(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-19
(45)【発行日】2022-04-27
(54)【発明の名称】警報操作システム、プログラムおよび警報器
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20220420BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
G08B17/00 C
H04Q9/00 301D
(21)【出願番号】P 2018122909
(22)【出願日】2018-06-28
【審査請求日】2020-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】清水 正広
(72)【発明者】
【氏名】犬塚 和宏
【審査官】西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-234880(JP,A)
【文献】特開2009-212706(JP,A)
【文献】特開2001-241656(JP,A)
【文献】特開2015-050762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00-31/00
G10L15/00-17/26
H03J9/00-9/06
H04Q9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
警報器と警報器以外の機器とを共通の操作器で操作する警報操作システムであって、
特定のデータフォーマットを用いる機器と、
ひとつ以上のデータフォーマットが格納され、該データフォーマット
に前記機器の遠隔操作に用いるデータフォーマットが格納されたデータフォーマットと共通か否かを判定し、共通の場合に、格納されたデータフォーマットから前記機器と共通のデータフォーマットを選択し、
共通ではない場合に、サーバと接続して該サーバより前記機器と共通のデータフォーマットを取得して遠隔操作が行える警報器と、
前記機器および前記警報器に共通するデータフォーマットにより、前記機器または前記警報器を選択的に操作可能な操作器と、
を備えることを特徴とする警報操作システム。
【請求項2】
警報器と警報器以外の機器とを共通の操作器で操作する警報操作システムであって、
特定のデータフォーマットを用いる機器と、
ひとつ以上のデータフォーマットが格納され、該データフォーマットから前記機器と共通のデータフォーマットを選択し、または前記機器と共通のデータフォーマットを取得して遠隔操作が行える警報器と、
前記機器および前記警報器に共通するデータフォーマットにより、前記機器または前記警報器を選択的に操作可能な操作器と、
を備え、前記警報器は、遠隔操作に用いるデータフォーマット、共通のデータフォーマットで遠隔操作される前記機器、または遠隔操作が可能な前記操作器の何れかまたは二以上を表す識別情報を情報提示部に提示することを特徴とする警報操作システム。
【請求項3】
前記警報器は、
点灯、消灯、点滅、調光または発光色が切替え可能な光源部と、
前記操作器の操作信号により、前記光源部の点灯、消灯、点滅、調光または発光色の切替えを行う光源制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の警報操作システム。
【請求項4】
前記操作器は、
前記警報器に対して前記データフォーマットの選択または取得を指示し、または前記光源制御部に対して前記光源部の点灯、消灯、点滅、調光または発光色の切替えを指示する操作部を備えることを特徴とする請求項
3に記載の警報操作システム。
【請求項5】
前記警報器から音声による指示情報が発せられ、この指示情報に基づき前記操作器が前記警報器または前記機器に対する操作情報を出力することを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の警報操作システム。
【請求項6】
コンピュータにより実現するプログラムであって、
操作器との通信により機器の遠隔操作に用いるデータフォーマットが、ひとつ以上のデータフォーマットを格納する
記憶部に格納されたデータフォーマットと共通か否かを判定し、共通の場合には前記記憶部から
前記機器と共通のデータフォーマットを選択する機能と、
データフォーマットが共通ではない場合には、サーバと接続し、該サーバより前記機器と共通のデータフォーマットを取得
して前記記憶部に格納する機能と、
を前記コンピュータにより実現するプログラム。
【請求項7】
コンピュータにより実現するプログラムであって、
ひとつ以上のデータフォーマットを格納する記憶部から機器と共通のデータフォーマットを選択する機能と、
前記機器と共通のデータフォーマットを取得する機能と、
遠隔操作に用いるデータフォーマット、共通のデータフォーマットで遠隔操作される機器、または遠隔操作が可能な操作器の何れかまたは二以上を表す識別情報を情報提示部に提示する機能と、
を前記コンピュータにより実現するプログラム。
【請求項8】
操作器に対する音声指示を行う指示情報を生成する機能を含む請求項
6または請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
機器と共通の操作器で遠隔操作が可能な警報器であって、
ひとつ以上のデータフォーマットが格納される記憶部と、
前記操作器との通信により前記機器の遠隔操作に用いるデータフォーマットが前記記憶部に格納されたデータフォーマットと共通か否かを判定し、共通の場合には前記記憶部から前記機器と共通のデータフォーマットを選択し、
データフォーマットが共通ではない場合には、サーバと接続し、該サーバより前記機器と共通のデータフォーマットを取得
して前記記憶部に格納する処理部と、
を備えることを特徴とする警報器。
【請求項10】
機器と共通の操作器で遠隔操作が可能な警報器であって、
ひとつ以上のデータフォーマットが格納される記憶部と、
前記記憶部から前記機器と共通のデータフォーマットを選択し、または前記機器と共通のデータフォーマットを取得する処理部と、
遠隔操作に用いるデータフォーマット、共通のデータフォーマットで遠隔操作される機器、または遠隔操作が可能な操作器の何れかまたは二以上を表す識別情報を提示する情報提示部と、
を備えることを特徴とする警報器。
【請求項11】
さらに、点灯、消灯、点滅、調光または発光色が切替え可能な光源部と、
前記操作器の操作信号により、前記光源部の点灯、消灯、点滅、調光または発光色の切替えを行う光源制御部と、
を備えることを特徴とする請求項
9または請求項10に記載の警報器。
【請求項12】
さらに、遠隔操作に用いるデータフォーマット、共通のデータフォーマットで遠隔操作される機器、または遠隔操作が可能な操作器の何れかまたは二以上を表す識別情報を提示する情報提示部を備えることを特徴とする請求項
9に記載の警報器。
【請求項13】
前記操作器に対して音声指示を出力する音声指示部を備えることを特徴とする請求項
9または請求項10に記載の警報器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送受信機器やVTR(Videotape Recorder)などの機器と警報器を共通の操作器で操作を可能にする遠隔操作の多機能化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
警報器は、屋内の各部屋などに設置されてたとえば、火災を検知した際に火災発生を警報音により報知する。この警報器には操作器が備えられ、点検や警報解除などに用いられる。
斯かる警報システムに関し、連動可能に配設された複数の警報器とともに操作器が備えられ、操作器の点検信号を受信した警報器が判定情報をID(Identification)とともに返答信号で送信し、操作器は警報器から返答信号とともに受けた判定情報を表示部に表示することが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ガス漏れ検知や煙検知の機能を果たすため、警報器は屋内の天井やその近傍壁に設置される。高所の警報器の操作は、警報器にある引きヒモによる操作や、踏み台に上がっての操作などを必要としていた。これに対し、警報器の動作確認や警報解除などを遠隔操作するための操作器を備えれば、警報器の引きヒモによる直接操作が不要で、ユーザーの安全性を確保できるなど、警報システムの利便性を高める点で有効である。
屋内に常設される放送受信機器、照明器具、エアコンなどの機器には専用の操作器が備えられ、各機器の操作には複数の操作器から必要な操作器を選択しなければならない。これに警報器操作のため、専用の操作器が加われば、操作器の選択やその操作が複雑化するという課題がある。
しかしながら、家電機器に比較して警報器の操作は、点検や警報解除など、操作頻度が低く、しかも、操作にはより迅速性が求められるという課題がある。
斯かる要求や課題について、特許文献1にはその開示や示唆はなく、それを解決する構成等についての開示や示唆はない。
そこで、本発明の目的は上記課題に鑑み、家電機器などの機器および警報器の遠隔操作の機能を拡張し、かつ操作器の設置数を削除し、操作器の利便性を高めることにある。
また、本発明の他の目的は、屋内に常設される警報器に照明機能を付加して利便性を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の警報操作システムの一側面によれば、警報器と警報器以外の機器とを共通の操作器で操作する警報操作システムであって、特定のデータフォーマットを用いる機器と、ひとつ以上のデータフォーマットが格納され、該データフォーマットに前記機器の遠隔操作に用いるデータフォーマットが格納されたデータフォーマットと共通か否かを判定し、共通の場合に、格納されたデータフォーマットから前記機器と共通のデータフォーマットを選択し、共通ではない場合に、サーバと接続して該サーバより前記機器と共通のデータフォーマットを取得して遠隔操作が行える警報器と、前記機器および前記警報器に共通するデータフォーマットにより、前記機器または前記警報器を選択的に操作可能な操作器とを備える。
上記目的を達成するため、本発明の警報操作システムの一側面によれば、警報器と警報器以外の機器とを共通の操作器で操作する警報操作システムであって、特定のデータフォーマットを用いる機器と、ひとつ以上のデータフォーマットが格納され、該データフォーマットから前記機器と共通のデータフォーマットを選択し、または前記機器と共通のデータフォーマットを取得して遠隔操作が行える警報器と、前記機器および前記警報器に共通するデータフォーマットにより、前記機器または前記警報器を選択的に操作可能な操作器とを備え、前記警報器は、遠隔操作に用いるデータフォーマット、共通のデータフォーマットで遠隔操作される前記機器、または遠隔操作が可能な前記操作器の何れかまたは二以上を表す識別情報を情報提示部に提示する。
この警報操作システムにおいて、前記警報器は、点灯、消灯、点滅、調光または発光色が切替え可能な光源部と、前記操作器の操作信号により、前記光源部の点灯、消灯、点滅、調光または発光色の切替えを行う光源制御部とを備えてよい。
この警報操作システムにおいて、前記操作器は、前記警報器に対して前記データフォーマットの選択または取得を指示し、または前記光源制御部に対して前記光源部の点灯、消灯、点滅、調光または発光色の切替えを指示する操作部を備えてよい。
この警報操作システムにおいて、前記警報器から音声による指示情報が発せられ、この指示情報に基づき前記操作器が前記警報器または前記機器に対する操作情報を出力してもよい。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のプログラムの一側面によれば、コンピュータにより実現するプログラムであって、操作器との通信により機器の遠隔操作に用いるデータフォーマットが、ひとつ以上のデータフォーマットを格納する記憶部に格納されたデータフォーマットと共通か否かを判定し、共通の場合には前記記憶部から前記機器と共通のデータフォーマットを選択する機能と、データフォーマットが共通ではない場合には、サーバと接続し、該サーバより前記機器と共通のデータフォーマットを取得して前記記憶部に格納する機能とを前記コンピュータにより実現する。
上記目的を達成するため、本発明のプログラムの一側面によれば、コンピュータにより実現するプログラムであって、ひとつ以上のデータフォーマットを格納する記憶部から機器と共通のデータフォーマットを選択する機能と、前記機器と共通のデータフォーマットを取得する機能と、遠隔操作に用いるデータフォーマット、共通のデータフォーマットで遠隔操作される機器、または遠隔操作が可能な操作器の何れかまたは二以上を表す識別情報を情報提示部に提示する機能とを前記コンピュータにより実現する。
このプログラムにおいて、操作器に対する音声指示を行う指示情報を生成する機能を含
んでよい。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の警報器の一側面によれば、機器と共通の操作器で遠隔操作が可能な警報器であって、ひとつ以上のデータフォーマットが格納される記憶部と、前記操作器との通信により前記機器の遠隔操作に用いるデータフォーマットが前記記憶部に格納されたデータフォーマットと共通か否かを判定し、共通の場合には前記記憶部から前記機器と共通のデータフォーマットを選択し、データフォーマットが共通ではない場合には、サーバと接続し、該サーバより前記機器と共通のデータフォーマットを取得して前記記憶部に格納する処理部とを備える。
上記目的を達成するため、本発明の警報器の一側面によれば、機器と共通の操作器で遠隔操作が可能な警報器であって、ひとつ以上のデータフォーマットが格納される記憶部と、前記記憶部から前記機器と共通のデータフォーマットを選択し、または前記機器と共通のデータフォーマットを取得する処理部と、遠隔操作に用いるデータフォーマット、共通のデータフォーマットで遠隔操作される機器、または遠隔操作が可能な操作器の何れかまたは二以上を表す識別情報を提示する情報提示部とを備える。
この警報器において、さらに、点灯、消灯、点滅、調光または発光色が切替え可能な光源部と、前記操作器の操作信号により、前記光源部の点灯、消灯、点滅、調光または発光色の切替えを行う光源制御部とを備えてよい。
この警報器において、さらに、遠隔操作に用いるデータフォーマット、共通のデータフォーマットで遠隔操作される機器、または遠隔操作が可能な操作器の何れかまたは二以上を表す識別情報を提示する情報提示部を備えてよい。
この警報器において、前記操作器に対して音声指示を出力する音声指示部を備えてよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
<警報操作システム>
(1) 放送受信機器、エアコンなどの機器の遠隔操作に用いられる操作器を警報器の操作に利用でき、警報器操作の利便性が高められる。
(2) 警報器操作のための専用の操作器が不要となるので、専用の操作器の設置箇所への移動や専用操作器を探すといった手間がなく、機器操作に用いられる操作器で警報器の点検や警報解除などを行え、警報器操作を迅速化できる。
(3) 警報器と操作器の操作に必要なデータフォーマットは警報器にあるデータフォーマットからの選択または取得ができるので、警報器と操作器を操作可能に維持できる。
(4) 機器の取替えなどでデータフォーマットが変更されても、適合するデータフォーマットを取得するので、データフォーマット不適合による操作不能を防止できる。
【0010】
<プログラムおよび警報器>
(5) 選択された操作器に適合するデータフォーマットを警報器から選択でき、機器操作に用いられる操作器で警報器を操作できる。
(6) 警報器にデータフォーマットが存在しない場合にはデータフォーマットを取得でき、警報器と機器操作用の操作器との関係を維持することができる。
(7) 操作可能な操作器やデータフォーマットの識別情報を提示でき、適合する操作器との関係を明示できる。
(8) 点灯、消灯、点滅、調光または発光色の切替え可能な光源部を備えれば、常夜灯、装飾照明などの光源として利用できる。
【0011】
<操作器>
(9) 警報器と複数の機器の遠隔操作を行うことができるとともに、データフォーマットの選択または取得を行うことができる。
(10) 操作可能な警報器、データフォーマットまたは操作モードを提示でき、警報器や遠隔操作可能な機器の選択の利便性を高めることができる。
(11) 機器操作と警報器操作の干渉を避けることができ、機器や警報器の誤操作を防止できる。
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施の形態に係る警報操作システムを示す図である。
【
図6】操作機能が割り付けられた接点の短押し検出、長押し検出を説明するための図である。
【
図9】Aはフォーマット情報ファイルを示す図、Bは操作情報ファイルを示す図である。
【
図11】データフォーマットを整合させるための処理シーケンスを示す図である。
【
図12】操作器によるモード切替え操作の処理手順を示すフローチャートである。
【
図13】第2の実施の形態に係る警報器を示す図である。
【
図14】Aは警報器の前面パネル部を示す図、Bは光源部を示す図である。
【
図16】Aは操作制御情報ファイルを示す図、Bは発光パターン制御情報ファイルを示す図である。
【
図17】操作器によるモード切替え操作の処理手順を示すフローチャートである。
【
図18】光源部の発光パターンの切替えの処理手順を示すフローチャートである。
【
図19】第3の実施の形態に係る警報操作システムを示す図である。
【
図22】音声通信を含む処理シーケンス示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第1の実施の形態〕
<警報操作システム>
図1は、第1の実施の形態に係る警報操作システムを示している。
図1に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この警報操作システム2には機器4、警報器6および操作器8が備えられる。機器4は放送受信機器などの家電機器であり、ガス機器であってもよい。警報器6は家屋の天井10や、壁面12などに設置される。この警報器6にはガス漏れ検知や煙検知などの異常検知機能、警報機能、異常状態を音声メッセージで報知する警報機能が備えられる。操作器8は、機器4および警報器6の遠隔操作に共用される。たとえば、機器4の操作のための操作器8が警報器操作に兼用されている。機器4および警報器6の操作にはたとえば、遠赤外線Lが用いられ、この操作内容には、機器4がたとえば、放送番組の記録機能を備える放送受信機器であれば、電源投入、その解除、受信チャンネルの選択、記録予約などが含まれる。警報器6の操作では点検、警報解除、操作器8の操作を連係させるためのデータフォーマットの選択または取得などが含まれる。
【0014】
機器4の本体部14には操作器8の赤外線通信部16-1に対応する赤外線通信部16-2が備えられる。この赤外線通信部16-2は遠赤外線Lを用いて赤外線通信部16-1との情報の授受に用いられる。
警報器6は異常検知機能や警報機能などの警報器本来の機能に加え、通信機能を備えたコンピュータを備え、インターネットなどの通信回線18を介してサーバー20に接続されている。このサーバー20は警報器6を管理するたとえば、ガス会社などに設置される。
この警報器6には筐体部22が備えられる。この筐体部22には報知部24、情報提示部26、操作器8の赤外線通信部16-1に対応する赤外線通信部16-3が備えられる。情報提示部26にはたとえば、LCD(Liquid Crystal Display)が用いられる。赤外線通信部16-3は遠赤外線Lを用いて赤外線通信部16-1との情報の授受に用いられる。
【0015】
操作器8には移動可能な筐体部28が備えられる。この筐体部28には操作部30、情報提示部32、放音部34、赤外線通信部16-1などが備えられる。操作部30には複数の操作ボタン36が備えられ、各操作ボタン36が警報器操作や機器操作に割り付けられている。情報提示部32には機器4や警報器6などの識別情報や、操作情報などが提示される。放音部34は警報音、操作音またはメッセージ音声を出力する。赤外線通信部16-1は機器4や警報器6との赤外線通信に用いられる。
【0016】
<データフォーマット>
放送受信機器、照明機器、エアコンなどの機器の操作に用いられる一般的な操作器には製造元や規格により異なるデータフォーマットが用いられ、企業名や規格名を付して「・・・フォーマット」などと通称されている。一般に、データフォーマットとは、リモコン操作などの機器操作に用いられるデータ形式のことであり、赤外線リモコンなどに向けられた通信フォーマットも含む。このデータ形式とは、警報器操作の処理に用いるデータの生成、保存、データ送受の規則やデータ構造を意味する。このデータ構造とは、どのようなデータをどのように配列して保持や処理をするかを定義したものであり、OS(Operating System)やプログラミング言語に依存する。機器操作において、異なるデータフォーマットを用いれば、操作対象の特定や誤操作の防止などの利点がある。
【0017】
<機器4>
図2は、機器4のハードウェアの一例を示している。この機器4が放送記録機能を備えるTV受像機器であれば、たとえば、赤外線通信部16-2、制御部38、放送受信機能部40、記憶部42、通信部44などが備えられる。
赤外線通信部16-2は制御部38の制御により、操作器8との赤外線通信を行って情報の授受を行う。
制御部38はコンピュータで構成され、記憶部42にあるOSやプログラムを実行するとともに、赤外線通信部16-2、放送受信機能部40または記憶部42を制御する。放送受信機能部40は制御部38の制御により、TV放送などの放送受信を行う。記憶部42はROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などの記憶素子が備えられ、制御部38の制御によりOS、プログラム、赤外線通信などの制御情報、受信放送の予約、放送内容の記録などの情報を格納する。通信部44はたとえば、インターネットなどの通信回線に接続され、制御部38の制御により情報の送受を行う。
【0018】
制御部38にはプロセッサや入出力部が備えられる。この制御部38の制御には、赤外線通信制御46、操作制御48、チャンネル選択制御50、音声制御52、放送記録・予約・解除制御54などが含まれる。赤外線通信制御46は特定の操作器8からの赤外線の受信を行う。操作制御48は、操作器8からの操作信号であるかを判別し、機器4に向けられた操作内容であるかを識別する。チャンネル選択制御50は操作器8で選択されるチャンネルを判別し、放送の受信チャンネルを選択する。音声制御52は操作器8から指示される音声レベルに調整する。放送記録・予約・解除制御54は操作器8から指示される受信放送の記録に関し、その予約や解除を行う。
【0019】
<警報器6>
図3は、警報器6のハードウェアの一例を示している。この警報器6には赤外線通信部16-3、異常検知部56、制御部58、記憶部60、通信部62、報知部24、情報提示部26および入力部68が備えられる。
赤外線通信部16-3は制御部58の制御により、操作器8との赤外線通信を行って情報の授受を行う。
異常検知部56はたとえば、ガス漏れ検知素子56-1、煙検知素子56-2を備え、ガス漏れや煙検知を行い、これらの異常検知信号を制御部58に提供する。
制御部58はコンピュータで構成され、記憶部60にあるOSやプログラムを実行するとともに、赤外線通信部16-3、記憶部60、通信部62、報知部24、情報提示部26または入力部68を制御する。
記憶部60はROMやRAMなどの記憶素子が備えられ、制御部58の制御によりOS、プログラム、赤外線通信などの制御情報などの情報を格納する。通信部62は制御部38の制御により通信回線としてたとえば、インターネット18を介してサーバー20(
図1)に接続されて情報の送受を行う。
報知部24は制御部58の制御により、異常時、警報などを報知する。情報提示部26はたとえば、LCDを備え、制御部58の制御により制御情報や報知情報を画像などにより提示する。入力部68はたとえば、情報提示部26に併設されるタッチパネルなどを備え、操作器8と同様に警報器6の操作入力に用いられる。
【0020】
<制御部58による制御>
制御部58による制御には情報取得制御70、異常判断制御72、報知制御74、データフォーマット選択78、データフォーマット取得80などが含まれる。
情報取得制御70には記憶部60の情報の読込み読出し、サーバー20との間の情報交換などが含まれる。異常判断制御72には、異常検知部56から受けた検知情報が異常であるか否かの判定が含まれる。報知制御74には異常時の警報出力、情報提示などが含まれる。データフォーマット選択78には、記憶部60にあるデータフォーマットの選択などが含まれる。データフォーマット取得80にはサーバー20からのデータフォーマットの取得が含まれる。
【0021】
<記憶部60の格納情報>
記憶部60にはプログラム格納部82、データフォーマット格納部84が含まれる。プログラム格納部82にはOSやプログラムなどが格納される。データフォーマット格納部84には複数の格納部84-1、84-2、・・・が備えられる。格納部84-1には操作器8との情報交換に用いるたとえば、データフォーマットAが格納される。格納部84-2は、サーバー20から取得するデータフォーマットXの格納領域である。
【0022】
<操作器8>
図4は、操作器8のハードウェアの一例を示している。この操作器8には赤外線通信部16-1、制御部86、記憶部88、通信部90、情報提示部32、放音部34および操作入力部94が備えられる。
赤外線通信部16-1は制御部86の制御により、機器4または警報器6との赤外線通信を行って情報の授受を行う。
制御部86はコンピュータで構成され、記憶部88にあるOSやプログラムを実行するとともに、赤外線通信部16-1、記憶部88、通信部90、情報提示部32、放音部34または操作入力部94を制御する。
記憶部88はROMやRAMなどの記憶素子が備えられ、制御部86の制御によりOS、プログラム、赤外線通信などの制御情報などの情報を格納する。通信部90は制御部86の制御により通信回線としてたとえば、インターネット18を介してサーバー20(
図1)に接続されて情報の送受が可能である。
情報提示部32はたとえば、LCDを備え、制御部86の制御により識別情報や操作情報を画像などにより提示する。放音部34にはたとえば、スピーカなどが用いられる。操作入力部94には既述の操作部30(
図1)の他、情報提示部32に併設されるタッチパネルなどが含まれる。
【0023】
<制御部86による制御>
制御部86による制御には赤外線通信制御100、操作制御102、情報提示制御104、データフォーマット取得制御106などが含まれる。赤外線通信制御100には機器4の赤外線通信部16-2との遠赤外線Lによる通信、警報器6の赤外線通信部16-3との遠赤外線Lによる通信のための制御が含まれる。操作制御102には、操作部30(
図1)に割り付けられたモード設定や、機器4や警報器6に対するボタン操作、操作出力の生成などが含まれる。情報提示制御104には制御情報、操作モード、操作機器などの提示情報の生成が含まれる。データフォーマット取得制御106にはサーバー20からのデータフォーマットの取得制御などが含まれる。
【0024】
<記憶部88の格納情報>
記憶部88には機器情報格納部108、データフォーマット格納部110、提示情報格納部112などが含まれる。機器情報格納部108には操作器8の操作対象機器である機器4や警報器6の識別情報などが格納される。データフォーマット格納部110にはデータフォーマットの取得情報などが格納される。提示情報格納部112には、情報提示部32に提示される情報が格納される。
【0025】
<操作器8の操作回路114>
図5は、操作器8の操作回路114の一例を示している。
図5に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この操作回路114にはスイッチ部116、クロック部117、スイッチ検出部118、信号生成部120および赤外線送出部122が含まれる。
スイッチ部116には複数の行線Xと列線Yが備えられ、行線Xと列線Yの交差点には開閉可能な開閉接点Sとして複数行、複数列を構成する接点S11、S12、・・・、S1n、S21、S22、・・・、S2n、・・・、Sn1、Sn2、・・・、Snnが備えられる。クロック部117は一定の時間間隔でクロック信号を発生する。
【0026】
スイッチ検出部118は、スイッチ部116の接点S11、S12、・・・、S1n、S21、S22、・・・、S2n、・・・、Sn1、Sn2、・・・、Snnの開または閉を表す検出信号を出力する。この接点Sx(=S11、S12、・・・、S1n、S21、S22、・・・、S2n、・・・、Sn1、Sn2、・・・、Snnのいずれか)の開閉について、クロック部117のクロック信号を参照し、接点Sxの開閉時間に応じた検出信号を出力する。信号生成部120は、接点S11、S12、・・・、S1n、S21、S22、・・・、S2n、・・・、Sn1、Sn2、・・・、Snnの開または閉を表すデータフォーマットに基づく操作信号を生成する。
赤外線送出部122はたとえば、遠赤外線発光素子を備え、信号生成部120で生成した操作信号を表す遠赤外線Lを送出する。
【0027】
<接点Sxの短押し、長押しの検出>
図6のAはクロック信号、
図6のBは短押し出力信号、
図6のCは長押し出力信号を示している。
クロック部117が
図6のAに示すように、一定の時間間隔でクロック信号を発生するものとすれば、
図6のBに示すように、接点Sxの押下が短い時間(=短押し)であれば、クロック信号のカウント数に応じて、短押し出力信号が得られる。
図6のCに示すように、接点Sxの押下が長い時間(=長押し)であれば、クロック信号のカウント数に応じて、長押し出力信号が得られる。
これにより、ひとつの接点Sxに対し、押下の長短に異なる機能を割り当てることができる。
【0028】
<操作器8の前面パネル部124>
図7は、操作器8の前面パネル部124の一例を示している。操作器8の筐体部28(
図1)の前面パネル部124には、操作部30、情報提示部32、放音部34が備えられる。 操作部30には複数の操作ボタン36が備えられる。複数の操作ボタン36には、電源スイッチ、放送モード選択スイッチ、置数キー「1~12」、選局ボタン、音量調整ボタンなどの機能ボタンが含まれる。
この操作器8では、接点Sx(たとえば、接点S11)にたとえば、電源ボタンを割り当てれば、短押し、長押し、モード設定中の長押しなどにより、後述の機能を設定することができる。
機器操作モードまたは警報器操作モードの設定中、そのモードにおいて、各接点Sxに割り当てられている機能を選択することができる。
【0029】
<サーバー20>
図8は、サーバー20の一例を示している。このサーバー20には処理部126、記憶部128、通信部130、情報提示部132および入力部136が備えられる。
処理部126はコンピュータで構成され、記憶部128にあるOSやプログラムを実行するとともに、記憶部128、通信部130、情報提示部132または入力部136を制御する。
記憶部128はROMやRAMなどの記憶素子が備えられ、処理部126の制御によりOS、プログラム、赤外線通信などの制御情報などの情報を格納する。通信部130は処理部126の制御により通信回線としてたとえば、インターネット18を介して警報器6または操作器8と接続されて情報の送受が可能である。
情報提示部132はたとえば、LCDを備え、処理部126の制御により識別情報や処理情報を画像などにより提示する。入力部136は各種情報の入力に用いられる。
【0030】
<サーバー20による管理>
サーバー20による管理には警報器管理138、機器操作に必要なデータフォーマット提供140が含まれる。
記憶部128には警報器管理情報142、警報器6に提供するためのデータフォーマット情報144が格納される。このデータフォーマット情報144には放送受信機器などの各種機器の遠隔操作用のデータフォーマットが含まれる。
【0031】
<フォーマット情報ファイル146>
図9のAは、フォーマット情報ファイル146を示している。このフォーマット情報ファイル146は警報器6の記憶部60に備えられる。このフォーマット情報ファイル146には
図9のAに示すように、識別情報部148、日時部150、フォーマット情報部152、操作機器部154が備えられる。識別情報部148にはデータフォーマットの識別情報が格納される。日時部150には格納日時などが格納される。フォーマット情報部152にはデータフォーマットを表す情報が格納される。操作機器部154には操作対象機器である機器4、操作器8などの識別情報が格納される。
【0032】
<操作器情報ファイル156>
図9のBは、操作情報ファイル156を示している。この操作情報ファイル156は操作器8の記憶部88に備えられる。この操作情報ファイル156には
図9のBに示すように、操作対象機器との情報を共有するため、識別情報部158、日時部160、フォーマット情報部162、操作機器部164が備えられる。同様に、識別情報部158にはデータフォーマットの識別情報が格納される。日時部160には格納日時などが格納される。フォーマット情報部162にはデータフォーマットを表す情報が格納される。操作機器部164には操作対象機器である機器4、警報器6などの識別情報が格納される。
【0033】
<操作制御情報ファイル166>
図10は、操作制御情報ファイル166を示している。この操作制御情報ファイル166は操作器8の記憶部88に備えられ、操作器8による操作対象として機器4または警報器6の選択、操作部30に操作機能が割り付けられた機器4または警報器6の操作間の干渉回避に用いられる。
この操作制御情報ファイル166には
図10に示すように、操作機器選択部168、操作ボタン情報部170、割付け情報部172、提示情報部174が備えられる。
操作機器選択部168には機器4または警報器6の操作機器の選択情報が格納される。操作ボタン情報部170には操作器8の操作部30の接点Sx(たとえば、電源ボタン)の操作ボタン情報が格納される。割付け情報部172には割り付けられた操作内容を表す情報が格納される。この操作内容を表す情報には、機器4側であれば、電源のON・OFF、チャンネル選択、音量調整、記録操作などであり、警報器6であれば、点検、警報解除、警報復帰操作などが含まれる。
【0034】
<データフォーマットの整合処理>
図11は、操作器8、機器4および警報器6の遠隔操作に必要なデータフォーマットを整合させるための処理手順を示している。この処理手順において、Sは工程を表し、Sに付した番号はその工程順を表している(以下同じ)。
操作器8では電源の投入により初期設定が実行される(S101)。この初期設定において、機器4との赤外線通信が可能かの判定を行う(S102)。通信が可能であれば(S102のYES)、警報器6との赤外線通信が可能かの判定を行う(S103)。
次に機器4側のデータフォーマットと警報器6側のデータフォーマットが一致しているかの判定を行い、これらの判定結果が提示情報部32に提示される(S104)。
判定結果を参照し、データフォーマットが不整合であれば、警報器6をデータフォーマットの取得モードに移行させる(S105)。
このデータフォーマットの取得モードでは、警報器6がサーバー20と通信を確立し(S106)、サーバー20に対してデータフォーマットを要求し(S107)、機器4の遠隔操作と適合するデータフォーマットをサーバー20から取得する(S108)。
取得したデータフォーマットはデータフォーマット格納部84に格納する(S109)。このデータフォーマットを取得したことで、機器4および警報器6共通のデータフォーマットにより遠隔操作が可能となる(S110)。
【0035】
<モード切替えの処理手順>
図12は、操作器8によるモード切替えの処理手順を示している。この処理手順では、操作器8の接点Sx(=S11、S12、・・・、S1n、S21、S22、・・・、S2n、・・・、Sn1、Sn2、・・・、Snnの何れかたとえば、接点S11)に電源のON、OFFおよびモード切替えが割り当てられた場合の処理である。
接点Sxの短押しかを判定し(S201)、接点Sx=短押しであれば(S201のYES)、電源OFF状態から電源=ONに切り替えられる(S202)。
この電源ON状態で、接点Sxが操作されたとき、接点Sx=短押しかを判定する(S203)。接点Sx=短押しであれば(S203のYES)、電源ON状態(S202)から電源=OFFに切り替えられる(S204)。
【0036】
この電源ON状態(S202)で、接点Sxが操作されたとき、接点Sx=短押しでなければ(S203のNO)、接点Sx=長押しかを判定する(S205)。接点Sx=長押しであれば(S205のYES)、電源ON状態で機器操作モードに切り替えられる(S206)。接点Sx=長押しでなければ(S205のNO)、S203に戻り、電源=OFFに切り替えられる(S204)。
この機器操作モード(S206)で、接点Sxが操作されたとき、接点Sx=長押しかを判定する(S207)。接点Sx=長押しであれば(S207のYES)、警報器操作モードに切り替えられる(S208)。接点Sx=長押しでなければ(S207のNO)、S203に戻り、機器操作モード(S206)から電源=OFFに切り替えられる(S204)。
【0037】
<第1の実施の形態の効果>
この第1の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 放送受信機器などの機器4および警報器6を操作器8で共通のデータフォーマットにより遠隔操作をすることができる。
(2) 機器操作に用いられる操作器側のデータフォーマットが異なっても、警報器6によりサーバー20から必要なデータフォーマットを取得し、機器4側のデータフォーマットと整合させることができる。
(3) 操作頻度が低い警報器6の操作のための専用の操作器を備えておく必要がなく、遠隔操作システムの利便性が高められ、操作器管理の煩わしさを軽減できる。
(4) 身近にある操作器を警報器操作に兼用でき、警報器の動作解除という特殊な操作を身近な操作器で行うことができ、警報器操作の利便性を高めることができる。
(5) 放送受信機器に用いられる専用操作器などの通信フォーマットに限定されることなく、ユーザーが何れの操作器を使用しても警報器側のデータフォーマットの設定のみで、幅広く既存の操作器を利用することができる。
(6) 操作器8によれば、情報端末などの専用アプリの起動などが不要であり、警報器の警報解除などの迅速操作に適する。
(7) 既述のように、ひとつの接点Sxの操作に電源のON、OFF、モード切替えを割り当てることができ、簡易な操作を実現できる。
【0038】
〔第2の実施の形態〕
<警報器6>
図13は、第2の実施の形態に係る警報器6を示している。
図13において、
図3と同一部分には同一符号を付し、その説明を割愛する。
この警報器6には光源部96が備えられ、制御部58の制御には既述の制御に加え、光源制御98が含まれる。この光源制御98に対応するため、記憶部60には発光パターン情報176が格納される。
【0039】
<光源制御98、発光パターン情報176>
光源制御98には光源部96の点灯、消灯、点滅、調光または発光色の切替え制御が含まれる。調光では光源の発光量を高、中、低などに切り替える。発光色の切替えでは、警報時には赤色点灯、照明発光では白色点灯、装飾発光では青色点灯、緑色点灯、橙色点灯などに切替え可能である。
発光パターン情報176には光源部96の発光パターンの詳細とともに、操作器8の操作情報が格納される。
【0040】
<警報器6の前面パネル部178>
図14のAは、警報器6の前面パネル部178を示している。
図14のAにおいて、
図1中の警報器6と同一部分には同一符号を付してある。
筐体部22の前面パネル部178の上部には光源部96が備えられ、この光源部96の下部に既述の情報提示部26、報知部24および赤外線通信部16-3が備えられる。
【0041】
<光源部96>
図14のBは、光源部96の発光素子構成を示している。この光源部96には複数の発光素子180R、180B、180Gからなる発光素子群が備えられる。発光素子180Rは赤色発光用のLED(Light Emitting Diode)、発光素子180Bは青色発光用のLED、発光素子180Gは緑色発光用のLEDでよい。
【0042】
<光源部96の発光パターン>
図15は光源部96の発光パターンを示している。
図15のAは白色発光、
図15のBは赤色発光、
図15のCは青色発光、
図15のDは緑色発光、
図15のEは黄色発光である。
白色発光(
図15のA)では、通常照明や常夜灯などに利用すればよい。赤色発光(
図15のB)は異常時の警報モードに使用すればよい。
【0043】
青色発光(
図15のC)、緑色発光(
図15のD)および黄色発光(
図15のE)は装飾照明に使用すればよい。
その他、発光素子180R、180B、180Gの点灯個数の組み合わせにより、多様な発光色の生成が可能である。
また、発光パターンには何れも調光制御および点滅制御により、多様な発光形態を得ることができる。
【0044】
<操作制御情報ファイル166>
図16のAは、操作制御情報ファイル166を示している。この操作制御情報ファイル166は操作器8の記憶部88に備えられ、操作器8による操作対象として機器4または警報器6の選択、操作部30に操作機能が割り付けられた機器4または警報器6の操作間の干渉回避に用いられることは第1の実施の形態と同様である。
この第2の実施の形態では、光源操作モードが加えられ、操作器8により警報器6の光源部96を操作することができる。
【0045】
<発光パターン制御情報ファイル182>
図16のBは、発光パターン制御情報ファイル182を示している。この発光パターン制御情報ファイル182には既述の発光パターン情報176が格納される。
この発光パターン制御情報ファイル182には状況に応じた発光パターンの選択および操作器8の操作部30への割付け操作情報が含まれ、光源部96はこの発光パターン制御情報ファイル182の格納情報によって制御される。
【0046】
この発光パターン制御情報ファイル182は状況部184、操作割付け部186、発光パターン部188が備えられる。
状況部184には警報、白色照明、装飾照明の識別情報が格納される。操作割付け部186には操作部30の操作ボタン情報が格納される。
発光パターン部188には、発光色部190、光量部192、点灯形態部194が含まれる。発光色部190には白色、赤色、青色、緑色、黄色の発光色情報が格納される。警報時は赤色発光に固定されている。光量部192には発光光量を表す制御情報が格納される。点灯形態部194には連続点灯か点滅点灯かなどの点灯形態情報が格納される。
そして、発光パターン制御情報ファイル182に格納された情報は、情報提示部32に提示させることにより、ユーザーがその情報を確認できる。
【0047】
<モード切替えの処理手順>
図17は、操作器8によるモード切替えの処理手順を示している。この処理手順では、第1の実施の形態と同様に、操作器8の接点Sx(=S11、S12、・・・、S1n、S21、S22、・・・、S2n、・・・、Sn1、Sn2、・・・、Snnの何れかたとえば、接点S11)に電源のON、OFFおよびモード切替えが割り当てられた場合の処理である。
接点Sxの短押しかを判定し(S301)、接点Sx=短押しであれば(S301のYES)、電源=ONに切り替えられる(S302)。
この電源ON状態で、接点Sxが操作されたとき、接点Sx=短押しかを判定する(S303)。接点Sx=短押しであれば(S303のYES)、電源ON状態(S302)から電源=OFFに切り替えられる(S304)。
【0048】
この電源ON状態(S302)で、接点Sxが操作されたとき、接点Sx=短押しでなければ(S303のNO)、接点Sx=長押しかを判定する(S305)。接点Sx=長押しであれば(S305のYES)、電源ON状態で機器操作モードに切り替えられる(S306)。接点Sx=長押しでなければ(S305のNO)、S303に戻り、電源=OFFに切り替えられる(S304)。
この機器操作モード(S306)で、接点Sxが操作されたとき、接点Sx=長押しかを判定する(S307)。接点Sx=長押しであれば(S307のYES)、警報器操作モードに切り替えられる(S308)。接点Sx=長押しでなければ(S307のNO)、S303に戻り、機器操作モード(S306)から電源=OFFに切り替えられる(S304)。
【0049】
この警報器操作モード(S308)で、接点Sxが操作されたとき、接点Sx=長押しかを判定する(S309)。接点Sx=長押しであれば(S309のYES)、光源操作モードに切り替えられる(S310)。接点Sx=長押しでなければ(S309のNO)、S303に戻り、警報器操作モード(S308)から電源=OFFに切り替えられる(S304)。
【0050】
<発光パターンの切替えの処理手順>
図18は、光源操作モードにおける発光パターンの切替えの処理手順を示している。警報器6では異常検知に基づき、異常かの判定を行う(S401)。異常であれば(S401のYES)、どのようなモードであろうとも、光源部96の発光パターンを赤色点灯に遷移させる(S402)。赤色点灯で待機し、これにより、異常を連続的に報知することができる。
異常がなければ(S401のNO)、操作器8の操作を契機として発光パターンの変更かを判定する(S403)。発光パターンの変更であれば(S403のYES)、白色照明かを判定する(S404)。発光パターンの変更でなければ(S403のNO)、現在の発光パターンを維持する(S405)。
【0051】
白色照明であれば(S404のYES)、光量の選択、点灯形態の選択など(S406)が行える。
白色照明でなければ(S404のNO)、装飾照明かを判定し(S407)、装飾照明であれば(S407のYES)、発光色の選択、光量の選択、点灯形態の選択など(S408)が行える。装飾照明でなければ(S407のNO)、S401に戻り、待機状態となる。
【0052】
<第2の実施の形態の効果>
この第2の実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1) 警報器6に設置した光源部96により、警報発光、常夜灯などの照明、装飾照明など多様な光源として利用することができる。
(2) 光源部96の発光パターンは警報発光を除き、操作器8により所望のパターンおよび形態に遠隔操作により変更でき、警報器6を夜間照明から通常照明、装飾照明など、多様性のある照明システムとして構築することができる。
【0053】
〔第3の実施の形態〕
<警報操作システム>
図19は、第3の実施の形態に係る警報操作システムを示している。
図19において、
図1と同一部分には同一符号を付してある。
この第3の実施の形態では、警報器6の報知部24は警報報知だけでなく、操作器8に対する音声指示部の報知出力部を構成する。この報知部24はたとえば、スピーカで構成すればよい。
これに対し、操作器8には警報器6からの音声指示を受ける受音部35が備えられる。この受音部35はたとえば、マイクロフォンで構成すればよい。
その他の構成は
図1と同様であるので、その説明を割愛する。
【0054】
<警報器6>
図20は、操作器8に対する音声指示機能を持つ警報器6を示している。
図20において、
図3と同一部分には同一符号を付してある。
この警報器6では、制御部58が操作器8に対する音声指示を行うための音声通信制御75を行う。音声通信制御75には報知制御74以外の音声通信に関する通信制御を担い、操作器8が行う操作のための指示やその情報提示などが含まれる。その他の構成は
図3と同様であるので、その説明を割愛する。
【0055】
<操作器8>
図21は、操作器8を示している。
図21において、
図4と同一部分には同一符号を付してある。
この操作器8では、制御部86が警報器6からの音声指示の受信やその処理に関する音声通信制御101を行う。音声通信制御101には赤外線通信制御100以外の音声通信に関する通信制御を担い、警報器6から受けた音声指示に対応する警報器6に対する操作指示やその情報提示などが含まれる。その他の構成は
図4と同様であるので、その説明を割愛する。
【0056】
<音声通信>
図22は、音声通信を含む処理シーケンスを示している。この処理シーケンスには操作器8、機器4および警報器6の遠隔操作に必要なデータフォーマットを整合させるための処理が含まれる。
【0057】
操作器8は電源の投入により初期設定を実行し(S501)、待機状態となる。
警報器6は報知部24から音声を出力し(S502)、操作器8はこの音声出力を受音部35で受音する。操作器8は警報器6からの音声出力を受け、警報器6との音声通信が可能かの判定を行い(S503)、この判定結果出力を警報器6にたとえば、赤外線通信で応答する(S504)。
【0058】
警報器6はフォーマット処理などに関し、操作器8に対し音声指示を行う(S505)。この音声指示を受けた操作器8は応答出力として赤外線通信による指示を警報器6に向けて出力する(S506)。
警報器6はデータフォーマットなどの各種の処理を実行し(S507)、共通のデータフォーマットによる遠隔操作を確立する(S508)。
この第3の実施の形態では、警報器6からの音声指示の一例としてデータフォーマット処理を例示したが、警報器6から警報時、操作器8が取るべき必要な処理を実施するための音声指示を出力してもよい。
【0059】
<第3の実施の形態の効果>
この第3の実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1) 警報器6と操作器8を赤外線通信とは別に音声通信によって接続することができ、音声通信で警報器6と操作器8との接続を補完することができる。たとえば、赤外線通信が不調な場合、音声通信で代替えすることができる。
(2) この音声通信には警報器6が発する警報を音声として捉え、操作器8は警報器6の警報出力を以て必要な操作を行うことができる。
(3) 警報器6から操作器8に向けられた音声指示はたとえば、電子音でユーザーが認識できる言語出力で行うことができるので、操作器8への指示をユーザーが容易に認識することができる。
【0060】
〔他の実施の形態〕
本発明の実施の形態には次のようなバリエーションが含まれる。
(1) 操作器8による操作には、警報停止、テスト、点検、リセット、データフォーマットの切替え、警報切替え、警報器6または操作器8に表示部を備えて警報履歴の表示などの操作が含まれる。
(2) 上記実施の形態では、遠赤外線を用いた無線信号による遠隔操作を例示しているが、有線による操作であってもよい。
(3) 操作器8には機能割当て用の設定ボタンを備え、これにより警報器の操作設定を可能にしてもよい。
(4) 操作器8は、機器操作用の操作器に限定されず、汎用の操作器を使用することもできる。
(5) 操作器8にスマートフォンなどの情報端末を利用してもよい。
【0061】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の警報操作システムによれば、機器および警報器をたとえば、ひとつの操作器で遠隔操作でき、機器の買換えなどによるデータフォーマットの変更に対応でき、警報器を照明光源や装飾光源に利用でき、利便性の高いシステムを構築できる。
【符号の説明】
【0063】
2 警報操作システム
4 機器
6 警報器
8 操作器
10 天井
12 壁面
14 本体部
16-1、16-2、16-3 赤外線通信部
18 通信回線
20 サーバー
22 筐体部
24 報知部
26、32、132 情報提示部
28 筐体部
30 操作部
34 放音部
35 受音部
36 操作ボタン
38、58、86 制御部
40 放送受信機能部
42、88、60、128 記憶部
44、62、90、130 通信部
46 赤外線通信制御
48、102 操作制御
50 チャンネル選択制御
52 音声制御
54 放送記録・予約・解除制御
56 異常検知部
56-1 ガス漏れ検知素子
56-2 煙検知素子
68 入力部
70 情報取得制御
72 異常判断制御
74 報知制御
75 音声通信制御
78 データフォーマット選択
80 データフォーマット取得
82 プログラム格納部
84 データフォーマット格納部
84-1、84-2、・・・ 格納部
94 操作入力部
96 光源部
98 光源制御
100 赤外線通信制御
101 音声通信制御
104 情報提示制御
106 データフォーマット取得制御
108 機器情報格納部
110 データフォーマット格納部
112 提示情報格納部
114 操作回路
116 スイッチ部
S11、S12、・・・、S1n、S21、S22、・・・、S2n、・・・、Sn1、Sn2、・・・、Snn 接点
117 クロック部
118 スイッチ検出部
120 信号生成部
122 赤外線送出部
124 前面パネル部
126 処理部
136 入力部
138 警報器管理
140 データフォーマット提供
142 警報器管理情報
144 データフォーマット情報
146 フォーマット情報ファイル
148 識別情報部
150 日時部
152 フォーマット情報部
154 操作機器部
156 操作情報ファイル
158 識別情報部
160 日時部
162 フォーマット情報部
164 操作機器部
166 操作制御情報ファイル
168 操作機器選択部
170 操作ボタン情報部
172 割付け情報部
174 提示情報部
176 発光パターン情報
178 前面パネル部
180R、180B、180G 発光素子
182 発光パターン制御ファイル
184 状況部
186 操作割付け部
188 発光パターン部
190 発光色部
192 光量部
194 点灯形態部