(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-19
(45)【発行日】2022-04-27
(54)【発明の名称】自動移動システム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/52 20060101AFI20220420BHJP
【FI】
B65G47/52 B
(21)【出願番号】P 2017210255
(22)【出願日】2017-10-31
【審査請求日】2020-10-30
(31)【優先権主張番号】P 2016214603
(32)【優先日】2016-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】清野 智昭
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-140445(JP,A)
【文献】特開平02-043129(JP,A)
【文献】特開2010-189134(JP,A)
【文献】実開平03-007104(JP,U)
【文献】特開2000-211738(JP,A)
【文献】特開2003-165618(JP,A)
【文献】特開昭52-097884(JP,A)
【文献】特開2010-202342(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/34-47/52
B65G 21/00
B65G 65/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の容器に収容された物品を搬送する第1の搬送ラインと、
前記第1の容器から取出された前記物品を収容する第2の容器を搬送する第2の搬送ラインと、
前記第1の搬送ラインの所定位置に備えられる物品取出装置であって、前記第1の搬送ラインにある前記第1の容器を保持する取出機構と、前記取出機構を旋回させる旋回機構とを備える物品取出装置と
を具備
し、
前記第2の搬送ライン側の所定位置に物品投入装置をさらに備え、
前記物品投入装置は、前記第2の搬送ライン上にある前記第2の容器への物品の投入位置に合せて上下移動する機構を備えた
ことを特徴とする自動移動システム。
【請求項2】
前記取出機構は、前記第1の容器を固定支持する固定部と前記収納された物品を支持する蓋部とを備え、前記蓋部は前記旋回機構により旋回した後に前記物品を前記第2の搬送ライン側へ移動させる傾斜を形成するものであることを特徴とする請求項1記載の自動移動システム。
【請求項3】
前記固定部と前記蓋部とは夫々独立して回転することを特徴とする請求項2記載の自動移動システム。
【請求項4】
前記取出機構は、前記第1の容器を固定支持する固定部と前記第1の容器に収容された物品を支持する回転可能なコンベヤ部とを備え、前記取出機構が前記旋回機構により旋回した後に前記コンベヤ部は回転し前記物品を前記第2の搬送ライン側へ移動させることを特徴とする請求項1記載の自動移動システム。
【請求項5】
前記取出機構は、前記第1の容器を固定支持する固定部と前記第1の容器に収容された物品を覆う開閉可能な蓋部とを備え、前記取出機構が前記旋回機構により旋回した後に前記第2の搬送ライン上にある前記第2の容器の投入位置にて前記蓋部を開状態とすることを特徴とする請求項1記載の自動移動システム。
【請求項6】
前記取出機構に対応して前記第2の搬送ライン上にある前記第2の容器を上下に移動させる移動機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1
項記載の自動移動システム。
【請求項7】
前記物品投入装置は、前記物品取出装置から取出された物品を受取る回転可能な底板部を有し、前記物品を受取り後に前記底板が回転し前記第2の搬送ライン上の前記第2の容器に前記物品を投入することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1
項記載の自動移動システム。
【請求項8】
前記物品投入装置は、前記物品取出装置から取出された物品を受取る開閉可能な底板部を有し、前記物品を受取り後に前記底板部を開き前記第2の搬送ライン上の前記第2の容器に前記物品を投入することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1
項記載の自動移動システム。
【請求項9】
前記上下移動する機構は、前記第1の搬送ラインから前記第2の搬送ライン側への物品の移動中に前記物品の物品情報を取得することで前記物品の投入する位置を調節するものであることを特徴とする請求項
1乃至請求項8のいずれか1項記載の自動移動システム。
【請求項10】
前記第1の搬送ライン上にある複数の前記第1の容器に収容された物品から選択された複数の前記物品を前記第2の搬送ライン上にある一つの前記第2の容器に順次投入することを特徴とする請求項1乃至請求項
9のいずれか1
項記載の自動移動システム。
【請求項11】
前記第1の搬送ラインと前記第2の搬送ラインとの間に物品を搬送移動する移動ラインを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項
10のいずれか1
項記載の自動移動システム。
【請求項12】
前記物品取出装置が前記第1の搬送ラインに複数設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項
11のいずれか1
項記載の自動移動システム。
【請求項13】
前記物品投入装置が前記物品取出装置に対応して複数設けられたことを特徴とする請求項
12記載の自動移動システム。
【請求項14】
前記物品取出装置に対応して、物品を搬送移動する複数の移動ラインを前記第1の搬送ラインと前記第2の搬送ラインとの間に備えたことを特徴とする請求項
12または請求項
13記載の自動移動システム。
【請求項15】
前記物品取出装置に前記第2の容器へ物品を投入する投入機構を併せ備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項
14のいずれか1
項記載の自動移動システム。
【請求項16】
前記物品取出装置に設けられた前記取出機構と前記投入機構とは共通の開閉機構を備えることを特徴とする請求項
15記載の自動移動システム。
【請求項17】
複数の前記物品取出装置および/または前記物品投入装置は、並行して動作することを特徴とする請求項
12乃至請求項
16のいずれか1
項記載の自動移動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の搬送ラインとなる入ラインと出ラインとの間で物品を自動的に移動する自動移動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品および物品を収容する容器(以下、物品等ともいう)を格納する倉庫を用い、物品等を入庫し、保管し、適宜出庫する等、物流システムが知られている。
【0003】
例えば、各種、さまざまな物品を倉庫に保管しておき、顧客の希望により、指定されたオーダに基づき物品を取出し、まとめてコンテナ(箱)に収容して出荷等が行われている。出荷に際しては、倉庫に保管された物品等を取出し、搬送ラインを介して出荷ラインへ物品を載せ換えが必要となる。このライン間の物品の移動には、基本的には人手(作業者)を介して行われていた。
【0004】
一方、バケットの中身を払出すものとしては、例えば、特許文献1には製品を取出した後の空段ボール箱を収納したバケットから払出すバケット反転機が提案されている。
【0005】
また、選別、仕分け装置としては、搬送されてくる青果物等を載せたトレイを傾倒させ選別する選別装置が特許文献2に、搬送路の台車を傾けてシュートを介して集品容器へ仕分けする設備が特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平9-150943号公報
【文献】特開2010-158645号公報
【文献】特開2014-148405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に物品を収納した収容箱から、移し替え等の移動の対象となる物品の種類は多種、多様となり、それに伴い人手による選別作業も複雑で労力を必要とするものである。これに換えて特許文献2や特許文献3に見られるように、トレイ等から物品を取り取出す装置としてトレイ等自体を傾斜させ、移動させることも考えられるが、トレイ等を直接傾斜させるとともに、独立したシュートを用意して移動させるものであり、また、収納される対象物により転倒防止等の仕組みも必要とし、設備を複雑にする。
【0008】
また、特許文献1に見られるように、バケットを反転させて中身を取出すものとして空段ボール箱であれば反転に際して問題無いとしても、青果物に限らず、一般に取扱う日用品、梱包製品等、物品において破損や損傷(キズ)を生じかねない。
【0009】
かかる問題を解決するために、本発明は、搬送ライン間において、第1の搬送ライン(入ライン)上に搬送されてくる容器から物品を、第2の搬送ライン(出ライン、出荷ライン等)の所定の容器へ自動的に投入(移し替え)をすることができる自動移動システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は、第1の容器に収容された物品を搬送する第1の搬送ラインと、前記第1の容器から取出された前記物品を収容する第2の容器を搬送する第2の搬送ラインと、前記第1の搬送ラインの所定位置に備えられる物品取出装置であって、前記第1の搬送ラインにある前記第1の容器を保持する取出機構と、前記取出機構を旋回させる旋回機構とを備える物品取出装置とを具備することを特徴とする自動移動システムを提供するものである。すなわち、前記第1の搬送ラインの所定位置に配設された物品取出装置が、前記第1の搬送ラインにある前記第1の容器から前記物品を取出す取出機構と前記取出機構を旋回する旋回機構を有するため、前記旋回機構により前記取出機構が旋回し前記物品を前記第2の搬送ライン側に載せ換えることを実現するものである。
【0011】
また、本発明は、前記取出機構は、前記第1の容器を固定支持する固定部と前記収納された物品を支持する蓋部とを備え、前記蓋部は前記旋回機構により旋回した後に前記物品を前記第2の搬送ライン側へ移動させる傾斜を形成するものであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記固定部と前記蓋部とは夫々独立して回転することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記取出機構は、前記第1の容器を固定支持する固定部と前記第1の容器に収容された物品を支持する回転可能なコンベヤ部とを備え、前記取出機構が前記旋回機構により旋回した後に前記コンベヤ部は回転し前記物品を前記第2の搬送ライン側へ移動させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記取出機構は、前記第1の容器を固定支持する固定部と前記第1の容器に収容された物品を覆う開閉可能な蓋部とを備え、前記取出機構が前記旋回機構により旋回した後に前記第2の搬送ライン上にある前記第2の容器の投入位置にて前記蓋部を開状態とする。
【0015】
また、本発明は、前記取出機構に対応して前記第2の搬送ライン上にある前記第2の容器を上下に移動させる移動機構をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記第2の搬送ライン側の所定位置に物品投入装置をさらに備え、前記物品投入装置は、前記物品取出装置から取出された物品を受取る回転可能な底板部を有し、前記物品を受取り後に前記底板が回転し前記第2の搬送ライン上の前記第2の容器に前記物品を投入することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記第2の搬送ライン側の所定位置に物品投入装置をさらに備え、前記物品投入装置は、前記物品取出装置から取出された物品を受取る開閉可能な底板部を有し、前記物品を受取り後に前記底板部を開き前記第2の搬送ライン上の前記第2の容器に前記物品を投入する。
【0018】
また、本発明は、前記物品投入装置は、前記第2の搬送ライン上にある前記第2の容器への物品の投入位置に合せて上下移動する機構を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記上下移動する機構は、前記第1の搬送ラインから前記第2の搬送ライン側への物品の移動中に前記物品の物品情報を取得することで前記物品の投入する高さ位置を調節するものであることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記第1の搬送ライン上にある複数の前記第1の容器に収容された物品から選択された複数の前記物品を前記第2の搬送ライン上にある一つの前記第2の容器に順次投入することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記第1の搬送ラインと前記第2の搬送ラインとの間に物品を搬送移動する移動ラインを備えたことを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記物品取出装置を前記第1の搬送ラインに複数設けたことを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、前記物品投入装置を前記物品取出装置に対応して複数設けたことを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、前記物品取出装置に対応して、物品を搬送移動する複数の移動ラインを前記第1の搬送ラインと前記第2の搬送ラインとの間に備えたことを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、前記物品取出装置に前記第2の容器へ物品を投入する投入機構を併せ備えたことを特徴とする。
【0026】
また、本発明は、前記物品取出装置に設けられた前記取出機構と前記投入機構とは共通の開閉機構を備えて構成されることを特徴とする。
【0027】
また、本発明は、複数の前記物品取出装置および/または前記物品投入装置は、並行して動作することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、任意に選択された容器(トレイ、収納箱等でよい)から物品を自動的に取出すことができる。また、本発明によれば、搬送ライン間での物品の移動を自動化でき、システムとしての効率化が図れる。また、並行処理や選別処理等を人手をかけずに可能とできる。
【0029】
さらには、本発明によれば、物品を搬送する搬送ライン間で、物品を選択して移し換えや、載せ換えしオーダ単位で物品をまとめる等の作業を自動化できる。また、この搬送ラインに複数の移動ラインを設けることで、同時並行して、物品の移動を複数箇所にて行うことができ、効率化が図れる。また、並行処理と共に、複数の物品を一つのコンテナ(箱)等にも収納できるので、より効率化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1A】本発明の一実施形態に係る入出搬送ライン間の自動移動システムの全体を斜め上方からみた構成図である。
【
図1B】
図1Aに示す搬送ライン間の自動移動システムの後方からみた構成図である。
【
図2】本発明の入出搬送ラインとして用いられるライン構成の他の例を説明する図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係る入出ライン間の自動移動システムの構成図である。
【
図4】本発明の第3の実施形態に係る入出搬送ライン間の自動移動システムの構成図であり、搬送ライン間を物品取出および/または投入装置により直結した自動移動システムの構成図である。
【
図5】本発明の自動移動システムの入側の搬送ラインに設けられる物取出装置の配置構成の例を説明する図である。
【
図6】
図5において配置される物品取出装置の第1の例を説明する説明図である。
【
図7】
図5において配置される物品取出装置の第2の例を説明する説明図である。
【
図8】
図5において配置される物品取出装置の第3の例を斜視図で示す説明図である。
【
図9A】
図8に示す物品取出装置の動作を説明する図であり、物品を取出す初期状態を説明する図である。
【
図9B】
図8に示す物品取出装置の動作を説明する図であり、物品を保持する動作を説明する図である。
【
図9C】
図8に示す物品取出装置の動作を説明する図であり、物品を保持したまま旋回させた状態を説明する図である。
【
図9D】
図8に示す物品取出装置の動作を説明する図であり、物品の載置台(搬送台)を戻すと供に物品を取出す状態を説明する図である。
【
図9E】
図8に示す物品取出装置の動作を説明する図であり、物品を取出し移動(搬出)させる状態を説明する図である。
【
図9F】
図8に示す物品取出装置の動作を説明する図であり、物品を保持するコンベヤを元の位置へ戻す状態を説明する図である。
【
図10】本発明の自動移動システムの出側の搬送ラインへ物品を移載あるいは投入する例を説明する図であり、物品投入装置が設けられる場合の配置構成の例も併せて説明する図である。
【
図11】
図10において配置される物品投入装置の例を説明する説明図である。
【
図12A】
図11に示す物品投入装置の構成における底部の構成例を説明する図であり、底部が閉じた状態を説明する図である。
【
図13】
図11に示す物品投入装置の構成における底部の別の構成例を説明する図であり、底部が回転し開閉する構成を説明する図である。
【
図14】
図10において配置される物品取出および/または投入装置の構成図である。
【
図15】
図14に示す物品取出および/または投入装置を、物品取出装置として用いる場合の説明図であり、入側の搬送ラインにて搬送される容器に収容された物品を別の搬送ラインへ取出し移載する例を説明する図である。
【
図16A】
図14に示す物品取出および/または投入装置を本発明の自動移動システムに用いる場合の説明図であり、特に、入出搬送ライン間に配置し、入側の搬送ラインから物品を収容した容器を保持した状態を説明する図である。
【
図16B】入出搬送ライン間に配置した物品取出および/または投入装置において、入側の搬送ラインから物品および物品を収容した容器を出側の搬送ライン側へ移動中の状態を説明する図である。
【
図16C】入出搬送ライン間に配置した物品取出および/または投入装置において、物品および物品を収容した容器を出側の搬送ライン側へ旋回途中の状態を説明する図であり、
図16Bに図示の状態からさらに旋回させた状態を示している。
【
図16D】入出搬送ライン間に配置した物品取出および/または投入装置において、物品および物品を収容した容器を出側の搬送ライン側へ旋回移動させた状態を説明する図である。
【
図16E】入出搬送ライン間に配置した物品取出および/または投入装置において、物品を搭載していた容器を入側の搬送ライン側へ戻す処理と並行して出側の搬送ライン側の収納箱へ物品を投入する処理の状態を説明する図である。
【
図16F】入出搬送ライン間に配置した物品取出および/または投入装置において、物品を搭載していた容器を入側の搬送ライン側へ戻す処理に並行して物品を支持していた蓋部を戻す処理の状態を説明する図である。
【
図16G】入出搬送ライン間に配置した物品取出および/または投入装置において、入側の搬送ライン上に空となった容器を開放すると共に物品を支持していた蓋部分の戻し処理中の状態を示す図である。
【
図16H】入出搬送ライン間に配置した物品取出および/または投入装置において、入側の搬送ライン側の次の物品を取出し処理する状態を説明する図である。
【
図17】本発明の背景を説明する一例としての倉庫から取出された物品の搬送ライン間の移替え(移動)を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
まず、本発明の背景の一例を、
図17を用いて、物品の搬送ライン間の移替え(移動)を、入ラインと出ライン(例えば、出荷ライン)との関係で説明する。
図17において、170は物流システム等で使用される倉庫の例を示し、171は物品等の入出庫ライン、172は入出庫ラインに接続された搬送ラインを示す。173は入出庫ラインに接続された搬送ラインであり、例えば、物品をオーダ単位に取出すための入ライン(入側ライン)である。174は入ライン173からの所定の物品をコンテナ(箱)等に投入する出ライン(出側ライン、出荷ライン)としての搬送ラインである。ここで矢線a、矢線bは入ライン173、出ライン174の各進行方向を指している。
【0032】
入ライン173と出ライン174間には作業員等が配置され、搬送ライン173上を移動してくる容器(コンテナ、トレイともいう)175に収納された物品を取出し、出ライン174上を移動してくる容器(コンテナ、出荷箱等)176へ載せ換えている。即ち、予め決められたオーダ(例えば物品の配送先毎の指示書)に従って、作業者が手作業にて物品を入ラインから出ラインへ、ライン間で載せ換えている。なお、特に断らない限り、搬送ライン等を搬送装置と呼び変えても同じ意味で用いている(以下同様)。
【0033】
本発明は、かかる手作業等による煩雑さを解消するために、搬送ライン間の物品の移動を、人手を介することなく自動化することに特徴をおくもので、以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明でいうところの物品とは、特定の物に限定されるものではなく、一般に用いられる単体として扱われる物であればよく、以下、物品あるいは物品等といい、特に断りがない場合には限定解釈されるべきではない。
【0034】
図1Aは、本発明の一実施形態に係る入出搬送ライン間の自動移動システムの全体を斜め上方からみた構成図である。
【0035】
また、
図1Bは、
図1Aに示す入出搬送ライン間の自動移動システムの後方からみた構成図である。
【0036】
図1Aおよび
図1Bにおいて、搬送ライン11を入ラインあるいは入側の搬送ラインとし、搬送ライン12を出ラインあるいは出側の搬送ラインとしている。また、入ライン11と出ライン12間には物品をライン間で移動させるための搬送ライン(移動ライン)13を設けてある。本発明は入ライン11から出ライン12間で物品の移動に関し、入ライン上の容器に収容された所定の物品を出ライン上の容器に自動収容することにある。ここで、入ライン11で搬送される所定の容器14から物品15は、一点鎖線の円で示す所定の位置Aにて取出され、出ライン12の一点鎖線の円で示す所定の位置Bの収納箱16に移動ライン13を介して収納される。図中の矢線a、b、cは各搬送ラインの移動方向を示している。
【0037】
図1Aおよび
図1Bにおいて、入ライン11と移動ライン13間、移動ライン13と出ライン12間の物品の移動は、入ライン上の一点鎖線の円で示される位置Aの物品取出装置と出ライン上の一点鎖線の円で示される位置Bにて行われる。位置Bにおいては、物品は直接投入されるか、あるいは物品投入装置Bにて行われる。これらの物品取出および/または物品投入装置の構成の詳細は後述する。
【0038】
図1Aおよび
図1Bの自動移動システムの動作としては、入ライン11上で搬送される所定の容器14が物品取出装置の搬送台の位置Aにきたときに、物品取出装置により容器14から、物品14が取出され、移動ライン13上に移載される。取出された物品は、移動ライン13を介して出ライン12側で搬送されてくる収納箱16の中に位置Bにて直接投入されるか、あるいは物品投入装置により行われる。なお、搬送ラインとして直線状に配置されたものを図示しているが、ライン形態としてこれら直線状に限られるものではなく、例えば、円形等の回転形式のライン形態を用いる例を用いた例を
図2に示す。
【0039】
図2は、本発明の入出搬送ラインとして用いられるライン構成の他の例を平面図にて説明する図である。
図2において、
図1Aと異なる点は、搬送ラインとして円形の回転形式を用いたことにある。
【0040】
図2において、基本構成としては、入側の搬送ライン(入ライン)a11と出側の搬送ライン(出ライン)b1と、ライン間に移動ラインc12を配置して構成される。図示例では、出ラインb1として円形状の回転台(ターンテーブル)とし、回転台は所定に区分けされ、その回転台上に容器および/または物品が載置され移動されるものを示している。また、入ラインa11と移動ラインc12の間は物品取出装置(図示略)が配置され、移動ラインc12と出ラインb1の間は物品投入装置(図示略)が配置される。なお、移動ラインc12に代えて物品取出および/または投入装置c12として配置されるものでもよい。図中の矢線aa、矢線cc、矢線bbは搬送ラインの搬送方向を示している。先の実施形態と同じ様に、入ラインaa上を搬送される物品a13を収容した容器a10は物品取出し位置a12にて移動ラインc12に載せ換えられ、出ラインb1の投入位置b12にある収納箱(容器)b10に物品a13が投入される。なお、図示例では、入ラインa11を直線状の搬送ラインとし、出ラインb1を回転形式の搬送ラインとしたが、これらのライン形態を逆にしたものであってもよい。即ち、入ラインa11を回転形式、出ラインb1を直線状の各搬送ラインとしてもよい。また、入ラインa11と出ラインb1の何れも回転形式としたシステム構成としてもよい。
【0041】
また、
図2において、矢線aaaで示す方向から物品等が搬送
されることでもよく、搬送方向や、物品取出し位置、物品投入位置等について種々変形したものであってよい。
【0042】
なお、上記に説明したように、搬送ライン(入ライン、出ライン、移動ライン等)として、そのライン形態が直線状に配置されたものに限られるものではなく、蛇行したライン形態や円形等の回転形式のライン形態に適用されるものでもよい。また、平面状に配置されたラインに限られるものではなく立体状に配置されたものでもよい。即ち、ラインとは、物品等を搬入、搬出、移動等するための移動経路を形成するものでよい。これらのことは以下においても同様である。
【0043】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る入出ライン間の自動移動システムの構成図である。
図3において、
図1Aに示した自動移動システムと異なる点は、入ラインと出ラインとの間の移動ラインを複数備え、入ラインから出ライン間での複数の物品の移動を同時並行あるいは非同期にて行うようにしたものである。
【0044】
図3において、入ライン11側の要所に一点鎖線の円にて示す位置に物品取出装置A1、物品取出装置A2、物品取出装置A3が配置され、搬送ライン11上に搬送されてくる容器14内に収容されている物品15を適宜取出すことになる。
【0045】
各物品取出装置A1、A2、A3には、それぞれ出ライン12側へ物品を搬送する移動ライン131、移動ライン132、移動ライン133が設けられている。各移動ライン131、132、133では取出された物品を矢線c1、矢線c2、矢線c3方向へ搬送移動する。各移動ライン131、132、133に対応して出ライン12側の要所に一点鎖線の円にて示す位置にて直接投入するか、あるいは物品投入装置B1、物品投入装置B2、物品投入装置B3が配置される。各移動ライン131、132、133により搬送された物品は、物品投入装置を用いる場合には、後述するように物品投入装置B1、B2、B3を用い、出ライン側の各収納箱へ投入されることになる。なお、複数の物品投入装置および移動ラインは、同時に並行して動作させてよく、また、その駆動制御による稼働は同期して稼働させてもよいし、非同期で稼働させてもよい。
【0046】
図4は、本発明の第3の実施形態に係る入出搬送ライン間の自動移動システムの構成図であり、搬送ライン間を物品取出および/または投入装置により直結した自動移動システムの構成図である。
【0047】
図4において、
図1Aに図示した自動移動システムと異なる点は、移動ライン13を無くし、入ライン11上にある容器14から出ライン12上の収納箱16へ物品15を直接移動するようにしたことにある。
【0048】
図4において、入ライン11上を搬送されてきた容器14内にある物品15は、物品取出および/または投入装置A(B)により取出し、出ライン12上の所定の収納箱16に投入される。この物品取出および/または投入装置A(B)の構成については、後に詳述する。
【0049】
図4に図示した自動移動システムにおいては、ライン間の移動を1台の物品取出および/または投入装置を設けるものであるが、
図3に示すものと同様に、入ラインと出ライン間で、複数個所に物品取出および/または投入装置A(B)を配置した移動システムであってもよい。
【0050】
図5は、本発明の自動移動システムの入側の搬送ラインに設けられる物取出装置の配置構成の例を説明する図である。
【0051】
図5において、搬送ライン(入ライン)11は、コンベヤ等から構成され、容器(トレイ、箱状体等)14に収容された物品15を矢線aで示す搬送方向へ搬送するものである。一方、
図1Aおよび
図3にて説明したように、本発明の自動移動システムの物品投入装置Aに接続される搬送ライン(移動ライン)13は、物品15の行先(搬送方向)を変えるために使用されるもので、搬送ライン11にて送られてくる物品中、取出された所定の物品を矢線cで示す搬送方向へ搬送移動するものである。
【0052】
ここで物品取出装置Aの位置付けは、容器14から物品15を取出し移動(移載)させることにあり、
図5の図示例では一点鎖線で示す位置に設けられる。この物品取出装置Aは、以下に具体的な実施形態にて説明するように、搬送ライン11上の容器14から所定の(指定された)物品15を取出し搬送ライン13へ移し変えるものである。
【0053】
図6は、
図5において配置される物品取出装置の第1の例を説明する説明図である。
【0054】
図6において、
図5との関係は、
図5には物品取出装置自体は図示されていないがAで示す位置に相当する箇所に
図6に示す物品取出装置6が配置される。
【0055】
図6において、搬送ライン上の容器に収容された物品を搬送ライン13上に取出す物品取出装置6として、図示例では、破線で示す初期状態から、搬送台を含め回転させて物品を取出す状態を実線で示している。即ち、実線にて示している装置構成が物品を取出した状態を示し、動作前や動作途中の状態を破線/点線等で示している。
【0056】
図6において、物品取出装置6の基本構成は、容器(トレイ、箱状体等)14を保持する搬送台61と容器14の上方から物品等15を覆う蓋部(傾斜板としても作用する)62とから構成する。この搬送台61は、
図5に図示の搬送ライン11のAで示す物品取出し位置の搬送台に相当し、搬送ライン11の搬送路の一部として構成される。また、蓋部62は連接部63の旋回軸(回転軸)631により回転可能になっている。搬送台61の下部には台座(回転台座)64を備え、また、搬送台61と蓋部62は連結部63により連結されている。蓋部62は連結部63の回転軸631を軸に回転可能になっている。また、搬送台61上の容器14は、その両サイドを固定支持部611、固定支持部612が夫々回転軸613、回転軸614(図示略)により回転駆動され搬送台61に固定支持される。
【0057】
図6に図示の物品取出装置6の状態は、搬送台61にある容器14がその両サイドを各固定支持部611、612が夫々回転軸613、614(図示略)により回転駆動され搬送台61に固定支持された状態で回転駆動された状態を示している。また、容器14に収容された物品15が飛び出さないように容器14および/または物品15の全体を上部から蓋部62が覆い、台座64および搬送台61と共に、回転軸641を軸として回転した状態を示し、この状態で、蓋部62が回転軸631を軸として下方へ回動し、その内面を傾斜面として物品15が取出される状態を示している。
図6を用いて、以下この物品取出装置6における物品を取出す動作について説明する。
【0058】
図6において、物品取出装置6の全体の動作を図中の矢印a1乃至a5の順に説明する。
【0059】
(a1)搬送台の容器を固定し蓋部をかぶせる行程。
点線/破線等にて示す初期の状態で、搬送台61に物品15が収納された容器14が搬送されたときに、各固定支持部611、612が各軸613、614(図示略)により回転し容器14を支持すると共に蓋部62が旋回軸631により容器62および/または物品15の上部を覆うように旋回動作する。
【0060】
(a2)搬送台を旋回させる工程。
蓋部62が容器14および/または容器内の物品15を上方から覆ったままの状態で、旋回軸641により搬送台61を旋回させる。図示では搬送台61が所定位置まで旋回した状態を実線で示している。
【0061】
(a3)蓋部を旋回させ傾斜をつくる工程。
搬送台61が所定位置(所定角度)まで旋回したら、蓋部62を旋回させて開く。この蓋部62は自重により自動的に開放されることでもよい。図示では容器14内に収容された物品15は初期位置と同じように示されているが、搬送台61の旋回に伴い蓋部62側へ移動することになる。
【0062】
(a4)蓋部が傾斜板として作用し物品を取出す工程。
蓋部62が旋回駆動され図示の実線に示す位置にくると傾斜板として作用する。この傾斜板(蓋部)62に沿って物品15が移動し取出される。図示例では、物品15が搬送ライン(移動ライン)13上へ取出される。
【0063】
(a5)搬送台を旋回させて元の状態に戻す工程。
物品が取出され移動した後、搬送台61は台座64の旋回軸641により元の位置に戻される。
【0064】
搬送台61の各固定支持部611、612が(回転して)外され容器14は自由の状態となる。空となった容器14を下流方向へ送り、次の容器が搬送されるのを待つ待機状態となる。なお、蓋部62は単に平板状でもよいが、物品等を両サイドから脱落しないように側板を設けるものであってもよく、種々変形可能である。
【0065】
図7は、
図5において配置される物品取出装置の第2の例を説明する説明図である。
【0066】
図7において、
図6にて説明した物品取出装置と異なる点は、搬送台の旋回と蓋部の旋回を独立に可能とした点にある。なお、
図7では物品取出装置が初期の状態と旋回後の状態とを併せて実線で示している。
【0067】
図7において、物品取出装置の基本構成としては、先の実施形態と同様、容器(トレイ、箱状体等)14を保持する搬送台71と容器14の上方から容器14および/または物品等15を覆う蓋部(傾斜板としても作用する)72とから構成する。搬送台71の下部には台座(回転台座)74を備え、台座74の旋回軸741を軸として台座74と共に搬送台71が旋回可能としている。また、蓋部72は連結部73により台座74の旋回軸741に取付られ、旋回軸741を軸として台座74の旋回と独立して旋回可能としている。なお、搬送台71は、
図5に図示の搬送ライン11のAで示す物品取出し位置の搬送台に相当し、
図6に図示の搬送台61と同様、搬送ライン11の搬送路の一部として構成される。
【0068】
図7において、搬送台71に容器14を固定支持する支持部711、支持部712がそれぞれ軸713、軸714を中心に回転可能に設けられている。蓋部72と連結部73とは回転軸731にて旋回可能に取付られ、容器14および/または容器14に収容される物品15を上方から覆うように構成している。また、先の実施形態と同様、蓋部72は物品を取出す際の傾斜を形成する傾斜板として機能する。
【0069】
図7に示す矢印a1乃至a6は、各動作を示し、その各動作工程は次のようになる。
【0070】
(a1)搬送台の容器を固定し蓋部で覆う行程。
初期の状態で、搬送台71に物品15が収納された容器14が載置(搬送)されたときに、各固定支持部711、712が各軸713、714により回転し容器14を支持すると共に蓋部72が旋回軸731により容器14および/または物品15の上部を覆うように旋回動作する。
【0071】
(a2)搬送台を旋回させる工程。
蓋部72が容器14および/または容器内の物品15を上方から覆ったままの状態で、旋回軸741により搬送台71を旋回させる。図示では搬送台71が所定位置まで旋回した状態を実線で示している。図示例では初期状態から反転した状態とした場合を示している。
【0072】
(a3)蓋部を旋回させ傾斜をつくる工程。
搬送台71が所定位置(反転位置あるいは所定角度)まで旋回したら、蓋部72を所定角度まで旋回させて開く。この蓋部72の内側が傾斜面となる。
【0073】
(a4)蓋部が傾斜板として作用し物品を取出す工程。
蓋部72が旋回駆動され図示の下側の実線に示す位置で傾斜板として作用する。この傾斜板(蓋部)72に沿って物品15が移動し取出される。図示例では、物品15が搬送ライン(移動ライン)13上へ取出される。
【0074】
この蓋部72側へ物品15が移った状態においては、搬送台71は不要となる。即ち、物品15が傾斜板72を移動中には、搬送台71は元の位置は復帰してもよい。本実施形態ではこの並行動作に着目したものである。矢印a5/a6と併記しているが、これは、各独立して動作することを示し、(a5)、(a6)としてその工程を以下に説明する。
【0075】
(a5)搬送台を旋回させて元の状態に戻す工程。
物品15が傾斜板(蓋部)72へ移り傾斜面を移動中、搬送台71は台座74の旋回軸741により元の位置に戻される。搬送台71の各固定支持部711、712が外され(回転して)容器15は自由の状態となる。即ち、次に取出す物品への対応をとることができる状態となる。
【0076】
このとき傾斜板(蓋部)72は未だ状態を継続維持していてよい。
【0077】
(a6)傾斜板(蓋部)を旋回させて元の状態に戻す工程。
物品15が傾斜板(蓋部)72を移動し、図示例では搬送ライン(移動ライン)13上に乗ると、傾斜板(蓋部)72は台座74の旋回軸741により元の位置に戻される。なお、蓋部72は単に平板状でもよいが、物品等を両サイドから脱落しないように側板設けたものであってよい。
【0078】
図8は、
図5において配置される物品取出装置の第3の例を斜視図で示す説明図である。
図8において、
図5との関係は、
図5には物品取出装置自体は図示されていないがAで示す位置に相当する箇所に
図8に示す物品取出装置8が配置される。
【0079】
図8において、物品取出装置8の基本構成は、容器(トレイ、箱状体等)14を保持する搬送台81と、容器14の上方から物品等15を覆い保持し移送するコンベヤ85と、コンベヤ85を旋回可能に支持する支持部82と、搬送台81および支持部82を旋回駆動する旋回駆動部84とから構成する。なお、図示例では、コンベヤ85および支持部82が旋回し展開している状態を示している。なお、搬送台81としては、
図5にも図示したように、搬送ライン11の搬送路の一区間に設けられ、搬送ラインの一部を構成するコンベヤから構成されるものでよい。
【0080】
搬送台81は旋回駆動部84に連結部842を介して連結されている。また、コンベヤ85を支持する支持部82は側板83を介して旋回駆動部84に連結されている。搬送台81および支持部82は旋回駆動部84の旋回軸(回転軸)841を中心にそれぞれ独立して矢線dに示したように旋回(回転)可能となっている。搬送台81に対象となる物品(図示略)を収容する容器が載置されると図示下段にある支持部82が旋回し、搬送台81の上方から覆うようにコンベヤ85がセットされる。容器14の両側には容器を固定維持する支持部811が設けられている。
【0081】
コンベヤ85を支持する支持部82は伸縮する連結部86を介してコンベヤ85を支持している。連結部86は、コンベヤ85の搬送面が移動ライン13の搬送面と同じ水平となるように伸縮して調整されると共に、旋回して物品の上方から覆い押さえるように機能する場合にも伸縮調整される。この連結部86の伸縮機構としては、ジャバラ機構や、ギヤ結合や、シリンダ等、種々の伸縮機構から適宜選択され使用されることでよい。
【0082】
以下、
図9A乃至
図9Fにより本発明の自動移動システムにおける物品取出装置の第3の例における物品取出し動作を説明する。
【0083】
図9Aは、
図8に示す物品取出装置の第3の例における動作を説明する図であり、物品を取出す初期状態を説明する図である。
【0084】
図9Aにおける物品取出装置の初期の状態で、搬送台81に物品15が収容された容器14が載置(搬送)されたときに、支持部82に取付られた連結部86を下方へ伸長することでコンベヤ85を下方へ移動させる。なお、搬送台81に容器14が載置されたとき
図8にて説明したように支持部811が両サイドから容器14を固定維持するが、
図9Aでは図示省略している。以下
図9B乃至
図9Fにおいても同様である。
【0085】
図9Bは、
図8に示す物品取出装置の動作を説明する図であり、物品を保持する動作を説明する図である。
図9Bにおいて、連結部86を下方へ伸長することで矢線e1のようにコンベヤ85を下方へ移動させる。搬送台81の上に載置(搬送)された容器14に収容された物品15および/または容器14の上方にコンベヤ85が覆い固定(保持)する。即ち、容器14および/または容器14に収容された物品15を上方から覆い、物品15が飛び出さないように保持することになる。
【0086】
図9Cは、
図8に示す物品取出装置の動作を説明する図であり、物品を保持したまま旋回させた状態を説明する図である。
図9Cにおいて、先の
図9Bに図示した状態から、搬送台81、容器14および物品15、コンベヤ85、支持部82の全体が、矢線d1に示すように旋回軸841を軸に旋回され当
図9Cに示すような位置となる。即ち、コンベヤ85が容器14および/または容器内の物品15を上方から覆ったまま、あるいは固定したままの状態で、旋回駆動部84により搬送台81と一体となって旋回させる。この状態で物品15は容器14からコンベヤ85上に載ることになる。
【0087】
図9Dは、
図8に示す物品取出装置の動作を説明する図であり、搬送台を戻すと供に物品を取出す状態を説明する図である。
図9Dにおいて、物品15がコンベヤ85に載ると、容器14は空(フリー)となるので、搬送台81および容器14は旋回軸841を軸として矢線d2に示すように初期位置へ戻る。容器を支持する支持部811は図示省略されているが旋回時には搬送台81に固定支持されている。
【0088】
コンベヤ85上にある物品15は支持部82とコンベヤ85間の連結部86の伸縮調整により移動ライン13の移動面と略同じ水平面となるように矢線e2に示すように縮小される。
【0089】
図9Dにおいては、コンベヤ85に物品15が移った状態においては、搬送台81は不要となるので元の位置へ復帰することで、次に取出す物品への対応をとることができる状態となる。即ち、物品取出し動作と次の物品への対応動作が並行して行うことができる。
【0090】
図9Eは、
図8に示す物品取出装置の動作を説明する図であり、物品を取出し移動(搬出)させる状態を説明する図である。
図9Eにおいて、コンベヤ85の上面と移動ライン13の上面が略同平面状になると、物品15はコンベヤ85の回転動作により矢線fで示す方向へ送り出される。
【0091】
一方、搬送台81には、次に取出す対象となる物品15を収容した容器14が載置あるいは移動してきた場合には、その容器を保持する状態となる。
【0092】
図9Fは、
図8に示す物品取出装置の動作を説明する図であり、物品を保持するコンベヤを元の位置へ戻す状態を説明する図である。先の
図9Eにおいて、コンベヤ85から移動ライン13への物品15が送られた後、
図9Fに図示するように、コンベヤ85はその支持部82と共に旋回軸841を軸に矢線d3に示すように旋回され初期状態(
図9Aに示すように)に戻る。物品取出装置は次の物品を取出す準備をすることになる。
【0093】
図10は、本発明の自動移動システムの出側の搬送ラインへ物品を移載あるいは投入する例を説明する図であり、物品投入装置が設けられる場合の配置構成の例も併せて説明する図である。
【0094】
図10において、搬送ライン13はコンベヤ等から構成され、物品の搬送移動に使用される。ここで、搬送ライン13上を矢線c1にて示すように移動してきた物品15は物品投入の位置(物品投入装置が配置される場合にはその配置位置)Bにある収納箱16へ矢線c2に示すように投入、収納される。この収納箱16は、
図1にて説明したように出ライン12上を搬送される位置にある。物品投入装置を用いない場合には、搬送ライン13上を搬送されてくる物品15は、図示の位置Bにて搬送ライン12(
図1に図示)上を搬送されてくる収納箱16に直接投入される。
【0095】
物品投入装置を用いる場合には、その物品投入装置は、
図10に図示の投入位置Bに置かれることになる。収納箱16へ物品15を投入、収容する際に、物品15の形状、大きさ、重さ、高低差等に基づいて、収納箱15の大きさ、深さ等によっては緩衝機構を設けることも考慮される。
【0096】
従って、位置Bに配置される物品投入装置は、物品15を単に収容箱16に投入するだけではなく、この物品の形状、大きさ、重さ、高低差等、これらを物品情報として取得し、この物品情報により緩衝機構を制御することもできる。
図10においては、搬送ライン13上を通過する物品15の物品情報として高さを検出する高低検出機構101、102を設けた例を示す。この高低検出機構101、102により搬送されてきた物品15の高さを検知し投入位置Bの物品投入装置(後述)の投入高低を調節するようにしてもよい。なお、高低検出機構として図示例では透過光をセンサーにて検出する例を示しているが、反射光を検出するもの、また、物品の形状等を画像化して検知する画像認識機構等によるものでもよい。あるいは、搬送される物品の情報を上位の装置(システム)から受信取得することでもよい。
【0097】
図11は、
図10に図示の配置Aされる物品投入装置の例を説明する説明図である。
図10との関係は、
図10には物品投入装置自体は図示されていないが位置Bの箇所に
図11に示す物品投入装置111が配置される。
【0098】
図11において、物品15を収納箱16に投入する物品投入装置111の基本構成としては、上部に矢線dに示すように上下動可能な支持部114と、支持部114に固定された本体112と、底部113から構成される。底部113は搬送されてくる物品15を受取り収納箱16に投入する部分であり、物品15を保持(支持)し開放する機構であればよい。この開閉機構の一例として回転機構やスライド形式の開閉機構等、後述される。
【0099】
物品投入装置111の下方には収納箱16が置かれている。搬送ライン13から矢線cに示す方向へ物品15が搬送されてくると物品投入装置111が所定位置に移動配置され物品15を受け取り下方の収納箱16内へ投入する。物品投入装置111は
図10に図示した高低検出機構101、102からの検出情報を受けて上下位置が調整される。また、搬送ライン13の下部に矢線c3に示すようにスライド可能な案内板134を設け、物品15を物品投入装置111へ移動させる際にその物品を案内補助するようにしてもよい。
【0100】
図12Aおよび
図12Bは、
図11に示す物品投入装置の構成における底部の構成例を説明する図であり、
図12Aは底部が閉じた状態を説明する図であり、
図12Bは底部が開いた状態を説明する図である。なお、底部とは板状のものでよく、底板ともいう(以下同様)。
【0101】
図12Aおよび
図12Bにおいて、底板支持部126は物品投入装置本体の側部に設けられる。底板支持部126の下方に底板取付部材としてガイドレール122、ガイドレール123が取付けられている。底板124、底板125は、それぞれガイドレール122、123に取付けられ、両側にスライド移動可能になっている。
図12Aに図示の状態にて、投入される物品15(図示略)を底板124、125で受け、図示の矢線d1、矢線d2方向へ各底板124、125を移動させ、物品15を収納箱(図示略)に投入し、
図12Bに図示の矢線d3、矢線d4のように各底板124、125を移動し元の状態に戻す。なお、この底板支持部126は
図11にて説明した物品投入装置111の本体112に取付られることでよい。
【0102】
図13は、
図11に示す物品投入装置の構成における底部の別の構成例を説明する図であり、底部が回転し開閉する構成を説明する図である。
【0103】
図13において、
図12Aおよび
図12Bに図示した底板の構成と異なる点は、底板を回転し開閉する構成としたことにある。
【0104】
図13において、物品投入装置本体の側部に設けられた底板支持部135の下方に底板取付部材136、底板取付部材137を配し、各取付部材136、137にそれぞれ底板138、底板139が回転可能に取付けられている。
【0105】
各底板138、139はそれぞれ矢線d5、矢線d6に示すように回転可能とし、初期の状態においては各底板を平坦としている。物品15が投入されるとき、この平坦状態の2枚の底板138、139により物品15(図示略)を受け取る。続いて物品15を下方の収納箱(図示略)に収納する際に各底板138、139の中央を回転駆動させることで物品を収納箱内に投下する。各底板138、139を元に戻すことにより、次の物品を受け入れる状態となる。
【0106】
図14は、
図1乃至
図4にて示す自動移動システムの物品取出の位置Aおよび/または物品投入の位置Bにおいて配置される物品取出および/または投入装置の構成図である。なお、
図4においては位置A(B)に配置される。
【0107】
図14において、物品取出および/または投入装置140の基本構成は、容器(トレイ、箱状体等)14を保持する搬送台143と、容器14および/または容器に収容された物品15(図示略)を上方から覆い保持するシャッター機構(開閉機構、スライド機構ともいう)を有する蓋部141と、搬送台143および蓋部141を旋回可能に支持する支持部145とから構成される。なお、図示例では、搬送台143にある容器14を上方からシャッター機構の蓋部141が覆った状態を示している。また、搬送台143は、図示するように、破線で示す搬送ライン11の所定箇所に一連の搬送路を形成するように設けられ、搬送路として
も機能するものである。なお、物品等を取出す対象の容器を置く台としてその利用形態に限定されるものでもない。
【0108】
搬送台143は支持部145に旋回可能に取付られている。搬送台143の対向する側面には物品を収容した容器を固定保持する保持部144が設けられ、取出す対象となる物品を収容した容器が載置されると保持部が回転し保持する。
【0109】
シャッター機構を有する蓋部141は、両側へ開閉可能とする開閉支持部142を備え、開閉支持部142は、旋回軸146により旋回可能に支持部145に取付られている。また、支持部145に対し、旋回軸146は上下方向に移動可能とし、開閉支持部142を上下方向に調整可能としている。即ち、図示例では、蓋部141が容器14の上方から覆う間隔を調整駆動でき、また、後述するように、収容箱等に投入する際の高さ調整を可能としている。
【0110】
図15は、
図14に示す物品取出および/または投入装置を、物品取出装置として用いる場合の説明図であり、入側の搬送ラインにて搬送される容器に収容された物品を別の搬送ライン(移動ライン)へ取出し移載する例を説明する図である。なお、図中の符号で
図14にて示した符号と同じものは同じ対象物を示している。
【0111】
図15において、物品取出装置(物品取出および/または投入装置)140の基本構成は
図14にて説明した装置と同様であり、容器(トレイ、箱状体等)14を保持する搬送台143と、容器14の上方から容器14および物品等15(図示略)を覆い保持し移送するシャッター機構を有する蓋部141と、蓋部141および搬送台143を旋回可能に支持する支持部145とから構成する。この物品取出装置140を搬送ライン11の所定箇所に配置し、搬送ライン11としての一連の搬送路として形成している。物品取出装置140は、この搬送路上を搬送されてくる容器14に収容された物品15を取出し、別の搬送ライン13へ載置し移送することにある。
【0112】
搬送ライン13側には、物品取出装置140にて取出された物品15を載置し移動させる搬送台151が設けられている。この搬送台151は伸縮機構153を有する支持台152に搭載され、物品を載置するときに載置面を上下調整可能としている。即ち、物品を載置する際の緩衝機構として機能する。この伸縮機構153としては、ジャバラ機構や、ギヤ結合や、シリンダ等、種々の伸縮機構から適宜選択され使用されることでよい。
【0113】
斯くして、物品取出装置140は、搬送ライン11から搬送されてくる容器14および容器14に収容された物品15を、搬送台143と上方からシャッター機構を有する蓋部141とにより保持し、支持部145の旋回軸146により旋回移動させ搬送ライン13へと物品を取出し搬送することができる。
【0114】
図16A乃至
図16Hは、
図14に示す物品取出および/または投入装置を本発明の自動移動システムに用いる場合の説明図であり、先に
図4にて説明した自動移動システムに適用できるものである。
【0115】
以下、
図16A乃至
図16Hにより物品取出および/または物品投入装置を用いた自動移動システムの動作を説明する。なお、図中の符号について、先に
図14で説明した図中の符号と同じものは同じ対象物を示している。
【0116】
図16Aは、入出搬送ライン間に配置し物品取出および/または物品投入装置を用いた自動移動システムにおいて、入側の搬送ラインから物品を収容した容器を保持した状態を説明する図である。
【0117】
図16Aにおいて、2列の搬送ラインが配置され、矢線a、矢線bで示す方向に搬送路を形成している。図示例では、この2列の搬送ライン間で物品の取出/投入の処理が行われる。物品が取出される側の搬送ラインは、搬送ライン11の所定箇所に物品取出および/または投入装置140が配置され一連の搬送路を形成している。搬送ライン11上を矢線aに示すように物品15を収容した容器14が搬送される。物品15を取出す対象となる容器14が物品取出および/または投入装置140の搬送台143上に来ると、容器14を両側から保持部144が固定保持し、シャッター機構の蓋部141が容器14および容器内の物品15を上方から覆い保持する。
【0118】
図16Bは、入出搬送ライン間に配置し物品取出および/または物品投入装置を用いた自動移動システムにおいて、入側の搬送ラインから物品および物品を収容した容器を出側の搬送ライン側へ移動中の状態を説明する図である。
【0119】
図16Bにおいて、
図16Aに図示した物品取出および/または投入装置140にて保持した容器14および容器14に収容された物品15は、搬送台143ごと支持部145の旋回軸を中心に旋回移動される。出側の搬送ライン12上には矢線bに示す方向に収納箱16が搬送され、所定の収納箱16に物品15が投入収納される。この収納箱16は単なるコンテナ箱等の収納箱でよいが、図示例では内部に上下に移動可能な内箱161が収容されている。物品取出および/または投入装置140が位置する出側の搬送ライン12の搬送台121となる部分には、収納箱16の内箱161を上下に移動駆動する駆動機構が設けられ、収納箱16内の物品15の投入数や投入状況により駆動制御される。
【0120】
図16Cは、入出搬送ライン間に配置し物品取出および/または物品投入装置を用いた自動移動システムにおいて、物品および物品を収容した容器を出側の搬送ライン側へ旋回途中の状態を説明する図であり、
図16Bに図示の状態からさらに旋回させた状態を示している。
【0121】
図16Cにおいて、容器14および物品15は、物品取出および/または投入装置140の搬送台と蓋部141との間で保持されたまま旋回途中にある。
【0122】
図16Dは、入出搬送ライン間に配置し物品取出および/または物品投入装置を用いた自動移動システムにおいて、物品および物品を収容した容器を出側の搬送ライン側へ旋回移動させた状態を説明する図である。
【0123】
図16Dにおいて、搬送ライン12の物品が投入される位置にある搬送台121の上方に旋回移動した搬送台143の容器14内にある物品15(図示略)はシャッター機構の蓋部141に載せられた状態となる。
【0124】
図16Eは、入出搬送ライン間に配置し物品取出および/または物品投入装置を用いた自動移動システムにおいて、物品を搭載していた容器を入側の搬送ライン側へ戻す処理と並行して出側の搬送ライン側の収納箱へ物品を投入する処理の状態を説明する図である。
【0125】
図16Eにおいて、物品取出および/または投入装置140の蓋部141のシャッター機構が開き物品15を搬送ライン12側の収納箱16へ投入する処理工程に並行して、搬送台143と容器14は入側の搬送ライン側へ逆旋回させて元に戻される。即ち、物品15を投入する処理と共に、並行して次の物品を取出す準備工程に入ることができる。
【0126】
図16Fは、入出搬送ライン間に配置し物品取出および/または物品投入装置を用いた自動移動システムにおいて、物品を搭載していた容器を入側の搬送ライン側へ戻す処理に並行して物品を支持していた蓋部を戻す処理の状態を説明する図である。
【0127】
図16Fにおいて、物品取出および/または投入装置140の搬送台143および容器14は元の搬送ライン側へ旋回移動されるとともに、物品15が収納箱16へ投入された後、蓋部141のシャッター機構は閉状態となり逆旋回されて元の搬送ライン側へと移動される。なお、図示例では、収納箱16の内箱161内に一つの物品15が収納された状態を示し、次に2個目の物品15を重ねて収容可能とする状態でもある。
【0128】
図16Gは、入出搬送ライン間に配置し物品取出および/または物品投入装置を用いた自動移動システムにおいて、入側の搬送ライン上に空となった容器を開放すると共に物品を支持していた蓋部分の戻し処理中の状態を示す図である。
【0129】
図16Gにおいて、物品取出および/または投入装置140が、入側の搬送ライン11上へ空となった容器14を戻すことにより、当該空となった容器14は搬送ライン11により搬出移動される。また、物品取出および/または投入装置140は、搬送ライン11から搬送されてくる次の物品を収容した容器14を受け入れる状態となる。一方、搬送ライン12側では、物品15を収納した収納箱16にて次の物品を追加収納する場合にはそのまま待機させ、追加収納しない場合には当該収納箱16を搬出し、次の収納箱16の搬送を受け入れる状態とする。
【0130】
図16Hは、入出搬送ライン間に配置し物品取出および/または物品投入装置を用いた自動移動システムにおいて、入側の搬送ライン側の次の物品を取出し処理する状態を説明する図である。
【0131】
図16Hにおいて、物品取出および/または投入装置140の搬送台143に取出す対象となる物品15を収容した容器14が搬送されてくると、先に説明したように、容器14を固定保持部144にて保持し、シャッター機構を有する蓋部141が容器14および物品15を上方ら覆い保持するように駆動され次の物品の取出/投入の工程へ進むことになる。
【0132】
以上各図により説明した各実施形態において、搬送ライン(入ライン、出ライン、移動ライン)、物品取出装置、物品投入装置等における、各装置、各機器の駆動制御、タイミング制御等は図示省略した制御装置により行われる。従って、物品等の入ライン、出ラインにおける出し入れ等の移動に際し、関連機器の待機や再稼働等のタイミング調整等も一元的に行うことができる。
【0133】
なお、上記の各実施形態で説明した入ライン、出ライン、移動ライン等、その用語に限定されるものではなく、物品等を搬送する搬送装置、単に搬送路、ラインと称されるものでよく、例えば、ベルトコンベヤ、ローラコンベヤ等の回転機構を使用することができ、あるいは、場合によっては傾斜板等を利用するものであってもよい。
【0134】
また、上記で説明している搬送ラインとして、物品を収容した容器等が搬送される第1のライン、これを入ラインとし、当該容器等から物品を取出し収納箱等の別の収納容器(容器)が搬送される第2のライン、これを出ラインとし、あるいは、移動ラインを第2のラインとしてもよく、これらの用語自体に限定されるものではない。
【0135】
また、この入出ライン間には、移動ラインを備えたものと、入出ライン間で移動ラインを設けず物品取出装置および/または物品投入装置で直結したものでもよい。
【0136】
また、入出ライン間の物品の移動は、一つの物品を収納箱等に収納するもの、複数の物品を一つの収納箱等も収納するものであってもよい。
【0137】
また、入出ライン間の物品の移動は、複数の箇所にて、並行処理してもよく、また、複数の物品を一つの収納箱等にも収納する場合に用いてもよい。
【0138】
なお、先にも説明したように、搬送ライン(入ライン、出ライン、移動ライン等)として、そのライン形態が直線状に配置されたものに限られるものではなく、蛇行したライン形態や円形等の回転形式のライン形態に適用されるものでもよい。また、平面状に配置されたラインに限られるものではなく立体状に配置されたものでもよい。即ち、ラインとは、物品等を搬入、搬出、移動等するための移動経路を形成するものでよい。
【0139】
また、物品を収容する容器について、収納容器、収納箱、トレイ、コンテナ(箱)、折り畳みコンテナ等、また、単に箱や容器と称される場合もあるが、本発明において適用できる入れ物であれば、その呼び名に限定されるものではない。なお、上記説明では、入側を容器、出側を収納箱等と便宜上、分けて使用しているが、これに限定されるものではなく、単に、第1の容器、第2の容器と言い換えてもよい。
【0140】
また、物品投入装置として、物品の投入に対応し収納箱内の物品の有無状態にあわせて上下動するものであってもよい。また、物品投入装置として、物品を一旦受けとり、回転機構により、コンテナ(箱)等に投入するものであってもよい。なお、先に説明したように、入ラインから出ライン側への物品の移動中に当該物品の高低差を検出することで、物品の投入する際の高さを調節することもできる。
【0141】
また、物品取出装置は、物品を押える蓋をスロープ(傾斜板)として使用するもの、スロープ型で延長するものであって、入ラインの容器を保持する機構と、物品を支持する蓋機構の回転が同期しているものや、同期しないものであってよい。
【0142】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解のために例示されたものであり、本発明は、これら実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって定義される。また、本発明の技術思想から離れるものでない限り、特許請求の範囲に記載の構成と均等であるものも本発明の保護の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明によれば、容器等に収容された物品を破損や損傷等することなく自動的に取出すことができ、オーダ単位で物品をまとめる等の作業も自動化できるので、配送センターや保管倉庫等、物流システムに適用して経済効果大とできる。
【符号の説明】
【0144】
11、a11…搬送ライン(入ライン)
12、b1…搬送ライン(出ライン)
13、131,132,133、c12…搬送ライン(移動ライン)
134…案内板
14…容器
15…物品
16…収納箱
161…内箱
6、7、8…物品取出装置
61、71、81…搬送台
611、612、711、712、811…支持部
613、614、713、714…回転軸
62、72…蓋部(傾斜板)
63、73…連結部
631、641、731、741…回転軸(旋回軸)
64、74…台座
82…コンベヤの支持部
83…側板
84…旋回駆動部
842、86…連結部
841…旋回軸(回転軸)
85…コンベヤ
101、102…高低検出機構
111…物品投入装置
112…本体
113、124、125、138、139…底板
126、135…底板支持部
122、123…ガイドレール(底板取付部材)
136、137…底板取付部材
140…物品取出および/または投入装置
141…蓋部(スライド機構)
142…開閉支持部
143…搬送台
144…保持部
145…支持部
146…旋回軸
151…搬送台
152…支持台
153…伸縮機構