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特許7061139光学モジュール用の溶接構造及びその応用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-19
(45)【発行日】2022-04-27
(54)【発明の名称】光学モジュール用の溶接構造及びその応用
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20220420BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20220420BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20220420BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
G02B7/02 C
G02B7/02 A
G02B7/02 Z
G03B17/02
G03B30/00
H04N5/225 100
H04N5/225 400
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019567343
(86)(22)【出願日】2018-06-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 CN2018090397
(87)【国際公開番号】W WO2018224031
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2020-03-03
(31)【優先権主張番号】201710427335.5
(32)【優先日】2017-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518168041
【氏名又は名称】▲寧▼波舜宇光▲電▼信息有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】姚 立▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】▲チュー▼ 水佳
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 春梅
(72)【発明者】
【氏名】▲厳▼ 春▲チー▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 王振
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-090180(JP,A)
【文献】特開2010-243619(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105445889(CN,A)
【文献】特開2004-325595(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0115375(US,A1)
【文献】特開2010-219696(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0128684(US,A1)
【文献】特開2010-175674(JP,A)
【文献】特開2008-172724(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106331455(CN,A)
【文献】特開2006-039403(JP,A)
【文献】特開2016-051076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02
G03B 17/02
G03B 30/00
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の載置部材と、前記第1の載置部材に取り付けられている第1のグループレンズとを含む、少なくとも一つの第1のグループユニットと、
第2の載置部材と、前記第2の載置部材に取り付けられている第2のグループレンズとを含む、少なくとも一つの第2のグループユニットと、
少なくとも一つの第1の溶接部材と、前記第1の溶接部材に溶接して固定される少なくとも一つの第2の溶接部材とを含む溶接構造と、
を含むマルチグループレンズであって、
前記第1の溶接部材および前記第2の溶接部材はそれぞれ、前記第1の載置部材と前記第2の載置部材に設置され、前記第1のグループユニットが前記第2のグループユニットに取り付けられると、前記第1の載置部材は前記第2の載置部材に支持されており、
前記第1の溶接部材は環状構造を有し、前記第1の溶接部材は、第1の埋め込み部と、前記第1の埋め込み部に接続された第1の接続部とを含み、前記第1の溶接部材の第1の埋め込み部と第1の接続部は異なる高さを有する、
マルチグループレンズ。
【請求項2】
前記第1の載置部材は、第1の本体と、前記第1の本体から外側に延びる外側延伸台とを含み、前記外側延伸台は第1の外側底面を有し、前記第1の溶接部材は前記第1の外側底面に設置され、前記第2の載置部材は、第2の本体と、前記第2の本体から延びる支持台とを含み、前記支持台は、前記第1の載置部材の前記外側延伸台を載置するための外側上面を有し、前記第2の溶接部材は前記支持台の前記外側上面に設置されている、請求項1に記載のマルチグループレンズ。
【請求項3】
前記第1の載置部材は、第1の本体と、前記第1の本体から外側に延びる外側延伸台とを含み、前記外側延伸台は第1の外側面を有し、前記第1の溶接部材は前記外側延伸台の前記第1の外側面に設置され、前記第2の載置部材は、第2の本体と、前記第2の本体から延びる支持台とを含み、前記支持台は、前記第1の載置部材の前記外側延伸台を載置するための第2の外側面を有し、前記第2の溶接部材は前記支持台の前記第2の外側面に設置されている、請求項1に記載のマルチグループレンズ。
【請求項4】
前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材はそれぞれ前記第1の載置部材と前記第2の載置部材に埋め込まれている、請求項2または3に記載のマルチグループレンズ。
【請求項5】
前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材とから選択される少なくとも一つは、スプリットした複数の部分から構成される、請求項4に記載のマルチグループレンズ。
【請求項6】
前記第1の溶接部材および前記第2の溶接部材は、同じ構造を有するように構成される、請求項4に記載のマルチグループレンズ。
【請求項7】
前記第1の溶接部材が前記第1の載置部材に埋め込まれた時、前記第1の埋め込み部は前記第1の載置部材に埋め込まれ、前記第1の接続部は第1の露出面を形成している、請求項4に記載のマルチグループレンズ。
【請求項8】
前記第2の溶接部材は、第2の埋め込み部と、前記第2の埋め込み部に接続された第2の接続部とを含み、前記第2の溶接部材が前記第2の載置部材に埋め込まれた時、前記第2の埋め込み部は前記第2の載置部材に埋め込まれ、前記第2の接続部は第2の露出面を形成し、前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材が溶接された後、前記第1の接続部の前記第1の露出面と前記第2の接続部の前記第2の露出面とは互いに接合されている、請求項7に記載のマルチグループレンズ。
【請求項9】
前記外側延伸台は、溶接ポートを有し、前記溶接ポートは、前記外側延伸台の前記第1の外側底面から前記外側延伸台の上側面まで伸びている、請求項2に記載のマルチグループレンズ。
【請求項10】
前記支持台は、溶接ポートを有し、前記溶接ポートは、第3の外側面から前記第2の外側面まで伸びている、請求項3に記載のマルチグループレンズ。
【請求項11】
感光モジュールと、
前記第1のグループユニットと前記第2のグループユニットの少なくとも一つを載置する前記感光モジュールに設置されたレンズ載置素子と、を更に含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載のマルチグループレンズ。
【請求項12】
前記第2の溶接部材が前記第1の溶接部材に溶接して固定される前に、前記第1のグループユニットと前記第2のグループユニットとは較正される、
ことを特徴とする、請求項1に記載のマルチグループレンズ。
【請求項13】
感光モジュールと、
前記感光モジュールに設置される請求項1~12のいずれか一項に記載のマルチグループレンズとを含む、
ことを特徴とする、光学モジュール。
【請求項14】
機器本体と、
前記機器本体に取り付けられている請求項13に記載の光学モジュールとを含む、
ことを特徴とする、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学モジュールの分野に係るものであり、特に、溶接固定により固定されたマルチグループレンズを備えた光学モジュールに関するものであり、前記マルチグループレンズ間は、前記溶接構造により互いに固定され、それにより前記光学モジュールの安定性が向上する。
【背景技術】
【0002】
光学モジュールは、撮像や監視などの電子製品で広く使用されている。前記光学モジュールは、一つの回路基板アセンブリと、一つの光フィルターと、一つのレンズとを含み、前記回路基板アセンブリは、一つの回路基板本体と、一つの感光チップと、複数の電子素子と、一つの支持架台とを含み、前記感光チップ、前記電子素子、および前記支持架台はそれぞれ前記回路基板本体に取り付けられており、前記光フィルターと前記レンズはそれぞれ前記支持架台に取り付けられ、しかも前記感光チップの感光経路に位置する。
【0003】
従来、前記感光チップを前記回路基板本体に取り付ける場合でも、前記支持架台を前記回路基板本体に取り付ける場合でも、前記レンズを鏡筒に取り付ける場合でも、鏡筒を前記支持架台に取り付ける場合でも、いずれも接着剤などのその他の媒体を用いて接着固定により取り付けていた。接着剤などの類似の媒体を使用して固定する場合、このタイプの媒体の熱膨張係数または収縮係数は、固定される構造の表面材質の熱膨張または収縮係数とは異なるため、接着剤によって相対的に固定された構造が加熱されて冷却した後に変形しやすくなり、さらに光学モジュールの性能に影響を与えてしまう。この変形はよく、光学モジュールの組立後に発生する。特に、光学モジュールが電子製品に取り付けられた後、電子製品は使用状態と非使用状態との二つの状態間で切り替えられるのが多い。電子製品が使用状態では発熱し、非使用状態に切り替えると、温度差が生じ、この時、光学モジュール内の接着剤によって固定された構造は変形してしまう。
【0004】
また、接着剤を用いて固定する場合、接着剤によって固定された構造の表面間に一定の厚さを有する接着剤が形成されるため、設計時に、接着剤によって固定される二つの構造の表面間に一定の隙間を事前に設定する必要がある。これによって、最終的に形成される光学モジュールの体積が増加するだけではなく、設計の難しさも増加する。
【0005】
特に、光学モジュールのレンズについて言えば、レンズは光学モジュールの重要な部品であり、光学モジュールの結像品質に直接に影響する。
【0006】
インテリジェント化の発展につれ、光学モジュールに対する要求も高くなりつつある。例えば、結像にはますます高画素が要求され、これによって、光学モジュールのレンズ内のレンズエレメント(lens)数もどんどん増え、例えば、5~6枚にも達している。
【0007】
光軸の一致性、すなわち、各レンズエレメントの中心軸の一致性を確保し、しかも感光チップの中心軸との一致性を確保することは、良好な結像品質を確保するための基礎である。従来のレンズでは、複数のレンズエレメントを逐次に一つの鏡筒に組み立てるのが通常であるが、組立プロセスにおいて、各レンズエレメントを鏡筒に組み立てる時に一定の誤差が不可避的に生じ、最後に、各レンズエレメント全体と鏡筒との間の組立により累積誤差が形成し、すなわち、単一のレンズの組立誤差が形成する。このことから、レンズエレメント数が多ければ多いほど、累積誤差が大きくなり、レンズ全体の品質が低下し、レンズ製造プロセスにおける歩留まりが低下することが容易に理解できる。
【0008】
一方、従来のレンズでは、複数のレンズエレメントは同一の鏡筒に組み込まれ、各レンズエレメント間の相対位置は基本的に固定しており、調節することができない。レンズエレメントが鏡筒に組み込まれると、レンズの質は決定されるため、鏡筒とレンズエレメントの加工精度に対する要求は高くなる。
【0009】
レンズエレメント数が少ないレンズの場合、レンズエレメントの組立誤差による影響は小さいので、全体的なレンズは製造およびモジュールの組立にとってより大きな利点があるかもしれないが、レンズエレメントの数が増えると、レンズエレメント数が増えるほど、レンズによって引き起こされる問題が深刻になる。そのため、レンズの改善が急務である。複数のレンズエレメントを介して高画素を提供する上で良好な結像品質および製造プロセスでの歩留まりを如何に確保するかは、研究すべき重要な面である。
【0010】
また、レンズのレンズエレメントおよびレンズエレメントと鏡筒との組立関係は、レンズの質に直接に影響する。光学モジュール、特にスマートフォンなどの一部のスマートデバイスで使用される光学モジュールは、寸法が比較的に小さいため、既存の機器に対する要求を考え、レンズの構造を最大限に活用し、実際の製造応用に適したレンズを研究することも考慮すべき面である。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、光学モジュール用の溶接構造及びその応用を提供する。前記光学モジュールの第1のモジュールアセンブリおよび第2のモジュールアセンブリが溶接構造によって相対的に固定された後、前記第1のモジュールアセンブリと前記第2のモジュールアセンブリは、熱膨張による大きな相対変位がなく、前記第1のモジュールアセンブリと前記第2のモジュールアセンブリおよび前記溶接構造が配置されている環境が回復すると、前記第1のモジュールアセンブリと前記第2のモジュールアセンブリ間の、熱膨張による変位もなくなり、これによって、前記マルチグループレンズは安定した光学性能を維持することができる。
【0012】
本発明は、より小さい体積を有する光学モジュールに用いられる溶接構造及びその応用を提供する。
【0013】
本発明は、光学モジュールの第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリとを相対的に固定する前に、前記第1のモジュールアセンブリと前記第2のモジュールアセンブリとの間の相対位置を調整する方式で前記光学モジュールを校正することができる、光学モジュール用の溶接構造及びその応用を提供する。
【0014】
本発明の少なくとも一つの目的を実現するために、本発明は、光学モジュール用の溶接構造を提供し、該光学モジュールは、少なくとも一つの第1のモジュールアセンブリと、少なくとも一つの第2のモジュールアセンブリとを含み、前記溶接構造は、少なくとも一つの第1の溶接部材と、少なくとも一つの第2の溶接部材とを含み、前記第1の溶接部材は前記第1のモジュールアセンブリに設置され、前記第2の溶接部材は前記第2のモジュールアセンブリに設置され、前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材とが溶接されると、前記第1のモジュールアセンブリと前記第2のモジュールアセンブリとが互いに相対的に固定される。
【0015】
本発明の少なくとも一つの目的を実現するために、本発明は、
一つの第1の載置部材と、前記第1の載置部材に取り付けられている一つの第1のグループレンズエレメントとを含む、少なくとも一つの第1のグループユニットと、
一つの第2の載置部材と、前記第2の載置部材に取り付けられている一つの第2のグループレンズエレメントとを含む、少なくとも一つの第2のグループユニットと、
少なくとも一つの第1の溶接部材と、前記第1の溶接部材に溶接して固定される少なくとも一つの第2の溶接部材とを含む一つの溶接構造と、
を含むマルチグループレンズであって、
前記第1の溶接部材および前記第2の溶接部材はそれぞれ、前記第1の載置部材と前記第2の載置部材に設置され、前記第1のグループユニットが前記第2のグループユニットに取り付けられると、前記第1の載置部材は前記第2の載置部材に支持される、マルチグループレンズを提供する。
【0016】
本発明の一つの実施形態において、前記第1の載置部材は、一つの第1の本体と、前記第1の本体から外側に延びる一つの外側延伸台とを含み、前記外側延伸台は一つの第1の外側底面を有し、前記第1の溶接部材は前記第1の外側底面に設置され、前記第2の載置部材は、一つの第2の本体と、前記第2の本体から延びる一つの支持台とを含み、前記支持台は、前記第1の載置部材の前記外側延伸台を載置するための一つの外側上面を有し、前記第2の溶接部材は前記支持台の前記外側上面に設置される。
【0017】
本発明の一つの実施形態において、前記第1の載置部材は、一つの第1の本体と、前記第1の本体から外側に延びる一つの外側延伸台とを含み、前記外側延伸台は一つの第1の外側面を有し、前記第1の溶接部材は前記外側延伸台の前記第1の外側面に設置され、前記第2の溶接部材は、前記外側延伸台の前記第1の外側面に設置され、前記第2の載置部材は、一つの第2の本体と、前記第2の本体から延びる一つの支持台とを含み、前記支持台は、前記第1の載置部材の前記外側延伸台を載置するための一つの第2の外側面を有し、前記第2の溶接部材は前記支持台の前記第2の外側面に設置される。
【0018】
本発明の一つの実施形態において、前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材はそれぞれ前記第1の載置部材と前記第2の載置部材に埋め込まれている。
【0019】
本発明の一つの実施形態において、前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材とから選択される少なくとも一つは、閉鎖した環状である。
【0020】
本発明の一つの実施形態において、前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材とから選択される少なくとも一つは、スプリットした複数の部分から構成される。
【0021】
本発明の一つの実施形態において、前記第1の溶接部材および前記第2の溶接部材は、同じ構造を有するように構成される。
【0022】
本発明の一つの実施形態において、前記第1の溶接部材は、一つの第1の埋め込み部と、前記第1の埋め込み部に接続された一つの第1の接続部とを含み、前記第1の溶接部材が前記第1の載置部材に埋め込まれた時、前記第1の埋め込み部は前記第1の載置部材に埋め込まれ、前記第1の接続部は第1の露出面を形成する。
【0023】
本発明の一つの実施形態において、前記第2の溶接部材は、一つの第2の埋め込み部と、前記第2の埋め込み部に接続された一つの第2の接続部とを含み、前記第2の溶接部材が前記第2の載置部材に埋め込まれた時、前記第2の埋め込み部は前記第2の載置部材に埋め込まれ、前記第2の接続部は第2の露出面を形成し、前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材が溶接された後、前記第1の接続部の前記第1の露出面と前記第2の接続部の前記第2の露出面とは互いに接合されている。
【0024】
本発明の一つの実施形態において、前記外側延伸台は、前記外側底面に対向する一つの上側面と一つの溶接ポートとを有し、前記溶接ポートは、前記外側延伸台の前記外側底面から前記外側延伸台の前記上側面まで伸びる。
【0025】
本発明の一つの実施形態において、前記支持台は、前記第2の外側面に対向する一つの第3の外側面と一つの溶接ポートとを有し、前記溶接ポートは、前記第2の外側面から前記第3の外側面まで伸びる。
【0026】
本発明の一つの態様によれば、本発明の上記少なくとも一つの目的を実現するために、本発明は、
一つの回路基板アセンブリと、
前記回路基板アセンブリに設置される上記一つのマルチグループレンズとを含む、
光学モジュールを提供する。
【0027】
本発明の一つの態様によれば、本発明の上記少なくとも一つの目的を実現するために、本発明は、
一つの回路基板アセンブリと、
前記回路基板アセンブリに設置された一つのレンズ載置素子と、
前記レンズ載置素子に取り付けられている一つのレンズと、
少なくとも一つの第1の溶接部材と少なくとも一つの第2の溶接部材とを含む溶接構造と
を含む光学モジュールであって、前記第1の溶接部材は前記レンズ載置素子に設置され、前記第2の溶接部材は、前記第1の溶接部材に溶接して固定されるように前記レンズに設置されている、光学モジュールを提供する。
【0028】
本発明の一つの実施形態において、前記レンズは、一組のレンズエレメントと、一つの取付本体とを含み、前記一組のレンズエレメントは前記取付本体に取り付けられ、前記取付本体は一つの外壁を有し、前記第1の溶接部材は前記取付本体の外壁に設置され、前記レンズ載置素子は一つの内壁を有し、前記第2の溶接部材は、前記第1の溶接部材に溶接可能に固定されるように前記レンズ載置素子の前記内壁に設置される。
【0029】
本発明の一つの態様によれば、本発明の上記少なくとも一つの目的を実現するために、本発明は、
一つの回路基板アセンブリと、
前記回路基板アセンブリに設置された一つのレンズ載置部材と、
前記レンズ載置部材に取り付けられている一つのレンズと、
少なくとも一つの第1の溶接部材と少なくとも一つの第2の溶接部材とを含む溶接構造と
を含む光学モジュールであって、前記第1の溶接部材は前記レンズ載置部材に設置され、前記第2の溶接部材は、前記第1の溶接部材に溶接して固定されるように前記回路基板アセンブリに設置されている、光学モジュールを提供する。
【0030】
本発明の一つの態様によれば、本発明の上記少なくとも一つの目的を実現するために、本発明は、
一つの回路基板アセンブリと、
前記回路基板アセンブリに設置された一つの駆動素子と、
前記駆動素子に駆動可能に搭載された一つのレンズと、
少なくとも一つの第1の溶接部材と少なくとも一つの第2の溶接部材とを含む溶接構造と
を含む光学モジュールであって、前記第1の溶接部材は前記駆動素子に設置され、前記第2の溶接部材は、前記第1の溶接部材に溶接して固定されるように前記回路基板アセンブリに設置されている、光学モジュールを提供する。
【0031】
本発明の一つの態様によれば、本発明の上記少なくとも一つの目的を実現するために、本発明は、
一つの機器本体と、
前記機器本体に取り付けられている上記光学モジュールとを含む、
電子機器を提供する。
【0032】
本発明の一つの態様によれば、本発明の上記少なくとも一つの目的を実現するために、本発明は、以下のステップ:
第1の溶接部材が設置された第1のモジュールアセンブリを、一つの第2の溶接部材が設置された第2のモジュールアセンブリに取り付けるステップと、
前記第1のモジュールアセンブリと前記第2のモジュールアセンブリとが相対的に固定されるように、前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材とをレーザー溶接により溶接するステップと
を含む、光学モジュールの製造プロセスを提供する。
【0033】
本発明の一実施形態において、前記第1のモジュールアセンブリと前記第2のモジュールアセンブリはそれぞれ、一つのマルチグループレンズの少なくとも二つのグループユニット、一つのレンズとレンズ載置素子、一つのレンズ載置部材と一つの感光モジュール、一つの駆動素子と一つの感光モジュールからなる群より選ばれるものである。
【0034】
本発明の一実施形態において、前記第1のモジュールアセンブリと前記第2のモジュールアセンブリはそれぞれ、一つのマルチグループレンズの少なくとも二つのグループユニットであり、しかも前記ステップ(2)の前に、光学モジュールの製造プロセスは、
少なくとも二つの前記群ユニットを較正するステップをさらに含む。
【0035】
本発明の一実施形態において、前記ステップ(1)は、
前記第1の溶接部材の一つの第1の埋め込み部および前記第2の溶接部材の一つの第2の埋め込み部をそれぞれ前記第1のモジュールアセンブリおよび前記第2のモジュールアセンブリに埋め込むことと、
前記第1の溶接部材の一つの第1の接続部を前記第2の溶接部材の一つの第2の接続部と対応させるように、一つの第1の溶接部材が設けられている第1のモジュールアセンブリを、一つの第2の溶接部材が設けられている第2のモジュールアセンブリに載置することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、本発明の溶接固定方式によって形成されたマルチグループレンズの模式図である。
図2A図2Aは、本発明の第1の実施形態の、光学モジュールに用いられる溶接構造の第1の溶接部材の模式図である。
図2B図2Bは、本発明の第1の実施形態の、光学モジュールに用いられる溶接構造の第2の溶接部材の模式図である。
図2C図2Cは、本発明の第1の実施形態の、光学モジュールに用いられる溶接構造が溶接される前の模式図である。
図3A図3Aは、本発明の第2の実施形態の、光学モジュールに用いられる溶接構造の第1の溶接部材の模式図である。
図3B図3Bは、本発明の第2の実施形態の変形例の、光学モジュールに用いられる溶接構造の一つの実施例の第1の溶接部材の変形例の模式図である。
図3C図3Cは、本発明の第2の実施形態の溶接構造が溶接される前の模式図である
図4A図4Aは、本発明の第3の実施形態の、光学モジュールに用いられる溶接構造の第1の溶接部材の模式図である。
図4B図4Bは、本発明の第3の実施形態の変形例の、光学モジュールに用いられる溶接構造の一つの実施例の第1の溶接部材の変形例の模式図である。
図4C図4Cは、本発明の第3の実施形態の溶接構造が溶接される前の模式図である。
図5図5は、本発明の第1の実施形態において、溶接固定方式によって形成されたマルチグループレンズが溶接固定されていない場合の断面図である。
図6A図6Aは、本発明の第1の実施形態において、溶接固定方式によって形成されたマルチグループレンズが溶接された後のA-A方向の断面図である。
図6B図6Bは、本発明の第1の実施形態において、溶接固定方式によって形成されたマルチグループレンズが溶接された後のB-B方向の断面図である。
図7図7は、本発明の第1の実施形態の光学モジュールの構造模式図である。
図8A図8Aは、本発明の第1の実施形態の第1の変形例において、溶接固定方式によって形成されたマルチグループレンズが溶接固定されていない場合の断面図である。
図8B図8Bは、本発明の第1の実施形態の第1の変形例において、溶接固定方式によって形成されたマルチグループレンズが溶接された後の断面図である。
図9図9は、本発明の第1の実施形態の第1の変形例の、光学モジュールの構造模式図である。
図10A図10Aは、本発明の第1の実施形態の第2の変形例において、溶接固定方式によって形成されたマルチグループレンズが溶接固定されていない場合の断面図である。
図10B図10Bは、本発明の第1の実施形態の第2の変形例において、溶接固定方式によって形成されたマルチグループレンズが溶接された後の断面図である。
図11図11は、本発明の第1の実施形態の第2の変形例の、光学モジュールの構造模式図である。
図12A図12Aは、本発明の第2の実施形態の、光学モジュールに用いられる第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリが溶接されていない場合の構造模式図である。
図12B図12Bは、本発明の第2の実施形態の、光学モジュールに用いられる第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリが溶接された後の構造模式図である。
図12C図12Cは、本発明の第2の実施形態の光学モジュールの構造模式図である。
図13A図13Aは、本発明の第3の実施形態の第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリが溶接されていない場合の模式図である。
図13B図13Bは、本発明の第3の実施形態の第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリの模式図である。
図14A図14Aは、本発明の第3の実施形態の変形例の第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリの構造模式図である。
図14B図14Bは、本発明の第3の実施形態の変形例の第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリの構造模式図である。
図15図15は、本発明の光学モジュールの製造プロセスにおいて溶接固定の方法を採用したフローチャートである。
図16図16は、本発明の溶接固定方式によって形成された光学モジュールの電子機器の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下の記載は本発明を開示して当業者が本発明を実現できるようにするものである。以下に記載の好ましい実施例は例示に過ぎず、当業者は他の明らかな変化形に容易に想到できる。以下の記載において定義された本発明の基本的な原理は他の実施形態、変形形態、改善形態、均等形態及び本発明の趣旨と範囲から離脱しない他の技術構成に応用できる。
【0038】
当業者は以下のように理解できる。本発明の開示において、用語の「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等が示す方位または位置関係は図面に示された方位または位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすく及び簡単に説明するためのものであり、対象の装置または素子が必然的に特定の方位、特定の方位のある構造及び操作を示しまたは示唆するものではなく、このため、前記用語は本発明に対する制限と理解することはできない。
【0039】
本発明は、電子機器、光学モジュール、および光学モジュールに用いられる溶接構造を提供する。前記光学モジュールは、少なくとも一つの第1のモジュールアセンブリと、少なくとも一つの第2のモジュールアセンブリと、少なくとも一つの溶接構造とを含み、前記溶接構造は、少なくとも一つの第1の溶接部材と、少なくとも一つの第2の溶接部材とを含み、前記第1の溶接部材は前記第1のモジュールアセンブリに設置され、前記第2の溶接部材は前記第2のモジュールアセンブリに設置され、好ましくは、前記第1の溶接部材は前記第1のモジュールアセンブリに埋め込まれ、前記第2の溶接部材は前記第2のモジュールアセンブリに埋め込まれる。当業者が理解できるように、前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材とが接着またはその他の方式によってそれぞれ前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材に設置されることができる。本発明はこれに制限されていない。当業者が本発明を理解できるようにするために、本発明の以下の実施形態では、前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材がそれぞれ前記第1のモジュールアセンブリと前記第2のモジュールアセンブリに埋め込まれたことを例として説明する。前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材とを溶接することにより、前記第1のモジュールアセンブリと前記第2のモジュールアセンブリが前記溶接構造によって安定的に接続される。
【0040】
なお、本発明において、第1の溶接部材と第2の溶接部材を溶接する方法は、レーザー溶接、超音波溶接などを含むが、これらに限られていない。
【0041】
なお、本発明の別の実施形態では、第1の溶接部材と第2の溶接部材はそれぞれ、第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリから一体的に伸びて形成することができる。本発明はこれに限定されるものではない。当業者が本発明を理解できるようにするために、本発明の実施形態では、第1の溶接部材と第2の溶接部材がそれぞれ第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリに設置されたことを例として説明する。
【0042】
当業者が理解できるように、本発明の他の実施形態では、前記溶接構造は、第3の溶接構造と第4の溶接構造を含んでもよく、前記光学モジュールは、第3のモジュールアセンブリと第4のモジュールアセンブリとを含んでもよく、前記第3の溶接部材は、前記第2のモジュールアセンブリに設置されてもよく、前記第4の溶接部材は、前記第3のモジュールアセンブリに設置されてもよい。前記第3の溶接部材と前記第4の溶接部材を溶接することにより、前記第3のモジュールアセンブリが前記第2のモジュールアセンブリに接続される。
【0043】
なお、前記第3の溶接構造は前記第3のモジュールアセンブリに設置されてもよい。前記第4の溶接部材は前記第4のモジュールアセンブリに設置され、前記第3の溶接部材と前記第4の溶接部材を溶接することにより、前記第3のモジュールアセンブリと前記第4のモジュールアセンブリとが接続され相対的に固定される。
【0044】
第1のモジュールアセンブリとが第2のモジュールアセンブリは、レンズと鏡筒、鏡筒と回路基板アセンブリ、モーターと感光モジュール、マルチグループレンズ中の二つのグループユニットなどから選ばれるものであってもよく、これらに限られていない。当業者が本発明を理解できるようにするために、以下の実施形態では、まずマルチグループレンズ中の二つのグループユニットを例として説明する。当業者が理解できるように、本発明の溶接構造は、前記光学モジュール中の、固定する必要のある任意の二つの素子を接続するために適用することができ、本発明はこれに制限されていない。前記マルチグループレンズとは、前記光学モジュールで使用されるレンズが、二つ以上の別体式レンズ(本発明の以下の実施形態においてグループユニットと呼ばれる)の組み合わせであることを指す。
【0045】
従来のレンズ、特に光学モジュールに用いられるレンズは、長期的に比較的に安定した単一構造にあり、複数のレンズエレメントを一つの鏡筒に組み立ててなる。前述のように、レンズエレメントの数が少ないと、例えば、2、3枚の場合、この構造の組立誤差による影響が比較的に小さいが、レンズおよび光学モジュールの高画素、高結像質に対する要求によってレンズエレメントの数が増えて、累積誤差が増加し続けて、従来のレンズ構造は、レンズと光学モジュールに対する要求に非常に不適切になる。これに対して、本発明は、複数のグループユニットから一つの全体的なレンズを組み立てて形成するマルチグループレンズを提供し、これによって、各グループユニットのレンズエレメント数が比較的に少なく、各ユニットの組立誤差も小さくなる。さらに、各グループユニットからなるマルチグループレンズのレンズエレメント総数が多いため、高いピクセルを提供することができ、しかも累積誤差が小さい。さらに、マルチグループレンズの組立形成の過程において、各グループユニットについてアクティブアライメント(Active Alignment,AA)を利用して組み立てることができるで、各グループユニット間の相対誤差が減少し、マルチグループレンズに良い光学的一致性をもたらす。また、各グループユニットは組立構造を介して互いに併用して組み立てられるため、各グループユニットが安定的に組み立てられてマルチグループレンズを形成し、しかも併用した方式によって、外部迷光がマルチグループレンズの内部に入ることをブロックし、マルチグループレンズの光学系を干渉することを防げる。そして、一部の実施形態では、各グループユニットは一つの溶接構造20を介して迅速かつ安定的に組み立てられて固定され、それによって製造効率が向上する。
【0046】
図1から図12までを参考にして、マルチグループレンズ100は、複数のグループユニット10と、少なくとも一つの溶接構造20とを含み、マルチグループレンズ100は、例えば、2枚、3枚または3枚以上の複数枚のレンズエレメントを有するレンズに適する。
【0047】
マルチグループレンズ100は、組み立てられて光学モジュール300を構成することに適しており、特に組み立てられて高画素の光学モジュール300を構成することに適している。
【0048】
マルチグループレンズ100は少なくとも二つのグループユニット10を含み、二つのグループユニットは共にマルチグループレンズ100の光学系全体を構成する。つまり、前記マルチレンズの光学系は、少なくとも二つのグループユニットの組み合わせにより実現するものであり、従来の一体型レンズのように一つの独立したレンズにより実現するものではない。
【0049】
なお、マルチグループレンズ100の各グループユニットにおけるレンズエレメントは、需要に合わせて割り当てられて組み合わせることができる。本発明の本実施形態では、その中の一つのみについて説明する。各レンズエレメントの数および割り当て方式は、本発明に制限されていないと当業者は理解すべきである。
【0050】
より具体的には、マルチグループレンズ100は、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12との二つのグループユニットを含む。第1のグループユニット11と第2のグループユニット12とからレンズ全体を構成する場合、第1のグループユニット11は第2のグループユニット12の上方に位置し、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12の光軸は一致している。すなわち、本発明の実施形態では、マルチグループレンズ100の光学系は、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12にそれぞれ対応する二つの光学系で構成されている。つまり、ある程度では、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12はそれぞれ独立して存在する場合、一つの完全なレンズの機能を実現することができず、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12を互いに組み合わせる時、結像品質要件を満たせる完全なレンズを構成する。
【0051】
さらに、第1のグループユニット11は、第1の載置部材111と、少なくとも一つの第1のグループレンズエレメント112とを含み、一つの独立した部材を容易に構成するように、第1のグループレンズエレメント112は第1の載置部材111に取り付けられている。
【0052】
第2のグループユニット12は、第2の載置部材121と、少なくとも一つの第2のグループレンズ122とを含み、別の独立した部材を容易に構成するように、第2のグループレンズ122は第2の載置部材121に取り付けられている。
【0053】
第1の載置部材111は、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12の光路方向が一致するように、第2の載置部材121の上方に設置されている。
【0054】
本発明の実施形態では、第1の溶接部材21は第1の載置部材111に設置され、好ましくは、第1の溶接部材21は、第1の載置部材111に埋め込まれる。第2の溶接部材22は第2の載置部材121に設置され、好ましくは、第2の溶接部材22は、第2の載置部材121に埋め込まれる。第1のグループユニット11が第2のグループユニット12に相対的に固定される場合、第1の載置部材111は第2の載置部材121に支持され、第1の溶接部材21は第2の溶接部材22に支持される。さらに、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12を校正した後、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22をレーザー溶接する方式により、第1のグループユニット11の第1の載置部材111と第2のグループユニット12の第2の載置部材121が互いに相対的に固定される。
【0055】
なお、上記方式によって固定する場合、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22は好ましくは金属材料からなるため、マルチグループレンズ100が光学モジュール300に設置され、且つ光学モジュール300がいつも過酷な環境(例えば、ベーキング、高温高湿など、これらに限られていない)にある時、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12との間の相対位置は、不均一な熱膨張により大きく変位することはないため、マルチグループレンズ100が安定した光学性能を維持できる。
【0056】
また、従来の一体型レンズにおいて、レンズエレメントは逐次に鏡筒に取り付けられ、レンズエレメントの調整可能な範囲は非常に狭く、しかもレンズエレメントが固定されると、レンズエレメントと鏡筒の相対位置が固定される。すべてのレンズが組み立てられた後、レンズ全体の累積誤差が決定され、調整できなくなる。しかし、本発明において、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12はそれぞれ独立して構成できるので、互いに影響を与えることはない、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12はレンズ全体に組み立てられる時、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12は相対的に調整できるため、さらにレンズを校正してその全体的な誤差を減少させることができ、特に、6軸方向の調整など、立体空間で異なる方向の調整を行うことができる。
【0057】
第1の載置部材111は、第1の本体1111と、第1の本体111から外側に延びる外側延伸台1112とを含む、特に、外側延伸台1112は第1の本体1111から水平かつ一体的に外側に延びて、例えば、金型を介して一体的に形成する方式により環状つば構造を形成する。
【0058】
本発明の本実施形態では、外側延伸台1112は第1の本体1111の外部の中間位置に設置され、第1の本体1111を二部分に分け、一つの部分は外側延伸台1112の上方に位置し、もう一つの部分は外側延伸台1112の下方に位置する。第1のグループユニット11と第2のグループユニット12が組み立てられた後、第1の本体1111は外側延伸台1112の上方に位置する。
【0059】
外側延伸台1112は様々な高さが設定できる。例えば、一部の実施形態では、外側延伸台1112の上面が第1の本体1111の上端より低いように、より小さい高さを設定する。例えば、一部の実施形態では、外側延伸台1112の上面を第1の本体1111の上端と一致させるように、より大きい高さを設定する。これによって、マルチグループレンズ100の上部が異なる形状を有するようになる。
【0060】
第1の本体1111は、第1の収容キャビティ11111と、第1の上部光通過孔11112と、第1の下部光通過孔11113とを有する。第1のグループレンズエレメント112は第1の収容キャビティ11111に収容されている。
【0061】
第1の上部光通過孔11112は第1の本体1111の上部に位置し、外部と連通して光を第1のグループユニット11に入らせ、すなわち、外部光を第1の収容キャビティ11111内の第1のグループレンズエレメント112に到達させる。
【0062】
第1の下部光通過孔11113は第1の本体1111の下部に位置し、第2のグループユニット12と連通して第1のグループユニット11を通過した光を第2のグループユニット12に入らせる。
【0063】
第2の載置部材121は、第2の本体1211と、第2の本体1211から一体的に延びる支持台1212とを含み、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12とを組み合わせた時、第1の載置部材111の外側延伸台1112は、第2の載置部材121の支持台1212に支持される。
【0064】
図3から図11までを参考にして、本発明の一実施形態では、第1の溶接部材21は外側延伸台1112に設置され、第2の溶接部材22は支持台1212に設置される。第1のグループユニット11と第2のグループユニット12が校正された後、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22を溶接することのみで、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12を相対的に固定することができる。
【0065】
第2の本体1211は、第1の収容キャビティ12111と、第2の上部光通過孔12112と、第2の下部光通過孔12113とを有する。第2のグループレンズエレメント122は第2の収容キャビティ12111に収容されている。
【0066】
第2の上部光通過孔12112は第2の本体1211の上部に位置し、第1のグループユニット11と連通して第1のグループユニット11を通過した光を第2のグループユニット12に入らせる。
【0067】
第2の下部光通過孔12113は第2の本体1211の下部に位置し、外部と連通して第2のグループユニット12を通過した光を外部に到達させ、例えば、光学モジュール300の一つの感光素子に到達させる。これによって、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12とが完全な光学系を形成する。
【0068】
本発明のこの実施形態では、第1のグループユニット11は少なくとも一つの第1の光路素子113を含み、第1の光路素子113は、レンズエレメントに所定の光チャネルを形成するようにレンズエレメントに隣接した位置に設置される。例えば、第1の光路素子113は、レンズのエッジ光を遮断してレンズエレメントの中心位置に所定の光チャネルを形成するためのスペーサであってもよい。第1の光路素子113は、遮光するようにレンズエレメントの縁部に覆うコーティング層であってもよく、これによってレンズエレメントの中心位置に所定の光チャネルを形成する。言い換えれば、レンズエレメントに所定の光チャネルを形成するように、前記光路素子は前記レンズエレメントと併用して配置される。
【0069】
第2のグループユニット12は、少なくとも一つの第2の光路素子123を含み、第2の光路素子123は、レンズエレメントに所定の光チャネルを形成するようにレンズエレメントに隣接した位置に設置される。例えば、第2の光路素子123は、レンズエレメントのエッジ光を遮断してレンズエレメントの中心位置に所定の光チャネルを形成するためのスペーサであってもよい。第2の光路素子123は、遮光するようにレンズエレメントの縁部に覆うコーティング層であってもよく、これによってレンズエレメントの中心位置に所定の光チャネルを形成する。
【0070】
より具体的には、本発明の実施形態において、第1の載置部材111の外側延伸台1112はさらに、第1の外側面11121と外側底面11122とを有する。支持台1212の上部には、第1のグループユニット11が第2のグループユニット12に取り付けられるときに第1の載置部材111の外側延伸台1112を収容するための一つの凹溝が形成されている。支持台1212は、第2の外側面12121と外側上面12122とを有する。第1の載置部材111が第2の載置部材121に取り付けられるとき、第1の載置部材111の外側延伸台1112は第2の載置部材121の支持台1212の上方に載置され、しかも外側延伸台1112の第1の外側面11121は、支持台1212の第2の外側面12121と互いに対向し、外側延伸台1112の外側底面11122は、支持台1212の外側上面12122と互いに対向する。
【0071】
なお、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22とを溶接する前に、第1のグループユニット11を第2のグループユニット12に対して調整することができる。これによって、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22を溶接する前に、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12とからなる光学モジュールを校正することができる。つまり、第1のグループユニット11は、支持台1212の凹溝内で相対的に調整されることができる。
【0072】
図5図6A、および図6Bを参考にして、本発明の第1の実施形態のマルチグループレンズ100において、第1の溶接部材21は外側延伸台1112の外側底面11122に設置されている。この場合、第2の溶接部材22は対応して支持台1212の外側上面12122に設置される。第1のグループユニット11が第2のグループユニット12に対して固定される時、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22を上下溶接する方式により、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12を相対的に固定することができる。
【0073】
好ましくは、第1の載置部材111の外側延伸台1112はさらに、少なくとも一つの溶接ポート11123を有する。第1の溶接部材21が第1の載置部材111に設置された後、溶接ポート11123を介して第1の溶接部材21の一部が露出するようになる。レーザー溶接によって第1の溶接部材21と第2の溶接部材22を溶接固定する場合、溶接ツールの溶接ヘッドは溶接ポート11123を介して第1の溶接部材21に対して作業することができる。
【0074】
具体的には、外側延伸台1112はさらに、外側底面11122と対向する一つの上側面11124を有する。溶接ポート11123は、上側面11124から外側底面11122に延び、これによって外側延伸台1112に設置される第1の溶接部材21が一部露出し、溶接ツールの溶接ヘッドは溶接ポート11123を介して第1の溶接部材21に対して溶接作業をする。
【0075】
なお、本発明において、溶接ポート11123の数は2以上であってもよいが、本発明はこれに限られていない。
【0076】
図7を参考にして、本発明のこの実施形態に係る光学モジュール300を下記のように詳しく説明する。光学モジュール300は、回路基板アセンブリ71を含む。回路基板アセンブリ71は感光アセンブリとも呼ばれる。感光アセンブリ71は、感光素子711と、回路基板本体712と、支持架台713と、光フィルター素子714と、複数の電子素子715とを含む。感光素子711は回路基板本体712に設置され、支持架台713は回路基板本体712に設置されて感光素子711の外側に位置し、光フィルター素子714は感光素子711の感光経路に設置されて支持架台713に支持される。マルチグループレンズ100は感光アセンブリ71に設置されて感光アセンブリ71の感光素子711の感光経路に位置する。
【0077】
なお、光学モジュール300はさらにレンズ載置素子72を含む。レンズ載置素子72が一体的にマルチグループレンズ100から延びる場合、光学モジュール300は固定焦点モジュールである。レンズ載置素子72がモーターである場合、光学モジュール300は可動焦点モジュールである。
【0078】
当業者が理解できるように、本発明のマルチグループレンズ100は、接着剤によって固定されるのではなく、溶接構造20によって溶接固定されているため、マルチグループレンズ100はより小さい体積を有し、これに対応して、光学モジュール300もより小さい体積を有する。また、マルチグループレンズ100は温度の変化に伴う回復不能な変形をすることはないため、光学モジュール300はよりよい安定性を有する。
【0079】
図5から図9までを参考にし、本発明の第1の実施形態の第1の変形例では、第1の溶接部材21’は外側延伸台1112の第1の外側面11121に設置されている。この時、第2の溶接部材22’は対応して支持台1212の第2の外側面12121に設置される。第1のグループユニット11が第2のグループユニット12に対して固定される時、第1の溶接部材21’と第2の溶接部材22’を水平的に溶接することで第1のグループユニット11と第2のグループユニット12を相対的に固定することができる。
【0080】
好ましくは、溶接ポート11123は第2の載置部材121の支持台1212に設置される。第2の溶接部材22’が支持台1212の第2の外側面12121に設置された後、溶接ポート11123を介して第2の溶接部材22’の一部が露出するようになる。具体的には、支持台1212はさらに第3の外側面12123を有する。本実施形態では、溶接ポート11123は第3の外側面12123から第2の外側面12121に延びて溶接ポート11123が一部露出するようになり、溶接ツールの溶接ヘッドは溶接ポート11123を介して第1の溶接部材21’に対して作業する。
【0081】
図9を参考にして、本発明のこの実施形態に係る光学モジュール300を下記のように詳しく説明する。光学モジュール300は、回路基板アセンブリ71を含む。回路基板アセンブリは感光アセンブリとも呼ばれる。感光アセンブリ71は、感光素子711と、回路基板本体712と、支持架台713と、光フィルター素子714と、複数の電子素子715とを含む。感光素子711は回路基板本体712に設置され、支持架台713は回路基板本体712に設置されて感光素子711の外側に位置し、光フィルター素子714は感光素子711の感光経路に設置されて支持架台713に支持される。マルチグループレンズ100は感光アセンブリ71に設置されて感光アセンブリ71の感光素子711の感光経路に位置する。
【0082】
なお、光学モジュール300はさらにレンズ載置素子72を含む。レンズ載置素子72が一体的にマルチグループレンズ100から延びる場合、光学モジュール300は固定焦点モジュールである。レンズ載置素子72がモーターである場合、光学モジュール300は可動焦点モジュールである。
【0083】
当業者が理解できるように、本発明のマルチグループレンズ100は、接着剤によって固定されるのではなく、溶接構造20’によって溶接固定されているため、マルチグループレンズ100はより小さい体積を有し、これに対応して、光学モジュール300もより小さい体積を有する。また、マルチグループレンズ100は温度の変化に伴う回復不能な変形をすることはないため、光学モジュール300はよりよい安定性を有する。
【0084】
図5から図9図10A、および図10Bを参考にし、これは上記第1の実施形態の第2の変形例である。本発明の実施形態では、外側延伸台1112の第1の外側面11121と支持台1212の第2の外側面12122は、垂直方向と所定の角度を形成している。
【0085】
当業者が理解できるように、第1の溶接部材21”は、外側延伸台1112のその他の位置に設置されてもよい。これに対応して、第2の溶接部材22”は、支持台1212のその他の位置に設置されてもよい。これによって、第1の溶接部材21”と第2の溶接部材22”が溶接された後、第1のグループユニット11と第2のグループユニット12が相対的に固定されるようになる。
【0086】
図11を参考にして、本発明のこの実施形態に係る光学モジュール300を下記のように詳しく説明する。光学モジュール300は、回路基板アセンブリ71を含む。回路基板アセンブリ71は感光アセンブリとも呼ばれる。感光アセンブリ71は、感光素子711と、回路基板本体712と、支持架台713と、光フィルター素子714と、複数の電子素子715とを含む。感光素子711は回路基板本体712に設置され、支持架台713は回路基板本体712に設置されて感光素子711の外側に位置し、光フィルター素子714は感光素子711の感光経路に設置されて支持架台713に支持される。マルチグループレンズ100は感光アセンブリ71に設置されて感光アセンブリ71の感光素子711の感光経路に位置する。
【0087】
なお、光学モジュール300はさらにレンズ載置素子72を含む。レンズ載置素子72が一体的にマルチグループレンズ100から延びる場合、光学モジュール300は固定焦点モジュールである。レンズ載置素子72がモーターである場合、光学モジュール300は可動焦点モジュールである。
【0088】
当業者が理解できるように、本発明のマルチグループレンズ100は、接着剤によって固定されるのではなく、溶接構造20”によって溶接固定されているため、マルチグループレンズ100はより小さい体積を有し、これに対応して、光学モジュール300もより小さい体積を有する。また、マルチグループレンズ100は温度の変化に伴う回復不能な変形をすることはないため、光学モジュール300はよりよい安定性を有する。
【0089】
図12A図12B、および図12Cを参考にして、本発明の第2の実施形態では、第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリはそれぞれレンズ31とレンズ載置素子32である。本発明の実施形態では、レンズ31は、本発明の上記実施形態のマルチグループレンズであってもよく、一体型レンズであってもよく、本発明はこれらに制限されていない。当業者が本発明をよりよく理解するために、下記の例では、レンズ31が一体型レンズであることを例とする。
【0090】
本発明の実施形態では、レンズ31は、少なくとも一組のレンズエレメント311と、一つの取付本体312とを含み、前記一組のレンズエレメント311は取付本体312に取り付けられる。溶接構造20Iの第1の溶接部材21Iは取付本体312の外壁に設置され、第2の溶接部材22Iはレンズ載置素子32の内壁に設置され、レンズ31がレンズ載置素子32に取り付けられる時、第1の溶接部材31と第2の溶接部材32を溶接することによりレンズ31とレンズ載置素子32を相対的固定することができる。
【0091】
具体的には、本実施形態では、レンズ載置素子32は溶接ポート320を有し、溶接ポート320はレンズ載置素子32の内壁からレンズ載置素子32の外壁までのび、溶接ツールの溶接ヘッドが溶接ポート320を介して第1の溶接部材21Iに対して溶接作業をする。
【0092】
なお、本発明の実施形態では、第1の溶接部材21Iと第2の溶接部材22Iはそれぞれレンズ31の取付本体312とレンズ載置素子32に設置されており、しかも第1の溶接部材21Iと第2の溶接部材22Iをレーザー溶接することによりレンズ31とレンズ載置素子32を相対的に固定しているので、従来技術で接着剤などその他の媒体を通して固定する方式より、レンズ31の取付本体312とレンズ載置素子32との間の隙間はより小さい。これによって、レンズ31とレンズ載置素子32が全体的に光学モジュール300に取り付けられる時、光学モジュール300がより小さい体積を有するようになる。
【0093】
なお、本発明の実施形態では、第1の溶接部材21Iと第2の溶接部材22Iは好ましくは金属材料からなるため、レンズ31とレンズ載置素子32が光学モジュール300に設置され、且つ光学モジュール300がいつも温度差の大きい環境にある時、レンズ31とレンズ載置素子32との間の相対位置は、不均一な熱膨張により大きく変位することはないため、マルチグループレンズが安定した光学性能を維持できる。
【0094】
さらに、本発明のこの実施形態に係る光学モジュール300を下記のように詳しく説明する。光学モジュール300は、上記第1のモジュールアセンブリと上記第2のモジュールアセンブリとを含む。また、光学モジュール300はさらに感光アセンブリ33を含む。感光アセンブリ33は、感光素子331と、回路基板本体332と、支持架台333と、光フィルター素子334と、複数の電子素子335とを含む。感光素子331は回路基板本体332に設置され、支持架台333は回路基板本体332に設置されて感光素子331の外側に位置し、光フィルター素子334は感光素子331の感光経路に設置されて支持架台333に支持される。マルチグループレンズ100は感光アセンブリ33に設置されて感光アセンブリ33の感光素子331の感光経路に位置する。
【0095】
なお、光学モジュール300はさらにレンズ載置素子32を含む。レンズ載置素子32が一体的にマルチグループレンズ100から延びる場合、光学モジュール300は固定焦点モジュールである。レンズ載置素子32がモーターである場合、光学モジュール300は可動焦点モジュールである。
【0096】
当業者が理解できるように、本発明のマルチグループレンズ100は、接着剤によって固定されるのではなく、溶接構造20’によって溶接固定されているため、マルチグループレンズ100はより小さい体積を有し、これに対応して、光学モジュール300もより小さい体積を有する。また、マルチグループレンズ100は温度の変化に伴う回復不能な変形をすることはないため、光学モジュール300はよりよい安定性を有する。
【0097】
図13A図13Bを参考にして、これは本発明の第3の実施形態である。この実施形態では、第1のモジュールアセンブリは一つのレンズ載置部材41であり、少なくとも一つのレンズ43はレンズ載置部材41に取り付けられている。第2のモジュールアセンブリは一つの回路基板アセンブリ42である。回路基板アセンブリ42は、少なくとも一つの感光素子421と、少なくとも一つの支持架台422と、少なくとも一つの回路基板本体423とを含む。好ましくは、回路基板アセンブリ42はさらに一つの光フィルター素子424を含み、感光素子421は回路基板本体423に設置され、感光素子421は回路基板本体423に電気的に接続され、支持架台422は、レンズ載置部材41を支持するように回路基板本体423に取り付けられ、光フィルター素子424は支持架台422に取り付けられて感光素子421の感光経路に位置する。
【0098】
本発明の実施形態では、溶接構造20IIの第1の溶接部材21IIと第2の溶接部材22IIはそれぞれ、レンズ載置部材41の底部と支持架台422の上部に設置され、第1の溶接部材21IIと第2の溶接部材22IIとをレーザー溶接することにより、レンズ43が取り付けられているレンズ載置部材41と回路基板アセンブリ42の支持架台422とを相対的に固定することができる。上記記載から、上記固定方式によって固定焦点光学モジュールが形成できると当業者は理解することができる。
【0099】
好ましくは、本実施形態では、レンズ載置部材41は溶接ポート410を有し、溶接ポート410はレンズ載置部材41の底部に設置され、第1の溶接部材21IIがレンズ載置部材41の底部に設置される時、溶接ポート410を介して第1の溶接部材21IIが一部露出し、溶接ツールの溶接ヘッドが溶接ポート410を介して第1の溶接部材21IIに対して作業をする。
【0100】
当業者が理解できるように、本実施形態の一変形例では、溶接ポート410は回路基板アセンブリ42の支持架台422の上部に設置されてもよく、これによって、第2の溶接部材21が支持架台422の上部に設置される時、溶接ポート410を介して第2の溶接部材22IIが一部露出し、溶接ツールの溶接ヘッドが溶接ポート410を介して第1の溶接部材21に対して作業をする。なお、本発明の実施形態では、第1の溶接部材21IIと第2の溶接部材22IIは金属材料からなるため、レンズ載置部材41と回路基板アセンブリ42が光学モジュール300に設置され、且つ光学モジュール300がいつも温度差の大きい環境にある時、レンズ載置部材41と回路基板アセンブリ42との間の相対位置は、不均一な熱膨張により大きく変位することはないため、マルチグループレンズが安定した光学性能を維持できる。
【0101】
図14A図14Bを参考にして、本発明の第3の実施形態の一変形例では、第1のモジュールアセンブリは一つの駆動素子、例えば、モーター51である。モーター51上に少なくとも一つレンズが取り付けられている。具体的には、該レンズは、少なくとも一組のレンズ53と一つの鏡筒54とを含み、レンズ53は鏡筒54に取り付けられている。前記レンズは、上記実施形態のマルチグループレンズであってもよく、従来の一体型レンズであってもよく、本発明はこれらに制限されていない。当業者が本発明をよりよく理解するために、下記の実施形態では、一体型レンズを例にして、第1の溶接部材21IIIがモーターの底部壁に設置されている。
【0102】
本実施形態では、第2のモジュールアセンブリは一つの回路基板アセンブリ52である。回路基板アセンブリ52は感光アセンブリとも呼ばれる。感光アセンブリ52は、少なくとも一つの感光素子521と、少なくとも一つの支持架台522と、少なくとも一つの回路基板本体523とを含む。好ましくは、感光アセンブリ52はさらに一つの光フィルター素子524を含み、感光素子521は回路基板本体523に設置され、感光素子521は回路基板本体523に電気的に接続され、支持架台522は、モーター51を支持するように回路基板本体523に取り付けられ、光フィルター素子524は支持架台522に取り付けられて感光素子521の感光経路に位置する。
【0103】
本発明の実施形態では、溶接構造20IIIの第2の溶接部材22IIIは感光アセンブリ52の支持架台522の上部に設置されている。モーター51が感光アセンブリ52に取り付けられる時、第1の溶接部材21IIIと第2の溶接部材22IIIはモーター51と感光アセンブリ52との間に位置する。モーター51を感光アセンブリ52に固定する必要がある時、第1の溶接部材21IIIと第2の溶接部材22IIIをレーザー溶接することにより、モーター51と感光アセンブリ52とを相対的に固定することができる。
【0104】
好ましくは、本実施形態では、モーター51は溶接ポート510を有し、溶接ポート510はモーター51の底部に設置され、第1の溶接部材21IIIがモーター51の底部に設置される時、溶接ポート510を介して第1の溶接部材21IIIが一部露出し、溶接ツールの溶接ヘッドが溶接ポート510を介して第1の溶接部材21IIIに対して作業をする。本実施形態の一変形例では、溶接ポート510は支持架台522の上部に設置されている。本発明はこれらに制限されていない。
【0105】
本発明の実施形態では、モーター51と感光アセンブリ52との間は、第1の溶接部材21IIIと第2の溶接部材22IIIを介して溶接されるので、光学モジュールが温度差の大きい環境にある時でも、モーター51と感光アセンブリ52との間の相対位置も変位し難いため、マルチグループレンズが安定した光学性能を維持できる。
【0106】
なお、上記実施形態では、モーター51と感光アセンブリ52とを相対的に固定する時、レンズは、感光アセンブリ52の感光チップの感光経路に保持できる。
【0107】
また、本発明の実施形態では、モーター51と感光アセンブリ52の支持架台との間は、第1の溶接部材21IIIと第2の溶接部材22IIIを介して接続しており、しかも第1の溶接部材21IIIと第2の溶接部材22IIIはそれぞれモーター51と感光アセンブリ52に設置されているので、モーター51と感光アセンブリ52とが相対的に固定される時、小さい隙間を形成するか、さらに隙間が存在しなくなるので、光学モジュールの全体的な体積を減少させることができる。
【0108】
図15を参考にして、本発明の他方において、本発明は、以下のステップ:
ステップ2001:(1)第1の溶接部材が設置された第1のモジュールアセンブリを、一つの第2の溶接部材が設置された第2のモジュールアセンブリに取り付けるステップと、
ステップ2002:(2)前記第1のモジュールアセンブリと前記第2のモジュールアセンブリとが相対的に固定されるように、前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材とをレーザー溶接により溶接するステップと
を含む、光学モジュールの製造プロセス2000を提供する。
【0109】
本発明の一実施形態において、前記ステップ(1)と前記ステップ(2)はそれぞれ、
(S1)前記第1の溶接部材21が設置された一つの第1のグループユニット11を、前記第2の溶接部材22が設置された一つの第2のグループユニット12に取り付け、第1の溶接部材は第1のグループユニット11の第1の載置部材111に設置され、第2の溶接部材は第2のグループユニット12の第2の載置部材121に設置され、第1のグループユニット1と第2のグループユニットとはグループユニット10を形成し、少なくとも一つの前記グループユニット10は一つのマルチグループレンズを形成することと、
(S2)前記第1のグループユニット11と前記第2のグループユニットとが相対的に固定されるように、前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材とを溶接することとして実施される。
【0110】
なお、前記ステップ(S1)とステップ(S2)との間、前記方法はさらに、
(S0)立体空間の異なる方向においてアクティブアライメント(Active Alignment,AA)を利用して第1のグループユニット11と第2のグループユニット12を校正することを含む。
【0111】
前記ステップ(S0)での校正は、水平校正、垂直校正、および第1のグループユニット11または第2のグループユニット12の光軸を回転軸として回転することによる校正から選択されるものである。
【0112】
図16を参考にして、本発明の他の態様において、本発明は電子機器60を提供する。電子機器60は光学モジュール61を含み、光学モジュール61はさらに、溶接固定方式によって形成される一つの第1のモジュールアセンブリと、一つの第2のモジュールアセンブリと、一つの溶接構造とを含み、前記溶接構造は、前記第1のモジュールアセンブリに設置される一つの第1の溶接部材と、前記第2のモジュールアセンブリに設置される一つの第2の溶接部材とを含む。前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材とをレーザー溶接することにより、前記第1のモジュールアセンブリと前記第2のモジュールアセンブリとを相対的に固定することができる。
【0113】
本発明の電子機器は、携帯電話、タブレットコンピュータなどとして実施可能であるが、これらに限られていない。
【0114】
具体的には、電子機器60は機器本体62を含み、光学モジュール61は機器本体62に設置されている。
【0115】
なお、本発明の上記すべての実施形態では、第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリにおいて、それぞれ複数の第1の溶接部材と複数の第2の溶接部材が設置できる。本発明はこれらに制限されていない。
【0116】
また、上記実施形態の実施態様は同時に同一の光学モジュールに応用することができる。本発明はこれらに制限されていない。
【0117】
さらに、本発明の上記実施形態では、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22は、金属材料、非金属材料、複合材料などからなることができる。
【0118】
なお、図2A図2Bおよび図2C図3A図3Bおよび図3C図4A図4Bおよび図4Cを参考にして、本発明の上記実施形態では、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22はそれぞれ第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリに設置されてから互いに溶接する前に、それぞれ第1の露出面210と第2の露出面220を有する。第1の溶接部材21と第2の溶接部材22とが溶接されると、第1の溶接部材21の第1の露出面210と第2の溶接部材22の第2の露出面220とが互いに相対的に固定される。
【0119】
また、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22はそれぞれインサート成形または貼付などの方式により第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリに固定されている。好ましくは、本発明の実施形態では、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22はそれぞれインサート成形により第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリに固定されている。
【0120】
具体的には、第1の溶接部材21は、少なくとも一つの第1の埋め込み部211と、前記第1の埋め込み部211から一体的に延びる少なくとも一つの第1の接続部212とを含み、前記第1の溶接部材21が第1のモジュールアセンブリに設置される場合、第1の埋め込み部211は第1のモジュールアセンブリに埋め込まれ、第1の露出面210は第1の接続部212に位置する。第2の溶接部材22は、少なくとも一つの第2の埋め込み部221と、前記第2の埋め込み部221から一体的に延びる少なくとも一つの第2の接続部222とを含み、前記第2の溶接部材22が第2のモジュールアセンブリに設置される場合、第2の埋め込み部221は第2のモジュールアセンブリに埋め込まれ、第2の露出面220は第2の接続部222に位置する。第1の溶接部材21と第2の溶接部材22が溶接された後、前記第1の接続部212の前記第1の露出面210と前記第2の接続部222の前記第2の露出面220とは互いに対応するようになり、これによって第1の溶接部材21と第2の溶接部材22が互いに溶接され、さらに第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリとが互いに固定される。
【0121】
なお、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22が溶接固定される前に、第1の溶接部材21の第1の接続部212からなる第1の露出面210は、第2の溶接部材22の第2の接続部222からなる第2の露出面220と対向するようになることができる。第1の溶接部材21と第2の溶接部材22が溶接される時、第1の接続部212と第2の接続部222との間は、第1の露出面210と第2の露出面220とを介して互いに融合し、第1の接続部212と第2の接続部222との接続によって、第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリとが互いに固定される。
【0122】
また、本発明において、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22は同じ形状構造を有してもよく、異なる形状構造を有してもよい。例えば、図2A図2Bはそれぞれ、本発明の第1の溶接部材21の二つの異なる形状の構造模式図であり、図2Cは、第1の溶接部材21が図2Aに示す構造であり、しかも第2の溶接部材22が図2Bに示す構造である場合、第1の溶接部材21が第2の溶接部材22に搭載されていることを示す模式図である。当業者が理解できるように、第1の溶接部材21と第2の溶接部材2はそれぞれ上記各実施形態の第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリに設置された後、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22を溶接することにより、第1のモジュールアセンブリが相対的に第2のモジュールアセンブリに固定されることができる。
【0123】
本発明において、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22は複数の形状を有してもよい。例えば、本発明の一実施形態では、第1の埋め込み部211と第1の接続部212は第1の溶接部材21の両側部であり、具体的には、第1の溶接部材21の上部と下部であってもよく、第1の溶接部材21の左部と右部であってもよい。第2の埋め込み部212と第2の接続部212は、第1の溶接部材21の第1の埋め込み部211と同じ形状または異なる形状に設置されてもよい。つまり、前記溶接構造は、同じ形状を有する第1の溶接部材21と第2の溶接部材22との組み合わせであってもよく、異なる形状を有する第1の溶接部材21と第2の溶接部材22との組み合わせであってもよい。本発明はこれらに制限されていない。
【0124】
図2Aを参考にして、本発明の第1の実施形態において、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22は、同一の水平面を有する第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリ、例えば、図5図13A図13B図14B、および図15Bに示す第1のモジュールアセンブリに取り付けるのに適している。本実施形態では、第1の溶接部材21は環状構造を有し、第1の溶接部材21の第1の埋め込み部211と第1の接続部212は異なる高さを有し、第1の埋め込み部211と、隣接する二つの第1の接続部212との間に、第1のモジュールアセンブリを埋め込むための埋め込み空間200を形成する。
【0125】
また、図2Bを参考にして、本発明の第1の実施形態の第2の溶接部材22は、同一の水平面を有する第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリに取り付けるのに適している。本発明の第1の実施形態の第2の溶接部材22の第1の埋め込み部211と第2の接続部212は同じ高さを有する。本実施形態では、第2の溶接部材22は環状であり、しかも第2の溶接部材22の第2の接続部212は閉鎖した環状リングであり、第2の溶接部材22の第2の埋め込み部221は、第2の接続部222から径方向に延びる突出部である。第2の溶接部材22が第1のモジュールアセンブリに設置されると、第2の溶接部材22の第2の接続部222は第2の露出面220を形成する。
【0126】
また、本発明において、第1の溶接部材21と第2の溶接部材22は、同じ形状構造を有してもよいし、異なる形状構造を有してもよい。本発明はこれらに制限されていない。
【0127】
例えば、図3A図3B、および図3Cに示すように、本発明の第2の実施形態において、第1の溶接部材21Aと第2の溶接部材22Aとは異なる構造を有する。本実施形態では、第1の溶接部材21Aと第2の溶接部材22Aは、一つの垂直平面を有する第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリに設置されるのに適している。例えば、図8A図8B図10A、および図10Bを参照できる。本実施形態では、第1の溶接部材21Aと第2の溶接部材22Aはそれぞれ環状構造である。第1の溶接部材21Aの水平方向で外側の部分は第1の接続部212Aを形成し、第1の溶接部材21Aの水平方向で内側の部分は第1の埋め込み部211Aを形成する。第1の溶接部材21Aは第1のモジュールアセンブリに設置されると、第1の接続部212は第1の露出面210Aを形成する。
【0128】
また、本発明の一実施形態では、第1の溶接部材21および/または第2の溶接部材22は、一体化形成された環状であってもよいし、スプリットした少なくとも二つの部分からなるものであってもよい。本発明はこれらに制限されていない。
【0129】
例えば、図4A図4B、および図4Cに示すように、本実施形態において、第1の溶接部材21Bと第2の溶接部材22Bはそれぞれ、スプリットした二つの部分からなるものである。第1の溶接部材21Bの各部分は、第1の埋め込み部211Bと第1の接続部212Bとを含む。第2の溶接部材22Bの各部分は、第2の埋め込み部221Bと第2の接続部222Bとを含む。第1の溶接部材21Bと第2の溶接部材22Bはそれぞれ第1のモジュールアセンブリと第2のモジュールアセンブリに取り付けられた後、それぞれ第1の露出面210Bと第2の露出面220Bを形成する。第1の溶接部材21Bと第2の溶接部材22Bが溶接された後、第1の溶接部材21Bと第2の溶接部材22Bは互いに接合される。
【0130】
当業者が理解できるように、本発明のその他の実施形態において、第1の溶接部材21Bと第2の溶接部材22Bはさらに、スプリットした三つまたは三つ以上の部分からなるものであってもよい。本発明はこれらに制限されていない。
【0131】
以上から分かるように、本発明の目的は十分かつ効果的に達成できる。本発明の機能および構造原理を説明するための実施形態はすでに十分に説明されており、しかも本発明は、これらの実施形態の原理に基づいた変更によって限定されない。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその精神内に含まれるすべての変形および修正を含む。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16