(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-19
(45)【発行日】2022-04-27
(54)【発明の名称】トリパータイトアンドロゲン受容体除去剤、その方法および使用
(51)【国際特許分類】
C07D 405/06 20060101AFI20220420BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220420BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20220420BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20220420BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20220420BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20220420BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20220420BHJP
A61P 17/10 20060101ALI20220420BHJP
A61P 17/08 20060101ALI20220420BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20220420BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20220420BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220420BHJP
A61K 31/585 20060101ALI20220420BHJP
C07J 21/00 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
C07D405/06 CSP
A61K45/00
A61K47/54
A61K31/496
A61K47/10
A61K47/14
A61P17/14
A61P17/10
A61P17/08
A61P17/02
A61P15/00
A61P17/00
A61K31/585
C07J21/00
(21)【出願番号】P 2019559295
(86)(22)【出願日】2018-05-01
(86)【国際出願番号】 US2018030538
(87)【国際公開番号】W WO2018204422
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-04-30
(32)【優先日】2017-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519382798
【氏名又は名称】エスピージー セラピューティクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】シャポシュニク,ゾリー
【審査官】三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/170147(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/172330(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 405/06
C07J 21/00
A61K 31/33- 33/44
A61P 1/00- 43/00
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00- 47/69
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】
からなる群より選択される化合物であって、
式
XXにおいてnは0~10の任意の整数であり、式XXIにおいてnは0~10の任意の整数である、化合物。
【請求項2】
式XXについて、nが0~6の任意の整数である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式XXについて、nが0~4の任意の整数である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式XXが、
【化2】
である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
式XXIについて、nが0~6の任意の整数である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
式XXIについて、nが0~4の任意の整数である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
式XXIが、
【化3】
である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか1項に記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項9】
1種または複数の薬学的に許容可能な担体および/または1種または複数の薬学的に許容可能な成分をさらに含む、請求項
8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
0.1%~10%の請求項1~
7のいずれか1項に記載の化合物、20%~40%の変性アルコール、40%~60%のイソプロピルミリステート、および10%~30%のトランスクトールを含む、請求項
9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
0.5%~5%の請求項1~
7のいずれか1項に記載の化合物、25%~35%の変性アルコール、45%~55%のイソプロピルミリステート、および15%~25%のトランスクトールを含む、請求項
10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
個体の脱毛症、毛髪菲薄化、毛髪の色落
ちの治療および/または毛髪の外観の改善に使用するための
、請求項1~
7のいずれか1項
に記載の化合物または請求項
8~11のいずれか1項
に記載の医薬組成物。
【請求項13】
皮膚状態の治療で使用するための
、請求項1~
7のいずれか1項
に記載の化合物または請求項
8~11のいずれか1項
に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記皮膚状態が、アクネ、過剰皮脂産生、創傷後瘢痕形成、または多嚢胞性卵巣疾患に関連する皮膚科学的問題を含む、請求項
13に記載の
化合物または医薬組成物。
【請求項15】
変性毛包障害の治療に使用するための、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物または請求項8~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
毛髪症状の治療に使用するための、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物または請求項8~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記毛髪症状がアンドロゲン脱毛症または顔面多毛症である、請求項16に記載の化合物または医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年5月1日に出願された米国特許仮出願第62/492,822号に対して、米国特許法第119条(e)に基づいて優先権および出願日の利益を主張する。この仮出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
アンドロゲンが、男性および女性の生殖器系の発達と機能を制御することはよく知られている。大部分の循環アンドロゲンはテストステロンである。テストステロンは、5α-還元酵素によりさらに強力なアンドロゲンである5α-ジヒドロテストステロン(DHT)に代謝される。テストステロンおよびDHTの両方は、アンドロゲン受容体に結合できるが、DHTは、テストステロンに比べて、アンドロゲン受容体に対し10倍強い親和性を有する。
【0003】
皮膚科医は、皮膚および/または毛髪の健康に影響を与える多くの異なるタイプの皮膚関連状態、疾患および障害を認識している。アンドロゲン受容体シグナル伝達の役割は、アンドロゲン受容体および多くのアンドロゲンステロイド産生酵素が皮膚に発現しているという事実、ならびに病因学および皮膚や毛髪の疾患における性差の存在という事実に基づいて、皮膚および生理機能および病因に結びつけられてきた。皮膚は、アンドロゲン合成の主要な由来源ではないが、脂腺細胞、汗腺、および毛髪の真皮乳頭細胞では、循環アンドロゲンホルモン前駆体のデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)およびアンドロステンジオンが、テストステロンおよびDHTに変換され得る。これらの効力の高いアンドロゲンは、その後、イントラクラインまたはパラクリン方式により皮膚の生理機能を調節する。DHTによるアンドロゲン受容体の過剰活性化は、男性の脱毛症(hair loss)(脱毛症(alopecia))、女性の過剰発毛(多毛症)に重要な役割を果たすことが示された。さらに、アンドロゲン受容体シグナル伝達は、過剰皮脂産生に関与し、アクネおよび乾癬などの多くの皮膚疾患で観察される異常なまたは過剰な炎症反応を促進するように見える。
【0004】
本明細書は、新規化合物、これらの化合物を含む医薬組成物ならびに、これらの化合物を用いたアンドロゲン受容体を標的とする方法および使用、ならびに皮膚および/または毛髪の健康に影響を与える、アンドロゲン受容体シグナル媒介皮膚関連状態、疾患または障害を治療するための組成物を開示する。このような治療は、安全に、効果的に個体の皮膚および毛髪の健康を促進する。
【発明の概要】
【0005】
本明細書の態様は、式I:
ARA-L-EE (I)
の化合物を開示し、式中、ARAはアンドロゲン受容体(AR)アンタゴニストであり、Lはリンカー分子であり、EEはAR除去促進剤または除去エンハンサー成分である。本明細書で開示のARアンタゴニストは、ARを介したアゴニスト媒介応答を低減または防止する任意の分子であってよく、これには、オルソステリックARアンタゴニスト、アロステリックARアンタゴニスト、または通常はAR活性の生物学的調節に関与しない1つまたは複数のユニークな結合部位で相互作用するARアンタゴニストが含まれる。本明細書で開示のARアンタゴニストは可逆的または不可逆的であってよい。本明細書で開示のリンカーは、式II
【化1】
であってよく、式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立に、H、OH、COOH、NH
2、R
3OH、R
3COOH、OR
3OH、OR
3COOH、R
3NH(CO)R
4、R
3NH(CO)R
4OH、R
3NH(CO)R
4COOHであり;R
3およびR
4はそれぞれ独立に、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;nは0~10の任意の整数である。本明細書で開示のAR除去促進剤または除去エンハンサー成分は、疎水性タグまたはE3リガーゼリクルーティング部分であり得る。疎水性タグには、限定されないが、アダマンタン部分またはBoc保護アミノ酸が挙げられる。E3リガーゼリクルーティング部分には、限定されないが、低酸素誘導性因子1α(HIF-1α)部分、ナトリン部分、ベスタチン部分、またはフタルイミド部分が挙げられる。
【0006】
本明細書の他の態様は、本明細書で開示の1種または複数の化合物を含む医薬組成物を開示する。
【0007】
本明細書の他の態様は、本明細書で開示の1種または複数の化合物または本明細書で開示の1種または複数の医薬組成物を含むキットを開示する。
【0008】
本明細書の他の態様は、個体の脱毛症の治療方法を開示し、該方法は、治療有効量の本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物を投与するステップを含む。本明細書の態様はまた、脱毛症の治療で使用するための本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物;脱毛症の治療のための本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物の使用;および脱毛症の治療のための医薬の製造における本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物の使用を開示する。
【0009】
本明細書の他の態様は、個体の毛髪菲薄化の治療方法を開示し、該方法は、治療有効量の本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物を投与するステップを含む。本明細書の態様はまた、毛髪菲薄化の治療で使用するための本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物;毛髪菲薄化の治療のための本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物の使用;および毛髪菲薄化の治療のための医薬の製造における本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物の使用を開示する。
【0010】
本明細書の他の態様は、個体の毛髪の色落ちの治療方法を開示し、該方法は、治療有効量の本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物を投与するステップを含む。本明細書の態様はまた、毛髪の色落ちの治療で使用するための本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物;毛髪の色落ちの治療のための本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物の使用;および毛髪の色落ちの治療のための医薬の製造における本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物の使用を開示する。
【0011】
本明細書の他の態様は、個体の変性毛包障害(degenerative hair follicle disorder)に関連する状態の治療方法を開示し、該方法は、治療有効量の本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物を投与するステップを含む。本明細書の態様はまた、変性毛包障害に関連する状態の治療で使用するための本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物;変性毛包障害に関連する状態の治療のための本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物の使用;および毛変性毛包障害に関連する状態の治療のための医薬の製造における本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物の使用を開示する。
【0012】
本明細書の他の態様は、個体の毛髪の外観の改善方法を開示し、該方法は、治療有効量の本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物を投与するステップを含む。本明細書の態様はまた、毛髪の外観の改善で使用するための本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物;毛毛髪の外観の改善のための本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物の使用;および毛髪の外観の改善のための医薬の製造における本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物の使用を開示する。
【0013】
本明細書の他の態様は、個体の皮膚状態の治療方法を開示し、該方法は、治療有効量の本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物を投与するステップを含む。本明細書の態様はまた、皮膚状態の治療で使用するための本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物;皮膚状態の治療のための本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物の使用;および皮膚状態の治療のための医薬の製造における本明細書で開示の化合物または本明細書で開示の医薬組成物の使用を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
皮膚は、哺乳動物身体の外側を覆うもので、下層の筋肉、骨、靱帯および内部器官を保護する。通常、外皮系の最大の器官である皮膚は、3つの一次層:表皮、真皮および皮下組織で構成される。表皮は、皮膚の最も外側の上皮層であり、身体表面の防水性保護膜を形成し、これは、感染に対するバリアーとしても機能する。真皮は、表皮の真下にある皮膚の上皮層であり、応力および歪からのクッションとして身体を支える役割をする。皮下組織は、真皮の下にあり、疎性結合組織、脂肪組織およびエラスチンを含む。上皮組織から構成されず、従って皮膚の一部ではないが、皮下組織は、皮膚は下層の骨および筋肉に結合して、それを血管および神経で支える。
【0015】
それぞれの毛髪は、2つの構造体:毛幹および毛包を含む。毛幹は、主に、髄質、皮質およびキューティクルと呼ばれる3つの層に組織化するケラチンから構成される。髄質は、内層であるが、必ずしもすべての毛髪型に存在するものではない。次にケラチン層は、中間層の皮質で、毛幹の大部分を占める。外層はキューティクルで、屋根板に類似した重なり合い構造体中で堅く詰まった鱗片により形成され、毛根鞘に連続的につながっている。ほとんどの毛髪コンディショニング製品は、キューティクルに影響を与えようと試みる。色素細胞、またはメラノサイトは、皮質および髄質の全体に分布され、毛髪にその特徴的な色を与える。本開示の目的のためには、硬毛および軟毛ならびに睫毛および眉で見られるような改質硬毛を含む様々な種類の毛髪を考慮する必要がある。硬毛は、粗い色素で着色された長い毛髪で、硬毛では、毛包球部が真皮中に深く固定されている。他方、軟毛は、微細な細い非着色の短い毛髪であり、その毛球は真皮の表面にある。脱毛症が進行するに伴い、禿頭症に近づいている領域で遷移が起き、そこでは、毛髪自体が硬毛から軟毛に変化している。
【0016】
皮膚の皮層に位置する毛包は、形成および維持が皮膚成分と表皮成分との間の相互作用に基づく、皮膚内の別の実体として認識できる。毛包は、いくつかの成分を含む。毛包の底部には、真皮乳頭と呼ばれる突起部があり、これは、球と呼ばれる毛包の一部に栄養素を供給する毛細管を含む。球は、2つの領域:未分化細胞の下部領域、およびマトリックス細胞と呼ばれる活発に増殖している細胞の上部領域に分けることができる。この後者の細胞は、分化して内鞘および毛幹を形成する。マトリックス細胞は、活発に増殖している細胞で、分化し、ケラチン化されて毛幹を形成する。表皮細胞分化中(成長期)、マトリックス細胞は、身体中の他のどの細胞よりも高速に、23~72時間毎に分裂する。真皮乳頭の直近に位置するマトリックス細胞は、分化して、ケラチン化されて毛幹を形成し、一方、毛包の周辺部近くのマトリックス細胞は、増殖し、内毛根鞘を生成する。毛包はまた、内毛根鞘および外毛根鞘と称される2つの表皮層を含む。これらの鞘は、増殖している毛幹を保護し、形を与える。内毛根鞘は、構造、ケラチン化のパターン、およびトリコヒアリンの取り込みに基づいて、3つの層(キューティクル、ハクスレー層、およびヘンレ層)に分けることができる。内鞘は、脂腺のレベル直下でそれが終わるまで毛幹を追従し、毛幹のみを表皮上に突出させて残す。外毛根鞘は、脂腺に至るまでずっと続き、表皮に連続的につながっているという点で、その他の毛包の表皮成分とは異なる。脂腺は、毛幹および時にはアポクリン汗腺(体臭腺)をよい状態に保つ天然油である皮脂を産生する。起毛筋は、脂腺の下部で外鞘のまわりの繊維層に結合する。筋肉の収縮は、毛髪を引っ張って直立させ、皮膚を引っ張ってでこぼこの表面にさせる。毛髪の色は、毛包により産生される色素(メラニン)が原因である。
【0017】
正常な状況下では、各毛包の発毛は、少なくとも4つの段階:成長期(増殖段階)、退行期(退行段階)、休止期(静止段階)、および脱落期(脱落段階)を含み得るサイクルで起こる。成長期は、毛髪の活発な増殖段階であり、その間に、毛根中のマトリックス細胞は急速に分裂している。いつでも、全毛髪の約80~90%がこの段階にある。成長期の毛髪は、皮下脂肪中に深く固定され、容易には引き抜くことができない。新しい毛髪が形成されると、それは棍毛を毛包まで押し上げ、最終的には、突き破る。この段階中に、毛髪は、1日当たり約0.35mm(28日毎に1cm)成長するが、この速度は、毛包の部位ならびに個体の年齢および性別に応じて変化する。ヒト頭皮毛髪は、脚部(成長期段階に19~26週とどまる)、腕(6~12週とどまる)、および口髭領域、睫毛、および眉(4~14週とどまる)などの他の部位に比べて、成長の活発な成長期段階に2~6年間とどまる。毛髪が一定の長さを超えて成長が困難なヒト対象は、成長の活発な段階が短い。非常に長い毛髪のヒト対象は、成長の活発な段階が長い。
【0018】
退行期段階は、成長期と休止期段階との間の短い遷移段階であり、約7~21日間のみ続く。短いけれども、この段階は、後期成長期から始まって初期休止期で終わる、8つの部分段階に分割できる。いつでも、全毛髪の約1~3%がこの段階にある。これは制御された退行の期間であり、毛包が退行し、一部は、アポトーシスにより毛包の毛髪成長部分を取り外す。この段階中に、1)真皮乳頭の撤退および発毛の停止、2)マトリックス細胞増殖およびメラノサイトメラニン合成の中断、3)外毛根鞘および毛幹への結合の縮小、4)下部毛包の立毛筋のレベルまでの移動、5)真皮乳頭が皮膚を通って上方へ移動し、毛包隆起部の真下に残る、および6)プログラム細胞死ケラチノサイトおよびメラノサイトによるタンパク質および色素産生の中断により、毛包の退行および細胞外マトリックスの基本的な再構成が起こる。また、毛包の退行および皮膚中の線維状ストリーマーの形成の原因となる一時的な毛包の球部分における大量のアポトーシスが発生する。これらのアポトーシスイベントの開始は、既定のもので、細かく調整されたものであるように見え、従って、この段階でのイベントは、「プログラム細胞死」の用語でより適切に表現できる。
【0019】
第3の段階は、休止期段階であり、全ての実用的な目的のためには、「静止段階」と称することができる。いつでも、全毛髪の約10~15%がこの段階にある。この段階中、毛包は分裂を停止し、毛幹は成長を停止させ、休止期の毛髪は、分化を完了し、最後の発毛細胞集団は毛幹の底部に密集して、容易にわかる離散形の核および豊富な細胞質を含む、明白な繋留細胞により取り囲まれた中央に位置するケラチン化細胞のブラシを含むクラブ構造を形成する。クラブ毛髪と呼ばれる、細胞のクラスターは、毛包の管中に実際に毛幹を保持する。休止期段階の最終態様では、化学的シグナルにより、マトリックス細胞が、同じ毛包から新規毛幹の成長を開始させ、新しい成長期段階からサイクルが開始される。休止期の毛髪が皮膚の表面近傍に位置する場合でも、これは、毛包にしっかり固定されて残る。休止期の毛髪は最終的に、脱落期段階で脱落し、次の出芽成長期毛髪により置換される。休止期毛髪の頭皮脱落までに、約30~90日経過する。眉、睫毛、腕および脚部の毛髪に対しては、この期間は遙かに長い。
【0020】
最終段階は脱落期で、高度に制御された、活発な過程を特徴とする段階であり、休止期毛髪は毛包から実際に脱落している。脱落した脱落期毛髪は、収縮した底部を有し、これは、より細長い形状で、波形で穴の開いた縁を有する。この毛幹底部内には、関連細胞質はほとんど存在せず、極めて僅かな、収縮し、断片化した核が存在する。毛髪クラブの縮小およびブラシ繋留の消滅は、脱落期毛髪の毛包からの脱落を可能とすると考えられている。通常、毎日約25~150本の脱落期毛髪が脱落する。
【0021】
近年、ケノゲンと呼ばれる追加の段階が提案された。この段階は、休止期毛髪が押し出された後であるが新しい成長期の毛髪が再出現する前の毛包が空のまま残る毛髪サイクルの間隔を表す。
【0022】
主にテストステロンおよび5α-ジヒドロテストステロン(DHT)であるアンドロゲンは、男性の生殖器の成長と発達に重要な役割を果たす。これらのステロイドホルモンは、アンドロゲン受容体(AR)との結合により、それらの生物学的機能をもたらす。核受容体サブファミリー3、グループC、メンバー4(NR3C4)としても知られる、ARは、110kDaのリガンド依存性転写因子であり、核受容体スーパーファミリーのグループに属する。ARは、4つの機能ドメイン:N末端ドメイン(NTD)、DNA結合ドメイン(DBD)、ヒンジ領域およびリガンド結合ドメイン(LBD)を有する。DBDは、DBDをDNAに結合させるZNFモチーフを有する。ドメインの残りは、ダイマー化およびリガンド結合に関与する。ARは、プロゲステロン受容体に最も密接に関係しており、プロゲスチンはより高い投与量でARを遮断できる。ARは、前立腺、精巣、精嚢、精巣上体、皮膚、骨格筋、心筋、肝臓および中枢神経系を含む多くの組織および細胞で発現していることが明らかになっている。AR受容体の主要機能は、男性の性表現型の発生と維持に不可欠な遺伝子を含む遺伝子発現を調節するDNA結合転写因子としてのものである。
【0023】
リガンド非結合状態では、ARは、不活性な細胞質タンパク質であり、これは、Hsp70、Hsp90およびHsp56ならびにp23を含む種々の熱ショックタンパク質との複合体である。リガンド結合時には、2つの重要なリン酸化イベントがARへの立体構造変化を促進し、ホルモン結合のためのLBDの放出およびHsp複合体からのリガンド結合ARの解離を生じる。複合体不含リガンド結合ARは、核に移動し、ホモダイマーを形成し、種々の標的遺伝子上に存在するアンドロゲン応答エレメント(ARE)に結合し、それにより、遺伝子発現を活性化する。時間的および空間的発現は、一部は、種々の時点で、および種々の細胞型でリガンド結合ARホモダイマーに結合する多くの共調節因子により調節され得る。例えば、AR活性の調節は、ARA70、TR4、SRCファミリーメンバーおよびCBP/p300ならびにその他の関連タンパク質などのいくつかの転写因子により実施できる。p160メンバーなどの活性化補助因子を含むFXXLFおよびWXXLFモチーフは、ARのLBDのAF2領域と結合する。
【0024】
AR活性はまた、脱毛、毛髪菲薄化、または毛髪の色落ちを促進する。例えば、真皮乳頭は、毛髪サイクルの主要制御因子であり、この構造はARを有する。頭皮の頭頂部および前頭部上の毛包へのDHT曝露は、一部は、成長期の長さを、毛包が微小化した状態の長期間の休止期中にのみ存在する時点まで、劇的に短縮することにより、育毛を抑制できる。さらに、テストステロンは、II型5α還元酵素の酵素活性を介して、毛包中でDHTに変換される。さらに、アンドロゲン脱毛症は、男性において、思春期の開始後にそれ自体が顕在化し始め、人生の10年毎に頻度が増大する、共通の形態の脱毛症である。男性の脱毛頭皮では、ARおよびDHT両方のレベルが、非脱毛頭皮で観察されたARおよびDHTレベルの約2倍である。従って、遺伝的および環境的の両方の要因により調節されているものではあるが、アンドロゲン脱毛症の主要な原因は、毛包中の育毛サイクルの進行性短縮をもたらすARシグナル伝達の増加である。女性の脱毛症も発生し、アンドロゲン脱毛症と関連するものと類似の因子により調節されると考えられることに留意されたい。従って、そのシグナル伝達能力を低減、抑制または除去する方式でARを標的化することにより、脱毛症、毛髪菲薄化、または毛髪の色落ちを促進する因子の進行を妨げることになるであろう。
【0025】
AR活性はまた、例えば、アクネなどの特定の皮膚状態、疾患および障害を促進する。尋常性座瘡としても知られるアクネは、毛包が死皮膚細胞および皮膚からの油で詰まる場合に発生する長期皮膚疾患である。それは、黒色面皰または稗粒腫、面皰、脂ぎった皮膚、および予測される瘢痕形成を特徴とする。アクネは主に、顔面、胸の上部、および背中を含む比較的多数の脂肪分泌腺を有する皮膚の領域で発生する。生じた外観は、不安症、自己肯定感の低下および、極端な場合には、うつまたは自殺の考えに繋がる。思春期の間は、男性および女性のアンドロゲンの増加は、皮膚毛包腺をより大きく成長させ、さらなる油状の皮脂を生成する。アクネは、テストステロン、DHT、およびデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)への曝露の増大に関連し、完全型アンドロゲン不感性症候群(CAIS)の個体ではアクネが発症しないことから、このようなアンドロゲンは、アクネが発生するためには不可欠であるように見える。従って、そのシグナル伝達能力を低減、抑制または除去する方式でARを標的化することにより、アクネまたは別のARシグナル媒介皮膚状態、疾患または障害などの皮膚状態、疾患および障害を促進する因子の進行を防ぐことになるであろう。
【0026】
最もよくある皮膚障害の1つであることに加えて、アクネはまた、多くの全身性疾患または症候群の主要な要素でもある。それらの関連は、これらの疾患の性質を表し、アクネの病因を示す。先天性副腎過形成(CAH)および脂漏症-アクネ-多毛症-アンドロゲン脱毛症(SAHA)症候群は、アンドロゲンステロイドの役割を明確に示し、同時に、多嚢胞性卵巣(PCO)およびアンドロゲン過剰症-インスリン抵抗性-黒色表皮腫(HAIR-AN)症候群は、アクネ中のインスリン抵抗性を示す。繊維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)シグナル伝達の増大を有するアペール症候群は、アクネ中の濾胞性過角化および脂腺肥大をもたらす。滑膜炎-アクネ-膿疱症-骨増殖症-骨炎(SAPHO)および化膿性関節炎-壊疽性膿皮症-アクネ(PAPA)症候群は、炎症の原因がアクネ形成であることを明確に示す。
【0027】
本明細書は、トリパータイト(tripartite)アンドロゲン受容体除去剤(ARE;androgen receptor eliminator)を開示し、これは、プロテアソーム分解のためにARアンタゴニストを標識する分子に結合しているARアンタゴニストを含む。従って、開示AREは、AR活性をアンタゴナイズする能力およびこの受容体の分解を引き起こす能力の両方を有する。本明細書で開示のAREは、細胞のAR除去を引き起こすように局所的に適用される場合、皮膚および/または頭皮に効果的に侵入し、それにより、限定されないが、アンドロゲン脱毛症および顔面多毛症などの毛髪症状および/またはアクネ、過剰皮脂産生、および創傷後瘢痕形成などの皮膚症状を含む、ARシグナル伝達により媒介される皮膚および毛髪状態、疾患および障害を治療する。
【0028】
何らかの特定の理論に拘泥することを望むものではないが、ARシグナル伝達により媒介される脱毛症、毛髪菲薄化、および/または毛髪の色落ちを低減または防止するための、開示ARE、1種または複数のAREを含む組成物、およびこのような組成物による方法および組成物の使用は、ARシグナル伝達により媒介される毛髪状態、疾患または障害を低減または防止すると考えられる。これは、限定されないが、毛包中のARシグナル伝達を低減、抑制または阻害することにより、毛包および/または真皮乳頭の細胞質中のARを低減または除去することにより、毛包を成長期に誘導することおよび/またはマトリックス細胞を新しい毛幹を形成するように刺激することにより、毛包が成長期に残る期間を延長して、毛包により長いおよび/またはより肉厚の毛幹を生成させることにより、ケラチン沈着を増大させて、より長いおよび/またはより肉厚の毛幹を生成させることにより、メラニン沈着を増大させて、毛幹色を黒化することにより、退行期段階を防止または長引かせて、毛髪が毛包中に残る時間を増大させることにより、毛包が休止期段階に残る期間を延長して、毛髪が毛包中に残る時間を増大させることにより、毛包が脱落期に入るのを防止して、毛幹の放出を停止させることにより、脱落期段階で毛幹の放出を停止させて、毛髪の数を増大させるおよび/または新しい毛幹の成長を刺激して、毛包当たり2つ以上の毛幹の生成を可能とすることにより、および/または中間体毛髪の硬毛への変換を増大させることにより、達成できる。従って、治療中のいつでも、毛包中により多くの毛髪が存在し、脱毛が低減される。結果は、毛髪の長さ、厚さおよび/または黒色の増大だけでなく、毛髪の数および/または密度も同様に増大する。
【0029】
加えて、何らかの特定の理論に拘泥することを望むものではないが、開示ARE、1種または複数のAREを含む組成物、およびこのような組成物による方法および組成物の使用は、ARシグナル伝達により媒介される皮膚状態、疾患または障害を低減または防止すると考えられる。これは、限定されないが、皮膚毛包中のARシグナル伝達を低減、抑制または阻害することにより、および細胞の細胞質中のARを低減または除去することにより、達成できる。従って、治療中のいつでも、皮膚状態、疾患または障害の症状または望ましくない属性が低減、抑制または除去される。
【0030】
本明細書は、一部は、トリパータイトアンドロゲン受容体除去剤(ARE)を開示する。AREは、ARアンタゴニスト、リンカー分子およびAR除去促進剤または除去エンハンサー成分を含む。一実施形態では、AREは、式I:
ARA-L-EE (I)
であり、式中、ARAはARアンタゴニストであり、Lはリンカー分子であり、EEはAR除去促進剤または除去エンハンサー成分である。
【0031】
本明細書は、一部は、AR受容体アンタゴニストを開示する。ARアンタゴニストは、AR遮断薬とも呼ばれ、ARに結合時に生物学的応答それ自体を誘発するのではなく、ARにより媒介されるアゴニスト媒介応答を低減または防止する。従って、ARアンタゴニストはその同族のARに対し親和性を有するが、効力は何ら有さず、ARでの結合は、相互作用を破壊し、ARアゴニストまたは逆ARアゴニストの機能を阻害する。本明細書で開示のARアンタゴニストは、活性オルソステリック部位に結合することにより、またはAR上のアロステリック部位に結合することによりその効果を媒介し得るか、または本明細書で開示のARアンタゴニストは、通常はAR活性の生物学的調節に関与しないユニークな結合部位で相互作用し得る。本明細書で開示のARアンタゴニストは、アンタゴニスト-受容体複合体の寿命に応じて可逆的または不可逆的であり得、同様に、この複合体はアンタゴニスト-受容体結合の性質に依存する。いずれか1つの理論に限定されるのを望むものではないが、細胞中でのAR分解は、細胞質中のHSP90/AR複合体の破壊により引き起こされ得、それにより、プロテアソームを介したAR除去が生じる。
【0032】
一実施形態では、本明細書で開示のARアンタゴニストは、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、エンザルタミド、アパルタミド、酢酸シプロテロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、スピロノラクトン、カンレノン、ドロスピレノン、ケトコナゾール、トピルタミド(フルリジル)、またはシメチジンである。この実施形態の一態様では、本明細書で開示のARアンタゴニストは、スピロノラクトン、ケトコナゾール、メトキシベンジルラクタム、RU58841または化合物ARA1である。
【表1】
【0033】
本明細書で開示のARアンタゴニストとして有用なその他のアンタゴニストは、例えば、米国特許第6,790,979号、同8,198,323号;Hu,et al.,Synthesis and Biological Evaluation of Amino-Pyridines as Androgen Receptor Antagonists for Stimulating Hair Growth and Reducing Sebum Production,Bioorg.Med.Chem.Lett.17:5693-5697(2007);Hu,et al.,(1R,2S)-4-(2-Cyano-cydohexyl-oxy)-2-trifluoromethy 1-benzonittile,a Potent Androgen Receptor Antagonists for Stimulating Hair Growth and Reducing Sebum Production,Bioorg.Med.Chem.Lett.17:5983-5988(2007);Mitchell,et al.,Rational Design of a Topical Androgen Receptor Antagonist for the Suppression of Sebum.Production with Properties Suitable for Follicular Delivery,J.Med.Chem.53:4422-4427(2010)に記載されている。これらの文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0034】
本明細書は、一部は、リンカーを開示する。本明細書で開示のリンカーは、アンドロゲン受容体アンタゴニストをAR除去促進剤または除去エンハンサー成分に直接的にまたは間接的に結合する分子である。通常、この結合は共有結合である。
【0035】
一実施形態では、リンカー分子は式II:
【化2】
であり、式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立に、H、OH、COOH、NH
2、R
3OH、R
3COOH、OR
3OH、OR
3COOH、R
3NH(CO)R
4、R
3NH(CO)R
4OH、R
3NH(CO)R
4COOHであり;R
3およびR
4はそれぞれ独立に、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;nは0~10の任意の整数である。アルキル官能基は、単結合のみにより結合され、環状構造をなんら有さない直鎖または分岐鎖炭化水素を含む。アルケニル官能基は、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を有し、環状構造をなんら有さない直鎖または分岐鎖炭化水素を含む。アルキニル官能基は、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を有し、環状構造をなんら有さない直鎖または分岐鎖炭化水素を含む。
【0036】
この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIであり、式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、H、OH、COOH、NH2、R3OH、R3COOH、OR3OH、OR3COOH、R3NH(CO)R4、R3NH(CO)R4OH、またはR3NH(CO)R4COOHであり;R3およびR4はそれぞれ独立に、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、またはC2-6アルキニルであり;nは0~10の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIであり、式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、H、OH、COOH、NH2、R3OH、R3COOH、OR3OH、OR3COOH、R3NH(CO)R4、R3NH(CO)R4OH、またはR3NH(CO)R4COOHであり;R3およびR4はそれぞれ独立に、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、またはC2-4アルキニルであり;nは0~5の任意の整数である。この実施形態のさらなる態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIであり、式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、H、OH、COOH、NH2、R3OH、R3COOH、OR3OH、OR3COOH、またはR3NH(CO)R4OHであり;R3およびR4はそれぞれ独立に、C1-10アルキルであり;nは0~10の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIであり、式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、H、OH、COOH、NH2、R3OH、R3COOH、OR3OH、OR3COOH、またはR3NH(CO)R4OHであり;R3およびR4はそれぞれ独立に、C1-6アルキルであり;nは0~10の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIであり、式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、H、OH、COOH、NH2、R3OH、R3COOH、OR3OH、OR3COOH、またはR3NH(CO)R4OHであり;R3およびR4はそれぞれ独立に、C1-6アルキルであり;nは0~5の任意の整数である。
【0037】
この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIであり、式中、R1は、OH、COOH、NH2、R3OH、R3COOH、またはR3NH(CO)R4OHであり;R2は、OH、COOH、NH2、R3COOH、またはOR3COOHであり;R3およびR4はそれぞれ独立に、C1-10アルキルであり;nは0~10の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIであり、式中、R1は、OH、COOH、NH2、R3OH、R3COOH、またはR3NH(CO)R4OHであり;R2は、OH、COOH、NH2、R3COOH、またはOR3COOHであり;R3およびR4はそれぞれ独立に、C1-6アルキルであり;nは0~10の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIであり、式中、R1は、OH、COOH、NH2、R3OH、R3COOH、またはR3NH(CO)R4OHであり;R2は、OH、COOH、NH2、R3COOH、またはOR3COOHであり;R3およびR4はそれぞれ独立に、C1-6アルキルであり;nは0~5の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIであり、式中、R1は、OH、R3OH、R3COOH、またはR3NH(CO)R4OHであり;R2は、OH、COOH、NH2、R3COOH、またはOR3COOHであり;R3およびR4はそれぞれ独立に、C1-6アルキルであり;nは0~5の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIであり、式中、R1は、OH、R3OH、R3COOH、またはR3NH(CO)R4OHであり;R2は、OH、COOH、NH2、R3COOH、またはOR3COOHであり;R3およびR4はそれぞれ独立に、C1-4アルキルであり;nは0~4の任意の整数である。
【0038】
この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIであり、式中、R1は、OH、C-C-OH、C-COOH、またはC-C-NH-CO-C-C-C-OHであり;R2は、OH、COOH、NH2、C-COOH、またはO-C-COOHであり;nは0~10の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIであり、式中、R1は、OH、C-C-OH、C-COOH、またはC-C-NH-CO-C-C-C-OHであり;R2は、OH、COOH、NH2、C-COOH、またはO-C-COOHであり;nは0~8の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIであり、式中、R1は、OH、C-C-OH、C-COOH、またはC-C-NH-CO-C-C-C-OHであり;R2は、OH、COOH、NH2、C-COOH、またはO-C-COOHであり;nは0~6の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIであり、式中、R1は、OH、C-C-OH、C-COOH、またはC-C-NH-CO-C-C-C-OHであり;R2は、OH、COOH、NH2、C-COOH、またはO-C-COOHであり;nは0~4の任意の整数である。
【0039】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式III:
【化3】
であり、式中、nは0~10の任意の整数である。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIIであり、式中、nは0~8の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIIであり、式中、nは0~6の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IIIであり、式中、nは0~4の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の式IIIのリンカー分子は
【化4】
である。
【0040】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IV:
【化5】
であり、式中、nは0~10の任意の整数である。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IVであり、式中、nは0~8の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IVであり、式中、nは0~6の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IVであり、式中、nは0~4の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の式IVのリンカー分子は
【化6】
である。
【0041】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式V:
【化7】
であり、式中、nは0~10の任意の整数である。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式Vであり、式中、nは0~8の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式Vであり、式中、nは0~6の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式Vであり、式中、nは0~4の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の式Vのリンカー分子は
【化8】
である。
【0042】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式VI:
【化9】
であり、式中、nは0~10の任意の整数である。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式VIであり、式中、nは0~8の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式VIであり、式中、nは0~6の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式VIであり、式中、nは0~4の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の式VIのリンカー分子は
【化10】
である。
【0043】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式VII:
【化11】
であり、式中、nは0~10の任意の整数である。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式VIIであり、式中、nは0~8の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式VIIであり、式中、nは0~6の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式VIIであり、式中、nは0~4の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の式VIIのリンカー分子は
【化12】
である。
【0044】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式VIII:
【化13】
であり、式中、nは0~10の任意の整数である。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式VIIIであり、式中、nは0~8の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式VIIIであり、式中、nは0~6の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式VIIIであり、式中、nは0~4の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の式VIIIのリンカー分子は
【化14】
である。
【0045】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IX:
【化15】
であり、式中、nは0~10の任意の整数である。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IXであり、式中、nは0~8の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IXであり、式中、nは0~6の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式IXであり、式中、nは0~4の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の式IXのリンカー分子は
【化16】
である。
【0046】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式X:
【化17】
であり、式中、nは0~10の任意の整数である。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式Xであり、式中、nは0~8の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式Xであり、式中、nは0~6の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のリンカー分子は式Xであり、式中、nは0~4の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の式Xのリンカー分子は
【化18】
である。
【0047】
本明細書は、一部は、AR除去促進剤または除去エンハンサー成分を開示する。本明細書で開示のAR除去促進剤または除去エンハンサー成分は、AR除去促進剤または除去エンハンサー成分に結合したポリペプチドを、分解、破壊または他の方法で不活性または非機能性にされるべきポリペプチドとして、標的化、誘導、促進または他の方法で標識する。一実施形態では、本明細書で開示のAR除去促進剤または除去エンハンサー成分は、プロテアソーム分解経路のためのポリペプチドを標的化、促進または他の方法で標識する。この実施形態の一態様では、本明細書で開示のAR除去促進剤または除去エンハンサー成分は、ユビキチン非依存性経路を用いるプロテアソームによる分解のためにポリペプチドを標的化、促進または他の方法で標識する。この実施形態の別の態様では、本明細書で開示のAR除去促進剤または除去エンハンサー成分は、ユビキチン依存性経路を用いるプロテアソームによる分解のためにポリペプチドを標的化、促進または他の方法で標識する。
【0048】
一実施形態では、AR除去促進剤または除去エンハンサー成分は、疎水性タグである。疎水性タグは、ポリペプチドを不安定化し、それにより、1つまたは複数のアンフォールドポリペプチドへのシャペロンの動員をもたらすと思われる分子である。その後、不安定化タンパク質は、プロテアソームに輸送され、そこで分解される。疎水性タグを用いた分解は、ユビキチン非依存性プロセスであるように見える。疎水性タグの例は、アダマンタン部分およびブチルカルバメート(Boc)保護アミノ酸である。
【0049】
この実施形態の一態様では、疎水性タグは、アダマンタン部分である。本明細書で開示のアダマンタン部分は、4つの結合したシクロヘキサン環の「肘掛け椅子」構造に配置されたC
10H
16シクロアルカンを含む。ボート形状配置も存在できる。この実施形態のいくつかの態様では、アダマンタンは、式XI:
【化19】
であり、式中、R
5は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
6OH、R
6COOH、R
6C(O)NH
2、またはR
6C(O)R
7であり;R
6は、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;R
7はハロゲンである。ハロゲンは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、アスタチン(At)およびウンウンセプチウム(Uus)を含む非金属元素を意味する。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のアダマンタン部分は、式XIであり、式中、R
5は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
6OH、R
6COOH、R
6C(O)NH
2、またはR
6C(O)R
7であり;R
6は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
7はハロゲンである。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のアダマンタン部分は、式XIであり、式中、R
5は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
6OH、R
6COOH、R
6C(O)NH
2、またはR
6C(O)R
7であり;R
6は、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、またはC
2-4アルキニルであり;R
7はハロゲンである。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のアダマンタン部分は、式XIであり、式中、R
5は、H、OH、COOH、NH
2、F、Br、Cl、I、R
6OH、R
6COOH、R
6C(O)NH
2、またはR
6C(O)R
7であり;R
6は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
7は、F、Br、ClまたはIである。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の式XIのアダマンタン部分は
【化20】
である。
【0050】
この実施形態の別の態様では、疎水性タグは、Boc保護アミノ酸である。Boc保護アミノ酸は、ポリペプチドの半減期が存在する特定のN末端アミノ酸により決定されるN-末端則経路を利用して、タンパク質分解を誘導する。次のアミノ酸は全て、90分未満の半減期をポリペプチドに付与する:グルタミン、アルギニン、グルタミン酸、フェニルアラニン、アスパラギン酸、システイン、リシンおよび
アスパラギン。この実施形態のいくつかの態様では、疎水性タグは、tert-ブチルカルバメート保護アルギニン(BOC
3Arg)部分、イソブチルカルバメート保護リシン(BOC
2Lys)部分、イソブチルカルバメート保護アスパラギン酸(BOC
2Asp)部分、イソブチルカルバメート保護アスパラギン(BOC
2Asn)部分、イソブチルカルバメート保護グルタミン酸(BOC
2Glu)部分、およびイソブチルカルバメート保護グルタミン(BOC
2Gln)部分である。この実施形態のいくつかの態様では、疎水性タグは
【化21】
である。
【0051】
本明細書で開示のAR除去促進剤または除去エンハンサー成分として有用な追加の疎水性タグは、例えば、Neklesa,et al.,Small-Molecule Hydrophobic Tagging Induced Degradation of HaloTag Fusion Proteins,Nat.Chem.Biol.7(8):538-543(2012)に記載されている。この文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0052】
一実施形態では、AR除去促進剤または除去エンハンサー成分は、E3リガーゼリクルーティング部分である。E3リガーゼリクルーティング部分は、ユビキチンE3リガーゼを動員して、目的のポリペプチドをユビキチン化し、それにより、ユビキチン化経路経由の分解用の完全複合体を作製する。E3リガーゼリクルーティング部分を用いた分解は、ユビキチン依存性プロセスである。
【0053】
この実施形態の一態様では、E3リガーゼリクルーティング部分は、低酸素誘導性因子1α(HIF-1α)である。HIF-1α部分は、低酸素誘導性因子1α(HIF-1α)の7つのアミノ酸認識配列中のコアヒドロキシル化プロリンを認識する。この実施形態の一態様では、HIF-1α部分は、式XII:
【化22】
であり、式中、R
8は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
9OH、R
9COOH、R
9C(O)NH
2、またはR
9C(O)R
10であり;R
9は、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;R
10はハロゲンである。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のHIF-1α部分は、式XIIであり、式中、R
8は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
9OH、R
9COOH、R
9C(O)NH
2、またはR
9C(O)R
10であり;R
9は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
10はハロゲンである。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のHIF-1α部分は、式XIIであり、式中、R
8は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
9OH、R
9COOH、R
9C(O)NH
2、またはR
9C(O)R
10であり;R
9は、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、またはC
2-4アルキニルであり;R
10はハロゲンである。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のHIF-1α部分は、式XIIであり、式中、R
8は、H、OH、COOH、NH
2、F、Br、Cl、I、R
9OH、R
9COOH、R
9C(O)NH
2、またはR
9C(O)R
10であり;R
9は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
10は、F、Br、ClまたはIである。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の式XIIのHIF-1α部分は
【化23】
である。
【0054】
この実施形態の別の態様では、E3リガーゼリクルーティング部分は、ナトリン部分(Nutlin moiety)である。ナトリン部分は、マウス二重微小染色体2(MDM2;mouse double minute 2)と腫瘍抑制因子p53との間の相互作用を阻害するシスイミダゾリン類似体である。ナトリン部分は、ナトリン-1部分、ナトリン-2部分およびナトリン-3部分を含む。この実施形態の一態様では、ナトリン部分は、式XIII:
【化24】
であり、式中、R
11は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
12OH、R
12COOH、R
12C(O)NH
2、またはR
12C(O)R
13であり;R
12は、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;R
13はハロゲンである。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のナトリン部分は、式XIIIであり、式中、R
11は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
12OH、R
12COOH、R
12C(O)NH
2、またはR
12C(O)R
13であり;R
12は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
13はハロゲンである。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のナトリン部分は、式XIIIであり、式中、R
11は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
12OH、R
12COOH、R
12C(O)NH
2、またはR
12C(O)R
13であり;R
12は、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、またはC
2-4アルキニルであり;R
13はハロゲンである。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のナトリン部分は、式XIIIであり、式中、R
11は、H、OH、COOH、NH
2、F、Br、Cl、I、R
12OH、R
12COOH、R
12C(O)NH
2、またはR
12C(O)R
13であり;R
12は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
13は、F、Br、ClまたはIである。
【0055】
この実施形態の別の態様では、E3リガーゼリクルーティング部分は、ベスタチン部分である。ベスタチン(ウベニメクスとしても知られる)部分は、競合的で、可逆的なプロテアーゼ阻害剤である。この実施形態の一態様では、ベスタチン部分は、式XIV:
【化25】
であり、式中、R
14は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
15OH、R
15COOH、R
15C(O)NH
2、またはR
15C(O)R
16であり;R
15は、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;R
16はハロゲンである。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のベスタチン部分は、式XIVであり、式中、R
14は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
15OH、R
15COOH、R
15C(O)NH
2、またはR
15C(O)R
16であり;R
15は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
16はハロゲンである。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のベスタチン部分は、式XIVであり、式中、R
14は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
15OH、R
15COOH、R
15C(O)NH
2、またはR
15C(O)R
16であり;R
15は、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、またはC
2-4アルキニルであり;R
16はハロゲンである。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のベスタチン部分は、式XIVであり、式中、R
14は、H、OH、COOH、NH
2、F、Br、Cl、I、R
15OH、R
15COOH、R
15C(O)NH
2、またはR
15C(O)R
16であり;R
15は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
16は、F、Br、ClまたはIである。
【0056】
この実施形態の別の態様では、E3リガーゼリクルーティング部分は、フタルイミド部分である。フタルイミド部分は、競合的で、可逆的なプロテアーゼ阻害剤である。フタルイミド部分は、フタルイミド、C
6H
4(CO)
2NHを含む分子である。フタルイミド部分は、サリドマイド、レナリドマイドおよびポマリドミドを含む。この実施形態の一態様では、フタルイミド部分は、式XV:
【化26】
であり、式中、R
17は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
19OH、R
19COOH、R
19C(O)NH
2、R
19C(O)R
20、NHR
19OH、NHR
19COOH、NHR
19C(O)NH
2、またはNHR
19C(O)R
20であり;R
18は、H、OH、O、COOH、またはC
1-6であり;R
19は、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;R
20はハロゲンである。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のフタルイミド部分は式XVであり、式中、R
17は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
19OH、R
19COOH、R
19C(O)NH
2、R
19C(O)R
20、NHR
19OH、NHR
19COOH、NHR
19C(O)NH
2、またはNHR
19C(O)R
20であり;R
18は、H、OH、O、COOH、またはC
1-6であり;R
19は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
20はハロゲンである。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のフタルイミド部分は式XVであり、式中、R
17は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
19OH、R
19COOH、R
19C(O)NH
2、R
19C(O)R
20、NHR
19OH、NHR
19COOH、NHR
19C(O)NH
2、またはNHR
19C(O)R
20であり;R
18は、H、OH、O、COOH、またはC
1-6であり;R
19は、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、またはC
2-4アルキニルであり;R
20はハロゲンである。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のフタルイミド部分は式XVであり、式中、R
17は、H、OH、COOH、NH
2、F、Br、Cl、I、R
19OH、R
19COOH、R
19C(O)NH
2、R
19C(O)R
20、NHR
19OH、NHR
19COOH、NHR
19C(O)NH
2、またはNHR
19C(O)R
20であり;R
18は、H、OH、O、COOH、またはC
1-6であり;R
19は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
20はF、Br、ClまたはIである。
【0057】
この実施形態の別の態様では、フタルイミド部分は、式XVI、XVII、XVIIIまたはXIX:
【化27】
のいずれか1つであり、式中、R
20は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
21OH、R
21COOH、R
21C(O)NH
2、またはR
21C(O)R
22であり;R
21は、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;R
22はハロゲンである。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のフタルイミド部分は、式XVI、XVII、XVIIIまたはXIXのいずれか1つであり、式中、R
20は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
21OH、R
21COOH、R
21C(O)NH
2、またはR
21C(O)R
22であり;R
21は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
22はハロゲンである。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のフタルイミド部分は、式XVI、XVII、XVIIIまたはXIXのいずれか1つであり、式中、R
20は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
21OH、R
21COOH、R
21C(O)NH
2、またはR
21C(O)R
22であり;R
21は、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、またはC
2-4アルキニルであり;R
22はハロゲンである。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のフタルイミド部分は、式XVI、XVII、XVIIIまたはXIXのいずれか1つであり、式中、R
20は、H、OH、COOH、NH
2、F、Br、Cl、I、R
21OH、R
21COOH、R
21C(O)NH
2、またはR
21C(O)R
22であり;R
21は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
22はF、Br、ClまたはIである。
【0058】
ある実施形態では、本明細書で開示のAREは、式XX:
【化28】
であり、式中、nは0~10の任意の整数である。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のAREは式Xであり、式中、nは0~8の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREは式XXであり、式中、nは0~6の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREは式XXであり、式中、nは0~4の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のAREは
【化29】
である。
【0059】
ある実施形態では、本明細書で開示のAREは:
【化30】
である。
【0060】
ある実施形態では、本明細書で開示のAREは、式XXI:
【化31】
であり、式中、nは0~10の任意の整数である。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のAREは式XXIであり、式中、nは0~8の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREは式XXIであり、式中、nは0~6の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREは式XXIであり、式中、nは0~4の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のAREは
【化32】
である。
【0061】
ある実施形態では、本明細書で開示のAREは:
【化33】
である。
【0062】
ある実施形態では、本明細書で開示のAREは、式XXII:
【化34】
であり、式中、nは0~10の任意の整数である。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のAREは式XXIIであり、式中、nは0~8の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREは式XXIIであり、式中、nは0~6の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREは式XXIIであり、式中、nは0~4の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のAREは
【化35】
である。
【0063】
ある実施形態では、本明細書で開示のAREは、式XXIII:
【化36】
であり、式中、nは0~10の任意の整数である。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のAREは式XXIIIであり、式中、nは0~8の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREは式XXIIIであり、式中、nは0~6の任意の整数である。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREは式XXIIIであり、式中、nは0~4の任意の整数である。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のAREは
【化37】
である。
【0064】
本明細書のいくつかの態様は、一部は、医薬組成物を開示する。医薬組成物は、例えば、本明細書で開示のAREのいずれかなどの治療に有効な濃度の有効成分を意味する。医薬組成物は、個体に投与されたときに、有害反応、アレルギー反応、またはその他の不都合な、もしくは望ましくない反応を生じないのが好ましい。本明細書で開示の医薬組成物は、医学的および獣医学的用途において有用である。医薬組成物は、単独で個体に投与してもよく、あるいは、他の補足的な活性化合物、作用物質、薬物、またはホルモンと組合せて投与してもよい。
【0065】
一実施形態では、組成物は、単独の本明細書で開示のAREを含み得る。別の実施形態では、組成物は、単独の本明細書で開示のAREを含み得る。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、1種以上のARE、2種以上のARE、3種以上のARE、4種以上のAREまたは5種以上のAREを含む。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、1種のみのARE、最大で2種のARE、最大で3種のARE、最大で4種のARE、または最大で5種のAREを含む。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、1~2種のARE、1~3種のARE、1~4種のARE、1~5種のARE、2~3種のARE、2~4種のARE、2~5種のARE、3~4種のARE、3~5種のAREまたは4~5種のAREを含む。
【0066】
本明細書で開示の医薬組成物中の1種または複数のAREの量は通常、全組成物の約0.01重量%~約50重量%、好ましくは、全組成物の約0.1重量%~約50重量%、より好ましくは、全組成物の約1重量%~約50重量%の範囲である。
【0067】
この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、組成物の0.01重量%、0.025重量%、0.05重量%、0.075重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.25重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.75重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%または50重量%の量のAREを含む。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、組成物の少なくとも0.01重量%、少なくとも0.025重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.075重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも6重量%、少なくとも7重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、または少なくとも50重量%の量のAREを含む。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、組成物の最大で0.01重量%、最大で0.025重量%、最大で0.05重量%、最大で0.075重量%、最大で0.1重量%、最大で0.25重量%、最大で0.5重量%、最大で0.75重量%、最大で1重量%、最大で2重量%、最大で3重量%、最大で4重量%、最大で5重量%、最大で6重量%、最大で7重量%、最大で8重量%、最大で9重量%、最大で10重量%、最大で15重量%、最大で20重量%、最大で25重量%、最大で30重量%、最大で35重量%、最大で40重量%、最大で45重量%、または最大で50重量%の量のAREを含む。
【0068】
この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、組成物の0.01重量%~約0.05重量%、0.01重量%~約0.075重量%、0.01重量%~約0.1重量%、約0.1重量%~約0.5重量%、約0.1重量%~約0.75重量%、約0.1重量%~約1重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約6重量%、約0.1重量%~約7重量%、約0.1重量%~約8重量%、約0.1重量%~約9重量%、約0.1重量%~約10重量%、約0.1重量%~約15重量%、約0.1重量%~約20重量%、約0.1重量%~約25重量%、約0.1重量%~約30重量%、約0.1重量%~約35重量%、約0.1重量%~約40重量%、約0.25重量%~約0.5重量%、約0.25重量%~約0.75重量%、約0.25重量%~約1重量%、約0.25重量%~約2重量%、約0.25重量%~約3重量%、約0.25重量%~約4重量%、約0.25重量%~約5重量%、約0.25重量%~約6重量%、約0.25重量%~約7重量%、約0.25重量%~約8重量%、約0.25重量%~約9重量%、約0.25重量%~約10重量%、約0.25重量%~約15重量%、約0.25重量%~約20重量%、約0.25重量%~約25重量%、約0.25重量%~約30重量%、約0.25重量%~約35重量%、約0.25重量%~約40重量%、約0.5重量%~約0.75重量%、約0.5重量%~約1重量%、約0.5重量%~約2重量%、約0.5重量%~約3重量%、約0.5重量%~約4重量%、約0.5重量%~約5重量%、約0.5重量%~約6重量%、約0.5重量%~約7重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.5重量%~約9重量%、約0.5重量%~約10重量%、約0.5重量%~約15重量%、約0.5重量%~約20重量%、約0.5重量%~約25重量%、約0.5重量%~約30重量%、約0.5重量%~約35重量%、約0.5重量%~約40重量%、約0.75重量%~約1重量%、約0.75重量%~約2重量%、約0.75重量%~約3重量%、約0.75重量%~約4重量%、約0.75重量%~約5重量%、約0.75重量%~約6重量%、約0.75重量%~約7重量%、約0.75重量%~約8重量%、約0.75重量%~約9重量%、約0.75重量%~約10重量%、約0.75重量%~約15重量%、約0.75重量%~約20重量%、約0.75重量%~約25重量%、約0.75重量%~約30重量%、約0.75重量%~約35重量%、約0.75重量%~約40重量%、約1重量%~約2重量%、約1重量%~約3重量%、約1重量%~約4重量%、約1重量%~約5重量%、約1重量%~約6重量%、約1重量%~約7重量%、約1重量%~約8重量%、約1重量%~約9重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約15重量%、約1重量%~約20重量%、約1重量%~約25重量%、約1重量%~約30重量%、約1重量%~約35重量%、約1重量%~約40重量%、約2重量%~約3重量%、約2重量%~約4重量%、約2重量%~約5重量%、約2重量%~約6重量%、約2重量%~約7重量%、約2重量%~約8重量%、約2重量%~約9重量%、約2重量%~約10重量%、約2重量%~約15重量%、約2重量%~約20重量%、約2重量%~約25重量%、約2重量%~約30重量%、約2重量%~約35重量%、約2重量%~約40重量%、約3重量%~約4重量%、約3重量%~約5重量%、約3重量%~約6重量%、約3重量%~約7重量%、約3重量%~約8重量%、約3重量%~約9重量%、約3重量%~約10重量%、約3重量%~約15重量%、約3重量%~約20重量%、約3重量%~約25重量%、約3重量%~約30重量%、約3重量%~約35重量%、約3重量%~約40重量%、約4重量%~約5重量%、約4重量%~約6重量%、約4重量%~約7重量%、約4重量%~約8重量%、約4重量%~約9重量%、約4重量%~約10重量%、約4重量%~約15重量%、約4重量%~約20重量%、約4重量%~約25重量%、約4重量%~約30重量%、約4重量%~約35重量%、約4重量%~約40重量%、約5重量%~約6重量%、約5重量%~約7重量%、約5重量%~約8重量%、約5重量%~約9重量%、約5重量%~約10重量%、約5重量%~約15重量%、約5重量%~約20重量%、約5重量%~約25重量%、約5重量%~約30重量%、約5重量%~約35重量%、約5重量%~約40重量%、約6重量%~約7重量%、約6重量%~約8重量%、約6重量%~約9重量%、約6重量%~約10重量%、約6重量%~約15重量%、約6重量%~約20重量%、約6重量%~約25重量%、約6重量%~約30重量%、約6重量%~約35重量%、約6重量%~約40重量%、約7重量%~約8重量%、約7重量%~約9重量%、約7重量%~約10重量%、約7重量%~約15重量%、約7重量%~約20重量%、約7重量%~約25重量%、約7重量%~約30重量%、約7重量%~約35重量%、約7重量%~約40重量%、約8重量%~約9重量%、約8重量%~約10重量%、約8重量%~約15重量%、約8重量%~約20重量%、約8重量%~約25重量%、約8重量%~約30重量%、約8重量%~約35重量%、約8重量%~約40重量%、約9重量%~約10重量%、約9重量%~約15重量%、約9重量%~約20重量%、約9重量%~約25重量%、約9重量%~約30重量%、約9重量%~約35重量%、約9重量%~約40重量%、約10重量%~約15重量%、約10重量%~約20重量%、約10重量%~約25重量%、約10重量%~約30重量%、約10重量%~約35重量%、約10重量%~約40重量%、約10重量%~約45重量%、約10重量%~約50重量%、約15重量%~約20重量%、約15重量%~約25重量%、約15重量%~約30重量%、約15重量%~約35重量%、約15重量%~約40重量%、約15重量%~約45重量%、約15重量%~約50重量%、約20重量%~約25重量%、約20重量%~約30重量%、約20重量%~約35重量%、約20重量%~約40重量%、約20重量%~約45重量%、約20重量%~約50重量%、約25重量%~約30重量%、約25重量%~約35重量%、約25重量%~約40重量%、約25重量%~約45重量%、約30重量%~約25重量%、約30重量%~約35重量%、約30重量%~約40重量%、約30重量%~約45重量%、約30重量%~約50重量%、約35重量%~約40重量%、約35重量%~約45重量%、約35重量%~約50重量%、約40重量%~約45重量%、約40重量%~約50重量%、または約45重量%~約50重量%の量のAREを含む。
【0069】
この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、約1μg、約2μg、約3μg、約4μg、約5μg、約6μg、約7μg、約8μg、約9μg、約10μg、約15μg、約20μg、約25μg、約30μg、約35μg、約40μg、約45μg、約50μg、約55μg、約60μg、約65μg、約70μg、約75μg、約80μg、約85μg、約90μg、約95μg、約100μg、約110μg、約120μg、約130μg、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg、約250μg、260μg、約270μg、約280μg、約290μg、約300μg、約310μg、約320μg、約330μg、約340μg、約350μg、360μg、約370μg、約380μg、約390μg、約400μg、約410μg、約420μg、約430μg、約440μg、約450μg、460μg、約470μg、約480μg、約490μg、約500μg、約510μg、約520μg、約530μg、約540μg、約550μg、560μg、約570μg、約580μg、約590μg、約600μg、約610μg、約620μg、約630μg、約640μg、約650μg、660μg、約670μg、約680μg、約690μg、約700μg、約710μg、約720μg、約730μg、約740μg、約750μg、760μg、約770μg、約780μg、約790μg、約800μg、約810μg、約820μg、約830μg、約840μg、約850μg、860μg、約870μg、約880μg、約890μg、約900μg、約910μg、約920μg、約930μg、約940μg、約950μg、960μg、約970μg、約980μg、約990μg、または約1,000μgの量のAREを含む。
【0070】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、少なくとも1μg、少なくとも2μg、少なくとも3μg、少なくとも4μg、少なくとも5μg、少なくとも6μg、少なくとも7μg、少なくとも8μg、少なくとも9μg、少なくとも10μg、少なくとも15μg、少なくとも20μg、少なくとも25μg、少なくとも30μg、少なくとも35μg、少なくとも40μg、少なくとも45μg、少なくとも50μg、少なくとも55μg、少なくとも60μg、少なくとも65μg、少なくとも70μg、少なくとも75μg、少なくとも80μg、少なくとも85μg、少なくとも90μg、少なくとも95μg、少なくとも100μg、少なくとも110μg、少なくとも120μg、少なくとも130μg、少なくとも140μg、少なくとも150μg、少なくとも160μg、少なくとも170μg、少なくとも180μg、少なくとも190μg、少なくとも200μg、少なくとも210μg、少なくとも220μg、少なくとも230μg、少なくとも240μg、少なくとも250μg、260μg、少なくとも270μg、少なくとも280μg、少なくとも290μg、少なくとも300μg、少なくとも310μg、少なくとも320μg、少なくとも330μg、少なくとも340μg、少なくとも350μg、360μg、少なくとも370μg、少なくとも380μg、少なくとも390μg、少なくとも400μg、少なくとも410μg、少なくとも420μg、少なくとも430μg、少なくとも440μg、少なくとも450μg、460μg、少なくとも470μg、少なくとも480μg、少なくとも490μg、少なくとも500μg、少なくとも510μg、少なくとも520μg、少なくとも530μg、少なくとも540μg、少なくとも550μg、560μg、少なくとも570μg、少なくとも580μg、少なくとも590μg、少なくとも600μg、少なくとも610μg、少なくとも620μg、少なくとも630μg、少なくとも640μg、少なくとも650μg、660μg、少なくとも670μg、少なくとも680μg、少なくとも690μg、少なくとも700μg、少なくとも710μg、少なくとも720μg、少なくとも730μg、少なくとも740μg、少なくとも750μg、760μg、少なくとも770μg、少なくとも780μg、少なくとも790μg、少なくとも800μg、少なくとも810μg、少なくとも820μg、少なくとも830μg、少なくとも840μg、少なくとも850μg、860μg、少なくとも870μg、少なくとも880μg、少なくとも890μg、少なくとも900μg、少なくとも910μg、少なくとも920μg、少なくとも930μg、少なくとも940μg、少なくとも950μg、960μg、少なくとも970μg、少なくとも980μg、少なくとも990μg、または少なくとも1,000μgの量のAREを含む。
【0071】
この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、最大で1μg、最大で2μg、最大で3μg、最大で4μg、最大で5μg、最大で6μg、最大で7μg、最大で8μg、最大で9μg、最大で10μg、最大で15μg、最大で20μg、最大で25μg、最大で30μg、最大で35μg、最大で40μg、最大で45μg、最大で50μg、最大で55μg、最大で60μg、最大で65μg、最大で70μg、最大で75μg、最大で80μg、最大で85μg、最大で90μg、最大で95μg、最大で100μg、最大で110μg、最大で120μg、最大で130μg、最大で140μg、最大で150μg、最大で160μg、最大で170μg、最大で180μg、最大で190μg、最大で200μg、最大で210μg、最大で220μg、最大で230μg、最大で240μg、最大で250μg、260μg、最大で270μg、最大で280μg、最大で290μg、最大で300μg、最大で310μg、最大で320μg、最大で330μg、最大で340μg、最大で350μg、360μg、最大で370μg、最大で380μg、最大で390μg、最大で400μg、最大で410μg、最大で420μg、最大で430μg、最大で440μg、最大で450μg、460μg、最大で470μg、最大で480μg、最大で490μg、最大で500μg、最大で510μg、最大で520μg、最大で530μg、最大で540μg、最大で550μg、560μg、最大で570μg、最大で580μg、最大で590μg、最大で600μg、最大で610μg、最大で620μg、最大で630μg、最大で640μg、最大で650μg、660μg、最大で670μg、最大で680μg、最大で690μg、最大で700μg、最大で710μg、最大で720μg、最大で730μg、最大で740μg、最大で750μg、760μg、最大で770μg、最大で780μg、最大で790μg、最大で800μg、最大で810μg、最大で820μg、最大で830μg、最大で840μg、最大で850μg、860μg、最大で870μg、最大で880μg、最大で890μg、最大で900μg、最大で910μg、最大で920μg、最大で930μg、最大で940μg、最大で950μg、960μg、最大で970μg、最大で980μg、最大で990μg、または最大で1,000μgの量のAREを含む。
【0072】
この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、約1μg~約10μg、約1μg~約20μg、約1μg~約30μg、約1μg~約40μg、約1μg~約50μg、約1μg~約60μg、約1μg~約70μg、約1μg~約80μg、約1μg~約90μg、約1μg~約100μg、約1μg~約110μg、約1μg~約120μg、約1μg~約130μg、約1μg~約140μg、約1μg~約150μg、約5μg~約10μg、約5μg~約20μg、約5μg~約30μg、約5μg~約40μg、約5μg~約50μg、約5μg~約60μg、約5μg~約70μg、約5μg~約80μg、約5μg~約90μg、約5μg~約100μg、約5μg~約110μg、約5μg~約120μg、約5μg~約130μg、約5μg~約140μg、約5μg~約150μg、約10μg~約20μg、約10μg~約30μg、約10μg~約40μg、約10μg~約50μg、約10μg~約60μg、約10μg~約70μg、約10μg~約80μg、約10μg~約90μg、約10μg~約100μg、約10μg~約110μg、約10μg~約120μg、約10μg~約130μg、約10μg~約140μg、約10μg~約150μg、約10μg~約175μg、約10μg~約200μg、約10μg~約225μg、約10μg~約250μg、約25μg~約50μg、約25μg~約75μg、約25μg~約100μg、約25μg~約125μg、約25μg~約150μg、約25μg~約175μg、約25μg~約200μg、約25μg~約225μg、約25μg~約250μg、約50μg~約75μg、約50μg~約100μg、約50μg~約125μg、約50μg~約150μg、約50μg~約175μg、約50μg~約200μg、約50μg~約225μg、約50μg~約250μg、約75μg~約100μg、約75μg~約125μg、約75μg~約150μg、約75μg~約175μg、約75μg~約200μg、約75μg~約225μg、または約75μg~約250μgの量のAREを含む。
【0073】
この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、約100μg~約125μg、約100μg~約150μg、約100μg~約175μg、約100μg~約200μg、約100μg~約225μg、約100μg~約250μg、約100μg~約275μg、約100μg~約300μg、約100μg~約325μg、約100μg~約350μg、約100μg~約375μg、約100μg~約400μg、約100μg~約425μg、約100μg~約450μg、約100μg~約475μg、約100μg~約500μg、約100μg~約525μg、約100μg~約550μg、約100μg~約575μg、約100μg~約600μg、約125μg~約150μg、約125μg~約175μg、約125μg~約200μg、約125μg~約225μg、約125μg~約250μg、約125μg~約275μg、約125μg~約300μg、約125μg~約325μg、約125μg~約350μg、約125μg~約375μg、約125μg~約400μg、約125μg~約425μg、約125μg~約450μg、約125μg~約475μg、約125μg~約500μg、約125μg~約525μg、約125μg~約550μg、約125μg~約575μg、約125μg~約600μg、約150μg~約175μg、約150μg~約200μg、約150μg~約225μg、約150μg~約250μg、約150μg~約275μg、約150μg~約300μg、約150μg~約325μg、約150μg~約350μg、約150μg~約375μg、約150μg~約400μg、約150μg~約425μg、約150μg~約450μg、約150μg~約475μg、約150μg~約500μg、約150μg~約525μg、約150μg~約550μg、約150μg~約575μg、約150μg~約600μg、約200μg~約225μg、約200μg~約250μg、約200μg~約275μg、約200μg~約300μg、約200μg~約325μg、約200μg~約350μg、約200μg~約375μg、約200μg~約400μg、約200μg~約425μg、約200μg~約450μg、約200μg~約475μg、約200μg~約500μg、約200μg~約525μg、約200μg~約550μg、約200μg~約575μg、約200μg~約600μg、約200μg~約625μg、約200μg~約650μg、約200μg~約675μg、約200μg~約700μg、約200μg~約725μg、約200μg~約750μg、約200μg~約775μg、約200μg~約800μg、約200μg~約825μg、約200μg~約850μg、約200μg~約875μg、約200μg~約900μg、約200μg~約925μg、約200μg~約950μg、約200μg~約975μg、または約200μg~約1,000μgの量のAREを含む。
【0074】
この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、約250μg~約275μg、約250μg~約300μg、約250μg~約325μg、約250μg~約350μg、約250μg~約375μg、約250μg~約400μg、約250μg~約425μg、約250μg~約450μg、約250μg~約475μg、約250μg~約500μg、約250μg~約525μg、約250μg~約550μg、約250μg~約575μg、約250μg~約600μg、約250μg~約625μg、約250μg~約650μg、約250μg~約675μg、約250μg~約700μg、約250μg~約725μg、約250μg~約750μg、約250μg~約775μg、約250μg~約800μg、約250μg~約825μg、約250μg~約850μg、約250μg~約875μg、約250μg~約900μg、約250μg~約925μg、約250μg~約950μg、約250μg~約975μg、約250μg~約1,000μg、約300μg~約325μg、約300μg~約350μg、約300μg~約375μg、約300μg~約400μg、約300μg~約425μg、約300μg~約450μg、約300μg~約475μg、約300μg~約500μg、約300μg~約525μg、約300μg~約550μg、約300μg~約575μg、約300μg~約600μg、約300μg~約625μg、約300μg~約650μg、約300μg~約675μg、約300μg~約700μg、約300μg~約725μg、約300μg~約750μg、約300μg~約775μg、約300μg~約800μg、約300μg~約825μg、約300μg~約850μg、約300μg~約875μg、約300μg~約900μg、約300μg~約925μg、約300μg~約950μg、約300μg~約975μg、約300μg~約1,000μg、約400μg~約425μg、約400μg~約450μg、約400μg~約475μg、約400μg~約500μg、約400μg~約525μg、約400μg~約550μg、約400μg~約575μg、約400μg~約600μg、約400μg~約625μg、約400μg~約650μg、約400μg~約675μg、約400μg~約700μg、約400μg~約725μg、約400μg~約750μg、約400μg~約775μg、約400μg~約800μg、約400μg~約825μg、約400μg~約850μg、約400μg~約875μg、約400μg~約900μg、約400μg~約925μg、約400μg~約950μg、約400μg~約975μg、または約400μg~約1,000μgの量のAREを含む。
【0075】
この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、約500μg~約525μg、約500μg~約550μg、約500μg~約575μg、約500μg~約600μg、約500μg~約625μg、約500μg~約650μg、約500μg~約675μg、約500μg~約700μg、約500μg~約725μg、約500μg~約750μg、約500μg~約775μg、約500μg~約800μg、約500μg~約825μg、約500μg~約850μg、約500μg~約875μg、約500μg~約900μg、約500μg~約925μg、約500μg~約950μg、約500μg~約975μg、約500μg~約1,000μg、約600μg~約625μg、約600μg~約650μg、約600μg~約675μg、約600μg~約700μg、約600μg~約725μg、約600μg~約750μg、約600μg~約775μg、約600μg~約800μg、約600μg~約825μg、約600μg~約850μg、約600μg~約875μg、約600μg~約900μg、約600μg~約925μg、約600μg~約950μg、約600μg~約975μg、約600μg~約1,000μg、約700μg~約725μg、約700μg~約750μg、約700μg~約775μg、約700μg~約800μg、約700μg~約825μg、約700μg~約850μg、約700μg~約875μg、約700μg~約900μg、約700μg~約925μg、約700μg~約950μg、約700μg~約975μg、約700μg~約1,000μg、約800μg~約825μg、約800μg~約850μg、約800μg~約875μg、約800μg~約900μg、約800μg~約925μg、約800μg~約950μg、約800μg~約975μg、または約800μg~約1,000μgの量のAREを含む。
【0076】
この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、560mg、約570mg、約580mg、約590mg、約600mg、約610mg、約620mg、約630mg、約640mg、約650mg、660mg、約670mg、約680mg、約690mg、約700mg、約710mg、約720mg、約730mg、約740mg、約750mg、760mg、約770mg、約780mg、約790mg、約800mg、約810mg、約820mg、約830mg、約840mg、約850mg、860mg、約870mg、約880mg、約890mg、約900mg、約910mg、約920mg、約930mg、約940mg、約950mg、960mg、約970mg、約980mg、約990mg、または約1,000mgの量のAREを含む。
【0077】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも4mg、少なくとも5mg、少なくとも6mg、少なくとも7mg、少なくとも8mg、少なくとも9mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも110mg、少なくとも120mg、少なくとも130mg、少なくとも140mg、少なくとも150mg、少なくとも160mg、少なくとも170mg、少なくとも180mg、少なくとも190mg、少なくとも200mg、少なくとも210mg、少なくとも220mg、少なくとも230mg、少なくとも240mg、少なくとも250mg、260mg、少なくとも270mg、少なくとも280mg、少なくとも290mg、少なくとも300mg、少なくとも310mg、少なくとも320mg、少なくとも330mg、少なくとも340mg、少なくとも350mg、360mg、少なくとも370mg、少なくとも380mg、少なくとも390mg、少なくとも400mg、少なくとも410mg、少なくとも420mg、少なくとも430mg、少なくとも440mg、少なくとも450mg、460mg、少なくとも470mg、少なくとも480mg、少なくとも490mg、少なくとも500mg、少なくとも510mg、少なくとも520mg、少なくとも530mg、少なくとも540mg、少なくとも550mg、560mg、少なくとも570mg、少なくとも580mg、少なくとも590mg、少なくとも600mg、少なくとも610mg、少なくとも620mg、少なくとも630mg、少なくとも640mg、少なくとも650mg、660mg、少なくとも670mg、少なくとも680mg、少なくとも690mg、少なくとも700mg、少なくとも710mg、少なくとも720mg、少なくとも730mg、少なくとも740mg、少なくとも750mg、760mg、少なくとも770mg、少なくとも780mg、少なくとも790mg、少なくとも800mg、少なくとも810mg、少なくとも820mg、少なくとも830mg、少なくとも840mg、少なくとも850mg、860mg、少なくとも870mg、少なくとも880mg、少なくとも890mg、少なくとも900mg、少なくとも910mg、少なくとも920mg、少なくとも930mg、少なくとも940mg、少なくとも950mg、960mg、少なくとも970mg、少なくとも980mg、少なくとも990mg、または少なくとも1,000mgの量のAREを含む。
【0078】
この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、最大で1mg、最大で2mg、最大で3mg、最大で4mg、最大で5mg、最大で6mg、最大で7mg、最大で8mg、最大で9mg、最大で10mg、最大で15mg、最大で20mg、最大で25mg、最大で30mg、最大で35mg、最大で40mg、最大で45mg、最大で50mg、最大で55mg、最大で60mg、最大で65mg、最大で70mg、最大で75mg、最大で80mg、最大で85mg、最大で90mg、最大で95mg、最大で100mg、最大で110mg、最大で120mg、最大で130mg、最大で140mg、最大で150mg、最大で160mg、最大で170mg、最大で180mg、最大で190mg、最大で200mg、最大で210mg、最大で220mg、最大で230mg、最大で240mg、最大で250mg、260mg、最大で270mg、最大で280mg、最大で290mg、最大で300mg、最大で310mg、最大で320mg、最大で330mg、最大で340mg、最大で350mg、360mg、最大で370mg、最大で380mg、最大で390mg、最大で400mg、最大で410mg、最大で420mg、最大で430mg、最大で440mg、最大で450mg、460mg、最大で470mg、最大で480mg、最大で490mg、最大で500mg、最大で510mg、最大で520mg、最大で530mg、最大で540mg、最大で550mg、560mg、最大で570mg、最大で580mg、最大で590mg、最大で600mg、最大で610mg、最大で620mg、最大で630mg、最大で640mg、最大で650mg、660mg、最大で670mg、最大で680mg、最大で690mg、最大で700mg、最大で710mg、最大で720mg、最大で730mg、最大で740mg、最大で750mg、760mg、最大で770mg、最大で780mg、最大で790mg、最大で800mg、最大で810mg、最大で820mg、最大で830mg、最大で840mg、最大で850mg、860mg、最大で870mg、最大で880mg、最大で890mg、最大で900mg、最大で910mg、最大で920mg、最大で930mg、最大で940mg、最大で950mg、960mg、最大で970mg、最大で980mg、最大で990mg、または最大で1,000mgの量のAREを含む。
【0079】
この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、約1mg~約10mg、約1mg~約20mg、約1mg~約30mg、約1mg~約40mg、約1mg~約50mg、約1mg~約60mg、約1mg~約70mg、約1mg~約80mg、約1mg~約90mg、約1mg~約100mg、約1mg~約110mg、約1mg~約120mg、約1mg~約130mg、約1mg~約140mg、約1mg~約150mg、約5mg~約10mg、約5mg~約20mg、約5mg~約30mg、約5mg~約40mg、約5mg~約50mg、約5mg~約60mg、約5mg~約70mg、約5mg~約80mg、約5mg~約90mg、約5mg~約100mg、約5mg~約110mg、約5mg~約120mg、約5mg~約130mg、約5mg~約140mg、約5mg~約150mg、約10mg~約20mg、約10mg~約30mg、約10mg~約40mg、約10mg~約50mg、約10mg~約60mg、約10mg~約70mg、約10mg~約80mg、約10mg~約90mg、約10mg~約100mg、約10mg~約110mg、約10mg~約120mg、約10mg~約130mg、約10mg~約140mg、約10mg~約150mg、約10mg~約175mg、約10mg~約200mg、約10mg~約225mg、約10mg~約250mg、約25mg~約50mg、約25mg~約75mg、約25mg~約100mg、約25mg~約125mg、約25mg~約150mg、約25mg~約175mg、約25mg~約200mg、約25mg~約225mg、約25mg~約250mg、約50mg~約75mg、約50mg~約100mg、約50mg~約125mg、約50mg~約150mg、約50mg~約175mg、約50mg~約200mg、約50mg~約225mg、約50mg~約250mg、約75mg~約100mg、約75mg~約125mg、約75mg~約150mg、約75mg~約175mg、約75mg~約200mg、約75mg~約225mg、または約75mg~約250mgの量のAREを含む。
【0080】
この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、約100mg~約125mg、約100mg~約150mg、約100mg~約175mg、約100mg~約200mg、約100mg~約225mg、約100mg~約250mg、約100mg~約275mg、約100mg~約300mg、約100mg~約325mg、約100mg~約350mg、約100mg~約375mg、約100mg~約400mg、約100mg~約425mg、約100mg~約450mg、約100mg~約475mg、約100mg~約500mg、約100mg~約525mg、約100mg~約550mg、約100mg~約575mg、約100mg~約600mg、約125mg~約150mg、約125mg~約175mg、約125mg~約200mg、約125mg~約225mg、約125mg~約250mg、約125mg~約275mg、約125mg~約300mg、約125mg~約325mg、約125mg~約350mg、約125mg~約375mg、約125mg~約400mg、約125mg~約425mg、約125mg~約450mg、約125mg~約475mg、約125mg~約500mg、約125mg~約525mg、約125mg~約550mg、約125mg~約575mg、約125mg~約600mg、約150mg~約175mg、約150mg~約200mg、約150mg~約225mg、約150mg~約250mg、約150mg~約275mg、約150mg~約300mg、約150mg~約325mg、約150mg~約350mg、約150mg~約375mg、約150mg~約400mg、約150mg~約425mg、約150mg~約450mg、約150mg~約475mg、約150mg~約500mg、約150mg~約525mg、約150mg~約550mg、約150mg~約575mg、約150mg~約600mg、約200mg~約225mg、約200mg~約250mg、約200mg~約275mg、約200mg~約300mg、約200mg~約325mg、約200mg~約350mg、約200mg~約375mg、約200mg~約400mg、約200mg~約425mg、約200mg~約450mg、約200mg~約475mg、約200mg~約500mg、約200mg~約525mg、約200mg~約550mg、約200mg~約575mg、約200mg~約600mg、約200mg~約625mg、約200mg~約650mg、約200mg~約675mg、約200mg~約700mg、約200mg~約725mg、約200mg~約750mg、約200mg~約775mg、約200mg~約800mg、約200mg~約825mg、約200mg~約850mg、約200mg~約875mg、約200mg~約900mg、約200mg~約925mg、約200mg~約950mg、約200mg~約975mg、または約200mg~約1,000mgの量のAREを含む。
【0081】
この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、約250mg~約275mg、約250mg~約300mg、約250mg~約325mg、約250mg~約350mg、約250mg~約375mg、約250mg~約400mg、約250mg~約425mg、約250mg~約450mg、約250mg~約475mg、約250mg~約500mg、約250mg~約525mg、約250mg~約550mg、約250mg~約575mg、約250mg~約600mg、約250mg~約625mg、約250mg~約650mg、約250mg~約675mg、約250mg~約700mg、約250mg~約725mg、約250mg~約750mg、約250mg~約775mg、約250mg~約800mg、約250mg~約825mg、約250mg~約850mg、約250mg~約875mg、約250mg~約900mg、約250mg~約925mg、約250mg~約950mg、約250mg~約975mg、約250mg~約1,000mg、約300mg~約325mg、約300mg~約350mg、約300mg~約375mg、約300mg~約400mg、約300mg~約425mg、約300mg~約450mg、約300mg~約475mg、約300mg~約500mg、約300mg~約525mg、約300mg~約550mg、約300mg~約575mg、約300mg~約600mg、約300mg~約625mg、約300mg~約650mg、約300mg~約675mg、約300mg~約700mg、約300mg~約725mg、約300mg~約750mg、約300mg~約775mg、約300mg~約800mg、約300mg~約825mg、約300mg~約850mg、約300mg~約875mg、約300mg~約900mg、約300mg~約925mg、約300mg~約950mg、約300mg~約975mg、約300mg~約1,000mg、約400mg~約425mg、約400mg~約450mg、約400mg~約475mg、約400mg~約500mg、約400mg~約525mg、約400mg~約550mg、約400mg~約575mg、約400mg~約600mg、約400mg~約625mg、約400mg~約650mg、約400mg~約675mg、約400mg~約700mg、約400mg~約725mg、約400mg~約750mg、約400mg~約775mg、約400mg~約800mg、約400mg~約825mg、約400mg~約850mg、約400mg~約875mg、約400mg~約900mg、約400mg~約925mg、約400mg~約950mg、約400mg~約975mg、または約400mg~約1,000mgの量のAREを含む。
【0082】
この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、約500mg~約525mg、約500mg~約550mg、約500mg~約575mg、約500mg~約600mg、約500mg~約625mg、約500mg~約650mg、約500mg~約675mg、約500mg~約700mg、約500mg~約725mg、約500mg~約750mg、約500mg~約775mg、約500mg~約800mg、約500mg~約825mg、約500mg~約850mg、約500mg~約875mg、約500mg~約900mg、約500mg~約925mg、約500mg~約950mg、約500mg~約975mg、約500mg~約1,000mg、約600mg~約625mg、約600mg~約650mg、約600mg~約675mg、約600mg~約700mg、約600mg~約725mg、約600mg~約750mg、約600mg~約775mg、約600mg~約800mg、約600mg~約825mg、約600mg~約850mg、約600mg~約875mg、約600mg~約900mg、約600mg~約925mg、約600mg~約950mg、約600mg~約975mg、約600mg~約1,000mg、約700mg~約725mg、約700mg~約750mg、約700mg~約775mg、約700mg~約800mg、約700mg~約825mg、約700mg~約850mg、約700mg~約875mg、約700mg~約900mg、約700mg~約925mg、約700mg~約950mg、約700mg~約975mg、約700mg~約1,000mg、約800mg~約825mg、約800mg~約850mg、約800mg~約875mg、約800mg~約900mg、約800mg~約925mg、約800mg~約950mg、約800mg~約975mg、または約800mg~約1,000mgの量のAREを含む。
【0083】
本明細書で開示の医薬組成物は、必要に応じ、AREの薬学的に許容可能な組成物に処理することを容易にする薬学的に許容可能な担体を含むことができる。「薬学的に許容可能な担体」という用語は「薬学的担体」と同義であり、投与された場合に長期的または永続的な有害作用を実質的に有さない任意の担体を意味し、薬学的に許容可能なビークル、安定化剤、希釈剤、添加剤、補助剤、または賦形剤などの用語を包含する。一般的にこのような担体は、活性化合物と混合されるか、または活性化合物を希釈もしくは封入可能であり、固形剤、半固形剤、または液剤であり得る。有効成分は所望の担体または希釈剤中に溶解するか、またはそれを用いた懸濁剤として送達できることが理解されよう。
【0084】
一実施形態では、ただ1種の薬学的に許容可能な担体が本明細書で開示の組成物中に存在する。別の実施形態では、複数の薬学的に許容可能な担体が本明細書で開示の組成物中に存在する。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、1種以上、2種以上、3種以上、4種以上または5種以上の薬学的に許容可能な担体を含む。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、1種のみ、最大で2種、最大で3種、最大で4種、または最大で5種の薬学的に許容可能な担体を含む。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、1~2種、1~3種、1~4種、1~5種、2~3種、2~4種、2~5種、3~4種、3~5種または4~5種の薬学的に許容可能な担体を含む。
【0085】
別の実施形態では、本明細書で開示の組成物は、本明細書で開示の医薬組成物に対し、所望の処方上の効果または有益な効果を与える一定量の薬学的に許容可能な担体を含む。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、組成物の少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%または少なくとも99重量%の量の薬学的に許容可能な担体を含む。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、組成物の最大で25重量%、最大で30重量%、最大で35重量%、最大で40重量%、最大で45重量%、最大で50重量%、最大で55重量%、最大で60重量%、最大で65重量%、最大で70重量%、最大で75重量%、最大で80重量%、最大で85重量%、最大で90重量%、最大で95重量%、最大で96重量%、最大で97重量%、最大で98重量%または最大で99重量%の量の薬学的に許容可能な担体を含む。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の組成物は、例えば、組成物の約25重量%~約50重量%、約25重量%~約75重量%、約25重量%~約90重量%、約25重量%~約95重量%、約25重量%~約96重量%、約25重量%~約97重量%、約25重量%~約98重量%、約25重量%~約99重量%、約50重量%~約75重量%、約50重量%~約90重量%、約50重量%~約95重量%、約50重量%~約96重量%、約50重量%~約97重量%、約50重量%~約98重量%、約50重量%~約99重量%、約75重量%~約80重量%、約75重量%~約85重量%、約75重量%~約90重量%、約75重量%~約95重量%、約75重量%~約96重量%、約75重量%~約97重量%、約75重量%~約98重量%、約75重量%~約99重量%、約80重量%~約85重量%、約80重量%~約90重量%、約80重量%~約95重量%、約80重量%~約96重量%、約80重量%~約97重量%、約80重量%~約98重量%、約80重量%~約99重量%、約85重量%~約90重量%、約85重量%~約95重量%、約85重量%~約96重量%、約85重量%~約97重量%、約85重量%~約98重量%、約85重量%~約99重量%、約90重量%~約95重量%、約90重量%~約96重量%、約90重量%~約97重量%、約90重量%~約98重量%、約90重量%~約99重量%、または約95重量%~約99重量%の量の薬学的に許容可能な担体を含む。
【0086】
本明細書で開示の医薬組成物は、限定されないが、緩衝剤、防腐剤、張度調節剤、塩、抗酸化剤、浸透圧調節剤、生理的物質、薬理学的物質、増量剤、粘性剤、界面活性剤、乳化剤、湿潤剤、甘味料または香味料などを含む1種または複数の薬学的に許容可能な成分(または医薬成分)をさらに含み得る。得られる調製物が薬学的に許容可能なものとなることを条件として、様々な緩衝剤およびpH調節手段を使用して、本明細書で開示の医薬組成物を調製できる。このような緩衝剤としては、限定されないが、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、中性緩衝食塩水、リン酸緩衝食塩水、およびホウ酸緩衝液が挙げられる。組成物のpHを調節するために、必要に応じて、酸または塩基を使用できることは理解されよう。薬学的に許容可能な抗酸化剤としては、限定されないが、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチルヒドロキシアニソール、およびブチルヒドロキシトルエンが挙げられる。有用な防腐剤としては、限定されないが、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、クロルヘキシジン、チメロサール;例えば、メチル-、プロピル-、またはブチル-p-ヒドロキシ安息香酸などのp-ヒドロキシ安息香酸;例えば、硝酸塩、塩酸塩、酢酸塩、およびホウ酸塩などのフェニル水銀塩;例えば、PURITE(登録商標)などの安定化オキシクロロ組成物;および例えば、EDTA、DTPAまたはDTPA-ビスアミド、カルシウムDTPA、およびCaNaDTPA-ビスアミドなどのキレート剤が挙げられる。医薬組成物に有用な張度調節剤としては、例えば、限定されないが、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩;マンニトールまたはグリセリン、およびその他の薬学的に許容可能な張度調節剤が挙げられる。医薬組成物に有用な増量剤または粘性剤としては、限定されないが、ポリサッカライド、例えば、メチルセルロース;ムコ多糖、例えば、ヒアルロン酸;およびコンドロイチン硫酸;または多価アルコール、例えば、ポリビニルアルコールが挙げられる。種々の徐放ゲルおよびマトリックスもまた採用し得、また、例えば、インサイツゲルを形成する物質をベースにした可溶性および不溶性の眼球インサートも同様に採用し得る。医薬組成物は塩として提供してもよく、限定されないが、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸などを含む多くの酸を使って形成することができる。塩は、対応する遊離塩基型と比較して、水性溶媒またはその他のプロトン性溶媒への可溶性がより高い傾向がある。薬理学の分野で既知のこれらの物質および他の物質を医薬組成物に含めることができることが理解されよう。
【0087】
本明細書で開示の医薬組成物は、所望の有益な効果を達成するように、本明細書で開示のAREの局所投与を可能とする任意の形態に処方できる。局所投与は、好適な医薬担体に組み込まれ、局所作用を発揮するために、皮膚および/または薄毛または禿頭症の部位に適用される、少なくとも本明細書で記載のAREの使用を意味する。したがって、このような局所用組成物は、少なくとも1種のAREが、治療される皮膚表面との直接接触により外部的に適用される、これらの剤型を含む。
【0088】
一実施形態では、本明細書で開示の組成物は、例えば、単相製剤または媒質相および分散相を含む二相性製剤に処方できる。別の実施形態では、本明細書で開示の組成物は、例えば、液体組成物、コロイド状組成物、半固体組成物、または固体組成物に処方できる。別の実施形態では、本明細書で開示の組成物は、例えば、液体エアロゾル、発泡体、乳剤、ゲル、ゾル、または固体ゾルに処方できる。別の実施形態では、本明細書で開示の組成物は、例えば、噴霧剤、液体エアロゾル、洗浄剤、アフターシェーブローション、芳香剤、ローション、クリーム、膏薬、ワキシング組成物、ムース、シャンプー、コンディショナー、軟膏、塗布薬、ペースト、ゼリー、セッケン、懸濁剤、または皮膚軟化剤に処方できる。持続放出送達用の種々のゲルおよびマトリックスも採用し得、さらに、例えば、インサイツゲルを形成する物質をベースにした可溶性および不溶性の眼球インサートも同様に採用し得る。
【0089】
一実施形態では、本明細書で開示の医薬組成物は、皮膚科学的に適合性のあるビークルまたは担体と混合される。組成物の調製に用い得るビークルは、例えば、生理食塩水、油剤または軟膏などの水溶液を含み得る。ビークルは、皮膚科学的に適合性のある、例えば、塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤;例えば、ポリソルベート80のような界面活性剤;リポソームまたはポリマー、例えば、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびヒアルロン酸(これらは、粘度を高めるために使用し得る)をさらに含み得る。さらに、薬物が投与される場合、可溶性または不溶性の薬物インサートを使用することも可能である。
【0090】
一実施形態では、本明細書で開示の医薬組成物は、0.1%~10%の本明細書で開示の化合物、20%~40%の変性アルコール、40%~60%のイソプロピルミリステート、および10%~30%のトランスクトールを含む。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示の医薬組成物は、0.25%~8%の本明細書で開示の化合物、23%~37%の変性アルコール、43%~57%のイソプロピルミリステート、および13%~27%のトランスクトールを含む。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の医薬組成物は、0.5%~5%の本明細書で開示の化合物、25%~35%の変性アルコール、45%~55%のイソプロピルミリステート、および15%~25%のトランスクトールを含む。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の医薬組成物は、0.75%~3%の本明細書で開示の化合物、27%~32%の変性アルコール、47%~52%のイソプロピルミリステート、および17%~22%のトランスクトールを含む。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の医薬組成物は、1%~2%の本明細書で開示の化合物、29%~31%の変性アルコール、48%~50%のイソプロピルミリステート、および19%~21%のトランスクトールを含む。
【0091】
一実施形態では、本明細書で開示の医薬組成物は、0.1%~10%の化合物37~52のいずれか1種、またはこれらの任意の組み合わせ、20%~40%の変性アルコール、40%~60%のイソプロピルミリステート、および10%~30%のトランスクトールを含む。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示の医薬組成物は、0.25%~8%の化合物37~52のいずれか1種、またはこれらの任意の組み合わせ、23%~37%の変性アルコール、43%~57%のイソプロピルミリステート、および13%~27%のトランスクトールを含む。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示の医薬組成物は、0.5%~5%の化合物37~52のいずれか1種、またはこれらの任意の組み合わせ、25%~35%の変性アルコール、45%~55%のイソプロピルミリステート、および15%~25%のトランスクトールを含む。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の医薬組成物は、0.75%~3%の化合物37~52のいずれか1種、またはこれらの任意の組み合わせ、27%~32%の変性アルコール、47%~52%のイソプロピルミリステート、および17%~22%のトランスクトールを含む。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示の医薬組成物は、1%~2%の化合物37~52のいずれか1種、またはこれらの任意の組み合わせ、29%~31%の変性アルコール、48%~50%のイソプロピルミリステート、および19%~21%のトランスクトールを含む。
【0092】
一実施形態では、本明細書で開示の医薬組成物は、組成物を分注するのに好適する容器に入れることができる。容器は、バイアル、ボトル、チューブなどであり得る。特定の実施形態では、容器は、その中にある組成物を放出するために圧搾できる。容器は蓋を有することができ、これは、パチンとはめる、ねじる、などで開閉し得る。容器は、その中の組成物が無菌状態で維持される必要がある。特定の実施形態では、容器は、開口までは安全な密封状態である。一実施形態では、容器は、約1mL~約50mLの本明細書で開示の組成物を保持し得る。この実施形態のいくつかの態様では、容器は、例えば、1mL~5mL、1mL~10mL、1mL~15mL、1mL~20mL、1mL~25mL、1mL~30mL、1mL~35mL、1mL~40mL、1mL~45mL、1mL~50mL、2mL~5mL、2mL~10mL、2mL~15mL、2mL~20mL、2mL~25mL、2mL~30mL、2mL~35mL、2mL~40mL、2mL~45mL、2mL~50mL、3mL~5mL、3mL~10mL、3mL~15mL、3mL~20mL、3mL~25mL、3mL~30mL、3mL~35mL、3mL~40mL、3mL~45mL、3mL~50mL、5mL~10mL、5mL~15mL、5mL~20mL、5mL~25mL、5mL~30mL、5mL~35mL、5mL~40mL、5mL~45mL、5mL~50mL、10mL~20ml、10mL~30mL、10mL~40mL、10mL~50mL、20mL~30mL、20mL~40mL、20mL~50mL、30mL~40mL、30mL~50mL、または40mL~50mLを保持し得る。
【0093】
本明細書で開示の医薬組成物は、キットで提供できる。キットは、1つまたは複数の塗布用ブラシ、多孔性発泡体の綿棒またはパッド、中空チューブ、ディップスティック、またはこれらの組み合わせを有する送達システムを含む。特定の実施形態では、送達システムは、潤滑性強化剤でコートしたフィラメントを有する複数の塗布用ブラシを含む。潤滑性強化剤は、ブラシからの組成物の放出を制御するように、すなわち、組成物が皮膚表面と接触するまでブラシから放出されないように、また、治療的に適切な量の組成物がブラシから皮膚表面上に放出される放出速度になるように、フィラメント上にコートされるポリマーであり得る。キットの塗布用ブラシは、育毛強化組成物を目的の部位、すなわち、少なくとも1つの皮膚領域に適用するのに有用である。キット中に複数の塗布用ブラシが存在してもよい。例えば、30日塗布キットでは、1回の適用当たり、各眼に1回の塗布が30日間行えるように、60個の塗布具が存在し得る。あるいは、キット当たり、2、10、20、30、40、50、60、90、120個などの塗布具が存在し得る。キット中の、塗布用ブラシは、個別に、または2個以上のセットで包装され得る。塗布用ブラシは、使用するまで無菌のままであるように包装される。特定の実施形態では、塗布用ブラシは、プラスチックシースで包装され得る。さらに、眼の汚染を防ぐために、1回だけ使用できる、使い捨て型の塗布具であるのが好ましい。
【0094】
キットはまた、一連の取扱説明書も含み得る。取扱説明書は、送達システムおよび育毛強化組成物の使用法、その使用頻度などの最終使用者に有用な情報を含み得る。
【0095】
キットの内容物、塗布用ブラシ、組成物の容器、および取扱説明書は、外側ケースに封入される。外側ケースは、箱、密閉バッグ、フォイルポーチなどであり得る。特定の実施形態では、送達システム、容器および取扱説明書は箱に封入される。キットの他の実施形態では、容器および取扱説明書は、第1のボックスに入れられ、送達システムは第2の箱に入れられ、第1と第2の箱は、第3の箱に一緒に入れられる。
【0096】
本明細書のいくつかの態様は、一部は、脱毛症を治療する方法を開示する。このような方法は、有効量の1種または複数の本明細書で開示のAREまたは医薬組成物を、脱毛症に関連する少なくとも1つの毛髪領域またはその一部分に投与することを含み、投与は、脱毛症に関連する属性の低減をもたらす。用語の「脱毛症(hair loss)」は、「脱毛症(alopecia)」と同義であり、皮膚表面からの毛の非存在または減少を意味し、これには、限定されないが、頭皮、顔面、顎髭、頭部、恥部、上唇、眉、および/または眼瞼からの脱毛が含まれる。
【0097】
本明細書のいくつかの態様は、一部は、毛髪菲薄化を治療する方法を開示する。このような方法は、有効量の1種または複数の本明細書で開示のAREまたは医薬組成物を、毛髪菲薄化に関連する少なくとも1つの毛髪領域またはその一部分に投与することを含み、投与は、毛髪菲薄化に関連する属性の低減をもたらす。用語の「毛髪菲薄化」は、全く毛髪産生がないのではなく、長さが短く、直径が小さく、色が薄く、およびより脆い毛髪を毛包が産生する加齢性状態を意味する。毛髪菲薄化は、各毛髪の毛幹の長さが短く、直径が小さく(より微細)、着色がより少なく、および/またはより脆い状態である。従って、毛髪菲薄化は、毛包が毛幹産生を完全に停止している状態である脱毛症とは異なる。上記で考察したように、毛包は複雑なミニ器官である。しかし、全ての生体系と同様に、毛包の生物学的に活性な部分は、老化過程を経る。この老化過程は、1)毛包の底部の皮膚表面に向けて上方への移動、毛髪ケラチンの合成の低下、および色素沈着の減少を特徴とする。用語の「毛髪菲薄化」は、全く毛髪産生がないのではなく、長さが短く、直径が小さく、色が薄く、およびより脆い毛髪を毛包が産生する加齢性状態を意味する。まとめると、毛髪特性のこの加齢関連変化は、それ自身、毛髪菲薄化として顕在化する。薄毛は、米国で推定4千万人の男性、および2千5百万人の女性に生じている。脱毛症からの精神面での影響は、不安症、ストレス、うつ、および低い自己肯定感に繋がり得る。
【0098】
本明細書のいくつかの態様は、一部は、毛髪の色落ちを治療する方法を開示する。このような方法は、有効量の1種または複数の本明細書で開示のAREまたは医薬組成物を、毛髪の色落ちに関連する少なくとも1つの毛髪領域またはその一部分に投与することを含み、投与は、毛髪の色落ちに関連する属性の低減をもたらす。用語の「毛髪の色落ち」は、毛幹の色素沈着の低下を意味する。
【0099】
毛は、ヒトおよび動物を含む哺乳動物種の毛を含む。ヒトでは、毛は、頭皮、顔面、顎髭、頭部、恥部、上唇、眉、および眼瞼の毛を含む。動物では、毛は、身体の全表面の毛を含む。例えば、その毛皮用として飼育された動物、例えば、ミンク、チンチラ、キツネ、またはビーバーに対しては、化合物は身体の全表面に適用して、商業的な理由のために、全体の毛を改善することができる。このプロセスはまた、動物の美容的理由に対しても使用でき、例えば、疥癬または他の疾患により禿げ上がった部分を有するイヌおよびネコの皮膚に適用して、ある程度の毛の外観もたらすことができる。
【0100】
本明細書のいくつかの態様は、一部は、変性毛包障害に関連する状態を治療する方法を開示する。このような方法は、有効量の1種または複数の本明細書で開示のAREまたは医薬組成物を、変性毛包障害に関連する少なくとも1つの毛髪領域またはその一部分に投与することを含み、投与は、変性毛包障害に関連する属性の低減をもたらす。変性毛包障害は、毛包の機能または構造が時間と共に次第に劣化する状態である。変性毛包障害は、脱毛症、毛髪菲薄化、および/または毛髪の色落ちをもたらす。例えば、変性毛包障害は、瘢痕性脱毛症および非瘢痕性脱毛症を含む脱毛症を含む。
【0101】
この実施形態の一態様では、本明細書で開示の組成物は、個体に投与されて、脱毛症、毛髪菲薄化、毛髪の色落ち、新しい毛幹成長のない状態、毛幹成長速度の低下、毛幹直径(厚み)の減少、毛幹長さの短縮、毛髪密度の低下、毛幹のケラチン化の低下、脆性の増大、毛髪色素沈着の減少、毛幹の艶の低下、毛髪の健康の低下、毛包の成長期に存在する時間の短縮化、毛包の退行期に存在する時間の短縮化、毛包の休止期に存在する時間の短縮化、毛包からの毛幹の未成熟放出、毛包中での未成熟アポトーシス開始、硬毛の軟毛への未成熟変換に関連する変性毛包障害が治療される。
【0102】
脱毛症は、限定されないが、遺伝的要因、機能障害、遺伝性障害、毛幹の遺伝性素質または遺伝性皮膚症、過剰処理などの化学的破壊、または化学的弛緩剤の高頻度使用、ホットコームの反復使用による熱損傷、毛幹に対する牽引への長期曝露、髪の毛を抜く強迫症、物理的または心理的なストレスに起因する休止期脱毛、第二期梅毒は「虫食い脱毛」を生じ得る、円板状エリテマトーデスまたは慢性皮膚エリテマトーデス、扁平毛孔性苔癬、萎縮性脱毛症、房状毛嚢炎、解離性蜂巣炎、ムチン性脱毛症、脱毛性毛包性角化症魚鱗癬、化学療法剤、放射線療法およびテストステロン増強剤タブレットなどの特定の薬物由来の有害作用を含む多数の因子に起因し得る。脱毛は、癌の治療を受けている患者または細胞死滅、または細胞傷害性薬物が使用されているAIDSなどのその他の疾患に罹患している患者で高頻度に発生する。
【0103】
脱毛症は通常、瘢痕形成または非瘢痕形成として分類される。「瘢痕性脱毛症(alopecia cicatrisata)」または「瘢痕性脱毛症(cicatricial alopecia)」としても知られる瘢痕性脱毛症(Scarring alopecia)は、永久的で不可逆的毛包破壊ならびに瘢痕組織によるそれらの置換の可能性を有することを特徴とする脱毛症を意味する。瘢痕性脱毛症の非限定的例には、水疱症、化学的脱毛症、円板状エリテマトーデス、重度毛包炎、扁平毛孔性苔癬、解離性蜂巣炎、頭頂部遠心性瘢痕性脱毛症、閉経後前頭部線維化性脱毛症、ならびに腫瘍および皮膚派生物、例えば、脂腺母斑、基底細胞癌、および扁平上皮細胞癌が挙げられる。
【0104】
非瘢痕性脱毛症は、毛包の永久的破壊のない脱毛症を意味する。非瘢痕性脱毛症の非限定的例には、アナゲン脱毛、先天性脱毛、男性型脱毛症、円形脱毛症、先天性脱毛症、びまん性脱毛症、播種性脱毛、毛包性脱毛症、らい性脱毛、辺縁脱毛症、薬物性脱毛症、ムチン性脱毛症、神経性脱毛症、粃糠性脱毛症、初老性脱毛症、老人性脱毛症、症候性脱毛症、梅毒性脱毛症、全頭脱毛症、中毒性脱毛症、三角形脱毛症、先天性三角形脱毛症、汎発性脱毛症、毛包炎、禿髪性毛包炎、牽引性脱毛症、抜毛症、休止期脱毛、および遺伝性毛幹障害が挙げられる。
【0105】
ある実施形態では、本明細書で開示の医薬組成物を個体に投与して、瘢痕性脱毛症に関連する変性毛包障害を治療する。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示の組成物を個体に投与して、水疱症、化学的曝露、円板状エリテマトーデス、重度毛包炎、扁平毛孔性苔癬、解離性蜂巣炎、頭頂部遠心性瘢痕性脱毛症、閉経後前頭部線維化性脱毛症、腫瘍または皮膚派生物に関連する変性毛包障害を治療する。
【0106】
別の実施形態では、本明細書で開示の医薬組成物を個体に投与して、非瘢痕性脱毛症を治療する。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示の組成物を個体に投与して、アナゲン脱毛、先天性脱毛、男性型脱毛症、円形脱毛症、先天性脱毛症、びまん性脱毛症、播種性脱毛、毛嚢性脱毛症、らい性脱毛、辺縁脱毛症、薬物性脱毛症、ムチン性脱毛症、神経性脱毛症、粃糠性脱毛症、初老性脱毛症、老人性脱毛症、症候性脱毛症、梅毒性脱毛症、全頭脱毛症、中毒性脱毛症、三角形脱毛症、先天性三角形脱毛症、汎発性脱毛症、毛包炎、禿髪性毛包炎、牽引性脱毛症、抜毛症、休止期脱毛、および遺伝性毛幹障害に関連する変性毛包障害を治療する。
【0107】
この実施形態の別の態様では、個体の脱毛症に関連する変性毛包障害は、脱毛症に関連する属性を低減することにより治療される。この実施形態のいくつかの態様では、脱毛症に関連する属性の低減は、育毛速度を高めること、毛髪厚みを増やすこと、毛髪長さを伸ばすこと、毛髪密度を高めること、毛包当たりの毛髪産生数を増やすこと、毛髪色素沈着を増やすこと、毛髪の艶を高めること、中間体または軟毛を硬毛に変換すること、毛髪の健康を高めること、毛包が成長期段階に存在する時間を延長すること、毛包が退行期段階に残る時間を延長すること、毛包が休止期段階に残る時間を延長すること、毛包からの毛幹の放出を遅らせるまたは防止すること、または毛包でのアポトーシスの開始を遅らせるまたは防止すること、により達成される。
【0108】
この実施形態のいくつかの態様では、毛髪菲薄化に関連する変性毛包障害に関連する属性の低減は、育毛速度を高めること、毛髪厚みを増やすこと、毛髪長さを伸ばすこと、毛髪密度を高めること、毛包当たりの毛髪産生数を増やすこと、毛幹でのケラチン産生を増やすこと、毛幹色素沈着を増やすこと、毛幹の艶を高めること、中間体または軟毛を硬毛に変換すること、毛髪の健康を高めること、毛包が成長期段階に存在する時間を延長すること、毛包が退行期段階に残る時間を延長すること、または毛包が休止期段階に残る時間を延長すること、により達成される。
【0109】
ある実施形態では、本明細書で開示の医薬組成物を個体に投与して、毛髪の色落ちに関連する変性毛包障害を治療する。この実施形態の別の態様では、本明細書で開示の組成物を個体に投与して、毛幹の低下した色素沈着、メラニン産生の低減、アポトーシスまたはいずれか他の理由に関連するメラノサイトの死の増加に関連する変性毛包障害を治療する。
【0110】
この実施形態のいくつかの態様では、毛髪の色落ちに関連する変性毛包障害に関連する属性の低減は、毛幹の色素沈着を増やすこと、メラニン産生を増やすこと、毛髪の艶を高めること、中間体または軟毛を硬毛に変換すること、毛髪の健康を高めること、毛包が成長期段階に存在する時間を延長すること、毛包が退行期段階に残る時間を延長すること、毛包が休止期段階に残る時間を延長すること、メラノサイトの死を遅らせるまたは防止すること、または毛包でのアポトーシスの開始を遅らせるまたは防止すること、により達成される。
【0111】
本明細書のいくつかの態様は、一部は、毛髪の外観を改善する方法を開示する。このような方法は、有効量の1種または複数の本明細書で開示のAREまたは医薬組成物を、少なくとも1つの毛髪領域またはその一部分に投与することを含み、投与は、毛髪の外観の属性を改善する。この投与は、限定されないが、髪の長さの増大、毛髪の厚みの増大、新しい毛髪の発毛の増大、育毛速度の増大、毛髪数の増大、中間体毛髪の硬毛への変換の増大、毛髪密度の増大、毛包当たりの毛髪の数の増大、および/または毛髪色または黒色の増大を含む少なくとも1つの毛髪属性の改善をもたらす。
【0112】
本明細書のいくつかの態様は、一部は、皮膚状態、疾患または障害の治療方法を開示する。このような方法は、有効量の本明細書で開示のAREまたは医薬組成物を、皮膚状態、疾患または障害に関連する少なくとも1つの皮膚領域またはその一部分に投与することを含む。本明細書で使用される場合、「皮膚領域」という用語は、「表皮領域」と同義である。この実施形態のいくつかの態様では、皮膚状態、疾患または障害は、限定されないが、アクネ、過剰皮脂産生、創傷後瘢痕形成、多嚢胞性卵巣疾患に関連する皮膚科学的問題を含む。
【0113】
有効量(または治療有効量)の少なくとも1種の本明細書で開示のAREは、AR媒介シグナル伝達に関連する皮膚または毛髪の状態、障害または疾患の1つまたは複数の生理的状態、属性または症状を低減するまたは抑制するものである。有効量は、当業者により決定され得るが、用いられるARE、適用の頻度、および所望の結果に応じて、変化する。
【0114】
この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示の少なくとも1種のAREの治療有効量は、AR媒介シグナル伝達に関連する皮膚または毛髪の状態、障害または疾患の1つまたは複数の生理的状態、属性または症状を、例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも95%低減または抑制する。この実施形態のさらに他の態様では、治療有効量の少なくとも1種の化合物は、毛髪に関連する属性を、例えば、約10%~約100%、約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約10%~約60%、約10%~約50%、約10%~約40%、約20%~約100%、約20%~約90%、約20%~約80%、約20%~約70%、約20%~約60%、約20%~約50%、約20%~約40%、約30%~約100%、約30%~約90%、約30%~約80%、約30%~約70%、約30%~約60%、または約30%~約50%強化する。この実施形態のいくつかの態様では、治療有効量は、所望の治療効果を、例えば、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも7ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも11ヶ月間、または少なくとも12ヶ月間にわたり達成するのに十分な投与量である。
【0115】
この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示の治療有効量のAREは通常、約0.001mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲である。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、少なくとも0.001mg/kg/日、少なくとも0.01mg/kg/日、少なくとも0.1mg/kg/日、少なくとも1.0mg/kg/日、少なくとも5.0mg/kg/日、少なくとも10mg/kg/日、少なくとも15mg/kg/日、少なくとも20mg/kg/日、少なくとも25mg/kg/日、少なくとも30mg/kg/日、少なくとも35mg/kg/日、少なくとも40mg/kg/日、少なくとも45mg/kg/日、または少なくとも50mg/kg/日であり得る。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、最大で0.001mg/kg/日、最大で0.01mg/kg/日、最大で0.1mg/kg/日、最大で1.0mg/kg/日、最大で5.0mg/kg/日、最大で10mg/kg/日、最大で15mg/kg/日、最大で20mg/kg/日、最大で25mg/kg/日、最大で30mg/kg/日、最大で35mg/kg/日、最大で40mg/kg/日、最大で45mg/kg/日、または最大で50mg/kg/日であり得る。
【0116】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約0.001mg/kg/日~約10mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約15mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約20mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約25mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約30mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約35mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約40mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約45mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約50mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲であり得る。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約0.01mg/kg/日~約10mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約15mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約20mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約25mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約30mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約35mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約40mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約45mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約50mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲であり得る。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約0.1mg/kg/日~約10mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約15mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約20mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約25mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約30mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約35mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約40mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約45mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約50mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲であり得る。
【0117】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約1mg/kg/日~約10mg/kg/日、約1mg/kg/日~約15mg/kg/日、約1mg/kg/日~約20mg/kg/日、約1mg/kg/日~約25mg/kg/日、約1mg/kg/日~約30mg/kg/日、約1mg/kg/日~約35mg/kg/日、約1mg/kg/日~約40mg/kg/日、約1mg/kg/日~約45mg/kg/日、約1mg/kg/日~約50mg/kg/日、約1mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約1mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲であり得る。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約5mg/kg/日~約10mg/kg/日、約5mg/kg/日~約15mg/kg/日、約5mg/kg/日~約20mg/kg/日、約5mg/kg/日~約25mg/kg/日、約5mg/kg/日~約30mg/kg/日、約5mg/kg/日~約35mg/kg/日、約5mg/kg/日~約40mg/kg/日、約5mg/kg/日~約45mg/kg/日、約5mg/kg/日~約50mg/kg/日、約5mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約5mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲であり得る。
【0118】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は通常、約0.001mg/日~約100mg/日の範囲である。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、少なくとも0.001mg/日、少なくとも0.01mg/日、少なくとも0.1mg/日、少なくとも1.0mg/日、少なくとも5.0mg/日、少なくとも10mg/日、少なくとも15mg/日、少なくとも20mg/日、少なくとも25mg/日、少なくとも30mg/日、少なくとも35mg/日、少なくとも40mg/日、少なくとも45mg/日、または少なくとも50mg/日であり得る。この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、最大で0.001mg/日、最大で0.01mg/日、最大で0.1mg/日、最大で1.0mg/日、最大で5.0mg/日、最大で10mg/日、最大で15mg/日、最大で20mg/日、最大で25mg/日、最大で30mg/日、最大で35mg/日、最大で40mg/日、最大で45mg/日、または最大で50mg/日であり得る。
【0119】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約0.001mg/日~約10mg/日、約0.001mg/日~約15mg/日、約0.001mg/日~約20mg/日、約0.001mg/日~約25mg/日、約0.001mg/日~約30mg/日、約0.001mg/日~約35mg/日、約0.001mg/日~約40mg/日、約0.001mg/日~約45mg/日、約0.001mg/日~約50mg/日、約0.001mg/日~約75mg/日、または約0.001mg/日~約100mg/日の範囲であり得る。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約0.01mg/日~約10mg/日、約0.01mg/日~約15mg/日、約0.01mg/日~約20mg/日、約0.01mg/日~約25mg/日、約0.01mg/日~約30mg/日、約0.01mg/日~約35mg/日、約0.01mg/日~約40mg/日、約0.01mg/日~約45mg/日、約0.01mg/日~約50mg/日、約0.01mg/日~約75mg/日、または約0.01mg/日~約100mg/日の範囲であり得る。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約0.1mg/日~約10mg/日、約0.1mg/日~約15mg/日、約0.1mg/日~約20mg/日、約0.1mg/日~約25mg/日、約0.1mg/日~約30mg/日、約0.1mg/日~約35mg/日、約0.1mg/日~約40mg/日、約0.1mg/日~約45mg/日、約0.1mg/日~約50mg/日、約0.1mg/日~約75mg/日、または約0.1mg/日~約100mg/日の範囲であり得る。
【0120】
この実施形態の他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約1mg/日~約10mg/日、約1mg/日~約15mg/日、約1mg/日~約20mg/日、約1mg/日~約25mg/日、約1mg/日~約30mg/日、約1mg/日~約35mg/日、約1mg/日~約40mg/日、約1mg/日~約45mg/日、約1mg/日~約50mg/日、約1mg/日~約75mg/日、または約1mg/日~約100mg/日の範囲であり得る。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約5mg/日~約10mg/日、約5mg/日~約15mg/日、約5mg/日~約20mg/日、約5mg/日~約25mg/日、約5mg/日~約30mg/日、約5mg/日~約35mg/日、約5mg/日~約40mg/日、約5mg/日~約45mg/日、約5mg/日~約50mg/日、約5mg/日~約75mg/日、または約5mg/日~約100mg/日の範囲であり得る。
【0121】
投与量は一回用量または、累積投与量(逐次投与)であり得、これは、当業者により容易に決定できる。例えば、本明細書で開示の治療方法は、有効量の本明細書で開示のAREまたは医薬組成物の1回のみの投与を含み得る。非限定的例として、有効量の本明細書で開示のAREまたは医薬組成物は、例えば、単回注射または沈着として、個体に1回投与できる。あるいは、本明細書で開示の治療方法は、例えば、毎日、1日置き、2日置き、週1回、週複数回、月1回、月複数回、年1回または年複数回などの一定の期間の範囲にわたり実施される、有効量の本明細書で開示のAREまたは医薬組成物の複数の投与を含み得る。本明細書で開示の医薬組成物は、1日当たり複数回、例えば、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、または1日6回投与できる。投与のタイミングは、個体の症状の重症度などの因子に応じて、個体ごとに変わり得る。例えば、有効量の本明細書で開示のAREまたは医薬組成物は、不確定期間、または個体がそれ以上治療の必要がなくなるまで、例えば、少なくとも1週間、より好ましくは少なくとも1ヶ月間、より好ましくは少なくとも3ヶ月間、および最も好ましくは少なくとも6ヶ月間の治療期間にわたり、毎日1回~5回、個体に投与できる。当業者なら、治療の全過程にわたり個体の状態をモニターし、それに応じて投与する本明細書で開示の医薬組成物の有効量を調節できることをわかるであろう。
【0122】
この実施形態のいくつかの態様では、治療した領域の毛髪の長さが、未治療の領域に比べて、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%増加する。この実施形態のさらに他の態様では、毛髪長さが、未治療領域に比べて、例えば、約5%~約100%、約15%~約100%、約25%~約100%、約35%~約100%、または約45%~約100%増加する。この実施形態のさらに他の態様では、治療領域の毛髪長さが、未治療領域に比べて、例えば、約1mm~約500mm、約10mm~約500mm、または約100mm~約500mm増加する。この実施形態のさらなる態様では、治療領域の毛髪の長さが、未治療の領域に比べて、例えば、少なくとも1mm、少なくとも、2mm、少なくとも、3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、少なくとも8mm、少なくとも9mm、または少なくとも10mm増加する。
【0123】
この実施形態の他の態様では、治療領域の毛髪の厚みが、未治療の領域に比べて、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%増加する。この実施形態のさらに他の態様では、治療領域の毛髪厚みが、未治療領域に比べて、例えば、約5%~約100%、約15%~約100%、約25%~約100%、約35%~約100%、または約45%~約100%増加する。この実施形態のさらに他の態様では、治療領域の毛髪厚みが、未治療領域に比べて、例えば、約1μm2~約1mm2、約10μm2~約1mm2、約100μm2~約1mm2、または約100μm2~約2mm2増加する。この実施形態のさらなる態様では、治療領域の毛髪の厚みが、未治療の領域に比べて、例えば、少なくとも100μm2、少なくとも200μm2、少なくとも300μm2、少なくとも400μm2、少なくとも500μm2、少なくとも600μm2、少なくとも700μm2、少なくとも800μm2、少なくとも900μm2、少なくとも1mm2、少なくとも2mm2、または少なくとも3mm2増加する。
【0124】
この実施形態のいくつかの態様では、治療領域の新しい毛髪の成長が、未治療の領域に比べて、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%増加する。この実施形態の他の態様では、治療領域の新しい毛髪の成長が、未治療領域に比べて、例えば、約5%~約100%、約15%~約100%、約25%~約100%、約35%~約100%、または約45%~約100%増加する。
【0125】
この実施形態の他の態様では、治療領域の毛髪の成長速度が、未治療の領域に比べて、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%増加する。この実施形態のさらに他の態様では、治療領域の毛髪の成長速度が、未治療領域に比べて、例えば、約5%~約100%、約15%~約100%、約25%~約100%、約35%~約100%、または約45%~約100%増加する。
【0126】
この実施形態の他の態様では、治療領域の毛髪の数が、未治療の領域に比べて、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%増加する。この実施形態のさらに他の態様では、治療領域の毛髪の数が、未治療領域に比べて、例えば、約5%~約100%、約15%~約100%、約25%~約100%、約35%~約100%、または約45%~約100%増加する。
【0127】
この実施形態の他の態様では、治療領域の中間体毛髪から硬毛への変換が、未治療の領域に比べて、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%増加する。この実施形態のさらに他の態様では、治療領域の中間体毛髪の硬毛への変換が、未治療領域に比べて、例えば、約5%~約100%、約15%~約100%、約25%~約100%、約35%~約100%、または約45%~約100%増加する。
【0128】
この実施形態の他の態様では、治療領域の毛髪の密度が、未治療の領域に比べて、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%増加する。この実施形態のさらに他の態様では、治療領域の毛髪の密度が、未治療領域に比べて、例えば、約5%~約100%、約15%~約100%、約25%~約100%、約35%~約100%、または約45%~約100%増加する。
【0129】
この実施形態の他の態様では、治療領域の毛包当たりに産生される毛髪の数が、未治療の領域に比べて、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%増加する。この実施形態のさらに他の態様では、治療領域の毛包当たりに産生される毛髪の数が、未治療領域に比べて、例えば、約5%~約100%、約15%~約100%、約25%~約100%、約35%~約100%、または約45%~約100%増加する。この実施形態のさらに他の態様では、治療領域の毛包当たりに産生される毛髪の数が、未治療領域に比べて、例えば、2つ以上の毛幹/毛包、3つ以上の毛幹/毛包、4つ以上の毛幹/毛包、または5つ以上の毛幹/毛包だけ増加する。この実施形態のさらなる態様では、治療領域の毛包当たりに産生される毛髪の数が、未治療領域に比べて、例えば、2つの毛幹/毛包、3つの毛幹/毛包、4つの毛幹/毛包、または5つの毛幹/毛包だけ増加する。この実施形態のまたさらなる態様では、治療領域の毛包当たりに産生される毛髪の数が、未治療領域に比べて、例えば、2つ~5つの毛幹/毛包、3つ~5つの毛幹/毛包、2つ~4つの毛幹/毛包、または2つ~3つの毛幹/毛包だけ増加する。
【0130】
この実施形態の他の態様では、治療領域の毛髪色が、未治療の領域に比べて、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%強化される。この実施形態の他の態様では、治療領域の毛髪色が、未治療領域に比べて、例えば、約5%~約100%、約15%~約100%、約25%~約100%、約35%~約100%、または約45%~約100%強化される。
【0131】
この実施形態の他の態様では、治療領域の毛髪の色素沈着および/またはメラニン沈着が、未治療の領域に比べて、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%増加する。この実施形態の他の態様では、治療領域の毛髪の色素沈着および/またはメラニン沈着が、未治療領域に比べて、例えば、約5%~約100%、約15%~約100%、約25%~約100%、約35%~約100%、または約45%~約100%増加する。
【0132】
本明細書で開示の医薬組成物は、本明細書で開示の方法に従って、皮膚および/または薄毛または禿頭症の部位に適用できる。本明細書で開示の組成物の適用は、皮膚および/または薄毛または禿頭症の部位に、擦り込む、流し込む、散布する、または噴霧する、または他の方法で適用することにより、実施できる。本明細書で開示の医薬組成物は、例えば、包帯、布、ウェットペーパータオル、タオル、ミトン、手袋またはマスクなどの固体支持体中にまたはその上に組成物を導入または含浸した後、その組成物を皮膚および/または薄毛または禿頭症の部位に当てることにより、適用できる。本明細書で開示の医薬組成物は、例えば、エアロゾルディスペンサー、ポンプ噴霧器、トリガースプレー装置またはスクイーズボトルなどの送達装置を用いて、組成物を皮膚および/または薄毛または禿頭症の部位に塗布することにより、適用できる。
【0133】
本発明のいくつかの態様はまた、以下のように記載することができる:
1.本明細書で開示の式Iの化合物であって、式中、ARAはARアンタゴニストであり、Lはリンカー分子であり、EEはAR除去促進剤または除去エンハンサー成分である、化合物。
2.実施形態1に記載の化合物であって、ARアンタゴニストが、アパルタミド、ビカルタミド、カンレノン、酢酸クロルマジノン、シメチジン、化合物ARA1、酢酸シプロテロン、ドロスピレノン、エンザルタミド、フルタミド、ケトコナゾール、酢酸メゲストロール、メトキシベンジルラクタム、ニルタミド、RU58841、スピロノラクトン、またはトピルタミド(フルリジル)を含む、化合物。
3.実施形態1または2に記載の化合物であって、リンカー分子が本明細書で開示の式IIであり、式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立に、H、OH、COOH、NH
2、R
3OH、R
3COOH、OR
3OH、OR
3COOH、R
3NH(CO)R
4、R
3NH(CO)R
4OH、R
3NH(CO)R
4COOHであり;R
3およびR
4はそれぞれ独立に、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;nは0~10の任意の整数である、化合物。
4.実施形態3に記載の化合物であって、R
1およびR
2はそれぞれ独立に、H、OH、COOH、NH
2、R
3OH、R
3COOH、OR
3OH、OR
3COOH、R
3NH(CO)R
4、R
3NH(CO)R
4OH、またはR
3NH(CO)R
4COOHであり;R
3およびR
4はそれぞれ独立に、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;nは0~10の任意の整数である、化合物。
5.実施形態4に記載の化合物であって、R
1およびR
2はそれぞれ独立に、H、OH、COOH、NH
2、R
3OH、R
3COOH、OR
3OH、OR
3COOH、R
3NH(CO)R
4、R
3NH(CO)R
4OH、またはR
3NH(CO)R
4COOHであり;R
3およびR
4はそれぞれ独立に、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、またはC
2-4アルキニルであり;nは0~5の任意の整数である、化合物。
6.実施形態3に記載の化合物であって、R
1およびR
2はそれぞれ独立に、H、OH、COOH、NH
2、R
3OH、R
3COOH、OR
3OH、OR
3COOH、またはR
3NH(CO)R
4OHであり;R
3およびR
4はそれぞれ独立に、C
1-10アルキルであり;nは0~10の任意の整数である、化合物。
7.実施形態6に記載の化合物であって、R
1およびR
2はそれぞれ独立に、H、OH、COOH、NH
2、R
3OH、R
3COOH、OR
3OH、OR
3COOH、またはR
3NH(CO)R
4OHであり;R
3およびR
4はそれぞれ独立に、C
1-6アルキルであり;nは0~10の任意の整数である、化合物。
8.実施形態7に記載の化合物であって、R
1およびR
2はそれぞれ独立に、H、OH、COOH、NH
2、R
3OH、R
3COOH、OR
3OH、OR
3COOH、またはR
3NH(CO)R
4OHであり;R
3およびR
4はそれぞれ独立に、C
1-6アルキルであり;nは0~5の任意の整数である、化合物。
9.実施形態3に記載の化合物であって、R
1は、OH、COOH、NH
2、R
3OH、R
3COOH、またはR
3NH(CO)R
4OHであり;R
2は、OH、COOH、NH
2、R
3COOH、またはOR
3COOHであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立に、C
1-10アルキルであり;nは0~10の任意の整数である、化合物。
10.実施形態9に記載の化合物であって、R
1は、OH、COOH、NH
2、R
3OH、R
3COOH、またはR
3NH(CO)R
4OHであり;R
2は、OH、COOH、NH
2、R
3COOH、またはOR
3COOHであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立に、C
1-6アルキルであり;nは0~10の任意の整数である、化合物。
11.実施形態10に記載の化合物であって、R
1は、OH、COOH、NH
2、R
3OH、R
3COOH、またはR
3NH(CO)R
4OHであり;R
2は、OH、COOH、NH
2、R
3COOH、またはOR
3COOHであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立に、C
1-6アルキルであり;nは0~5の任意の整数である、化合物。
12.実施形態11に記載の化合物であって、R
1は、OH、R
3OH、R
3COOH、またはR
3NH(CO)R
4OHであり;R
2は、OH、COOH、NH
2、R
3COOH、またはOR
3COOHであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立に、C
1-6アルキルであり;nは0~5の任意の整数である、化合物。
13.実施形態12に記載の化合物であって、R
1は、OH、R
3OH、R
3COOH、またはR
3NH(CO)R
4OHであり;R
2は、OH、COOH、NH
2、R
3COOH、またはOR
3COOHであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立に、C
1-4アルキルであり;nは0~4の任意の整数である、化合物。
14.実施形態13に記載の化合物であって、R
1は、OH、C-C-OH、C-COOH、またはC-C-NH-CO-C-C-C-OHであり;R
2は、OH、COOH、NH
2、C-COOH、またはO-C-COOHであり;nは0~10の任意の整数である、化合物。
15.実施形態14に記載の化合物であって、R
1は、OH、C-C-OH、C-COOH、またはC-C-NH-CO-C-C-C-OHであり;R
2は、OH、COOH、NH
2、C-COOH、またはO-C-COOHであり;nは0~8の任意の整数である、化合物。
16.実施形態15に記載の化合物であって、R
1は、OH、C-C-OH、C-COOH、またはC-C-NH-CO-C-C-C-OHであり;R
2は、OH、COOH、NH
2、C-COOH、またはO-C-COOHであり;nは0~6の任意の整数である、化合物。
17.実施形態16に記載の化合物であって、R
1は、OH、C-C-OH、C-COOH、またはC-C-NH-CO-C-C-C-OHであり;R
2は、OH、COOH、NH
2、C-COOH、またはO-C-COOHであり;nは0~4の任意の整数である、化合物。
18.実施形態1~3のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が本明細書で開示の式IIIであり、式中、nは0~10の任意の整数である、化合物。
19.実施形態18に記載の化合物であって、nが0~8の任意の整数、または0~6の任意の整数、または0~4の任意の整数である、化合物。
20.実施形態1~3、18または19のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が
【化38】
である、化合物。
21.実施形態1~3のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が本明細書で開示の式IVであり、式中、nは0~10の任意の整数である、化合物。
22.実施形態21に記載の化合物であって、nが0~8の任意の整数、または0~6の任意の整数、または0~4の任意の整数である、化合物。
23.実施形態1~3、21または22のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が
【化39】
である、化合物。
24.実施形態1~3のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が本明細書で開示の式Vであり、式中、nは0~10の任意の整数である、化合物。
25.実施形態24に記載の化合物であって、nが0~8の任意の整数、または0~6の任意の整数、または0~4の任意の整数である、化合物。
26.実施形態1~3、24または25のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が
【化40】
である、化合物。
27.実施形態1~3のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が本明細書で開示の式VIであり、式中、nは0~10の任意の整数である、化合物。
28.実施形態27に記載の化合物であって、nが0~8の任意の整数、または0~6の任意の整数、または0~4の任意の整数である、化合物。
29.実施形態1~3、27または28のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が
【化41】
である、化合物。
30.実施形態1~3のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が本明細書で開示の式VIIであり、式中、nは0~10の任意の整数である、化合物。
31.実施形態30に記載の化合物であって、nが0~8の任意の整数、または0~6の任意の整数、または0~4の任意の整数である、化合物。
32.実施形態1~3、30または31のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が
【化42】
である、化合物。
33.実施形態1~3のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が本明細書で開示の式VIIIであり、式中、nは0~10の任意の整数である、化合物。
34.実施形態33に記載の化合物であって、nが0~8の任意の整数、または0~6の任意の整数、または0~4の任意の整数である、化合物。
35.実施形態1~3、33または34のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が
【化43】
である、化合物。
36.実施形態1~3のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が本明細書で開示の式IXであり、式中、nは0~10の任意の整数である、化合物。
37.実施形態36に記載の化合物であって、nが0~8の任意の整数、または0~6の任意の整数、または0~4の任意の整数である、化合物。
38.実施形態1~3、36または37のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が
【化44】
である、化合物。
39.実施形態1~3のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が本明細書で開示の式Xであり、式中、nは0~10の任意の整数である、化合物。
40.実施形態39に記載の化合物であって、nが0~8の任意の整数、または0~6の任意の整数、または0~4の任意の整数である、化合物。
41.実施形態1~3、39または40のいずれか1つに記載の化合物であって、リンカー分子が
【化45】
である、化合物。
42.実施形態1~41のいずれか1つに記載の化合物であって、AR除去促進剤または除去エンハンサー成分が、疎水性タグまたはE3リガーゼリクルーティング部分である、化合物。
43.実施形態42に記載の化合物であって、疎水性タグがアダマンタン部分である、化合物。
44.実施形態43に記載の化合物であって、アダマンタン部分が本明細書で開示の式XIであり、式中、R
5は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
6OH、R
6COOH、R
6C(O)NH
2、またはR
6C(O)R
7であり;R
6は、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;R
7はハロゲンである、化合物。
45.実施形態44に記載の化合物であって、R
5は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
6OH、R
6COOH、R
6C(O)NH
2、またはR
6C(O)R
7であり;R
6は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
7はハロゲンである、化合物。
46.実施形態45に記載の化合物であって、R
5は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
6OH、R
6COOH、R
6C(O)NH
2、またはR
6C(O)R
7であり;R
6は、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、またはC
2-4アルキニルであり;R
7はハロゲンである、化合物。
47.実施形態44~46のいずれか1つに記載の化合物であって、ハロゲンが、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチンまたはウンウンセプチウムである、化合物。
48.実施形態44~47のいずれか1つに記載の化合物であって、R
5は、H、OH、COOH、NH
2、F、Br、Cl、I、R
6OH、R
6COOH、R
6C(O)NH
2、またはR
6C(O)R
7であり;R
6は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
7は、F、Br、ClまたはIである、化合物。
49.実施形態44~48のいずれか1つに記載の化合物であって、アダマンタン部分が
【化46】
である、化合物。
50.実施形態42に記載の化合物であって、疎水性タグがBoc保護アミノ酸である、化合物。
51.実施形態50に記載の化合物であって、Boc保護アミノ酸が、グルタミン、アルギニン、グルタミン酸、フェニルアラニン、アスパラギン酸、システイン、リシンまたはアスパルテームを含む、化合物。
52.実施形態50または51に記載の化合物であって、疎水性タグが、Boc保護アミノ酸、tert-ブチルカルバメート保護アルギニン(BOC
3Arg)部分、イソブチルカルバメート保護リシン(BOC
2Lys)部分、イソブチルカルバメート保護アスパラギン酸(BOC
2Asp)部分、イソブチルカルバメート保護アスパラギン(BOC
2Asn)部分、イソブチルカルバメート保護グルタミン酸(BOC
2Glu)部分、およびイソブチルカルバメート保護グルタミン(BOC
2Gln)部分である、化合物。
53.実施形態50~52のいずれか1つに記載の化合物であって、Boc保護アミノ酸が
【化47】
である、化合物。
54.実施形態42に記載の化合物であって、E3リガーゼリクルーティング部分が低酸素誘導性因子1α(HIF-1α)部分である、化合物。
55.実施形態54に記載の化合物であって、HIF-1α部分が本明細書で開示の式XIIであり、式中、R
8は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
9OH、R
9COOH、R
9C(O)NH
2、またはR
9C(O)R
10であり;R
9は、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;R
10はハロゲンである、化合物。
56.実施形態55に記載の化合物であって、R
8は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
9OH、R
9COOH、R
9C(O)NH
2、またはR
9C(O)R
10であり;R
9は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
10はハロゲンである、化合物。
57.実施形態56に記載の化合物であって、R
8は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
9OH、R
9COOH、R
9C(O)NH
2、またはR
9C(O)R
10であり;R
9は、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、またはC
2-4アルキニルであり;R
10はハロゲンである、化合物。
58.実施形態55~57のいずれか1つに記載の化合物であって、ハロゲンが、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチンまたはウンウンセプチウムである、化合物。
59.実施形態55~58のいずれか1つに記載の化合物であって、R
8は、H、OH、COOH、NH
2、F、Br、Cl、I、R
9OH、R
9COOH、R
9C(O)NH
2、またはR
9C(O)R
10であり;R
9は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
10は、F、Br、ClまたはIである、化合物。
60.実施形態55~59のいずれか1つに記載の化合物であって、HIF-1α部分が
【化48】
である、化合物。
61.実施形態42に記載の化合物であって、E3リガーゼリクルーティング部分がナトリン部分である、化合物。
62.実施形態61に記載の化合物であって、ナトリン部分が本明細書で開示の式XIIIであり、式中、R
11は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
12OH、R
12COOH、R
12C(O)NH
2、またはR
12C(O)R
13であり;R
12は、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;R
13はハロゲンである、化合物。
63.実施形態62に記載の化合物であって、R
11は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
12OH、R
12COOH、R
12C(O)NH
2、またはR
12C(O)R
13であり;R
12は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
13はハロゲンである、化合物。
64.実施形態63に記載の化合物であって、R
11は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
12OH、R
12COOH、R
12C(O)NH
2、またはR
12C(O)R
13であり;R
12は、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、またはC
2-4アルキニルであり;R
13はハロゲンである、化合物。
65.実施形態62~64のいずれか1つに記載の化合物であって、ハロゲンが、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチンまたはウンウンセプチウムである、化合物。
66.実施形態62~65のいずれか1つに記載の化合物であって、R
11は、H、OH、COOH、NH
2、F、Br、Cl、I、R
12OH、R
12COOH、R
12C(O)NH
2、またはR
12C(O)R
13であり;R
12は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
13は、F、Br、ClまたはIである、化合物。
67.実施形態42に記載の化合物であって、E3リガーゼリクルーティング部分がベスタチン部分である、化合物。
68.実施形態61に記載の化合物であって、ベスタチン部分が本明細書で開示の式XIVであり、式中、R
14は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
15OH、R
15COOH、R
15C(O)NH
2、またはR
15C(O)R
16であり;R
15は、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;R
16はハロゲンである、化合物。
69.実施形態68に記載の化合物であって、R
14は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
15OH、R
15COOH、R
15C(O)NH
2、またはR
15C(O)R
16であり;R
15は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
16はハロゲンである、化合物。
70.実施形態69に記載の化合物であって、R
14は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
15OH、R
15COOH、R
15C(O)NH
2、またはR
15C(O)R
16であり;R
15は、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、またはC
2-4アルキニルであり;R
16はハロゲンである、化合物。
71.実施形態68~70のいずれか1つに記載の化合物であって、ハロゲンが、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチンまたはウンウンセプチウムである、化合物。
72.実施形態68~71のいずれか1つに記載の化合物であって、R
14は、H、OH、COOH、NH
2、F、Br、Cl、I、R
15OH、R
15COOH、R
15C(O)NH
2、またはR
15C(O)R
16であり;R
15は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
16は、F、Br、ClまたはIである、化合物。
73.実施形態42に記載の化合物であって、E3リガーゼリクルーティング部分がフタルイミド部分である、化合物。
74.実施形態61に記載の化合物であって、フタルイミド部分が本明細書で開示の式XVであり、R
17は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
19OH、R
19COOH、R
19C(O)NH
2、R
19C(O)R
20、NHR
19OH、NHR
19COOH、NHR
19C(O)NH
2、またはNHR
19C(O)R
20であり;R
18は、H、OH、O、COOH、またはC
1-6であり;R
19は、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;R
20はハロゲンである、化合物。
75.実施形態74に記載の化合物であって、R
17は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
19OH、R
19COOH、R
19C(O)NH
2、R
19C(O)R
20、NHR
19OH、NHR
19COOH、NHR
19C(O)NH
2、またはNHR
19C(O)R
20であり;R
18は、H、OH、O、COOH、またはC
1-6であり;R
19は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
20はハロゲンである、化合物。
76.実施形態75に記載の化合物であって、R
17は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
19OH、R
19COOH、R
19C(O)NH
2、R
19C(O)R
20、NHR
19OH、NHR
19COOH、NHR
19C(O)NH
2、またはNHR
19C(O)R
20であり;R
18は、H、OH、O、COOH、またはC
1-6であり;R
19は、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、またはC
2-4アルキニルであり;R
20はハロゲンである、化合物。
77.実施形態74~76のいずれか1つに記載の化合物であって、ハロゲンが、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチンまたはウンウンセプチウムである、化合物。
78.実施形態74~78のいずれか1つに記載の化合物であって、R
17は、H、OH、COOH、NH
2、F、Br、Cl、I、R
19OH、R
19COOH、R
19C(O)NH
2、R
19C(O)R
20、NHR
19OH、NHR
19COOH、NHR
19C(O)NH
2、またはNHR
19C(O)R
20であり;は、H、OH、O、COOH、またはC
1-6であり;R
19は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
20はF、Br、ClまたはIである、化合物。
79.実施形態73または74に記載の化合物であって、フタルイミド部分は本明細書で開示の式XVI、XVII、XVIIIまたはXIXのいずれか1つであり、式中、R
20は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
21OH、R
21COOH、R
21C(O)NH
2、またはR
21C(O)R
22であり;R
21は、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、またはC
2-10アルキニルであり;R
22はハロゲンである、化合物。
80.実施形態79に記載の化合物であって、R
20は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
21OH、R
21COOH、R
21C(O)NH
2、またはR
21C(O)R
22であり;R
21は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
22はハロゲンである、化合物。
81.実施形態80に記載の化合物であって、R
20は、H、OH、COOH、NH
2、ハロゲン、R
21OH、R
21COOH、R
21C(O)NH
2、またはR
21C(O)R
22であり;R
21は、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、またはC
2-4アルキニルであり;R
22はハロゲンである、化合物。
82.実施形態79~81のいずれか1つに記載の化合物であって、ハロゲンが、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチンまたはウンウンセプチウムである、化合物。
83.実施形態79~82のいずれか1つに記載の化合物であって、R
20は、H、OH、COOH、NH
2、F、Br、Cl、I、R
21OH、R
21COOH、R
21C(O)NH
2、またはR
21C(O)R
22であり;R
21は、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、またはC
2-6アルキニルであり;R
22はF、Br、ClまたはIである、化合物。
84.実施形態1~83のいずれか1つに記載の化合物であって、化合物が本明細書で開示の式XXであり、式中、nは0~10の任意の整数である、化合物。
85.実施形態84に記載の化合物であって、nが0~8の任意の整数、または0~6の任意の整数、または0~4の任意の整数である、化合物。
86.実施形態84または85に記載の化合物であって、化合物38または化合物39である、化合物。
87.実施形態1~83のいずれか1つに記載の化合物であって、化合物37である、化合物。
88.実施形態1~83のいずれか1つに記載の化合物であって、本明細書で開示の式XXIであり、式中、nは0~10の任意の整数である、化合物。
89.実施形態88に記載の化合物であって、nが0~8の任意の整数、または0~6の任意の整数、または0~4の任意の整数である、化合物。
90.実施形態88または89に記載の化合物であって、化合物41または化合物42である、化合物。
91.実施形態1~83のいずれか1つに記載の化合物であって、化合物40である、化合物。
92.実施形態1~83のいずれか1つに記載の化合物であって、本明細書で開示の式XXIIであり、式中、nは0~10の任意の整数である、化合物。
93.実施形態92に記載の化合物であって、nが0~8の任意の整数、または0~6の任意の整数、または0~4の任意の整数である、化合物。
94.実施形態92または93に記載の化合物であって、化合物43、化合物44、化合物45または化合物46である、化合物。
95.実施形態1~83のいずれか1つに記載の化合物であって、本明細書で開示の式XXIIIであり、式中、nは0~10の任意の整数である、化合物。
96.実施形態95に記載の化合物であって、nが0~8の任意の整数、または0~6の任意の整数、または0~4の任意の整数である、化合物。
97.実施形態95または96に記載の化合物であって、化合物47、化合物48、化合物49または化合物50である、化合物。
98.実施形態1~83のいずれか1つに記載の化合物であって、化合物51、化合物52、化合物53、または化合物54である、化合物。
99.実施形態1~98のいずれか1つで定義される1種または複数の化合物を含む医薬組成物。
100.実施形態99に記載の医薬組成物であって、1種または複数の化合物が、約1μg、約2μg、約3μg、約4μg、約5μg、約6μg、約7μg、約8μg、約9μg、約10μg、約15μg、約20μg、約25μg、約30μg、約35μg、約40μg、約45μg、約50μg、約55μg、約60μg、約65μg、約70μg、約75μg、約80μg、約85μg、約90μg、約95μg、約100μg、約110μg、約120μg、約130μg、約140μg、約150μg、約160μg、約170μg、約180μg、約190μg、約200μg、約210μg、約220μg、約230μg、約240μg、約250μg、260μg、約270μg、約280μg、約290μg、約300μg、約310μg、約320μg、約330μg、約340μg、約350μg、360μg、約370μg、約380μg、約390μg、約400μg、約410μg、約420μg、約430μg、約440μg、約450μg、460μg、約470μg、約480μg、約490μg、約500μg、約510μg、約520μg、約530μg、約540μg、約550μg、560μg、約570μg、約580μg、約590μg、約600μg、約610μg、約620μg、約630μg、約640μg、約650μg、660μg、約670μg、約680μg、約690μg、約700μg、約710μg、約720μg、約730μg、約740μg、約750μg、760μg、約770μg、約780μg、約790μg、約800μg、約810μg、約820μg、約830μg、約840μg、約850μg、860μg、約870μg、約880μg、約890μg、約900μg、約910μg、約920μg、約930μg、約940μg、約950μg、960μg、約970μg、約980μg、約990μg、または約1,000μgの量であるか、または、少なくとも1μg、少なくとも2μg、少なくとも3μg、少なくとも4μg、少なくとも5μg、少なくとも6μg、少なくとも7μg、少なくとも8μg、少なくとも9μg、少なくとも10μg、少なくとも15μg、少なくとも20μg、少なくとも25μg、少なくとも30μg、少なくとも35μg、少なくとも40μg、少なくとも45μg、少なくとも50μg、少なくとも55μg、少なくとも60μg、少なくとも65μg、少なくとも70μg、少なくとも75μg、少なくとも80μg、少なくとも85μg、少なくとも90μg、少なくとも95μg、少なくとも100μg、少なくとも110μg、少なくとも120μg、少なくとも130μg、少なくとも140μg、少なくとも150μg、少なくとも160μg、少なくとも170μg、少なくとも180μg、少なくとも190μg、少なくとも200μg、少なくとも210μg、少なくとも220μg、少なくとも230μg、少なくとも240μg、少なくとも250μg、260μg、少なくとも270μg、少なくとも280μg、少なくとも290μg、少なくとも300μg、少なくとも310μg、少なくとも320μg、少なくとも330μg、少なくとも340μg、少なくとも350μg、360μg、少なくとも370μg、少なくとも380μg、少なくとも390μg、少なくとも400μg、少なくとも410μg、少なくとも420μg、少なくとも430μg、少なくとも440μg、少なくとも450μg、460μg、少なくとも470μg、少なくとも480μg、少なくとも490μg、少なくとも500μg、少なくとも510μg、少なくとも520μg、少なくとも530μg、少なくとも540μg、少なくとも550μg、560μg、少なくとも570μg、少なくとも580μg、少なくとも590μg、少なくとも600μg、少なくとも610μg、少なくとも620μg、少なくとも630μg、少なくとも640μg、少なくとも650μg、660μg、少なくとも670μg、少なくとも680μg、少なくとも690μg、少なくとも700μg、少なくとも710μg、少なくとも720μg、少なくとも730μg、少なくとも740μg、少なくとも750μg、760μg、少なくとも770μg、少なくとも780μg、少なくとも790μg、少なくとも800μg、少なくとも810μg、少なくとも820μg、少なくとも830μg、少なくとも840μg、少なくとも850μg、860μg、少なくとも870μg、少なくとも880μg、少なくとも890μg、少なくとも900μg、少なくとも910μg、少なくとも920μg、少なくとも930μg、少なくとも940μg、少なくとも950μg、960μg、少なくとも970μg、少なくとも980μg、少なくとも990μg、または少なくとも1,000μgの量であるか、または、最大で1μg、最大で2μg、最大で3μg、最大で4μg、最大で5μg、最大で6μg、最大で7μg、最大で8μg、最大で9μg、最大で10μg、最大で15μg、最大で20μg、最大で25μg、最大で30μg、最大で35μg、最大で40μg、最大で45μg、最大で50μg、最大で55μg、最大で60μg、最大で65μg、最大で70μg、最大で75μg、最大で80μg、最大で85μg、最大で90μg、最大で95μg、最大で100μg、最大で110μg、最大で120μg、最大で130μg、最大で140μg、最大で150μg、最大で160μg、最大で170μg、最大で180μg、最大で190μg、最大で200μg、最大で210μg、最大で220μg、最大で230μg、最大で240μg、最大で250μg、260μg、最大で270μg、最大で280μg、最大で290μg、最大で300μg、最大で310μg、最大で320μg、最大で330μg、最大で340μg、最大で350μg、360μg、最大で370μg、最大で380μg、最大で390μg、最大で400μg、最大で410μg、最大で420μg、最大で430μg、最大で440μg、最大で450μg、460μg、最大で470μg、最大で480μg、最大で490μg、最大で500μg、最大で510μg、最大で520μg、最大で530μg、最大で540μg、最大で550μg、560μg、最大で570μg、最大で580μg、最大で590μg、最大で600μg、最大で610μg、最大で620μg、最大で630μg、最大で640μg、最大で650μg、660μg、最大で670μg、最大で680μg、最大で690μg、最大で700μg、最大で710μg、最大で720μg、最大で730μg、最大で740μg、最大で750μg、760μg、最大で770μg、最大で780μg、最大で790μg、最大で800μg、最大で810μg、最大で820μg、最大で830μg、最大で840μg、最大で850μg、860μg、最大で870μg、最大で880μg、最大で890μg、最大で900μg、最大で910μg、最大で920μg、最大で930μg、最大で940μg、最大で950μg、960μg、最大で970μg、最大で980μg、最大で990μg、または最大で1,000μgの量である医薬組成物。
101.実施形態99に記載の医薬組成物であって、1種または複数の化合物が、約1μg~約10μg、約1μg~約20μg、約1μg~約30μg、約1μg~約40μg、約1μg~約50μg、約1μg~約60μg、約1μg~約70μg、約1μg~約80μg、約1μg~約90μg、約1μg~約100μg、約1μg~約110μg、約1μg~約120μg、約1μg~約130μg、約1μg~約140μg、約1μg~約150μg、約5μg~約10μg、約5μg~約20μg、約5μg~約30μg、約5μg~約40μg、約5μg~約50μg、約5μg~約60μg、約5μg~約70μg、約5μg~約80μg、約5μg~約90μg、約5μg~約100μg、約5μg~約110μg、約5μg~約120μg、約5μg~約130μg、約5μg~約140μg、約5μg~約150μg、約10μg~約20μg、約10μg~約30μg、約10μg~約40μg、約10μg~約50μg、約10μg~約60μg、約10μg~約70μg、約10μg~約80μg、約10μg~約90μg、約10μg~約100μg、約10μg~約110μg、約10μg~約120μg、約10μg~約130μg、約10μg~約140μg、約10μg~約150μg、約10μg~約175μg、約10μg~約200μg、約10μg~約225μg、約10μg~約250μg、約25μg~約50μg、約25μg~約75μg、約25μg~約100μg、約25μg~約125μg、約25μg~約150μg、約25μg~約175μg、約25μg~約200μg、約25μg~約225μg、約25μg~約250μg、約50μg~約75μg、約50μg~約100μg、約50μg~約125μg、約50μg~約150μg、約50μg~約175μg、約50μg~約200μg、約50μg~約225μg、約50μg~約250μg、約75μg~約100μg、約75μg~約125μg、約75μg~約150μg、約75μg~約175μg、約75μg~約200μg、約75μg~約225μg、約75μg~約250μg、約100μg~約125μg、約100μg~約150μg、約100μg~約175μg、約100μg~約200μg、約100μg~約225μg、約100μg~約250μg、約100μg~約275μg、約100μg~約300μg、約100μg~約325μg、約100μg~約350μg、約100μg~約375μg、約100μg~約400μg、約100μg~約425μg、約100μg~約450μg、約100μg~約475μg、約100μg~約500μg、約100μg~約525μg、約100μg~約550μg、約100μg~約575μg、約100μg~約600μg、約125μg~約150μg、約125μg~約175μg、約125μg~約200μg、約125μg~約225μg、約125μg~約250μg、約125μg~約275μg、約125μg~約300μg、約125μg~約325μg、約125μg~約350μg、約125μg~約375μg、約125μg~約400μg、約125μg~約425μg、約125μg~約450μg、約125μg~約475μg、約125μg~約500μg、約125μg~約525μg、約125μg~約550μg、約125μg~約575μg、約125μg~約600μg、約150μg~約175μg、約150μg~約200μg、約150μg~約225μg、約150μg~約250μg、約150μg~約275μg、約150μg~約300μg、約150μg~約325μg、約150μg~約350μg、約150μg~約375μg、約150μg~約400μg、約150μg~約425μg、約150μg~約450μg、約150μg~約475μg、約150μg~約500μg、約150μg~約525μg、約150μg~約550μg、約150μg~約575μg、約150μg~約600μg、約200μg~約225μg、約200μg~約250μg、約200μg~約275μg、約200μg~約300μg、約200μg~約325μg、約200μg~約350μg、約200μg~約375μg、約200μg~約400μg、約200μg~約425μg、約200μg~約450μg、約200μg~約475μg、約200μg~約500μg、約200μg~約525μg、約200μg~約550μg、約200μg~約575μg、約200μg~約600μg、約200μg~約625μg、約200μg~約650μg、約200μg~約675μg、約200μg~約700μg、約200μg~約725μg、約200μg~約750μg、約200μg~約775μg、約200μg~約800μg、約200μg~約825μg、約200μg~約850μg、約200μg~約875μg、約200μg~約900μg、約200μg~約925μg、約200μg~約950μg、約200μg~約975μg、約200μg~約1,000μg、約250μg~約275μg、約250μg~約300μg、約250μg~約325μg、約250μg~約350μg、約250μg~約375μg、約250μg~約400μg、約250μg~約425μg、約250μg~約450μg、約250μg~約475μg、約250μg~約500μg、約250μg~約525μg、約250μg~約550μg、約250μg~約575μg、約250μg~約600μg、約250μg~約625μg、約250μg~約650μg、約250μg~約675μg、約250μg~約700μg、約250μg~約725μg、約250μg~約750μg、約250μg~約775μg、約250μg~約800μg、約250μg~約825μg、約250μg~約850μg、約250μg~約875μg、約250μg~約900μg、約250μg~約925μg、約250μg~約950μg、約250μg~約975μg、約250μg~約1,000μg、約300μg~約325μg、約300μg~約350μg、約300μg~約375μg、約300μg~約400μg、約300μg~約425μg、約300μg~約450μg、約300μg~約475μg、約300μg~約500μg、約300μg~約525μg、約300μg~約550μg、約300μg~約575μg、約300μg~約600μg、約300μg~約625μg、約300μg~約650μg、約300μg~約675μg、約300μg~約700μg、約300μg~約725μg、約300μg~約750μg、約300μg~約775μg、約300μg~約800μg、約300μg~約825μg、約300μg~約850μg、約300μg~約875μg、約300μg~約900μg、約300μg~約925μg、約300μg~約950μg、約300μg~約975μg、約300μg~約1,000μg、約400μg~約425μg、約400μg~約450μg、約400μg~約475μg、約400μg~約500μg、約400μg~約525μg、約400μg~約550μg、約400μg~約575μg、約400μg~約600μg、約400μg~約625μg、約400μg~約650μg、約400μg~約675μg、約400μg~約700μg、約400μg~約725μg、約400μg~約750μg、約400μg~約775μg、約400μg~約800μg、約400μg~約825μg、約400μg~約850μg、約400μg~約875μg、約400μg~約900μg、約400μg~約925μg、約400μg~約950μg、約400μg~約975μg、約400μg~約1,000μg、約500μg~約525μg、約500μg~約550μg、約500μg~約575μg、約500μg~約600μg、約500μg~約625μg、約500μg~約650μg、約500μg~約675μg、約500μg~約700μg、約500μg~約725μg、約500μg~約750μg、約500μg~約775μg、約500μg~約800μg、約500μg~約825μg、約500μg~約850μg、約500μg~約875μg、約500μg~約900μg、約500μg~約925μg、約500μg~約950μg、約500μg~約975μg、約500μg~約1,000μg、約600μg~約625μg、約600μg~約650μg、約600μg~約675μg、約600μg~約700μg、約600μg~約725μg、約600μg~約750μg、約600μg~約775μg、約600μg~約800μg、約600μg~約825μg、約600μg~約850μg、約600μg~約875μg、約600μg~約900μg、約600μg~約925μg、約600μg~約950μg、約600μg~約975μg、約600μg~約1,000μg、約700μg~約725μg、約700μg~約750μg、約700μg~約775μg、約700μg~約800μg、約700μg~約825μg、約700μg~約850μg、約700μg~約875μg、約700μg~約900μg、約700μg~約925μg、約700μg~約950μg、約700μg~約975μg、約700μg~約1,000μg、約800μg~約825μg、約800μg~約850μg、約800μg~約875μg、約800μg~約900μg、約800μg~約925μg、約800μg~約950μg、約800μg~約975μg、または約800μg~約1,000μgの量である、医薬組成物。
102.実施形態99に記載の医薬組成物であって、1種または複数の化合物が、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、560mg、約570mg、約580mg、約590mg、約600mg、約610mg、約620mg、約630mg、約640mg、約650mg、660mg、約670mg、約680mg、約690mg、約700mg、約710mg、約720mg、約730mg、約740mg、約750mg、760mg、約770mg、約780mg、約790mg、約800mg、約810mg、約820mg、約830mg、約840mg、約850mg、860mg、約870mg、約880mg、約890mg、約900mg、約910mg、約920mg、約930mg、約940mg、約950mg、960mg、約970mg、約980mg、約990mg、または約1,000mgの量であるか、または、少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも4mg、少なくとも5mg、少なくとも6mg、少なくとも7mg、少なくとも8mg、少なくとも9mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも110mg、少なくとも120mg、少なくとも130mg、少なくとも140mg、少なくとも150mg、少なくとも160mg、少なくとも170mg、少なくとも180mg、少なくとも190mg、少なくとも200mg、少なくとも210mg、少なくとも220mg、少なくとも230mg、少なくとも240mg、少なくとも250mg、260mg、少なくとも270mg、少なくとも280mg、少なくとも290mg、少なくとも300mg、少なくとも310mg、少なくとも320mg、少なくとも330mg、少なくとも340mg、少なくとも350mg、360mg、少なくとも370mg、少なくとも380mg、少なくとも390mg、少なくとも400mg、少なくとも410mg、少なくとも420mg、少なくとも430mg、少なくとも440mg、少なくとも450mg、460mg、少なくとも470mg、少なくとも480mg、少なくとも490mg、少なくとも500mg、少なくとも510mg、少なくとも520mg、少なくとも530mg、少なくとも540mg、少なくとも550mg、560mg、少なくとも570mg、少なくとも580mg、少なくとも590mg、少なくとも600mg、少なくとも610mg、少なくとも620mg、少なくとも630mg、少なくとも640mg、少なくとも650mg、660mg、少なくとも670mg、少なくとも680mg、少なくとも690mg、少なくとも700mg、少なくとも710mg、少なくとも720mg、少なくとも730mg、少なくとも740mg、少なくとも750mg、760mg、少なくとも770mg、少なくとも780mg、少なくとも790mg、少なくとも800mg、少なくとも810mg、少なくとも820mg、少なくとも830mg、少なくとも840mg、少なくとも850mg、860mg、少なくとも870mg、少なくとも880mg、少なくとも890mg、少なくとも900mg、少なくとも910mg、少なくとも920mg、少なくとも930mg、少なくとも940mg、少なくとも950mg、960mg、少なくとも970mg、少なくとも980mg、少なくとも990mg、または少なくとも1,000mgの量であるか、または、最大で1mg、最大で2mg、最大で3mg、最大で4mg、最大で5mg、最大で6mg、最大で7mg、最大で8mg、最大で9mg、最大で10mg、最大で15mg、最大で20mg、最大で25mg、最大で30mg、最大で35mg、最大で40mg、最大で45mg、最大で50mg、最大で55mg、最大で60mg、最大で65mg、最大で70mg、最大で75mg、最大で80mg、最大で85mg、最大で90mg、最大で95mg、最大で100mg、最大で110mg、最大で120mg、最大で130mg、最大で140mg、最大で150mg、最大で160mg、最大で170mg、最大で180mg、最大で190mg、最大で200mg、最大で210mg、最大で220mg、最大で230mg、最大で240mg、最大で250mg、260mg、最大で270mg、最大で280mg、最大で290mg、最大で300mg、最大で310mg、最大で320mg、最大で330mg、最大で340mg、最大で350mg、360mg、最大で370mg、最大で380mg、最大で390mg、最大で400mg、最大で410mg、最大で420mg、最大で430mg、最大で440mg、最大で450mg、460mg、最大で470mg、最大で480mg、最大で490mg、最大で500mg、最大で510mg、最大で520mg、最大で530mg、最大で540mg、最大で550mg、560mg、最大で570mg、最大で580mg、最大で590mg、最大で600mg、最大で610mg、最大で620mg、最大で630mg、最大で640mg、最大で650mg、660mg、最大で670mg、最大で680mg、最大で690mg、最大で700mg、最大で710mg、最大で720mg、最大で730mg、最大で740mg、最大で750mg、760mg、最大で770mg、最大で780mg、最大で790mg、最大で800mg、最大で810mg、最大で820mg、最大で830mg、最大で840mg、最大で850mg、860mg、最大で870mg、最大で880mg、最大で890mg、最大で900mg、最大で910mg、最大で920mg、最大で930mg、最大で940mg、最大で950mg、960mg、最大で970mg、最大で980mg、最大で990mg、または最大で1,000mgの量である、医薬組成物。
103.実施形態99に記載の医薬組成物であって、1つまたは複数の化合物が、約1mg~約10mg、約1mg~約20mg、約1mg~約30mg、約1mg~約40mg、約1mg~約50mg、約1mg~約60mg、約1mg~約70mg、約1mg~約80mg、約1mg~約90mg、約1mg~約100mg、約1mg~約110mg、約1mg~約120mg、約1mg~約130mg、約1mg~約140mg、約1mg~約150mg、約5mg~約10mg、約5mg~約20mg、約5mg~約30mg、約5mg~約40mg、約5mg~約50mg、約5mg~約60mg、約5mg~約70mg、約5mg~約80mg、約5mg~約90mg、約5mg~約100mg、約5mg~約110mg、約5mg~約120mg、約5mg~約130mg、約5mg~約140mg、約5mg~約150mg、約10mg~約20mg、約10mg~約30mg、約10mg~約40mg、約10mg~約50mg、約10mg~約60mg、約10mg~約70mg、約10mg~約80mg、約10mg~約90mg、約10mg~約100mg、約10mg~約110mg、約10mg~約120mg、約10mg~約130mg、約10mg~約140mg、約10mg~約150mg、約10mg~約175mg、約10mg~約200mg、約10mg~約225mg、約10mg~約250mg、約25mg~約50mg、約25mg~約75mg、約25mg~約100mg、約25mg~約125mg、約25mg~約150mg、約25mg~約175mg、約25mg~約200mg、約25mg~約225mg、約25mg~約250mg、約50mg~約75mg、約50mg~約100mg、約50mg~約125mg、約50mg~約150mg、約50mg~約175mg、約50mg~約200mg、約50mg~約225mg、約50mg~約250mg、約75mg~約100mg、約75mg~約125mg、約75mg~約150mg、約75mg~約175mg、約75mg~約200mg、約75mg~約225mg、約75mg~約250mg、約100mg~約125mg、約100mg~約150mg、約100mg~約175mg、約100mg~約200mg、約100mg~約225mg、約100mg~約250mg、約100mg~約275mg、約100mg~約300mg、約100mg~約325mg、約100mg~約350mg、約100mg~約375mg、約100mg~約400mg、約100mg~約425mg、約100mg~約450mg、約100mg~約475mg、約100mg~約500mg、約100mg~約525mg、約100mg~約550mg、約100mg~約575mg、約100mg~約600mg、約125mg~約150mg、約125mg~約175mg、約125mg~約200mg、約125mg~約225mg、約125mg~約250mg、約125mg~約275mg、約125mg~約300mg、約125mg~約325mg、約125mg~約350mg、約125mg~約375mg、約125mg~約400mg、約125mg~約425mg、約125mg~約450mg、約125mg~約475mg、約125mg~約500mg、約125mg~約525mg、約125mg~約550mg、約125mg~約575mg、約125mg~約600mg、約150mg~約175mg、約150mg~約200mg、約150mg~約225mg、約150mg~約250mg、約150mg~約275mg、約150mg~約300mg、約150mg~約325mg、約150mg~約350mg、約150mg~約375mg、約150mg~約400mg、約150mg~約425mg、約150mg~約450mg、約150mg~約475mg、約150mg~約500mg、約150mg~約525mg、約150mg~約550mg、約150mg~約575mg、約150mg~約600mg、約200mg~約225mg、約200mg~約250mg、約200mg~約275mg、約200mg~約300mg、約200mg~約325mg、約200mg~約350mg、約200mg~約375mg、約200mg~約400mg、約200mg~約425mg、約200mg~約450mg、約200mg~約475mg、約200mg~約500mg、約200mg~約525mg、約200mg~約550mg、約200mg~約575mg、約200mg~約600mg、約200mg~約625mg、約200mg~約650mg、約200mg~約675mg、約200mg~約700mg、約200mg~約725mg、約200mg~約750mg、約200mg~約775mg、約200mg~約800mg、約200mg~約825mg、約200mg~約850mg、約200mg~約875mg、約200mg~約900mg、約200mg~約925mg、約200mg~約950mg、約200mg~約975mg、約200mg~約1,000mg、約250mg~約275mg、約250mg~約300mg、約250mg~約325mg、約250mg~約350mg、約250mg~約375mg、約250mg~約400mg、約250mg~約425mg、約250mg~約450mg、約250mg~約475mg、約250mg~約500mg、約250mg~約525mg、約250mg~約550mg、約250mg~約575mg、約250mg~約600mg、約250mg~約625mg、約250mg~約650mg、約250mg~約675mg、約250mg~約700mg、約250mg~約725mg、約250mg~約750mg、約250mg~約775mg、約250mg~約800mg、約250mg~約825mg、約250mg~約850mg、約250mg~約875mg、約250mg~約900mg、約250mg~約925mg、約250mg~約950mg、約250mg~約975mg、約250mg~約1,000mg、約300mg~約325mg、約300mg~約350mg、約300mg~約375mg、約300mg~約400mg、約300mg~約425mg、約300mg~約450mg、約300mg~約475mg、約300mg~約500mg、約300mg~約525mg、約300mg~約550mg、約300mg~約575mg、約300mg~約600mg、約300mg~約625mg、約300mg~約650mg、約300mg~約675mg、約300mg~約700mg、約300mg~約725mg、約300mg~約750mg、約300mg~約775mg、約300mg~約800mg、約300mg~約825mg、約300mg~約850mg、約300mg~約875mg、約300mg~約900mg、約300mg~約925mg、約300mg~約950mg、約300mg~約975mg、約300mg~約1,000mg、約400mg~約425mg、約400mg~約450mg、約400mg~約475mg、約400mg~約500mg、約400mg~約525mg、約400mg~約550mg、約400mg~約575mg、約400mg~約600mg、約400mg~約625mg、約400mg~約650mg、約400mg~約675mg、約400mg~約700mg、約400mg~約725mg、約400mg~約750mg、約400mg~約775mg、約400mg~約800mg、約400mg~約825mg、約400mg~約850mg、約400mg~約875mg、約400mg~約900mg、約400mg~約925mg、約400mg~約950mg、約400mg~約975mg、約400mg~約1,000mg、約500mg~約525mg、約500mg~約550mg、約500mg~約575mg、約500mg~約600mg、約500mg~約625mg、約500mg~約650mg、約500mg~約675mg、約500mg~約700mg、約500mg~約725mg、約500mg~約750mg、約500mg~約775mg、約500mg~約800mg、約500mg~約825mg、約500mg~約850mg、約500mg~約875mg、約500mg~約900mg、約500mg~約925mg、約500mg~約950mg、約500mg~約975mg、約500mg~約1,000mg、約600mg~約625mg、約600mg~約650mg、約600mg~約675mg、約600mg~約700mg、約600mg~約725mg、約600mg~約750mg、約600mg~約775mg、約600mg~約800mg、約600mg~約825mg、約600mg~約850mg、約600mg~約875mg、約600mg~約900mg、約600mg~約925mg、約600mg~約950mg、約600mg~約975mg、約600mg~約1,000mg、約700mg~約725mg、約700mg~約750mg、約700mg~約775mg、約700mg~約800mg、約700mg~約825mg、約700mg~約850mg、約700mg~約875mg、約700mg~約900mg、約700mg~約925mg、約700mg~約950mg、約700mg~約975mg、約700mg~約1,000mg、約800mg~約825mg、約800mg~約850mg、約800mg~約875mg、約800mg~約900mg、約800mg~約925mg、約800mg~約950mg、約800mg~約975mg、または約800mg~約1,000mgの量である、医薬組成物。
104.実施形態99~103のいずれか1つに記載の医薬組成物であって、1つまたは複数の化合物が、組成物の0.01重量%、0.025重量%、0.05重量%、0.075重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.25重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.75重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%または50重量%の量であるか、または、組成物の少なくとも0.01重量%、少なくとも0.025重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.075重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも6重量%、少なくとも7重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、または少なくとも50重量%の量であるか、または、組成物の最大で0.01重量%、最大で0.025重量%、最大で0.05重量%、最大で0.075重量%、最大で0.1重量%、最大で0.25重量%、最大で0.5重量%、最大で0.75重量%、最大で1重量%、最大で2重量%、最大で3重量%、最大で4重量%、最大で5重量%、最大で6重量%、最大で7重量%、最大で8重量%、最大で9重量%、最大で10重量%、最大で15重量%、最大で20重量%、最大で25重量%、最大で30重量%、最大で35重量%、最大で40重量%、最大で45重量%、または最大で50重量%の量である、医薬組成物。
105.実施形態99~103のいずれか1つに記載の医薬組成物であって、1つまたは複数の化合物が、組成物の約0.01重量%~約0.05重量%、0.01重量%~約0.075重量%、0.01重量%~約0.1重量%、約0.1重量%~約0.5重量%、約0.1重量%~約0.75重量%、約0.1重量%~約1重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約6重量%、約0.1重量%~約7重量%、約0.1重量%~約8重量%、約0.1重量%~約9重量%、約0.1重量%~約10重量%、約0.1重量%~約15重量%、約0.1重量%~約20重量%、約0.1重量%~約25重量%、約0.1重量%~約30重量%、約0.1重量%~約35重量%、約0.1重量%~約40重量%、約0.25重量%~約0.5重量%、約0.25重量%~約0.75重量%、約0.25重量%~約1重量%、約0.25重量%~約2重量%、約0.25重量%~約3重量%、約0.25重量%~約4重量%、約0.25重量%~約5重量%、約0.25重量%~約6重量%、約0.25重量%~約7重量%、約0.25重量%~約8重量%、約0.25重量%~約9重量%、約0.25重量%~約10重量%、約0.25重量%~約15重量%、約0.25重量%~約20重量%、約0.25重量%~約25重量%、約0.25重量%~約30重量%、約0.25重量%~約35重量%、約0.25重量%~約40重量%、約0.5重量%~約0.75重量%、約0.5重量%~約1重量%、約0.5重量%~約2重量%、約0.5重量%~約3重量%、約0.5重量%~約4重量%、約0.5重量%~約5重量%、約0.5重量%~約6重量%、約0.5重量%~約7重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.5重量%~約9重量%、約0.5重量%~約10重量%、約0.5重量%~約15重量%、約0.5重量%~約20重量%、約0.5重量%~約25重量%、約0.5重量%~約30重量%、約0.5重量%~約35重量%、約0.5重量%~約40重量%、約0.75重量%~約1重量%、約0.75重量%~約2重量%、約0.75重量%~約3重量%、約0.75重量%~約4重量%、約0.75重量%~約5重量%、約0.75重量%~約6重量%、約0.75重量%~約7重量%、約0.75重量%~約8重量%、約0.75重量%~約9重量%、約0.75重量%~約10重量%、約0.75重量%~約15重量%、約0.75重量%~約20重量%、約0.75重量%~約25重量%、約0.75重量%~約30重量%、約0.75重量%~約35重量%、約0.75重量%~約40重量%、約1重量%~約2重量%、約1重量%~約3重量%、約1重量%~約4重量%、約1重量%~約5重量%、約1重量%~約6重量%、約1重量%~約7重量%、約1重量%~約8重量%、約1重量%~約9重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約15重量%、約1重量%~約20重量%、約1重量%~約25重量%、約1重量%~約30重量%、約1重量%~約35重量%、約1重量%~約40重量%、約2重量%~約3重量%、約2重量%~約4重量%、約2重量%~約5重量%、約2重量%~約6重量%、約2重量%~約7重量%、約2重量%~約8重量%、約2重量%~約9重量%、約2重量%~約10重量%、約2重量%~約15重量%、約2重量%~約20重量%、約2重量%~約25重量%、約2重量%~約30重量%、約2重量%~約35重量%、約2重量%~約40重量%、約3重量%~約4重量%、約3重量%~約5重量%、約3重量%~約6重量%、約3重量%~約7重量%、約3重量%~約8重量%、約3重量%~約9重量%、約3重量%~約10重量%、約3重量%~約15重量%、約3重量%~約20重量%、約3重量%~約25重量%、約3重量%~約30重量%、約3重量%~約35重量%、約3重量%~約40重量%、約4重量%~約5重量%、約4重量%~約6重量%、約4重量%~約7重量%、約4重量%~約8重量%、約4重量%~約9重量%、約4重量%~約10重量%、約4重量%~約15重量%、約4重量%~約20重量%、約4重量%~約25重量%、約4重量%~約30重量%、約4重量%~約35重量%、約4重量%~約40重量%、約5重量%~約6重量%、約5重量%~約7重量%、約5重量%~約8重量%、約5重量%~約9重量%、約5重量%~約10重量%、約5重量%~約15重量%、約5重量%~約20重量%、約5重量%~約25重量%、約5重量%~約30重量%、約5重量%~約35重量%、約5重量%~約40重量%、約6重量%~約7重量%、約6重量%~約8重量%、約6重量%~約9重量%、約6重量%~約10重量%、約6重量%~約15重量%、約6重量%~約20重量%、約6重量%~約25重量%、約6重量%~約30重量%、約6重量%~約35重量%、約6重量%~約40重量%、約7重量%~約8重量%、約7重量%~約9重量%、約7重量%~約10重量%、約7重量%~約15重量%、約7重量%~約20重量%、約7重量%~約25重量%、約7重量%~約30重量%、約7重量%~約35重量%、約7重量%~約40重量%、約8重量%~約9重量%、約8重量%~約10重量%、約8重量%~約15重量%、約8重量%~約20重量%、約8重量%~約25重量%、約8重量%~約30重量%、約8重量%~約35重量%、約8重量%~約40重量%、約9重量%~約10重量%、約9重量%~約15重量%、約9重量%~約20重量%、約9重量%~約25重量%、約9重量%~約30重量%、約9重量%~約35重量%、約9重量%~約40重量%、約10重量%~約15重量%、約10重量%~約20重量%、約10重量%~約25重量%、約10重量%~約30重量%、約10重量%~約35重量%、約10重量%~約40重量%、約10重量%~約45重量%、約10重量%~約50重量%、約15重量%~約20重量%、約15重量%~約25重量%、約15重量%~約30重量%、約15重量%~約35重量%、約15重量%~約40重量%、約15重量%~約45重量%、約15重量%~約50重量%、約20重量%~約25重量%、約20重量%~約30重量%、約20重量%~約35重量%、約20重量%~約40重量%、約20重量%~約45重量%、約20重量%~約50重量%、約25重量%~約30重量%、約25重量%~約35重量%、約25重量%~約40重量%、約25重量%~約45重量%、約30重量%~約25重量%、約30重量%~約35重量%、約30重量%~約40重量%、約30重量%~約45重量%、約30重量%~約50重量%、約35重量%~約40重量%、約35重量%~約45重量%、約35重量%~約50重量%、約40重量%~約45重量%、約40重量%~約50重量%、または約45重量%~約50重量%の量である、医薬組成物。
106.実施形態99~105のいずれか1つに記載の医薬組成物であって、1種または複数の薬学的に許容可能な担体をさらに含む、医薬組成物。
107.実施形態106に記載の医薬組成物であって、1種または複数の薬学的に許容可能な担体が、組成物の少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%または少なくとも99重量%の量であるか、または、組成物の最大で25重量%、最大で30重量%、最大で35重量%、最大で40重量%、最大で45重量%、最大で50重量%、最大で55重量%、最大で60重量%、最大で65重量%、最大で70重量%、最大で75重量%、最大で80重量%、最大で85重量%、最大で90重量%、最大で95重量%、最大で96重量%、最大で97重量%、最大で98重量%または最大で99重量%の量であるか、または、組成物の約25重量%~約50重量%、約25重量%~約75重量%、約25重量%~約90重量%、約25重量%~約95重量%、約25重量%~約96重量%、約25重量%~約97重量%、約25重量%~約98重量%、約25重量%~約99重量%、約50重量%~約75重量%、約50重量%~約90重量%、約50重量%~約95重量%、約50重量%~約96重量%、約50重量%~約97重量%、約50重量%~約98重量%、約50重量%~約99重量%、約75重量%~約80重量%、約75重量%~約85重量%、約75重量%~約90重量%、約75重量%~約95重量%、約75重量%~約96重量%、約75重量%~約97重量%、約75重量%~約98重量%、約75重量%~約99重量%、約80重量%~約85重量%、約80重量%~約90重量%、約80重量%~約95重量%、約80重量%~約96重量%、約80重量%~約97重量%、約80重量%~約98重量%、約80重量%~約99重量%、約85重量%~約90重量%、約85重量%~約95重量%、約85重量%~約96重量%、約85重量%~約97重量%、約85重量%~約98重量%、約85重量%~約99重量%、約90重量%~約95重量%、約90重量%~約96重量%、約90重量%~約97重量%、約90重量%~約98重量%、約90重量%~約99重量%、または約95重量%~約99重量%の量である、医薬組成物。
108.実施形態99~107のいずれか1つに記載の医薬組成物であって、1種または複数の薬学的に許容可能な成分をさらに含む、医薬組成物。
109.実施形態108に記載の医薬組成物であって、1種または複数の薬学的に許容可能な成分が、1種または複数の緩衝液、1種または複数の防腐剤、1種または複数の張度調節剤、1種または複数の塩、1種または複数の抗酸化剤、1種または複数の浸透圧調節剤、1種または複数の生理的物質、1種または複数の薬理学的物質、1種または複数の増量剤、1種または複数の粘性剤、1種または複数の界面活性剤、1種または複数の乳化剤、1種または複数の湿潤剤、1種または複数の甘味料または香味料を含む、医薬組成物。
110.実施形態99~109のいずれか1つに記載の医薬組成物であって、局所製剤として処方される、医薬組成物。
111.実施形態110に記載の医薬組成物であって、局所製剤が単相製剤または二相性製剤である、医薬組成物。
112.実施形態110に記載の医薬組成物であって、局所製剤が液体組成物、コロイド状組成物、半固体組成物、または固体組成物である、医薬組成物。
113.実施形態110に記載の医薬組成物であって、局所製剤が液体エアロゾル、発泡体、乳剤、ゲル、ゾル、または固体ゾルである、医薬組成物。
114.実施形態110に記載の医薬組成物であって、局所製剤が、噴霧剤、液体エアロゾル、洗浄剤、アフターシェーブローション、芳香剤、ローション、クリーム、膏薬、ワキシング組成物、ムース、シャンプー、コンディショナー、軟膏、塗布薬、ペースト、ゼリー、セッケン、懸濁剤、または皮膚軟化剤である、医薬組成物。
115.請求項99~114のいずれか1項で定義の医薬組成物を含むキット。
116.実施形態115に記載のキットであって、送達システムをさらに含むキット。
117.実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の治療有効量を個体に投与するステップを含む個体の脱毛症の治療方法。
118.実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の治療有効量を個体に投与するステップを含む個体の毛髪菲薄化の治療方法。
119.実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の治療有効量を個体に投与するステップを含む個体の毛髪の色落ちの治療方法。
120.実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の治療有効量を個体に投与するステップを含む個体の変性毛包障害に関連する状態の治療方法。
121.実施形態120に記載の方法であって、変性毛包障害が、脱毛症、毛髪菲薄化、毛髪の色落ち、新しい毛幹成長のない状態、毛幹成長速度の低下、毛幹直径(厚み)の減少、毛幹長さの短縮、毛髪密度の低下、毛幹のケラチン化の低下、脆性の増大、毛髪色素沈着の減少、毛幹の艶の低下、毛髪の健康の低下、毛包の成長期段階に存在する時間の短縮化、毛包の退行期段階に存在する時間の短縮化、毛包の休止期段階に存在する時間の短縮化、毛包からの毛幹の未成熟放出、毛包中での未成熟アポトーシス開始、硬毛の軟毛への未成熟変換に関連している、方法。
122.実施形態120に記載の方法であって、変性毛包障害が瘢痕性脱毛症または非瘢痕性脱毛症に関連している、方法。
123.実施形態122に記載の方法であって、瘢痕性脱毛症が、水疱症、化学的脱毛症、円板状エリテマトーデス、重度毛包炎、扁平毛孔性苔癬、解離性蜂巣炎、頭頂部遠心性瘢痕性脱毛症、閉経後前頭部線維化性脱毛症、腫瘍および皮膚派生物を含む、方法。
124.実施形態122に記載の方法であって、非瘢痕性脱毛症が、アナゲン脱毛、先天性脱毛症、男性型脱毛症、円形脱毛症、先天性脱毛症、びまん性脱毛症、播種性脱毛、毛包性脱毛症、らい性脱毛、辺縁脱毛症、薬物性脱毛症、ムチン性脱毛症、神経性脱毛症、粃糠性脱毛症、初老性脱毛症、老人性脱毛症、症候性脱毛症、梅毒性脱毛症、全頭脱毛症、中毒性脱毛症、三角形脱毛症、先天性三角形脱毛症、汎発性脱毛症、毛包炎、禿髪性毛包炎、牽引性脱毛症、抜毛症、休止期脱毛、または遺伝性毛幹障害を含む、方法。
125.実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の治療有効量を個体に投与するステップを含む個体の毛髪の外観の改善方法。
126.実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の治療有効量を個体に投与するステップを含む個体の皮膚状態の治療方法。
127.実施形態126に記載の方法であって、皮膚状態が、アクネ、過剰皮脂産生、創傷後瘢痕形成、または多嚢胞性卵巣疾患に関連する皮膚科学的問題を含む、方法。
128.実施形態117~127のいずれか1つに記載の方法であって、化合物の治療有効量が、少なくとも0.001mg/kg/日、少なくとも0.01mg/kg/日、少なくとも0.1mg/kg/日、少なくとも1.0mg/kg/日、少なくとも5.0mg/kg/日、少なくとも10mg/kg/日、少なくとも15mg/kg/日、少なくとも20mg/kg/日、少なくとも25mg/kg/日、少なくとも30mg/kg/日、少なくとも35mg/kg/日、少なくとも40mg/kg/日、少なくとも45mg/kg/日、または少なくとも50mg/kg/日、または、最大で0.001mg/kg/日、最大で0.01mg/kg/日、最大で0.1mg/kg/日、最大で1.0mg/kg/日、最大で5.0mg/kg/日、最大で10mg/kg/日、最大で15mg/kg/日、最大で20mg/kg/日、最大で25mg/kg/日、最大で30mg/kg/日、最大で35mg/kg/日、最大で40mg/kg/日、最大で45mg/kg/日、または最大で50mg/kg/日、または、約0.001mg/kg/日~約10mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約15mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約20mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約25mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約30mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約35mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約40mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約45mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約50mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約100mg/kg/日である、方法。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約0.01mg/kg/日~約10mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約15mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約20mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約25mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約30mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約35mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約40mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約45mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約50mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲であり得る。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約0.1mg/kg/日~約10mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約15mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約20mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約25mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約30mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約35mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約40mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約45mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約50mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約75mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約100mg/kg/日、約1mg/kg/日~約10mg/kg/日、約1mg/kg/日~約15mg/kg/日、約1mg/kg/日~約20mg/kg/日、約1mg/kg/日~約25mg/kg/日、約1mg/kg/日~約30mg/kg/日、約1mg/kg/日~約35mg/kg/日、約1mg/kg/日~約40mg/kg/日、約1mg/kg/日~約45mg/kg/日、約1mg/kg/日~約50mg/kg/日、約1mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約1mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲であり得る。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約5mg/kg/日~約10mg/kg/日、約5mg/kg/日~約15mg/kg/日、約5mg/kg/日~約20mg/kg/日、約5mg/kg/日~約25mg/kg/日、約5mg/kg/日~約30mg/kg/日、約5mg/kg/日~約35mg/kg/日、約5mg/kg/日~約40mg/kg/日、約5mg/kg/日~約45mg/kg/日、約5mg/kg/日~約50mg/kg/日、約5mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約5mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲であり得る。
129.実施形態117~127のいずれか1つに記載の方法であって、化合物の治療有効量が、少なくとも0.001mg/日、少なくとも0.01mg/日、少なくとも0.1mg/日、少なくとも1.0mg/日、少なくとも5.0mg/日、少なくとも10mg/日、少なくとも15mg/日、少なくとも20mg/日、少なくとも25mg/日、少なくとも30mg/日、少なくとも35mg/日、少なくとも40mg/日、少なくとも45mg/日、または少なくとも50mg/日、または、最大で0.001mg/日、最大で0.01mg/日、最大で0.1mg/日、最大で1.0mg/日、最大で5.0mg/日、最大で10mg/日、最大で15mg/日、最大で20mg/日、最大で25mg/日、最大で30mg/日、最大で35mg/日、最大で40mg/日、最大で45mg/日、または最大で50mg/日、または、約0.001mg/日~約10mg/日、約0.001mg/日~約15mg/日、約0.001mg/日~約20mg/日、約0.001mg/日~約25mg/日、約0.001mg/日~約30mg/日、約0.001mg/日~約35mg/日、約0.001mg/日~約40mg/日、約0.001mg/日~約45mg/日、約0.001mg/日~約50mg/日、約0.001mg/日~約75mg/日、または約0.001mg/日~約100mg/日である、方法。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約0.01mg/日~約10mg/日、約0.01mg/日~約15mg/日、約0.01mg/日~約20mg/日、約0.01mg/日~約25mg/日、約0.01mg/日~約30mg/日、約0.01mg/日~約35mg/日、約0.01mg/日~約40mg/日、約0.01mg/日~約45mg/日、約0.01mg/日~約50mg/日、約0.01mg/日~約75mg/日、または約0.01mg/日~約100mg/日の範囲であり得る。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約0.1mg/日~約10mg/日、約0.1mg/日~約15mg/日、約0.1mg/日~約20mg/日、約0.1mg/日~約25mg/日、約0.1mg/日~約30mg/日、約0.1mg/日~約35mg/日、約0.1mg/日~約40mg/日、約0.1mg/日~約45mg/日、約0.1mg/日~約50mg/日、約0.1mg/日~約75mg/日、約0.1mg/日~約100mg/日、約1mg/日~約10mg/日、約1mg/日~約15mg/日、約1mg/日~約20mg/日、約1mg/日~約25mg/日、約1mg/日~約30mg/日、約1mg/日~約35mg/日、約1mg/日~約40mg/日、約1mg/日~約45mg/日、約1mg/日~約50mg/日、約1mg/日~約75mg/日、または約1mg/日~約100mg/日の範囲であり得る。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書で開示のAREの有効量は、例えば、約5mg/日~約10mg/日、約5mg/日~約15mg/日、約5mg/日~約20mg/日、約5mg/日~約25mg/日、約5mg/日~約30mg/日、約5mg/日~約35mg/日、約5mg/日~約40mg/日、約5mg/日~約45mg/日、約5mg/日~約50mg/日、約5mg/日~約75mg/日、または約5mg/日~約100mg/日の範囲であり得る。
130.実施形態117~129のいずれか1つに記載の方法であって、投与が1回のみの投与または複数回の投与である、方法。
131.実施形態117~129のいずれか1つに記載の方法であって、化合物または医薬組成物が、毎日、1日置き、2日置き、週1回、週複数回、月1回、月複数回、年1回または年複数回投与される、方法。
132.実施形態117~129または131のいずれか1つに記載の方法であって、化合物または医薬組成物が、1日当たり複数回投与される、方法。
133.脱毛症の治療で使用するための、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物。
134.毛髪菲薄化の治療で使用するための、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物。
125.毛髪の色落ちの治療で使用するための、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物。
136.変性毛包障害に関連する状態の治療で使用するための、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物。
137.毛髪の外観の改善に使用するための、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物。
138.皮膚状態の治療で使用するための、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物。
139.脱毛症の治療のための、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の使用。
140.毛髪菲薄化の治療のための、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の使用。
141.毛髪の色落ちの治療のための、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の使用。
142.変性毛包障害に関連する状態の治療のための、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の使用。
143.毛髪の外観の改善のための、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の使用。
144.皮膚状態の治療のための、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の使用。
145.脱毛症の治療のための医薬の製造における、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の使用。
146.毛髪菲薄化の治療のための医薬の製造における、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の使用。
147.毛髪の色落ちの治療のための医薬の製造における、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の使用。
148.変性毛包障害に関連する状態の治療のための医薬の製造における、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の使用。
149.毛髪の外観の改善のための医薬の製造における、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の使用。
150.皮膚状態の治療のための医薬の製造における、実施形態1~98のいずれか1つで定義の化合物または実施形態99~114のいずれか1つで定義の医薬組成物の使用。
【実施例】
【0134】
実施例
以下の非限定的実施例は、現時点考えられる代表的実施形態のより完全な理解を容易にするために、例証の目的のみで提供される。これらの実施例は、本明細書で開示の、化合物、医薬組成物、方法および使用に関するものを含む本明細書で記載のいずれの実施形態をも限定するものと解釈されるべきではない。
【0135】
実施例1
アダマンタン前駆体の作製
この実施例は、本明細書で開示のリンカー分子へのその後の結合のための、アダマンタン前駆体の作製方法を例示する。
【0136】
スキーム1.アダマンタン酢酸(1.6g、8.2mmol)を20mLのジクロロメタンに溶解し、ジメチルホルムアミド(2滴)および塩化オキサリル(2.1mL、24.7mmol)を滴下して処理した。反応物を周囲温度で18時間攪拌し、減圧下で濃縮し、高真空下に一晩置いて、生成物を油として得た(定量収率)。
【化49】
【0137】
スキーム2.アダマンタンOH(1.6g、8.2mmol)を20mLのジクロロメタンに溶解し、ジメチルホルムアミド(2滴)および塩化オキサリル(2.1mL、24.7mmol)を滴下して処理した。反応物を周囲温度で18時間攪拌し、減圧下で濃縮し、高真空下に一晩置いて、生成物を油として得た(定量収率)。
【化50】
【0138】
実施例2
アダマンタン-リンカー複合体の作製
スキーム3.スキーム1由来のアダマンタン前駆体およびリンカーをアセトニトリル中に懸濁し、3当量のトリエタノールアミンで処理し、続けて、1当量の酸塩化物を添加した。反応物を3時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、1Nの塩酸およびブラインで洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥後、濃縮し、高真空下に一晩置いた。得られたアダマンタン-リンカー複合体化合物を以下のスキーム3に示す。式中、nは0~10である。
【化51】
【0139】
スキーム3を用いて、次のアダマンタン-リンカー複合体化合物が生成される:
【化52】
【0140】
スキーム4.スキーム1由来のアダマンタン前駆体およびリンカーをアセトニトリル中に懸濁し、3当量のトリエタノールアミンで処理し、続けて、1当量の酸塩化物を添加した。反応物を3時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、1Nの塩酸およびブラインで洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥後、濃縮し、高真空下に一晩置いた。得られたアダマンタン-リンカー複合体化合物を以下のスキーム4に示す。式中、nは0~10である。
【化53】
【0141】
スキーム4を用いて、次のアダマンタン-リンカー複合体化合物が生成される:
【化54】
【0142】
スキーム5.スキーム2由来のアダマンタン前駆体およびリンカーをアセトニトリル中に懸濁し、3当量のトリエタノールアミンで処理し、続けて、1当量の酸塩化物を添加した。反応物を3時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、1Nの塩酸およびブラインで洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥後、濃縮し、高真空下に一晩置いた。得られたアダマンタン-リンカー複合体化合物を以下のスキーム5に示す。式中、nは0~10である。
【化55】
【0143】
スキーム5を用いて、次のアダマンタン-リンカー複合体化合物が生成される:
【化56】
【0144】
スキーム6.スキーム2由来のアダマンタン前駆体およびリンカーをアセトニトリル中に懸濁し、3当量のトリエタノールアミンで処理し、続けて、1当量の酸塩化物を添加した。反応物を3時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、1Nの塩酸およびブラインで洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥後、濃縮し、高真空下に一晩置いた。得られたアダマンタン-リンカー複合体化合物を以下のスキーム6に示す。式中、nは0~10である。
【化57】
【0145】
スキーム6を用いて、次のアダマンタン-リンカー複合体化合物が生成される:
【化58】
【0146】
スキーム7.スキーム2由来のアダマンタン前駆体およびリンカーをアセトニトリル中に懸濁し、3当量のトリエタノールアミンで処理し、続けて、1当量の酸塩化物を添加した。反応物を3時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、1Nの塩酸およびブラインで洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥後、濃縮し、高真空下に一晩置いた。得られたアダマンタン-リンカー複合体化合物を以下のスキーム7に示す。式中、nは0~10である。
【化59】
【0147】
スキーム7を用いて、次のアダマンタン-リンカー複合体化合物が生成される:
【化60】
【0148】
スキーム8.スキーム2由来のアダマンタン前駆体およびリンカーをアセトニトリル中に懸濁し、3当量のトリエタノールアミンで処理し、続けて、1当量の酸塩化物を添加した。反応物を3時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、1Nの塩酸およびブラインで洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥後、濃縮し、高真空下に一晩置いた。得られたアダマンタン-リンカー複合体化合物を以下のスキーム8に示す。式中、nは0~10である。
【化61】
【0149】
スキーム8を用いて、次のアダマンタン-リンカー複合体化合物が生成される:
【化62】
【0150】
スキーム9.スキーム2由来のアダマンタン前駆体およびリンカーをアセトニトリル中に懸濁し、3当量のトリエタノールアミンで処理し、続けて、1当量の酸塩化物を添加した。反応物を3時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、1Nの塩酸およびブラインで洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥後、濃縮し、高真空下に一晩置いた。得られたアダマンタン-リンカー複合体化合物を以下のスキーム9に示す。式中、nは0~10である。
【化63】
【0151】
スキーム9を用いて、次のアダマンタン-リンカー複合体化合物が生成された:
【化64】
【0152】
スキーム10.スキーム2由来のアダマンタン前駆体およびリンカーをアセトニトリル中に懸濁し、3当量のトリエタノールアミンで処理し、続けて、1当量の酸塩化物を添加した。反応物を3時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、1Nの塩酸およびブラインで洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥後、濃縮し、高真空下に一晩置いた。得られたアダマンタン-リンカー複合体化合物を以下のスキーム10に示す。式中、nは0~10である。
【化65】
【0153】
スキーム10を用いて、次のアダマンタン-リンカー複合体化合物が生成された:
【化66】
【0154】
HIF-1αをスキーム1または2のアダマンタン前駆体と置き換え得ることを除いて、スキーム3~10に類似の反応スキームを実施できる。
【0155】
実施例3
HIF-1α-リンカー複合体の作製
スキーム11.HIF-1αおよびリンカーをアセトニトリル中に懸濁し、3当量のトリエタノールアミンで処理し、続けて、1当量の酸塩化物を添加した。反応物を3時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、1Nの塩酸およびブラインで洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥後、濃縮し、高真空下に一晩置いた。得られたHIF-1α-リンカー複合体化合物を以下のスキーム11に示す。式中、nは0~10である。
【化67】
【0156】
スキーム11を用いて、次のHIF-1α-リンカー複合体化合物が生成された:
【化68】
【0157】
スキーム3~8または10由来のいずれか1つの他のリンカーを使用し得ることを除いて、スキーム11に類似の反応スキームを実施できる。
【0158】
実施例4
アンドロゲン受容体アンタゴニスト前駆体の作製
この実施例は、本明細書で開示のリンカー分子へのその後の結合のための、本明細書で開示のARアンタゴニストの作製方法を例示する。
【0159】
スキーム12は、反応性スピロノラクトン前駆体の作製を示す。メタノール(50mL)を窒素で15分間スパージし、スピロノラクトン(5g、12mmol)で処理し、氷上で冷却し、5.4Mのナトリウムメトキシド/メタノール(5mL、27mmol)を滴下して処理した。氷浴を取り外し、反応物を40分間撹拌した。反応物を氷浴中に置き、酢酸(1.5mL)で中和して沈殿物を形成した。さらにメタノールを加え、混合物を超音波処理し、濾過した。2番目の生成物を濾過した。固形物を高真空下で一晩乾燥させて、冷凍庫で保存した。
【化69】
【0160】
スキーム13は、反応性ケトコナゾール前駆体の作製を示す。ケトコナゾール(800mg)および20%水酸化ナトリウム(2mL)をメタノール(20mL)中で一晩加熱還流した。溶液を周囲温度まで冷却し、水を加えた。得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、高真空下で一晩乾燥して、700mgを得た。
【化70】
【0161】
実施例5
ARアンタゴニスト-アダマンタン-リンカー複合体の作製
スキーム14.スキーム12由来の反応性スピロノラクトン前駆体(70mg、0.18mg)およびスキーム1由来のアダマンタン前駆体をアセトニトリルに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(78μL、0.45mmol)で処理した。酸塩化物(47mg、0.22mmol)を加え、反応物を8時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、1Nの塩酸およびブラインで洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥後、濃縮した。残留物を酢酸エチルから結晶化した。次のARアンタゴニスト-アダマンタン-リンカー複合体化合物を生成した。
【化71】
【0162】
スキーム15.スキーム12由来の反応性スピロノラクトン前駆体(55mg、0.15mmol)およびスキーム4由来のアダマンタン-リンカー複合体(55mg、0.16mmol)をジクロロメタン(4mL)に溶解し、トリエタノールアミン(63μL、0.45mmol)およびビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(41mg、0.16mmol)で処理した。反応物を2時間撹拌した。最小限の生成物が形成された。4-ジメチルアミノピリジンを加え、攪拌を一晩続けた。反応物を酢酸エチルで希釈し、クエン酸飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した。酢酸エチルを用いてSiゲルクロマトグラフィーにより精製した。次のARアンタゴニスト-アダマンタン-リンカー複合体化合物が生成される。式中、nは0~10である。
【化72】
【0163】
スキーム15を用いて、次のARアンタゴニスト-アダマンタン-リンカー複合体化合物が生成された:
【化73】
【0164】
スキーム4由来のアダマンタン前駆体の代わりに、スキーム3または5~10由来のいずれか1つの他のアダマンタン前駆体を使用し得ることを除いて、スキーム15に類似の反応スキームを実施できる。
【0165】
実施例6
ARアンタゴニスト-アダマンタン-リンカー複合体の作製
スキーム16.スキーム13由来の反応性ケトコナゾール前駆体(70mg、0.18mg)およびスキーム1由来のアダマンタン前駆体をアセトニトリルに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(78μL、0.45mmol)で処理した。酸塩化物(47mg、0.22mmol)を加え、反応物を8時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、1Nの塩酸およびブラインで洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥後、濃縮した。残留物を酢酸エチルから結晶化した。次のARアンタゴニスト-アダマンタン-リンカー複合体化合物を生成した。
【化74】
【0166】
スキーム17.スキーム13由来の反応性ケトコナゾール前駆体(55mg、0.15mmol)およびスキーム4由来のアダマンタン-リンカー複合体(55mg、0.16mmol)をジクロロメタン(4mL)に溶解し、3当量のトリエタノールアミンおよび1.2当量のビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリドで処理した。反応物を2時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した。酢酸エチルを用いてSiゲルクロマトグラフィーにより精製した。次のARアンタゴニスト-アダマンタン-リンカー複合体化合物が生成される。式中、nは0~10である。
【化75】
【0167】
スキーム17を用いて、次のARアンタゴニスト-アダマンタン-リンカー複合体化合物が生成された:
【化76】
【0168】
スキーム4由来のアダマンタン前駆体の代わりに、スキーム3または5~10由来のいずれか1つの他のアダマンタン前駆体を使用し得ることを除いて、スキーム17に類似の反応スキームを実施できる。
【0169】
実施例7
ARアンタゴニスト-HIF-1α-リンカー複合体の作製
スキーム18.スキーム12由来の反応性スピロノラクトン前駆体(55mg、0.15mmol)およびスキーム11由来のHIF-1α-リンカー複合体(55mg、0.16mmol)をジクロロメタン(4mL)に溶解し、トリエタノールアミン(63μL、0.45mmol)およびビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(41mg、0.16mmol)で処理した。反応物を2時間撹拌した。最小限の生成物が形成された。4-ジメチルアミノピリジンを加え、攪拌を一晩続けた。反応物を酢酸エチルで希釈し、クエン酸飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した。酢酸エチルを用いてSiゲルクロマトグラフィーにより精製した。次のARアンタゴニスト-HIF-1α-リンカー複合体化合物が生成される。式中、nは0~10である。
【化77】
【0170】
スキーム18を用いて、次のARアンタゴニスト-HIF-1α-リンカー複合体化合物が生成された:
【化78】
【0171】
スキーム3~8または10由来のいずれか1つの他のリンカーに結合したHIF-1αを使用し得ることを除いて、スキーム18に類似の反応スキームを実施できる。
【0172】
実施例8
ARアンタゴニスト-HIF-1α-リンカー複合体の作製
スキーム19.スキーム13由来の反応性ケトコナゾール前駆体(55mg、0.15mmol)およびスキーム11由来のHIF-1α-リンカー複合体(55mg、0.16mmol)をジクロロメタン(4mL)に溶解し、3当量のトリエタノールアミンおよび1.2当量のビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリドで処理した。反応物を2時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した。酢酸エチルを用いてSiゲルクロマトグラフィーにより精製した。次のARアンタゴニスト-HIF-1α-リンカー複合体化合物が生成される。式中、nは0~10である。
【化79】
【0173】
スキーム19を用いて、次のARアンタゴニスト-HIF-1α-リンカー複合体化合物が生成された:
【化80】
【0174】
スキーム3~8または10由来のいずれか1つの他のリンカーに結合したHIF-1αを使用し得ることを除いて、スキーム19に類似の反応スキームを実施できる。
【0175】
実施例9
追加のAREの作製
実施例4~8に記載の手順を用いて、メトキシベンジルラクタムを含む次の追加のAREが生成される:
【化81】
【0176】
スキーム3~9由来のいずれか1つの他のリンカーに結合したアダマンタンまたはHIF-1αを使用し得ることを除いて、実施例4~8に記載のものに類似の反応スキームを実施できる。
【0177】
実施例10
阻害アッセイ
この実施例は、遺伝子改変細胞株を使用する細胞ベースのアンドロゲン受容体転写性レポーターアッセイを用いて本明細書で開示のAREの阻害活性を決定する方法を例示する。
【0178】
MDA-kb2アッセイのために、MDA-kb2乳腺乳癌細胞株を、10%FBS、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、および0.25μg/mLのアンホテリシンBを補充したL-15培地(Gibco)中、CO2不含下、37℃で維持した。実験のために、細胞を、96ウェルプレートで、100μLの培地中、1.0x104細胞(50%コンフルエンス)/ウェルで播種した。細胞が付着すると(6時間後)、培地を取り出し、10%の活性炭処理したFBSを含む投与培地で置換した。
【0179】
ケラチノサイトアッセイのために、正常なヒト成人表皮ケラチノサイト初代細胞株(ATCC PCS-200-011)を、60μMのカルシウム(Thermo MEPISOOCA)を含む、ヒトケラチノサイト増殖添加剤、100U/mLのペニシリン、および100μgのストレプトマイシンを補充したEPIUFE(登録商標)培地中、5%CO2下、37℃で維持した。実験のために、細胞を、96ウェルプレートを用いて、70%コンフルエンス、100μLの培地/ウェルで播種した。製造業者の取扱説明書に従って、プラスミドと共にリポフェクタミン3000(Life Technologies)を用いて、細胞に対してリバーストランスフェクションを行った。手短に説明すると、細胞の添加前に、100ngのDNA当たり0.3μLのトランスフェクション試薬をP3000試薬およびOpti-Memと共にインキュベートした。16時間後、培地を取り出し、投与培地で置換した。
【0180】
5α―アンドロスタン―17β―オール-3-オン(DHT)ストック溶液をエタノール中、1,000xで作製した。試験する各AREをDMSO中で作製した。処理の時点で、ストック溶液を培地中に系列希釈することにより、投与培地を作製した。培地中のエタノール濃度は、0.1%を超えてはならない。SPG-001はスピロノラクトンであり;SPG-002はケトコナゾールであり;SPG-003はスピロノラクトン-アダマンタンARE(化合物37)であり;SPG-004はスピロノラクトン-アダマンタンARE(化合物39)であり;SPG-005はケトコナゾール-アダマンタンARE(化合物42)であり;SPG-006はケトコナゾール-アダマンタンARE(化合物40)である。陰性対照ウェルは、1μLのエタノール/mLの培地および適量のDMSOを含む100μLの培地/ウェルを含有した。各プレートはまた、1.0nMのDHTを含み、ARE含有または陽性対照としてARE非含有とした。CO2非含有下、37℃で24時間、細胞をインキュベートした。
【0181】
細胞生存率を評価するために、細胞を最初に位相差顕微鏡で目視検査し、細胞コンフルエンス、形態学的変化、および薬物結晶化の存在を記録し、さらに、例えば、剥離、空胞化、膜劣化、または位相明度の欠如などの細胞毒性の徴候を観察した。顕微鏡検査後、トリパンブルー排除アッセイを実施して、細胞生存率および各ウェルの細胞数を評価した。各ウェルを0.5mLのPBSで洗浄した。30μLのトリパンブルーを各ウェルに5~10分かけて加えた。総細胞数および総生存細胞数を、ウェル当たり1つの視野から3回繰り返して計数する。
【0182】
ARE媒介阻害を評価するために、ARルシフェラーゼアッセイを実施した。1xPBSで洗浄後、ウェル当たり20μLの溶解バッファー(25mMのトリス/ホスフェート、4mMのEGTA、1%トリトン、10%グリセロール、2mMのDTT)を加え、緩やかに振盪を加えながら5分間インキュベートし、-80℃で保存した。アッセイ当日に、プレートを周囲温度で解凍し、80μLのアッセイバッファー(25mMのグリシルグリシン、15mMのMgCl2、5mMのATP、0.1mg/mlのBSA)を各ウェルに加えた。その後、プレートを、ウェル当たり100μLの1mMのD-ルシフェリンを注入することにより、マイクロプレートリーダー(POLARstar Omega)で処理し、続けて、注入の開始時に3秒間の化学発光測定を行った。ルシフェラーゼ活性を確認、測定して、相対発光量(RLU)に正規化した。ARレポーター遺伝子の活性低下値を次のように計算した:ARレポーター遺伝子活性=1-(平均シグナル(処理群)/平均シグナル(薬物を用いない処理群))。
【0183】
ARのレベルを評価するために、ELISAを実施した。
【0184】
2つの独立したMDA-kb2アッセイの結果を表1に示す。全ての試験した化合物で、ARレポーター遺伝子活性の用量依存的阻害が観察された。さらに、AR除去促進剤または除去エンハンサー成分の添加は、観察された阻害の程度を顕著に高めた。例えば、スピロノラクトンは、10μMでARレポーター遺伝子活性の41%の低下を示したが、一方、SPG-003は、10μMでARレポーター遺伝子活性の90%の低下を示した(表1)。同様に、ケトコナゾールは、10μMでARレポーター遺伝子活性の43%の低下を示したが、一方、SPG-005は、10μMでARレポーター遺伝子活性の80%の低下を示した(表1)。ARタンパク質レベルの用量依存的低下も、試験した全ての化合物で同様に観察された。さらに、AR除去促進剤または除去エンハンサー成分の添加は、観察された阻害の程度を顕著に高めた。例えば、スピロノラクトンは、10μMのARタンパク質レベルの35%の低下を示したが、一方、SPG-003は、10μMのARタンパク質レベルの71%の低下を示した(表1)。同様に、ケトコナゾールは、10μMのARタンパク質レベルの10%の低下を示したが、一方、SPG-005は、10μMのARタンパク質レベルの54%の低下を示した(表1)。
【表2】
【0185】
ケラチノサイトアッセイの結果を表2に示す。全ての試験した化合物で、ARレポーター遺伝子活性の用量依存的阻害が観察された。さらに、AR除去促進剤または除去エンハンサー成分の添加は、観察された阻害の程度を顕著に高めた。例えば、スピロノラクトンは、10μMでARレポーター遺伝子活性の59%の低下を示したが、一方、SPG-003は、10μMでARレポーター遺伝子活性の93%の低下を示した(表2)。同様に、ケトコナゾールは、10μMでARレポーター遺伝子活性の56%の低下を示したが、一方、SPG-005は、10μMでARレポーター遺伝子活性の90%の低下を示した(表2)。ARタンパク質レベルの用量依存的低下も、試験した全ての化合物で同様に観察された。さらに、AR除去促進剤または除去エンハンサー成分の添加は、観察された阻害の程度を顕著に高めた。例えば、スピロノラクトンは、10μMのARタンパク質レベルの51%の低下を示したが、一方、SPG-003は、10μMのARタンパク質レベルの65%の低下を示した(表2)。同様に、ケトコナゾールは、10μMのARタンパク質レベルの20%の低下を示したが、一方、SPG-005は、10μMのARタンパク質レベルの65%の低下を示した(表2)。
【表3】
【0186】
実施例11
阻害アッセイ
この実施例は、初代ヒトケラチノサイトを使用する細胞ベースのアンドロゲン受容体転写性レポーターアッセイを用いて本明細書で開示のAREの阻害活性を決定する方法を例示する。
【0187】
ケラチノサイトアッセイのために、正常なヒト成人表皮ケラチノサイト初代細胞株(ATCC PCS-200-011)を、60μMのカルシウム(Thermo MEPISOOCA)を含む、ヒトケラチノサイト増殖添加剤、100U/mLのペニシリン、および100μg/mLのストレプトマイシンを補充したEPIUFE(登録商標)培地中、5%CO2下、37℃で維持した。実験のために、細胞を、96ウェルプレートを用いて、70%コンフルエンス、100μLの培地/ウェルで播種した。製造業者の取扱説明書に従って、プラスミドと共にリポフェクタミン3000(Life Technologies)を用いて、細胞に対してリバーストランスフェクションを行った。手短に説明すると、細胞の添加前に、100ngのDNA当たり0.3μLのトランスフェクション試薬をP3000試薬およびOpti-Memと共にインキュベートした。16時間後、培地を取り出し、投与培地で置換した。
【0188】
ARE媒介阻害を評価するために、実施例10で記載のようにARルシフェラーゼアッセイを実施した。ARのレベルを評価するために、実施例10に記載のようにELISAを実施した。
【0189】
ニクロサミドストック溶液をエタノール中、1,000xで作製した。試験する各AREをDMSO中で作製した。処理の時点で、ストック溶液を培地中に系列希釈することにより、投与培地を作製した。培地中のエタノール濃度は、0.1%を超えてはならない。SPG-001はスピロノラクトンであり;SPG-002はケトコナゾールであり;SPG-003はスピロノラクトン-アダマンタンARE(化合物37)であり;SPG-005はケトコナゾール-アダマンタンARE(化合物42)である。陰性対照ウェルは、1μLのエタノール/mLの培地および適量のDMSOを含む100μLの培地/ウェルを含有した。各AREを50μMまでの濃度でケラチノサイトに適用した。各プレートはまた、1.0nMのニクロサミドを含み、ARE含有または陽性対照としてARE非含有とした。CO2非含有下、37℃で72時間、細胞をインキュベートした。
【0190】
結果を表3に示す。IC
50値を以下のように計算した:SPG-001:50μM;SPG-002:11μM;SPG-003:約50μM;SPG-005:2μM;およびニクロサミド:<0.2μM。結果は、SPG-001およびSPG-003の両方とも、それぞれの50μMをケラチノサイトに適用した場合、実質的に同じ細胞傷害性効果を有し、同等のIC
50値であった。これらの細胞に対し以前に細胞傷害性を示した薬物であるニクロサミドは、0.2μM未満のIC
50であった。これらの結果は、SPG-003が、皮膚細胞に対し、その親であるARアンタゴニストスピロノラクトンと同等の細胞傷害性であったことを示す(表3)。
【表4】
【0191】
実施例12
阻害アッセイ
この実施例は、初代ヒトケラチノサイトを使用する細胞ベースのアンドロゲン受容体転写性レポーターアッセイを用いて本明細書で開示のAREの阻害活性を決定する方法を例示する。
【0192】
ARE媒介阻害を評価するために、実施例10に記載のようにARルシフェラーゼアッセイを実施し、24および72時間の連続暴露後に、SPG-001(スピロノラクトン)、SPG-002(ケトコナゾール)、SPG-003(スピロノラクトン-アダマンタンARE、化合物37)、SPG-007(ケトコナゾール-HIF-1α ARE、化合物47)、SPG-008(ケトコナゾール-HIF-1α ARE、化合物49)、およびSPG-009(スピロノラクトン-HIF-1α ARE、化合物43)の効果を試験した。ARのレベルを評価するために、実施例10に記載のようにELISAを実施した。結果を、4パラメータロジスティック曲線の式を用いて、GraphPad PrismによりIC50およびIC90の値の解析を行った。下部制約(Bottom constraint)を1に設定した(非誘導対照のレベル)。全ての報告値は、0.96を超えるR-二乗値を有した。
【0193】
この実験の両方の時点で、SPG-003は、SPG-001より優れていた(表4)。例えば、レポーター遺伝子活性の観察された最大阻害は、処理の24時間後に、SPG001で65%、SPG-003で91%であった。24時間処理に対する、SPG-003のIC50は3.7μMであり、IC90は7μMであった。この実験では、SPG-001に対して、いずれのパラメータも計算され得なかった。SPG-003は、この調査で試験した群中で最良の性能を示す化合物であった。
【0194】
24時間の処理で認められるように、SPG-003は、IC
50およびIC
90の両方、ならびに、72時間処理後の観察されたレポーター遺伝子活性の最大阻害でSPG-001より優れていた。興味深いことに、SPG-003の計算IC
50は、3.7μMから2.5μMに低下した(表4)。SPG-003の計算IC
90も同様に、7μMから5.7μMに低下した(表4)。このことは、SPG-003による長時間処理は、標的ARレポーター遺伝子のさらに良好な阻害をもたらすことを示唆している。SPG-003で、ARレポーター遺伝子活性の用量依存的阻害が観察された。SPG-003は、長時間処理でARレポーター遺伝子活性の効力および阻害が増大し、同時に、細胞傷害性はヒトケラチノサイトで最小限であった。
【表5】
【0195】
ARルシフェラーゼレポーター遺伝子をトランスフェクトしたヒトケラチノサイトでSPG-001対SPG-003の持続的効果についても調査した。細胞にレポーター遺伝子をトランスフェクトした後、7μMのSPG-001または7μMのSPG-003で24時間処理した。24時間後、細胞を洗浄し、培地を、ARアンタゴニストを何ら含まない新しい培地で置換した。ARアンタゴニストの非存在下での追加の細胞培養の2日後または3日後にレポーター遺伝子活性を測定した。ARレポーター遺伝子の活性の低下を次のように計算した:1-(平均シグナル(処理群)/平均シグナル(薬物を用いない処理群、同じ休薬期間))。
【0196】
この実験の結果は、SPG-003がレポーター遺伝子活性の阻害を3日間を超えて持続したことを示し、これは、SPG-001で処理した細胞で観察されたものより有意に良好であった。例えば、表5から分かるように、SPG-003の除去の3日後、SPG-003処理細胞において、レポーター遺伝子活性が48%抑制された。しかし、同じ濃度のSPG-001で処理された細胞は、レポーター遺伝子の24%の阻害のみを示した。これらのデータは、ここでも、その親のSPG-001に比べて、ARアンタゴニストとしてのSPG-003の優位性を明確に示している。細胞生存率は、この調査期間中、両方の化合物で90%~100%であった。
【表6】
【0197】
実施例13
阻害アッセイ
この実施例は、初代ヒトケラチノサイトを使用する細胞ベースのアンドロゲン受容体転写性レポーターアッセイを用いて本明細書で開示のAREの阻害活性を決定する方法を例示する。
【0198】
化合物の効力を明らかにするために、実施例10で記載のようにMDA-kb2アッセイを実施した。レポーター遺伝子活性を測定する前に、細胞を化合物で24時間処理した。0.1nMのDHTで24時間処理したMDA-kb2細胞中でSPG-001およびSPG-003のIC50およびIC90を測定した。ARルシフェラーゼアッセイ結果を、4パラメータロジスティック曲線の式を用いて、GraphPad Prismで解析した。下部制約(Bottom constraint)を1に設定した(非誘導対照のレベル)。
【0199】
女性のヒト皮膚のパラメータにより良く合わせるようにホルモンレベルを減らしたとしても、レポーター遺伝子活性は、それでも極めて有効であり、DHTに曝露されなかった対照に比べて、12倍の誘導を示した。この実験では、SPG-001は、レポーター遺伝子活性を阻害する明白な能力を有さなかった。承認済みのARアンタゴニストである酢酸シプロテロンは、実際に、3.3μMを超える濃度で、ARアゴニスト活性を示したが、1μM未満の濃度では、アンタゴニスト活性は限られていた。SPG-003は、95%のレポーター遺伝子活性の最大阻害、789nMのIC
50、2.71μMのIC
90を示した。MDA-kb2乳癌細胞生存率は、6μM~10μMのSPG-003で処理時に、80%~50%に低下し始めたが、この現象は、以前のこの細胞株を用いた類似の実験では認められず、より注意深く調査する必要がある。これらの実験は、SPG-003による、ARレポーター遺伝子活性の用量依存的阻害を示した。この用量依存的阻害は、低い(以前の実験の10倍低い)DHTレベルの条件下では、SPG-001または酢酸シプロテロンで観察されなかった。
【表7】
【0200】
実施例14
製剤の調査
SPG-003のヒトおよびマウスの皮膚への局所送達用製剤の開発および実験的処方に関する調査を実施した。これらの調査結果から実験に基づく製剤を特定し、その後、これを、標準的FDCチャンバーを用いてヒトおよびマウスの皮膚に適用した。これらの製剤の調査から、IPM/エタノール/トランスクトール/49.8/30/20 w/w/wからなる製剤が最適であることが特定された。これらの調査は、SPG-003の真皮および表皮への顕著な浸透を示し、局所的に適用された場合、これらの製剤は、インビボで効果的にARを阻害するように使用し得ることを示唆した。
【0201】
溶解度スクリーニング試験を次記の8種の溶媒系で実施した:(1)トランスクトール:エタノール:イソプロピルミリステート(IPM) 2:3:5(v:v);(2)トランスクトール:エタノール 3:7(v:v);(3)エタノール:プロピレングリコール 1:1(v:v);(4)エタノール:H2O 7:3(v:v);(5)IPM;(6)エタノール:ツイーン80:セチルアルコール 90:5:5(w:w);(7)CCT:ツイーン80:セチルアルコール 90:5:5(w:w);および(8)CCT:イソプロパノール 1:1(v:v)。これらの溶媒系をFDA不活性成分データベース(IIG)から選択した。1つの目的は、1重量%の標的化API濃度の溶液製剤の溶媒系を特定することであった。別の目的は、潜在的に良好な浸透増強剤で、しかも、臨床的に有望な溶媒を特定することであった。セチルアルコールは個体であるため、それらを用いた溶媒系は重量比で作製した。
【0202】
溶媒系(3)、(4)、(5)および(7)に対しては、SPG-003は、長時間の超音波処理後、可溶性ではなかった。溶媒系(1)、(2)、(6)および(8)に対しては、SPG-003は、これらの溶媒系中で良好な可溶性を有していた。トランスクトール:エタノール:IPM 2:3:5(v:v)を溶液製剤として選択した。理由は、これが良好な浸透増強剤(トランスクトール)および脂質IPM(臨床的に有望)を含有しているためである。
【0203】
SPG-003製剤の浸透能力を調べるために、2種の異なるアッセイを実施した。30%変性アルコール、49%IPM、20%トランスクトールを含む混合物中にSPG-003(最終濃度1.0重量%)を加え、この混合物を化合物が溶解するまで超音波処理することにより、SPG-003製剤を作製した。
【0204】
ヒト死体皮膚組織を米国の組織バンクから購入した。2ロットの採取された皮膚組織を使用した。ドナー人口統計データ:組織08033(平均厚み:397μm):性別=男性、年齢=58、人種=白人、および解剖学的部位=腹部;組織08696(平均厚み:1.040μm):性別=男性、年齢=50、人種=白人、および解剖学的部位=腹部。厚さは、デジタルはさみゲージを使って測定した。各ドナー(N=2)に対し、2回繰り返した。組織をドライアイス梱包で受領した。それを使用まで-20℃で保存した。
【0205】
最初の目視検査を通過後、皮膚組織のバリアーの健全性を経皮電気抵抗測定(TEER測定)を用いて評価した。100Hzの周波数で、室温下、LCRメーターを用いて測定を実施した。測定媒体は、0.9%NaCl溶液とし、1対のステンレス鋼電極を用いた。皮膚吸収および浸透試験の前に、ヒト皮膚組織の各ロットに対する電気抵抗値を評価した。ドナーの年齢、性別、人種、および解剖学的部位における潜在的なロット間変動があるために、測定の目的は、使用される各ロットの未処理の死体組織の現時点の皮膚吸収および浸透試験での閾値を確定することであった。各ロットから選択した部位由来の6種の組織試料を採取した。経皮電気抵抗値(TEER測定値、Z値)を測定した。全ての報告されたTEER値は、測定媒体ブランク(約1.3キロオーム)の減算後の正味値である。閾値TEER値は、ドナー08033では6.0キロオームであり、ドナー08696では10キロオームであった。可視欠陥を有する組織に対しては、TEER値は0.1キロオーム~0.5キロオームであることが明らかになった。
【0206】
製剤スクリーニング試験を高スループットスクリーニング(HTS)ステーション中で実施した。皮膚組織試料(1xPBS、pH7.4で洗浄後)をHTSステーションの拡散セルに取り付けた。総計4セルを試験に使用した。ステーションの各セルは、0.503cm2(直径8mm)の拡散面積を有する。それぞれ個々のセルは、静的フランツセルタイプである。受容体チャンバーに、0.01%の硫酸ゲンタマイシンを補充した3.0mLの水中4%のBSAを満たし、これを強く、連続的に混合した。温度を32±0.1℃に設定した。投与の前に、HTSセル中の組織試料を32±0.1℃で1時間平衡化した。各試料に対し、適用するSPG-003製剤の投与量は5.0μLで、各試料を2回反復実験した。
【0207】
データ収集時点は8時間であった。その時間の最後に、皮膚組織をセルから取り出した。組織表面を、蒸留水で濡らしたQチップ(綿棒)で注意深く拭き取り、続いて、乾燥型Qチップで1回拭き取り、その後、蒸留水で濡らしたQチップで拭き取り、続けて、乾燥型Qチップでもう1回拭き取った。その後、テープストリッピングを2回行い、皮膚表面に残っている残留製剤を除去した(非吸収/非浸透)。次に、標準的テープストリッピング方法を用いて、SC層を除去した。スコッチテープをテープストリッピングプロセスに用いた。テープストリッピングサイクルを合計15回繰り返した。ヒト死体皮膚からSC層を完全に除去するのに15回のストリッピングサイクルで十分であることが、我々の実験室で確立された。収集したテープストリップを廃棄した。SC層の除去後、表皮および真皮層を小片に切断し、オービタルシェーカーを用いて、7.0mlのDMSO/ACN=1:1 v/vで、室温下一晩抽出した。抽出物を収集し、分析の準備が整った。受容体液を収集し、分析用に調製した。BSA中のSPG-003およびDMSO/ACN=1:1 v/vマトリックスに浸漬したヒト皮膚試料の定量用に、液体クロマトグラフィー-タンデム型質量分析(LC-MS/MS)法を開発した。SPG-003較正の濃度範囲は、BSAマトリックスに対しては1ng/mL~120ng/mLであり、DMSO/ACN=1:1 v/vマトリックスに浸漬したヒト耳皮膚試料に対しては10ng/mL~1000ng/mLであった。
【表8】
【0208】
化合物SPG-003は、限られた量の皮膚浸透を示すが、8時間の暴露後、表皮および真皮中の良好な皮膚保持量を示す。
【0209】
上記結果に基づいて、ハムスター皮膚モデルを用いて類似の皮膚浸透試験を実施した。SPG-003およびスピロノラクトンの両方を、トランスクトール:エタノール:IPM 2:3:5(v:v)を用いて上述のように処方した。各試料に対し、適用する製剤の投与量は10.0μLで、各試料を4回反復実験した。8時間の時点で、表皮および皮層中の化合物吸収および受容体媒体中への浸透に関し、試料を評価した。
【表9】
【0210】
化合物SPG-003は、限られた量の皮膚浸透を示すが、良好な量の皮膚吸収を有する。換言すれば、SPG-003は、主に、表皮/真皮層に保持される。化合物スピロノラクトンは、良好な量の皮膚浸透および吸収を有する。
【0211】
実施例15
インビボアンドロゲン脱毛試験
これらの実験では、溶液中およびマウス皮膚ホモジネートにおけるSPG-003製剤の安定性を試験した。
【0212】
溶液中での製剤安定性を試験するために、約100mgのSPG-003製剤を4mLのバイアル中に秤取し、3mLのエタノールを加えて、製剤を完全に溶解した。その後、300μLのエタノール溶液を、700μLのアセトニトリル/H
2O(70/30 v/v)中に加えて、1mLの最終溶液を作製し、HPLC分析用によく混合した。SPG-003の溶液製剤を室温(20℃)および4℃で21日まで保存し、効力をT0および21日目に試験した。
【表10】
【0213】
組織ホモジネート中での製剤安定性を試験するために、SPG-003製剤をマウス皮膚ホモジネート中、32℃で24時間インキュベートした。このインキュベーション時間後、10倍量のアセトニトリルをホモジネート試料中に加えて反応をクエンチし、タンパク質を沈殿させた。その後、試料を遠心分離し、透明な上清をHPLCにより分析した。
【表11】
【0214】
これらの実験は、SPG-003製剤が、少なくとも最大21日の保存期間中の溶液中、室温および4℃の両方で良好な安定性を示す。加えて、この製剤は、マウス皮膚ホモジネート中で、32℃でのインキュベーションで最大24時間まで安定である。
【0215】
実施例16
インビボアンドロゲン脱毛試験
アンドロゲン脱毛症のマウスモデルを利用して、本明細書で開示のAREの活性を実証する。7週齡雄C57BL/6マウスの背中を試験の開始時点で剪毛、脱毛し、100uLの1%テストステロンを各マウスの背中に毎日適用し、毛の再成長を抑制する。10uLの各AREも同様に、1%テストステロンの存在下、局所的にマウスに毎日適用する。脱毛は、全ての毛包を成長へと、または毛髪サイクルの成長期段階へと同期して進行させ、同時に外来性のテストステロンは毛髪の成長を抑制するように作用する。テストステロンの非存在下では通常、完全な毛髪の再成長が14日以内に起こる。テストステロンの存在は、毛髪の再成長を約7日間遅らせる。AREの添加時までに、再成長の遅延は回復され、それにより、インビボでのアンドロゲンの毛髪成長阻害効果を遮断する化合物の能力を示す。各実験処理群のマウスは、8~10匹の動物からなる。
【0216】
実施例17
インビボ皮脂低減モデル
シリアンハムスター耳モデルを用いて、局所的に適用した場合の本明細書で開示のAREの皮脂産生を抑制する能力を実証する。各AREは、2週間適用される。試験の完了時に、動物を屠殺し、皮脂産生と極めてよく相関することが知られているワックスエステルを抽出し、脂質含量を分析する。さらに、皮脂産生の別の測定として、脂腺サイズを組織学的に評価する。スピロノラクトンおよび酢酸シプロテロンなどの経口ARアンタゴニストは、雌性の皮脂産生およびアクネ重症度の両方の低減に効果的であることが示された。
【0217】
最後に、特定の実施形態に言及することにより本明細書の態様が強調されているが、これらの開示実施形態は、本明細書で開示の主題の原理を例示したものに過ぎないことは、当業者に容易に認識されるであろうことを理解されたい。従って、特に明記されない限り、開示主題は、本明細書で記載の特定の化合物、組成物、物品、装置、方法、プロトコル、および/または試薬などに決して限定されないことを理解されたい。加えて、当業者なら、特定の変更、修正、並べ替え、変化、付加、取り消しおよびこれらの副組み合わせを、本明細書の趣旨から逸脱することなく本明細書の教示に従って行うことができることを理解するであろう。したがって、以降で導入される次の添付請求項(単一または複数)は、全てのこのような変更、修正、並べ替え、変化、付加、取り消しおよび副組合わせを、それら請求項の真の趣旨と範囲内にあるものとして包含すると解釈されるべきであることが意図されている。
【0218】
本発明の特定の実施形態が本明細書に記載されており、これには、発明者らに既知の本発明を実施するための最良の形態が含まれる。当然のことながら、これまでの記載を読めば、ここに記載した実施形態に対する変形形態が当業者に明らかとなるであろう。発明者は、当業者が必要に応じてこのような変更を採用することを予期しており、また、発明者らは、本明細書で具体的に記載された方法とは別の方法で本発明が実施されることは考慮している。従って、本発明は、適用法で認められている本明細書に添付の請求項に記載の主題の全ての変形物および均等物を含む。さらに、本明細書で特に指示がない限り、または別の理由で文脈と明確に矛楯することがない限り、その全ての可能な変形物としての上述の実施形態のいずれの組み合わせも本発明に包含される。
【0219】
本発明の代替実施形態、要素、またはステップのグループ分けは、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。各グループのメンバーは、本明細書で開示のその他のグループメンバーを参照しても、個別に、またはそれらと任意に組み合わせて請求されてもよい。グループの1つまたは複数のメンバーが、利便性、および/または特許性の理由で、グループに含められるか、またはグループから除去される場合があることが予測される。このような何らかの包含または削除が生じた場合、明細書は、修正され、添付の請求項で使用される全てのマーカッシュグループの記述要件を満たすグループを含むものと見なされる。
【0220】
別段の指示がない限り、本明細書および請求項で使われる特性、項目、量、パラメータ、性質、期間、などを表す全ての数字は、全ての場合において、「約」という語で修飾されているものとして理解されるべきである。本明細書で使用する場合、用語の「約」は、そのように限定された、特性、項目、量、パラメータ、性質、期間が、表示された特性、項目、量、パラメータ、性質、期間の値より、プラスまたはマイナス10%高いまたは低い範囲を包含することを意味する。従って、特に指示がない限り、明細書および添付請求項に記載の数値パラメータは変わってもよい近似値である。例えば、質量分析装置は、所与の分析物の質量の決定で僅かに変動し得るので、イオンの質量またはイオンの質量/電荷比の場合の用語の「約」は、±0.50原子質量単位を意味する。控えめに言っても、また、請求項の範囲に対する均等論の適用を限定しようとするものでもないが、各々の数値表示は、少なくとも、報告された有効桁数を考慮に入れて、および通常の丸め技術を適用することによって解釈しなければならない。
【0221】
実施形態または実施形態の態様に関連して、用語の「may」または「can」の使用は、「may not」または「cannot」の別の意味も有している。従って、本明細書が、実施形態または実施形態の態様が、本発明の主題の一部として含んでもよいまたは含み得ることを開示する場合、消極的な限定または除外条件も同様に明示的に意図され、実施形態または実施形態の態様が本発明の主題の一部として含まれなくてもよい、または含まれ得ないことを意味する。同様に、実施形態または実施形態の態様に関連して、用語の「任意に」の使用は、このような実施形態または実施形態の態様が本発明の主題の一部として含まれてもよく、または本発明の主題の一部として含まれなくてもよいことを意味する。このような消極的な限定または除外条件が該当するかどうかは、請求された主題中にその消極的な限定または除外条件が記述されているかどうかに基づくであろう。
【0222】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲および値は近似値であるにもかかわらず、具体例な実施例に記載の数値範囲および値は可能な限り正確に報告されている。しかしながら、いずれの数値範囲および値も、それらの各試験測定で認められる標準僅差に起因して必然的に生じる一定の誤差を本質的に含む。本明細書における値の数値範囲の記載は、その範囲内に入るそれぞれ別々の値を個別に参照する省略表現法として機能することを意図しているに過ぎない。本明細書で特に指示がない限り、数値範囲のそれぞれの個別値は、あたかもそれが個別に本明細書中に記述されているかのように明細書中に組み込まれる。
【0223】
本発明を記載する文脈において(特に、次の特許請求の範囲の文脈において)使用される用語の「a」、「an」、「the」は、別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾することがない限り、単数形および複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。さらに、特段の定めが無い限り、特定した要素に対する順序標識-例えば、「第1の」、「第2の」、「第3の」、など-は、要素間を区別するために使用され、必要とされるまたは限られた数のこのような要素を示すものでも、暗示するものでもなく、また、このような要素の特定の位置または順序を示すものでもない。本明細書で記載の全ての方法は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈上明らかに矛盾することがない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書で提供されるいずれかのおよび全ての例、または例示的表現(例えば、「(など)such as」)の使用は、本出願をより明らかにする意図によるものに過ぎず、別に請求される本出願の範囲に制限を課すものではない。明細書中のどの用語も、本発明の実施に必須のいずれかの非請求要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0224】
特許請求の範囲で使用される場合、出願時、または補正時の追加であるにかかわらず、開放型移行語「含む(comprising)」(および含む(including)、含む(containing)および有する(having)などのその等価の開放型移行句)は、全ての明示的に記述された要素、限定、ステップおよび/または特徴を単独でまたは非記述主題と組み合わせて包含し、表示要素、限定および/または特徴は不可欠であるが、その他の非表示要素、限定および/または特徴を追加し得、さらに、特許請求の範囲内の構築物を形成し得る。本明細書で開示の特定の実施形態は、「含む(comprising)」の代わりにまたはそれを補正して、「からなる(consisting of)」、または「から本質的になる(consisting essentially of)」という閉鎖型移行句言い方を使って請求項中でさらに制限され得る。特許請求の範囲で使用される場合、出願時、または補正時の追加であるにかかわらず、「からなる(consisting of)」という閉鎖型移行句は、特許請求の範囲に明示的に記述されないいずれの要素、限定、ステップまたは特徴をも除外する。「から本質的になる(consisting essentially of)」という閉鎖型移行句は、特許請求の範囲に明示的に記述された要素、限定、ステップおよび/または特徴および任意ならびに請求された主題の基本的および新規特性に実質的に影響を及ぼさない任意の他の要素、限定、ステップおよび/または特徴に限定する。従って、開放型移行句「含む(comprising)」の意味は、全ての特に記述された要素、限定、ステップおよび/または特徴ならびに任意の自由選択の、指定されていない追加のものとして定義される。閉鎖型移行句「からなる(consisting of)」という閉鎖型移行句の意味は、特許請求の範囲に明示的に記述された要素、限定、ステップおよび/または特徴のみを含むとして定義され、一方、「から本質的になる(consisting essentially of)」という閉鎖型移行句の意味は、特許請求の範囲中に特に記述された要素、限定、ステップおよび/または特徴、および請求された主題の基本的および新規特性に実質的に影響を及ぼさない要素、限定、ステップおよび/または特徴のみを含むとして定義される。従って、開放型移行句「含む(comprising)」(およびその等価の開放型移行句)は、その意味中に、限定的な場合として、閉鎖型移行句「からなる(consisting of)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」により指定された請求主題を含む。語句「含む(comprising)」を用いて本明細書で記載のまたはそのように請求されたこのような実施形態は、語句「からなる(consisting of)」および「から本質的になる(consisting essentially of)」に対し、明示的にまたは本質的に本明細書で明確に記述され、有効にされ、立証される。
【0225】
本明細書で言及され、特定された全ての特許、特許公報、および他の刊行物は、例えば、このような刊行物に記載され、本発明との関係で使用可能な組成物および方法を説明し、開示するために、個別に、明示的に参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は、単に本出願の出願日に先行してそれらが開示されているという理由で提示されている。この点に関するいずれも、本発明者らが、先行発明または何らかの他の理由でこのような開示に先行する権利がないことを容認すると解釈されるべきではない。これらの文書の内容に関する日付または表現は、出願者らに入手可能な情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正確さに関して何ら承認するものではない。
【0226】
最後に、本明細書に使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、本発明の範囲を制限することを意図していない。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ規定される。従って、本発明は、示しされた説明された通りの形態に正確に限定されるものではない。