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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-19
(45)【発行日】2022-04-27
(54)【発明の名称】ユーザ機器及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/30 20090101AFI20220420BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20220420BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20220420BHJP
【FI】
H04W52/30
H04W72/04 111
H04W16/32
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2019521982
(86)(22)【出願日】2018-04-03
(86)【国際出願番号】 JP2018014197
(87)【国際公開番号】W WO2018220992
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2020-10-30
(31)【優先権主張番号】P 2017108098
(32)【優先日】2017-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】アルーン プラサド アニータ
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】Samsung,Power Control for Multiplexing of eMBB and URLLC[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1702995,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1702995.zip>,2017年02月07日,pp.2-4
【文献】Nokia, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,On power sharing between LTE and NR in DC[online],3GPP TSG RAN WG1 #89 R1-1708221,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1708221.zip>,2017年05月05日,pp.1-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークにおいてデュアルコネクティビティを実行可能なユーザ機器であって、
2つの通信ネットワークと同時通信し、前記2つの通信ネットワークの何れか一方でURLLC(超高信頼性、低遅延通信)が運用される、無線インターフェース回路と、
前記一方の通信ネットワークに対して前記URLLC送信が必要であり、前記2つの通信ネットワークの他方の通信ネットワークでは前記URLLCが運用されていないと判断する制御回路と、
を具備し、
前記制御回路は、前記URLLC送信が必要な前記一方の通信ネットワークに対する前記URLLCの送信のために、前記一方の通信ネットワークの第1の予約電力、及び、前記URLLCが運用されていない前記他方の通信ネットワークの第2の予約電力を利用することを決定し、
前記無線インターフェース回路は、前記第1の予約電力及び前記第2の予約電力を用いて、前記一方の通信ネットワークで前記URLLCの信号を送信する、
ユーザ機器。
【請求項2】
前記URLLCの信号は、超高信頼性、低遅延通信の制御情報である、
請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項3】
前記URLLCの信号は、スケジューリング要求(SR)またはHARQ-ACKである、
請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項4】
前記2つの通信ネットワークは、LTE通信ネットワーク及びNR通信ネットワーク、NR通信ネットワーク及びNR通信ネットワーク、または、LTE通信ネットワーク及びLTE通信ネットワークである、
請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項5】
前記2つの通信ネットワークはそれぞれLTE通信ネットワーク及びNR通信ネットワークであり、前記URLLCは前記NR通信ネットワークで運用される、
請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項6】
前記2つの通信ネットワークはそれぞれLTE通信ネットワーク及びNR通信ネットワークであり、前記URLLCは前記LTE通信ネットワークで運用される、
請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項7】
前記2つの通信ネットワークの一方はマスタ通信ネットワーク(MCG)であり、他方はセカンダリ通信ネットワーク(SCG)である、
請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項8】
前記マスタ通信ネットワークはNR通信ネットワークであり、前記セカンダリ通信ネットワークはLTE通信ネットワークである、
請求項7に記載のユーザ機器。
【請求項9】
前記マスタ通信ネットワークはLTE通信ネットワークであり、前記セカンダリ通信ネットワークはNR通信ネットワークである、
請求項7に記載のユーザ機器。
【請求項10】
前記2つの通信ネットワークはNR通信ネットワーク及びNR通信ネットワークであり、
一方の前記NR通信ネットワークはマスタ通信ネットワーク(MCG)であり、他方の前記NR通信ネットワークはセカンダリ通信ネットワーク(SCG)である、
請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項11】
前記2つの通信ネットワークはLTE通信ネットワーク及びLTE通信ネットワークであり、
一方の前記LTE通信ネットワークはマスタ通信ネットワーク(MCG)であり、他方の前記LTE通信ネットワークはセカンダリ通信ネットワーク(SCG)である、
請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項12】
通信ネットワークにおいてデュアルコネクティビティを実行可能なユーザ機器であって、
2つの通信ネットワークと同時通信し、前記2つの通信ネットワークの双方でURLLC(超高信頼性、低遅延通信)が運用される、無線インターフェース回路と、
前記2つの通信ネットワークの双方に対して前記URLLC送信が必要であると判断する制御回路と、
を具備し、
前記制御回路は、前記2つの通信ネットワークの各々に対する前記URLLC送信のために、他の通信ネットワークの予約電力を利用せずに、前記2つの通信ネットワークのそれぞれの予約電力を利用することを決定し、
前記無線インターフェース回路は、前記2つの通信ネットワークのそれぞれの前記予約電力を用いて、前記2つの通信ネットワークで前記URLLCの信号をそれぞれ送信する、
ユーザ機器。
【請求項13】
前記URLLCの信号は、超高信頼性、低遅延通信の制御情報である、
請求項12に記載のユーザ機器。
【請求項14】
前記URLLCの信号は、スケジューリング要求(SR)またはHARQ-ACKである、
請求項12に記載のユーザ機器。
【請求項15】
前記2つの通信ネットワークは、LTE通信ネットワーク及びNR通信ネットワーク、NR通信ネットワーク及びNR通信ネットワーク、または、LTE通信ネットワーク及びLTE通信ネットワークである、
請求項12に記載のユーザ機器。
【請求項16】
前記2つの通信ネットワークはそれぞれLTE通信ネットワーク及びNR通信ネットワークであり、前記URLLCは前記NR通信ネットワークで運用される、
請求項12に記載のユーザ機器。
【請求項17】
前記2つの通信ネットワークはそれぞれLTE通信ネットワーク及びNR通信ネットワークであり、前記URLLCは前記LTE通信ネットワークで運用される、
請求項12に記載のユーザ機器。
【請求項18】
前記2つの通信ネットワークの一方はマスタ通信ネットワーク(MCG)であり、他方はセカンダリ通信ネットワーク(SCG)である、
請求項12に記載のユーザ機器。
【請求項19】
前記マスタ通信ネットワークはNR通信ネットワークであり、前記セカンダリ通信ネットワークはLTE通信ネットワークである、
請求項18に記載のユーザ機器。
【請求項20】
前記マスタ通信ネットワークはLTE通信ネットワークであり、前記セカンダリ通信ネットワークはNR通信ネットワークである、
請求項18に記載のユーザ機器。
【請求項21】
前記2つの通信ネットワークはNR通信ネットワーク及びNR通信ネットワークであり、
一方の前記NR通信ネットワークはマスタ通信ネットワーク(MCG)であり、他方の前記NR通信ネットワークはセカンダリ通信ネットワーク(MCG)である、
請求項12に記載のユーザ機器。
【請求項22】
前記2つの通信ネットワークはLTE通信ネットワーク及びLTE通信ネットワークであり、
一方の前記LTE通信ネットワークはマスタ通信ネットワーク(MCG)であり、他方の前記LTE通信ネットワークはセカンダリ通信ネットワーク(SCG)である、
請求項12に記載のユーザ機器。
【請求項23】
通信ネットワークにおけるデュアルコネクティビティの実行方法であって、
2つの通信ネットワークと通信し、前記2つの通信ネットワークの何れか一方でURLLC(超高信頼性、低遅延通信)が運用され、
前記一方の通信ネットワークに対して前記URLLC送信が必要であり、前記2つの通信ネットワークの他方の通信ネットワークでは前記URLLCが運用されていないと判断し、
前記URLLC送信が必要な前記一方の通信ネットワークに対する前記URLLCの送信のために、前記一方の通信ネットワークの第1の予約電力、及び、前記URLLCが運用されていない前記他方の通信ネットワークの第2の予約電力を利用することを決定し、
前記第1の予約電力及び前記第2の予約電力を用いて、前記一方の通信ネットワークで前記URLLCの信号を送信する、
方法。
【請求項24】
通信ネットワークにおけるデュアルコネクティビティの実行方法であって、
2つの通信ネットワークと通信し、前記2つの通信ネットワークの双方でURLLC(超高信頼性、低遅延通信)が運用され、
前記2つの通信ネットワークの双方に対して前記URLLC送信が必要であると判断し、
前記2つの通信ネットワークの各々に対する前記URLLCの送信のために、他の通信ネットワークの予約電力を利用せずに、前記2つの通信ネットワークのそれぞれの予約電力を利用することを決定し、
前記2つの通信ネットワークのそれぞれの前記予約電力を用いて、前記2つの通信ネットワークで前記URLLCの信号をそれぞれ送信する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信ネットワークにおけるデュアルコネクティビティ(dual connectivity)に関する。特に、LTE(Long Term Evolution)及びNR(New Radio network)等の通信ネットワークにおけるデュアルコネクティビティに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(Third Generation Partnership Project)では、より高いデータレート、ユーザプレーン(user plane)の遅延時間短縮、及び、より高い信頼性に対する需要拡大に対応するためにRelease 12においてデュアルコネクティビティ(DC)技術が標準化された。
【0003】
DCのアーキテクチャによれば、ユーザ機器(UE:User Equipment)は同時に複数の通信ネットワーク(eNBまたは基地局)に接続可能である。UEは、MeNB(Master eNB)を介してマスタセルグループ(MCG(Mater Cell Group)。マスタ通信ネットワークと呼ぶこともある)に接続され、SeNB(Secondary eNB)を介してセカンダリセルグループ(SCG(Secondary Cell Group)。セカンダリ通信ネットワークと呼ぶこともある)に接続される。MeNBとSeNBとの間に非理想的バックホールが存在すると、UEの送信電力がUEの最大送信電力を超過し、重要な上り信号の削減またはユーザスループットの劣化等の原因となる場合がある。重要な上り信号の削減の問題を回避するために、セルグループ毎の最少保障送信電力(minimum guaranteed transmission power)がUEに割り当てられている。
【0004】
モバイル環境が完備され相互接続された社会がますます重要視されつつある中で、3GPPは、5G New Radio(NR)アクセス技術の要件と仕様の開発により、容量及び性能のさらなる向上を目指している。5G NRの将来の利用状況及び応用については、ITU-R IMTによって2020年以降、以下に示す3つの利用シナリオに大まかに分類されている。
【0005】
-eMBB(enhanced Mobile Broadband):超大容量及び超高速データレート
-mMTC(massive Machine Type Communication):超低エネルギ及び超低複雑性
-URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communication):超高信頼性及び超低遅延
【0006】
今日、人間同士のつながりはもちろん、機械又はデバイスを相互接続することに重点が置かれている。3GPPは、将来の5G NRセルラシステムにおいて1ms以内で10-5までの信頼性を提供することを目標にしている。そのような超高信頼性及び低遅延通信(URLLC)は、ミッションクリティカルなサービス(車両通信、産業オートメーション、ヘルスケア、公共安全)又は多くのMTCアプリケーションにとって必須の機能である。
【0007】
また、非特許文献1は、NRに関して、LTEセル(LTE通信ネットワークと呼ぶこともある)及びNRセル(NR通信ネットワークと呼ぶこともある)がマクロセルまたはスモールセルであるホモジニアス(homogeneous)及びヘテロジニアス(heterogeneous)配置のシナリオを提唱する。また、非特許文献1は、LTEとNRとの間のDCについても考察している。ここで、DCにおいて、MCGがLTEセルからなり、SCGがNRセルからなる場合、または、MCGがNRセルからなり、SCGがLTEセルからなる場合がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】3GPP TR 38.804 V14.0.0, “Study on New Radio Access Technology; Radio Interface Protocol Aspects (Release 14),” 2017-03
【発明の概要】
【0009】
URLLCはミッションクリティカルなサービスにとって必須な機能であるので、URLLCの信号はできる限り大きな送信電力で送信されることが要求される。このため、デュアルコネクティビティ配置シナリオにおいてURLLCを扱う必要性が高まっている。しかしながら、デュアルコネクティビティにおいてURLLCに対する上り送信電力の制御方法について十分に検討がなされていない。
【0010】
本開示の一態様は、デュアルコネクティビティに対応したURLLCの効率的な電力利用が可能なユーザ機器及び方法の提供に資する。
【0011】
本開示の一態様において、通信ネットワークにおいてデュアルコネクティビティを実行可能なユーザ機器であって、2つの通信ネットワークと同時通信し、前記2つの通信ネットワークの何れか一方でURLLC(超高信頼性、低遅延通信)が運用される、無線インターフェース回路と、前記一方の通信ネットワークに対して前記URLLC送信が必要であり、前記2つの通信ネットワークの他方の通信ネットワークでは前記URLLCが運用されていないと判断する制御回路と、を具備し、前記制御回路は、前記URLLC送信が必要な前記一方の通信ネットワークに対する前記URLLCの送信のために、前記一方の通信ネットワークの第1の予約電力、及び、前記URLLCが運用されていない前記他方の通信ネットワークの第2の予約電力を利用することを決定し、前記無線インターフェース回路は、前記第1の予約電力及び前記第2の予約電力を用いて、前記一方の通信ネットワークで前記URLLCの信号を送信する、ユーザ機器を提供する。
【0012】
別の一般的態様において、通信ネットワークにおいてデュアルコネクティビティを実行可能なユーザ機器であって、2つの通信ネットワークと同時通信し、前記2つの通信ネットワークの双方でURLLC(超高信頼性、低遅延通信)が運用される、無線インターフェース回路と、前記2つの通信ネットワークの双方に対して前記URLLC送信が必要であると判断する制御回路と、を具備し、前記制御回路は、前記2つの通信ネットワークの各々に対する前記URLLC送信のために、他の通信ネットワークの予約電力を利用せずに、前記2つの通信ネットワークのそれぞれの予約電力を利用することを決定し、前記無線インターフェース回路は、前記2つの通信ネットワークのそれぞれの前記予約電力を用いて、前記2つの通信ネットワークで前記URLLCの信号をそれぞれ送信する、ユーザ機器を提供する。
【0013】
別の一般的態様において、通信ネットワークにおけるデュアルコネクティビティの実行方法であって、2つの通信ネットワークと通信し、前記2つの通信ネットワークの何れか一方でURLLC(超高信頼性、低遅延通信)が運用され、前記一方の通信ネットワークに対して前記URLLC送信が必要であり、前記2つの通信ネットワークの他方の通信ネットワークでは前記URLLCが運用されていないと判断し、前記URLLC送信が必要な前記一方の通信ネットワークに対する前記URLLCの送信のために、前記一方の通信ネットワークの第1の予約電力、及び、前記URLLCが運用されていない前記他方の通信ネットワークの第2の予約電力を利用することを決定し、前記第1の予約電力及び前記第2の予約電力を用いて、前記一方の通信ネットワークで前記URLLCの信号を送信する方法を提供する。
【0014】
別の一般的態様において、通信ネットワークにおけるデュアルコネクティビティの実行方法であって、2つの通信ネットワークと通信し、前記2つの通信ネットワークの双方でURLLC(超高信頼性、低遅延通信)が運用され、前記2つの通信ネットワークの双方に対して前記URLLC送信が必要であると判断し、前記2つの通信ネットワークの各々に対する前記URLLCの送信のために、他の通信ネットワークの予約電力を利用せずに、前記2つの通信ネットワークのそれぞれの予約電力を利用することを決定し、前記2つの通信ネットワークのそれぞれの前記予約電力を用いて、前記2つの通信ネットワークで前記URLLCの信号をそれぞれ送信する方法を提供する。
【0015】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0016】
本開示の一態様によれば、デュアルコネクティビティに対応したURLLCの効率的な電力利用を行うことができる。
【0017】
本開示の一態様における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施の形態に係るユーザ機器100の一部の構成を示す。
図2A図2Aは、実施の形態に係る基地局200、300に接続されるユーザ機器100の構成例を示す。
図2B図2Bは、実施の形態に係るURLLC送信時のLTE-NRデュアルコネクティビティにおける電力利用の一例を示す。
図3図3は、実施の形態に係るユーザ機器と基地局との間のURLLC上り送信における電力利用のフローチャートの一例を示す。
図4A図4Aは、実施の形態の変形例2に係るURLLC送信時のLTE-NRデュアルコネクティビティにおける電力利用の一例を示す。
図4B図4Bは、実施の形態の変形例2に係るURLLC送信時のLTE-NRデュアルコネクティビティにおける電力利用の一例を示す。
図4C図4Cは、実施の形態の変形例2に係るURLLC送信時のLTE-NRデュアルコネクティビティにおける電力利用の一例を示す。
図4D図4Dは、実施の形態の変形例2に係るURLLC送信時のLTE-NRデュアルコネクティビティにおける電力利用の一例を示す。
図5A図5Aは、実施の形態の変形例2に係るURLLC送信時のNR-NRデュアルコネクティビティにおける電力利用の一例を示す。
図5B図5Bは、実施の形態の変形例2に係るURLLC送信時のNR-NRデュアルコネクティビティにおける電力利用の一例を示す。
図6A図6Aは、実施の形態の変形例2に係るURLLC送信時のLTE-LTEデュアルコネクティビティにおける電力利用の一例を示す。
図6B図6Bは、実施の形態の変形例2に係るURLLC送信時のLTE-LTEデュアルコネクティビティにおける電力利用の一例を示す。
図7図7は、実施の形態の変形例3に係るURLLC同時送信時のNR-NRデュアルコネクティビティにおける電力利用の一例を示す。
図8図8は、実施の形態の変形例3に係るURLLC同時送信時のLTE-LTEデュアルコネクティビティにおける電力利用の一例を示す。
図9図9は、実施の形態の変形例3に係るURLLC同時送信時のLTE-NRデュアルコネクティビティにおける電力利用の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施の形態について、通信方法、装置及びシステムに関する図面を参照して説明する。本技術は、種々の形態及び種々の順序で実施してもよく、以下に示す実施の形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施の形態は、本開示が詳細にわたり完全であるように、また当業者に対して本技術が十分に伝わるように提供するものである。実際、本技術は、添付する特許請求の範囲に記載する技術の範囲及び趣旨に含まれる、本実施の形態に対する代替案、変更、相当物をカバーすることを意図している。また、以下に示す本技術の詳細な説明において、本技術の理解を確かなものにするために多くの具体的詳細を示す。ただし、そのような詳細がなくても本技術が実施可能であることは当業者にとっては明白である。
【0020】
方法の工程の順序及び構成要素の構造をここに提供するが、これらは例示を目的とし、本開示を限定することを意図しない。以下の技術の詳細な説明は、例示と説明を目的として提示する。以下の説明は、網羅的あるいは技術を厳密な開示形態に限定することを意図しない。以上の認識を踏まえて、多くの変更またはバリエーションが可能である。記載した実施の形態は、技術の原則及びその実際の応用を説明する上で最適なものとして選択したものであり、当業者は種々の実施の形態及び種々の変更で本技術を利用して意図した特定使用目的に合致するよう構成することができる。本技術の範囲は、添付の特許請求の範囲に定義されるものとする。
【0021】
本開示の各実施の形態に係る通信システムは、ユーザ機器100、基地局200及び基地局300を備える。ユーザ機器100は、デュアルコネクティビティを実行可能である。
【0022】
デュアルコネクティビティ時、ユーザ機器100は、より多くのリソースを利用するために2つの通信ネットワーク(ここでは、基地局200及び基地局300)に接続される場合がある。なお、通信ネットワークは基地局200、300に代表されるが、基地局に限定されない。
【0023】
また、以下で説明する基地局200、300は、一例として、LTE-NRネットワークデュアルコネクティビティの基地局である。すなわち、基地局200及び基地局300の何れか一方がLTEセルを構成し、他方がNRセルを構成する。ただし、本開示は、LTE-NRデュアルコネクティビティに限定されない。ここに開示された実施の形態は、デュアルコネクティビティをサポートするいかなる好適な通信システムにおいても実現できる。
【0024】
また、上述したように、URLLCは、超高信頼性及び低遅延通信であり、多くのMTCアプリケーション及びミッションクリティカルなサービスにとって必須の特徴である。また、URLLCは、URLLC以外のeMBB、mMTCなどの他の通信サービス、または、URLLCとは無関係の他のサービスにとっても必須の特徴である。なお、本開示において、URLLC以外の通信サービスは、eMBB、mMTCに限定されず、URLLC以外の他の通信サービスであればよい。
【0025】
本実施の形態では、デュアルコネクティビティ実行中におけるURLLCに対する上り送信電力の制御方法(割当方法)について詳細に説明する。
【0026】
図1は、本開示の実施の形態に係るユーザ機器100の一部の構成を示すブロック図である。図1に示すユーザ機器100は、通信ネットワークにおいてデュアルコネクティビティを実行可能なユーザ機器である。ユーザ機器100において、無線インターフェース回路400は、2つの通信ネットワーク(基地局200及び基地局300)と同時通信する。なお、2つの通信ネットワークの何れか一方でURLLC(超高信頼性、低遅延通信)が運用される。制御回路500は、一方の通信ネットワークに対してURLLC送信が必要であり、2つの通信ネットワークの他方の通信ネットワークではURLLCが運用されていないと判断する。この場合、制御回路500は、URLLC送信が必要な一方の通信ネットワークに対するURLLCの送信のために、一方の通信ネットワークの第1の予約電力、及び、URLLCが運用されていない他方の通信ネットワークの第2の予約電力を利用することを決定する。そして、無線インターフェース回路400は、第1の予約電力及び第2の予約電力を用いて、一方の通信ネットワークでURLLCの信号を送信する。
【0027】
図2Aは、本開示の実施の形態に係る基地局200及び300に接続されたユーザ機器100のブロック図の一例を示す。
【0028】
図2Aに示すユーザ機器100は、無線インターフェース回路400及び制御回路500を含む。
【0029】
また、無線インターフェース回路400は、受信機インターフェース回路400a及び送信機インターフェース回路400bを備える。
【0030】
ユーザ機器100は、無線インターフェース回路400を介して、基地局200及び基地局300に同時に接続される。すなわち、ユーザ機器100は、基地局200及び基地局300とデュアルコネクティビティを実行する。
【0031】
すなわち、無線インターフェース回路400は、2つの通信ネットワーク(基地局200及び基地局300)と同時通信を行う。具体的には、受信機インターフェース回路400aは、基地局200または基地局300から送信される下り信号を受信する。また、送信機インターフェース回路400bは、基地局200または基地局300への上り信号を送信する。
【0032】
ユーザ機器100において、上り送信時の最大電力は、ユーザ機器(無線インターフェイス回路400等)のRF(Radio Frequency)性能によって限定される。本実施の形態によれば、ユーザ機器100には、図2B(Beforeを参照)に示すように、LTE及びNRのいずれに対してもそれぞれ上り送信用予約電力(reserved power)が割り当てられる。
【0033】
図2Bによれば、PLTE Reserved + NR Reserved≦ PMax URLLC requied Powerの関係を満たす。例えば、PLTE Reserved + NR Reserved = PLTE Reserved + PNR Reservedである。ここで、PLTE Reservedは、LTEセルに対する上り送信用に割り当てられた予約電力(LTE reserved power)であり、PNR Reservedは、NRセルに対する上り送信用に割り当てられた予約電力(NR reserved power)である。予約電力は、URLLC送信に必要な最大電力であるPMax URLLC required Power以下となるように割り当てられる。予約電力は、基地局(基地局200または基地局300)によってユーザ機器100にシグナリングされる。本開示は、予約電力を動的に設定するオプションに限定されず、予約電力は、準静的にシグナリングすることができる。さらに、本実施の形態は、他の方法あるいは設定方法、及び予約電力の送信にも適用できる。
【0034】
また、ユーザ機器100において、制御回路500は、送信判定回路500a及び電力レベル判定回路500bを備える。
【0035】
ユーザ機器100の送信判定回路500aは、NRセルでのURLLCの上り送信が必要であり、かつ、URLLC以外の通信がLTEセルで運用されているか否かを判断する。なお、URLLCにおける上り信号(以下、URLLC信号と呼ぶこともある)は、URLLC制御情報及び/またはURLLCデータ情報を含めてもよい。
【0036】
電力レベル判定回路500bは、送信判定回路500aがNRセルでのURLLCの上り送信が必要であり、URLLC以外の通信がLTEセルで運用されていると判断した場合に、NRセルでのURLLCの上り送信に使用する電力を判定する。この場合、電力レベル判定回路500bは、図2B(Afterを参照)に示すように、NRセルでのURLLC送信用に、NRの予約電力に加え、LTEの予約電力を利用することを決定する。この場合、送信機インターフェース回路400bは、図2B(Afterを参照)に示すように、NRの予約電力及びLTEの予約電力を用いて(つまり、双方の予約電力をNRの予約電力として用いて)、NRセルに対してURLLC信号を送信する。
【0037】
このように、ユーザ機器100は、LTE-NRデュアルコネクティビティにおいて、NRセルでURLLCを行い、かつ、LTEセルでURLLCが運用されていない場合、NRセルに対するURLLC送信のために、NRの予約電力及びLTEの予約電力を利用する。すなわち、ユーザ機器100は、URLLCに対して、LTEの予約電力及びNRの予約電力を共有する。換言すると、ユーザ機器100において、URLLCに対する電力利用が他の通信(ここではLTE)よりも優先され、URLLC送信時には当該他の通信に対して予約電力が保障されない。
【0038】
これにより、NRでのURLLC送信において電力利用を最大化することができ、低遅延でより効率的に実行される。その結果、重要な情報を搬送するURLLC送信は、効率的な電力の共有及び利用によって、より確実に実行される。
【0039】
なお、図2Aに示す構成に加えて、ユーザ機器100、基地局200及び基地局300は、従来の動作を実行するためにさらにいくつかの従来回路を備えてもよい。
【0040】
図3は、本開示の実施の形態に係るユーザ機器100及び基地局200、300間の上り送信用の電力利用のフローチャートの一例を示す図である。
【0041】
ST201では、図2に示すように、ユーザ機器100(UE)は、基地局200及び基地局300の双方に同時に接続される。すなわち、ユーザ機器100は、LTE-NRデュアルコネクティビティを実行する。
【0042】
ST202において、ユーザ機器100は、NRセル(つまり、一方の通信ネットワーク)におけるURLLCの運用(上り送信)の必要性を判断する。ここでは、ユーザ機器100は、NRセルにおけるURLLCの上り送信が必要であると判断している。
【0043】
ST203において、ユーザ機器100は、URLLCが他の通信ネットワークで運用されているか否かを判断する。換言すると、ユーザ機器100は、URLLC以外の通信が他の通信ネットワーク(ここではLTEセル)で運用されているか否かを判断する。つまり、ST202,ST203において、ユーザ機器100は、NRセルでのURLLCの上り送信が必要であり、かつ、LTEセルでURLLCが運用されていないか否かを判断する。
【0044】
URLLCが他の通信ネットワークで運用されている場合(ST203:Yes)、ST204において、ユーザ機器100は、各通信ネットワーク(NRセル及びLTEセル)に対して割り当てられた予約電力(図2BのBeforeを参照)を、各通信ネットワークにおけるURLLC送信に利用する。つまり、ST204では、ユーザ機器100は、2つの通信ネットワークの双方に対してURLLC送信が必要であると判断し、各通信ネットワークの各々に対するURLLC送信のために、他の通信ネットワークの予約電力を利用せずに、2つの通信ネットワークのそれぞれの予約電力を利用することを決定する。
【0045】
一方、URLLCが他の通信ネットワークで運用されていない場合(ST203:No)、ST205において、ユーザ機器100は、URLLC送信用の上り送信電力を最大化するために、NRでのURLLC送信用に、URLLC送信が必要であるNRの予約電力に加え、URLLCが運用されていないLTEの予約電力を利用することを決定する(例えば、図2BのAfterを参照)。すなわち、ST205では、通信ネットワークの一方でURLLCが運用されるので、ユーザ機器100は、各通信ネットワークのそれぞれの予約電力を、URLLCが運用される一方の通信ネットワークで共有すると判断する。
【0046】
そしてST206では、ユーザ機器100は、少なくとも、NRセルでURLLC信号を送信する。
【0047】
このように、本実施の形態によれば、ユーザ機器100は、デュアルコネクティビティによって同時通信する通信ネットワーク(セルグループ)の何れか1つでURLLCが運用され、他の通信ネットワークでURLLCが運用されない場合、URLLC信号を送信するために、双方の通信ネットワークの予約電力を共有(利用)する。こうすることで、URLLCの上り送信は強化され、超高信頼性及び低遅延通信が達成できる。
【0048】
なお、LTEの通信は、一般的に、URLLCがサポートされず、eMBBとして分類されることもある。この場合、例えば、図3のST203では、URLLCが他のネットワーク(LTEセル)で運用されていると判断されることはない。そこで、LTEでURLLCがサポートされない場合には、ユーザ機器100は、LTE-NRデュアルコネクティビティの実行中には、図3のST202の処理の後に、ST203及びST204の処理を行わずに、ST205、ST206の処理を行ってもよい。なお、URLLCサービスがLTEでも運用される場合の動作については変形例2でも詳細に説明する。
【0049】
(変形例1)
URLLCの上り送信は、URLLCの制御情報の送信の場合がある。制御情報は、基地局(基地局200,300)に対して最も重要な情報を搬送するので、基地局は、URLLCの制御情報を、上記実施の形態のように低遅延で確実に受信し、URLLCのデータを効率的に復号する必要がある。なお、URLLCデータに関しては、HARQプロセスが適用できる。
【0050】
また、URLLCの上り送信は、スケジューリング要求(SR:Scheduling Request)またはHARQ-ACK/NACK(応答信号)を含むURLLC制御情報の送信の場合がある。制御情報は、基地局(基地局200,300)に対して最も重要な情報を搬送するので、基地局は、少なくとも、スケジューリング要求(SR)またはHARQ-ACK/NACKを搬送するURLLCの制御情報を、上記実施の形態のように低遅延で確実に受信することによって、URLLCのデータを効率的に復号する。なお、SR及びHARQ-ACK/NACK以外の他のURLLC制御情報、及び、URLLCのデータに関しては、HARQプロセスが適用される場合がある。
【0051】
(変形例2)
図2A図3に示した上記実施の形態(LTE-NRデュアルコネクティビティ)は、他のデュアルコネクティビティ通信ネットワークでも適用できる。変形例2では、デュアルコネクティビティの様々な形態について一例として説明する。
【0052】
なお、以下の説明では、デュアルコネクティビティを実行するユーザ端末100が同時接続する基地局200,300のうち、MeNBまたはマスタセルグループ(MCG)を単に「マスタ(master)」と呼び、SeNBまたはセカンダリセルグループ(SCG)を単に「セカンダリ(secondary)」と呼ぶ。
【0053】
ここで、デュアルコネクティビティの形態として、(i)NRセルがマスタであり、LTEセルがセカンダリである場合、(ii)NRセルがセカンダリであり、LTEセルがマスタである場合、(iii)NRセルがマスタであり、NRセルがセカンダリである場合(NR-NRデュアルコネクティビティ)、(iv)LTEセルがマスタであり、LTEセルがセカンダリである場合(LTE-LTEデュアルコネクティビティ)等がある。
【0054】
また、URLLCはマスタまたはセカンダリで運用される。上述したように、URLLC送信の場合、ユーザ機器100は、URLLCが運用される通信ネットワークにおいて、URLLC以外の通信が運用される他の通信ネットワークの予約電力を利用(共有)することができる。
【0055】
また、URLLCサービスは、NRにおいて現在検討されている通信サービスである。しかし、将来、URLLCサービスはLTEでも運用されることが考えられる。したがって、本開示では、LTEでURLLCサービスが運用されるようなシナリオでの電力利用についても扱う。
【0056】
以下、一例として、上述したケース(i)~(iv)のデュアルコネクティビティにおける電力利用方法について説明する。
【0057】
[ケース(i)(図4A図4B)]
ケース(i)では、LTE-NRデュアルコネクティビティにおいて、NRセルはマスタ(「NRマスタ」と呼ぶ)として設定され、LTEセルはセカンダリ(「LTEセカンダリ」と呼ぶ)として設定される。
【0058】
図2Aと同様の構成を有するユーザ機器100は、NRマスタ及びLTEセカンダリの両方に同時に接続される。ユーザ機器100の上り送信時の最大電力は、ユーザ機器100のRF性能に限定される。ここでは、上記実施の形態と同様、ユーザ機器100には、LTE及びNRそれぞれに対して上り送信用の予約電力が割り当てられる(図4AのBeforeを参照)。
【0059】
ここで、ユーザ機器100(送信判定回路500a)は、NRマスタでURLLCの上り送信が必要であると判断し、LTEセカンダリでURLLC以外の通信が運用されていると判断する(つまり、図3のST203:No)。なお、URLLC信号は、URLLC制御情報及び/またはURLLCデータ情報を含めてもよい。
【0060】
ユーザ機器100(電力レベル判定回路500b)は、送信判定回路500aがNRマスタでのURLLC上り送信が必要であり、LTEセカンダリでURLLC以外の通信が運用されていると判断した場合、NRマスタにおいてURLLCの上り送信に使用する電力を決定する。具体的には、電力レベル判定回路500bは、NRマスタでのURLLC送信のために、NRマスタの予約電力に加え、LTEセカンダリの予約電力を利用することを決定する(図3のST205)(図4AのAfterを参照)。ユーザ機器100(送信機インターフェース回路400b)は、NRマスタの予約電力及びLTEセカンダリの予約電力を用いて、NRマスタでURLLC信号を送信する。
【0061】
図4Aに示すように、ユーザ機器100がNRマスタでのURLLC送信時にLTEセカンダリの予約電力を利用できるので、低遅延で電力利用を最大化することによって、NRマスタでのURLLCは効率的に実行される。その結果、重要な情報を搬送するURLLC送信は、効率的な電力の共有と利用によって、より確実に実行される。
【0062】
次に、ケース(i)の別の形態として、ユーザ機器100(送信判定回路500a)は、LTEセカンダリでURLLCの上り送信が必要であると判断し、NRでURLLC以外の通信が運用されていると判断する。
【0063】
ユーザ機器100(電力レベル判定回路500b)は、送信判定回路500aがLTEセカンダリでURLLCの上り送信が必要であり、NRマスタでURLLC以外の通信が運用されていると判断した場合、LTEセカンダリにおいてURLLCの上り送信に使用する電力を決定する。具体的には、電力レベル判定回路500bは、LTEセカンダリでのURLLC送信のために、LTEセカンダリの予約電力に加え、NRマスタの予約電力を利用することを決定する(図4BのAfterを参照)。ユーザ機器100(送信機インターフェース回路400b)は、LTEセカンダリの予約電力及びNRマスタの予約電力を用いて、LTEセカンダリでURLLCを送信する。
【0064】
図4Bに示すように、ユーザ機器100がLTEセカンダリでのURLLC送信時にNRマスタの予約電力を利用できるので、低遅延で電力利用を最大化することによって、LTEセカンダリでのURLLCは効率的に実行される。その結果、重要な情報を搬送するURLLC送信は、効率的な電力の共有と利用によって、より確実に実行される。
【0065】
[ケース(ii)(図4C図4D)]
ケース(ii)では、LTE-NRデュアルコネクティビティにおいて、NRセルはセカンダリ(「NRセカンダリ」と呼ぶ)として設定され、LTEはマスタ(「LTEマスタ」と呼ぶ)として設定される。
【0066】
図2Aと同様の構成を有するユーザ機器100は、NRセカンダリ及びLTEマスタの両方に同時に接続される。ユーザ機器100の上り送信時の最大電力は、ユーザ機器100のRF性能に限定される。ここでは、上記実施の形態と同様、ユーザ機器100には、LTE及びNRそれぞれに対して上り送信用の予約電力が割り当てられる(図4CのBeforeを参照)。
【0067】
ここで、ユーザ機器100(送信判定回路500a)は、LTEマスタでURLLCの上り送信が必要であると判断し、NRセカンダリでURLLC以外の通信が運用されていると判断する(つまり、図3のST203:No)。なお、URLLC信号は、URLLC制御情報及び/またはURLLCデータ情報を含めてもよい。
【0068】
ユーザ機器100(電力レベル判定回路500b)は、送信判定回路500aがLTEマスタでのURLLC上り送信が必要であり、NRセカンダリでURLLC以外の通信が運用されていると判断した場合、LTEマスタにおいてURLLCの上り送信に使用する電力を決定する。具体的には、電力レベル判定回路500bは、LTEマスタでのURLLC送信のために、LTEマスタの予約電力に加え、NRセカンダリの予約電力を利用することを決定する(図3のST205)(図4CのAfterを参照)。ユーザ機器100(送信機インターフェース回路400b)は、LTEマスタの予約電力及びNRセカンダリの予約電力を用いて、LTEマスタでURLLC信号を送信する。
【0069】
図4Cに示すように、ユーザ機器100がLTEマスタでのURLLC送信時にNRセカンダリの予約電力を利用できるので、低遅延で電力利用を最大化することによってLTEマスタでのURLLCは効率的に実行される。その結果、重要な情報を搬送するURLLC送信は、効率的な電力の共有と利用によって、より確実に実行される。
【0070】
次に、ケース(ii)の別の形態として、ユーザ機器100(送信判定回路500a)は、NRセカンダリでURLLCの上り送信が必要であると判断し、LTEマスタでURLLC以外の通信が運用されていると判断する。
【0071】
ユーザ機器100(電力レベル判定回路500b)は、送信判定回路500aがNRセカンダリでのURLLC上り送信が必要であり、LTEマスタでURLLC以外の通信が運用されていると判断した場合、NRセカンダリにおいてURLLCの上り送信に使用する電力を決定する。具体的には、電力レベル判定回路500bは、NRセカンダリでのURLLC送信のために、NRセカンダリの予約電力に加え、LTEマスタの予約電力を利用することを決定する(図4DのAfterを参照)。ユーザ機器100(送信機インターフェース回路400b)は、NRセカンダリの予約電力及びLTEマスタの予約電力を用いて、NRセカンダリでURLLC信号を送信する。
【0072】
図4Dに示すように、ユーザ機器100がNRセカンダリでのURLLC送信時にLTEマスタの予約電力を利用できるので、低遅延で電力利用を最大化することによって、NRセカンダリでのURLLCは効率的に実行される。その結果、重要な情報を搬送するURLLC送信は、効率的な電力の利用によって、より確実に実行される。
【0073】
[ケース(iii)(図5A図5B)]
ケース(iii)では、NR-NRデュアルコネクティビティにおいて、NR1セルはマスタ(「NR1マスタ」と呼ぶ)として設定され、NR2セルはセカンダリ(「NR2セカンダリ」と呼ぶ)として設定される。
【0074】
図2Aと同様の構成を有するユーザ機器100は、NR1マスタ及びNR2セカンダリの両方に同時に接続される。ユーザ機器100の上り送信時の最大電力は、ユーザ機器100のRF性能に限定される。ここでは、上記実施の形態と同様、ユーザ機器100には、NR1及びNR2それぞれに対して上り送信用の予約電力が割り当てられる(図5AのBeforeを参照)。
【0075】
ここで、ユーザ機器100(送信判定回路500a)は、NR1マスタでURLLCの上り送信が必要であると判断し、NR2セカンダリでURLLC以外の通信が運用されていると判断する(つまり、図3のST203:No)。なお、URLLC信号は、URLLC制御情報及び/またはURLLCデータ情報を含めてもよい。
【0076】
ユーザ機器100(電力レベル判定回路500b)は、送信判定回路500aがNR1マスタでのURLLC上り送信が必要であり、NR2セカンダリでURLLC以外の通信が運用されていると判断した場合、NR1マスタにおいてURLLCの上り送信に使用する電力を決定する。具体的には、電力レベル判定回路500bは、NR1マスタでのURLLC送信のために、NR1マスタの予約電力に加え、NR2セカンダリの予約電力を利用することを決定する(図3のST205)(図5AのAfterを参照)。ユーザ機器100(送信機インターフェース回路400b)は、NR1マスタの予約電力及びNR2セカンダリの予約電力を用いて、NR1マスタでURLLC信号を送信する。
【0077】
図5Aに示すように、ユーザ機器100がNR1でのURLLC送信時にNR2セカンダリの予約電力を利用できるので、低遅延で電力利用を最大化することによってNR1マスタでのURLLCは効率的に実行される。その結果、重要な情報を搬送するURLLC送信は、効率的な電力の共有と利用によって、より確実に実行される。
【0078】
次に、ケース(iii)の別の形態として、ユーザ機器100(送信判定回路500a)は、NR2セカンダリでのURLLC上り送信が必要であり、NR1マスタでURLLC以外の通信が運用されていると判断する。この場合、ユーザ機器100(電力レベル判定回路500b)は、NR2セカンダリでのURLLC送信のために、NR2セカンダリの予約電力に加え、NR1マスタの予約電力を利用することを決定する(図5BのAfterを参照)。ユーザ機器100(送信機インターフェース回路400b)は、NR2セカンダリの予約電力及びNR1マスタの予約電力を用いて、NR2セカンダリでURLLC信号を送信する。
【0079】
図5Bに示すように、ユーザ機器100がNR2セカンダリでのURLLC送信時にNR1マスタの予約電力を利用できるので、低遅延で電力利用を最大化することによってNR2セカンダリでのURLLCは効率的に実行される。その結果、重要な情報を搬送するURLLC送信は、効率的な電力の利用によって、より確実に実行される。
【0080】
このように、NR-NRデュアルコネクティビティにおいて、基地局200及び基地局300はNR1及びNR2である。また、NR1がマスタで、NR2がセカンダリ、またはその逆である。また、URLLCはマスタ及びセカンダリの何れかで運用される。URLLC送信時、ユーザ機器100は、URLLCの送信電力として、URLLC以外の通信が運用される他の通信ネットワークの予約電力を利用できる。
【0081】
[ケース(iv)(図6A図6B)]
ケース(iv)では、LTE-LTEデュアルコネクティビティにおいて、LTE1セルはマスタ(「LTE1マスタ」と呼ぶ)として設定され、LTE2セルはセカンダリ(「LTE2セカンダリ」と呼ぶ)として設定される。
【0082】
図2Aと同様の構成を有するユーザ機器100は、LTE1マスタ及びLTE2セカンダリに同時に接続される。ユーザ機器100の上り送信時の最大電力は、ユーザ機器100のRF性能に限定される。ここでは、上記実施の形態と同様、ユーザ機器100には、LTE1及びLTE2それぞれに対して上り送信用の予約電力が割り当てられる(図6AのBeforeを参照)。
【0083】
ここで、ユーザ機器100(送信判定回路500a)は、LTE1マスタでURLLCの上り送信が必要であると判断し、LTE2セカンダリでURLLC以外の通信が運用されていると判断する(つまり、図3のST203:No)。なお、URLLC信号は、URLLC制御情報及び/またはURLLCデータ情報を含めてもよい。
【0084】
ユーザ機器100(電力レベル判定回路500b)は、送信判定回路500aがLTE1マスタでのURLLCの上り送信が必要であり、LTE2セカンダリでURLLC以外の通信が運用されていると判断した場合、LTE1マスタにおいてURLLCの上り送信に使用する電力を決定する。具体的には、電力レベル判定回路500bは、LTE1マスタでのURLLC送信のために、LTE1マスタの予約電力に加え、LTE2セカンダリの予約電力を利用することを決定する(図3のST205)(図6AのAfterを参照)。ユーザ機器100(送信機インターフェース回路400b)は、LTE1マスタの予約電力及びLTE2セカンダリの予約電力を用いて、LTE1マスタでURLLC信号を送信する。
【0085】
図6Aに示すように、ユーザ機器100がLTE1マスタでのURLLC送信時にLTE2セカンダリの予約電力を利用できるので、低遅延で電力利用を最大化することによってLTE1マスタでのURLLC送信は効率的に実行される。その結果、重要な情報を搬送するURLLC送信は、効率的な電力の共有と利用によって、より確実に実行される。
【0086】
次に、ケース(iv)の別の形態として、ユーザ機器100(送信判定回路500a)は、LTE2セカンダリでのURLLC上り送信が必要であり、LTE1マスタでURLLC以外の通信が運用されていると判断する。この場合、ユーザ機器100(電力レベル判定回路500b)は、LTE2セカンダリでのURLLC送信のために、LTE2セカンダリの予約電力に加え、LTE1マスタの予約電力を利用することを決定する(図6BのAfterを参照)。ユーザ機器100(送信機インターフェース回路400b)は、LTE2セカンダリの予約電力及びLTE1マスタの予約電力を用いて、LTE2セカンダリでURLLC信号を送信する。
【0087】
図6Bに示すように、ユーザ機器100がLTE2セカンダリでのURLLC送信時にLTE1マスタの予約電力を利用できるので、低遅延で電力利用を最大化することによってLTE2セカンダリでのURLLCは効率的に実行される。その結果、重要な情報を搬送するURLLC送信は、効率的な電力の共有と利用によってより確実に実行される。
【0088】
このように、LTE-LTEデュアルコネクティビティにおいて、基地局200及び基地局300はLTE1及びLTE2である。また、LTE1がマスタで、LTE2がセカンダリ、またはその逆である。また、URLLCはマスタ及びセカンダリのいずれかで運用される。URLLC送信時、ユーザ機器100は、URLLCの送信電力として、URLLC以外の通信が運用される他の通信ネットワークの予約電力を利用できる。
【0089】
[変形例3]
変形例3では、デュアルコネクティビティにおいてユーザ機器100と接続する基地局100及び基地局200の双方に対してURLLCの上り送信が必要である場合(つまり、図3のST203:Yes)について説明する。
【0090】
以下、一例として、ケース(v)NRセルがマスタであり、NRセルがセカンダリである場合(NR-NRデュアルコネクティビティ)、ケース(vi)LTEセルがマスタであり、LTEセルがセカンダリである場合(LTE-LTEデュアルコネクティビティ)、及び、ケース(vii)NRセルがマスタであり、LTEセルがセカンダリである場合(LTE-NRデュアルコネクティビティ)について説明する。
【0091】
[ケース(v)(図7)]
ケース(v)では、NR-NRデュアルコネクティビティにおいて、NR1セルはマスタ(NR1マスタ)として設定され、NR2はセカンダリ(NR2セカンダリ)として設定される。
【0092】
図2Aと同様の構成を有するユーザ機器100は、NR1マスタ及びNR2セカンダリに同時に接続される。ユーザ機器100の上り送信時の最大電力は、ユーザ機器100のRF性能に限定される。ここでは、上記実施の形態と同様、ユーザ機器100には、NR1及びNR2それぞれに対して上り送信用の予約電力が割り当てられる(図7のBeforeを参照)。
【0093】
ここで、ユーザ機器100(送信判定回路500a)は、NR1マスタ及びNR2セカンダリの双方でURLLCの上り送信が必要であると判断する。なお、URLLC信号は、URLLC制御情報及び/またはURLLCデータ情報を含めてもよい。
【0094】
この場合、ユーザ機器100(電力レベル判定回路500b)は、NR1マスタ及びNR2セカンダリでのURLLCの上り送信に使用する電力を決定する(図3のST204)。具体的には、電力レベル判定回路500bは、他の通信ネットワークの予約電力を利用せずに、NR1マスタ及びNR2セカンダリのそれぞれの予約電力をNR1マスタ及びNR2セカンダリのぞれぞれのURLLC送信に利用することを決定する(図7のAfterを参照)。ユーザ機器100(送信機インターフェース回路400b)は、NR1マスタ及びNR2セカンダリの各々の予約電力を用いて、NR1マスタ及びNR2セカンダリの双方でURLLC信号をそれぞれ送信する。
【0095】
図7に示すように、ユーザ機器100がNR1マスタ及びNR2セカンダリのそれぞれの予約電力を利用できるので、URLLC送信は効率的に電力を利用して低遅延で実行される。
【0096】
なお、ケース(v)のNR-NRデュアルコネクティビティにおいて、NR1がセカンダリ(NR1セカンダリ)として設定され、NR2がマスタ(NR2マスタ)として設定されてもよい(図示せず)。この場合も、上記同様、ユーザ機器100は、NR1マスタ及びNR2セカンダリでのURLLC上り送信が必要であると判断した場合、NR1セカンダリ及びNR2マスタでのURLLCの上り送信に使用する電力を決定する。すなわち、ユーザ機器100は、図7と同様、NR1セカンダリ及びNR2マスタそれぞれの予約電力を、NR1セカンダリ及びNR2マスタの各々のURLLC送信に利用することを決定する。これにより、ユーザ機器100がNR1セカンダリ及びNR2マスタの予約電力を利用できるので、URLLC送信は効率的に電力を利用して低遅延で実行される。
【0097】
[ケース(vi)(図8)]
ケース(vi)では、LTE-LTEデュアルコネクティビティにおいて、LTE1セルはマスタ(LTE1マスタ)として設定され、LTE2セルはセカンダリ(LTE2セカンダリ)として設定される。
【0098】
図2Aと同様の構成を有するユーザ機器100は、LTE1マスタ及びLTE2セカンダリの両方に同時に接続される。ユーザ機器100の上り送信時の最大電力は、ユーザ機器100のRF性能に限定される。ここでは、上記実施の形態と同様、ユーザ機器100には、LTE1及びLTE2それぞれに対して上り送信用の予約電力が割り当てられる(図8のBeforeを参照)。
【0099】
ここで、ユーザ機器100(送信判定回路500a)は、LTE1マスタ及びLTE2セカンダリの双方でURLLCの上り送信が必要であると判断する。なお、URLLC信号は、URLLC制御情報及び/またはURLLCデータ情報を含めてもよい。
【0100】
この場合、ユーザ機器100(電力レベル判定回路500b)は、LTE1マスタ及びLTE2セカンダリにおいてURLLCの上り送信に使用する電力を決定する(図3のST204)。具体的には、電力レベル判定回路500bは、他の通信ネットワークの予約電力を利用せずに、LTE1マスタ及びLTE2セカンダリのそれぞれの予約電力をLTE1マスタ及びLTE2セカンダリのそれぞれのURLLC送信に利用することを決定する(図8のAfterを参照)。ユーザ機器100(送信機インターフェース回路400b)は、LTE1マスタ及びLTE2セカンダリの各々の予約電力を用いて、LTE1マスタ及びLTE2セカンダリの双方でURLLC信号をそれぞれ送信する。
【0101】
図8に示すように、ユーザ機器100がLTE1及びLTE2セカンダリのそれぞれの予約電力を利用できるので、URLLC送信は効率的に電力を利用して低遅延で実行される。
【0102】
なお、ケース(vi)のLTE-LTEデュアルコネクティビティにおいて、LTE1がセカンダリ(LTE1セカンダリ)として設定され、LTE2がマスタ(LTE2マスタ)として設定されてもよい(図示せず)。この場合も、上記同様、ユーザ機器100は、LTE1セカンダリ及びLTE2マスタでのURLLCの上り送信が必要であると判断した場合、LTE1セカンダリ及びLTE2マスタでのURLLCの上り送信に使用する電力を決定する。すなわち、ユーザ機器100は、図8と同様、LTE1セカンダリ及びLTE2マスタそれぞれの予約電力を、LTE1セカンダリ及びLTE2マスタの各々のURLLC送信に利用することを決定する。これにより、ユーザ機器100がLTE1セカンダリ及びLTE2マスタのそれぞれの予約電力を利用できるので、URLLC送信は効率的に電力を利用して低遅延で実行される。
【0103】
[ケース(vii)(図9)]
ケース(vii)では、LTE-NRデュアルコネクティビティにおいて、NRセルはマスタ(NRマスタ)として設定され、LTEはセカンダリ(LTEセカンダリ)として設定される。
【0104】
図2Aと同様の構成を有するユーザ機器100は、NRマスタ及びLTEセカンダリの両方に同時に接続される。ユーザ機器100の上り送信時の最大電力は、ユーザ機器100のRF性能に限定される。ここでは、上記実施の形態と同様、ユーザ機器100には、NR及びLTEそれぞれに対して上り送信用の予約電力が割り当てられる(図9のBeforeを参照)。
【0105】
ここで、ユーザ機器100(送信判定回路500a)は、NRマスタ及びLTEセカンダリの双方でURLLCの上り送信が必要であると判断する。なお、URLLC信号は、URLLC制御情報及び/またはURLLCデータ情報を含めてもよい。
【0106】
この場合、ユーザ機器100(電力レベル判定回路500b)は、NRマスタ及びLTEセカンダリにおいてURLLCの上り送信に使用する電力を決定する(図3のST204)。具体的には、電力レベル判定回路500bは、他の通信ネットワークの予約電力を利用せずに、NRマスタ及びLTEセカンダリのそれぞれの予約電力をNRマスタ及びLTEセカンダリのそれぞれのURLLC送信に利用することを決定する(図9のAfterを参照)。ユーザ機器100(送信機インターフェース回路400b)は、NRマスタ及びLTEセカンダリの各々の予約電力を用いて、NRマスタ及びLTEセカンダリの双方でURLLC信号をそれぞれ送信する。
【0107】
図9に示すように、ユーザ機器100がNRマスタ及びLTEセカンダリそれぞれの予約電力を利用できるので、URLLC送信は効率的に電力を利用して低遅延で実行される。
【0108】
なお、ケース(vii)のLTE-NRデュアルコネクティビティにおいて、NRがセカンダリ(NRセカンダリ)として設定され、LTEがマスタ(LTEマスタ)として設定されてもよい(図示せず)。この場合も、上記同様、ユーザ機器100は、NRセカンダリ及びLTEマスタでのURLLCの上り送信が必要であると判断した場合、LTEマスタ及びNRセカンダリでのURLLCの上り送信に使用する電力を決定する。すなわち、ユーザ機器100は、図9と同様、LTEマスタ及びNRセカンダリそれぞれの予約電力を、LTEマスタ及びNRセカンダリの各々のURLLC送信に利用することを決定する。これにより、ユーザ機器100がLTEマスタ及びNRセカンダリのそれぞれの予約電力を利用できるので、URLLC送信は効率的に電力を利用して低遅延で実行される。
【0109】
以上の説明は、本開示の例示的実施の形態であって、本開示を制限するものではない。
【0110】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)または、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0111】
本開示の実施の形態のいくつかの例を、具体的な実施の形態の添付の図面を参照して詳細に説明した。もちろん、考えうるすべての構成要素あるいは技術の組み合わせを記載することは不可能であるので、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく上記の実施の形態に対して種々の変更を加え得ることを認めるであろう。例えば、上記の実施の形態は、3GPP(Third Generation Partnership Project)ネットワークの一部を参照して説明したが、本開示の一実施の形態は、同様の機能構成要素を持つ3GPPネットワークの後継ネットワーク等、ネットワークにも適用可能であることは容易に認めることができる。
【0112】
したがって、特に上記の説明、添付図面、添付の特許請求の範囲で使用した3GPP用語及び関連用語は、今後適切に解釈されるべきである。
【0113】
特に、本開示に対する変更やその他の実施の形態は、以下の説明や関連図面に示す教訓の恩恵を受ける当業者なら想到しうるものである。したがって、本開示は開示された特定の実施の形態に限定されるものではなく、変更や他の実施の形態は、本開示の範囲内に含まれることを想定している。ここでは、具体的な用語を用いたが、これらの用語は一般的、記述的目的で用いたものであって、制限を加えることを意図したものではない。
【0114】
本開示のユーザ機器は、通信ネットワークにおいてデュアルコネクティビティを実行可能なユーザ機器であって、2つの通信ネットワークと同時通信し、前記2つの通信ネットワークの何れか一方でURLLC(超高信頼性、低遅延通信)が運用される、無線インターフェース回路と、前記一方の通信ネットワークに対して前記URLLC送信が必要であり、前記2つの通信ネットワークの他方の通信ネットワークでは前記URLLCが運用されていないと判断する制御回路と、を具備し、前記制御回路は、前記URLLC送信が必要な前記一方の通信ネットワークに対する前記URLLCの送信のために、前記一方の通信ネットワークの第1の予約電力、及び、前記URLLCが運用されていない前記他方の通信ネットワークの第2の予約電力を利用することを決定し、前記無線インターフェース回路は、前記第1の予約電力及び前記第2の予約電力を用いて、前記一方の通信ネットワークで前記URLLCの信号を送信する。
【0115】
本開示のユーザ機器において、前記URLLCの信号は、超高信頼性、低遅延通信の制御情報である。
【0116】
本開示のユーザ機器において、前記URLLCの信号は、スケジューリング要求(SR)またはHARQ-ACKである。
【0117】
本開示のユーザ機器において、前記2つの通信ネットワークは、LTE通信ネットワーク及びNR通信ネットワーク、NR通信ネットワーク及びNR通信ネットワーク、または、LTE通信ネットワーク及びLTE通信ネットワークである。
【0118】
本開示のユーザ機器において、前記2つの通信ネットワークはそれぞれLTE通信ネットワーク及びNR通信ネットワークであり、前記URLLCは前記NR通信ネットワークで運用される。
【0119】
本開示のユーザ機器において、前記2つの通信ネットワークはそれぞれLTE通信ネットワーク及びNR通信ネットワークであり、前記URLLCは前記LTE通信ネットワークで運用される。
【0120】
本開示のユーザ機器において、前記2つの通信ネットワークの一方はマスタ通信ネットワーク(MCG)であり、他方はセカンダリ通信ネットワーク(SCG)である。
【0121】
本開示のユーザ機器において、前記マスタ通信ネットワークはNR通信ネットワークであり、前記セカンダリ通信ネットワークはLTE通信ネットワークである。
【0122】
本開示のユーザ機器において、前記マスタ通信ネットワークはLTE通信ネットワークであり、前記セカンダリ通信ネットワークはNR通信ネットワークである。
【0123】
本開示のユーザ機器において、前記2つの通信ネットワークはNR通信ネットワーク及びNR通信ネットワークであり、一方の前記NR通信ネットワークはマスタ通信ネットワーク(MCG)であり、他方の前記NR通信ネットワークはセカンダリ通信ネットワーク(SCG)である。
【0124】
本開示のユーザ機器において、前記2つの通信ネットワークはLTE通信ネットワーク及びLTE通信ネットワークであり、一方の前記LTE通信ネットワークはマスタ通信ネットワーク(MCG)であり、他方の前記LTE通信ネットワークはセカンダリ通信ネットワーク(SCG)である。
【0125】
本開示のユーザ機器は、通信ネットワークにおいてデュアルコネクティビティを実行可能なユーザ機器であって、2つの通信ネットワークと同時通信し、前記2つの通信ネットワークの双方でURLLC(超高信頼性、低遅延通信)が運用される、無線インターフェース回路と、前記2つの通信ネットワークの双方に対して前記URLLC送信が必要であると判断する制御回路と、を具備し、前記制御回路は、前記2つの通信ネットワークの各々に対する前記URLLC送信のために、他の通信ネットワークの予約電力を利用せずに、前記2つの通信ネットワークのそれぞれの予約電力を利用することを決定し、前記無線インターフェース回路は、前記2つの通信ネットワークのそれぞれの前記予約電力を用いて、前記2つの通信ネットワークで前記URLLCの信号をそれぞれ送信する。
【0126】
本開示の方法は、通信ネットワークにおけるデュアルコネクティビティの実行方法であって、2つの通信ネットワークと通信し、前記2つの通信ネットワークの何れか一方でURLLC(超高信頼性、低遅延通信)が運用され、前記一方の通信ネットワークに対して前記URLLC送信が必要であり、前記2つの通信ネットワークの他方の通信ネットワークでは前記URLLCが運用されていないと判断し、前記URLLC送信が必要な前記一方の通信ネットワークに対する前記URLLCの送信のために、前記一方の通信ネットワークの第1の予約電力、及び、前記URLLCが運用されていない前記他方の通信ネットワークの第2の予約電力を利用することを決定し、前記第1の予約電力及び前記第2の予約電力を用いて、前記一方の通信ネットワークで前記URLLCの信号を送信する。
【0127】
本開示の方法は、通信ネットワークにおけるデュアルコネクティビティの実行方法であって、2つの通信ネットワークと通信し、前記2つの通信ネットワークの双方でURLLC(超高信頼性、低遅延通信)が運用され、前記2つの通信ネットワークの双方に対して前記URLLC送信が必要であると判断し、前記2つの通信ネットワークの各々に対する前記URLLCの送信のために、他の通信ネットワークの予約電力を利用せずに、前記2つの通信ネットワークのそれぞれの予約電力を利用することを決定し、前記2つの通信ネットワークのそれぞれの前記予約電力を用いて、前記2つの通信ネットワークで前記URLLCの信号をそれぞれ送信する。
【0128】
本開示の一態様は、移動通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0129】
100 ユーザ機器
200,300 基地局
400 無線インターフェース回路
400a 受信機インターフェース回路
400b 送信機インターフェース回路
500 制御回路
500a 送信判定回路
500b 電力レベル判定回路
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9