(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-19
(45)【発行日】2022-04-27
(54)【発明の名称】曲げ型及び曲げ型の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 33/42 20060101AFI20220420BHJP
B29C 33/38 20060101ALI20220420BHJP
B29C 33/02 20060101ALI20220420BHJP
B29C 53/08 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
B29C33/42
B29C33/38
B29C33/02
B29C53/08
(21)【出願番号】P 2018030063
(22)【出願日】2018-02-22
【審査請求日】2021-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】390039929
【氏名又は名称】三桜工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094547
【氏名又は名称】岩根 正敏
(72)【発明者】
【氏名】劉 吉寧
(72)【発明者】
【氏名】中里 和彦
(72)【発明者】
【氏名】羽部 貴昭
【審査官】坂口 岳志
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-164586(JP,A)
【文献】特開2017-087589(JP,A)
【文献】特開2016-141151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00-33/76
B29C 53/00-53/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブを
凹部に嵌め込み成形するための曲げ型
において、
上記凹部の開口幅が凹部の溝幅より短く、該凹部によりチューブ嵌め込み部が形成された曲げ型であつて、その形が、凹部を有する略円形形状の第1の閉曲線を含むプロファイル
の三次元空間内で
の仮想的
な連続的
な移動
により形成される滑らかな形状
であり、かつ、上記第1の閉曲線からなる上記プロファイルが内部に閉じた曲線からなる第2の閉曲線を含み、該第2の閉曲線により形成された熱媒体用孔を有することを特徴とする、曲げ型。
【請求項2】
上記
プロファイルの三次元空間内での仮想的な連続的
な移動が、プロファイルの単純な平行移動、あるいはプロファイル面の方向の変化と平行移動を組み合わせた旋回または傾角運動、あるいはプロファイル面の面内回転と平行移動を組み合わせた捻じれ運動、あるいはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする、請求項1に記載の曲げ型。
【請求項3】
上記プロファイルの凹部開口の両側に隣接する二つの領域が緩やかな曲線または直線であ
り、上記プロファイルの凹部開口の裏側部分の両側に隣接する二つの領域が緩やかな曲線または直線であ
り、上記凹部開口の両側の上記緩やかな曲線または直線部分により形成された上面レールと、上記凹部開口の裏側部分の両側の上記緩やかな曲線または直線部分により形成された下面レ―ルとを有し、チューブを嵌め込む移動体が該曲げ型を保持しながら上記上面レールと下面レールに沿って移動することを特徴とする、請求項1に記載の曲げ型。
【請求項4】
上記曲げ型が複数の単位曲げ型を直列に接続して形成されたものであることと、上記単位曲げ型が隣接する単位曲げ型と接続するための接続部を端部に備えることを特徴とする、請求項1に記載の曲げ型。
【請求項5】
チューブを凹部に嵌め込み成形するための曲げ型の製造方法において、凹部を有する略円形形状の第1の閉曲線を含むプロファイルを三次元空間内で仮想的に連続的に移動させることにより形成される滑らかな形状を設計し、その形状のデータを求め、そのデータに基づき三次元プリンティングの技法でその形状の曲げ型を作成する曲げ型の製造方法であって、上記第1の閉曲線からなる上記プロファイルが内部に閉じた曲線からなる第2の閉曲線を含み、該第2の閉曲線により熱媒体用孔
を形成
することを特徴とする、曲げ型
の製造方法。
【請求項6】
上記プロファイルの凹部開口の両側に隣接する二つの領域が緩やかな曲線または直線に形成され、上記プロファイルの凹部開口の裏側部分の両側に隣接する二つの領域が緩やかな曲線または直線に形成され、上記凹部開口の両側の上記緩やかな曲線または直線部分により上面レールを形成し、上記凹部開口の裏側部分の両側の上記緩やかな曲線または直線部分により下面レ―ルを形成することを特徴とする、請求項5に記載の曲げ型
の製造方法。
【請求項7】
金属を材料とする三次元プリンティングの技法で作成することを特徴とする、請求項
5に記載の曲げ型
の製造方法。
【請求項8】
上記プロファイルを三次元空間内で仮想的に連続的に移動させることが、プロファイルの単純な平行移動、あるいはプロファイル面の方向の変化と平行移動を組み合わせた旋回または傾角運動、あるいはプロファイル面の面内回転と平行移動を組み合わせた捻じれ運動、あるいはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする、
請求項5に記載の曲げ型の製造方法。
【請求項9】
多数の曲げ型を三次元プリンティングの技法で作成し、それらをつなぎ合わせて長尺の製品のための曲げ型を作ることを特徴とする、請求項
5に記載の曲げ型の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動車の送油管等の曲がった配管を作るため、例えば熱可塑性樹脂チューブを加熱して曲げ型に入れて成形する技術がある。本発明は、このような曲がった配管を成形する際に使用する曲げ型及びその曲げ型の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂でできたチューブを所定の形に曲げた状態で成形するために、曲げ型が使われる。曲げ型は、例えば、手作業で複数の鉄板を組み合わせ、溶接加工等して目的の形状の曲げ型に作られてきた。また平面状の鉄板をプレス加工して目的の形状の曲げ型を作ることも行われている。
【0003】
また、特許文献1には、次のような技術も開示されている。
アルミニウム材を押出成形して断面がU字形状のU字管を製造し、そのU字管の内部に所定硬さの熱可塑性樹脂からなる棒状の且つ可撓性を有する芯材を嵌入させ、その状態でU字管をベンダーで曲げ加工し、その後芯材を取り出すことによって所望形状の曲げ型を製造する。そして、その曲げ型の内部に直管状に押出成形した熱可塑性樹脂管を嵌め込んでセットし、これを加熱処理して曲げ加工し、所定曲り形状の曲り管を得る。
この技術に対する先行技術として特許文献1には、断面が上面の開いた矩形の曲げ型も開示されている。
【0004】
特許文献2には、フライス加工で平らではない上面に断面が半円状の溝を刻んで形成された曲げ型が開示されている。また、特許文献3には、断面が略C字状である溝を打ち抜き加工で成形した曲げ型が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-164586号公報
【文献】特開2011-79318号公報
【文献】US2003/0042655A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
熱可塑性樹脂チューブを入れて所定の形状にするための曲げ型は、上述したように従来は手作業で作られていた。しかし、手作業で複数の鉄板を組み合わせ、溶接加工等して目的の形状の曲げ型を作る場合、作業員の技能等によって曲げ型の形状・寸法にばらつきが生じるという問題があった。これ故、曲げ型を作業員の技能等に頼ることなく作る方法が模索されていた。
【0007】
熱可塑性樹脂でできたチューブを断面がU字形の型に手作業で嵌め込み加熱して所定の形状の製品を作る際、チューブに加熱媒体(気体あるいは液体)を入れて予め加熱しておき、加熱したチューブを型に手作業で入れることが従来から行われている。このような方法における、手作業で熱いチューブを型に入れる作業は、火傷などの危険があるので作業性が悪い。これ故、手作業に頼ることなくチューブを自動的に曲げ型にいれる方法も模索されていた。
【0008】
上記特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示された曲げ型及びその曲げ型の製造方法は、上記のような問題を解決するために提案されているものである。しかし、これらの提案にはそれぞれまだ解決されていない課題が残っている。例えば、平板からプレス加工により曲げ型を作る場合、曲げ型の形状に制限がある。また、特定の方向から曲げ型を見ると陰になって見えない部分があるような形状の曲げ型は作れない。即ち、直交するx軸、y軸、z軸方向に順次曲がってゆく形状の曲げ型はこれらの先行技術によっては作れない。例えば、特許文献1に開示された方法である芯材を入れたアルミ管を曲げ加工し、その後に芯材を除去する方法では、上記のような複雑な形状の曲げ型を作成することは困難である。また特許文献2のフライス加工により曲げ型を作る場合も同じ問題が残っており、さらにはフライス屑が大量に発生するという問題がある。特許文献3の打ち抜き加工で曲げ型を作る場合も曲げ型の形状に同じ問題が残っている。
【0009】
従来技術による曲げ型は、曲げ型にチューブを手作業で嵌めることを前提としている。複雑な形状の製品を作る複雑な形状の曲げ型に、作業員の判断力やスキルを利用して熱可塑性樹脂チューブを嵌めることが行われている。しかし、かなり長尺の製品、例えば2メートルを超えるような製品をチューブから作る場合は、手作業で曲げ型に嵌めることは容易ではなく、実際上は不可能である。また、加熱された熱可塑性樹脂チューブを曲げ型に嵌める作業は火傷等の危険があるので自動化できることが望まれる。
【0010】
また、熱可塑性樹脂チュ―ブを曲げ型に嵌めるとき、予めチューブを熱媒体で加熱しておくことが行われているが、従来技術のように曲げ型の温度が制御されていない場合、曲げ型にチューブを嵌めた後にチューブが予定以上に早く冷却されることがあり、これが原因となり製品が変形する可能性がある。また、製品取り出し前に予定以上に製品冷却が遅くなり、その結果作業計画に影響を及ぼすこともある。
【0011】
そこで、本発明の第1の課題は、熱可塑性樹脂チューブを曲げ型に嵌めて作る製品の形状が2メートルを超えるものであっても、また3次元的に空間内を自由に曲がった複雑な形状の製品であっても作ることができる曲げ型を提案することである。本発明の第2の課題は、熱可塑性樹脂チューブを自動嵌め込み装置を使って嵌め込むことを可能とする曲げ型を提案することである。さらに本発明の第3の課題は、温度制御をすることができる曲げ型を提案することである。そして、本発明の第4の課題は、そのような曲げ型を作る製造方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した課題は、次の〔1〕~〔9〕に記載した曲げ型及び曲げ型の製造方法によって解決された。
〔1〕チューブを凹部に嵌め込み成形するための曲げ型において、上記凹部の開口幅が凹部の溝幅より短く、該凹部によりチューブ嵌め込み部が形成された曲げ型であつて、その形が、凹部を有する略円形形状の第1の閉曲線を含むプロファイルの三次元空間内での仮想的な連続的な移動により形成される滑らかな形状であり、かつ、上記第1の閉曲線からなる上記プロファイルが内部に閉じた曲線からなる第2の閉曲線を含み、該第2の閉曲線により形成された熱媒体用孔を有することを特徴とする、曲げ型。
〔2〕上記プロファイルの三次元空間内での仮想的な連続的な移動が、プロファイルの単純な平行移動、あるいはプロファイル面の方向の変化と平行移動を組み合わせた旋回または傾角運動、あるいはプロファイル面の面内回転と平行移動を組み合わせた捻じれ運動、あるいはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする、上記〔1〕に記載の曲げ型。
〔3〕上記プロファイルの凹部開口の両側に隣接する二つの領域が緩やかな曲線または直線であり、上記プロファイルの凹部開口の裏側部分の両側に隣接する二つの領域が緩やかな曲線または直線であり、上記凹部開口の両側の上記緩やかな曲線または直線部分により形成された上面レールと、上記凹部開口の裏側部分の両側の上記緩やかな曲線または直線部分により形成された下面レ―ルとを有し、チューブを嵌め込む移動体が該曲げ型を保持しながら上記上面レールと下面レールに沿って移動することを特徴とする、上記〔1〕に記載の曲げ型。
〔4〕上記曲げ型が複数の単位曲げ型を直列に接続して形成されたものであることと、上記単位曲げ型が隣接する単位曲げ型と接続するための接続部を端部に備えることを特徴とする、上記〔1〕に記載の曲げ型。
〔5〕チューブを凹部に嵌め込み成形するための曲げ型の製造方法において、凹部を有する略円形形状の第1の閉曲線を含むプロファイルを三次元空間内で仮想的に連続的に移動させることにより形成される滑らかな形状を設計し、その形状のデータを求め、そのデータに基づき三次元プリンティングの技法でその形状の曲げ型を作成する曲げ型の製造方法であって、上記第1の閉曲線からなる上記プロファイルが内部に閉じた曲線からなる第2の閉曲線を含み、該第2の閉曲線により熱媒体用孔を形成することを特徴とする、曲げ型の製造方法。
〔6〕上記プロファイルの凹部開口の両側に隣接する二つの領域が緩やかな曲線または直線に形成され、上記プロファイルの凹部開口の裏側部分の両側に隣接する二つの領域が緩やかな曲線または直線に形成され、上記凹部開口の両側の上記緩やかな曲線または直線部分により上面レールを形成し、上記凹部開口の裏側部分の両側の上記緩やかな曲線または直線部分により下面レ―ルを形成することを特徴とする、上記〔5〕に記載の曲げ型の製造方法。
〔7〕金属を材料とする三次元プリンティングの技法で作成することを特徴とする、上記〔5〕に記載の曲げ型の製造方法。
〔8〕上記プロファイルを三次元空間内で仮想的に連続的に移動させることが、プロファイルの単純な平行移動、あるいはプロファイル面の方向の変化と平行移動を組み合わせた旋回または傾角運動、あるいはプロファイル面の面内回転と平行移動を組み合わせた捻じれ運動、あるいはこれらを組み合わせたものであることを特徴とする、上記〔5〕に記載の曲げ型の製造方法。
〔9〕多数の曲げ型を三次元プリンティングの技法で作成し、それらをつなぎ合わせて長尺の製品のための曲げ型を作ることを特徴とする、上記〔5〕に記載の曲げ型の製造方法。
【発明の効果】
【0013】
上記した本発明に係る曲げ型によれば、製品の形状が2メートルを超えるものであっても、また3次元的に空間内を自由に曲がった複雑な形状の製品であっても作ることができる。またチューブの嵌め込み時の座屈現象を避けるように曲げ型の凹部開口の位置を最適化できると共に、一度嵌め込まれたチューブが簡単には外れない曲げ型とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る曲げ型(単位曲げ型)の一実施形態を示した概念的斜視図である。
【
図2】本発明に係る曲げ型(単位曲げ型)の他の実施形態を示した概念的斜視図である。
【
図4】
図1と
図2の単位曲げ型を接続するときの概念的斜視図である。
【
図5】熱媒体用孔を形成する場合のプロファイルの例を示した正面図である。
【
図6】熱媒体用孔が形成されている曲げ型の一実施形態を切断して示した概念的斜視図である。
【
図7】多数の単位曲げ型を接続して3次元に自由に曲げて形成した曲げ型の一実施形態を示した概念的斜視図である。
【
図8】プロファイルの形状、特に第2の閉曲線の形状の幾つかの好ましい例を示した正面図である。
【
図9】
図8の(a)のプロファイルで形成した中実の曲げ型Aを用いて熱可塑性樹脂チューブを成形する場合と、
図8の(c)のプロファイルで形成した二つの熱媒体用孔を有する曲げ型Bを用いて成形する場合の三つの点の温度の変化の測定例を示した図である。
【
図10】曲げ型Aの温度測定点A1、A2、A3及び曲げ型Bの温度測定点B1、B2、B3を示した図である。
【
図11】
図8の(c)のプロファイルで形成した熱媒体用孔を有する曲げ型Bを用いて、曲げ型を温度制御しない(non-control)場合と温度制御する(controlled)場合におけるチューブの三つの点の温度の変化の測定例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明に係る曲げ型及び曲げ型の製造方法を説明する。
【0016】
図1及び
図2は、本発明に係る曲げ型(単位曲げ型)の実施形態をそれぞれ示した概念的斜視図である。この実施形態の例では、「曲げ型」は複数の「単位曲げ型」を接続することにより形成される。
図1は曲げ型の末端に配置される単位曲げ型の例を示し、
図2は
図1の単位曲げ型に隣接して配置される単位曲げ型の例を示す。
なお、この明細書においては煩雑さを避けるために実施形態の異なる例においても対応する部材については同一の参照番号を付して説明する。
【0017】
図1の単位曲げ型1は、チューブを嵌め込むための凹部を形成するチューブ嵌め込み部2と、該単位曲げ型1を図示しない枠体に固定するための取付部3と、単位曲げ型1を隣接する単位曲げ型(例えば
図2の単位曲げ型)に接続するための接続部4を備える。
【0018】
チューブ嵌め込み部2には、チューブ嵌め込み凹部2aが形成されている。断面形状が到る所でほぼ同一である図示しないチューブを嵌め込むために、凹部2aはどこでもほぼ同一の断面形状を有することが好ましい。このため、単位曲げ型1の長手方向に垂直な断面形状(特に嵌め込み凹部2aの断面)は常にほぼ同一である。すなわち、
図1の単位曲げ型1の異なる場所における断面5a,5b,5c,5d,5e、及び
図2の単位曲げ型1の異なる場所における断面5f,5g,5h,5i,5jはほぼ同じ断面形状を有する。ただし、取付部3及び接続部4においては嵌め込み凹部2aに加えて付属の構造を有するので、その部分の断面形状はそれ以外の部分のものとは異なる。
【0019】
図1と
図2に例示されている単位曲げ型1,1の形状は、
図3に示すように凹部を有する略円形形状の第1の閉曲線C1を含むプロファイル5を三次元空間内で連続的に移動させることにより生成される形状である。この明細書では、曲げ型(または単位曲げ型)1の断面形状を生成する二次元図形を「プロファイル」と称する。そして、曲げ型(または単位曲げ型)のプロファイルが現れている断面を「プロファイル面」と称する。
【0020】
図3に例示されているようにプロフィル5は凹部を有する略円形形状の第1の閉曲線C1を含む平面形状である。
図3のプロファイル5は、凹部6と、開口7と、開口7の両側に隣接する緩やかな曲線または直線である上面レール部8,8と、開口7の裏側部分9と、該裏側部分9の両側に隣接する緩やかな曲線または直線である下面レール部10,10とを含む。凹部6の溝幅aは、凹部6の開口幅bより少し広く設計することが好ましい。それは、凹部6が形成するチューブ嵌め込み部2に一度嵌め込まれたチューブが簡単には外れないようにするためである。
【0021】
以下の説明を分かり易くするために、プロフィル5を含む平面11内で二つの直交方向を設定する。
図3に示されているように、例えばプロファイル5の第1の閉曲線C1の対称軸の方向をy方向、y方向に垂直な方向をx方向とする。そしてx方向とy方向に垂直な方向をz方向とする。一般的に、本発明に係る曲げ型あるいは単位曲げ型1は、二次元図形である一つのプロファイルを三次元空間内での仮想的な連続的移動により生成される形状を有する。プロファイルの三次元空間内での連続的移動の代表例は、平行移動、あるいはプロファイル面の方向の変化と平行移動を組み合わせた旋回または傾角運動、あるいはプロファイル面の面内回転と平行移動を組み合わせた捻じれ運動、あるいはこれらを組み合わせたものである。なお、プロファイルの移動に伴って、プロファイル5内のy方向とx方向は外部に固定した3次元空間で見れば変化して見える。当然にx方向とy方向に垂直なz方向も変化して見える。
【0022】
プロファイルの三次元空間内での平行移動とはプロファイル5を含む面11を単純にz方向に移動させることである。旋回運動Ryとは、プロファイルの面11の方向をプロファイル5の開口7の方向(y方向)を軸として回転させること、または、その回転と平行移動を組み合わせた運動である。傾角運動Rxとは、プロファイルの面11の方向をプロファイル5の開口7の方向に直角の方向(x方向)を軸として回転させること、または、その回転と平行移動を組み合わせた運動である。プロファイル面の面内回転Rzとは、プロファイルの面11の方向は変えずに、プロファイルをプロファイル5の開口7の方向に直角の方向(x方向)を軸として回転させることであり、捻じれ運動とは面内回転Rzと平行移動を組み合わせた運動である。
【0023】
本発明におけるプロファイルの運動はこれらの運動に限られず、プロファイル5の形を変えない、連続的であり、かつ滑らかであり、かつ一方方向への運動であればよい。例えば、上に説明した運動を組み合わせた運動等も含まれる。
【0024】
例えば、
図1の左端におけるプロファイル面5aから次のプロファイル面5bに到る区間は平行移動であり、次のプロファイル面5cに到る区間はx方向を軸とする傾角運動であり、次のプロファイル面5d付近までは平行移動であり、右端のプロファイル面5eまでの区間は傾角運動と平行移動を組み合わせたプロファイルの運動であり、この単位曲げ型1はこれらのプロファイル運動によって生成される形状となっている。
【0025】
また、
図2の左端におけるプロファイル面5fから次のプロファイル面5gに到る区間は平行移動であり、次のプロファイル5hに到る区間は傾角運動と旋回運動と捻じれ運動を組み合わせた運動であり、次のプロファイル面5iに到る区間は捻じれ運動であり、右端のプロファイル面5jに到る区間は平行移動であり、この単位曲げ型1はこれらのプロファイル運動によって生成される形状となっている。
【0026】
これらの運動は曲げ型の設計中に仮想的に行われる運動である。その仮想的運動に基づき曲げ型の形状を決定して設計図及び形状に関する数値データ等を作成する。その設計図とデータに基づき、金属(例えばアルミニウム、ステンレス)または耐熱性を有する樹脂等を材料とし、三次元プリンティングの技法で曲げ型あるいは単位曲げ型が作成される。金属及びその他の材料の三次元プリンティングの技法自体は公知であるので、それについての詳しい説明はここでは省略する。
3次元プリンティングで作成されるので、
図1及び
図2に示したチューブ嵌め込み部2、取付部3、接続部4等の、単位曲げ型1に付属することもある部材も、単位曲げ型毎に全て一体に形成することができる。
【0027】
図1の単位曲げ型1と
図2の単位曲げ型1は、
図1のプロファイル面5eと
図2のプロファイル面5fで接合される。これらの単位曲げ型1,1を接続するために、
図1の単位曲げ型の右端と、
図2の単位曲げ型の左端にそれぞれ接続部4,4が設けられている。
【0028】
図4は、
図1と
図2の単位曲げ型1,1を接続するときの概念的斜視図である。接続部4は、
図4に示すようにそれぞれの単位曲げ型1の端部の下側に略直方体部分として単位曲げ型1と一体に形成されている。それぞれの接続部4はネジ挿通用の孔4aを有する。
図1のプロファイル面5eと
図2のプロファイル面5fを当接させ、
図4に示すようにネジ12aをそれぞれの孔4a,4aに通し、ナット12bで締め付け固定することにより二つの単位曲げ型1,1を接続することができる。この過程を繰り返すことにより長尺の曲げ型を形成することができる。製品の大きさが長尺でない場合には、単一の単位曲げ型で十分であるので接続部は不要である。
【0029】
熱可塑性樹脂チューブを曲げ型1に嵌める際にチューブを予め加熱したり、成形された製品を曲げ型1から速やかに取り出すためにチューブを冷却したりすることがある。折角チューブを予熱しても曲げ型1の温度が低い場合にはチューブの温度が下がる。その結果、所定の通りに成形できないことがある。また、製品を速やかに冷却しようとしても曲げ型1の温度が高い場合に冷却に長い時間を要することがある。このような問題を避けるために曲げ型1の温度を制御できることが好ましい。
【0030】
本発明に係る曲げ型1では、曲げ型の内部に該曲げ型を加熱又は冷却する温度制御用媒体(液体または気体)を流すための熱媒体用孔13を設けることができる。
図5の(A)は一つの熱媒体用孔を形成する場合のプロファイルの例の正面図である。第1の閉曲線C1を含むプロファイル5の内部に閉じた曲線からなる第2の閉曲線C2を含む。第1の閉曲線C1と第2の閉曲線C2を三次元空間内で連続的に移動させることにより、熱媒体用孔13が生成された曲げ型1を実現できる。
図5の(B)は二つの熱媒体用孔を形成するために二つの第2の閉曲線C2,C2を含むプロファイル5の例である。なお、
図5(A)において
図3のプロファイルと同一部分あるいは領域には同一符号を付した。
【0031】
図6は、
図5の(A)のプロファイル5を三次元空間内で連続的に移動させることにより生成させた曲げ型1を切断して示した概念的斜視図である。第2の閉曲線C2で囲まれた領域が空洞となり、熱媒体用孔13が形成されている。
【0032】
熱媒体用孔13は隣接する曲げ型1,1と相互に接続しなければ機能しないので、接続部4にも熱媒体用孔13を形成する。
図1と
図2に示すように、曲げ型1の熱媒体用孔13は接続部4の内部に形成された熱媒体用孔13aに連続的に移行し、
図1の単位曲げ型1と
図2の単位曲げ型1を当接させると、それぞれのチューブ嵌め込み部2,2が連通すると同時に、それぞれの熱媒体用孔13,13の開口部13b,13bが連通するように熱媒体用孔13aが形成される。
【0033】
図1の曲げ型1の接続部の熱媒体用孔13の開口部13bにはOリング座13cが設けられている。そして
図4に示すように、Oリング座13cにOリング13dを嵌め、そこに
図2の曲げ型1の接続部4の開口部13bを当接させ、ネジ12aを孔4a,4aに通し、ナット12bで締め付け固定することにより、隣接する二つの曲げ型1,1の熱媒体用孔13,13を流体の漏れなしに接続することができる。これを繰り返すことにより複数の単位曲げ型を連結して形成する長尺の曲げ型であっても、全ての単位曲げ型に熱媒体を流し、曲げ型の温度制御をすることができるものとなる。
【0034】
熱媒体用孔13に熱媒体を供給あるいは熱媒体を排出する供給・排出口14は、曲げ型を形成する一続きの単位曲げ型の両端に位置する単位曲げ型に形成される。
図1に供給・排出孔14の例が示されている。単位曲げ型1に取付部3が設けられ、該取付部3の中に熱媒体用孔13aを備え、熱媒体用孔13aの端部が供給・排出口14に繋がっている。
【0035】
接続部4で直列に接続された一連の単位曲げ型は、接続部4の箇所あるいは取付部3の位置の全ての箇所あるいは一部の箇所において、装置を支える図示しない枠体に固定される。取り付けはネジ、クリップ、あるいは溶接で、現場の状況に応じて適宜に図示しない枠体に固定される。
【0036】
図7は、多数の単位曲げ型1,1・・を接続して、3次元空間内に自由に曲げて形成した曲げ型1の概念的斜視図である。
図7においては、隣接する単位曲げ型を接続する接続部や、単位曲げ型を枠体に固定する取付部、枠体などは省略されている。このようにして曲げ型1を形成するとき、チューブ嵌め込み部2を自由に旋回させた形状、昇降させた形状、あるいは螺旋の形状を持つものとすることができる。この時、従来技術によるものとは異なりチューブ嵌め込み部2は3次元空間の特定の方向(例えばxyz直交軸のz軸方向)に開いていなければならないという制限がない。これには次のような利点を有する。
【0037】
熱可塑性樹脂チューブをチューブ嵌め込み部2の曲がった部分に嵌める際、チューブが扁平になったり、座屈したりする現象が発生する場合がある。曲げ型の曲がり部分の両側のチューブ嵌め込み部の中心線を含む平面(「曲げ平面」と呼ぶ)内に、チューブ嵌め込み部のプロファイル面のy方向(「開口方向」と呼ぶ)がない場合にその現象が発生しがちである。他方、曲げ平面と開口方向のなす角(「挿入角」と呼ぶ)が0°または180°のとき、その現象は余り発生しない。
【0038】
図7に例示したような複雑な形状の製品を熱可塑性樹脂チューブから本発明の曲げ型1に嵌めて作る場合、曲げ型1にチューブ嵌め込み部2を設けるときの位置に関しては設計の自由度があるので、チューブ嵌め込み部2の各部分での上記した「曲げ平面」と「開口方向」の関係を最適に設計することにより上記「挿入角」の0°または180°からの乖離を少なくできる。この結果、嵌め込み過程におけるチューブの「チューブが扁平になったり、座屈したりする」現象の発生を可及的に少なくできる。
【0039】
また、本発明に係る曲げ型1は、自走式チューブ嵌め込み装置を使うことを可能にするという効果を有する。これを説明するため、先ずプロファイル5と曲げ型あるいは単位曲げ型1の形状の対応関係を説明する。曲げ型1を形成する
図3のプロファイル5の第1の閉曲線C1の凹部6と開口7は、
図7のチューブ嵌め込み部2に対応する。
図3の開口7の両側に隣接する緩やかな曲線または直線である上面レール部8,8は、
図7の一対の上面レール17,17に対応する。
図1と
図2に図示した単位曲げ型1の接続部4と取付部3は、
図3の開口7の裏側部分9と対応する位置に形成される。
図3の裏側部分9の両側に隣接する緩やかな曲線または直線である下面レール部10,10は、
図7の一対の下面レール18,18に対応する。
【0040】
図3のプロファイル5の三次元空間内での移動によって形成される形状は、
図7に例示するようにチューブ嵌め込み部2に沿って延在する一対の上面レール17,17と一対の下面レール18,18を曲げ型1の周囲に有するものとなる。これは、チューブをチューブ嵌め込み部2に暫定的に収めその後、手あるいは摺動子のようなものをその上面レール17,17と下面レール18,18に沿って滑らせることによって、チューブをチューブ嵌め込み部2に確実に嵌め込むことが容易にできることを意味する。
【0041】
手または摺動子に代えて、これらの上面レール17,17と下面レール18,18に沿って自走する摺動子とすることも可能である。例えば、上面レール17,17を摺動する摺動子と下面レール18,18を転がるローラを設け、それらで曲げ型1を挟持しながらローラを回転させることによりチューブを嵌め込む走行体を自走させることにより、人手を使わずにチューブを嵌め込むことができる。
【0042】
次に、曲げ型1の温度管理のための熱媒体用孔13を形成するための第2の閉曲線C2の形状について説明する。プロファイル5の第1の閉曲線C1の内部の閉じた曲線からなる第2の閉曲線C2があり、上記したようにそれが熱媒体用孔13を形成する。そして、熱媒体は曲げ型1及び嵌め込んだチューブの温度を制御するためのものであるので、熱交換の効率の高い熱媒体用孔13を形成することが好ましい。このために熱媒体用孔13の表面積を大きくするためのヒダを孔の内面に形成する。すなわち、第2の閉曲線C2に凹凸を設けて線を長くすることが良い。
【0043】
図8は、プロファイルの形状、特に第2の閉曲線C2の形状の幾つかの好ましい例を示した正面図である。
図8の(a)はプロファイル5が第2の閉曲線C2を持たず、第1の閉曲線C1からのみ成る場合であり、曲げ型は中実構造となる。(b)から(f)は第2の閉曲線C2を持つ場合であり、曲げ型は中空構造となり、その中空部を熱媒体用孔13として利用する。(b)は中空部の内面に突起が形成される場合、(c)は第2の閉曲線を二つ含み、中空部が二つに分かれる場合、(d)は中空部の内面に断面が丸い突起が形成される場合、(e)は中空部の内面に断面が三角の突起が形成される場合、(f)は第2の閉曲線C2が多数の閉曲線からなり、中空部が多数の細管束から形成される場合を示す。
【0044】
図9は、
図8の(a)のプロファイルで形成した中実の曲げ型Aを用いて熱可塑性樹脂チューブを成形する場合と、
図8の(c)のプロファイルで形成した二つの熱媒体用孔を有する曲げ型Bを用いて成形する場合の三つの点の温度の変化の測定例を示した図である(横軸は時間(sec)、縦軸は温度(℃))。
この測定では、曲げ型Aも曲げ型Bも加熱・冷却をせず、チューブの内部に熱媒体を送ることにより温度制御している。
図10に各曲げ型A,Bにおける温度測定点A1、A2、A3(曲げ型Aの測定点)及び温度測定点B1、B2、B3(曲げ型Bの測定点)を示す。
図9の温度変化曲線に付した符号はそれぞれの曲げ型のそれぞれの測定点における温度変化を示す。
図9のS時点でチューブを曲げ型に嵌めた。環境温度は26±2℃であった。
【0045】
図9から次のことが分かる。
1)嵌め込み直後に、チューブ下面中央の温度A2、B2はいずれも瞬時に下がり徐々に上昇する。
2)チューブ加熱完了までいずれの曲げ型A,Bにおいてもチューブの上面と下面の温度差(A3-A2)、(B3-B2)が40℃以上あり、チューブの形状安定性に影響を与える。
3)チューブを曲げ型に嵌めこんだ後、チューブ下面のB2の温度上昇率はA2の温度上昇率の4倍となる。
結論として、曲げ型を温度制御しない場合でも、中実の曲げ型Aの場合より中空の曲げ型Bの方が速い温度応答性を持つことが分かる。
この測定例は、本発明に係る曲げ型を用いて熱可塑性樹脂チューブを成形する場合、特に、中空の曲げ型を使用する場合には温度応答性を速くできるという効果が得られること示す。
【0046】
図11は、
図8の(c)のプロファイルで形成した熱媒体用孔を2個有する曲げ型Bを用いて、曲げ型を温度制御しない(non-control)場合と温度制御する(controlled)場合におけるチューブの
図10に示した三つの点の温度の変化の測定例を示した図である。
温度制御しない(non-control)場合は、曲げ型Bを加熱・冷却をしない。他方、温度制御する(controlled)場合は、曲げ工程で曲げ型とチューブを内部に熱媒体を送ることにより同時に加熱し、設定温度になるとチューブより先に曲げ型の加熱を停止し、チューブ加熱完了後、曲げ型とチューブを同時に冷却する温度制御をした。そしてこの測定では、それぞれの場合の温度変化を比較している。
温度測定点B1、B2、B3は
図10に示した三つの点である。
図11の温度変化曲線に付した符号B1non、B2non、B3nonは温度制御しない場合の上記各点の温度変化、符号B1con、B2con、B3conは温度制御する場合の上記各点の温度変化を示す。
図11のS時点でチューブを曲げ型に嵌めた。
図11の細かい破線で示した転移温度Tは、熱可塑性樹脂のガラス転移点であり、転移温度T以下に温度が下がると製品を取り出すことができる。環境温度は26±2℃であった。
【0047】
図11から次のことが分かる。
1)チューブを曲げ型に嵌めるとき、チューブが予熱された曲げ型と接触する場合は、B2conの温度変化がB2nonより少ない。
2)チューブを嵌めこんだ後チューブ加熱完了までの期間、温度差(B2con-B3con)が温度差(B2non-B3non)より小さく、チューブ形状が安定する。
3)チューブ冷却の際、温度制御しているとき(controlled)のチューブ全体の温度B2con,B3conは、温度制御しないとき(non-controlled)のチューブ全体の温度B2non、B3nonの1.5倍の速さで材料のガラス転移温度(T=46℃)以下に到達する。
この測定例は、本発明に係る熱媒体用孔を設けた曲げ型を用いて熱可塑性樹脂チューブを成形するとき、曲げ型を温度制御する場合には、チューブの温度が一様であるという条件を保ちながら成形できるので、意図しないチューブの変形を防止できるとともに、成形後の冷却期間を短縮できるという効果が得られること示す。
【0048】
なお、上述の各点の温度変化は、当然チューブ温度制御のためチューブの中に送られる熱媒体及び曲げ型の熱媒体用孔に送られる媒体の種類、温度、流量、その他の条件によって変わるが、いずれの場合にも上述の効果が得られると考えられる。
【0049】
以上、本発明に係るチューブを曲げて嵌め込み加熱冷却して成形するための曲げ型及び曲げ型の製造方法を詳しく説明してきたが、本発明の適用対象は図面に例示されたものに限られず、同じ技術思想で他の形態の装置及び方法として実施することも可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係る曲げ型によれば、熱可塑性樹脂チューブを曲げ型に嵌めて作る製品の形状が2メートルを超えるものであっても、また3次元的に空間内を自由に曲がった複雑な形状の製品であっても作ることができるので、特に自動車の部品などとして使用される各種の樹脂製、金属製のパイプ、ホースの曲げ加工に広く利用することができるものとなる。
【符号の説明】
【0051】
1 曲げ型、単位曲げ型
2 チューブ嵌め込み部
2a 嵌め込み凹部
3 取付部
4 接続部
5 プロファイル
5a~5j プロファイル面
6 凹部
7 開口
8 上面レール部
9 開口の裏側部分
10 下面レール部
11 プロファイルを含む平面
12a ネジ
12b ナット
13,13a 熱媒体用孔
13b 開口部
13d Oリング
14 供給・排出孔
17 上面レール
18 下面レール
C1 第1の閉曲線
C2 第2の閉曲線
20 チューブ