをインストールするための処理を行う際に併せて実行してもよい。
また、インストール処理部202は、新たなソフトウェアをインストールすることをユーザが希望したときに、後述するインストール自動承認処理を実行する。
【0024】
更新処理部203は、各台帳データベースの更新に関する処理を行う。具体的には、更新処理部203は、第1格納部212及び第2格納部213に各々格納された情報の一致・不一致を項目別に判定する。そして、情報が一致しない項目の情報(差分情報)をハードウェア10毎に抽出する。より具体的には、更新処理部203は、第1格納部212及び第2格納部213に各々格納された情報のうち、ソフトウェア情報に関する項目について一致・不一致を項目別に判定し、情報が一致しない項目の情報(差分情報)をハードウェア10毎に抽出する。なお、情報が一致しない項目に対し適宜フィルタをかけて、一致しないことが問題とならない項目を除外して差分情報としてもよい。
【0025】
送受信部204は、ネットワーク30で接続されたハードウェア10と通信してインベントリ情報を受信する。受信したインベントリ情報は、第1格納部212に格納される。また、送受信部204は、第2格納部213に含まれる各台帳データベースへのデータ新規作成や更新の申請、及びこれらに対する承認の操作を受け付ける。承認された申請内容については第2格納部213の各台帳データベースに反映される。
【0026】
さらに、送受信部204(送信部)は、更新処理部203で抽出された差分情報に基づき、情報の不一致の是正を促すべく、ハードウェア10別にアラートを送信する。
【0027】
続いて、以上のように構成される資産管理装置20において、インストール処理部202が実行するインストール自動承認処理について説明する。
図5は、インストール自動承認処理の手順を示すフローチャートである。
【0028】
インストール自動承認処理は、利用者が利用しているハードウェア10に新たなソフトウェアをインストールすることを希望し、ハードウェア10に対して所定の操作(コマンドの入力、メニューボタンやアイコンのクリック等)を行うことにより開始される。
【0029】
インストール自動承認処理が開始されると、ハードウェア10は資産管理装置20のインストール処理部202に、自動承認可能リストを照会する(ステップS100)。これを受けて、インストール処理部202は、ハードウェア10に自動承認可能リストを提供し(ステップS110)、ハードウェア10は自らのディスプレイに自動承認可能リストを表示する。自動承認可能リストに利用者がインストールしたいソフトウェアがない場合(ステップS120;No)、利用者がインストール自動承認処理を終了する旨の所定の操作(例えばコマンドの入力、メニューボタンやアイコンのクリック等)を行うことでインストール処理部202はインストール自動承認処理を終了する。この場合、利用者は、手動の申請・承認の手続きを経て希望のソフトウェアをインストールすることになる。
【0030】
一方、自動承認可能リストに利用者がインストールしたいソフトウェアがある場合には(ステップS120;Yes)、利用者は表示されたリストから希望のソフトウェアを選択する(ステップS130)。利用者による選択に応じて、インストール処理部202は、ハードウェア10に対する当該選択されたソフトウェアのインストールを自動的に承認するとともに、このインストールに伴い変更される情報について、ソフトウェア管理台帳DB及びライセンス管理台帳DB等を更新して(ステップS140)、インストール自動承認処理を終了する。このときインストール処理部202は、自動承認可能リストについても更新するとよい。
【0031】
以上のようにして、資産管理装置20は、自動承認が認められたソフトウェアのうち必要なライセンスが担保されたものについて、手動の承認を必要とすることなく利用者の希望に応じてインストールすることを可能とする。その結果、ソフトウェアを迅速にインストールすることが可能となるとともに、煩雑な申請・承認プロセスを削減することができ業務の効率を図ることができる。
【0032】
〔実施形態の変形例〕
上記の実施形態では、インストール処理部202が、手動の承認処理が不要なソフトウェアのうち、余剰のライセンスがあるもの及びライセンスの紐づけを必要としないものを集約したリストを、自動承認可能リストとして保持し、この自動承認可能リストに登録されているもののみが利用者に選択できるように構成された。すなわち、手動の承認処理が不要なソフトウェアであっても余剰のライセンスがない場合には、利用者はこれを選択することができず、別途申請をする必要が生じる。このような不足ライセンスの申請を容易にするために、以下で
図6に示すフローチャートを参照して説明する変形例のように構成してもよい。
【0033】
すなわち、変形例におけるインストール処理部202は、手動の承認処理が不要なすべてのソフトウェアを集約したリストを、自動承認可能リストとして保持する。利用者がハードウェア10に対して所定の操作(コマンドの入力、メニューボタンやアイコンのクリック等)を行うことによりインストール自動承認処理が開始されると、ハードウェア10は資産管理装置20のインストール処理部202に、自動承認可能リストを照会する(ステップS200)。これを受けて、インストール処理部202は、ハードウェア10に自動承認可能リストを提供し(ステップS210)、ハードウェア10は自らのディスプレイに自動承認可能リストを表示する。自動承認可能リストに利用者がインストールしたいソフトウェアがない場合(ステップS220;No)、利用者がインストール自動承認処理を終了する旨の所定の操作(例えばコマンドの入力、メニューボタンやアイコンのクリック等)を行うことでインストール処理部202はインストール自動承認処理を終了する。この場合、利用者は、手動の申請・承認の手続きを経て希望のソフトウェアをインストールすることになる。
【0034】
一方、自動承認可能リストに利用者がインストールしたいソフトウェアがある場合には(ステップS220;Yes)、利用者は表示されたリストから希望のソフトウェアを選択する(ステップS230)。利用者による選択に応じて、インストール処理部202は、ハードウェア10に対する当該選択されたソフトウェアについて、余剰ライセンスの有無(及びライセンス紐付けの要否)をライセンス管理台帳DBに照会する(ステップS240)。そして、余剰のライセンスがある場合及びライセンスの紐づけが不要である場合には(ステップS240;Yes)、インストール処理部202は、選択されたソフトウェアのインストールを自動的に承認するとともに、このインストールに伴い変更される情報について、ソフトウェア管理台帳DB及びライセンス管理台帳DB等を更新する(ステップS250)する。このとき、当該ソフトウェアがいつインストールされたのかについての履歴を記録し、当該ソフトウェアが自動インストールされた際の利用者並びに利用者の所属部署も記録するようにする。そして、インストール処理部202は、インストール自動承認処理を終了する。
【0035】
一方、余剰のライセンスがない場合には(ステップS240;No)、追加のライセンスを申請するための申請画面をハードウェア10に表示させ、利用者がスムーズに申請を行うことができるよう促し(ステップS260)、インストール自動承認処理を終了する。
【0036】
以上のようにして、資産管理装置20は、自動承認が認められたソフトウェアのうち必要なライセンスが担保されたものについて、手動の承認を必要とすることなく利用者の希望に応じてインストールすることを可能とする。その結果、ソフトウェアを迅速にインストールすることが可能となるとともに、煩雑な申請・承認プロセスを削減することができ業務の効率を図ることができる。また、余剰のライセンスがない場合には、利用者がスムーズに不足しているライセンスを申請することを容易にすることができる。
【0037】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。また、上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0038】
10 ハードウェア
20 資産管理装置
30 ネットワーク