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特許7061153アイテム管理方法、ブロックチェーン分析手法、及びそれらを使用するコンピュータシステム
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  • 特許-アイテム管理方法、ブロックチェーン分析手法、及びそれらを使用するコンピュータシステム 図1
  • 特許-アイテム管理方法、ブロックチェーン分析手法、及びそれらを使用するコンピュータシステム 図2
  • 特許-アイテム管理方法、ブロックチェーン分析手法、及びそれらを使用するコンピュータシステム 図3A
  • 特許-アイテム管理方法、ブロックチェーン分析手法、及びそれらを使用するコンピュータシステム 図3B
  • 特許-アイテム管理方法、ブロックチェーン分析手法、及びそれらを使用するコンピュータシステム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-19
(45)【発行日】2022-04-27
(54)【発明の名称】アイテム管理方法、ブロックチェーン分析手法、及びそれらを使用するコンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20220420BHJP
【FI】
G06Q20/38 310
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020089068
(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2020191092
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2020-06-23
(31)【優先権主張番号】62/850,992
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/941,999
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520178711
【氏名又は名称】歐簿客科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】王 俊凱
(72)【発明者】
【氏名】謝 宗翰
(72)【発明者】
【氏名】▲どぅおん▼ 修安
(72)【発明者】
【氏名】劉 之揚
(72)【発明者】
【氏名】陳 俊仁
(72)【発明者】
【氏名】廖 峻▲徳▼
(72)【発明者】
【氏名】翁 培軒
(72)【発明者】
【氏名】林 子皓
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-170296(JP,A)
【文献】特開2020-107201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイテム管理の方法であって:
複数のコンテナに対応する複数のウォレットを含むブロックチェーンネットワークを確立するステップと;
複数のアイテムが前記複数のコンテナの第1のコンテナに加えられるときに、前記複数のアイテムに対応する第1のトークンを、前記ブロックチェーンネットワーク内の前記ウォレットの第1のウォレットに発行するステップと;
前記第1のコンテナ内の前記複数のアイテムの状態に応じて前記第1のトークンの状態を修正するステップであって、前記第1のトークンの状態を修正するステップは:前記複数のアイテムの状態に対応する前記複数のコンテナ内の前記複数のアイテムの配布情報の状態を反映するように、前記第1のトークンの状態を記録する前記第1のトークンの属性を追加又は修正するように前記第1のウォレットから前記複数のウォレットの1つに前記第1のトークンを移転することを含む、ステップと;
を含む、
アイテム管理の方法。
【請求項2】
前記第1のコンテナ内の前記複数のアイテムの前記状態に応じて前記第1のトークンの前記状態を修正するステップは:
前記ブロックチェーンネットワークから前記複数のアイテムに対応する前記第1のトークンをフィルタリングするステップと;
前記複数のアイテムが監視から外されるときに、前記第1のトークンを消滅させるステップと;
を含む、
請求項1に記載のアイテム管理の方法。
【請求項3】
前記第1のコンテナ内の前記複数のアイテムの前記状態に応じて前記第1のトークンの前記状態を修正するステップは:
前記ブロックチェーンネットワークから前記複数のアイテムに対応する前記第1のトークンをフィルタリングするステップと;
前記ブロックチェーンネットワーク内の前記ウォレットの前記第1のウォレットから第2のウォレットに、前記複数のアイテムが前記第1のコンテナから前記複数のコンテナ内の前記第2のウォレットに対応する第2のコンテナに移転されるときに、前記第1のトークンを移転させるステップと;
前記第1のコンテナから前記第2のコンテナへの前記複数のアイテムの移転履歴を追跡するために、前記第1のウォレットから前記第2のウォレットへのトランザクション履歴を前記第1のトークンに記録するステップと;
を含む、
請求項1に記載のアイテム管理の方法。
【請求項4】
前記第1のウォレットは前記第2のウォレットと同じであり、前記複数のアイテムの前記状態が変化するとき、前記第1のトークンの属性を修正する、
請求項3に記載のアイテム管理の方法。
【請求項5】
前記第1のウォレットは前記第2のウォレットと同じであり、前記複数のアイテムが無効にされるとき、前記第1のトークンの属性を追加する、
請求項3に記載のアイテム管理の方法。
【請求項6】
ブロックチェーンネットワークの分析方法であって、前記ブロックチェーンネットワークは、複数のアイテムを含む複数のコンテナに対応する複数のウォレットを含み、前記ウォレットは、前記複数のアイテムに対応する複数のトークンを格納するように構成され、前記複数のウォレットの間で移転される前記複数のトークンのトランザクション履歴が、前記複数のアイテムの状態に対応する前記複数のコンテナ内の前記複数のアイテムの配布情報を示し、前記分析方法は:
前記ウォレットに格納された前記トークンの状態を検索するステップであって、前記トークンの状態を検索するステップは、前記トークンの状態を記録する前記トークンの属性を検索することを含む、ステップと;
前記ウォレットに関連する前記トークンの前記状態に応じて前記複数のコンテナ内の前記アイテムの統計値を取得するステップであって、前記アイテムの統計値を取得するステップは、前記トークンの属性に記録された前記アイテムに関する統計値を取得することを含む、ステップと;
を含む、
分析方法。
【請求項7】
前記トークンの前記状態に応じて前記複数のコンテナ内の前記アイテムの前記統計値を取得するステップは:
前記アイテムに対応する前記トークンをフィルタリングするステップと;
前記アイテムの量を決定するために、前記アイテムに対応する前記トークンの発行量を計算するステップと;
を含む、
請求項6に記載の分析方法。
【請求項8】
前記トークンの前記状態に応じて前記複数のコンテナ内の前記アイテムの前記統計値を取得するステップは:
前記アイテムに対応する前記トークンをフィルタリングするステップと;
前記複数のコンテナ内の前記アイテムの配布を決定するために、前記ウォレットの各々の中の前記アイテムに対応する前記トークンの量を取得するステップと;
を含む、
請求項6に記載の分析方法。
【請求項9】
前記トークンの前記状態に応じて前記複数のコンテナ内の前記アイテムの前記統計値を取得するステップは:
前記アイテムに対応する前記トークンをフィルタリングするステップと;
前記アイテムのあるアイテムに対応する前記トークンの前記トランザクション履歴を、前記アイテムの前記あるアイテムの移転履歴を決定するために、検索するステップと;
を含む、
請求項6に記載の分析方法。
【請求項10】
コンピュータシステムであって:
処理ユニット;及び、
プログラムコードを格納するストレージユニット、を有し、前記プログラムコードは前記処理ユニットに次のステップ:
複数のコンテナに対応する、複数のウォレットを含むブロックチェーンネットワークを確立するステップと;
複数のアイテムに対応する第1のトークンを、前記ブロックチェーンネットワークの前記ウォレットの第1のウォレットに、前記複数のアイテムが前記複数のコンテナの第1のコンテナに追加されるときに、発行するステップと;
前記第1のコンテナの前記複数のアイテムの状態に応じて前記第1のトークンの状態を修正するステップであって、前記第1のトークンの状態を修正するステップは:前記複数のアイテムの状態に対応する前記複数のコンテナ内の前記複数のアイテムの配布情報の状態を反映するように、前記第1のトークンの状態に対応する前記第1のトークンの属性を追加又は修正するように前記第1のウォレットから前記複数のウォレットの1つに前記第1のトークンを移転するステップを含む、ステップと;
を実行させるように命令する、
コンピュータシステム。
【請求項11】
前記第1のコンテナ内の前記複数のアイテムの前記状態に応じて前記第1のトークンの前記状態を修正するステップは:
前記ブロックチェーンネットワークから前記複数のアイテムに対応する前記第1のトークンをフィルタリングするステップと;
前記複数のアイテムが監視から外されるときに、前記第1のトークンを消滅させるステップと;
を含む、
請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記第1のコンテナ内の前記複数のアイテムの前記状態に応じて前記第1のトークンの前記状態を修正するステップは:
前記ブロックチェーンネットワークから前記複数のアイテムに対応する前記第1のトークンをフィルタリングするステップと;
前記ブロックチェーンネットワーク内の前記ウォレットの前記第1のウォレットから第2のウォレットに、前記複数のアイテムが前記第1のコンテナから前記複数のコンテナ内の前記第2のウォレットに対応する第2のコンテナに移転されるときに、前記第1のトークンを移転させるステップと;
前記第1のコンテナから前記第2のコンテナへの前記複数のアイテムの移転履歴を追跡するために、前記第1のウォレットから前記第2のウォレットへのトランザクション履歴を前記第1のトークンに記録するステップと;
を含む、
請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記第1のウォレットは前記第2のウォレットと同じであり、前記複数のアイテムの前記状態が変化するとき、前記第1のトークンの属性を修正する、
請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記第1のウォレットは前記第2のウォレットと同じであり、前記複数のアイテムが無効にされるとき、前記第1のトークンの属性を追加する、
請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
ブロックチェーンネットワークを分析するためのコンピュータシステムであって、前記ブロックチェーンネットワークは、複数のアイテムを含む、複数のコンテナに対応する複数のウォレットを含み、前記アイテムは、前記複数のアイテムに対応する複数のトークンを格納するように構成され、前記複数のウォレットの間で移転される前記複数のトークンのトランザクション履歴が、前記複数のアイテムの状態に対応する前記複数のコンテナ内の前記複数のアイテムの配布情報を示し、前記コンピュータシステムは:
処理ユニットと;
プログラムコードを格納するストレージユニットと;を有し、前記プログラムコードは、前記処理ユニットに、次のステップ:
前記ウォレットに格納された前記トークンの状態を検索するステップであって、前記トークンの状態を検索するステップは、前記トークンの状態を記録する前記トークンの属性を検索することを含む、ステップと;
前記ウォレットに関連する前記トークンの前記状態に応じて前記複数のコンテナ内の前記アイテムの統計値を取得するステップであって、前記アイテムの統計値を取得するステップは、前記トークンの属性に記録された前記アイテムに関する統計値を取得することを含む、ステップと;
を実行させるように命令する、
コンピュータシステム。
【請求項16】
前記トークンの前記状態に応じて前記複数のコンテナ内の前記アイテムの前記統計値を取得するステップは:
前記アイテムに対応する前記トークンをフィルタリングするステップと;
前記アイテムの量を決定するために、前記アイテムに対応する前記トークンの発行量を計算するステップと;
を含む、
請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
前記トークンの前記状態に応じて前記複数のコンテナ内の前記アイテムの前記統計値を取得するステップは:
前記アイテムに対応する前記トークンをフィルタリングするステップと;
前記複数のコンテナ内の前記アイテムの配布を決定するために、前記ウォレットの各々の中の前記アイテムに対応する前記トークンの量を取得するステップと;
を含む、
請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項18】
前記トークンは、前記複数のコンテナ内の前記アイテムの移転履歴を追跡するために、前記ウォレット内の前記トークンのトランザクションを示すトランザクション履歴を格納し;前記トークンの前記状態に応じて前記複数のコンテナ内の前記アイテムの前記統計値を取得するステップは:
前記アイテムに対応する前記トークンをフィルタリングするステップと;
前記アイテムのあるアイテムに対応する前記トークンの前記トランザクション履歴を、前記アイテムの前記あるアイテムの前記移転履歴を決定するために、検索するステップと;
を含む、
請求項15に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイテム(item)管理方法、ブロックチェーン分析方法、及びこれらを使用するコンピュータシステムに関し、特に、アイテムとブロックチェーンとの間の関係を確立することにより、アイテムの情報を検索する利便性を高めることができるアイテム管理方法、ブロックチェーン分析方法、及びコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
アイテム管理システムは、在庫レベル、注文、販売、配達を追跡するために適用されることがあり、製造業では作業指示書、部品表を作成するため、又は監視下でアイテム/製品/材料を管理又は保管するために使用されることもある。例えば、店舗は倉庫システムを通じて製品を管理することがあり、工場は生産ラインの資材物流を管理することがあり、ホテル及び運送業者は消費者の好みを調査することがある。そのため、アイテム管理システムは様々な分野で広く使用されており、これは、ユーザが監視下のアイテムに関する情報を記録することを可能にする。しかし、アイテム管理システムは、小規模事業者にとってはコストがかかり、複雑すぎる可能性があり、運営に専任の人員が必要となる。
【0003】
さらに、従来技術では、ブロックチェーンネットワークに基づくアイテム管理システムが提供されており、資産、トランザクション(transactions)、及びその他の情報の所有権の安全な記録又は登録を生成する。しかし、ブロックチェーンネットワークにおけるブロックの増加によりトランザクションの数が増加すると、検索及びアクセス性能が低下する可能性がある。
【0004】
したがって、先行技術を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
従って、本出願の主たる目的は、従来技術の欠点を超えて改善するために、アイテム管理方法、ブロックチェーン分析方法、及びそれらを使用するコンピュータシステムを提供することである。
【0006】
本発明の一実施形態は、アイテム管理の方法であって、少なくとも1つのコンテナ(container)に対応する少なくとも1つのウォレット(wallet)を含むブロックチェーンネットワークを確立するステップと;複数のアイテムが少なくとも1つのコンテナの第1のコンテナに加えられるときに、複数のアイテムに対応する第1のトークンを、ブロックチェーンネットワーク内の少なくとも1つのウォレットの第1のウォレットに発行するステップと;第1のコンテナ内の複数のアイテムの状態(status)に従って第1のトークンの状態を修正するステップと;を含む、方法を開示する。
【0007】
本発明の一実施形態は、ブロックチェーンネットワークの分析方法をさらに開示し、ブロックチェーンネットワークは、少なくとも1つのアイテムを含む少なくとも1つのコンテナに対応する少なくとも1つのウォレットを含み、少なくとも1つのウォレットは、少なくとも1つのアイテムに対応する少なくとも1つのトークンを格納するように構成され、分析方法は、少なくとも1つのウォレットに格納された少なくとも1つのトークンの状態を検索するステップと;少なくとも1つのトークンの状態に従って、少なくとも1つのコンテナ内の少なくとも1つのアイテムの統計値(statistic)を取得するステップと;を含む。
【0008】
本発明の一実施形態は、さらに、コンピュータシステムであって、処理ユニット;及び、プログラムコードを格納するストレージユニットを有し、プログラムコードは処理ユニットに次のステップ:少なくとも1つのコンテナに対応する、少なくとも1つのウォレットを含むブロックチェーンネットワークを確立するステップと;複数のアイテムに対応する第1のトークンを、ブロックチェーンネットワークの少なくとも1つのウォレットの第1のウォレットに、複数のアイテムが少なくとも1つのコンテナの第1のコンテナに追加されるときに、発行するステップと;第1のコンテナの複数のアイテムの状態に従って、第1のトークンの状態を修正するステップと;を実行させるように命令する、コンピュータシステムを開示する。
【0009】
本発明の一実施形態は、ブロックチェーンネットワークを分析するためのコンピュータシステムをさらに開示し、ブロックチェーンネットワークは、少なくとも1つのアイテムを含む、少なくとも1つのコンテナに対応する少なくとも1つのウォレットを含み、少なくとも1つのウォレットは、少なくとも1つのアイテムに対応する少なくとも1つのトークンを格納するように構成され、コンピュータシステムは:処理ユニットと;プログラムコードを格納するストレージユニットと;を有し、プログラムコードは、処理ユニットに、次のステップ:少なくとも1つのウォレットに格納された少なくとも1つのトークンの状態を検索するステップと;少なくとも1つのトークンの状態に従って少なくとも1つのコンテナ内の少なくとも1つのアイテムの統計値を取得するステップと;を実行させるように命令する。
【0010】
本発明のこれら及び他の目的は、種々の図及び図面に示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来技術におけるトークン化ブロックチェーンの概略図である。
図2】本発明の一実施形態によるトークンアーキテクチャの概略図である。
図3A】本発明の一実施形態によるアイテム管理プロセスの概略図である。
図3B】本発明の一実施形態によるブロックチェーン分析プロセスの概略図である。
図4】本発明の一実施形態によるコンピュータシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特定の用語が、特定の構成要素を参照するために、明細書及び以下の特許請求の範囲の全体にわたって使用される。当業者が理解するように、製造業者は、異なる名称で構成要素を参照することができる。本文書は、名前は異なるが機能は異ならない構成要素を区別することを意図していない。以下の説明及び特許請求の範囲において、「含む」及び「有する、含む」という用語は、オープンエンドの様式で使用され、したがって、「含むが、これに限定されない」を意味すると解釈されるべきである。さらに、「コンテナ」という用語は、資産(assets)を含む又は保持する仮想的又は物理的なものを意味する。従って、「ウォレット」という用語は、デジタル資産を預けるように構成される、電子デバイス、オンラインサービス、又はソフトウェアプログラムを意味することを意図している。
【0013】
ブロックチェーン技術は異なるアプリケーションで広く利用され、典型的には、ノード間通信のためのプロトコルに集合的に従い、新しいブロックを検証するピアツーピアネットワークによって管理される。いったん記録されると、ブロックチェーンの任意の所与のブロックのデータは、ネットワークマジョリティのコンセンサスが必要であるその後のすべてのブロックの変更なしに遡及的に変更することはできない。トークン化とは、何らかの形の資産が、ブロックチェーンに移動、格納、又は記録され得る、トークンに変換されるプロセスである。言い換えれば、トークン化は、ペインティング(painting)又はカーボンクレジットなどのオブジェクトの値を、ブロックチェーンシステム上で移転及び操作されることができるトークンに変換する。例えば、計算能力又は電力は、それらがトークン化されているときに取引され得る。
【0014】
図1は、トークン化ブロックチェーンシステム10の概略図である。トークン化ブロックチェーンシステム10は、トークンTK_0、TK_1、TK_2、TK_3及びTK_4、ブロックチェーン12、会社14のウォレット、投資家140、142及び144のウォレット、並びにスマートコントラクト16を含み、各トークンは会社14、すなわち会社の所有権の一部に対して100ドルの資金(fund)を表す。会社14のウォレットが投資家140、142及び144から資金を受け取ると、スマートコントラクト16がトリガされて、投資家140、142及び144のウォレットに少なくとも資金を表すトークンを送り得る。図1に示すように、投資家140のウォレットは、スマートコントラクト16からトークンTK_0、TK_1及びTK_2を受け取り;投資家142のウォレットは、スマートコントラクト16からトークンTK_3を受け取り;投資家144のウォレットは、スマートコントラクト16からトークンTK_4を受け取る。言い換えれば、会社14は、投資家140、142及び144のウォレットからの500ドルの資金を有し、各トークンは会社14の5分の1の所有権を表す。このように、トークンTK_0、TK_1、TK_2、TK_3、TK_4の全てのトランザクション(transactions)は、ブロックチェーン12の複数のブロックに記録される。例えば、ブロック120は投資家140と会社14との間のトランザクションを記録し、ブロック122は投資家142と会社14との間のトランザクションを記録する。ブロックチェーン12のブロックが確認されると、ブロック内のデータは、もはや変更することができない。
【0015】
加えて、投資家140のウォレットは、5分の1の所有権が第3者146に移転されることを表す、売却、贈与、交換、又は承継のために、トークンTK_2を第3者146に移転し得る。より具体的には、トークンTK_2を所有するウォレット140は、法律及び規制の範囲内で、トークンTK_2を実物資産(real assets)の権利として自由に使用し、利益を得、処分する権利を有する。
【0016】
さらに、投資家140のウォレットは、トークンTK_1をサブトークンTK_1_0及びTK_1_1に分割することにより、トークンTK_1の半分をさらに第3者148に移転することができ、これらは10分の1の所有権として表される;換言すれば、第3者148は、投資家140から10分の1の所有権を取得する。トークンを複数のサブトークンに分割することは、トークンの情報が複数のサブトークンにフラグメント化される(fragmented)ことを引き起こし、これは対応するブロック内のフラグメント化されたデータを引き起こすことに留意されたい。さらに、ブロック内のフラグメント化されたデータは、非効率性及び不透明性をもたらす。
【0017】
この点に関し、本発明は、アイテムとブロックチェーンとの間の関係を確立することによって、検索する労力(retrieving efforts)を減らし、運用コスト(operation cost)を節約するためにトークン化ブロックチェーンシステムを管理する方法を提供する。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態によるトークン20のアーキテクチャの概略図である。図2に示すように、トークン20は資産24に対応し、属性220、222及び224を含む。属性220、222及び224は、トークン20のステータスを表し得、資産24のステータスを記述するために利用され得る。例えば、資産24がワクチンのバッチである場合、属性220は、ワクチンのバッチの製造及び/又は検証(validation)の日付を記録し得、属性222は、ワクチンのバッチの移転履歴を記録するためにトークン20のトランザクション履歴を記録し得、属性224は、異なるトークンがワクチンの異なる比率(proportions)に対応し得るようにワクチンの比率(ratio)を記録し得る。別の例では、資産24が1日宿泊券である場合、属性220は1日宿泊券の予約日を記録し得、属性222は1日宿泊券に関するベッド構成を記録し得、属性224は1日宿泊券に対応する部屋の禁煙を記録し得る。さらに、資産24がレストランチケットのバッチ(batch)である場合、属性220はレストランチケットのバッチの予約日を記録し得、属性222は食事オプション(例えば、ベジタリアン、グルテン不耐性の食事、糖尿病の食事、ユダヤ教の食事など)を記録し得、属性224は禁煙を記録し得る。要するに、資産24の状態は、トークン20の少なくとも1つの属性によって記録され得る。
【0019】
加えて、トークン20に含まれる属性の数は変更され得る。換言すれば、実際のシナリオに適合するようにトークン20に新たな属性が追加され得る又は既存の属性が削除され得る。例えば、資産24がワクチンを表す場合、トークン20は、ワクチンが期限切れであるか否かを記述する属性を追加され得る;資産24が1日宿泊券を表す場合、トークン20は、契約が履行されたか否かを記述する義務-履行(duty-performance)属性を追加され得る。
【0020】
特に、本発明は、仮想資産にも適用され得る。換言すれば、資産24は、実物資産又は仮想資産であり得る。例えば、トークンは、インターネットゲームにおける仮想宝物に対応するデジタル資産であり得る。したがって、以下の「アイテム」又は「アイテム(複数)」という用語は、資産が監視のために必要である限り、実物資産又は仮想資産の全体又は一部とみなされ得る。
【0021】
図3Aは、本発明の一実施形態によるアイテム管理プロセス30の概略図である。アイテム管理プロセス30は、以下のステップを含む:
【0022】
ステップ300:開始。
【0023】
ステップ302:少なくとも1つのコンテナに対応する、少なくとも1つのウォレットを含むブロックチェーンネットワークを確立する。
【0024】
ステップ304:複数のアイテムが少なくとも1つのコンテナの第1のコンテナに加えられたときに、複数のアイテムに対応する第1のトークンを、ブロックチェーンネットワーク内の少なくとも1つのウォレットの第1のウォレットに発行する。
【0025】
ステップ306:第1のコンテナ内の複数のアイテムの状態に従って、第1のトークンの状態を修正する。
【0026】
ステップ308:終了。
【0027】
監視中のアイテムの状態を記録するために、実施形態はステップ302においてブロックチェーンネットワークを確立し、ブロックチェーンネットワークは、少なくとも1つのコンテナに対応する少なくとも1つのウォレットを含み、少なくとも1つのコンテナの各々は少なくとも1つのアイテムを含み得、少なくとも1つのウォレットのあるウォレットは少なくとも1つのアイテムに対応するトークンを格納し得る。換言すれば、本実施形態では、ブロックチェーンネットワーク内のウォレットは、コンテナを表し、ウォレット内に格納されたトークンは、対応するコンテナに格納されたアイテムを表す。このような関係により、本実施形態のブロックチェーンネットワーク内のトークンは、対応するコンテナ内の複数のアイテムの情報又は状態を反映するために利用される。トークンがアイテム情報を記録する適切な属性を有している限り、トークンは実施形態において適用され得ることに留意されたい。例えば、図2に示すトークン20は、100回分のワクチンの状態を記録するために、適用され、ウォレットに格納され、100回分のワクチンに対応する。さらに、データの整合性を維持するために、本発明の実施形態は、さらに、トークンに対する修正を記録するために、ブロックチェーンネットワーク内の複数のブロックを使用し得る。例えば、ブロックチェーンネットワークのブロックは、トークン20の属性224を記録し得る。確認済みのブロックを変更できないという特徴に基づいて、ブロックに格納されているデータの精度が確保され得る。
【0028】
ステップ304において、複数のアイテムが少なくとも1つのコンテナの第1のコンテナに追加されたときに、複数のアイテムに対応する第1のトークンを、ブロックチェーンネットワーク内の少なくとも1つのウォレットの第1のウォレットに発行する。換言すれば、「ウォレットとコンテナ」との間及び「トークンとアイテム」との間の関係が確立された後、一旦、コンテナが監視下で新たなアイテムを受け取ると、実施形態は、コンテナに対応するウォレットに対応するトークンを発行する。例えば、図2に示されるトークン20が適用され、資産24が100回分のワクチンである場合、トークン20は、100回分のワクチンが倉庫に移動されるときに、倉庫に対応するウォレットに発行され得る。資産24が1日の宿泊券である場合、トークン20は、取引が行われるときに、買手に対応するウォレットに発行され得る。資産24が財産の所有権の10分の1である場合、トークン20は、所有者が財産の権利を取得したときに、所有者に対応するウォレットに発行され得る。
【0029】
ステップ306において、実施形態は、第1のコンテナの複数のアイテムの状態に従って、第1のトークンの状態を修正し得る。換言すると、本実施形態は、トークンの状態を変更することにより、アイテムのステータスをトークンに記録し得る。一実施形態では、トークンの状態は、トークンの属性に記録され得る。例えば、トークン20の属性220、222及び224は、資産24の状態を記述し得、資産24の状態に従ってトークン20が発行された後に、修正され得る。
【0030】
要約すると、実施形態は、トークンとアイテムとの間の関係を確立する。従って、ユーザがアイテムのステータスを検索する必要がある場合、ユーザは、アイテムの情報を知るためにトークンのステータスを検索することができ、それによって検索する労力を減らし、検索コストを節約する。加えて、トークンは複数のアイテムの情報に対応し且つそれを記録するので、本発明は、各アイテムの情報を記録するためにトークンをサブトークンに分割する必要がなく、それによってデータフラグメントを回避し、検索性能を向上させる。
【0031】
特に、上述の実施形態は、本出願の概念を例示するために利用される。当業者は、それに応じて、本明細書に限定されない修正及び改変を行い得る。例えば、ステップ306において、実施形態は、第1のコンテナのアイテムの状態に応答して、第1のトークンの状態を修正し得る。トークンの状態を変更するために、実施形態は、例えばブロックチェーンネットワーク内の対応するブロックを検索することによって、まず、ブロックチェーンネットワークからアイテムに対応する第1のトークンをフィルタリングし得る。第1のトークンが取得された後、複数のアイテムが監視から外されるときに、第1のトークンは消滅し(burned out)得る。あるいは、トークンは、複数のアイテムが第1のコンテナから第2のウォレットに対応する第2のコンテナに移されるときに、ブロックチェーンネットワーク内の第1のウォレットから第2のウォレットに移され得る。移転状況において、実施形態はさらに、第1のウォレットから第2のウォレットへの第1のトークンのトランザクション履歴を記録して、それに応じて第1のウォレットから第2のウォレットへの複数のアイテムの移転履歴を追跡し得る。
【0032】
加えて、本発明のトークンは、対応するアイテムの任意の情報を表し得る。本発明の一実施形態では、ブロックチェーンネットワークは、製品トレーサビリティシステムに適用され得、各トークンは、製品トレーサビリティシステムの特定製品の移転履歴を記録し得る。本発明の別の実施形態では、各トークンは、100回分のワクチンに対応し得、100回分のワクチンが注射されたときに、村又はクラスのようなグループのウォレットに移され得る。本発明の別の実施形態では、各トークンは、1日宿泊券に対応し得、1日宿泊券が中古市場で譲渡されるときに、購入者のウォレットに移転され得る。本発明の別の実施形態では、各トークンは、財産の所有権の10分の1に対応し得、財産の権利が移転されるときに、それに応じて移転され得る。本発明の別の実施形態では、各トークンは、サービスを取得する権利に対応し得、ユーザは、トークンの属性を検索することによって、映画館又はレストラン内の壁、装飾、又は照明のような好みの座席予約をし得る。
【0033】
さらに、アイテムの移転履歴は、本発明のトークンのトランザクション履歴に従って記録され得るので、ユーザは、必要に応じて、アイテムの移転履歴を検索し得る。例えば、ワクチンの薬効が不十分であると判断されたときに、政府がワクチン納入記録を検索し得る;ホテルが市場調査を行うために移転履歴を検索し得る;さらに、トークンが保証するために為替手形、約束手形、又は小切手を表す場合、メーカーがトランザクション履歴を保証し(endorse)得る。
【0034】
加えて、上述したように、本発明のトークンは、対応するアイテムが監視から外されるとき、消滅し得る。図2を例にとると、資産24が債務である場合、債務が履行された後、資産24は監視から外されると決定され、トークン20は同期して消滅する。同様に、資産24が1日の宿泊券を表す場合、宿泊サービスが完了したときトークン20は消滅し得る。
【0035】
ブロックチェーン内のブロックが確認されると、任意の所与のブロックのデータは、その後のブロックの変更なしに遡及的に変更することはできない;すなわち、確認されたブロックは修正されることができないことに留意されたい。トークンの状態を修正するために、本発明の実施形態は、トランザクション履歴における状態を記録するために、トークンをウォレットから同じウォレットに移転し得る。より具体的には、実施形態は、トークンの属性が、対応するアイテムの(変更又は無効化された)状態を反映するように、追加又は修正され得るように、トークンを第1のウォレットから第1のウォレットと同じである第2のウォレットに移転する。
【0036】
加えて、本発明では、トークンは対応するアイテムの状態を反映し得るので、ユーザはさらにトークンを検索してアイテムの状態を取得し得る。このような状況では、本発明は、さらに、ユーザが、正確な結果を得るために、異なる条件を通してブール検索を行い得るように、ブロックチェーンネットワークのための分析方法を提供する。
【0037】
本発明の一実施形態によるブロックチェーン分析プロセス32の概略図である図3Bを参照されたい。ブロックチェーン分析プロセス32は、上記ブロックチェーンネットワークに適用される;すなわち、ブロックチェーンネットワークは、少なくとも1つのアイテムを含む少なくとも1つのコンテナに対応する少なくとも1つのウォレットを含み、少なくとも1つのウォレットは、少なくとも1つのアイテムに対応する少なくとも1つのトークンを格納するように構成される。ブロックチェーン分析プロセス32は、以下のステップを含む:
【0038】
ステップ320:開始。
【0039】
ステップ322:少なくとも1つのウォレットに格納された少なくとも1つのトークンの状態を検索する。
【0040】
ステップ324:少なくとも1つのトークンの状態に従って少なくとも1つのコンテナ内の少なくとも1つのアイテムの統計値を取得する。
【0041】
ステップ326:終了。
【0042】
ステップ322において、実施形態は、少なくとも1つのウォレットに格納された少なくとも1つのトークンの状態を検索する。例えば、実施形態は、アイテムの状態を判定するために、トークン内の少なくとも1つの属性を取得し得る。ステップ324において、実施形態は、少なくとも1つのトークンの状態に従って少なくとも1つのコンテナ内の少なくとも1つのアイテムの統計値を取得する。図2を例にとると、資産24が中古車であり、トークン20の属性220、222及び224が中古車のエンジン排気量、定期メンテナンス及び水没状態の情報を記録する場合、本発明の実施形態は、ユーザに、2000cc未満のエンジン排気量、5回未満の定期メンテナンス及び水没していない基準でトークン20を検索することを提供し得る。
【0043】
加えて、ステップ324における少なくとも1つのアイテムの統計値は、トークン、コンテナ又はそれらの組み合わせに従って取得され得るが、これらに限定されない。例えば、ホテルは、喫煙禁止の利用可能な部屋を調達し、これらをペンや紙の記録の代わりに喫煙禁止属性によって宣伝する(promote)かどうかを決定するために、1日宿泊券に対応するトークンを検索し得る。銀行は、当該土地が抵当に入れられているか否かを知るために、政府の土地事務所に相談する代わりに抵当属性により土地が抵当に入れられているか否かを知るために、土地の所有権の十分の一に対応するトークンを検索し得る。
【0044】
一実施形態では、本発明は、少なくとも1つのアイテムに対応する少なくとも1つのトークンをフィルタリングし、少なくとも1つのアイテムに対応する少なくとも1つのトークンの発行量(issuing volume)を計算して、少なくとも1つのアイテムの量(quantity)を決定する。例えば、保健省は、期限切れや保管上の不都合などの不必要なコストを避けるために、ワクチンに対応するトークンの発行量を検索することによってワクチンの総量管理を行い得る;ホテルは、1日宿泊券に対応するトークンの発行量を検索することによって、ある日の予約情報を取得し得る。
【0045】
一実施形態では、本発明はまた、少なくとも1つのアイテムに対応する少なくとも1つのトークンをフィルタリングし、少なくとも1つのウォレットの各々の中の少なくとも1つのアイテムに対応する少なくとも1つのトークンの量を取得して、少なくとも1つのコンテナ内の少なくとも1つのアイテムの分布を決定する。例えば、保健省は、完全な調査ではなく、自然人の属性を介して、ワクチン提供の計画の場所(vaccine delivery planning locations)の分布を取得し得る。
【0046】
実施形態では、本発明はまた、少なくとも1つのアイテムに対応する少なくとも1つのトークンをフィルタリングし、少なくとも1つのアイテムのあるアイテムに対応する少なくとも1つのトークンのトランザクション履歴を検索して、アイテムの移転履歴を決定する。例えば、保健省は、完全な調査ではなく、自然人の属性を介して、ワクチン提供の計画の場所の分布を取得し得る。例えば、保健省は、ワクチンの移転履歴を追跡するために、100回分のワクチンに対応するトークンのトランザクション履歴を監視し得る;譲受人は、トークンのトランザクション履歴を介して保証するために、為替手形、約束手形、又は小切手に対応する裏書き履歴を確認し得る。
【0047】
従って、本発明の実施形態は、アイテムの状態を直接取得する必要はなく、トークン内の属性を検索してアイテムの情報を取得し得ることで、検索する労力を節約し得る。換言すれば、実施形態は、資産ではなくトークンについて統計調査を行う。
【0048】
例えば、予約ウェブサイトのビジターは、特定の属性を持つトークンを検索することによって、特定の基準(例えば、禁煙)で利用可能な宿泊施設をチェックすることができるが、レビューされた情報を修正することは許容されない。例えば、研究者は、注射属性を持つトークンを検索することによってワクチン配布情報を取得し得るが、配布情報を修正することは許容されない。特に、上記のブロックチェーンネットワークは、トークンとアイテムとの間の1対多の関係を確立する、すなわち、トークンは複数のアイテムに対応する。しかし、ブロックチェーン分析プロセス32は、上記のブロックチェーンネットワークに適用され得るだけでなく、トークンとアイテムとの間に1対1、多対1、又は多対多の関係を有するブロックチェーンネットワークにも適用され得る。すなわち、トークンが少なくとも監視中のアイテムに対応し得る限り、当業者は、少なくとも1つのアイテムの統計値を得るために、少なくとも1つのトークンの状態を検索し得る。さらに、トークンの状態は属性に限定されない;例えば、トークンの単位(denomination)は、トークンと対応するワクチンとの比率を決定するために使用され得る;トークンの発行日は、トレーサビリティシステムにおける食品の賞味期限を決定するために使用され得る。当業者は、それに応じて、実用化シナリオに適合するように修正及び変更を行い得る。
【0049】
加えて、アイテム管理プロセス30、ブロックチェーン分析プロセス32、及びこれらを用いるシステムは、コンピュータシステムによって実現及び/又は実行され得る。例えば、図4は、本発明の一実施形態によるコンピュータシステム40の概略図である。図4に示すように、コンピュータシステム40は、処理ユニット400及びストレージユニット402を有する。一実施形態では、システム40の各ユニットは、特定用途向け集積回路(ASIC)によって実装され得る。一実施形態では、処理ユニット400は、アプリケーションプロセッサ(AP)又はデジタル信号プロセッサ(DSP)であり得、処理ユニット400は、上述のデータベース及びブロックチェーンアクセスを実現する中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)又はテンソル処理ユニット(TPU)であり得るが、これらに限定されない。ストレージユニット402は、本発明のアイテム管理プロセス30及びブロックチェーン分析プロセス32の機能を実行するように処理ユニット400に指示するプログラムコードを格納し得る。ストレージユニット402は、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、CD-ROM、光データ記憶装置、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)などの不揮発性メモリ又はフラッシュメモリであり得るが、これらに限定されない。
【0050】
さらに、コンピュータシステムは、実用化シナリオに適合するようにそれに応じてさらに修正され得る。例えば、コンピュータシステム40が宿泊予約システムに適用される場合、コンピュータシステム40は、顧客が利用可能な好ましい部屋を見つけ、顧客のために予約するのを支援し得る;コンピュータシステム40が座席管理システムに適用される場合、コンピュータシステム40は、映画館又はレストランが、失効間近の空室に対して自動的にオークションを行うのを支援し得る;コンピュータシステム40が先物マーケティングシステムに適用される場合、コンピュータシステム40は、ブロックチェーンのスマートコントラクト技術を組み合わせて、買い手と売り手の間の取引を支援し得る。
【0051】
加えて、デリバティブは、その価値を、ファイナンスの原資産のパフォーマンスから引き出す契約である。一実施形態では、トークンは、デリバティブに対応する原資産であり得、デリバティブは、店頭デリバティブ又は取引所デリバティブであり得、デリバティブはまた、フォワード、先物契約、オプション、バイナリーオプション、ワラント、スワップ、及びそれらの変形として形成し得る。例えば、マーケットメーカ(流動性プロバイダ)が属性から状態のインデックスを計算することを可能にするように、先物契約は、1日宿泊サービス又は貴金属などの特定の資産に対応するトークンに対して交渉される。従って、ユーザは、平均住宅価格、平均料金、空室率、需給統計、又はそれらの組み合わせなどの指標を用いて決定を行い得る。さらに、トークンは、ユーザがブロックチェーン上の先物契約を取引するのを助け、また、ユーザがアイテムの権利をより容易に引き渡したり移転したりするのを助け得る。例えば、1日宿泊券に対応するトークンを所有する人は誰でも、履行日(performance date)にサービスを受け得る。
【0052】
上述の実施形態は、本出願の概念を例示するために利用される。当業者は、それに応じて、本明細書に限定されない修正及び改変を行い得る。従って、検索する労力を減らすために、アイテム管理システムと、ブロックチェーン内の属性を持つトークンとの間の関係が確立される限り、本出願の要件は満たされ、本出願の範囲内である。
【0053】
要約すると、本発明は、検索する労力を軽減し且つ運用コストを節約するために、トークンとアイテムとの間の関係を確立することにより、アイテム管理方法、ブロックチェーン分析方法、及びそれらを用いるコンピュータシステムを提供する。
【0054】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、装置及び方法の多くの修正及び変更を行うことができることを容易に理解するであろう。従って、上記の開示は、添付の特許請求の範囲の境界によってのみ限定されると解釈されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4