(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-19
(45)【発行日】2022-04-27
(54)【発明の名称】センサシステム、センサモジュール、およびランプ装置
(51)【国際特許分類】
G01B 21/00 20060101AFI20220420BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
G01B21/00 L
B60R11/02 W
B60R11/02 Z
(21)【出願番号】P 2018539675
(86)(22)【出願日】2017-09-08
(86)【国際出願番号】 JP2017032430
(87)【国際公開番号】W WO2018051906
(87)【国際公開日】2018-03-22
【審査請求日】2020-07-17
(31)【優先権主張番号】P 2016180576
(32)【優先日】2016-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2016180580
(32)【優先日】2016-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 照亮
(72)【発明者】
【氏名】笠羽 祐介
(72)【発明者】
【氏名】堀 宇司
(72)【発明者】
【氏名】伏見 美昭
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-522769(JP,A)
【文献】特開平05-321069(JP,A)
【文献】特開2004-341441(JP,A)
【文献】特開2006-232486(JP,A)
【文献】特開2013-164913(JP,A)
【文献】特開平08-192673(JP,A)
【文献】特開平08-062016(JP,A)
【文献】特開2011-151225(JP,A)
【文献】国際公開第2006/035510(WO,A1)
【文献】特開平09-323590(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0247349(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0354798(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 21/00 - 21/32
B60R 9/00 - 11/06
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるセンサシステムであって、
前記車両の外部の情報を検出する第一センサと、
前記第一センサとは異なる手法で前記車両の外部の情報を検出する第二センサと、
前記第一センサと前記第二センサを支持している支持部材と、
前記支持部材に対する前記第一センサの検出基準位置を調節する第一調節部と、
前記支持部材に対する前記第二センサの検出基準位置を調節する第二調節部と、
前記車両に対する前記支持部材の位置と姿勢の少なくとも一方を調節することにより、前記第一センサの検出基準位置と前記第二センサの検出基準位置を一括して調節する第三調節部と、
を備えている、
センサシステム。
【請求項2】
前記第三調節部は、所定の信号に基づいて前記支持部材の位置と姿勢の少なくとも一方を調節するアクチュエータを備えている、
請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項3】
前記車両によって識別される情報を保持している識別子を備えており、
前記第三調節部は、前記車両に対する前記支持部材の位置と姿勢の少なくとも一方を調節するスクリュー機構を備えており、
前記スクリュー機構を操作すると前記識別子が破壊される、
請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記スクリュー機構の少なくとも一部を覆うカバーを備えており、
前記識別子は、前記カバーに設けられており、
前記カバーが取り外されると前記識別子が破壊されるように構成されている、
請求項3に記載のセンサシステム。
【請求項5】
前記第三調節部は、前記車両の前方または上方から視認または操作不可能な位置に配置されているスクリュー機構を備えている、
請求項1、3、および4のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項6】
所定の領域を照明する光を出射する光源を備えており、
前記光源は、前記支持部材に支持されている、
請求項1から5のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項7】
前記支持部材に対する前記光源の照明基準位置を調節する第四調節部を備えている、
請求項6に記載のセンサシステム。
【請求項8】
前記第一センサと前記第二センサは、LiDARセンサ、カメラ、ミリ波レーダ、および超音波センサのうち少なくとも二つを含んでいる、
請求項1から7のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項9】
ハウジングと、
光源と
、
前記第一センサの少なくとも検出部と前記第二センサの少なくとも検出部を一括して包囲しつつ、前記光源から出射される光の一部を遮る遮蔽部材と、
を備えており、
前記光源、前記第一センサ、前記第二センサ、および前記遮蔽部材は、前記ハウジング内に配置されており、
前記第一センサの検出部と前記第二センサの検出部の間には前記遮蔽部材は設けられていない、
請求項1から5のいずれか一項に記載のセンサシステム。
【請求項10】
前記車両に搭載されている制御装置と通信可能に接続され、前記第一センサおよび前記第二センサの動作を制御する制御部
を備えており、
前記制御部
は、前記支持部材
に支持されている、
請求項9に記載の
センサシステム。
【請求項11】
前記制御部は、前記第一センサと前記第二センサから出力される信号を処理する、
請求項10に記載の
センサシステム。
【請求項12】
前記第一センサは、可視光カメラであり、
前記第二センサは、LiDARセンサ、ミリ波レーダ、超音波センサ、および赤外線カメラの少なくとも一つを含んでいる、
請求項
8に記載の
センサシステム。
【請求項13】
前記遮蔽部材は、黒色に塗装された側壁を有する筒状の中空部材である、
請求項9から
11のいずれか一項に記載の
センサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載されるセンサシステムに関する。
【0002】
また、本開示は、車両に搭載されるセンサモジュール、および当該センサモジュールを備えたランプ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
車両の自動運転技術を実現するためには、当該車両の外部の情報を取得するためのセンサを車体に搭載する必要がある。外部の情報をより正確に取得するために種別の異なるセンサが使用される場合がある。そのようなセンサの例としては、カメラやLiDAR(Light Detection and Ranging)センサが挙げられる(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
特許文献2と特許文献3は、前照灯の灯室内にカメラが配置された構成を開示している。前照灯は、車両の前方を照明する。カメラは、当該車両の前方を撮影する。前照灯から出射された光がカメラの視野に入り込むと、所望の映像が得られない場合がある。したがって、特許文献2と特許文献3に記載された構成においては、カメラを包囲するように遮蔽部材が設けられている。これにより、前照灯から出射されてカメラの視野に入り込む光量を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】日本国特許出願公開2010-185769号公報
【文献】日本国特許出願公開2001-197337号公報
【文献】日本国特許出願公開2013-164913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
運転支援技術の高度化に伴い、より多様な情報を車両の外部から取得することが求められている。したがって、上記のようなセンサの種類は増える傾向にある。
【0007】
上記のようなセンサが車体に搭載されるとき、当該車体に対する当該センサの姿勢あるいは当該センサの検出基準位置を調節する必要がある。センサの種類が増えると、調節を要する対象が増加するため、調節作業の負担が増す。
【0008】
したがって、車両に搭載される複数種のセンサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減することが求められている(第一の要求)。
【0009】
また、より多様な車両の外部情報を取得可能な構成を提供することが求められている(第二の要求)。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の第一の要求に応えるための一態様は、車両に搭載されるセンサシステムであって、
前記車両の外部の情報を検出する第一センサと、
前記第一センサとは異なる手法で前記車両の外部の情報を検出する第二センサと、
前記第一センサと前記第二センサを支持している支持部材と、
前記支持部材に対する前記第一センサの検出基準位置を調節する第一調節部と、
前記支持部材に対する前記第二センサの検出基準位置を調節する第二調節部と、
前記車両に対する前記支持部材の位置と姿勢の少なくとも一方を調節する第三調節部と、
を備えている。
【0011】
センサシステムの出荷前調整の工程において、第一調節部によって支持部材に対する第一センサの検出基準位置が調節され、第二調節部によって支持部材に対する第二センサの検出基準位置が調節される。センサシステムが車両に搭載される際、車体部品の公差や車体に対するセンサシステムの位置ずれに起因して、各センサの検出基準位置が所望の位置からずれる場合がある。したがって、センサシステムが車両に搭載された後、第一センサと第二センサの検出基準位置の再調整が行なわれる。上記の構成においては、第一センサと第二センサが共通の支持部材に支持されている。そのため、第三調節部により、第一センサと第二センサの検出基準位置の調節を一括して行なうことができる。
【0012】
したがって、車両に搭載されるセンサの種類が増加しても、車両に対する複数種のセンサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0013】
上記のセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記第三調節部は、所定の信号に基づいて前記支持部材の位置と姿勢の少なくとも一方を調節するアクチュエータを備えている。
【0014】
第一センサと第二センサは、例えば自動運転に使用される情報を取得するために用いられる。したがって、センサシステムが車両に搭載された後、これらのセンサの検出基準位置を一般ユーザが容易に調節できることは好ましくない。
【0015】
上記の構成によれば、車両に対する第一センサと第二センサの検出基準位置の調節が、アクチュエータへの信号入力を通じて行なわれるため、スクリュー機構を通じた調節と比較して、一般ユーザによる調節行為を制限できる。
【0016】
あるいは、上記のセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記車両によって識別される情報を保持している識別子を備えており、
前記第三調節部は、前記車両に対する前記支持部材の位置と姿勢の少なくとも一方を調節するスクリュー機構を備えており、
前記スクリュー機構を操作すると前記識別子が破壊される。
【0017】
このような構成によれば、一般ユーザがスクリュー機構を操作しようとすると、識別子が破壊される。これにより、識別子が保持している情報を車両が識別できなくなる。このような場合に車両の機能の一部が制限されたり、警告が常時表示されたりするように構成することにより、一般ユーザによる調節行為を制限できる。
【0018】
この場合、上記のセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記スクリュー機構の少なくとも一部を覆うカバーを備えており、
前記識別子は、前記カバーに設けられており、
前記カバーが取り外されると前記識別子が破壊されるように構成されている。
【0019】
このような構成によれば、整備者などによって正規の調節が行なわれた後、識別子が設けられたカバーをスクリュー機構に装着するのみで元の状態に復帰できる。したがって、整備者などによる作業の負担を軽減できる。
【0020】
上記の場合に加えてあるいは代えて、上記のセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記第三調節部は、前記車両の前方または上方から視認または操作不可能な位置に配置されているスクリュー機構を備えている。
【0021】
このような構成によれば、車両の下方などからスクリュー機構を操作する必要があるため、一般ユーザによる調節行為を制限できる。
【0022】
上記のセンサシステムは、以下のように構成されうる。
所定の領域を照明する光を出射する光源を備えており、
前記光源は、前記支持部材に支持されている。
【0023】
車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明装置の近傍に車両外部の情報を取得するためのセンサを配置することが望まれている。このような構成によれば、支持部材を介して光源の照明基準位置の調節と、第一センサおよび第二センサの検出基準位置の調節を関連付けることが可能になる。よって、光源をセンサシステム内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0024】
また、第三調節部により、車両を基準とする光源の照明基準位置の調節と第一センサおよび第二センサの検出基準位置の調節を一括して行なうことができる。したがって、車両を基準とする光源の照明基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0025】
この場合、上記のセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記支持部材に対する前記光源の照明基準位置を調節する第四調節部を備えている。
【0026】
このような構成によれば、いわゆる出荷前調節の工程において、第一センサおよび第二センサとは独立して支持部材に対する光源の照明基準位置を調節できる。すなわち、検出系から独立した照明系の基準位置調節の自由度を高めることができる。
【0027】
上記のセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記第一センサと前記第二センサは、LiDARセンサ、カメラ、ミリ波レーダ、および超音波センサのうち少なくとも二つを含んでいる。
【0028】
上記の第二の要求に応えるための一態様は、車両に搭載されるセンサモジュールであって、
前記車両の外部の情報を検出する第一センサと、
前記第一センサとは異なる手法で前記車両の外部の情報を検出する第二センサと、
前記第一センサの少なくとも検出部と前記第二センサの少なくとも検出部を包囲する遮蔽部材と、
を備えている。
【0029】
上記の第二の要求に応えるための一態様は、車両に搭載されるランプ装置であって、
光源と、
前記車両の外部の情報を検出する第一センサと、
前記第一センサとは異なる手法で前記車両の外部の情報を検出する第二センサと、
前記第一センサの少なくとも検出部と前記第二センサの少なくとも検出部を包囲しつつ、前記光源から出射される光の一部を遮る遮蔽部材と、
を備えている。
【0030】
車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置されるランプ装置の内部に車両外部の情報を取得するためのセンサを配置することが望まれている。しかしながら、ランプ装置が備える光源から出射された光が直接的にあるいは間接的に(内部反射などを通じて)当該センサの検出部に入射する可能性が生ずる。当該入射光が検出される情報に与える悪影響を抑制するために、当該センサの検出部を覆う遮蔽部材を設ける必要がある。
【0031】
他方、より多様な車両の外部情報を取得するためには、当該ランプ装置に搭載されるセンサの種別を増やす必要がある。ランプ装置の大型化を抑制する観点からは、複数のセンサが近接配置されることが望ましい。しかしながら、あるセンサの検出部への望ましくない光入射を抑制するために設けられた遮蔽部材が、別のセンサによる情報の検出を阻害するおそれが生ずる。
【0032】
第二の要求に係る上記の各態様においては、センサモジュールの遮蔽部材が、車両の外部情報を検出する第一センサの少なくとも検出部と、当該第一センサとは異なる手法で車両の外部情報を検出する第二センサの少なくとも検出部を包囲するように配置されている。これにより、遮蔽部材は、ランプ装置などの光源から出射された光が直接的あるいは間接的に第一センサの検出部へ入射することを抑制しつつ、第二センサによる情報の検出を阻害しないようにしている。したがって、ランプ装置などの大型化を抑制しつつ、より多様な車両の外部情報を取得可能な構成を提供できる。
【0033】
上記のセンサモジュールは、以下のように構成されうる。
前記車両に搭載されている制御装置と通信可能に接続され、前記第一センサおよび前記第二センサの動作を制御する制御部と、
前記第一センサ、前記第二センサ、および前記制御部を支持している支持部材と、
を備えている。
【0034】
すなわち、検出手法が異なる複数種のセンサ、当該複数種のセンサの検出部を包囲する遮蔽部材、および当該複数種のセンサを動作させる回路が、支持部材上にモジュール化されている。これにより、より多様な車両の外部情報を取得可能でありながら、ランプ装置などへの搭載作業が容易な構成を提供できる。
【0035】
また、制御部が第一センサと第二センサに対して共通化されているため、センサモジュールの大型化とコスト上昇を抑制できる。
【0036】
この場合、上記のセンサモジュールは、以下のように構成されうる。
前記制御部は、前記第一センサと前記第二センサから出力される信号を処理する。
【0037】
このような構成によれば、第一センサと第二センサが検出した情報の処理の少なくとも一部を、センサモジュールの制御部に担わせることができる。これにより、車両に搭載される制御装置の制御負荷を軽減できる。
【0038】
これに加えてあるいは代えて、上記センサモジュールは、以下のように構成されうる。
前記支持部材の前記車両に対する位置と姿勢の少なくとも一方を調節する調節機構を備えている。
【0039】
ランプ装置などが車両に搭載される際、車体部品の公差や車体に対するランプ装置などの位置ずれに起因して、各センサの検出基準位置が所望の位置からずれる場合がある。したがって、ランプ装置などが車両に搭載された後、第一センサと第二センサの検出基準位置の再調整が行なわれる。上記の構成においては、第一センサと第二センサが支持部材に支持されている。そのため、適宜の調節機構を通じて、第一センサと第二センサの検出基準位置の調節を一括して行なうことができる。
【0040】
上記のセンサモジュールは、以下のように構成されうる。
前記第一センサは、可視光カメラであり、
前記第二センサは、LiDARセンサ、ミリ波レーダ、超音波センサ、および赤外線カメラの少なくとも一つを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】センサシステムあるいはランプ装置の車両における位置を示す図である。
【
図2】第一実施形態に係るセンサシステムの構成を示す図である。
【
図3】第二実施形態に係るセンサシステムの構成を示す図である。
【
図4】第三実施形態に係るセンサシステムの構成を示す図である。
【
図5】第三実施形態の変形例に係るセンサシステムの構成を示す図である。
【
図6】第四実施形態に係るランプ装置の構成を模式的に示す図である。
【
図7】
図6の第一センサモジュールの構成を模式的に示す図である。
【
図8】
図6の第二センサモジュールの構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0043】
添付の図面において、矢印Fは、図示された構造の前方向を示している。矢印Bは、図示された構造の後方向を示している。矢印Lは、図示された構造の左方向を示している。矢印Rは、図示された構造の右方向を示している。以降の説明に用いる「左」および「右」は、運転席から見た左右の方向を示している。添付の図面において「上下方向」は、紙面に垂直な方向に対応している。
【0044】
図1に示されるように、第一実施形態に係る左前センサシステム1LFは、車両100の左前隅部に搭載される。第一実施形態に係る右前センサシステム1RFは、車両100の右前隅部に搭載される。
【0045】
図2は、右前センサシステム1RFの構成を模式的に示している。図示を省略するが、左前センサシステム1LFは、右前センサシステム1RFと左右対称の構成を有する。
【0046】
右前センサシステム1RFは、ハウジング11と透光カバー12によって区画される灯室13内に収容されている。
【0047】
右前センサシステム1RFは、第一センサユニット14を備えている。第一センサユニット14は、LiDARセンサ41、超音波センサ42、第一ブラケット43、第一センサアクチュエータ44、第二センサアクチュエータ45、および第一ブラケットアクチュエータ46を備えている。
【0048】
LiDARセンサ41(第一センサの一例)は、非可視光を出射する構成、および当該非可視光が少なくとも車両100の右側方(車両の外部の一例)に存在する物体に反射した結果の戻り光を検出する構成を備えている。LiDARセンサ41は、必要に応じて出射方向(すなわち検出方向)を変更して当該非可視光を掃引する走査機構を備えうる。本実施形態においては、非可視光として波長905nmの赤外光が使用されている。
【0049】
LiDARセンサ41は、例えば、ある方向へ非可視光を出射したタイミングから戻り光を検出するまでの時間に基づいて、当該戻り光に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、戻り光に関連付けられた物体の形状に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、出射光と戻り光の波長の相違に基づいて、戻り光に関連付けられた物体の材質などの属性に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、例えば路面から戻り光の反射率の相違に基づいて、対象物の色(路面における白線など)に係る情報を取得できる。
【0050】
すなわち、LiDARセンサ41は、少なくとも車両100の右側方の情報を検出するセンサである。LiDARセンサ41は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する信号を出力する。上記の情報は、LiDARセンサ41より出力された信号が図示しない情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、右前センサシステム1RFが備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
【0051】
超音波センサ42(第二センサの一例)は、超音波(数十kHz~数GHz)を発信する構成、および当該超音波が車両100の少なくとも右側方(車両の外部の一例)に存在する物体に反射した結果の反射波を受信する構成を備えている。超音波センサ42は、必要に応じて発信方向(すなわち検出方向)を変更して超音波を掃引する走査機構を備えうる。
【0052】
超音波センサ42は、例えば、ある方向へ超音波を発信したタイミングから反射波を受信するまでの時間に基づいて、当該反射波に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、反射波に関連付けられた物体の動きに係る情報を取得できる。
【0053】
すなわち、超音波センサ42は、LiDARセンサ41とは異なる手法で少なくとも車両100の右側方の情報を検出するセンサである。超音波センサ42は、受信した反射波の属性(強度など)に対応する信号を出力する。上記の情報は、超音波センサ42より出力された信号が図示しない情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、右前センサシステム1RFが備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
【0054】
第一ブラケット43(支持部材の一例)は、LiDARセンサ41と超音波センサ42を支持している。
【0055】
第一センサアクチュエータ44(第一調節部の一例)は、LiDARセンサ41の検出基準位置を調節するための装置である。第一センサアクチュエータ44の少なくとも一部は、灯室13内に配置され、LiDARセンサ41と結合されている。
【0056】
第一センサアクチュエータ44は、第一ブラケット43に対するLiDARセンサ41の位置と姿勢の少なくとも一方を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。そのようなアクチュエータ自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0057】
第二センサアクチュエータ45(第二調節部の一例)は、超音波センサ42の検出基準位置を調節するための装置である。第二センサアクチュエータ45の少なくとも一部は、灯室13内に配置され、超音波センサ42と結合されている。
【0058】
第二センサアクチュエータ45は、第一ブラケット43に対する超音波センサ42の位置と姿勢の少なくとも一方を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。そのようなアクチュエータ自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0059】
第一ブラケットアクチュエータ46(第三調節部の一例)は、車両100に対する第一ブラケット43の位置と姿勢の少なくとも一方を調節するための装置である。第一ブラケットアクチュエータ46の少なくとも一部は、灯室13内に配置され、第一ブラケット43と結合されている。
【0060】
第一ブラケットアクチュエータ46は、車両100に対する第一ブラケット43の位置と姿勢の少なくとも一方を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。そのようなアクチュエータ自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0061】
右前センサシステム1RFは、信号処理部15を備えている。信号処理部15は、車両100に搭載されている統合制御部(ECU)の一機能として実現されてもよいし、灯室13内に配置された制御装置の一機能として実現されてもよい。
【0062】
信号処理部15は、第一センサアクチュエータ44を駆動する駆動信号SA1を出力するように構成されている。駆動信号SA1は、第一センサアクチュエータ44の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報と、第一センサアクチュエータ44の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報を含んでいる。各情報は、単一の信号内に含まれてもよいし、個別の信号として提供されてもよい。
【0063】
右前センサシステム1RFの出荷前調整の工程において、LiDARセンサ41の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、適宜の駆動信号SA1が第一センサアクチュエータ44に入力されることにより、LiDARセンサ41の第一ブラケット43(あるいはハウジング11)に対する位置と姿勢の少なくとも一方が調節される。
【0064】
信号処理部15は、第二センサアクチュエータ45を駆動する駆動信号SA2を出力するように構成されている。駆動信号SA2は、第二センサアクチュエータ45の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報と、第二センサアクチュエータ45の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報を含んでいる。各情報は、単一の信号内に含まれてもよいし、個別の信号として提供されてもよい。
【0065】
右前センサシステム1RFの出荷前調整の工程において、超音波センサ42の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、適宜の駆動信号SA2が第二センサアクチュエータ45に入力されることにより、超音波センサ42の第一ブラケット43(あるいはハウジング11)に対する位置と姿勢の少なくとも一方が調節される。
【0066】
信号処理部15は、第一ブラケットアクチュエータ46を駆動する駆動信号BA1を出力するように構成されている。駆動信号BA1は、第一ブラケットアクチュエータ46の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報と、第一ブラケットアクチュエータ46の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報を含んでいる。各情報は、単一の信号内に含まれてもよいし、個別の信号として提供されてもよい。
【0067】
右前センサシステム1RFが車両100に搭載される際、車体部品の公差や車体に対するハウジング11の位置ずれに起因して、各センサの検出基準位置が所望の位置からずれる場合がある。したがって、右前センサシステム1RFが車両100に搭載された後、LiDARセンサ41と超音波センサ42の検出基準位置の再調整が行なわれる。本実施形態においては、LiDARセンサ41と超音波センサ42が第一ブラケット43に支持されている。そのため、適宜の駆動信号BA1が第一ブラケットアクチュエータ46に入力されることにより、LiDARセンサ41と超音波センサ42の検出基準位置の調節を一括して行なうことができる。
【0068】
したがって、車両100に搭載されるセンサの種類が増加しても、車両100に対するセンサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0069】
LiDARセンサ41と超音波センサ42は、例えば自動運転に使用される情報を取得するために用いられる。したがって、右前センサシステム1RFが車両100に搭載された後、これらのセンサの検出基準位置を一般ユーザが容易に調節できることは好ましくない。
【0070】
本実施形態においては、車両100を基準とするLiDARセンサ41と超音波センサ42の検出基準位置の調節が、信号処理部15から第一ブラケットアクチュエータ46へ駆動信号BA1が入力されることにより行なわれるため、スクリュー機構を通じた調節と比較して、一般ユーザによる調節行為を制限できる。
【0071】
右前センサシステム1RFは、第二センサユニット16を備えている。第二センサユニット16は、カメラ61、LiDARセンサ62、ミリ波レーダ63、光源64、第二ブラケット65、第三センサアクチュエータ66、第四センサアクチュエータ67、第五センサアクチュエータ68、光源アクチュエータ69、および第二ブラケットアクチュエータ60を備えている。
【0072】
カメラ61(第一センサの一例)は、少なくとも車両100の前方(車両の外部の一例)を撮影する装置である。すなわち、カメラ61は、少なくとも車両100の前方の情報を検出するセンサである。カメラ61は、撮影された映像に対応する映像信号を出力するように構成されている。カメラ61によって検出された少なくとも車両100の前方の情報は、映像信号が図示しない情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、右前センサシステム1RFが備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
【0073】
LiDARセンサ62(第二センサの一例)は、カメラ61とは異なる手法で少なくとも車両100の前方(車両の外部の一例)の情報を検出するセンサである。LiDARセンサ62の構成および動作原理は第一センサユニット14のLiDARセンサ41と同一であるため、繰り返しとなる説明は省略する。
【0074】
ミリ波レーダ63(第二センサの一例)は、ミリ波を発信する構成、および当該ミリ波が少なくとも車両100の前方(車両の外部の一例)に存在する物体に反射した結果の反射波を受信する構成を備えている。ミリ波レーダ63は、必要に応じて発信方向(すなわち検出方向)を変更してミリ波を掃引する走査機構を備えうる。本実施形態においては、周波数が76GHzのミリ波が使用されている。他の周波数の例としては、24GHz、26GHz、79GHzなどが挙げられる。
【0075】
ミリ波レーダ63は、例えば、ある方向へミリ波を発信したタイミングから反射波を受信するまでの時間に基づいて、当該反射波に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、反射波に関連付けられた物体の動きに係る情報を取得できる。
【0076】
すなわち、ミリ波レーダ63は、カメラ61やLiDARセンサ62とは異なる手法で少なくとも車両100の前方の情報を検出するセンサである。ミリ波レーダ63は、受信した反射波の属性(強度など)に対応する信号を出力する。上記の情報は、ミリ波レーダ63より出力された信号が図示しない情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、右前センサシステム1RFが備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
【0077】
光源64は、レンズとリフレクタの少なくとも一方を含む光学系を備えており、所定の領域を照明する光を出射する。光源64は、灯室13内に配置されている。光源64においては、ランプ光源や発光素子が使用されうる。ランプ光源の例としては、白熱ランプ、ハロゲンランプ、放電ランプ、ネオンランプなどが挙げられる。発光素子の例としては、発光ダイオード、レーザダイオード、有機EL素子などが挙げられる。
【0078】
第二ブラケット65(支持部材の一例)は、カメラ61、LiDARセンサ62、ミリ波レーダ63、および光源64を支持している。
【0079】
第三センサアクチュエータ66(第一調節部の一例)は、カメラ61の検出基準位置を調節するための装置である。第三センサアクチュエータ66の少なくとも一部は、灯室13内に配置され、カメラ61と結合されている。
【0080】
第三センサアクチュエータ66は、第二ブラケット65に対するカメラ61の位置と姿勢の少なくとも一方を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。そのようなアクチュエータ自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0081】
第四センサアクチュエータ67(第二調節部の一例)は、LiDARセンサ62の検出基準位置を調節するための装置である。第四センサアクチュエータ67の少なくとも一部は、灯室13内に配置され、LiDARセンサ62と結合されている。
【0082】
第四センサアクチュエータ67は、第二ブラケット65に対するLiDARセンサ62の位置と姿勢の少なくとも一方を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。そのようなアクチュエータ自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0083】
第五センサアクチュエータ68(第二調節部の一例)は、ミリ波レーダ63の検出基準位置を調節するための装置である。第五センサアクチュエータ68の少なくとも一部は、灯室13内に配置され、ミリ波レーダ63と結合されている。
【0084】
第五センサアクチュエータ68は、第二ブラケット65に対するミリ波レーダ63の位置と姿勢の少なくとも一方を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。そのようなアクチュエータ自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0085】
光源アクチュエータ69(第四調節部の一例)は、光源64の照明基準位置を調節するための装置である。光源アクチュエータ69の少なくとも一部は、灯室13内に配置され、光源64と結合されている。
【0086】
光源アクチュエータ69は、第二ブラケット65に対する光源64の位置と姿勢の少なくとも一方を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。そのようなアクチュエータ自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0087】
第二ブラケットアクチュエータ60(第三調節部の一例)は、車両100に対する第二ブラケット65の位置と姿勢の少なくとも一方を調節するための装置である。第二ブラケットアクチュエータ60の少なくとも一部は、灯室13内に配置され、第二ブラケット65と結合されている。
【0088】
第二ブラケットアクチュエータ60は、車両100に対する第二ブラケット65の位置と姿勢の少なくとも一方を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。そのようなアクチュエータ自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0089】
信号処理部15は、第三センサアクチュエータ66を駆動する駆動信号SA3を出力するように構成されている。駆動信号SA3は、第三センサアクチュエータ66の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報と、第三センサアクチュエータ66の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報を含んでいる。各情報は、単一の信号内に含まれてもよいし、個別の信号として提供されてもよい。
【0090】
右前センサシステム1RFの出荷前調整の工程において、カメラ61の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、適宜の駆動信号SA3が第三センサアクチュエータ66に入力されることにより、カメラ61の第二ブラケット65(あるいはハウジング11)に対する位置と姿勢の少なくとも一方が調節される。
【0091】
信号処理部15は、第四センサアクチュエータ67を駆動する駆動信号SA4を出力するように構成されている。駆動信号SA4は、第四センサアクチュエータ67の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報と、第四センサアクチュエータ67の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報を含んでいる。各情報は、単一の信号内に含まれてもよいし、個別の信号として提供されてもよい。
【0092】
右前センサシステム1RFの出荷前調整の工程において、LiDARセンサ62の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、適宜の駆動信号SA4が第四センサアクチュエータ67に入力されることにより、LiDARセンサ62の第二ブラケット65(あるいはハウジング11)に対する位置と姿勢の少なくとも一方が調節される。
【0093】
信号処理部15は、第五センサアクチュエータ68を駆動する駆動信号SA5を出力するように構成されている。駆動信号SA5は、第五センサアクチュエータ68の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報と、第五センサアクチュエータ68の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報を含んでいる。各情報は、単一の信号内に含まれてもよいし、個別の信号として提供されてもよい。
【0094】
右前センサシステム1RFの出荷前調整の工程において、ミリ波レーダ63の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、適宜の駆動信号SA5が第五センサアクチュエータ68に入力されることにより、ミリ波レーダ63の第二ブラケット65(あるいはハウジング11)に対する位置と姿勢の少なくとも一方が調節される。
【0095】
信号処理部15は、光源アクチュエータ69を駆動する駆動信号LAを出力するように構成されている。駆動信号LAは、光源アクチュエータ69の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報と、光源アクチュエータ69の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報を含んでいる。各情報は、単一の信号内に含まれてもよいし、個別の信号として提供されてもよい。
【0096】
右前センサシステム1RFの出荷前調整の工程において、光源64の照明基準位置が調節される。本実施形態においては、適宜の駆動信号LAが光源アクチュエータ69に入力されることにより、光源64の第二ブラケット65(あるいはハウジング11)に対する位置と姿勢の少なくとも一方が調節される。
【0097】
信号処理部15は、第二ブラケットアクチュエータ60を駆動する駆動信号BA2を出力するように構成されている。駆動信号BA2は、第二ブラケットアクチュエータ60の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報と、第二ブラケットアクチュエータ60の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報を含んでいる。各情報は、単一の信号内に含まれてもよいし、個別の信号として提供されてもよい。
【0098】
右前センサシステム1RFが車両100に搭載される際、車体部品の公差や車体に対するハウジング11の位置ずれに起因して、各センサの検出基準位置が所望の位置からずれる場合がある。したがって、右前センサシステム1RFが車両100に搭載された後、カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63の検出基準位置の再調整が行なわれる。本実施形態においては、カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63が第二ブラケット65に支持されている。そのため、適宜の駆動信号BA2が第二ブラケットアクチュエータ60に入力されることにより、カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63の検出基準位置の調節を一括して行なうことができる。
【0099】
したがって、車両100に搭載されるセンサの種類が増加しても、車両100に対するセンサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0100】
カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63は、例えば自動運転に使用される情報を取得するために用いられる。したがって、右前センサシステム1RFが車両100に搭載された後、これらのセンサの検出基準位置を一般ユーザが容易に調節できることは好ましくない。
【0101】
本実施形態においては、車両100を基準とするカメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63の検出基準位置の調節が、信号処理部15から第二ブラケットアクチュエータ60へ駆動信号BA2が入力されることにより行なわれるため、スクリュー機構を通じた調節と比較して、一般ユーザによる調節行為を制限できる。
【0102】
本実施形態においては、カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63を支持している第二ブラケット65によって光源64が支持されている。
【0103】
車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明装置の近傍に車両外部の情報を取得するためのセンサを配置することが望まれている。このような構成によれば、第二ブラケット65を介して光源64の照明基準位置の調節と、カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63の検出基準位置の調節を関連付けることが可能になる。よって、光源64を右前センサシステム1RF内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0104】
また、適宜の駆動信号BA2が第二ブラケットアクチュエータ60に入力されることにより、車両100を基準とする光源64の照明基準位置の調節とカメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63の検出基準位置の調節を一括して行なうことができる。したがって、車両100を基準とする光源64の照明基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0105】
本実施形態においては、光源64の照明基準位置を調節するための光源アクチュエータ69が設けられている。したがって、いわゆる出荷前調節の工程において、カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63とは独立して第二ブラケット65(あるいはハウジング11)に対する光源64の照明基準位置を調節できる。すなわち、検出系から独立した照明系の基準位置調節の自由度を高めることができる。
【0106】
本実施形態に係る第一センサユニット14においては、LiDARセンサ41の検出基準位置と超音波センサ42の検出基準位置は、それぞれ第一センサアクチュエータ44と第二センサアクチュエータ45によって調節される。しかしながら、第一センサアクチュエータ44と第二センサアクチュエータ45の少なくとも一方は、周知のスクリュー機構によって置き換えられうる。
【0107】
本実施形態に係る第二センサユニット16においては、カメラ61の検出基準位置、LiDARセンサ62の検出基準位置、およびミリ波レーダ63の検出基準位置は、それぞれ第三センサアクチュエータ66、第四センサアクチュエータ67、および第五センサアクチュエータ68によって調節される。しかしながら、第三センサアクチュエータ66、第四センサアクチュエータ67、および第五センサアクチュエータ68の少なくとも一つは、周知のスクリュー機構によって置き換えられうる。
【0108】
本実施形態においては、第一センサユニット14がLiDARセンサ41と超音波センサ42を備えており、第二センサユニット16がカメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63を備えている。しかしながら、各センサユニットは、検出対象、検出範囲、検出距離などに応じて、カメラ、LiDARセンサ、ミリ波レーダ、および超音波センサのうち少なくとも二つを含むように構成される。また、各センサの数も適宜に定められうる。
【0109】
本実施形態においては、第一センサユニット14と第二センサユニット16が共通のハウジング11に収容されている。しかしながら、第一センサユニット14と第二センサユニット16は、異なるハウジングに収容されてもよい。
【0110】
本実施形態においては、複数種のセンサを備えているセンサシステムの例として、左前センサシステム1LFと右前センサシステム1RFを挙げた。しかしながら、
図1に示される車両100の左後隅部に配置される左後センサシステム1LBや車両100の右後隅部に配置される右後センサシステム1RBに対しても、右前センサシステム1RFを参照して説明した構成を適用可能である。例えば、右後センサシステム1RBは、右前センサシステム1RFと前後対称の構成を有しうる。左後センサシステム1LBは、右後センサシステム1RBと左右対称の構成を有しうる。
【0111】
図3は、第二実施形態に係る右前センサシステム2RFの構成を模式的に示している。第一実施形態に係る右前センサシステム1RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0112】
右前センサシステム2RFは、第一センサユニット141を備えている。第一センサユニット141は、LiDARセンサ41、超音波センサ42、第一ブラケット43、および第一ブラケットアクチュエータ46を備えている。
【0113】
右前センサシステム2RFは、信号処理部25を備えている。信号処理部25は、車両100に搭載されている統合制御部(ECU)の一機能として実現されてもよいし、灯室13内に配置された制御装置の一機能として実現されてもよい。
【0114】
LiDARセンサ41は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する検出信号S1を出力する。超音波センサ42は、受信した反射波の属性(強度など)に対応する検出信号S2を出力する。検出信号S1と検出信号S2は、信号処理部25に入力される。
【0115】
右前センサシステム2RFの出荷前調整の工程において、LiDARセンサ41の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、まず周知の手法を通じてLiDARセンサ41の検出基準位置の所定位置からのずれ量が特定される。信号処理部25は、LiDARセンサ41から検出信号S1を受信し、特定されたずれ量に基づいて、検出信号S1より得られる情報を補正するように構成されている。補正は、検出信号S1そのものに対して行なってもよいし、検出信号S1に対応する別の信号やデータに対して行なってもよい。
【0116】
本実施形態においては、LiDARセンサ41の姿勢を個別に調節する機構が設けられていない。したがって、LiDARセンサ41の検出基準位置のずれが検出された場合、当該ずれを解消するようにLiDARセンサ41の姿勢を変更するのではなく、LiDARセンサ41より取得された情報の側を補正する。具体的には、LiDARセンサ41より取得された情報を、LiDARセンサ41の検出基準位置にずれがなかった場合に得られたであろう情報に補正する。これにより、検出基準位置のずれを解消するようにLiDARセンサ41の姿勢が変更された場合と実質的に同じ情報が得られる。すなわち、信号処理部25(第一調整部の一例)は、間接的にLiDARセンサ41の検出基準位置を調節していると言える。
【0117】
右前センサシステム2RFの出荷前調整の工程において、超音波センサ42の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、まず周知の手法を通じて超音波センサ42の検出基準位置の所定位置からのずれ量が特定される。信号処理部25は、超音波センサから検出信号S2を受信し、特定されたずれ量に基づいて、検出信号S2より得られる情報を補正するように構成されている。補正は、検出信号S2そのものに対して行なってもよいし、検出信号S2に対応する別の信号やデータに対して行なってもよい。
【0118】
本実施形態においては、超音波センサ42の姿勢を個別に調節する機構が設けられていない。したがって、超音波センサ42の検出基準位置のずれが検出された場合、当該ずれを解消するように超音波センサ42の姿勢を変更するのではなく、超音波センサ42より取得された情報の側を補正する。具体的には、超音波センサ42より取得された情報を、超音波センサ42の検出基準位置にずれがなかった場合に得られたであろう情報に補正する。これにより、検出基準位置のずれを解消するように超音波センサ42の姿勢が変更された場合と実質的に同じ情報が得られる。すなわち、信号処理部25(第二調整部の一例)は、間接的に超音波センサ42の検出基準位置を調節していると言える。
【0119】
信号処理部25は、第一ブラケットアクチュエータ46を駆動する駆動信号BA1を出力するように構成されている。駆動信号BA1は、第一ブラケットアクチュエータ46の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報と、第一ブラケットアクチュエータ46の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報を含んでいる。各情報は、単一の信号内に含まれてもよいし、個別の信号として提供されてもよい。
【0120】
右前センサシステム2RFが車両100に搭載される際、車体部品の公差や車体に対するハウジング11の位置ずれに起因して、各センサの検出基準位置が所望の位置からずれる場合がある。したがって、右前センサシステム2RFが車両100に搭載された後、LiDARセンサ41と超音波センサ42の検出基準位置の再調整が行なわれる。本実施形態においては、LiDARセンサ41と超音波センサ42が第一ブラケット43に支持されている。そのため、適宜の駆動信号BA1が第一ブラケットアクチュエータ46に入力されることにより、LiDARセンサ41と超音波センサ42の検出基準位置の調節を一括して行なうことができる。
【0121】
したがって、車両100に搭載されるセンサの種類が増加しても、車両100に対するセンサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0122】
また、本実施形態の構成によれば、LiDARセンサ41と超音波センサ42の検出基準位置を個別に調節する機械的構成を不要にできるため、第一センサユニット141の大型化を抑制できるだけでなく、軽量化も可能である。
【0123】
右前センサシステム2RFは、第二センサユニット161を備えている。第二センサユニット161は、カメラ61、LiDARセンサ62、ミリ波レーダ63、光源641、第二ブラケット65、および第二ブラケットアクチュエータ60を備えている。
【0124】
光源641は、レンズとリフレクタの少なくとも一方を含む光学系に加え、二次元的に配列された複数の発光素子641aを備えている。発光素子の例としては、発光ダイオード、レーザダイオード、有機EL素子などが挙げられる。各発光素子641aは個別の点消灯が可能であり、点灯された発光素子641aから出射された光により所定の領域が照明される。
【0125】
本実施形態においては、光源641は、点灯される発光素子と消灯される発光素子を適宜に変更することにより、照明基準位置と照明範囲の少なくとも一方が、上下方向と左右方向の少なくとも一方に移動されうる。なお、ここで用いられている「上下方向」は、必ずしも車両100の上下方向や鉛直方向と一致していることを要しない。同様に、ここで用いられている「左右方向」は、必ずしも車両100の左右方向や水平方向と一致していることを要しない。
【0126】
上記の構成に加えてあるいは代えてMEMS機構や走査機構を用いることによって、光源から出射された光を所望の方向に偏向させて照明基準位置と照明範囲の少なくとも一方を上下方向と左右方向の少なくとも一方に移動させてもよい。
【0127】
カメラ61は、撮影された映像に対応する検出信号S3を出力する。LiDARセンサ62は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する検出信号S4を出力する。ミリ波レーダ63は、受信した反射波の属性(強度など)に対応する検出信号S5を出力する。検出信号S3、検出信号S4、および検出信号S5は、信号処理部25に入力される。
【0128】
右前センサシステム2RFの出荷前調整の工程において、カメラ61の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、まず周知の手法を通じてカメラ61の検出基準位置の所定位置からのずれ量が特定される。信号処理部25は、カメラ61から検出信号S3を受信し、特定されたずれ量に基づいて、検出信号S3より得られる情報を補正するように構成されている。補正は、検出信号S3そのものに対して行なってもよいし、検出信号S3に対応する別の信号やデータに対して行なってもよい。
【0129】
本実施形態においては、カメラ61の姿勢を個別に調節する機構が設けられていない。したがって、カメラ61の検出基準位置のずれが検出された場合、当該ずれを解消するようにカメラ61の姿勢を変更するのではなく、カメラ61より取得された情報の側を補正する。具体的には、カメラ61より取得された情報を、カメラ61の検出基準位置にずれがなかった場合に得られたであろう情報に補正する。これにより、検出基準位置のずれを解消するようにカメラ61の姿勢が変更された場合と実質的に同じ情報が得られる。すなわち、信号処理部25(第一調整部の一例)は、間接的にカメラ61の検出基準位置を調節していると言える。
【0130】
右前センサシステム2RFの出荷前調整の工程において、LiDARセンサ62の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、まず周知の手法を通じてLiDARセンサ62の検出基準位置の所定位置からのずれ量が特定される。信号処理部25は、LiDARセンサ62から検出信号S4を受信し、特定されたずれ量に基づいて、検出信号S4より得られる情報を補正するように構成されている。補正は、検出信号S4そのものに対して行なってもよいし、検出信号S4に対応する別の信号やデータに対して行なってもよい。
【0131】
本実施形態においては、LiDARセンサ62の姿勢を個別に調節する機構が設けられていない。したがって、LiDARセンサ62の検出基準位置のずれが検出された場合、当該ずれを解消するようにLiDARセンサ62の姿勢を変更するのではなく、LiDARセンサ62より取得された情報の側を補正する。具体的には、LiDARセンサ62より取得された情報を、LiDARセンサ62の検出基準位置にずれがなかった場合に得られたであろう情報に補正する。これにより、検出基準位置のずれを解消するようにLiDARセンサ62の姿勢が変更された場合と実質的に同じ情報が得られる。すなわち、信号処理部25(第二調整部の一例)は、間接的にLiDARセンサ62の検出基準位置を調節していると言える。
【0132】
右前センサシステム2RFの出荷前調整の工程において、ミリ波レーダ63の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、まず周知の手法を通じてミリ波レーダ63の検出基準位置の所定位置からのずれ量が特定される。信号処理部25は、ミリ波レーダ63から検出信号S5を受信し、特定されたずれ量に基づいて、検出信号S5より得られる情報を補正するように構成されている。補正は、検出信号S5そのものに対して行なってもよいし、検出信号S5に対応する別の信号やデータに対して行なってもよい。
【0133】
本実施形態においては、ミリ波レーダ63の姿勢を個別に調節する機構が設けられていない。したがって、ミリ波レーダ63の検出基準位置のずれが検出された場合、当該ずれを解消するようにミリ波レーダ63の姿勢を変更するのではなく、ミリ波レーダ63より取得された情報の側を補正する。具体的には、ミリ波レーダ63より取得された情報を、ミリ波レーダ63の検出基準位置にずれがなかった場合に得られたであろう情報に補正する。これにより、検出基準位置のずれを解消するようにミリ波レーダ63の姿勢が変更された場合と実質的に同じ情報が得られる。すなわち、信号処理部25(第二調整部の一例)は、間接的にミリ波レーダ63の検出基準位置を調節していると言える。
【0134】
右前センサシステム2RFの出荷前調整の工程において、光源641の照明基準位置が調節される。本実施形態においては、まず周知の手法を通じて光源641の照明基準位置の所定位置からのずれ量が特定される。信号処理部25(第四調整部の一例)は、特定されたずれ量に基づいて、調節信号Aを生成し、光源641に入力するように構成されている。調節信号Aは、上下方向と左右方向の少なくとも一方に光源641の照明基準位置を調節するための情報を含んでいる。より具体的には、上下方向と左右方向の少なくとも一方に照明基準位置が移動するように、点灯される発光素子641aと消灯される発光素子641aを定めるための情報を含んでいる。
【0135】
信号処理部25は、第二ブラケットアクチュエータ60を駆動する駆動信号BA2を出力するように構成されている。駆動信号BA2は、第二ブラケットアクチュエータ60の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報と、第二ブラケットアクチュエータ60の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報を含んでいる。各情報は、単一の信号内に含まれてもよいし、個別の信号として提供されてもよい。
【0136】
右前センサシステム2RFが車両100に搭載される際、車体部品の公差や車体に対するハウジング11の位置ずれに起因して、各センサの検出基準位置が所望の位置からずれる場合がある。したがって、右前センサシステム2RFが車両100に搭載された後、カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63の検出基準位置の再調整が行なわれる。本実施形態においては、カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63が第二ブラケット65に支持されている。そのため、適宜の駆動信号BA2が第二ブラケットアクチュエータ60に入力されることにより、カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63の検出基準位置の調節を一括して行なうことができる。
【0137】
したがって、車両100に搭載されるセンサの種類が増加しても、車両100に対するセンサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0138】
また、本実施形態の構成によれば、カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63の検出基準位置を個別に調節する機械的構成を不要にできるため、第二センサユニット161の大型化を抑制できるだけでなく、軽量化も可能である。
【0139】
本実施形態においては、信号処理部25が、検出信号S1~S5の受信および補正、ならびに駆動信号BA1、BA2の出力の双方を担っている。しかしながら、検出信号S1~S5の受信および補正を担う部分と、駆動信号BA1、BA2の出力を担う部分は、独立した構成とされてもよい。
【0140】
本実施形態においては、第一センサユニット141がLiDARセンサ41と超音波センサ42を備えており、第二センサユニット161がカメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63を備えている。しかしながら、各センサユニットは、検出対象、検出範囲、検出距離などに応じて、カメラ、LiDARセンサ、ミリ波レーダ、および超音波センサのうち少なくとも二つを含むように構成される。また、各センサの数も適宜に定められうる。
【0141】
本実施形態においては、第一センサユニット141と第二センサユニット161が共通のハウジング11に収容されている。しかしながら、第一センサユニット141と第二センサユニット161は、異なるハウジングに収容されてもよい。
【0142】
本実施形態においては、複数種のセンサを備えているセンサシステムの例として、右前センサシステム2RFを挙げた。しかしながら、
図1に示される車両100の左前隅部に配置される左前センサシステム、車両100の左後隅部に配置される左後センサシステム、および車両100の右後隅部に配置される右後センサシステムに対しても、右前センサシステム2RFを参照して説明した構成を適用可能である。例えば、左前センサシステムは、右前センサシステム2RFと左右対称の構成を有しうる。右後センサシステムは、右前センサシステム2RFと前後対称の構成を有しうる。左後センサシステムは、当該右後センサシステムと左右対称の構成を有しうる。
【0143】
図4は、第三実施形態に係る右前センサシステム3RFの構成を模式的に示している。第一実施形態に係る右前センサシステム1RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0144】
右前センサシステム3RFは、第一センサユニット142を備えている。第一センサユニット142は、LiDARセンサ41、超音波センサ42、第一ブラケット43、第一センサ調節機構441、第二センサ調節機構451、および第一ブラケット調節機構461を備えている。
【0145】
第一センサ調節機構441は、いわゆるエイミングスクリュー機構であり、第一ブラケット43に対するLiDARセンサ41の姿勢を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。エイミングスクリュー機構自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0146】
第二センサ調節機構451は、いわゆるエイミングスクリュー機構であり、第一ブラケット43に対する超音波センサ42の姿勢を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。エイミングスクリュー機構自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0147】
第一ブラケット調節機構461(第三調節部の一例)は、第一ブラケット43の姿勢を調節するための機構である。具体的には、第一ブラケット調節機構461は、第一水平調節スクリュー462と第一垂直調節スクリュー463を含んでいる。
【0148】
第一水平調節スクリュー462は、ハウジング11を貫通して延びている。第一水平調節スクリュー462は、不図示のジョイントを介して第一ブラケット43と連結されている。第一水平調節スクリュー462のヘッド部462aは、ハウジング11の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部462aが回転されると、第一水平調節スクリュー462の回転が、上記のジョイントによって、第一ブラケット43の姿勢を水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0149】
第一垂直調節スクリュー463は、ハウジング11を貫通して延びている。第一垂直調節スクリュー463は、不図示のジョイントを介して第一ブラケット43と連結されている。第一垂直調節スクリュー463のヘッド部463aは、ハウジング11の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部463aが回転操作されると、第一垂直調節スクリュー463の回転が、上記のジョイントによって、第一ブラケット43の姿勢を垂直面内(同図における前後方向と上下方向を含む面内)で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0150】
右前センサシステム3RFの出荷前調整の工程において、LiDARセンサ41の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、所定の工具により第一センサ調節機構441が操作されることにより、LiDARセンサ41の第一ブラケット43(あるいはハウジング11)に対する姿勢が調節される。
【0151】
右前センサシステム3RFの出荷前調整の工程において、超音波センサ42の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、所定の工具により第二センサ調節機構451が操作されることにより、超音波センサ42の第一ブラケット43(あるいはハウジング11)に対する姿勢が調節される。
【0152】
右前センサシステム3RFが車両100に搭載される際、車体部品の公差や車体に対するハウジング11の位置ずれに起因して、各センサの検出基準位置が所望の位置からずれる場合がある。したがって、右前センサシステム3RFが車両100に搭載された後、LiDARセンサ41と超音波センサ42の検出基準位置の再調整が行なわれる。本実施形態においては、LiDARセンサ41と超音波センサ42が第一ブラケット43に支持されている。そのため、所定の工具で第一ブラケット調節機構461が操作されることにより、LiDARセンサ41と超音波センサ42の検出基準位置の調節を一括して行なうことができる。
【0153】
したがって、車両100に搭載されるセンサの種類が増加しても、車両100に対するセンサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0154】
右前センサシステム3RFは、第二センサユニット162を備えている。第二センサユニット162は、カメラ61、LiDARセンサ62、ミリ波レーダ63、光源64、第二ブラケット65、第三センサ調節機構661、第四センサ調節機構671、第五センサ調節機構681、光源調節機構691、および第二ブラケット調節機構601を備えている。
【0155】
第三センサ調節機構661は、いわゆるエイミングスクリュー機構であり、第二ブラケット65に対するカメラ61の姿勢を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。エイミングスクリュー機構自体の構成は周知であり、詳細な説明は省略する。
【0156】
第四センサ調節機構671は、いわゆるエイミングスクリュー機構であり、第二ブラケット65に対するLiDARセンサ62の姿勢を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。エイミングスクリュー機構自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0157】
第五センサ調節機構681は、いわゆるエイミングスクリュー機構であり、第二ブラケット65に対するミリ波レーダ63の姿勢を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。エイミングスクリュー機構自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0158】
光源調節機構691は、いわゆるエイミングスクリュー機構であり、第二ブラケット65に対する光源64の姿勢を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。エイミングスクリュー機構自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0159】
第二ブラケット調節機構601(第三調節部の一例)は、第二ブラケット65の姿勢を調節するための機構である。具体的には、第二ブラケット調節機構601は、第二水平調節スクリュー602と第二垂直調節スクリュー603を含んでいる。
【0160】
第二水平調節スクリュー602は、ハウジング11を貫通して延びている。第二水平調節スクリュー602は、不図示のジョイントを介して第二ブラケット65と連結されている。第二水平調節スクリュー602のヘッド部602aは、ハウジング11の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部602aが回転されると、第二水平調節スクリュー602の回転が、上記のジョイントによって、第二ブラケット65の姿勢を水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0161】
第二垂直調節スクリュー603は、ハウジング11を貫通して延びている。第二垂直調節スクリュー603は、不図示のジョイントを介して第二ブラケット65と連結されている。第二垂直調節スクリュー603のヘッド部603aは、ハウジング11の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部603aが回転操作されると、第二垂直調節スクリュー603の回転が、上記のジョイントによって、第二ブラケット65の姿勢を垂直面内(同図における前後方向と上下方向を含む面内)で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0162】
右前センサシステム3RFの出荷前調整の工程において、カメラ61の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、所定の工具により第三センサ調節機構661が操作されることにより、カメラ61の第二ブラケット65(あるいはハウジング11)に対する姿勢が調節される。
【0163】
右前センサシステム3RFの出荷前調整の工程において、LiDARセンサ62の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、所定の工具により第四センサ調節機構671が操作されることにより、LiDARセンサ62の第二ブラケット65(あるいはハウジング11)に対する姿勢が調節される。
【0164】
右前センサシステム3RFの出荷前調整の工程において、ミリ波レーダ63の検出基準位置が調節される。本実施形態においては、所定の工具により第五センサ調節機構681が操作されることにより、ミリ波レーダ63の第二ブラケット65(あるいはハウジング11)に対する姿勢が調節される。
【0165】
右前センサシステム3RFの出荷前調整の工程において、光源64の照明基準位置が調節される。本実施形態においては、所定の工具により光源調節機構691が操作されることにより、光源64の第二ブラケット65(あるいはハウジング11)に対する姿勢が調節される。
【0166】
右前センサシステム3RFが車両100に搭載される際、車体部品の公差や車体に対するハウジング11の位置ずれに起因して、各センサの検出基準位置が所望の位置からずれる場合がある。したがって、右前センサシステム3RFが車両100に搭載された後、カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63の検出基準位置の再調整が行なわれる。本実施形態においては、カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63が第二ブラケット65に支持されている。そのため、所定の工具で第二ブラケット調節機構601が操作されることにより、カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63の検出基準位置の調節を一括して行なうことができる。
【0167】
したがって、車両100に搭載されるセンサの種類が増加しても、車両100に対するセンサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0168】
右前センサシステム3RFは、RFIDタグ37(識別子の一例)を備えている。RFIDタグ37は、車両100によって識別される情報を保持している。例えば、図示しない非接触通信装置が車両100の側に設けられている。右前センサシステム3RFが車両100に搭載されると、車両100の制御装置(ECUなど)は、当該非接触通信装置を通じてRFIDタグ37に保持されている情報を取得する。車両100がRFIDタグ37に保持されている情報を取得できない場合、車両100の機能の一部が制限されたり(エンジンを始動できないなど)、警告が常時表示されたりするように構成されうる。
【0169】
第一水平調節スクリュー462のヘッド部462aは、カバー38によって覆われている。RFIDタグ37は、カバー38に装着されている。カバー38は、ヘッド部462aに対して強固に加締められており、カバー38をヘッド部462aから取り外すと、RFIDタグ37が破壊されるように構成されている。
【0170】
同様に、第一垂直調節スクリュー463のヘッド部463aは、カバー38によって覆われている。RFIDタグ37は、カバー38に装着されている。カバー38は、ヘッド部463aに対して強固に加締められており、カバー38をヘッド部463aから取り外すと、RFIDタグ37が破壊されるように構成されている。
【0171】
同様に、第二水平調節スクリュー602のヘッド部602aは、カバー38によって覆われている。RFIDタグ37は、カバー38に装着されている。カバー38は、ヘッド部602aに対して強固に加締められており、カバー38をヘッド部602aから取り外すと、RFIDタグ37が破壊されるように構成されている。
【0172】
同様に、第二垂直調節スクリュー603のヘッド部603aは、カバー38によって覆われている。RFIDタグ37は、カバー38に装着されている。カバー38は、ヘッド部603aに対して強固に加締められており、カバー38をヘッド部603aから取り外すと、RFIDタグ37が破壊されるように構成されている。
【0173】
LiDARセンサ41と超音波センサ42は、例えば自動運転に使用される情報を取得するために用いられる。したがって、右前センサシステム1RFが車両100に搭載された後、これらのセンサの検出基準位置を一般ユーザが容易に調節できることは好ましくない。
【0174】
同様に、カメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63は、例えば自動運転に使用される情報を取得するために用いられる。したがって、右前センサシステム1RFが車両100に搭載された後、これらのセンサの検出基準位置を一般ユーザが容易に調節できることは好ましくない。
【0175】
本実施形態の構成によれば、一般ユーザが第一ブラケット調節機構461や第二ブラケット調節機構601を操作するためにカバー38を取り外すと、RFIDタグ37が破壊される。これにより、RFIDタグ37が保持している情報を車両100が識別できなくなる。このような場合に車両100の機能の一部が制限されたり、警告が常時表示されたりするように構成することにより、一般ユーザによる調節行為を制限できる。
【0176】
本実施形態においては、RFIDタグ37は、第一ブラケット調節機構461や第二ブラケット調節機構601の一部を覆うカバー38に取り付けられている。このような構成によれば、整備者などによって正規の調節が行なわれた後、RFIDタグ37が設けられたカバー38を装着するのみで元の状態に復帰できる。したがって、整備者などによる作業の負担を軽減できる。
【0177】
しかしながら、RFIDタグ37は、必ずしもカバー38に設けられることを要しない。第一ブラケット調節機構461や第二ブラケット調節機構601を操作するとRFIDタグ37が破壊されるのであれば、工具が接触する各スクリューのヘッド部などにRFIDタグ37が直接装着されてもよい。
【0178】
車両100によって識別される情報を保持できるのであれば、識別子はRFIDタグ37に限られない。磁気センサによって読み取られる磁気情報を保持した磁石などで適宜に置き換えられうる。
【0179】
本実施形態においては、第一センサユニット142がLiDARセンサ41と超音波センサ42を備えており、第二センサユニット162がカメラ61、LiDARセンサ62、およびミリ波レーダ63を備えている。しかしながら、各センサユニットは、検出対象、検出範囲、検出距離などに応じて、カメラ、LiDARセンサ、ミリ波レーダ、および超音波センサのうち少なくとも二つを含むように構成される。また、各センサの数も適宜に定められうる。
【0180】
本実施形態においては、第一センサユニット142と第二センサユニット162が共通のハウジング11に収容されている。しかしながら、第一センサユニット142と第二センサユニット162は、異なるハウジングに収容されてもよい。
【0181】
図5は、第三実施形態の変形例に係る右前センサシステム3RF1を模式的に示している。図示を省略するが、車両100の左前隅部に搭載される左前センサシステムは、右前センサシステム3RF1と左右対称の構成を有している。第三実施形態に係る右前センサシステム3RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0182】
本変形例においては、第一ブラケット調節機構461の第一水平調節スクリュー462と第一垂直調節スクリュー463は、ハウジング11の下面を貫通して延びている。したがって、第一水平調節スクリュー462のヘッド部462aと第一垂直調節スクリュー463のヘッド部463aは、ハウジング11の下面において露出している。
【0183】
本変形例においては、第二ブラケット調節機構601の第二水平調節スクリュー602と第二垂直調節スクリュー603は、ハウジング11の下面を貫通して延びている。したがって、第二水平調節スクリュー602のヘッド部602aと第二垂直調節スクリュー603のヘッド部603aは、ハウジング11の下面において露出している。
【0184】
すなわち、第一ブラケット調節機構461と第二ブラケット調節機構601は、車両100の上方から視認または操作不可能な位置に配置されている。
【0185】
このような構成によれば、車両100の下方から第一ブラケット調節機構461と第二ブラケット調節機構601を操作する必要があるため、一般ユーザによる調節行為を制限できる。この場合、RFIDタグ37は必ずしも設けられることを要しない。
【0186】
車両100の前方から視認または操作不可能な位置に第一ブラケット調節機構461と第二ブラケット調節機構601を配置することによっても、同様の効果が得られる。
【0187】
本実施形態においては、複数種のセンサを備えているセンサシステムの例として、右前センサシステム3RF(3RF1)を挙げた。しかしながら、
図1に示される車両100の左前隅部に配置される左前センサシステム、車両100の左後隅部に配置される左後センサシステム、および車両100の右後隅部に配置される右後センサシステムに対しても、右前センサシステム3RF(3RF1)を参照して説明した構成を適用可能である。例えば、左前センサシステムは、右前センサシステム3RF(3RF1)と左右対称の構成を有しうる。右後センサシステムは、右前センサシステム3RF(3RF1)と前後対称の構成を有しうる。左後センサシステムは、当該右後センサシステムと左右対称の構成を有しうる。
【0188】
図6は、第四実施形態に係る右前ランプ4RF(ランプ装置の一例)の構成を模式的に示している。第一実施形態に係る右前センサシステム1RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0189】
右前ランプ4RFは、灯室13を区画するハウジング11と透光カバー12を備えている。灯室13内には、前照灯17が収容されている。前照灯17は、レンズとリフレクタの少なくとも一方を含む光学系を備えている。前照灯17から出射された光は、透光カバー12を通過して車両100の少なくとも前方を照明する。
【0190】
右前ランプ4RFは、第一センサモジュール18を備えている。第一センサモジュール18は、可視光カメラ81、LiDARセンサ82、および遮蔽部材83を備えている。
【0191】
可視光カメラ81(第一センサの一例)は、少なくとも車両100の右方(車両の外部の一例)を撮影する。すなわち、可視光カメラ81は、少なくとも車両100の右方の情報を検出するセンサである。
【0192】
LiDARセンサ82(第二センサの一例)は、非可視光を出射する発光部、および当該非可視光が少なくとも車両100の右方(車両の外部の一例)に存在する物体に反射した結果の戻り光を検出する受光部を備えている。本実施形態においては、非可視光として波長905nmの赤外光が使用されている。
【0193】
LiDARセンサ82は、例えば、ある方向へ非可視光を出射したタイミングから戻り光を検出するまでの時間に基づいて、当該戻り光に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、戻り光に関連付けられた物体の形状に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、出射光と戻り光の波長の相違に基づいて、戻り光に関連付けられた物体の材質などの属性に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、例えば路面から戻り光の反射率の相違に基づいて、対象物の色(路面における白線など)に係る情報を取得できる。すなわち、LiDARセンサ82は、可視光カメラ81とは異なる手法で少なくとも車両100の右方の情報を検出するセンサである。
【0194】
遮蔽部材83は、黒色に塗装された側壁を有する筒状の中空部材である。
図7は、第一センサモジュール18の構成を模式的に示している。
図6と
図7に示されるように、遮蔽部材83は、可視光カメラ81の撮像部(第一センサの検出部の一例)とLiDARセンサ82の少なくとも受光部(第二センサの検出部の一例)を包囲するように設けられている。可視光カメラ81の「撮像部」とは、撮像素子のみならず、撮像素子に至る光が通過するレンズなどの光学部品を含む意味である。
【0195】
本明細書において用いられる「AとBを包囲する」という表現は、AとBを一括して包囲する構成を描写し、AとBを個別に包囲する構成を区別する意味である。すなわち、遮蔽部材83を形成している側壁は、可視光カメラ81とLiDARセンサ82の間には設けられていない。
【0196】
より具体的には、遮蔽部材83は、前照灯17から出射された光が直接的あるいは間接的に可視光カメラ81の撮像部へ入射することを防ぎつつ、LiDARセンサ82の発光部から出射された非可視光が物体に反射した結果の戻り光がLiDARセンサ82の受光部に入射することを阻害しないように配置されている。
【0197】
遮蔽部材83が可視光カメラ81とLiDARセンサ82の各視野を遮らないように配置されていることは勿論である。ここで「可視光カメラ81の視野」とは、可視光カメラ81が有意な情報を取得できる範囲を意味し、必ずしも可視光カメラ81の最大視野を意味するものではない。「LiDARセンサ82の視野」とは、LiDARセンサ82が有意な情報を取得できる範囲を意味し、必ずしもLiDARセンサ82の最大視野を意味するものではない。
【0198】
遮蔽部材83は、少なくとも可視光カメラ81が感度を有する波長域の可視光を遮るように構成されている。ここで「遮る」とは、遮る対象の通過を許容しない場合のみならず、可視光カメラ81の撮像部およびLiDARセンサ82の受光部による検出に影響を及ぼさない程度に遮る対象の強度を減衰させる場合を含む意味である。
【0199】
遮蔽部材83は、LiDARセンサ82が感度を有する波長域の非可視光も遮るように構成されうる。
【0200】
前照灯17から出射された光が直接的あるいは間接的に可視光カメラ81の撮像部へ入射することを防ぐために、遮蔽部材83の側壁の先端は、透光カバー12の内面と接するように、あるいは透光カバー12との間隔ができるだけ小さくなるように配置される。
【0201】
右前ランプ4RFは、第二センサモジュール19を備えている。第二センサモジュール19は、可視光カメラ91、LiDARセンサ92、ミリ波レーダ93、および遮蔽部材94を備えている。
【0202】
可視光カメラ91(第一センサの一例)は、少なくとも車両100の前方(車両の外部の一例)を撮影する。すなわち、可視光カメラ91は、少なくとも車両100の前方の情報を検出するセンサである。
【0203】
LiDARセンサ92(第二センサの一例)は、非可視光を出射する発光部、および当該非可視光が少なくとも車両100の前方(車両の外部の一例)に存在する物体に反射した結果の戻り光を検出する受光部を備えている。本実施形態においては、非可視光として波長905nmの赤外光が使用されている。
【0204】
LiDARセンサ92は上記のLiDARセンサ82と同じ構成を備えているため、繰り返しとなる詳細な説明は省略する。LiDARセンサ92は、可視光カメラ91とは異なる手法で少なくとも車両100の前方の情報を検出するセンサである。
【0205】
ミリ波レーダ93(第二センサの一例)は、ミリ波を発信する発信部、および当該ミリ波が少なくとも車両100の前方(車両の外部の一例)に存在する物体に反射した結果の反射波を受信する受信部を備えている。本実施形態においては、周波数が76GHzのミリ波が使用されている。他の周波数の例としては、24GHz、26GHz、79GHzなどが挙げられる。
【0206】
ミリ波レーダ93は、例えば、ある方向へミリ波を発信したタイミングから反射波を受信するまでの時間に基づいて、当該反射波に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、反射波に関連付けられた物体の動きに係る情報を取得できる。すなわち、ミリ波レーダ93は、可視光カメラ91やLiDARセンサ92とは異なる手法で少なくとも車両100の前方の情報を検出するセンサである。
【0207】
遮蔽部材94は、黒色に塗装された側壁を有する筒状の中空部材である。
図8は、第二センサモジュール19の構成を模式的に示している。
図6と
図8に示されるように、遮蔽部材94は、少なくとも可視光カメラ81の撮像部(第一センサの検出部の一例)、LiDARセンサ92の受光部(第二センサの検出部の一例)、およびミリ波レーダ93の受信部(第二センサの検出部の一例)を包囲するように設けられている。可視光カメラ91の「撮像部」とは、撮像素子のみならず、撮像素子に至る光が通過するレンズなどの光学部品を含む意味である。遮蔽部材94を形成している側壁は、可視光カメラ91とLiDARセンサ92の間、およびLiDARセンサ92とミリ波レーダ93の間には設けられていない。
【0208】
より具体的には、遮蔽部材94は、前照灯17から出射された光が直接的あるいは間接的に可視光カメラ91の撮像部へ入射することを防ぎつつ、LiDARセンサ92の発光部から出射された非可視光が物体に反射した結果の戻り光がLiDARセンサ92の受光部に入射することを阻害しないように、かつミリ波レーダ93の発信部から発信されたミリ波が物体に反射した結果の反射波がミリ波レーダ93の受信部に入射することを阻害しないように、配置されている。
【0209】
遮蔽部材94が可視光カメラ91、LiDARセンサ92、およびミリ波レーダ93の各視野を遮らないように配置されていることは勿論である。ここで「可視光カメラ91の視野」とは、可視光カメラ91が有意な情報を取得できる範囲を意味し、必ずしも可視光カメラ91の最大視野を意味するものではない。「LiDARセンサ92の視野」とは、LiDARセンサ92が有意な情報を取得できる範囲を意味し、必ずしもLiDARセンサ92の最大視野を意味するものではない。「ミリ波レーダ93の視野」とは、ミリ波レーダ93が有意な情報を取得できる範囲を意味し、必ずしもミリ波レーダ93の最大視野を意味するものではない。
【0210】
遮蔽部材94は、少なくとも可視光カメラ91が感度を有する波長域の可視光を遮るように構成されている。ここで「遮る」とは、遮る対象の通過を許容しない場合のみならず、可視光カメラ91の撮像部、LiDARセンサ92の受光部、およびミリ波レーダ93の受信部による検出に影響を及ぼさない程度に遮る対象の強度を減衰させる場合を含む意味である。
【0211】
遮蔽部材94は、LiDARセンサ92が感度を有する波長域の非可視光とミリ波レーダ93が感度を有する波長域のミリ波の少なくとも一方も遮るように構成されうる。
【0212】
前照灯17から出射された光が直接的あるいは間接的に可視光カメラ91の撮像部へ入射することを防ぐために、遮蔽部材94の側壁の先端は、透光カバー12の内面と接するように、あるいは透光カバー12との間隔ができるだけ小さくなるように配置される。
【0213】
車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置されるランプ装置の内部に車両外部の情報を取得するためのセンサを配置することが望まれている。しかしながら、ランプ装置が備える光源から出射された光が直接的にあるいは間接的に(内部反射などを通じて)可視光カメラの撮像部に入射する可能性が生ずる。当該入射光が検出される情報に与える悪影響を抑制するために、可視光カメラの撮像部を覆う遮蔽部材を設ける必要がある。
【0214】
他方、より多様な車両の外部情報を取得するためには、当該ランプ装置に搭載されるセンサの種別を増やす必要がある。ランプ装置の大型化を抑制する観点からは、複数のセンサが近接配置されることが望ましい。しかしながら、可視光カメラの撮像部への望ましくない光入射を抑制するために設けられた遮蔽部材が、LiDARセンサやミリ波レーダのような別のセンサによる情報の検出を阻害するおそれが生ずる。
【0215】
本実施形態においては、第一センサモジュール18の遮蔽部材83が、可視光カメラ81の撮像部とLiDARセンサ82の少なくとも受光部を包囲するように配置されている。これにより、遮蔽部材83は、前照灯17から出射された光が直接的あるいは間接的に可視光カメラ81の撮像部へ入射することを抑制しつつ、LiDARセンサ82による情報の検出を阻害しないようにしている。したがって、右前ランプ4RFの大型化を抑制しつつ、より多様な車両100の外部情報を取得可能な構成を提供できる。
【0216】
同様に、第二センサモジュール19の遮蔽部材94が、可視光カメラ91の撮像部、LiDARセンサ92の少なくとも受光部、およびミリ波レーダ93の少なくとも受信部を包囲するように配置されている。これにより、遮蔽部材94は、前照灯17から出射された光が直接的あるいは間接的に可視光カメラ91の撮像部へ入射することを抑制しつつ、LiDARセンサ92とミリ波レーダ93による情報の検出を阻害しないようにしている。したがって、右前ランプ4RFの大型化を抑制しつつ、より多様な車両100の外部情報を取得可能な構成を提供できる。
【0217】
図7に示されるように、第一センサモジュール18は、制御部84、通信部85、および給電部86を備えている。
【0218】
制御部84は、通信部85を介して
図6に示される信号処理部15と通信可能に接続されている。信号処理部15は、車両100に搭載されているECUなどの制御装置によって実現される。制御部84は、通信部85を介して信号処理部15からの制御信号を受信し、当該制御信号に基づいて可視光カメラ81とLiDARセンサ82の動作を制御するように構成されている。
【0219】
給電部86は、車両100に搭載された図示しない電源から電力の供給を受けるとともに、当該電力を可視光カメラ81、LiDARセンサ82、および制御部84に供給するように構成されている。
【0220】
図6と
図7に示されるように、第一センサモジュール18は、支持部材87を備えている。支持部材87は、可視光カメラ81、LiDARセンサ82、遮蔽部材83、制御部84、通信部85、および給電部86を支持している。支持部材87は、可視光カメラ81、LiDARセンサ82、制御部84、通信部85、および給電部86を含むセンサ回路の実装基板を兼ねている。
【0221】
すなわち、検出手法が異なる複数種のセンサ(可視光カメラ81とLiDARセンサ82)、当該複数種のセンサの検出部を包囲する遮蔽部材83、および当該複数種のセンサを動作させる回路が、支持部材87上にモジュール化されている。これにより、より多様な車両100の外部情報を取得可能でありながら、右前ランプ4RFへの搭載作業が容易な構成を提供できる。
【0222】
また、制御部84、通信部85、および給電部86が可視光カメラ81とLiDARセンサ82に対して共通化されているため、第一センサモジュール18の大型化とコスト上昇を抑制できる。
【0223】
図8に示されるように、第二センサモジュール19は、制御部95、通信部96、および給電部97を備えている。
【0224】
制御部95は、通信部96を介して
図6に示される信号処理部15と通信可能に接続されている。信号処理部15は、車両100に搭載されているECUなどの制御装置によって実現される。制御部95は、通信部96を介して信号処理部15からの制御信号を受信し、当該制御信号に基づいて可視光カメラ91、LiDARセンサ92、およびミリ波レーダ93の動作を制御するように構成されている。
【0225】
給電部97は、車両100に搭載された図示しない電源から電力の供給を受けるとともに、当該電力を可視光カメラ91、LiDARセンサ92、ミリ波レーダ93、および制御部95に供給するように構成されている。
【0226】
図6と
図8に示されるように、第二センサモジュール19は、支持部材98を備えている。支持部材98は、可視光カメラ91、LiDARセンサ92、ミリ波レーダ93、遮蔽部材94、制御部95、通信部96、および給電部97を支持している。支持部材98は、可視光カメラ91、LiDARセンサ92、ミリ波レーダ93、制御部95、通信部96、および給電部97を含むセンサ回路の実装基板を兼ねている。
【0227】
すなわち、検出手法が異なる複数種のセンサ(可視光カメラ91、LiDARセンサ92、およびミリ波レーダ93)、当該複数種のセンサの検出部を包囲する遮蔽部材94、および当該複数種のセンサを動作させる回路が、支持部材98上にモジュール化されている。これにより、より多様な車両100の外部情報を取得可能でありながら、右前ランプ4RFへの搭載作業が容易な構成を提供できる。
【0228】
また、制御部95、通信部96、および給電部97が可視光カメラ91、LiDARセンサ92、およびミリ波レーダ93に対して共通化されているため、第二センサモジュール19の大型化とコスト上昇を抑制できる。
【0229】
本実施形態においては、第一センサモジュール18の制御部84は、可視光カメラ81とLiDARセンサ82から出力される信号を処理するように構成されている。
【0230】
可視光カメラ81は、撮影された映像に対応する映像信号を出力するように構成されている。可視光カメラ81によって検出された少なくとも車両100の右方の情報は、映像信号が制御部84によって適宜に処理されることにより取得される。
【0231】
LiDARセンサ82は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する信号を出力する。LiDARセンサ82によって検出された少なくとも車両100の右方の情報は、当該出力信号が制御部84によって適宜に処理されることにより取得される。
【0232】
制御部84によって取得された情報は、必要に応じて通信部85を介して信号処理部15へ送信される。当該情報の例としては、少なくとも車両100の右方に位置する物体(車両、人、動物、建造物など)の位置や種別が挙げられる。
【0233】
このような構成によれば、可視光カメラ81とLiDARセンサ82が検出した情報の処理の少なくとも一部を、第一センサモジュール18の制御部84に担わせることができる。これにより、車両100に搭載される信号処理部15の制御負荷を軽減できる。
【0234】
本実施形態においては、第二センサモジュール19の制御部95は、可視光カメラ91、LiDARセンサ92、およびミリ波レーダ93から出力される信号を処理するように構成されている。
【0235】
可視光カメラ91は、撮影された映像に対応する映像信号を出力するように構成されている。可視光カメラ91によって検出された少なくとも車両100の前方の情報は、映像信号が制御部95によって適宜に処理されることにより取得される。
【0236】
LiDARセンサ92は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する信号を出力する。LiDARセンサ92によって検出された少なくとも車両100の前方の情報は、当該出力信号が制御部95によって適宜に処理されることにより取得される。
【0237】
ミリ波レーダ93は、ミリ波レーダ93は、受信した反射波の属性(強度など)に対応する信号を出力する。ミリ波レーダ93によって検出された少なくとも車両100の前方の情報は、当該出力信号が制御部95によって適宜に処理されることにより取得される。
【0238】
制御部95によって取得された情報は、必要に応じて通信部96を介して信号処理部15へ送信されうる。当該情報の例としては、少なくとも車両100の前方に位置する物体(車両、人、動物、建造物など)の位置や種別が挙げられる。
【0239】
このような構成によれば、可視光カメラ91、LiDARセンサ92、およびミリ波レーダ93が検出した情報の処理の少なくとも一部を、第二センサモジュール19の制御部95に担わせることができる。これにより、車両100に搭載される信号処理部15の制御負荷を軽減できる。
【0240】
図6に示されるように、第一センサモジュール18は、アクチュエータ88(調節機構の一例)を備えている。アクチュエータ88は、車両100に対する支持部材87の位置と姿勢の少なくとも一方を調節するための装置である。アクチュエータ88の少なくとも一部は、灯室13内に配置され、支持部材87と結合されている。
【0241】
アクチュエータ88は、車両100に対する支持部材87の位置と姿勢の少なくとも一方を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。そのようなアクチュエータ自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0242】
信号処理部15は、アクチュエータ88を駆動する駆動信号A1を出力するように構成されている。駆動信号A1はアクチュエータ88の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報と、アクチュエータ88の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報を含んでいる。各情報は、単一の信号内に含まれてもよいし、個別の信号として提供されてもよい。
【0243】
右前ランプ4RFが車両100に搭載される際、車体部品の公差や車体に対するハウジング11の位置ずれに起因して、各センサの検出基準位置が所望の位置からずれる場合がある。したがって、右前ランプ4RFが車両100に搭載された後、可視光カメラ81とLiDARセンサ82の検出基準位置の再調整が行なわれる。本実施形態においては、可視光カメラ81とLiDARセンサ82が支持部材87に支持されている。そのため、適宜の駆動信号A1がアクチュエータ88に入力されることにより、可視光カメラ81とLiDARセンサ82の検出基準位置の調節を一括して行なうことができる。
【0244】
したがって、右前ランプ4RFに搭載されるセンサの種類が増加しても、車両100に対するセンサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0245】
図6に示されるように、第二センサモジュール19は、アクチュエータ99(調節機構の一例)を備えている。アクチュエータ99は、車両100に対する支持部材98の位置と姿勢の少なくとも一方を調節するための装置である。アクチュエータ99の少なくとも一部は、灯室13内に配置され、支持部材98と結合されている。
【0246】
アクチュエータ99は、車両100に対する支持部材98の位置と姿勢の少なくとも一方を、水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。そのようなアクチュエータ自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0247】
信号処理部15は、アクチュエータ99を駆動する駆動信号A2を出力するように構成されている。駆動信号A2はアクチュエータ99の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報と、アクチュエータ99の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節する情報を含んでいる。各情報は、単一の信号内に含まれてもよいし、個別の信号として提供されてもよい。
【0248】
右前ランプ4RFが車両100に搭載される際、車体部品の公差や車体に対するハウジング11の位置ずれに起因して、各センサの検出基準位置が所望の位置からずれる場合がある。したがって、右前ランプ4RFが車両100に搭載された後、可視光カメラ91、LiDARセンサ92、およびミリ波レーダ93の検出基準位置の再調整が行なわれる。本実施形態においては、可視光カメラ91、LiDARセンサ92、およびミリ波レーダ93が支持部材98に支持されている。そのため、適宜の駆動信号A2がアクチュエータ99に入力されることにより、可視光カメラ91、LiDARセンサ92、およびミリ波レーダ93の検出基準位置の調節を一括して行なうことができる。
【0249】
したがって、右前ランプ4RFに搭載されるセンサの種類が増加しても、車両100に対するセンサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0250】
本実施形態においては、遮蔽部材83は、LiDARセンサ82の受光部を包囲している。遮蔽部材83がLiDARセンサ82の発光部から出射される非可視光を阻害しなければ、
図7に破線で示されるように、遮蔽部材83は、LiDARセンサの発光部も包囲するように配置されうる。
【0251】
本実施形態においては、遮蔽部材94は、LiDARセンサ92の受光部を包囲している。遮蔽部材94がLiDARセンサ92の発光部から出射される非可視光を阻害しなければ、
図8に破線で示されるように、遮蔽部材94は、LiDARセンサ92の発光部も包囲するように配置されうる。
【0252】
本実施形態においては、遮蔽部材94は、ミリ波レーダ93の受信部を包囲している。遮蔽部材94がミリ波レーダ93の発信部から出射されるミリ波を阻害しなければ、
図8に破線で示されるように、遮蔽部材94は、ミリ波レーダ93の発信部も包囲するように配置されうる。
【0253】
本実施形態においては、車両100の外部情報を取得するためのセンサとして、可視光カメラ81と可視光カメラ91が例示されている。しかしながら、車両100の外部情報を取得できるのであれば、可視光カメラ81と可視光カメラ91は、適宜の光センサで置き換えられうる。
【0254】
本実施形態においては、少なくとも車両100の右方の情報を取得するための第一センサモジュール18が可視光カメラとLiDARセンサを備えており、少なくとも車両100の前方の情報を取得するための第二センサモジュール19が可視光カメラ、LiDARセンサ、およびミリ波レーダを備えている。しかしながら、第一センサモジュール18が可視光カメラ、LiDARセンサ、およびミリ波レーダを備え、第二センサモジュール19が可視光カメラとLiDARセンサを備える構成も採用されうる。
【0255】
本実施形態においては、可視光カメラとは異なる手法で車両100の外部情報を取得するセンサとして、LiDARセンサとミリ波レーダが例示されている。これらに加えてあるいは代えて、第一センサモジュール18と第二センサモジュール19の少なくとも一方は、超音波センサと赤外線カメラの少なくとも一方を備えうる。
【0256】
本実施形態においては、第一センサモジュール18の可視光カメラ81とLiDARセンサ82から出力された信号を制御部84が処理している。しかしながら、可視光カメラ81とLiDARセンサ82から出力された信号の処理は、信号処理部15によって行なわれてもよい。
【0257】
本実施形態においては、第二センサモジュール19の可視光カメラ91、LiDARセンサ92、およびミリ波レーダ93から出力された信号を制御部95が処理している。しかしながら、可視光カメラ91、LiDARセンサ92、およびミリ波レーダ93から出力された信号の処理は、信号処理部15によって行なわれてもよい。
【0258】
本実施形態においては、車両100に対する第一センサモジュール18の支持部材87の姿勢は、アクチュエータ88によって行なわれる。しかしながら、車両100に対する第一センサモジュール18の支持部材87の姿勢は、周知のエイミングスクリュー機構(調節機構)によって行なわれてもよい。
【0259】
本実施形態においては、車両100に対する第二センサモジュール19の支持部材98の姿勢は、アクチュエータ99によって行なわれる。しかしながら、車両100に対する第二センサモジュール19の支持部材98の姿勢は、周知のエイミングスクリュー機構(調節機構の一例)によって行なわれてもよい。
【0260】
本実施形態においては、右前ランプ4RFに搭載されるセンサモジュールが例示されている。しかしながら、上記のセンサモジュールは、
図1に示される車両100の左前隅部に配置される左前ランプ、車両100の左後隅部に配置される左後ランプ、および車両100の右後隅部に配置される右後ランプにも搭載されうる。詳細な構成の図示は省略するが、左前ランプは、右前ランプ4RFと左右対称の構成を有しうる。
【0261】
詳細な構成の図示は省略するが、左後ランプと右後ランプは、尾灯などの光源を備えている。例えば、右後ランプは、右前ランプ4RFと前後対称の構成を有しうる。左後ランプは、当該右後ランプと左右対称の構成を有しうる。
【0262】
本実施形態においては、センサモジュールは、ランプ装置の灯室内に配置されている。しかしながら、遮蔽部材の使用が求められる場所であれば、センサモジュールが搭載される場所は、ランプ装置の灯室内に限られない。
【0263】
上記の実施形態は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本開示の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【0264】
本出願の記載の一部を構成するものとして、2016年9月15日に提出された日本国特許出願2016-180576号、および2016年9月15日に提出された日本国特許出願2016-180580号の内容が援用される。